「表と裏ではないが、ふたりで一人前という自覚があった」、中村憲剛×伊藤宏樹・スペシャル対談【前編】
伊藤「あはは(笑)」
中村「うう……いなくなるって……。だから結構、大変だった。2014年から悠がそういう存在になるまでは本当に。要は、宏樹さんがやっていた役割を俺がやって、俺がやっていたことを悠がやらなくてはいけなくなったから。本当はタサ(田坂祐介)だったんですけどね、俺のなかでは。宏樹さん、俺、タサで、いつも3人一緒だった。だから、つなげていこうと。だけど、あいつ(田坂)はドイツに行ってしまった(笑)」
伊藤「そう」
中村「だから、後継者を探さなきゃいけなくなってしまった。
タサは今も仲がいいし、俺と宏樹さんみたいな感じだけど、でも、いなくなっちゃったから、当時は慌てましたよね」
伊藤「あれは慌てたね(笑)」
中村「せっかく宏樹さんがフロンターレの先輩から受け継いできたものを、俺もちゃんと受け継いで、それをタサにつないで、(その次は)悠と決めていたのに、いなくなったから結構大変だったよね」
(写真左より)中村憲剛、伊藤宏樹
――確かに、考えると中村選手と小林選手の間が、世代的にも少し空いている感じはあります。
伊藤「年齢的にね」
中村「タサやタニ(谷口博之)だったんだけど、間にいた選手は全員、菊地(光将)