『カツベン!』高良健吾&現役弁士・片岡一郎が振り返る舞台裏「映画の始まりの時代を生きられた」
観客役のエキストラがひしめく中、カメラの前に立つ。どれだけ緊張やプレッシャーでいっぱいだったかと思いきや、高良の心境はまったく違っていた。
「不安というのがあんまりなくて。いつもの僕ならこんなふうに何か習ったことを披露するときは不安を持ちながらも『とにかくやるか!』って自分で自分を焚きつけることの方が多いんですけど、今回は違ったんですよね。不思議と自信があって。それは稽古でずっと片岡さんが褒めてくれたからというのもあると思うんですけど、すごく楽しんでやれました」(高良)
「撮影のときがいちばんいい出来でした。普通にお客さんから拍手が起きましたもんね。稽古中もこんな習得が早い人っているのかしらというぐらいで。
むしろ途中から教えることがなくて大変でした(笑)」(片岡)
「うれしいです。ありがとうございます!」(高良)
今の映画館では見られない光景が描かれている
大正時代の活気と映画に対する愛がつまった本作。その出来栄えに、高良も自信の表情を浮かべる。
「この作品の魅力は、当時の映画館の雰囲気が映し出されているところ。お客さんはみんな映画というより活動弁士が見たくて映画館にやってきて、面白ければ一緒になってわーっと盛り上がる。