『カツベン!』高良健吾&現役弁士・片岡一郎が振り返る舞台裏「映画の始まりの時代を生きられた」
感覚的なんですけど、僕にはこのやり方がいちばんわかりやすくて。活弁のシーンでは『このキャラクターはこの位置』とイメージしながらやっていました」(高良)
活弁のシーンは不思議と自信を持って臨めた
稽古期間中には、活動弁士役を演じる成田凌、森田甘路と3人で合同稽古や途中経過発表会も行った。
「この映画の肝は、弁士によって同じ作品が違って見えるところ。そこが大事だから、3人が同じ芸になっていないことを確認するためにも一緒に稽古をやってみようかと。そしたら見事に三者三様でしたね(笑)」(片岡)
「三者三様ですね。僕が正統派なのに対し、凌はもう少し遊びがあったというか」(高良)
「茂木は自分の芸がすでに出来上がっているスター弁士。一方、成田さん演じる俊太郎は天才的な才能を持ちながらも、先輩のモノマネから入ってきて、自分の芸を探している成長過程にいる役。成田さんは、高良さんや森田さんと比べても台詞の量が膨大で、当時はまだ試行錯誤されている様子でした。
そんな悩みながらも取り組む姿が、物語序盤の俊太郎と酷似していて、いい生々しさを生んでいました」(片岡)
濃密な稽古を経て、いよいよ撮影へ。