大東駿介×浅野和之 日本初演『What If If Only―もしも もしせめて』は夜、寝る前にふと思い出す芝居
面白いな、大変そうだけど挑戦してみたいなと思って。(大東に)どうでした?
大東最初に台本を読んだ時は、メチャクチャ難解だな!と思いました。でも、要所要所から何かしらの悲しみが伝わって来て。それがいち個人のものだけではなく、今の時代や社会に対する悲しみもものすごく詰まっているんですよね。何度も読んで、解釈していくうちに、とんでもない戯曲に出会えたな!と思いました。自分の人生のこのタイミングで、この作品に関われることは本当に恵まれているなと。
稽古の中で、チャーチルも旦那さんを亡くされた経験をしたと伺いましたが、僕自身もコロナ禍から今に至るまで、社会情勢もそうですけど、苦しくなることがいっぱいあって、大切な人が亡くなる経験もしました。今まさに、自分の中で吐き出さずにいた気持ちを、演劇で表現できる。
ありがたいタイミングでお話をいただいたなと思いました。浅野いや、この台本は読んでもなかなかわからなかったんですよ。なんとなく遠くにボンヤリとしたものは見えて来るんだけど、それがなかなか言葉にできないという感じですね。演出家のマンビィさんの導き方が非常に丁寧で、一足飛びに頂上に行くのではなく、ひとつずつ足場を固めて、山を登らせてくれる。