くらし情報『【立川志らくインタビュー 後編】10回目となった語り納めの独演会で「芝浜」を』

【立川志らくインタビュー 後編】10回目となった語り納めの独演会で「芝浜」を

みんなマスクをしているし、ご年配の方は客席に座っていても不安を感じている。そういう状態がスタンダードになっているのが現状。(柳家)喬太郎が、「どうも何か、(観客席の)ノリが悪いんだよね」って言っているのを小耳にはさんだことがある。彼の場合、マクラでも落語の本編でも、あれこれ脱線してみせながら、お客の雰囲気をみて演じ方を変えていったりすることが多いでしょう。そういった意味からすると、ディスタンス、マスク、不安の三拍子でどうしても客席のノリが悪くなっている中、ノリの部分で勝負する落語はやりづらい。だから、今はあえて、ちゃんとした作品を演じるときだ、という意識に変わっています」

だからこそ、演者は配信に目が向くのかもしれない。落語界は今、若手を中心に、演者がこぞって配信に挑戦している状況。

「無観客の配信は、わたしも5席やった。
それはまさに、作品を残そうというのが狙い。このコロナ禍で、自分の落語をずっと残すためにやろう、ノリの落語は止めよう、という意識できっちり。ジャズの演奏家であるわたしが、クラシックをやるみたいなもの。普段は、クラシックの落語家とジャズの落語家がいるとしたら、クラシック側の落語家は、きっちりやったらジャズの落語家に負けるわけがないと思うだろうし、ジャズ側の落語家は、こっちは楽譜なんかはずれちゃって、そのときのノリでやっているんだから、こっちのほうが楽しいんだよと思っている。

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