坂口健太郎がいつも健やかな理由「悩んだら距離を置いてみる」
実は、初期段階では僕とミキさんが結婚していなかったり、逆に結婚して子どももいる世界線もあったんですよ。ただ、子どもがいるとちょっと難しくなるんじゃないかとか、結婚していないと好きになってはいけない人に心臓が動いてしまう切なさが薄まるんじゃないかとか、そういう話をいろいろとさせてもらいました」
心臓に息づく知らない誰かを演じる難しさ
妻・ミキ(中村ゆり)とささやかな生活を送る大学職員の成瀬和正。幼少の頃から体が弱い成瀬は、自分の人生の「終わり」をかすかに感じていた。そんな中、心臓移植手術が成功し、成瀬の人生に思いがけない「つづき」が訪れる。だがその心臓は、さえ子(有村架純)の亡くなった恋人・雄介(生田斗真)のものだった。
性格も生い立ちも別人。だけど、その体には愛した人の心臓が息づいている。さえ子と成瀬の関係は、いつしか他の誰も踏み込むことのできない特別なものとなっていく。
「成瀬の中でどんどん雄介のパーセンテージが大きくなっていく。でも、時々成瀬に戻ることもあって。今、雄介が何パーセントかなんてことは説明のしようがないから、もう感覚でやるしかないんですよね。撮り終わった今も、正直まだ何が正解だったのかわかっていないところがあって。