坂口健太郎がいつも健やかな理由「悩んだら距離を置いてみる」
だけど、ここで成瀬とミキのシーンが見たいという話を僕のほうからしました。そうでないと、ミキが救われないなと。特に成瀬の台詞があるわけじゃないんですけど、あそこはすごく大事なシーンになったんじゃないかと思います」
雄介の心臓を宿した成瀬は、突然今まで弾いたことのなかったピアノが弾けるようになる。かつてドラマ『ごめん、愛してる』でピアニスト役を演じた坂口だが、本作のために約1年前から練習に取り組んだ。
「(『ごめん、愛してる』で演じた)サトルのときはめちゃくちゃ難しかったんですよ。指が全然追いつかなくて。でも、そのイライラしてくる感覚が、思うようにピアノが弾けないサトルの苛立ちと重なるところがあったから、うまくそれを使えたんですけど、今回はまた別。雄介の心臓によって成瀬は急にピアノが弾けるようになる。
そのことに戸惑いこそすれ、弾けない苛立ちとはまったく無縁で。正直、弾きながら自分と共鳴する部分があるかと言ったらあんまりなかったです。なので、いつもピアノの練習に行くときは、途中から違う曲を練習していました(笑)」
ちなみに、こっそり弾いていたのは坂本龍一の『戦場のメリークリスマス』だったそう。