坂口健太郎がいつも健やかな理由「悩んだら距離を置いてみる」
もちろんカメラが回ったら役になりますけど、なんならその直前まではわりと自分でいることが多いかもしれないです」
「代謝」という言葉を坂口はよく使う。たとえば、劇中ではコーヒーがキーアイテムとなっている。コーヒーのように自分をリラックスさせているものは何かと聞くと、「僕は普段からあんまりストレスが溜まることがない」と前置きを入れた上で、こんな話をしてくれた。
「たぶんストレスの代謝がいいんです。その代謝を上げてくれているのが、人との会話。誰かとご飯を食べながら、なんでもない話をしているうちに、気づいたら胸に生えていたチクチクが溶けている。だから僕は人と会ってる時間が好きなんだろうなと思います」
自らのストレスで自家中毒を起こさない。坂口健太郎がいつも朗らかな空気をまとっているのは、ガス抜きの方法をちゃんと身につけているから。
必然的に、坂口の周りは時の流れがちょっと穏やかだ。でもそれも、ちょっとした空気の澱みに敏感な坂口の気質によるところが大きい。
「やっぱり現場ってしんどいことも多いから、僕は現場で働く人たちにできるだけ楽しみを見つけながら働いてほしいなと思っているんですね。だからちょっと摩擦が起きてるなと感じるところを見つけたら、あえてちょっとバカなふりをするじゃないですけど、みんなが近寄りがたいよねと線を引いてるところに、まるで知らない顔をしてポンッて入っちゃう。