30代女性に増加中! 医師が教える「プレ更年期」の原因と対策
もちろんエストロゲンも、本来は悪者ではありません。内臓脂肪を減らす、骨粗鬆症を予防する、血圧を下げる、肌をみずみずしく保つなど、大切な働きがありますから。両者がバランスよく、しっかり分泌されていることが大事です」
――バランスが崩れてしまったら、どうしたらいいのでしょう?
「私のクリニックでは、減少したホルモンを飲み薬などで補う『ホルモン補充療法』を行います。個人差はありますが、だいたい1~2カ月くらいで体調が戻ってくる方が多いですね。その際は、人間の体内にあるのと同じ化学構造である『ナチュラルホルモン』を使います。保険がきかないので1カ月あたり8000~1万円ほどかかりますが、安全で長く使えるのがメリットです。
現在、日本で一般的に出回っている保険のきく薬は合成のもので、効果が強すぎて副作用の恐れがあるので、私はおすすめしていません。もし使うなら、強い症状が出たときに、一時的に使う程度にとどめてほしいと思います。
ただ、いくら治療しても、閉経が早くなるなどの傾向が見られますから、なんといっても予防が大事です。とくに30代になると、『10~20代のころは調子が悪くても乗りきれたのに、無理がきかなくなった』という方がたくさんいます。