という発言自体が偽証罪に問えないのでしょうか?
星野法律事務所の星野宏明弁護士に伺ってみると……。
「偽証罪は、法律により宣誓した証人が“虚偽の陳述”をしたときに罰せられる罪です(刑法169条)。ここでいう“虚偽の陳述”とは、証人の主観的記憶を基準として自らの体験と異なる内容を陳述することを意味します。
要するに、証人が主観的に記憶している事実と異なる事実を証言することが偽証罪とされます」(星野弁護士)
主観的記憶、つまり証人本人の記憶を基準とするというわけですね。それなら、本当は覚えているはずなのに覚えていないというのは嘘になるのでは?
「『記憶にございません』という供述は、自己の記憶に反する虚偽の事実を証言するものではないため、虚偽の陳述という偽証罪の要件をみたしません。
本当は記憶があるのに、“記憶がない”と嘘をつくこと自体は偽証罪によって罰せられていないためです。偽証罪が成立するにはあくまで、“記憶に反して、虚偽の事実の陳述をする”必要があります。
記憶にないと嘘をつくこと自体は、直接偽証罪で処罰対象とされていないのです」(星野弁護士)
そ、そんな……!法律の抜け穴を突いたよくできたセリフだなんて!!
■それならウソ発見器で白黒ハッキリつけてはどうでしょう!?
では、証人喚問中にウソ発見器や精神科医による分析で白黒をハッキリさせることをしないのは何故なのでしょう?そのほうがスッキリしそうですが。