全然違う! 物件が事前の提示条件と違う場合契約を無効にできる?
■契約の無効や損害賠償を請求できる?
「仲介業者に「静かな場所」と伝えて紹介された部屋が実際にはうるさかったという場合,契約の無効を主張したり,損害賠償を請求したりできる可能性があります。
不動産仲介業者(宅建業者)は,宅建業法によって重要事項を説明する義務を負います。この重要事項は法律で決まっていますが(宅建業法35条),住環境が静謐であることや日照・眺望に関する事項は含まれていません
ですが,重要事項に該当しない事柄であっても,説明義務を負うことがあります。仲介業者は,民法上,「善良な管理者の注意」をもって不動産の売買や賃貸の仲介をしなければならない義務(善管注意義務)を負っています(民法656条,644条)。
この義務の一環として,説明義務を負っています」(高野倉弁護士)
■説明義務違反は個別の事情によって異なる
「何を説明しなければ説明義務違反になるのかは,個別の事情によって異なります。静謐な住環境を売りにしている物件や買主・借主が「静かな場所」を第一の条件にしていることを仲介業者に伝えていた場合,その説明に齟齬があれば,説明義務違反が認められやすくなるでしょう。