全然違う! 物件が事前の提示条件と違う場合契約を無効にできる?
説明義務違反があった場合,買主・借主は,仲介業者に対して損害賠償を請求することができます。
損害賠償を請求できる金額(範囲)も個別の事情によって異なりますが,説明義務違反の程度が大きい場合には,既に支払った売買代金や賃料と同額の損害賠償が認められる可能性もあります。
仲介手数料相当額についても,損害として賠償を請求する事ができます」(高野倉弁護士)
■売買や賃賃借契約を解除することはできない
「売買契約や賃貸借契約それ自体を解除したり,なかったことにしたりする(錯誤無効を主張する)ことはできません。説明義務違反をしたのは,あくまで仲介業者であって,売主・貸主ではないからです。
ただし,仲介業者が,買主・借主の代理人として契約をした場合には,説明義務違反を理由として売買契約・賃貸借契約それ自体を解除したり,それらの契約をなかったことにできる(錯誤無効を主張できる)可能性があります。
錯誤無効が認められるためには,「静かな場所」を契約の必須の条件にしていると仲介業者に伝えていたことが条件になります。単に「私はそう考えていた」「伝わっていると思った」というだけではダメです。