解任で慰謝料請求検討のハリルホジッチ前監督…主張は認められる?
(大達弁護士)
■落ち着きどころは?
「契約の定めがどうなっているかわからない以上、確たることは言えませんが、双方ともに代理人を立てる場合には、契約上の文言に照らし、双方の言い分を互いに検証することになるでしょう。
その上で、自身の主張にどこまでの分があるのかを見極め、交渉による解決を目指すことになると思います。サッカー協会としては、W杯本番直前の段階において、他国に日本代表の情報が流出するリスクをも負うわけですから、場合によっては金銭的決着を見る代わりに、互いに秘密保持義務を課することによってそのリスクを回避するといった解決策も考えられるでしょう。
なお、少し場面が異なりますが、数年前に日本自転車競技連盟が日本代表総監督の解任を巡り、訴訟にまで至ったことがありました。この場合には、契約上解任ができないという条項を含んだ契約であったことから、その解任の是非を問い提訴に至ったものと考えられます。
今回の件の落ち着きどころはまだ見えてきませんが、日本代表選手たちが心ゆくまでサッカーに打ち込み、よい結果を出せるように、早い段階での解決を心から願うばかりです。」(大達弁護士)