増加傾向にある弁護士の犯罪 世間の目が厳しくなるなかでどうあるべきなのか?
ただ、従前の弁護士業界に比べて競争が激化していることは、大きな要因ではないかと思います。例えば、横領のケースでは、事務所の経営難が1つの理由になっているものと思われます。第三者に対する暴行や、盗撮、児童買春などは、ストレスが最も大きな理由でしょう」
■弁護士も悩みを抱えることがある
寺林弁護士:「事務所の収益を上げるためには、不本意な事件を受任しなければならないこともありますし、これまでであればだれも受けなかったであろう事件を受けて依頼者や相手方にひどく翻弄されることも少なくありません。そういう事件が多くなってくると、どうしても気持ちのやり場がなくなってきたりするものです。
同業者の友人は、友人であるとともに、収益という点ではライバル関係に立つものですから、相談したり愚痴をこぼしたりするにも限界があります。
そうやって、悩みを抱え込んだ結果、暴行や盗撮、児童買春などに走る結果になった人も少なくないのではないかと思います。
このような厳しい業界の中で、弁護士はどうあるべきかを考えるのは、非常に難しいことです」
■地道な努力をするしかない
寺林弁護士:「ひとりひとりができることは、非常に地味で地道な努力しかないでしょう。