増加傾向にある弁護士の犯罪 世間の目が厳しくなるなかでどうあるべきなのか?
まずは、一件でも多くの事件を受任できるよう常にアンテナを張り巡らせておくこと、次の紹介につながるように1つ1つの事件を丁寧にこなすこと、これが基本になると思います。
また、業界全体としては、弁護士が参入できる領域を拡大していくことが必要ではないかと思います。最近では、高齢化社会に伴い、後見や信託、福祉の分野に弁護士が参入できうる領域を拡大してきましたが、それだけでは頭打ちになってしまうことでしょう。
弁護士の不祥事を減らしていくためにも、業界全体として「稼げる領域」というものを開拓していくことが、必要なのではないかと考えています」
弁護士といえども人間。「儲からない」「仕事がうまくいかない」などの壁に当たれば、心のバランスを崩してしまい、場合によって犯罪者となってしまうようです。
競争が激しくなったといわれる業界ですが、弁護士を必要としている人が減っているわけではありません。弁護士の力を借りたい人と、仕事が欲しい人。その両者が迅速かつ適正にマッチングするようなシステムが求められているのかもしれません。
*取材協力弁護士:寺林智栄(ともえ法律事務所。離婚・男女トラブル、労働トラブル、交通事故、借金問題、遺産相続、詐欺被害、消費者被害、刑事事件などを扱う)