社員の不正等に絡む労使問題の裁判所の実情と対応のコツ
弁護士によっては、法律相談料や最初にいただく着手金はいずれも無料とし、実際に会社から支払を受けることができた場合にその一部を報酬としていただくというような価格設定をしているところもあり、弁護士に相談しようという心理的ハードルがかなり下がっている実情もあろうかと思います。
不正をした社員を懲戒処分にした結果、会社が慰謝料を請求される恐れがある
弁護士介入により労働審判や裁判に持ち込まれるケースでは、会社が行った解雇処分が有効と判断されるケースは極めて稀です。解雇、特に懲戒解雇処分に関して、法的には非常に厳しい要件が課されています。
解雇処分よりも軽い戒告・減給・停職等の懲戒処分を段階的に踏んで指導の機会を経てもなお改善されない、かつそれが一目で分かる証拠を残しておかないと、懲戒解雇処分は無効とされてしまうケースがほとんどというのが実情。能力不足を理由に懲戒解雇をすることを裁判所が有効と認められることは、まずほとんどありません。
横領や詐欺、背任等の会社に直接損害を与えるような不正事例を行なった社員に対しては懲戒解雇も有効と認められることが多くあります。