【弁護士が語る!】テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでの働き方の難しさ
また、災害現場の取材などでは、制作会社はADに対する安全配慮義務も負っているので、手柄ほしさに危険な取材を無理に行わないよう徹底させることも忘れてはいけません。
スタッフの職務専念義務について
Q.当番組制作会社では、スタッフの勤務態度の悪さが悩みの種です。音楽を聴きながら仕事をしたり、少し目を離すとほかの番組のスタッフと喫煙所で長話、といったことは当たり前になってしまっています。いくら緩い業界とはいえ、何とか改善できないでしょうか?
A.通常の雇用契約では、就業規則などで、スタッフは勤務時間中は職務に専念しなければならない、という職務専念義務が定められています。
会社はスタッフに労働の対価として給料を支払うのですから、スタッフが勤務時間に職務に専念するのは、当然のことです。ところが、テレビ業界の場合は当然ではありません。ディレクターは食事に出かけるとなかなか帰ってこない、疲れ切ったADはトイレで寝ている(テレビ局には「トイレで寝ないでください」という貼紙がされていたりします)、ということが常態化してしまっています。