『アンネの日記』のアンネ・フランクがこの仕事を始めたきっかけです。【私のmono 後編:小林エリカさん】
あたりまえにある日常から、一気に過去や宇宙や魂へつながるような句に、いつも心打たれます。
他にも、津島佑子さんの絶筆である小説『狩りの時代』や、ジュリー・オオツカさんの『屋根裏の仏さま』という、20世紀初頭に写真だけを見てアメリカ大陸へ渡っていった〝写真花嫁〟を題材にした小説も面白いですよ」
先頃まで、軽井沢ニューアートミュージアムで行われていた『Trinity展』では、初めてガラス作品に挑戦した。美しさに惹かれるというウランガラスで作ったドルマーク。
今描きたいのは、目に見えないこと。
最後に、小林さんの今後の活動について率直に語ってもらった。
「コミックと小説、展示という表現で、目に見えない歴史のようなものを、今の私が生きているところから繋がっているように描いていけたらと思っています。
特に、コミック『光の子ども』でも題材にしている放射能は、良いとか悪いと言った時点で、何か見えなくなってしまうものが大きいと思うんです。
私は、そこからこぼれたものを見たいという気持ちなんですよね。
放射能って、それこそ発見された当時は夢みたいなエネルギーだったと思うし、それと同時にすごく恐ろしいものでもあって。