早乙女友貴、殺陣激しく「貧血」新劇場こけら落とし『アラタ』開幕
ゲネプロは、Elina演じるOL・こころの日常を描くシーンからスタート。満員電車に揺られて出勤し、上司から仕事のダメ出しを受け、閉塞感を覚えていく様子を、Elinaは複数のダンサーを従え、緩急ある動きで表現する。そんなこころの前に現れたのは、早乙女演じる戦国時代からタイムスリップしてきたサムライ・アラタ。悪霊と戦っている最中に2020年のトーキョーに吹き飛ばされた彼をこころは元の時代に戻そうとするが、怨霊の玉野尾らが過去から追いかけてきて――。
これまでの出演作で見事な立ち回りを披露してきた早乙女の峻烈な太刀裁きは、本作でも健在。居並ぶ敵を見据え、時には両刀使いで次から次へとなぎ倒していく。また殺陣の中にダンスや蹴り技などのアクションを融合させ、低い重心だけにとどまらない軽やかな身のこなしも披露。戦国時代にはない自動販売機の存在に驚いて炭酸飲料を噴き出し、トイレのウォシュレットを壊してしまうチャーミングな“サムライ”ぶりでも客席を魅了した。
終演後の囲み取材では、横内が終演後の楽屋を訪れたエピソードを紹介。激しい動きの連続に倒れ込んでしまった早乙女とElinaの姿を見て、「豪華な設備で最新技術が投入されている作品だけど、やっぱり最後に我々の胸を打つのは人間の力」