デビュー10周年公演は、特別なプロコフィエフと共に
滝千春撮影:鈴木恵
滝千春が、大好きなプロコフィエフの作品で、デビュー10周年記念リサイタルを行う。
滝千春(vl) チケット情報
「語り掛けてくる旋律、独創的で誰も思いつかない音楽の展開がとても好き。彼が作るリズムも、私に合っているみたいです」
作曲家に向き合うとき、多くの場合は意識して心がけることがあるという滝だが、プロコフィエフに関してはそんな努力を必要とせず、「唯一意識することがあるとすれば、どう弾けば自分が楽しいか、聴く人に楽しく聴こえるか」だと話す。
「高校2年生で初めてソナタ第2番に取り組んだときから、自然で何の無理も感じませんでした。近代ロシアの作曲家に親しみを感じることが多いようです。スターリン体制下で思い通りの活動ができない葛藤のなか生まれた、美しいだけでない音楽に共感するのかもしれません」
今回は原曲がヴァイオリンの作品と、バレエ音楽の編曲ものなどを取り上げる。「まず、ヴァイオリニストだからこそ表現できるプロコフィエフの魅力を伝える意味で、ふたつのヴァイオリンソナタは欠かせません。加えて、彼が大切にしていた物語というものが存分に表現できる作品を取り上げます。