くらし情報『「老い」を巡る悲喜劇を橋爪功が円熟の演技で魅せる』

「老い」を巡る悲喜劇を橋爪功が円熟の演技で魅せる

橋爪功 (C)吉田タカユキ

橋爪功 (C)吉田タカユキ


衰えていく肉体と精神に困惑する老父とフォローに疲弊していく娘。父娘を軸に、観客自身も高齢者の視点を体験するという斬新な手法で書かれ、フランス演劇賞最高位のモリエール賞最優秀脚本賞を受賞した『Le Pere 父』が2019年2月に上演される。

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作者フロリアン・ゼレールは教師から作家へと転身し、30代前半で今作を書き上げた俊才。現代版『リア王』とも呼ばれ、既に世界30か国以上で上演された戯曲の日本初演で主人公アンドレを演じるのは、舞台はもちろん映像作品でも第1線を走り続ける橋爪功だ。

「薄紙に包まれた劇薬。戯曲を一読し、そんな感想を持ちました。人が、普段はできれば考えたくない、直視したくない生命体としての不安や孤独に満ちていて、観終えたあと、安易に感想を言い合ったりしたくならない作品。だからこそ信頼して観客に丸投げできるし、同時に俳優の立場からは四の五の言えない逃げ場のなさが、現実逃避しがちな自分に良い刺激になるんじゃないかと思って」とニヤリと笑う橋爪の口元には、既にフランス的皮肉なウィットが浮かんでいる。


演出はオリジナル初演を手掛けたラディスラス・ショラー。

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