コロナ対策の再演版『スケリグ』に、浜中文一「安心して楽しんで」
舞台『スケリグ』 撮影:岡 千里
浜中文一が主演する舞台『スケリグ』が、7月31日に開幕。これに先駆け、公開ゲネプロと取材会が行われた。
イギリスの作家デイヴィッド・アーモンドが執筆した同タイトルの小説を、アーモンド自身が戯曲化した本作。再演となる今回もウォーリー木下が演出を手がけ、浜中がタイトルロールを続投する。このほか、出演者には新キャストとなる大東立樹(ジャニーズJr.)と清水らら、初演キャストの奥村佳恵、工藤広夢、金子昇、瀬戸カトリーヌが名を連ねた。
物語は、古い家に引っ越してきた少年マイケル(大東)と、荒れ果てたガレージの片隅でうなだれる埃にまみれたスケリグ(浜中)の出会いを機に動き出す。大きく捻じ曲がったスケリグの背中に“何か”を感じ取ったマイケルは、隣家の少女ミナ(清水)と一緒に彼を助けようと冒険へ乗り出す。
不思議な言動を繰り返す異形のスケリグを、浜中はミステリアスに造形。
マイケルやミナとの幻想的な邂逅によって、次第に生命力を取り戻すギャップが特に印象深い。大東は純粋なマイケルをひたむきに、清水は風変わりながら聡明なミナをはつらつと立ち上げた。プロジェクションマッピングや影絵を駆使したウォーリーの演出、舞台上手のブースでさまざまな音を奏でる吉田能の生演奏にも注目したい。