村上春樹の「さみしい」物語の主人公はたいてい都市で生活している
「さみしさ」を解消しようとしてはいけない
藪からスティックな話なのだけど、実は私、結婚式が大嫌いである。私の年齢はもうすぐ三十だが、参加した結婚式よりも、参加を断った結婚式のほうが多い。もちろん、これが決して褒められた話ではないことは十分に承知している。
結婚式(披露宴)が嫌いな理由はいくつかあって、まず、新札を用意したり、ご祝儀袋に筆ペンでぷるぷるしながら書いたりする作業が苦痛でならない。それから、学生時代の友人の式に出席する際は、同級生と世間話として近況報告をしなくてはいけないのが嫌である。
極め付けは、新婦が涙しつつ読む、親への手紙だ。あれを見るともらい泣きしそうになる反面、「お前は昔、もっとロックでリベラルな奴だった! それがなんだ、いつの間にこんな保守層に成り下がりやがって!」と社会に対する憎しみが湧いてくる。
あとはやっぱり、先にそれを言えという感じだが、自分だけが未婚のまま取り残されてしまう感覚が、どこかさみしいのだろう。
結婚式は命を懸けて出席しろ!
あまりにも嫌いなので、いっとき結婚式を批判する正当な理由を探そうと、世界各国に散らばる民族の、婚姻の習慣について調べてみたことがある。