マリッジブルーも癒されて【新宿に建売住宅の値段で注文住宅を建てて住んでいます】
■ 時間とともに気持ちは馴染んでいく
そう、建築条件付きの家造りにジタバタ飛び回っている間に、いつしか鳥の心は、四ツ谷くんから新宿くんへと移っていったのです。
別件の用事があり、数か月ぶりに四ツ谷くんに会いに行ってみたところ、
「えっ……こんな感じだったっけ……?」
ケイセイ / PIXTA(ピクスタ)
四ツ谷くん周辺の私道はかなり幅が狭めだったため、「こんな狭かったっけ……あれ……あれ……」と違和感を感じてしまったのです。
あんなに恋い焦がれていた四ツ谷の空気感にも、心がときめかない。
見上げた空に、私を取り囲んで見下ろすビル達がいない。
「ああ、私は、いつのまに新宿くんが馴染んでしまった」
と気づいた瞬間でした。
まだまだ先の話ですが、晴れて希望通りの注文住宅が建てられた直後にも、鳥は新築ブルーになりました。
でも、それも時間とともにおさまっていきました。
人の心って、このように、時間とともに順応してしまうのですね。
しかし新宿くんに気持ちが移っていったことで逆に問題が大きくなりました。
希望すれば100%叶うであろう「白紙解除する」という方針から、
「R社の仕様の家はイヤだ。