元NHK記者の医師が明かす「大病院だと長時間待たされる理由」
当然のことながら、医師の数が十分でないこと、もしくは大病院を受診する必要のない患者さんも大病院に集中してしまうことが。患者さんを長時間待たせてしまうことの一因だと、著者も認めています。
医師のがんばりと患者さんの忍耐がギリギリのバランスをとることで、なんとか成り立っているというのが現状なのだそうです。
ちなみに著者は都内の公立病院に勤めていたころ、15人から20人の患者さんを病棟で受け持っていたそうです。みんな、がんや肺炎の患者さん。
しかもそこは臨床研修指定病院という、研修医を育てる病院でもあったので、医学部を卒業したばかりの研修医とともに患者さんを診察していたといいます。
本書のなかでは、そのころの状況の一例が紹介されていますが、これがなかなかハード。
■遅れても無理はない診察スケジュール
・外来がはじまる8時半、一緒に回診していた研修医に、その日行うべきことを記したメモを渡して指示を出し、外来へ。
・外来の診療枠はほとんどが予約で埋まっているものの、近隣のクリニックから紹介状を持参して来院する患者さんや当日突然受診する患者さんもいるため、診療スケジュールは次第に遅延していくことに。