脳の前頭前野が鍛えられる!1歳からOKな算数力のトレーニング
しかし本書によれば、この前頭前野がよく働くことのメリットは、単に「計算ができるようになる」「算数の成績がよくなる」ことだけにとどまりません。
社会性をもったひとりの人間としてバランスよく成長するために、おおいに役立つことがたくさんあるのです。
■前頭前野を鍛えてバランスよい人間に
前頭前野の働きには、具体的にどんなものがあるのでしょうか。
たとえばなにかの作業をする際に、その方法や時間配分を考え、ダンドリよくする能力。おおまかな塊からおよその量の見当をつける「概算」も前頭前野の領域です。
寿司職人が手の感覚で正確にシャリの量をつかみ取ることができるのは、この働きによるもの。子ども同士の場面でも、たとえばおやつをみんなで分けるときなどに活きてきます。
さらに、美しいものを見て感動する感性が育ちます。
脳科学の実験では、優れた数学者が数式や数の配列を見て美しいと感じているとき、前頭前野の前の内側部分が働いていることが判明しました。そして、これは普通の人が美しい芸術作品を見たり、美人の顔を見たりした時に働く場所だったのです。
前頭前野がよく働くと社会性が生まれ、人づきあいがうまくなります。