100歳の精神科医が伝授!人生で「匙加減」が非常に大切な理由
だから「匙加減をうまく見極めようと思ってもお手本などはないだけに、誰かを真似ることはできない。
けれども、自分の軸が1本しっかり貫かれていたなら、言動も一貫してくるものだ」と著者は主張します。
■昔のがん告知はかなり苦労があった
ところで近年は、日本人の2人に1人が、がんで逝く時代となっています。そうであるだけに、ますます大切になっているのは、がん患者さんへの心のケアです。
ましてや著者が若かったころは、治療法がまだ少なかったこともあり、「がん=死」というイメージが強かったといいます。
そのためか、「がん告知」はいまよりデリケートな問題だったのだそうです。
著者が医師の仲間に聞いた話によれば、昔は「患者さんご本人に、がん告知をしない」のが常識だったというのです。
そこで医師は患者さんのご家族と綿密に打ち合わせをして、「いかに本人にがんであることを悟らせないか」、心を砕いていたのだそうです。
もちろんいまでは、患者さんご本人にきちんとがんの種類などについて説明し、治療方針を決めることが常識になっています。とはいえそれは、がんの治療法が進歩したことの裏返し。昔とくらべれば「ありがたい」