サカイクがお届けする新着記事一覧 (13/34)
サッカーをしている子どものためにあれこれサポートをしている保護者の皆さん、時には「やりすぎたかな」とか「このやり方で良かったのかな」と考えることもあるでしょう。チームの先輩パパママたちも、同じような経験をして親としての在り方を学んできたものです。今回は、サカイクに賛同してくれて様々な活動をしている島根県の大東JFCの保護者の方々に、どんな経験や失敗をしたことがあるのかを伺ってみました。サッカー少年の保護者のみなさんにとって「あるある」と共感いただけるエピソードや、親として考えが変わった理由などリアルな体験をお話しいただきました。写真は少年サッカーのイメージですサカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■保護者の「私これやってました」1番多かったのは......サッカーは本人が好きでやっているもの、仲間とコミュニケーションを取りながら楽しんでくれればいい。最初はそう思って始めたはずなのに、試合を経験するころになると我が子の「できなかったところ」に目が行ってしまい、帰りの車の中や、チームの送迎がある場合は帰宅した後に「反省会」になってしまう日が増えていませんか。大東JFCの保護者の皆さんも、以前は帰りの車での反省会が多かったと教えてくれました。「あの時のプレー、どうしてシュート打たなかったの?」「もっと、こうできなかった?」など試合を見ていて気になったところを反省する時間になっていたそうです。何人もの保護者の方が「私も反省会しちゃってた~」「うちもです」と、「帰りの車での反省会」経験を明かしてくれました。保護者の皆さんがやってしまいがちな行動としてよく聞かれる「帰りの車で反省会」。子どものためを思って、良くなかったプレーを反省して次に生かしてほしいという親心ではありますが、子ども自身も良かったプレーや良くなかったプレーは分かっているものです。また、子どもの年齢やサッカーの習熟度にもよりますが、考えて「あえて」そのプレーを選択した場合もあれば、咄嗟にそうしてしまった場合もあるわけで、「どうして?」と聞かれても、子どもとしても明確に答えられないこともあります。なにより、毎回試合の帰りに反省会になってしまったら車の中の雰囲気も暗くなり、子どももムッとして話したくなくなります。大東JFCさんでは、子どもを伸ばすために大人がどうあればいいか保護者が学ぶ機会を設けたり、サッカー少年の親の心得「サカイク10か条」の共有、サカイクの連載でもおなじみの池上正さんの書籍を保護者に紹介して読んでもらい、理解を深める機会を設けていることもあり、そのような時間を経て保護者の皆さんも「車の中での反省会」をやめるようになったそうです。今では「反省会」ではなく、「今日はどうだった?」という聞き方でお子さんとコミュニケーションを取るようになったと教えてくれました。■試合後すぐにダメ出ししていた過去ほかにも、試合が終わった後に「あの時パス出せたじゃん」「どうして負けちゃったの」など、その場でダメ出ししていた過去がある、という方も。会場によっては、選手エリアと観客エリアが分かれていたりしますが、ジュニアの大会では保護者もすぐ近くで応援できたり、子どもたちのそばにいられることも多いので、ついつい思ったことをそのまま伝えてしまうこともあるかと思います。大東JFCでこのエピソードを教えてくれた保護者の方は、チームの先輩保護者たちに「そういった発言は、子どもたちを委縮させるよ」「伸び伸びプレーすることが子どもを伸ばすんだよ。静かに見守りましょう」と言われたことで、ハッと気が付き自分の言動を見直したのだと教えてくれました。そうやって、諸先輩方のアドバイスを受け、子どもを伸ばすために親はどうあればいいのかを考え、変わることができたのだそう。大人になるとなかなか自分を変えることが難しいものですが、親御さんたち自身も謙虚に人の声を聞く姿勢を持てていたので変わることができ、親としても成長することができたのでしょう。いかがでしょうか。みなさんも子どもを応援しているゆえに、上手くなってほしい、頑張ってほしいという思いが強くなり、帰りの車や夕食の席で反省会をしたりプレーへの指摘をしてしまうこともあると思います。今回紹介したような体験は、親御さんたちにとって「よく聞く話」かもしれません。ですが、「人の振り見て我が振り直せ」という言葉があるように、あらためて他人の体験談を知って気づくこともあるのでは。お子さんに本当に心からサッカーを楽しんでほしいなら、このような体験談をもとにいま一度親としての接し方などを考えてみてはどうでしょうか。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年11月15日2022年シーズン、残り2節を残し、J3昇格を決めた奈良クラブ。2020年に浜田満氏が社長に就任すると、2021年には、スペイン・バルセロナで誕生した『エコノメソッド』よりフリアン監督を招聘。就任2年目にして、チームを3位以内(11月8日時点)に導き、悲願のJ3昇格を達成しました。そこで今回は、チームを率いて2年目ながら大きな成果を残したフリアン監督に、奈良クラブ躍進の秘密と、クラブに導入したエコノメソッドについて伺いました。子どもたちに向けたアドバイスもいただいたので、ぜひ参考にしてみてください。(取材・文鈴木智之)Jリーグ昇格を果たした奈良クラブの選手たち(写真提供:奈良クラブ)サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■「エコノメソッド」で目指すスタイルやアイデンティティが明確になったフリアン監督は就任から現在を振り返り、「クラブがエコノメソッドを導入すると決断したことで、目指すべきサッカースタイルやアイデンティティが明確になりました」と話します。エコノメソッドは海外のサッカー協会やクラブチームなどが取り入れており、日本のJクラブでは、アルビレックス新潟が導入していたことでも知られています。10年ほど前、エコノメソッドを日本に持ち込んだのが、奈良クラブ社長の浜田満氏でした。以降、育成年代やプロ選手のコンサルティング、サッカースクールやキャンプ、指導者講習会などを通じて、エコノメソッドの考えは広く知られるようになりました。いまでこそ当たり前のように聞く、「認知・判断・実行」というフレーズを使い始めたのもエコノメソッドです。■ペナルティエリアでのプレー向上に取り組んだフリアン監督はヨーロッパやアジアで指導を経験し、エコノメソッドスクールや指導者講習会、プレーコンサルティングなどを通じて、日本サッカーとも近くで接してきました。日本サッカーをよく知るフリアン監督は「日本の人々が志向するサッカーは、自分の考えに近いと感じた」と言います。「一番は、チームで連携してボールをつなぐことです。日本の人々が志向するスタイルは私も好きで、ポジティブに捉えています。奈良クラブの監督に就任したとき、それを踏まえた上で、どれだけ多くのゴールチャンスを作ることができるかを考えました」監督就任前、奈良クラブの試合を分析する中で、向上の余地があると感じたのが、ペナルティエリアでのプレーだったそうです。「自陣エリアの守備で言えば、まずはサイドからクロスボールを入れさせない役割が重要で、相手に考える時間を与えないように、アグレッシブに守備をすることも必要です。ペナルティエリアでは、誰が誰をマークするのか。それに加えて、誰がセカンドボールに対応するのか、どの場面でクリアするのかにも取り組んできました」攻撃では「相手よりも、多くの選手がペナルティエリアに進入すること」をテーマに、「できる限りチャンスを逃がさず、シュートを打つこと」を重視していたそうです。エコノメソッドが自宅で学べる!詳しくはこちら>>■アイデアを信じて我慢強くやり続けることで結果が手に入る喜びを表現するフリアン監督(写真提供:奈良クラブ)フリアン監督の指導を支えてきた通訳の岡崎史郎さんによると「1年目はエコノメソッドを知っている選手がいなかったので、苦労している様子が見えましたが、シーズン半ばを過ぎたあたりから、チーム内で共通のアイデアができ始め、勝ち点を取れるようになりました」と振り返ります。就任1年目はコロナ禍で来日が遅れ、指揮を執ることができたのが6月からでした。今年で2シーズン目になりますが、「1年目はチームのベースづくり、アイデンティティの浸透に力を入れてきた」と言います。「変革の最中にあるとき、1年目は苦労するものです。しかし2年目になると、昨シーズン作り上げたベースをもとにチームを構築し、戦うことができました。それが結果に表れているのではないでしょうか」フリアン監督は「何かを成し遂げようとするときは、アイディアを持った上で、絶対に遂行できるんだと信じることが大事」と力を込めて話します。「奈良クラブは浜田社長がアイディアを持ち、それを遂行するため、我々にピッチの中のことを託してくれました。クラブの社長や強化の責任者、スポーツダイレクターと呼ばれる人は、新しい価値観をクラブにもたらすとき、最初はうまくいかなかったり、難しい状況に追い込まれることもあると思います。そこで『これはダメだ』とすぐに変えるのではなく、我慢して信じ続けることが大切なのです」フリアン監督は、スペインの名将を例に挙げて説明します。「グアルディオラ監督が、FCバルセロナの監督に就任したときもそうでした。クラブは難しい状況でしたが、社長をはじめとする幹部が、彼を信じて任せました。それによって、歴史に残る素晴らしい時代を築くことができました。アーセナルのアルテタ監督も同様です。大事なのは、アイディアを信じて、我慢強くやり続けること。その先に、結果が手に入るのだと思っています」■子どもたちには「決断力をもってプレーすること」を心がけてほしいフリアン監督は子どもたちの指導も経験していますが、サカイク読者へのアドバイスを求めると、次のように話してくれました。「子どもたちには、決断力を持ってプレーすることを心がけてほしいです。例えば、相手をかわす、突破するチャンスがあれば、積極的に仕掛けていくこと。守備では、体や腕を使って、アグレッシブにプレーすること。どんな場面でも、100%を出すことを忘れずにプレーすると良いと思います」エコノメソッドは各地でスクールを開いており、短期間のキャンプも実施しています。スクールでは、賢い選手になるためのトレーニングを受けられます。奈良クラブでは、それらのエッセンスを発展させた、トップチーム向けの「エコノメソッドプロ」を導入することで選手たちが素早く学び、結果に結びつけることができたと言います。育成年代のみならず、Jリーグの舞台でエコノメソッドを導入した奈良クラブが、来シーズン、J3でどのような躍進を遂げるのか、注目です。エコノメソッドが自宅で学べる!詳しくはこちら>>
2022年11月14日考えてプレーするために「離れて見守る指導」をしたいけど、さじ加減が難しい。学校や塾の手厚いサポートに慣れている親たちは「もっと子どもに構ってあげてほしい」と言うし、子ども達は思考するのが面倒なのか「早く正解を教えて」と言う。離れて見守る指導について保護者に理解していただくためにはどうしたらいいの?と言うご相談をいただきました。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、離れて見守る指導を提唱してきた池上正さんが、具体的なアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<人数が少なく全学年一緒に練習技術にもサッカー理解にも差がある子どもたちにどんなトレーニングをすればいいか教えて<お父さんコーチからの質問>はじめてお便りします。地域の少年団で指導をしています。指導年齢はU-10です。保有しているライセンスはD級で、指導についてはJFAのセミナーなども受けて情報をアップデートしているつもりです。チームはどちらかと言えば弱い方です。県大会に出場するようなレベルではなく、市の大会でも上位進出は稀です。強さに関して保護者から何か言われることはありません。最近池上さんの指導を知りました。考えてプレーするために、手をかけすぎず離れるという指導に共感し、普段のトレーニングで実践しようとしているのですが、「さじ加減」が難しいなと感じています。上手に子どもたちから離れるために、気を付けることはどんなことでしょうか。最近は学校が「手厚いサポート」「面倒見の良さ」を売りにしているところも増えているためか、保護者も我が子にたくさん構ってほしいと言いますし、子どもたちも思考するのが面倒なのか「早く正解を教えて」と言います。保護者に理解していただくために、どんな風にすればいいのか。どんなトレーニングなら保護者に「離れる」ことの大事さを気づいていただけるのか、教えていただけませんでしょうか。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。上手に子どもたちから離れるコツは、拙書『伸ばしたいなら離れなさい』(小学館)に書いてあります。もしまだ読まれていないのであれば、こちらをお勧めします。■「黙っているだけで何もしない」コーチだと思われないよう、最初に保護者に伝えることが大事最初に親への対応を説明します。例えば子どもに自分で考える機会を持たせるため、コーチが余計なことはなるべく言わないようにしようと試みるとします。そうすると、保護者の反応は「コーチは、子どもに何もしてくれない」になりがちです。外から見ていると、コーチ側は子どもの表情や、次にどうするかを見守っているのに、それを「黙っているだけで何もしない」と誤解されるのです。これは、保護者の方々が子育てに「見守る」という行動が重要であることをご存知でないこと、保護者が描くサッカーコーチ像が「手取り足取り技術を教えてくれる人」であることが影響していると思われます。したがって、離れて見守ることの価値を、トレーニングを見せることで親たちに理解させるのは難しいでしょう。そこをクリアしていくためには、コーチ側が親とコミュニケーションをとることが不可欠だと考えます。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■保護者に理解していただくための具体的な方法その2次に、ゲームで子どもたちに何か伝えるとしたら、親御さんたちの目の前でこんな声をかけます。「コーチね、見ていて気になっているんだけど、みんな少し片寄ってないかな?どう思う?」子どもたちに「片寄るな!」と注意するのではなく、「どうだった?コーチにはこう見えるけど、どうしたらいいかな?」とヒントになる問いかけをするのです。より具体的に言えば、最初に状況を説明します。例えば、子どもたちが、ボールにばかり集まっていること。全体のバランスが悪いことなどです。「みんな、練習のとき、コーチは何て言ってる?」指導者が尋ねると、子どもたちは「広がれって言ってる」などと答えます。「オッケー。みんな、わかってるんだよね。じゃあ、それをコーチが言わないとできないのかな?気づいてたなら、気づいてた人が言ってあげればいいよね。でないと、いつもコーチが言わなきゃいけなくなるよね」そんなふうに伝えてください。■試合も「離れて伸ばす指導」を伝える良い機会試合の時も、保護者に「離れて伸ばす指導」の内容を伝える機会になります。練習よりも試合のほうが親御さんはたくさん来るからです。例えば、ハーフタイムで子どもたちに話をする際「子どもたちの後ろにきてくださーい」と、保護者に声をかけます。その際、上述したようなコーチの問いかけや、子どもたちとのやり取りがあるかと思います。どれも子どもに自分で考えさせる仕掛けが隠されているはずです。そこを聞いてもらえばいいのです。さらにいえば、冒頭でふれたように、親たちは少なからず「どうして何も言わないのか?」と感じています。それらは焦りや憤りに近いものです。親たちはわが子に上手くなって欲しいし、チームに強くなって欲しいと願ってこそなので、そこを察して説明することが重要です。■保護者の気持ちにも寄り添いながら、理解を深めていこう(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)私のチームでは試合後、子どもたち全員に「今日の試合はどう思いましたか?」と尋ねます。見に来た親に向かってしゃべってもらいます。すると、子どもたちはどんどん発言します。例えば4試合とも負けたとしても「ワンツーが結構使えた」とか「ボールがとれるようになった」と前向きな話が多いです。そこで私は「いやに前向きですね。全部負けてるのにねえ?外から見てるとちょっと違いますよね」などと笑いながら親に向かって言います。親御さんの気持ちをほぐすためです。個人差はあるかもしれませんが、保護者は負けたことにショックを受けています。悔しいし、悲しい。情けない気持ちももしかしたらあるかもしれません。その気持ちを、指導者は知っておかなくてはいけません。保護者の気持ちに寄り添うのです。よって、子どもたちには「確かにできたことも多かったね。だったら、もっと使えばいいよね。そうすれば試合の中身も違ってくるよね」と次の課題があることを示します。ただし「自らやろうとすることが大事なんですよね」と保護者に伝えてください。そうやって理解を深めながら、親子で成長できるチームを目指してください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年11月11日サッカー日本代表として、日韓W杯に出場した森岡隆三さん。現役時代はクレバーな守備が光るDFとして、清水エスパルスや京都サンガで活躍しました。引退後は京都サンガU-18やガイナーレ鳥取の監督を経て、現在は清水エスパルスの「アカデミーヘッドオブコーチング」として活動中です。選手として、監督として、そしてアカデミーでの経験も豊富な森岡さんに「保護者のあり方」について、話をうかがいました。(取材・文鈴木智之)日韓W杯には代表のキャプテンとして出場した森岡隆三さん<<前編:元日本代表に聞く、サッカーで成長するための目標の立て方とサッカーノートの書き方サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■サッカーをする目的がプロになることだけ、なのはよくない森岡さんは、元プロサッカー選手として、サッカーをするお子さんを持つ父親として、子どもと向き合う際に大切なのは「期待はしても、押し付けはしないこと」だと言います。「僕はいま、清水エスパルスのアカデミーに関わっていますが、1学年10人の選手がいたとして、その中からプロになれるのは1人か2人です。それぐらい狭き門なのですが、親というのは『うちの子に限って大丈夫』『プロになれる』と思ってしまいがち。まずはその気持ちを手放すことから始めるといいと思います」さらに「サッカーをする目的が『プロになること』だとしたら、あまり良くはないのではないでしょうか」と優しく語りかけます。「サッカーをする中で、目標の一つが『プロになること』であればいいのですが、僕自身サッカーをする目的は、人生を豊かにするための学びを得ることだと思っています。僕はプロになって、日本代表にもなりましたが、プロサッカー選手でいたのは15年です。人生という長い目で見ると、サッカー選手でいる以外の時間の方がはるかに長いわけです」だからこそ「サッカー選手になることだけが、目標になってはいけない」と言葉に力を込めます。「大切なのは、人として成長すること。育成年代の選手には『アカデミーを卒業するまでは、次のステージへの準備期間だからね』と伝えています。ジュニアであれば、ジュニアユースへの準備期間。ユースであればプロもしくは大学、社会人への準備期間です」■その子なりのやり方、スピードを理解して課題克服のプロセスを踏ませよう森岡さんは桐蔭学園時代、後に東京ヴェルディの総監督を務めることになる、李国秀さんの指導を受けていました。そのときの言葉を、いまでも覚えているそうです。「桐蔭学園に入学した当初、李さんに『高校サッカーの目的はなんだ?』と聞かれました。そこでみんなが『日本一になること』と答えたのですが、『それは違う。高校で日本一になったからといって、一生食べているわけではない。そうじゃなくて、大学や社会人、プロなど次のステージに行くために、準備する期間だろう』と言われました」その言葉で目から鱗が落ちた森岡さん。アカデミーで自身が接する選手たちにも、そう伝えていると言います。「清水のアカデミーには『勝ち負け以上の価値の創造』というフィロソフィーがあります。育成で大切なのは『問題から課題をみつけて、克服していく力』です。保護者の方にアドバイスをするならば、プロになることだけを見据えるのではなく、その子なりのやり方、スピードを理解してあげて、自分の力で課題を克服していくプロセスを踏ませてあげることが大事なのだと思います」子ども自信が効果を実感!成長できるサッカーノート>>■現役引退後も成長を続けることの大切さを学んださらに、こう続けます。「課題を克服する経験を積むことで、次のステージに進み、問題が起きたときに立ち向かうことができたり、道を切り開けるようになるのではないかと思います」その結果として、目標であるプロサッカー選手になれたのなら素晴らしいことです。森岡さんはプロの先輩として、現役引退後、「成長し続けることの大切さ」を、身をもって体験したと言います。「清水の監督をしていたオズワルド・アルディレスに聞いたことがあります。『僕より上手な選手がいたのに、なぜ試合で使ってくれたのですか?』と。そうしたら『答えは簡単だ。隆三は成長を続けていたからね』と言ったんです。そのときに、成長を続けることの大切さに、改めて気がつきました」■親は子どもの背中を押してあげるけど、与えすぎない。バランスが大事森岡さんは清水エスパルスのアカデミーに携わるようになってからも、選手の成長過程、プロセスに目を向けているそうです。「例えばジュニアユースからユースに上がる選手を選ぶときに、同じぐらいの実力の選手であれば、そこまでのプロセスを見ます。3歩進んで2歩下がろうが、1歩ずつでも成長してきているというプロセスやマインド、メンタリティが大事だと思っているからです」森岡さんは「困難に当たったとき、克服していくためには"グリッド"と呼ばれる、やり抜く力が大事になるのではないでしょうか」と話し、次のように語りかけます。「親の関わり方は、指導者と似ているところがあると思っているのですが、背中を押してあげながらも与えすぎない。このバランスが重要なのだと思います」■サッカーしすぎてケガを負うことも。保護者が目を配ってあげよう最後に、サカイク読者の保護者に向けて、こんなアドバイスをくれました。「保護者がサポートできるのは、睡眠と栄養です。僕は子どもの頃にサッカーをしすぎて、後に影響が残るケガをしました。サッカーのやりすぎなどは、子ども自身はわからないし、好きで楽しければやりすぎてしまうこともあるので、そこは保護者が目を配ってあげた方がいいところかなと思います」インタビュー中、「チームと家庭が一緒になって、選手を育てていく環境が理想」と話していた森岡さん。これからもアカデミーヘッドオブコーチングとして、清水のアカデミーからトップへ、そして世界へ羽ばたいていく選手の育成に力を注いでいくとのこと。今後のアカデミーの飛躍と、森岡さんの活動に注目です。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年11月10日ほかの子は積極的にボールを蹴りに行くのに、息子は見ているだけ。失敗してもいいからチャレンジしてほしいのに、指示待ちなのが悲しい。サッカー自体、子どもの運動能力を心配して親がやらせたので、そもそもやる気がないのはあると思うけど、指示待ちは何とかしたい。親が干渉しすぎたのが原因?というご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<子どもについて悩み相談したらコーチにスルーされるように。尋ねちゃダメなの問題<サッカーママからのご相談>島沢さんこんにちは。息子(7歳)はサッカーを習い始めて5か月くらいになります。自信がないせいか、ボールを遠くで追いかけるだけで蹴りに行くことが少ないです。目の前にボールがきても、見ているだけで仲間が蹴るのを待つということもとても多いのです。子どもに聞くと、コーチに「パスを待ち、他の子のシュートの邪魔をしないように離れて待つように」と言われたそうです。とはいえ、他の子はボールを取りに行くのに我が子は取りに行かないことにモヤモヤして......。子どもにどう声かけてあげたら良いのでしょうか。もともと、本人はサッカーはそれほど好きではなく、親が子どもの運動能力を心配してやらせているため、そもそもやる気がないというのも一因だと思います。ただ、少しでも前を向き、失敗していいからいっぱいボールを蹴りに行ってほしいと思ってます。いつも待ってばかりの息子、自分で動こうとしない指示待ちに悲しくなってしまうのです。親が干渉し過ぎゆえなのでしょうか。助言をいただけませんでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。お母さんがおっしゃっているように「そもそもやる気がない」のでしょう。息子さんが「お母さん、僕、サッカーしたい!」と目を輝かせて直訴して始めたわけではありません。まだサッカーの面白さに自分で気づいていないし、楽しさを味わってもいません。もっといえば、果たして今の息子さんは、サッカーを好きになれる環境にいるのでしょうか?ここで、彼を取り巻くサッカー環境を、指導者(コーチ)と保護者といった2つの人的環境から考えてみましょう。■ボールを取りにいかないのは、どう動けばいいかわからない可能性があるまず、指導者です。息子さんのコーチは「パスを待って、他の子のシュートの邪魔をしないように離れて待て」とおっしゃったようです。しかし、これがどんなシチュエーションで発せられたのかとか、この言葉通りなのかどうかも含めてわかりません。判断が難しいところです。攻撃の場面なので、全員がボールに集まらずもっと広がれという指示だった可能性もあります。「他の子はボールを取りに行くのに我が子は取りに行かない」というのは守備なので、息子さんが積極的にボールを取りに行かないのは自分がどうしたらいいのか、まだわからないのかもしれません。まだ小学1年生です。息子さんの言葉通りだと決めつけてしまうと誤解が生じるかもしれません。サッカーのピッチで行われることは、基本体にコーチと子どもに任せたほうがいいです。子どもにとって、サッカーを好きになる気持ちが「成長のエンジン」です。接する人の言動や、その接し方に大きく影響されます。良い指導者と巡り合えば大きく伸びます。逆に、暴力や暴言など不適切なコーチングをする人の下では、子どもは委縮してしまうのでミスを恐れず思い切ってチャレンジできません。加えて、同じ子どもばかりを試合に出して補欠の子どもたちは一切出られないといった理不尽な扱いだけ、親は注視すればよいかと思います。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■子どもがサッカーを好きになれるようサポートしているか次に、保護者です。お母さんは、息子さんがサッカーを好きになれるようサポートしているでしょうか。他の子はボールを取りに行くのにわが子は取りに行かないことにモヤモヤして「なぜ取りに行かないのか」と責めていないでしょうか。人の意欲「やる気」は、左右の大脳半球の下側にある「線条体」の働きが関係しています。ここの神経核が活発に動くと、人は意欲的になります。例えば、算数のテストをやる前に誉め言葉のシャワーを浴びたグループと、否定された子どもたちでは、前者のほうが成績が良かったという実験結果が出ています。それとは逆に、誰かに否定されたり、怒られたりすると、線条体の動きは鈍くなります。私にこの仕組みを説明してくれた脳科学者は「線条体がスーッと止まってしまう」とおっしゃっていました。大人が抑圧すればするほど、線条体の動きが鈍り脳は意欲的になりません。それどころか抑圧が繰り返されると、そのことがトラウマになりバーンアウトしやすくなるとも言われています。■親に結果ばかり求められたサッカー少年の末路ある小学生の男の子は、少し肥満気味だったので母親に勧められサッカーを始めました。最初は渋りましたが、同じ学童クラブの仲間たちが少年団に入ったので1年遅れて入団したのです。息子さんは技術が少し劣るものの、楽しくプレーしていました。仲間と一緒にボールを蹴って、コーチたちからも温かくサポートしてもらいチームに馴染んでいました。3年生になるとチームも地区の大会で優勝するなど、少しずつ力をつけてきました。小学生は途中出場ながら、試合にも出て、公式戦でチームみんなが彼にボールを集めてくれて初ゴールも決めました。みんな大喜びしたそうです。ところが、4年生になると、お母さんが彼にダメ出しをするようになりました。試合から戻ると「ゴール決めたの?」「何分試合に出たの?」と結果を尋ねるようになりました。試合を見に来ると「君だけ全然ダメだね」とため息をついたそうです。そのうち「今日ゴールを決めなかったら、サッカーをやめなさい」と言うようになりました。その母さんは、息子に結果を求めたのです。サッカーを楽しんでほしいといった感覚ではなかったかも知れません。彼はディフェンダーなのでシュートをする機会は多くないのですが、そんなことも見えないほど盲目になっていたのでしょう。男の子はサッカーをやめました。自分からやめたかたちですが、お母さんからのプレッシャーに耐えられなかったのだと思います。放課後は塾に行くくらいで何もせずゲーム三昧になりました。母子関係は悪くなり「もう死んでやる」と言って家を飛び出すこともあったそうです。■子どもを指示待ちにしているのは、保護者自身である(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)いかがでしょうか。お母さんが「少しでも前を向き、失敗していいからいっぱいボールを蹴りに行ってほしい」と本当に思うなら、彼のサッカーを否定したり、抑圧せず、ひたすら見守ることをお勧めします。「子どもの運動能力を心配してやらせている」とありますが、息子さんはどうなのでしょうか?自分の運動能力を伸ばしたいと思っていますか。親が一方的にサッカーをしろと命じてはいないでしょうか。息子さんを指示待ちにしているのは、親御さん自身かもしれません。天に唾することになっていませんか。何をしたいのか。何に興味があるのか。まずは彼に問いかけることが重要です。どう声かけてあげたら良いか?と質問されていますが、何かを言う前に彼の気持ちを聞いてあげてください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年11月09日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「動いている味方にパスを出すことができない」を克服するトレーニングをご紹介します。サッカーの基本動作であるパス。試合中は、動いている味方にパスを出すことが多いもの。しかし、初心者のうちは練習で行う対面パスはできても、試合中に動いている味方に向かって、「どこに」「どのぐらいの強さで」パスを出せばいいか、感覚が分からないもの。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、見方が動いた先にパスできるようになるトレーニングを紹介します。【やり方】1.親子が数メートル離れて横並びになり、お互いに前に走る。相手が走る少し先にボールを投げ、それを手でキャッチ2.慣れたら足で行う。相手の動きを見て少し前にボールを出す3.いろんな方向に動きながら、ドリブルとパスを入れる広い場所が使えるときは、お互いの距離をもう少し離して速く強いパスを出すシチュエーションを作ったりして試合の状況に近づける【トレーニングのポイント】・最初は手でボールを投げ、スピードに合った距離感をつかむ・足元にボールを投げてしまうと、受け手の動きが止まってしまう。動いている先をめがけてボールを出す・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年11月08日自分で準備をしない、自分からやりたいと言って始めたのにやる気が感じられない、上手くなりたいという割には自主練をしない......。など、子どものサッカーの悩みでよく聞かれることです。それ以外にも、サッカーと勉強の両立など保護者の皆さんがひそかに悩んでいることもあるのではないでしょうか。先日サカイクでは、お子さんの「サッカー以外」の悩みについてツイッターでアンケートを実施いたしました。その結果をご紹介いたします。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!一位はやはり「ゲーム・ネットに夢中、長時間のゲーム」(37.1%)でした。小学生がゲームに熱中するのは今に始まったことではありませんが、最近は家庭や学校でもパソコン、タブレットに触れる機会があったり、親御さんのスマートフォンを使ってゲームやインターネットをする子も増えているようで、長時間使用が気になる保護者が多いという結果になりました。次いで多かったのは、「勉強との両立」(30.6%)。サッカーが好きで夢中になるのはいいことですが、勉強もしっかり取り組んで欲しいという親心の表れでしょう。お子さんが将来どんな道に進むにしても、学問を修めることや探求心をもって主体的に学びを深める経験は役に立つものです。保護者の皆さんも人生の先輩として、ご自身の経験から子どもたちにはサッカーも大事だけれども、勉強との両立もしてほしいと願うのは当然のことかと思われます。「チームメイト、友達関係」(14.5%)も、チームによっては保護者の悩みになります。サカイクで保護者の方にお話を伺う際も、上手い子が下手な子をバカにした言動を取る、「下手だな」など直接言われる、レギュラーと補欠に溝がある、学校でも同級生なので普段からサッカーが上手い子たちに萎縮している、といったこと等があると聞きます。子どもは直接的な表現をすることもあり、ときに残酷です。そのような言動に子どもが傷ついていたり、自信を無くしていることに悩んでいらっしゃるということだと思われます。ほかにも保護者の方にお話を伺うとこのような声を聞きます。・家にいるとゲームばかり・ネットで友達とひっきりなしにやり取りしている・タブレットとパソコンの2台を駆使してチャットしながらゲーム実況を見るなど、器用だなと感心する反面、依存しないか心配でもある・勉強との両立が不安・サッカーに夢中すぎて勉強に興味が向かないのが悩み・チームメイトに萎縮しており、学校でもその子たちに気を使っている・おとなしい性格で、コミュニケーション能力が高くないいかがでしょうか。普段学校の保護者やチームの保護者と話す際にも話題になることがあるかもしれませんが、よそのご家庭でも同じような悩みがあるんだと少し安心した方もいるかと思います。今回一番多かった「ゲーム・ネットに夢中、長時間のゲーム」については、ゲームやインターネットに依存してしまうことや、リアルな対人コミュニケーションが苦手になってしまうのでは、という心配がある一方で、本人が楽しんで通っていて、デジタルから離れる場所である「サッカー」があってよかった、という声も少なくありません。サッカーというスポーツの良さを改めて感じていらっしゃる親御さんもいるようです。ただし、サッカーをやりすぎると満足して向上心がわかなくなったり、燃え尽きてしまうこともありますので、「またサッカーをしたい」といった余白を残してあげることが子どもが楽しんでサッカーに行くために大事なことです。サッカーが大好きな子どもたちの中には、満足するまで練習したい子も多いと思いますが、その辺は親御さんがブレーキをかけてあげるようにしましょう。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年11月07日難しく捉えがちな栄養について、専門家にわかりやすく解説してもらう連載の3回目は、子どもが元気にプレーできるように、小学生年代に必要な栄養素とその補給方法について考えていきましょう。ビタミンとミネラルが不足するとどうなる?LINE友だち追加で無料動画配信中!詳しい情報はこちら>>■子どもでもお父さんと同じくらいのカロリーが必要成長期の子どもにはバランスのよい栄養が必要だということは、みなさんご存知かと思います。さらに運動量の多い激しいスポーツを習慣にしている子どもには、より多くの栄養が必要になります。それは、成長するために必要な栄養に加えて疲労を回復するための栄養素も必要になるためです。そのためには食事の量を増やすことが効果的です。しかし、「食事の量が多くても、そこに含まれる栄養素が少ないということもあります!」栄養学や食育の専門家で、ご自身もサッカーキッズを育てた経験を持つ柳生百々子さんはこう言います。じつは運動量の多い激しいスポーツをする成長期の子どもは、お父さんと同じかそれ以上のカロリーを補給する必要があると言われています。「なぜなら、身体が成長する分に加え、運動量の多い激しいスポーツで使ったエネルギーを補う必要もあるからです。毎食大盛り2杯のごはんやおかずをしっかり食べている子ならカロリーは十分かもしれません。けれど、そんなにたくさんは食べられない、好き嫌いが多くて残してしまう子も多いんです」■野菜そのものの栄養素が減ってきている!加えて、健康のために毎日食べている野菜の栄養素も減ってきていると、柳生さんは指摘します。「まず、さまざまな栄養素が不足している土で育つ野菜そのものの栄養素が減ってきていること。また、一年中同じ野菜が食べられること。じつは、食べる時期によって栄養素の含有量に大きな違いがあります。さらに、流通重視の規格に合わせた野菜が多いですよね。たとえば青首大根などは、どれも太さや長さが同じで、しかもまっすぐなものばかり。これは、輸送の際に均一に箱詰めができるようにするためです。こうしたさまざまな要因が重なり、昔より野菜自身の栄養素が減ってきています」みなさんは、昔と比べて野菜の味が薄くなったと感じることはありませんか?それは食べやすくするために、意図的に苦みや酸味などを抑えているからです。柳生さんは「野菜の栄養は、50年前と比べると1/3~1/4程度になっている」と言います。さらに、食材を調理=加熱することで失われてしまう栄養素についても考慮する必要があるでしょう。「ですから、昔の子どもたちより今の子どもたちはよりたくさん食べなければ、十分な栄養を摂ることができません。けれど、疲れて食べられなかったり、食事の時間まで待ちきれなくてお菓子を食べてしまったりして、食事をしっかり食べられない子が増えています。そういった環境では、運動量の多い激しいスポーツで失ったエネルギーを補給し、さらに成長するために必要な栄養素を十分に補うことは難しいでしょう」(柳生)■現代の小中学生が補給すべきビタミンとミネラル現代人に多いと言われる、目が悪い、若白髪、骨折しやすいといった症状も、偏った食事や栄養不足に起因するケースがあると柳生さんは指摘します。「身長が伸び身体は大きくなったと感じていても、身体の中身は十分に発育していない。炭水化物やたんぱく質が身体をつくる栄養素ですが、これらが十分に力を発揮するために必要不可欠なものが、ビタミンとミネラルになります」スポーツをした後の食事に豚肉がいいと言われる理由は、ビタミンB1が含まれているから。糖質のごはんや野菜と一緒に食べることで、代謝が上がり、疲労した筋肉を修復することができます。「栄養素はチームワークで働きます。ビタミンなしではミネラルが働けず、ミネラルなしではビタミンが働けません。また、ジュニア年代に不足しがちと言われるカルシウムも、マグネシウムとのバランスが悪いとしっかりと身体に吸収されません。わたしたちはこれを"栄養素(生命)の鎖"と表現しています」こうした栄養素の鎖まで意識をして食事をつくることはすばらしいことです。しかし、あなたには食事以外にもこなさなければならない仕事があります。毎回それを完璧にこなすなんて、身体がいくつあっても足りません。子どもの身体が成長する前に、あなたの身体が壊れてしまいます。2人の子どもを育てるなかで健康管理士の資格をとった柳生さんは、現代の忙しいお母さんにこうアドバイスします。「親は子どものためと思って根を詰めすぎてしまうものですが、そんなにがんばらなくていいんです。がんばることが必ずしも子どもの成長につながるわけではありません。お母さん自身がいい意味で手を抜くことで心に余裕を持ち、かつ子どもに必要な栄養素もしっかりと補えたら、それはお母さんにも子どもの成長にもプラスに作用するのではないでしょうか」■エネルギーが発生するときはビタミンとミネラルも消耗している適度に子どもの栄養素を補う手段のひとつがサプリメントです。「スポーツをする人はサプリメントと聞くとプロテインを連想する人がいるかもしれませんが、小・中学生に摂ってもらいたい栄養素は、先にも述べたとおりビタミンとミネラルです」トレーニングをするということは、たくさんのエネルギーを必要とします。エネルギーが発生するときには、必ずビタミンとミネラルも消耗します。消耗したビタミンとミネラルを十分に補われないまま運動を続けることは、体にとって大きなストレスとなります。「ですから、子どもたちにはビタミンとミネラルをしっかりと補ってほしいです」と柳生さんは強調します。「練習や試合のあと、お父さんお母さんが子どもたちに飴やアイス、チョコレートなど、お菓子をあげている様子を見ることがあります。練習をがんばったことへのご褒美としてあげたくなる気持ちはわかりますが、白いお砂糖には習慣性があります。コンビニのシュークリームを3日間食べ続けたら、やめられなくなってしまうこともありますよね。甘いお菓子は少しにして、果物やおにぎり、サンドイッチなどを用意しましょう」わたしたち親世代の運動後のご褒美といえば、手作りのはちみつレモンだったのではないでしょうか。ビタミンたっぷりのはちみつレモンは運動後の食べ物として、とても理にかなっています。次の試合には、お菓子をやめてはちみつレモンに変えてみてはいかがですか?はちみつレモンを用意するのが大変な時は、ビタミンとミネラルを同時に摂取できるサプリメントを摂るのもおすすめです。ビタミンとミネラルが不足するとどうなる?LINE友だち追加で無料動画配信中!詳しい情報はこちら>>監修:柳生百々子食育インストラクター・健康管理士一般指導員。自身もサッカーキッズを育てた経験を持つ。二人の子どもを育てる中で食育に目覚め、健康管理士の資格を取得。文部科学省が推進する「早寝早起き朝ごはん」の活動にも参加。小学校や中学校などで生徒向け・保護者向けの食育勉強会を多数行ってきた。【連載】子どもの疲れやケガを防ぎパフォーマンスを高める食事とは?●いまさら聞けない「子どもにとってバランスのよい食事とは?」飽食時代の栄養不足に注意!●ハードな運動をしている子どもに推奨される「とにかく量を食べなさい」の弊害とは?●野菜の栄養が減ってきている!?食事量だけでは補えないスポーツ少年に必要な「ビタミンとミネラル」●「うちの子、なんだか疲れやすい」それはビタミンとミネラルの不足が原因かも!?
2022年11月04日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「サッカーの基本動作習得が難しい」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中は、前後左右への動きがあります。相手の動きを見てドリブルなど縦に動くときもあれば、足元でコントロールしながら横に動いて交わすことも。しかし、初心者のうちはどの動きがどのプレーにつながるかわからないもの。最初のうちは相手のプレーをマネすることが動きの習得につながるのです。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、試合で使ういろんな動きの基礎を身に付けられるトレーニングを紹介します。【やり方】1.目印を5つ置き、親と子の間にラインを設置2.ドリブルをしながら目印を持って相手の陣地に置く。一定時間でたくさん置いた方が勝ちというルールを設定し、親子で競争3.動きに慣れたら、ドリブルしながら相手の背中をタッチし、触られた方は5秒停止などのゲーム性を持たせるなどレベルアップ【トレーニングのポイント】・強く蹴るとボールが遠くに行ってしまい、弱すぎると動きがスローになるので力加減と蹴る方向を意識・背中をタッチされないよう、顔を上げて体の向きも意識する・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年11月01日もうすぐワールドカップが開幕。11月1日には日本代表のメンバーが発表されます。サカイクではそれに先がけて、みなさんが子どもと一緒に考える「理想のスタメン」を募集しました。みなさんからの投票の結果を発表します。あくまで読者のみなさんがお子さんと話し合いながら「こんなスタメンが見たいね」と投票いただいたものなので、ご理解ください。★サカイク読者が選ぶ「日本代表理想のスタメン」はこちら!いかがでしたか?予想と当たった!という方もいれば、あのポジションは意外だった!という結果もあるかもしれません。みなさんから寄せられた応援コメントの一部もご紹介します。----------------------------------------------------勝ってください!ただそれだけです!個々の輝きと連携のとれたパスサッカー楽しみにしてます一つでも多く勝ってワクワクさせて下さい ガンバレニッポン!しっかりゲームマネージメントをしながら、戦って欲しい期待してます!厳しいグループだけど行けると思う。頑張れ日本代表ずっと寝ないで観ます。応援してます。----------------------------------------------------明日選出されるワールドカップ出場メンバーの皆さんには、悔いのない戦いをしてきてほしいですね。みなさんも4年に1度のワールドカップを親子で楽しんでください。
2022年10月31日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「サッカーの基本動作習得が難しい」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中は、前後左右への動きがあります。相手の動きを見てドリブルなど縦に動くときもあれば、足元でコントロールしながら横に動いて交わすことも。しかし、初心者のうちはどの動きがどのプレーにつながるかわからないもの。最初のうちは相手のプレーをマネすることが動きの習得につながるのです。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、試合で使ういろんな動きの基礎を身に付けられるトレーニングを紹介します。【やり方】1.親子で対面して立ち、ボールを手でバウンドさせる。相手の動きに合わせて高さや使う手を変える2.できるようになったらボールを地面に置いて足裏でボールタッチ、転がしながら横に移動など、足でボールを扱う3.横に動いたり、縦に動いたりしてボールを動かしながら行う【トレーニングのポイント】・親と子の距離感を保つ・常に顔を上げ、親の動きをよく見てマネする・ボールを扱う高さやスピードも合わせる・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年10月28日難しく捉えがちな栄養について、専門家にわかりやすく解説してもらう連載の2回目は、前回の記事で教えてもらった基礎知識を踏まえて、毎日の食事のなかで栄養を効果的に吸収していく方法をご紹介します。とは言っても、1日3食、または子どもたちが学校で食べる昼食以外の2食を完璧にしましょうという話ではないのでご安心ください。引き続き、食事と栄養について教えてくれる柳生百々子さんは、私たちのイメージする"よい食事"が必ずしも「栄養素のバランスが摂れた身体によい食事」とはかぎらないと言います。スポーツする子に必要なこととは?詳しい情報はこちら>>■がんばり方を間違えないで"よい食事"への価値観を変えよう「365日、完璧な和食を出している家庭があったとします。その努力は素晴らしいことですしなかなかできることではありませんが、それが完璧な食生活かといえばそうとは言えないんです」和食は無形文化遺産にも登録された日本が世界に誇る健康食。下準備に手間を要する繊細な料理としても知られますが、それが完璧な食事ではない?一体どういうことでしょう。「"バランスよく"という点で和食はすばらしいのですが、栄養素が揃っていても、調理法によって摂れる栄養素の量や質は違ってくるんです」柳生さんによると、どんなにバランスの取れた食事でも、同じ食材ばかりを食べるのはNGで、いろいろな食材を調理方法を変えて食べたほうが、トータルでみるとバランスの取れた食事になると言います。焼き魚に味噌汁、ごはんや納豆といった、いわゆる旅館のような朝ごはんを毎日つづけるよりも、チーズトーストにスクランブルエッグ、新鮮な生野菜たっぷりのサラダなどの朝ごはんを織り交ぜたほうが、多様な栄養素が取れるのは納得です。さらに、同じ栄養素でも和食、洋食、中華などそれぞれの調理方法によって、吸収のされ方に違いがあるというのです。「同じ卵でも、和食と洋食では調理方法も違えば一緒に使いやすい食材も調味料も違いますよね」連載の1回目で教えてもらったように、栄養素は単体で摂っても効果的には働かないどころか、摂取量がいちばん少ない栄養素に足を引っ張られてしまいます。だからこそ、一食にお金や情熱を費やすよりもバリエーションが大切なのです。完璧な和食だとしても毎日同じメニューは必ずしもよくないというのは、栄養素のバランス、吸収のメカニズムをわかりやすくするための極端な例ですが、柳生さんが伝えたいのは「バランスの取れた食事の認識や栄養の吸収に関して、高級食材だからとか、手間ひまのかかった料理を作らなければいけない」という先入観を持たないでほしいということです。ただでさえ忙しいのに、がんばり方を間違えて効果的でない食事に労力を使っていたとしたら、こんなにもったいないことはありません。「料理にかけられる時間、コスト、そもそも料理が得意か苦手かって、本当に人それぞれなんですよね。だからこういうお話をするときは、どこに向けて話をしたらいいのかとても迷うんです。でも、現実的にできることから始めることが大切です。『できるだけ食材を買ってきて自分で調理したい』という人も、『働いているから土、日くらいは手作りしたい』『出来合いの食材を組み合わせて最低限のバランスを取りたい』人も、簡単な栄養知識があれば確実に変えられることがあるんです」■ガス欠の原因にも!とにかく量を食べなさいは間違い!?ここからはもう少し話題を絞って、スポーツをする子どもたちの栄養について柳生さんにお話を聞いていきましょう。一般的に運動をしている子は「とにかく量を食べること」が推奨される傾向にあります。食べることも練習、いまどきの子は食が細いから無理にでも食べさせた方がいいという情報を耳にした人もいるのでは?柳生さんは、「足りていないのは量ではなく質」だと言い、量を食べることによる弊害もあると言います。「前提として、小学生くらいの子どもたちは細胞が活発に分裂を繰り返し、それが身体的な成長につながっています。身体が小さいから大人の半分の食事量でいいという考えは間違いです」だからと言って、柳生さんは「足りていない」ことに対する勘違いを指摘します。「カロリーと栄養素の違いでも説明しましたが、足りないのはカロリーではなく、栄養です。いまの食事の内容を見ていると、炭水化物、たんぱく質、脂質は十分すぎるほど取れています。でもそれを有効に使うためのビタミンやミネラルが不足しているんです」相互関係にある栄養素は、特定のものを多くとっても意味がありません。それどころか、弊害さえあると言うのです。「子どもの肥満が問題になっていますが、これはカロリーや特定の栄養素がオーバ-して、それを使うための栄養が不足している典型です」運動をしている子どもたちが"スタミナ切れ"の状態になっているのは、食事の絶対量が足りないのではなく、摂った栄養素を効率よくエネルギーにできないためなのです。つまり、「とにかく白米をどんぶり3杯食べよう」「たくさん食べるから大丈夫」というような食事の取り方には問題があると言います。「炭水化物だけを突出してたくさん摂ると、本来は運動で疲れた身体の回復に使われるビタミンやミネラル、酵素などが"消化をするため"だけに使われてしまいます。結果として代謝が悪くなり、疲れたままのガス欠状態で学校に行くことになります。代謝が悪いので、運動をしていない子どもは肥満になります」■誰でも簡単に栄養バランスを取れる方法食事と栄養について、さまざまな誤解があることはおわかりいただけたでしょうか?これまでのショッキングな話もあり、「栄養素のバランスに気をつけた食事なんて無理」という声が聞こえてきそうですね。そんなあなたのために、柳生さんが今日から誰でも簡単に栄養バランスを取れる方法を教えてくれました。「よく言われていることかもしれませんが、ごはんやお肉・お魚などのおかずがちゃんと作れているなら、緑黄色野菜を摂ることですね。見た目では、テーブルの上に白・茶・赤・黄・緑・黒などの色が5色くらいあるようにすると、バランスの良い食事になります。気をつけてほしいのは、できるだけ旬のものを食べること。スーパーに行けばどんな野菜でも1年中手に入るのが常識になっていますが、季節によって"元気の良い野菜"があるんです」どんな料理を作るかで食材を決めるのではなく、旬のものを意識して、食材からメニューを考えるだけで、一回の食事で摂取できる栄養はずいぶん増えると言います。それでも、必要な栄養素を1日3食だけで摂取することは難しいのが現状です。そんなときはサプリメントなどの栄養補助食品に頼るのも決して悪いことではないと言います。「栄養素が手軽に取れるサプリメントを子どもたちに与えることに、なんとなく後ろめたさを感じる人は多いのかもしれません。でも、どんなに食事に気を遣っても、必要な栄養素すべてを十分に取り切るのは難しいんです。せっかく摂った栄養を生かすために、サプリメントなどで補ってあげることは食事の質を上げることになります」もちろん、サプリメントなら何でもいいというわけではありません。柳生さんはできるだけ多くの栄養素を含んでいて、栄養素の働きや相関関係が考慮されているもの、食品由来の栄養素を使用しているものを選んでほしいと言います。「サプリメントと言っても、パッケージの裏を見て、その栄養素がどの食物から抽出されたものか明記してあれば安心です。人工物を口にしているわけではありませんからね」■ジュニアアスリートに必要な"4つの栄養"足りているけど足りていない。飽食なのに栄養不足という難しい時代ですが、スポーツをしている子どもたちには・普段生活するエネルギーを作るための栄養・スポーツをするための栄養に加えて、・スポーツで疲れた身体を修復する栄養・身体を大きくするため、成長するための栄養が必要です。スポーツをする子どもたちのために、食事と栄養を意識する際には今回お届けした二つの記事の内容を頭の片隅に置いて、「正しい栄養の取り方」を心がけてみてください。スポーツする子に必要なこととは?詳しい情報はこちら>>監修:柳生百々子食育インストラクター・健康管理士一般指導員。自身もサッカーキッズを育てた経験を持つ。二人の子どもを育てる中で食育に目覚め、健康管理士の資格を取得。文部科学省が推進する「早寝早起き朝ごはん」の活動にも参加。小学校や中学校などで生徒向け・保護者向けの食育勉強会を多数行ってきた。【連載】子どもの疲れやケガを防ぎパフォーマンスを高める食事とは?●いまさら聞けない「子どもにとってバランスのよい食事とは?」飽食時代の栄養不足に注意!●ハードな運動をしている子どもに推奨される「とにかく量を食べなさい」の弊害とは?
2022年10月28日サッカー日本代表として、日韓W杯に出場した森岡隆三さん。現役時代はクレバーな守備が光るDFとして、清水エスパルスや京都サンガで活躍しました。引退後は京都サンガU-18やガイナーレ鳥取の監督を経て、現在は清水エスパルスの「アカデミーヘッドオブコーチング」として活動中です。選手として、監督として、そしてアカデミーでの経験も豊富な森岡さんに「成長するために必要な目標の立て方」や「サッカーノートの書き方」についてうかがいました。(取材・文:鈴木智之)日韓W杯には代表のキャプテンとして出場した森岡隆三さんサカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■「もっとやれる!」など根性論を書いていた現役時代。具体的なアクションプランの立て方を知らなかった小学生時代から、サッカーに打ち込んできた森岡さん。「プロになる」という目標を掲げ、日々走り込みや自主練をしたり、サッカーノートを書くなど努力は惜しまなかったと言います。「小学生時代は家の周りでボールを蹴ったり、とにかく走り込んだりと、ハードなトレーニングをしていました。練習のしすぎで怪我をして、試合に出られないこともあったほどです」当時を懐かしそうに振り返る森岡さん。サッカーノートは、小学生の頃から書き始めたそうです。「小学生の頃は、まだやれる、俺はできるなど、自分を奮い立たせるための言葉を書いていました。それが中学、高校になるにつれて、練習メニューや相手のシステムなども書くようになり、プロになってからも続けていました」現役引退後、当時のノートを見返すと「プロになってからも、俺はもっとやれる! みたいな根性論が多かったんですよね。具体的な目標の立て方や、そのためのアクションプランなどはあまり書いていませんでした」と、恥ずかしそうに話します。■目標を達成するためには「こうなりたい」というイメージと、そのために必要なことは何かを理解することが大事もっと効果的な目標の立て方があるのではないか? と考えるきっかけになったのが、「Jリーグヘッドオブコーチング養成コース(JHoC)」での経験だったそうです。「そこで『IDP(インディビジュアルディベロップメントプラン)』という考え方を知り、設計図って大切なんだと、改めて気がつきました。この経験は大きかったですね」IDPを日本語にすると「個人が成長するための計画」です。森岡さんが言う「設計図」とは、成長するために必要な要素と全体像のことで「目標を達成するためには、主観と客観をすり合わせることが大事なんだ」と感じたそうです。「わかりやすく言うと、カレーを作ろうと思って買い物に行くのと、何を作るかを決めずに行くのとでは、買い物にかかる時間が違いますよね。カレーを作ると決めて行った方が、必要なものがわかっているので、最短で目標にたどり着くことができます」サッカーの目標も同じで「自分はこうなりたい!」とイメージを持ち、「そのために必要なことは何か?」を考えて努力するのと、とくにイメージを持たず、やみくもに努力するのとでは、どちらが効果的でしょうか?「イメージを持って、計画を立てることの大切さは、若い選手たちにも常々言っています。計画を立てれば準備も変わりますし、心構えも変わります。最終的には、未来も変わっていくと思うんです」子ども自信が効果を実感!成長できるサッカーノート>>■日本代表として海外で試合する中で目標の大切さを痛感した森岡さん自身、日本代表に選ばれて、海外で試合をすることになり、目標の大切さを痛感したそうです。「日本代表としてコパ・アメリカに出場したときに、『本気で高いところを目指していたら、結果が変わったのではないか』と思ったんですよね」コパ・アメリカではペルー、パラグアイ、ボリビアと戦い、1分2敗のグループリーグ敗退。力の差を見せつけられた大会でした。「当時、トルシエ監督は、コパ・アメリカ開幕前の合宿で『本当に勝ちたいと思っているヤツはこっちに来い!』って、すごい剣幕で選手に言ったんです。言われたときは真意がわからなかったのですが、大会後によくわかりました。自分自身、本気で勝つための計画、準備ができていなかったことに気づかされました」森岡さんは当時のことを、著書「すべての瞬間を生きる~PLAY EVERY MOMENT」(徳間書店)でこう綴っています。「目標の設定で変わるのは計画であり、準備であり、マインドセット、心構えだ。そして『可能性』が変わり、『結果』につながるものだと思う。帰国してから、自然と日々のトレーニングへの意識、行動が変わった。今まで以上により幅広い知見から、自分を引き上げることへの意識が高まった」■ノートを書いて目標を共有することは、指導者にも選手にもメリットがある現在、清水エスパルスのアカデミーヘッドオブコーチングとして活動する中で、若い選手たちに多くのことを伝えている森岡さん。目標を達成するために、サッカーノートの重要性を感じていて、アカデミーでオリジナルのノートを制作し、活用しているそうです。「スポンサーを募って、エンブレム入りの専用ノートを作りました。ノートを書くことで、具体的なアクションプランに落とし込んでほしいです。たとえば『クリスティアーノ・ロナウドのようなブレ球を蹴りたい』という目標を立てたとして、そのために、いつ、どこでどんな練習をするのかまで、具体的に考えてもらえたらと思っています」アクションプランを立て、進捗を確認する。その繰り返しが、成長につながります。「指導者や保護者は、子どもが何を課題ととらえていて、どんな努力をしているかがわかれば、そのチャレンジを後押しする声かけや接し方ができますよね。ノートを書いて目標を共有することは、お互いにメリットがあるので、続けていってほしいです」現役時代の経験に加え、アカデミーヘッドオブコーチングとして活動する中で、多くの知見を得る森岡さん。サッカーをする子どもたちや保護者に向けて、たくさんのアドバイスをしてくれました。サッカーノートの書き方などは、非常に参考になるのではないでしょうか。20次回の記事では「保護者のあり方」について、森岡さんの考えを紹介します。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年10月27日スクールのチームメイトに「下手」と言われ、サッカーに行きたくないと言い出した息子。奮起したいと思って「頑張るしかない」と言ってみたものの、正しい声かけだったかわからなくて、先生(※コーチ)に、どうしたらいいか聞いてみたら、クレームに思われたのか話しかけられなくなった。子どもの様子を聞きたいけど、聞きづらい。どうしたらいいの?というご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<理不尽な理由で試合に出られず、自信を失った子にどう接すればいいのか問題<サッカーママからのご相談>息子が小学3年生でサッカーを初めて半年経った頃なのですが、スクールのチームメイトから下手くそと言われて、一時あまり行きたくないと言い出しました。奮起してほしいと思い、頑張るしかない等言ってみたもののそれが正しいのか分からなくて、こういう場合はどうしたらいいか先生に聞いてみたんですけど、それがクレームみたいに思われたのか、先生からあまり話しかけられなくなりました。そういう事をあまり聞くのは良くないのでしょうか?自分自身が運動部の経験者ではないので、ただ子どもにどう声を掛けたらいいか知りたかっただけなのです......。子どもに対しては話しかけたりしてくれているみたいなので、私が気にせず送迎だけしてればいいんですけど、ほかの親には話しかけるのに私はスルーされる事もあるので、子どもの様子をたまには聞きたくても聞きづらくなっております。アドバイスをお願いします。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。サッカーのコーチは、子どもの成長を一緒に見守っていただける大事な存在です。その方にスルーされるのは、お母さんにとって辛いことでしょう。そういう事をあまり聞くのは良くないのでしょうか?とありますが、まったくもって普通のことです。しかも、息子さんのモチベーションが下がっているのは、他の子との兼ね合いなので、コーチに知らせて悪いわけがありません。きちんとしたクラブやスクールの指導者は「お子さんのことで気になったことがあれば何でも言ってきてください」とアナウンスしてくれます。■指導者の中には「親の前で話すのは自信がない」という人もいる対応されたコーチが何歳くらいで、どのようなキャリアをお持ちの方なのかもわからないのではっきりしたことは言えませんが、もしかしたらそういった保護者対応が苦手な方なのかもしれません。簡単に言えば、息子さんのモチベーションアップや他の子どもとのトラブルを解決する自信がないのでしょう。私の周りや取材した際に見かけたなかで、子どもとのミーティングを親の前で絶対にやらないコーチの方々がいました。試合や練習後、親たちがいる場所からわざわざ離れた場所で子どもたちに話していました。なかには「負けたのはおまえのせいだ」と個人を指さす良くないケースもありましたが、多くは特に問題のある指導はしていないけれど「親の前で話すのは自信がない」とか「内容を聞かれるのは恥ずかしい」という理由でした。それと似たような理由で、息子さんのコーチもお母さんを遠ざけているのかなと想像します。よって、離れようとしている相手にこれ以上アクションを起こしても良い結果は得られません。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■攻撃的な態度をとるのも良くないが、こびへつらう必要もなし!普段通りにしようスルーされたことなど気にせず、お母さんのほうは普段通りにしていればよいのです。無視されたからと攻撃的な態度になっても良くありませんし、逆にこびへつらう必要もありません。堂々としていましょう。また、お母さんは「先生」と呼ぶなどリスペクトされている様子ですが、そこまで気を使わなくてもよいかと思います。もっとフラットに、対等にものを言い合える関係を築けたほうが子どものためになると思います。■辛いと訴える子に「頑張るしかない」と伝えたら、子どもは絶望するこの「子どものためになるかどうか?」の視点を、お母さんにも持ってほしいです。奮起してほしいと思い「頑張るしかない」などと言った、とあります。その環境が辛いと訴えているのに「頑張るしかない」などと、それしか道はないことを示してしまうと子どもは絶望するしかありません。言った仲間も、まだ子どもですから「下手くそ」などと言ったりするのは日常茶飯事です。ただ、本人はそれが辛いと言っているのであれば、まずはその辛さを受け止めてあげてください。また、お母さんは「自分は運動部の経験者ではないから」とおっしゃっていますが、卑下することは何もありません。今現在、運動部活動などスポーツ指導の世界で、暴力や暴言など不適切なやり方が問題になっているのをご存知でしょうか。自分たちが指導されたように指導してしまうことで問題が起きています。逆にそういった経験がないほうが良い場合もあるのです。例えば「仲間を下手くそなんて言うのは良くないね」と辛さに共感してください。そうすれば、お母さんは僕の味方だと心強く感じるはずです。そのうえで「サッカーを楽しくやりたいのに、どうしてもそうなれないなと思ったら言ってきてね。他のスクールを探すこともできるよ」と他の選択肢があることを示してあげてください。■ライセンス関係なく良い指導者はいる子どもにとって良い環境を見極めるのは親自身(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)もうひとつお伝えするとすれば、日本のサッカースクールは日本サッカー協会のコーチライセンスを取得しなくても指導できます。チェック機能はないのでここはフリーな状態です。とはいえ、資格の有無にかかわらず、よい指導をされる方、新しいことを積極的に学ばれている優秀なコーチはいらっしゃいます。そのような良い大人、良い環境を見極めるのは、お母さん自身が学ばなくてはいけません。何が子どものためになるのか。成長の糧になるのか。そういった視点で、引き続きサカイクを見ていただければと思います。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年10月26日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「細かいボールタッチできない」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中は、思い通りにドリブルで運んだり、相手を交わすことがあります。方向を変えたり、相手を交わす動きの時には細かいボールタッチをして奪われないようキープすることが大事です。しかし、初心者のうちはボールコントロールが大きくなったり、思ったところにコントロールできなくてあっちに行ったりこっちに行ったりしてしまうもの。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、ドリブル細かいボールタッチができるようになるトレーニングを紹介します。親は手でボールを持っていてOKです。サッカーの技術は無くてもできるので、親子で楽しんでください。【やり方】1.親が自由に歩き、子どもはその後ろをドリブルでついていく2.親は時折方向を変え、子どもは細かいタッチでボールをコントロールしながらドリブルする3.親は移動しながらどこかのタイミングでボールを地面に置く。子どもは置かれたボールに、自分のボールを当てる慣れたら、ボールを置いてから当てるまでの時間に制限を付けてみる【トレーニングのポイント】・親はとにかく細かく方向を変えることを意識して動く・親の動きをよく見て、方向転換の際に細かいボールタッチをする・子どもは親と離れすぎない距離感でドリブル・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年10月25日子どもの人数が少なくて、全学年を見ているんだけど全員一緒にできる練習はある?とのご相談をいただきました。人数が少ないチームでは同じような悩みを持つ指導者の方もいるのでは。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、低学年からサッカーIQを高め、技術も習得する練習法をご紹介しますので、参考にしてください。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<サッカーの各ポジションの役割、動く範囲やポジショニングを効率的に教える方法はある?<お父さんコーチからの質問>はじめまして。小学校のチームでサッカーを教えています。分類としてはスポ少です。子どもの数が少ない地域なので、年によって人数は違いますが各学年3~4人程度で、指導者も私しかいないため、全学年一緒に練習しています。安全のための見守り役として保護者の方が来て下さることはありますが、サッカーの指導はしません。そんな状況なので、小学1年~6年の全員一緒に出来る練習、特に技術トレーニングを教えてほしいです。やっぱり年齢差があると技術的にもサッカーの理解にも差があるので、どんなやり方、さじ加減が良いのか悩んでおりまして。どうぞよろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。1年生から6年生までの異年齢の子どもたちを一度に教えているとのこと。それは私が地元の大阪で提供させてもらっているプレーパークやクラブとまさに同じ環境です。■ルールを設けて低学年も1か月で団子サッカーを脱却する方法例えば、ミニゲームなどで、2年生以上は1年生からボールを取っていけないというルールにすることがあります。そうすると、子どもたちは1年生にパスを集めます。1年生は誰も寄ってこないのでひとりでドリブルします。しかし、1年生同士なら奪ってよいので、相手の1年生からとられたりします。そこで2年生以上の子どもたちは、ゴール前で1年生を使う方法を考え始めました。同時に、1年生たちも、同じ学年の1年生が奪いに来るので、1年生がいないところに動くようになりました。そうすると、1年生が1か月で団子にならなくなりました。「池上さん、あの子たち、何年生?え、1年生なの?」と、皆さん驚かれていました。多くの指導者は、低学年が団子になってしまうのをどうしたらいいかと頭を悩ませているからです。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■対戦型のメニューの中で技術のトレーニングをする、ととらえてサッカーを認知して判断し行動してもらうには、指導者の皆さんに、ミニゲームや3対2などの対戦型のメニューのなかで「技術のトレーニング」をする、ととらえてほしいのです。その中で磨けるように指導者も工夫をしてください。例えば6年生だけ2タッチでやるよう制限をかけます。そうすると判断力を磨けます。また「ゴール前はダイレクト」もあります。「ハーフラインを越えたらフリー」でもよいでしょう。他の学年も同じようにルールを設けて制限すると、技術は上がってきます。「インサイドキックだけでやって」でもいいし「アウトサイドも混ぜよう」となってもよいでしょう。インサイドとアウトサイドのみでやるなど、さまざま工夫してください。そうすると頭が鍛えられます。■自分たちで考えるような声掛けで、低学年からサッカーの理解度を高める1年生から6年生まで、みんながボールに集まらず広がってプレーする。つまり、サッカーらしくなるには、前述したルール設定に加え、声掛けも大切です。サッカーの理解度が高い6年生に「1年生をどう使う?どうやったら使えるかな?」と、自分たちで考えるような声掛けをします。私のクラブはそんなやり方をしているので、低学年や中学年からサッカーの理解度の高い選手が出てきました。そういう子が出てくると、他の子がその子のプレーを真似し始めます。そうやって集団は伸びる。異年齢の集団は多くのメリットが隠れています。そこをぜひ見つけ出して活かしてください。■未就学児でも認知、判断して行動できるさて、ご相談者様の方がおっしゃる「技術」は、ボールを止める蹴るといった足元のスキルだと想像します。そうとらえて、そこだけ切り出して練習させてしまうとリアリティが無くなります。つまり、対面パスやコーンドリブルなど、試合では見られない状態のものがどうしても多くなるからです。そういった技術練習をやっても良いのですが、なるべくサッカーをさせながら技術が上がる方法を考えてください。小学生の段階では、サッカーがどんなスポーツかという理解をしたうえで認知や判断が重要だと考えます。プレーの判断は幼稚園の子どもでもできます。例えば、ひとりの子がボールをもっているとします。もうひとりはその子からパスもらいたいと思っています。でも、間に相手がいます。私が「そのままでもらえるかな?」と尋ねると、幼児たちは首を振って「もらえない」と答えます。「どうしたらいのかな?」と問いかけると、もらえそうな場所に動きます。「そうだね。そこに動けば、ボールが来るね」と答えると、嬉しそうにしています。そのように認知して行動することは、幼児でもできるのです。■試合中に止まったボールを蹴る場面は限られる。仲間との連動が必要な練習を増やそう(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)技術を身につけていくプロセスとして、日本ではまずひとりで行うトレーニングが多いようです。それらの練習はクローズドスキルと呼ばれています。もちろんそれらは基本技術を身につけるためには重要ですが、もっと相手がいて変化する状況に対応するミニゲームや2対1、3対2といったオープンスキルの練習を増やしてほしいと思います。なぜなら、試合中に止まったボールをキックする場面はコーナーキック、フリーキック、ゴールキックくらいです。ほとんどが相手をかわすことを考えながら、動くボールをコントロールして蹴ります。そう考えると、止まっているボールを蹴ることは、本来の技術練習ではないということです。例えば「ボールは足のここに当てよう」などと教えるのは一回でいい。あとはプレーしながら身に付けます。技術は、指導者が子どもたちへ口で説明したからといってできるものではないと考えてください。それなのに、指導者は足元の技術練習を切り出してやらせようとします。また、試合などでの声掛けも「よく見ていましたか?」では足りません。子どもたちが何を見て、何を判断すればいいかを、そこまでのプロセスで理解しておくことが重要です。ぜひ子どもたちのサッカーIQを向上させてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年10月21日「サカイクキャンプから帰ってきたら、子どもがびっくりするほど変わっていたんです!」と話してくれたのは、2022年夏のキャンプに参加してくれた惺真くんのお父さん。積極的に話をするようになり、兄弟に優しくなったり、学校やサッカーの支度も自分からするなど、それまでとは別人のような子になって驚いたそう。3日間のキャンプで劇的に変わったという惺真くんとお父さんにお話しを聞きました。(取材・文:前田陽子)サカイクキャンプでトレーニングに励む惺真くん<<「チームを引っ張っていくんだという意欲が出た」低学年でも3日間で自分に自信がついて、積極的になれたサカイクキャンプの魅力■コミュニケーション力を身につけたいとキャンプに参加サカイクキャンプの動画を見て、このキャンプは僕に向いていると感じたという惺真くん。現在4年生の惺真くんは高学年の試合に出ることがあるものの、5・6年生に自分の意見が言えないことをもどかしく感じていたそうです。そんな時に見つけたのがサカイクキャンプの動画でした。「みんな声を出して考えてプレーしている様子を見て、僕に似合いそうだなと思ってキャンプに行きたくなった」と言います。さらに、「元々コミュニケーションを取る、人と会話をするのが苦手でそこを高めたいと思っていました」とも。サカイクキャンプに参加して会話する力=コミュニケーション力を高めることで、高学年のレベルでサッカーができるようになると考えたそうです。実際に参加したことで、以前からできていたというチームでの声掛けも質の部分が向上。プラスな声、ほめる声掛けが増えたと教えてくれました。「キャンプの間、コーチたちがすごく褒めてくれたので真似をしようと思ったらできるようになりました」と惺真くん。コミュニケーション力を身につけたいという、キャンプに参加する目的がきちんとクリアでき、自分のチームでの練習や試合にも役立っているそうです。■自分で考えて行動できるようになり、プレーにも自信が付いた「サカイクキャンプから帰ってきて、いろいろなことを考えているように感じています」とお父さん。以前はお母さんに言われなければできなかったサッカーの支度も自分でするようになったそうで、いつのもように「準備はできている?」と聞くと「とっくにできている」と返ってくるようになったと教えてくれました。サッカーでも、以前は言われるがままに動いていたのが、自分で考えて動いていることがピッチサイドから見ていてもよくわかるそうです。惺真くんも「大好きなディフェンスの練習がたくさんできて、1対1が強くなったと思います。自分のプレーに自信が持てるようになりました」と言います。家庭でも、それまでは兄弟喧嘩で手を出してしまうこともあったそうですが、キャンプから帰ってきてからは冷静に「僕はこう思うよ」と自分の考えを言えるようになったり、食事の支度を手伝ってくれたりと、キャンプの前と後では"別人のように変わった"とうれしそうに教えてくれたお父さん。サカイクの合宿ではライフスキルの講習を取り入れています。そのひとつ、リーダーシップのセッションでは相手の立場になって考えることの大切さを伝えていますが、それを体現できているようです。■キャンプでは自ら手伝いを申し出たキャンプでは食事の配膳などを高学年に手伝ってもらっていて、食事の時間に参加者のみんなにそのことを伝えています。すると2日目のお昼の準備をしているときに惺真くんたちが「箸とか配ろうか?」とお手伝いを申し出てくれたとサカイクキャンプの柏瀬コーチは言います。コーチや高学年が食事の支度をしている様子を見ていて、自分たちにもできることがあるかもと気づいて行動してくれたそうです。「まわりの人のことを思って行動してくれたことがとてもうれしかったです。リーダーシップを発揮してくれました」とコーチ。わずか3日間と短い期間にあらゆることを吸収できるのも、小学生の年代ならでは。サッカーの技術的な部分はもちろん、人として成長できるのもサカイクキャンプの最大の特徴です。自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>■子どもを主導するから、一緒に考えるに。親子の関わり方が一変以前はお父さんが先導して自主練などをさせていたそうですが、キャンプで別人のように変わった我が子を目の当たりにして、親の方も考え方や接し方が変わったそう。以前は、上手くなってほしいからこそ、漠然と練習をするのではなく何のために練習をするのかを考えさせたいと、「今日の課題は?」「目標も決められないのに練習に行ってどうするの?」と、練習前にお父さんが声をかけていたそうです。ですが、サカイクキャンプの後からは「今日は○○を頑張る」と惺真くんから言うようになり、子どもへのアプローチの仕方が変わったと明かしてくれました。きっかけは、キャンプの帰り道。「ここに僕がいて、こことここに相手がいて、こういう風に考えて動いたらうまくできたんだよ。それでコーチに褒められたんだ。でも、他のにもこんな場面もあるよね~」と惺真くんが話してくれたこと。自分のプレーを詳細に伝えてくれた様子に驚くと同時に、「本当に考えて、学んで、たくさんのことを得てきたんだ」と感じたと目を細めるお父さん。「○○したよ」「どうだった?」「楽しかった」という単調だった会話も「こう思ったからこうやったんだ」と惺真くんが考えたことを話してくれるように。惺真くんが変わったことをきっかけに、親としての関わり方も自然と変化して、「教える」から「一緒に話し合う」になったそうです。「キャンプに行く前と比べて、お父さんはサッカーのことを詳しく教えてくれます」と惺真くんも嬉しそうに語ってくれました。ここまで短期間で子どもに変化が表れ、子どもが変わったことで親の方も関わり方が変わったというのは、サカイクキャンプのこれまでの参加者の中でも効果がいち早く出たケースかと思いますが、惺真くんとお父さんにとっては、双方にとっていい影響を生んだ体験になったようです。親も子どもの年齢の分だけしか親の経験はありません。子どもと一緒に親も成長していくものだということを再認識させられました。サカイクキャンプをきっかけに、素敵な親子関係を築きませんか?自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>
2022年10月19日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「ドリブル突破ができない」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中は、相手の動きを見てドリブル突破を仕掛けることがあります。ただし、どんな場面でもドリブル突破を目指すのではなく、突破が無理そうならやり直すという判断も大事です。しかし、初心者のうちはドリブル突破をすることだけでなく、やり直しの判断をすることも難しいもの。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、ドリブル突破のしかたと、突破できないときのやり直しが身につくトレーニングを紹介します。親は手でボールを転がしてもOKです。サッカーの技術は無くてもできるので、親子で楽しんでください。【やり方】1.3つの目印を置き、親子で対面して立つ。子どもがパスを送り親からリターンパスをもらったらスタート2.親はDF役として子どもの進路をふさぎ、子どもは前方の目印いずれかにドリブル突破する3.ドリブル突破が難しそうならやり直して再度組み立てなおす慣れたらスピードアップするなど難易度を上げる【トレーニングのポイント】・ドリブルの動きはゆっくりでOK・相手の動きをよく見て、ドリブル突破が無理そうなら逆の目印を目指して方向を変える・思い通りにプレーできなかった場合は、スタート地点にドリブルで戻る・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年10月18日「自分で考えるサッカーを子どもたちに」をテーマに、「シンキングサッカースクール」や「サカイクキャンプ」などを通じて子どもたちの成長をお手伝いするサカイクが、サッカーを頑張る子どもをどうサポートすればいいかお伝えする保護者セミナーをオンラインで開催します。サッカーをする子どもを伸ばしたい、成長させたいけど家庭でどんなことができるかわからない、という保護者の皆さんを対象にしたセミナーです。――――――――――――――――――――――――・自分で考えてプレーしてほしいけど、考える力が足りない。家庭でも考える力を身につけさせる方法が知りたい・失敗を恐れずチャレンジしてほしいけど、なかなかうまくいかない。どう声掛けすればいい?・つい、子どものサッカーに口出しすぎてしまう・子どもをどの程度サポートすればいいのか、過保護・過干渉にならないさじ加減が分からない・サッカーにおける親と子の接し方が分からない――――――――――――――――――――――――といった悩みをお持ちの方に、家でどんなふうに子どもに接すればいいか、どう見守ればいいかをお話します。きっと皆さんの悩みを解決するヒントがあるはずです。質問タイムでは、皆さんからのご質問に答えるだけでなく、一緒に考える機会も用意します。ぜひこの機会にご参加ください。<開催概要>日時11月5日(土)19:00~20:00形式オンライン(無料)定員50名参加費 無料※後日オンライン(Zoom)のURLをお送りいたします※進行状況により、終了時間は前後致します>>>お申込はこちら※お申込はLINEアプリを使用してのお申込みとなります。■お申し込み方法LINE予約にてお申し込みを承っております。サカイクLINEアカウントのフォローをお願いいたします。※既にお友だちとなっていただいている方でフォームに入れない場合は、スタンプをLINEに投稿していただくとフォームに入れるようになります。※LINEアカウントをお持ちでない方は事務局までお問い合わせください。講師プロフィール菊池健太(きくちけんた)サカイクキャンプヘッドコーチ。約20年にわたり未就学児から小学生まで指導。私生活では4児の父。4人ともサッカーをしており、サッカー選手を育てる保護者でもある。<資格>日本サッカー協会C級JFA公認キッズリーダーキッズコーディネーショントレーナー佐倉市立井野中学校サッカー部外部指導員<経歴>VERDY花巻ユース 日本クラブユース選手権出場(全国大会)中央学院大学 千葉県選手権 優勝千葉県1部リーグ 優勝■お問い合わせ先サカイクイベント事務局info@sakaiku.jp営業時間:平日10:00~18:00
2022年10月18日サッカー指導者の悩みで多く聞かれるのが「保護者対応」。子どもの出場機会やポジションについて口を出してくる保護者の対応に苦慮しているチームも少なくありません。かつては保護者と言い合う事もあったと言いますが、現在では大変良好な関係性を築いている強豪街クラブ・センアーノ神戸の大木宏之監督(以下、大木)に、保護者対応について伺うこのインタビュー。後編では、どんなふうに保護者とのコミュニケーションを深めているのか、具体的に紹介します。(取材・文:貞永晃二)センアーノ神戸の選手たち<<前編:かつては出場をめぐって保護者と言い合いも。センアーノ神戸が保護者と良好な関係を築くために大事にしていることサカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■試合報告とともに、指導者も勉強していることを伝える――最近はサッカー経験のある親御さんもいると思いますが、それゆえの子どもへの指導の難しさを感じられますか?大木やっぱり難しいですね。でもそこは自分らがその親御さんよりも勉強しているということをちゃんと伝えます。チームのホームページがあってその日の試合のコメントを書きますが、そこできちんと今日取り組んだ内容を書くようにしています。そうすると、私たちがきちんと意図を持って試合をしていることを理解いただき、変な誤解が出ないようにしています。あと、保護者の方と飲む機会もあり、そこでちゃんと話ができます。■「子どものことをちゃんと見てくれてる」と感じさせることが大事――そういう関係性を築かれているから親御さんから不満が出ないんですか?大木いやゼロじゃないですよ。いっぱいありますよ。例えば学年によって試合に勝つのが難しい年があるので、下の学年の子を入れる。そうなるとその学年の子の保護者からは「下の学年を出すんですか」みたいな、ちょっと嫉妬のようなものを感じることはあります。――飲み会で話をすることで"ガス抜き"をする感じでしょうか?大木ガス抜きの意味もありますし、こっちの方針みたいなのもちゃんと伝える機会にもなります。8割ぐらいは雑談ですけど、2割は真面目な話をしていますかね。乾杯とか挨拶のタイミングで自分の思いを少し喋ったりするようにして、だんだんお酒が入ってきたら、保護者から個別に相談とかくるので、それには真摯に対応します。――飲み会は定期的に開催されるのですか?大木決まってはいません。保護者の方からやりましょうか、とお声をかけていただいて開催される感じですね。学年毎や、チーム毎で開催します。参加されるのは15、6人ですから大体の方と喋れるんです。小学生のお母さん達は、普段あまりこういう場所に出られないので、楽しみにされていますね。親御さんも安心するじゃないですか、自分の子どものことを監督、コーチが話をしてくれると、「ああ、ちゃんと見てくれてるんやな」と。そこが大事だと思っているんです。だからサッカーノートでも同じで、僕らがちゃんとコメントを書く事によって自分の子どものことを見てくれているんだなという安心感を持ってくれたら、不満はだんだん減ってくるかと思います。それが一番大事です。そういう意味でサカイクのサッカーノートはすごくありがたいです。強豪街クラブ・センアーノ神戸の選手がサッカーノートを変えただけで上達した理由■ホームページでクラブの理念を伝える――ホームページの活動報告には、ホテルでの過ごし方への苦言もあり、親御さんに向けてちゃんと躾けてくださいとまで書いてあって驚いたんですが、それが言える関係性のチームなんだなと感じました。大木ホームページはオープンですので、ウチに入ってない方も見られるのでその方にも見てもらっていることを少し意識しながら発信しています。一番見てもらうのは、ウチの保護者なので、保護者に向けたメッセージでもあります。コーチが書いた言葉にちょっとネガティブなことが多いと、会議で共有したり、どんな風に書けばいいか話し合ったりしますね。――実際試合のことだけじゃなくて、他のチームでここまでやっているところはないなと。先のことを見て、すごくちゃんと人間として成長させたいと思っておられるからだろうなと思いました。大木僕らのクラブの理念があるので、そこが一番だと思っています。なのでサッカーを通じて伝えていくことが一番。クラブ理念にはこの後にもっと文言があるんですが、その中にも保護者の方と地域と三位一体でやるということも掲げているんです。だから保護者の方にも少し協力してもらいます。強制や当番とかはないんですが、やれることはやってほしいと。NPO法人ってサッカーの世界で限られているんで。スタッフを倍の人数にすればもっといろんなことができるのですが、経営的に難しいので、やはり保護者の協力は必要なんですよね。その中で快くやれる範囲でやってもらうためには、普段から関係性を良くしておく。その辺が海外との違いですね。海外はチームにスポンサーがついたり、地域で支援してくれますけど、日本はなかなかそういう文化が根付いていないですから。地域のスポンサーがついてくれたら嬉しいなとは思うんですけどね。■個別の状態に合わせて親のサポートをお願いをする――センアーノさんは、スクールから社会人チームまであって、生涯サッカーというか全年代対応ですね。大木そうですね。本音を言うと経営的には厳しい部分もあります。でもクラブの理念がそうなので、例えばウチの高校生は勉強もサッカーも真剣にやって、高体連でもJ下部でもないウチのようなチームがあれば、中学生、小学生がそこを目標にしてくれたらいいなという思いでやっています。――ワールドチャレンジで優勝した選手たちは小柄な子が多かったですが、逆に成長の早い子が多い年代もあります。そういうことも保護者とお話しされるんですか?大木小柄な子の場合は「中1、中2は多分あまり出場できずしんどいですよ」と。逆に早熟な子の保護者には、「今はフィジカル的に優位だから勝てているけど、周りも大きくなると今のようにはいかないから、今はしっかり技術を身につけるようにしてください」という話をして、その間ちゃんとサポートしてあげてほしいとお願いします。――そういうのはやっぱり親御さんも安心すると思います。大木そう思ってくれたらありがたいなと思うんで、できるだけ話します。一応30年やってきたデータが僕の中にあるので、そこは自分の中では宝かなと思っています。それを今若いスタッフにできるだけ伝えている感じですね。■保護者にも喜ばれた母の日企画口だけでなく親への感謝を感じるイベントに――Facebookで母の日に親御さんにハグをするという企画を拝見しました。大木あれはめちゃくちゃ親御さんが喜んでくれました。サプライズでやったんで。あの企画は、全国どこもやった方がいいと思います。6年生の男の子なんて口で感謝、感謝と言ったって、実際はしないんですよ。母親に対して口に出してなんてなかなか言わないんです。心の中では、いつもありがたいなというのは思ってるんですよね。日頃、これだけサッカーをやらせてもらって、お金も出してもらって、遠征も一杯行かせてもらっている。それは保護者の支えがあってのこと。でもそれを表現する機会がないので、このイベントでは保護者に手紙を書かせたんです。ありがたいという気持ちをちゃんと言葉で伝えることは自分の成長にもなるし、サポート、応援してくれたら自分の力になって返ってくるんだということ説明します。6年生くらいだと純粋なんで、親への手紙も真面目にちゃんと書いてくれるんですよ。■サッカーを頑張ること以前に、家庭での親とのコミュニケーションが大事――そういうふうに、クラブが親との繋がりもすごく考えてくれてることが伝わりますから、子どもを預けてよかったなと感じてくれるのでは?大木親御さんは普段本当に協力してくれるんですよ。だから、感謝を僕らも伝えたいなと思っているんで、母の日はやっぱり子どもからのありがとうという手紙を喜んでもらえますね。手紙だけでなく、ゲームの要素も入れました。10種類くらいカードを作って引かせ、そこに書いてある内容を親と一緒に実行してね、という内容です。"パワハラカード"って勝手に名づけたんですけど、このご時世にそんな名前つけていいかなと思ってしまいましたけど(笑)。「母親とハグをする」「ほっぺにチューをする」というカードは、親にとっては嬉しいだろうなと思いつつ迷いましたが、この2枚は入れていいか子どもたちの意見を聞いてから入れました。自分は当たらないだろうという前提で「OK」と言っていたキャプテンが見事にそれを引きまして。本人は照れていましたが、親御さんはとっても喜んでくれましたね。他は一緒に買い物に行くとか、トイレ掃除をするとかのカードで、保護者とのコミュニケーションを取る内容のものです。サッカーを頑張ることも大事ですが、それ以前に家庭での過ごし方、親とのコミュニケーションは大事ですから。そういったことは、今後もいろんな方法で伝えていきたいと思っています。保護者との関係性を良好にするにはコミュニケーションが大事。十分想像できた言葉でしたが、そこは大木監督独自の流儀がありました。母の日に子供たちから日ごろの感謝の思いを手紙や、お礼の行動で伝えさせる。きちんと言葉にして伝えることの重要性なども、長年の指導経験と自らの子育て経験からのアイデアで、親子で楽しめる企画を通じて伝えるなど、サッカーの場を通じた成長を提供していることが伺えました。保護者が納得してチームに子どもを預けるために、どんな風に考え、関係性を築くのか、今迷っているチームの方にとっても、センアーノ神戸のやりかたは一つのヒントになるのではないでしょうか。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年10月17日サッカーにおける各ポジションや、そのポジショニングを理解させる効果的な方法はある?とのご相談をいただきました。サッカーを始めるのはのは3年生からの子が多く、技術もだけどルールもわかっていない子が多い少年団とのこと。同じようなチームの皆さんはどんなふうにしていますか。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、ポジショニングを理解させるアプローチをお伝えしますので、参考にしてください。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ボールを持てるのは数人、他はパスも上手くできない。レベル差のあるメンバーが楽しく基礎技術を身につけられるメニューを教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。スポ少でサッカーの指導をしています。(指導年齢はU-10)地方(かなり田舎)なので近隣にはほかのチームやスクールなど幼少期からサッカーをする環境はなく、3年生から入団しています。なので、技術だけでなくサッカーのルールなどもわかってない子が多いです。ほかのスポーツをする場所(クラブ、チーム、施設)もないので、昔からあるこのチームに入ってくる感じです。さっそくですが、サッカーにおける各ポジションやそのポジショニングを理解させる効果的な方法を教えていただけませんでしょうか。各ポジションでどう動いていいか、動く範囲や役割も含めて分かってない子が多くて困ってます。どんなふうに指導したらよいのか、アドバイスお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。先日、石川県で「サカイク×池上カップ」を開催しました。その時のやり取りを挙げながら説明させていただきます。■映像を使ったレクチャーで子どもたちのポジショニングが良くなった当日は午前中があいにくの雨模様だったので、本来は午前中に私がクリニックをしてから子どもたちの試合を進める予定でしたが、午前中は室内でU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジのアーカイブ動画(バルセロナ対ヴィッセル神戸)※大会公式ページに飛びますを一緒に観てから、レクチャーをしました。子どもたちは4年生が数人で5年生が中心です。事前に「2つのチームの何が違うか、意識して見てね」と話してからみせた後、子どもたちからこんな意見が出ました。「バルサの選手はいいポジションにいた」「バルサのほうが、攻撃するためのパスが前に入る」その後に私が「バルサの子たちは、相手が3メートルくらい近寄ったら、すぐにパスを出していた。日本の子は1メートルくらいまで相手が近づいてからしかパスを出していない」と解説しました。加えて、私が「サッカーはトライアングルが大事です。どうしてかな?」と尋ねると、「パスコースが2本できるから」と答えます。私がトライアングルと言ったので、3人を想定した答えです。そこで「では4人だと、トライアングルはいくつ?」と聞くと、最初は「2つ」の声があがりましたが、そのうち何人かが「4つ」と答えました。試合のときに自分がかかわっているところは、横に広がっているトライアングルと、縦にできるもので三つのトライアングルができます。そこで「じゃあ、5人になったら、いくつできる?」と聞くと、「めちゃくちゃたくさん!」と言ってくれました。「そうだね。どんどん増えるよね?プロの選手は11人でやっているから、めちゃくちゃたくさんのトライアングルを理解できているんだよ」子どもたちは目を輝かせて聞いてくれました。そこで「じゃあ、そういうことを考えて、午後はサッカーをやってみようね」と話しました。すると、午後の試合は「普段と変わった」とコーチが言うのです。皆さん「子どもたちが周りを見るようになった」「ポジショニングが良くなった」と言ってくれました。レクチャーしたことで、子どもたちの意識に変化が現れたのです。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■「広がること」が大事。幅と深さが浸透するように理解させること入り口のところで、このようなレクチャーをして子どもたちに理解をさせてください。多くのコーチが、子どもが左に偏っていると「右は?右は誰もいないよ」と言うだけです。欧州では、トライアングルのことを「カイト」と呼び、この原理を丁寧に教えます。それを知ったうえで、わざと左に偏らせておいてから、右にサイドチェンジして展開する。それがサッカーの醍醐味であり、ひとつの攻め方だと伝えてください。ポジショニングにしても、広がることが大事です。よく言われる「幅と深さ」が子どもたちに浸透するよう指導しましょう。例えば、単に「広がれ」ではなく「幅をとれ」で伝わるよう、事前にレクチャーをして原理原則を教えてください。そのうえで、チームのなかで「幅とれ」と言ったり「深さは?」と言えば何をしたらいいのかわかるようにしておく。つまり、共通理解が必要です。この連載や講習会でよく使うように「認知・判断・行動(プレー)」の順番で、選手たちの頭の中でサッカーのイメージを育ててください。まずはサッカーの原理原則を理解して、次にどう判断するかが重要です。■「いま、どこが見えてた?」と子どもたちの頭の中を確認しようそもそも、選手の頭のなかまでコーチは見ることができません。したがって、皆さん最後の「行動」つまりプレーについてのみ言及してしまいます。例えば、左サイドがフリーだったのに、パスせずにシュートを打ってしまった子に「どうして?左が空いてたよね」と声掛けします。プレーは目に見えるので言いやすいから、目に見えていることしか言わなくなる。そんな傾向はないでしょうか。そうではなく「いま、どこが見えてた?」と、そこの認知・判断のところに注目して問いかけてください。目に見えるプレー(行動)は誰でも見えます。仮にミスすれば、当事者である本人が一番わかっています。誰もがわかっていることを、コーチが「なんでミスするの?」と言っても意味がないのです。シュートを外した場合「どうして外したの?」ではなく、「右に味方がいたよね?見えていた?」と問いかけます。子どもが見ていなかったなら、「右にいたフリーの味方と、君のシュートではどちらが入る確率が高いかな?」と再び問いかけます。判断材料を補足してあげます。そうではなく、子どもが「フリーの味方がいるのは見えてたけど、僕はシュートしました」なら、それでOK。子ども自身の判断を否定しません。■育成年代の選手がミスするのは「認知・判断」の部分が8割(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)オランダ在住の倉本和昌さんによると、認知・判断・行動のうちで育成年代の選手がどこで最もミスをするかといえば、認知と判断のところが8割だそうです。行動、つまり止める、蹴るといったスキルのミスは2割だけです。日本の選手は、足元の技術ばかりを切り出して練習し、認知・判断のところを早くから学ばせていないようです。日ごろの練習で雨が降ったら、ぜひビデオレクチャなどの座学を取り入れてください。そのためにはコーチ自身が理解しなくてはいけません。育成年代に伝えたい原理原則は、私が監修したメニューを扱った何冊かの書籍に詳しいです。この連載のアーカイブにもたくさん載っています。▼池上正さんの著書(一部)池上正の子どもが伸びるサッカーの練習(池田書店)「蹴る・運ぶ・繋がる」を体系的に学ぶ ジュニアサッカートレーニング(カンゼン)池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年10月14日全国レベルのチームでレギュラーから落とされ自信を失った息子。親が送迎できないから出場させないなど、理不尽な扱いを受けている。明らかに好き嫌いがあり、うちの子は好かれてない。子ども自身もコーチにアドバイスを求めるような関係性を築けておらず、今後もこれ以上の進展は無理。自己肯定感を失ったままこのチームで続けることが本人にとっていいことなのか......。とのご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとに、4つのアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<プロになるなら楽しくサッカーするな!と言うモラハラ夫を改心させたい問題<サッカーママからのご相談>我が子は高学年です。(11歳)チームは全国レベルのチームで、中学年の途中迄はレギュラーで出ていましたが、新しい選手が入るやいなや競争もさせてもらえずレギュラーから落とされ、何のアドバイスもなく自信だけを失ってしまいました。それでも本人は頑張り続けましたが、親が試合会場への送迎ができないため、チーム送迎を頼ると、送迎を理由に試合に出さないなど理不尽な内容で試合に出してもらえません。練習試合ならまだしもそれが主要大会で行われます。本人もその事を親にも言えず、不憫な思いをしています。子どもはそれでもこのチームでサッカーをやりたいと言っていますが、試合に出れないことから、親から見るとどこか情熱や集中力に欠けてしまい、ますますコーチから見向きもされない状況に陥っています。最近は試合経験がつめないため、短い時間で出ても波にも乗れずただ怒られているだけになっています。我が子は、自分でコーチにアドバイスを求めるような信頼関係も築けてません。おそらく今以上の関係を築くことはできないと感じています。コーチも明らかに子どもの好き嫌いがあり、我が子に話しかけることはほとんどありません。このようなことから、親としてもコーチへの信頼がなく、できれば環境を変えた方がいいのではと思っています。子どもの主体性を奪いたくありませんが、このまま自己肯定感を失ったままやり続けることが本人にとっていいことなのか、親としては悩むところです。チーム環境を変えて楽しんでもらった方が本人のためになるのではと考えていますが、その前に親としてどう子どもに関わるべきか助言をいただけるとありがたいです。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。レギュラーから落とされ、息子さんが自信を失ったように見えるとのこと。お母さんの辛さがメールから伝わってきます。さまざまアドバイスしたいことはありますが、まずは相談文の最後に書かれたお母さんの質問に答えますね。「このまま自己肯定感を失ったままやり続けることが本人にとっていいことなのか、チーム環境を変えて楽しんでもらった方が本人のためになるのではないか」と書かれています。その通りだと思います。そして、そのあとに「親としてどう子どもに関わるべきか」とあります。ここを悩んでおられるのですね。■息子さん自身がどうしたいか、考えを整理する手助けをしよう以下、4つほどアドバイスさせていただきます。全国レベルのチームに在籍しておられるとのこと。すべてではありませんが、全国少年サッカー大会に出るようなチームに勝利を優先するところは少なくありません。全国大会を目指す高学年になると、同じように全国大会に出たいと願う選手が他のチームから移籍してくることは少なからずあるようです。そうなると、それまで出場していた子どもは出られなくなります。その点から見ると、息子さんのクラブはどうやら全員に平等に出場機会を与えていないようです。であれば、中学年まで息子さんはレギュラーで出ていたけれど、補欠で試合に出られない子どもも大勢いたのではありませんか。そのときは、そのベンチにいる子どもたちのことは、コーチから適切なアドバイスを受けていたのでしょうか。他の活動機会を与えられていたのでしょうか。親御さんのなかには、補欠になっても這い上がれ、頑張れ、負けるなとひたすら励ます方もいます。そういう方々から聞かれるのは「うちの子が試合に出られないのは全国大会レベルのチームなのだから仕方ない。ここにいるだけでも満足」といった声です。正しいかどうかは別として、小学生の時期からスポーツに競争原理を持ち込まれています。その点で、お母さんはいかがでしょうか?息子さんが試合に出られず自己肯定感を失ってしまうことを恐れ、チーム環境を変えて楽しんでもらったほうがいい。そう心の底から思われているのなら、もしかしたらクラブ選びを間違えていたかもしれません。まずは、息子さんに、どんなチームでサッカーをしたいか、サッカーをやる理由や目標は何なのかを考えてもらいましょう。お母さんは話し相手になって、考えを整理してあげてください。できるだけ、お母さんの考えを言わずに息子さんに話をさせるよう、たくさん問いかけること。それが1つめです。サカイク公式LINEアカウントで保護者のみなさんへお役立ち情報をお届け!■相手が「○○してくれない」という志向ではなく自分は何ができるかを考えてみよう2つめ。お母さん自身の思考パターンを少し見直しませんか。コーチに対し「息子に何もしてくれない」というニュアンスの言葉が多いことが気になります。例えば「レギュラーから落とされ、何のアドバイスもなく」「送迎を理由に試合に出さないなど理不尽な内容で試合に出してもらえません」「見向きもされない」「子どもの好き嫌いがあり、我が子に話しかけることはほとんどありません」などなど、〇〇してくれないという発言が目立ちます。わが子が不憫。かわいそう。悔しい。そんなふうに子どもの感情と同化してしまってはいけません。「大変だね」「残念だったね」と、息子さんの悔しさに共感してあげてもいいです。でも、親が一緒に落ち込んで、コーチに不満を抱えた状態のまま活動を続けるのは子どもにとって精神的にヘルシーな環境とは言えないでしょう。そして、誰かが何かをしてくれないと嘆くのではなく、自分が親としてどう接したら、子どもが成長するのかを考えましょう。何が大切なのか。どうしたら子どものためになるのか。それについて時間をかけて考えてください。パートナーがいるなら一緒に考える。信頼できるママ友がいれば、話してみましょう。■親子ともにラクになるために、子どものサッカーから少し離れてみよう3つめ。お母さんは一時的にでもいいので、息子さんのサッカーを「お休み」しましょう。なぜならば、今現在お母さんは息子さんに対し「情熱や集中力に欠けている」といった否定的な気持ちを持っているように映ります。息子さんが自分でコーチにアドバイスを求めるような信頼関係も築けないという部分に対し、「自分から求めてほしいのに」といういらだちに似た葛藤が見て取れます。しかしながら、小学生時代は楽しくサッカーができればそれでOKです。見ていればどうしても干渉したくなるので、一度息子さんのサッカーから離れましょう。試合に出たかどうか、勝ったか負けたかも尋ねない。ただただ「楽しかった?」とだけ聞いてあげてください。そうすれば、少し離れた場所から、客観的に息子さんの姿やご自分との親子関係を見つめ直せます。と同時に、息子さんも楽になるはずです。■子どもは自分とは「別の個体」だと知ること。本人が求めてきたらサポートすればいい(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)4つめ。息子さん自身、このチームでサッカーをやりたいと話しているようです。であれば、好きなようにさせてあげましょう。その一方で、「イヤな気持ちになるようだったら、他のチームを一緒に見学に行ったりしようね」と他の選択肢もあることを伝えておきましょう。親御さんには、子どもは「別の個体」だと知ってもらいたい。試合に出たいとか、サッカーでこんなことを目指したいなどと野心を持つのは子ども自身です。目標達成に手伝ってほしいと言われたら、可能な限りサポートしてあげればよいのです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年10月12日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「リブルするとき顔が下がってしまい、相手や周りが見れない」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中は、相手の動きを見て臨機応変にプレーを変える必要があります。しかし、初心者は足元のボールを見てしまうので顔が下がってしまい、周りの状況や相手の動きを見ながらドリブルするのが難しいもの。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、顔を上げて相手を見ながらドリブルできるようになるトレーニングを紹介します。【やり方】1.ボールを2つ用意し、親子で対面して立つ。2.子どもはドリブルしながら親が合図をしたらプレーを変える。親がボールを上にあげたらボールを止める、バウンドさせたらドリブルの足を変える、などルールを作って行う。3.親がボールを片手で持ち、DF役となって子どもにプレッシャーをかけに行く。子どもは横に交わす4.親はボールを転がし、子どもは足元のボールを親に向かって蹴り、親が転がしたボールを止める動き(パス交換)を追加慣れたらスピードアップするなど難易度を上げる【トレーニングのポイント】・ドリブルの動きはゆっくりでOK・顔を上げて相手の動きをよく見る・動きに慣れたらルールを増やす・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年10月11日サッカー指導者の悩みで多く聞かれるのが「保護者対応」。わが子かわいさに親が起用ポジションやメンバー選考に口出し。テレビや動画で世界のサッカーを観られる昨今では、チームの戦術に意見する方もいるそうで、指導者たちは対応に苦慮しています。一方、保護者側も我が子の成長を願うばかりに、口出ししたら子どもの立場が悪くなりそうで疑問があっても話し合いができない、など指導者との関係に悩むケースもあるようです。セレクションを設けているチームは、ある程度同じ意識を持った方が集まるかもしれませんが、少年団や街クラブでは選手のレベルも親の熱意もバラバラです。今回は、「かつては保護者と言い合う事もあった」時期を経て保護者と良好な関係を築いている強豪街クラブ・センアーノ神戸の大木宏之監督(以下、大木)に体験を交えてお話を伺いました。(取材・文:貞永晃二)センアーノ神戸の選手たち<<関連記事:センアーノ神戸の選手たちも上達を実感!書くだけでうまくなるサッカーノートサカイク公式LINEアカウントで保護者のみなさんへお役立ち情報をお届け!■選手交代の意図を保護者にも伝えるなど、まめにコミュニケーションをとることを意識――最近の保護者との関係構築について、大木監督のように長年経験されてきた方はどういうふうに対処されていますか?大木まめなコミュニケーションですね。グラウンドで姿を見たら挨拶して、最近どうですかという感じでね。やっぱりいつも応援に来てくれている保護者がどんな表情で見ているかなと、すごく観察はしますね。よく見ているのは保護者の表情ですね。選手の(プレー面の)調子が悪いときは、親もそう思っているのがすぐ分かるので、練習後に「ちょっとうまくいってない所もありましたが、こういった感じでやれていたんで大丈夫ですよ」みたいな感じで。少しフォローを入れたりしますね。実は、全国大会につながるリーグ戦の試合で、対戦相手が予想と全く違う戦い方をしてきて、たまたま前半スタメンだった子を3分で代えたことがあるんです。交代は戦術上の理由でしたが、保護者にはそんなことは分からないですよね。だから選手には試合が終わって解散する前に、あえて保護者もいる前で「今日代えた理由はこうで、別にプレーが悪かったわけじゃないぞ、次のゲームは先発で行くからな」というような話をしました。その後、保護者にLINEを入れて、改めて交代の理由が戦術上の理由だったことと、お子さんのプレーが悪かったのではないということを伝えました。■クラブは保護者に選ばれる時代、保護者の理解を得ることを大事にしている――そういうフォローができているチームが多分少ないんでしょうね。それができるようになったきっかけはどういうことでしょうか?大木当然僕も子どもができて変わった部分もあります。親心が分かるようになったので。サッカーが好きで情熱を持って指導されている指導者には、未婚の方もいらっしゃいますが、少しでも親の気持ちを分かるようなコーチになっていくことが大事だと思います。とくに街クラブは保護者から選ばれる時代ですからね。そういった保護者の理解を得ることは僕らもすごく大事にしてますね。ウチのコーチも5人いますけど、僕以外は未婚で子どもがいないので、スタッフ会議でよく言うのは「難しいと思うけど、親心ってこんな感じやから、みんなもそこは意識してな」ということです。強豪街クラブ・センアーノ神戸の選手がサッカーノートを変えただけで上達した理由■口出しは不可、協力はしてもらう――基本的に保護者は練習も試合も見学自由なのでしょうが、応援というか、口を出すというのは?大木それは絶対ダメです。チームに所属する際、最初に説明会や父母会があるので、そういう会とかで、はっきりと「活動時は子どもに近づかないで、声もかけないでください」と伝えています。「我々の考え方はこうで、子どもたちには自立して欲しいので、基本的には声をかけないでください」と。ただ、その距離感ってすごく難しくて、保護者何にもしてはいけないみたいになるんで。さじ加減が大事です。例えばグラウンドで低学年はゴールを運ぶのも大変なんで、その時間をちょっとでも短縮できたら子どもを試合にいっぱい出してあげられるじゃないですか。そういったときは「お父さん、すいません、ちょっとゴール運びを手伝ってください」と言った感じで、協力を仰いだりすることもあります。■若いときは、出場機会について問いただしてくる親と揉めたことも――昔の上手くいかなかった時期というのは、親が口を出してきたということですか?大木昔はやっぱり(試合に)出る、出ないですね。試合に出られなくて子どもがつらい顔をしているようなときに、「なんで出られないんですか」と問われることが多かったです。「うちの子はすごく頑張っているのに」とか、「ほかの子より努力しているのに」と言われたりしましたね。当時は僕も若くて気が短かったので、言い返したりしてしまい、保護者と揉めたりしましたけど、自分自身が親になって初めてお父さんの言いたいことも分かるなと、一歩大人になりましたね。そういう経験を経て、保護者の思いも受け入れながら、「チームとしてこういうふうに考えています」と伝えるなどの対応ができるようになったと思います。■子どものポジションを指定してくる保護者への対応――最近は我が子のポジションを指定してくる親御さんがいると聞きました。大木そうですか、ウチには指定してくる人はいないんですが、「間接的にそういうこと言いたいのかな」と感じるときはあります。はっきりと「うちの子はFWにしてくれ」というような親御さんはいないですが、「うちの子は性格的に前の方が向いているんですよね」といった感じで伝えてくることはあります。選手たちで試合のメンバーを決めたりすることが多いので、そのときに親からFWやりなさいと言われた子はやりたいと言います。子どものポジションについては、「そこまで言ったらあかん」というのは多分保護者の方も分かってるんですが、ちょっと抑えられなくなる時があるんだと思います。でもウチはいろんなポジションをさせるので、受け流しますけどね(笑)。子どもたち自身、いろんなポジションを経験する中で、どこが向いているか分かってくるし、親御さんもそのうち理解してくれますよ。かつては出場機会などに口を出してくる保護者の方と言い合う事もあったそうですが、親という立場になり、保護者の気持ちも理解できるようになったことで、保護者に寄り添うコミュニケーションを取れるようになったと語ってくれた大木監督。保護者にとっての関心事である試合への出場や交代についても、理由を本人だけでなく親にも伝える(聞こえる位置で話すなど)ようにすることで、疑問やわだかまりを生まないようにしています。また、子どものいないスタッフにも親の気持ちを伝えることで、保護者に寄り添ったコミュニケーションをチームとして実現している点は、多くのチームでも参考になるのではないでしょうか。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年10月07日昨今、スポーツ界のニュースで報じられることが多いのは、指導者の暴力・暴言関連のネガティブなニュースが多く、それに関心が高い保護者も多いと思います。そのような旧態依然とした指導が残っていることも事実ではありますが、最近では「子どもを伸ばす指導」をしている指導者・チームも増えています。今回は、この夏開催されたワールドチャレンジ2022の現場でお伺いした話をもとに、育成に力を入れているチームの指導者が、どんなふうに選手と接したり、声掛けをしているのかをご紹介します。3年ぶりにFCバルセロナが参加したU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ(C)新井賢一<<関連記事:3年ぶりにバルサが参戦、ワールドチャレンジ2022の記事はこちらサカイク公式LINEアカウントで保護者のみなさんへお役立ち情報をお届け!■「育成に力を入れているチーム」とはどんなチーム?皆さんは育成に力を入れているチームとは、どんなチームだと思いますか。・小学生年代で県大会や全国大会で優勝させてくれるチーム・トロフィー、メダルを獲るチーム・Jクラブや競合クラブのセレクションに合格できるぐらい上達させてくれるチームそんな風に、小学生年代で何らかのタイトルを獲らせてくれるチームだと思っていませんか。もちろん、勝ちたいから頑張ることは良い事です。子どもたちが大会でトロフィーや賞状をもらって喜んでいる顔を見ると、保護者も嬉しいものですよね。ただ、育成に力を入れているチームは「もっと先」を見て指導しています。この夏開催されたワールドチャレンジ2022で、いろんなチームにインタビューをしてきたので、そこで聞いた指導者たちの「小学生年代の育成」に関する考えなどを紹介します。■小学生年代がサッカー人生の頂点ではない今年は3年ぶりに海外勢も出場し、まさに世界への挑戦となる大会になりました。サカイクは大会のメディアパートナーとして、色んなチームにインタビューをしましたが、Jクラブの育成組織も含め、ほとんどのチームの指導者が異口同音に口にした言葉があります。それは、「小学生年代がサッカー人生の頂点ではない」です。また、このようなことをおっしゃる指導者も多かったです。「小学生年代は、中学以降もサッカーを続けるための『種まき』の時期。まずはサッカーを楽しむことを大事に、勝ったり負けたりする中でいろんなことを学んでいければいい」まさにその通りで、中学以降もサッカーを続けていくためには「サッカーって楽しい」と心に刻まれることが大事ですし、育成に力を入れているチームの指導者たちは「今」だけでなく「少し先」を見据えていることがうかがえました。技術習得より「ありがとう」が言える方がサッカー上達につながる理由■グラウンドに響く監督たちの声、一番多いのは?ちなみに、今大会も多くのチームの監督、コーチの声がグラウンドに響いていましたが、どんな声掛けが多いかわかりますか?答えは・・・↓↓「ナイス!」「いいよ!」「そうそう!」といった肯定的な声です。各カテゴリーの予選を勝ち上がって出場する強豪チームが多いので、厳しい声が多いと思いましたか?ちなみに今大会では多くの方が「ナイス、ナイス、ナイス!」「いいよ、いいよ、いいよ!」「そうそうそう!」など3回ぐらい繰り返すことが多かったです。口に出すとその位の回数がリズムも良く言いやすいのかもしれません。街クラブ選抜チームを率いた播戸竜二監督は「素晴らしい!」「まだ終わってないよ」を連呼して選手たちのモチベーションを上げていました。そんな感じで、大きな声で選手たちに何か伝えているシーンは多いですが、肯定して背中を押してあげるような声が多いのです。試合前には「みんなの思うようにプレーしたらいいと思うよ」と選手たちに信頼を伝えて送り出していたチームも。ハーフタイムも選手たちで試合の改善ポイントなどを話し合い、そこに監督やコーチがアドバイスを加えるというチームも多くみられました。そういった、選手が安心してサッカーができる状態が当たり前にあることが、選手を伸ばすことにつながるのでしょう。■普段からの関係性、信頼が大事ちなみに、ワーチャレに限らず、声を張り上げている指導者の多くが「ピッチの中では私の声は聞こえないですからね。サッカーは自分で状況を判断して動かなければなりませんから」とおっしゃるのですが、本当に聞こえていないのか選手に聞いてみました。私「監督、声大きいよね」選手「うん」私「でも、ピッチの中では聞こえないもの?」選手「聞こえてるよ」とのことで、しっかり聞こえていると笑顔で教えてくれました。ちなみに、プレー中の「サイドを切れ」「中締めろ」のような声に関しては「声は聞こえてるけど、状況によってはすぐ対応できないし自分で判断するから」ということのようです。選手たちも必死に対応している時は、外からの声はハッキリ聞こえない時もあるのでしょうね。プレーに対する「ナイス」「いいよ」以外の声でよく聞かれるのは、ボールが落ち着いたときに「A(名前)、B(名前)が出しどころ無くて困ってるときフォローしてあげて」とか、「まだ焦る時間じゃないから、前係にならなくていいよ」のようなアドバイスが多かったです。一見厳しいことを大声でピッチに叫んでいるように見える監督がいるチームも、試合終了後には選手と指導者たちが仲良く談笑している、というのもよくある光景です。選手取材の後に監督のインタビューをしたときも、監督が「午後も試合あるから今のうちにお昼食べて」と声をかけても、選手たち自身が「監督のインタビューも見たーい!」とその場に留まるなど微笑ましい場面も。監督のインタビューをカメラの後ろで見ているYF NARATESOROの選手たち。インタビュアーが選手たちに「監督は普段どんな人?」と聞いたら矢継ぎ早に「おもしろい」「芸術家」「私服がかっこいい!」と答えてくれました(C)新井賢一そういった場面を目の当たりにすることで、大事なことは指導者たちと子どもたちの普段の関係性、信頼の構築なのだと改めて感じました。普段から心理的安全が確保されているから、子どもたちは思い切りサッカーを楽しめているのです。■子どもも保護者も指導者も、みんながサッカーを通じて幸せになる環境をどうしても、旧態依然とした指導の問題のほうがニュースで取り上げられやすく、ネガティブな情報の方が読者の共感も生むため、スポーツの現場には問題がある指導者が多いように捉えられてしまう部分もありますが、情報をアップデートしながら子どもたちに接している指導者の方はたくさんいます。保護者の方も、自分たちの学生時代とは大きく異なる現代の育成について改善できることをチームで話し合ったり、古い慣習などを見直して負担を減らすことで、子どものサッカーにかかわるのが気持ちと体力面でラクになると思います。サッカーをする子どもたちだけでなく、関わる親・指導者も楽しめる環境が増えていくことが大人たちの幸せにもつながるのです。サカイクではこれからも、いい指導をする・しようと取り組む指導者、チームを応援していきます。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年10月05日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「相手の動きを見て自分のプレーを変えることができない」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中は、自分の思った通りにプレーが遂行できるわけではありません。相手チームは常にボールを奪いに来るので、相手の動きを見て臨機応変にプレーを変える必要があります。しかし、初心者は足元のボールに注意が行ってしまい、顔を上げて相手の動きを見ながらプレーすることが難しいもの。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、相手の動きを見てプレーの判断ができるようになるトレーニングを紹介します。【やり方】1.目印を3つ用意し、それぞれに「親が緑の目印をタッチしたらボールを止める」「親が青の目印をタッチしたらドリブルの足を変える」などのルールを決める2.子どもはドリブルをしながら親がどの目印をタッチするか見て、ルールに合わせて動きを変える3.慣れてきたら、スピードを上げるなどレベルに合わせて難易度を上げる【トレーニングのポイント】・ドリブルの動きはゆっくりでOK・顔を上げて相手の動きをよく見る・慣れたらスピードを上げる・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年10月04日「サッカーのキャンプには興味があるけれど、まだ低学年の子には早いかな」「キャンプに行って子どもが成長するってどういうこと?」と、キャンプに参加することを躊躇している方も多いと思います。この夏のサカイクキャンプに参加してくれた矢藤さん親子の生の声を通して、そんな疑問にお答えします。(取材・文:前田陽子)サカイクキャンプでトレーニングに励む正太郎くん<<「やる前から諦めずに戦おうと思えるようになった」たった数日のキャンプで子どものチャレンジ精神が養われる理由■低学年でも親元を離れて過ごせる今回サカイクキャンプに参加した矢藤正太郎くんは小学2年生。これまでに近くのいとこの家に泊まりに行ったことはありますが、それ以外で親元を離れての泊まりの経験はありませんでした。「人見知りもなく、初めての人ともコミュニケーションはとれるタイプだと思っていたので、サカイクキャンプに行かせる上であまり心配はありませんでした」とお父さん。参加することについては何度も本人に確認して、親子ともに納得して送り出しました。正太郎くんも「サッカーとかスポーツのキャンプに行ったことがなかったから、行きたいと思った」と自分の意志で行くことを決めたそう。集合場所へはお母さんが送って行ったそうですが、バスの待合場所のかなり手前で「もういいよ」と行ってしまったそう。小2という年齢を考えると、正太郎くんはとてもしっかりしているようです。コーチたちによると、子どもたちの中には親御さんと離れたことがさみしくて、最初の夜に泣いてしまう子もいるそうですが、ほとんどの子が翌日からはケロッとしているとコーチたちは言います。そんな経験も子どもの成長につながるのです。■帰ったときの「楽しかった」の笑顔が充実した時間の証正太郎くんのサカイクキャンプの感想は「楽しかった」。サッカーの基礎から教えてもらい、練習の時間が楽しくて、参加する前よりキック力が上がり、ボールが飛ぶようになったそう。お父さんは正太郎くんの「楽しかった」の感想を聞いて、サカイクキャンプに参加させて良かったと感じました。まだ小学2年の正太郎くんには、キャンプの様子や感じたことをうまく言葉にして説明することは難しいところ。「キャンプも楽しかった、練習も楽しかった。いろいろな経験をしたことがこの一言からわかりました。本当にいい夏休みになりました」とお父さん。また、日常生活では、以前より学校に行くのが早くなったり、帰宅時に「靴を揃えたよ」と教えてくれたりといううれしい変化もありました。「もともと内向的でもないので、ガラッと性格が変わるとか、急激な変化はありません。ですが、戻ったチームでの様子を見ていると、自己主張ができるようになったかなと思います。元々発言はする子でしたが、いい意味でも悪い意味でも遠慮するところがあって。今は自分がチームを引っ張るんだという意思を感じます」とお父さん。■低学年ではライフスキルの「チャレンジ」と「感謝の心」を学ぶサカイクキャンプでは、自分で考える力やコミュニケーション力など、人間性を高めることがサッカー上達に繋がるという考えの元「ライフスキルプログラム」を導入しています。ライフスキルとは、・考える力・リーダーシップ・感謝の心・チャレンジ・コミュニケーションの5つ。どれも練習などを通じて自然と身に付く部分でもありますが、コーチが講習で話すことで、子どもたちの理解がグッと深まります。正太郎くんが参加した低学年のキャンプでは、5つの中から「チャレンジ」と「感謝の心」を取り上げました。チームに戻ったときのエピソードから、ライフスキルの勉強で心に残っているのは、チャレンジかと思いきや、正太郎くんは「感謝の心」ができそうと感じたとのこと。まだご両親に「ありがとう」と口では言えていないようですが、感謝の心の大切さは理解できているようです。自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>■「初めて」の経験がこれからの長い人生で活きてくるはず数多くあるサッカーキャンプの中からサカイクキャンプを選んだ理由を、お父さんはこう話してくれました。「自立心を育てたいと思ったこともそうですが、キャンプに参加すると初めて会う子と短期間でも意思の疎通をしなければなりません。喧嘩をするかもしれませんが、そういう経験が中学、高校、大人と変化しなければならないタイミングで活きてくるのではないかと。新しい人と出会ったり、自分の意見を伝えたりという機会は多い方がいい。サッカーの技術だけを教えるのではないサカイクキャンプが、いいなと思って参加を決めました」今回のキャンプへの参加を「良かった」と親子揃って即答。また、冬キャンプへも参加したいと言っていただきました。キャンプに2度3度と参加している先輩たちは率先して、初めての子に生活面、練習面でサポートしてくれます。これはコーチたちが頼んでいるのではなく、自主的に行ってくれていること。続けて参加してくれることで、1回目に学んだことがさらに活きてきます。コーチたちは正太郎くんをはじめ、今回初めて参加した子どもたちにそういう経験をしてほしいと心から願っています。■キャンプの様子を配信報告で、親の不安を軽減これまでのキャンプの体験談などから、参加させることに不安はなかったというお父さんから、キャンプ参加を悩んでいる方へサカイクキャンプの安心できたポイントを教えていただきました。「キャンプ中に写真や動画を上げてくれますし、何かあったらコーチから連絡が来ます。そういう体制が整っていることがわかっていたので、とても安心でした。参加前に思っていた以上に親が不安にならないように情報を提供してもらえました」サカイクキャンプでは参加者専用のツールを使って、1日数回、トレーニングやライフスキル講習、部屋での様子などを活動報告として送っています。サッカー指導も行っているコーチたちがすべて行っているので、定期的にとはいきませんが、子どもたちの様子がわかるので安心していただければと配信しています。「キャンプに参加することが子どもたちにとって大きなチャレンジ。自分たちはすごいチャレンジをしているんだということを、子どもたちにわかってほしいと思っています」とコーチ。キャンプの最初にそう話すとみんな目を輝かせて、自信を持ちます。コロナ禍になり、学校行事の縮小などでチャレンジの場も減っています。矢島さんのおっしゃっている通り子どもたちにとって様々な出会いや交流はこれからの長い人生において大切なことです。ぜひ、子どもたちをチャレンジの場へ送り出してください。自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>
2022年10月03日基礎的な技術がなかなか伸びない。チームの中でボールを保持できるのは数名、他の子はパスが上手くできなかったりとレベル差がある。楽しく積極的に取り組みながら基礎技術が身につく練習メニューはある?とご相談をいただきました。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、「ひとりでできる練習」に時間をかけすぎな日本の現状と、考えてサッカーをするためにおすすめの練習メニューについてアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<話を聞かない、落ち着きがないU-10年代の指導、チームをまとめる方法はある?<お父さんコーチからの質問>池上さんこんにちは。地元の小学校でサッカーのコーチをしています。コーチ歴は3年で担当はU-10 年代です。メンバーは3、4年合わせて11人です。選手のレベルは3~4人ボールを保持できる選手がいますが、その他はパスがうまくできなかったりで、基礎的な技術が中々伸びない子が多いです。基本的な技術をもっとつけていかないと思っていますが、子どもたちが楽しく積極的に取り組めるようなパス、ドリブルのメニューあれば教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。まず、ここでご相談者様がおっしゃった「基本的な技術をもっとつけていかなくては」という主旨の話についてお伝えします。■日本は「ひとりで行う練習」に時間をかけすぎている日本では、基本技術というと対面パスやコーンドリブルなど、ひとりで行う反復練習、つまりクローズドスキルのトレーニングが多いです。それもやっていいのですが、全体に対し比重が高い。少し時間をかけ過ぎるようです。実は、同じことを3回繰り返すと、その後同じことをやっても人間の脳はもう働かなくなるそうです。例えば、子どもの頃にやった漢字の書き取りやドリルを思い出してください。手本を見ながら、上から三つめまではきれいに書きます。ところが4つめ以下は乱れます。このことを小学校の先生に話したら「今の子どもたちもその通りです。4つめから雑になります」と納得していました。なぜそうなるかは、脳科学でもわかっていることだそうです。サッカーの反復練習も同じです。必要以上にやることはありません。子どもに「キックは、足のここに当てるよ」と指さしてみせて、それを感じさせたらほかのことに移って構いません。サカイク公式LINEアカウントでイベントや最新情報などをお届け!■楽しめてスキルアップできる練習形式は「ゲーム」そういったことから、子どもが楽しめて、なおかつスキルアップできるのは、やはりゲーム形式の練習だと思います。例えば、パスにフォーカスした試合をするとします。その際に「全員にパスがつながらないとシュートにはいけない」というルールにします。そうすると、子どもたちはパスをつなぎ始めます。ドリブルに焦点を当てる場合は「ハーフウエイラインを超えるときはドリブル」というきまりにします。ほかにも、ボールコントロールに注目したいときは、2タッチにしてください。このように、練習のなかでルールを少しずつ変えてあげること。子どもたちのできること、できないことを見定めながら、ひとつのメニューを簡単にしたり、難しくするなどして調整してあげましょう。そしてそれは、ミニゲームだけでなく、3対3、4対4などの練習でも活用します。■トレセンでも「仲間を感じながらプレーする」ができず個人技に走りがちな現状先日、千葉県のある自治体で、12歳以下のトレセンのトレーニングを指導しました。仲間を感じられるようにするため、試合の中でさまざまルールを変えていきました。が、それを意識してプレーすることが、なかなかできません。例えば、最初はフリーで試合をします。次に2タッチでやります。すると、ワンタッチした際に相手ディフェンスがくると、かわすために切り返す。その切り返しは、パスするために、ではありません。思わずドリブルします。ほとんどの選手がそんな様子でした。2タッチだからこそ、最初にボールをさわった瞬間、つまりファーストタッチでいいところに置かなくてはいけません。それができないのは、それまで、まずはドリブルして相手を抜くといったプレーしか選択できなかったからでしょう。トレーニングの終了後、子どもたちは「考えることがいっぱいあって大変だった」と口を揃えていました。■止まったボールを蹴るメニューではなく、頭も体も動かしながらサッカーをすること頭も体も動かしながらサッカーをする習慣をつけてください。それには、子どもたちが楽しく、積極的にプレーができるよう、勝ち負けのある練習を行うことです。例えば、2人一組で行うシュートゲーム。足の股の間にボールを通すゲームです。最初は止まったボールを蹴ります。そこで子どもたちに「試合中はそんな状況はないよね。だったら、どうしたらいい?」と問いかけます。そこで「ドリブルで行ってからシュートする」という声が出ます。「パス交換をしてから(股の間をめがけて)シュートする」というものもありました。その次に、ボールが動き始めると,一回ずつ状況は違ってくることに気づいてもらいます。そうやって考えるたびに試合に近づくわけです。勝ち負けがあって、止まったボールを蹴るメニューではないもの。そうなると、次はディフェンスをつけるという発想になります。さらにゲームに近くなります。こうやって、1対1ではなく、味方も相手もつけてプレーするかたちを目指すと、2対1、2対2、3対2、3対3といったものになります。一見遊びのように見え股の間を通すというゲームから、サッカーの成り立ちを学ぶことができます。■全員にボールを回してシュートするにはどうすればいいか考えるメニューを(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)ご相談者様が指導している3~4年生には、勝ち負けがあるミニゲームや4対4を楽しみながら、パスやドリブルのスキルを習得できるようにしてあげましょう。全員に回らないとシュートできないから、子どもたちはどうやって回すかを考えながらプレーします。それがサッカーというスポーツには大切なことです。シュートゲームなど記事中で挙げたメニューは、以下の私の著書にも出ています。池上正の子どもが伸びるサッカーの練習(池田書店)「蹴る・運ぶ・繋がる」を体系的に学ぶ ジュニアサッカートレーニング(カンゼン)池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年09月30日スポーツマネジメントが題材となった、TBSドラマ日曜劇場『オールドルーキー』。綾野剛さん演じる主人公は元Jリーガーで、引退した選手がその後、どうキャリアを築いていくかにスポットライトが当たり、注目を集めました。オールドルーキーで描かれた、スポーツマネジメントの監修を務めたのが、株式会社スポーツバックス代表取締役の澤井芳信さんです。澤井さんはスポーツマネジメント会社を経て独立し、2013年に同社を創業。現在は上原浩治さんや鈴木誠也選手、萩原智子さん、畠山愛理さんなどが所属しています。学生時代は京都成章で甲子園準優勝を果たすなど、プロ野球選手を目指していた澤井さん。インタビュー後編では、保護者の関わりやトップアスリートに共通することについて、話をうかがいました。(取材・文鈴木智之)<<前編:「オールドルーキー」監修スポーツマネジメント澤井社長が語る、選手を支える「マネジメント」という仕事サカイク公式LINEアカウントでイベントや最新情報などをお届け!■保護者だけでなく、指導者、チームメイトがいてこそサッカーができるサッカーを始めとするスポーツは、一人ではできません。とくに育成年代では、保護者のサポートなくして、充実したスポーツ活動を送ることはできないと言えるでしょう。澤井さんは「僕がサポートしているアスリートは『両親に感謝しています』と口を揃えて言っています」と話し、こんなエピソードを教えてくれました。「メジャーで活躍する鈴木誠也選手は『僕を育てるのは大変だったと思います』と言っていました。スポーツを続けるのは、ある程度お金もかかります。子どもの頃のスポーツ環境を作るのは、保護者ですからね」鈴木選手のお父さんのサポートぶりは有名で、小学生時代、自宅の喫茶店の横の倉庫にネットを張って、野球の練習をしていたことがテレビで取り上げられるなど、親子二人三脚でプロを目指してきました。「彼はいまも両親と仲が良いですし、萩原智子さん、畠山愛理さんも、ご両親と良い関係です。僕は所属するアスリートに『マネジメントは運命共同体や』とよく言うのですが、両親は一番の理解者であり応援してくれる人。そう感じているアスリートは多いでしょうね」サッカーも野球もチームスポーツであり、一人ではできないもの。保護者だけでなく、指導者やチームメイトがいてこそ、サッカーができるんだという事実を、大人が言って聞かせてあげるのも大事なことなのかもしれません。■トップレベルに上り詰める選手に共通することたくさんのアスリートと接してきた澤井さんは、トップレベルに上り詰める選手に共通することが、2つあるといいます。それが「負けず嫌い」と「継続力」です。「負けず嫌いはアスリートはみんな持っていると思うのですが、結果を出すために考えて、努力を継続する力は、トップレベルに到達する選手特有のものだと思います。いわゆる練習のための練習ではなく、試合で結果を出すために何が必要なのかを考えて、様々なアプローチをしています」澤井さんは「トップアスリートは固定観念を持たず、良いものを取り入れる。変わることに対して、恐れを抱かない。考える力があって、常に自問自答している印象です」と言います。サカイクで大切にしている「考える力」は、トップアスリートになるために欠かすことのできないものです。「友人から聞いたのですが、ボクシングチャンピオンの輪島功一さんは、タクシーに乗っているときに、バックミラー越しの運転手の視線からヒントを得て、必殺技のパンチを編み出したそうです。その競技のことを常に考えているから『これ使えるかも』と、ピンとくるわけですよね」澤井さんがマネジメントする鈴木誠也選手も、常にバッティングのことを考えているそうで「それが継続であり、引き出しにつながっていくのだと思います。トライアンドエラーして、自分自身にフィードバックをすることは、スポーツの頭の良さ、考える力につながります」と話してくれました。足元の技術習得より「ありがとう」が言える方がサッカー上達につながる理由■知識を増やすと、それが「知恵」になるさらに澤井さんは「アスリートがそれだけ考えてやっているので、僕たちマネジメントがふんぞり返っていては駄目なんです」と、言葉に力を込めます。「彼らを支えるために、努力しないといけません。無駄な勉強なんてなくて、興味本位で知識を増やしていくことが大事だと思っています。僕はよく言うのですが、知識を増やすと、それが知恵になります。いくら考えても知恵は出てきませんが、知識を増やすと、それがつながって知恵になるんです」澤井さんがスポーツマネジメント会社に就職した当時、メジャーリーガーとして活躍していた上原浩治さんの担当になりました。そこで「鞄持ちになっても意味がない」と一念発起し、上原さんの役に立てることは何かを必死に探していたそうです。「上原さんは野球の知識はお持ちなので、それ以外の知識を身につけること、スポーツ以外の人脈を増やすことを心がけていました。僕がスポーツやビジネスの場で出会う人に、上原さんという存在以外の価値を提供できたときに、新たな価値が生まれ、信頼も生まれます。それが仕事につながることもあるので、そこは意識していましたね」澤井さんは社会に出た後も早稲田大学大学院に通い、スポーツマネジメントを始めとする勉学に励んでいたそうです。まさに「知識は知恵に通じる」の体現です。その姿勢を認めてくれたのか、澤井さんが会社を退職するときに、上原さんが「一緒に行ったるわ」と言ってくれ、創業したスポーツバックス社の所属になってくれたそうです。■サッカーを続けていくうえで感謝の気持ちは大事にしてほしいサカイク読者のみなさんにとって、将来の仕事を決めるのは、もう少し先のことかもしれません。ですが、今回の澤井さんのお話は、将来を考える上で大きなヒントになったのではないでしょうか?ぜひ保護者を含め、周囲の人への感謝の気持ちを忘れず、考える力を持って、サッカーに勉強に頑張ってほしいと思います。その先に、素敵な未来が待っているはずです。澤井芳信1980年10月26日京都出身京都成章高校時代に、春夏甲子園に出場。80回記念大会となる夏の甲子園では松坂大輔擁する横浜高校にノーヒットノーランで負け、準優勝。同志社大学に進学し、硬式野球部に所属。大学3年の時、秋季リーグ戦で遊撃手としてベストナインを受賞。その後、プロ野球選手を目指し、社会人野球の新日鐵君津硬式野球部(現在は新日本製鉄かずさマジック)に在籍するが、4年後に現役を引退。引退後、エージェントの仕事に憧れ、スポーツマネジメント会社に転職。2013年に独立し、株式会社スポーツバックスを設立する。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年09月29日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「ボールの行き先に合わせて移動するのが苦手」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中パスを受けるときは、ボールが転がる先を予測してその場所に走ったり、バウンドしたボールの高さに身体を合わせてコントロールするなどの動きが必要になります。しかし、初心者はどこにボールが来るか予測が正確にできなかったり、バウンドしたボールに身体を合わせる動きがうまくできないもの。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、ボールの行き先に合わせて体を動かすことができるようになるトレーニングを紹介します。【やり方】1.動ける範囲を自由に決めて、親がボールをもって立つ2.親が適当な方向にボールをバウンドさせ、子どもはワンバウンド以内に手でキャッチ3.慣れてきたら、ももや胸など体のどこかでボールを触ってから手でキャッチ4.親子で対戦。親、子とも自由に動きながら、どこかのタイミングでボールを投げ、相手は移動してキャッチ5.ボールを投げる方は、動きながら体のどこかを指定し、キャッチする方は指定された箇所でコントロールしてからボールをキャッチ【トレーニングのポイント】・それぞれの身長よりボールを投げる・ボールをよく見て、相手が投げた瞬間に素早く反応すること・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年09月28日