「ドイツリート」と呼ばれるドイツ語の歌曲と他の言語による歌曲との違いは、詩の比重の違いであるとよく言われる。詩の持つ意味合いを音楽との融合によって極めた芸術作品である「ドイツリート」は、その深みが求められるが故に歌い手を選ぶのだろう。そしてその歌い手に寄り添うピアニストの高い技術があってこそ、「ドイツリート」はより一層の輝きを放つのだ。白井光子と(メゾソプラノ)とハルトムート・ヘル(ピアノ)によるデュオこそが、まさに理想的なリート・デュオであることは、すでに世界中の音楽ファンが認めている。50年近くに及ぶ長いキャリアの中で培われてきた2人の“技”が描き出す音楽の奥深さは何者にも代えがたい。今回の来日公演では、ドイツリートの代名詞と言えそうなシューベルトの歌曲の数々を始め、マーラーの「大地の歌」から第6楽章「告別」が披露されるのも嬉しい限り。詩の持つ意味を考えながら美しい音楽に浸る時間を楽しみたい。●公演概要3月4日(水)第一生命ホール「白井光子&ハルトムート・ヘルリート・デュオ」●白井光子 Shirai Mitsuko (メゾ・ソプラノ)(C)Masanori_Hotta1982年シューマンの生地から栄誉あるシューマン賞を受賞。日本人でありながら今やドイツを代表する歌手であり、世界のトップと評されている。長野県に生まれ、シュトウットガルト音楽大学で学ぶ。1973年フーゴー・ヴォルフ歌曲コンクール、1974年ロベルト・シューマン・コンクールをはじめ、数多くのコンクールで優勝後、国際的リート歌手として活躍。リサイタル、室内楽はもとより、宗教曲、交響曲のソリストとしても、世界有数のオーケストラに客演。国内でもNHK交響楽団定期演奏会等でソリストとして名演を聴かせている。1996年には長年のリート歌手としての活動を評価され出光音楽大賞を受賞。その後もドイツ語の深い解釈、集中力で、リートの世界を広げ、聴衆を魅了し続けている。1996年出光音楽大賞、1997年ABC国際音楽賞を受賞。また、日独両国にその長年にわたる功績を認められ、2005年度第56回芸術選奨文部科学大臣賞、2008年紫綬褒章、そして2010年2月にはドイツ連邦共和国功労十字小綬章を受章。2018年旭日小綬章受章、ヴィクトリア大学(カナダ)より名誉博士号、Dr.h.c.を授与される。現在、カールスルーエ音楽大学教授、国立音楽大学招聘教授。●ハルトムート・ヘル Hartmut Höll (ピアノ)(C)Masanori_Hottaシュトウットガルト、ミュンヘン、ミラノで学ぶ。1982年から、フィッシャー=ディースカウの伴奏者として、各地の音楽祭に出演、日本公演でも伴奏を務めた。室内楽では、タベア・ツィマーマン、エドウアルト・ブルンナー、ザビーネ・マイヤーらと協演、CD録音では、白井光子のほか、ディースカウ、メニューイン、シフ、ツィマーマン等との協演が挙げられる。また、文学に造詣が深く、独自のアプローチによるリート研究への貢献は大きい。シュトウットガルトの国際フーゴー・ヴォルフ協会会長を務め、毎年意欲的なプログラムによるコンサートを企画、主宰、演奏している。現在、カールスルーエ音楽大学学長。
2020年02月27日活版印刷の技術を応用した新しいスタイルのチョコレートを提案する東京・二子玉川のチョコレートショップ「EYECON SHOP」から、詩人・谷川俊太郎の詩「二十億光年の孤独」をモチーフにしたチョコレートが登場。2020年2月上旬に発売予定だ。谷川俊太郎「二十億光年の孤独」を味わうチョコレート“文学を味わう”をコンセプトに企画された本商品は、日本を代表する詩人の1人として知られる谷川俊太郎の作品「二十億光年の孤独」の全文をチョコレートの表面に刻んだ、文字通り文学を味わうチョコレート。今回は「朝のリレー」に続くシリーズ第2弾として、1952年6月に刊行された谷川の処女詩集「二十億光年の孤独」より、同名の詩がそのモチーフに選ばれた。チョコレートの製造にあたっては、日本におけるビーン・トゥ・バーチョコレートの先駆けである東京・深沢のチョコレート工房「ショコル / xocol」と再びコラボレーション。コロンビア産のカカオ豆を使用した前作とは趣を変え、時にナッツにも比喩される芳醇な香りを特徴とするグレナダ産のカカオ豆を採用。石臼で丹念に挽かれたカカオ豆の力強くい味わいと、あえて溶かさないことで食感を残した種子島産粗糖の心地よい甘みが楽しめるという。活版印刷を施した化粧箱&詩を型押ししたアルミラップパッケージには活版印刷で「二十億光年の孤独」と「谷川俊太郎」の文字を印刷した化粧箱を採用。朝の爽やかな空気感を感じさせる真っ白な化粧箱を採用した「朝のリレー」とは対照的に、“宇宙の闇”をイメージした漆黒のパッケージに。また、チョコレートを包むアルミラップにも詩の型押しが施されているなど、今回も細部にまで文学が感じられるような仕上がりとなっている。商品情報谷川俊太郎/二十億光年の孤独 チョコレート発売時期:2020年2月上旬予定取扱店舗:・EYECON SHOP ※来店の際は事前連絡が必要。・EYECON SHOP オンラインショップ予定価格:1,200円(税込)内容量:45g(グレナダ産カカオ豆 72%+粗糖28%)製造:ショコル / xocol※初回製造分は、箱表面の活版印刷(シルバー)が手動の活版印刷機での印刷となる。※カカオ豆の産地は予告なく変更をする場合あり。【店舗情報】EYECON SHOP住所:東京都世田谷区玉川3丁目9-10 マノア玉川第2 402TEL:03-6310-0446
2019年12月07日東京・二子玉川のチョコレートショップ「EYECON SHOP」から、詩人・谷川俊太郎の作品「朝のリレー」をモチーフにしたチョコレートが発売。谷川俊太郎の詩「朝のリレー」をチョコレートで味わう“文学を味わう”をコンセプトに企画されたこの商品は、日本を代表する詩人の1人として知られる谷川俊太郎の作品「朝のリレー」全文をチョコレートの表面に刻んだ、文字通り“文学を味わう”チョコレートだ。商品化にあたっては、活版印刷の技術を応用した新しいスタイルのチョコレートを提案する「EYECON SHOP」が、日本におけるビーン・トゥ・バーチョコレートの先駆けである、東京・深沢のチョコレート工房「ショコル(xocol)」とコラボレーション。石臼で丹念に挽かれたカカオ豆の力強くも繊細な味わいと、あえて溶かさないことで食感を残した粗糖の心地よい甘みが楽しめる味わいに仕上げたという。活版印刷を施した化粧箱&詩を型押ししたアルミラップパッケージには活版印刷で「朝のリレー」と「谷川俊太郎」の文字を印刷した化粧箱を採用。また、チョコレートを包むアルミラップにも詩の型押しが施されているなど、細部にまで文学が感じられるような仕上がりとなっている。第2弾「二十億光年の孤独」も今後は、第2弾として、1952年6月に刊行された谷川の処女詩集「二十億光年の孤独」から、同名の詩をモチーフにしたチョコレートの販売も予定されている。商品情報谷川俊太郎/朝のリレー チョコレート取扱店舗:・EYECON SHOP ※来店の際は事前連絡が必要。・EYECON SHOP オンラインショップ価格:1,200円(税込)内容量:45g(コロンビア産カカオ豆 72%+粗糖28%)【店舗情報】EYECON SHOP住所:東京都世田谷区玉川3丁目9-10 マノア玉川第2 402TEL:03-6310-0446
2019年11月03日詩人の最果タヒとコラボレートしたコンセプトルーム「詩のホテル。」が、ホテルシー京都(HOTEL SHE, KYOTO)に登場。2019年12月9日(月)から2020年3月8日(日)の期間限定で展開する。「詩のホテル。」は、“詩に泊まる”というアイディアをかたちにした、“言葉の宿泊体験”を提供するプラン。いまを代表する詩人・最果タヒが書き下ろした詩をいたるところに散りばめた部屋を展開する。デザインは、これまで最果タヒの書籍デザインを担当してきたグラフィックデザイナー・佐々木俊が手掛けた。また、コンセプトルームは、ダブルとツインの2タイプを用意する。オープンを記念し、実際に「詩のホテル」のルームキーとして使われている「詩のキーホルダー」をはじめ、ポスター、トートバック、ステッカーなどのオリジナルグッズを数量限定で販売。特に注目したい、15以上の種類がある「詩のキーホルダー」は、それぞれの詩に書かれた部屋番号もそれぞれ異なる仕様となっている。さらに、女優の青柳いづみが朗読した、最果タヒの詩のレコード『こちら99等星』も数量限定で販売。客室にはレコードプレーヤーを用意しており、目でも耳でも、普段は気にも留めない身近な“言葉”へと改めて意識を向け、その世界に浸り込むことができる。そのほか、ホテル1階に併設されたカフェでは、詩が刻印されたクッキーを使った「アフォガードの詩」を味わうこともできる。【詳細】ホテルシー京都 × 最果タヒ「詩のホテル。」期間:2019年12月9日(月)〜2020年3月8日(日)場所:ホテルシー京都住所:京都府京都市南区東九条南烏丸町16番地TEL:075-634-8340客室数:3室限定(ツインルーム2部屋、ダブルルーム1部屋)料金:12,100円〜 / 部屋■オリジナルグッズ発売日:2019年12月9日(月)※オンラインでも販売予定。詩のキーホルダー 2,750円(税込)詩のポスター 1,650円(税込)詩のトートバッグ 2,200円(税込)詩のステッカー 550円(税込)詩のレコード『こちら99等星』 2,200円(税込) ※12インチ アナログレコードアフォガードの詩 660円(税込)
2019年11月03日アート・音楽・食の総合芸術祭「Reborn-Art Festival 2019」のオープニングを飾る音楽イベント『転がる、詩』が、3日と4日に宮城県・石巻市総合体育館で開催された。両日チケットは完売し、2日間で約5400人を動員した。ここでは、3日に行われたライブをレポートする。「Reborn-Art Festival 2019」実行委員長を務める小林武史が率いるバンドが登場し、小林が「すごい良いライブです、本当に。よろしくお願いします」とあいさつ。小林の呼び込みで、青葉市子が登場し、「かなしいゆめをみたら」など全5曲を披露した。会場の気温は高かったものの、小林の「ミュージシャンなんだけど、アートを感じさせる人」との言葉通り、幻想的な雰囲気が広がった。また、「Reborn-Art Festival 2019」の展示作品として、石巻市内では1日に3度(7:00/12:00/17:00)、青葉の声を重ねて作った「時報」が流れる。続いて登場したのは、Salyu。長年タッグを組む小林のキーボードの音色に合わせて、伸びやかな歌声で「HALFWAY」など5曲を披露した。SalyuはMCで、2017年に行われた前回の「Reborn-Art Festival」を振り返り、「石巻にも長い間滞在したり、住んでいる方とコミュニケーションをとらせていただいたりしました。帰るときにとても名残惜しい気持ちになったことを思い出しました」と話し、「また2019年も参加できて、とてもうれしいです」と笑顔を見せた。次はエレファントカシマシ・宮本浩次が登場。ステージを縦横無尽に駆け回り、観客にくまなく手を振り、「なんて素敵なイベントなんだ! みんな暑いけど、いいノリしてるね~! いい顔してるね~!」と盛り上げる。3曲目には、宮本は「すごく今日の場所にピッタリの歌。静かな歌なんだけど、毎日ってすごく素敵だということを歌っている、小林さんと一緒につくった大好きな歌です」と紹介し、同時多発テロが起きた2001年のニューヨークにて、小林と共同制作した「普通の日々」を演奏した。宮本浩次photo by Takehiro Goto宮本のステージは、まさに全身全霊であり、全身で表現。ときには倒れそうになりながら、ステージに寝転び歌ったり、ステージから降りて観客とハイタッチしたりする場面も。全9曲を終え、ステージを去った宮本に対して、小林は「すごかった」とポツリ。「引っ込んだけど、宮本浩次君にもう1回拍手!」と称賛していた。最後に登場したのは、櫻井和寿だ。いつもはMr.Childrenとして披露される楽曲を、今回は違ったバンド編成でパフォーマンス。そのため、いつもとはまた違った聴こえ方に。MCでは、「この場所でやれてものすごくうれしいです! おのずと気持ちが歌に入っていきます。最高です」とあいさつ。そして、イベントタイトルの『転がる、詩』について、「転がる石には苔が生えない」という言葉からオマージュしていることを明かした。小林からは「照明やステージ演出を派手にやるのではなく、歌が、日本人としての言葉が届いていくようなイベントにしたい」と言われたそうで、櫻井は「その時々に、いろんなことを感じてつくった歌詞や歌があります」としつつも、「だけど、当時の思い出がよみがえるだけの歌じゃなくて、今聴いてもあの時とは違った感覚で届く曲を選んだつもりです」と話した。その一方で、「メロディや演奏も大事に思っている。『歌詞なんていらないじゃん』と思うこともある」という櫻井は、さだまさしの「北の国から」のフレーズを歌い、「次にお届けする曲も、一番大事なところは『ラララ』で歌っています」と紹介。「ラララ」を歌唱した。その他、「くるみ」「Sign」など8曲を歌った櫻井。アンコール後は、Salyuとともに再び登場し、「MESSAGE -メッセージ-」「to U」を届けた。『転がる、詩』では、全編にわたって現代アーティスト・中山晃子の即興による"Alive Painting"と歌詞を映し出す演出がなされ、それぞれのアーティストの世界と「詩」の持つエネルギーに会場中が引き込まれた。「Reborn-Art Festival 2019」は宮城県の石巻市街地、網地島、牡鹿半島、松島湾にて、9月29日まで開催される。今年のテーマ「いのちのてざわり」に思いをはせ、7つの展示エリアで7組のキュレーターとともに約70組のアーティストのアート作品が、石巻市街地と牡鹿半島の豊かな自然とともに彩られ、各エリアに展示されている。photo by NAKANO Yukihide
2019年08月06日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■獅子座生まれのあなたへまなざしの記憶呼び声に振り向くたび、ひるがえる予感の数々。手放せない選択肢に、胸は惑いつづける。あなたはわたしを呼ぶだけでいい。それがプロローグの合図。「あなた」と出逢うごとにわたしは頭の中の筋書きを結び直す。彼らはわたしの空洞を何食わぬ顔で通り過ぎていく。みんなの恋が全部同じならば、物語はもっと単純に済んだだろう。今は離れ離れだとしても、かならずこの地平線上で逢える。恋は何度でもよみがえる。それは、いちど地上に落ちた陽がまた輝きながらのぼるのと同じこと。夜明けの地平線に立てば光がひとすじ滲みゆく。黄色い太陽、わたしから目を離さないで。燃える瞳で見抜いてよ。頼りないわたしの肩を力いっぱい照らして、抱き寄せるの。あなたは、全物語の宛先なのだ。言葉や、ちょっとした仕草もあなたが見ることで完成する。確かにわたしの一部であった、そのまなざしだけが今も胸に焼きついて離れない。終わらない記憶のとびらを叩き、不意にわたしの名を呼ぶことがある。☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。コイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年07月23日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■蟹座生まれのあなたへ真実の泉「選ばせてあげる」その泉から現れた女神は月夜に微笑みながら、木こりの誠実さを試すのだ。「あなたを救いたい。だから、わたしは問いかけるの。どの愛が本物でしょう?よく受けとめて、確かめるのよ」愛し抜くために欲しいのは、鋭い真実だけ。あなたは自らを裏切った。わたしの愛を手放した。嘘の輝きに目がくらんだのでしょう。不実な選択は最後の優しさだったのか。わたしの正義を憎んでほしい。たやすくゆるせてしまうくらいなら。たくみに水辺へ誘いだし、大切なものを落とすように仕向けたきたないわたしのことを、あなたはゆるしてはいけない。もういちど選ばせてあげる。わたしを泉の底から引き上げて遠く連れだすのよ。そして腕の中で叱るのです。かがやく銀の斧を握らせた、わたしの愛の実験をゆるすな。【次回は7月「獅子座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。コイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年06月22日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■双子座生まれのあなたへ視線の戯れ会議室を後にして廊下の壁に踊るわたしの影絵。壁際を器用についてきて、わたしよりも、わたしみたいだ。誰より軽やかなかたわれへひとり微笑みかける。今夜、タイムカードと引きかえに影絵のわたしに交替するの。飼い慣らせるものなら、飼い慣らしてごらん。まなざしは管理できない。きみを照らすためには光だけだと強すぎること、ちゃんと知っているから。ときには影となって忍び寄っていこう。この目にすべてを確かめさせて。わたしをきみから引き離してよ。きみは光の速さで抜き去って、わたしをもっと駆り立てるの。けれど彼方から振り返ること、忘れては厭。視線と視線で戯れたなら影は光に追いついて、ふたりの距離はゼロとなる。ただ激しく競うように見つめて恋の閃光に破れていく。【次回は6月「蟹座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。コイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年05月21日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■牡牛座生まれのあなたへ埋めるべき空白のためにきみの隣で眠れたら恋だと思う。二人で眠ると、あたたかいこと。手を握ると、溶け合えること。朝食にリンゴを剥いて食べるとき、爽やかな甘い果実は二人の子どもみたいであること。教えてあげたい。「彼女っぽく」とか「恋人らしく」とかわたしに求めるのは違うこと、とうに気づいてるでしょう?見つめ合えば、二人のあいだにある空白を否応なく意識する。口火を切って。埋めるべき空白のために、愛の言葉は存在するのだと。おいで、教えてあげる。きみの隣で目覚めたらわたし、きみの爪やきみの心臓を盗むと思う。体温さえ奪って、毛布のようなきみのなかに潜るのだ。きみの目は、わたしの目だよ。萌える新緑よ、見ていて。この恋を誰にも奪わせはしない。【次回は5月「双子座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年04月21日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■牡羊座生まれのあなたへ火の鳥わたしを止めないでね。朝日ははじまりの合図。眩しいあなたを見つめていると、まぶたの裏が熱くなるから血が鼓動しているのがわかるの。心臓をかき鳴らして音階なんて飛び越えてはやく全身で震えたい。好きだと気づく前にからだが走り出していた。一瞬のときめきと熱狂がわたしにわたしを突破させる。飛び込む勇気をくれたのはあなたでしょう?今度はわたしが救いに行くわ。全力で駆けつけるから、こころの声で打ち返して。わたしを止めないでね。もう誰も、ほんとうにね。あなたに離れられたらどこへ走って行けるというの。火の鳥みたいな夕空、消させないわ。空を駆け巡って燃やし尽くしてあなたの恋人を生きたいんだ。【次回は4月「牡牛座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年03月21日Twitterで一篇の詩が大変話題となっている。英国に住む10歳の女の子が綴った「ディスレクシア(失読症)」というタイトルの詩だ。I am stupid(私はバカです)Nobody would ever say(誰も言ってくれなかった)I have a talent for words(私に言葉の才能があるなんて)I was meant to be great(私は偉大な人になるはずだった)That is wrong(それは間違っていた)I am a failure(私は出来損ない)Nobody could ever convince me to think that(誰も私に確信させてくれなかった)I can make it in life(私が人生で成功できるということを)ディスレクシアとは字の読み書きに困難を生ずる学習障害のひとつ。前から読むとディスレクシアであることに対する嘆きのように見えるが、この詩は逆から読むことで全く別の作品となるのだ。私は人生で成功を収めることができる自分が出来損ないだなんて誰も私に思わせなかったそれは間違っているから私は偉大になれるはず私には言葉の才能がある私がバカだなんて誰も言わない言葉を専門に教える教師ジェイン・ブローディスさんが、「今日10歳の女子生徒が書いた、前からも後ろからも読める詩です。感動しました。ぜひシェアしてください」とTwitterに投稿したところ、4日足らずで「いいね」は17万回以上押され、リツイートも5万回を超えている。TODAYによると、この詩を書いた少女はディスレクシアではなく、授業でこの学習障害のことを知って詩にしたのだという。「彼女はとても感受性の強い子なんです。だからこれをテーマに選んだのでしょうね」とブローディスさんはコメント。「失読症を持つ人々への大きな励ましとなるでしょうし、多くの人を魅了する詩です。だからこそ、これほど共感を得ているのだと思います」。オンラインでの正式な公開や、出版の話もいくつか舞い込んでいるという。「印刷物でこの詩を見られるなんて素敵ですね。私は、自分の生徒の素晴らしい詩作をただただ賞賛したい気持ちです」と、ブローディスさんは誇らしげに語った。
2019年03月04日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■魚座生まれのあなたへ溺れる青さみしいとき、海は一体何に溺れるのだろう。たったひとり、こんなに波を奏でて。海は二つの「青」を差しだす。すべてを包み、守り抜く青と荒れ狂い、天を殴るような青。二つの青が争いながら鎖のように結びつき、濡れた静けさを鳴らしている。あなたをわたしの海へ突き落とす。呼吸できないほど深く、水底まで引き込んで肺の空気を捧げ合うのだ。溺れてごらん。あなたの鼓動も、瞳の色もわたしの片割れとなり果てるまで。まだ眠っている頬を夜明けの光でやさしく拭う。いつも、ぎりぎりのところであなたを生かしてしまう。わたしはまだ溺れていない。二つの青を隠し持つこの身に潮が満ちていく。【次回は3月「牡羊座の恋愛詩」】プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年02月19日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■水瓶座生まれのあなたへ恋の翼わたしの仕事は、誰かの夜を手当てすること。あなたの翼をなぐさめて明日の空へ飛び立たせよう。境界線などない場所へ未だ見ぬ愛のかたちを求めて。空港の展望デッキに佇めば、朝の訪れは、色づく魔法。滑走路に連なるライトを指先で大胆に結んでいく。今日だけのあたらしい青に遠いあなたの空もちゃんと染まりますように。この青は、わたしの心の色そのものだから。夜を突き抜けて同じ空色の運命を互いの瞳に映していたい。【次回は2月「魚座の恋愛詩」】プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年01月20日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■山羊座生まれのあなたへ愛の階段誘い出された先は歴史ある古い劇場でした。舞台の中心にそびえ立つ大階段。永遠を目指して、たくさんの愛がここを越えていった。その高みにのぼりつめるとき、どんな景色が見えるのだろう。ひとめ確かめたくてわたしはあなたを愛しはじめた。駆けのぼっていくわたしを追ってきてくれますか。どんな見事な花束もほどかれた瞬間、ばらばらに散ってしまうから。この腕をあなた自身に結わえつけて影絵のように抱き合えばいい。最後の一段を越えていくとき、わたしは客席を振りかえり、高らかに歌いだすだろう。今夜ただひとり招待した、あなたが愛に迷わないように。【次回は1月「水瓶座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。★オフィシャルサイト「Fuzuki Yumi Website」★Twitter「文月悠光@luna_yumi」プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。★ホームページ「RIKA KOIZUMI」
2018年12月22日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■射手座生まれのあなたへ夜を旅して旅をしたい。たとえば、きみの見ている夢をのぞきにこっそりと夜出かけてしまいたい。そこに、わたしがいなくてもいいから。眠るまぶたをノックして、わたしの知らないきみを訪ねにゆくのだ。空を染め尽くす濃密なネイビーブルー。思い出すのは、少女のころに科学館で観たプラネタリウム。愛と殺し合いの歴史を星たちは毎夜、紡いでいる。射抜かれた胸の痛みをもう眠らせてはおけない。冴え冴えと醒めた瞳のなかを星は駆けていくのだから。冷えていく夜気の鋭さを弓矢のようにたずさえて、わたしは夢の世界の使者となろう。熱いまぶたをノックして、きみがどんなにまばゆい星かわたしがきみに見せてあげる。【次回は12月「山羊座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。★オフィシャルサイト「Fuzuki Yumi Website」★Twitter「文月悠光@luna_yumi」プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。★ホームページ「RIKA KOIZUMI」
2018年11月22日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■蠍座座生まれのあなたへ手を染める落ち葉とまちがえて拾ってしまった。片方だけの革の手袋。しなやかに伏し、背を丸くしてわたしの知らなかったわたしがこうしてひととき眠っていたのだ。ヒールに響く痛みはいつしかわたしを鈍く酔わせている。枯れないと信じた愛も信じ抜くままに終わっていくから、あなたにわたしを変えさせてあげる。まるで鏡ね。あなたを映すために生まれた。そうよ、わたしの前に立ち止まって。願いに色づいていく横顔をバーカウンターが艶やかに反射した。隠し扉の奥にたたずむワインボトルから一滴一滴を、この爪に落とす。目覚めなさい、愛に手を染めたなら。革の右手に、はだかの左手を重ねればひっそりと羽ばたきはじめる。血は熱く指さきまで達し、一羽の鳥を秋夜へ放った。「あの人はわたしの手袋だったんです」彼女は告げた。光を宿したまなざしで空のワイングラスを縁取りながら。【次回は11月「射手座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集
2018年10月24日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■天秤座生まれのあなたへ//// 風吹く理由 ////街は季節のクローゼット。はやりの洋服たちへ次々に袖を通す。(どこへ行き着くつもり?)問いかける声を振り切りながら、風は無傷でありたくて吹く。どんな景色も着こなしてしまう、透明なわたしを見透かさないで。風にひとすじの色をください。「わたしから去らないのね?」一本の木に見惚れて、立ちすくむ。しなやかに振れる枝々よ、わたしが何者であるのかきみの手だけが教えてくれる。この胸の鼓動ごと、幹は抱きとめて揺れはじめた。ゆるせずにいた文字の一粒一粒をきみとわたしを洗う雨にかえよう。くちづければもみじの赤さに染まり、深まる秋をきみは恥じらう。ここを去れないことは弱さじゃない。きみがちゃんと傷を包んで大人になっていった証なのだ。枯れゆくものが愛おしくて、わたしはまた確かめるようにきみを揺らしてしまう。///////////////////【プロフィール】誌:文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。イラスト:コイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。
2018年09月23日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■乙女座生まれのあなたへ片恋の地平線スケッチブックの白いページに未来の花びらを描いていく。ピンと伸びたコスモスの花は紙の上、秩序を守って咲き誇る。やわらかに花開くときをわたしは迎えられるだろうか。今はまだ硬い種のまま、咲き方を知らずに夢見ている。恋の闘争をおそれてこの地に愛の種をひそめた。臆病な猫は誰よりも上等に傷ついていないふりをする。きみは遠い太陽のようにあたたかくて、さびしいひと。欠けたわたしが見えないように雲の上へきみを遠ざけていた。髪を編みながら眺めよう、きみが地平線に燃え尽きるさまを。役に立たないわたしの弱さをいつか見つけて愛おしんでね。スケッチブックの未来をしかと胸に抱き、あるきだす。きみに届く夢をわたしは手放ずに守り抜こう。風にくだけた花びらはふたりが気高くあれるようにとすみやかに夜の星座を成した。【次回は9月「天秤座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2018年08月23日“光の画家”と称されるターナー(美術館にて写真撮影の許可をいただきました) イギリスを代表する風景画の巨匠、ジョゼフ・ウィリアム・ターナー(1775~1851年)。ロンドンの下町であるコヴェント・ガーデンの理髪店に生まれた彼は幼い頃から絵を愛し、14歳でロイヤルアカデミー付属学校に入学。20代で画家としての地位を確立しました。穏やかな田園風景、荒れる海や険しい山岳など、そこで描く自然の様々な表情を優れた技法で表現した風景画は、今尚人々の心を捉えて離しません。独特の光や空気に包まれたターナーの画風は、フランスの印象派をはじめ、後世の芸術家に影響を与えました。本展覧会では、ターナーによる、油彩、水彩、版画約120点を英国各地と日本国内の美術館から集め、出展作品の多くが日本初公開となる大変貴重な機会です。 風景画から旅行を追体験 左)東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館内展示室作品(美術館にて写真撮影の許可をいただきました)右)筆者がオルセー美術館で撮影したセザンヌによるサント・ヴィクトワール山を描いた作品 本展覧会では、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」のターナーの風景画に見いだすことのできる主要テーマに分けて紹介されています。当時、貴族の修学旅行ともいえるグランド・ツアーが流行り、国外への旅行者が増えたことが大きく関係しているといわれています。毎年、ターナーはイギリス国内はもとより、フランス、イタリア、スイス、ドイツなど、ヨーロッパ各地にも足を運び、膨大な風景をスケッチしました。ターナーが手掛ける絵画作品は、その土地の様子を精巧に描くことで、現代でいうところの『地球の歩き方』のような、旅行のガイドブック的役割を担っていました。是非、会場内を歩みながらヨーロッパ各国を旅する気分を味わってみてください。写真(右)は近代絵画の父と称されるセザンヌが、モチーフとしてよく描いてたサント・ヴィクトワール山。ターナーとの山の表現を見比べてみると表現の違いが明確で面白いですね!ビジネスマンの視点《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》 1802年展示油彩・カンヴァス91.5×122cm サウサンプトン・シティ・アート・ギャラリーOn loan from Southampton City Art Gallery ©Bridgeman Images / DNPartcom 海が持つパワーを表現しようと果敢に挑戦した《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》は、ターナーが晩年に買い戻そうとして叶わなかったというエピソードもある名作。荒れ狂う波に流されまいと帆を高く掲げる船や抗おうとする漁師たちの姿だけでなく、優れた技量によって自然の多様性さ、美しさ、ドラマを伝えています。日本と同じ島国であるイギリスでは、海景画は主要な芸術のジャンルだったそう。ターナーが生きた時代は、ナポレオンが率いるフランス軍の脅威にさらされていたため、イギリス国民全体が海に対する関心を共有していました。自然に対する理解と趣味が変化するなかで、より広範囲にわたる流行を認識して、ターナーは作品制作していたのだそう。そういった背景を読み取っていくと彼はビジネスマンの視点を持ち合わせていたことが分かります。作品の美しさだけに触れるのもアートの楽しみ方の一つですが、そういった発見から歴史や着眼点も学べると、もっとアートの楽しみ方が広がっていきますね! 是非、会場に足を運んでみてください。 【情報】 「ターナー風景の詩(うた)」展 会期:2018年4月24日(火)〜7月1日(日)会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館住所:東京都新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階休館:月曜日(ただし4月30日は開館、翌5月1日も開館)時間:午前10:00〜18:00※5月9日(水)、16日(水)、6月26日(火)〜30日(土)は19:00まで※入館は閉館の30分前まで観覧料:一 般 1,300円 大・高校生:900円 65歳以上:1,100円 中学生以下:無料
2018年05月13日中国の3都市を舞台に3つの短編で構成されるオムニバス映画『詩季織々』。新海誠監督作の『君の名は。』『秒速5センチメートル』で知られるコミックス・ウェーブ・フィルム(CWF)制作の最新作とあって注目を集めている本作だが、この度、本作初の映像となる特報映像と新ビジュアルが到着した。本作は、『陽だまりの朝食』『小さなファッションショー』『上海恋』と3つの短編で構成。失いたくない大切な思い出を胸に、大人になった若者たちの過去といまを紡いだ珠玉の青春アンソロジー。今回到着した映像は、「AnimeJapan 2018」のパブリックデイ(3月24日~3月25日)にCWFのブースにて上映が予定されている本作の特報映像。各物語の主人公にとって、失いたくない大切な思い出となる重要なシーンが登場。まず『陽だまりの朝食』では、監督の出身地・湖南省の美しい風景に、名物の三鮮米粉(さんせんビーフン)と祖母との思い出が描かれ、『小さなファッションショー』では、大都会・広州で、幼い頃の思い出を抱え懸命に生きる姉妹2人の姿が。そして『上海恋』では、監督の故郷である移りゆく上海の石庫門を舞台に、少年少女の瑞々しい青春模様が描かれている。そして、各作品のコンセプトとなる“衣食住”をモチーフにした新たなビジュアルも到着。“食”をテーマに監督自らの思い出をノスタルジーたっぷりに詩的に描く『陽だまりの朝食』(イシャオシン監督)。“衣”をテーマに広州の姉妹の物語を描く『小さなファッションショー』(竹内良貴監督)。“住”をテーマに描き、『秒速5センチメートル』のオマージュ作として注目を集める『上海恋』(リ・ハオリン監督)。それぞれ、切なくも心温まるストーリーを予感させるビジュアルとなっている。さらに、本作のムビチケカードが4月28日(土)に発売されることも決定。先着購入特典として、オリジナルミニクリアファイルがついてくる。『詩季織々』は2018年夏、テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて公開。(cinemacafe.net)
2018年03月22日『秒速5センチメートル』『君の名は。』の新海誠監督作品などで知られるコミックス・ウェーブ・フィルム(以下:CWF)制作の最新作『詩季織々』が、2018年夏公開されることが決定。本作は中国の3都市を舞台に、失したくない大切な思い出を胸に大人になった若者たちの、過去といまを紡いだ3つの短編からなる珠玉の青春アンソロジーとなっている。本プロジェクトは、中国で数々のアニメーション作品を制作し、中国のアニメ業界をリードするブランドHaoliners(ハオライナーズ)の代表も務めるリ・ハオリン監督が、10年近く前に『秒速5センチメートル』を観て新海監督に憧れ、熱烈なオファーをCWFに送り続けたことにより始動。今作ではリ・ハオリンを総監督に、実写映画出身でアニメ初挑戦となるイシャオシン、CGチーフとして長年に渡り新海作品を支え続けてきた竹内良貴を監督に起用。監督全員が30代前半と、日本と中国の若き才能が集結した。今作で自らの思いを重ね合わせ描くのは、中国の暮らしの基となる“衣食住行”――。■「食」をテーマに描く『陽だまりの朝食』(イシャオシン監督)北京で働く青年シャオミンは、ふと故郷・湖南省での日々を思い出す。祖母と過ごした田舎での暮らし、通学路で感じた恋の気配や学校での出来事…子ども時代の思い出の傍には、いつも温かい、心のこもったビーフンの懐かしい味があった。そんな中、シャオミンの祖母が体調を崩したとの電話が入る――。今作が初のアニメーション監督作品となるイシャオシン監督は、「原作は、私が6年前に書いた短文です。当時の私は田舎から北京に来たばかりで、頼れる人も、友も、仕事の目標もありませんでした。ある寒い冬の夜、あまりの寂しさから、故郷を想い、祖母や家族との懐かしの味とその思い出を物語にしました。その作品は共感を呼び、映画化の提案も多く頂きましたが、今回縁あってこの企画のお話をいただいたときに、この原作でアニメに初挑戦しようと決めました」と自身の思い出を込めたと明かしている。■「衣」をテーマに描く『小さなファッションショー』(竹内良貴監督)広州の姉妹、人気モデルのイリンと専門学校生のルル。幼くして両親を亡くした2人は、共に助け合いながら仲良く一緒に暮らしていた。しかし、公私ともに様々なことがうまくいかなくなってきたイリンはついルルに八つ当たりしてしまい、2人の間には溝ができ、大喧嘩をしてしまう…。劇場公開作品として初監督に挑む竹内監督は、「この作品を作るにあたり、中国の広州の街中を歩き回りました。近代的な真新しいビルが立ち並び、かと思えば昔ながらの町の風景もそこかしこに息づき、それらがものすごい速さで変化していくという、まさに時代の変化を絵に表したかのような光景がそこにはありました」と広州を表現。「この僕の作品は服をキーにして姉妹の関係性の変化を描いていますが、それを通して何か感じ取れるものが見終わった後に残ってくれれば幸いです」とメッセージを寄せている。■「住」をテーマに描く『上海恋』(リ・ハオリン監督)1990年代の上海。石庫門(せきこもん)に住むリモは、幼なじみのシャオユに淡い想いを抱きながら、いつも一緒に過ごしていた。しかし、あることがきっかけとなり、リモは石庫門から出ていき、お互いの距離と気持ちは離れてしまう。そして現代、社会人になったリモは、引っ越しの荷物の中に、持っているはずのないシャオユとの思い出の品を見つけるのだった。本作は、変わりゆく上海の街並みに思い馳せ、淡い初恋を瑞々しく繊細に描いた『秒速5センチメートル』のオマージュ作。リ・ハオリン監督は、「人の一生は一瞬で過ぎ去り、人は何かを忘れ、誰かと別れ、離れていってしまう。そんな儚く消えゆくものを、美しい映像としてずっと残したいと思いました」と今作制作のきっかけを語り、「舞台となる上海の石庫門は、1980年代に生まれた私たちの世代には“実家”のような存在です。狭い中で、家族の距離は近く、温かい。しかし、時代とともに、人がいなくなり、石庫門は徐々に取り壊されています。幼少期、いつまでもその家に家族一緒に暮らしていくと思っていたのに、いつしか離れ離れに、そして永遠に別れることになる。そんな”実家”への感情は”初恋”に似ていると思いました。『上海恋』ではアニメーションという言葉を通して、それらの感情を皆様にお届けできれば幸いです」とコメントしている。『詩季織々』は夏、テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年02月27日こんにちは、島本薫です。「対詩ライブ」というイベントを耳にしたことはありますか?ふたりの詩人が数行ずつ言葉を紡ぎ、観客の前で一編の詩を書いていく「即興詩のかけあい」です。本日は、詩人を身近に感じられる「対詩ライブ」の魅力をお届けしましょう。■「対談」でも「対戦」でもない「対詩」のライブ詩人がいかにして詩を創作するのか。詩人とはどんな人たちなのか。詩と詩人を身近に感じられるイベントです。主催obla()t隣人のように、詩人を身近に。文学ではない場所で「詩的なもの」と出会う。そんなコンセプトで始まった「対詩ライブ」。「対詩」とは、ふたりの詩人が交互に5行以内の詩を書いて、12の倍数でひとまとまりの「詩」とするもので、複数の詩人が詩を書き継ぐ「連詩」の一種です。リレー形式の即興詩という世界初の試みを続けてきたのは、詩人の谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)さんと覚和歌子(かく・わかこ)さん。観客を前にしたそのライブでは、書き手はひとり静かな場所で自分と向き合いながら言葉を紡ぐわけにはいきません。ライブ終了までの限られた時間の中、どんなテーマの詩を書くことになるのかもわからない未知の旅に出発するのです。言葉を選び直したり、行をまるごと削ったり。詩作の様子はスクリーンに映し出され、詩が生み出されるスリリングな一瞬一瞬を、観客も共有します。「できました」という声を聞くどきどき感は、ライブでしか味わえないもの。また、短い詩がひとつ誕生するたび、詩人自らによる朗読や解説を聞くことができるのも、ライブならではの魅力でしょう。ところが、対詩ライブの面白さはそれだけではありません。観客は、生まれたばかりの詩や創作について、詩人にたずねることができるのです。■詩や詩人との距離が近くなる「対詩」では、ひとつの詩が出来あがると相手に詩作を引き継ぐわけですが、次の詩ができあがるまでの時間は待つ方の詩人と観客とのトークタイムとなり、さまざまな質問が飛び交います。「初めに書かれていたものからまったく違う詩になりましたけど、どういう流れでそうなったのですか?」「朗読で『工場』を『こうば』とお読みになっていましたが、『こうじょう』という読み方ではないのですね」谷川俊太郎さんも覚和歌子さんも気さくに質問に応じてくれ、「自分の書いた詩を発表していくにはどうしたらいいでしょう」といった創作の悩みから、時には「才能の源泉とは?」という難しい質問までもが飛び出します。「相手の詩ができあがるのを待っている間は、どんなことを考えているのですか?」「ひとりで詩を書くのと対詩とは、どんなところが違いますか?」そんなやりとりを重ねていくうちに、詩や詩人が身近になり、言葉というものがより愛おしくなっていく――それこそが「対詩ライブ」の魅力であり、多くのリピーターを生む理由なのでしょう。■連句から連詩へ、そして対詩へ、読者の心の中へ連詩には何を書くかを自分で決めなきゃいけないというストレスがない。よく自己表現と人は言うけれど、実は自己表現というものも他からの働きかけがあってはじめて可能になるんだってことを連詩は教えてくれるんです。谷川俊太郎日本の伝統文芸には、上の句(五・七・五)と下の句(七・七)を順に読んでいき、ひとつの詩を作り上げて楽しむ「連歌(連句)」という形式がありますね。これをもとに始まった詩の共作が「連詩」です。「他人がいると、思いがけないことがきっかけとなって言葉が出てくる」と語る、谷川俊太郎さん。「連詩は誰が作者というわけではなく皆で創るもの。こうした世界観は日本独特のもので、いい意味で我が消えているすごく美しい世界だと思うんですね」と話す、覚和香子さん。そんなふたりの創作の裏側や推敲の過程まで見せてしまう、スリリングなステージ上の連詩「対詩ライブ」。9年に渡る対詩作品と解説が、このたび一冊の本になりました。『対詩2馬力』著者:谷川俊太郎、覚和歌子装丁:大島依提亜出版社:ナナロク社発刊:2017年10月ライブは毎回チケットが完売という人気ぶりですが、詩が生まれる瞬間に、あなたもいつか立ち会ってみてください。■対詩ライブ:関連情報◆主催:obla()t(オブラート)◆谷川俊太郎公式サイト◆覚和歌子公式公認ファンサイト
2017年11月01日本の景色と実際の景色を並べるとまったく違う感動が「私が出版している『死ぬまでに行きたい! 絶景』のシリーズ本も旅先での必需品。世界中の絶景が紹介されていて、実際に絶景をひとつずつ制覇するときは、この本を持って行って、同じ構図で写真を撮ったりしています」行く国によって、違う魅力が「去年は、13回海外にいったんですけど、行く国によって受け取ることのできることが、全然違うと思うんです。例えば、南アフリカのような、”これからどんどん盛り上がっていくぞ”という発展途上国に行くと、すごくエネルギーをもらって。日本で、ぬくぬくしてちゃいけないなという危機感とか、自分も頑張んなきゃというモチベーションをすごく得られます」「逆に、タヒチみたいなゆったりとした南国に行くと、また違った体験や感じ方をすることができます。時間がゆったりとした場所に行くと、日常ってとても忙しいけど、休んでスイッチオフしても良い時間もあるんだなと、しみじみと感じることもできるんです。行く国の文化とか行く国の環境によって私が得られることは違うので、色んな国に行くことによって、様々な気分を味わえることが、旅の魅力でもあります。それがある限り、私はこれからもずっと旅に出るんだろうなと思っています」シリーズ累計55万部突破! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズ待望第4弾発売! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 体験編」が発売中。
2017年03月14日旅先では、コンタクトレンズも特別に!「ワンデーの使い捨てコンタクトレンズを使っているのですが、普段、日本で使っているものと海外旅行に持っていくものは度が違うんです。海外旅行に持っていくものの方が、ひとつ度が強いものにしていて、より遠くの景色や星が少しでも多く見えるようにしているんです」女性の海外一人旅でも安心のアイテムとは!?「私が海外旅行に行くときに気をつけていることがあって、それは左手薬指にリングをつけることなんです。リングをつけていると、海外の旅先で、男性にしつこく誘われたときなどに便利です。宗教の信仰が厚い国では不倫が絶対にNGな国もあるので、嘘でも結婚しているという証拠を見せるとひるんでくれます。女性の一人旅行の時は持っていくと、とっても安全ですよ」シリーズ累計55万部突破! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズ待望第4弾発売! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 体験編」が発売中。
2017年03月13日カメラ好きにはたまらない! 超機能的バック「これはカメラをいれるカメラバック。見た目はとてもかわいくてコンパクトなのですが、カメラのレンズを入れるレンズケースがついていたり、三脚を入れるポケット、背中にはPCを入れるスペースがあったりします。色んなガジェットを整理して安全に運ぶことができるのでオススメです」日常でも使えるスマホストラップ「旅先でとても便利なのが、このスマホ用ストラップ。ポケットがないと落としてしまったり、治安の悪い海外では盗まれてしまう恐れがあるので、どこかに肌身離さず身に着けていたいと思ったときに、これを見つけました。充電機のプラグに刺してストッパーを止めると、ピタッとつけることができます。写真もすぐに撮れて、地図を見るときも便利。全然落ちないので海外ではいつもこれをしています」シリーズ累計55万部突破! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズ待望第4弾発売! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 体験編」が発売中。
2017年03月10日一眼レフ以上の実力!? あると便利なおすすめカメラレンズ「これはスマートフォンに取り付ける用のレンズです。レンズが大きい方を外側にしてつけると、スマホの画角よりも広く撮ることが出来て、逆につけると単焦点の寄った絵が撮れます。一眼レフを持って行かないような気軽な旅行でも使えて、色んなバリエーションの写真が撮ることができるので重宝しています」意外なきっかけで旅にハマる可能性も!?「小さいころから歴史がすごく好きだったんです。例えば、ピラミッドの絵本を読みながら何千年も前の人が、どうやって石を運んでどうやって積み上げたのか、今でもできないと言われる技術をどのように行っていたのかなどを妄想するのが好きだったんです。実際にその場に行って、古代の人たちが踏んだかもしれない砂を自分も踏みしめて、古代の人たちが見たかもしれない景色を見てみたいと思ったのが、旅を始めたきっかけです。日本国内でも、遺跡や古墳を見に行ったり、大学生になってからは自分で海外に行けるようになったので、エジプトへも行ったりして、もっと歴史上の人たちと同じ光景を、この目で見て感じたいと思っています」シリーズ累計55万部突破! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズ待望第4弾発売! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 体験編」が発売中。
2017年03月09日最先端! 360度カメラ「THETA」で視界以上の思い出保存「これは『THETA』というカメラです。横にも縦にも360度の全天球の写真が撮れるんです。シャッターを1回切ると、縦横ともに180度の絵が撮れて、360度の全天球の写真が撮ることができるのが特徴。友達とカメラを囲んで写真を撮ったり、山頂で撮ると、その迫力がより伝わります」「”宇宙にいちばん近い場所”とも言われている、ハワイのハワイ島にあるマウナケアという山でのサンセットの瞬間は、特に感動的でした。4205メートルの山頂で雲海の中に夕日が沈む瞬間に、友達と8人で手をつないで写真を撮ったのですが、実際の絶景以上にかけがえのない思い出になっています 」シリーズ累計55万部突破! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズ待望第4弾発売! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 体験編」が発売中。
2017年03月09日より感動的な動画を撮るためにGoProを肌身離さず「もちろん、静止画での美しさもあると思うのですが、より臨場感や迫力のある絶景を撮る時は静止画よりも動画で撮ったほうが、絶景の凄さが伝わると感じています。GoProは、一眼レフのカメラが使えないような天候の荒い場所。例えば、豪雨の中や海の中、ビーチ沿いでも使えるのでとても便利です」死ぬまでに行きたい絶景のN0.1スポット「いちばん思い出に残っているイタリアへは、再び仕事で行きました。二度目は、ランペドゥーザ島というイタリアの最南端にある島に行ったんです。なぜ、その島に行ったかというと、『絶景〜』のFacobookページや本の中でも、すごく反響もあり、不動の人気を誇る絶景が、その島にあったんです。海にボートが浮いている景色なんですが、海水の透明度が高すぎて、まるで船が空を飛んでいるように見えるような面白い絶景。あまり、日本では馴染みがなく、アクセスも悪いこの島に実際に、旅行会社とツアーをプロデュースするというお仕事でした。実際に見てみると、写真でも美しいのですが、もっともっと感動する絶景。行って良かったと思いましたし、多くの人に同じ感動を共有したいと強く思いました」シリーズ累計55万部突破! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズ待望第4弾発売! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 体験編」が発売中。
2017年03月01日旅行に持って行くトランク、ついつい余分なものを持ちすぎてしまったり、逆に足りなくなってしまったり、帰りには、入りきらなくなってしまったり、なんて経験がある人もいるのでは?旅慣れている人たちに、愛用のトランクや、その中身、旅に欠かせないものなどを聞いてきました。そのまま水にも入れる! 旅行に最適「キーン」のサンダル「『キーン』のサンダルは、水の中にも入れるのでお気に入り! 旅行中に裸足で履いて歩くことができるので、凄く快適で疲れにくいというのと、そのまま、じゃぶじゃぶ川や海に入れてすぐ乾くので、旅行中に最適な一足です。」旅先に合わせて自分らしくコーディネート「世界中の国をイメージした柄のニット帽を必ず着用しています。ニット帽が自分のトレードマークで、行く国にあった帽子を買っていくのが好きなんです。例えば、これはアメリカのカウントダウンの時に買ったもの。寒そうだったので耳あて付きのものにしました。フランスに行くときにはフランスの国旗柄の帽子を買いました。アイスランドに行った時は、アイスランドの伝統柄のニット帽を買って向こうで被っていました。とても暖かかったです。」初めて行った国「イタリア」はいちばんの思い出「色々な国に行きましたが、イタリアがいちばん思い出に残っています。イタリアは二度行ったことがあるんですが、一回目は一人で一か月の滞在、しかも初めての海外旅行という経験でした」「日本との文化が違いや、イタリア人ってこんなにも日本人と違う性格をしているんだということに驚きました。本当に新しいことばかりで刺激だらけの毎日に感動を受けたんです。そのイタリアでの経験をきっかけに、もっといろんな国を見てみたいなと思ったことが旅にハマったきっかけ。なので、イタリアでの経験は思い出深く、私の原点とも言えます」シリーズ累計55万部突破! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズ待望第4弾発売! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 体験編」が発売中。
2017年02月28日旅行に持って行くトランク、ついつい余分なものを持ちすぎてしまったり、逆に足りなくなってしまったり、帰りには、入りきらなくなってしまったり、なんて経験がある人もいるのでは?旅慣れている人たちに、愛用のトランクや、その中身、旅に欠かせないものなどを聞いてきました。"死ぬまでに行きたい! 絶景"を見に行くための相棒は…「『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』を作る上で欠かせないのが、この水色のトランク。プライベートでも、お仕事でも旅行に行くときにはいつも一緒。今は、毎月一回海外や日本の絶景に取材に行きながら、いろんな企業とプロデュースのお仕事をさせていただいたり、自分で色んな企画を出したりしています。」かわいくて機能的な、女性のために作られたトランク「今のお気に入りのトランクは、水色がかわいくてお気に入り。これはロフトの女性社員の方が商品企画をして作られたもので、女性によって作られた女性の為のトランクなんです。外側のかわいさはもちろん、中の仕切りなども華やかで見ているだけで旅行気分が高まります。そして、かわいいだけじゃなくて小分けにできるポーチがついているのも使えるポイント。わざわざ、収納用にいくつもポーチを持って行く必要がないので、とても助かっています。」シリーズ累計55万部突破! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズ待望第4弾発売! 「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 体験編」が発売中。
2017年02月27日