健常と認知症の間の状態であり、“認知症グレーゾーン”ともいわれる「軽度認知障害(MCI)」。その初期のサインを見逃さなければ、“回復”も見込めるという。「もしかして認知症?」と不安になったあなた。チェックテストで診断し、現状を知ることから始めよう――。50歳を過ぎたあたりから、「会話中に人や物の名前がスッと出てこない」という人は多いのではないだろうか。「『ど忘れ』は50代、60代になりますと、誰でも起こってくるものです。頭のなかに記憶は残っているのに、どうしても名前がうまく思い出せず、もどかしいといった感じです。ところが、人や物の名前だけでなく、時系列を間違えて混乱する場面が増えてきたら注意が必要です」そう語るのは、『認知症グレーゾーン』(青春新書)の著者で、「メモリークリニックお茶の水」の朝田隆院長。認知症の患者数は年々増加傾向にあり、2040年には高齢者の4人に1人が、認知症を発症するとも予測されている。また、“巣ごもり”が長引くと認知機能が低下するといったデータも出てきている。「ど忘れ」は認知症の前段階、MCIの初期症状のシグナルかもしれないので、「年のせい」と、そのままにしておくのは危険という。「MCIを“認知症グレーゾーン”と呼んでいます。MCIが始まってから本格的な認知症に移行するまで平均7年。進行には個人差がありますが、始まって1年後には12%、4年後には半数が認知症を発症するともいわれています。認知症はある日突然発症するのではなく、約20年前から脳の変性が始まっています。いったん認知症になると回復するのは困難ですが、認知症グレーゾーンの段階で適切に対応すれば、4人に1人は元の状態に回復します。大切なのは認知症グレーゾーンのシグナルに気づくこと。生活のさまざまな場面で出てくるので見逃さないようにしましょう」(朝田先生・以下同)認知症では、脳の側頭葉で記憶をつかさどる“海馬”と呼ばれる部分が萎縮するが、海馬の萎縮が始まる前に前頭葉の機能が低下するケースがあるという。前頭葉は“脳の司令部”であり、やる気を生み出す中枢で、感情をコントロールする役割もある。イライラして怒りっぽくなる、パニックになって右往左往して自力で冷静さを取り戻すことが難しい、といったことがあると、それも認知症グレーゾーンのシグナルになる。また、女性の場合は、身だしなみに変化が出たら要注意!「毎日、丁寧にお化粧をしていた人が『マスクで顔が隠れるからいいや』と言ってだんだん雑になり手を抜くようになることもあります。『面倒だ』と言って先延ばしした出来事を忘れる。また、『物を取られたらどうしよう』と猜疑心が強くなり、財布や鍵などの置き場所を変えるケースが出てきます。ところが翌日、そのしまった場所を忘れてしまって、家中探し回る、といった出来事も、グレーゾーンのシグナルです」行動の変化にいち早く気がついて、認知症グレーゾーンの初期のうちに対策を立てれば、海馬の萎縮を事前に防いで、元に戻る可能性が高まるという。「認知症になったとしてもいつまでも自分らしく生活することはできますし、グレーゾーンの時期に一念発起すれば元に戻ることができます。大事なのは『新しいことにチャレンジする好奇心を持つこと』と『運動習慣』の2つ。できれば、40~50代の健康なうちから習慣づけておくといいでしょう」「女性自身」2021年3月16日号 掲載
2021年03月08日これからサッカーを始めようと思っている子には、シューズやウエアなどの道具の用意とともにサッカーノートも用意していただくことを勧めます。少しサッカーが上達してからでもいいのでは?低学年では早すぎない?と思っている方もいるかもしれませんが、サッカーノートは考える力をつけてくれるのでプレーの上達にもつながるのです。サッカーノートはサッカーの上達をサポートするもので、元日本代表の中村俊輔選手や本田圭佑選手なども子どものころから書いていました。サッカーノートをつけると、子どもにどんな変化があるのかを、サカイクサッカーノートの開発に携わったしつもんメンタルコーチの藤代圭一さんに話を聞いてみました。(取材・文:前田陽子)サッカーノートを書くことで思考が整理され上達につながるので、サッカーを始めた時からの習慣にしたいものサカイクサッカーノートお得な12冊セットを期間限定で販売中!【3月18日19時まで】>>■サカイクサッカーノートは質問に答えるだけで、自然とサッカーがうまくなるサッカーは自分でその場その場で考え、最善のプレイを選んでそれを実行するスポーツ。監督やコーチから「考えてプレイしろ」と言われることもたくさんあります。ですが、サッカーを始めたばかりで考える経験をしていない子どもにとって、ピッチで瞬時に考えてそれを表現するのは難しいものですよね。その練習のためにサッカーノートが役立ちます。「真新しいノートを一冊用意して、さあ書いてみよう!と思っても、何を書いていいかわからないですよね。サカイクサッカーノートには、質問という形式で書く項目が配置されているので、それに答えるだけ。サッカーを始めたばかりで初めてのノートという子どもにおすすめです」と藤代さんは言います。ノートは「どうしてサッカーをはじめましたか?」という質問から始まります。今の自分を書き出すページが用意されているのです。「サッカーを続けていくと好きで始めたのに、いろいろと評価をされることが増え、誰かから良く思われたい、うまくならなければだめだという感情が生まれ、サッカーをつまらなく感じる子が出てきます。サッカーを好きという気持ちを忘れてしまうんですね。振り返ったときにサッカーを始めた時の新鮮な気持ちを思い出してもらいたいという思いを込めて、最初にこの質問を用意しました」と藤代さんが開発の意図を教えてくれました。サッカーを続けていくと、先発に選ばれる、セレクションに受かるなど誰かに評価される場面も多くなり、サッカーが辛いと感じることも出てきます。ずっと続けるために"好き"は最強のモチベーション。その思いを忘れない工夫がされているのです。今日の「自分」を知るページ※拡大できます■振り返りと目標設定はセットで。練習の質が向上し、技術面でも上達するサッカーでは練習や試合ではたくさんの失敗と成功をします。練習や試合のたびにサッカーノートを使ってなぜ失敗したのか、どうして成功したのかを振り返ることを習慣化すると良いそうです。振り返りをしないと今日は運がなかった、たまたまうまくいっただけで終わってしまい、悪かったプレイを繰り返し、良かったプレイも再現できません。結果、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあるというムラのある選手になってしまうのだと藤代さんは教えてくれました。振り返りをすると、うまくいったことも含めて次に生かすことができます。また人は悪いことを指摘されると何もやりたくなくなりますが、うまくいったことを見つけられるとできなかったことにも目を向けることができるもの。「適切な振り返りをすると気持ちに余裕が生まれ、視野が広がります。サカイクサッカーノートは最初にうまくいったことを探すことを質問として用意しているので、自然とその後に改善点にも気づけるはずです」と藤代さん。練習や試合が終わったらサッカーノートを書いて、次の練習や試合の前にそのノートを見返す習慣が大事です。前回どんなチャレンジをしたのか、どこがうまくいって、何がダメだったのかを整理せずに練習や試合をしても、目的がないままになってしまいます。練習や試合の課題を決めると集中力も高まり、やる気も出て、練習の質も高まり、いいプレイが出来るというサイクルが出来ます。そのためにどんな時にどんなことを感じたのかをノートを見て確認し、課題や目標を考えましょう。サッカーノートを書くことで思考の整理ができ、サッカーにより深く取り組めるようになるのですサッカーノートを書くことで、思考の整理ができると同時に、自分のことがわかります。人は周りの人のことは知ろうとしますが、自分を知ろうとはなかなかしません。特に低学年の子どもでは、普段からご家庭でそのような習慣があればできるかもしれませんが、ほとんどの子はそういった意識はしていないでしょう。自分のことを客観的に振り返ることで頭の中が整理され、新たなチャレンジに向かうことができるようになるのです。■完璧に記入しなくても大丈夫。三日坊主でも継続できればOK練習や試合の後、毎回ノートに記入する習慣ができるのが理想です。そういう習慣になってほしいと願う親御さんも多いでしょう。サッカーノートを使うことで自分がなりたい姿と現在のギャップを感じられ、自分がなりたい姿になるためにどうすればいいか考えて、努力することができます。ですが、ノートを書くことが子どもにとってやらされている、やらなければいけない事(=義務)になると続けられません。「連続と継続は違います。親御さんは連続365日やってほしいと思っていると思いますが、1週間に3日しか書かないけれど、翌週また3日間と三日坊主を繰り返して、1年間続けられればそれでもいいと思います。子どもには日々新しい好奇心が芽生えていきます。その中でやるべき理由がよくわからないものを続けるのは無理なこと。完璧にやろうとせず、1日10分だけなどと時間を区切って、時間内に書けた分だけをやるのでも十分です」と藤代さんが続けるコツを教えてくれました。時間を区切るのは、そうすることで「ここまで書こう」と言うよりゲーム性が生まれるためだそうです。10分間で書けたところまでとして良いのだとか。1日目はたいして書けなくても、続けていくと書ける分量も増えていきます。時間を区切ると集中力もUPするそう。サカイクサッカーノートには、楽しく続けれるようにいろいろな工夫がされていますが、取り組み方にゲーム性を加えるとより継続しやすくなるということです。楽しくサッカーを続けることが何より大切ですが、「何となく」続けるのと常に自分の現在地を知り、思考しながら続けるのでは、取り組みの深さもコーチの指示の理解も変わってくるもの。いきなり真っ白いノートを渡しても、子どもたちが自ら書き出すのは難しいので、思考を引き出すガイドがたくさん仕掛けられたサカイクサッカーノートを使って、お子さんの上手くなりたいをサポートしてみませんか。サカイクサッカーノートお得な12冊セットを期間限定で販売中!【3月18日19時まで】>>藤代圭一(ふじしろ・けいいち)一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。教えるのではなく問いかけることでやる気を引き出し、考える力を育む『しつもんメンタルトレーニング』を考案。全国優勝チームや日本代表選手など様々なジャンルのメンタルコーチをつとめる。2016年より全国各地に協会認定インストラクターを養成。その数は350名を超える。選手に「やらせる」のではなく「やりたくなる」動機付けを得意とする。新刊に「教えない指導」(東洋館出版)がある。「教えない指導」出版感謝企画 2つの特典紹介>>
2021年03月04日さまざまな病気やケガなどで治療をする患者を、サポートする看護師という職業。心身の不調で不安な日々を送る患者にとって、看護師の存在は頼りになる大きな存在でしょう。看護師をしている、ぱれちに(paretiny)さんは、ある看護師が看護学生だった時の忘れられない出来事を投稿。内容が反響を呼んでいます。『反応がなくても…』実習で、認知症患者の看護を担当することになった、看護学生の女性。その患者は声かけに対しても無反応でしたが、女性は毎日話しかけるようにしていたそうです。実習の最終日、女性がお別れの挨拶をすると、なんと患者の目から大粒の涙があふれたといいます。反応がなくても、いつも優しく寄り添い、話しかけてくれた人のことをちゃんと分かっていたのでしょう。読者からは感動の声が相次ぎました。・同じような経験があります。思い出して涙があふれました。・いい話。反応がなくても自分が誰だか分からなくても、ちゃんと感情はあるんだよね。・私も実習は、人として大切なことを患者さんから学んだ素敵な時間でした。初心を忘れるべからずですね。さまざまな患者との触れ合いの中で、看護師もまた、かけがえのない経験をもらっているのかもしれません。看護師の忘れられない出来事に、多くの人が心を打たれました。[文・構成/grape編集部]
2021年02月09日サッカーを始めたばかりのお子さんをお持ちの保護者の中には、ボールを購入しようとしている人もいるでしょう。サッカーには様々なボールのサイズがあります。この記事では、サッカーボールのサイズについて解説します。小学生はどのサイズが適切なのか、ボールを選ぶときにはどういった点に注意すべきなのか、などについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。ボールのサイズは年齢によって異なるサッカーボールには、1号球から5号球まで5種類のサイズがあります。しかし、1号と2号はサインボールやリフティングボールとして利用するのが一般的であり、試合で使用するのは3号球以上となります。そして、年齢に応じて使用するボールのサイズが異なるため、ボールを購入する際はお子さんの年齢を考慮する必要があるでしょう。引き続き、ボールのサイズと年齢の関係について解説します。3号球3号球は、主に幼稚園児~小学校低学年が使用するボールです。競技用のボールとして最も小さいサイズで、非常に軽いため、小さい子どもでも扱いやすくなっています。なお、規格は以下の通りです。周囲:58〜60cm直径:19cm重量:300〜320g4号球4号球は主に小学生年代で使用されるボールです。普段の練習や公式戦などでもこのサイズが使用されています。これからサッカーを始める小学生のお子さんがいる場合は4号球を購入するといいでしょう。なお、将来的には5号球を使うことになりますが、小さいうちから5号球を使用すると怪我に繋がる恐れもあるため、4号球を購入するようにしてください。なお、規格は以下の通りです。周囲:63.5〜66cm直径:20.5cm重量:350〜390g5号球5号球は、中学生以降で使用するボールです。高校や大学、社会人、プロもこの5号球を使用するため、一般的なサイズのサッカーボールというと5号球のことを指していると考えてください。なお、規格は以下の通りです。周囲:68〜70cm直径:22cm重量:410〜450gサッカーボールの選び方ここからは、サッカーボールを選ぶときのポイントについて解説します。スポーツショップに行くとたくさんのサッカーボールが置いてあります。どれも同じように見えるかもしれませんが使用目的によって違いがあるため、参考にしてみてください。使用するグラウンドを考慮サッカーボールには、大きく分けて土用と芝用があります。このボールはそれぞれ土での使用、芝での使用を想定して作られているもので、土用を芝のグラウンドで、芝用を土のグラウンドで使用すると、ボールが跳ねすぎたり逆に跳ねなかったりするので注意が必要です。なお、土用のボールは衝撃に強い素材を使用しており、固いグラウンドで使用しても傷みにくくなっています。一方の芝用は伸縮性のある素材を使用しており、跳ねやすく作られています。検定球かどうかサッカーボールの場合、サッカー協会やサッカー連盟が規定している規格を満たしているボールには「検定マーク」がつけられています。JFA検定球はJFA(日本サッカー協会)の規格を満たしているボールで、FIFA検定球はFIFA(国際サッカー連盟)の規格を満たしているボールです。JFA検定球でもFIFA検定球でも検定マークがついていれば、ボールの品質が信頼できる証拠になります。そのため、練習や試合などでも安心して利用できるでしょう。公式試合では検定球を使用することが求められているので、購入の際に検定球であることを確認しましょう。今回は、サッカーボールのサイズの概要とボールを選ぶときのポイントについて解説しました。小学生の使用するサイズは4号球です。年齢に応じてボールのサイズが定められているため、5号球を小学生のうちから使用するのは避けるようにしてください。また、ボール選びの際は、使用するグラウンドを考慮し、検定マークの入っているものを選ぶようにしましょう。
2021年01月29日職場でU‐8以下の子どもたちを指導することになったけど、自分自身はサッカー経験なし。初めてサッカーをする子たちばかりだけど、楽しんで基本が身に付くような練習はある?とお悩みのコーチよりご相談いただきました。長くサッカーを続けるためにも、サッカーに出会う時期の楽しさは大事ですよね。現在低学年や未就学児に指導されている方も池上さんのアドバイスを参考にしてください。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、この年代への指導で大事なことをお伝えします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<何をやっても楽しそうじゃない子のテンションを上げる練習を教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。職場の幼稚園、小学校低学年でボランティアコーチをしています。自身はプレーの経験は無く、元2級審判員です。今は3級で現役です。これまでも何回も聞かれているかもしれませんが、サッカーが初めてのこの年代に楽しみながら基本を教えるには、どうすれば良いでしょうか?<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。メールに「サッカーが初めてのこの年代に楽しみながら基本を教えるには、どうすれば良いか?」とありますね。ご相談者様がおっしゃる「基本」とは、ボールを蹴る、運ぶ、止めるといった主には個人スキルを想像されていると想像します。しかしながら、サッカーは自分以外の仲間がいますね。その仲間とパスをつなぎながら、相手にボールを取られずシュートまでもっていく。そしてゴールを狙う。それがサッカーです。たとえ幼児だろうと、指導はそこから入ってほしいと思います。ところが、未就学児や小学校の低学年にミニゲームをしてもらうと、団子になります。特定の子どもだけがドリブルをし、他の子が追いかけて行くような場面が多く、ボールを扱う子どもが限られてしまいます。そのため、ボールを扱えるように、止める、蹴るを体験できる対面パスやコーンドリブルの時間が増えていく。そんな傾向があります。■「まだ団子サッカーで仕方がない」ではダメ先日、千葉県柏市サッカー協会からの依頼で、セミナーを開きました。その際に町のクラブの方から、団子サッカーをどう解消したらいいか?といった質問がありました。多くの方が「まだ幼稚園だから団子で仕方がない」と考えているようです。しかし、そのままにしておかないでください。そこからどうサッカーにつなげるか。指導者の方に対策を立ててほしいのです。仲間とつないでいくのが当たり前のこと。それがサッカーだという認識を持てるよう子どもを育てる必要があります。団子サッカーを卒業させようと考えた場合、子どもたちに「団子にならないようにしよう」とか「団子にならないで広がって」と指示することが少なくありません。ところが、言っても、言っても、団子になってしまう。指導者は途方に暮れます。■団子サッカー解消のためにどうすればいいかでは、どうするか。まずは、子どもたちに、自分たちがどんな状況になっているかを理解してもらいます。「いま、どんなふうになってる?」問いかけると、子どもなりの意見が出てきます。「○○君は僕の味方なのに、僕のボールを取りに来る」「人がいっぱいいるから前に行けない」2、3人だけでなく、みんなに尋ねてみてください。そういうことを認識させることが大事です。そのあとで、「なるほど。みんなそんなことを感じているんだね。じゃあ、どうしたらいいかな?」とまた問いかけます。そして、それぞれが「みんな広がってみる」とか「空いてる人にパスする」と、対策が出てきたら、「じゃあ、そこに気をつけてやってみよう」とまたミニゲームをやらせます。子どもですから、もちろんすぐに「自分で気をつける」ことはできません。が、やりながら、コーチからも、考える材料になる問いかけをします。「味方の近くにいるのと、遠くにいるのとでは、どっちが相手からボールを取られないかな?」そんなふうに話し合いながら練習を進めてください。そのとき、決して答えを言わないでほしいと思います。■手取り足取り教えることが指導ではない以前、私が日本人コーチの佐伯夕利子さんが所属するスペインのビジャレアルの5歳児たちのミニゲームの動画を見せた時のことです。幼児でもパスをつなげることを見せて、「ここまでに育てるのに2~3年かかるそうです」と話したら、参加していた方がこうおっしゃいました。「私はそんなに我慢できません」日本の指導者は、どうも早く結果がほしいようです。コーチが我慢する、しないの問題ではないことを理解してほしいものです。子どもたちにサッカーがどんなスポーツかを教えるには、前述したようにやり取りしながら理解を深めていく「時間」が必要不可欠だということをわかってもらえないでしょうか。「コーチがこんなに言ってるのに、どうして君たちはやらないの?」「やらないから上手くならないよね」そんなふうに責めたり、手取り足取りして教えることが指導だと思っていませんか?子どもたちを「一日も早くうまくしなければ」と思っていないでしょうか?何かができたら、次はこれというふうに、進み具合を大人のほうで決めて、そこに当てはめようとしてしまう。そこに追い付けない子どものことを心の中で否定したり、成長をあきらめていないでしょうか?指導に決まったマニュアルはありません。いま、目の前の子どもは上手くできないかもしれません。ただ、大人の目には見えないけれど、前述したように考えさせる指導をしていけば、子どもは日々何かを獲得するはずです。ビジャレアルの子どもたちも、そのようにしてサッカーの認知度を上げたのだと考えます。■サッカー経験がなくてもできる、子どもたちが自分で考えるようになる「問いかけ」また、「上手くなってもらうには、どんな声がけをしたらいいですか?」という質問をよく受けます。すでにお伝えしたように決まったマニュアルはないので、こう声をかければ上達する、という魔法の法則はありません。あるとすれば、いまのどう?うまくいった?というような問いかけです。子どもが自分で考え始めるきっかけになる問いかけは、別にベテランでなくても、サッカー経験者でなくても、誰でも聞けます。考え方を理解してもらえれば簡単なことです。ただし、この問いかけを続けるには、そういうことが必要であることを大人のほうがきちんと理解していなくてはいけません。ミスパスを「それはミスだね」とだれにでも言えますが、それは指導ではありません。そういったことを理解してもらわなくてはなりません。■問いかけと対話を重ねて子どもたちの視野を広げてあげるミスパスがあれば、「いま、誰にパスしようと思ったの?」と聞くことができるコーチになってください。「だってあそこに味方がいたんだもん」「右に味方がいたから」と答えれば、「じゃあ、左にいたのは見えた?」と尋ねる。そうすれば、「じゃあ、右も左も見られるといいね」となります。その次に「両方見ました」と言ってくる日が来ます。そのときは、じゃあ、その選択はどうだった?となります。対話だけをみても、その子どもが進化しているのがわかるかと思います。選ぶのはその子の権利。コーチの役目は、視野を広げてあげることなのです。池上正さんの指導を動画で見る>>■「こっちでしょ」コーチが答えを教えると、ほかの可能性を見逃す(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)「こっちでしょ」と一つの答えだけをコーチが教えてしまうと、見逃すものがいっぱい出てきます。サッカーをより楽しくするためには、どこがいいかな?と子どもがワクワクしながら考えられること。それができる環境を指導者が保証してあげることが重要です。そうすると、よりサッカーを楽しむためには、視野を広げるんだ、という結論になります。より楽しくなるよね、という考え方をもって子どもに接してください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年01月22日家族同然のペットが、普段と異なる行動を見せると、飼い主としては心配になるものです。牧野なおき(@ingaoho)さんがTwitterに投稿した、飼い猫にまつわるエピソードをご紹介します。夜に鳴く猫を、動物病院に連れて行くと…まるで人間の赤ちゃんが泣くように、よく『夜鳴き』をしていたという、飼い猫の『ふーちゃん』。心配になった飼い主さんは、動物病院へ連れて行き、獣医師に診てもらいました。飼い主さんが「老化による認知症ではないでしょうか?」と問いかけると、獣医師は…。「ネコチャン、相当高齢にならないと認知症にならないんで、甘えてるだけですね」ぼく「ネコチャン最近夜泣きするんですけど、老化による認知症ではないでしょうか」獣医「ネコチャン相当高齢にならないと認知症にならないんで、甘えてるだけですね」ぼく「そっか〜」点滴されてるねこ「シャーッ」— 牧野なおき (@ingaoho) January 2, 2021 甘えてるだけかーい!獣医師の言葉に安堵する飼い主さんのそばで、点滴を受けるふーちゃんは、威勢よく鳴くのでした…。ハッピーなオチに対し、ネット上では「かわいくて笑う」「うちも同じで、猫はさびしがってるだけといわれた」「勉強になります」といった声が上がっています。ふーちゃんに何ごともなくてよかったですね。きっと飼い主さんは、これまで以上に愛猫をかわいがることでしょう!飼い主さんは、ネット上で人気な猫たちの写真展『ねこ休み展 冬 2021』に、ふーちゃんの写真などを出展予定です。気になる人はチェックしてみてくださいね。猫の『ふーちゃん』Twitterアカウント:@foochan0711『ねこ休み展 冬 2021』[文・構成/grape編集部]
2021年01月04日「80代になると、認知症の罹患率は2割を超えるというデータが出ています。いざ、そのときに備えるのが、認知症保険です」こう話すのは、今月発売の『NEWよい保険・悪い保険』(徳間書店)共同監修などで知られる保険のプロ、長尾義弘さん(ファイナンシャルプランナー)。年齢階級別の認知症有病率(厚生労働省/認知症対策総合研究事業)によると、なんと女性は80代後半で43.9%が認知症を患うとされている。「正確に言うと、認知症は病名ではなく、記憶力や判断能力など、日常生活に支障をきたし、以前の能力レベルと比較して、明らかな低下が見られる状態のことを指します」(長尾さん・以下同)いま注目の認知症保険とは、介護保険の補償範囲を狭め、より安価にした商品。認知症と診断されたときに一時金が支払われるのが、基本タイプだ。’16年の太陽生命「ひまわり認知症治療保険」が累計販売38万件という大ヒット。これをきっかけに、大手を含め、多くの保険会社が同様の保険を発売した。各社が競い合っているため、この4年で、内容が進化。各社それぞれに保障内容に違いが出始めている。そこで今回、長尾さんが各社の商品を徹底比較。いま入るべき認知症保険ベスト3をランキングしてもらった。【第1位】太陽生命「ひまわり認知症予防保険(スマ保険)」「2年前に、太陽生命が商品をリニューアル。この保険の最大の特徴は、生存給付金特約を付加した場合、2年ごとに予防給付金を受け取れること。これを重視して第1位としました。この保険には、対面とネットの2種類があり、条件、保険料がかなり違います。今回はネット(スマ保険)が対象です」長尾さんの試算では、女性が40歳で加入した場合、月額保険料は2,739円。これで2年ごとに予防給付金1万円が受け取れ、もし認知症と診断されたときは一時金100万円が支払われる。「認知症というのは、本人も周囲もなかなか気が付かずに進行するもの。正常な状態と認知症の中間にMCI(軽度認知障害)と呼ばれる状態が存在し、この時期に治療を開始すれば、16〜41%の人が回復されます。60歳を過ぎたら、2年に1回の予防給付金をこのMCIを早期発見するスクリーニング検査のために使えば、この保険の価値が非常に高くなると思います」【第2位】SOMPOひまわり生命「笑顔をまもる認知症保険」「まずこの保険は、引受基準緩和型のため、60歳を過ぎて持病のある人でも簡単な告知で加入できるのがおすすめのポイントです。基本プランで、軽度認知障害と認知症、骨折治療や災害死亡を保障しています。認知症予備群であるMCIに対しても基準一時金の5%が受け取れることも評価できます」肝心なポイントだが、認知症保険で保険金が下りる時点で、本人はすでに認知症なので、そのお金を有効に使うことはできないかもしれない。つまり介護する人にお金を残すことが目的となる。ただ軽度認知障害のときなら、まだ本人の意思でそのお金の活用が可能。そこがこの保険のポイントだという。「その後、認知症と診断されたら、残りの金額を受け取れます。一時金のみの保険ですが、介護一時金や介護年金特約を組み合わせることも可能です」【第3位】朝日生命「あんしん介護認知症保険」「この保険の特徴は、要介護1で保険料免除になり、所定の状態になれば、介護一時金が支払われること。要介護になってからの保険料の免除は大きな安心につながります。じつは、ほとんどの認知症保険は女性のほうが保険料が高く設定されています。これは女性のほうが長生きで、しかも認知症になるリスクが高いことからです。その保険料が要介護1になると、免除になるというのは、女性にとってやさしい保険なのでおすすめです」他社と比べて、一時金補償額が大きいことも評価できる。ここまで紹介した保険は生命保険会社が発売しているもの。一方で、損害保険で、認知症の人の事故などに備える方法もある。「’07年、愛知県のJR線で91歳の認知症の男性が線路に侵入し、電車にはねられる悲しい事故がありました。このとき、JR東海は高齢の妻と別居の長男に高額な損害賠償訴訟を起こしたことを覚えている人も多いでしょう」離れて暮らす両親が起こした事故の補償にも備えられるのが、個人賠償責任保険型のあいおいニッセイ同和損保「まるごとマモル」だ。「基本的に普通の個人賠償責任保険は同居の家族しか補償されませんが、この保険は別居の家族も補償の対象になります」厚労省の推計では、’25年には、認知症患者数は700万人を超えるとされる。転ばぬ先のつえ、認知症保険で備えてみよう!「女性自身」2020年12月29日号 掲載
2020年12月18日サカイクで開発した「サッカーノート」。早速、お使い頂いた子どもたちやコーチ、保護者から「ノートをたくさん書くようになった」「ノートをもとに、考えてプレーするようになった」と、うれしい感想が届いています。宮城県仙台市で活動する「ラセルバロイFC」も、サカイクサッカーノートを使ってくれているチームです。小学校低学年の子どもたちは、サカイクサッカーノートを使うことで、どのようにプレーが変わってきたのでしょうか?小学1、2、3年生を担当する、岡田尚コーチにうかがいました。(取材・文:鈴木智之)<<サッカーノートの書き方が分からない子、初心者もスラスラ書けるサカイクサッカーノートの使い方■低学年でも書く量が増えたラセルバロイの低学年は、今年からサカイクサッカーノートを使い始めたそうで、岡田コーチは「質問形式になっているので、書きやすくなっていますよね。そのおかげで、書く量も増えました」と笑顔を見せます。なかでも「自分で自分を評価するところを始め、質問に対して考えながら書くところや、コーチや保護者がコメントを書く欄があるのがいい」と感じているようです。「このノートを使うようになってから、子どもたちが『コーチ、コメント書いて』って感じで、毎回提出するようになりました。コメントはコーチだけでなく、保護者も書けるようになっているので、すごく熱心に書いてくれるお母さんもいます」岡田コーチはそう言って、小学2年生の子が書いたノートを見せてくれました。そこには「前回の学びや発見は何がありましたか?」という質問に対し「パスを出すときは、なるべく走らせる」。「試合や練習が終わったとき、どうなっていたら最高ですか?」という質問には「みんなで、これは良かったよ。これはもう少し頑張ろうと言い合えていたら最高」といった答えが書かれていました。ノート誌面※画像をクリックして拡大できます「質問があるので、子どもは考えやすいですし、それによって書く量も増えています。保護者の方も、お子さんが書いた内容から『今日はこんな練習したんだな』『こんなことを考えてプレーしたんだな』と知ることができるので、評判はいいですね」■わが子の考えを知ることができ、親子コミュニケーションに役立つ今年はコロナの影響で、保護者は送迎のみとなり、練習や試合の見学はできませんでした。ですが、サッカーノートがあるおかげで、練習や試合の内容がわかるようになり、コミュニケーションツールとしても役に立ったようです。「保護者の方も、熱心にコメントを書いてくれるんです。このお母さんはすごいですよ。お子さんが書いたことに対して『今日のくやしかった気持ちを忘れないで、これからも一生懸命練習しよう』『サッカーは一人で攻めても、守ってもうまくいかないことを学びましたね。うまくゲームができないとき、自分にはどんなことができるかを考えてプレーしてみよう』など、すごく前向きなコメントを書いてくれています」親御さんのコメント(許可をいただいて掲載しています)※画像をクリックして拡大できますコーチや保護者からコメントを書いてもらうことで、子ども自身も書くモチベーションにもなっているようです。岡田コーチは、ノートを読んでコメントを書くときには「思考やイメージを掘り下げられるように書くことを心がけています」と言います。「たとえば『うまくいかなかったことはなんですか?』という欄に、子どもが『ドリブルシュート』と書いたときは、『どうすればドリブルとシュートがうまくいくかな?』など、より深く考えるためのコメントを書くようにしています」■書くことでコーチのアドバイスが頭に残るまた、「練習中に言ったことを、ノートに書いておこうね」とアドバイスもしているそうです。「ノートに書くことで頭に残りますし、見返したときに『こういうこと言われたな』と思い出すことができます。練習で何を言われたかを覚えていないときは『恥ずかしがらずに聞くんだよ』と言っています。実際に『なんでしたっけ?』と聞きに来る子もいるので、そこでまたコミュニケーションがとれますし、復習にもなるのでいいかなと思っています」サカイクサッカーノートを使うことで「書く量がすごく増えた」と話す岡田コーチ。子どもたちは練習前に「始まる前に書こう」のページにある「試合や練習が終わったときに、どうなっていたら最高ですか?」「そのためにどんな工夫をしますか?」を書き、練習や試合後に、自分でどれぐらいできたか、点数をつけるそうです。「練習や試合の後に、自分で自分のプレーを振り返って、これができた、できなかったと自己評価するのはすごくいいと思います。ほかにも『どんなプレーが記憶に残っていますか?』という欄にイラストを描いている子がいたので『イラストと一緒に文章を入れると、後で見返したときにわかるよ』と言ったら、文章も書いてくれるようになりました」■サッカーノートを書くようになって、考えてサッカーするようになった岡田コーチは「サッカーノートを書くことで、考えてサッカーをするようになった」と成果を口にします。「練習前にノートに書いたことを、練習中に意識して取り組み、練習後にどうだったかを振り返るという流れができました。それによって、考えて取り組むようになったと思います」多くの質問や書くための工夫が施されている、サカイクサッカーノート。ラセルバロイFCは小学1年生から使用し、幼稚園年長の子も「コーチ、書いたから見て」と言って見せにくるそうです。低年齢時からサッカーを言語化し、考えてプレーすることを習慣化することで、プレーにも変化が現れることでしょう。「サッカーは楽しいもの。大人になってもやり続けてほしい」と話す岡田コーチ。考えてプレーする土台を作るためにも、サッカーノートは欠かすことのできないアイテムになりそうです。【詳細】子どもたちが自ら進んで書き出す、たくさん書けるようになるサカイクサッカーノートの表紙デザインなど
2020年12月10日これからの時代に求められる力として、いま最も注目されているのが「思考力」、そして「発想力」です。これらの力を伸ばすために、たくさんの習い事やさまざまな体験をさせたい、と考えている保護者の方も多いのではないでしょうか。もちろん、特別な体験を通じて得られるものはたくさんあるでしょう。しかし、子どもの思考力や発想力を鍛えるヒントは、日常のなかにあふれているのです。今回は、すぐに実践できる「子どもの思考力・発想力を鍛える方法」について解説していきます。将来のためにいま「思考力」「発想力」の土台を築こう子育てをしていると、いまの子どもたちを取り巻く環境は、昔に比べてガラリと変わったと感じさせられます。私たち親世代が子どもであったほんの数十年前には想像もできなかったほど、社会全体がものすごいスピードで変化していることは、誰の目から見ても明らかでしょう。特に幼児期~学童期にかけての教育においては、昔といまでは「常識」とされていることがまったく違っているケースも多く、保護者のなかには戸惑う人もいるはずです。社会の仕組みが大きく変われば、教育のあり方や進むべき方向性も一変します。これまではペーパーテストで高得点をとることを目標にして、よい学校へ進学して安定した職業につくことが、一般的に「理想のコース」とされてきました。しかし、これからの時代に求められる能力やスキルは、テストの点数だけでは判断できないようなものばかり。そのなかでも、子どもたちが将来のために身につけておきたい能力として、重視されているのが「思考力」と「発想力」です。「考える力」と「ひらめき力」が伸びるとき思考力と発想力について、具体的に説明していきます。■思考力とは「思考力」いわゆる「考える力」は、当然誰にでも備わっているものであり、特別な訓練などしなくても “ただ考える” ことはできるでしょう。しかし、幼児期において育むべき「思考力」は、「物事を自分で判断し、自分で学んでいく力」だと東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之先生は述べています。情報があふれる現代社会では、正しい情報や自分にとって有益な情報を選び抜き、そこからさらに学びを深めていくことが求められます。そのために必要なのが、嘘やうわさに惑わされずに自分で考えて判断する力。そして、正しい判断力のベースとなるのは「考える力」です。子どもの「考える力」を育てるためのカギとなるのは「好奇心」にほかなりません。「知ることが楽しくてしょうがない!」という状態になった子は、親に「勉強しなさい」と言われなくても、勝手に知識をどんどん吸収していきます。まずは、子どもが好きなことに没頭できる環境づくりと、見守ってあげる心の余裕が必要かもしれませんね。■発想力とは「発想力」とはつまり「ひらめき力」。これからの時代は、常識にとらわれない柔軟な考え方ができたり、新しい感性で独創的なものをつくり出したりと、その人なりの個性を発揮することが求められます。子ども教育アドバイザーの岩田かおりさんは、「子どもは、周りの大人やお友だちとの『おもしろいね』『楽しいね』という会話や経験を通じ、自分とは異なる発想があることに気づき、学び、取り込み、新しいイメージをつくり出していきます」と説明しています。幼児期はこのような “楽しい体験” を重ねやすいため、自然と「ひらめき力」が育まれていくそう。子どもの発想力を伸ばそうとして、大人が無理に「考えなさい」と強要してしまうと、子どもは考えること自体が嫌いになってしまいます。大事なのは、自由な環境のなかで、のびのびと「ひらめき力」を伸ばしてあげること。そのためにも、どんどん楽しい体験をさせてあげましょう。思考力・発想力がアップする声かけの工夫続いて、子どもの思考力と発想力をアップさせる声かけ例を紹介します。■思考力アップの声かけー「なぜそう思ったの?」「どうしてこれを選んだの?」教育評論家の石田勝紀さんによると、「人間は『なぜそうなの?』『なぜだと思う?』と問われると考えるようになる」のだそう。子どもが興味をもっているものや好きなものに対して、「なぜ?」と問いかけてあげることで、考えるきっかけが生まれます。ー(子どもが自分で調べたあとに)「どういうことがわかった?」子どもの知的欲求が高まっているときは、質問をされてもすぐに答えを教えてあげるのではなく、調べる方法を伝えましょう。心理カウンセラーの浮世満里子さんによると、「調べたことに対して『どういうことがわかった?』と聞き、子どもに発表してもらうと効果的です」とのこと。それにより、ますます理解力が深まるというわけです。■発想力アップの声かけー「ゆっくりでいいよ」「待ってるから大丈夫」せっかく子どもが考えているのに、「まだ?」「早く早く」と急かしていませんか?親としてはパッとひらめいてほしいと考えてしまいますが、岩田さんいわく「『楽しい経験』や『周りの人の好反応』がなければ、子どもの発想力は育まれません」とのこと。ひらめきが生まれるまでじっくり考えさせてあげましょう。ー「○○ちゃんらしい絵だね」「世界にひとつの絵だね」浮世さんは、「お絵かきや工作などで、お友だちとは違う独創的な表現力を発揮している場合、ほかの子と比べたり評価したりするのではなく、ありのままの表現を認めてあげましょう」とアドバイスしています。それが自信につながり、さらに創意工夫を重ねることにつながるのです。ドリルを活用して、さらに思考力・発想力アップにつなげよう!声かけのほかにも、思考力・発想力を鍛える効果的な方法があります。書店やインターネットですぐに手に入るドリルなどは、まさにうってつけのアイテムだといえるでしょう。■『脳みそぜんりょくドリル』のここがスゴイ!○遊びのジャンルは13種類(おえかき、クイズ、こうさく、かいぶん、いたずら、など)。その日の気分に合わせて選べる!○300以上の遊びを詰め込んだ全600ページという大ボリュームで、飽きずに続けられる!○どこから始めてもOK、どこでやめてもOK!○1ページだけでもOK、10ページ進めてもOK。自由な遊び方で思考力・発想力がぐんぐんアップする!また、ページの途中でも切り離せるようなつくりになっているのも嬉しいポイント。「おえかき」ジャンルから数枚選んで切り離し、色鉛筆と一緒に荷物に入れておけば、車での移動中や食事の待ち時間にも遊ぶことができますね。このように『脳みそぜんりょくドリル』には、子どもたちの脳をフル回転させて、思考力・発想力を伸ばす工夫がたくさんつまっています。集中してよ〜く考えれば小さな子どもにも簡単に解ける問題ばかり。「どっちが早く見つけられるかな?」と親子で競争しても◎めがねやイヤリングを描き込んだり、お化粧をしてあげたりしてもいいですね。楽しみ方は無限大!少し難易度が高い問題もあるので、年齢に応じて長く楽しめます☆こちらもおすすめ!『しりとりあそび』遊びながら言葉を覚えるのに最適な「しりとり」は、小さな子どもが言葉を使いこなせるようになる訓練にも。たったの32ページなので、「最後までやりきった!」という達成感を得やすい構成になっています。『ちえあそび6』折る、切る、貼る、描き足す、といった動作によって手先を器用に使いながら、子どもの自由な発想力を育みます。迷路や仲間さがしなど、子どもが楽しみながら学べるしかけがたくさん!『めいろ1』子どもの能力が飛躍的に伸びる2~3歳は、脳に刺激を与えてあげることで思考力や直感力がぐんぐん発達していきます。カードを切り抜いて迷路をたどったり、ページを折ったりと、手を動かしながら進めていくことでさらに効果アップ!***特別なことをしなくても、日常生活のなかで子どもの思考力や発想力は確実に鍛えられます。声かけを工夫したり、ドリルを活用したりしながら、お子さまの能力を伸ばすサポートをしてあげましょう。(参考)PHPのびのび子育て 2020年12月号 ,PHP研究所.東洋経済オンライン|「考える力がない子」を変える3つの問いかけ新井洋行(2020),『脳みそぜんりょくドリル』, ポプラ社.宮西達也 著, みやしたはんな 絵(2015),『しりとりあそび』, ポプラ社.宮西達也 著, 下間文恵 絵(2014),『ちえあそび6』, ポプラ社.たかいよしかず 著, 吉田朋子 絵(2014),『めいろ1』, ポプラ社.
2020年12月02日2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるという推計(’17年・厚生労働省)もあるなど、社会問題化している認知症。発症したくないと脳トレに励む人もいるだろう。だが“栄養番長”として知られる医師の姫野友美先生は、「脳の健康は、脳トレだけでは守れない」と話す。「大切なのは、脳に必要な栄養をしっかり取って、不必要なものは体内に入れないこと。『腸脳相関』といって、腸と脳は密接に影響し合っていることが知られています。脳の健康を考えるなら、腸内環境の改善から始めるのが効果的なのです」(姫野先生・以下同)なかでも、糖質の取りすぎによる体の“糖化”が、体はもちろん、脳にも重大な影響を及ぼすという。「糖化による“コゲ”だけでも問題ですが、“酸化”の“サビ”と結びつくとさらに厄介です。糖やタンパク質が糖化・酸化のダブルパンチで、老化と密接に関わる『終末糖化産物』に変性すると、もはや簡単には修復できません」そのうえ、コゲつき、サビて、もろくなった器官には、“カビ”も発生しやすい。これらコゲ・サビ・カビが、一生消えないシミになり、老化を加速させる。認知症になる脳には、シミがたくさんあるというから、恐ろしい限りだ。また、認知症は“第3の糖尿病”ともいわれる。体質的な1型糖尿病、生活習慣病の2型糖尿病は、糖をエネルギーに変えるインスリンの作用が不足することで血糖値がコントロールできずに発症する。ブドウ糖をエネルギー源とする脳で、同じようにインスリンが効かなくなると、脳のエネルギーが不足して認知症を発症する。糖尿病の人は、そうでない人より、血管性認知症に約2.5倍、アルツハイマー型認知症に約1.5倍なりやすいという報告もある(糖尿病情報センター)。糖尿病で高血糖が続くと認知症を招きやすくなるのだ。食生活がこのリスクを高めていると姫野先生は指摘する。だが、年々私たちの健康志向は高まっており、高カロリー食や脂っこいものを控えるなど努めている人も少なくない。「“健康志向”はよいことですが、世間で『体によい』といわれる情報が、必ずしも医学的に正しいといえないことも多いのです。たとえば『毎日ヨーグルトを食べる』とよく聞きます。ですが、ヨーグルトに含まれる乳タンパクの一種は、腸の粘膜に炎症を起こしやすく、かえって腸内環境を悪化させてしまうこともあります」腸粘膜が傷つくと、有害物質も体内に吸収されてしまう。それが脳に侵入して認知症を誘発することがあるという。「腸内環境改善には、食物繊維や豆乳ヨーグルト、キムチなどの漬け物、納豆やみそなどの発酵食品を活用して多種類の腸内細菌を取り、バランスを整えることが大切です」「女性自身」2020年12月1日・8日合併号 掲載
2020年11月28日サカイクキャンプ独自のカリキュラム、サッカーを通じて社会を生きる力を育む「ライフスキル」のプログラムでは、子どもたちが生きていく中で必要なスキルとされる「考える力」「リーダーシップ」「感謝の心」「チャレンジ」「コミュニケーション」の5つの力をサッカーをしながら学べます。親御さんたちもライフスキルの概念に賛同してご参加いただいている方も多いのですが、では具体的にライフスキルが高まるとサッカーにどう影響するのか、まではいまいちよくわからない、という方もまだまだ多い様子です。そこで今回は、子どもたちを指導しているサカイクキャンプの菊池健太コーチに「ライフスキル」とはどういうものなのか、子どもたちがどう成長できるのかを聞きました。(取材・文:前田陽子)サカイクキャンプでコーチの話に耳を傾ける子どもたち■ピッチ上で仲間をフォローできる人が求められている以前は足元の技術など個人技を磨くことが推奨されましたが、今はチームにいかに貢献できるか、チームのためにプレイできるかが求められる時代。そのためには、一緒にプレイする仲間を知り、自分のことを仲間にわかってもらう必要があります。そこで必要になるのがライフスキルです。ピッチ内外で考え、サッカーができることに感謝し、いろいろなことにチャレンジして、コミュニケーションを取り、リーダーシップでチームを導く。技術の習得に比べて、パッと見て変化がわかることではありませんが、ここを磨くことで技術も向上していくのです。JFAでも"判断も含めてテクニック"と言っています。育成年代の選手たちに求めるスキルとして「仲間をフォローすることができる選手」を高く評価するとも言っています。元日本代表の内田篤人さんも、その判断力の早さ、仲間との連携意識やプレーの正確性に定評がありました。サカイクキャンプではこれからのサッカーや人生に必要なライフスキルを知り、体感することができます。■サッカーというスポーツの本質を知る「チームプレイであるサッカーは、勝つことを目的に仲間同士が互いをフォローするもので、それがサッカーというスポーツでフォローし合うことが当たり前であることを子どもたちに伝えています」と菊池コーチ。すると自然とミスをフォローするプレイが増えていきます。自分のタイミングでボールを蹴っていた子が、コミュニケーションを知ると仲間を思ったパスが出せるようになります。俺が活躍すればいいという、独りよがりのプレイが減っていくのです。サッカーはミスのスポーツであり、助け合いが必須です。ミスをしたら「ごめん」と謝ること、味方がフォローしてくれたら「ありがとう」とお礼を言えること。その瞬間に口にすることは難しくても、普段からごめんなさい、ありがとうが言える習慣が身に付いている子は、ピッチの中でも助けてもらいやすかったりして、結果として試合が上手く回るのです。親御さんたちはどうしても個人技のところに注目してしまい、何点取った、何人抜いたで褒めたり残念に思ったりしますが、子どもたちの中には目立たないけれど丁寧なパスが出せたりする子もいて、そんな子はとても技術が高いとコーチたちは評価します。菊池コーチは「足元の技術は後からついてきます。ボールを扱う技術は大事ですが、丁寧さや気遣いができる選手はすごいんです」とも。一概に技術と言っても個人のものとチームの中でのものの2種類があります。もちろん、どちらも伸びるといいのですが、まずはサッカーの本質であるチームプレイを学ぶことが小学生年代には大切だとサカイクでは考えています。■キャンプに参加することが、チャレンジの第一歩キャンプは初めての場所、初めての友達、初めてのコーチ。泊りで行くのは子どもにとってすごく大きなチャレンジです。これは大人でもなかなか難しいこと。まずはキャンプに行こうと決断した子どもの勇気を褒めてあげましょう。その上で、キャンプへの持ち物は自分で何が必要かを考えて判断させて持たせてください。サカイクキャンプでは支度から子どもに任せてほしいという思いもあり、細かく持ち物を提示していません。3日間必要なものを自分で考えてほしいのです。寒い時期ならピステ持ってくる子もいますし、洗濯するから少しでいいという子もいます。そういう様子を見ていると親御さんは手をかけずにやってくれているなと思います。反面、「一日目の上はコレ、下はコレ」とセットしたものを持ってくる子もいます。親御さんなりの子どもへのサポートかもしれませんが、そういった子は柔軟な発想ができず、2日目に雨が降ったりして、翌日分(キャンプの最終日)を着替えに使うと、最終日の朝に「もう着る服がない」と大騒ぎすることもあるのだとか。子どもたちが準備した上での忘れ物はコーチたちは想定済みです。シャンプーや洗剤などの細かなものから、サッカーに必要なボールなどもサカイクキャンプでも準備しているので、忘れ物をしても安心してください。もちろん、忘れ物をしない方が良いのですが、忘れてしまったときにどうするかが大事で、その過程をコーチたちはどう解決していくかを見守っています。レガースやソックスなど借りれるものならチームメイトに「貸して」と言えること、チームメイトが忘れ物をして困っていたら「貸してあげようか」と提案できること、そういったお互い助け合って協力することが大事なのです。そのようなことが自然にできるようになると、例えばボールを奪われそうな時など、ピンチの際に仲間にヘルプを求めること、味方がピンチの時は自分が助けに行くことなど、サッカーの動きにもつながっていきます。ピッチの外での行動が変わるとピッチの中の行動も変わります。ライフスキルが身に付くと、技術も伸びてくるのです。■キャンプに来た子どもたちは、必ず成長しますサカイクキャンプに参加する子には、すべてにおいて、自分で考えて行動できる子になって欲しいとコーチたちは考えています。サッカーもコーチや周り仲間に何かを言われてプレイするのではなく、自分の判断でプレイを選択できる子になってほしい。いずれ社会に出てからも自分の意見をしっかり持って、自分で考えて判断ができる、そんな子になってくれたらと思っています。そのために小学生の間はサッカーは自由で楽しいと感じてもらいたい。中学高校に行けば自然とサッカーも厳しくなり、社会人になれば仕事もしなくてはなりません。なので、根底に楽しさ、仲間と協力するすばらしさを蓄えてほしいと考え、コーチたちは子どもたちと接しています。
2020年11月17日子どもたちの「考える力」をサポートし、サッカーがうまくなるためにサカイクが制作した「サッカーノート」。質問に答えて書き進めていくことで、自分の考えを言葉にできたり、プレーのアイデアが湧いてくるのでおすすめです。そこで今回は、サカイクサッカーノートを熟知している、サカイクキャンプのコーチ陣に「このように活用すれば効果的」という使い方を教えてもらいました。ぜひ参考にしてみてください。(取材・文:鈴木智之)<<サカイクサッカーノートに込められた思い、たくさんかける工夫など制作秘話■書くことが苦手な子もスラスラ書けるサッカーノート菊池コーチはサカイクサッカーノートを「質問に答えることで、書くことがスラスラ出てくるノート」と表現します。「各ページに質問があるので、それに沿って自分で書き進められるノートです。自分の思ったことを素直に書くのが、一番いいと思います」サッカーノートを書き慣れていない場合、「何を書けばいいかわからない」という声を耳にします。そんなお子さんに対し、柏瀬コーチは次のようにアドバイスを送ります。「コーチやお父さん、お母さんにノートを見られることを前提に書くのではなく、自分はどう思ったかを、正直に書いていくといいと思います。ノートの中にある質問も、答えやすく、書きやすいものなので、できるところから始めてみましょう」菊池コーチは「サッカーノートはテストではないので、良い、悪いはありません」と話し、次のように続けます。「思ったことを素直に書く中で、1日、2日と書き進めると、内容が少しずつ具体的になり、変化が現れます。それが、考える力が高まっている証です。サカイクキャンプでも、初日と3日目のノートを比べると、見違えるようにたくさん書けるようになった子もいます」サカイクサッカーノートには、書き方の説明も記してあるので、何を書けばいいかわからなくなった場合、前のページに戻って「こう書けばいいんだ」と参考にすることができます。白紙のノートだと、何を書けばいいかわからず、戸惑ってしまうケースも見られますが、質問つきのサカイクサッカーノートは、その心配もありません。記入例※画像をクリックして拡大できます【詳細】子どもたちが自ら進んで書き出す、たくさん書けるようになるサカイクサッカーノートの表紙デザインなど■失敗の反省でなく、改善点などポジティブなことを書こうまた、サカイクサッカーノートは、開発者のひとり「しつもんメンタルトレーニング」の藤代圭一さんの「ポジティブな気持ちで、前向きに、サッカーも私生活もがんばってほしい」という想いが込められています。それも踏まえて菊池コーチは子どもたちには、「良かったことをたくさん書こう」と言っているそうです。「人間って、良かったことより、悪かったことの方が記憶に残りやすいですよね。『なんであの場面でシュートを外してしまったんだろう』とか、『自分のパスミスが失点につながった』とか。ネガティブなことを書き続けると、気持ちも下向きになってしまいます。なので、まずはできたことやコーチに褒められたことを書いてみる。その次に『こうすればできそうだぞ』など、改善点を書くといいと思います」サカイクサッカーノートには、イラストでプレーを振り返る箇所があります。サカイクキャンプのコーチ陣が「自由に書いてみよう」と言うと、「ドリブルでカットインしてシュートを打てた」「サイドでスルーパスを受けて、チャンスになった」など、子どもたちが楽しんでイラストを描いていくそうです。絵で描くことは、イメージトレーニングにもなるのでおすすめです。子どもたちが、楽しんで書き進めることができるサカイクサッカーノート。コーチや保護者の学びにも役立つようです。菊池コーチは「子どもたちが書いたノートを読むことで、自分が伝えたことが、どの程度浸透しているのか、理解しているのかという目安にもなります」と話します。「指導者としては、『自分が言ったことが、これぐらい伝わっているんだな』と確認の作業にも使うことができます。サカイクキャンプで『チャレンジ&カバー』を練習をしたのですが、子どもたちが書いたノートを見ながら『ここは伝わっているな』『ここは理解が不足しているな。使え方を変えてみよう』など自分の指導を振り返り、トレーニングメニューや伝え方を変更したこともありました」■サッカーノートを通じて会話だけじゃ伝わらない子どもの考えが分かる柏瀬コーチは「ノートを通じて、親子間でのコミュニケーションが円滑になるのも良いですよね」と笑顔を見せます。「試合中や試合後に、自分の子に対して厳しく言ってしまうこともあると思います。そこで、試合直後は厳しく言ってしまったけど、ノートには前向きな言葉を書いてあげたりすると、お子さんも親御さんの気持ちをわかってくれるのではないかと思います」柏瀬コーチの話を聞きながら、菊池コーチは「親子間のコミュニケーションに、ノートはすごく役立っています」と実体験を語ります。「ノートを見ることで、子どもがどんな一日を過ごしたのかを知ることができます。『今日のサッカー、どうだった?』と訊いても『普通』とか『勝ったよ』とか、素っ気ないことも多いのですが(笑)、ノートを見ると、どんなことがあって、どんなことを考えていたのかもわかるので、読むのが楽しみです」サカイクサッカーノートは改良を重ね、ひと足先にサカイクキャンプで導入しました。質問形式にすることで考えやすくなり、書く量も増えました。また、書き続けることで「思考力がついた」「文章の組み立てができるようになってきた」という声も聞こえてきます。「今まで、サッカーノートに何を書いていいかわからなかった子には、すごく書きやすいノートだと思います」(菊池コーチ)「ノートを書いていたけど止めてしまった子も、改めて『こうやって書けばよかったんだ!』とわかりますし、書こうという気になるノートだと思います」(柏瀬コーチ)何を書けばいいかわからなかった子達が書けるようになり、思考力アップの後押しをしてくれるサカイクサッカーノート。たくさんの子どもや保護者、コーチから好評のノートを、ぜひ試してみてください!【詳細】子どもたちが自ら進んで書き出す、たくさん書けるようになるサカイクサッカーノートの表紙デザインなど
2020年11月11日サッカーをする子どもたちや保護者にとって、興味の対象である「トレセン」について、日本サッカー協会(JFA)ユース育成ダイレクターの池内豊さんに話をうがかいました。インタビュー後編では、トレセンの意義やオフ・ザ・ピッチでの取り組みなどをお伝えします。(取材・文:鈴木智之)日本独自の制度「トレセン」の意義とは(写真は少年サッカーのイメージ)<<前編:トレセンは日本代表への切符?どんなスキルを重視しているの?日本サッカー協会に聞いた最新トレセン事情■トレセンは日本独自の活動なぜ海外にはトレセンがないのか池内さんはトレセンの意義について、まずはこう話します。「トレセン活動の意義として、拮抗したレベルで練習や試合ができることがあります。子どもたちに『お山の大将』で満足しないように刺激を与え、勝ちか負けかどちらに転ぶかわからない相手と試合をする中で、『どうすれば、相手を上回ることができるか?』を考えるようになります。その環境を用意するのが、トレセン活動の意義のひとつです」上達のためには、レベルの拮抗した相手と試合やトレーニングをすることが必要です。その環境があれば、子どもたちは自ら考え、成長するための努力に視線を向けていきます。「ヨーロッパには、シーズンを通したリーグ戦があり1部、2部、3部とカテゴリーに分かれていることで選手のレベルに応じたリーグに参加できる環境が整っています。そして、一番上のカテゴリーである1部のクラブに、質の高い選手がいます。日本も育成年代にリーグ戦を導入し始めましたが、クラブのカテゴリー分けも含めて、整備している途中です。そのため、色々なチームに良い選手がいます。そこでトレセンを活用し、選手の発掘や刺激を与える場としています」池内さんは「ドイツには、日本のトレセンを参考にした活動がありますが、それ以外の国には存在しないと思います」と話し、その理由を「育成はクラブでするものという考えがあるからではないでしょうか」と言います。日本のジュニア年代では、リーグ戦を最優先ととらえないクラブも多く、ヨーロッパのように、リーグ戦を中心シーズンが進んでいく文化が浸透していないのが現状です。シーズンを通して、レベルが拮抗した相手との試合ができれば、一番の強化になるのですが、トーナメント形式をベースとした大会が多く、リーグ戦がカレンダーの中心になっていない以上、トレセンという日本独自の活動が広まってきたことも合点がいきます。■トレセンで実力を存分に発揮するための準備日本サッカー協会としても、トレセンをさらに有効活用できるように、リーグ戦の導入と平行して、トレセンの整備にも取り組んでいるようです。「これまで、トレセンの指導はボランティアの方々に支えられてきました。その環境を少しでも良くするために、47FA(都道府県サッカー協会)に技術の専任者を置いて、地域のトレセンのリーダーになってほしいと思っています。そこにJFAが補助金を出す形で進めていて、47FAのうち20ほどの地域で実施しています」静岡県では、すでにその制度が導入されていて、JFAのサポートを受けた専任者が指導しています。池内さんは「指導の質が上がり、選手のレベルも上がってきました。その成果が、(2019年の)国体(U‐16)での優勝にもつながっていると思います」と手応えを口にします。トレセンやセレクションなどの「選ばれる舞台」でプレーするのは緊張するもの。なかでも、経験の少ない子どもたちは、緊張して普段の力が出せないといったこともあるでしょう。そんな子どもたちに対し、池内さんは「前日や当日に何かをしたとしても、大きく変わることはありません。だからこそ、そこまでに何ができたか、いい準備ができたかが大切になります」とエールを送ります。「トレセンやセレクションで力が発揮できなかった、メンバーに入れなかったとしても『自分はこれだけやってきたのだから、後悔はない』という心理状態になれるかどうかです。プレー会場で不安を感じるのは、やり残したことがあるということ。次はそうならないように、頑張るしかありません。12歳のときにトレセンに選ばれなくても、コツコツやってきた子が追い越していく例は、たくさんあります。次のチャンスは絶対にあるし、それが報われる環境が日本サッカーにはあります」■サッカーがうまくなるために必要なことは日常生活にも関わっているトレセンではオン・ザ・ピッチのプレーに加えて、日常生活での取り組みや姿勢も大切にしているそうです。JFAのトレセン活動では、「トレセンの選手として」と題し、生活習慣の5か条を制定しています。それが、次の5つです。1:自分の物の管理に責任を持とう2:ルールを守ろう3:あいさつをしよう4:サッカー選手として、何をすべきかをいつも考えよう5:何事も積極的に!前向きに!池内さんは「自分で判断して実行することなど、サッカーがうまくなるためにすることは、実際の生活にも関わってきます」と言います。「ただし、大人が『あいさつしろ』『片付けしろ』『準備しろ』と言って、子ども自身に理解させず、形だけやらせても意味がありません。指導者に言われたから、チームのルールだからカバンをきれいに並べるのではなく、なぜカバンを並べたほうがいいのかを考え、そのために行動することが大切なのです。それができたら、ピッチの中で自分で判断して、実行したことが力になり、サッカー自体も伸びていくと思います」ピッチ内外で自分で判断し、行動すること。レベルの高い仲間と切磋琢磨すること。そのような日々の積み重ねこそが、サッカー選手としての成長につながります。トレセンはその一助になりますが、12歳の時点で選ばれなかったといって、悲観する必要はありません。子どもも保護者もそれを念頭に入れて、一喜一憂せず、自らの課題に向き合って、地道にトレーニングしていくことこそが、成長のためにもっとも大切なことではないでしょうか。池内豊(いけうち・ゆたか)現役時代はフジタ工業クラブサッカー部などに所属、1981年には日本サッカーリーグ1部で新人王を獲得。日本代表としてワールドカップ予選にも出場。引退後は名古屋グランパスエイトユースで指導者の道に進む。2007年にU-15日本代表監督に就任、2009年のFIFA U-17ワールドカップでも指揮を執った。現在はJFAユース育成ダイレクターを務める。
2020年10月12日大好きな人からの励ましや応援は大きな力になるものです。それは時に奇跡を起こすほどのパワーになることがあります。イタリアのサッカー1部リーグ『セリエA』の『ラツィオ』に所属する19歳のイレニア・マティッリさんは、2019年12月に交通事故に遭いました。同乗していた友人は命を落とし、イレニアさんは助かったものの昏睡状態に陥ってしまったのです。トッティからの激励を聞いた女性に奇跡が起きる昏睡状態が続くイレニアさんが目覚めることを祈る家族は、ある人物に彼女へ激励メッセージを送ってもらえないかと頼むことにします。その人物とは、『ASローマ』で活躍し、イタリア史上もっとも偉大なサッカー選手の1人といわれるフランチェスコ・トッティ。海外メディア『CNN』によると、トッティはこの依頼を快諾。イレニアさんに向けて「頑張れ。あきらめるな」と呼びかけるビデオメッセージを撮って家族に送ったのです。そしてそのビデオをイレニアさんの前で再生したところ、彼女に回復の兆候が見られたのだそう。ローマの病院はトッティのビデオが「イレニアさんが目覚める『カギとなる役割』を果たした」とコメントしています。数か月後、意識を取り戻したイレニアさんは筆談で「トッティに直接会いたい」というメッセージをつづりました。すると本当にトッティ本人がお見舞いにやってきたのです。 Roma fan Ilenia Matilli was left in a coma in December by a car accident in which her friend sadly died❤️ @ASRomaEN legend @Totti recorded an encouraging video message for her months ago & on Monday he was there as she emerged We are all with you, Ilenia pic.twitter.com/ffkszY0CFf — FIFA.com (@FIFAcom) September 28, 2020 トッティとイレニアさんは1時間ほど一緒に時間を過ごしたのだとか。トッティは彼女に「早く退院して、元の生活に戻れるといいね」と伝えたということです。この心温まる出来事を紹介したFIFAの公式Twitterの投稿には、イレニアさんの回復を祈る声や、代表引退後もファンを大切にするトッティへの称賛コメントが寄せられています。イレニアさんは退院したらトッティと一緒にディナーを食べることを楽しみにしているのだそう。憧れのスターとの約束は、間違いなく彼女の回復を助けるパワーになることでしょう。イレニアさんが1日も早く全快して、トッティとの再会が実現するといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月07日お笑いコンビ『EXIT』のりんたろー。さんが、2020年9月17日にTwitterを更新。介護に悩む人の心を軽くするコメントに、称賛の声が寄せられています。りんたろー。、泣きながら電話をかける祖母に…8年間、老人ホームで介護のアルバイトをしていていた、りんたろー。さん。祖母は老人ホームを利用しているといいます。ある日、今日が何日の何曜日なのか分からなくなってしまった祖母が、泣きながら母親に電話をかけてきたことがあったようです。焦る母親ですが、りんたろー。さんは、認知力が低下してしまった祖母にこのように声掛けをするのだとか。おばあちゃんが何日の何曜日かわからなくて泣きながら電話をかけてくると母が大騒ぎ「僕もわからないよ」「そのうち思い出すよ」「そんなに曜日が重要?」「職員さんが教えてくれるよ」僕は適当に言葉をかけます!介護って良い意味で適当さが重要一緒に落ちたら共倒れ!認知と共に楽しく生きよう!— りんたろー from EXIT (@rinnxofficial) September 17, 2020 「僕は適当に言葉をかけます!」と、介護には適当さも必要と明かすりんたろー。さん。きっと、肩に力を入れすぎないことは、認知力が低下した祖母にも、その介護をする母親にとっても、いい関係を保つことに繋がるのでしょう。ネット上では、たくさんの称賛の声が寄せられていました。・自分だって曜日と日にちが分からなくなることがある。そんなの重要じゃないって考えたい。・適当さがないと支える家族もつぶれてしまう。本当にその通りだと思います。・りんたろー。さんの言葉に救われました。ありがとうございます。認知症が進むと話が通じなかったり、すぐに忘れてしまったりして支える家族はどうしてもイライラしがち。ですが、「認知と共に楽しく生きよう!」というりんたろー。さんの言葉は多くの人を励ましたに違いありません。[文・構成/grape編集部]
2020年09月19日人生100年時代、大きな社会問題の一つである認知症患者の増加。その予防法の研究に当たる専門のドクター自身は、認知症リスクを下げるために、いったいどんなことに気をつけて生活しているのだろうーー。医療技術の進歩や生活環境が向上していることで、日本人の平均寿命は延び続けている。厚生労働省が7月末に発表した最新の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性で87.45歳と過去最高を更新。“人生100年時代”にまた一歩近づいた。「いっぽうで、認知症患者の増加も深刻な問題となっています。20年後には高齢者のじつに4人に1人が認知症、または予備群の軽度認知障害(MCI)になっているという予測もあります。健康寿命を延ばすためにも、認知症の予防がとても重要になってきます」そう語るのは、『医師が認知症予防のためにやっていること。』(日経BP)の著者で、聖路加国際大学臨床教授の遠藤英俊先生だ。遠藤先生は35年にわたって認知症研究に携わり、今年3月に長年勤めた国立長寿医療研究センターを退職、定年後から“チャレンジ”していることがあるという。「それまで忙しく働いていたのが、急に暇になるとガクンと老け込み、将来的に認知症になるリスクが高まってしまいます。私は定年後に仕事のペースを見直して、日曜日から火曜日は休み、水曜日から土曜日まではいくつかの病院で診察をしています。仕事を減らすことでできた時間を活用して、これまでできなかったゴルフなど趣味の時間に充てています。さらに私は『1年以内にゴルフのスコアで100を切る』といったように具体的な目標を設定しています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で休んだ時期もありましたが、料理教室に通い始め、ティラミスやローストビーフが作れるようになったんですよ」(遠藤先生・以下同)認知症のスペシャリストである遠藤先生自身が、趣味などを満喫することを通じて、同時に認知症予防の効果が期待できる習慣を取り入れているという。そこで今回、遠藤先生自身が認知症予防のために実践している効果的な健康管理の方法を詳しく解説してもらった。■血圧の薬はきちんと飲む高血圧(収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg)と診断されたら降圧剤を服用するが、さまざまな種類がある。「ARB(アンジオテンシン2受容体拮抗薬)というタイプの薬が、最も認知症リスクを下げるという調査結果が出ており、私も服用しています」■たばこはいっさい吸わない喫煙者は非喫煙者と比べて1.5〜2倍も認知機能が低下しやすいことがわかっている。喫煙により血管は収縮し、血流が低下する。「末梢にある細胞に酸素と栄養が届けられなくなり、神経細胞がダメージを受けることで認知症発症のリスクが高まるといわれています」■難聴になったら補聴器をつける意外と見過ごされがちなのが難聴(聴力の低下)だという。「聴力の低下によって脳に情報が入りにくくなります。聞こえづらくなったらきちんと補聴器を使うようにして、ふだんから大音量の音楽をヘッドホンで聴きすぎないように、耳をいたわることも大切です」■40〜50代はメタボ対策、60代以降は小太りを目指す肥満や代謝異常のある人は、脳の老化が早く進行してしまうという研究結果がある。しかし、過度なダイエットはタンパク質をはじめとした栄養素の不足を招くことに。「食事量と運動量が同時に減ると、筋力が減ったサルコペニアの状態を招きます。60代以降は少し太めくらいの体形がちょうどよいでしょう」また、健康診断で気になる項目があれば、放置してはダメ。「高血圧症と診断されたらまず食事を見直すとともに、運動によって血圧を下げる努力が必要になりますが、改善しない場合は降圧剤を使います。また、女性は閉経を迎えるころから代謝が悪くなり太る人も出てきます。太りすぎ、またやせすぎに気をつけましょう」「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月17日人生100年時代、大きな社会問題の一つである認知症患者の増加。その予防法の研究に当たる専門のドクター自身は、認知症リスクを下げるために、いったいどんなことに気をつけて生活しているのだろうーー。医療技術の進歩や生活環境が向上していることで、日本人の平均寿命は延び続けている。厚生労働省が7月末に発表した最新の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性で87.45歳と過去最高を更新。“人生100年時代”にまた一歩近づいた。「いっぽうで、認知症患者の増加も深刻な問題となっています。20年後には高齢者のじつに4人に1人が認知症、または予備群の軽度認知障害(MCI)になっているという予測もあります。健康寿命を延ばすためにも、認知症の予防がとても重要になってきます」そう語るのは、『医師が認知症予防のためにやっていること。』(日経BP)の著者で、聖路加国際大学臨床教授の遠藤英俊先生だ。遠藤先生は35年にわたって認知症研究に携わり、今年3月に長年勤めた国立長寿医療研究センターを退職、定年後から“チャレンジ”していることがあるという。「それまで忙しく働いていたのが、急に暇になるとガクンと老け込み、将来的に認知症になるリスクが高まってしまいます。私は定年後に仕事のペースを見直して、日曜日から火曜日は休み、水曜日から土曜日まではいくつかの病院で診察をしています。仕事を減らすことでできた時間を活用して、これまでできなかったゴルフなど趣味の時間に充てています。さらに私は『1年以内にゴルフのスコアで100を切る』といったように具体的な目標を設定しています」(遠藤先生・以下同)認知症のスペシャリストである遠藤先生自身が、趣味などを満喫することを通じて、同時に認知症予防の効果が期待できる習慣を取り入れているという。そこで今回、遠藤先生自身が認知症予防のために実践している習慣や趣味について解説してもらった。■凝った料理に挑戦する料理は食材の選択から調理法、時間配分、食器選びまで複雑な手順が必要で、脳を活性化させるという。「私はイタリア料理の教室に通っていて、最近はローストビーフを作りました。巣ごもりで通えないときは自宅で積極的に料理を作り、妻とも会話が増えました」■元気な犬を飼う犬を飼うことは、毎日の世話が伴う。「犬のために毎日の散歩が欠かせなくなるので、外に出て歩くことが日課になります。元気な犬を飼うと犬に引っ張られて早歩きになるというメリットも」。幸せホルモンが出て心の安定にも一役買うそうだ。■仕事は減らすが、ゼロにはしない社会的孤立により、認知症のリスクは1.6倍にも高まる。「人間の脳は、しゃべることで神経細胞が活性化します。アルバイトでもボランティアでもいいので、外に出る機会を増やすと、身なりを整えるなど緊張感が生まれて、これも脳の活性化に一役買います」■地域での付き合いを増やす一人暮らしでも地域に溶け込めば社会的孤立を防ぐことができる。「私も定年後から地域に溶け込もうと料理教室に通っています。趣味のサークル、マンションの総会などを活用しましょう」3密に注意しながらではあるが、地域の催しに参加することから始めよう。■マージャン、将棋など頭を使うゲームをするゲームも認知症予防の効果に期待ができ、マージャン、オセロ、囲碁、将棋など頭を使うものは特にお勧めという。「私もこの年になってマージャンを始めました。思考力や集中力を高めて脳を活性化するほかに、何人かで交流しながら行うことで孤立も防ぎます」■歌ってのどを鍛える懐かしい歌を歌って昔を思い出すことは、認知症予防にもつながるという。「声を出すとのどの機能が鍛えられるため、誤嚥防止にも効果が。私もときどき歌っています」いまはカラオケに行くのが難しい部分もあるが、家の中でも好きな歌を口ずさんでみよう。子育てや仕事で忙しいときはいいが“卒業”すると、かえって生活リズムが崩れて、抑うつ状態になってしまう人もいる。「定年退職後、家に閉じこもりがちになる男性が多いのですが、女性でも中には人付き合いが苦手という人もいます。趣味やサークルなどでアクティブに活動している人であればいいのですが、会話が少なくなると認知症のリスクが高まってしまいます。無理に人付き合いをしようとしなくても、外に出かけて他人と会話をする機会を増やすことから始めましょう。私も定年後に仕事のペースを落として、やりたいこと、新しいことにチャレンジしています」認知症を防ぐためにも、今から一つずつ、楽しく続けてみよう。「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月17日人生100年時代、大きな社会問題の一つである認知症患者の増加。その予防法の研究に当たる専門のドクター自身は、認知症リスクを下げるために、いったいどんなことに気をつけて生活しているのだろうーー。医療技術の進歩や生活環境が向上していることで、日本人の平均寿命は延び続けている。厚生労働省が7月末に発表した最新の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性で87.45歳と過去最高を更新。“人生100年時代”にまた一歩近づいた。「いっぽうで、認知症患者の増加も深刻な問題となっています。20年後には高齢者のじつに4人に1人が認知症、または予備群の軽度認知障害(MCI)になっているという予測もあります。健康寿命を延ばすためにも、認知症の予防がとても重要になってきます」そう語るのは、『医師が認知症予防のためにやっていること。』(日経BP)の著者で、聖路加国際大学臨床教授の遠藤英俊先生だ。遠藤先生は35年にわたって認知症研究に携わり、今年3月に長年勤めた国立長寿医療研究センターを退職、定年後から“チャレンジ”していることがあるという。「それまで忙しく働いていたのが、急に暇になるとガクンと老け込み、将来的に認知症になるリスクが高まってしまいます。私は定年後に仕事のペースを見直して、日曜日から火曜日は休み、水曜日から土曜日まではいくつかの病院で診察をしています。仕事を減らすことでできた時間を活用して、これまでできなかったゴルフなど趣味の時間に充てています。さらに私は『1年以内にゴルフのスコアで100を切る』といったように具体的な目標を設定しています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で休んだ時期もありましたが、料理教室に通い始め、ティラミスやローストビーフが作れるようになったんですよ」(遠藤先生・以下同)認知症のスペシャリストである遠藤先生自身が、趣味などを満喫することを通じて、同時に認知症予防の効果が期待できる習慣を取り入れているという。そこで今回、遠藤先生自身が認知症予防のために実践している効果的なリラックスの仕方を詳しく解説してもらった。■「面倒くさい」「飽きた」はタブーにネガティブな口グセは危険なサイン。「認知機能が低下してくると、体が動かない、ゴルフのスコアが計算できない、などといったことから周囲に引け目を感じてしまい運動をやめてしまう傾向があります。家族でもこうした口グセが出てきたら注意が必要です」■昔の出来事を思い出す過去の出来事を思い出すのはネガティブなことではない。「私は’02年に愛知県名古屋市の昭和日常博物館と共同で『地域回想法』を開発しました。懐かしい話題を語り合う回想法スクールへの参加によって、認知機能の低下が抑えられたという結果が得られています」■ぬるめのお風呂に30分つかる就寝前にぬるめのお風呂につかってリラックスを心がけよう。「1日の疲れをとるだけではなく、お風呂から出て体温が下がってきたころに眠れる効果があります。寝る前はスマホは見ないで十分な睡眠を取るように」コロナ禍で在宅時間が増えるなか、生活が不規則になり、不調を訴える人が増えている。「つい夜遅くまでテレビやスマホを見ていませんか?じつは睡眠不足は脳にとって大敵です」30〜50代はお弁当作りなどで早起きの女性が多い。認知症の中でも約7割と最も多くの患者数を占める「アルツハイマー型認知症」は、脳内アミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまり、神経細胞の破壊につながることで起こる。睡眠不足はアミロイドβがたまってしまう原因になる可能性もあるという。「6〜8時間の睡眠を確保し、規則正しい生活を心がけましょう。就寝前にはぬるめのお風呂につかると体温が下がってきたところで入眠することができます」「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月16日人生100年時代、大きな社会問題の一つである認知症患者の増加。その予防法の研究に当たる専門のドクター自身は、認知症リスクを下げるために、いったいどんなことに気をつけて生活しているのだろうーー。医療技術の進歩や生活環境が向上していることで、日本人の平均寿命は延び続けている。厚生労働省が7月末に発表した最新の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性で87.45歳と過去最高を更新。“人生100年時代”にまた一歩近づいた。「いっぽうで、認知症患者の増加も深刻な問題となっています。20年後には高齢者のじつに4人に1人が認知症、または予備群の軽度認知障害(MCI)になっているという予測もあります。健康寿命を延ばすためにも、認知症の予防がとても重要になってきます」そう語るのは、『医師が認知症予防のためにやっていること。』(日経BP)の著者で、聖路加国際大学臨床教授の遠藤英俊先生だ。遠藤先生は35年にわたって認知症研究に携わり、今年3月に長年勤めた国立長寿医療研究センターを退職、定年後から“チャレンジ”していることがあるという。「それまで忙しく働いていたのが、急に暇になるとガクンと老け込み、将来的に認知症になるリスクが高まってしまいます。私は定年後に仕事のペースを見直して、日曜日から火曜日は休み、水曜日から土曜日まではいくつかの病院で診察をしています。仕事を減らすことでできた時間を活用して、これまでできなかったゴルフなど趣味の時間に充てています。さらに私は『1年以内にゴルフのスコアで100を切る』といったように具体的な目標を設定しています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で休んだ時期もありましたが、料理教室に通い始め、ティラミスやローストビーフが作れるようになったんですよ」(遠藤先生・以下同)認知症のスペシャリストである遠藤先生自身が、趣味などを満喫することを通じて、同時に認知症予防の効果が期待できる習慣を取り入れているという。そこで今回、遠藤先生自身が認知症予防のために実践している効果的な食事方法を詳しく解説してもらった。■週2〜3回はカレーを食べる香辛料の一つであるターメリックに含まれる「クルクミン」というポリフェノールの認知症予防効果の注目度が高まっている。「ただし、カレーは高カロリー食なので、食べすぎるとメタボになってしまう危険性もあります。週2〜3回を目安に食べましょう」■フルーツ、魚、いも類、卵は毎日食べる福岡県久山町の町民約1,000人を15年間追跡した九州大学の調査では、認知症リスクが低い人が多めに食べていた食材は、大豆製品、牛乳、乳製品、緑黄色・淡色野菜、海藻類など。「果物、魚、いも類、卵もプラスして、多様な食材をまんべんなく食べましょう」■シークヮーサーのドリンクを飲むかんきつ類に含まれる「ノビレチン」には高い抗酸化作用が期待できる。「東北大学の研究では、毎日かんきつ類を食べる人は、週2回の人と比べ認知症リスクが14%低下していました。ノビレチンが豊富なかんきつ類はシークヮーサー。私はジュースで飲んでいます」■米と酒の取りすぎに注意するごはんを食べすぎるとほかの食品が食べられなくなるので控えめに。「久山町の研究では、減らすとよい食事に米と酒が挙げられました。適量のお酒は会話の潤滑油になりますが、飲みすぎには気をつけて」遠藤先生も年齢とともに食事の量を減らしているそうだ。■週2回は肉類を食べる年齢とともに筋肉の量は減り、筋力が衰えてくる。サルコペニアの状態のままでいると、足腰が弱って転倒しやすくなる。「下肢の筋トレを行い60代半ばからはタンパク質を意識して取るように心がけましょう。私は週2回は肉を食べるようにしています」■赤ワインを毎日2〜3杯楽しむ「フランスのボルドー大学の研究で、赤ワインに含まれるポリフェノールには高い抗酸化作用があり、動脈硬化や高血圧を予防するほか、認知症の発症を抑えるという報告があります」ただし飲みすぎには注意。1日にグラス2〜3杯を目安にしよう。「ポリフェノールには抗酸化作用、抗炎症作用が認められていて、これが認知症予防に効果があるのではないかと考えられています。クルクミンはカレーに使われる香辛料のターメリックに含まれています。40〜50代のうちからクルクミンを含む食事、カレーを食べると認知症の発症を防ぐ可能性があるということです」ポリフェノールを含む赤ワインも適量を楽しむならOK。ジュースなら、ノビレチンが含まれるかんきつ類がいいそうだ。複数の調査から、多様な食材をまんべんなく食べている人は認知症リスクが低くなることがわかってきている。「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月16日人生100年時代、大きな社会問題の一つである認知症患者の増加。その予防法の研究に当たる専門のドクター自身は、認知症リスクを下げるために、いったいどんなことに気をつけて生活しているのだろうーー。医療技術の進歩や生活環境が向上していることで、日本人の平均寿命は延び続けている。厚生労働省が7月末に発表した最新の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性で87.45歳と過去最高を更新。“人生100年時代”にまた一歩近づいた。「いっぽうで、認知症患者の増加も深刻な問題となっています。20年後には高齢者のじつに4人に1人が認知症、または予備群の軽度認知障害(MCI)になっているという予測もあります。健康寿命を延ばすためにも、認知症の予防がとても重要になってきます」そう語るのは、『医師が認知症予防のためにやっていること。』(日経BP)の著者で、聖路加国際大学臨床教授の遠藤英俊先生だ。遠藤先生は35年にわたって認知症研究に携わり、今年3月に長年勤めた国立長寿医療研究センターを退職、定年後から“チャレンジ”していることがあるという。「それまで忙しく働いていたのが、急に暇になるとガクンと老け込み、将来的に認知症になるリスクが高まってしまいます。私は定年後に仕事のペースを見直して、日曜日から火曜日は休み、水曜日から土曜日まではいくつかの病院で診察をしています。仕事を減らすことでできた時間を活用して、これまでできなかったゴルフなど趣味の時間に充てています。さらに私は『1年以内にゴルフのスコアで100を切る』といったように具体的な目標を設定しています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で休んだ時期もありましたが、料理教室に通い始め、ティラミスやローストビーフが作れるようになったんですよ」(遠藤先生・以下同)認知症のスペシャリストである遠藤先生自身が、趣味などを満喫することを通じて、同時に認知症予防の効果が期待できる習慣を取り入れているという。そこで今回、遠藤先生自身が認知症予防のために実践している効果的な運動方法を詳しく解説してもらった。認知症予防につながる効果が論文で明確に報告されているのは、ウオーキング、ジョギング、エアロビクスなどの有酸素運動だ。「海外の論文で認知症を発症していない高齢者4615人を5年間追跡調査したところ、歩行よりも強い有酸素運動を週3回行っていた人たちは、行っていない人たちに比べてMCI、アルツハイマー型認知症、すべての認知症を発症するリスクがいずれも低いことがわかりました」■週3回、30分間の早歩きをする運動習慣がなかった人は、夕方以降の涼しい時間帯に、30分の早歩きを週3回トライしてみよう。「足踏みしながら計算する『コグニサイズ』は家の中でできるので夏場はお勧めです。足踏みしながら数を数え、ももはできるだけ高く上げるのがポイントです」■ダンスとゴルフで適度な運動仲間と一緒にコースを歩き、スコアや距離を計算しながら打つゴルフは頭も使えて一石二鳥。「また、社交ダンスは音楽に合わせて体を動かす有酸素運動。異性と接触することで、ときめきが生まれて若々しさを保つこともできますよ」■自宅での“座りすぎ”に気をつける新型コロナや熱中症を避けるために巣ごもり生活が続くが、屋内で座ってばかりいると運動不足に。「家の中で、踏み台を上り下りするだけでも効果があります。私は、ジムに通えない時期は家の中にランニングマシンを置き、走りました」認知症の中でも約7割と最も多くの患者数を占める「アルツハイマー型認知症」は、脳内アミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまり、神経細胞の破壊につながることで起こる。筋肉を動かすことで心拍数が増加。脳の酸素摂取量や血流が増すことで、アミロイドβの蓄積を防げるといわれている。「これまで運動習慣がなかった人はまず週3回、30分の早歩きを目標にすることをお勧めします」「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月16日近年、数値で測れる学力などの「認知能力」だけでなく、「非認知能力」の重要性が話題となっていますね。「非認知能力」とは伝達力・想像力・発想力・協調性など生きる力に直結する力のこと。その中でも、想像力や伝達力を鍛えるのにぴったりな遊びが「お話作り」です。わが家の子どもたちの想像力と表現力がグンとアップしたと感じる取り組みを紹介します。お話作りゲーム知ってる?想像力を鍛える脳トレ遊びお話作りゲームというのは、題材を元に自分でお話を作る遊びです。遊び方は、・絵カードを見てお話を想像する・「いつ・どこで・誰が・何をした」の4つの言葉をランダムで並べて文章を作るというもの。準備するものも少なく、家だけでなくお出かけ先でも家族みんなで楽しめます。小学校受験対策にも!絵カードを使ったお話作り小学校受験で出題されることもある「お話作り」。例えば「並んでいる4つの絵を見てお話を考えましょう」という問題が出題されます。試験と考えると堅苦しいですが、実はとっても楽しい遊びなんです。お話作りは、自由な発想の中に生きる子どもたちには得意なことかもしれません。【用意するもの】・写真やイラストなどお話作りの題材となるもの自宅にあるものでもOKですが、お話作り用のカードが市販されています。それを用意すると簡単に始められますよ。【遊び方】まずは1枚の絵から、自由にお話を作ってもらいます。おそらく最初は絵の説明になってしまうでしょう。その時は登場人物の感情や情景について、深掘りする質問を投げかけてみます。例えばこの絵を見て、子どもが「動物たちが集まってパーティーをしている」と言った場合。「なんのパーティーなんだろう?」「誰が主役なのかな?」「飾りつけは誰がしたのかな?」など、カードにある要素について質問します。そうすると単調な説明に肉づけがされ、お話らしくなっていきます。このやりとりを繰り返していくと、だんだんとストーリーを構成できるようになるのです。次は、複数枚のイラストを使ってみましょう。複数の題材があると、起承転結のあるストーリーが作りやすくなります。こちらも最初は状況説明になりがちなので、深掘り質問をしていきましょう。そうすると子どもの頭の中に隠れていた豊かな発想が次々と表れます。カードを時系列順に並べるミッションも加えると、よりレベルアップした遊びになります。おかしな文章で大爆笑!紙とペンだけでできるお話遊び私が小学校時代に担任の先生との遊びでとても思い出に残っているものがあります。まず、「いつ・どこで・誰が・何をした」この4つの言葉を自由に考え、紙に書きます。シャッフルして、ひとつずつ紙を引いていくと…あら不思議。それはそれは面白おかしい文章ができあがるのです。例えば、わが家ではこんな文章ができました。【用意したカード】・いつ:「ママの誕生日に」「クリスマスに」「地球最後の日に」「大晦日に」・どこで:「オーストラリアで」「動物園で」「幼稚園で」「デパートで」・誰が:「僕が」「仮面ライダーが」「じぃじが」「小島よしおが」・何をした:「おならした」「逆立ちした」「爪を切った」「オッパッピーした」【完成した文章】「地球最後の日に幼稚園でじぃじがオッパッピーした」完全にハチャメチャゃな文章になりましたが、息子は大笑い。意味がわかる文章が完成すれば大成功、そうでなくても大爆笑できるので盛り上がります。これは選択肢が多ければ多いほど面白くなるゲームです。たくさん題材を用意するか大人数で遊ぶと盛り上がります。パーティーでの余興遊びとしてもおすすめです。人に伝える文章構成の基本「5W1H」。ベースとなる「When・Where・Who・What」について楽しく学べます!知らない言葉が出てきたら、チャンス到来!お話作りゲームをすると、今子どもがもっている語彙力や文章力がよくわかります。日本語は豊かな言語で、ひとつの意味でも複数の表現法がありますよね。幼いうちは語彙数が少なく単調な表現になりがち。お話作りをすることで、表現力アップにも繋がります。もし題材の中で知らない言葉が出てきたら、チャンス到来!図鑑や辞書を使って一緒に調べてみましょう。「百聞は一見に如かず」の言葉通り、ただ教えるより自分で調べる方が深くインプットされます。わが家では知らないことが出てきたらすぐに調べるようにしています。知りたかった情報以外も得られることがあり、学びが広がりますよ。わが家で愛用中!お話作りにおすすめの知育玩具わが家で実際に使用しているお話作り用の知育玩具を紹介します。【100てんキッズ お話づくり絵カード】写真右幼児教室のこぐま会が監修している絵カードセットです。4枚のカードで構成されるお話が12話分入っています。それぞれのカードの裏面には例文が書かれているので、読みの練習もできます。カード1枚でも、4枚でも遊べます。お話作りのスターターキットとも言えるでしょう。【イーブー (eeBoo) テルミー・ア・ストーリー 森の動物たち】写真左動物たちが主人公でイラストがとてもかわいい絵カードです。様々な場面のカードが36枚入っています。「1枚の絵を見て、お話を考える遊び」「1枚のカードから始め、カードを加えていきお話を発展させる遊び」「1人ずつ順番にカードを引きお話をつなげていく遊び」と、シンプルですが多様な遊びができます。【ローリーズ・ストーリー・キューブス】写真中央さまざまなモチーフが描かれたサイコロが9つ入っています。好きな数のサイコロを振り、出ためのイラストを元にお話を作りあげる遊びです。情景が描かれた絵カードと違い、イラストはたったひとつ。そこからストーリーを考えるので、非常に想像力が鍛えられます。コンパクトサイズなので、おでかけのお供にぴったりです<文・写真:ライター秋音ゆう>
2020年09月15日“脳トレドリル”はたくさんあるけど、解いているだけで疲れちゃう……。でも、「瞬読」は見るだけで「右脳」がフル回転、簡単に認知機能を上げられる方法なんですーー。「体は意識して鍛えることができますが、頭の中はなかなか難しい。脳を鍛えるためには、多くの情報を『インプット』し、その情報を自分自身の知識として『アウトプット』することが重要になります。『瞬読』は、その最善のトレーニング方法。しかも、1日2〜3分、バラバラに並べられた文字を見るだけです!」そう語るのは、一般社団法人「瞬読協会」代表理事の山中恵美子さん(48)。「SSゼミナール」「APマスターズ」など全国で30校以上の学習塾を経営する株式会社ワイイーエスの社長も務めている。山中さんが出版した『1冊3分で読めて、99%忘れない読書術瞬読』(SBクリエイティブ)は、10万部の大ヒットを記録している。では、この「瞬読」とは、いったいなんなのだろうか。「高い理解度を保ったまま、短時間で本を読めるようになるためのメソッドを瞬読と呼んでいます。マスターすれば、ほんとうに1冊を3分で読むことができるようになります。しかし、これは“速読”とは違うのです。瞬読をするメリットは、“右脳の潜在能力”を引き出すことができる点にあります。これによって『記憶力』や『問題処理能力』の向上をはじめ、『創造力』なども高められるのです」空間把握や、芸術性、ひらめきをつかさどる右脳。アーティストなどは右脳を使うことに秀でているとされるが、ふつうの主婦にとっても右脳を鍛えることには大きな意味があるという。「右脳を鍛えることで、暗記力や集中力が高まる。すると、“直感”が冴えてくるんです。私たち人間は一日中、判断や決断をして生きています。あれかこれどちらを食べるか、あの人とこの人どちらに話しかけようか……というふうに。そしてその判断の基準は、直感にもとづいていることがほとんどです。右脳がしっかり鍛えられていて直感が冴えている人は、決断を迫られたときに、正しい選択ができるようになる。つまり瞬読のトレーニングは、即時的な判断が求められる場面で大きな力を発揮するのです」瞬読のメリットは、それだけではない。「瞬読のミソは、『インプット』と『アウトプット』。人間の頭は、アウトプットしたことはなかなか忘れないようになっています。テレビをただ見る(インプット)より、その番組についての話を友達とする(アウトプット)ほうが、番組の内容もはっきりと覚えられますよね。これを繰り返すことで、認知機能の向上にも一役買うのです。人の名前が覚えづらくなったという人もいると思いますが、このトレーニングを積めばもの忘れなども改善するはずです」では、具体的な瞬読のトレーニング法とは。『1冊3分で読めて、99%忘れない読書術瞬読』にはバラバラに並べられた文字の問題が掲載されている。そのバラバラに並べられた文字から元の言葉を類推し、頭にイメージを思い浮かべたあと、口に出してみる。「一見バラバラに並べられた文字ですが、並べ替えるとひとつの単語や文になっています。元の単語を類推して、そのイメージを思い浮かべてください。そして口に出して『アウトプット』しましょう」3秒ほど見ても答えが出なかったら、次の問題に移ってしまおう。答えは出せなくても、ちゃんとトレーニングになっていると山中さんは語る。「実は、この問題を解いている間、ふだん使っていない右脳がものすごく動いているんです。毎日これを見ていたら、柔軟運動を続ければ体が柔らかくなるように、パッと見ただけで答えが何なのかわかるようになります。まずは1日2〜3分、この問題を見るクセをつけましょう」「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年08月07日「認知症と診断されたからといって、オレの中で何かが変わったということはありません。いきなりすべてわからなくなったわけでもないし、オレはオレのまま。いつもどおりの毎日が続いているような感じなんですけどね」そう語るのは、本誌連載「ゆるゆる人生相談」でおなじみの漫画家でタレントの蛭子能収さん(72)。あの蛭子さんが認知症にーー。7月9日に放送された『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、記憶力が著しく衰えたことから専門医を受診した蛭子さんは、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している軽度の認知症であることを告げられた。「物忘れがひどかったけど、年のせいかなと思っていたら、認知症と言われたことは、ショックと言えばショックかもしれません。ボケたらおしまいというイメージがあったし、何もできなくなると思っていたけど、オレ自身は普通に暮らしているし、認知症はそんなに怖いものじゃないと思いました。だから街を歩いていても『おう蛭子さん、認知症になったんだったね』とか明るく声をかけてもらっても、オレは全然、構わないんですけど……」と蛭子さんは語るが、認知症の公表には、家族に迷惑をかけたくないという思いもあった。とくにレビー小体病は、アルツハイマー病に次いで、認知症の主な原因になる病気で「レビー小体」という特殊なタンパク質が大脳に蓄積して、神経細胞を破壊。認知症の症状が進む。その特色は初期の段階で「幻視」があることだ。蛭子さんのマネージャーがこう証言する。「洗濯カゴの衣類を見て、奥さんが倒れていると思って叫んだり、デパートの売場の中を電車が走っていると言いだしたりと、少し前から幻視があったようです。また、日常生活でも、とくに朝や、夕方から晩にかけては混乱がはげしくなり、1人で入浴すると、髪を3回も4回も洗ってしまうことがあるようで、奥さんの介護が不可欠なときもあります。認知症の進行を遅らせるためにも、今後もできる範囲で仕事をしていきたいと蛭子本人も語っています。また周囲に認知症であることを理解してもらうことで、家族の負担が少しでも軽減できると思い、認知症であることをあえて公表しました」献身的に支える奥さんに対する感謝の言葉も蛭子流だ。「いろいろやってくれるんですよ、すごくありがたいと思っています。料理も手早くササッとやるし、うまい料理は……食パンですね!」すかさず隣にいたマネージャーが「それはダメです!せめてフレンチトーストにしてください!!」とダメ出しする。ボケているのか、狙っているのか、わからない切り返しは以前と変わらない。認知症であろうがなかろうが、蛭子さんは、蛭子さんだった!「女性自身」2020年8月18日・ 8月25日合併号 掲載
2020年08月04日「物忘れがひどかったけど、年のせいかなと思っていたら、認知症と言われたことは、ショックと言えばショックかもしれません。ボケたらおしまいというイメージがあったし、何もできなくなると思っていたけど、オレ自身は普通に暮らしているし、認知症はそんなに怖いものじゃないと思いました。だから街を歩いていても『おう蛭子さん、認知症になったんだったね』とか明るく声をかけてもらっても、オレは全然、構わないんですけど……」そう語るのは、本誌連載「ゆるゆる人生相談」でおなじみの漫画家でタレントの蛭子能収さん(72)。あの蛭子さんが認知症にーー。7月9日に放送された『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、記憶力が著しく衰えたことから専門医を受診した蛭子さんは、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している軽度の認知症であることを告げられた。レビー小体病は、アルツハイマー病に次いで、認知症の主な原因になる病気で「レビー小体」という特殊なタンパク質が大脳に蓄積して、神経細胞を破壊。認知症の症状が進む。「いつか本当に何もわからなくなってしまうかもしれないと考えると、すごく怖くなってしまいます。でも、認知症になっても、仕事はできると思いますよ。今までも総理大臣の名前は覚えていないけど、競艇選手の名前は今でもしっかり頭に入っているように、好きなことは覚えているけど、興味がないことは流してきました。だから、正直、認知症になった実感はありません。オレにしてみれば、みんなが面白がってくれたら楽しいし、体が元気だから、働けるうちは、働きたいですね。仕事でもあまり気を使わないで、これまでどおり付き合ってくれたらうれしいですね」漫画家、タレントと同じように、肩書として「認知症」がついたようなものだと語る蛭子さんに多くのエールが寄せられた。とくにタレントの有吉弘行(46)は、7月12日のラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)でも「本人がよければ復帰して元気にやってほしい」と語り、また、マツコ・デラックスとの番組『マツコ&有吉かりそめ天国』(テレビ朝日系)でも、「アルツハイマーになったらテレビ出ちゃいけないのか、仕事しちゃいけないのか、何にもできないのかということになるもんね。一生懸命やってほしい」とコメント。「有吉さんは、テレビの世界での昔からの仲間。オレを気にかけてくれていることは、マネージャーから聞いて知っています。芸能界は、注目されないとどんどんヘコんで(落ち目になって)いきますが、有吉さんは毒舌だけど、オレが認知症になる前からオレを取り上げて、無料で宣伝してくれます。きっとオレのことが好きなんでしょうね。本当は会ってお礼をしたほうがいいでしょうけど、オレは話すのが苦手だから。有吉さんが勝手に話してくれて、オレは黙ってるだけでいいんなら別に会ってもいいですけど……、(マネージャーを見て)やっぱり『また会いたいな』ということにしてください」頭をポリポリしながら笑顔を見せる蛭子さん。’25年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれ、認知症の人が当たり前にいる社会が目の前にある昨今。蛭子さんが働き続ける姿は、認知症の人やその家族に勇気を与えるかもしれない。「漫画家仲間の根本敬さんは『これからは100号とか大きな絵を描いてみたら』とアドバイスをしてくれました。面倒くさいということはないけど、絵を描くよりも、ギャラがよくて、楽に稼げるテレビの仕事がしたいです」認知症であろうがなかろうが、蛭子さんは、蛭子さんだった!「女性自身」2020年8月18日・ 8月25日合併号 掲載
2020年08月04日アメリカの女子サッカープロリーグ「ナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグ」(以下「NWSL」)は、ナタリー・ポートマンらセレブが新しい女子サッカーチームを設立することを発表した。チーム名はまだ決定していない。ナタリーは「NWSL」を通して声明を発表。「今日、私たちはワクワクするような一歩を踏み出しました」「素晴らしい方々とパートナーシップを結び、ロサンゼルスにプロの女子サッカーチームを設立する機会に恵まれ、とてもうれしく思います」と語った。オーナーはナタリーのほかにエヴァ・ロンゴリア、ジェニファー・ガーナー、ジェシカ・チャステイン、アメリカ・フェレーラ、テニスプレイヤーのセリーナ・ウィリアムズら女性セレブが大半で、なんと、セリーナの2歳の娘アレクシス・オリンピアちゃんまでもが名を連ねており、男性メンバーにはセリーナの夫アレクシス・オハニアンがいる。オハニアンは出資者となった理由を「女性のためのスポーツの機会を作り出すことは、私と妻にとって非常に大切なこと。娘のためにも、よりよい未来を作る一部になりたいのです」と語っている。オーナーメンバーの多くは、昨年女子サッカーのアメリカ対ベルギーの試合を観戦し、「Time’s Up」と連動して選手たちの性別による賃金格差の解消を訴えていたメンバーでもある。(Hiromi Kaku)
2020年07月22日漫画家やタレントとして活躍する蛭子能収(えびす・よしかず)さんが、医療番組『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で軽度の『認知症』と診断されました。蛭子さんは、2020年7月10日にTwitterを更新し、「認知症以外は健康体そのもので、毎日元気に過ごしています」というコメントとともに、笑顔の動画を投稿。昨晩、テレ東さんの番組『主治医が見つかる診療所』で放送されましたように、認知症になりました。でも毎日元気に過ごしています。認知症以外は、人間ドックでも健康体です。フォロワーさん、応援してくださるみなさん、これからもよろしくお願い致します。 pic.twitter.com/fhvBlj5kVi — 蛭子能収(YoshikazuEbisu) (@ebisu_jp) July 10, 2020 ネット上では「身体を大切になさってください」「何があってもずっと応援しています」といったコメントが寄せられています。蛭子能収の『認知症』診断に、マツコ・デラックスが言及同月17日に放送されたトーク番組『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)では、収録日の前日に蛭子さんの報道があったことを受け、出演者である有吉弘行さんとマツコ・デラックスさんの間で話題に。2人は、同番組にもたびたび出演していた蛭子さんの認知症診断に、驚きを隠せない様子を見せます。有吉さんが「ご本人とご家族がいいのであれば、番組に出てもらうのは難しいのかな?笑えないのかな」というと、マツコさんは…。じゃあ例えばだよ。そういう風に、認知症になっちゃった人は、今までみたいなことができないのかっていうのも変じゃない。マツコ&有吉 かりそめ天国ーより引用マツコさんは「急に態度を変えるのも変。今まで通りできないの?」と続けます。すると、有吉さんは「蛭子さんは茶目っ気のある人だから、わざとツッコませる形に動きそうじゃん」と、自身の考えを明かします。それに対しマツコさんは、蛭子さんの印象を交えながら、こう語りました。あと、ちゃんとそれをやっても悲壮感が出ない稀有な人だと思うんだよね、蛭子さんって。マツコ&有吉 かりそめ天国ーより引用マツコさんは蛭子さんの持つやわらかな、ゆとりのある雰囲気について指摘しました。さらに「またご一緒したいな」という有吉さんに、マツコさんも「私たちには今までの感謝もある」とうなずきます。2人のトークに対し、視聴者からはさまざまな反響が上がりました。・「急に態度を変えるのは変」という視点はすごく大事だと思う。・難しい問題だと思う。でも、共演者やスタッフ側が避けるのではなく受け止める姿勢を持っているのは、だいぶ大きいんじゃないかな。・マツコさんや有吉さんが、こういったセンシティブな話題を扱う時に人を傷付けないような言葉選びをできるのは、さすがだと思う。品のよさを感じた。症状や進行の速度は人によって異なるため、仕事が可能な状況かどうか一概にはいえませんが、仕事仲間である共演者からの「また一緒にできれば嬉しい」というエールは、励みになるでしょう。マツコさんや有吉さんの想いが、蛭子さん本人にも届いているといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月18日トップアスリートがゲームで真剣勝負する“eスポーツ”に日本サッカー協会(JFA)が本格参戦!日本代表プレイヤーも誕生したということで、JFAのeスポーツ担当・森田恭平さんに詳しくお話を伺いました。現役サッカー選手とコラボで早くも話題に!4月、日本サッカー協会(JFA)は、新たな日本代表のカテゴリー「サッカーe日本代表」に2名を選出した。2人は自粛期間中にオンラインで開催されたJFA主催や協力の大会やイベントに参戦し、元日本代表の岡崎慎司選手とタッグを組んだり、なでしこジャパンの岩渕真奈選手と対戦したりして、多くの視聴者にその華麗なテクニックを印象づけた。「彼らは本来なら5月に開催予定だった国際サッカー連盟(FIFA)主催の国別対抗eスポーツ大会『FIFA eNations Cup』に出場するために選ばれました。2人とも世界に通用する実績を持つ凄腕。ランクでいうなら日本サッカーと同じくらいの位置にいると思います。コロナ禍において大会は中止となりましたが、今回のオンラインイベントで素晴らしい活躍をしてくれました」と、JFAのeスポーツ担当・森田恭平さん。有名選手と一緒に出場したことも収穫だったという。「昨年の同大会を視察したのですが、eスポーツの強豪であり先進国のフランスでは、サッカーe代表がエムバペ選手など世界的なスター選手と対戦し、それをSNSで発信してe代表をアピールしていました。いずれe日本代表も広く知ってもらえたらと考えていたので、ちょうどいい機会になったと思います。今後も代表選手×サッカーe日本代表でできることを模索していきたいですね。また、オンラインの国際試合や、いずれはオフラインの全国大会開催も考えています。そして、リアルのサッカー代表戦の前座のような立ち位置で、試合前に同カードのゲーム対戦をやるのも面白いかなと。サッカーe日本代表の新しいイメージを作っていきたいですね」FIFA eNations Cup 2019(ロンドン)森田さんが視察した、FIFAによる初の国別対抗eスポーツ大会。20か国が招待された。©Getty Images森田恭平さんJFAマーケティング部所属。「eスポーツの魅力は性別や年齢、障害のあるなしに関係なく楽しめること。女性でも仮にサッカーで彼氏に勝てなくても、eスポーツなら勝てます!」※『anan』2020年7月15日号より。取材、文・伊藤順子(by anan編集部)
2020年07月16日病は人から大切なものを奪っていきます。心身の健康だけでなく、時には記憶まで消してしまうことも。しかし、家族への愛が病を超えて、奇跡を起こすこともあるとか。フォロワーから募集した話を漫画化しているババレオ(babareo2)さんは、ある女性の祖母のエピソードを漫画に描きました。『じぃじとばぁば』認知症の祖母は家族の顔も分からなくなっていたはず。ですが、末期病棟に入院した祖父の顔を見ると、記憶を取り戻しました。そして葬儀の時も、記憶のある状態で見送ることができたのです。愛ゆえの奇跡に多くの人が感動し、「おじいちゃんにさびしさや悲しみを感じさせずに送ったんだね」「夫婦の絆に泣いた」などのコメントを寄せました。心揺さぶられるエピソードですね。ババレオさんは、ブログも更新中。Instagramより早く漫画が投稿されるので、気になる人はこちらもあわせてご覧ください。ブログ:世にも奇妙ななんかの話[文・構成/grape編集部]
2020年07月09日サッカーでは、試合中に攻守が目まぐるしく変わり、予想外の事の連続です。そんなとき、いちいちピッチ外の監督やコーチの指導を仰ぐことはできません。だからこそ、自分で判断し動くことができる選手になることが大事になります。自分で考える力はサッカーだけでなく社会においても必要なスキルです。今回は、「幼少期から常に自分で考えることを意識していた」というU‐23世代の注目選手、三好康児選手(ロイヤル・アントワープFC/ベルギー)にお話を伺いました。(取材・文:松尾祐希写真提供:UDN SPORTS)自分のプレーを掘り下げて「どうして」を追求していたという三好選手のサッカーノートの書き方は、上達するためにも必要な思考力をつける書き方なので参考にしてください■小学生時からスパイクは自分で管理現在はベルギーのアントワープでプレーする三好康児選手。U‐23日本代表でも主軸を担っており、来年開催予定の東京五輪でも活躍が期待されるプレーヤーです。そんな三好選手がサッカーと出会ったのは今から小学校1年生の時でした。三好選手はお兄さんの影響を受けて地元・川崎の中野島FCでサッカーを始め、小学校5年生の時に川崎フロンターレU‐12に入団をしました。当時から自分で何でもこなす性格だったそうで、3人兄姉の末っ子でご両親やご家族に頼れる環境があっても過度に甘えることはなかったと振り返ります。「小さい頃は兄と姉がおり、親も含めて色々と身の回りの面倒を見てくれていました。ただ、常に『自分のことは自分でやるように』と言われていましたし、特に川崎フロンターレのアカデミーに入ってからはその意識が強くなりました。クラブの方からも『人間として自立しないと選手として上に行けないぞ』と常に言われていたんです」中でも三好選手が小学校時代から気を遣っていたのが、スパイクの管理です。練習後は汚れを落とし、常に自分で手入れをしていたそうです。なぜ、三好選手が道具の管理を徹底したかというと、私生活とプレーがリンクしていると考えていたからでした。「自分が使う道具なのでスパイクを大事にしていました。スタッフからも、そうした細かい気配りが『プレーの最後に出るんだぞ』と教わっていましたし、『サッカーの部分だけではなく、私生活の取り組みがピッチに出る』と言われ続けていたんです。そこから自分で様々なことを考えるようになりました。たとえば、『ゴミ拾いをすることでその行いが良いプレーに繋がるかもしれない』。そういう考えを自ら持って、やっていたのを今でも覚えています」■「なぜそのプレーをしたのか」サッカーノートで自分のプレーを掘り下げていた"勝負の神様は細部に宿る"。そうした想いでサッカーに取り組むのと同時に、三好選手が重視していたスタンスがありました。"常に考える"ことです。そう思うようになったのは川崎フロンターレに入団してからだったそうで、サッカーノートを付けながら自身と向き合っていたと言います。「川崎フロンターレに入ってからは毎日サッカーノートを付けていました。おこったことや自分の感想を書き連ねる日記みたいに書くのではなく、どういうことが起こって、どうしてそういうプレーをしたのか、なぜそう考えたのか。一つの行動に対して掘り下げていく。そんな風にサッカー面以外も含めて、どういう思いでアクションを起こしたのかを整理していました。それまでは気持ちよくプレーしているだけだったのですが、プロのサッカーチームのアカデミーに入ったことで一気に意識が変わりましたね」小学校の時から自立に向かって歩き始めていた三好選手。中学では早くから頭角を表し、中学校2年次には飛び級で川崎フロンターレU‐18に昇格しました。周りの仲間たちよりも一足早く高校生の舞台に足を踏み入れる環境はサッカー面で大きな意味を持ちましたが、ピッチ外での経験も自身の自立をより促したと言います。「中学生と高校生の間にある数年は大きな差を持っています。その中で高校に進学するといろんな誘惑があるのを目の当たりにし、サッカーをやる上で何が大事かを確認できました。中学から高校に進級すると、大人に近づくのでいろんな誘惑が絶対に生まれます。その中でどれだけ流されないでいられるか、自分自身を持って何が必要なのかを常に考えるようになりました。僕自身はサッカーに夢中だったし、プロになりたいと思っていたので遊びたい欲求やほかの様々な誘惑をそんなに感じていませんでしたし、僕は惑わされることはなかったです。中学2年生からU‐18チームでプレーしていて、早くトップチームのカテゴリーに昇格したいと思っていたので遊びたい欲はあまりなかったですね」■私生活で人を手伝う、助けるなどのスタンスはピッチでも出るまた、中学時代に海外遠征へ行った経験も三好選手を子どもから大人に成長させる大きな要因になりました。特に世代別日本代表でプロを目指す仲間と切磋琢磨できた環境や、異国の地で味わった様々な体験は小学校時代から培ってきた考え方をさらに深めるきっかけになったと言います。「世代別代表ではA代表のように何から何まで揃っているわけではありません。ウェアなどは揃っている部分はありましたが、シューズの手入れも含めて色んなことを自分でやらないといけなかったんです。荷物の管理なども選手の仕事。だからこそ、よりチームのために何が必要なのかを考えて行くようになりました」徐々に自立していく三好選手ですが、すべてが順調にいったわけではありません。失敗を重ねながら成長をしてきました。特に今でも覚えているのが、代表合宿中の出来事です。「U‐16かU‐17の代表合宿中に怒られた経験があります。練習前にグラウンドへ荷物を運ぶ分担をみんなで決め、僕は水を運ぶ係りに決まったんです。行きは水を持って行ったのですが、帰りは水を消費したので何も持たずに宿舎へ戻りました。すると、スタッフの方から『どうして何も持たずに帰っているの?』と聞かれたんです。そこで、『水がなくなって持つものがありません』と答えると、『そういうことではないだろ』と怒られました。その時はただ自分の分担していたものがなくなったから持たなくて良いと思ったんです。当時は中学生だったので、指摘されてムッとした部分もあったのですが、よくよく考えてみたら、チームを思えば、できる行動はあったんですよね。他の誰かを手伝ったり、重い物を持っている人を手伝うとか。そういうスタンスはピッチで出ます。プレーでも人を助けることで自分を助けてもらえるかもしれません。サッカーは助け合いのスポーツですから。そういうチームスポーツの大切さを私生活の部分から学びましたね。上に行けば、行くほど細かいことを言ってくれる人は少なくなりますし、サッカーの面でも周りから言ってもらえるのは、期待をされている証拠でもあります。何も思っていなければ言ってもらえないので、自分は本当に恵まれていました」■活躍するために重要なのは自分自身を理解すること三好選手は高校進学後、川崎フロンターレU‐18でプレーし、2014年の8月に翌シーズンのトップチーム昇格を勝ち取りました。誰もが幼少期を経て多感な思春期を歩みます。その中でいかに大人になっていくのか。自立をする上で、 "常に考える"ことが大きな役割を果たしました。その結果、三好選手は"自分を理解する"ことに繋がったと言います。「一番は自分自身を理解することです。現在のチームメイトは全員プロなので、試合へ出るために競争があります。その中で自分が試合に出て、結果を残すことを考えていかないといけません。そういう意味では、幼い頃からプロになるために何をすべきかを考えてきたので、その習慣がプロになってより生きたと思います。中には何も考えずに能力だけでプロになれる人もいるかもしれませんが、プロになった時に周りはいろんな特徴を持った選手がいます。自分よりも強力な武器を持っていたり、身体の強さを持っていたり。そういう選手に対し、どう戦っていくかを考えなければいけません。自分がどうすべきか、監督にどうやったら認めてもらえるか。でも、周りみんなライバルで、誰もが自分を使ってほしい、自分が一番だと思っているわけで、僕が何をしたらいいかなんてほとんど言ってくれません。だからこそ、小中高で自分で考える力を身に付けることが大事だと思います後編では海外でプレーするために必要な力と語学の重要性について迫ります。
2020年06月18日「今、日本に認知症の人は460万人以上、予備群である軽度認知症(MCI)までを含めると860万人以上いるといわれています。これから自粛生活が徐々に解除されても、外出を控える生活はまだ続くでしょう。そうなると、新たな発症者や、重症化する人が想像を超えて増えるのではないか、ということを危惧しています」と警鐘を鳴らすのは、諏訪中央病院名誉院長で作家の鎌田實さん。巣ごもり生活が長く続き、人と会わない・接触しないことで、高齢者に限らず、まだ認知症とは関係のない中高年層も、認知機能が低下していく可能性があるという。「今のような日常生活において、まず気をつけなければいけないのが食事。なかでも、野菜をとることがとても大事です。認知症を進行させるのは“慢性炎症(くすぶるような不調)”といわれていますが、野菜のもつ“抗酸化力”が、それを予防してくれるのです。β-カロテンやリコピンといった、赤・黄・緑の色素を、毎日できるだけたくさん食べるよう心がけるべきです」そこで、71歳にして現役活動中の鎌田さんがみずから実践している“認知症予防のための食習慣”を紹介。その効果についても解説していただいた。【食習慣1】卵は1日に2〜3個、食べる「卵には、認知機能の維持によいとされるコリンが含まれています。このコリンが、記憶や脳を動かすために重要なアセチルコリンという神経伝達物質の材料になるのです。そしてこの時期は特に、タンパク質をしっかりとって筋肉の貯金をすることも必要ですから、タンパク質の多い卵を食べることで、認知機能と筋肉を維持しましょう」(鎌田さん・以下同)〈おすすめ〉ゆで卵のウーロン茶漬け「僕はつねに、殻をむいたゆで卵を6個ほど保存容器に入れて、ウーロン茶と少量のめんつゆに漬けています。見た目が味つけ卵みたいになるので(笑)、塩などはつけずにそのまま1日2〜3個、食べます」【食習慣2】発酵食品は複数種を組み合わせる「腸内環境は認知症と強い関連性がある、と論文にもありますが、腸内環境を整えるために発酵食品は欠かせません。ポイントは“乳酸菌+納豆菌”など、異なる種類を多種多様にとること。そして、今週は水戸納豆を食べたから来週は北海道の納豆……と、菌のタイプが違う多産地のものを食べることで、善玉菌が活性化します」【食習慣3】ビールを上手に利用する「ビールに含まれているホップの苦味成分、イソα酸がアルツハイマー型認知症を予防するという研究があります。この成分は老廃物を取り除く免疫細胞を活性化するそうです。ノンアルコールビールでもOK。ただし、飲みすぎには注意してください」〈おすすめ〉おつまみは「ピーカンナッツ」「ピーカンナッツには、抗酸化力の高い脂質が多く含まれています。だいたい5粒ぐらいが適量です。ほかにも、殻つきのピーナッツだったら20粒ぐらい。その場合、殻を割って茶色の薄皮はむかずそのまま食べると、ポリフェノールも一緒にとれます」【食習慣4】チョコレートは高カカオのものを「チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、活性酸素を除去し、老化や慢性炎症を防ぐ効果があります。できれば、カカオ含有率が70%以上のチョコを1日25g。おやつとして食べていただくと、リラックス効果も得られ、認知症予防には間違いなくいい。僕はいつも、ブラックコーヒーと一緒につまんでいます」鎌田さんの人生観は、PPH(ピンピンひらり)だそう。「死ぬギリギリまで“ピンピン”していたい。そして、みんなに『サンキュー、グッバイ』がちゃんと言えて、“ひらり”といけたらいいなと思っています。85歳まで生きるとしたら、85歳まで、冬はスキー、月に1度はレストランに行って好きなものを食べる……みなさんもぜひ、食事や運動といった生活習慣を見直して、ピンピンひらりの生活を楽しく過ごしていただきたいですね」「女性自身」2020年6月9日号 掲載
2020年06月15日