読者世代にとって「認知症」「軽度認知障害(MCI)」に関することは、常に身近な関心事。しかし、これまで関心はあれど、切実に問題に向き合う必要がなかった人も多いはず。ここでは「ある日突然、親の異変に気づいてしまったら……」を、本誌・海野幸記者(仮名・48。広島県出身で現在は東京都在住)の体験をもとにレポート。「そのときどう対処すればいいのか?」について考えてみました――。「あれ?母が、何かおかしい」初めて私がそう感じたのは、昨年12月。74歳の誕生日を記念して、久しぶりに母親と温泉旅行に出かけたときのことだった。記憶にあるしっかり者の母と、目の前の母の様子にギャップを感じること数度。ふだん離れて暮らしているからこそ、感じ取ることができた変化だったかもしれない。74歳という年齢。「もしかして認知症?」と気になりだしたら不安が止まらなくなった。帰省のたびに「耳が遠くなったな。見た目が老けてきたな」と、加齢による変化は確認していたけれど、行動やふるまいに「おかしい」を実感することはあまりなかった。90歳で亡くなった祖母も、最後の数年は認知症だったが、母はまだ74歳。「まだまだ親は元気」と悠長に構えていたぶん、初めて頭をかすめた「認知症」の3文字に動揺するばかりだった。「さて、どうしよう……」そんな不安に直面した私がまずしたことは、認知症に関しての知識を得ることだった。祖母の介護は父と母がしていたし、そのとき私はすでに東京で暮らしていたので介護経験はなく、認知症の実態をほとんど知らない。そこで、本やインターネットで情報を収集し、母親に感じた「何か変」を、一つひとつ照会していくことにした。すると、母の症状は認知症とはなんだか違うようだった。記憶自体がすっぽり抜け落ちているわけでもなければ、散歩へ出かけて迷子になるようなこともない。調べていくうちに、『軽度認知障害(MCI)』という言葉を見つけた。MCIとは、もの忘れのような記憶障害は出るものの、症状はまだ軽い「認知症の一歩手前」の状態を指すそうだ。母はこれに当てはまるのでは?そんな気がしてきた。「親が認知症?」と思ったら、あらためて自分の気持ちを整理するためにも、まずは “私が不安を感じた母の行動”を書き出してみることが大事だという。【不安な行動・1】目がうつろで、気づけばボーッとしていることが多くなった無表情でボーッとしていることは以前からあったが、旅行中はさらにひどくなった感じが。きれいな景色が目の前に広がっていても、見ているようで見ていない感じの表情をする。【不安な行動・2】祖母の代が使っていたような古い方言ばかりで話すときがあった私と話すときは気を使って標準語で話してくることが多いのに、旅行中は聞いたことのないような方言で話してくることが多々あった。途中から祖母と話しているような気分に。【不安な行動・3】料理上手なのは変わらないが、使おうと思った具材をよく入れ忘れていた。旅行中、キッチン付きの部屋に宿泊。買い込んできた食材を料理に入れ忘れること数度。最近、特に多くなったように感じる。薬の飲み忘れも目立つ。後で忘れたことに気がつく。【不安な行動・4】仕事を辞めた2年ほど前から、身なりや化粧に無頓着になっている旅行中は普段着のようなものしか持ってこず、常にノーメーク。仕事を辞めてから白髪染めも手抜きをするようになり、老け込んだ印象。指摘すると「面倒くさいから」の返事が。【不安な行動・5】顔に蜂が止まっているのに、手で追い払おうとせず刺されてしまった旅行中ではないけれど、山で果物の収穫作業中に顔を蜂に刺されてしまい、通院することに。聞くと顔に止まっているのには気づいていたが、「手で払う前に刺されてしまった」と。’12年時点で、日本の65歳以上の認知症推定人口は約462万人、MCIは約400万人といわれている。確かなのは、認知症であれ、MCIであれ、早めに専門医を受診したほうがいいということ。そしてMCIについては、適切な取り組みにより認知機能の維持が可能であるとのことだった。もし母が認知症もしくはMCIだったらどうすればいいだろう?仕事は?自分の生活は?母の「もしかして認知症?」疑惑は、親の老いを実感するとともに、私のこれからの人生を考えるきっかけにもなった。
2019年02月25日2020年度に大きく変わる「大学入試共通テスト」では、知識の詰め込みだけではなく、思考力や判断力が問われるようになります。このような力を養うためには、机の前での「The 勉強」では身につきません。実は、日常生活の中の新しい経験や楽しい体験こそ、思考力や判断力が自然と身につけられるチャンスなのです。そこで今回は、その具体的な方法をご紹介します。日常や非日常の体験の中でこそ記憶に残る!子どもの考える力は、無限の可能性を秘めていると言われています。しかし、小さな子どもの思考力を引き出すには、親の手助けが必要です。なかでも日常生活と勉強をリンクさせる方法が、もっとも有効なようです。意識的に、日常生活に学校で学んだことを応用させることで、学習内容をより定着させることもでき、さらに思考力や判断力、さらには応用力も養うことができるのです。そこで実践したいのが、買い物やスケジュール管理、お出かけの計画などの経験や体験。大人にとっては当たり前のことでも、子どもにとっては初体験のことばかり。初体験というのは、子どもにとってすべてが学びであり、その経験から大切なことをどんどん吸収していきます。子どもは自分の体験で得た知識はそう簡単には忘れません。理科・社会は私たちの生活と関わる教科なので、日常生活の中でも様々な体験ができますが、いつもと違う場所でいつもと違う体験をするほうがより記憶に残ります(引用元:日経DUAL|中学受験にも生きる!冬のおでかけ学習【社会編】)子ども主体で考え、判断させる実例集それでは、実際にどんな方法があるのか実例をご紹介します。子どもの年齢や、学校で習っている学習内容に合わせて、どんなことに挑戦できるかをご両親が判断してみてください。■決まった金額内で買い物をする足し算や引き算、掛け算などを学校で勉強し始めたら、子どもに買い物を頼んでみましょう。慣れるまでは一緒に買い物に出かけて、後ろから見守ってあげるのでもいいですね。500円や1000円など、あらかじめ予算を決めておいて、その予算を越えないように買い物をするよう伝えます。余ったお金でお菓子を買っていいよとご褒美をあげれば、足し算と引き算を使って、いくらのお菓子が買えるのかを一生懸命計算するでしょう。ほかにも、一緒に買い物へ行って会計をする時に、お釣りの小銭が少なくなるように考えさせると、思考力が身につきます。小さなお子さんであれば、100円を渡して駄菓子を自分で計算させながら買うのもいいですね。<この体験で身につく力>思考力判断力計算力■お出かけの目的地や交通手段を考える親子でのお出かけは、子どもにとって新しい経験がいっぱい。いつもは親が決めてしまう休日のお出かけ先を、たまには子どもに決めさせてみましょう。子ども主導で計画を立て、家族で出かけてみることもよい経験です。ガイドブックやインターネットを見ながら、目的地を決めましょう。そのときに、日帰りでも行ける場所なのかを地図で確認しながら決めるといいですね。地図を学習している時期であれば、学習内で勉強した地名などを絡ませて、行き先を決めるのもおすすめです。行き先を決めたら、そこまでの交通機関を一緒に考えてみましょう。地図上で目的地を見ながら、電車で行きやすい場所なのか、駅からは徒歩なのかバスなのか、車で行く方が便利なのか、ご両親がアドバイスしながら経路を考えてみます。このような経験を通じて、子どもは自ら考える力や、交通手段などを比較して決定する判断力を養うことができます。また、実際にその場所に行ってみると、計画通りにいかないことも出てくるでしょう。その時に、どうして上手くいかなかったのか、どうすれば上手くできるのかをもう一度考えてみると、そこで応用力も育まれます。そして、地図を見ながら目的地までも、ぜひ子ども主体で動いてみましょう。親にとっても新しい発見があり、親子で新鮮な体験になるはずです。<この体験で身につく力>思考力判断力応用力地図を読む力■お出かけ先でのスケジュール管理時計が読めるようになったら、日常的な声掛けで、「○時に家を出るけど、あと何分ぐらいある?」などと、クイズ感覚で問いかけてみることで日常生活と勉強を“リンク”!子どもの「判断力」「応用力」「計算力」を鍛えるよい方法ですね。そして、日常生活の中で時間の管理がある程度できるようになったら、お出かけ先でのスケジュールを子どもに組み立てさせてみてはいかがでしょうか。一日のスケジュール表を紙に書いて、「○時にここに着くには、何時に出ればいいかな?」「お昼には何分ぐらい時間を取ろうか?」など、最初はご両親と一緒にスケジュールを組み立ててみましょう。慣れてきたら、自分で考えさせてみて、ご両親が無理のないスケジュールになっているかを確認してみるのもいいかもしれません。そして実際に現地へ行ってみて、スケジュール通りに回れたのか、回れなければどこで時間がかかったか、時間が足りなかったのかなどを、一緒に話し合ってみるのもおすすめです。子どもはその体験をもとに、次回は時間の管理を工夫することができるでしょう。時間の配分を予測したり、改善したりすることができるようになると、日常生活や学校生活の時間の使い方も上手にできるようになるでしょう。<この体験で身につく力>思考力判断力時計を読む力時間の使い方臨機応変に動く力3つのアプローチを親が意識しておく!買い物やお出かけの計画などを、ただ経験させるのではなく、以下のようなことを親御さんが意識しておくのがより効果的なようです。【「考える」とは】「自分の言葉で語れること(What)」「疑問に思うこと(Why)」「手段や方法を思いつくこと(How)」のいずれかのことをしているときに、「考えている」という状態になると考えます。通常の教育では、「これは何?」「どこ?」「いつ?」「どっち?」が多く、このようなインプットばかりのアプローチでは、考えるという行為は起こりにくいのです。(引用元:東洋経済ONLINE|「考える力がない子」を変える3つの問いかけ)意識しておきたいのが、この3つのアプローチです。集団で行う学校での学習では、自分の言葉で伝えたり、じっくり時間をかけて手段や方法を考える機会が少ないのが現状。しかし日常での経験の中であれば、その機会は親御さん次第でたくさん与えることができるのです。〇自分の言葉で語れること(What)〇疑問に思うこと(Why)〇手段や方法を思いつくこと(How)買い物やお出かけなどをきっかけに、自分の言葉でどうしたいかを人に伝えられたり、そこで疑問に思うことを言葉にしたり、手段や方法を考えたりという経験をたくさんさせて、自然と考える力を身につけさせましょう。***知識をインプットするような机の上の勉強だけではなく、日常の中の経験と学習内容をリンクさせることで、自らの力で考え、判断する力が自然と身につきます。これが親子での楽しい体験であれば、子どもは「またやってみたい!」「もっと何かしてみたい!」という意欲にもつながります。たっぷり時間が取れる長期休みなどに、ぜひ親子で実践してみてくださいね。文/内田あり(参考)ベネッセ教育情報サイト|親子で過ごす時間が子供の学習能力を底上げする!日経DUAL|中学受験にも生きる!冬のおでかけ学習【社会編】東洋経済ONLINE|「考える力がない子」を変える3つの問いかけ
2019年01月15日認知症予防において、生活習慣の改善がとても大切であることは知られています。特に、食事、運動、睡眠は大きなポイントであり、多くの実験や成果が報告されています。今回は体と脳を一緒に動かす、認知症予防運動プログラム「コグニサイズ」をご紹介してみたいと思います。■ 運動と頭を使う「コグニサイズ」とは?歳をとってくると、筋力低下や心肺機能の低下、関節の動きの低下などが起こります。運動によってこうした身体機能をある程度向上することができますが、運動にはもうひとつの効果として脳の活性化があります。プラナ / PIXTA(ピクスタ)認知症を対象としたデイサービスなどでは積極的に運動を取り入れ、身体と脳の活性を促そうという試みが日常的に見られます。こうした運動に熱心な施設で、最近よく取り入れているのが、運動+脳トレーニングを行う「コグニサイズ」という方法です。二つのことを同時に実施するほうが、脳への刺激がより強められ、活性化につながるという発想です。cognicise(コグニサイズ)とは、英語のcognition (認知) とexercise (運動) を組み合わせた造語です。■ 計算や記憶にかかわる簡単なゲームがオススメ運動と一緒に行うものとして、計算や記憶に関する簡単なゲームがあります。あひる / PIXTA(ピクスタ)いわゆる脳トレーニングとして広く実施されていますが、これらを運動と同時に行うことでより効果が高まるといいます。コグニサイズの効果については数年前から国立長寿医療研究センターで実験が始まりました。2010年に軽度認知障害(MCI)のある方100人を対象にコグニサイズの調査をしていますが、調査の結果、約8割の参加者に記憶力の向上がみられました。■ 激しい運動より持続できる軽い運動を実験では、ウォーキングしながら簡単な引き算(例えば100から7を引いていくなど)をしたり、踏み台昇降をしながら数人でしりとりをする、といった計算や記憶に関わるエクササイズが行われました。千和 / PIXTA(ピクスタ)こうしたコグニサイズは一般の家庭でも手軽にできます。運動は激しい運動より、持続できる軽めの運動がオススメです。ただし、計算しながら歩くと集中しすぎて周囲が見えなくなることがあるので、公園など安全な場所で行うようにしてください。cba / PIXTA(ピクスタ)自宅であれば、庭を歩きながらパズルを解くなどの方法も可能だと思います。■ 自分にあったやりかたで楽しむことが大事!コグニサイズは自分なりにアレンジができるので、子どもと一緒にやったり、夫婦で散歩しながらやったり、あるいは独りで好きな時にやるなど、楽しみ方はさまざまです。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)あまり難しく考えないで、楽しんで長く続けることが大切です。【参考】※国立長寿医療研究センター認知症予防運動プログラム「コグニサイズ」
2018年12月03日これからの子どもたちに必要とされるのは、テストだけでは測ることができない力――「非認知能力」だとされています。もちろん、将来の夢を子どもが叶えるためには、いわゆる学力である「認知能力」も必要でしょう。ただ、子ども教育のプロフェッショナル育成に携わる増田修治先生は、「認知能力を育むためにも非認知能力が重要」だと語ります。まずは、現在の教育現場が直面する問題から語ってもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)日本の教育が抱える「見えない貧困」問題いま、日本の教育は「貧困」という大きな問題に直面しています。「世帯収入が高いほどその家庭の子どもの学力も高い」という調査結果は、ニュースなどを通して耳にしたことがある人も多いことでしょう。貧困にはふたつの種類があります。ひとつは「絶対的貧困」で、もうひとつが「相対的貧困」。絶対的貧困にあたるのは世帯年収が約60~70万円を下回る世帯。月収が5万円以下で、食べものや着るものにも困るほどです。一方の相対的貧困は、世帯年収が120万円ほどの世帯。この相対的貧困は「見えない貧困」ともいわれていて、わたしは大きな問題だととらえています。この世帯の子どもは、食べものは食べているし衣服に困るほどではない。つまり、見た目は普通なのです。でも、その世帯の子どもたちは、さまざまな機会を奪われている。どんな機会かといえば、サッカーをしたくてもサッカーシューズは買ってもらえないし、バレエを習いたくても月謝を払ってもらえない。当然、学習塾に行くこともできません。この相対的貧困にあたる世帯の割合が、いまの日本ではどんどん増加しているとされています。「子ども食堂」というものを聞いたことはありますよね。貧困世帯の子どもたちを集めて食事を与え、同時に勉強も見てあげるという社会活動です。そこに来る子どもたちは、やはり学力が低い傾向にある。貧困世帯の子どもは、先にお伝えしたように学習塾には通えません。となると、自分で勉強しなければならない。でも、学習教材など自分で勉強できる環境が整っているわけでもないわけです。となると、その子どもにとって勉強できる唯一の場所は学校です。ところが、子ども食堂に来る子どもたちのなんと約8割が学級崩壊を経験しているというではありませんか。学級崩壊したクラスでは、まともに授業を受けることができません。そういう子どもたちは、勉強する機会を完全に奪われているのです。逆に、学級崩壊によって勉強する場所がないから、子ども食堂に通っているとも言えます。非認知能力の育成に欠かせない、子どもの声に耳を傾ける姿勢では、貧困家庭に育つと学力を伸ばすことができないのかというと、そうではありません。貧困世帯の子どもにも、貧困ではない世帯の子どもと遜色ない学力を持つ子どもたちがいます。彼らの共通点はなにかというと、「非認知能力が高い」ことです。非認知能力には、「朝ごはんを毎日食べる」といった生活習慣、「毎日の勉強時間の目安を決めている」といった学習習慣、あるいは、つらいことや困ったことがあったときに学校の先生に相談できるなどのコミュニケーション能力といったものも含まれます。これらは、一般的には貧困ではない世帯の子どものほうがしっかりと身につけている傾向にあるのですが、貧困世帯に育ちながら学力が高い子どもも、こういった基本的な習慣、非認知能力を身につけているのです。これがなにを表しているかというと、「非認知能力が認知能力を発達させる」ということです。2000年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者、ジェームズ・ヘックマンらは、40年にわたる長期追跡調査の分析により、「非認知能力がその後の認知能力の発達を促し、その逆は確認できない」と結論づけました。非認知能力が高い子どもはテストの点数もあがるが、テストの点数がいいからといってその子どもの非認知能力が伸びるわけではないのです。となると、今後の乳幼児教育や小学校教育は大きく変わっていく必要があります。いつまでもテストで高得点を取ることだけが素晴らしいと評価する教育では駄目なのです。もちろん、これは学校などの教育現場だけの問題ではありません。家庭教育も、「非認知能力を伸ばす」ことを意識しておこなうべきでしょう。とはいえ、身構えるような必要はありません。大事なのは、「子どもの話をきちんと聞く」こと。教育に熱心な親ほど、子どもの言うことに耳を貸さず、「これが子どものためになるんだ」と勉強や習い事を押し付ける傾向にあります。それでは、まったくの逆効果。まずは、「なにかやりたいことある?」と子どもに聞いて一緒に考えること。そのなかで、互いに折り合いをつけていくべきでしょう。宿題ひとつ取っても、「●時になったから宿題をやりなさい」では駄目。「何時になったら宿題に取り掛かれる?」と子どもに聞いてください。そうして決めた時間は、親が決めたものではありませんよね?これはつまり、子どもに選択権を渡しているということ。そうすれば、親からすれば「あなたが決めたことでしょう?」と言えるし、子どもからすれば「自分で決めたのだからやらなくちゃ」と、自発性や意欲、責任感を養うことにもなる。多くの親は、その過程を省いてしまっているように感じます。そうではなくて、親と子どもそれぞれが納得する「一致点」をつくるコミュニケーションをたくさん取ってください。そういったことが、子どもの非認知能力を育んでいくのですから。『遊びにつなぐ! 場面から読み取る子どもの発達』増田修治 著/中央法規出版(2018)■ 子ども教育のエキスパート・増田修治先生 インタビュー一覧第1回:クイズで育む!?子どもの「人生を決める」非認知能力の伸ばし方第2回:非認知能力が高い子どもは、「認知能力」も伸びていく。ではその逆は――?第3回:子どもの自己表現力を伸ばし、自己肯定感を高める「親子コミュニケーション」(※近日公開)第4回:“おなら”に“裸”、なにを書いてもOK!?「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力(※近日公開)【プロフィール】増田修治(ますだ・しゅうじ)1958年3月8日生まれ、埼玉県出身。1980年、埼玉大学教育学部卒業後、小学校教諭として埼玉県朝霞市内の小学校に勤務。「ユーモア詩」に取り組み、子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図るとともに、楽しい学級づくり、保護者とのコミュニケーションづくりをおこなう。2002年にはNHK『にんげんドキュメント 詩が躍る教室』が放映され反響を呼んだ。2008年3月末で小学校教諭を退職し、同年4月より白梅学園大学准教授。現在は同大学子ども学部子ども学科教授。『小1プロブレム対策のための活動ハンドブック』(日本標準)、『「いじめ・自殺事件」の深層を考える—岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として—』(本の泉社)、『先生! 今日の授業楽しかった!—多忙感を吹き飛ばす、マネジメントの視点—』(日本標準)など教育関連の著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月02日こんにちは。ライターの和です。何年も前から話題になっている「女子力」というワード。筆者も「女子力」という言葉をテレビや会話で聞くたびに、「本当の女子力とは・・・?」と疑問に思っていました。今回はそんな誰しも一度は聞いたことがある、「女子力」について考えたいと思います。女子力を上げる方法が知りたい人も、そもそも「女子力」の実態が分からないと行動できませんから、じっくり読んでみてくださいね。■「女子力」は「見た目を磨くこと」だけじゃない「女子力」というと最初に思いつくのが、メイクやファッション、ダイエットなどの外見に力を注いで「かわいくなること」だと思います。もちろんこれも確かに女子力のひとつです。かわいくなると外に出たくなるし、実際に「モテる」というイメージはあります。でも見た目だけ努力することを「女子力」と呼ぶのかというと、それはちょっと違いますよね。■小手先の「女子力アピール」は、割とすぐバレる見た目がかわいくて良い香りがしたら、男性も「この子イイじゃん!」と飛びつきます。食事の席でおしぼりやお皿を配るのも、同じように「優しい!」と良い印象を与えますよね。でもそれも最初のうちだけなんです。話しているうちに「あれ?この子、性格悪いな」「自分じゃ何もできないじゃん」なんて思われてしまうと、彼らもすぐに離れて行ってしまう。しかもみんなが付き合いたいと思うような男性ほど「この子はハリボテだな」とすぐに察知するのです。なぜならモテる男性ほど、たくさんの女性を見てきているから。素敵な男性ほど、中身がしっかりしている。彼らは男女問わず、上辺だけの人には騙されないんですよね。つまりいくら外見を磨いたり、行動を見せつけたりしても、それは一時的なモテにしかなりません。でも私たちが望んでいるのって、一瞬だけ誰かにチヤホヤされることじゃないですよね?ひとりの男性に、長い間愛されたいと願っているんですよね?■女子力って結局のところ「人間力」なんです女子力の根本について考えてみると、結局のところ「人間力」にたどり着くのではないかと思います。つまり普通のことを普通にする。朝起きてご飯を食べて仕事へ行って、色んなことで悩んで、たまに楽しいことがあって。そういうごくごく日常的なことをすることに意味があると思います。逆にどんなにかわいくても、親のスネをかじって遊びまくっている人は、女子力が高いとは言わないと思うんです。話は戻りますがこういう普通のことをしていると、時には辛いことにも出くわします。そういう問題をひとつひとつ乗り越えたり、逆に「自分にできない」と判断する力を身に着けたりしていく。このように経験値が上がっていくと「これは違う」と思ったときに引き返せるようになるのです。そうすればダメ男と出会ったときも、たとえ好きでも「付き合わない」という判断ができますよね。わざわざ棘の道を進まなくて良いので、自分の心も穏やかになっていきます。そして「男子力」って言葉は聞かないけれど、いま書いたような「日常生活を送りながら学び、自分を成長させること」ができる男性って、やっぱりモテるんですよね。私たちがよく言う「誰か良い人いないかな~」「普通の人で良いんだけど!」に当てはまっている。だからやっぱり女子力だろうが男子力だろうが、結局のところ「人間力」につながっているんだと思うんです。■おわりにあくまで「かわいくなる女子力」がダメなわけではありません。でもたったひとりの人に長く愛される女子になりたいのであれば、こういった内面的な部分の「女子力」も並行して意識すると良いのではないでしょうか。(和/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年12月01日テストで測ることができる力を「認知能力」、テストで測ることができない力を「非認知能力」と呼ぶことは見聞きしたことがあるかもしれません。でも、非認知能力が具体的にどういうものか、なかなか明確にイメージしにくいのも事実。それがどんなもので、なぜいま必要とされるのか――。教えてくれたのは、子ども教育のプロフェッショナルを養成している白梅学園大学の増田修治先生です。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)非認知能力とは能動的な心情を自分のなかにつくり出せる力「非認知能力」がどういうものかを知ってもらうため、まずは次のクイズに挑戦してみてください。Q:次の野菜や果物は水に浮くか、沈むか。1.ピーマン2.キュウリ3.ナス4.バナナ5.リンゴ6.ニンジン7.ジャガイモこれは、わたしが4歳児に出したクイズです。水槽を用意して1から順に、実際に答えを確かめながら進めました。ピーマンは……水に浮きますよね。4歳児も多くが正解しました。ところが、次のキュウリは子どもたちの答えがけっこうわかれた。正解は次のナスも含めて浮く。大人であれば、料理中にこれらを洗うときに水に浮かぶ様子を見たことがある人も多いでしょう。それでは次のバナナとリンゴは?このふたつも浮くんですね。では、子どもたちはニンジンについてはどう答えたでしょうか。それは「浮く」でした。なぜそう思うのかと聞いたら「これまでの全部が浮くから」と。子どもたちはちゃんと考えているんです。これまでの正解を聞いて、「野菜や果物は水に浮く」と考えたわけです。でも、答えは「沈む」なんですよね(笑)。それでは、最後のジャガイモはどうでしょう?答えは……「沈む」です。「野菜や果物は水に浮く」という仮説は正しくありませんでした。でも、別の仮説が浮かんできませんか?そう、基本的に地下にあるものは水に沈んで、地上にあるものは浮くのです。そして、このクイズの後、子どもたちは家に帰ってお風呂にいろんな野菜や果物を浮かべてみた。これが、簡単に言えば非認知能力です。このクイズで、なにが浮く浮かないといった知識を教えようとしたわけではありません。子どもたちはクイズをとおして、自分の頭でうんと考えた。そして、「面白い」だとか「やってみよう」「調べてみよう」という気持ちになった。こういう能動的な心情を、自分のなかでつくり出せる力――それが非認知能力なのです。AIの発達が進むこれからに求められる非認知能力いま、この非認知能力が「子どもたちの人生を決める」とも言われています。というのも、時代が大きな曲がり角にきているからです。これからは人工知能、いわゆるAIが社会を大きく変えていきます。そして、そのAIをどういう方向で使っていくかを考えられる人間が必要とされる。AIの時代になるからこそ、これまでとちがった角度からものを見ることができる、あるいは新しいものや発想を生み出せる力が求められるのです。それこそ、テストでは測ることができない、非認知能力そのものでしょう。また、オックスフォード大学の研究によると、「AIの発達によって今後10年で現在の約47%の仕事が自動化する」との試算が出ています。たとえばですが、バーテンダーの仕事は77%の確率でなくなるとか。他にもスポーツの審判員やレジ係、データ入力係、集金人などもなくなる仕事だとされています。これは遠い未来の話ではありません。現在進行形ではじまっているものです。いま、「スマートガスメーター」の導入が全国で進んでいることをご存じですか?これは、ガスの使用量を無線通信回線で把握するというメーター。つまり、これまで検針員がやっていた仕事がなくなるということです。なくならない仕事は、教師や保育士など人間相手の仕事、それからデザイナーといった創造性が必要な仕事などに限られてきます。単純な仕事は基本的にどんどんなくなるので、これからは自ら仕事を生み出すような人間になっていかないとならない。それがいいかどうかはともかく、そうならざるを得ないのです。それこそ、他人とどう接するか、どういう新しい発想を持って創造性を発揮するかといったことは、なかなか点数にできるものではありません。それらはまさに、非認知能力だということです。重要性を増している幼少期における非認知能力を伸ばす教育ここで4歳の子どもを対象におこなわれた「マシュマロ・テスト」と呼ばれる実験をご紹介しましょう。その内容は、子どもにマシュマロをひとつ渡して「食べずに15分待てばもうひとつマシュマロをあげるよ」と告げるというもの。すると、2個目をもらえるまで我慢できる子どもと、我慢できずに食べてしまう子どもにわかれた。この実験でわかるのは、「自制心」が育っているかどうかということ。自制心も重要な非認知能力です。そして、実験はこれで終わりではありません。その後の追跡調査により、2個目をもらえるまで我慢できる自制心がある子どもは、少年期には学力が高くて誘惑に強い、青年期には教育水準が高くて肥満率が低い傾向にあることがわかりました。一方、我慢できずに1個目のマシュマロを食べてしまった子どもは、対照的に学力が低い、肥満率が高いといった結果が出たのです。【マシュマロ・テストの追跡調査結果】これは、4歳時点における自制心という非認知能力の有無が、その後の人生を大きく変えたということに他なりません。まだ幼い4歳でのちがいとなると、「非認知能力の優劣は遺伝的に決まっているのか」という疑問を持った人もいるでしょう。でも、そうではありません。「幼少期における教育」の重要性が高いということです。そして、今後は非認知能力を伸ばすための教育がより重要となるとわたしは考えています。このマシュマロ・テストで2個目をもらえるまで我慢できた子どもというのは、「先を見通して考える」ことができたということ。言い換えれば、ものと時間などの「つながり」が見えているということです。ところが、いまはそういった「つながり」がどんどん見えなくなっている、あらゆるものが「ブラックボックス化」している時代なのです。たとえば、自動車もそう。むかしの自動車はいまのものより構造がはるかに単純で、整備士にはなにがどうなって自動車が動くということがすべて見えていた。でも、数多くの複雑な電子部品が使われているいまの自動車だとそうはいきません。整備士にも理解できていない部分が多く、調子が悪い部分を基盤ごと取り替えるということになる。こういうことがあらゆるものにおいて起きているため、「つながり」というものが見えにくくなっているのです。読者のなかに、子どものころに時計やいろいろなものを分解してもとに戻すのが好きだったという人はいませんか?わたしがそうで、たいてい部品が余っちゃって捨てることになっていましたけどね……(笑)。ただ、それは子どもにとって大切なことなのです。非認知能力なんてものが知られていなかったむかしは、そういうふうに自然に「つながり」を知って非認知能力を伸ばす環境にありました。ところがいまはそうではない。だからこそ、意図的に非認知能力を伸ばすよう働きかけをしていく必要があるのです。『遊びにつなぐ! 場面から読み取る子どもの発達』増田修治 著/中央法規出版(2018)■ 子ども教育のエキスパート・増田修治先生 インタビュー一覧第1回:クイズで育む!?子どもの「人生を決める」非認知能力の伸ばし方第2回:非認知能力が高い子どもは、「認知能力」も伸びていく。ではその逆は――?(※近日公開)第3回:子どもの自己表現力を伸ばし、自己肯定感を高める「親子コミュニケーション」(※近日公開)第4回:“おなら”に“裸”、なにを書いてもOK!?「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力(※近日公開)【プロフィール】増田修治(ますだ・しゅうじ)1958年3月8日生まれ、埼玉県出身。1980年、埼玉大学教育学部卒業後、小学校教諭として埼玉県朝霞市内の小学校に勤務。「ユーモア詩」に取り組み、子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図るとともに、楽しい学級づくり、保護者とのコミュニケーションづくりをおこなう。2002年にはNHK『にんげんドキュメント 詩が躍る教室』が放映され反響を呼んだ。2008年3月末で小学校教諭を退職し、同年4月より白梅学園大学准教授。現在は同大学子ども学部子ども学科教授。『小1プロブレム対策のための活動ハンドブック』(日本標準)、『「いじめ・自殺事件」の深層を考える—岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として—』(本の泉社)、『先生! 今日の授業楽しかった!—多忙感を吹き飛ばす、マネジメントの視点—』(日本標準)など教育関連の著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月01日診断されるとお金がおりる認知症保険。高齢になると子どもに迷惑をかけたくないと加入を考える人も多いようだ。そんな認知症保険に加入する際の注意点を、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。病気やけがで認知症の方が入院した際、45%もの方が体を拘束されたことがある。そんな調査結果が今月18日、発表されました(国立がん研究センター)。ショッキングですが、人ごとではありません。認知症は、’12年には65歳以上の7人に1人でしたが、’25年には5人に1人になるといわれています(’17年・内閣府)。そんななか、「認知症保険」が注目されています。業界初の認知症保険は、太陽生命が’16年に販売を開始。今年10月までに、約40万件の契約があったといいます。最近は種類も増えました。それぞれの特徴を見ていきましょう。まず、太陽生命の「ひまわり認知症予防保険」です。以前の保険は、認知症状態が180日続いた後、保険金が出るものでした。ですが「それでは遅い」という声を受けて、認知症と診断されたときに最大100万円と、180日後に最大200万円の保険金が出るようになりました。また、加入から1年たって認知症になっていない方には、3万円の「予防給付金」が出ます。予防給付金はその後、2年おきに支給され、これを使って認知症検査を受けることを推奨しています。次は、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険の「リンククロス笑顔をまもる認知症保険」です。認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)と診断されると保険金の一部が出て、その後、認知症に進むと、残りの保険金がおります。MCIの段階で保険金が出るのは、今のところこれだけです。さらに、朝日生命の「あんしん介護」には、公的介護保険で要支援2と認定されると、一時金が出るタイプがあります。認知症でも体に不自由のない方は、要介護判定が低くなりがちです。要支援2という軽い段階で保険金が出るものは、業界初です。確かに認知症は介護も大変ですし、不安が大きいでしょう。ですが、保険はお金の問題。支払う保険料と、どんなときに保険金が出るかをきちんと納得してから、加入しましょう。注意点は3つです。【1】すべての認知症に、保険金が出るわけではない認知症のなかで、保険金を出す認知症を保険会社が指定しています。対象外の認知症になった方は、保険金が出ません。また、保険会社によって対象はさまざまです。【2】加入当初に、保険金が減額される「削減期間」がある認知症になっても、加入から1年以内だと保険金は半額、加入から180日間は出ないなど、保険会社ごとに削減期間が決まっています。【3】保険料は高め太陽生命の「ひまわり認知症予防保険」に60歳女性が加入すると、認知症の診断で100万円、180日後に200万円、入院日額5,000円や、骨折や入院時の一時金などもついて、保険料は月々1万8,660円。認知症以外なら持病があっても入りやすいのですが、保険料は高めです。子どもに迷惑をかけたくないからと加入される方が多いようです。でもその前に、家族でよく話し合ってみてください。
2018年11月30日ふだん、あまり気に留めない“嗅ぐ力”。知らず知らずのうちに衰えている可能性がある。この嗅覚こそ、病気と密接な関係にあり、きたえることで病気を予防できることも証明済み。鈍った鼻にはカツを入れよう!「認知症研究の第一人者である浦上克哉先生(鳥取大学教授)は、アルツハイマー型認知症の予兆として嗅覚低下の症状を挙げています」こう話すのは、入浴剤メーカーで調香師歴17年の荘司博行さん。3年前に脳動脈瘤が見つかり緊急手術したことをきっかけに、自分の専門である「嗅ぐ力」を人の健康に役立てようと決意したという。その結晶として『最新論文等から香りのプロが考案!嗅ぎトレ』(KADOKAWA)を出版し、話題になっている。嗅覚低下は、アルツハイマー型認知症の予兆として挙げられる症状だという。しかし、それは逆の視点から見ることもできると荘司さん。「認知症専門医の長谷川嘉哉先生は『においを嗅ぐことは脳に刺激を与え、認知症を予防する効果があると考えられる』と著書の中で紹介しています」(荘司さん・以下同)なんと、嗅ぐ力をアップさせることは認知症予防につながるのだ。では、どうしたら嗅ぐ力をきたえることができるのだろうか?「とにかく、日常生活で意識してにおいを嗅ぐことです」そこで荘司さんが考案したのが、次の「嗅ぎトレ」だ。【ステップ1】鼻クン嗅ぎトレ「ふだんの生活で、人は意外とにおいを嗅ごうとしていないもの。嗅ぎトレの第一歩として、室内、バッグ、本、石けん、衣服……手当たり次第になんでも犬のようにクンクンとにおいを嗅いでみましょう。嗅ぐ前に「今からにおいを嗅ぐよ」と唱えると、脳の意識が高まり効果的。実際にいろいろ嗅いでみると、今まで意識せずにいたモノに意外なにおいがあることに気づくはず。日常生活でにおいを嗅ぎまくるだけで、嗅ぐ力はぐっと高まります」【ステップ2】見てクン嗅ぎトレ「次は、食事の場面で、食べる前にお箸に取ったものを目で確認し、クンクン嗅いでみて。ふだんはテレビを見ながらなど、無意識に食べ物を口に入れている人も多いはず。目で確認してにおいを嗅ぐことで、脳に食材とにおいを直結させることができます。このとき、そのにおいが『何かに似ているか』を考えると、より効果的。いきなりはじめると周囲に奇異に映るので『嗅ぎトレをしている』と宣言してからすることをおすすめします」【ステップ3】チェンジ嗅ぎトレ「モノのにおいを嗅ぐことが習慣化したら、ふだん使っているモノのにおいを定期的に変えて、新しい刺激を鼻に与えてみましょう。鼻は同じにおいをずっと嗅いでいると慣れてしまい、においがわからなくなってしまうもの。そこで、化粧品、入浴剤、石けん、歯みがき粉、シャンプーなど、自分の生活で定番になっている『香りのあるモノ』を定期的に変えてみることも大事なトレーニング。鼻にときどき刺激を与え、リフレッシュさせてください」「ステップ1」で嗅ぐことを習慣づけ。「ステップ2」で視覚と嗅覚を一体化して脳により強くにおいを意識づける。そして「ステップ3」で、においに変化をつけることで鈍りがちな嗅覚に刺激を与える。この3つで、劇的にあなたの嗅ぐ力は向上するはず。「最後に、オレンジ、レモンなどのかんきつ系のにおいに、認知症を改善する効果があることが専門医の実証実験で報告されています。かんきつ類は、むいたときに皮のにおいを『見てクン嗅ぎトレ』してから食べることもおすすめです」ぜひあなたも鼻をクンクン利かせて、認知症を予防しよう。
2018年11月21日話題のスポットに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回は、’16年に『Mr.サンデー』で放送され大反響だった、認知症の母を追ったドキュメンタリー『ぼけますから、よろしくお願いします。』の完全版が映画化ということで、高齢の両親を持つ記者は、少しドキドキしながら身に行ってきました。■映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』ポレポレ東中野にて上映中。順次全国公開テレビディレクター信友さんは45歳のとき乳がんが見つかり、明るい母親に支えられていたが、今度は母親が認知症に……。社交的で多才だった母親が変わっていくさまが描かれ、時に涙し、時には笑い、そして感動します。駄々をこねたり、突然怒ったりと困惑させられるのですが、母親の笑顔は少女のように無邪気でかわいい。そんな母を支える95歳の父。耳が遠いながらも初めての家事に挑戦したり、一生懸命奥様をサポートする姿に「夫婦ってこうあるべき」と感心させられます。信友監督も「認知症の介護はつらいことばかりじゃない、ということもわかってもらいたい」と語っているとおり、思わず「認知症になってよかった?」と思ってしまうほど、夫婦の感動的な姿も。誰もが直面する可能性がある高齢社会と認知症。でも、この映画を見たら、「両親が認知症になっても、どうにか対処できるのかも」とも思わせてくれます。高齢の家族がいる人にはぜひ、見てもらいたい作品です。
2018年11月12日認知症は日常生活に大きな影響を及ぼし、時には寝たきりの原因にもなります。自分自身や身近な人が認知症になってから慌てる前に、早いうちから認知症の予防を心がけましょう。難しいことをしたり大金をかけたりしなくても、日々の生活習慣に注意するだけで認知症を防ぐのに役立ちます。認知症は予防可能な病気認知症は誰でも発症しうる病気ですが、認知症の多くは一度発症すると完治できないと言われています。そのため、近年まで認知症を防ぐことはできないと思われていました。しかし最近の研究によって、生活習慣への配慮によって認知症発症のリスクを下げられることが明らかになりました。認知症予防に役立つ要素として、バランスの取れた食事・適度な運動・質の良い睡眠・生活習慣病のコントロールなどの健康的な生活習慣が多く挙げられます。このほか、高等教育を受けたり知的活動を行ったりすることも認知症予防に役立つと考えられています。認知症の前段階「軽度認知障害(MCI)」認知症患者の多くは、認知症の前に「軽度認知障害(MCI)」を発症します。MCIはいわば正常と認知症の中間であり、記憶力・注意力などが低下しているがおおむね普通の日常生活ができる状態を指します。現在、日本にはMCIに該当する人が約400万人いるとみられています。国立長寿医療研究センターによると、MCIと診断された人を4年追跡調査した結果46%は正常に戻り、14%が認知症に進んだことがわかりました。このことから、MCIの段階で対策を立てれば認知症の発症を防げる、または遅らせることができる可能性が高いことがわかります。自分自身や身近な人の様子がおかしいと思ったら、早めに専門機関に相談しましょう。 認知症の種類と原因三大認知症と言われるアルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・血管性認知症は、国内における認知症の8~9割を占めています。アルツハイマー型認知症日本人の認知症の約6~7割は、アルツハイマー型認知症と言われています。アルツハイマー型認知症は脳内に発生した異常なタンパク質などが神経細胞の働きを妨げることで発症し、進行すると神経細胞が破壊されて脳が萎縮します。アルツハイマー型認知症は軽いもの忘れなどから始まり、ゆるやかに進行します。病状が進むと新しいことを記憶できなくなり、日付・曜日や今いる場所などもわからなくなります。早い段階で認知症に気づいて適切な薬物治療などを受ければ、進行を抑えることができます。レビー小体型認知症認知症の約5%を占めるレビー小体型認知症は、脳内にレビー小体(異常なタンパク質)ができて脳の神経細胞が破壊されて起こります。このタイプの認知症では、幻視(存在しないはずのものが見える)・錯視(見えているものを全く違うものとして認識する)・睡眠中の大きな寝言や激しい動作・パーキンソン症状(動作が遅くなる・筋肉がこわばる・転びやすくなるなど)などが特徴的です。レビー小体型認知症の治療は、薬で症状を抑える対症療法がメインになります。血管性認知症脳梗塞や脳出血などの後遺症として起こる血管性認知症は、認知症の2割程度を占めています。脳の血管が破れたり詰まったりすると周辺の神経細胞がダメージを受け、認知症状が現れます。血管障害の部位によって症状が大きく異なり、記憶障害のほかに言語障害や歩行障害などが起こることもあります。脳血管障害を繰り返すと、血管性認知症も階段状に悪化していきます。言い換えれば、脳血管障害の原因となる高血圧・糖尿病・動脈硬化の予防や治療によって血管性認知症の進行を抑えることができます。その他三大認知症を除く認知症の中には、正常圧水頭症(脳室にたまった脳脊髄液が脳を圧迫する病気)、慢性硬膜下血腫(外傷などで頭蓋骨と脳の間に血腫ができて脳を圧迫する病気)、脳腫瘍などが原因で起こるものもあります。これらの認知症は、原因となる病気を治せば症状が消えることもあります。 認知症を防ぐ3つの方法認知症を防ぐ第一歩は、毎日の食事・生活習慣・活動に気を配ることです。最初から無理をすると挫折しやすいので、できることから少しずつ実行していきましょう。必要に応じて、医師などの専門家に相談しましょう。1.認知症を防ぐ食事毎日の食事は、わたしたちの身体をつくる大切なものです。栄養バランスや食事の摂り方に配慮して、認知症のリスクを下げましょう。食材について魚と野菜を多く摂る和食や地中海食が近年注目されていますが、これらの食事は認知症予防にも良いとされています。青魚青魚に多く含まれるDHAは脳の神経伝達を助け、脳の活性化に役立ちます。同じく青魚に含まれるEPAは血管を拡げて血流を良くし、生活習慣病のリスクを下げます。赤ワイン赤ワインに含まれる抗酸化物質の一種・ポリフェノールを十分摂ると、認知症や生活習慣病を防ぐ効果が期待できます。葉物野菜、果物ほうれん草や小松菜、いちごなどには葉酸が豊富に含まれています。葉酸を豊富に摂ることで、動脈硬化の原因となるホモシステイン(悪玉アミノ酸)の増加を抑えるのに役立ちます。緑黄色野菜、ナッツ類抗酸化物質であるビタミンA・C・Eやポリフェノール類が豊富なものが少なくありません。抗酸化物質は、動脈硬化のリスクを下げるのに役立ちます。炭水化物メインの食事や糖分の多い食品炭水化物や糖分を摂りすぎると、糖尿病の原因となります。糖尿病になると、脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症のリスクも上がります。炭水化物・糖分とともに食物繊維の多い野菜・海藻・きのこ類などをしっかり摂ると、血糖値の上昇を抑えることができます。ショートニング、マーガリン、動物性脂肪(魚以外)ショートニング、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸や魚以外の動物性脂肪を摂りすぎると、血中のLDL(悪玉コレステロール)が増えやすくなり動脈硬化のリスクが上がります。塩分を多用するメニュー塩分過剰な食事は高血圧の原因にもなり得ます。高血圧をどを防ぐため、味付けや調理法を工夫して減塩を心がけましょう。食べ方について身体に良いからと同じものばかり食べると、栄養バランスが崩れて逆に不健康になってしまいます。朝は卵料理を食べたから昼食は魚がメインというふうに、いろいろな食材を摂りましょう。食事のたびによく噛むことで、脳を刺激できます。たとえ高齢でも、必要以上にやわらかいものばかり食べていると脳への刺激が減ってしまいます。むやみに食事制限をしてしまうと、脳への刺激だけでなく食事の楽しみも減ってしまいます。様々な食材をまんべんなくとることが重要です。 2.認知症を防ぐ生活習慣認知症を防ぐには、運動・睡眠をしっかり摂って健康維持につとめることも大切です。運動ただ歩くだけでも、脳から身体の各部に「右手を前に出す」「左足で地面を蹴る」といった複雑な司令が送られています。つまり、体を動かすことで自然に脳を刺激できます。さらに運動で全身の血流が良くなれば、脳の血流もおのずと良くなるでしょう。睡眠習慣慢性的に睡眠時間が足りない人や睡眠の質が良くない人は、認知症のリスクが高まることがわかっています。熟睡できない状態が続くと、アルツハイマー型認知症の原因となる異常なタンパク質が脳にたまりやすくなるためです。睡眠の質を上げるためには、まず起床後に日光を浴び朝食をしっかり摂るよう心がけましょう。これらの行動によってすっきり目覚めやすくなり、昼間に脳をしっかり覚醒させることで夜に眠気を感じやすくなります。また、睡眠を妨げる病気(睡眠時無呼吸症候群など)がある人は早めに治療しましょう。生活習慣病予防上でも触れましたが、糖尿病・高血圧・心疾患などの生活習慣病になると血液や血管に異常が出やすくなり認知症のリスクも上がります。日頃の食事や運動習慣に注意しつつ定期的に健康診断を受けて、生活習慣病を防ぎましょう。すでに生活習慣病になっている人は、しっかり治療して進行を食い止めましょう。歯周病予防歯周病などによって多くの歯を失うとしっかり噛めなくなり、脳への刺激が減ってしまいます。また、歯周病菌が原因で動脈硬化のリスクが上がることもわかっています。毎日の正しいブラッシングや定期的な歯科検診で、歯の健康を守りましょう。すでに歯を失ってしまった場合は、入れ歯やインプラントを使えばまた噛めるようになるでしょう。 3.認知症を防ぐ活動日々の活動や趣味を工夫して、脳にほどよい刺激を与え続けましょう。多くの人と交流するなるべく家に引きこもらず、社会活動や趣味などのコミュニティに参加して多くの人と交流しましょう。地域のホームページや情報誌などで、中高年向けのボランティア活動やカルチャースクールなどの情報が見つかることも多いですよ。脳を鍛える知的活動や指先を細かく使う作業をするとき、脳は複雑に活動します。以下のような趣味を持つことで、手軽に脳トレーニングができます。・文章の読み書き(新聞を読む、俳句・短歌を作るなど)・博物館や美術館に行く・頭を使うゲーム(将棋、囲碁など)・新聞・雑誌に載っているパズルやクイズ(クロスワードパズル、数独など)・指先を使う趣味(裁縫、編み物、陶芸など) 認知症予防で大切なことまだ若いからと油断せず早いうちから生活習慣に注意すれば、将来認知症になるリスクを1/3ほど下げることができます。また認知症になる前のMCIの段階で症状に気づいて対策すれば、治る可能性は十分にあります。認知症を防ぐため毎日の食生活と生活習慣に注意するのはもちろん、人との交流や知的活動にも積極的に取り組みましょう。趣味を多く持つことで人生がより豊かになり、認知症のリスクを下げて健康寿命を延ばすのに役立つでしょう。 【参考】医療法人 東内科医院「認知症について」医療法人泯江堂 油山病院「軽度認知障害(MCI)について」厚生労働省認知症の基礎~正しい理解のために~「認知症施策の現状について」政府広報オンライン「もし、家族や自分が認知症になったら知っておきたい認知症のキホン」富山市「認知症ガイドブック」8020推進財団「歯周病対策で健康力アップからだの健康は歯と歯ぐきから」一般社団法人認知症予防協会「認知症を予防しよう」公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「認知症の予防」「認知症予防のための食事とは」「地中海食の特徴」
2018年10月24日《認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の女性は、男性よりも認知症になりやすい――》今年7月、東京大学の研究チームがアメリカの科学誌に発表した論文が反響を呼んでいる。「MCIとは、正常な状態と認知症の中間にあり、物忘れが主な症状です。日常生活には支障がないのですが、たとえば銀行のATMで暗証番号を忘れてお金が引き出せないことがときどきあったり、同じ物を何個も買ってしまったりと、生活するうえで細かい失敗が出てくる状態を指します。認知症に進行しやすいので注意が必要ですが、現在の医療では、あまり有効な手段がないのが現状です」そう解説するのは、研究チームの1人で、東京大学医学部附属病院・神経内科講師で医師の岩田淳先生。厚生労働省によると、約3,000万人いる65歳以上の高齢者のうち、15%の462万人が認知症を患い、13%の約400万人がMCIの状態だという(’12年度調査)。人生100年時代を迎えたが、日常生活を支障なく送ることができる“健康寿命”を延ばすためには、認知症を発症させない、発症しても進行させないことが求められる。「MCIの背景にはさまざまな疾患があり、アルツハイマー病が潜んでいると進行は早くなります。高血圧や糖尿病など生活習慣病を患っていると認知症になりやすいということも過去の研究で明らかになっていますが、その進行の過程は未解明な部分があり、また日本人のデータもなかったので、2~3年間かけてデータを採ってきました」(岩田医師)研究では全国の38医療機関で診察を受けMCIと診断された男女234人(平均72歳)に1年に1度、認知機能テストや脳の画像検査を続けて3年間追跡調査を行った。その結果、3年以内に認知症へ移行した人は、男性が40%だったのに対し、女性は60%だった。「認知機能の悪化が早い女性には、ほんのわずかな腎機能の低下がみられました。同じ方法で実施されたアメリカの研究では、認知機能の悪化に男女差はありませんでした。なぜ、日本人では男女差が生じたのか。その理由として、日本の女性は男性よりも体が小さいため血管が細く、生活習慣病などによって引き起こされる動脈硬化が起こりやすいためではないかと推測しました」(岩田医師)脳内の血管がダメージを受けると、動脈硬化が起こり、神経細胞が壊され、認知機能の悪化を招きやすくなるという。見過ごされがちだが、全身の血管のうち、健康を維持するためにとても大切なのは約9割を占める毛細血管。全身の隅々まで酸素や栄養、熱を送り、老廃物を流す役割があるからだ。「毛細血管は放っておくと加齢とともに徐々に消滅してしまい、無機能化(ゴースト化)が進みます。血管が細い日本人女性が特に気をつけなければならないのが、この“血管のゴースト化”です」こう語るのは、『血管の強化書-破れない!詰まらない!澄み切った血液は万病を治す』(ワニブックス)の著者で、金沢医科大学総合内科学准教授の赤澤純代先生。女性ホルモンの一種、エストロゲンには血管の保護作用があるため、エストロゲンが減少すると血管にダメージを受けやすくなる。40代以降は、特に注意が必要だという。
2018年10月18日厚生労働省によると、約3,000万人いる65歳以上の高齢者のうち、15%の462万人が認知症を患い、13%の約400万人が認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の状態だという(’12年度調査)。人生100年時代を迎えたが、日常生活を支障なく送ることができる“健康寿命”を延ばすためには、認知症を発症させない、発症しても進行させないことが求められる。《認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の女性は、男性よりも認知症になりやすい――》今年7月、東京大学の研究チームがアメリカの科学誌に発表した論文が反響を呼んでいる。「MCIとは、正常な状態と認知症の中間にあり、物忘れが主な症状です。日常生活には支障がないのですが、たとえば銀行のATMで暗証番号を忘れてお金が引き出せないことがときどきあったり、同じ物を何個も買ってしまったりと、生活するうえで細かい失敗が出てくる状態を指します。認知症に進行しやすいので注意が必要ですが、現在の医療では、あまり有効な手段がないのが現状です」そう解説するのは、研究チームの1人で、東京大学医学部附属病院・神経内科講師で医師の岩田淳先生。研究では全国の38医療機関で診察を受けMCIと診断された男女234人(平均72歳)に1年に1度、認知機能テストや脳の画像検査を続けて3年間追跡調査を行った。その結果、3年以内に認知症へ移行した人は、男性が40%だったのに対し、女性は60%だった。「認知機能の悪化が早い女性には、ほんのわずかな腎機能の低下がみられました。同じ方法で実施されたアメリカの研究では、認知機能の悪化に男女差はありませんでした。なぜ、日本人では男女差が生じたのか。その理由として、日本の女性は男性よりも体が小さいため血管が細く、生活習慣病などによって引き起こされる動脈硬化が起こりやすいためではないかと推測しました」(岩田医師)脳内の血管がダメージを受けると、動脈硬化が起こり、神経細胞が壊され、認知機能の悪化を招きやすくなるという。見過ごされがちだが、全身の血管のうち、健康を維持するためにとても大切なのは約9割を占める毛細血管。全身の隅々まで酸素や栄養、熱を送り、老廃物を流す役割があるからだ。「毛細血管は放っておくと加齢とともに徐々に消滅してしまい、無機能化(ゴースト化)が進みます。血管が細い日本人女性が特に気をつけなければならないのが、この“血管のゴースト化”です」こう語るのは、『血管の強化書-破れない!詰まらない!澄み切った血液は万病を治す』(ワニブックス)の著者で、金沢医科大学総合内科学准教授の赤澤純代先生。女性ホルモンの一種、エストロゲンには血管の保護作用があるため、エストロゲンが減少すると血管にダメージを受けやすくなる。40代以降は、特に注意が必要だという。「加齢のほかにも、喫煙、運動不足、ストレスなどの習慣が血管に負荷を与えてしまいます。そして、血管の老化を加速度的に進行させてしまうのは、塩分や糖分をとりすぎる悪い食習慣です」(赤澤先生・以下同)次の生活習慣を確認してみよう。当てはまる項目があれば血管のゴースト化が懸念される。丈夫な血管を保つためにも、すぐに改めよう。【喫煙】喫煙は血管を収縮させ、血液の粘度が高まりドロドロになる。さらに、動脈硬化が進みやすくなる。【過度のアルコール摂取】お酒を飲むと一時的に血圧が下がり脈拍を速めるが、長時間飲み続けると血圧が上がり高血圧症の原因に。【塩分&糖質過多の食事】血管力を高めるのは薄味の食事。外食や加工食品を減らし、野菜やタンパク質を意識的に取るようにしたい。【肥満体形】コレステロール値が高い状態が続くと動脈硬化が進み、血管が狭くなる。標準体重を維持しよう。【運動不足】少し息が上がるくらいのスピードで1日30分歩く習慣をつけたい。ハードな運動は関節を痛めることがあるので注意。赤澤先生によれば、マッサージで血管の循環を促すことで、血管は鍛えることができるという。赤澤先生が推奨するのは次の2つのマッサージだ。【血流を促す「ふくらはぎマッサージ」】1)マッサージオイルを使い、ふくらはぎを両手で包み込むように、アキレス腱から膝裏のリンパ節までやさしくさすりあげる。2)膝の裏は、少し力を入れて特に念入りにマッサージする。3)親指でツボを押しながら、鼠径部までマッサージ。反対の脚も同様に。血海(膝の内側から指3本分上)、足三里(膝下の外側)、三陰交(くるぶしの内側から指3本分上)の、3つのツボを意識する。【リンパの流れをアップさせる「首・鎖骨のプッシュ」】1)あごの先から耳の下に向かって手でさすり、後頭部に向かって頭蓋骨のすぐ下を押す。さらに鎖骨に向かって首をさする。左右5回。2)肩の骨の付け根あたりから、鎖骨の上側の骨に近い部分を指で押す。左右5回。「必ず行ってほしいのがふくらはぎのマッサージです。ふくらはぎは“第二の心臓”といわれるほど、血流に大きな影響を与える大事な部分です。静脈には一方向に流れる弁があり、末梢の血液を戻す流れを作るには、ポンプの役割を果たす筋肉が必要です。ふくらはぎが硬くなっていたら微小循環が悪いことが考えられます。心臓に戻す方向でさすり、少し太い静脈に血液を戻しましょう」さわってみて冷たく感じたり、硬かったり、むくんでいたりしたら血行が悪く冷えているサインだという。また、相手と楽しみながら行う「足指じゃんけん」も、末梢血管の血流を促進させる効果があるそうだ。「首・鎖骨のプッシュ」はリンパの流れをよくするマッサージ。鎖骨の周辺には老廃物を運んでくる静脈がめぐり、リンパ管もたくさん張りめぐらされている。このあたりをほぐして血流をよくすることで、肩こりや頭痛も改善できて、一石二鳥だそう。手軽にできることから始めて、血管のゴースト化を防ぎ、健康寿命を延ばしていこう!
2018年10月18日在宅介護では暴言や暴力が絶えないともいわれています。このいわゆる虐待は大きな問題でもあります。認知症の人に接するうえで最も大切なことは何か。このような悲劇を招かないために、一度立ち止まって考えてみる必要がありそうです。■ 最も暴力に発展しやすいのは子が親を介護するケース!?平成27年度、家族や親族による虐待数は15,976件でした。これは前年と比べて237件増えています。sakai / PIXTA(ピクスタ)介護者と要介護者の関係を大きく分けると、子が親を介護、妻が夫を介護、夫が妻を介護、妻が姑を介護、という4つのケースがあります。この中で最も感情を乱しやすいのは、子が親を介護するケースです。また認知症の人は感情のコントロールがうまくできないため、何かと怒ったり頑固になったりします。しかも言うことを聞かないうえ、暴言や暴力までふるうこともあります。その結果、介護者がストレスを抱え、今度は介護者による虐待が始まることも少なくありません。■ 虐待で最も多い!息子が親に対して行う暴力平成27年度の虐待事例15,976件のうち、息子が全体の40.3パーセント(7,099件)を占めています。Ushico / PIXTA(ピクスタ)以下、夫の21.0パーセント(3,703件)、娘の16.5パーセント(2,906件)の順に続いています。では、なぜ息子の暴力が多いのか。それは、もともと力の差があるうえ、身内という遠慮のない関係が災いし、暴力をふるいやすいのではないかと思われます。■ 在宅介護で虐待が起こる最大理由はストレス!息子や娘は、自分を育ててくれた親をいつまでも気丈で尊大な人と思いたいものです。しかし、幼児のようにわがままや身勝手な振る舞いをする親に、我慢できなくなり、つい手を挙げてしまうのではないでしょうか。厚生労働省の調査によると、在宅介護で虐待が起こる最大の理由は「介護疲れ・介護ストレス」とのこと。shimi / PIXTA(ピクスタ)徘徊や異常行動を起こす親に振り回されると、疲れ、ストレスが溜まり、やがて冷静に対処することができず、大声で怒鳴ったり、手が出たりします。■ 病に対する理解不足は悲劇を生む根源同じ質問を一日に何十回もされると、多くの人は冷静さを失うでしょう。でも、それが認知症なのです。言ったこと、聞いたことをすぐに忘れる病が認知症なのに、性格が悪いとか頭がおかしいとか、本気で思ってしまう人もいます。shimi / PIXTA(ピクスタ)認知症で最も悲しいことは、こうした誤解による関係性の崩壊です。では、どうすればいいのでしょうか?最大の防止策は、認知症を理解することです。多くの介護者が認知症を理解しないまま介護をしていると考えられます。介護方法は知っていても、病気についての理解がないため基本的な接し方ができない人が多いのです。これは悲劇の根源でもあります。認知症の人は病人である前に人なのです。汚い言葉には汚い言葉で返します。優しい言葉には優しい言葉で返します。■ 認知症を理解し受け入れる寛容さが大切認知症は治らない病気、認知症になったら家庭は崩壊する、などの言葉が独り歩きし、誤解を信じ込んでいる人はたくさんいます。認知症を理解することは相手を理解することであり、それによって憎まない・怒らないにつながります。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)病を憎んで人を憎まず。難しいことかもしれませんが、病気を理解し真正面から受け入れる寛容さが私たちには必要なのだと思います。【参考】※イリーゼ高齢者虐待を防止するには?介護現場の実態と今後の解決策※厚生労働省医療経済研究機構「家庭内における高齢者虐待に関する調査」概要※厚生労働省平成27年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
2018年09月18日少しずつ認知症の症状が現れるアルツハイマー型認知症とは異なり、脳梗塞、脳出血などの脳血管が原因で認知症になる人は少なくありません。しかも、脳梗塞は40代、50代でも発症します。とはいっても、脳梗塞は生活改善などで防ごうと思えば防げる病気です。ここでは脳梗塞で認知症を発症した人の介護について、一例を紹介します。参考になれば幸いです。■ ある日突然、父が倒れて自宅で介護することに…同居している義理の父親(78歳)が脳梗塞で倒れ、退院したら自宅での介護を考えているという主婦A(48歳)さん。KY / PIXTA(ピクスタ)Aさんのご主人は営業部で出張も多いため、主介護者となるのは必然的に自分だろうと感じていました。Aさんは事務職で比較的休暇が取りやすく、仮に会社を辞めてもご主人の収入でなんとかなるとも考えました。当初、Aさんは自宅で介護(在宅介護)するか、介護施設に入所させるかで悩んでいました。しかし、父の意識はしっかりしているため、施設入所はやはり気が引けました。■ 離職せず介護休業を利用して介護に専念Aさんは結局、自宅で介護という方法を選択しました。そして、現在の仕事について、次の4つの選択肢を考えました。勤務時間を短くして早く帰宅し、介護できるようにする地元のスーパーなどでのパートに切り替える自宅でできる仕事をする仕事をしないで介護に専念するAさんが選択したのは1でしたが、上司に相談すると、しばらく介護休業をとればいいとアドバイスされました。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)介護休業は雇用保険から介護休業給付金が支給され、1回の介護休業期間は最長3か月です(介護休暇は最長5日間)。言われるまま介護休業をとり、父の介護に専念することにしました。■ 自宅でリハビリと介護に追われる日々に3か月ほど入院して自宅に帰ってきた父は、左半身麻痺と言語障害がありましたが、自分でご飯を食べたり、トイレに行くことはできます。KY / PIXTA(ピクスタ)リハビリ通院によって父親も機能回復を目指して頑張っていました。あまり回復はしないものの、現状を維持しながらそれなりに自立した生活が続きました。Aさんの介護は食事づくりと食事介助、歩行訓練の手助けや見守り、薬の管理、トイレ介助などです。歩行中に倒れると自分では起き上がれないうえ、下手をすると命の危険性もあります。自宅であっても目が離せないのです。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)■ 「デイケア」に通い介護者も負担が軽減Aさんは父親に、より質の高いリハビリを受けさせようと考え、デイケアを利用することにしました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)要介護3の父は毎日楽しくデイケアに通うようになり、Aさんの負担も一気に軽減されます。そして、仕事にも復帰しました。仕事の時間を短縮して、デイケアから帰ってくる父親を迎え入れることにしたのです。ところが、事態は急変しました。昼間大人しくしていた父が夜中に起きて動き回るという異常な行動をするようになります。昼夜逆転現象の始まりでした。Aさんの疲労はこれまで以上となり、睡眠不足の日が続きます。Ushico / PIXTA(ピクスタ)■ 認知症の19%にも及ぶ!脳梗塞が原因で認知症に発展するケースも多い脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症のことを「脳血管性認知症」と呼び、認知症全体の19%にも及んでいます。主な症状としては、何に対しても意欲や自発性がなくなるとともに、感情の起伏が激しくなり、些細なことで怒ったり落ち込んだりします。NOV / PIXTA(ピクスタ)ただ、判断力や記憶力は比較的保たれています。また、手足に麻痺や感覚の障害、言語障害などの症状が現れることもあります。日中に活動する意欲が少ないため、不眠や昼夜逆転につながり、その対応に振り回される家族も睡眠不足や大きなストレスを抱えてしまいます。■ 「介護施設」に入所して落ち着きを取り戻した父その後、Aさんの父は「脳血管性認知症」を発症してしまいます。夜中に窓を割って出て行こうとしたり、家の中を歩き回るようになりました。Aさんは毎晩のように繰り返す父の対応に追われ、ついに疲労で倒れ入院してしまいます。それを見かねたAさんのご主人は、父親をグループホーム(認知症の人を対象とした介護施設)に入所させることにしました。IYO / PIXTA(ピクスタ)施設では父親に応じた介護プランが作られ、介護士が日々のケアを行います。異常行動を繰り返していた父もよやく落ち着きを取り戻し、面会に訪れるAさんとも笑顔で会話できるようになりました。Aさんの父親の場合、最初からデイサービスか施設か、という選択ではなく、自然の流れで最終的に施設に入所したケースです。自宅で介護する人が増えていますが、介護の負担が大きいか小さいかによって、最初から施設入所という選択もあり得るでしょう。脳血管性認知症の人が必ずしもこのような流れを辿るわけではありません。あくまでも参考として、一つの流れを知っておくと良いでしょう。【参考】※厚生労働省Q&A~介護休業給付~※認知症ねっと認知症とは?原因・症状・対処法から予防まで
2018年09月14日風邪やインフルエンザは、それぞれの体験を通してどんな病気かわかります。ところが認知症は頭で理解していても、本当のところは発症した人しかわからない病です。そんなよくわからない病について、実際に発症した方の意見を紹介してみたいと思います。■ すべてのことが不明確でぼやっとした感じ認知症医療の第一人者で精神科医の長谷川和夫氏は昨年、自身が認知症を発症していると明かしました。長谷川氏は1974年に認知症診断の物差しとなる「長谷川式簡易知能評価スケール」を公表し、今日まで多くの医療現場で使われています。氏の場合は、それほどひどい症状でなく、正常な状態と認知症とを行ったり来たりするという比較的軽度な認知症です。そんな氏が語ったのは、認知症って実はこういうことだった、という自分なりの体験でした。氏が痛切に感じているのは、確かさが欠如するということでした。freeangle / PIXTA(ピクスタ)今がいつなのか、今どこにいるのか、目の前の人が誰なのか――。そうしたすべてのことが不明確ではっきりしないということです。■ 不明確なことは何度も確かめたくなる病気のようで病気でないような、単なる物忘れと思われがちな初期の認知症のころは、同じ行為を何度も繰り返すことがあります。たとえば家を出て行くとき、ドアに鍵をかけたかどうかが不安になり、途中で引き返して確かめる。あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)あるいは、昔の同級生や先生の名前がわからなくなり名簿を調べたり、学校に電話することも。cozy / PIXTA(ピクスタ)わからないままだと不安が募り、それが原因でパニックになることもあります。■ はっきりしないことが大きな不安と恐怖になる認知症の人は、よく「怖い、怖い」と口にします。何が怖いかと聞くと「よくわからない」と答えます。B612 / PIXTA(ピクスタ)おそらく何事もはっきりしないというのは、とても恐いことだと思われます。もし自分が急に知らない町で目覚めたとします。しかも、そこに至った経緯さえもわからない。え、ここはどこ?最初は不思議に思うでしょうが、やがて怖くなる。それが常に起きている状態が、認知症ではないでしょうか。■ 笑顔とやさしい声がけで安心感を与える長谷川氏は週に一回、デイサービスに通うようになり、そこでの体験はとても心地良いとも語っています。自分には馴染みのない職員でも、彼女らは自分のことをよく知っていてくれ、とても安心感があると言います。ボーッとしていると、長谷川さんどうしたの、何か困ったことでもあるの?と声がかかる。それがとても嬉しいと感じているそうです。kou / PIXTA(ピクスタ)こうした声がけはどこのデイサービスでも行うものですが、こんな一言だけで安心して過ごせるそうです。■ やさしく接すれば相手もやさしくなれる不安に苛まれる人が多い認知症ですが、誰かが常にそばにいて声をかけてあげるだけで安心できるのです。時には手を取って、笑顔とやさしい言葉で話しかけてあげましょう。kou / PIXTA(ピクスタ)多くの認知症の人はこちらの対応次第で笑ったり、怒ったりします。言葉もそうですが、相手の顔の表情をよく見ています。やさしい言葉でも顔がこわばっていれば、不安になってしまいます。それはあたかも人と接することの基本的な行動であり、心のクスリのようなものなのかもしれません。常にやさしい気持ちで接することができるといいですね。【参考】※認知症ねっと長谷川式認知症スケール
2018年09月07日普段からリアクションが薄めの奥手女子。そのため誰に対しても塩対応なので恋愛面でもデメリットな部分かもしれません。あっさりとした対応は「クールで知的」なイメージもありますが、一方で「消極的」と感じる男性は多いです。そこで奥手女子が恋愛力を上げるために必要な会話について説明していきますので参考にしてみて下さい。1. 奥手女子が恋愛に必要な会話力とは?そもそも奥手の人は、男性に対して警戒心が強いので、恋愛に対しても消極的、慎重すぎることが多いです。 女子校出身だった人や姉妹で育った人、人見知りが多いですが、決して男性が嫌いという意味ではありません。奥手女子の場合、男性に慣れていないのため臨機応変に会話をすることは難しく感じます。できれば相手と冗談を言ったり「この人は楽しいな」と感じたりしてほしいのです。怖がらなくても大丈夫です。会話に慣れていない人でもよい印象を与えることは可能ですのでトライしてみましょう。 (1) うなずくだけでも相手に伝わる会話をしている時に、相手に望むことってなんだと思いますか?「聞いてるかな?」と相手の「リアクション」を待っているんです。奥手女子の場合は、何を会話して良いかわからない場合が多いので長い沈黙が続いたり、一方的に相手だけが会話をして終わったりしてしまうことが多いです。たとえば「ふーん…そうなんだ」と声にだして聞いている人より「うん、うん」とうなずく人のほうが好印象を相手にあたえます。会話中に身体や声で「リアクション」をすれば簡単に相手に伝わります。オーバーにしなくても、頭を縦に振ってうなずく動きをするだけでOK。相手の会話に「うなづく」だけでも立派な会話が成立するので試してみて下さいね。 (2) 会話の中で相手の名前を呼ぶ男性から「この人は大切な人だ」と思ってもらうためには、相手の気分をどんどん良くすることからスタートしましょう。奥手女子の場合は、すすんで相手の名前を呼ぶようにすると効果的です。「○○さん、今日はいいお天気ですね」「○○さん、最近どうですか?」会話の中で何度も相手の名前を呼ぶと「私は苦手でありませんよ」という気持ちを伝えることができます。名前を呼ぶと相手の警戒心もなくなります。「会話のセンスがない」「口下手」と思う人は「名前」を呼ぶようにしましょう。 (3) 失礼な言葉はつかわない相手にとって失礼な言葉とはどのようなものがあると思いますか?若い人が良く使うフレーズや、良く考えると相手にとって失礼な言葉遣いって実は沢山あるんです。×「ってゆうか」→ ○「なるほど…なんですね!」相手の意見に納得できなかったとしても、使わないようにしましょう。言葉を知らない幼稚なイメージを与えます。この場合は、否定的な言葉をつかうよりも肯定的な言葉に置き換えるのが無難です。×「暇なときに連絡しますね」→ ○「時間があるときに連絡しますね」×「わざわざ」→ 言い方によっては嫌味に聞こえる場合があります。使う時は注意が必要です。2. 欠けているものを身につけるためには奥手女子は自分から連絡をとらないわりに、LINEなどを好む傾向があります。シャイな部分はありますが、家族・友人・同僚など親しい人には、とってもマメ。人に甘えたり、頼るのも苦手だったりするので、重い物を持ってほしいときなども素直に男性に頼むことができないのです。気になる人と会話をするのは誰でも緊張するものです。奥手女子だけではありません。でも、ずっと受け身でいては始まるものも始らないですよね。恋愛にルールはないので、自分から話しかけた後に、受け身になってもいいんです。自分に欠けているものを強みにしつつ、コミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか? (1) 相手の情報をキャッチする会話は相手の情報をいちはやくキャッチしないと始まりませんよね。奥手の人は、他人に対する関心が薄いので、会話から相手の情報収集からトライしてみましょう。たとえば、具合が悪そうな時に「あ、あの…今度…飲み会にいきませんか?」と言えば「空気が読めない人」と思われます。挨拶した時に声のトーンが低ければ、会話の中に「今日は調子が悪いんですか?いつもと違いますよ?」と差し障りの無い程度に聞いてみましょう。奥手女子の場合は、素直に「心配しています」の意味と心をこめて温かみのある言葉を選ぶようにしましょう。 (2) 相手の変化に気づいて言葉にだすこと「今日もセンスのよい服を着ていますよね!」と褒められたら「自分に興味を身ってくれている!」と嬉しくなりますよね?相手の変化に気が付くことは、距離を縮めるために必要なことです。ヘアスタイル・ファッションがかわった時や「具合が悪そう」なときに、すぐ気付いて声をかけられることが基本となります。相手を良く見て、気がついた点をすぐに言葉に伝えることも大切です。「私は青が好きだから青いネクタイの方が好き」と間違っても自己主張をしてはいけません。「青いネクタイも新鮮でよいですね」にとどめましょう。自分ばかり主張している人は、見直してみてはいかがでしょうか?異性関係になるとシャイでモジモジしてしまう自分。実は奥手な女性が「タイプ」と言う男性もたくさんいます。自分の恋愛観を強みに変えて、会話力を高めて恋愛のチャンスを増やしていきましょう!written by キララ
2018年08月29日現在、認知症高齢者数は500万人とも600万人ともいわれています。また、認知症の年齢層は50~40歳代にも下がってきており、若いからといって決して安心はできません。介護をテーマに、誰にでも起こりうるさまざまな問題についてご紹介していきます。■ 65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症!内閣府によると、平成24(2012)年の認知症高齢者数は462万人で、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症といわれています。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)2025年には約5人に1人になるとも予測しています。参考までに平成25年にガンと診断された人は約86万人でした。この数字が示すのは、認知症は誰でもなりうる病気だということです。そしてそれと同じ数だけ介護する人(介護者)もいるということです。amadank / PIXTA(ピクスタ)■ 若年性の発症年齢は平均51歳!認知症は老人だけじゃない最近は64歳以下の「若年性認知症」の人も増えているようです。平成21年(2009)の若年性認知症者の方は約3万8000人もいるのです女性よりも男性がなりやすく、若年性の発症年齢は平均51歳といわれています。50代で認知症やアルツハイマーと診断されたらショックは大きいでしょう。しかし、それを引き延ばすと、取り返しのつかないことになります。若いために進行するスピードも速く、重病化する可能性が高まります。家族のことを思うなら、早めに病院で診察して、少なくとも進行を食い止める手立てを打つべきです。mits / PIXTA(ピクスタ)高齢者に比べて若年性認知症は本人に理解力があり、治療法を選択できるという判断力があります。■ 認知症の初期症状を単なる物忘れだと思い、放置してしまう人がほとんど!認知症の初期症状を単なる物忘れだと思い、放置してしまう人が大半です。そうして数年が経過し、ある日突然、家に帰ることができなくなったり、会社に行けなくなるなどの症状に見舞われることがあります。それまでも認知症の信号を多く出していたにもかかわらず、知識がないために見落としてしまうことが多いようです。それ以前に様子がおかしいと気づいたら、診察を受けることが重要です。Ideya / PIXTA(ピクスタ)ガンと同じように早期発見で改善したケースは多々あります。初期の軽度な認知症は自立した生活も可能ですので、その段階で進行を止めることができれば、仕事も家事も続けられる可能性はあるのです。■ 若年性認知症は多くの人を巻き込む可能性が大!一般の病気は病院に行くなど自分ひとりでも対応できます。しかし認知症の場合、親、配偶者、兄弟、子ども、さらには親戚をも巻き込んでしまうことがよくあります。80代の親を介護するのと、50代の夫や妻を介護するのとでは大きく異なります。70~80代に発症することが多い認知症ですので、それに応じた介護サービスが整っています。例えば日中はデイサービス(通所型の介護施設)、それ以外は自宅で過ごすことで介護者の負担は軽減できます。amadank / PIXTA(ピクスタ)ところが、40~50代で発症すると、仕事や育児に影響が出てしまいます。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)子育てをしながら、夫の介護をするという難しい問題に直面することもあります。■ 認知症かもしれないと思ったら、すぐに病院に!いざ介護が必要になり、すべて自分ひとりで親や夫の面倒を看ようと頑張る方がいます。ひとりで24時間つきっきりの介護は共倒れになりやすく、最悪の場合、自殺や介護放棄といった事態になることもあります。現在は介護制度が整っており、さまざまなサービスを利用して介護の負担を軽くする方法が増えています。できれば、まず病院で診察して、その際に介護保険や介護サービスについて相談すると良いでしょう。CORA / PIXTA(ピクスタ)気軽に相談できるのは地域包括支援センターです。市区町村が運営しており、役所で聞いてみるのが手っ取り早いでしょう。ISO8000 / PIXTA(ピクスタ)介護のことならどんな些細な相談にものってくれますので、一度訪ねてみてください。問題なのは、知識がまったくないまま認知症や介護に直面することです。介護は誰にでも起こる問題と考え、今から少しずつ知識を吸収しておくことが大切です。【参考】※内閣府統計高齢化の状況認知症高齢者数の推計※厚生労働省若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について※認知症介護情報ネットワーク若年性認知症について※国立がん研究センターがん情報サービス最新がん統計
2018年08月11日今月6日、大手医薬品メーカーのエーザイは、認知症新薬の効果が確認されたと発表した。すると、株価は急騰。認知症に対する関心の高さを物語っている。確かに、親が認知症になるのを、心配しない人はいないだろう。そうなると介護はもちろん、経済的な問題も。そこで、経済ジャーナリストの荻原博子さんが対策を解説してくれた——。皆さんがよく困るのは、親名義の銀行口座が多くの場合、凍結状態になることです。キャッシュカードなら出金できますが、窓口での出金は、たとえ実の子でもできません。出金や解約には「成年後見人」の指示が必要だからです。成年後見人とは、認知症などで判断能力が十分でない方の財産管理を援助する人で、家庭裁判所が選任します。現在、約21万人がこの制度を利用していますが、きっかけは、先述のような預貯金の管理や解約のためが最多なのです(’18年・厚生労働省・以下同)。ただ、あわてて家庭裁判所に申し込んでも、成年後見人が決まるまで数カ月かかります。また、親が元気なうちなら、自分で自由に後見人を選べる「任意後見制度」が利用できます。ですが、認知症発症後は親族が後見人になりたくても、親族間のもめごとがあったり候補者が遠くに住んでいるなどの理由で、家裁が弁護士などを選ぶことが多いのです。現在、成年後見人の73.8%は親族以外の弁護士などが占め、報酬の目安は月2万円です。ところが成年後見人による横領等の不正は、後を絶ちません。昨年の被害額は約14億円にも上ります。こうした事態を避けるためには、早めの対策が肝心。金融機関を利用するのも一手です。そのひとつ、西武信用金庫(東京都)の「家族預金信託(ファミリー安心信託)」をご紹介しましょう。一般に、財産を信託すると、自由に使うことや処分などができません。家族預金信託は、高齢者本人が判断できるうちは自分で自由に使えて、認知症になったら、ほがらか信託(東京都)が財産を預かり管理するのが特徴です。契約時に、認知症発症後のお金の使い方を指定すれば、生活費など一定額を定期的に受け取ることができます。また、妻や子などから、財産管理の指示者を決めておきます。そうすると、老人介護施設の入所金などまとまったお金も、指示者の判断で出金できます。本人が振り込め詐欺などにあっても、指示者の了承がなければ送金できません。利用できるのは、西武信金に預金口座を持つ人で、預金額などの条件はありません。しかし、信託手数料が、信託開始時に数十万円、定期出金などの利用方法によって毎月数千円かかります。これは信託手数料としては標準的ですが、注意が必要です。財産信託の申し込みは、通常、金融機関の店頭か自宅で行います。興味のある方は、親が住む地域の金融機関などを探してください。もうすぐお盆です。帰省の際に、親の財産管理について、家族で話してみてはいかがでしょうか。
2018年07月27日Suchmos(サチモス)が、「2018 NHKサッカーテーマ」を担当。新曲「ボルテージ(VOLT-AGE)」がテーマ曲として起用される。これまで、NHKサッカー中継テーマ音楽は、2010年にSuperfly「タマシイレボリューション」、11~12年にRADWIMPS「君と羊と青」、13年にサカナクション「Aoi」、14~16年に椎名林檎「NIPPON」、17年にONE OK ROCK「We are」が起用されてきた。 「ボルテージ」は、6月に開幕する2018 FIFAワールドカップ ロシア大会をはじめ、Jリーグや天皇杯などの国内大会、日本代表の試合やヨーロッパを中心とした海外サッカーなど、サッカー中継や関連番組のテーマ音楽として使用されるという。この決定を受けて、ボーカルのYONCE(ヨンス)は、「世界中の視線を集めるピッチはどんな景色だろう。11人とサポーターで燃え上がるボルテージといかしたアイデアがあれば、感動的なシーンがきっと生まれる。心揺らすチャンスメイクを期待しています。」とコメントしている。2018 NHKサッカーテーマ起用を受けて、6月19日(火)にNHKホールで行われる「NHK フットボールフェスティバル」への出演が決定。Suchmosや前園真聖、徳田耕太郎などが参加するイベントでは、パブリックビューイングも行われる予定だ。イベント内で、Suchmosはパフォーマンスを披露。日本対コロンビア戦の中継番組内で放送される予定で、Suchmosにとって初めての地上波での歌唱となる。なお、Suchmosは2018年2月にホンダのCMでもおなじみの「808」をリリース。2018年5月11日(金)以降、自主企画ライブツアー「Suchmos The Blow Your Mind TOUR」も控えている。
2018年04月21日「好不調の波はありますが、母の認知症は少しずつよくなってきています」 こう語るのは、ブログ「婚活しながら両親介護」の筆者で、認知症の母親(74)の介護をしている映像ディレクター・黒澤うにさん(38)。 黒澤さんの母親に異変が現れたのは’15年10月ごろ。病院でアルツハイマーの薬を処方してもらうが、副作用がひどく中断。なすすべもないまま、昨秋には食卓の用意や買い物も難しくなり、手に持っていたものを忘れることも。連日、母親は泣きながら黒澤さんに電話を入れるようになった。 仕事に支障が出るようになったことで、黒澤さんはアメリカで医師をしている友人に相談。すると、認知症の世界的権威であるデール・ブレデセン医師の著書を薦められたという。 同書は全米で20万部を突破。日本でも2月に翻訳本『アルツハイマー病真実と終焉』(ソシム)が出版され、わずか2週間で2万5,000部というベストセラーになっている。 「さっそく本に書かれていた『リコード法』を、やれることから取り組みました。まず、野菜と天然の魚が中心の食事にし、できるだけ炭水化物を減らしました。また、ココナツオイルをコーヒーやサラダなどにかけ、夕食から朝食まで12時間は絶食。積極的に歩く習慣を11月下旬から始めたんです」(黒澤さん) 気がつくと、母からのSOSの電話も減り、食事も1人で作れるように。買い物でパニックになることもなくなったという。 「今や、4人に1人が認知症になる時代。うち6割がアルツハイマー型認知症です。今までは進行を抑えることはできても回復ができないということが、患者や家族を脅かしていました。しかし、ついにブレデセン医師がアルツハイマー型認知症発症の原因を突き止めたのです。世界で初めて、症状が回復することを、この本で明言しています」 こう語るのは、同書の日本語版の監修を務めた白澤卓二先生だ。 「これまでアルツハイマー型認知症は、アミロイドβという異常なタンパク質が脳にたまることで神経細胞が死に、記憶をつかさどる海馬から脳の萎縮が始まることで発症すると考えられてきました。しかし、ブレデセン医師の研究により、アミロイドβはむしろ脳を守る物質ということが判明したのです。ただし、このアミロイドβが過剰に蓄積されることで暴走し、守るべき脳細胞を破壊するということがわかりました」(白澤先生) そしてアミロイドβが過剰に蓄積される原因が、次の“NG生活習慣”。1つでも当てはまれば、アルツハイマー型認知症になる可能性大! □炭水化物や甘いものが好き□胃酸を抑える薬をよく飲む□夕食時間が遅い、または夕食後に間食をする□定期的な運動習慣がない□睡眠時間が7時間未満□家にカビが生えている 炭水化物や甘いものを食べると、糖分などが血糖値を上げることで、脳の炎症を誘導する。 そして胃酸を抑える薬には亜鉛やマグネシウム、ビタミンB12など、認知機能にとって重要な栄養素の吸収を阻害する働きがあるという。 また、不規則な食習慣は糖尿病の発症を促すが、この糖尿病こそがアルツハイマー型認知症の最大の原因の1つ。さらに、カビや金属などの有害物質の摂取も、アルツハイマー型認知症のリスクを高めるという。 このような生活習慣により、脳のなかで増えすぎたアミロイドβを取り除くために考案されたのが「リコード法」だ。昨年12月の時点で500人以上の患者が実践し、効果が認められているという。そこで、白澤先生に教えてもらった今すぐ実践できる「リコード法」を紹介。 【1】炭水化物を極力減らす【2】1日45mlのMCTオイル、または15ml×3のココナツオイルを取る【3】夕食から朝食まで12時間以上絶食する【4】睡眠は1日7〜8時間【5】1週間で150分以上の運動をする 「肝臓が脂肪を分解してケトン体と呼ばれる物質を生み出すプロセスのことを“ケトーシス”と言います。そして、軽いケトーシス状態を維持することが認知機能を高めるのに最適の状態だとわかったのです。ケトーシス状態にするためには、低炭水化物食、適度な運動、1日に12時間以上の絶食、中鎖脂肪酸100%のMCTオイルなどの摂取が効果的で、これがリコード法のベースです」(白澤先生) できることから、さっそくトライしてみよう!
2018年03月19日こんにちは。沙木貴咲です。キャリア志向の女性は、どちらかというと恋が苦手かもしれません。バリバリ仕事をする人ほど、忙しいことを理由にフリーでいることが多かったり、男性に対して素直になれなかったりするのでは?でも、「仕事ができるから恋が苦手」というのは、誤った思い込みなんです。スキルだけで言うと、仕事ができる人は恋愛も上手にできるはず。もしうまくできないなら、自分で自分にリミッターをかけている可能性があるんです。■■仕事力が高いとは、つまり恋愛力も高いということ仕事ができる人は、まず勇気があります。そして、判断力や行動力、交渉力、スケジュール管理能力、情報収集力なども優れています。さまざまな能力を駆使して業務をこなし、高い成果を上げるのですから、基本的にとてもバランスの取れた魅力的なタイプだといえるでしょう。「仕事ばっかりしてるから恋愛は苦手・・・・・・」というのは完全な思い込みにすぎません。本来は、恋も上手にできるはずなんです。判断力や行動力が優れていて勇気があるということは、自分にふさわしい男性を正しく選び、アプローチもできるということ。また、情報収集力とスケジュール管理能力があるなら、モテを意識したファッションに身を包んで、仕事が忙しくてもデートはできるに違いありません。しかもデキる人は、社交性やコミュニケーション能力も高いことがほとんど。デートで男性と楽しくおしゃべりして気に入ってもらうことが、難しいわけがないんです。つまり、キャリア志向の女性や仕事がよくできる女性こそ、恋愛上手になれるんですね。■■「恋は苦手」という思い込みを作る原因じゃあ、何が「恋は苦手」と思わせているのかというと・・・・・・原因は大きく分けて2つあります。1.自分自身への期待を高くしてしまうこと2.自分の女性性を否定して、“恋する私”を恥ずかしく思うこと1については、仕事ができると職位やお給料がアップして、周囲からも一目を置かれるようになり、自然と自意識が高まることが原因です。「私にふさわしい男性は年収1000万円以上」「今の私には、それなりのスペックの男性じゃなきゃつり合わない」という思い込みを無意識のうちに持って、恋がしづらくなるでしょう。2は、仕事で男性と肩を並べて働く女性にありがちな、「女性らしさを見失うこと」が原因。甘えることができなかったり、女の子っぽいカワイイ態度を取る自分に違和感を覚えたりすると、好きな男性の前で素直になれなくなります。仕事に一生懸命になることが、皮肉にも恋愛へのハードルを高くする原因になってしまうんです。■■あなたの中に『恋の成功法則』はすでにある!生活が仕事中心になっていて彼氏いない歴が1年以上・・・・・・という人は、「彼氏を作ること」に一生懸命になる前に、「仕事が成功する鉄板法則」をちょっと考えてみてください。チートともいえる小手先のワザだけでは、本当の成功はあり得ないですよね。案件が大きくなるほど、高い利益を長く上げ続けようとする時ほど、「人との信頼」が大事になるのではありませんか?部署や店舗スタッフとのチームワークがしっかりしていること。取引先から「イエス」を引き出すには誠意が必須だということ。お客様に心を尽くし、絶対に嘘はつかないこと。仕事ができる女性なら理解できているはずです。そしてこれは、恋愛も同じ。彼氏はつまり、自分が心から信頼できる人なんですね。どんなに高収入で有名企業に勤める男性であっても、気を遣わなきゃ付き合えない人は彼氏にならないし、意地を張って本音を明かせないならば、やっぱり恋愛はできないでしょう。仕事も恋愛もやり方は同じ。あなたの中に『恋の成功法則』はすでにあるんですよ。■■彼氏を作る=信頼できるパートナー自分が心底信用できると感じて、思わず素の姿を見せてしまう男性こそ、あなたの彼氏となる人です。気負わず肩の力を抜いて、自分に嘘をつかなくてもいい“パートナー”を探してみてください。そう、頑張り屋なあなたが、つい女の子でいることを忘れてしまうところも、「しょうがないな」と思ってくれる人。彼氏って、意外と身近なところにいるかもしれませんよ!(沙木貴咲/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年02月26日日本じゃ滅多にお目にかかれない光景の一つに、路上でサッカーに興じる子どもたちの姿がある。たとえばこれがブラジルだと正反対で、ストリートサッカーに歓声をあげる子どもたちを見つけるのは簡単だ。でこぼこの地面に立ち、空き缶をボールに変え、壁にできたヒビをゴールに見立てるその想像力は、長らくブラジルのサッカー界を牽引している。しかしボールを追う子どもが、車にはねられて亡くなるケースが後を絶たないという現実が一方にある。だからといって、子どもたちの情熱を無理やり押さえつけることはできない。「じゃあどうする? グラウンドを作ればいい。同時に、地域の問題を解決するための拠点にしたらどうだろうか」。そう考えた人々が集まり組織されたNGO「love.fútbol(ラブ フットボル)」。アメリカで設立され、活動拠点はブラジルからエジプト、インドまで多岐にわたる。同組織の日本支部である「love.fútbol Japan(以下、LFJ)」が2月16日(金)から中目黒で開催するのが、チャリティーサッカー写真展「GROUND」。love.fútbol JapanWebsite|Facebook現在、クラウドファンディングを実施中「ブラジルに『子どもの命』を守るサッカーグラウンドをつくる!」中南米、アジア、アフリカで地域住民と一緒にサッカーグラウンドをつくり、グラウンドを拠点に貧困、教育、治安、環境、ジェンダー問題などの地域課題の解決に取り組む米国発NGOの日本支部。love.fútbolはストリートサッカー中に交通事故で亡くなってしまう子どもがいる問題を背景に設立され、「サッカーが好きな世界中のすべての子どもが安全にサッカーできるグランドのある社会」を目指している。これまで6か国27地域で地域住民とともにサッカーグラウンドをつくり、31,000人以上の子どもたちが安全にサッカーを楽しめるグラウンドを届けている。
2018年02月16日ダンヒル(dunhill)が、プロサッカー選手吉田麻也・武藤嘉紀を起用したショートムービー「MADE TO MATCH」を公開。ダンヒルとサッカー日本代表とのつながりダンヒルは、約18年間にわたりサッカー日本代表の公式テーラリングを担ってきたファッションブランド。ここ数年間は、英国で仕立て服の総称を意味する“MADE TO MATCH”をキーワードにオフィシャルスーツなどを作り上げてきた。2017年には、サッカー日本代表の公式テーラリングとして新作を発表。完璧にフィットしたシルエットなど、細やかなディテールにこだわったジャケット&トラウザーズなどをサムライブルーのカラーで提案した。吉田麻也&武藤嘉紀が纏う、ダンヒルのスーツ公開となったショートムービー「MADE TO MATCH」では、ダンヒルこだわりのスーツに袖を通した吉田麻也&武藤嘉紀の姿が見られる。ダンヒル本店の門をくぐった二人は、それぞれお気に入りの一着をセレクト。吉田麻也はライトグレーの3ピースをチョイス。グレンチェックで彩られたジャケット、ベストにシンプルな白シャツとネイビーのタイ、さらに胸元にホワイトのチーフを合わせてモダンなコーディネートを披露している。武藤嘉紀は、ベーシックをキーワードにジャケット&トラウザーを選んだ。深いネイビーで染め上げたシンプルなセットアップには、同色のネクタイを合わせて。吉田と同デザインのチーフを胸元にあしらい華やかに飾り、タイには、キラリと輝くシルバーのタイピンを組み合わせて、さりげなく大人の男性を演出している。イラストレーターのソリマチアキラが参加ムービーには、イラストレーターのソリマチアキラが参加。手書き風のポップなイラストでロンドンの街並みやダンヒルの本店、ボードンハウスなどが描かれている。動画内で紹介されるのは、ダンヒルこだわりの「MADE TO MEASURE」。メゾンの卓越した技術と豊富なデザイン性が感じられるテーラードラインとなる。【問い合わせ先】ダンヒル/リシュモン ジャパンTEL:03-4335-1755
2018年01月07日「女子力が高いね」そう言われると無条件で嬉しいのが女心です。その評価を受けたいがために自分磨きに余念のない女子も多いのではないでしょうか。しかし、女子力って実際のところなんでしょう。外見のかわいらしさ=女子力が高い?それはあくまで女性が女性に感じる女子力です。この絵に描いたような女子力は、男性心理に訴えかけることはできるのでしょうか。価値観が全く違う女性心理と男性心理。そこを考慮して女子力について考察してみましょう。隙のない完ぺきなおしゃれ時間とお金と努力でつくる女子力は、同性の友人からの女子力高いの評価が簡単にもらえそうです。しかし、これは男性心理的な目線からみると意外に引かれてしまうことが多いです。気合の入ったおしゃれは一歩間違うと派手に見られたり、金銭感覚がだらしない印象に見えたりして逆効果になることも。ネイルでキラキラに装飾された爪より、短く整えられた清潔感あふれる爪の方に男性は女子力の高さを感じたりします。甘え上手のさじ加減ちょっぴりドジでほっとけない、そんな甘え上手な女の子はちやほやされることも多く、女子力が高そうに見えます。でもこれ、やりすぎてはいけません。彼女でもない女性に甘えられても、その行為はとても幼稚に見えてしまい、最悪その男性をイラッとさせてしまうことも。逆かなと思われますが、強さやしっかりした一面のさりげないアピールしてみましょう。強い・しっかりなどのイメージは女子力からかけ離れた印象ですが、これが意外に「けなげな女性」という印象を与え、女子力の高さを感じさせるはずです。これはほんの一部の例ですが「女子力」という点、ひとつとっても男性心理と女性心理では全く違うものです。外見のかわいらしさや動作のかわいらしさが直接すべて女子力の高さにつながるわけではないということを、頭のどこかに置いておいた方が良いでしょう。たまにはうまく計算し、女子力高いなと思わせようとしてみましょう。そんな努力や一生懸命さもきっとあなたのステキな女子力の一部になるはずですよ。
2017年12月13日アディダス(adidas)から、2018 FIFAワールドカップ ロシア大会に向けた、新たな「サッカー日本代表ホームユニフォーム」が登場。なお、W杯でサッカー日本代表はポーランド、セネガル、コロンビアとの対戦。6月19日に開催された初戦では前回大会のリベンジを果たし、大迫、香川のゴールで日本代表が勝利した。コンセプトは「勝色(かちいろ)」新ホームユニフォームのコンセプトは、「勝色(かちいろ)」。「勝色」は、かつて武将たちが戦いの際身にまとった鎧下と呼ばれる着物に使われる藍染の生地で最も濃い色とされ、その染色過程における叩く作業「叩く=褐(かつ)=勝つ」にかけて、勝利への験担ぎをしていたと伝わっている。今回は、この伝統的な「勝色」をホームユニフォームのベースカラーに採用することで、藍染というジャパンブルーの原点に立ち返りながら、サッカー日本代表の勝利もイメージしたデザインに仕上げた。デザイン面では刺し子柄をモチーフにデザイン面では、ユニフォームを縦断する「刺し子柄」が特長的。2018年はワールドカップ初出場から20年を迎えた節目の年であることから、これまでの日本サッカーの歴史を築いてきたあらゆる想いを紡ぎ、ロシア大会へ挑むというメッセージが込められているという。市販されるオーセンティックユニフォームでは、フットボールに特化して独自のアレンジを施したテクノロジー「CLIMACHILL(クライマチル)」を搭載。極細の糸を採用することで、優れた速乾性・通気性・冷却性を実現している。また、ショーツには軽さ、耐久性、撥水性、動きやすさを兼ね備えたウーブン生地が使用されている。さらに、ユニフォームの勝色よりも更に深い藍色を採用することで実現した、フィールド上で映える美しいコントラストもポイントだ。
2017年11月09日英国サッカーリーグ4部に所属する「Forest Green Rovers」(フォレスト・グリーン・ローバーズ)。彼らのユニークな試みが注目を集めている。ピッチ外の、ちょっと変わった理由で。彼らのホームスタジアムである「New Lawn」(ニュー・ローン)で販売される食品は、一切動物由来のものはなし。つまりビーガン食。ワインやビールまでビーガンスタイルの製品で、選手が試合前に食べる食事もビーガン食。スタジアム内は菜食主義が徹底されている。また、世界初の太陽光発電式芝刈り機などを導入しつつ、ほぼ100%木製の新スタジアムの建設が現在進行中。この新スタジアムのピッチは集められた雨水で育てられ、運営に使用する電力の一部は、スタンドの屋根に設置されたソーラーパネルでまかなわれるという。こんなスタジアム、もといチームは世界中にここしかない。実際、ビーガンとアスリートの相性っていいの?「そもそもビーガンってなに?」という話だが、完全な菜食主義で、植物性食品しか食べない。卵、乳製品、はちみつも動物性なのでNG。心身の健康に必須のたんぱく質は、穀類や豆類などから摂取する。倫理的、先天的な体質、健康のためなど、ビーガンになる理由は様々だが、最もポピュラーなのがその人の信条だろう。アスリートは「肉食」というイメージがあるかもしれないが、実は環境への配慮や動物愛護の観点からビーガンになる選手は多い。それには、食肉を生産するために家畜のエサとなる穀類も生産しなければならないことや、家畜が放出する二酸化炭素やメタンガスなどが引き起こす環境破壊が関係している。冒頭に紹介したForest Green Rovers FCは、そんなビーガンの精神をスタジアムの建設にまで取り入れている。チーム内にビーガンの精神を持ち込んだ現会長Dale Vince氏は、グリーンエネルギーを推進する「Ecotricity」社の創業者であり、自身もビーガンだ。Photo by Nickビーガン化で、見事「5部リーグ」から「4部リーグ」へ昇格彼が会長に就任した2010年以降、徐々にビーガン化が進められたチーム。「赤身肉は消化に悪い」と肉がメニューから外れ、魚、乳製品と順に姿を消し、今は完全なビーガン食へ移行済み。一部反発もあったというがその効果は確かだった。所属選手たちはケガが減るなどの効果を実感しつつ、長年さまよっていた5部リーグを卒業し、昨年見事に4部リーグへの昇格を勝ち取った。その徹底ぶりはサポーターに販売される食品にも及んだ。今では肉の代替品と呼ばれるクォーンや、きのこを材料に作られたパイなどがラインナップの主役である。これらビーガンメニューは好評で、売り上げは以前の4倍に伸びたという(参照元:Forest Green Rovers FC ①, ②, Daily Mail)。このようにチーム内外でビーガンの効果を実感しつつ、彼らは今日も戦っている。意外に高い、世界のアスリートの「ビーガン率」「英国4部って言ってもアマチュアだろ?」と思った方もいるかもしれないが、世界のトップアスリートにもビーガンは珍しくない。例えば、五輪4連覇を果たした陸上競技の金字塔カール・ルイス、ウルトラマラソン*1のレジェンドであるスコット・ジュレク、プロボクサーでマニー・パッキャオのライバルであったティモシー・ブラッドリーなど、枚挙にいとまがないのだ。さらにいえば、筋肉の塊みたいなボディビルダーにもビーガンは少なくない。(だが「この身体、ビーガン食でできてます」と言われて最初から信じる人はいないだろう)もはや現代のアスリートにとって、ビーガン食はポピュラーな選択肢の一つなのである。(*1)フルマラソン越えの極限レース。24時間走などの総称写真左:ティモシー・ブラッドリーPhoto by Ver en vivo En Directo“ゆるいビーガン”という選択肢もあります。ヨーロッパでは当たり前になりつつあるビーガン対応の食品表記や、レストランでのビーガンメニューの提供など、ビーガンへの理解度に関して遅れ気味の日本。ただ改善の動きも見られる。NPO法人ベジプロジェクトジャパンは、ビーガンの基準を満たした食品や料理を提供するレストランへの「ベジタリアン・ビーガン認証マーク」の提供や、京都大学をはじめとする各大学とのビーガン食連携事業など実践的な活動を行っている(参照元:Vege Project Japan)。また、個人ではじめられる活動もある。“ゆるいビーガン”という選択肢、「ミートフリーマンデー」だ。元ビートルズのポール・マッカートニーが提唱したこのムーブメントは、オノ・ヨーコなど数々の賛同者の助けも借りて、現在世界の約40カ国へ広がっている。その名の通り、「月曜日は肉をやめよう」というシンプルなこの試み。ビーガンへの理解や実践へのとっかかりにはもってこいだ。写真右:ポール・マッカートニーPhoto by Jimmy Baikovicius私たちが毎日何気なく行っている“食べる”という行為。身近であるがゆえに、何を食べているのか、どのようにして私たちの手元に届いているのか、無頓着になりがちだ。そこで、週に一度のゆるいビーガンを選択することで、定期的に地球環境や自身の健康について考える機会を作ってもいいのではないか。食生活の見直しから世界を考え、自己改革を促す。大げさに思えるだろうが、今回紹介したアスリートたちは、それぞれのきっかけから菜食へ舵を切ったことで、世界のトップランナーへ名乗りをあげた。実はあなたのきっかけも、すぐそこにあるのかもしれない。All photos by Forest Green Rovers Football ClubCover photo by kennysarmyText by Yuuki Honda ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!8店目:目指すは“サスティナブルなファストフード”。中目黒のファラフェルスタンド、Ballon。| フーディーなBi編集部オススメ『TOKYO GOOD FOOD』 フェアトレード、ダイレクトトレード、オーガニック、ベジタリアン、ビーガン、ゼロウェイスト、昆虫食、未来食…。東京の街に日々増えていく、お腹をただ満たすだけではない「思想の詰まっ...
2017年10月29日「“認知症の世界”を、仮想現実の中で“自分に起こった出来事”として疑似体験してもらいます。『あの人の行動は認知症だからしょうがないよね』という考えが、変わるかもしれませんよ」 そう話すのは、サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」などを運営するシルバーウッド代表の下河原忠道さん。認知症への正しい理解を広める「VR認知症プロジェクト」を全国で行っている。認知症の人や介護者の証言をもとに製作された5分程度のストーリーを、VR(バーチャル・リアリティ=仮想現実)の技術を使って体験するもの。’16年5月にスタートしてから、すでに7,000人以上が体験しているという。 さっそく、記者も試してみることにーー。最初のストーリーは立って体験するということで、椅子から立ち上がり、ゴーグル型のVR端末とヘッドホンを装着。視界が明るくなると、遠くにスカイツリーが見える。すぐ下では小さく車が走っているので、どうやら高いビルの屋上の端にいるよう。360度見渡すことができ、きょろきょろと確認していると、そばにいる人が笑顔で話しかけてくる。 「はい、足を出して降りてくださいね〜。一、二の、三!」 そう言われても、1歩でも踏み出せば落ちる!怖い!思わず後ずさりしつつ、とまどっていると舞台が暗転。ワゴン車の前にたたずんでいた。装置を外すと、下河原さんが解説してくれた。 「これは認知症の方がデイサービスの職員に送られてきて、ワゴン車から降りる感覚を再現したものです。認知症により空間認識がうまくできないと、地面まで15センチほどの段差でも、高層ビルの上にいるような恐怖を感じている可能性が。そこで『降りてください』と言われたら、どうですか?“どう見えて”いるか“だけでなく”どう感じているか“まで体験することで、認知症の方への理解や共感が深まるはずです」(下河原さん・以下同) 次は、記憶障害が強いアルツハイマー型認知症を疑似体験。VRの世界に入ると、そこは電車の中。でも、どの駅で降りればいいのかわからない……。ほかの乗客につられて降りた駅で「ここはどこですか?」と駅員に尋ねると「出口は向こうですよ」とにっこり笑って去ってしまう。オロオロしていると女性が声を掛けてきて、乗降口まで案内してくれると言う。全身から力が抜けるようにホッとしたところで終わるーー。 「若年性アルツハイマー症の方に見せると、『まさにこれは私の体験!』と叫びました。泣きながら駅員に助けを求めたことは1度や2度ではないそうです」 そして、最後に体験したのは、存在しないものが見えるというレビー小体型認知症の世界を再現したもの。友人宅に招かれるところからストーリーは始まる。リビングで会話をしていると、うずくまった男性や壁を向いて立つ男性が視界に入ってきて、おしゃべりの内容がまったく頭に入ってこない。さらに机にはヘビがうねり、出されたケーキにはたくさんの白い虫が蠢いていて……。恐ろしすぎて、叫びだしそうになった。 装置を外しても心臓のバクバクが止まらない記者に、下河原さんは優しく問いかける。 「認知症になったら“終わり”だと思っていませんか?その行動には必ず理由があります。どうしてそういう行動をとるのか。気持ちを想像できれば、偏見もなくなり、助け合える社会になるはずです」 記者の認知症の祖母も「家の中に男の人がいる!」と逃げ回ったことがあるが、こういう気持ちだったのかも……。今度からはもっと優しくしよう。そんなふうに思える認知症体験、皆さんもぜひ!
2017年09月20日ドイツ・ブンデスリーガ2部のウニオン・ベルリンに移籍したプロサッカー選手の内田篤人選手が出演する、サッカーゲーム「ストライカースピリッツ」のCMとWeb限定動画が、26日より放送される。内田にとって"初"のサッカーゲームのCMとなる。今回のCMとWeb限定動画は、実際に内田が「ストライカースピリッツ」をプレイし、感情を爆発させる様子をまとめたもの。動画では、内田が「視野広く」「いいよ、左サイド行こう!」「諦めるな!」などと、実際のサッカーさながらの発言を連発。時に爽やかに、時に悔しそうに、時にはにかんだような表情を見せる。途中、「くぁ~~~~っ」「立ち上がれ内田ぁ~」と倒れてしまうシーンもあるが、再び復活して見事ゴールを決め「エクセレント!」と喜びを爆発させる。また、内田が無邪気にプレイしたり、凛々しい表情で撮影に望んでいたりする様子を収録したメイキング動画も公開。撮影中の無邪気な姿に加えて、より一層、等身大の内田の様子を見ることができる。さらに、CM本編でも印象的な「あーっ!」と叫ぶ姿や、「ありがとうございます」と微笑む姿を別のアングルで楽しむことも可能。ユニフォームを着てのスチール撮影では、先程の無邪気な姿とは打って変わって凛々しい表情を見せる。なお、CMは8月26日~9月6日の期間、全国でオンエアされる。
2017年08月24日最近話題となっている「やり抜く力」というワードをご存知ですか?「やり抜く力」は、近年教育現場から子育て世代の間でも関心が高まっている非認知能力のひとつです。非認知能力とは、やり抜く力をはじめ、社交性や自尊心、思いやりといった、よりよい社会生活をおくるうえで重要な要素になる力のことです。これらを伸ばしておけば、将来社会に出たときによりよい人間関係を築き、仕事で活躍するうえでの土台となると言われています。では、「やり抜く力」をはじめとする非認知能力を伸ばすには、親としての心がけや環境づくりはどうしたらいいのでしょうか。長年幼児教育に携わっている、日本女子体育大学准教授の桐川敦子先生にお聞きしました。■日本女子体育大学 スポーツ健康学科幼児発達学専攻 准教授 桐川敦子先生日本女子体育大学准教授。児童学修士。幼児発達学専攻講師。保育現場で25年経験を積んだのち、現在は、保育士、幼稚園教諭の養成、現職保育者の研修講師などを中心に活動している。研究テーマは、子どもの遊びと援助方法、保育者養成など。著書に『保育園・幼稚園のわくわく運動遊び』(監修)(成美堂出版)など。非認知能力は、「子どもが幸せに生きる」ための土台ここ数年で、非認知能力という言葉をよく見聞きするようになりました。2020年の大学入試改革でも重視されるとの話がありますが、いったい非認知能力とはどんなものなのでしょうか。「非認知能力とは、知能指数(IQ)や学力、偏差値などのように、数字であらわせるものではありません。社交性や思いやり、自尊心、意欲や好奇心、意志の強さ、ものごとをやり抜く力といったさまざまな力を非認知能力と呼びます。非認知能力は、学校の勉強のように座学で習得できるものではなく、親や周囲の大人、お友だちなどとのコミュニケーションや、実体験のなかではぐくまれるものです。非認知能力が高い人は、周囲から好かれやすく、そして仕事などでも成功しやすい傾向にあることは、なんとなくイメージしやすいのではないでしょうか。非認知能力をはぐくむことは、ひいては子ども自身が“幸せに生きる”ための土台となる力につながるのです」(桐川先生)。すぐに結果をとあせらないで!「やり抜く力」を高めるために、親ができることいわば「人間力」とも言い換えられそうな非認知能力。また、非認知能力の中でも、何度失敗してもめげずに粘り強く取り組む「やりぬく力」は、社会的な成功につながりやすいとして注目されています。それを伸ばしてあげるには、親はどんなことを心がければよいのでしょう。「これまでの学校教育では、偏差値や学歴など、数値化できるものが結果として評価されてきました。そして、ママ・パパも経験しているとおり、社会に出ても結果を求められるシーンは多いですよね。だから、子育てでも、つい結果や正解を求めてしまいやすいものです。けれど、子どもの「やりぬく力」をはぐくむためには、結果を急がないことがとても大切です。子ども自らが手足を動かして、失敗して、考えて、工夫して。親や周囲の大人はその過程をじっくり見守り、寄り添い、ときに一緒に考えたりすることが、子どもの「やりぬく力」を養ううえでとても大切なんです」(桐川先生)。なにかを「やり抜く」経験の積み重ねが、自信、自己肯定感につながる「子どもが最も伸びるのが、自分からすすんでなにかに取り組んでいるときです。小さいうちはちょっと遊んではまたすぐ次の遊びにうつるのは、よくあることなので心配いりません。夢中になれることを探している最中かもしれませんので、そんなお子さんは、ゆっくりあせらず見守ってあげましょう。もし、夢中になれることがみつかっても、なかなか上達しない、失敗を繰り返すなどの壁にあたり、子も親もやきもきしてしまうことだってあると思います。でも、そんなときこそ「やりぬく力」を育むチャンスととらえてみましょう。どうすれば 問題を解決できるのか、子どもに寄り添いながら一緒に考えて、子どものやる気を引き出すような言葉をかけたり、小さな目標をいくつか設定するのもいいでしょう。ひとつのことをやり抜いて、できなかったことができるようになった! そんな喜びの体験は、子どもにとって大きな自信、自己肯定感につながりますし、達成の喜びを知ることは、さらなる向上心の芽生えにも結びつきます。そして、ゆくゆくなんらかの壁が立ちはだかったときにも、それを乗り越える力になりますよ」(桐川先生)。これからさまざまな人との出会いやできごとが待っている子どもたちにとって、「やりぬく力」を伸ばしておくことはあらゆる意味で「幸せに生きる」ことにつながるはずです。たくさんの可能性を秘めている幼少期だからこそ、「やり抜く力」というワードを意識しながら、我が子と向き合ってみてはいかがでしょう。幼少期からはじめたい! 「やり抜く力」を伸ばせる習いごととは?「やり抜く力」を育てるには、親の姿勢が大事なのはもちろん、やりぬく環境、やりぬかざるを得ない環境を与えてあげることも重要です。幼少期の「習いごと」は、そういった視点から選ぶのもおすすめします。例えば初めての習い事として人気のスイミングスクールも、取り組み続けるための工夫があるか、目標を設定してクリアする練習を習慣化できるかなどに注目してみましょう。できたことを具体的にほめる指導で、「やり抜く力」を鍛えることができる「イトマン スイミングスクール」では、泳ぎの技術を身につけることはもちろん、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する」を理念に掲げ、「心の教育」も重視した指導方針を取り入れています。その特長の一部をご紹介します。・スモールステップで「やり抜く力」が育つイトマンスイミングスクールでは、子どもひとりひとりのレベルに合わせた細かなクラス・階級を設定しています。2歳6カ月から始められる幼児クラスは水との親しみ具合に応じた4つのクラスを設定。4歳~中学生が対象のジュニアクラスでは初級~上級までの間を25級から1級にわけた3段階25進級制をとっています。たとえば初級では、水に慣れる、立ち飛び込みができる、浮き輪をつけて浮く…などの目標をクリアするごとに進級でき、16級のクロール・スイム(無呼吸)が達成できると中級に進めるといった、スモールステップのカリキュラムになっています。そのため、子どもでも目標がわかりやすく、またスモールステップの効果で達成感や向上心につながりやすい指導を行っています。・できるところからはじめるから「自主性」が育つ最初のうちは水が顔にかかるのがいやだったり、潜るのが怖かったりする子も少なくありません。そこで、まずは水と親しむ、水で楽しく遊ぶところからスタートします。無理強いはせず、プールに入るのが楽しくなる指導を丁寧に行うため、子どもの「やりたい!」「楽しい!」気持ちが育ち、自ら楽しんで取り組める自主性を身につけられます。・苦手をそのままにしない指導で「自信・向上心」が育つなかなか思うようにいかないときには、どうすれば上達できるのかを子どもと一緒に考えます。そして、繰り返し練習することで、苦手を克服し、できなかったことができるようになった成功体験を通して、子どもの自信、向上心につなげます。・ほめる指導で「自己肯定感」が育つちょっとした「できたこと」でも、具体的にほめる指導を実践しています。ほめることで子どもの自己肯定感をはぐくみ、それを重ねていくことでやり抜く力にもつなげます。・お友だち、コーチとの交流で「社交性」が育つ保育園や学校とは違うお友だちと関わり合うことで、社交性が身につきます。また、集団レッスンを通してルールやマナーも学べます。イトマンスイミングスクールでは、2歳6カ月~小学生(※)の子どもを対象に、2日間の無料体験教室を実施しています。受講者にはスイミングキャップとカードケースをプレゼント。また、入会すると入会金ゼロ円、水泳用品のプレゼントという受講特典も。からだはもちろん、こころの成長もはぐくむイトマンスイミングスクール。この夏は、無料体験教室に足を運んでみてはいかがでしょう。※一部校舎では4歳からの実施となります。◆詳細はこちら>> PR:イトマンスイミングスクール
2017年07月13日「まるで家族のよう」と選手もコーチも感じる仲良しでピースフルなサッカークラブがアメリカ、オレゴン州のポートランドに存在する。その名も「Portland Community Football Club(PCFC)」だ。そのクラブは“すべての人”に門戸を開いている。というのも、経済的に恵まれない家庭や子どもたちや、LGBTQの人たち、移民難民といった第二言語として英語を話す人たちなど、すべての人に「サッカーを教わる機会」と「フェアプレーの精神を知る機会」を提供しようとケイグ・ライター(Kaig Lightner)氏が創設したからだ。彼自身もトランスジェンダーで、この事実を彼自身はオープンにしているが、普段の練習で接している子どもたちにはまだ「彼がトランスジェンダーだ」ということを打ち明けていなかった。そこで彼は練習中にクラブの子どもたちに「僕はトランスジェンダーだ」と告白し、その動画をSNSにポスト。彼は自分自身が何者であるかを日々一緒に練習し、常に共にあると感じている子どもたちとも共有したいという思い、自分と同じ境遇にある人にも見てもらいたいという思いから今回の決断に至ったという。今回Be inspired!は、その動画の反響についてや、彼のサッカーに対する思い、PCFCの今後の目標や展望についてケイグ氏に伺った。※動画が見られない方はこちら「動画に対するみんなの反応はポジティブだったよ」自身がトランスジェンダーであるということをクラブの子どもたちにカミングアウトするという動画の中の子どもたちの反応もポジティブであり、この動画を見た人たちからもfacebookを通して非常に支持的なメッセージを多くもらったという。この動画を通して彼はスポーツのルールにおける、ダブルスタンダードについても指摘している。サッカーに限らずスポーツでは女子はどうプレーするか、男子はどうプレーするかという多くのルールがある。これはフェアではない。確かにスポーツはルールがなければプレーすることが出来ないがケイグ氏のように男子の心を持ちながら女子として育ち女子としてプレーさせられる環境に置かれてしまう人たちが窮屈な思いをしてしまうことは否定できない。「すべての子どもたちにサッカーの美しさを学んで欲しい」先述したようにPCFCが受け入れているのはLGBTQの人たちだけではなく、経済的に恵まれていない家庭の子どもたちも受け入れている。彼らはユニフォームやジャージ、すね当てなどのサッカー用具を無料で支給するなどしている。私たちはすべての子どもたちにサッカーを通して技術の向上はもちろん、チームスポーツの美しさを学んで欲しいんだ!そしてチームの一員であることによって信頼、コミュニケーション、責任といったことを通して彼らのコミュニティでリーダーになる機会を提供したい。現在はサッカーをする、スポーツをするといったことが“お金のかかる習い事”になってしまい、プレーする機会やサッカーを教わる機会が平等であると言えなくなってきている中、人の人格を形成する上でサッカーは大きな役割を果たすとケイグ氏は考えているのだ。私はこのクラブが家族やプレーヤーのコミュニティであり、質の高いサッカー教育が受けられサッカーや人生において向上できる場所でありたいんだ。LGBTQであるがゆえ、経済的に恵まれていないがゆえにサッカーが出来ない、やりずらい環境にある人たちが存在している現状において、サッカーにおける機会均等を実現するためにもPCFCのようなすべての人を受け入れるクラブがより多く設立され余計なことは考えず全力でプレーできる環境ができることが望まれる。そしてPCFCのホームページに書かれている「成功は偶然ではない。勤勉、忍耐、練習、研究、謙虚、そして何より愛情が必要である」というサッカーの神様ペレの言葉にあるように大きな愛情を胸にPCFCのクラブとしての成長、サッカー、スポーツにおける平等が実現されることを期待したい。***PCFCAll photos by PCFCText by Nozomi HasegawaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!着たい服が着れるのは「特権」。差別だらけのファッション業界に立ち向かう一人の若者。 雑誌やネットでお気に入りのブランドやスタイルをチェックして、休日にショッピングに出かけて服を買う…。そんな光景は日本の若者のありふれた日常のように思えるかもしれない。でも実...
2017年07月07日