時々登場する連載「海外スーパーマーケットチェック」。今回は、ライター田代がパリ中心部のセレブなスーパーマーケットに潜入してきました!はじめて訪れたスーパーで目にしたものは……?高級スーパーに行ってみた!潜入したのは、パリの大手高級スーパー『モノプリ』オペラ店。地下鉄PYRAMIDES駅のすぐ近くにあり、ルーヴル美術館からも歩いて行けるような場所にあります。こちらの店舗はけっこう大きくて、3フロアで展開。食料品だけでなく本や洋服、ランジェリー、雑貨なども並んでいます。フランスワインは高い?!まずは、ワイン売り場をチェック!さすがフランス、スーパーなのにすごい品ぞろえです。ワイン、ほとんど飲めないので自分では買わないのですが、ラベルのデザインを見るのが好きで、売り場があるとちょこちょこ覗きにいってます。このスーパーに並んでいるワインは、ラベルのデザインが上品。パッと見ると高そうな雰囲気なのですが、6ユーロ(約780円、※1ユーロ=約130円で計算)程度の商品もありました。けっこうリーズナブルです。ずるいぞフランス語!続いて、雑貨&食料品コーナーへ。フランスのスーパーに入って何より感激したのは、棚の美しさ。ワイン売り場もそうですが、歯磨き粉や調味料、はては卵に至るまで、どの売り場もなんだかおしゃれなんです。なぜ?私が考えた理由は2つ。1つ目は、デザインが優れているから。芸術の国なんで、きっと日用品のパッケージもアートな感じになってしまうのだと思います。2つ目は、フランス語が書いてあるから。卵のパックに「たまご」と書いてあるより「eggs」と書いてあるより、断然「oeufs」のほうがおしゃれに見えます!ずるいぞフランス語!達人のオススメを食べてみた!今回、渡欧前に、長くパリに住んでいた水彩画の先生に、スーパーのオススメ商品を教えてもらいました。紅茶やチョコレートなどいくつかあったのですが、一番「食べたい!」と思ったのが “マロンクリーム”。その先生のお話によると、フランスは栗が名産なのでマロングラッセなどのお菓子がけっこうあるとのこと。でも、それらは高いので、現地の人たちはスーパーにあるマロンクリームをよく食べているそうなんです。しかもその味が「病みつきになる」おいしさとのこと。これはぜひとも食べなければ!モノプリの地下食品売り場で探してみたら……、ありました!パリ暮らしの達人先生オススメのマロンクリーム “クレマン・フォジェ”。やはり、パッケージのデザインもステキです。このまま食べてもいいそうですが、“フロマージュブラン” と一緒に食べるとさらにおいしいとのこと。フロマージュブランとは “白いチーズ” という意味で、ヨーグルトやマスカルポーネの風味に近いようです。売り場を探してみると、チーズのコーナーにありました。これも購入して、いよいよホテルで試食です!フロマージュブランwithマロンクリームです!盛り付けと写真が下手なので見栄えはイマイチ。でも、そのお味は……おいしい!上品なレストランでいただくコースメニューのデザートに出てくるスイーツにありそうな味。マロンクリームの甘さとフロマージュブランのほどよい酸味の “マリアージュ” が絶妙な味を生み出しています。マロンクリームは小缶4個で3.96ユーロ(約514円)、フロマージュブランは4パックで2.36ユーロ(約307円)。単純に合計して4で割ったら1.58ユーロ。つまり約205円でこのおいしいスイーツが食べられるのです。あー、パリで暮らしたい!『モノプリ』ではほかにもオリジナルデザインのエコバッグなど、お土産に最適のプチプラ商品も置いてあります。パリにお出かけのときは、ぜひスーパーでお気に入りの一品&マロンクリームを探してみてくださいね!
2017年09月11日夏野菜の代表のひとつズッキーニ。色鮮やかな深い緑色に、煮ても焼いても揚げても美味しいという万能さは忙しいママの強い味方ですよね。今回は旬のズッキーニと赤パプリカを使った、見た目にも夏らしいあんかけレシピのご紹介です。揚げた春巻きの皮のパリパリとした食感がまたクセになること間違いなし。もちろん、ごはんにかけても相性抜群です。■ズッキーニのパリパリあんかけ調理時間 25分 1人分 229Kcalレシピ制作:mami daikoku<材料 4人分>ズッキーニ 1~2本赤パプリカ 1個鶏ひき肉 150g ショウガ汁 小さじ2春巻きの皮 10枚<合わせだし> だし汁(※) 400ml 酒 大さじ3 みりん 大さじ4 しょうゆ 大さじ3<水溶き片栗> 片栗粉 大さじ1 水 大さじ3サラダ油 大さじ1揚げ油 適量(※)だし汁の作り方はこちら↓をご参照ください。<下準備>・ズッキーニは両端を切り落とし、1cm角に切る。・赤パプリカはヘタと種を取り、ズッキーニの大きさに合わせて切る。・鶏ひき肉にショウガ汁をからめておく。・春巻きの皮は幅1cmに切る。・<水溶き片栗>の材料を混ぜ合わせる。・揚げ油を180℃に熱する。<作り方>1、180℃の揚げ油で春巻きの皮を色よく揚げ、油をきって器に盛る。2、鍋に<合わせだし>の材料を入れて強火にかけ、煮たったら少し火を弱めて鶏ひき肉を加え混ぜる。アクを取りながら鶏ひき肉の色が変わるまで煮て、<水溶き片栗>を加え、トロミがついたら火を止める。3、フライパンにサラダ油を中火で熱し、赤パプリカ、ズッキーニを炒める。焼き色がついたら(2)に加えて混ぜ、(1)の揚げた春巻きの皮の上にかける。水溶き片栗粉は火を入れすぎるとトロミが流れてしまうので、熱を加えすぎないようにしましょう。
2017年07月31日ここのところパリでは和食材をふんだんに使うレストランが増えています。メニューに「だし」「昆布」「ワカメ」「山椒」などと書かれてありびっくり。行きつけレストランのシェフに訊ねたところ「日本には行ったことがないが勉強した」とのこと。和食材がここまで浸透してきてるんだ、と驚かされます。彼が厨房をのぞかせてくれたのですが、日本語の書かれた段ボール箱が数個積んでありました。「和食材はフレンチにピッタリなんだよ。魚や肉のうま味を殺さないし、健康にもいいから大評判なんだ」と言うじゃありませんか。彼が作った和だしの中に浮かぶフォアグラは超絶品でした。焼きフォアグラをだしと一緒に食べる。懐石料理にありそうな一品でしたが、フォアグラの扱い方を心得ています。フレンチも進化しているなぁ、と思いました。固定観念がない分、大胆な使い方をします。こちらもいい勉強になりますね。さくらの花の塩漬けを白身魚と一緒に蒸した料理も、ちゃんとフレンチに仕上がっているのだから素晴らしい。これはうかうかしてられないと思いました。和食材が大活躍です。もっとも日本人もフレンチの食材を上手に使っているので、おあいこですね。 思えば、人生の4分の1もフランスで生きてしまいました。15年も暮らしていると食べ物にも詳しくなりますね。フランス人の家庭料理というのはとってもシンプルです。フランス人はいつも豪華なフルコース料理を食べていると思われがちですが、実は質素なもの。イタリア人は最初にピザを食べ、次にパスタを、最後にメインと時間をかけ贅沢な食べ方をします(笑)。フランス人の家庭料理は逆にシンプル。確かにクリームを使う料理は多いのですが、メイン一品とバゲットという感じでしょうか。あとワインとチーズですね。どこか日本の家庭料理に通じるものがあるなぁ、と思う今日このごろです。 さて、今日はそんなフレンチの王道。どこのビストロにもたいていある定番メニュー、鶏肉のブランケットをご紹介します。通常フランスでは子牛で作るのが主流ですけど、白肉であれば、チキンでも七面鳥でも、ときには羊でもOK。なんとなくクリームシチューに似ていますが、基本、生クリームは使いません。ブランケット・ドゥ・プーレ(子牛だとブランケット・ドゥ・ボー)ですね。 材料:鶏もも肉500g、にんじん2本、玉ねぎ1個、丁子2個、小玉ねぎ10個(なければ玉ねぎ1個をカット)、マッシュルーム250g、ブーケガルニ適量、小麦粉30g、卵黄1個、牛乳大さじ4、バター30g、塩・こしょう適量、レモン汁2分の1個分。 まず、鶏もも肉を切り分け、鍋に入れ、ひたひたになるまで水を注ぎ沸騰させます。アクを取り除き、輪切りにしたにんじん、丁子を2本刺した玉ねぎ(皮をむいた玉ねぎに丁子をずぼんと突き刺します)、ブーケガルニ、塩大さじ半分を加え、1時間ほど煮込みます。その間に軽く洗って石づきを取り2つに切ったマッシュルームと小玉ねぎをバター(分量外)で炒めます。丁子を刺した玉ねぎとブーケガルニを取り出し、炒めたマッシュルームと玉ねぎを鍋に加え、15分ほど煮たら具を全て取り出し煮汁だけにします。ボウルに溶かしバター、煮汁大さじ4、牛乳、卵黄を混ぜ合わせ、水で溶いた小麦粉も合わせてルーのもとを作ります。それをフツフツと沸騰する煮汁の中に一気に加え、泡立て器でよく混ぜ合わせます。具を鍋に戻し、少しなじませたらレモン汁を加え、最後に塩・こしょうで味を調えて完成です。 付け合わせにはバターライスやタリアテッレなどが合いますよ。これ、フランスの家庭料理の定番です。間違いないおいしさですから、一度お試しください。詳しくは手順の写真付きのウェブ版でご確認を! ボナペティ。 本誌連載の料理をえりすぐったレシピ本『パリのムスコめし世界一小さな家族のための』も絶賛発売中です!
2017年04月25日今年のホワイトデー、何を贈るかもう決まりましたか?パティスリー・サダハル・アオキ・パリでは、「2017 ホワイトデー」と題したオリジナル商品を展開しています。パリ直輸入、高級感あふれるマカロンを贈れば、喜ばれること間違いなし。「2017 ホワイトデー」のラインナップを紹介します。「C.C.C.」3年連続最高位!パティスリー・サダハル・アオキ・パリとはパティスリー・サダハル・アオキ・パリは、青木定治氏がシェフパティシエを務める本格派パティスリー。素材を厳選し、テクニックによってその美味しさを際立たせるのが青木氏の製菓です。2016年にパリで開催された品評会「C.C.C.」(クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ)では、3年連続で最高位「LES INCONTOURNABLES」にかがやきました。これは日本人でただ1人の快挙です。「2017 ホワイトデー」には、そんな青木氏の自信作がそろっています。「2017 ホワイトデー」の詳細はこちら!●「マカロン」2,150円(6個入)、4,200円(12個入)パティスリー・サダハル・アオキ・パリといえば、マカロンです。青木氏はパリで3年間にわたってマカロンを食べ歩き、研究を重ねました。独自の配合比と製法から生まれるマカロンは、豊富にフレーバーがそろっています。ふだん店頭では販売されていないフレーバーも期間限定で登場しますよ。●「ショコロン」3,780円(6個入)カラフルな「ショコロン」は、イタリア製ドモーリ社の濃密なショコラでマカロンをコーティングしたもの。ショコラの原料を使い分けることで、シトロンやフランボワーズといったフレーバーを表現しています。●「ノートル セレクション」1,080円(2個入)ハート型ショコラが目を引く、2017年の新作です。マッチャプラリネには愛知県南山園の抹茶、ハート型ショコラには希少なクリオロ種カカオを使用。2個入りでちょっとしたギフトにもピッタリです。●「AOKI 2017」3,348円(6個入)2016年度の「C.C.C.」に出品したミルティーユ・バンブー・ワサビ・ヴァランシアの4種すべてが、この1箱で味わえます。ガナッシュの口どけ、ピーナッツの香ばしさを堪能しましょう。2017年の新作アソートです。●「ボンボン ショコラ」1,566円(3個入)、2,754円(6個入)、3,996円(9個入)、5,346円(12個入)口どけのよいガナッシュを使った「ボンボンショコラ」は、青木氏の代表作。黒ゴマ、ワサビ、柚子など和の素材を巧みに取り込んでいます。どのフレーバーから食べるか迷うのも楽しいですね。●「ミニ タブレット ゼン」2,376円(9枚入)ミニタブレットは、パリの「サロン・デュ・ショコラ」でも好評だった1品です。フレーバーは愛知県南山園の抹茶、ほうじ茶、玄米茶。奥行きのある和のフレーバーです。●「ミニ タブレット ヴォワイヤージュ」2,376円(9枚入)カカオの産地による味わいの違いを感じられます。エクアドルやマダガスカル産のカカオを堪能してください。●「サブレ ショック ショコラ」2,160円(4枚入)サブレのほろほろ食感、ショコラのなめらかな口どけを1度に楽しめます。フランス産エレシバターを使ったサブレをマイルドなショコラオレでコーティング。香り豊かで贅沢な組み合せに、思わずうっとりします。ご紹介した商品は国内すべての店舗で購入できるほか、公式サイト内のオンラインショッピングでも購入可能です。ぜひチェックしてくださいね。■パティスリー・サダハル・アオキ・パリ 公式サイト■パティスリー・サダハル・アオキ・パリ 公式オンラインショッピングサイト
2017年03月10日Paris Fashion Weekは世界中からファッション業界人が集うおしゃれ激戦期間。オンタイムのトレンドを探る絶好のチャンスでもあります。全10日間の会場スナップで見つけ出した今すぐ取り入れたいトレンドをご紹介!Part1.小物編、Part2.洋服編①に続き、今回も洋服にクローズアップ。10日間見てきて毎日のように見かけた絶対的トレンドアイテムを発表!トレンドを自分らしく自由に楽しむ参考にしてみて!デニムは切らないと始まらないおそらくメイントレンドと言ってもいいのが切りっぱなしデニム!特に「VETEMENTS」の前後で長さが違うリメイクデニムが大量発生。とにかくキーワードは「切りっぱなし」。思い切って今持っているデニムを自分でカットオフ!ストレートで癖ありカットの細身デニムを少し短めで履くのが良いバランス。切りっぱなしで裾の境界線が少しぼやっとするので、ヒールでもフラットシューズでも相性良し。犬に絡まれないかだけが心配?ワイドでストレートですっきり見せるのもいいけど、ちょっぴり脱力しているのも今の気分らしい。重ったるくならないように華奢なヒールでスタイルアップするのがポイント。ボリューミーにフリンジをバサバサと揺らしながらさもギャングのように...とまではいかないけども、存在感抜群なボリューミーなタイプ。ショートブーツと合わせてまるでブーツの装飾のように見せるのも一つの技。タイツで勝負網タイツ旋風、パリに到来。ザ・トレンドというほどではないものの、お!っと目をひくおしゃれスターの足元はNOT素肌NOT靴下!ちょっぴり上級者のコーディネートだけれど、暖かくなってきたしチャレンジしたい。黒でまとめるとちょっと妖艶になってしまうので、インパクトシューズと合わせるのがポイント!袖はゆるっとだらっと手先まで完全に覆うほど長い袖をまくらずだらりと垂らす着こなしが流行中。スリットが入ったタイプのものなら動きやすく生活に支障なし?ガツンと攻めたいレディは、細身アウターから花の如くボリューミーな袖を咲かせましょう。萌え袖なんてもってのほか。自由な着こなしを突き進むなら、垂らすべし。3回にわたってお届けしたパリコレトレンドシリーズ!世界中から集ったファッション業界人の敏感なアンテナで構築されたスタイルに、「自由な女」になるキーワードが隠されていたはず。気に入ったものは取り入れて、ま、いいかなというものは参考程度に。今日もファッションを自由に楽しみましょう!Photo,Text : Azu Satoh
2017年03月04日Paris Fashion Weekは世界中からファッション業界人が集うおしゃれ激戦期間。オンタイムのトレンドを探る絶好のチャンスでもあります。全10日間の会場スナップで見つけ出した今すぐ取り入れたいトレンドをご紹介!Part1.小物編に続き、今回は洋服にクローズアップ。トレンドを自分らしく自由に楽しむ参考にしてみて!愛をまとって、ピンク全身でもさし色でもとしかく目に付いたのがピンク!物騒なことや悲しいことが続く世界で、ファッションが訴えたいものは今、きっと「愛」なんでしょう。アウターでピンクどどんと主役級に持ってくると今っぽい!ペールトーンでもブライトピンクでも、ファーでもウールのコートでも、思い切ってピンクを取り入れてみて。デニムやブラックアイテムとあわせてクールダウンさせたり、同トーンのさし色で遊ばせるのがラブリーになりすぎないポイント。小物でピンク全身はチョット...という方も多いはず。それでもピンクは欠かせない!そんな時はお目立ち小物でピンクを主張。LOEWEのゾウさんバッグ、BAOBAO ISSEY MIYAKEのメタリックピンクがベストピンク小物賞!ヘアまでピンク彗星の如く現れ瞬く間にItモデルとなったフェルナンダ・リーの影響か、髪の毛をピンクに染めるレディが続出!毛先だけピンクにする人もいれば、全頭ピンクにする人も。髪の毛が強烈な分、ファッションは黒が多め。と思いきや、ピンクのライダースで決めている彼女が素敵!プリーツ、プリーズ!メタリックで魅せる時間に追われることも多いファッションウィーク。ショー開始時間に遅れまいと走り抜けるファッショニスタたちがヒラヒラとプリーツスカートを揺らしていたのが印象的。そこに加わるのはこれまたギラギラメタリック。同系色のアイテムやディテールで統一感を出すと派手めでもバランスが取れるはず。ロングコートの下からチラリと覗かせるレイヤードは明日にでも挑戦したい!ひとひねりプリーツの醍醐味と言えば、ひらりと生地を揺らす優雅な動き。風になびき、歩くたびに表情が変わるので動きを加えたときが一番美しい。黒のラインが入った細かなプリーツは立体的にも見える細かな不思議な柄を作り出し、よりプリーツの良さを引き立てています。アシンメトリースカートをなびかせて、プリーツを主張!小物に続いてトレンドが見えてきた洋服の流れ。ピンクかプリーツか、明日はどちらかチャレンジしてみる?次回は洋服編パート2!Photo,Text : Azu Satoh
2017年03月04日シャネル(CHANEL)の2016-17年メティエダールコレクション パリ コスモポライトが、フランスのオテル・リッツ・パリで発表された。オテル・リッツ・パリはガブリエル シャネルにもゆかりの深い地。カール ラガーフェルド自身も「極めて国際的な場所」と絶賛するこのホテルは、古くから様々な国の顧客が集うことで知られている。ショー当日、ロビーやバー、サロンを行き交ったのはリリー=ローズ デップ、アリス デラル、カーラ デルヴィーニュ、そしてファレル ウィリアムスら錚々たるセレブたちだ。“かつてリッツで食事をする女性達が着ていたようなドレス”が、今シーズンの中でカール ラガーフェルドの表現したかったイブニングスタイルだ。シャネルスーツは滑らかな曲線を描き、ゴールドとホワイトの絶妙なバランスで序盤を彩る。ブランドのアイコンであるジャケットもグラスパールやツイード製のバラを象ったブレイドがあしらわれ、女性らしいスタイルを築く。散りばめられた煌めきは驚くほど繊細で、ウエストマークのエレガントなシルエットに軽快と重厚、古典的と革新的といった対極にあるものを一挙に感じさせる。2017年春夏コレクションに引き続き登場した新しいアイコンであるハンドバッグ「ガブリエル ドゥ シャネル」は、メタリックゴールドのレザーや赤いツイード素材で。もうひとつのアイコン「2.55」は、まるでリッツの椅子に張られたテキスタイルのような刺繍が施されている。
2017年03月02日パリ歓楽街のスタイリッシュホテルピガール & ポワッソニエール(Pigalle & Poissonnière)地区かつて風俗街として知られていたピガール地区ですが、近頃はセックスショップに代わって、雰囲気あるカクテルバーが増えてきているほか、世界料理のレストランが次々にオープン。新たなる形で注目度を高めています。オープンしたばかりの「LE PIGALLE PARIS(ル・ピガール・パリ)」は、多様な文化が交差するモンマルトル南部らしい、生粋の地域型ホテル。アーティストやデザイナーをはじめ、このエリアで生活する多様な面々が携わり、客室インテリアはちょっとスキャンダラス。地階の公共スペースは常に賑わっていて、ポールダンスに必要な道具はすべて揃っているという、ユニークなホテルです。スポット情報スポット名:LE PIGALLE PARIS住所:9, rue Frochot, Paris, France9th Arr. (Opéra Garnier/Pigalle)電話番号:03-5772-6284客室それぞれにデザイナーのこだわりがサンティエ & ポルト・サンマルタン(Sentier & Porte Saint-Martin)地区ボンヌ・ヌーヴェル、サンティエ、ストラスブール=サンドニ……。高級感あるシャンゼリゼや、ボヘミアン・シックなサンジェルマンしか知らない観光客にとっては、行ってはいけない地下鉄駅のように思えるかもしれないけれど、すっかりパリの街に溶け込んだ、新たな定番ホテルがここに。リトル・エジプトとして知られるこの近辺。そこで以前、織物工場として使われていた建物を改造して出来たのが「HÔTEL EDGAR(オテル・エドガー)」。ユニークな芸術性を見せつつもシックなこのホテルを完成させるにあたって、オーナーは、デザイナーやディレクター、アーティストといった友達の輪に頼ったのだそう。地階にはシーフードに重点を置いた高級ビストロを用意。テラス席はいつ訪れてもビューティフルな若者でいっぱいです。スポット情報スポット名:HÔTEL EDGAR(オテル・エドガー)住所:31 rue d'Alexandrie, Paris, France2nd Arr. (La Bourse)電話番号:03-5772-6284ナイトクラブを一流ホテルに改装!ル・マレ & ボブール(Le Marais & Beaubourg)地区お洒落なビストロやブーランジェリー、コンセプトショップに並び、近頃マレ地区には素敵なデザイナーズホテルもたくさん集まっています。やっぱり買い物を思い切り楽しむには必要不可欠。パリ市内でも、特に絵になるこの界隈を単純に歩いて楽しむにもやっぱり便利です。1885年以降、浴場として利用されていた建物を使った「LES BAINS PARIS(レ バン パリ)」。1980年代からは、アンディ・ウォーホル、イヴ・サンローラン、カール・ラガーフェルドやケイト・モスといったセレブも訪れる人気ナイトクラブとして栄えた、歴史あるスポット。2010年、遂にクラブとしての幕は閉じ、大型改装を経て今日は、高級デザイナーズホテルとして新たな一章を綴り始めています。スポット情報スポット名:LES BAINS PARIS(レ バン パリ)住所:7 Rue du Bourg-l'Abbé, Paris, France3rd Arr. (Le Marais)電話番号:03-5772-6284まるでニューヨークのモダンアート!サンマルタン運河 & レピュブリック(Canal Saint-Martin & République)地区若いエネルギーで溢れるこのエリア。今日はこの街の人々の命と願い、自由と団結力を象徴する場所ともなりました。ゆっくりと流れる運河は相変わらず、テラス席で味わうアルフレスコ・カクテルや、アート展オープニングへ訪れる人を見守っています。オベルカンフの「HÔTEL FABRIC PARIS(ファブリック)」は、典型的なニューヨークのホテルをヒントにした、パリのホテルにしてはちょっと珍しい一軒。巨大なオスマン様式の建物はあえてパス。このエリアの独特な工業地帯としての歴史を汲んで、織物工場を丁寧に改築して完成しました。赤レンガはこのホテルのプライドです。スポット情報スポット名:HÔTEL FABRIC PARIS住所:31 rue de la Folie Méricourt, Paris, France11th Arr. (Opéra Bastille)電話番号:03-5772-6284シンプルシックな無駄のないデザインが心地よい左岸(Rive Gauche)地区さて、セーヌ川向かいの左岸も忘れてはいけません。右岸ほどの勢いではないものの、カルティエ・ラタンの中心地から、新しく13区に登場したビジネス街、ZACパリ・リヴゴーシュなど、もう少し外れの辺りまで、エリア開発と共に、こちら側にも着実に素敵なホテルは増えています。これから注目度が高まりそうなプラス・ディタリー付近にオープンしたばかりのこのデザイナーズホテル「HÔTEL C.O.Q(C.O.Q ホテル)」。デルフィーヌ・ソーヴァジェ(Delphine Sauvaget)とポーリーヌ・ドゥープ(Pauline d’Hoop)から成るデザイナーデュオ、Agence Favoriteが手がけたインテリアは、とっても新鮮。アメリカのベッド&ブレックファースト的な、シックで居心地良く、寒い季節でもホッと温まりそうな空間が迎えてくれます。スポット情報スポット名:C.O.Q HOTEL PARIS(C.O.Q ホテル)住所:15 rue Edouard Manet, Paris, France13th Arr. (Gare D'Austerlitz)電話番号:03-5772-6284
2017年02月16日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。お久しぶりの気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第22回目になりました。前回はコレクションシステムの変化の話。今回は先日行われたパリコレ取材の1日をご紹介!山あり、谷あり、涙ありのパリコレ追っかけ日記をお届けします。9月27日から10月5日まで開催されたParis Fashion Week 2017SSでは来年の春夏のトレンドを左右するコレクションが次々と発表されました。主要ブランドはみなさんチェック済みですか?私は会場外をひたすら巡っていたのでちっとも確認していません笑前回3月に行われたパリコレでは、主にランウェイ外の会場で見かけたリアルトレンドを小物編、服編1、服編2でお届けしました。これが結構人気でして、じゃあぜひこの9月も!ということでクラウドファンディングの力をお借りしてパリへと飛び立ったわけです。今回も主に会場外スナップを行っていたのですが、いくつかのブランドではショーを見させていただき、展示会にもいかせていただきました。その様子は主にROBEツイッター(@robetokyo)、インスタグラム(@robetokyo #ROBEパリコレ隊 )にて公開しているのでご覧くださいませ〜!朝は10時のショーからパリコレの朝は早い。9日間ぶっ通しで朝の10時から遅い時は夜の21時まで、1時間刻みでショーが開催されています。これは開始時間なのですが、交通渋滞やスナップ合戦でゲストが揃わないことがよく(というか100%)あるので、基本的にショーは10分から長い時は40分ほど遅れることも。私たちスナップ隊は来場者のスナップを撮ることが目的なので開始時間の30分前には会場に到着しなければいけません。宿泊先から会場までの移動時間は大体20分前後、もろもろの準備を考えたら毎朝8時には起きる必要があります。(あれ、普通?)それでも毎日元気にGO!スナップ隊が休める時間はショー中のせいぜい15分だけなので、一息つけるのは少しの間のみ。ショーが終われば会場から一斉に出てくるゲストを見逃さないようにまた全身を使って写真を撮りに走るのです。しかしここで粘って会場に残っても次の会場に間に合わなくなるだけなので、いい頃合いを見計らってまたメトロで移動。これが大変足にきます。パリのメトロにはバリアフリーという概念はないので、とにかく階段の上り下りが激しい。一日7、8会場、9日間続けていると嫌でも太ももがたくましくなります。ショーはSNS勝負ランウェイ外ばかりにいるわけではありません。いくつかのブランドのショーを拝見させていただいたりもします。ROBEではまだまだ撮影などを沢山できるわけではないので(やりたい!ご一緒してくださる方募集!)ショーを見てSNSで発信することしかできませんが、それでも可能性を感じてご招待してくださるブランド様には感謝しかありません。なので個人のSNSでも発信しまくっています。ショーのゲストは世界中からやってきたバイヤーや編集者、スタイリストやインフルエンサーなど。もちろん座席数が限られているので、見たいと思ってもすべてのショーが見られるわけではありません。今回お邪魔させていただいたのは前回に引き続き日本のブランドANREALAGE、注目の若手WANDA NYLON、パリジェンヌといえばのagnès b.などでした。ファッションショーのレポートの方法は媒体によってそれぞれ工夫していると思いますが、個人的にはインスタグラムの新機能であるストーリー機能が良いかなと思っています。サクッと撮ってパパッと投稿、慣れればワンルックごとに動画を投稿できるので視聴者もストレスなくルックを見ることができます。前回の記事でも例としてあげたように、Eva Chenなどデジタルに強い発信者の投稿を追っていれば、どんなに忙しいファッションウィークでもキールックをサラッと確認することができるので、いちいちVOGUE RUNWAYを見て確認する必要はありません。Snapchatと同じ様に24時間で消えてしまうのですが自分で投稿した動画は保存できるので、あげたら即保存、編集して通常投稿もできます。来週のAmazon Fashion Week Tokyoでは私もEva並みに投稿できるよう挑戦してみますので、ぜひインスタグラムのフォローお願いします!→@robetokyo鮮やかなカラーパレット鮮明なプリントと。ストレートなシルエットが洗練されたパリジェンヌスタイルを作り出してます。パジャマシャツにロングガウンの組み合わせ気になります❤️ストーリーでも動画配信中☝️ #agnesbfashionshow #agnesb #アニエスベー #ファッションショー #fashionshow #defile #runway #pfw #pfw17ss #pfw2017 #parisfashionweek #パリコレ #ROBEパリコレ隊 #robetokyo #robe #越境レディ #fashion #mode #tokyoROBEさん(@robetokyo)が投稿した写真 - 2016 10月 4 4:08午前 PDT初めての展示会へ!ショーが終わるとすぐ翌日から展示会(海外ではReSeeと呼ばれます)がスタート。ショーでは見せきれなかったアイテムやコマーシャルライン(ショー映えのする服ではなく、実際に店頭に並ぶ着やすいもの)や見えづらかったアクセサリーなどもたっぷりと手にとって見ることができます。日本では展示会はよく行くのですが(それでも新しいブランドに行く時はど緊張します)パリコレ期間中に展示会に行くのは初めてでした。恐る恐る向かったのは、日本でも大人気のACNE STUDIOSのショールーム。ショーが終わってすでに数日経って来場客も落ち着いたそうで、さっきまでの緊張が一気にゆるむほど落ち着いた空間でした。じっくりと最新コレクションやブランドの話を聞き、どういう風にこの服を着ようか、伝えようか、と妄想を膨らましていきます。右側に並ぶのがショーで披露した春夏のコンセプトがつまった服たち。現代のネット社会にもはや国境なんて存在しない。国境を越えてそれぞれの文化を尊重しよう、という大きなメッセージが軽やかに表現されたコレクションでした。スカーフが繋ぎ合わされたワンピースやトライバルな柄のポンチョ、和装を思わせるデニムのアウターなど、一つのコレクションに多様な要素が盛り込まれています。毎コレクションテーマに合わせて作るという花瓶などの小物やオーガニックのケータリングなど、元はクリエイティブ集団として発足したACNEというブランドの世界観を空間全てを使って表現していました。隣で海外バイヤーさんが真剣に選んでいる横で、春夏の個人的買い物リストを考えていたことはここだけの秘密です。ショールームは光が差し込むモダンな空間。毎シーズンテーマに合わせて作るというこだわりの小物、そしてオーガニックのケータリングも見所なんだとか。 拘りとホスピタリティに感動???? #acnestudios #acne #resee #pfw #pfw17ss #pfw2017 #parisfashionweek #パリコレ #ROBEパリコレ隊 #robetokyo #robe #越境レディ #fashion #mode #tokyoROBEさん(@robetokyo)が投稿した写真 - 2016 10月 4 10:30午後 PDT癒しはワン!朝から晩まで、パリ中を行ったり来たりしてクタクタの私を癒してくれたのは、パリのあまーいスイーツと美味しいカクテル、そしてパリのワンちゃん達!CHANELの会場に同伴していたセレブ犬からムッシュとSHIBA犬、パパラッチ隊にひっついて回るフレンチりぼんのわんちゃんまで、見かければついついパシャり。動物達はいつだって癒しですね。気づけば9日間の総歩行距離は100km以上。フルマラソン2回分歩いたと考えたら鳥肌が立ちました。それでも歩いて回った分、素敵な出会いが必ずあるのがパリコレという世界。これからスナップトレンドなど配信していくので9日間の成果をお楽しみに!Text : Azu Satoh
2017年01月26日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第21回目になりました。前回は夏に巡った島々で感じた思い出の捉え方の話。今回はちょっぴり続き、そして時事ネタ、ファッション業界を騒がすランウェイシステムの進化系 See now, Buy now について考えます。 150年で変わらなかったファッションショーファッションショーって、そもそも何の為に行われているのでしょうか。よっぽどのファッション好き以外その実態をあまり知らないのが本音だと思います。パリコレ(パリコレって何?はこちら)のように、大人数のプレスやバイヤー、インフルエンサーを前にしてモデルが長いランウェイを歩く形式ではなく、かつては顧客や重要なプレスなど限られた関係者のみに見せるこじんまりとした新作発表会でした。ファッションショーは19世紀半ば、オートクチュールのシステムと同時に誕生したと言われています。それから約150年。次の季節に売る服をモデルに着せてバイヤー、プレス、顧客などに発表するというファッションショーのシステムはほぼ変わらず今に至りました。そしてみなさんご存知の通り、ここ数年でブランド・消費者ともにSNSの利用が広まったことで、ショーの様子は世界中リアルタイムで見ることができます。InstagramやSnapchatで有名エディター・インフルエンサーをフォローしておけば彼女たちの目線でPickした最新ルックを見ることができるし、ブランドによっては生中継も行っているので誰でもフロントロウ目線になれる時代。例えばInstagramファッション部門のトップであり、元ファッション誌編集者であるEva Chen(Instagram @evachen212 )のタイムラインを追っておけばとりあえず必要な情報は拾えるでしょう。8月に登場したばかりのInstagramの新機能「ストーリー」を見事に使いこなしていて、一体何本腕があるの?というほどの大量高速ポストは必見。PFW14AWの会場にて。小汚い娘にも笑顔でピースしてくれていつもニコニコのEvaは一児の母でもあり大尊敬する存在。そして美脚。See now, Buy nowとはさて、話をシステムの変革へ戻しましょう。数シーズン前から約150年間続いてきたファッションショーのシステムに変化が起こっています。「See now, Buy now」と呼ばれる新たなシステムは、その文字通りショーで今見た商品をすぐ買うことができるシステム。例えば今までだと9月に発表された春夏の服はだいたい5か月から半年ほど待たないと店頭に並ばなかったのですが、See now, Buy nowでは1週間ほど、早ければその日に買うことができるという、ファッション業界の常識を覆す衝撃的なシステムなのです。つまり、9月に発表するのはすぐ着ることができる秋冬モノということ。今月開幕した2017年春夏ニューヨークコレクションではパリやミラノ、ロンドンなどの他のファッションウィーク都市に先駆けてSee now, Buy nowを導入するブランドが目立っています。通常2017年春夏コレクションを発表するのですがTom FordやTommy Hilfiger、Ralph Laurenなどは今すぐ着られる2016年秋冬コレクションを発表。先シーズン、一足先にSee now, Buy now形式のショーを行いECと店舗で過去最高の売り上げを立てたRebecca Minkoffではお店の前の道路をランウェイにし、見たルックの大半をそのままお店で買うことができました。unforgettable. thank you everyone for your support #myRM #RunwaytoRetailRebecca Minkoffさん(@rebeccaminkoff)が投稿した写真 - 2016 9月 10 6:02午後 PDTこうしたSee now, Buy nowの対象は主にブランド顧客。Rebecca Minkoffのショー会場にもファンが駆けつけ、撮影しようと手を伸ばしてスマホをかざす様子が公式アカウント(@rebeccaminkoff )に投稿されていました。写真からでも伝わってくる熱気!ここで、もしあなたがブランドのファンで現場にいたらどう思うでしょうか?「可愛い!あれ、欲しい!」と直感的に感じるアイテムが幾つかあるはずです。そしてショー後に目と鼻の先のお店へ直行。その場で見た感動と興奮は購買意欲に変換されますが、続くのはほんの一瞬なので、その瞬間を逃さず販売につなげることができるのがSee now, Buy nowの最大の特徴なのです。#streetsquad on point, shop these looks online and in stores now #myRM #RunwaytoRetail ????Rebecca Minkoffさん(@rebeccaminkoff)が投稿した写真 - 2016 9月 12 6:03午後 PDTネット上でショーを見ていた人が「欲しい!!」と思ったらどうするか。答えの一つはInstagramの中にあります。例えばこの投稿の左のルックのバッグが可愛いと思ったら、プロフィールに貼ってあるリンクを踏みます。するとInstagramに投稿されたルックやアイテム写真が並ぶ画面に飛び、タップするとそのままECへジャンプ!お店にすぐ行けなくてもInstagram経由で今見たアイテムを買うことができるのです。その手順はたったの3タップ。待つ時間も大切。それはなぜ?ここまで便利に物が買えてしまう世の中になるとは、150年前は誰が想像したでしょうか。顧客一人一人の要望を聞き採寸縫製を行っていた時代から3タップで最新のコレクションが買える時代になったのです。便利、画期的だな、ともちろん思います。欲しいと思ったものがすぐ手に入るんだから嬉しくないわけがない。私だってファッションショーに招いていただいて生で洋服を見た後は欲しくて欲しくてたまらなくて、あれと合わせよう、こう着ようって妄想ばかりしてますから。この妄想がファッションにおいて大事なのではないでしょうか。半年間待って、欲しかった憧れのものとうとう再会する瞬間。前回のケセラセラの文末でも語ったように、薄れていく記憶から溢れてくる曖昧な記憶こそ、ファッションをよりワクワクさせるトリックなのではないかなと思うのです。現像するまでちゃんと写ってるかわからない。この間の写真を待つドキドキって、ファッションショーで服を見てから実際に袖を通すまでの半年間待つ感覚にちょっと似ているような。鮮明だった記憶がどんどん曖昧になって「あれ、こんな形だったっけ?」「こんな色してたっけ」「やっぱり素敵だなぁ」と、どんどん低くなっていく思い出の解像度が、実物を見た瞬間にふわっと一定値まで戻るあの瞬間。そこには写ルンですには写しきれなかった思い出がじんわりと浮かんでくるような気がするんです。だから、どんなに便利でも、効率が良くても、次の季節まで待つ楽しみ、想像の余白を残す仕掛けを失ってしまっては寂しい。ファッションシステムは変わるべき時期に突入しているのだろうけど、ファンタジーとリアリティの狭間で消費しつくされるだけではない在り方を見つけていけたら良いのかなと思います。ファッションは永遠にファンタジー派。Text. Azu Satoh
2017年01月17日半年に一度、ファッションに燃える一週間がやってきた!9月27日〜10月5日の9日間で開催されたパリコレクション。会場で目撃した2016年秋冬のリアルトレンドをスナップでご紹介!第一弾のトレンドアイテム編に続き、第二弾はトレンドディテール編その1。ストリートで観測されたリアルトレンドを自分らしく取り入れてみて!ウエストマークでメリハリレディベルト使い、怠ってません?アクセサリーまでこだわれば越境レディへの道が拓けるはず。太めでパンチがっつり太いベルトでウエストマークすればインパクトのあるルックがあっという間に完成。アウターの上から重ねて去年のコートもちょっぴり味付け!ベルトもくるりんぱおしゃれ上級者はベルトであろうが普通にはつけません。長めに垂れた先でくるりと輪っかを作って即席アレンジ!黄色か緑が大正解ストリートに溢れたのはこの二色!取り入れるならワンポイントではなくがっつりトップス、ボトムスで纏うのがおすすめ!幸せの黄色秋といえばこっくり色?いいえ、今は明るい黄色の気分!薄いデニムやシルバー、白シャツなど淡い色や無彩色と合わせて黄色のパンチを楽しんで!おとな緑緑の幅は広い。取り入れやすい濃い緑からチャレンジャーな明るい緑まで、大人のトレンドカラーはこれ!透け感がある素材も緑ならいやらしくなくモードに着こなせる。どこにだって丸バックル服のディテール、カバンの取っ手、靴の飾りまで、とにかく丸バックルがあれば安心安全。簡単にDIYも可能だから、 今ある小物を変身させてみる?トレンドアイテムをチェックしたら、自分らしく着こなすにはどう取り入れるか、ワードローブとにらめっこ。明日は浮かんだアイデアをベースにおしゃれを楽しみましょう!次回はトレンドディテール編その2!Photo & Text : Azu Satoh
2017年01月03日2016年2月1日に産声をあげてから早10ヶ月。日頃からROBEをご愛読いただきありがとうございます。今日初めてお目にかかった皆様、はじめまして、ファッションを自由に楽しむ “越境レディ” のためのメディアROBEです!2016年もとうとう最終日。最後はゆるりと、今年更新した記事をランキング形式で振り返っていきましょう!第5位 香港に行くなら必読!『香港で見たファッション。週末弾丸トリップの話 《水曜のケセラセラ》』編集長による水曜連載コラムがランクイン。6月に訪れた香港で感じたファッションの違いや行くべきセレクトショップの案内など、ファッション好きが香港旅行に行く前には必ず読んでおきたい記事です。第4位 パリでファッションを学ぶということ『【 Interview -ファッション業界で働く- 】 パリ・服飾学生 Natsuko Takato』デザイナーを目指しパリで服飾学校に通っているNatsukoさんにインタビュー。パリと日本で学ぶことの違いや実際の授業内容、将来の展望まで、日本ではなかなか聞けない貴重な内容が盛りだくさん。現在は卒業し、世界的に有名なコレクションブランドで働いているそう!第3位 2016年春夏トレンドはコレだ!『パリコレで目撃!今すぐ取り入れたい2016春夏トレンドPart2.洋服編②』ROBEが始まってすぐの3月に行ったパリコレ取材でキャッチしたリアルトレンド。まだまだ見かける切りっぱなしデニムもこのころ一気に火がついたよう。第2位 ブランドを立ち上げたパワフルな女子大生に突撃!『ルワンダ発でエシカルファッションに新たな風を。女子大生が立ち上げたファッションブランド「Alizeti」の挑戦』早稲田大学在学中にファッションブランド「Alizeti」を立ち上げた根津朋子さんのストーリー。SNSでのシェア率の高さが彼女の話題性、注目度の高さを物語っていました。第1位 NEXTトレンドを予測!『そろそろガウチョやめませんか?今気になるのはやんちゃ丈冒険パンツ!』トレンド真っ只中だったガウチョパンツ。流行を越境すべく新たなスタイルとして提案した「やんちゃ丈パンツ」のイラストコーデが本年のNo.1に輝きました!きっと来年の春夏はこのワードを見かけない日はないはず?2016年の人気記事、記憶に残っていたものはありましたでしょうか?一年間ご覧いただきありがとうございました。更新頻度はバラバラながらも、ここまで継続できたのは皆様のご支援のおかげです!2017年も様々な角度からファッションを自由に楽しむことができる情報、発見や驚きが隠された記事を発信していきます。引き続き暖かなワンクリックをいただけると、PCの向こう側でホロリと涙を流します。来年も越境レディを目指して一緒に駆け巡りましょう!Bonnes fêtes de fin d’année! Team ROBE
2016年12月24日鱗のようなジオメトリックな模様に深い赤、青、緑といったシックなベースの色。そこに差し込まれる明るい黄色。上品だけどもどこか大胆なデザインが特徴である FAURÉ LE PAGE(フォレ ル パージュ)のバッグを見たことがある方も多いのではないのでしょうか。12月14日に路面店オープンを控えた前日の12月13日、フランス大使館で開催された記者発表会にお邪魔してきました。フォレ ル パージュの知られざる魅力をご案内いたします。1717年創業の老舗ブランドフォレ ル パージュは来年2017年で創業300年を迎えるフランスの老舗バッグブランド。前身であるメゾン ル パージュは1717年に鉄砲工として始まりました。多彩な技術を持った熟練工を抱えたメゾン ル パージュは瞬く間にフランス王室御用達の鉄砲工としてその名を馳せます。当時、貴族の趣味として親しまれていた狩猟の場面でル パージュの鉄砲は重宝されていました。また、1789年のフランス革命や1830年の7月革命では革命軍に武器を提供し、バルザック、デュマ、プーシキン、シャトーブリアンといった多くの文豪たちが作中でフォレ ル パージュを賞賛しているほど、フランスの歴史にも大きく名を刻んでいるのです。“誘惑するための武器”ブランドのロゴに入れられた《 ARMÉ POUR SÉDUIRE 》という文は直訳すると “誘惑のための武器” という意味。その意味の通り、フォレ ル パージュが作り続けているのは “勝利を約束する” 小物たち。かつては銃がその役割を果たしていましたが、現代では “誘惑のための武器”、つまり女性たちの魅力を引き出してくれるカバンやポーチたちを意味しています。フォレ ル パージュの店舗はいたずらっぽくメゾンでは「武器庫」と呼んでいるそう。鉄砲をモチーフにしたGun ポーチは人気アイテムの一つ。腰から下げればさながら現代の女戦士のようです。現代女性の武器であるパーティーバッグにも鉄砲のようなキュートな影が。隠された鉄砲フォレ ル パージュのバッグには“鉄砲工”にまつわる様々なディテールが隠されています。300年の歴史をちょっぴり覗いていきましょう。うろこの秘密波打つようなフォレ ル パージュの定番柄はフランス語でうろこを意味する “エカイユ” という愛称で親しまれています。メゾン300年の歴史と永遠なるモダン性を体現したこの “うろこ” 柄は戦士たちの象徴である甲冑が由来。ギリシャ神話ではミネルヴァやヴィーナスといった異性を誘惑する女神たちはうろこに包まれていたとされ、うろこは権力と誘惑の両方を主張する柄とされています。6色の秘密大砲に使用されたダマスク鋼のスティール・グレー光の都パリのブルー英雄ナポレオンの叙事詩の炎を現代に伝える色である皇帝のグリーン銃床の深い琥珀色の木目を連想させるくるみのブラウン人の心を奪う陶酔のレッドこの6色がベースとなり軍神であるマルスの黄土色がフォレ ル パージュを象徴する黄土色として輝きます。鉄砲のカートリッジが由来の黄土色はアイテムのいたるところに潜んでいます。モチーフの秘密チャックについている黄色のリボンは戦で使われるフラッグ、丸いバックルは手榴弾のピンがモチーフ。ここにも鉄砲工らしさが隠れています。“7”の秘密7はフォレ ル パージュのラッキーナンバー。創業年1717には二つの7、七世代にわたって注がれた家族経営、エカイユのトワルを製作する際には7つの行程が必要、など。7はメゾンを取り巻く魔法の数字なのです。初の海外直営店が銀座にオープンココ・シャネルが初めての店舗を構えたことでも有名なカンボン通り、パリ最大級の百貨店であるギャラリー ラファイエットといったパリの2店舗に続き、世界で3店舗目となる直営店が12月14日、銀座・並木通りにオープンしました。店内には定番の“エカイユ”をキャンバス地に描いたトートバッグ “Daily Battle” やお財布、カードケースといった革小物からキーホルダー、ベルトなどちょっとしたプレゼントに最適なアイテムまで充実のラインナップ。このキャンバス地は軽量で丈夫であることから、かつては狩猟用の道具を収める入れ物などに使用されてきました。現代ではシルクスクリーン加工、ワックス加工、表面にざらりとした質感を出すグレイン加工が施され、耐久性、しなやかさに優れた実用的ラグジュアリートートバッグとして愛されています。店内で目を引いたのが長細いポーチのようなもの。実はこれ、鉄砲ケースなんです!植物染のカーフスキンを使用したラグジュアリーな一品はインテリアとしても使える存在感です。長細いものを入れるケースをお探しだった方はぜひご検討を。本日銀座の並木通りにオープンしたFAURÉ LE PAGE 銀座店へ????こちらは太ベルト?いえいえ、実は猟銃ケースなんです!本来の使い道はなかなか出来なさそうですが、長細い物を入れるのにちょうど良いですね????手間にあるのはワンちゃんの首輪とリードです???? ROBEさん(@robetokyo)が投稿した写真 - 2016 12月 14 2:19午前 PST他にもハンティング用のフィールドチェアや携帯用の蒸留酒ボトルなど、外のアクティビティにぴったりのアイテムも揃います。どこまでも鉄砲工のアイデアが詰められているフォレ ル パージュのユーモアに魅了されてしまう人も多いはず。本場パリの空気をそのまま詰め込んだ銀座本店では、フォレ ル パージュのラインナップを思う存分堪能することができます。300年の歴史とセンスを肩にかけ、誘惑のための武器を手に取り、日常に少しだけストーリーと勇気を添えてみませんか?FAURÉ LE PAGE 銀座本店Address〒104-0061 東京都中央区銀座 7-6-19Tel03-3572-8300HP / Facebook / Instagramtext. Azu Satoh
2016年12月24日シャネル(CHANEL)が、2016-17年メティエダールコレクション「パリ コスモポライト」を12月6日に発表。発表の場となったのは、ガブリエル シャネルにゆかりの深いパリの高級ホテル、リッツ・パリ(Ritz Paris)。昔から様々な国の顧客が集い、カール ラガーフェルドも「極めて国際的な場所」と絶賛するこのホテルにはこの日、かつての“カフェ ソサエティ”を思い起こさせるセレブリティが集った。ロビーやバー、サロンを行き交う顔ぶれには、リリー=ローズ デップ、アリス デラル、カーラ デルヴィーニュ、 ファレル ウィリアムズ、ボブ ディランの孫のレヴィ ディランなど華やかな面々が一堂に会した。コレクションは、「かつてリッツで食事をする女性達が着ていたようなドレス」とラガーフェルドが表現する、ウェストがマークされたエレガントなシルエットのイブニングスタイルが提案された。ブランドのアイコンであるジャケットにはグラスパールやツイード製のバラを象ったブレイドがあしらわれ、新しいアイコンハンドバッグ「ガブリエル」はメタリックゴールドのレザーや赤いツイード素材で登場した。もうひとつのアイコンハンドバッグ「2.55」には、リッツ・パリの椅子のテキスタイルそのものを彷佛させる刺繍が施されている。
2016年12月12日パリで唯一の陶器メーカー、アスティエ・ド・ヴィラットが今年設立した出版社エディション・アスティエ・ド・ヴィラットによる第一弾書籍『私のパリ生活』の日本語版が出版された。イヴァン・ペリコリとブノワ・アスティエ・ド・ヴィラットという2人のデザイナーが創業したアスティエ・ド・ヴィラットは、現在パリ市内で唯一の手作りによる陶器メーカー。18世紀パリの手工芸技術を継承する工房で、陶器を始め、チタン製のカトラリー、高級硬質耐熱素材を使った手吹きグラス等を製作。その他、フレグランス製品や手帳などのステーショナリーも手掛けるなかで、活版印刷による出版社を新たに立ち上げた。エディション・アスティエ・ド・ヴィラットが初めて世に出した書籍である『私のパリ生活』は、オブジェのような美しさが特徴のパリのガイドブック。三方金の装丁、長編小説を思わせる判型は、まさにパリのテイストを具現化した”作品”のよう。掲載されているのは、タイトルの通りイヴァンとブノワが個人的に通う店など、自分たちが本当に居心地が良いと感じるパリならではの場所ばかり。超有名店から、秘密の隠れ家まで、雰囲気を魅力たっぷりに詳しく紹介している。今年1月に発刊され、10月に英語版が刊行されたのに続き、このたび日本語版も完成。消滅の危機に瀕していた活版印刷にあえてこだわった本国版同様、日本語版でも活版印刷を採用。今年140周年を迎えた大日本印刷が、その長い社歴の中で大切に継承し保存していた活版印刷の技術を13年ぶりに提供している。選ばれた書体は100年以上にわたり大日本印刷が独自に開発とリニューアルを重ねてきた「秀英体」。日本の職人たちの手により、一文字ずつ手作業で組版され完成した。【書籍情報】『マ・ヴィ・ア・パリ 私のパリ生活』出版社:エディション・アスティエ・ド・ヴィラット発刊:2016年11月29日価格:8,000円※フランス語版、英語版も同
2016年12月02日2匹のパリ猫がマークのフランス紅茶「ジャンナッツ」のクリスマス限定商品「ジャンナッツ クリスマス ブレンド2016」が、カルディコーヒーファームとカルディコーヒーファームのオンラインショップ他にて発売中です。A love wish from Paris~パリから愛をこめて~コレクションアイテムとしてファンも多いクリスマスブレンドの2016年のテーマは“A love wish from Paris~パリから愛をこめて~”。クリエイティブ ディレクターであるオード・ド・サン=テグジュペリが選んだテーマカラーは、パリの聖なる夜空をイメージした深いブルー。「紅茶でLOVEをシェアしたい」という願いを込め、クリスマスツリーに見立てたエッフェル塔はハートでデコレーションされており、その塔頂上には、願いを叶える大きな星が輝き、雪降るパリの夜空を明るく照らします。また、2匹の猫に見守られた星座盤がモチーフの缶の蓋は、クリスマスまでのカウントダウンができるアドヴェントカレンダー仕様となっています。フレーバーは、セイロン茶葉をベースとしたストロべリーとシナモンの甘い香りのブレンド。ミルクティーにするとよりまろやかになり、濃厚なコクとスパイスの調和もお楽しみいただけます。大粒のドライストロベリーがたっぷり入った見た目も華やかな紅茶は、クリスマス気分を盛り上げます。【商品名】「ジャンナッツ クリスマス ブレンド2016」【価格】 864円(税込)【内容量】リーフティー 50g【販売箇所】 サロン ド テ ジャンナッツ表参道店、カルディコーヒーファーム、カルディコーヒーファーム オンラインショップ他オンラインショップ
2016年12月01日異国を旅した時、誰しもが恋しくなってしまう故郷の味。日本食とはなんだろう?繊細な味、四季を感じる素材、多彩な表情を見せる盛り付け…私たち日本人ですら何度も恋に落ちてしまう日本食の魅力は、世界でどう響くのか。パリ1区、高級ブティックが並ぶサントノーレ通りから一本入った細い小道、ファッショニスタが集う有名セレクトショップcoletteの近くに店を構える「仁」はパリ中の食通が足繁く通う寿司店。2014年にはミシュラン一つ星を獲得し、パリの中心で本物の日本食文化を発信している貴重な料理店だ。世界中から食にも敏感な業界人が集まるファッションウィークは繁忙期。その合間を縫って、料理長の渡邉卓也さんにパリで日本食の文化・魚の魅力を発信している理由について伺った。伝統に伝統で挑む北海道・ニセコ出身の渡邉さんは地元の新鮮な食材に囲まれて育った。母と一緒に台所に立ち、たわいもない話をしながら料理の手伝いをするのが大好きな少年だった。友人と遊ぶ時も外食ではなく手料理を振る舞い一緒に食卓を囲むことが多かったという。料理人を志したのはそんな生い立ちからみれば、ある意味必然的だった。専門学校では中華を学び、その後札幌の寿司店で料理人としての道を歩み始める。28歳の時に独立し、札幌で「TAKU円山」「田久鮓」など4店舗を展開するが、「人と違うことにチャレンジしたい」という気持ちから海外への挑戦を決める。1月に初めてパリを訪れてからたった10ヶ月後、フランスへ移住したのは2012年11月のことだった。フランス・パリに決めたのは一度も訪れたことがなかった未知の都市、世界一の食の都だから。そして現在、仁のオーナーである仁奈さんとの「出合い」が起点となった。フランス留学の経験があった仁奈さんは「大好きな日本の食文化で日本の誇りを正しく伝えたい」という思いを抱いていた。一念発起しパリの中心で日本食のお店を開こうと物件の契約を結んでいるときに、渡邉さんと「出合う」。日本の食文化を伝えたいという二人の思いがぴったりと合ったことで、パリ随一の寿司屋「仁」が誕生する。「寿司文化を広めるには食の都として名高いこの地から始めるのがストーリーとして面白いと思った。何よりも伝統を大事にするこの国で日本のトラディショナルな食文化を武器に店を開く、高い壁だがこうした挑戦が日本の食文化を広めるためには必要なのでは」と渡邉さんはその時の決意をもう一度表現するかのように力強く語ってくれた。地産地消で異国の文化を伝える渡邉さんが渡仏した当時パリで根付いていた寿司はロスやNYで見たロール寿司とは違い、意外と日本らしくやっているなという印象だったという。しかし、獲れる魚の違いから、こちらの握りの主流はサーモンやカニ、本マグロではなくバチマグロなどだった。彼にとってそれは決してマイナス要素ではない。北海道で店を構えていた時から料理のコンセプトには「地産地消」を掲げている。フランスにいるならば日本の食材を使っては意味がない、と仁ではフランス近郊で獲れる食材をメインに使用。魚が育つ海水自体にコクがあり身の味がしっかりしているので日本とは味も食感も異なるのだそう。パリの食通を唸らせる寿司は、しっかりと現地の食材を尊重して握られている。そうすることで唯一無二の味わいになるのだ。一つ問題があるとすれば、それは魚に対する認識の違いにあった。「魚を下ごしらえするという文化がフランスでは浸透しておらず、切ってそのまま出してしまう寿司店もありました。例えば身がダメにならないように塩を当てたり、酢でしめたり、漬けにしたり、寿司を握るには食材によって様々な技法が用いられています。そうした下ごしらえや細かな調理方法を含めて寿司という食文化なので、まずはパリで魚の扱い方や認識を変えていきたいです。」そう語る渡邉さんの意志は固い。そしてその目標は着々をパリの街に浸透している。「フランスは古くから肉文化なので魚、特に鮮魚の正しい扱い方の認知度が低い気がします。でも元来フランス人は食材に対する意識は高いので、日本の本物のやり方を伝えれば必ずわかってもらえると思っていました。」渡邉さんの言う通り、仁がオープンしてからパリで鮮魚に対する認識が変わった。後に続くように本格的な寿司屋がオープンしたり、スーパーの一角でデモンストレーションをして巻きたてを販売していたり、一般の人でも日本らしい寿司を食べられる環境が徐々に整ってきたのだ。マリアージュは日本酒で「ひと と さかな と さけ」をコンセプトとする仁の魅力は寿司だけではない。パリ随一の品揃えを誇るこだわりの日本酒もパリジャン・パリジェンヌを引きつける要因の一つだ。魚と一緒で、仁がオープンする以前のパリではレストランで提供される日本酒の種類が少なく、どこに行っても同じような銘柄しか置いていなかった。中国系の人が運営する日本食店も多く、中国酒もSAKEと表記している場合があるため日本酒と勘違いする人もいるようで、フランス人の中では「日本酒=度数が高くてウォッカのようなお酒」というイメージがあったそう。仁では魚との食べ合わせを追求することで日本酒に対するイメージを払拭した。日本酒はワインと同じで食べ物との組み合わせが大事。日本酒しかないと聞いて険しい表情をする客にもこの食材、この料理にはこの銘柄が合うと説明をすると、探究心の強いフランス人には寿司と日本酒の奥深さが非常に興味深かったよう。それはまさに寿司と日本酒のマリアージュなのだ。「フランスの食材って味が濃くて余韻が長いので、深みのある日本酒ととてもよく合うんです。地場の食材と日本の酒のマリアージュを感じてくれればお店をやっている甲斐があったかなと思います。」北海道からパリへ。そして世界へ客層は観光客から地元の人までさまざま。地元の人々は記念日や会食で使うことが多いが、観光客は若い人もやってくる。ランチ95ユーロ、夜は145ユーロのコースで決して安いわけではないけれど、ここでしか味わえない地産地消の本物の寿司が食べられるとリピーターも多い。「食の都・パリに根付く食文化を変えるきっかけを作れたのかなと思う。フランス人は古いものを愛し、伝統を重んじ自らのスタイルを頑なに崩さない一方で、ゼロから新しいものを生み出す革新的なクリエイティビティも併せ持つ。そういう人たちに受け入れてもらえたのは自分が寿司職人として日本の食文化を発信していく上で自信に繋がりました。」来年の1月でパリにやってきて丸4年。これからの目標はパリをベースにしながら違う国で店舗を展開していくこと。「地産地消でその土地の食文化を尊重し貢献するというコンセプトはぶらさずに、この4年間で築き上げてきた世界で通用する日本の寿司文化を、もっと多くの人へと広めたい。」北海道からパリへと渡されたバトンはどこへ継がれるのだろう。身近なはずの日本文化の魅力は世界に出てから気づくことも多い。パリへ旅した際は日本の食文化を見つめ直しに仁へ訪れてはいかがだろう。新鮮な魚と味わい深い日本酒、ほっと一息つくあがりをいただけば、懐かしくも出会ったことのない味に驚かされるはずだ。JIN仁Address6 rue de la Sourdière 75001 ParisTel+33(0)1 42 61 60 71Open12:30〜13:30/19:00〜21:00(日月休み)FacebookText. Azu Satoh
2016年11月18日半年に一度、ファッションに燃える一週間がやってきた!9月27日〜10月5日の9日間で開催されたパリコレクション。会場で目撃した2016年秋冬のリアルトレンドをスナップでご紹介!第一弾のトレンドアイテム編、小物やカラーに注目したディテール編その1、柄やヘアを取り上げたディテール編その2!ストリートで観測されたリアルトレンドを自分らしく取り入れてみて!サングラスはカラーレンズで射止める視線もはや夏だけのファッションアイテムではなくなったサングラス。今取り入れるならインパクト大のカラーレンズがクール!いつでもどこでも動物と一緒前回も取り上げたように、ヒョウ柄であふれたパリコレ会場。でも発見したのはヒョウだけではありません。まるでファッションZOOな今シーズン、あなたはどの動物を取り入れた?バッグは小さければ小さいほど良し◎ミニミニバッグ、ウエストポーチが来る?と予言した夏から少し経って、いましたいました小さなバッグを身につけたファッショニスタたち!一体何が入ります?という質問はとりあえず置いておいて、今楽しめる新鮮な可愛さを楽しまない手はありません。実際、小銭や定期券だけでも別のバッグで入っていると便利です。ウエストポーチミニミニバッグ今シーズンのitブランドはコレ!みんながこぞって身につけていたのがこのブランドたち。アイテムどかぶりなんのその、「やっぱりこれ可愛いよね!」という共感から生まれるコミュニケーションもファッションのパワーがもたらす奇跡の一つなのです。GUCCIのバッグ&靴PRADAとmiumiuの靴J.W. ANDERSONのピアスバッグBALENCIAGAとVETEMENTSの靴CHLOEのバッグトレンドをチェックしたら、自分らしく着こなすにはどう取り入れるか、ワードローブとにらめっこ。明日は浮かんだアイデアをベースにおしゃれを楽しみましょう!See You Next Season!Photo & Text : Azu Satoh
2016年11月08日華やかなパリコレの舞台を切り撮っているのは他でもない彼女たち。パリコレ2017春夏スナップ番外編として、可憐なる戦場で戦うカメラ女子たちをスナップ!おしゃれマスターが集まる舞台にはカメラマンだっておしゃれ必須!被写体だってこなしますカメラ女子たるもの、自分も被写体でなければ!パリコレの会場では誰もがスナップスター。ふとした瞬間も美しい彼女たちについついレンズを向けてしまう。プライドを持ってカメラを構える彼女たちは立ち姿まで美しい。ベストショットは撮れた?「いま、いいショット撮れた!」興奮冷めやらぬその瞬間は即確認。日差しが強くて厳しい顔になっちゃうのはご愛嬌。撮りながら写真を整理していかないと、いざという時に困っちゃうからね。Photo & Text : Azu Satoh
2016年11月03日半年に一度、ファッションに燃える一週間がやってきた!9月27日〜10月5日の9日間で開催されたパリコレクション。会場で目撃した2016年秋冬のリアルトレンドをスナップでご紹介!第一弾のトレンドアイテム編、小物やカラーに注目したディテール編その1に続き今回は柄やヘアに注目!ストリートで観測されたリアルトレンドを自分らしく取り入れてみて!ヒョウ柄で攻めたいの秋といえばヒョウ柄。定番柄も今シーズンは大胆に取り入れるのが吉!甘辛ガーリーは卒業して、モードなヒョウに変身してみない?上下でひょう!アウターでもスカートでも大きな面積で身につけてしまえば実は一気にモードな印象へと振り切れる。セクシーでゴージャスなイメージがあるヒョウ柄をカジュアルダウンするために、オーバーサイズのヒョウ柄ジャケット×デニムでさらりと着こなしましょう。小物でひょう!猫柄トレンドが熱いこの秋冬。小物でヒョウ柄を足してみたら、まるで猫ちゃんを抱えているよう?合言葉はB・C・Dこの秋冬、お買い物に迷ったらまずこの呪文を唱えれば一安心。奇抜なシルエットに頼るのではなく柄で遊ぶことができたらおしゃれ上級者!Border夏のイメージがあるボーダーも落ち着いた暖色を選べばほっこり秋テイスト。柄on柄もなんのその、ピッチのあったボーダーとストライプの組み合わせは斬新かつ可愛すぎる!Check秋の定番柄のチェックは細めのラインでマニッシュなイメージに仕上げたい。もしくはギンガムでレトロキュートに持っていく。いずれにしても、コーディネートのメインで活躍させたいのがチェックの魅力。Dots子供っぽくなりがちなドットを取り入れるなら小さめが大人っぽい&今っぽい。濃いめのブルーや深いグリーンを選べば大人ドットの完成。編み込みでお目立ちヘアファッションは服や小物だけでは完成しません。トータルでキメてこそ真の越境レディ!(大変な分、可愛くなれる!)キリッと1本パリコレ会場でひときわ目立ったのが手の込んだ編み込みヘア。頭のてっぺんからまっすぐ1本に編み込んだポニーテールはいい子ちゃんなルックに合わせたい。エッジィに2本オズの魔法使いのドロシーみたく二つのおさげにしても可愛いけど、今の気分はカッコよく!きつく編み込んで、プリンになったカラーもグラデとしておしゃれに見せる。あえて全部編みこまずに流して遊ばせるのも可愛い。トレンドをチェックしたら、自分らしく着こなすにはどう取り入れるか、ワードローブとにらめっこ。明日は浮かんだアイデアをベースにおしゃれを楽しみましょう!次回はトレンド小物編!Photo & Text : Azu Satoh
2016年10月29日旅に出たなら食も楽しまねば!パリに行く予定がある方、そうじゃない方もランチのプランに追加したくなるおすすめレストランを3つご紹介!ちょっとした工夫で自宅でも楽しめるかも?PATUCO今年の4月にオープンしたばかりのPATUCOはchausson(ショソン)とカクテルがいただけるカフェ&バー。chasussonとは、果物などを詰めた三日月型のパイのこと。手軽にサクッとスナック感覚で食べることができるのでパクパクと何個でもいけます。PATUCOでいただけるのはお菓子ではなく惣菜系のchausson。注目はそのメニューのラインナップ!メニュー名を見てみると、Gozaimasu(ゴザイマス)という怪しげな品が...中身は豚肉、キャベツ、生姜....これは、まさか!そう、餃子(風)の具が入ったchaussonなのです。言うなれば三角餃子パイ?その他にもナス、フェタ、トマト、ミントを入れたギリシャ風や玉ねぎ、ピーマン、レーズンを入れたトルコ風など、世界各国の味を楽しむことができます。ランチセットはchsusson二個と選べるサラダ、スープorポテトがついています。思い切って挑戦した餃子味は、フランス流にアレンジされてほんのり香るパクチーが意外とはまります。お持ち帰りもできるのでサクッと食べたい方もどうぞ!PATUCOAddress4 rue de la Fontaine au Roi 75011 ParisOpen12:00 - 14:30 / 19:00 - 24:00(火〜木)12:00 - 14:30 / 19:00 - 26:00(金土)HP / FacebookPascadeパスカード。この名前を聞いてピンとくるでしょうか?フランスのオーベルジュ地方の伝統料理パスカードが今パリで大人気。パリの中心、オペラ座から歩いて数分に位置するRestaurent de Pascadeは日本で聞きなれないパスカードを味わうことができます。パスカードはふわふわカリカリの厚手のクレープのような、パンケーキのような、一風変わった料理。ここでは創意工夫を施して器状にしたパスカードに具をたっぷり詰めたオリジナル料理が楽しめます。店内は大きなテーブルと2〜4人用の小さなテーブルが並び洗練された空間。メニューは昼夜共通で、豊富なワインとともにデザート系パスカードまで用意されています。顔ほどの大きさのパスカードは一人で食べれば十分満足できるボリューム。お口直しのプチトマトもさっぱり甘くて美味しい。定番メニュー「Lieu-Dip 」は蒸したポラック(スズキににた白身魚)、フライドアーティチョーク、ハーブ入りのマヨネーズ、ポレンタというコーンを粥状にしたペーストを使用。外の生地はサクサクとしていてほんのり甘く、コーンの甘みとハーブペースト、ポラックの塩味と絶妙にマッチ。一度食べたら忘れられない食感と唯一無二のフレーバーを堪能したいなら、Pascadeでちょっぴり贅沢ランチがおすすめです。PascadeAddress14 rue Daunon 75002 ParisOpen12:00 - 23:00(火〜土)HP / Facebook好きな具材でカスタムオムレツフランス料理といえばオムレツを連想する方も多いのではないでしょうか。モン・サン・ミッシェルのふわふわオムレツが有名ですが今年6月、パリにも新たに名物オムレツ店になりそうなレストランがオープンしました。黄色で統一された店内。陽気なお兄さんたちが注文したその場で調理してくれるので、あつあつの出来たてをいただけます。「Arsène, l’omelette aux œufs」は自分で具材を選んでカスタムすることのできるオムレツ屋さん。しかもハンディタイプで気軽にさくっと食べることができるのです。その秘密はサンドイッチ状の形にあり。カスタム方法は簡単。お肉、チーズ、野菜、トッピング、付け合わせのハーブの種類を選ぶだけで自分好みのオムレツサンドの完成。決められない!という方にはオススメの組み合わせメニューもあるのでご安心を。鳥のキャラクターがかわいいボックスに入ったハンディオムレツは薄切りの食パンに挟まれているのでサンドイッチ感覚で食べることができます。出来たてふわふわオムレツにとろとろチーズ、香り高いきのこ、ジューシーなハム、サクサクのパンの組み合わせは最高!サイドメニューのサクサクポテトも食べるべし!ガーリックが効いたポテトは食べ応えたっぷりのキューブ型。手軽にお持ち帰りもできるので、お外ランチのお供にいかがでしょうか?Arsène, l’omelette aux œufsAddress142 Rue St Denis 75002 ParisOpen12:00 - 14:30 / 19:30 - 22:00(不定休)FacebookText. Azu Satoh
2016年10月20日秋のパリといえばパリファッションウィーク、ワイン祭り、アートの祭典ニュイ・ブランシュなど、イベントが盛りだくさん。その中でもひときわ世界中から注目を浴びるイベントは凱旋門賞!ファッション界の最高峰の舞台がパリコレならば、凱旋門賞はまさに競馬界最高峰の舞台。せっかくの機会に行かないわけにはいかない!と、日々のパリコレ取材の合間を縫って遠征へ。繰り広げられたのは最速最高のレースと豪華絢爛な帽子ショー...?2016年は特別な年凱旋門賞は1920年、第一次世界大戦後に衰退してしまったフランス競馬の再興を掲げて誕生しました。年に一度、10月の第一日曜日に開催される競馬のG1レース(最高レベルのレース)です。毎年パリのロンシャン競馬場で行われますが、今年はロンシャンが改装工事中だったためパリ近郊ののシャンティイ競馬場で開催されました。パリ・北駅から特別列車で30分ほどでシャンティイに到着。競馬場の目の前には観光名所でもあるシャンティイ城があり、このお城の前を馬たちが駆け抜けていきます。世界でも有数の美しい競馬場なんだとか。レースは凱旋門賞の他にも行われるので、観客はレースの合間にシャンパンやアイスを楽しみながらゆったりとしたひと時を過ごします。入場料35ユーロのエリアにはビーチチェアやテーブルが置かれているのでくつろぐことができる上、十分近くで馬を見ることができます。今年は日本の馬が出場していたのではるばる日本からの来場者も多かったよう。由緒正しき凱旋門賞にはある特別な習慣があります。それは「帽子を身につけた女性は入場料が無料」ということ。残念ながら今回は場所が移ったためか帽子を身につけても無料にはなりませんでしたが、会場にはしっかりとドレスアップした紳士淑女がたくさん来場していました。日本で競馬というと少しおじさんのイメージがありますが、ヨーロッパでは手軽に楽しめる賭け事、そして昔は上層階級の娯楽としての位置付けであったので、現在の凱旋門賞にもその空気は残っているのです。さて、レースを楽しんだ後は華麗なる帽子ハントへ!出張パリスナップ!帽子編むかしむかし、フランス王妃マリーアントワネットの時代には頭をヘアアレンジやヘッドピースでこんもり盛ることが最先端のオシャレとされていました。いかに人より大きく、高く頭を見せるかに躍起になっていたレディ達は、とうとう大きな船の模型まで頭に乗せてしまったり...現代のレディ達はそこまでではないものの、ぱっと目を引く帽子でしっかり非日常のおしゃれを楽しんでいました。大きめの存在感ある帽子が人気のよう。日除けの効果はあまりなし?若い女性にはツバなしのヘッドドレスが人気。男性も正装に。帽子もバッチリ決まったムッシュたち。音楽隊が通りかかったので一緒に記念撮影をするドレスアップした来場客。老若男女、世界中からこの日を楽しみに着飾った人々がそれぞれのファッションを楽しんでいました。競馬好きでなくても、正装する人々や会場の盛り上がりだけでも殿しむことができる凱旋門賞。もし10月にパリへ行く機会があったら是非行ってみてはいかがでしょうか。その時はもちろん、素敵な帽子で着飾って!Text. Azu Satoh
2016年10月15日パリで開催される欧州最大規模のファッションの国際見本市「Who’s Next」から派生したポップアップストアがラフォーレ原宿に日本初上陸!「(RE)CREATE by Who’s Next」が明日10月14日(金)より10月20日(木)までの期間、ラフォーレ原宿2階 CONTAINERに登場します。9月にパリで展開された企画「(RE)CREATE」はファッションの国際見本市「Who’s Next」が、10月2日までパリのヴィンテージセレクトショップ「KILIWATCH」で開催していたBtoC向けプロジェクト。ラフォーレ原宿で再現するポップアップストア「(RE)CREATE by Who’s Next」では、パリでのプロジェクトアイテムと、東京のヴィンテージセレクトショップ「KILOSHOP」とのコラボレーションアイテムによるポップアップストアを展開します。パリの「Who’s Next」で展開された(RE)CREATEアイテムの一例はこちら。すべてが日本に来るわけではありませんが、日本ではなかなか手に取れないアイテムが並ぶはず。世界が注目するファッションを目撃しに、ラフォーレ原宿へいってみてはいかがでしょうか。(RE)CREATE by Who’s Next日程:2016年10月14日(金)~10月20日(木)場所:ラフォーレ原宿2階CONTAINER「Who’s Next」とは「Who’s Next」は年2回(1月・9月)、パリで開催される欧州最大規模のファッションの国際見本市。ファッション雑貨の見本市「Premiere Classe」とあわせて開催され、世界中の百貨店、専門店、ジャーリスト、編集者、バイヤーなどファッション関係者約50,000人が集まり、世界的なトレンドを見極める機会となっています。
2016年10月13日旅をしていて困ってしまうのが電池切れや電波不良のイライラ。そんな悩みも一発解消できるカフェ、そして巷で噂のspeakeasyがあるというので行ってきました。Wi-Fi電源ありますパリのフリーランス事情は日本より優しい。というのも、街中では無料Wi-Fiが使えるスポットがたくさんあるし、電源が使えるカフェも多いから。その中でもひときわ居心地が良くうっかり(!)仕事に熱中してしまうカフェがサンマルタン運河の近くにあります。Café CRAFTは2012年にオープンした電源&Wi-Fi完備の小さなカフェ。テラス席と店内合わせて30席ほどしかないので、平日朝から仕事や勉強に励む人で静かな熱気に溢れています。資料を作る人からレポートを書く学生、Facebookとにらめっこする人、ゆっくりとテラス席でくつろぐ人まで過ごし方は人それぞれ。モノトーンと木で統一された店内はモダンな仕事場であり、どこか家のような雰囲気を醸し出します。いつまででも居座ってOK(居眠りは控えてね)というのだから太っ腹。コーヒー豆はパリで人気の焙煎所兼カフェのCafé Lomiから仕入れ、挽きたての美味しいコーヒーをいただけます。ランチセットやクッキー、パウンドケーキなどフードも充実しているので1日作業に没頭しても安心。もちろん電源はフランス式なので、変換プラグも忘れずに!隣の家のWi-Fiパスがわからなくなったらうちにおいで!なんていうフランスジョークも炸裂するアットホームなカフェはきっとパリ滞在の拠点になるはず。旅先でWi-Fiや電源に困っておいしいコーヒーが飲みたいならば、Café CRAFTをオススメします。Café CRAFTAddress24 rue des Vinaigriers 75010 ParisOpen9:00 - 19:00(土日は10時から)HP / Twitter / Facebookコインランドリーの奥に潜むBarパリの街を歩けばたくさん見かけるコインランドリー。円形の窓が整然と並ぶ光景はどこかレトロで一周回っておしゃれな空気すら感じます。そんなパリのコインランドリー事情に異変が!たどり着いたのはRépublique広場近くの普通のコインランドリー。でもよーく見るとおかしな部分が....ちょっと大きすぎませんか??実はこの右のコインランドリーだけ扉になっているのです。右上のボタンを押すと扉が開き、映画『神様メール』さなが奥を突き進むと、なんともcozyなバーが出現!2015年7月にオープンしたというLavomaticは知る人ぞ知るまさに隠れ家バー。なんでも最近パリではspeakeasy=潜り酒場がちょっとしたブームなんだとか。平日の20時過ぎに訪れると店内は若者で大にぎわい。カウンターに腰掛けしっぽりと飲む人やブランコ(!)を揺らしながら美味しいワインを楽しむ人など、まさかコインランドリーの奥にあるとは思えない空間はまるでアミューズメントパークに来ているようです。もちろん空間だけではなく美味しいカクテルがLavomaticのウリ。ノリの良いお兄さんが次から次へとカクテルを作る姿を見ているだけでも美味しくお酒がいただけます。フランボワーズ、シトロン、ウォッカ、ベルモットロッソなどを混ぜたDETOXMATIC30はまるでフレッシュジュースのような甘さと後にやってくるハーブの爽やかさが疲れた体をリフレッシュするのにもってこいの一杯。旅に疲れて疲れを取りたい夜には秘密のコインランドリーバーに寄ってみてはいかがでしょうか。LavomaticAddress30 Rue René Boulanger 75010 ParisOpen18:00 - 25:00(木金土は26時まで)(日曜休み)HP / FacebookText. Azu Satoh
2016年10月07日秋といえば、グルメ。グルメといえば、パリ!華の都、いや食の都パリでおすすめのスイーツ屋さんの情報を現地よりお届けいたします!私だけの(Mon)エクレア(Eclair)パリでここ数年ブームとなっているのが専門店。前回3月のパリスイーツ特集では生クリーム専門店を紹介しました。今回はエクレア専門店!日本にも進出し話題となった「L’Eclair de Génie」や「Atelier de l’eclair」などパリは今やエクレア激選区なのです。その波はリールにまで!そんな中、一風変わったエクレア専門店が昨年10月にオープンしたので向かってみました。“私のエクレア”という意味の「Mon Eclair」は自分で好みの味にカスタマイズできるエクレア専門店。しかも、嬉しいことにシュー生地はグルテンフリーなのです。選び方は簡単。プラリネ、シトロン、キャラメリゼタルトタタンなどから中に入れるペースト・ジャム、そしてチョコレート、バニラ、ココナッツなど上に乗せるクリーム、そして好みのトッピング2種類選ぶだけ。季節によって新鮮な素材を使用しているので、シーズンごとに自分だけのオリジナルエクレアを作ることができます。生地はグルテンフリーとは思えないほどサクサク!フレッシュなジャムによく合う濃厚なクリームは日本で味わうエクレアとは全くの別もの。小さくても満足感大のおやつです。凱旋門の近くに来たらぜひ立ち寄りたいお店!(ME) Mon EclairAddress14 rue Pavée 75004 ParisOpen10:00 - 20:00(月〜土)10:30 - 13:30(日)HP / Instagram / Facebook Profiterole Chérieお次に向かったのはピンクの内装が可愛らしいマレ地区のお菓子屋さん。ここはProfiterole(プロフィットロール)という小さなシューを積み上げてソースをかけたスイーツの専門店です。一歩足を踏み入れた瞬間から気分はまるでマリーアントワネット!Profiterole Chérieのプロフィットロールはタワー式ではなくシューを一つ使ったミニサイズ。半分に割って中にアイスを挟みます。テイクアウトも可能。定番はバニラアイスにチョコソースの組み合わせ。ひんやりアイスをサンドした小さなシュー生地に熱々のチョコソースをかければ完成。アイスとソースの温度差がそのまま、お口の中の幸福感につながります。いただいたのは季節限定のマロン&カシス。カリカリのシュー生地にカシスアイス、マロンクリーム、カシスジャムがぎゅっと詰まって小さいながらも濃厚な一品。仕上げにマロンソースを自分で上からかけていただきます。日本では見られない見た目も味も大満足のスイーツは是非写真に収めたい一品!Profiterole ChérieAddress17 rue Debelleyme 75003 ParisOpen12:30 - 18:30(火〜日)(月曜休み)HP / FacebookJean-Charles Rochoux最後はみんな大好きチョコレートのお店へ行きましょう。サンジェルマン・デ・プレ教会から少し歩いたところにあるJean-Charles Rochousx(ジャン・シャルル・ロシュー)は日本未上陸の高級ショコラティエ。店内にはまるで芸術作品のようなチョコレートの彫刻がずらりと並びます。もちろん購入可能。ここで手に入れるべき一品はフルーツ入りの板チョコ。週に一度、土曜日にしか味わうことのできない限定板チョコなのです。パティシエが朝に市場で仕入れた新鮮なフルーツを使用し、みずみずしさをそのまま閉じ込めた奇跡のフレッシュ板チョコ。この日は秋らしく旬のイチジクを閉じ込めたチョコレートでした。カットされたイチジクが甘さ控えめのブラックチョコレートでうすーくコーティングされ、一口かじった瞬間果汁がブワッと溢れます。板チョコと呼ぶには贅沢過ぎる食感。さっぱりとしたチョコレートは果実の甘みを引き出すベストパートナー。お昼過ぎには売り切れてしまうこともあるので朝一で手に入れるべし。賞味期限はたったの48時間(!)なので日本に持ち帰ることが困難な、まさに幻の板チョコなのです。ここでしか味わうことができないデザートは早起きしてでも行かなきゃ損!Jean-Charles RochousxAddress16 rue d’Assas 75006 ParisOpen10 :30~19 :30 (月のみ14 :30~)(日曜休み)HP Text. Azu Satoh
2016年10月04日キム・カーダシアンがパリの滞在先で銃を持った男たちに襲撃された。ファッション・ウィークでパリに来ていたキムは2日(現地時間)にデザイナーのアゼディーヌ・アライア主催のディナーに出席し、市内8区にある滞在先の高級レジデンス「No Address」へ戻った。事件は彼女の帰宅後3日午前2時30分すぎ(現地時間)に発生した。スキーマスクで顔を隠し、警官の制服を着た5人の男はコンシェルジュを脅して建物に侵入、うち2人がキムの部屋に向かい、彼女の頭に銃を突きつけてテープで縛り上げ、浴室に監禁。スマートフォン2台と現金1,000ユーロ、1,000万ドル相当の宝飾品を奪って逃走した。事件当時、キムの夫であるカニエ・ウエストはニューヨークでライブに出演していたが、一報を受けると、「家族の緊急事態」を理由に公演を中止した。キムが滞在していた「No Address」は19世紀に建てられた貴族の屋敷を改築したセレブ御用達の高級レジデンスで、レオナルド・ディカプリオやマドンナも顧客。セキュリティも万全の体制のはずだが、どうやって犯人たちがそれをくぐり抜けたのかは不明だ。幸い怪我はなかったが、ひどくショックを受けたキムは同日午後(現地時間)にプライベートジェットでパリからアメリカへ帰国した。(text:Yuki Tominaga)
2016年10月04日キム・カーダシアンが28日(現地時間)、パリの路上でセレブ専門のいたずら常習犯の男に襲撃された。ファッション・ウィーク開催中のパリに来ていたキムが、レストランに入ろうとしたところ、突然近づいてきた男が彼女のお尻にキスしようとした。すぐにキムのボディガードに取り押さえられたこの男は、多くのセレブを相手にいたずらを仕掛けることで有名なウクライナ人のリポーター、ヴィタリ・セディウクだった。ヴィタリはインスタグラムに、キムに近づく自分の写真をアップ、「キムのお尻が偽物であることを抗議したんだ。彼女とカーダシアン一家に、彼らのフォロワーで盲目的に擁護するティーンの女の子たちに自然な美しさを広めるように勧めたい」とコメント。そしてキムを待ち伏せしてたのではなく、無料Wi-Fiを使うためにレストランの前にいたら、彼女がやって来たと主張している。キムは2014年のパリ・ファッション・ウィーク時にもヴィタリの標的になっていた。ヴィタリは22日(現地時間)にはイタリアのミラノで、モデルのジジ・ハディッドに背後から抱きつき、ジジから肘鉄の反撃を食らっている。一部始終をパパラッチが撮影、動画が公表されているが、ジジはこの事件について、レナ・ダナムのサイトでレナと連名のエッセイを発表。ファンに暴力をふるったとする一部報道に対する怒りを表明し、「女の子たちにこのビデオを見てもらって、同じような状況に置かれた場合は反撃する権利があることを知ってもらいたい」と、身を守る権利を主張している。(text:Yuki Tominaga)
2016年09月30日9月16日(金)パリのスイーツブランド「HUGO & VICTOR」(ユーゴ アンド ヴィクトール)が玉川髙島屋S・C本館 1階に常設店としてオープン!昨年10月にオープンした1号店の伊勢丹新宿店、表参道ヒルズ店に続き待望の国内3店舗目となった「HUGO & VICTOR」はパリでは誰もが知っている高級パティスリー。チョコレートからマカロン、ケーキ、そして世界初展開となる食事メニューまで幅広いラインナップが揃います。ブランドがもつラグジュアリーな雰囲気はそのまま、二子玉川という土地柄ファミリー層でもゆったりと過ごすことのできる空間設計がHUGO & VICTOR二子玉川店の特徴。内装は、現在フランス国内外で名高い商業施設や店舗の設計・デザインを担う「YANN MONTFORT」(ヤン・モンフォー)が手掛け、洗練されたカフェスペースで食事やスイーツを堪能できます。ここでしか味わえない世界初のメニュー世界でも二子玉川店でのみ提供されるスペシャルメニューは常時3種類。「LADURÉE」などでシェフ・パティシエを務めた経歴を持つHUGO & VICTORのシェフパティシエ、ユーグ・プジェが考案した特別なレシピとして、秋の食材を用いた「かぼちゃのキッシュ 季節のサラダ添え」や「蟹とトマトとモッツァレラチーズのケークサレ 季節のサラダ添え」、そして定番レシピをHUGO & VICTOR風にアレンジした「特製クロックムッシュ 季節のサラダ添え」が揃います。上から【かぼちゃのキッシュ 季節のサラダ添え】1,100円、【蟹とトマトとモッツァレラチーズのケークサレ 季節のサラダ添え】 1,000円、【特製クロックムッシュ 季節のサラダ添え】1,200円(全て税抜き)また、オープンを記念して税抜き4,000円以上購入の方に、ブランドの代名詞でもあるブック型のケース「カルネ」をモチーフにしたオリジナルノートをプレゼント。こちらはなくなり次第終了なのでお早めに! HUGO & VICTOR 玉川髙島屋店Address東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋S・C本館 1階Tel03-6805-7025Open10:00-21:00(フード20:00/ドリンク 20:30LO.)HP
2016年09月16日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。お久しぶりの気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第19回目になりました。前回はキラキラのお気に入りリップの話。今回はいつも購読してくださってる皆様に、ご報告とお願いがあります。パリコレ取材にいきたい!クラウドファンディングを始めました!ん、唐突にこいつ何言ってるんだ?と思った皆様、すみません。今日はがっつり告知させてください!クラウドファンディングというシステムをご存知でしょうか?簡潔に言うと、支援してほしい人と支援したい人を繋げるもの。これは実現してほしい!というプロジェクトに対していくらか払うことで支援をし、支援のお返しとしてプロジェクト運営側から製品や情報、座談会などのリターンを得るというシステムです。今回、ROBEも皆様からの支援を募るべくCAMPFIREさんでクラウドファンディングを開始することにしました!内容はずばり「パリコレ取材に行きたい!」今年3月に行ったファースト取材はお陰様で大好評となりまして、今年の9月末から開催されるパリコレクションにて第二弾のパリ特集を組みたいと思っています。そこで、パリコレ取材のための出張費を皆様にご支援していただこうと、クラウドファンディングをすることにしました。その理由は、こちらからご覧いただければ幸いです....ひ、非常に情けないのですが(泣)前回の出張で人気だったのは会場外スナップでのトレンド分析やおばあちゃんマダムスナップ、日本未進出のグルメ特集などなど....今回はさらにグレードアップした企画を練っております。スピンオフ企画も!!ファッションが面白いのはトレンドの移り変わりだけではありません。その背景にある社会の流れとの関わりや業界の波瀾万丈物語など、ファッションをもっと楽しんでもらうためにプラスα+β+θくらいの情報をROBEでお届けしたいと思っています。ファッションが大好きな普通の女の子代表として、(勝手に代表して申し訳ありませんが)世界最高峰の舞台を普通の女の子の目線でお送りします!プロジェクトページにて修造さまにも負けない暑苦しさで思いのたけを吐いているので、ぜひご覧ください!もう一度はりますね♡支援のお返しはパリのお土産やわたしがセレクトしたお洋服などなど...ご支援&拡散どうぞよろしくお願いいたします!!Text : Azu Satoh
2016年08月31日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第13回目になりました。前回はファッションの考えはどうやって構築されるもの?というお話でした。今回はビル・カニンガムのお話。 ビル・カニンガム。彼は『ニューヨーク・タイムズ』紙でストリートスナップを撮り続けた、伝説的なフォトグラファー。生涯現役を貫き通し、先日87歳でこの世を去りました。2013年に公開された映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」で名前を知った方も多いかもしれません。恥ずかしながら、私もその一人でした。ストリートスナップが盛り上がりをみせ始めた数年前より遥か昔、ファッションはストリートから生まれると最初に気づいた人。カメラ片手にNYの街を自転車で駆け回り、時には世界のファッションウィークへ飛び、40年以上 “ 素晴らしい着こなしの女性 ” を撮り続けてきました。彼がレンズを向けるのはハイブランドに身を包んだファッショニスタでもなければパパラッチが狙いたがるセレブリティでもありません。“I just loved to see wonderfully dressed women, and I still do. That’s all there is to it ”そう語るように、意思のある服を纏い、自分が生きる環境で最大限に魅力を引き出している女性に、心から惹かれ続けていたのでしょう。「ファッションは排除すべき軽薄なものだと思われがちだ。けれど、ファッションは毎日の生活を生き抜くための鎧だ。それは排除するわけにはいかない。文明をなくすのと同じことだからね」映画の中で語られた彼の言葉は、ファッションがお祭り的なイベントになり、もはやカルチャーのメインストリームではなくなってしまった今、まっすぐと心に響いてきます。パリで見た青いジャージ私がパリコレで会場外スナップを撮り始めるようになって4シーズン目の2014年9月、はじめて彼をランウェイで見かけました。朝一番(9時半!!)に開催されるJUNYA WATANABEのショー。ファッションウィーク中の戦闘服に身を包んだ業界人たちが並ぶ中、あの青いジャケットを着たおじいちゃんがフロントローに座っています。ちょうど対岸の右奥に座っていた彼をレンズ越しに見つけ、思わずシャッターを切ってしまいました。誰よりも真剣に楽しそうに服を見つめるその表情は、まるで生まれて初めて見た生き物を観察し愛でる子供のよう。何かのディテールに驚いたのか、口を開けてびっくりしている表情は思わずクスッと笑ってしまうくらい可愛い。そんな彼に、一度だけ写真を撮ってもらったことがあります。どんな写真だったのかは、ついに見ることはなかったけど。どんよりと厚い雲がパリの街を覆った、とても寒い日。日本から持ってきたレモン色のマフラーで顔まで覆ってショー会場の前をキョロキョロしていた時でした。(この写真はビルおじちゃんではなく、友人が撮ってくれたものです。チュイルリーにて不意打ち。)青いジャケットに映える白髪にしわくちゃの笑顔、キラキラと輝く小さな瞳。背の曲がったおじいちゃんが満面の笑みでちょこちょこと近づいてきたと思えば、カメラと人差し指をピンとあげ、1枚いい?とジェスチャー。「あ、ビルおじちゃんだ」突然現れたヒーローに一瞬身構えたけど、彼の笑顔につられてこちらまで口元が緩む。私が巻いていた黄色のマフラー、目がビジューでできたキツネの顔と尻尾がついた愉快なアイテムなのですが、彼はおそらくこれが気に入ったのでしょう。1枚パシャりと撮られると、私もすっかり彼の笑顔に癒されてしまって、顔の横でOKサイン(今思えばなんと馴れなれしいことか!)。そんな小娘の挙動にも同じようにOKサインで返してくれたあの時の笑顔は忘れることができません。「良かった、ちゃんと楽しんで服を着れてたんだ」と、その時ホッとしました。wonderfully dressed women に一歩近づけたの、かも。毎シーズンパリにやってくるわけではないので、一瞬でも同じ空気を同じ地で吸えたこと、まっすぐと目を見つめられたことを本当に嬉しく思います。たった一度しか会ったことはないけど、もう会えないと思うと本当に悲しい。そう思わせるだけのパワーって、単純にあの笑顔なんだと思う。彼のようにファッションと真摯に向き合いながら、カメラで切り撮るとは別の方法で wonderfully dressed women を考えていきたい。私はフォトグラファーではないけれど、ファッションは大好きだから、やっぱり次もオフランウェイに赴かねば。“ I knew from photographing people on the streets that the news was not in the showrooms. It was on the streets. ” − Bill Cunningham Text : Azu Satoh
2016年06月29日