避暑地の別荘にいるような、くつろぎのインテリア王道、モダン、両方を楽しめる月替りのコースベテランソムリエ厳選のワインをワゴンサービス避暑地の別荘にいるような、くつろぎのインテリア賑やかな街中に不思議となじむ、静謐でどこか温かい佇まいお店があるのは、目抜き通り、御堂筋線からすぐのアクセス便利な場所。商業施設も多い、デートにぴったりのエリアにあり、赤いファサードと白塗りの扉が瀟洒な雰囲気を醸し出しています。テーブル席の間はカーテンで仕切られ、半個室のような安心の空間に店は1975年に【ビストロ・ヴァンサンク】として開業し、レストラン【ル・ヴァンサンク】を経て、2014年に【ヴァンサンク・ブランシュ】としてリニューアル。あえて梁を見せた天井やウォールナットの床、テラコッタタイルなどのインテリアが、欧州の避暑地の別荘にいるようなくつろぎを感じさせてくれます。王道、モダン、両方を楽しめる月替りのコースこちらで提供しているのは、季節の食材をふんだんに散りばめた月替わりのコース料理。おいしさを第一に、時にクラシカルに、時に遊び心のあるモダンな皿が登場します。コースにより、お好みでメインを2~4皿から選べるのも魅力です。ここからは『ディナーコース』10,000円(税込)の一例をご紹介します。10,000円コースで3品提供される、前菜の一例『サクラマスのコンフィ 新生姜のマリネと共に ホワイトアスパラガスを添えて』訪れた日の前菜は、低温で火入れし、やわらかく仕上げたサクラマスのひと皿。ほっくりとした食感とサクラマスの滋味に、キャビアの塩気が軽妙なアクセントを添えてくれます。その身に隠れた、新生姜とマスタードでマリネした野菜たちがまた爽やかで、添えられたホワイトアスパラのみずみずしさもたまりません。肉料理の一例『仔羊のロースト 季節野菜を添えて』。色とりどりの野菜は産地よりもおいしさを重視して、信頼できる卸会社から仕入れる黒毛和牛、仔羊、鴨、「本日の肉料理」からこの日選んだメインは、『仔羊のロースト 季節野菜を添えて』。仔羊は力強い生命力をそのままに、仔羊のガラと野菜を煮詰めたソースをかけて、奥深い旨味を演出。添えられたコゴミやタケノコが、心地いい苦みで春を感じさせてくれます。デザートの一例『イチゴのパブロヴァ イチゴアイスクリームを添えて』デザートも3種類から選べ、この日は名残のイチゴを使ったパブロヴァをチョイス。サクサクのメレンゲとココナッツ風味のクリーム、甘酸っぱいイチゴのコンフィチュールが層をなして奏でる、食感と甘さのハーモニーが絶妙です。ベテランソムリエ厳選のワインをワゴンサービスブルー、ロゼ、パープルなど、カラフルなスパークリングやワインが並びます。搾りたてのグレープフルーツのようにフレッシュな味わいが魅力の『LAVAGUE BLEUE』(左)ほか独自の仕入れルートを持つベテランソムリエが、世界中から取り寄せるワインもこちらの魅力のひとつ。店の中央に、その日グラスで楽しめるワイン8種を乗せたワゴンを置き、常備するスパークリングワイン5種類と共に、料理や好みに合わせておすすめを提案してくれます。基本はグラス1,200円(税込)~ですが、スパークリングワインは二人で頼むと一杯1,000円となるうれしいサービスも。希少な銘柄が並ぶことも多い、日替りワインのワゴン3年前からシェフを務める谷村忠志さんは、本場フランスの星付きレストランで修行し、地元滋賀や名古屋、大阪の名店で腕を振るった経験を持つ実力派。歴代の伝説的シェフ時代から足を運ぶ常連客も満足させられるよう、酸味、甘味、辛味を繊細に配置し、新たなエッセンスと王道を散りばめたコースがリピーターを呼んでいます。家族3世代に渡るファンや、月に1回足しげく通う方も多いそうなので、ぜひ一度訪れてみては。「おいしさもボリュームも満足して帰っていただきたい」と笑顔で語る谷村忠志シェフ。その言葉通り、ひと皿のボリュームが大きく、皿数も多いのもこちらの魅力ヴァンサンク・ブランシュ【エリア】アメリカ村【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】4500円【ディナー平均予算】10000円【アクセス】心斎橋駅 徒歩1分
2021年04月24日風情ある空間で味わう極上フレンチ食材や調理法の希望を聞いてコースをカスタマイズ丁寧な仕事を駆使し、食材の個性を活かす数寄屋建築を意識した、風情ある空間で味わう極上フレンチ【Restaurant 青いけ】があるのは、緑豊かな京都御所のすぐ近く京都市営地下鉄烏丸線丸太町駅を降りて約3分。落ち着いた京都の街並みに溶け込む町家の一軒が【Restaurant 青いけ】です。料理への期待が高まるアプローチひっそりと掲げられた看板が目印の扉を開けて、京都の小路を思わせる空間へ足を踏み入れます。「うなぎの寝床」と言われる京都特有の長い奥行きを利用したカウンター席までのアプローチがあり、歩みを進めるほどに料理への期待が高まります。絶品の料理が仕上がる工程をライブで楽しめる特等席は、ケヤキをパッチワーク風に組み合わせたカウンター席。デンマークの家具メーカー「J.L.Moller」のチェアは座り心地抜群で、まさに大人の隠れ家といった雰囲気が漂います。内・外観は数寄屋建築で有名な中村外二工務店の代表・中村義明氏がプロデュース。築100年以上の建物をフルリノベーションし、ケヤキのほか、ホワイトアッシュ、チーク、スギなど多彩な天然木を使用したシンプルモダンな空間です。と、ここまで紹介して、まるで日本料理店のように思われる方もいるかと思いますが、同店で楽しめるのはフランス料理。オープンキッチンの向こう側で腕を振るうのは、オーナーシェフの青池啓行(ひろゆき)さんです。お客様とのコミュニケーションを大切にするオーナーシェフの青池さん青池さんは「京都ホテル」で研鑚を重ね、26歳でヘッドハンティングされて市内のカウンターフレンチのオープンに参画。フレンチレストラン5軒の立ち上げにも携わってきた実力派です。食材や調理法の希望を聞いてコースをカスタマイズ青池さんの料理は、メリハリの利いた味わいで見た目も鮮やかそんなシェフが腕をふるう料理の主役は、京都でとれる四季折々の野菜たち。「寒暖の差が激しい京都は、100年以上続く農家がたくさんあります。代々守られてきたミネラルが豊富な土で、生産者が愛情をもって育てた野菜の味は、まさに大地の恵みなんです」と話す青池氏。同店では、賀茂、大原、亀岡、鷹峯、伏見などで採れた野菜を使い、その味を最大限引き出した、穏やかでいて洗練されたフランス料理を提供しています。コース料理は、ランチ6,500円9,900円12,300円ディナー9,900円13,200円16,500円22,000円がありますが、どのコースもメニューが決まっていないのがこの店ならでは。「予約時に、食材や調理法などお客様の好みや希望をお聞きした上で、旬の食材を織り込みながら自由にカスタマイズしていきます」。まるで自分たちだけでのために作られたオーダーメイドのようなコースを味わえるとあっては、足を運ばずにはいられません。丁寧な仕事を駆使し、食材の個性を活かすさて、【Restaurant 青いけ】のオススメを2品ご紹介しましょう。まずは同店を訪れたら絶対食べていたただきたい、青池シェフのスペシャリテ『~冷オードブル~農園野菜のプレッセ菜園仕立て』です。『~冷オードブル~ 農園野菜のプレッセ菜園仕立て』。まるでアートのような美しい断面にうっとり目の前に供された瞬間、「わぁ!」「きれい!」と感嘆の声が必ず上がる一品。まるで、緑、黄、赤など色とりどりの草花が咲き誇る美しい野原のよう!ニンジンはソテーして甘く、ダイコンや蕪は酢漬けに、シイタケは揚げ焼き、ナスは真空調理をして食感を残し…と、そしてその1品目ごとに、煮る、蒸す、焼く、揚げるといった調理法を駆使した、プロならではの繊細かつ丁寧な仕事が施されています。野菜のみでつくられたテリーヌ。春キャベツ、ヤングコーン、ミョウガ、パプリカ、アスパラ、ニンジン、ダイコン、ナスなどを使用。ソースやドレッシングもすべて野菜で、その数トータルで25品目一口目を食べると、シャキシャキ食感、二口目は甘酸っぱさを感じ…と、いろんな食感や味を楽しむことができます。テリーヌのどの場所を口に運ぶかによって、食感や味が変化するので、最後までわくわくさせてくれる一皿です。12,300円以上のコース料理に登場しますが、9,000円のコースの場合+1,500円でオーダー可能(※だいたい2日前までに要予約)。『仔羊の背肉のロースト』。仔羊のまわりに、旬の野菜をたっぷりと続いてご紹介するのは『仔羊の背肉のロースト』。9,900円のコースの一品です。じっくりローストされた仔羊は美しいロゼ色。キメは細かく柔らかく、噛むほどに味わい深くなる赤身肉ならではの旨味を堪能できます。添えられたソースは、青森の黒ニンニクを使用したもの。黒ニンニクならではの杏を思わせる甘さに、酢で酸味を加えたソースは甘酸っぱく、仔羊の味わいにアクセントを加えてくれます。コクがあり甘酸っぱいソースは、仔羊と相性抜群お酒が欲しくなったらお店の方に相談を。ワインはグラス990円から、ボトルは9,000円から注文可能。野菜をたっぷり使った繊細なフレンチに合うものをセレクトしています。相手との距離も縮まる、極上の空間と絶品の料理どの料理も食材の持ち味を最大限に引き出すように丁寧に調理。旬の野菜で美しく彩られたひと皿からは、素材の力強さがひしひしと伝わってきます。「“restaurant”はフランス語で「回復する場所」という意味があります。その言葉通り、こちらではご提供する料理はもちろん、空間も絵画もインテリアも本物を揃えました。お食事することだけではなく、ここで過ごす時間、お客様同士や私たちスタッフとの会話など、すべてを通して居心地のよさを、感じていただけたらと思います」と青池氏は語ります。カウンター席のすぐ近くで繰り広げられる匠の技、そしてシェフとの会話を楽しみながら、舌鼓を打つ【Restaurant 青いけ】での時間は、大切な人と過ごす日をより一層特別なものにしてくれるに違いないでしょう。Restaurant青いけ【エリア】京都御所/西陣【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】5000円【ディナー平均予算】8000円【アクセス】丸太町駅 徒歩3分
2021年04月18日「クィア・アイ」のタン・フランスと夫のロブ・フランスに、代理母を通じて第1子が誕生することが明らかになった。タンがインスタグラムで「ついにみなさんと共有できるようになって、本当にうれしいです。私たちに赤ちゃんが誕生します!!いいえ、私は妊娠していませんよ。写真はとてもリアルですが」とジョークを交えて報告した。投稿された写真はいわゆるマタニティフォトで、上半身裸のタンが右手で胸を隠し、左手でお腹を支え、そのお腹には赤ちゃんの超音波写真が貼られているというもの。「最高の代理母からの素晴らしいギフトと助けにより、幸運にもこの夏、ロブと私は両親になろうとしています。私たちが何年も欲しいと強く願っていたことです。胸がいっぱいです。赤ちゃんをこの腕に抱いて、愛情を注ぐことが楽しみで仕方ありません」と喜びにあふれる心境をつづった。コメント欄には「クィア・アイ」の「ファブ5」のメンバーのジョナサン、ボビー、アントニ、カラモや、ソフィー・ターナー、ミリー・ボビー・ブラウンらから祝福メッセージが届いた。「クィア・アイ」の公式アカウントからは、「(番組内の)ロフトにベビーベッドを置きますね」というコメントが寄せられているため、ファン待望のシーズン6にはロフトにベビーベッドが登場するかもしれない。(Hiromi Kaku)
2021年04月14日日本発、世界に誇れるフランス料理を銀座から届けたい憧れのレストランは、いつの時代にも銀座にある。かつて、数寄屋橋交差点のソニービルに【マキシム・ド・バリ】という名店があった。パリのベル・エポックの雰囲気そのままの店がオープンしたのは1966年のこと。手に入らないフランス産の食材を使い、ミシュラン星付きのフランス人シェフが料理をつくり、パリのエッセンスそのものが味わえるレストランは、「大人の社交場」として名士やセレブリティたちの間で瞬く間に評判になった。その名店は、2015年に惜しまれながら閉店をし、その長い歴史に幕を閉じた。かの名店がオープンした当時から、実に55年の時が流れ、時代は変化し、ずいぶんとレストランを取り巻く環境も、人々の好みも、レストランを楽しむ人々の風景も変わったように思う。レストランからは銀座のランドマーク、和光の時計台を間近に眺められる流通が発達し、人々が国境を気軽に跨げるようになった今(コロナ禍で今は海外へはいけないけれど)、海の向こうの食材も簡単に手に入るようになり、海外で修行する日本人の料理人も珍しくなくなった。日本の美食を楽しみに海外の人々が頻繁に訪れるようになり、本場そのものの味を食べたいならば、飛行機に乗って気軽に食べに行ける時代になったのだ。2020年12月にオープンした【ラルジャン】はそんな時代の変化を映し、新たに登場した現代のグランメゾンの一つだろう。“海外の本場のスタイルで、本場そのものの味が食べられる”という特別な体験は、徐々に“日本の食材や食文化を踏襲し、日本でしか表現できない料理を楽しんでもらう”というその国の食文化や食材を表現した新しい料理にシフトしてきている。そんな高級レストランの大きな変化がここ銀座でも起きている。それは、世界を舞台に活躍する日本人シェフが増え、世界を見てきたからこそ、“日本”という国の素晴らしさに気づいた証。そんな魅力を日本人のみならず世界の人にも知ってほしいという彼らの自信の表れでもあるに違いない。【ラルジャン】のシェフ、加藤順一氏もまさにそんな一人だ。座席には、その日に決まったメニューが添えられている「日本から生まれるフランス料理を、この店から世界に発信したいのです」と語る加藤順一シェフは、【タテル・ヨシノ】の吉野建シェフの薫陶を受け、その後パリの三つ星【アストランス】、デンマークの二つ星【AOC】など世界で働いたのち、帰国後【スブリム】のシェフに就任。ミシュラン一つ星を同店にもたらした人物だ。古典的なフランス料理基礎を用いつつも、北欧らしい軽やかなプレゼンテーションやテクニックでつくる、現代的で軽やかな料理が加藤シェフの持ち味。世界に一度出たからこそ、日本の食材の魅力に目覚め、そしてそれを使いながら日本でしかできないフランス料理をつくり、銀座という世界の人々が集まる街で勝負したいと思ったという。『発酵マッシュルームのスープ』合わせるのは、赤ワイン「Chateau Haut-Marbuzet 2007」。きのこの腐葉土のような香りと、熟成した香りが良く合う『発酵マッシュルームのスープ』は、そんな加藤シェフが感動した日本の食材の一つ、マッシュルームが主役の一皿。【スブリム】時代からのスペシャリテで、その頃からの常連さんが、この料理を楽しみに訪れるという名刺代わりの一品だ。「この料理は、僕が少しだけ働いていた【BIOS】(現在は閉店)という富士宮にあるレストランで出合ったとれたてのマッシュルームのおいしさを、料理にしたいと考えたものなんです。新鮮なマッシュルームってピンク色で歯触りが全然違うって感動したんですね。だから、この料理は生のマッシュルームが主役なんです」。器の中には、富士宮の農家さんから取り寄せているという小ぶりの温卵、それに、発酵させたマッシュルームのエキスを使ったスープが注がれ、ソテーしたマッシュルーム、その上には生のマッシュルームがたっぷりとのせられている。発酵させたスープの複雑で濃厚な味わいが、さくっとした歯触りのクリアなマッシュルームをより引き立てて、多重奏のような味の波、そして食感が口に広がる。加藤順一シェフ38歳スープ前までの前菜は、北欧スタイルらしい美しく小さなお料理が並ぶが、メインは、フランス料理らしい、クラシカルな側面を感じるボリュームあるものが登場する。この日、メインとして登場したのは、美しい羊の一皿。なにげなく見える料理だが、ここにはシェフが「うちはグランメゾン」と胸を張る、技術と手間がかけられている。主となる羊は、北海道の「羊丸ごと研究所」という牧場の羊。頭数が少なく、生産量の5%しか北海道の外には出ない希少なサフォーク種だ。そのセルダニョ(腰に近いロース)を、掃除してロース肉の部分だけにし、羊の脂でソテーしたほうれん草とギョウジャニンニクを巻く。さらに、バラ肉を薄く伸ばしたもので外側を巻いて、凧糸で縛ってフライパンで焼き目をつけてオーブンに。タラの芽のフリット、ごぼうの木の芽あえ、クレソンやナスタチウムなどで作ったハーブのブーケと、ジャガイモとチーズをあわせたテリーヌ“ポム・アンナ”を添えて。ソースは、フランス料理王道の羊の骨からとったソースと、美しい緑色が印象的な北欧風のハーブのソース2種がかけられている。春の羊は繊細で柔らかな優しい味わい。それを、山菜のほろにがい香りがミルキーな羊を包み、ソースと合わせて食べれば、まさにこれは、日本の春を感じるフランス料理だと感じる。『酒井さんの羊、山菜』日本の食材、フランス料理の技法、北欧のテクニックが融合した加藤シェフならではの一皿続くデザートも、日本の魅力的な食材を、フランス料理に昇華させて登場。よもぎの蒸しパンのクランブル、バターミルクとキャラメル状にしたヨーグルトのパウダーで、早春の雪が残る苔むした日本庭園のように仕立てられたデザートの正体は、よもぎとヨーグルトのシャーベット。日向夏のジュースとクリームがアクセントだ。さっぱりとしながらも、よもぎの香りが鼻腔をくすぐり、ここでも日本の春を感じることができる。コースの料理は、食べた印象はフランス料理、だけれど、どこか日本的な香りが印象に残る。そんな加藤さんの料理は、ただ単純に日本の食材を使って、そのままフランス料理に仕立てたものとは一線を画す調和がある。その秘密を聞くと、「日本の食材は繊細。下ごしらえも、処理もフランス料理の技法ではその良さを殺してしまうこともある。だから、和食の料理人の方に教えてもらった技法を使ったり、自分なりに工夫したりして、より魅力的に仕立てることを意識しています」と答えてくれた。この日のデザート『よもぎ、ミルク』これらの魅力的なコースは、「ぜひワインとともに楽しんでほしい」と加藤シェフ。こちらのワインは、絶妙なセレクトにファンが多い【Crony】小澤一貴さんが監修。軽やかでありながらも、フランス料理の骨格はしっかりとある料理に合わせるのは、フランスを中心としたワインだ。それを、お客様の要望を聞きながら小倉希望ソムリエがゲストにあわせておすすめをしてくれる。「僕がアストランスで働いていた時、ソムリエがお客様の食べている様子や、彼らからのリクエストを聞き、厨房に逐一報告すると、それに合わせてシェフが料理のソースをどんどん変えていく。そんなことがあたりまえでした。これが、フランスの三つ星、グランメゾンなんだと感動したんです。ここは、日本のグランメゾン。そんなきめ細やかな対応もしていきたいですね」と意欲を覗かせる。とはいえ、特別な気分が味わえるのに、肩肘張らずにリラックスして楽しめるのも令和時代らしい、このレストランの魅力だ。ちょっと特別な日。”日本から発信するフランス料理”を体験できる、銀座の新しいグランメゾンへ、ぜひドレスアップして、訪れてみてはいかがだろうか。レストランラルジャン(L’ARGENT)【エリア】銀座【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】12000円【ディナー平均予算】25000円【アクセス】銀座駅
2021年04月02日ギフトコンシェルジュの真野知子さんがおすすめのギフトをご紹介。今回は『フランス料理 エステール』のエステール ボックスです。パレスホテル東京の『フランス料理 エステール』。レストランのこだわりを詰め込んだテイクアウトボックスが登場し、これは見逃すまじ!と勇んでしまった。自家製の風味豊かな2種のパン。サラダには季節の野菜や鰯のスモーク、うずらの卵が入ってボリュームも満足。ソースは2種のマスタードにシェリービネガーなどでアレンジした爽やかな酸味が食欲を刺激した。メインはレストランのランチメニューでも提供されているひと品だ。日本で唯一(!)のほろほろ鳥の専門農家、岩手県花巻市の石黒農場で育ったほろほろ鳥のふっくらジューシーな肉質が堪能できる。付け合わせはテイクアウト用のオリジナルで、北海道産のじゃがいもを薄く切って重ねたフランスの伝統料理「ポンムアンナ」の手間をかけた美しさが目を引いた。そこにサワークリーム、シブレット、エシャロットのピクルスを合わせたソースを添えるとポテトの甘さを引き出す。もう一つは食感の違う長野県産の菊芋でシャキシャキの食感が楽しい。ル・ショコラ・アラン・デュカスのチョコレートを使用したデザートはなんと七味がアクセント。香り高い口福の余韻に頷いてしまった。おうちでも特別なひとときをもたらしてくれるミシュラン一つ星の味をぜひ味わってみて。エステール ボックス¥7,000。手前から時計回りに、石黒氏が育てたパンタード(ほろほろ鳥) ポンムアンナとトピナンブール、新鮮な季節野菜 鰯のスモーク ウズラの卵、ル・ショコラ・アラン・デュカスのチョコレートを使用したデザート やげん堀の七味、パン2種(米粉&蕎麦粉とセレアル ライ麦と黒胡麻)。それぞれ紙製のボックスに入って供される。フランス料理 エステール東京都千代田区丸の内1-1-1パレスホテル東京6FTEL:03・3211・5317ボックスの予約はパレスホテル東京スイーツ&デリ(TEL:03・3211・5307)、前日18時まで予約受付。受け取りは水~日曜11:30~19:00。アラン・デュカス氏設立の「デュカス・パリ」とパートナーを組んだフレンチダイニング。ホテル玄関でピックアップできるドライブスルーサービスも実施中。まの・ともこギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。※『anan』2021年3月10日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2021年03月03日フランスの瀟洒な邸宅を思わせるレストラン正統派かつ芸術的な極上のフランス料理約400種類で構成されたワインリストを用意フランスの瀟洒な邸宅を思わせるレストランガーデンに面したテーブル席飯田橋駅から徒歩3分、フランス風の気品のある一軒家【SOMBREUIL】は、ガストロノミーの世界観を味わえるフランス料理店。450坪の敷地には美しく整えられたガーデンが広がり、季節の移ろいとともに美しい花が咲き乱れています。壮麗な門柱に重厚な扉、フランス風の石造りの館と、品格あるメゾンの趣が感じられます。居心地の良いラウンジで心躍るひとときを店内に入ると、ゆったりとした空気に包まれるラウンジがお目見え。そこに広がるのは、ヨーロッパから取り寄せた格調高い家具たちや、螺旋階段、シャンデリアなどの美しいインテリア。ほかにもアンティークの調度品、リモージュの磁器やクリストフルの銀器を使用するなど、本物を知る大人も納得のこだわりを見せています。正統派かつ芸術的な極上のフランス料理エグゼクティブシェフの若月稔章氏【エメ・ヴィベール】にてミシュラン2つ星を獲得以来、7年連続で星を守り続けたシェフがつくるのは、芸術作品ともいうべき一皿。真の伝統的なフランス料理が少ない日本で、正統派のクラシカルな技法と、時流を追求する革新的な技法とを融合させた料理で多くの食通を魅了しています。ここからは、コース料理の一例をご紹介します。鴨のフォワグラのコンフィ 黒無花果のチャツネ ポルト ソーテルヌ マイスソテー 胡桃 鴨胸肉フュメのサラダシェフのスペシャリテのうちの一つ。厳選した鴨のフォワグラを、低温でじっくりと調理しています。滑らかでシルクのような艶やかさのフォワグラは、口の中でゆっくりとろけます。鴨胸肉フュメのサラダは別盛りで。金目鯛のヴァプール クレソンのクーリ サフラン マイクロトマト上質な金目鯛を蒸し焼きにすることでしっとり旨みを閉じ込め、朱色がかった皮目の赤味は強調されます。緑が美しいクレソンのソースや鮮やかな黄色のサフランソースがより金目鯛を引き立てます。フレッシュトリュフの丸ごとパイ包み焼き トリュフソース香ばしく焼き上げたパイ生地の中には黒いダイヤモンドといわれる「黒トリュフ」が丸々1つ。ナイフを入れた瞬間に溢れ出すトリュフの香りを纏わせながら、さらに芳醇なトリュフソースと共にいただく至高の一品です。約400種類で構成されるワインリストを用意料理と合わせるワインペアリングコース、豊富に揃うグラスワインも愉しめる吹き抜けのエントランスに螺旋階段という非日常的な一軒家には、ガーデンを望める40席のメインダイニング、2~6名と30名までの個室も完備。大切な方との会食や接待などに最適です。そんな特別な席に華を添えるのは、やはりワイン。用意しているのはフランス産を中心に約400種で構成されるワインリストです。悩んだらぜひソムリエに相談してみましょう。料理人プロフィール:若月稔章さん武蔵野調理師専門学校卒業後、【ラ・マレ】【トゥールダルジャン】を経て渡仏。様々な星付きレストランで修業後、帰国。2004年【エメ・ヴィベール】の料理長就任。「ミシュラン東京」創刊号で2つ星を獲得以来、7年連続星を獲得。更なる高みを目指し、同士と共に新会社を設立。2017年【ソンブルイユ】開業と共にエグゼクティブシェフに就任。ソンブルイユ(SOMBREUIL)【エリア】飯田橋【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】10000円【ディナー平均予算】20000円【アクセス】飯田橋駅 徒歩3分※緊急事態宣言の際は、営業時間が変更されている可能性があります。最新の営業時間はお店に直接お問い合わせください。
2021年02月23日ミス・フランスになることを夢見る主人公をモデル、アレクサンドル・ヴェテールが演じる『MISS ミス・フランスになりたい!』。この度、幼なじみにミスコン出場を告白する本編映像が解禁となった。この度到着したのは、自分自身も忘れかけていた「ミス・フランスになる」という夢にチャレンジすることを、大事な幼なじみエリアスに告白するシーンの本編映像。映像は、主人公アレックスが、幼なじみでボクサーとして成功しているエリアス(クエンティン・フォーレ)に再会、久々に2人で食事をすることになるシーンから始まる。待ち合わせのレストランに現れたのは、美しい女性の姿。「(君は)アレックス?」というエリアスの問いかけに、「アレクサンドラ」と優雅に答えている。エリアスは「何があった?」と問いかけるが、アレックス/アレクサンドラは「ミス・イル・ド・フランスとして全国大会に出る」と冷静に返答する。しかし、それを聞いてエリアスはさらに混乱。「ミス・イル・ド・フランス…君が?」「嘘だろ」「どうやって?」。そんなエリアスに、ミスコン出場者として自身の写真が掲載されたスマホのニュース画面に映し出された記事を提示、そして「女でいると強くなれる」とその想いを告白する。「ミスコンで優勝するために手を借りたい」「要るのは努力と勝者の考え方」「今は他の子に負けてる」と頼み込むアレクサンドラ。そして、なぜボクサーである自分にそんなことを頼んでくるのかが理由が分からず返答に困ったエリアスに対して、実は「それだけじゃない」「(エリアスに)再会して昔を思い出した、輝いてた頃を」「優勝したい」と、いまの自分があるのはエリアスに再会したことがきっかけだったと、本音を全てぶちまける。やがて“アレクサンドラ”の真剣な気持ちに打たれたエリアスは「明日ジムに来い」と、その夢に協力を申し出る。自分の本音を曝け出すことで、周囲もどんどん幸せに巻き込んでいく魅力を切り取った瞬間となっている。ドラァグ・クイーンのローラやインド人のお針子など個性的な仲間たちに助けられ、挑戦を始めるアレックス。ローラに紹介された地区を仕切る“女王陛下”と呼ばれるボスからは「24時間、寝る時もコルセットを着けて、靴のサイズは普段より小さめの25.5センチ。ペタンコ靴は禁止、普段は12センチヒール、疲れたら8センチ(のヒール)。つけまつげと、谷間メイク。水着用に膨らみを隠す技も学んで」と厳しい指導を受ける。そして、ボクシング選手のエリアスからは精神面を鍛えるアドバイスをもらい、めきめきと美しさと自信を増していくことに。地区大会でも過酷な競争を乗り越え、夢が少しずつ現実になっていく。その中でも“真の美しさ”“本当の自分”を見つけようと、もがいていくアレックス。その運命を変える瞬間は見逃せない。『MISS ミス・フランスになりたい!』は2月26日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:MISS ミス・フランスになりたい! 2021年2月26日よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 2020 ZAZI FILMS ‒ CHAPKA FILMS ‒ FRANCE 2 CINEMA ‒ MARVELOUS PRODUCTIONS
2021年02月18日パリでジェンダーレスモデルとして活躍するアレクサンドル ・ヴェテールの主演映画『MISS ミス・フランスになりたい!』から、ミス・フランスの審査会場に挑むシーンを切り取った本編特別映像が解禁された。生物学的には男性であることを隠して、ミス・フランスの審査会場に初めて“女性”として入るアレックス。緊張の面持ちで佇むアレックスに審査員は「ミス・フランスになりたい?」と質問、「何者かに」と率直にその想いを答えるが、その様子を見ていたミス・フランスのディレクター、アマンダ(パスカル・アルビロ)はアレックスに対して、ほかの参加者とは違う“何か”を感じ取る。その後、アマンダからミス・フランスで勝ち抜くためには「インスタのアカウントの開設」が大切と指導を受け、早速下宿先の仲間たちと一緒に“インスタ映えしそうな写真”を撮ってアップロード、加えて「視聴者が見るのは気品と物腰、そして女性らしさ」というアドバイスの通りに、マスカラやヘアメイクなどで自らを少しずつ魅力的にアピールしていく。「孤児の教育に力を注ぎたいです」と、ミスコン定番の“質疑応答”の練習にも真面目に取り組むアレックス。しかし「(人気サッカー選手の)“エムバペ”は?」「“子アザラシ”も入れろ」と仲間たちからの横やりも…。「支離滅裂になる」「だから何だ?」「人気ワードで票が集まる」と、アレックスを応援するあまり本筋からずれていってしまうという仲間たちとのやりとりもユニークなシーン映像となっている。主人公アレックスを演じたアレクサンドル・ヴェテールは、2016年当時、男女両性の特徴を持つアンドロジナス的スタイルを提案することでも知られるジャン=ポール・ゴルチエのウィメンズのショーに出たことをきっかけに一気に注目を集めたモデル。日本でも大人気となったNetflixオリジナルドラマ「エミリー、パリへ行く」にも、短いシーンながらゲスト出演している。『MISS ミス・フランスになりたい!』は2月26日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:MISS ミス・フランスになりたい! 2021年2月26日よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 2020 ZAZI FILMS ‒ CHAPKA FILMS ‒ FRANCE 2 CINEMA ‒ MARVELOUS PRODUCTIONS
2021年02月05日オープンカウンターで全皿を目の前で仕上げて提供クラシック×モダンの季節のフレンチを多皿コースで自然派をメインに、飲み頃ワインが500種以上ライブ感に富むカウンター席で新世代フレンチを大満喫六本木交差点からすぐの好立地にありながら、知らないと通り過ぎてしまう超隠れ家フレンチ【Rn】。扉を開けると、フレンチでは革新的なオールフラットのオープンカウンターが出迎えます。カウンター9席を中心とした、全皿を目の前でつくるスタイル木の優しい風合いの大きな造作カウンターを設えたのは、「すべての皿をゲストの目の前で仕上げる」というコンセプトゆえ。季節ごとの食材の香りや彩りから生産地の風景を垣間見つつ、目の前で料理ができあがるストーリーを楽しみ、最適な温度と状態の皿をすぐに味わえるのは、この上ない喜びと贅沢と言えます。料理人の華やかなステージというより、ゲストと共に楽しむ小劇場のような、和やかな空気感が満ちるのも【Rn】の魅力。誰もが自然体でくつろげ、リラックスして食事を楽しみ、リフレッシュして家路に着く…。そんな幸せな魔法がここで待っているのです。一皿ができあがるすべてを惜しげもなく目の前で披露オープンカウンターで腕をふるう大和田シェフの料理は、楽しい“二面性”が特徴。日本最高峰のグランメゾンで王道のフランス料理を学び、ミシュラン星付き店で才気みなぎるシェフから受けた刺激を糧とする料理は、クラシックとモダンが融合した自由闊達な新世代のフレンチです。食材に応じた調理のメリハリも、心をくすぐるもの。肉の濃厚な旨みを追求したシンプルな皿から、多数のパーツが口の中で一体化したときに奇跡のような味を生む独創的な皿まで、存在感のある多種多様な皿を楽しめます。滋味あふれる日本各地の旬野菜や魚介真摯に料理に取り組むシェフの姿を間近にしながら、できたての皿を味わえるのはまさに至福。ハイクラスな名店でのキャリアを持ちつつ、誠実で温かな人柄ゆえ、ほどよい距離感でのもてなしは穏やかで朗らか。皿が進むにつれて、大和田ワールドのとりこになっていくでしょう。圧倒的なおいしさとドラマチックな料理を多皿コースで大和田ワールドの真髄は、ディナータイムの8皿or10皿の季節のおまかせコースで堪能できます。小前菜・前菜・魚料理・肉料理・デザートで構成され、「少量多皿」というより、堂々とした「多皿コース」。おいしさを追求した一皿ごとの完成度がすこぶる高く、コースの流れもきれいな緩急とバランス感。日本各地の季節野菜や旬魚介、フランス産の濃厚な旨みの肉を中心とする食材にも、日本×フランスの“二面性”があり、楽しみが尽きません。或る日のコースのなかから、自慢の3品をご紹介します!『千葉県産白蛤とビーツのスープ仕立て』白蛤のおいしさと食感をひきたてる楽しいアイディアが輝くこちらは小前菜の一例。シェフの故郷・千葉県勝浦で漁師を営む従兄が獲った白蛤を使い、貝の旨みと出汁を味わい尽くせる皿に仕立てています。その名脇役となるのが色鮮やかなビーツと緑の野菜。彩りと旨み、大地の香りが加わり、ミルクのカプチーノと相まって、優しく清らかな味わいに。『仏ロゼール産仔羊のロース芯 トランペット茸』羊が苦手な人も、驚くほどきれいな香りと旨みにうなる一皿シェフの世界観が凝縮する温前菜の一例。フランス産仔羊の鞍下肉全体をローストし、外側を取って、中のロース芯のみを使うという究極の仕込みを徹底。噛むごとに旨みが増す肉の魅力をさらに高めるため、付け合わせも噛んで食べて楽しいものに。ワイルドライスとキュウリの温サラダ、トランペット茸(黒ラッパ茸)のソース、マコモダケのグリルなど、多彩なパーツが口の中でハーモニーを描くさまは、なんともドラマチック。『仏ランド産 仔鳩のロースト』一羽を丸ごと焼いてさばき、一皿に盛り付ける様子も目の前で見られる!肉料理はシェフが好きな鴨・仔鳩・プーラルドなどフランス産の家禽類が中心となり、濃厚な肉の旨みが魅力。繊細な肉質と旨みが抜群のランド産仔鳩は、部位に応じて火入れ法を変え、おいしさの頂点へ。しっとりと味わい深いムネ肉、香ばしく歯切れのよいモモ肉、ポルト酒のソース、肉の旨みを後押しするような旬野菜のグリルが、ひときわ深い幸福感に誘います。自然派メインの多彩なワインをグラスでいろいろ楽しめる驚きと幸福感に満ちる料理をいっそう輝かせるのが、矢島ソムリエによるワインのセレクト。料理と同じく、ワインにも楽しい“二面性”があり、ワインセラーにはクラシックからモダンまでの飲み頃ワイン500種以上がずらり。新世代シェフ×熟練ソムリエのコラボも【Rn】の大きな魅力矢島さんは、1990年代後半の早い段階から、自然に醸すワインの良さを追求してきており、とくにヨーロッパを中心とするナチュラル系が充実。しかも、“本物の味”を徹底的に選りすぐっているので、ネームバリューやトレンドに左右されない、滋味深く本当においしい自然派ワインに出会えます。ワインはシーンや飲む量に応じて選べるように、ペアリングコース、グラス、ボトルの3スタイルの楽しみを提供。グラスワインのメニューをあえてつくらず、ゲストの好みやリクエストに応えつつ、バイザグラス用にボトルを開けていくという太っ腹さも、この店の矜持。通常はボトル注文となるハイクラス銘柄をグラスで提供する柔軟さも魅力です。グランヴァンからモダンまで魅惑の味わいに出会える或る日のおすすめワイン3種をご紹介!写真左のキュートなラベルの赤ワインは、南イタリア・カラブリア州の土着品種ガリオッポで醸した少量生産のナチュラル系。最先端の自然派醸造家ならではのエレガントなおいしさです。真ん中は長期瓶内熟成を経たスイス産スパークリングで、泡の新たなおいしさに驚く一本。右はクラシックの代表格「ジュヴレ・シャンベルタン」クリスチャン・セラファン2013年。熟成したピノノワールが、家禽類メインの肉料理をいっそう輝かせます。ここでは、ワインの経験値が高い人も、飲むことだけを楽しんで、品種や銘柄のセレクトをお店にゆだねてみるのもすてき。思ってもみなかった新しい味と遭遇したり、ペアリングの未知の楽しさに感嘆したりと、豊かな食体験を広げるきっかけがいっぱいです。21時以降はアラカルトを気軽に楽しめるワインバーに料理とワインの“二面性”に加え、営業形態にも二つの顔が…。18時から21時までのディナータイムの後は、アラカルトとワインを気軽に楽しめるバーに変貌。二軒目や夜遅い食事にぴったりで、ゆったりと幸せな宵にひたれます。器やグラス、オリジナルシャンデリアなど、内装や小物もハイセンスひとりフレンチ、大人のデート、大切な友人との食事などに理想的な舞台。六本木のMy隠れ家として知っておくと、多彩なシーンで頼りになります。【Rn】という謎めいた店名の由来は、ぜひ、お店でお尋ねを! 矢島ソムリエとの話がいっそうはずみ、楽しさがパワーアップするでしょう。RnLaTableetLaCave【エリア】六本木【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】8000円【ディナー平均予算】15000円【アクセス】六本木駅 徒歩1分※最新の営業時間に関しましては、直接お店にお問い合わせください。
2021年01月17日旬の食材にまっすぐな心で向き合うピュアで美しい料理古屋聖良シェフが料理の道を目指すきっかけになったのは、なんと就職活動の失敗から。「銀行に就職希望でしたが面接にすべて落ちてしまって。それなら“食べることが好きだから”と、料理の道へ進みました」と笑う。しかし、これは料理の神様の導きだったのだろう。彼女の料理に惚れ込んだ大人たちが集う【クラージュ】就職したレストランで、持ち前の真面目さとセンスに目を留めた師の勧めもあり、「サンペレグリノヤングシェフ」コンクールへ出場する。「無理だと思うけれど、世界大会のイタリアに行けたらいいな」と出場した日本大会で見事に優勝。そこから世界大会で上位入賞を狙うべく、メンターの【ナリサワ】成澤由浩シェフとの“血の滲むような”特訓の日々を過ごし、大会に出場。しかし結果は入賞ならず。「心から悔しかったです」。この経験が料理人としての転機となった。まだまだ足りない。もっと世界が見たい。そう思い、オーストラリア・メルボルン郊外の名店【Brac】へ働きに行く。そこでは、採れたての食材を使う素晴らしさ、盛り付けの美しさなど様々なことを吸収して帰国した。『タイとほおずきのタルタル』。魚とフルーツは古屋シェフが好きな組み合わせ。「今の季節のほおずきの香りと酸味がタイとよく合うと思いました」シェフとして考えることは、「とにかく、おいしいものをつくり、来ていただくお客さまに喜んでもらうこと」。謙虚で口数が少ない古屋シェフだが、丁寧につくる料理からは、彼女の食材や料理への愛が冗舌に溢れている。スペシャリテ『鴨と黒トリュフのサンド』。自家製パンに鴨の旨みと黒トリュフの香りが染み込みワインがすすむ。鴨は古屋シェフがコンクールで優勝したときのテーマ食材。コース15,000円~国内外の経験を生かし、旬の食材にまっすぐな心で向き合うピュアで美しい料理は、遊び慣れた大人が集う【クラージュ】の常連ゲストの心を、早くもつかんでいる。courage【エリア】麻布十番【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】5000円【ディナー平均予算】30000円【アクセス】麻布十番駅 徒歩7分
2020年12月20日今年10月、本国フランスで公開されてすぐに再ロックダウンになり1週間しか劇場公開されなかったにも関わらず好成績を残し、「フランス映画祭2020 横浜」でも上映された『MISS』(原題)が『MISS ミス・フランスになりたい!』として2021年2月下旬に日本公開されることが決定した。9歳のアレックス(アレクサンドル・ヴェテール)の将来の夢は「ミス・フランスになること」。しかし、自分を愛してくれていた両親を事故で失って以降、自分を取り戻せないまま24歳になった。そんな中、大好きだった幼なじみのエリアス(クエンティン・フォーレ)と偶然再会、彼が努力の末に小さな頃からの夢を叶えたことを知り、自分も忘れかけていた“夢”ミス・フランスコンテストにもう一度向き合うことを決意する。その後、下宿先で全てを明かしたアレックスは、母のような存在である家主のヨランダ(イザベル・ナンティ)をはじめ、ドラァグ・クイーンのローラ(ティボール・ド・モンタレンベール)など、多国籍でボーターレスな下宿の個性的な面々に助けられながら、過酷な“ミスコン”競争の審査を一歩ずつ突破、夢が少しずつ現実に近づいていくが…。主演を務めるのは、“ジェンダーにとらわれないモデル”として活躍中のアレクサンドル・ヴェテール。近年では話題のNetflixオリジナルドラマ「エミリー、パリへ行く」やAmazonプライムオリジナルドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」などにゲスト出演。映画では本作が初主演となり、端正な瞳の奥にチャーミングな光を宿すと同時に、劇中では悩める若者の感情の機微をフレッシュに表現した。原案・監督はTVドラマを中心に多くの作品を手掛けるルーベン・アウヴェス。前作のコメディ『The Gilded Cage』(13/仏題:La cage doree)は「Rotten Tomatoes」でも88%Freshの高評価を獲得、本作が劇場公開長編2作目。俳優としても『イヴ・サンローラン』や『あしたは最高のはじまり』に出演、今後も活躍が大いに期待されている。コンテストの厳しい戦いの中、夢だった美しく華やいだ衣装を纏いながら“真の美しさ”や“本当の自分”と向き合い、自分だけの生き方をもがきながらも見つけようとするアレックスのまっすぐな姿は共感を呼ぶことになるだろう。『MISS ミス・フランスになりたい!』は2021年2月下旬、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:MISS ミス・フランスになりたい! 2021年2月下旬、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 2020 ZAZI FILMS ‒ CHAPKA FILMS ‒ FRANCE 2 CINEMA ‒ MARVELOUS PRODUCTIONS
2020年12月17日まずはクラシックとモダンが融合したフランス料理を気軽に楽しもう日本の新しい魅力を感じたいなら、イノベーティブなコースをティータイムだけのスイーツも見逃せないまずはクラシックとモダンが融合したフランス料理を気軽に楽しもう大手町駅から徒歩数分。2020年に開業した「丸の内テラス」に、注目のレストランがオープンした。10階に上がり、エントランスに向かう。目に飛び込むのは天井の高いガラス張りの開放的なレストランだ。オーストラリアの有名デザイナーが手がけたという内装は、ボーダレスなモダンさが混ざり合い、グローバルな美意識が満ちている。日本の大企業や外資系ホテルの高層ビルが立ち並ぶ東京のど真ん中のロケーションもあるのだろう。このご時世でありながら、外国人客を含むエグゼクティブたちが談笑し、ビルの窓が作り出す夜景に囲まれた店内は、ニューヨークのフィフスアベニュー、あるいは香港のセントラルあたりの、シックなレストランのようだ。10Fのダイニングフロアこちらのレストランは、【アポロ】【ロングレイン】などを手がける「トランジットジェネラルオフィス」のフラッグシップレストラン。シェフを務めるのは同会社のコーポレイトシェフだった徳山亨氏。そこに、パートナーシェフとして、大阪の人気フレンチ【ラ・シーム】の高田裕介シェフを迎え、今のTOKYOを表現する料理を提供している。料理のテーマは「旅」。日本経済の中心でもあり、さまざまなカルチャーが交錯する国際色豊かな東京の中心地というエリアで、世界を旅しているような気持ちになれたら、という思いが込められている。ランチもディナーもコースのみではなく、アラカルトや1品でも楽しめるという自由度の高さがいい。まずは気の合う仲間で訪れ、気になる料理をアラカルトでチョイスし、シェアしながら楽しむのがおすすめだ。ディナーアラカルトメニューから。『ティアン・ド・クルジェットーズッキーニの重ね焼きー』料理の骨格はフランス料理。高田シェフ自らが探してきた日本全国の確かな食材を生かした、クラシックな技法で丁寧に料理しながらモダンに仕立てたものがメニューに並ぶ。そして、それぞれの料理に、ゲストが思わず笑顔になってしまうような仕掛けや思いが随所に散りばめられている。ディナーアラカルトメニューから。炭焼きの『天草ホロホロ鳥』例えば、『ティアン・ド・クルジェットーズッキーニの重ね焼きー』という料理。ティアンとはプロバンス地方の、野菜を重ねてオーブン焼きにした素朴な郷土料理だ。それを数ミリ単位でスライスしたズッキーニを重ね、その間にタイムとにんにくの風味のオイルを挟み、周りに細かくしたパン粉をつけ焼き上げ、ミントとバジルのソースを添えた美しい料理に変身させている。店内のチャコールオーブンで、豪快に一羽丸ごと焼き上げるホロホロ鶏は、シンプルに塩だけで調理されテーブルに登場し、ほろほろ鶏のだしをベースにしたソースが添えられる。ここには、ちょっとした遊び心が。ゲストは香草を束ねたブーケをソースに浸し、自分で肉にソースをつけながら食べる仕掛けになっているのだ。このソースを塗る、という行為がなんだか工作をしているようで楽しい。日本の新しい魅力を感じたいなら、イノベーティブなコースをちょっとグルメな女性とご一緒する日などは、ぜひディナーコースを予約して。コース料理はアラカルトとはまったく違う表情で、今の日本の食を表現している。こちらは一皿ずつ1人のポーションで、日本の旬の食材や昔ながらの食材、食文化をイノベーティブな料理として表現している。ディナーのコースから『秋刀魚のスティック』(左)、『マッシュルームのタルト』(右)たとえば、最初に出てくるのは鯉のスープ。「僕が育った福島では、昔から馴染のある魚だけれど、どうしても”どろ臭い”などのネガティブな印象も拭えない食材。けれど、ちゃんとした鯉は、こんなにもクリアでおいしい食材だいうことを知って欲しくてコースの最初に出しています」と徳島シェフは思いを語る。そのほかにも、『なまずのリゾット』や『エゾジカのロースト』など、メジャーではないジビエや川魚を大胆に登場させている。「食べたことがない、もっといえば食わず嫌いの人もまずは食べて欲しい」と徳山シェフ。その新しいおいしさに、まだまだ知らない日本の食材をもっと知りたくなるに違いない。シェフの徳島亨さん。ホテル日航東京(現ヒルトン東京お台場)のモダンフレンチレストラン「テラス オン・ザ・ベイ」他を経てトランジットジェネラルオフィスコーポレートシェフに就任。2020年11月【THEUPPER】シェフに就任一方ランチもまた、ディナーとは全く違う様々な“旅”感を味わうことができる。しっかり食べたいときには、『黒毛和牛の赤ワイン煮込み』など、クラシックなフランス料理のランチセットを頼むのもよし。大阪【ラシーム】の味を大阪に行かず食べたい!という人は、同店とまったく同じカレーライスを注文するもよし。ちょっと軽くエスニックなものを、という人にはマレーシアの郷土料理ラクサをフレンチ風にアレンジした麺や、高田シェフ特製魯肉飯などがおすすめだ。ティータイムだけのスイーツも見逃せない!そしてこちら、“ちょっとお茶しに行く場所”としても覚えておきたいアドレス。ティータイムには、高田シェフ考案のパフェやモンブランなど、トップシェフが作り出すティータイムだけのスイーツが食べられるのだ。例えば、この日の『季節のパフェ』は、なんと、大阪の“飴ちゃん”を季節のフルーツを使いながら、パフェとして表現!ティータイムにオーダー可能な『季節のパフェ』。この日はカシスやりんごなどの6種類のムースに、キャラメルのアイス、アニスの香りのメレンゲなどを重ねて飴ちゃんに見立てたボンボンは、カシス、オレンジ、紅茶、りんご、レモン、柿などのムース。その下にはキャラメルアイス、生クリーム、クランブル、メレンゲが重なっている。見た目はボリュームあるけれど、ムースがそれぞれふわふわで軽やか、果物の香りと甘みを生かしたものだから、するっとお腹におさまっていく。長いスプーンを下まで入れて、すべてを一緒に食べてみれば、「サクッ、フワ、シャリ、トロ」食感のしあわせのハーモニーが口に広がりたまらない。10Fには広いテラス席も。冬はクローズしているが、春から秋にかけては、いつでも気持ち良く過ごせるオススメの場所そして最後に。旅気分を味わえるのは、料理だけではないこともお伝えしたい。こちらのバーテンダー谷田歩氏がつくるカクテルでも世界各国への旅気分が味わえる。昼下がりの午後、ノンアルコールのレモンバーベナのさわやかな香りがきいたピニャコラーダを片手にテラスに出ればマイアミあたりにいる気分だし、夜、どこかで食事をしたあとに一杯だけこちらのバーで「ロックホール・フレンチマティーニ」(なんと、ロックフォールチーズを漬け込んだウオッカをつかっている!)で〆ればニューヨークか上海のバーでくつろいでいる気分になる。はっとさせる、素材の組み合わせが楽しいカクテル。ノンアルコールからショートカクテルまで多種ラインナップここは、一歩足を踏み入れば旅へ連れて行ってくれるレストラン。1日のどんなシーンでも、思いついたらふらりと訪れて、つかの間の非日常を味わってみてはいかがだろうか。【THE UPPER】店舗詳細情報電話:03-5962-9909住所:東京都千代田区丸の内1-3丸の内テラス9F10F営業:11:30~14:00(ランチL.0.)、14:30~15:00(TEA&SWEETS)、18:00~22:00(ディナーL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)定休日:日曜・祝日(※但し日曜日が祝前日の場合は営業)※最新の営業時間に関しましては、直接お店にお問い合わせください
2020年12月11日知っておきたい! 大人の隠れ家レストラン和食材×フレンチで織りなす美しい料理ごはんの後は「夜パフェ」を堪能!知っておきたい! 大人の隠れ家レストラン地下に佇む西麻布の隠れ家レストラン西麻布交差点から徒歩3分の場所に位置する【西麻布GINA】。地下に佇む隠れ家的な雰囲気をもつレストランです。店内は上品でありながらアットホームな空間。カウンター席、テーブル席、個室と様々なシーンで利用できるのも魅力のひとつです。ラグジュアリーな大人の空間店名は、名作アニメ「紅の豚」に登場するレストランのマダム・ジーナに由来しています。レストランで食事をしている間は日常から解放され、心から憩えることを目指したネーミングです。シックに整えられた内装は、ゆったりと過ごせるので大人のデートにオススメです。和食材×フレンチで織りなす美しい料理味の宝石箱『美しいサラダ』「自分の料理で皆を喜ばせたい」と語る、気鋭の女性シェフ能島舞氏が紡ぐのは、旬の和食材とフレンチの技をコラボさせた“お箸で食べるフレンチ”。女性ならではの繊細で美しい料理が見るものを魅了します。そんなシェフの料理を満喫できるのは『おまかせコース』。お店自慢の『美しいサラダ』や、店名由来の映画「紅の豚」でマダム・ジーナが主人公のマルコにかけた名言にちなむ一皿『恋する豚のポークジンジャー』など、全7皿で構成されるコースは驚きの連続です。鰹だしとフレッシュトリュフが香る『TKR』とろ~りとあふれ出した卵の黄身が堪らないこの料理は、コースのシメに供される『TKR』。鰹だしが香る和風リゾットに温泉卵を合わせ、その時季最高のトリュフが贅沢にトッピングされています。卵の下に隠し味のデュクセルがあるので、くずしながら食べると楽しさがいっそうアップしますよ。ごはんの後は「夜パフェ」を堪能!色鮮やかな美しいパフェに思わず見惚れてしまうほど20時からは夜パフェを堪能できます。パティシエが目の前で鮮やかにパフェを仕上げる様子は思わず見惚れてしまうほど。“夜に食べても罪悪感のないように”と甘さ控えめでつくられているので、ソムリエ厳選のシャンパーニュと合わせていただくのがオススメです!上質な空間で体験できる、贅沢な料理とおいしいワインのペアリング。訪れる人を幸福感で包むシェフの温かなおもてなしに、きっと思い出に残る素敵な時間を過ごせるはずです。料理人プロフィール:能島舞さん【西麻布GINA】グランシェフ。料理上手な祖母の影響から、幼少時より「自分の料理で皆を喜ばせたい」と思いながら育つ。広島市の結婚式場で修業を始め、東京に移り、パークハイアット東京【ジランドール】、有楽町【6th by ORIENTAL HOTEL】、南青山【TOKYO Whisky Library】などの名店を経て、現在は唯一無二のフレンチで食通達を魅了する。フレンチごはん西麻布GINA【エリア】西麻布【ジャンル】創作和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】16000円【アクセス】六本木駅 徒歩12分
2020年11月22日“銀座”という華やかで特別な街を料理とワインで感じる「秋刀魚を応援する!?」独創的な料理名の秘密偶然から誕生した、トリュフが雪のように積もるアイスクリーム“銀座”という華やかで特別な街を料理とワインで感じるインティメイトな雰囲気をつくり出すシックなカウンター早いものでもう11月。年末が視界に入ってくる季節だ。今年は海外にも行けなかったし、クリスマスや年末に、贅沢においしいいものでも食べに行こうかな。バブル世代ならずともそんな風に考えている人も多いはず。そんなちょっと贅沢で特別なディナーを味わうなら、今こそ銀座に出かけてほしい。昭和の人間にとっては、銀座といえば華やかで、少しおしゃれして出かけたくなる場所。紳士淑女が颯爽と歩き、多くの文化人に愛され、華やかでファッショナブルな独特の香りを放つ街だから。昔と比べれば今は、背筋を伸ばしたくなる穏やかな緊張感と、刺激が交錯する独特の雰囲気は薄れてしまったかもしれないけれど、海外の人で賑わっていた街が今は少し落ち着きを取り戻し、かつての銀座らしい空気が戻ってきたように思う。そんな銀座のビルの一角に、銀座らしい華やかさ、そして現代の軽やかさが交錯するフランス料理を楽しませる店がある。その名は【ル・シーニュ】。「旧軽井沢ホテル」の総料理長を勤めていた上野宗士氏と、【ドミニク・ブシェ】でソムリエをつとめていた有馬純平氏がタッグを組んで、2019年12月にオープンしたレストランだ。シェフの上野宗士さん。パリ【レ・ザンパサドール】などで修行後帰国し、【ベージュ アラン・デュカス 東京】の副料理長に就任。その後、「旧軽井沢ホテル」のフランス料理店【ル・シーニュ】のシェフに。2019年12月に現在の店【ル・シーニュ】シェフとなる料理はおまかせコースのみ。メニューをひらけば、『ミニヨンズ現る』『完熟な未熟者』『銀座』のような、およそどんな料理かはわからない、短編小説の目次のような文字が並んでいる。「ワインはどうされますか?」と有馬さんに聞かれて、想像つかない料理を楽しみに、‟おまかせで”と身を委ねることにした。が、しかし。それぞれの料理に合わせるペアリングだとアルコールが弱い私には少し辛くなってしまう。そんなことを正直に話すと、それぞれのグラスワインの分量を調整してくれるという。その心遣いがうれしい。そして、それが大正解!お店で楽しめるワイン色々。ロマネ・コンティとルロワはボトル提供。フランスワインが中心だが、カリフォルニア、スイス、ギリシャなど、若く挑戦的で将来期待されるメゾンのものも揃えている実は、こちら、ワイン好きにはちょっと話題のお店でもある。ストックしている銘醸ワインは250種類以上。ワインペアリングは16,000円から50,000円までという幅広いラインナップ。40,000円や50,000円のラインナップには、ブルゴーニュの注目株「ピエール・イヴ・コラン・モレ」のコルトン・シャルルマーニュや、ボルドーの格付け第1級シャトー・オー・ブリオンなど、他店では、まず、グラスで提供されることのないワインが登場する。「やはり、銀座にいらっしゃるお客様に満足していただくようなワインのラインナップは意識しています。基本は本質的においしく、美しいワインを。若手の注目株から、銀座らしいオーセンティックなものまでお客様の嗜好にあわせてご紹介しています」と有馬さん。一つの料理ができあがると、上野さんと有馬さんで真剣に話し合い、合わせるワインや最終的な料理の味の調整をして、世界観を決めていくため、ペアリングのワインは一皿ごとに変えている。お任せコース24,000円のなかの一品『銀座』。キャビアは5種類ほど常備し、常連のお客様にはあえて違う種類のものを出して味の違いを楽しんでもらうそう‟銀座”という街の魅力を意識しているのは、シェフ・上野さんも同じだ。【ベージュ・アラン・デュカス 東京】の副料理長を務めていた上野さんにとって、‟銀座”というのは、思い入れのある場所だったという。集まる人の面白さ、華やかな街の魅力。そうした場所で、‟若すぎず、また年を取りすぎてもいない今”軽井沢から銀座に移り、シェフを務めることに魅力を感じたという。そうした、彼らの思いがよくわかるのが、スペシャリテの一つ『銀座』だ。これは乳脂肪分40%のジャージー牛でつくられたクリームに銀箔とキャビアが‟これでもか”と乗せられたゴージャスな一品。これには、ペアリングをオーダーした人には値段にかかわらず、もれなくグラスに、シャンパンの王様・クリュッグがたっぷりと‟注がれる。上品な塩気のキャビアと、濃厚ながらもしつこくないクリームを一口食べる。そして優雅で繊細でふくよかなクリュッグを口に含む。これぞまさに、オーセンティックな煌びやかさと軽やかな‟令和”が交錯した今の銀座を体現したかのような組み合わせ。背徳感のある贅沢に身を浸しながら、遊び慣れた大人気分で、自然と高揚していくのがわかるだろう。「秋刀魚を応援する」⁉独創的な料理名に込められた秘密の話『秋刀魚応援プロジェクト』。甘みのあるパプリカと脂が乗った秋刀魚の旨味の多重奏を、ハーブのフレッシュさで小気味好く切るそして、こちらのお店で楽しいのが、料理につけられたメニュー名。『銀座』の次に運ばれてきた料理メニューは『秋刀魚を応援プロジェクト』。現れたのは、ハーブに包まれた可愛らしい黒いタルト。中身は、パプリカのコンフィに香ばしいサンマ。それらの食材をハーブのサラダとエディブルフラワーがドレスアップしている。なぜ、これが、サンマの応援料理なのだろうか?その理由をシェフに聞くと「米津玄師さんの『パプリカ』ってあるじゃないですか。あれはNHKの番組で子供むけの応援ソング。一方、今年はサンマが深刻な不漁。そのなかでも長年つきあいのある仲買の方が脂ののったいいものを届けてくれるんです。そんなサンマの現状に意識を向けつつおいしさをちゃんと知ってほしい、組み合わせとしてもいいパプリカと合わせた料理だから、応援歌とかけて‟秋刀魚を応援プロジェクト”という名前になったんです」と笑顔で答えてくれた。『名前はまだない』。熊本県産の‟えこめ牛”のローストにマデラ酒、ごぼうなどの付け合わせを添えて。赤身ながらも繊維がこまかく柔らかい繊細な肉に、さっぱりとしたソースが相性抜群続いて運ばれてきた牛肉の一皿のメニュー名はその名も『名前はまだない』。どんな料理かといえば、赤身の牛肉のステーキに、マデラソース、そしてごぼうなどの野菜の付け合わせがのせられたもの。なんでも、このお皿につけたくなるような名前が思いつかないのだという。「料理名に生産者の名前や食材名、ソース名を並べるような表記にしっくりこなくて。そのお料理の食材の背景や歴史が見えて、記憶に残るものにしたいんですよね」と上野さん。アラン・デュカスの元で薫陶を受けた上野さんが、その技術と哲学を消化して自分のものにし生み出す料理は、フランス料理の骨格がしっかりとありながらも、軽やかで自由だ。そうした彼の料理に、従来のメニュー表記は確かに似合わない。彼にとってフランス料理とは、‟火の入れ方、味の付け方、調理の正確さなどの基本的な技術の上で、それをどう解釈していくか”というところに真髄があるという。例えば、この熊本の赤牛のローストは、バターをたっぷりと使い、アロゼしながら焼き上げたクラシックなフランス料理の手法のもの。ソースは従来のマデラソースよりもぐっと酸味を効かせてさわやかに仕上げ、黒ごまのパウダーを添える。付け合わせは、‟和食からヒントを得た”というごぼうを煮たものと、ごぼうでつくった団子。団子は【日本料理晴山】に食べにいったとき‟美味しくて感動したもので、山本晴彦シェフに作り方を教えてもらって、早速料理に取り入れたものだそう。この組み合わせが実によく合う。上野さんの柔軟で、‟料理をつくるのが楽しくてしかたない”という気持ちが一皿ごとに伝わってくる。そして、そこに、短編小説のような料理名が、ワクワクした高揚感をゲストに伝えてくれるのだ。偶然から誕生した、トリュフが雪のように積もるアイスクリームデザートの『黒雪』にふりかけられるフローズン・トリュフ。その大きさは圧巻!フランスからオーストラリアまで、その時期によって上質なトリュフがとれるところから仕入れる。軽井沢時代からのスペシャリテ『黒雪』は、そんな自由で料理を楽しんでいる上野さんを象徴する料理かもしれない。このスペシャリテは偶然の産物だったという。冬が厳しい軽井沢。ある日、食材庫に行ってみたら、黒トリュフが凍ってしまっていた。凍ったトリュフは、どんな風になってしまっているのだろう?と疑問に思った上野さんは、まずスライスして食べてみた。すると、冷たいトリュフが、口の中で一気に溶け、花開くように香りが立ち上った。温度差によってその香りの強さと広がりが強調されることに気がついた上野さんは、トリュフならではの香りを極限まで引き出すために、凍らせたトリュフをすりおろし、口の中の体温で一気に花開くように冷たく提供するにはどうしたらいいかと考えた。そして生まれたのが、冷たいまま提供できる、アイスクリームというわけだ。「トリュフをよりトリュフらしく届ける」ために、アイスクリームもトリュフのアイスクリームに。そこに細かく削ったトリュフを、雪が降り積もるようにたっぷりとかけた。「浅間山が噴火して、火山灰まじりの雪が降り積もったら、こんなイメージかもしれない」そう思い、『黒雪』と名付けた。『黒雪』。見よ、この降り積もるトリュフの厚さを!!たっぷりとこころゆくまで振りかけられた黒トリュフが、口のなかで溶けるときに放つ芳香に、夢見心地になること間違いなしこのデザートは、コースを締めくくる最大のクライマックスだろう。口の中で一瞬にしてシュワっと溶けた瞬間、芳醇で媚薬のような香りが身体中に広がり、恍惚としてしまう。そして、この日にいただいた、数々の料理とワインが走馬灯のように思い出され、今日という特別なディナーが深く記憶に刻まれる。【ル・シーニュ】というのは、‟兆し”という意味だそうだ。これからなにか起きそうな、ワクワクする予感。実際、食事をしている間、、次はどんなワクワクに出会えるのだろう?という予感がずっと持続していた。そして大人になった今だからこそ、心地よい高揚感を覚えながら、こうした銀座らしい落ち着いた場所で贅沢なひとときを味わうことで、忙しく走り抜けてきた日々をリセットできる。きっと明日、なにかいい‟兆し”があるかもしれないな。寝る前に、いただいためくるめく料理とワインの素晴らしさを反芻しながら、幸せな眠りにつく。それは、いろんなものを経験してきた大人だけが味わえる特権なのかもしれない。【ル・シーニュ】店舗詳細電話:03-3571-0005住所:東京都中央区銀座5-4-15 西五ビル6F営業時間:18:30023:00(L.O.19:30)定休日:日曜日・月曜日コース:24,000円(2021年1月6日より27,000円)
2020年11月13日訪れるために旅をしたい!おしゃれな一軒家レストラン能登の食材を中心に織りなす美しい料理シェフのこだわる“金沢フレンチ”訪れるために旅をしたい!おしゃれな一軒家レストラン大人の贅沢な時間を演出してくれる一軒家レストラン金沢、犀川の近くに佇むフレンチレストラン【Installation Table ENSO L’asymetrie du calme】。一軒家レストランならではの落ち着いた雰囲気に加え、シンプルなつくりの中に木の温かみやフルオープンキッチンに見える料理人の熱を感じられるお店です。洗練されていながら、趣と温かさがある店内白を基調としたシンプルで洗礼された印象の店内は、もともと明治期に建てられた学校をリノベーションしてつくられています。大人のデートや親へのプレゼント、ちょっぴり贅沢な女子会など特別な日を過ごすのにぴったりです。こだわりは器にも。料理と器の調和も楽しめる空間のこだわりは、器にもおよびます。料理に合わせてオリジナルでつくられた器も金沢のブランドsecca(雪花)社のもの。お店のつくりやキッチン、テーブルや器に至るまで、料理を際立たせてくれる空間づくりがされており、記憶に残る心地よい時間を過ごすことができます。能登の食材を中心に織りなす美しい料理料理はランチ、ディナーともに『おすすめコース』のみ。その時季に旬を迎える食材をつかったシェフのおもてなしに、驚きや発見、感動を覚えられるのが魅力のひとつです。今回は、ある日のコースで振舞われた3品をピックアップしてご紹介します。和の食材をフレンチの仕立てでいただく『スッポンのフラン』和食の素材であるスッポンをフランス料理に用いられた土井シェフならではの一品。洋風の茶碗蒸しのような食感で、トロトロなフランにスッポンのエキスがぎゅっと凝縮されています。どこか懐かしくも、新しい発見を与えてくれます。驚きの組み合わせ! 鶏皮の食感とチョコレートの濃厚さがクセになる『チキンスキン』お店オリジナルの木の器で提供されます。プレゼントのようでワクワクする見た目。蓋を開けると「なんだ!これは!」と驚きの出会いが待っています。鶏皮、鶏のレバームースの食感と旨みに、フランス・ヴァローナ社の最高級チョコレートを合わせた一品。絶妙な甘さと塩加減がクセになるおいしさです。生ガキよりもクリーミー『カキの62℃』食感は生ガキのようでありながら、味わいはかなりクリーミーです。素材の旨みを生かすために、62℃でカキを加熱。フロマージュブラン・ベースのソースと合わせていただく、忘れられない絶品です。シェフのこだわる“金沢フレンチ”日本料理からキャリアをスタートさせ、その後、スイス、北欧、フランスなどヨーロッパで腕を磨いた土井誠シェフが手掛ける一皿はここでしか食べられない“金沢フレンチ”。和食の知識や技術とフレンチのスタイルを掛け合わせて仕上げられる料理は感嘆の声が漏れるほど美しいです。繊細なシェフの技が光る美しい料理そんな一皿を手掛けるためにシェフが強くこだわるのは新鮮な北陸の食材。海の幸も山の幸も豊富な北陸は日本有数の食材の宝庫。能登を中心に、シェフ自らが生産地に足を運び、厳選しています。能登の魚介や塩、加賀野菜、能登牛、石川県のジビエなどその土地ならではの味と香り、食材同士の相性を大切にした料理が供されます。新鮮な北陸の食材自然に囲まれた温かな空間で、シェフの技が光る唯一無二の料理がいただける【Installation Table ENSO L’asymetrie du calme】。その料理に出会うために、旅をしたくなるレストランです。Installation Table ENSO L’asymetrie du calme【エリア】香林坊/片町【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】10000円【ディナー平均予算】15000円【アクセス】野町駅 徒歩15分
2020年11月04日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回ご紹介するのは、『Libre(リーブル)』のランチコースです。9月より、オーナーシェフの田熊一衛氏がカウンター席の前で料理を作っている。「コロナの影響でテイクアウト中心に変更しなければならなかった時期は厳しかったけれど、ようやく仕切り直しです」。『リーブル』がオープンしたのは2018年6月。昼はお菓子屋、夜はレストランというユニークなスタイルで始めたが、同時期に福岡にスイーツの店を出し、さらには東京でグランメゾンを開く話まで持ち上がっていた。そんな注目度の高さの理由はシェフの経歴にある。通算10年にもなるフランス料理人歴。最後の1年はパリの3ツ星レストランで、スーシェフ(副料理長)に迎えられた。営業中は厨房内とダイニングの動きに神経を集中し、営業後は新作を考える日々。その経験は田熊氏にとって大きな財産になったと思う。フランス料理は伝統を守りながらも、常に進化していく。そのためにシェフに求められるのがクリエイション(創造)だ。庶民が大好きな豚の血のソーセージ「ブーダン・ノワール」。『リーブル』では、豚足と生クリームを加えたなめらかな味わい。さらに牛乳チップス(牛乳を湯葉のような膜状にして乾燥させたもの)を飾り、柚子の酸味と香りを散らしたモダンな一皿に。その繊細なクリエイションをぜひ味わってほしい。Libre東京都港区白金1‐15‐36TEL:03・6447・7077ランチ12:00~16:00(14:00LO)、ディナー18:00~23:30(21:00LO)水曜休ランチコース¥5,000より。左・太刀魚とビーツと冬瓜の前菜。軽く炙った太刀魚に冬瓜、ビーツの組み合わせは秀逸。右・ブーダン・ノワール、唐津の牛乳チップスと柚子のジュレ。牛乳が味を引き立てるブーダン・ノワールはエレガントなレストラン料理のお手本。どちらも田熊シェフのスペシャリテ。ランチコースはアミューズ、前菜3品、メイン料理、デザート。いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2020年11月4日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2020年11月02日【マルディグラ】のランチがスタート!「洋食屋さん」がテーマ!ここでしか味わえない贅沢メニューシェフの温かな思いやりが詰まったランチタイム【マルディグラ】のランチがスタート!中がきれいなピンク色に火の通った『尾崎牛モモ肉のイパネマステーキ』綺麗に火入れされ、今にも肉汁が溢れだしそうなおいしそうなステーキ...。銀座にある【マルディグラ】は“肉の巨匠”と呼ばれる和知シェフが手掛ける、肉料理を中心としたフレンチが楽しめるお店です。いままでディナーのみの営業でしたが、2020年8月から、ついにランチの営業が開始されました!価格もお手頃で、さらにディナーでは食べられないメニューもあるとのこと。これは居てもたってもいられません。早速、お邪魔してきました!「町の洋食屋さん」がテーマ! プロが手掛ける贅沢メニューランチメニューはどれも注文を受けてから5分程度で提供できるように考えられていますランチタイムは12:00~13:00ごろまでの約1時間。「町の洋食屋さん」をイメージしてつくられたメニューは、厳選された下記の4種類で、サクッと食べられるようにワンプレートで提供されます。『ブッダボウル』1,400円(税抜)『和牛のバタ焼き』2,500円(税抜)『羊のラグマン』1,500円(税抜)『マカロニとホウレン草のグラタン』2,500円(税抜)4種類に限られていても「えええ、どれも食べてみたい...」と迷ってしまうところですが、やっぱり、和知シェフの代名詞とも言える肉料理が食べたい!ということで、今回は『和牛のバタ焼き』『羊のラグマン』の2品をピックアップしてご紹介します。『和牛のバタ焼き』シェフこだわりのお肉を使用。バターの香りにごはんがすすみますシェフの調理中に聞こえてくる“ジュー”というお肉の焼ける音や、バターやソースのいい香り...。それだけでごはん一杯は食べられてしまいそうなこの料理は、ランチメニューのなかでも人気の一品です。出てきた瞬間に「わぁ」と感嘆の声が漏れるほど、このお肉のかがやきはたまりません。この日のお肉は尾崎牛で、弾力のあるジューシーな食べ応え。そして、注目してほしいのがソースです! フレンチでつかわれるポルトガルのお酒「マデラ酒」と醤油でつくられた、まろやかで甘みのあるソースはごはんとの相性が抜群。ボリュームも満点で、午後からの活力を付けてくれるメニューです。『羊のラグマン』上にのった半熟のたまごと混ぜ合わせていただくのがオススメ「あれ、そもそも“ラグマン”って何だろう」と思った方も多いはず。ラグマンとは、中央アジア発祥でラーメンのツールともいわれている麺のことなのです!どんな食感なのか、ワクワクしながら待つこと数分。運ばれてきた瞬間から漂う、スパイシーでコクのある香り!早速ひと口食べてみると、羊脂で火入れされた羊肉の旨み、ラタトゥイユの酸味、半熟たまごの甘みが合わさりクセになるおいしさです。ラグマンはモチモチとした食感で食べ応えもあります。添えられたパクチーと一緒に食べると爽やかさが追加され、もう一口、もう一口...と最後まで食べる手が止まりません!プラス500円でドリンクもズラリと用意されたお酒の数々ランチメニューにはプラス500円でドリンクが付けられます。ビールやグラスワインなどもメニューに含まれているので、休日にはぜひとも、昼飲みを楽しみたい...!和知シェフの温かな思いやりが詰まったランチタイムあれもこれも食べたい!となってしまうぐらいおいしかった【マルディグラ】のランチ。食材やスパイス、調味料へのこだわりに加え、和知シェフが培ってきたフレンチの技が存分に発揮されているランチメニュー。お店の開店から20年目を迎えるいま、ランチタイムの営業を始めたきっかけや思いを和知シェフにお伺いしました。【マルディグラ】の和知徹シェフ──ランチの営業を始められたきっかけは何ですか?──なるほど。テイクアウトメニューのハンバーガーもとってもおいしそうでした...。今回の、ランチメニューを考案されるときに意識していたことはありますか?──コンセプトを「洋食屋さん」としたのはどうしてですか?──4種でも迷ってしまいました(笑)。ぜひほかのメニューも食べに伺いたいのですが、ランチの営業は今後も続けられますか?「食を通してできることは何か」を考え、シェフの細やかで温かな思いやりが詰まった【マルディグラ】のランチタイム。今までなかなか手の届かなかった名店の味を気軽に楽しめるチャンスです!銀座に行った際には、ぜひ訪れてみてくださいね。店舗情報マルディグラ【エリア】新橋/汐留【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】10000円【アクセス】新橋駅 徒歩3分
2020年10月29日本場仕込みのフレンチをカジュアルに楽しむ河原町駅から徒歩4分ほど、大通りの喧騒から少し離れた所にある【Jumelles 29(ジュメルニジュウク)】。ここは、カジュアルなバル感覚で気軽に訪れつつも、フランスの星付きレストランで修業したシェフによる本場仕込みのフレンチが味わえるお店です。カウンター席がメインの1階と、テーブル席が並ぶ2階があるので、デートで訪れたり、友人や同僚と訪れたりと、人数やシチュエーションによっても使い分けることができます。1階はカウンター席メインで、少人数用のテーブル席も用意2階フロアには、幅広い人数に対応してくれるテーブル席が並びます肉にこだわった、60種ものアラカルト料理は前菜からデザートまで約60種類ものアラカルトが楽しめます。中でも力を入れているのは肉料理で、店名の「29」も肉への思いからなのだそう。ワインと好相性のメニューが多い肉料理をたっぷりと堪能できます。シェフが力を入れている肉料理が豊富に揃います旨味が強い「宮崎尾崎牛」をつかったタルタルアラカルトの種類は、なんと約60種!アラカルトだけでなくコースの用意もあり、価格は5,600円~とリーズナブル。おいしいフレンチを食べに気軽にディナーに出かけたい、そんなお店を探しているなら【Jumelles 29】がおすすめです。【Jumelles 29】シェフ:村上 章さん1972年、岡山生まれ。数軒のホテルで修業し、フランス料理店【フィリップ・オブロン】で5年間働いた後にフランスに渡る。カンヌや、リヨンの【ムーラン・ド・ムージャン】等で腕を磨き、帰国。イタリアンBALを任され、後に独立した。Jumelles29(ジュメルニジュウク)【エリア】四条河原町周辺/寺町【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】5000円【アクセス】河原町駅 徒歩4分
2020年10月26日ヒトサラ「Go To Eat」キャンペーンのポイント!ランチは500pt、ディナーは1,000ptもらえる期間中はヒトサラPOINTが通常の3倍!最短翌日でポイントがつかえる大和八木駅【bistro La Fuwaja】奈良県産の食材でつくる【フレンチ×和の融合】を味わう独立時からお店で出そうと決めていた一品。『奈良吉野・上北産の鹿肉ロースト』店名は【フランス・和・ジャポン】を表すシェフの造語。その名の通り、フレンチ×和の融合を目指したシェフこだわりのコース料理を提供しています。日頃の疲れをリフレッシュできるようなアットホームな空間で、カジュアルにフレンチを堪能できますよ。お肉は地元奈良県吉野でとれた鹿・猪肉、野菜は桜井山田の段々畑で採取された野菜を使用。ほかに旬の魚介をシェフ自ら厳選しています。ワインは料理に合ったものを多数取り揃えており、フレンチとのマリアージュを楽しめるのも魅力です。bistro La Fuwaja【エリア】橿原【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】3000円【ディナー平均予算】4000円【アクセス】大和八木駅 徒歩3分畝傍御陵前駅【ビストロイマイ】高級食材をつかった本格フランス料理を気軽に楽しめるビストロ想像を超えるやわらかな食感と、口いっぱいに広がるアワビの甘みを堪能できる『アワビのステーキ』オーソドックスでクラシックなフランス料理を味わえる【ビストロイマイ】。過剰な演出無しの、おいしさだけを追求した料理を提供してくれます。白を基調にした明るい店内は、アットホームな雰囲気。小上がり席もあり、つかい勝手がいいお店です。用意されたコースメニューは全部で6種類。中でも『menu special』は、フォアグラやアワビなどの高級食材を堪能できるおすすめのメニューです。量の少ないハーフコースも用意があり、家族連れにうれしい配慮がされています。ビストロイマイ【エリア】橿原【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】1600円【ディナー平均予算】3800円【アクセス】畝傍御陵前駅 徒歩6分坊城駅【ImagamI】新しいフレンチ×自然派ワイン。ゆっくり味わえる一軒家レストランバラエティ豊かな旬の山海の幸を満喫『旬の彩り前菜いろいろ盛合わせ』能登牛やのどぐろなど、石川で採れる一級の品々を堪能できるレストラン。店内にはゆったりとくつろげるカウンター席と奥まったテーブル席があり、大人の隠れ家のような趣があります。営業時間が昼ノ部と夜ノ部に分かれており、それぞれ違った雰囲気を楽しめます。ランチは気軽にのどぐろなどの丼ものを、ディナーは加賀野菜や海の幸をつかった創作コース料理を堪能できます。金沢市内の料亭でみっちり腕を磨いた料理人がつくる和食は、地元の食通も唸らせる逸品揃い。お酒も地のものをたくさん用意してあります。ImagamI【エリア】橿原【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】3000円【ディナー平均予算】5000円【アクセス】坊城駅高田市駅【ヴェルデ辻甚】極上な大人の時間を満喫できるモダンスタイルレストラン8時間煮込んだコンソメのソースで見事フレンチに仕上げた贅沢な『フカヒレのステーキ』3,500円(税抜)約400年の歴史を持つ元老舗料亭旅館である【辻甚】が品位と格調に満ちた空間として蘇った【ヴェルデ辻甚】。風光明媚な大正ロマン溢れる風雅な外観はそのままに、おいしい料理と心温まるおもてなしが迎えてくれる、非日常空間が広がります。どの料理も季節の魚介や野菜をそれぞれの食材に合わせて料理し、美しい盛り付けや味にもこだわった逸品揃いです。また、幅広い年齢層が楽しめるよう、大人と同じ食材をつかった本格フレンチのお子様向けコースも用意。家族のお祝い事にもおすすめです。ヴェルデ辻甚【エリア】大和高田【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】4000円【ディナー平均予算】9000円【アクセス】高田市駅 徒歩3分新ノ口駅 【レストランピノノワール】洗練されたアーティスティックな空間でフレンチとワインを堪能皮目をパリッと、身はふっくらと焼きあげた旬魚の芳醇な味わいに心ときめく『魚料理』アーティスティックな空間が魅力の、一軒家フレンチ。デザイナーが手掛けるウォルナット製の家具や画家制作の版画作品が目を引く店内は、ゲストの美的感覚をも刺激してくれます。重厚感のある洗練された大人の雰囲気でゆっくりと上質な時間を過ごせます。素材の持ち味を最大限に引き出したフランス料理を提供。そこに合わせたいのは、フランスブルゴーニュ地方のワイン。熟成した飲み頃のワインを常時300本ほど取り揃えたワインセラーがあり、普段なかなか味わえない高級なワインもグラスで用意しています。レストランピノノワール【エリア】橿原【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】5000円【ディナー平均予算】10000円【アクセス】新ノ口駅 徒歩5分ほかにも、「GoToイート」利用可能なお店をお探しなら、こちらをチェック!↓
2020年10月25日フランス史上初、ミシュラン1つ星を獲得した日本人女性シェフ2019年は神﨑千帆さんにとって忘れられない年だ。ミシュラン仏版で、シェフを務める【ヴィルチュス】が初の1つ星を獲得。師マウロ・コラグレコさん率いる地中海沿いの【ミラズール】は3つ星に輝いたからだ。常連も多く45席が毎日ほぼ満席。「彼は私を認めてくれた初めてのシェフ。応えたいという思いで必死でした」と振り返る。2度目の渡仏で1つ星として頭をもたげたばかりの【ミラズール】へ。アルゼンチン人のコラグレコさんは、国籍も性も関係なく仕事そのものを認めてくれた。千帆さんの父親は精肉店で、子どもの頃から料理人になることが夢。離婚して4人の子どもを女手一つで育て上げた母親の姿を見て備わった生き抜く根性は厨房でも伝わっただろう。全部門を経験し、スーシェフにまで上り詰めた。公私ともにパートナーの、製菓専門のディ・ジャコモさんともこの店で出会った。『ホタテとハヤトウリのサラダ風』。ハヤトウリはタリアッテレ状に切りそろえ、マンダリンオレンジ、アイスプラントとあえる。オレンジとオリーブオイルのシンプルなドレッシング、からすみを振りかけて。「マウロに学んだのは、素材を生かす哲学。例えば、塩はゲランド産粗塩を乾かしたものを使いますが、旨みが凝縮していて、これに勝るものはありません」。【ヴィルチュス】では、率直に言い合えるディ・ジャコモさんとの二人三脚。地中海の太陽を感じさせる、鮮烈さと優しさ溢れる料理で、素材の表情を浮かび上がらせる腕には定評がある。常連も多く45席が毎日ほぼ満席だ。一匹から切り出したアンコウのフィレ。エシャロットで炒めてクリームを絡めたフダンソウと芽キャベツを添えて。パセリと魚のフュメのエマルジョンと。将来的な出産との両立にも悩み、「男性も出産できたら、男女差はないのに」とも。その素直な語り口には、女性としてのステージにもまい進する強さが満ちている。
2020年10月24日ちょっぴり贅沢に、でもカジュアルに楽しみたい夜に今夜のデートはいつもより少しいいお店で食事したい、もしくは友人とちょっぴり贅沢においしいものを食べに行きたい、そんな時にぴったりなのが恵比寿のフレンチレストラン【ici(イスィ)】。店内はカウンター席とテーブル席1卓で、落ち着いて食事ができるこぢんまりとした空間です。料理は計7皿のおまかせフルコースでありながら、価格はリーズナブルな7,000円。カジュアルに訪れて、本物のフレンチを楽しむことができます。お店がある場所は、恵比寿駅東口から広尾方面に向かって進んだ、恵比寿橋南の交差点を過ぎたあたり小さな空間でも狭さを感じない席の配置(2名席2卓のレイアウトの場合もあり)7皿からなるコース料理コース7皿は季節によって構成が変わることもありますが、まずはアミューズの『じっくり炒めた玉ねぎのミニパイ』から始まり、前菜3品、魚料理、肉料理と続きます。そしてデザート、又はチーズ、又はデザートワイン等の中からいずれかをチョイス、最後にカフェと小菓子といった流れです。【ici】のスペシャリテ『季節のパイ包み焼き』(コースの1品の一例)『じっくり炒めた玉ねぎのミニパイ』(コースの1品の一例)『サーモンのミキュイ』(コースの1品の一例)中でもフレンチの王道料理であり、お店のスペシャリテでもある『季節のパイ包み焼き』は、定番の鴨や仔羊はもちろん、夏には鮎や鱧、穴子、冬にはイノシシや蝦夷鹿などを使った、【ici】ならではの味が楽しめます。いつもとは少し違う、ちょっぴり贅沢なディナーをカジュアルに味わいに行く、そんなお店を探しているなら、【ici】がおすすめです。【ici】シェフ:岩田 秀一郎さん調理学校を卒業し大阪で経験を積み、2005年~2010年までフランスに渡りパリを中心にフレンチを学ぶ。東京五反田【ビストロ ボノミー】(現在は閉店)の開業に伴い帰国し、4年間シェフを務める。その後独立し、2015年12月に【ici(イスィ)】をオープン。ici【エリア】恵比寿【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】9000円【アクセス】恵比寿駅 徒歩10分
2020年10月19日~愛読書をご紹介してくださるのは~【Restaurant PAGES】 手島 竜司さん1976年、熊本県生まれ。19歳から地元のフランス料理店で修業を開始。26歳で渡仏し、パリの名店【Restaurant Lucas Carton】などで研鑽を積む。2014年、パリ16区の凱旋門近くに【RestaurantPAGES】を開業。’16年に仏・ミシュランガイドで一つ星を獲得した。先人の世界観を真に知るには本こそが頼り昔は「フライパンに残ったソースをなめて味を盗め」と言われたものですが、時代は変わりました。今は携帯がありさえすれば、苦労なくレシピを引き出せます。それによって浮いた時間を活用すれば、己の料理を進化させることも可能でしょう。科学的に美味を追求する『ModernistCuisine』を読んでみようと思った理由もそこにあります。『Modernist Cuisine』シリーズ 日本語版 ネイサン・マイアーボールド、マキシム・ビレット 著、山田 文、田畑 あや子、内藤 典子 訳/角川書店そんな今日的な便利さを歓迎する一方で、僕はアナログならではのよさも実感しています。例えば先に述べたようにインターネットを検索して先人のレシピを知り得たとしても、その先人がどんなアイデンティティーを持っていたから、食べ手の心を揺さぶる料理が生まれたのだということを体系的に理解するには至らない。それができるのは、やっぱり「本」なんですよ。僕は今まで給料の多くを本に費やしてきました。渡仏して数年はひどい貧乏生活でしたが、部屋の壁一面を埋め尽くすほどの料理本を求め、必死になって読みましたね。『皿の上に、僕がある。』三國 清三 著/柴田書店とくに印象的だったのが、三國清三シェフによる一冊『皿の上に、僕がある。』。三國シェフの大胆さ、豪快さ、激烈なバイタリティーがぎゅっと凝縮されていて、憧れずにはいられませんでした。料理人がアイデンティティーを持ち、それを表現することが大切であると、この本が無言のうちに諭してくれたのです。『「 京味」の十二か月』西 健一郎、平岩 弓枝 著/文藝春秋また、『「京味」の十二か月』には日本料理の奥深さをしみじみと教えられました。僕なりの解釈ですが、日本料理の素晴らしさとは、生産者、流通業者、仲買人、料理人など、プロフェッショナルたちによる総合力のたまものであることなんです。僕は今、フランスでフランス料理をやっていますが、日本人シェフとして、日本料理におけるその一貫性という文化を表現したい。それもあって、店ではあえて日本の食材を使いません。現地の食材を見極めておいしい状態に持っていくことが、日本人の料理哲学だと思っていますから~手島さんの愛読書3選~『Modernist Cuisine』シリーズ 日本語版マキシム・ビレット 著、山田 文、田畑 あや子、内藤 典子 訳/角川書店マイクロソフト社の最高技術責任者が料理の世界に転身し、ラボを創設。最先端の調理器具や、美味を科学的に追求。肉を煮る鍋の断面を写真にしたりと見せ方も徹底している。『皿の上に、僕がある。』三國 清三 著/柴田書店三國シェフが1986年に31歳で上梓。20の食材を取り上げ、それぞれに対する考え方、調理法を三國氏が自身の言葉でつづる。氏の世界観が投影された大胆なビジュアルは必見。『「 京味」の十二か月』西 健一郎、平岩 弓枝 著/文藝春秋名店【京味】をいとなむ西健一郎氏が、自身の料理のつくり方や考え方を、常連客である作家・平岩弓枝氏との対談によって解説。四季の素晴らしさを改めて実感できるはず。いかがでしたか。料理人の愛読書「シェフの本棚」も掲載されている冊子「hitosara quarterly magazine」は、グルメサイト「ヒトサラ」が加盟店様向けに発行している食のトレンドブックです。日本から世界まで、あらゆる角度から食の情報を集めています。下記リンクより試し読みもできます。ぜひチェックしてみてください。
2020年10月18日日本の旬とフランスの技術が調和する、美しい世界マリオットホテル系列のラグジュアリーホテル「東京エディション虎ノ門」や洗練された都会派の「AOYAMA GRAND HOTEL」等々、2020年の東京はホテルラッシュ。高級ホテルも華を添える中、“食”のジャンルで頭一つ抜きん出ているのが、この9月1日に開業した「フォーシーズンズホテル東京大手町」。いくつかあるレストランのなかでも、最上階のフレンチレストラン【est】に、今、グルマン達の熱い視線が注がれている。ホテル最上階から臨む景観もご馳走のうち。スカイツリーも見える。店内中央のテーブルからはキッチンの様子も伺うことかできる入り口から続くアプローチに期待を膨らませつつ、店内に足を踏み入れれば、そこは淡いベージュとシャンパンゴールドの輝きに包まれた瀟洒な空間。さりげなく和の趣を加味した照明やオブジェがシックな雰囲気を醸し出す。そんな内装とシンクロするかの如く、ここ【est】が目指すのは、日本のテロワールに根差したフランス料理。そして、それを編み出すのは、【アルページュ】や【ランブロワジー】など名ただたる名店で腕を磨いてきたギヨーム・ブラカヴァルシェフだ。ギヨーム・ブラカヴァルシェフ、39歳。【アルページュ】や【オテル・ド・クリヨン】等パリで11年研鑚を積んだ後、2012年に来日。【キュイジーヌ・〔s〕ミッシェル・トロワグロ】のエグゼグティブシェフを経て【est 】のシェフに「【est】のeはエモーション、sはシーズン、tはテロワールを意味しています。ですから、ここで扱う食材の、およそ85%は日本の食材。フランスから取り寄せているのは、キャビアやトリュフなど一部の食材だけです。」とは、ギヨームシェフ。来日して8年、全国各地の生産者のもとを訪れ、それぞれの食材が育まれてきた環境にまで目を向けてきただけに、日本の食材への造詣も深く、味噌、醤油、もろみと言った極めて日本的な調味料も違和感なく取り入れ、軽やかで革新的なフランス料理を表現している。きのこ形のパンは【シニフィアン シニフイエ】の特注品。上の部分はカリカリ、中はしっとりと柔らかい。上にはきなこを振りかけている。左が大豆のフムス例えば、特注のパンに添えたバターならぬ大豆のペースト。いわば大豆版フムスのような味わいなのだが、そこに、振りかけているのが、なんと粉末にしたもろみ。このもろみが、オリーブ油や塩だけではまかないきれぬ香ばしさと旨味をプラス。バターに負けぬ存在感を示しているのだ。食べ疲れない料理を心がけているというその一皿一皿は、バターやクリームも従来のフレンチに比べ、出来るだけ減らされているのだろう。いずれも、素材本来の味を持ち味が前面に引き出された食後感の軽さが印象的だ。『カボチャ キャビア』。カボチャのピューレは、栗のようなホクホクした甘みが特徴の“恋するマロンカボチャ”と濃厚な旨みの“ブラックジョーカボチャ”の2種類をブレンドしている2種類のカボチャで作ったピューレをパスタ生地ではなくスライスした大根で包んだ野菜のラビオリ“カボチャキャビア”にしても、2種類のカボチャを混ぜたカボチャのピューレを包むのは、パスタ生地代わりのスライスした大根。キャビアが入ったソースにしても、生クリームと思いきやリコッタチーズを牛乳で伸ばしたソースといった具合だ。たっぷりのキャビアがを加えることでラグジュアリー感と共に塩味をカバー。カボチャのあまみを際立たせるといった仕掛けも心憎いばかりだ。能登の「高農園」から取り寄せている野菜の数々。有機農法で栽培された野菜は、能登島の赤土に育まれ、ミネラルいっぱいに育つ。生き生きとした味わいだ料理への思いを熱心に語るギヨームシェフだが、その根底にはフランスの小さな村で、菜園や畑に囲まれて育ってきた幼い日々の経験が息づいている。作物が育ち、収穫され、料理として卓に並ぶ。今でいうファーム・トゥー・テーブルの食生活が当たり前だった日常の食卓。だからこそ、味の良し悪しはもちろん、その食材がいかにナチュラルな環境の中で作られているかに重きを置く。そう、食材が育つ環境にまでその目は向けられ、エコロジカルな食材のみを、ここ【est】では扱っている。『マナガツオ牡蠣』。香川県の漁師さんから届くマナガツオには牡蠣のソースが添えてある。周りを取り囲む高農園の野菜は、ホイルで包み焼きにしたビーツやさっとボイルした加賀太胡瓜などいずれも一手間がかけられている。能登「高農園」や千葉「武井ファーム」の野菜、北海道函館や香川の漁師から届く旬の魚etc.、皿を飾る素材は、いずれもギヨームシェフが自ら産地を訪れて納得したものばかり。それらを、シンプルかつエレガントに仕あげるセンスはさすが。そこには、料理自体もナチュラルに、と考える彼の意向が垣間見える。そのためには、ヒラメを昆布締めにしてみたり、鰆を軽く味噌漬けにしてみたりと和のテクニックを用いることも厭わない。日本の食材と手法にリスペクトしつつも、フレンチのエスプリが凜然として香りたつ新感覚のフランス料理から目が離せない。『カモミール蜂蜜』。デザートは、イタリア人のペストリーシェフ、ミケーレ・アッバテマルコ氏によるもの。レモン風味のチュイールでできた花びらに、エルダーフラワーのパルフェや蕎麦風味のアングレーズなどで構成されているフォーシーズンズホテル東京大手町【est】住所:東京都千代田区大手町1-2-1フォーシーズンズホテル東京大手町39F電話:03-6810-0655営業:11:30 ~ 15:30、18:00 ~ 23:00要予約ランチコース:10,000円0、ディナーコース:20,000円0フォーシーズンズホテル東京大手町HP
2020年10月02日じゃがいも一つでも、料理人の腕で一流の皿にできる。そんなフランス料理の力に魅了されました「美術の教師だった母は帰りが遅く、おなかがすいてもつくってくれる人は誰もいない。自分で料理するしかなかったんです。 物心ついた頃にはもう台所に立っていました」。あっけらかんとそう語るのは田中いずみさん。赤坂のフランス料理店【タンモア】のオーナーシェフだ。住宅街の地下1階にある秘密の空間小学生の頃から料理番組を見ては献立を考え、キャべツ一個をどう使い切るかなどを算段するのが楽しかったという田中シェフ。それも食いしん坊なればこそ。「今も、鴨一羽を胸、モモ、内臓など、各部位を違う料理法で提供するのが好き」だそうだから、そのスピリットは既に幼い頃から芽生えていたようだ。『ハモのバリグール風』テーブルに置かれた瞬間、鼻先をくすぐるハーブの香りが素晴らしい。南仏の定番料理に今が旬のハモを、軽く炙って合わせた一皿。卒業時に調理師免許が取れる高校を出た後、調理師学校に進み20歳で就職と同時に結婚。横浜や鎌倉のレストランで修業後、彼女曰く「旦那をほったらかして」渡仏。一つ星レストランやパリ郊外のビストロなどで3年半腕を磨いた。結婚生活を続けながらのフランス修業はご主人の理解あってこそだろう。『エゾ鹿内もも肉2種仕立て』は、ローストしたモモ肉にかぶ・すももを添えた一品と、同じ鹿肉を生ハムにし、かぶ・すももと共にサラダ仕立てにしたもの。コースは8,000円~。「フランス料理は、料理人の腕1つでただのじゃがいもも一流のお皿に昇華できる。そこに魅力を感じました」。帰国後、2年前にオープンした同店では、好きなジビエや海と山の幸を共に盛り込んだ一皿をスペシャリテとして提供。仔鹿や仔山羊なら一頭仕入れて自ら解体することも厭わないガッツな精神の持ち主だ。が、仕事を続けていく中でさまざまな壁にぶつかったことは想像に難くない。「人間、コンプレックスを持っていた方が頑張れる」。この一言がすべてを物語っている。タンモア【エリア】赤坂【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】5000円【ディナー平均予算】10000円【アクセス】乃木坂駅 徒歩6分
2020年09月13日焼く、蒸す、燻す、焦がす…炎と食材の共演を、繊細な料理にここ102年、薪焼きがちょっとしたブームを呼んでいる。赤坂【ヴァッカ・ロッサ】に端を発し、代官山【TAKUBO】や西麻布【FORNO】、そして調布【Maruta】など、薪焼きをウリにしたレストランが続々とオープン。薪火でダイナミックに焼き上げる炎の料理が好評のようだ。薪焼き=肉焼きのイメージが強い中、より幅広く薪焼きの可能性を追求しようとするレストランが昨年7月にオープンした。東銀座【薪焼 銀座おのでら】がそれ。古くて新しい21世紀の薪焼き料理を、日々模索している。薪火を正面に見るカウンター席は8席。舞台のような臨場感も魅力「薪火は人類が初めて手にした熱源。最も原始的な料理法ですが、それだけに奥が深い。数値化できないだけに面白さがありますね。」そう言って目を輝かせるのは寺田惠一シェフ、35歳。フランスの星付きレストランを始め、モダンフレンチの先鋒【カンテサンス】や創作和食の雄【傳】などで研鑚を積み、白金【ティルプス】では、僅か2ヶ月でミシュランの一つ星を獲得した俊英だ。この店では、これまでの経験を生かし、様々な角度から薪火料理にアプローチしようとしている。寺田惠一シェフ、35歳。クラシックなフレンチからイノヴェーテイヴな料理、炭火焼まで幅広い料理を経験キャビアと昆布のタルトのアミューズに始まるコースは、全部で10品。そのうち薪火を使わない料理はアミューズぐらいのもので、後の料理は、全て何かしらの用法で炭火が使われている。薪焼きといえば、肉や魚がただ焼いただけの姿形で提供されるものと思っていたら大間違い。例えば鰻の一皿。腹を裂いた鰻は熾火で炙って白焼きにした後、ざっくりと炒めたマコモ茸と共に木の芽ベースのジェノヴェーゼソースで和えて提供するといった塩梅だ。蒸さずに地焼きにした鰻はプリプリの歯ごたえが小気味よく、木の芽の風味と仄かな薪火の薫香が渾然となって鼻腔を擽る。和とも洋ともつかないオリジナルな味わいが興味深い。鰻の白焼きをマコモ茸と共に木の芽仕立てジェノゥェーゼであえた一皿また、ランド産の鳩は大胆にも丸焼き。皮目に香ばしさを纏わせたら、熾火を操りつつ、時間をかけて休ませ休ませ焼き上げていく。その間、じんわりと薫香に包まれていくわけだ。焼きがった鳩は、真紅の肉も美しく、口にすればしっとりと舌になじむ食感には、溜息が漏れる。半身に切り分け、内臓のソースで仕上げるあたりはフレンチさながら。鉄分を含んだ鳩ならではの濃い旨味に薪の薫香が絶妙なマリアージュを見せる。まさに薪火を使いこなした一つのフレンチの一皿に昇華されている。焼き上がった鳩は、半身(一人前)にカット。見事なロゼ色の断面が現れる。合わせたソースは、鳩の内臓とコニャックを合わせたもの。付け合わせにはセップ茸や万願寺唐辛子など薪の火は炭火と違って炎が優しい。炭火が直線的で乾いた火だとしたなら、薪火は水分を含んだゆらゆらとした柔らかな炎、とでも言えばいいだろうか。それゆえ、素材が乾かずウエットに仕上がるメリットがある。とはいえ、極めてナチュラルな熱源ゆえ、○度で何分といったデータ化がしにくいのも事実。しかし、寺田シェフはそれさえも楽しんでいるかのように見える。薪は、いろいろ試した結果、クセのない楢の木を使用「薪焼きは、いい意味でムラができるんです。オーブンなどと違い、均一に火が入らず、一筋縄ではいかないところがありますが、そこがまた妙味とも言えますね。」とのこと。じゃがいもやビーツなどの根菜は、ストゥブ鍋に入れて薪火にかけて蒸し焼きにしたり、蒸した鮑は薫香をつけるために軽く炙ってからムニエルに。また、全粒粉と雑穀の自家製パンも、同じくストゥブ鍋に入れ遠火の熾火でじっくり小1時間ほど薪火にかけ焼き上げていくーなど、柔軟かつバリエーション豊かな薪火使いが見事。目と舌を飽きさせない。しっとりとした舌触りが後を引くバスクチーズケーキ。デザートに出る他、テイクアウトもできる。一台4500円赤々とゆらめく炎がほの暗い空間に映える店内はオープンキッチン。舞台を思わせる厨房と席の配置が非日常感を引き立てる。シェフがかける薪のマジックは、デザートまでも貫かれている。ほのかな薪の香りが薫る薪焼きバスクチーズを頂く頃には、心もお腹もきっと満たれているに違いない。【薪焼 銀座おのでら】詳細※写真は個室です住所:東京都中央区銀座5-14-14 III 9階 サンリット銀座ビル電話:03-6264-3644営業時間:17:30 ~22:00(L.O.)定休日:水曜・日曜個室あり
2020年09月04日自店をオープンして14年たっても変わらない価値観――白金台時代から14年。自店を営業してきて思うことはありますか?岸田周三(以下、岸田):14年間、店をやりながら、スタッフと話し、反省も重ねどんどん変化してきました。常に試行錯誤し、向上を日々のテーマとしているので、オープン当時よりはるかにいい店になった自信はあります。――オープン当初からの、〝素材〟〝火の入れ方〟〝味付け〟の追求というテーマは変わらないですか。岸田:はい。流行を追いかける人も多いけれど、僕が大切だと思っている価値観は変わらない。外部からインプットしたものでなく、自分の中から湧き出るものを料理していますから。『山羊乳のババロア』開業当時からのスペシャリテ。――『山羊乳のババロア』などのスペシャリテも長く愛されていますね。岸田:あれは、フランスでの修業時代に生まれた料理です。当時、佐藤伸一さん(元【パッサージュ53シェフ)とよくホームパーティをしながら、自店を開店する時のために、いろんな料理の試作をしました。200以上はあったんじゃないかな。。山羊乳とオリーブオイルってあうなと感じていて、さらに乳脂肪と植物性油の組み合わせがいいなと思って。最初は少し違うスタイルでしたが、そこからブラッシュアップをして今の形に落ち着きました。この料理は、塩とオリーブオイルを主役にしたもの。オリーブオイルを搾汁する11月頃に、各社から取り寄せ、試食を繰り返し、ブレンドする三種類のオイルを決めます。自分の味のイメージに近づけるため、オイルの銘柄は決めていません。そしてそこで三種類のブレンドを決めたら、一年間その組み合わせで通す。塩は天日干しのフルール・ド・セルです。ユリ根とマカデミアナッツは食感を作るため。強烈な個性は放たない、縁の下の力持ちになる食材を選んでいます。『山羊乳のババロア』は〝料理に使われる、うちのベースはこれですよ〟という、いわば名刺代わりの料理としてお出ししています。今、振り返っても完成度が高いと思います。――パリでは【アストランス】のパスカル・バルボシェフのもとで働かれました。きっかけはなんですか?岸田:パリに行った時に食べ歩いて衝撃を受けた店が【アストランス】でした。彼の料理は素材を尊重し、ソースの必要性に疑問を呈するような、非常に新しいものでした。クラシックフレンチをやってきた僕にとっては衝撃的で。海外の食材も良いと思えば使う。日本人の僕をスーシェフにしてくれたのにも驚きました。〝おいしさ至上主義〟で、偏見が一切ない柔軟な人でした。スーシェフになった時に、パスカルさんに恩返しがしたい、とその年の「ゴ・エ・ミヨ」で絶対に最高点をプレゼントしたいと思ったんです。チームみんなで一致団結して、19点(満点)を取ったときは嬉しかったですね。同じ年に、ミシュランでも一つ星から二つ星になりました。2005年、パリで【アストランス】スーシェフになった年に「ゴ・エ・ミヨ」で満点を獲得その時フランスで購入した本は、今でも大切に手元に置いてある――パスカルさんとの出会いは大きいものだったんですね。岸田:はい。特別なものです。当時、彼のような素材を重視し、素材へのアプローチを積み重ねながら料理をしていくシェフはほとんどいませんでした。固定概念を崩し、フランス料理はこんなに自由なんだと教えてくれました。〝おいしいさ至上主義〟の彼に感銘を受けました。おいしくなければ、皿の上で語る哲学や、技術さえも意味がない。たとえば熱いものは熱く、冷たいものは冷たく提供し、卓上で漂う料理の香りについては非常に大切にしていることの一つです。僕の料理は、写真映えはしませんが、食べた人にしかわからない”何か違う”と感じるおいしさを伝えられたらと思っています。――先ほど、ミシュランのお話が出ましたが、【カンテサンス】は現在、14年連続ミシュラン三つ星です。星の維持は意識しますか?岸田:そこまで強くは意識していません。評価を追いかけるとおかしな方向に行ってしまいます。日々の生活を崩してしまうことはしないです。――でも、フランス料理人にとってミシュランは特別なものでは?岸田:そうですね。料理人を目指した頃から憧れていたものではあります。フランスから認められているということは非常に大事。自店をやるからには、三つ星という価値のある店をつくりたいとは思っていました。世界に誇れる店をつくりたい。それは最初から思っていたことです。『ホワイトアスパラガスのグラチネ』。ゆでずに焼いて味と香りをしっかり残す。未来に向けてできることを料理人として考えて実行する――ミシュランといえば、去年はドラマ『グランメゾン東京』の料理監修もされましたね。岸田:あれはお話をいただいたときに、すぐにお受けしたわけではなかったんです。「どうしても、岸田さんに監修をしていただかないと駄目なんです」と話してくださったプロデューサーの真剣な思いに心を動かされ、また、料理界のお役に立てられればと思い、一旦は承諾しました。けれど、いざ第一話の台本をいただいた時に想像以上に大変なことが判明して。これは営業に支障が出てしまうと「申し訳ないですが、やはり受けられない」と断ったんです。――え!?そうなんですか?岸田:はい。でも、プロデューサーの方が、〝こうしてくれないとできない〟と言ったことをすべてクリアし、再度依頼に来てくれた。この調整は、大勢の人を動かさなければならず、簡単なことではないものでした。けれどそれをやってのけた。そこに、彼のプロとしての仕事を見た気がしました。この人の仕事を間近で見てみたい。自分もきっと何か学びがあるのではと思い直し、継続してお引き受けしました。この仕事で、ドラマの撮影がこんなに多くの人が関わり、時間と情熱をかけてつくっているんだ、ということを知りましたね。もうドラマを見るときは、正座してテレビに向かうような気持ちで見ています。『石鯛のロースト』。大きな塊で焼き、中をほんのりレアに仕上げて切り分ける魚料理はスペシャリテの一つ。――劇中の、鈴木京香さんが演じる早見倫子シェフの店、【グランメゾン東京】の料理を岸田さんが考案したんですよね。岸田:そうですね。台本の大まかな流れにあわせ、旬の食材を、マニアックすぎず、オリジナリティある料理にしました。脚本は大まかなところしか決まっていないんです。第一話の、倫子さんが、木村拓哉さん演じる尾花夏樹の料理を食べるシーンありましたよね。制作サイドからは”カフェのような簡単な調理場でさっとできる料理”とだけ伝えられます。そこで、料理を考えるのが僕の仕事です。このシーンでは複雑ではないけれど、この一皿で倫子さんが尾花さんの料理に心を動かされるようなものでなければならない。色々考えて、料理方法は食材の持つ水分で軽く蒸すように火を通す”エチュべ”にしました。フライパンひとつでできますから。それから、例えば10話の「リードヴォーとクスクスのサラダ」。山から戻ってくる途中、アクシデントがあって食材が店に時間どうり到着しない。それで料理ができないわけですが、ライバルが食材を分けてくれて、危機を乗り越える……という流れは決まっています。けれど、その食材をどういうものにして、どんな料理にして、というのは決まっていません。ですから、”マタギの人がとってくる食材だから、山のもの。しかも冬に採れるものと考えると、セリにしよう”となるわけです。そこで、じゃあ、その素晴らしいセリをどういう調理しようか。そのようにして、ドラマの内容から食材が決まり、組み立てながら料理を生み出しました。――放映のたびに、料理が話題になりましたね。見ていても、知っている食材だけれど、この料理はどんな味がするのだろう?と想像も楽しく、臨場感があり、食べたくなりました。岸田:一度登場した食材、調理法は重ねて使えないので、後半にメニューを一新します、と言われた時には大変でした。過去のレシピもひっくり返して、全力で考えました。2ヶ月に1回はメニューを変更する。スペシャリテの2品を残して、基本的に他は一新料理は岸田シェフが仕上げてゲストへ――最後、尾花夏樹がマグロの料理を悩んで、悩んで、悩んで完成させていたシーンが思い浮かびます。岸田:僕も、尾花夏樹さん以上に悩みましたよ(笑)。実は、あのマグロの料理には裏話があるんです。僕の中で、マグロをいかに料理にするか、というのはずっと取り組んでいた課題だったんです。マグロというのはフランス料理では難しい、いわば禁断の食材。10年前、NHKの「プロフェッショナル」という番組で、このマグロの料理にチャレンジをしているところを取材されたことがありました。ところが4ヶ月間の密着取材期間中に、思いつく限りのアイデアに納得することができずに、料理は完成しなかったんです。当時のプロデューサーさんに「どうしても、これ以上アイデアが出ないです。撮影期間中に料理ができなくてすみません」と謝リました。ドキュメンタリーだから、結局”できない”という結果が真実で、そのままの放送となりました。その「プロフェッショナル」を見て、マグロ料理が完成しなかったことを覚えていてくれた今回のドラマのプロデューサーの方が、”10年たって、あの時の答えが料理できたらいいですね。マグロでいきましょう!”と言ってくださったんです。僕にとって、マグロというのは相変わらず難しい食材で、未だ自分のお店でも出していません。マグロの最大の問題点「加熱すると良さが出ない」ということをいかにクリアし、納得のいくものをどう作るか。本当にギリギリまで悩みました。結局納得がいくか、というと自分の中では100%イエスとは言い切れない部分もあります。けれど、今、マグロを代表する海洋資源の問題にも視聴者の方に知っていただきたくて、そうしたことも含めて”マグロ”という食材をあえて出しました――岸田さんは『Chefs for the Blue』の理事として海洋資源の問題にも取り組んでいらっしゃいます。ドラマでそうしたことに触れるシーンがあって、視聴者の方に現状を伝えるいい機会になったのではないでしょうか。岸田:海洋資源は今、本当に危機的な状況です。太平洋黒マグロが乱獲されていなくなってしまった。ドラマでもマグロの状況を説明するシーンを加えていただきました。自分が表に立って話す機会がある場所ではできるだけその問題についてお話ししています。白紙のメニューは ”すべておまかせください“というメッセージ。――あのドラマで、料理人になりたいと思う若い方が増えたのでは?岸田:料理人に光が当たるというのも引き受けた理由の一つでした。実は料理人志望者の減少には前から危機感を覚えていました。労働時間が長い料理人は、他の業種と比べると優秀な人の確保が難しい。そんな時代がまさに来ていると思っています。――レストランの働き方改革。みなさん悩まれている部分だと思います。去年、【カンテサンス】は営業時間を変更しましたね。岸田:ランチとディナーをやっていた時、僕の労働時間は一日16時間でした。自分のことを考えても、この働き方をいつまでやるのかと疑問も感じていた。従業員の給料を払うには、一日にお迎えするゲストの数は減らせない。そこで、17時からと20時半からの1.5回転にし、労働時間を減らして売り上げとのバランスをとりました。ビジネスシーンでの利用などを考えると、悩みましたが結果うまくシフトできたと思います。―― 何が起こるかわからない時代。残るために必要はことは何でしょう。岸田:今、できることをやりぬくこと。やっていることの目的を忘れないこと。それは、どんな仕事においても言えることではないでしょうか。BGMは客のさざめき。ゆったりと間隔を取った店内は、肩ひじ張らずにくつろげる編集後記予約が取れないレストランになって長くたった今も岸田氏は自身の熱量を内に秘め、何かを声高に語ることはない。自分がいいと思うものを信じ、考え、つくって、誰よりも深く積み重ねて生まれる純度の高いダイヤモンドのような料理が、唯一無二の輝きを放ち、自然と人々を魅了し続けているのだと感じた。どんな時代もブレずに鍛錬して信念を貫く。その姿勢は、こうした不安定な時代にこそ必要なのではと感じた。Quintessence(カンテサンス)【エリア】品川【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】10000円【ディナー平均予算】30000円【アクセス】品川駅 徒歩13分
2020年06月23日フランスの名優ミシェル・ピコリが脳卒中のため12日(現地時間)に亡くなった。94歳だった。家族がフランスのメディアに公表した。1925年12月27日、ミシェルはヴァイオリニストの父とピアニストの母のもとにパリで誕生。1940年代後半から2015年までの間、ジャン=リュック・ゴダール、ルイス・ブニュエル、ジャン・ルノワール、アルフレッド・ヒッチコック、ジャック・リヴェット、ジャン=ピエール・メルヴィルらの200以上もの作品に出演した。代表作はブリジット・バルドーを相手に脚本家の夫ポール・ジャヴァルを演じたゴダール作品の『軽蔑』。長い俳優人生で、数々の賞を受賞した。フランス版アカデミー賞のセザール賞では主演男優賞に4回ノミネートされ、フランス版トニー賞のモリエール賞では2回のノミネート経験を持つ。1980年にカンヌ国際映画祭で男優賞(『虚空への跳躍』)、1982年にベルリン国際映画祭で男優賞(『Une etrange affaire』)を受賞し、演技に高い評価を受けた。近年では2011年にナンニ・モレッティ監督の『ローマ法王の休日』で主役のローマ法王を演じ、称賛された。私生活では3回結婚しており、1978年に結婚した3人目の妻とは亡くなるまで添い遂げた。(Hiromi Kaku)
2020年05月19日美味しさと品質にこだわる冷凍食品専門店Picard(ピカール)は、5月25日から6月21日まで「こだわりのOrigine France(オリジン・フランス)」をテーマに、フランス産の原材料にこだわったお料理や、フランスの大地が育んだ素材を味わえる“お取り寄せフレンチ”をご提案します。同期間中は、生育から加工まですべてをフランス南西部で行っている「フランス南西部産 鴨肉のコンフィ」や「フランス南西部産 フォアグラのテリーヌ(スライス)」、フランス産の野菜だけで作った「プロバンス風野菜の煮込み」など、本格的なフレンチを気軽にご自宅でお楽しみいただける商品をラインアップし、一部を特別価格にてご提供します。さらに、新商品として、初夏の食卓を爽やかに彩るフランス流のおつまみ「サーモンのブーシェ(ひと口サイズのアペリティフ)」が登場します。6月のおすすめ商品は、下記14店舗のほか、通販サイトでもお買い求めいただけます。◆6月のおすすめ商品■温めるだけのお手軽&本格フレンチ◎フランス南西部産 鴨肉のコンフィ低温の鴨脂でじっくり煮込んだモモ肉で、パリパリの皮と柔らかい肉のコントラストが絶妙な、フランスではおなじみの鴨料理です。個包装の真空パックが2つ入りで、本場の味が手軽にお楽しみいただけます。・5月25日から6月21日までの特別本体価格 1,280円※通常本体価格 1,480円・360g(2本入)■ワインがすすむ前菜◎フランス南西部産 フォアグラのテリーヌ(スライス)コニャック(フィーヌ・シャンパーニュ)とペッパーフィーヌ・シャンパーニュと呼ばれる上質なコニャックで風味付けした滑らかな食感のフォアグラのテリーヌです。スライスされているので、必要な分だけを解凍してお召し上がりください。・5月25日から6月21日までの特別本体価格 3,880円※通常本体価格 3,980円・320g(8切入)■フランス産の野菜だけで作った◎プロバンス風野菜の煮込みプロバンス産を中心に、野菜はすべてフランス産を使用しています。オリーブオイル、ハーブ、ニンニクの風味を生かしたトマトベースの野菜の煮込みで、肉や魚の付け合わせに便利な一品です。・5月25日から6月21日までの特別本体価格 680円※通常本体価格 780円・450g◆6月の新商品■すっきりとした味わいのアペリティフ◎サーモンのブーシェ(ひと口サイズのアペリティフ)粒マスタードを練りこんだクリームチーズをブリニに乗せてスモークサーモンで包み込み、いくらをトッピングしたアペリティフです。オートクチュールのような美しさと、上品で繊細な味に仕上げています。・本体価格 1,680円・108g(8個入)◆Picard Channel 「フォアグラのクロメスキ トリュフ風味」他、ピカールの商品を使用した、アレンジレシピ動画を公開中。◆Picard店舗■Picard青山骨董通り店■Picard麻布十番店■Picard神楽坂店■Picardキラリナ京王吉祥寺店■Picard代官山店■Picard品川シーサイド店■Picard自由が丘店■Picard中目黒店■Picard広尾店■Picard南町田グランベリーパーク店■Picard武蔵小杉店■Picard武蔵小山店■Picard横浜ベイクォーター店■Picard横浜元町店◆通販サイト 企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月19日自然の恵みたっぷりの素材に繊細な仕事を施し楽しませてくれるフランス料理店Lienから、初となるテイクアウトメニューが登場します。住宅街にひっそりと佇む「Lien(リアン)」。フランス語で“繋がり”を意味する店名の通り、ゲストとの距離間を大切にした親しみのある空間を、2014年から池尻の地で育んでいます。東京とパリの名店で研鑽を積んできたシェフが、自然の恵みたっぷりの素材に繊細な仕事を施し楽しませてくれるのが「Lien」の魅力です。2019年5月には、Lienの料理に合わせて提供していた自家製パンを、レストラン以外では初めて販売する「L‘ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)」をオープン。自家製ブリオッシュや人気のフォアグラアイススティックを生み出した上原浩一シェフによるLien初となる “テイクアウトメニュー” が登場。今までレストランでしか味わえなかった味を、Lienの世界観を贅沢に凝縮したテイクアウトメニュー として、この機会に是非、ゆっくりと家庭でも楽しめます。フランス料理店Lien・テイクアウトメニュー鴨つくね・コンソメ鍋セット<商品名>鴨つくね・コンソメ鍋セット<価格>2人前〜:¥2,500(税抜)ワインセット:¥5,000(税抜)<内容>鴨胸肉と鶏肉のつみれ、春菊、菜の花、椎茸、マイタケ、エリンギ、シメジ、ネギ、ゴボウ、春キャベツなどだし汁( コンソメに野菜のブイヨンを合わせた自家製ブイヨン)※野菜の内容は仕入れにより変更があります。ハーブ鶏のコンフィ<商品名>ハーブ鶏のコンフィ<価格>2人前〜:¥2,000(税抜)<内容>ホロホロとジューシーなハーブ鷄をたっぷりとお野菜も添えてお届けします。お肉もお野菜も美味しい火加減で仕上げてあります。※イメージ画像は4人前の画像になります。黒毛和牛牛すじカレー<商品名>: 黒毛和牛牛すじカレー<価格> 2人前〜(ルーのみ):¥1,000(税抜)<内容>出汁に染み込んだたっぷりのお野菜、シェフの地元の地鶏、シャモロックのお出汁、リアンで使っている高級黒毛和牛の牛すじ、フランス料理に捉われず中華やイタリアンで使われるようなスパイスやハーブも配合。隠し味にシェリービネガーや100 年の木からしか取らないオーストラリアのハチミツなどを使い、スペシャルでなおかつ親しみのある自然なカレーに仕上げています。◆和牛ホホ肉の赤ワイン煮込み<商品名>:和牛ホホ肉の赤ワイン煮込み<価格> 2人前〜:¥3,000(税抜)<内容>ホロホロになるまで煮込まれた和牛ホホ肉赤ワイン煮込みと生野菜、焼き野菜、クスクスサラダのセット。<ご注文方法>ご注文は、LienおよびL‘ATELIER de LIENのInstagram、Facebookのメッセージ、下記のメールアドレス、またはお電話にて前日の16時までに連絡。[メール受付]kkk.u.kkk.u@hotmail.co.jp[お電話受付]Lien:03-6413-8552 / L‘ATELIER de LIEN:03-6455-1152[URL] ■Lien(リアン)住所:東京都世田谷区池尻3-5-22-1FTEL:03-6413-8552営業時間:ディナー18:00~20:00LO 19:00ランチ (土・日・祝)12:00~15:00LO 14:00定休日:月曜日、火曜日Facebook::■L‘ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)住所:東京都目黒区青葉台3-13-14 1FTEL:03-6455-1152営業時間:11:00〜16:00定休日:月曜日、火曜日Facebook::
2020年04月29日【ビストロコンフル】の姉妹店として学芸大学にオープン男女問わずひとり客が多く、ふらりと訪れやすいフランスの定番ビストロメニューをシンプルに丁寧に仕上げた料理学芸大学にオープンした小さなビストロパリの街角のような外観が目印シェフとして【えさけ】を切り盛りするのは、【ビストロコンフル】で調理を担当していた倉田一海さん。【えさけ】を出店するにあたって、「いつか自分のお店を持ちたい」と思っていた倉田さんがシェフに抜擢され、腕をふるっています。「お客さんとしゃべりながら料理をするのが好き」と話す倉田さん。ひとりでも、カウンターがL字形なので4~5人でも歓迎だという「えさけ(Et Ca Qu’est)」となんだかフランス語っぽい響きの店名は、実は倉田さんの出身地である秋田県の方言で「いえ(家)さ(に)け(来て)」という、「うちにおいでよ」という意味。そんな店名に招かれるようにやってくる人々の、半数くらいがひとり客なのだそう!『モンドールチーズとじゃがいも』『モンドールチーズとじゃがいも』1,100円(税抜)「一皿にたくさんの要素を入れるのではなく、そのお皿のなかで食べてほしいテーマがはっきりしている」と話す倉田さん。『モンドールチーズとじゃがいも』の一皿で味わってほしいのはやはりモンドールチーズの風味。オーブンから出てきた瞬間から独特の香りを漂わせるモンドールチーズは、フランス産のウォッシュタイプのチーズで、食べられるのは秋から冬にかけてのみ。白ワインとクリームのソースを合わせたチーズはまろやかで、北海道産の甘くてねっとりとした男爵いもと相性抜群です。『牛ザブトンステーキ』『牛ザブトンステーキ』2,000円(税抜)『牛ザブトンステーキ』はミディアムくらいまでじっくり火入れをし、時間をかけて休ませながら丁寧に仕上げていきます。肉の旨みが凝縮した弾力のあるステーキを引き立てるのは、西洋ワサビと赤ワインのソース。主役はお肉ながら、根菜など季節の野菜もしっかりローストしており、ホクホクの食感と濃い野菜の味が広がります。『魚介ダシの具なしカレー』『魚介ダシの具なしカレー』800円(税抜)〆にオススメなのが『魚介ダシの具なしカレー』。ひとりでもぺろりと食べられてしまう小ぶりサイズです。具なしとはいえ、魚介の出汁に加え、ニンジンやセロリなどの野菜を煮込んで旨みが溶けだしたルーは、コクを感じられながらも重たくなく、サラリとした口当たり。締めにふさわしい一品です。飲んだのはフランスのコート・デュ・ローヌのワインワインはフランス産を中心に、グラス800~1,100円の価格帯で数種類置いています。この日、肉料理に合わせて選んでくれたのは軽めの赤ワイン。「ジューシーさ、まろやかさ、スパイシーな風味が一気にきます!」という倉田さんの表現に期待感を高めながら飲んでみると、まさにそのおもしろさが楽しめる味わい! 果実味があって、渋みはほどほどでスルスルと飲めてしまう一杯でした。シェフの倉田一海さん。お客さんが再来店してくれたときの感動はひとしおだという料理に合うワインを聞けばもちろんオススメしてくれますが、「好きなものを飲んでほしいので、肉料理でも白が好きだったらぜひ白をリクエストしてください!」と倉田さんは話します。定番のラインナップもあるが、季節を感じられるメニューが並ぶ。ひとりの場合も、量を調整してくれるとのことひとり客が半数ということで、ふらっと気軽に訪れて、じっくりとワインと料理を味わう時間を楽しんでほしい一軒です。えさけ(Et Ca Qu’est)【エリア】学芸大学【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】学芸大学駅
2020年01月14日