IDC Japan(IDC)は3月25日、国内データ活用型マーケティング関連ソフトウェア市場を調査し、2014年における同市場の推定規模と2015~2019年の市場予測を発表した。これによると、2014年の国内市場規模は806億3,800万円であったと推定するほか、2019年には1,300億円超に拡大する予測だという。○国内市場の成長、その鍵とは同調査では「デジタルマーケティングソフトウェア」を、例えば、営業部門が顧客にアプローチを行う際に使用するツールから、ECサイトの運営に携わるソリューションまで広い概念で捉えたものだとする。この理由を、IDC Japan ソフトウェア&セキュリティグループにてグループマネージャーを務める眞鍋敬氏は、「消費者と企業の購買行動に変化が起こったためだ」と説明する。「消費者は、商品購入前に、そのスペックや口コミなどの情報収集・価格比較等をインターネットにて行うほか、企業とさまざまなチャネルで接点を持つようになりました。これにより企業は、消費者ごとにパーソナライズされたコミュニケーションの実現やその効率化を求め、結果として、データドリブンなマーケティングが可能なソフトウェアやオートメーションツールの需要が増したと考えられます」(眞鍋氏)一方で、同社が実施した「Marketing Automation Software 市場比較」では、2014年における世界市場規模が65億ドル(約7,800億円)で、そのうち米国市場が62%、EMEA(Europe the Middle East and Africa)市場が31.9%を占め、日本は1.8%にとどまるという。「これは、日本が他国と比べ、マーケティングソフトウェアの導入が遅れているということ。しかし、ニーズがないわけではなく、既に導入事例としても、旅行業界や金融業界などがあります。今後、国内市場を成長に導くためには、マーケティングソフトウェアの利用を促進する製品形態とアプローチ法が重要でしょう」(眞鍋氏)従って、ベンダーには、ユーザー企業の規模や産業分野の特性を意識した製品形態・サービス訴求の実現が必要となるほか、商品ブランドや事業ごとの販促部門へアプローチするだけでなく、全社的なマーケティング部門やIT・IS部門への売り込みやコネクションの構築が重要になってくるという。これらを実現することで、同国内市場は今後、年間平均成長率(CAGR : Compound Annual Growth Rate)10%で推移し、2019年には1,300億9,100万円にまで成長する見込みだ。なお、同調査は、データ活用型マーケティングに必要なテクノロジーとして、「顧客インタラクション管理」と「コンテンツ管理」「コラボレーション/リソース管理」「データ管理/分析」という4つのIT技術領域にて分類・分析した「IDCデータ活用型マーケティングテクノロジーマップ」と、同社が保有する国内ソフトウェア市場実績・予測などのリソースを用いて分析したもの。加えて2014年6月、企業のマーケティング関連業務従事者を対象に、「マーケティングITに関する企業ユーザー調査」を実施し、国内企業583社から有効回答を収集。これらの結果も同レポートへ反映した。眞鍋氏によると、このように広い概念での「デジタルマーケティングソフトウェア」に関する市場規模を調査したレポートは、おそらく、国内外問わず類を見ないという。
2015年03月25日京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は3月24日、デジタルマーケティングブランド「KANADE」の新たなサービスとして、データマネジメントプラットフォーム「Rocket Fuel Origin DMP」のβサービスの提供開始を発表した。同プラットフォームは、マーケティング活動のハブとして、企業が保有するさまざまなデータに加え、Webメディアなどの第三者から提供されるデータ(3rd Party Data)を統合し、潜在顧客から既存顧客まで属性に応じたセグメントデータを生成して、トリプルメディアやマルチデバイスを通じたキャンペーンを実行。顧客の属性に合った効果的なメッセージをリアルタイムで配信することができる。さらに、実行したキャンペーンの評価を行うことで、データに基づくPDCAサイクルを実現し、企業のマーケティング戦略の最適化を支援するという。
2015年03月25日本連載では、企業のマーケティング担当者向けに、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて、分かりやすく解説していきます。アナリティクスやマーケティング・サイエンス、最適化(オペレーションズリサーチ)視点を意識しつつ、DSPの選定や活用が可能となることを狙いとします。前回は、オークション(入札)の仕組みを整理しました。本稿では、DSPにおいて実際にどのように動いているのかを図で追ってみましょう。○DSPにおける入札取引の流れ1. ユーザーAが広告枠を持つ媒体を訪問2. SSPからのDSPへ問い合わせ(リクエスト)3. それに対し、DSP3社が独自の評価によってそれぞれ入札額を応札(Bid)4. DSP1が最高入札額(100円)なので勝者となる5. 広告が表示される6. DSP1がSSPに支払う金額は2番目に高い入札額となる80円これが、「DSPの封印型セカンドプラス・オークション」の流れです。SSPによるリクエストを起点に、勝利したDSPの広告が表示されるまでの時間は、0.1秒未満となります。加えてDSPでは、数千のサイトから届くリクエストと数千のキャンペーンによる「膨大な組み合わせ」に並行して対応しています。例えば弊社のDSP「Logicad」の場合、2015年3月時点で月間900億リクエスト(日本全ドメインの約30%相当にリーチ)を超えており、膨大なオークションがリアルタイムに進行していることが分かります。なお最近では、DSP/SSPによるRTBも含め、機械的に行う取引を「プログラマティック・バイイング/セリング」と呼ぶ傾向があり、データに基づく自動的な広告枠買い付けの波は今後も大きく成長していくでしょう。○入札戦略の基本DSPは、SSPからのリクエストに対し、キャンペーンごとに適切な入札額を算出します。この「算出のためのロジック」が各社のノウハウであり特徴と言えますが、基本的な考えを整理してみます。さて、セカンドプライスオークションは、「他者の入札は気にせず、自分の評価で参加する」という原則がありましたね。では、キャンペーンにおける自分の評価は、どのように決めるのでしょうか。多くのDSPは、キャンペーンの目標となるCPCやCPAを設定すると、CTRやCVRの期待値(予測値)を基に入札額を算出します。つまり、予測値の立て方によって、入札戦略が左右されるということです。なお、CPMは、最適な入札額を広告表示1000回あたりの単価に換算したものです。実際のコストは1インプレッションごとのセカンドプライスの合計金額ですが、現時点の単価を把握し、どのように推移するかを確認するための商習慣上の指標となります。※本稿で記載のあるマーケティング用語の解説1. キャンペーンDSPの設定において提供する商品やサービスをカテゴリーで分類した広告配信のグループ目標金額や配信量をコントロールする単位として使用する2. CPC (Cost Per Click)1クリックあたりの広告コスト(コスト÷クリック数)3. CPA (Cost Per Action)1コンバージョンを獲得するのにかかった広告コスト(コスト÷コンバージョン数)4. CTR (Click Through Rate)広告が表示された際のクリックされる割合(クリック数÷インプレッション数)5. CVR (Conversion Rate)どのくらいコンバージョンしているかという割合(コンバージョン数÷クリック数)6. CPM (Cost Per Mill)1000回表示あたりの広告コスト例 : 目標CPCによる入札額の算出目標CPC=100円予測CTR=0.1%の場合入札額CPM=100円 ⇒ 1000回表示分の金額入札額CPMの計算式 : 目標CPC(100円)×予測CTR(0.001)×表示(1000回)=入札額(100円)しかし同方法は、インプレッション単位で最適な入札額を決めオークションに参加するため、効率は保証されますが、広告表示の絶対量を必ずしも保障できる仕組みとは言えません。条件を満たした入札は行うことができますが、配信量は入札結果によって変動してしまうということです。○最適化(入札額の調整)DSPの取引は一般的に、1000回表示あたりの広告コスト(CPM)で行われます。そのため、予測精度が悪いと期待値が低い広告を割高で購入したり、期待値を低く予測すると、広告の表示機会を失ってしまいます。一方で、キャンペーンを細分化し、それぞれを予測することで、入札のROI管理を実現しています。この優れた予測機能によって、キャンペーン内の限られた予算で最大の効果を出すための運用が可能となります。少し分かりづらいので、先ほどの例で解説します。キャンペーン全体の目標CPCは100円、予測CTRは0.1%です。仮に、条件Aの予測CTRが0.2%、条件Bの予測CTRが0.05%だったとします。その場合、それぞれの入札額は200円、50円となります。CTRが2倍であれば入札額も2倍、逆に1/2であれば1/2で入札することで、目標CPCは維持できます。予測精度が信頼できれば、条件A・Bどちらで入札しても構わないというのが最適化の基本的な考えです。これまでの運用では、予算が許す限り、期待CTRが高いところに露出する傾向がありました。DSPでは、期待CTRが低くても落札の確率が高く、配信量が十分と判断すればバランスのとれた配信が行えます。キャンペーンごとの入札額調整は自動的に行ってくれるので、運用の手間をあまり考える必要はありません。例 : 入札戦略の最適化目標CPC=100円基準 : 予測CTR=0.10%入札額(CPM)=100円条件A : 予測CTR=0.20% 入札額(CPM)=200円条件B : 予測CTR=0.05% 入札額(CPM)= 50円○自動型やハイブリット型など多くのDSPは、膨大で煩雑な作業をアルゴリズムによって「自動化」することで、入札業務や運用効率を大幅に軽減しています。加えて、より洗練された自動化を目指すソリューションや、運用者(マーケティング担当者)に向けて積極的に情報を提供する「ハイブリット型」など、各DSPの特徴が出始めています。実際の運用では、すべてのキャンペーンが計画通りに進捗するとは限りません。多くの予算を確保し、短期間で統計的判断ができるほどの充分なデータを取得できるケースばかりではないからです。少しでも早く効果を上げるためには、運用担当者のキメ細かい微調整(PDCA)が欠かせません。この担当者の初動の設定や配信設定の絞り込みなどの調整によって、パフォーマンスが大きく変わってきます。「アルゴリズム」か「人」かに関わらず、さまざまなデータを組み合わせることで、予測精度を安定的に向上させ、他社と異なる入札額を算出し、運用計画に合わせて配信の調整をしていくことが結果につながります。広告主が、主体的に「誰に配信するか」を選択できるようになった今、出発点となるセグメントとターゲティングはますます重要となってくるのです。次回は、「枠」から「人」へと象徴的に言われている「ターゲティング」について見ていきましょう。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年03月20日本連載では、企業のマーケティング担当者向けに、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて、分かりやすく解説していきます。アナリティクスやマーケティング・サイエンス、最適化(オペレーションズリサーチ)視点を意識しつつ、DSPの選定や活用が可能となることを狙いとします。前回までは、アドテクノロジーの歴史を振り返り、DSP/SSP(RTB)の概要に触れました。いよいよ今回から、オークション分野をマーケティング視点で見ていきます。○これからのマーケティング担当者に必要とされるスキルとはインターネット広告を取り巻く環境の進化は、これまでのマーケティング・アプローチを変化させつつあります。特にここ1~2年においては、ビッグデータ技術が飛躍的に伸び、データの保管コストが大幅に下がったことで、一部の企業にしかできなかったマーケティング・サイエンスや、最適化(オペレーションズリサーチ)などが容易に行える環境となりました。ビッグデータによってさらなる成長を遂げたアドテクノロジーもまた、使い方次第ではマーケティング活動を大幅に変革させることが可能な技術です。まずは、アドテクノロジーの仕組みを理解し、膨大なデータを基に、マーケティング視点で「分析」や「仮説」「意思決定」「評価」を行っていくための基本を押さえていきましょう。というのも、今後もさまざまなテクノロジーが開発・導入されていくことが予想されますが、基本的な仕組みを理解しておくと、目的に応じて必要なテクノロジーを使い分けていくことができるためです。マーケターは今後、目的達成に必要なテクノロジーを選択し、高速PDCAを回すことで施策の最適化を図っていくスキルが必要となると考えています。本稿では、RTBの根幹を担うオークション分野の仕組みについて整理してみましょう。○オークションの種類 - DSPは封印型セカンドプライス公開型オークション - 競り上げと競り下げ「オークション」は、マーケットデザインという新しい経済学のなかで、研究事例としてよく取り上げられます。マーケットデザインとは、モノを適切に配分するための社会的な仕組みを考案したもので、オークション以外にもマッチング理論やゲーム理論なども扱います。オークションと聞くと多くの人は、有名な絵画などの芸術作品が値上げ形式で入札され、最高額にて落札されるといったイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。このように、競争相手の入札額がオープンで最も高い値を付けた人物が落札できる仕組みを、公開型(open bid auction)の「競り上げ方式(イングリッシュ・オークション)」といいます。一方、同じ公開型であっても、ある一定額から入札が開始され、買い手の希望する価格まで下がっていく仕組みを「競り下げ方式(ダッチ・オークション)」とし、代表的なものとしては、花卉(かき)市場で採用されているそうです。封印型オークション - 第一価格と第二価格また、競争相手の入札額がクローズド(非公開)にて行われる「封印型(sealed bid auction)」においても、2つの種類があります。勝者(最高額入札者)の支払う金額が最も高い入札額であることを意味する「第一価格」によるものと、支払う金額が二番目に高い入札額であるという「第二価格」となる方法です。第一価格(ファースト・プライス・オークション)では、参加者の意思決定が複雑になると言われています。一般的に、第一価格の場合、買い手は勝者を目指すとともに、限度額を超えない範囲で、競争相手よりわずかだけ高い入札額を検討しなければなりません。しかしながら、相手の入札額がわからないため不確定要素が高く、オークションが荒れやすくなると考えられてます。一方、第二価格(セカンドプライス・オークション)は、相手を意識せずに自身の評価で決める、すなわち最適な選択が可能というゲーム理論「支配戦略」にも従うため、「競争相手を気にせず、自らの評価を正直に入札すれば、気に病む必要はない」という点で優れた仕組みだと考えられています。そしてこの仕組みが、多くのDSPやリスティング広告(検索連動型広告)などで採用されているのです。なお、SSP(売り手)には、確率的に計算した結果(分布)に基づき、第二価格オークションの最低落札金額を設定したり、特定の買い手と固定で落札額を決めたりし、期待収益を最大化するという機能があります。DSP・SSPともに、新たな仕組みや方式を常に試行しているのです。さて、セカンドプライス・オークションを採用するDSPでは、自身の評価で入札すれば良いとの話でしたが、この評価とはどのような考え方で決めるとよいのでしょうか。次回は、オークションにおける「適切な金額」を決める仕組みについて考えていきましょう。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年03月04日AMoAdはこのたび、カヤックのチャット&ゲームコミュニティ「Lobi」を運営するLobi事業部とネイティブ広告マーケティングにおける事業提携をし、ネイティブ広告の提供を2015年3月上旬より開始すると発表した。これにより、同社が提供する「AMoAdネイティブ広告」は、カヤックが運営する「Lobi」にて、ゲームユーザーを対象に関心の高い表示方法や広告クリエイティブを、コンテンツ性の高い広告として配信するネイティブ広告の提供を開始する。
2015年03月03日SIMフリースマートフォン「freetel」を販売するプラスワン・マーケティングは27日、今夏までにWindows Phone OS搭載したfreetelブランドのスマートフォンを日本国内で発売すると発表した。3月2日からスペインのバルセロナで開催される携帯電話関連の見本市「Mobile World Congress 2015」で展示する。同社が販売するのは、5インチ HDマルチタッチスクリーンのWindows Phone 8.1搭載スマートフォン。CPUはクアッドコア 64bit、RAMは1GB、ROMは8GB。カメラはメインが8MP、サブが2MP、バッテリは2500mAhになるという。Windows Phoneは長らく、新端末が国内で販売されてこなかったが、その状況が変わりそうだ。マウスコンピュータが23日にLTE対応のSIMフリーデバイスの開発に着手していると発表、同社に続く形で、プラスワン・マーケティングが取扱いを表明することとなった。
2015年02月27日ロックオンは2月25日、インターネット広告効果測定システム「アドエビス」で、コンテンツマーケティング計測に特化した新プランの提供を開始した。同プランは、過去にロックオンで行った、GIZMODEとライフハッカーにおけるコンテンツのアトリビューション効果の分析実績や、All Aboutのタイアップ広告を利用したエンゲージメント分析手法など、豊富なノウハウをより多くのユーザーに提供できるよう設計されたもの。コンテンツマーケティングは、クリック・自然検索に加えて、ビューまで一貫して計測する必要があるため、同プランでは、ADエビスやSEOエビス、ViewThruエビスをパックにしたほか、専用の分析テンプレートもセットで利用することが可能だ。利用料金は月額4万円(税別)~で、アドエビス新規申し込みから6カ月間適用されたのち、7カ月目より通常料金での提供となる。
2015年02月26日ソウルドアウトは2月24日、マーケティング担当者350名を対象にマーケティングに関するアンケートを実施し、その結果を発表した。これにより、大企業と中小企業の違いが明らかとなった。○中小企業はリソース不足、大企業は効果測定が課題調査によると、現状のマーケティング・販促施策における課題は、中小企業では「(施策に)時間を割くことが出来ない(31.9%)」との意見が最も多く、大企業では「実施している施策の効果検証が出来ていない(31.6%)」との回答が多くあがった。同結果に対し同社は、中小企業では他業務と兼任する担当者も多く、十分な人員と時間を使えないことから成果をあげられず、予算が削られるという悪循環に陥っているのではと分析する。○コンバージョン率向上か、エンゲージメント構築か2014年に実施した施策のうち、最も効果があったと感じた施策としては、中小企業・大企業ともに「SEO」が最も多い結果に。2015年に実施予定の施策では、中小企業が継続して「SEO(24.1%)」を選択する傾向が見られる一方、大企業は「動画制作・動画広告(19.1%)」をあげる声が多い。また、中小企業はSEOのほか、リスティング広告やアフィリエイト広告など「即時的な売上拡大」を図る施策が上位に。大企業は、ソーシャルメディアの活用やWebメディアへの出稿など、「中長期的な視点で、認知の拡大や話題化といったことを目的」に置いていることが想定されるという。なお、調査は1月23日~25日の間、インターネットリサーチを活用し、全国の20~59歳の男女マーケティング・販促業務担当者350名を対象に実施したものとなる。
2015年02月25日サイバーエージェントは2月20日、写真を利用したSNS「Instagram(インスタグラム)」を活用したマーケティング商品を開発、販売を開始したと発表した。Instagramは全世界の利用者が3億人を越え、1日7000万件超の写真や動画が投稿されている。第一弾の取り組みとして、サントリースピリッツの新製品「澄みわたる柚子酒」でプロモーションを1月28日~2月24日に実施。「澄みわたる柚子酒」アンバサダーなどに選ばれたInstagramersJapanユーザーが、製品の写った作品に特定のハッシュタグを付け、instagramに投稿を行い、後日、サントリーが選定する優秀作品10名をサイト上で発表する。同社は今回、Instagramの愛用者が集う日本最大級のユーザーグループ「InstagramersJapan」と協業し、Instagramを活用した企業のマーケティング活動を支援していく。広告主の商材やサービスなどを「InstagramersJapan」のユーザーグループに提供することで、彼らの作風に合わせて商材やサービスを表現してもらう。今後も、ハッシュタグを活用した写真投稿・動画投稿キャンペーンの展開や作品を集約した企画などを展開していく。
2015年02月23日シャノンは2月17日、マーケティング・販促担当者を対象に、国内BtoBマーケティングの意識・課題や現状についてのアンケート調査を実施し、その結果と分析内容を発表した。BtoBマーケターが抱える課題とは国内BtoBマーケティングに取り組む担当者が抱える課題として、2014年の調査で初めて、「コンテンツ企画・制作が難しい」という声が上位に入る結果に。このことから同社は、作業の効率化や見込み客の管理・育成の環境整備が進んだ企業が増え始めたのではと推測する。2015年、実施したい施策とは2013年と比較し、オウンドメディアへの取り組み強化をあげる担当者が増加。一方で、ソーシャルメディアを用いた施策への意欲が大きく低下したことが明らかとなった。これに対し同社は、ソーシャルメディアを継続して効果的に活用するためには、戦略的なコンテンツ展開が必要だということが改めて認識されたのではと分析する。予算や人員、評価方法とはマーケティング業務に携わる担当者数として、「2~5名」という回答が最も多く(34%)集まったほか、「特にいない(兼任)」と回答した割合も多い(30%)。予算としては、「特に決まっていない(21%)」と「500万円未満(20%)」との声があがった。また、活動評価に対する意識については、未だに4割にのぼる企業がKPI設定をしていない現状が明らかとなった。なお、同調査は、2014年11月19日~12月26日の間にインターネット上のアンケートにて実施され、回答者数は346となる。
2015年02月18日本連載では、企業のマーケティング担当者向けに、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて、分かりやすく解説していきます。アナリティクスやマーケティング・サイエンス、最適化(オペレーションズリサーチ)視点を意識しつつ、DSPの選定や活用が可能となることを狙いとします。前回は、インターネット広告の歴史とアドネットワークの登場までを振り返りました。今回は、アドエクスチェンジからDSP/SSP(RTB)までを一気に見ていきましょう。○オープン市場へのきっかけ(アドエクスチェンジ)「アドエクスチェンジ」は、アドネットワークの需給調整を行う取引所として登場したとお話しましたね。アドエクスチェンジの出現により、アドネットワーク事業者は、想定より広告受注数が少なく余った広告枠を、アドエクスチェンジを通じて転売することが可能となりました。逆に、想定より受注数が多い場合には、アドエクスチェンジを通じて補完することができ、在庫リスクの分散も実現しました。しかし、次第にアドエクスチェンジを通じて、広告主が直接広告枠を買い付けたり、媒体社が直接販売したりするケースが出てきます。これにより、これまでの「アドネットワーク事業者がそれぞれ優先的に媒体社(広告枠)を持つ」という強みが薄まっていきます。一方で、広告主は複数のアドネットワークに容易につながることができ、膨大な広告枠に配信できる機会が増えました。その結果、配信先や在庫量に縛られず、膨大な広告枠から費用対効果の高い配信機会をいかに見つけ出すかという「最適化技術」が重要になってきます。すなわち、アドエクスチェンジをきっかけに、広告主と媒体社がオープンに取引可能となった現在のRTB(*1)の登場につながっている、と言えます。○インターネット広告の大変革 =RTB市場の発展RTBは、欧米にて2009年頃から、日本では2011年頃から一気に普及した最新テクノロジーです。これまでのインターネット広告は、1カ月単位で広告枠を売買することが主流でしたが、このテクノロジーにより、広告主と媒体社は「インプレッション(クリック)」ごとに「オークション形式」で、「オープンな取引」を行うことが可能となりました。DSP/SSP(*2/3)とは、RTBの仕組みを利用して広告を配信するためのプラットフォームです。広告主は、DSPを通じて「必要なとき」に「適切な金額」で「希望の配信量」を買い付ける(オークションする)ことができます。また、媒体社はSSPを通じて、オークションで最も高値を付けた広告を配信するため、インプレッション単位で収益性の高い配信が可能となり、広告収益の最大化が期待できます。(*1)RTB(Real Time Bidding)広告枠を1インプレッション毎にリアルタイムなオークション形式で入札できる(*2)DSP(Demand Side Platform)広告主(広告出稿者)が利用する広告配信の最適化プラットフォーム(*3)SSP(Supply Side Platform)媒体社(広告枠)が利用する広告配信の最適化プラットフォーム広告主は、独自の予測に基づいた判断により、広告を表示(購入)することが可能となります。このように、1インプレッション単位で「評価」と「購入」が連動することで、ターゲティング機能が大きく進歩しました。DSP配信の特徴として「枠から人へ」と表現される所以です。こうして、WebサイトのPVから予測される広告在庫の管理や、CPC・期待効果・時間帯・カテゴリなどの配信ルールに従った自動最適化、膨大な配信データの分析、分析結果に基づいたターゲティングなど、アドテクノロジーの基盤が大きく成長しました。次回は、RTBの根幹を担うオークション分野を復習しながら「入札」機能の特徴についてふれていきます。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年02月18日日本IBMは2月12日、企業のデジタル・マーケティングを支援するビジネス・パートナー向けに「IBM Silverpopソリューション・プロバイダー契約プログラム」を提供開始した。これは同社の「IBM SaaSソリューション・プロバイダー契約プログラム」の新たなラインアップであり、同社がクラウドで提供するマーケティング・オートメーション・ソリューションである「IBM Silverpop」とビジネス・パートナーのノウハウとを組み合わせ、企業に対するマーケティング支援を推進するもの。マーケティング・ソリューション群であるSilverpopの迅速な提供を支援するため、Silverpopを扱うビジネス・パートナー向けの新プログラムを開発したという。同プログラムでは、ビジネス・パートナーが1次代理店としてSilverpop製品のライセンス、サポートおよびコンサルティングの再販が可能になる。これによりビジネス・パートナーは、IBM製品を基盤として開発したソリューションの提案からデジタル・マーケティングに関するコンサルティング・サービス、運用までを担い、Silverpopの迅速な提供が可能になるとしている。今回の再販プログラムの提供開始にあたり、電通ワンダーマン、ディレクタス、JSOL、ラック、日本情報通信、シンフォニーマーケティング、ウェブスマイルの各社が先行して参加し、SaaSソリューションと各社によるプロフェッショナル・サービスの提供を始めるという。
2015年02月13日皆さんが勤務する企業を見渡した時、マーケティングが「広告に代表される顧客とのコミュニケーションに関する方法論」と狭く理解されていることはないだろうか。また、既存顧客との信頼関係を構築・維持するため、いわゆる「どろどろ」とした営業活動が重視され、マーケティングのような理論的な顧客獲得アプローチは二の次だったりしないだろうか。さらに、製品が売れるかどうかは技術力が左右するという考え方が前提で、販売やマーケティング部門の存在感が小さいといったことはないだろうか。こうしたことが起きているならば、マーケティングの重要性が正しく理解されていない可能性がある。また、消費者取引中心の企業で長年蓄積されてきたマーケティングの理論アプローチを、企業や組織において部品、原材料、機械・設備などの生産財を提供する組織に当てはめようとすることのひずみが誤解を生んだとも考えられる。現在、中長期的な有望分野として、マーケティング分野へのIT投資の積極化が期待されているが、最初の出発点としてB2C(消費財)マーケティングとB2B(生産財)マーケティングの相違を理解することが重要だと言える。両者の相違を理解することが、マーケティングITを必要とする顧客への正しいアプローチにつながることになるだろう。本稿では、B2BマーケティングとB2Cマーケティングのあり方を整理してみたい。下図に示したように、企業や組織を対象にビジネスを行うB2B企業の顧客は、最終消費者ではなく、企業内のステークホルダー集団である。そのため、顧客の購買決定プロセスと顧客との関係に相違が現れる。○複雑な購買決定プロセス不特定多数の消費者を相手にビジネスを行うB2C企業と比べ、B2B企業の顧客の数と単位が異なる。顧客の数が少ないと一見、管理が容易になるように思われるが、実際は顧客がステークホルダー集団で構成されているゆえの複雑なマネジメントが必要となる。それは、購買の最終決定が、開発部門、生産部門、購買部門などの各担当者や管理者の合議で形成されるためである。そして、必要な財の必要性、購入時期、購入方法、購入先を明確な基準を設定したうえで、購入を判断する。B2Bビジネスにおいて、広告に接することで購買意欲がかき立てられたことをきっかけに製品・サービスの購入に結び付くことはまれなのである。○長期にわたる顧客との関係B2Cビジネスの場合、特定のブランドへのロイヤルティにより、同じ製品・企業が選択されることから、ブランド価値を高めることが顧客との長期的な関係を維持するうえで重要である。これに対し、B2B企業の顧客の場合、カスタマイズや供給量といった個別の要求にこたえることができることを理由に、過去に取引経験のある企業と取引を長期間にわたって継続することがよくある。また、継続的な取引を行うと、顧客企業に関する知識が蓄積しやすくなる。逆に言うと、B2B企業の場合、顧客と直接の接点になる営業部門が顧客情報を独占することなく、研究開発部門をはじめとする社内各部門と共有することが、首尾一貫した体制で顧客に価値ある商品を提供し続けることにつながるのだ。○マーケティングITの活用におけるポイントマーケティング業務を支援するためのソフトウェアが市場形成期に入りつつある昨今、国内では「マーケティング専門組織がない」「リーダーシップを取るCMO(Chief Marketing Officer)がいない」といった点が問題視されている。営業とマーケティングの組織分化が進んでいない傾向はB2B企業で顕著である。これは、B2B企業が国内の既存顧客を中心にビジネスを展開してきた歴史が長く、体系化されたアプローチで新規顧客を獲得してこなかったためだ。このことは不特定多数の消費者を対象にビジネスを展開してきたB2C企業と異なり、社内にマーケティングに関するノウハウが十分に蓄積されていないことを意味する。また、製品・サービスの機能や特徴に照らした顧客セグメンテーションを明確にし、見込み顧客となりうる層を抽出するターゲティングが属人的なスキルに依存している可能性も高い。この顧客セグメンテーションとターゲティングは、見込み顧客の獲得とは独立したプロセスであり、顧客を分類して把握する「属性」という非常に重要なインプットに影響する。この定義が甘いと、属性分析がうまくいかず、見込み顧客に対する効果的な施策を展開することは困難である。言い換えると、企業の損益計算書に明示される販売管理費を正しく使えないことにつながる。マーケティングITベンダーおよびその導入を支援するベンダーには、成熟していないマーケティング支援という市場を育てていくため、ユーザー企業と協調して「マーケティングITの顧客を深く理解する」プロセスに取り組む姿勢が求められる。
2015年02月13日マイナビは2月24日(火)、パレスサイドビル 東コア2F マイナビルームS(東京都千代田区)において、マイナビニュース「マーケティングセミナー」を開催する。参加費は無料。同セミナーの基調講演には、「24時間 PARCO」「オムニチャネル」をキーワードにお客様の購買行動の変化や多様化する販売チャネルへの対応に積極的に取り組んできた商業施設パルコの、WEBコミュニケーション部 唐笠亮氏と、「eコマース革命」以降、EC分野での領域を急速に拡大しつつある「Yahoo!ショッピング」から、営業本部の本部長を務める畑中基氏を招聘。EC市場の未来や、実践的なオムニチャネル戦略について、語られる予定だ。今回のセミナーは、現場のキーマンに向けて実践的な内容を盛り込んだ形で、オムニチャネル戦略はどう実践されるのか、ECビジネスの未来はどうなるのかが示され、地に足のついたマーケティングを実践しようとしているあらゆる企業のマーケターやシステム担当者、また経営層に必聴のセミナーとなっている。基調講演には、「店頭の力を活かすオムニチャネル"店頭キュレーションEC~カエルパルコ"」と題して、株式会社パルコ WEBコミュニケーション部 課長 唐笠亮氏が決定。「24時間 PARCO」「オムニチャネル」をキーワードに掲げ、ユーザの購買行動の変化や、多様化する販売チャネルへの対応に積極的に取り組んできたパルコが提唱する、ショッピングセンターの新しいECのカタチとしての、ショップスタッフの接客力・発信力を活かした店頭キュレーションEC『カエルパルコ』について解説される。もう一人のキーノートには、「ECの今後と"Yahoo!ショッピング"の戦略」と題して、ヤフー株式会社ショッピングカンパニー 営業本部 本部長 畑中基氏を招聘。「Yahoo!ショッピング」営業本部の本部長を務める畑中基氏がEC市場の未来を予測し、それに対して「Yahoo!ショッピング」はどう対応していくのかが語られる。市場規模の予測を筆頭に、注文の自動化やパーソナライズの進化といった話から、物流・決済の未来までECにまつわるさまざまな事象の予測を行い、5年後の未来が示される予定だ。また、「次世代全社マーケティングの実践を支える、組織を超えたIT活用の勘所とは?」と題して、TIS株式会社 産業事業本部 東日本産業事業部 ストラテジックソリューション営業部 シニアエキスパートである秋野隆氏により、マーケティング部門やシステム部門に向け、SIerの立場から次世代の全社マーケティング基盤を実現するための勘どころについて、"今"何に取り組まなければならないかを、事例を交えながら紹介される。同セミナーの詳細は以下の通りとなっている。タイトル:ECビジネスの最新事例から学ぶ!デジタルマーケティング戦略セミナー開催日程:2015年2月24日(火)14:00(開場 13:30)~16:40定員:100名申し込み締切日:2015年2月23日(月) 18:00参加費:無料開催会場:パレスサイドビル 東コア2F マイナビルームS〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1主催:株式会社マイナビ マイナビニュースセミナー運営事務局協賛:TIS株式会社
2015年02月12日マーケティング・オートメーション(以下、MA)は、企業のマーケティング活動を自動化するためのソフトウェアであり、今、最も注目されているビジネス・アプリケーション分野の1つである。前編では、MAの中核機能が、有望な見込み顧客を営業部門に引き渡すまでのリード・マネジメントであると述べた。後編では、MAプラットフォームが、リード獲得から顧客獲得に至るまでのリード・マネジメント・プロセスをどのように支援するかについて説明する。○部門によって異なる「リード」の意味一般に、リード(Lead)は、日本語では見込み顧客と訳されるが、英語では見込み顧客は顧客(Customer)とは区別して扱われる。これは、部門によって見込み顧客に関する認識が異なるためと見られる。例えば、営業部門にとっての見込み顧客は受注につながる確度の高い顧客であるが、マーケティング部門にとってのそれはセミナーや展示会で接点のある顧客のことであったりする。また、B2B向けのビジネスを営んでいる企業の場合、購買プロセスが長く、商材によっては受注獲得までに1年以上を費やす場合もある。意思決定のステークホルダーは利用部門だけでなく、複数の部門に散在するし、定期人事異動で重要な意思決定者が異動したりすることもある。そのため、コンタクトが可能なリードは個人であるが、受注確度が高まるにつれて接点を持つ個人が増えていく。そして、受注獲得の時点で初めて、個人ではなく法人単位で顧客を認識するといった特徴がある。つまり、マーケティング活動のリードと営業活動のリードは異なるわけであり、それゆえにセールス・リードのマネジメントを行うSFA(Sales Force Automation)とマーケティング・リードのマネジメントを行うMAは別々のものとなる。○リード獲得から顧客獲得に至るまでのビジネスプロセスとは?MAにおけるリード・マネジメントのビジネスプロセスは、以下の図に示すように3つに大別される。そして、リードは最後の顧客の獲得に至るまでの選別の過程で徐々に絞り込まれていくことから、入り口が広くて出口が狭いじょうご(ファネル)にたとえられることもある。リードの獲得(Lead Generation):見込み顧客になりそうな個人のリストを作成するまでのプロセスリードの育成(Lead Nurturing):見込み顧客に対して段階的に購入意欲を高めてもらうためのプロセスリードの選別(Lead Qualification):リードの中から購入の可能性が高いものを選別するためのプロセスマーケティング担当者は、オフラインのセミナーや展示会のほか、メール、ブログ、SEOなどのオンラインのツールも含め、さまざまなチャネルを駆使してリードを獲得する。育成のプロセスとは、自社が提供する商材についての知識を深めてもらう活動である。リードが必要としている情報を提供することはもちろん、リードが抱えている潜在的なニーズを見極めることを活動の主眼としている。最後の選別のプロセスは、何らかの評価基準を用いて各リードが顧客獲得に至るかを評価するプロセスである。MAプラットフォームはリード選別を支援するため、スコアリング機能を提供している。また図では、リード育成にはマーケティング・リードとセールス・リードの2種類に加え、マーケティング活動の営業活動をつなぐアウトプットとしてのリードがあることも示している。MQL(Marketing Qualified Lead):マーケティング活動で顧客獲得に至る確度が高いと判断したリードSAL(Sales Approved Lead):マーケティング担当者と営業担当者の双方が顧客獲得の確度が高いと判断したリードSQL(Sales Qualified Lead):営業活動で顧客獲得の確度が高いと判断したリード○マーケティング・オートメーションが必要になる理由MAが対象としているリード・マネジメントは、SFAが対象とするリード・マネジメントよりも上流のプロセスであることは、上記の図で示したとおりである。SQLはいわゆる顧客からの引き合いに相当するリードであり、MQLと比べて短期間に顧客獲得に至る。マーケティングが弱い企業は、おそらくMQLを育成するノウハウが組織に蓄積されていないか、営業担当者個人がMQLも抱えておりSQLの処理を優先していたりするのではないだろうか。このような状況を踏まえると、リード育成のプロセスはマーケティングと営業で分離することが望ましい。さらに、このプロセスをうまく運用するには、マーケティングと営業の相互協力が不可欠である。なぜなら、スコアリングに用いる判断ルールは、営業が持つ顧客を分析したデータとマーケティングが持つリードを分析したデータ両方を基にメンテナンスする必要があるからだ。このメンテナンスは、マーケティングと営業双方の活動の学習と経験を通じたものであり、スコアリングの精度を高めることに貢献する。また、近年、ソーシャルやモバイルといった技術の大変革により、リード獲得のためのオンラインチャネルが多様化する傾向にある。営業としては、マーケティングから得られる確度の高いリードは多ければ多いほどうれしい。つまり、新しいファネルの入り口は広くなる傾向にあり、マーケティング担当者のスキル次第でファネルの出口も広くできる可能性が高い。マーケティングから営業までの連続する活動のマネジメントをうまく行うには、ITがないと不可能である。このようなIT環境の変化をうまく活用するためにも、SFAとの連携を視野に入れたMAに特化したソフトウェアが必要となるのだ。
2015年02月12日マーケティング・オートメーション(以降、MA)は、企業のマーケティング活動を自動化するためのソフトウェアであり、今、最も注目されているビジネス・アプリケーション分野の1つである。本稿では、MAを効率よくかつ効果的に導入するコツを考えてみたい。初めに、MAの基本情報として、「定義」「ルーツ」「自動化の対象」について整理しておこう。○マーケティング・オートメーションの定義とルーツ英語版のWikipediaでMAの定義を調べてみると、「マーケティングに携わる組織が、メール、ソーシャルメディア、Webサイトといった多様なチャネルを通して、より効率的にマーケティングを行い、繰り返し作業を自動化するためソフトウェアプラットフォームと技術の総称」とある。MAは目新しいソフトウェア分野ではない。ユーザー企業の中には、MAをメール・マーケティングやWebマーケティングの概念を拡張して取り入れたソフトウェア製品としてとらえる傾向もあるかもしれない。確かに、MAに分類される製品の中には、マーケティング担当者が設定した対象者グループに対して、メールを一斉配信するツールを前身とするものや、キャンペーン管理から機能拡張した製品群もある。しかし、この認識は誤りである。なぜなら、先に紹介した定義で見たとおり、モバイル・デバイスやソーシャル・メディアといった新しい技術の台頭により、さらに多様化した顧客との接点をより効率的に活用するため、統合的なマーケティングプラットフォームの必要性が高まっているためである。そして、現在注目されている製品群がこれまでの技術とは異なり、あらゆる顧客とのコンタクトポイントを網羅することを前提とした製品設計である点に、ユーザー企業は留意するべきである。○自動化の対象オートメーション(自動化)というとピンとこない読者もいると思うが、マーケティングに限らず、ITがサポートするビジネス・プロセスの自動化は、作業進捗のスピードを上げること、もしくは判断のスピードを上げることに大別される。その意味するところは、ビジネスプロセス全体における担当者の介在をできるだけ排除することではなく、マーケティング活動において頻繁に発生する作業や、担当者が俗人的にExcelでやっているリスト作成のような手作業を減らすことにある。また、オートメーションは業務効率化と密接に関わっているが、焦点となるビジネス・プロセスはリード(Lead:見込み顧客)の獲得と育成であり、マネジメントの質を高めることを支援するソフトウェア分野でもある。さらに、このプロセスの前後に連なるマーケティング・インテリジェンスやバックエンド・プロセスとの連携も忘れてはならない。これらは顧客を正しく理解するうえで不可欠なことだからである。ここでのマーケティング・インテリジェンスとは、さまざまな顧客接点を通して入ってきたリードを分析して適切なセグメンテーションを行うこと、マーケティングキャンペーンの実施評価や購買行動を分析することなど、PDCAサイクルをうまく回すための活動を想定している。そして、新しい顧客からの受注獲得、受発注管理、出荷管理、支払い請求管理といったバックエンドのビジネス・プロセスと分断なく連携することで、「顧客当たりの生涯購入金額の最大化」という売上への明確な貢献を可視化することができる。では、MAが必要とされる背景にはどのようなものがあるのだろうか?○MAが必要とされる背景リーマンショックに端を発した経済環境の悪化により、多くの企業が国内の既存顧客との長期的関係を維持していくだけではビジネスが成り立たなくなっている。このような日本企業にとって、海外市場までを視野に入れた新規顧客の開拓が急務である。また、企業はITに対し、これまでの企業向けITが得意としてきた業務効率の向上やコスト削減に向けた施策ではなく、より売上に貢献することを求めている。MAは、こうした新しい市場に進出しようとする企業の課題に直結した解決方法を提示する。○SFAとの関係売上に貢献するソフトウェアと言えばSFA(Sales Force Automation)がある。SFAは既存顧客との関係性を維持するための顧客データマネジメントのプラットフォームであるのに対し、MAは有望なリードを対象とするビジネスプロセスの効率化に焦点を当てるものである。SFAから見たMAは受注確度の高いリードに関するデータを引き渡すものであるため、SFAとMAは補完関係にあることになる。両者が交差する部分がある理由は、マーケティングから営業にリードを引き渡す際に、双方の合意が必要となるためである。すでにSFAを導入している企業にとって、MAは販売の前のプロセスを強化するものであると同時に、導入顧客ベースを強固なものにする点で貢献できるだろう。○MAのターゲット筆者はMAの導入が進んでいくのはリードの育成に時間のかかるB2B企業が中心になると考えている。また、B2C企業の中でも購入に至るまでのプロセスに時間のかかる企業も導入効果が得られるだろう。ただし、「マーケティング情報システム」を構築する場合、B2B企業とB2C企業ではデータやビジネスプロセスのマネジメント方法も異なる。これは、B2B企業とB2C企業では見込み顧客に対するアプローチが異なるためであり、ソフトウェアベンダーも共通機能とそれぞれに対応した機能の両方を提供しなくてはならない。後編では、MAが、リード獲得から顧客獲得に至るまでのリード・マネジメント・プロセスをどのように支援するかについて説明する。
2015年02月09日NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)は2月3日、「マーケティング・オートメーション」への現状の認識や今後の意向に関する調査を実施し、その結果を発表した。これは、同社が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」登録モニターの中から、Webマーケティング(Webサイトの戦略策定・企画、ネット広告による集客、Webサイト上での顧客の会員・顧客化のいずれか)に携わっている人を対象に2014年11月14日~11月17日の期間に実施したもの。有効回答者数は356名。マーケティング・オートメーションとは、リード(見込客)の獲得および育成プロセスの高度化をソフトウェアで支援することで、案件化確度の高いリードに対してメッセージを届ける施策のこと。それによると、マーケティング・オートメーションに関する認知度は、既に全体で約40%を超え、このうち、従業員数が100人以上の企業では60%以上を占めるに至る。特に1000人以上の企業では、「内容まで詳しく知っている」が32%と認知度が高く、大企業ほどマーケティング・オートメーションに注目している現状がみられた。次に、マーケティングや広告施策上の課題については、企業規模別に大きく異なる結果となり、特に企業規模が大きくなるにつれ、最新のアドテクノロジーやマーケティング・オートメーションに注目するだけではなく、「施策に対する効率化」によりROIが求められる傾向がみられた。また、1,000人以上の大企業では、マーケティング・オートメーションのメリットとして、「マーケティング活動の最適化」「見込み客へのアプローチを多様化しつつ大幅なコストダウン」「顧客へのアプローチの自動化」といった結果が出ており、大企業ほどリード(見込み客)を獲得したい、施策を多様化させつつ顧客へアプローチしたい、といったニーズが顕著に現れた結果となった。「マーケティング・オートメーション」ツールを提供している企業名では、Salesforce Marketing Cloudの認知率が全体で約4割を超え、この傾向は、特に1000人以上の大企業で顕著だった。アドテクノロジー関連広告・ソリューションでは、新たな広告のコンテンツ訴求施策である「ネイティブ広告」「インフィード広告」「動画広告」を重視される方が約半数に達しており、その関心の高さが感じられる。同時に、施策に対する効率性が求められていることから、今後は、その施策効果を検証していくための「効果測定とPDCAサイクル」が課題になると想定される。
2015年02月04日マイナビニュースは2月3日、「マーケティングチャンネル」を新設する。今後は、企業のマーケティング担当者や経営者を対象に、主にデジタル・Web関連のマーケティング施策やツールに関して情報発信を行っていく。マイナビニュースでは、これまで、マーケティング関連の情報を集約した「マーケティングカテゴリ」を「エンタープライズチャンネル」内に設けていたが、このたび、記事の掲載スペースを拡大することで情報発信の強化を図る考えだ。新チャンネルは、企業のマーケティング施策やキャンペーン事例などを扱う「マーケティング戦略カテゴリ」や、アドテクノロジー・動画広告・SEOといった「Web広告カテゴリ」など計7カテゴリを設置。「データカテゴリ」では、2014年も大きな注目を集めたビッグデータの分析から活用までを紹介するほか、ECサイトやオウンドメディアの構築、楽天市場などへのモール出店・運用等の情報を提供する「Webサイト構築カテゴリ」、O2OやBeaconなど実店舗とデジタルの融合やチャネルの多様化に関する情報を扱う「オムニチャネルカテゴリ」、ITベンチャーの最新動向や新サービスなどを紹介する「ネットニュースカテゴリ」、街頭・電車内・店頭などに設置されるデジタルサイネージに関する製品やソリューションの情報を提供する「デジタルサイネージカテゴリ」を設ける。なお、ニュースを中心とした最新情報だけでなく、基礎知識やノウハウも発信する予定で、連載や有識者インタビュー、マーケティング施策事例、イベントレポートなどを随時更新していく。
2015年02月03日●テレビCMとブランドサイトの役割2014年4月、楽天は、新たな事業体として楽天マーケティングジャパン事業(RMJ)を創設した。楽天グループでは、同事業を楽天市場・楽天トラベルに続く新たな主力ビジネスと位置づけ、グローバルで1000億円規模の売上げを目指していく構えだ。楽天会員約9500万人のIDを軸にしながら、新タイプのネット広告ビジネスを推進するというRMJ――。その革新性・差別化のポイントはどこにあるのか。同事業部門でRMJマーケティング部 部長を務める向谷和男氏に話を聞いた。***―― まずお聞きしたいのは、楽天マーケティングジャパン事業(RMJ)の強みです。RMJが提供するマーケティング・ソリューションのアドバンテージはどの辺りにあるのでしょう。向谷氏 : RMJは、楽天が展開・保有する「メディア」と、膨大な数の消費者の「データ」、そして先進の「テクノロジー」を駆使して、総合的なマーケティングのソリューションを提供する事業体です。言い換えれば、メディア・データ・テクノロジーといった楽天の事業資産が、差別化の源泉ということです。―― メディアとは、ショッピングサイトの「楽天市場」を意味しているのですか。向谷氏 : それも1つですが、楽天ではこの他にも旅行サイトの「楽天トラベル」や、料理レシピの投稿・共有サイト「楽天レシピ」、基礎体温管理アプリ「楽天キレイ℃ナビ」、ゴルフ場予約サイトの「楽天GORA」、クチコミ就職情報サイト「みんなの就職活動日記」など、多数の特化型メディアを運営しています。このうち楽天市場では、四半期ごとの購買者数が約1400万人に達していますし、楽天レシピについても、スマートフォンからの利用者だけで月間360万人を超えます。また、楽天GORAも、ゴルフ場予約件数ベースで日本最大級のサイトへと成長しており、ネット経由でゴルフ場の予約を行っているゴルファーのほぼ100%をカバーしていると言っても過言ではありません。さらに、みんなの就職活動日記については、就活中の学生の8~9割が利用している人気サービスです。このように、楽天のメディアは、消費者のさまざまな生活シーンに深く浸透しており、多くの消費者が日々の生活の中で、そのサービスを利用しています。加えて楽天には、楽天カード・楽天Edyなどのファイナンスサービスもあります。「こうしたメディアやファイナンスのサービスを適材適所で用いながら、新しいデジタルマーケティングのあり方を提案し遂行する」というのが、RMJの大きな役割です。○テレビCMとブランドサイトの役割―― では、RMJのソリューションによって、企業はマーケティングの何を、どう変えられるのですか。向谷氏 : 例えば、消費者とのコミュニケーションを図るうえで、テレビというマスメディアで効果を出していくことが難しくなっていると言われます。ただし一方で、消費者をセグメント分けし、メッセージの訴求力を高めるというデジタルマーケティングの手法にも、1つのネックがありました。それは、ターゲットのセグメンテーションによって、マーケティング対象の絶対人数がどうしても少なくなり、「マス」のレベルからはほど遠い規模になることです。ところが、楽天の場合、約9500万人の消費者を会員として擁しているほか、特化型メディアの利用者も数百万強のレベルにあります。そのため、例えば、「料理好き」というセグメンテーションをかけたとしても、楽天レシピの利用者数百万人にリーチできますし、「直近一年間で、楽天市場で何らかの化粧品を購入した利用者」というセグメンテーションをかけても、数百万レベルの消費者にリーチすることが可能なのです。つまり、楽天のメディアやデータをうまく活用すれば、ターゲットを絞り込みながら、マスレベルの消費者にリーチすることができ、マスマーケティングの一環として、潜在顧客との新たな接点・コミュニケーションのあり方を形成していくことができるというわけです。―― その強みを生かして、具体的にどんな提案をクライアントにしているのですか。向谷氏 : 私たちが現在注力しているのは、テレビCMを主軸にブランドマーケティングを展開しているクライアントを、ネットの世界に引き入れることです。その戦略の一環として手がけているのが、楽天レシピなどの特化型メディアを活用した「Ads asコンテンツ(番組)」の取り組みです。これは、例えば、楽天レシピの「番組(動画コンテンツ)」として、特定の調味料・食材を使ったレシピ・調理法を提案し、無理のないかたちで、調味料・食材の新しい活用法を消費者の間に根づかせるというものです。また、楽天のメディアを使えば、特定の商品のファン層を会員化し、囲い込む仕組みを作るのも簡単です。というのも、楽天のメディアはそもそも会員制のサービスが多く、その中にできた組織ならば、利用者は、手持ちのIDを通じて、スムーズに入会の手続きを行うことができるからです。しかも、楽天はある意味で、日本最大級の会員サイトを運営する企業体です。ですから、私たちは消費者を会員化し、その維持・囲い込みを行うのは「お家芸」と言えるほど得意なんです。これも、クライアントから見たRMJの魅力と言えるのではないでしょうか。―― 今日では、企業が自社のブランドサイトを使って、消費者を囲い込むための仕組みやコンテンツを提供しようとする動きが活発化しています。RMJの施策は、そうした動きとコンフリクトしないのですか。向谷氏 : あるメーカーの商品がいくら好きだとしても、その企業のPRコンテンツを常に得ようとしたり、単体商品での会員化を継続させるのは困難な事が多い。ですから、ブランドサイトは作ったものの、集客や運営、システム開発、導入にコストがかさむというジレンマに陥るケースが少なくないと思います。とすれば、すでに多くの利用者(会員)を擁するサイトでブランディングの施策やコンテンツを展開し、顧客の囲い込み図ったほうが格段に効率的なはすです。また、消費者ニーズが多様化し、目まぐるしく変化する中では、どんなにテレビCMを打ったところで、例えば「食の新しいカルチャーを作り上げること」は至難です。その意味でも、楽天の特化型メディアを使って、消費者と継続的なコミュニケーションを図ることの意義は大きいのです。●オールジャンルのマーケティング予算を取りに行く○オールジャンルのマーケティング予算を取りに行く―― Ad asコンテンツの取り組みですが、編集枠だけを広告主に提供して、ネイティブアドを展開させるほうが、サービスとしては手間がかからないと思うのですが。向谷氏 : 確かにそうなのですが、以前、編集スペースだけをクライアントに切り売りした結果、ユーザビリティが下がり、サイトの評判を落としてしまうという苦い経験を味わいました。ですから、クライアントとともに、消費者のニーズととらえた番組(あるいは、編集コンテンツ)をしっかりと作り込むことは大切ですし、それが最終的に、利用者にも、クライアントにも大きな利をもたらすと考えています。実際、楽天レシピが展開しているAd as コンテンツは、クライアントからの受けが抜群によく、ネット広告への依存度が低かった大手企業と新たな関係を築くことにも成功しています。今後は、他の特化型メディアでも、同様の展開を積極的に図っていくつもりです。―― データという楽天の資産を活用することの意義についても、確認したいのですが。向谷氏 : 言うまでもなく、楽天の中には、「どのような消費者」が「どんな情報をよく閲覧しているのか」、あるいは、「どんな買い物をしているのか」といったデータが日々大量に蓄積されていきます。要は、消費者の嗜好や購買パターンを割り出すためのデータが潤沢にあるということです。こうしたデータを分析していくと、消費者の価値観・世界観が明確にとらえられるようになり、それに応じて潜在顧客層をグルーピングし、マーケティングの施策を細分化しながら、それぞれの実効性を高めていくことができるようになるのです。―― ところで、一般消費財・食品のメーカーは(コンビニエンスストアの要請もあり)新商品を単サイクルで投入し、短期間に売り切る必要にも迫られています。こうした課題へのソリューションとして、RMJでは何が提供できるのですか。向谷氏 : 1つは、リアル店舗での販促に、楽天Edyなどのファイナンシャル・サービスを使うことです。実際、ある缶コーヒーの販促として、「楽天Edyを使って当該の缶コーヒーを購入すると3本目が無料になる」というキャンペーンを展開し、実質的な効果を上げています。企業には、「セグメント化されたマスにリーチしたい」「腰を据えて、ブランディングや顧客の囲い込みを行いたい」「特定商品の売上げを、短期的にアップさせたい」といった、さまざまなニーズがあります。RMJは、楽天のアセットを駆使して、そうしたマーケティング・ニーズに全方位で対応しているのです。―― 最後に2015年の具体的な目標があれば、教えてください。向谷氏 : 楽天マーケティングの事業では、グローバル全体で「Driving the Omni Experience(オムニ体験をドライブする)」というスローガンを掲げています。先に触れたとおり、消費者が日々の生活を送る中で、楽天のサービスは必ず複数存在していますし、消費者はスマートフォンやPC、実店舗、楽天市場、イベントなどの多様なチャネルを通じて、楽天のサービスを利用しています。そのネットワークの中で、IDをハブにしながら、消費者の体験を総合的にマネジメントし、消費者の嗜好・ニーズ・生活スタイルに合致したマーケティング活動を推進していく――それが、楽天マーケティングの基本コンセプトです。今年は、こうしたコンセプトを「かたちにすること」に力を注ぎ、その活動を通じて、単純な販促を目的にしたデジタル広告の案件だけではなく、ブランディングを含めたオールジャンルのマーケティング予算を獲得していくつもりです。言い換えれば、購買直前の消費者の背中を押すマーケティングだけではなく、「認知・興味」の喚起から始まるマーケティング全体の先鋭化に統合的に取り組んでいくのが、私たちの当面の目標であり、戦略であるということです。―― ありがとうございました。
2015年02月03日本連載では、企業のマーケティング担当者向けに、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて、わかりやすく解説していきます。アナリティクスやマーケティング・サイエンス、最適化(オペレーションズリサーチ)視点を意識しつつ、DSPの選定や活用が可能となることを狙いとします。まずは、今回と次回の2回に分けて、アドテクノロジーの歴史を簡単に振り返ります。○インターネット広告は、どう生まれ、変化していったのか昨今のインターネット広告は、広告費全体に大きなシェアを占めています。電通が発表した「2013年日本の広告費」によると、インターネット広告費は媒体構成比の15.7%となります。なぜ、このようにインターネット広告市場が拡大しているのか、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。拡大の背景には、インターネットユーザーの利用変遷と、アドテクノロジーの進化が密接に関係しています。以前のインターネット広告といえば、「純広告」と呼ばれるWebサイト内の特定位置に設けられた広告枠に、一定期間分の広告費を支払い掲載する手法が主流でした。純広告は、まず、1カ月当たりの掲載費はいくらかという期間保証型の課金形態から始まります。その後、ブロードバンドや定額制料金などによりインターネットサービスが爆発的に普及すると、インターネット・メディア(メディア)も相次いで立ち上がり、純広告の課金形態も期間保証型だけでなく、インプレッション課金(CPM)やクリック課金(CPC)などが浸透していきました。そして、インターネット広告市場を大きく伸長させる要因の一つとなった「検索連動型広告」が台頭します。ユーザーの検索結果画面に対し関連性の高い広告を表示するこの手法は、ユーザーの入力した検索内容と、広告の関連性を品質スコア化しマッチングさせる技術や、CPC課金をオークション形式で複数者が同時に入札できる技術、これら要素の総合評価で表示順位を決める技術などを採用。検索結果の品質を維持しつつ効率的な広告手法として確立されていきました。一方、Webサイト内の広告枠に画像を表示する「ディスプレイ広告」は、インターネットの普及によりメディア事業へ進出する企業の増加や、ユーザー自身がコンテンツを生成する、いわばソーシャルメディアの先駆けとなるCGM(Consumer Generated Media)サービスの台頭などに影響を受け、変化していきます。そして、これらのメディアでは、「ユーザーは無料で利用でき広告主は掲載費を払う」という広告モデルを前提としていたため、多くの訪問ユーザーを持つ一部のメディアを除き、多くの小規模メディアでは、営業リソースが少なく充分なマネタイズが難しくなっていました。このような状況の中で、小規模メディアの広告枠をパッケージ化し広告配信を管理・販売するサービスとなる「アドネットワーク」が登場しました。○アドネットワークとアドエクスチェンジ「アドネットワーク」とは、ひとつの事業者が複数のWebサイトやページを広告配信対象としてネットワーク化し、広告の受注を一括して請け負うサービスです。メディアは、提供可能な広告枠にjavaScriptを埋め込んでおくだけで、アドネットワーク事業者から決められた条件にてさまざまな広告主のバナー広告が配信されます。また、「ターゲティング機能」を持ったアドネットワークが登場し、メディア価値だけでない視点での配信も可能となりました。こうして、アドネットワークは小規模メディアのマネタイズをサポートすると同時に、効率的に広告枠を買い付けたい広告主の調整役を担っていきました。しかし、複数のアドネットワーク事業者が存在することで、例えば、「アドネットワークa」では広告枠が余っているが、「アドネットワークb」では広告枠が足りていないという需給のバランスが崩れるといった課題も発生してきます。そこで登場したのが、アドネットワークの需給の調整を行う取引所としての「アドエクスチェンジ」です。第2回は、このアドエクスチェンジのほか、RTB(リアル・タイム・ビッティング)市場の発展についてふれていきます。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年02月03日電通とNTTデータは、主にソーシャルメディア・ビッグデータの解析を起点とした、マーケティング領域での新たなソリューションの開発・提供で協業すると発表した。協業開始に先立ち、両社はすでにいくつかの実証実験を重ねており、現在、位置情報データ、感情データ、購買データなどのビッグデータと、外部データを連携させることによる新たなソリューションの開発にも取り組んでいる。ソーシャルメディアデータをCRMに連携させる手法では、感情データを活用することで、流通業界におけるオンラインとオフライン、ECとリアル店舗をまたいだ施策の開発が可能になり、ファッション、宝飾品、自動車、家電など嗜好性の強い業界での効果が期待できるという。両社は、電通が持つ事業戦略、商品戦略、マーケティング・コミュニケーションに関する独自のプランニングおよび顧客・生活者のインサイトに関する知見、NTTデータが保有する日本市場唯一のTwitter全量データ注の再販機能およびソーシャルメディア・ビッグデータの解析力、ならびにシステム構築力を掛け合わせることで、マーケティング戦略の立案からマーケティングシステムの高度化まで、マーケティング・ソリューションをワンストップで提供する。併せて、協業を加速する推進母体として「Social Insight Lab」(ソーシャル・インサイト・ラボ)を立ち上げ、企業の複数の部門にまたがるマーケティング課題に対して、課題の解決にあたる。電通とNTTデータは本協業により、顧客企業においてマーケティングをつかさどるCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)/ブランドマネジメント部門と、ITをつかさどるCIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー)/情報システム部門の、相互にまたがる高度なマーケティング課題に対して、全体最適の視点からソリューションを提供していくという。
2015年01月23日京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は1月22日、デジタルマーケティング事業における新ブランド「KANADE」を展開することを発表した。「KANADE」では、消費者に心地よいデジタルコミュニケーションの提供や、マーケティングオートメーション化の支援により、デジタルマーケティングのROI最大化を目指す。今後は、同ブランドでDSP・DMPをはじめとするサービスを拡充し、デジタルマーケティング事業全体で初年度30億円の売上を実現したい考えだ。
2015年01月23日グローバルリンクジャパンは1月13日、同社開発のコンテンツマーケティング支援ツール「CLOUDPLAY(クラウドプレイ)」において、YouTubeの分析機能を強化し、新たに分析レポートを搭載すると発表した。新機能の実装は、1月を予定しており、同月中に設定を行うと2月よりレポートのダウンロードが可能となる。分析機能の強化では、YouTubeのアノテーション機能を使用し、動画に埋め込んだリンクからWebサイトへ流入したセッションやコンバージョン数などを計測する「動画リンクからの流入効果分析」が可能に。Googleアナリティクスとの連携が必要だが、YouTubeの動画説明ページなどに外部サイトへのリンクを設置することでクリック数を把握することもできる。新機能となる「動画分析レポート」は、チャンネル内にある動画全体や個別の動画についてレポーティングするもの。月単位の推移や前月比の計測が可能なほか。CLOUDPLAYに搭載する他のレポート機能との併用により、ソーシャルメディアコンサルティングやコンテンツマーケティング、Webコンサルティングなどの報告資料としての活用も可能だ。なお、初期費用は無料で、月額料金は4万9800円(税別)~となる。
2015年01月15日ZMPと無線通信機器の開発・販売、システムソリューションの提供を手掛けるネクスは1月7日、自動車テレマティクスの事業分野において共同でマーケティングを開始すると発表した。ZMPが保有する車両情報を収集・解析する技術と、ネクスの通信技術・通信モジュールを組み合わせることで、車両の状態監視、走行時の音声や画像データなどの送信、新たな機能の追加におけるソフトウェアの自動アップデートなどの実現が可能となる。また、ネクスの子会社であるネクス・ソリューションズで、走行情報などから収集したデータを蓄積するサーバや、そのデータを活用し役立てるためのアプリケーションの開発を行うことで、自動車テレマティクス分野におけるさまざまな可能性を実現させることが可能であるとしている。今後、両社のコラボレーションにより、自動車テレマティクス分野における新たなニーズに応えていくとコメントしている。
2015年01月08日博報堂と博報堂プロダクツ、スマホVRサービスを手掛けるハコスコは12月19日、VRを企業のマーケティングに活用するソリューション開発を共同で開始すると発表した。共同開発の第一弾として、ハコスコが提供するダンボール製ビューワー「ハコスコ」と個人のスマートフォンを活用した、VR体験ソリューション「スマホVRソリューション」の提供を行う。同ソリューションは、安価で手軽にVRを体験できる「ハコスコ」を活用することで、高価なヘッドマウントディスプレイやPCが不要に。ハコスコ本体への印刷も可能で、企業仕様のデザインにカスタマズできるほか、ノベルティや付録としてクライアントへの配布も可能だ。また、三社は、プロモーション戦略としてスマホVRをどのように活用していくべきか、企業のニーズや情報戦略を理解した上でのスマホVR活用プランニングも提供。VRを最適な形でマーケティングに落とし込むためのプランニングやシナリオを設計する。加えて、ビューワーやVR映像コンテンツの企画・制作から、コンテンツ配信、アプリ等の開発まで、スマホVR体験に必要な全てをワンストップで提供し、全天球パノラマ撮影やユーザーの動きと連動した三軸映像処理も対応する予定となる。
2014年12月22日「All About」を運営するオールアバウトとイノーバは12月8日、業務提携し、企業・団体がオウンドメディアを構築して情報発信を行うコンテンツマーケティング領域において、両社の強みを活かしたソリューションの提供を開始すると発表した。オールアバウトは、870名の専門家による16万本以上の記事を保有するほか、月間総利用者数3830万人にもおよぶメディア集客力を持つ。同社の特性と、コンテンツマーケティングに特化したイノーバのクラウドソフト「Cloud CMO(クラウドシーエムオー)」を組み合わせることで、より質の高いコンテンツマーケティングの支援体制を強化する。今回の協業により、コンテンツマーケティングに関するスキルやノウハウ、エンジニアリソースを持たない企業でも、短期間でのオウンドメディア構築を実現し、長期的な視点でユーザーの興味・関心を喚起する質の高いコンテンツの生成が可能だという。
2014年12月09日インテリジェンスビジネスソリューションズ(IBS)は12月1日、企業におけるマーケティングオートメーションの導入・定着化の支援サービスを開始すると発表した。同サービスでは、セールス・マーケティングの専門知識を持ったコンサルタントが、企業のシステム利用状況やマーケティング施策の状況を分析・把握し、企業の目標に沿った適正なサービスの選定と導入・運用方法の提案を行う。既存ツールの導入だけでなく、IBSのシステム開発部門との連携により、必要となるツールの設計や開発も可能だ。また、十分な運用に向けた社内運用体制づくりも支援し、業務担当者へのトレーニング研修の実施や、ツール運用のためのサポートデスクの設置など企業の状況に応じた施策を提供するという。
2014年12月02日日本IBMは11月28日、個々の顧客に合わせたリアルタイムなエンゲージメントを可能にする、クラウド・ベースのマーケティング・オートメーション・ソリューション「IBM Silverpop Engage(シルバーポップ・エンゲージ)」の提供を開始した。同ソリューションは主に、リード育成管理とマーケティング業務の自動化により、企業のデジタル・マーケティングを包括的に支援するもの。リード育成管理では、施策別の購入実績やEメールの開封、Webサイトのクリックなどの顧客行動にて施策を評価し、リードのスコアリングとナーチャリングを実施。マーケティング業務の自動化では、顧客毎にカスタマイズしたEメールの大量配信が可能なEメール・マーケティングのほか、顧客の行動に基づきパーソナライズしたコミュニケーションをオムニチャネルで実現する。また、マーケティング・オートメーションやコンテンツ・マネージメント、ソーシャルメディア連携、顧客分析といったデジタル・マーケティング機能が、リード管理育成機能と完全に統合され、またそのいずれも拡張が可能。これにより、B2Cマーケティングだけでなく、B2Bマーケティングにおけるキャンペーンの企画から各顧客に対する効果の測定まで一貫して行うことができ、セールス部門とマーケティング部門の連携した見込み顧客へのアプローチを支援する。同ソリューションの価格は、初期費用が200万円(税別)、月額利用料が25万円(税別)~となる。
2014年12月01日アドビ システムズは25日、デジタルを活用したマーケティング活動についての実態調査「Adobe APAC Digital Marketing Performance Dashboard 2014」の結果を発表した。「Adobe APAC Digital Marketing Performance Dashboard 2014」は、同社とCMOカウンシルが共同で、CMOカウンシルの会員を含むアジア太平洋地域(以下、APAC)各国100名以上のマーケティングリーダーに対し「デジタルを活用したマーケティング活動」についての調査結果だ。このレポートにおいて、「IT部門からの支援がデジタルテクノロジーの選定と導入に不可欠である」と考えていると回答したのは、日本のマーケターが38%最も多かった(APAC平均24%)。しかし「ITからの支援が得られている」との回答はわずか6%(APAC平均は16%)と最低であった。また、デジタルマーケティングに関する経営者層からのサポートという点においては、日本はAPACと同等レベル(日本56%、APAC平均59%)となっている。一方、「経営幹部が、デジタルマーケティングがもたらすROIを十分に理解していない」と回答した日本のマーケターは63%と、デジタルマーケティング投資に積極的な国(オーストラリア11%、シンガポール22%)と比較して、日本の経営者はROIに懐疑的であることも明らかとなった。こうした結果をふまえ、同社は「デジタルマーケティングで経営効果を挙げている企業では、ソリューションの導入だけでなく、組織の中で、効率と効果を獲得するためのプロセスが定義されている」とし、「デジタルマーケティングを活用するマーケティング部門だけでなく導入と運営にかかわるIT部門の支援が不可欠」だとしている。また、今回の調査では、「MINDSET(意識)」、「MARKETING READINESS(活用状況)」、「ORGANIZATIONAL ALIGNMENT(組織体制)」、「MARKETINGSKILLS(スキル)」おいて、日本は昨年に引き続き4カテゴリーすべてにおいてAPAC平均を下回った(ただし、4カテゴリーすべてにおいてその差は小さくなっている)。この調査結果について、アドビ システムズ ジャパン/アジアパシフィック マーケティング バイスプレジデント 木ノ本尚道氏は、「APACの他の国と比較してブロードバンドやモバイル環境が整っており、オンラインショッピングにも積極的な消費者が多い日本では、企業がデジタルマーケティングを活用して顧客満足度を向上できる素地は大きいと考えられます。顧客のデータをもとに、あらゆるタッチポイントで最適な情報を発信できるようにするために、経営者層には、マーケティング部門とIT部門の連携をはじめ、顧客データを売上拡大につなげる組織作りが求められます」と述べている。
2014年11月25日ルビー・マーケティングは11月19日、クラウドソーシングサービスを手掛けるランサーズと業務提携契約を締結したと発表した。これにより、同社はランサーズのリソースを活用しながら、中小企業のオンラインマーケティングを支援する。ルビーマーケティングは、中小企業を対象として、Google AdWordsやYahoo!プロモーション広告を中心としたオンライン広告のメディアプランの作成、ディレクションを含むコンサルティング業務を行っている。同社は、業務提携に至った理由について、ランサーズのサービスに登録する40万人ほどの人材を活用することで、より多くの顧客に対し、これまで培った知見を提供し、顧客のオンライン広告として反映していくことができると判断したとしている。具体的には、業務提携の下、「Google AdWords広告、Yahoo!プロモーション広告のアカウント新規作成」「改善のために必要なGoogle AdWords, Yahoo!プロモーション広告のレポート作成」などのサービスを提供する。アカウント改善提案&運用代行については、別途相談が必要。
2014年11月21日