ショッピングイベント「VOGUE FASHION’S NIGHT OUT 2019」が14日、東京・表参道ヒルズで行われ、女優の柴咲コウ、モデルの冨永愛、森星、福士リナ、デザイナーのフィリップ・リム、歌手でドラマーのシシド・カフカが出席した。同イベントは、2009年にアメリカ版『VOGUE』の編集長アナ・ウィンターの提唱によって始まり、「ファッション業界の活性化」をグローバルな目的として『VOGUE』を発行する国が各地で開催する世界最大級のショッピングイベント。11回目を迎える今年は5カ国10都市で開催され、日本では東京(9月14日)、神戸(10月19日)、名古屋(10月26日)、大阪(11月16日・17日)の4都市で開催される。今年は「Fashion×Sustainability(地球環境を保全しつつ持続可能な産業や開発)」に根ざした取り組みも行っており、レースの衣装を見にまとい、完璧なプロポーションを披露した森は「自分がまさにモデルとしても、1人の人間としても、物を使う責任を問うてる最中で、こんなにバッチリなテーマはないなと思うくらいなので、参加できて嬉しいです」と声を弾ませ、「洋服業界においてはそれが当たり前の行動になって、かっこいいなって時代になっていくのかなと思います」と期待を寄せた。また、環境省の環境特別広報大使を務める柴咲は、昨年は神戸で行われた同イベントに参加したそうで「東京もまた違う盛り上がり方で新鮮ですね、華やかです」と会場を見渡し、「私の役割としては環境のことを多くの人に広めていくことなので、こういったイベントに出演できてありがたいです」と感謝した。さらに、2009年の第1回目から同イベントに参加しているという冨永は「『VOGUE』が20周年ということで、おめでとうございます。私のキャリアも20年以上なんですけど、最初の高校のときの制服のときから盛り上げていただいて、それが取っ掛かりで海外に出ることになったんですよね」と感慨深げに語り、大胆なスリットが入った衣装が話題に上がると「今日はすごい格好をして来ました。年々成長しているイベントなので、私も年々パワーアップしています(笑)」と笑顔を見せた。同セレモニーのオープニングでは、SEKAI NO OWARIによるスペシャルライブが行われ、『スターライトパレード』『RAIN』『LOST』の3曲を披露し、上の階までぎっしりと詰め掛けた観客を熱狂させた。
2019年09月15日『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019』のオープニングパーティーが7日に北海道・夕張市内で行われ、ゲスト陣が餅つきを披露した。同映画祭は北海道・夕張市にて行われるリゾート型映画祭で、今年で29回目を迎え、3月7日~10日に開催される。夕張市内5会場で120以上の作品の上映が行われる予定だ。オープニングパーティーでは、恒例となっているゲスト陣による餅つきが披露された。京楽ピクチャーズ.PRESENTS ニューウェーブアワードを受賞した牛嶋新一郎監督、特別上映企画『ニート・ニート・ニート』に出演する灯敦生、インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門 審査員の安藤桃子監督、沖田修一監督、ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門審査員の長谷直美、冨永昌敬監督、マーク・シリング、白石和彌監督が登場し、杵を振るった。また、ニューウェーブアワードの女優部門を受賞した松本まりかには、ひときわ注目が。細身の杵を振り上げ餅を搗く姿に、パーティーに参加した関係者陣や、チケットを購入した参加者達から「かわいすぎる!」と声が上がっていた。
2019年03月08日1990年にスタートし、多くの映画人や映画ファンから愛され続ける「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が、2019年3月に29回目を開催。その招待作品や審査員が発表された。一時は夕張市の財政難によって開催が見送られたものの、運営を市から民間に移行し2008年に復活。今年も3月7日(木)~3月10日(日)の4日間にわたり開催される「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」。これまでも幾多の才能を発掘し、世に送り出してきた映画祭として知られる。■お蔵入りの問題作から青春ゾンビミュージカルまでオープニング招待作品は、韓流アイドルとして日本でも絶大な人気を誇るチャン・グンソク主演作ながら、昨年のベルリン映画祭でワールドプレミアされて以来、キム・ギドク監督のセクハラ問題などの影響を受け、お蔵入りしていた『人間、空間、時間、そして人間』(仮題)。チャン・グンソクほか、藤井美菜やオダギリジョーも出演し、空中を浮遊することになった廃軍艦というファンタスティックな設定を舞台に、取り残された人々のサバイバルを描く過激なファンタジー作品。本映画祭プログラミング・ディレクターの塩田時敏氏は、「こういう作品を上映してこそ映画祭の意味がある」と語っている。また、クロージングを飾るのは『レゴ(R)ムービー2』。クリエイティビティーに富んだ映像と驚き溢れる物語で数々の賞レースを賑わし、大ヒットと共に全世界の話題をさらった『レゴ(R)ムービー』待望の最新作で、ヤバいクイーンが支配する“全てがミュージカル”な惑星で、またもや“選ばれし者”になった主人公エメットが明るくおばかに戦う。そのほか招待作品の注目は、先日、日本公開が報じられると話題を呼んだ『アナと世界の終わり』。“負け組”の高校生集団が歌って踊って暴れまくる青春ゾンビミュージカル。世界各国のファンタスティック映画祭で上映され、『ショーン・オブ・ザ・デッド』×『ラ・ラ・ランド』とも評される話題作。特別上映作品としては、ムンバイに住むずる賢いマジシャンの青年が、顔も知らない父親を探す奇想天外な旅を通じて幸せを見つける物語『The Extraordinary Journey Of The Fakir』(原題)と、熱海を舞台にK-POPスターと芸者として生きる女性との運命的な恋を描く物語『熱海のやまぼうし』を上映。■白石和彌監督がコンペ部門審査員長に本映画祭の大賞となるファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門には、審査委員長として、北海道出身であり『日本で一番悪い奴ら』では北海道を舞台にした白石和彌監督が就任。『彼女がその名を知らない鳥たち』『狐狼の血』などを手掛け、バイオレンスを通して人間の深遠を描く視点から、どんな審査を行ってくれるか注目。そのほか審査員に、韓国・プチョン国際ファンタスティック映画祭プログラマーを務めるモ・ウニョンや、日本映画の批評も手掛けるプログラミング・アドバイザー、マーク・シリング、映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』やドラマ「ディアポリス異邦警察」を手掛ける冨永昌敬監督、「俺たちの朝」「太陽にほえろ!」「俺たちは天使だ!」など数々のドラマで幅広い視聴者の心を掴んできた女優・長谷直美も審査員として参加する。さらに、毎年多彩な作品が集まるインターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門では、本映画祭の常連であり自作品でオフシアター・コンペの受賞経験もある久保直樹監督が審査委員長に初就任。また、『モリのいる場所』や『南極料理人』で知られる沖田修一監督と、妹・安藤サクラをヒロインに自作小説を映画化した『0.5ミリ』が高く評価された安藤桃子監督も審査員に。本映画祭ではかつて奥田瑛二が審査員を務めたことがあり、親子二代の就任が実現した。■記念すべき来年30回目は開催を夏に!先の塩田氏は「今年は『ファンタスティック』らしいバランスのいい作品ラインナップになった」と自信を覗かせており、深津修一エグゼクティブ・プロデューサーは、「29回目を迎える今年のテーマは『ファンタを止めるな!』。その言葉には、『日本一楽しい映画祭』であるこの映画祭を永く続けていくための想いが込められています」と語る。また、来年の30周年に向けて「ゆうばり映画祭プロジェクト30」を発足、「会期を、雪を気にせず各地からアクセスしやすく、名産品のメロンが収穫を迎える“夏”に」移行させると報告している。「第29回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」は3月7日(木)~3月10日(日)開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アナと世界の終わり 2019年5月31日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2017 ANNA AND THE APOCALYPSE LTD.
2019年02月07日坂本美雨がパーソナリティをつとめるTOKYO FM『ディア・フレンズ』(毎週月曜~木曜 11:00~11:30)。17日の放送に俳優・東出昌大がゲスト出演する。『OVER DRIVE』や『パンク侍、 斬られて候』など、さまざまな映画に出演する東出は、 クランクアップとクランクインが連続するスケジュールだったという。そして、9月1日に公開された映画『寝ても覚めても』が出品されている釜山映画祭(10月4日~13日開催)について、現地を訪れた感想や台風による取材アクシデントなどのエピソードを紹介した。さらに11月3日より東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演される舞台『豊饒の海』について、「まず美しくあらねばならいと思っています。 共演者の姿形、 立ち振る舞いも美しい。 舞台に立った時に栄えるよう、 指先まで神経をとがらせています」と明かし、「脚本家さんの力あってでしょうが、 三島ファンの僕が原作の良さを全く損なわずにいる」とも語った。『ディア・フレンズ』では、15日に千原ジュニア、16日にOfficial髭男dism、18日に中川大志がゲストとして登場する。
2018年10月13日今年30歳になった東出昌大。“変わりませんね”と声をかけたら、「いやあ、年は取りましたよ、本当に」と答える。最新映画『寝ても覚めても』(9月1日公開)は、同じ顔をした2人の男と1人の女の物語。朝子(唐田えりか)の前から突然姿を消した恋人の麦(東出)。2年後、朝子は麦に行き写しの亮平(東出)と出会い、戸惑いながらも引かれていくが……。自分のことを「生まれ変わらないと直らないくらいの不器用の権化」と語る東出。話を聞くと、本人が言うとおり、不器用さがにじみ出たほほ笑ましい回答が。30歳になって心境の変化はありましたか?「20歳を迎えたときに近い驚きがありましたね。『もう30歳!?』と。理想としていた30歳に至ってないからだと思いますが、僕が20代のころ、先輩がみなさん口をそろえて『30を過ぎると楽になる』と言っていたんです。でもいざ自分が30歳になってみると、まったく楽になる気配がなくて。改めて『本当に楽になるんですか?』と聞いたら、『いや、なかなか楽にならないよ』って返ってきて。『こんにゃろ〜!』と思いました(笑)」(東出・以下同)20代はつらかった?「はい。とても恵まれていましたが、決して楽ではなかった。濁流のなかでアップアップもがいていたような感じで。デビューしてしばらくは、濁流を前に臆していたけれども、自分自身をごまかしながら飛び込んでいるうちに、そこそこ泳げる自信がついたのかなあ。もっともっと自由に泳ぎたいですね」映画『寝ても覚めても』では、ミステリアスな自由人の麦と、実直なサラリーマンの亮平という全く違う性格の2人を演じていますね。「最初に監督から『演じ分けをしないでください』という指示がありました。僕がそれぞれの役になれば自然と違う人に見える、と。『あなたのことはそれほど』(’17年)の涼太と、『コンフィデンスマンJP』(’18年)のボクちゃんが全く違う人物だったように、麦と亮平を偶然、同じ日に、同じ現場で演じているだけで、違う作品に出ているという感覚に近かったですね」ボクちゃんも大人気でしたね。「街を歩いていると、小学生が寄ってきて、『ボクちゃん!』って。ありがたいと思う半面、『齢30にして、なぜ俺は、小学生に“ボクちゃん”って言われなきゃならないんだ!』と(笑)。でも、最近うれしいんですよ。『ピッタリの役だったね』って言われることが増えて。これ以上ない褒め言葉です」私生活で凝っていることは?以前は料理がお好きでしたよね?「結婚してからはボチボチですね。しないといけない雰囲気かな?って思ったら、『何か作ろうか?』と提案はします。料理を作るのは好きだからイヤイヤではなく(笑)。凝っているといえば、家にストーブがあるので、冬支度のために薪をいっぱい集めています」この季節に薪割りですか?「薪って、乾燥させないといけないんです。この間、平日の午前中に木を切っていたら、通りがかりのおじいちゃんに『仕事は何やってるの?』と聞かれたんです。『役者です』と答えたら、『ああ、役所ね』って言われたので、僕も思わず、『はい、役所です』(笑)。まだ顔を知られてないんだという恥ずかしさもあるし、ふだんから職業を聞かれても、『一応、役者です』とあやふやに言ってしまうんです」40代になったら“一応”が取れますかね?「取れるときがくるのかなあ」
2018年09月01日映画『寝ても覚めても』で共演した1人と1匹。東出昌大さんと猫・八の字は、特別な絆で結ばれているようです。猫は人と対等。その距離感が心地いい。同じ顔をした2人の男と、その間で揺れ動く女性の8年間を描いた映画『寝ても覚めても』。物語の中で、初の一人二役に挑戦している主演の東出昌大さん。「猫はお芝居をしないし、見え方も気にしない。予定調和を感じさせないからこそ、ただそこにいるだけで物語にリアリティを与えてくれていると思うんです」と東出さんが語るように、物語の名脇役として登場するのが、東出さん扮する亮平と、その恋人・朝子(唐田えりか)の飼い猫であるジンタン。演じているのは、その名のとおり額の「八」の模様が特徴的な八の字。この撮影当日も、たくさんのスタッフを前に尻込みすることなく、大きなおなかをべったりと床につけてお昼寝。再び起き上がったかと思えば、ソファにどっしりと腰かけて(!?)東出さんのスタジオ入りを待つ、堂々たる貫禄を見せつけてくれた。「現場でも僕と八の字は、付かず離れず、お互い空気のような関係性でした。僕も猫を飼っていたので、扱いには慣れているんです」聞けば東出さん、4歳の時に初めて捨て猫を拾って以来、過去に代々5匹も飼っていたそう!「1匹いなくなる度にまた1匹と、みんな僕が拾ってきたんです。子猫って弱々しくて放っておけないんですよね。連れて帰ってくる度に父と大喧嘩でしたけど(笑)」とくに東出さんの記憶に残っているというのが、3代目のハナ。「ハナはお風呂が大好きで寝る時もいつも一緒。それはそれは可愛くて仕方がなかった。でも僕が高校生の時に死んでしまって…。猫の死を目の当たりにしたのは初めてだったので、すごく落ち込みました。他の子はふらっといなくなってしまうことが多かったんですよね。数日間は捜すんですけど、猫って不思議なもので亡くなる前に姿を見せなくなるみたい。だからそういうものなのかなぁ…と」これだけ東出さんの心を惹きつけて離さない、猫の魅力とは?「猫は人の言葉をわかっていないフリして、実はわかっているんだろうなと思います。“今日も疲れたよ~”って話しかけると、“愚痴っぽい男だな”って思われていそうだし(笑)、人と対等でもある。でも、その絶妙な距離感が心地いいというか。今は家族に猫アレルギーがいるので飼えないですけど、もし、どこかで捨てられている猫を見たら危ない。また拾って帰っちゃうかもしれません(笑)」ひがしで・まさひろ1988年2月1日生まれ、埼玉県出身。俳優、モデル。11月1日公開予定の映画『ビブリア古書堂の事件手帖』に出演。ドラマ『コンフィデンスマンJP』の映画化も決定。衣装はすべてスタイリスト私物はのじ推定5歳(オス)。WOWOW連続ドラマW『グーグーだって猫である』でデビュー。温厚な性格でどこでも寝られることが特技。運動は大の苦手。本作のラストシーンで重要な役割を果たす。『寝ても覚めても』朝子(唐田えりか)は、ある日出会った亮平(東出昌大)に惹かれ、仲を深めていくが、朝子には言えない秘密があった。亮平はかつての恋人に顔がそっくりだったのだ…。9月1日よりテアトル新宿ほか全国ロードショー。©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINEMAS※『anan』2018年7月4日号より。写真・内山めぐみスタイリスト・檜垣健太郎(little friends)ヘア&メイク・山下サユリ(3rd)取材、文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年06月29日『オリンピックコンサート2018』が、今年も6月8日に東京国際フォーラムにて開催され、平昌オリンピックのメダリスト小平奈緒をはじめとするトップアスリート9名、ゲストアーティストの森山直太朗が出演。コンサートの指揮は梅田俊明、オーケストラはTHE ORCHESTRA JAPANが務めた。オリンピック・ムーブメントの推進を目的に、オリンピズムに掲げられたスポーツと文化の融合をカタチにした本コンサート。2018年は「つなげよう感動!輝こうTOKYOで!」をテーマに、2月に開催された平昌オリンピックの振り返りと、777日後に控えた東京オリンピックにもつながる内容に。豊富なオリンピック映像×フルオーケストラ演奏という本公演ならではの競演で、あの感動や興奮をドラマチックに呼び起こした。平昌オリンピックの開会式で演奏されたファンファーレから始まった第1部。客席には、平昌オリンピックメダリストである原大智(スキー・フリースタイル)、小平奈緒、高木美帆、菊池彩花、高木菜那(スケート・スピードスケート)、吉田夕梨花、鈴木夕湖(カーリング)、そして東京オリンピックでの活躍が期待される荒井広宙(陸上競技)、小嶋美紅(水泳・競泳)という面々が揃い、観客とともに映像とオーケストラの生演奏のコラボレーションを堪能した。第2部では森山直太朗によるスペシャルステージも披露され、フルオーケストラで新曲『人間の森』や2004年アテネオリンピックの応援歌にもなった『今が人生』などを歌い上げた。『今が人生』にはNHK東京児童合唱団も参加し、一夜限りの特別な時間となった。トークコーナーではオリンピック出場経験もある俳優・藤本隆宏がMCを務め、メダリストたちの平昌オリンピックでのエピソードや、森山の印象深いオリンピックの思い出、そして荒井や小嶋の東京オリンピックにかける想いなど、ここでしか聞けない話題が満載。また男子フィギュアスケートの羽生結弦からビデオメッセージも届き、客席を盛り上げた。最後は恒例の『オリンピック讃歌』を森山や藤本も参加し合唱。アンコールではNHK東京児童合唱団による『The Rose ~愛は花、君はその種子』も披露され、盛りだくさんの内容となった。参加したアスリートたちは「クラシックを生で聴くのは初めてでした。親しみやすかったです」(吉田)、「映像と音楽が合わさることで自分たちがのこしてきたものが一層輝くのだなと思いました」(高木美帆)、「森山直太朗さんの歌を楽しみにして来たのですが、すごく心に響くきれいな歌声でした」(小平)、「皆さんが東京オリンピックの話をされるのを聴いて“必ず出なきゃいけない”と思いました」(小嶋)など感想を述べ、のびのびと楽しそうな表情を見せた。取材・文:中川實穗※高木美帆・高木菜那の「高」は旧字体※参加アスリートの感想は公式サイトにて掲載
2018年06月14日小説家の朝井リョウが、10日に放送されたニッポン放送『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』(毎週日曜 22:30~23:00)で、俳優・東出昌大の自宅に招かれたエピソードを披露した。東出昌大番組内で東出について「いい人って芸能界にいるんだなって思うよね」と絶賛する朝井。東出は12年に公開された朝井原作の映画『桐島、部活やめるってよ』にメインキャストの一人として出演しており、その撮影現場で2人は初対面を果たした。原作者の朝井は撮影現場に招かれたものの、キャストの輪に入れず、恐る恐るスタジオセットの隅にいた。そこへ「原作者の方ですよね」と東出が話しかけてくれ、他の共演者に紹介までしてくれたと明かす。その後、打ち上げに参加した朝井は、年齢の近かった東出とかなり深い時間まで飲んでいたという。すると、東出から「ちょっと抜けようか」と一言。その時の心境を朝井は「ドキドキするでしょ?『パーティ抜け出さない?』ですよ(笑)」と振り返り、2人で映画を観に行ったことを明かした。それからも2人の交流は続き、東出・杏夫妻の子供が生まれた際、東出から「来てよ!」と自宅へ招待されたとも話す。そして自宅では、杏の手料理を振る舞ってもらったといい、「あの家にいた時間は夢だったんじゃないか」と感慨深く振り返っていた。
2018年06月12日「原作本にある末井さんの女装姿の表紙写真を見たら、アレ、なんか俺と似てるなと。冨永昌敬監督も、佑くんはそのままでいいからって(笑)」 そう話すのは、映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』(3月17日全国ロードショー)に主演する柄本佑(31)。母親が隣家の若者とダイナマイト心中を遂げるという、衝撃のエピソードから幕を開ける本作は、昭和のアンダーグラウンドカルチャーをけん引した希代の雑誌編集長・末井昭の自伝的エッセイの映画化。柄本が演じるのは末井本人である。 「原作を読んで思ったのは、文体の魅力です。つかみどころのなさというか、大変そうなことを大変に書かなかったり。きっと困ってるし、いろいろ考えてるんだろうけど、他人から見てそれがわからないようにしようという、熱量のあり方が非常に面白くて」(柄本・以下同) 荒木経惟、南伸坊、赤瀬川原平など気鋭の文化人を起用する一方、発禁と創刊をくり返し、愛人問題やあやしい投資話で莫大な借金を背負う末井の人生をどう演じたのか。 「前半部分は青春映画。現代の末井さんに近づくにつれて、モンスター化していくという。まわりから見て何考えてんだかわからない人にしようとは、監督と話し合いました」 時代背景となる’60年代からバブル期の空気を知るために参考にしたことは? 「特別ないですね。ただ、高校のころから名画座に行ったり昔のロマンポルノにハマっていたので、自分が憧れているものに感覚的に近いのかも。劇中に当時のキャバレーのシーンがあるので、映画『キャバレー日記』は見直しましたが何度見てもむちゃくちゃに面白ぇなと。参考というより、1回多く見ただけという(笑)」 現場に来た末井自身の前で演じることもあったという。 「撮影前に末井さんとの飲み会がありまして。末井さんと俺が同じ紺のニューバランスを履いてたんですけど、先に帰った末井さんが俺のを履いてっちゃって。これラッキーだなと。俺も末井さんのを履いて撮影終わりまでずっとその靴で過ごしてました(笑)」
2018年03月19日「現実の末井さんが時代を駆け抜けていってるので、荒木経惟さんをはじめ会う人会う人が変わってる。演じるのも濃い俳優さんばかりで、毎日がボスキャラとの戦いでした!」 こう語るのは、映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』(3月17日全国ロードショー)に主演する柄本佑(31)。母親が隣家の若者とダイナマイト心中を遂げるという、衝撃のエピソードから幕を開ける本作は、昭和のアンダーグラウンドカルチャーをけん引した希代の雑誌編集長・末井昭の自伝的エッセイの映画化。柄本が演じるのは末井本人である。 荒木経惟、南伸坊、赤瀬川原平など気鋭の文化人を起用する一方、発禁と創刊をくり返し、愛人問題やあやしい投資話で莫大な借金を背負う末井の人生をどう演じたのか。 「前半部分は青春映画。現代の末井さんに近づくにつれて、モンスター化していくという。まわりから見て何考えてんだかわからない人にしようとは、冨永昌敬監督と話し合いました」 そんな柄本にON/OFFブームを聞いた。 【ON】唐組芝居のDVD 「唐十郎さん作の『秘密の花園』という舞台をやっていて(取材時)。まぁ、よく見てますね、昔の唐組芝居を。家帰って酔っぱらっちゃなんとなく。いまやっているお芝居の役に立つわけではないんですけど、面白いので」 【OFF】映画観賞 「以前は『生活』と言っていた映画観賞が、子どもが生まれてからは奥さん(安藤サクラ)の手前なかなかね。『いいよ、行っといで』と言ってくれるのが、逆に俺を引き止めます(笑)。だから、いまはマイブームぐらいかな」
2018年03月19日元SMAPの香取慎吾が8日より、自身のツイッターを更新し、平昌パラリンピックの応援のため韓国に到着したことを報告。これに対し、草なぎ剛が返信してエールを送った。香取慎吾と草なぎ剛朝日新聞のパラリンピック・スペシャルナビゲーターを務める香取は8日、「羽田空港で『私もNAKAMAです!』と声を掛けてくれたNAKAMAに会う。NAKAMAの分までパラリンピックを応援してきます!香取慎吾韓国到着!」と報告。これに対し、草なぎが「おっ!韓国か!僕等の分まで応援たのみます!何かあれば、ケンチャナヨーだよ!」とメッセージを送った。「ケンチャナヨー」は韓国語で「大丈夫」を意味する。このやりとりに、ファンから「しんつよ愛ですね~~」「つよぽんホント優しい仲良しだね」「つよぽん頼もしいね慎吾ちゃんもつよぽんがいれば安心だ」「さすがしんつよ」「しんつよ仲良しさん羨ましい」などと2人の絆に感動の声が上がった。
2018年03月09日3月17日公開の映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』の東京プレミア上映舞台あいさつが26日、東京・新宿のテアトル新宿で行われ、主演の柄本佑をはじめ、前田敦子、三浦透子、尾野真千子、原作者の末井昭、冨永昌敬監督が出席した。昭和後期のアンダーグランドカルチャーを牽引した雑誌編集者・末井昭の自伝的エッセイ『素敵なダイナマイトスキャンダル』を、映像作家・冨永昌敬監督が映画化した本作。バスも通らない岡山の田舎町に生まれ育った末井(柄本佑)の波乱に満ちた半生と、末井の周囲を描き出す。この日登壇した女優陣、前田敦子が末井の妻役、三浦透子が末井の愛人役、尾野真千子が末井の母役を演じており、それぞれ劇中では柄本とのシーンがほとんどだったという。そんな女優陣の印象について柄本は、初共演した前田について「僕のあっちゃん、私のあっちゃんにしたくなる魅力的の人だなと思いました。色気を漂わせた白いキャンパスみたいな」と例えると、前田は「いいキャッチフレーズをつけていただきましたね」と笑顔を見せた。また、劇中で柄本は本物のブラジャーやパンティーを身に着けて女装のシーンにもチャレンジ。そのエピソードとして前田が「明後日ぐらいに撮影するという時に、『絶対キレイだから俺』みたいにすごく自信があったみたいで、撮影が終わったらLINEで写真を『どうだ?』みたいな感じで送ってきたんですよ。すごい自信を持っていましたね」と暴露する場面も。続けて女装の出来を問われた前田は「キレイではなかったですけどね(笑)」と本音も明かし、会場の笑いを誘っていた。そんな柄本や前田らキャスト陣の熱演が見どころの本作は、冨永監督が長年映画化したいと望んだ作品だという。「末井さんに映画化させて下さいとお願いしたのが7~8年前で、そのさらに5年ぐらい前に末井さんの本を読んで、絶対に映画化しよう、人に映画化されたらまずいので早くやろうと思っていましたが、そこからようやくこの日を迎えて非常に感無量です。今回の映画が一番うれしくて、たくさんの方々に見ていただきたいですね」と念願の映画化に笑顔。原作者の末井は「2時間18分と長い映画ですが、全然飽きなかったし何回も何回も見て欲しいですね。熱量の高い映画だし、登場する女優さんたちが素晴らしい演技でした」と絶賛していた。映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』は、3月17日より全国公開。
2018年02月27日まもなく閉幕する2018平昌冬季オリンピックにて2月25日(日)、フィギュアスケートエキシビションが行われ、男子シングル・金メダルの羽生結弦、同・銀メダルの宇野昌磨、女子シングル・金メダルのアリーナ・ザギトワらが集結。ラストには現在大ヒット公開中の『グレイテスト・ショーマン』の主題歌「This Is Me」に合わせて、総勢35名が演技を見せた。ブロードウェイで活躍するキアラ・セトルによる圧巻の歌声に、涙腺崩壊する人が続出している「This Is Me」。本年度アカデミー賞主題歌賞にもノミネートされている。2月22日(木)にNHKの公式YouTubeにて公開されたエキシビション練習の映像は、25日現在までに53万回もの再生回数を記録。66年ぶりの2連覇を達成した羽生選手や、宇野選手をはじめとするメダリストたちが「This Is Me」でダンスしている様子が映し出されていた。その映像を観てSNSでは、「エキシビション『This Is Me』踊んのかな めっちゃ楽しみ」「エキシビションの練習動画で流れてる曲は、『This Is Me』ではないか!?!?」「フィギュアスケートエキシビション『This Is Me』やるんやね!! 泣いちゃうな」などと話題に。本番では、羽生選手が劇中でP.T.バーナムを演じるヒュー・ジャックマンと同じ床を滑るポーズで登場。そのエンターテイナーぶりに「さすが」「羽生くんのP.T.バーナムいただきました」といった声も上がった。「This Is Me」はいまや日本でも、映画をまだ観ていないという人も「知っている」という社会現象化しつつあり、「バブリーダンス」で注目を集めた登美丘高校ダンス部とのコラボ映像もまた、すでに累計500万回再生以上されている。また、今回のエキシビションは、宇野選手が『ワイルド・スピードSKY MISSION』の主題歌「See You Again」(Wiz Khalifa feat. Charlie Puth)で精悍な姿を披露。女子シングル・銅メダルのケイトリン・オズモンドが『SING』から「ハレルヤ」(トリー・ケリー)、男子シングル・4位のボーヤンジンが『スパイダーマン2』から「スパイダーマンのテーマ」(マイケル・ブーブレ)に合わせて圧巻の演技を披露するなど、大盛り上がり。特に、スペインの男子シングル・銅メダルのハビエル・フェルナンデスがお馴染み「エアロビクス・クラス」に合わせて、エアロビマンからハビエルの頭文字「J」がプリントされたスーパーマンならぬ「ハビエルマン」へ変身!?水をぶっかけながらも軽快な演技で魅せ、「ハビエルマン」「フェルナンデス」といったワードもトレンド入りするほど。女子シングル・銀メダルのエフゲニア・メドベージェワや、同・4位の宮原知子なども華麗な舞を披露し、同・金メダルの15歳の新女王アリーナ・ザギトワはしなやかな演技で虎に、後半最後に登場した羽生選手は情感たっぷりに白鳥になりきり、トリプルアクセルやイナバウアーなどで魅了していた。『グレイテスト・ショーマン』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:グレイテスト・ショーマン 2018年2月16日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
2018年02月25日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「平昌五輪と北朝鮮」です。五輪を機に募る南北融和ムード。問題は閉会後。新年早々、約2年ぶりに韓国と北朝鮮の南北閣僚級会談が開かれ、北朝鮮は平昌オリンピックに参加することになりました。女子アイスホッケーは南北合同チームで出場するなど、南北融和ムードが広がってきています。会談は、北朝鮮がリードする流れになり、「朝鮮半島の問題は2国間で話す。核やミサイルは、アメリカがこちら側に銃口を向けているから身構えているだけ。我々の問題に水をさしているのはアメリカだ」というメッセージを国際社会に打ち出しました。金正恩体制の一番の脅威はアメリカ。友好関係にあるアメリカ、韓国、日本の分断を狙っているといわれています。北朝鮮にとっては、慰安婦問題や竹島問題など、日本と韓国の間も火種を抱えていたほうが都合がいいんですね。韓国の文在寅大統領は、公約で、南北問題に関しては融和政策をとると宣言していました。しかし、日本やアメリカとの良い関係は保ちたく、国内世論も気にしています。以前、取材で、韓国の退役軍人数名に北朝鮮についての思いを聞いたところ「アメリカ軍と行動を共にするけれども、北には自分らの親戚も住んでおり、かつての同胞なんだ」と、複雑な表情で本音を漏らしていました。もし、ここで北朝鮮が平昌オリンピックに参加しなかったら、国際的な緊張関係はますます高まったでしょうし、北朝鮮は交渉のカードを1枚失うことになります。また、北朝鮮国内に対しても、国際社会の一員であることを示すために参加は必須でした。問題はオリンピック後でしょう。核兵器やミサイルの問題が解決されないまま、韓国と北朝鮮の友好ムードが吉と出るか凶と出るか。鍵を握るのは中国、ロシア、アメリカです。最悪のシナリオは、このまま北朝鮮の核の保有を世界が認めるということ。そうなれば、日本と韓国は安全保障を根本から見直さなければなりません。また、他の国々も核の保有を主張しだすかもしれません。いずれにせよ、北朝鮮にとって、いま平昌オリンピックが開催されたことは、自国を優位に持っていくための絶好のチャンスだったんですね。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年2月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年02月25日「五輪の大舞台に初めて出場した宇野昌磨選手ですが、緊張で硬くなるどころか、どこかワクワクしているようでした。試合前には『こんなに気持ちが高まったことは、今シーズンはなかった』と言うほど。羽生選手と戦うことが、少年がゲームに興じるように楽しくてしかたがないという感じでした」 と語るのはスポーツジャーナリストの野口美惠さん。平昌五輪で銀メダルに輝いたフィギュア男子の宇野昌磨(20)は、羽生結弦(23)の背中を追い続けてきた。スケート関係者が語る。 「10歳だった宇野選手が出場した’08年にデンマークで行われた『スケート・コペンハーゲン』でのこと。一緒に出場した羽生選手が宇野選手の面倒をよくみていました。トイレに行きたくてもモジモジして言い出せなかったくらい人見知りの激しい宇野選手を、羽生選手が一緒に連れて行ってやったこともあります。宇野選手にとっては、羽生選手は兄のような存在。“ゆづくん”と言って慕っていました。羽生選手は、3歳年下の宇野選手を”しょうま”と呼んで、弟のように可愛がっていました」 宇野を長年取材しているスポーツ記者がこう語る。 「羽生選手は、つねに宇野選手を成長させる原動力でした。’09 年に小学生だった宇野選手が、ジュニア大会で3位になりましたが、そこで優勝したのが羽生選手。『ゆづ君は話し方もスケーティングもステップも、全部が大人っぽい』と話していました。このころは本当に“憧れの存在”といった感じでしたね。羽生選手の背中を必死に追いかけていた宇野選手ですが、高校生になってもトップクラスの選手なら成功して当たり前のトリプルアクセルが跳べずに伸び悩んでいたんです。いつも”跳べなくて悔しい”と泣きながら練習していました。宇野選手は1日100本ジャンプという過酷な練習をこなし続けました」 猛練習の成果が出て’14年にトリプルアクセルを習得すると、宇野は4回転も跳べるように。’15年には、ジュニアから羽生と同じシニアクラスに移行。同年の全日本選手権では羽生に次いで、準優勝している。羽生の次の「二番手」が定位置になった宇野に心境の変化が現れたのは、昨年の世界選手権だった。 「世界選手権で羽生選手に次いで銀メダルをとった宇野選手が、『僕のスケートの唯一の目標は、羽生選手に勝つこと』と話すようになったんです。それまでの宇野選手は、勝つことよりも、とにかくいい演技をすることを大事にしてきました。それが『勝とうと思うことすらもおこがましい』存在だった羽生選手を勝ちたい相手として意識するようになったのです。羽生選手に勝ちたいと公言してからは、宇野選手の滑りが大きく、表現力もより豊かになったんです」 “今の自分があるのはゆづくんがいたからーー”。 宇野にとって五輪は、そんな羽生とライバルとして勝負できる、格好の舞台だった。羽生に追いつき追い越すために、さらなる高みを目指すことだろう。
2018年02月21日(写真:アフロ) 宇野昌磨(20)が5歳でスケートを始めてから15年、自分の時間も犠牲にしてサポートを続けてきた母・純子さん。金メダルに挑む平昌五輪、その献身が結実するときがきたーー。 平昌五輪フィギュア男子で金メダル候補となった宇野を語るうえで、欠かせないのが母親の存在だ。 「幼いころから、リンクのなかでは、切れ味の鋭いスケーティングと豊かな表現力を見せていましたが、僕らが印象に残っているのは、いつも母の純子さんに叱られて涙を流していた姿です。スケートを始めたころから宇野は練習に身が入らないことがあって。さぼりグセが出ないように、リンクの外から目を光らせていたんです。5歳でスケートを始めて15年、宇野がここまでこられたのも、息子に寄り添うように献身的に支えてきたお母さんの存在があったからです」(スケート関係者) 宇野は、IT会社を経営する父・宏樹さん(53)と専業主婦の母・純子さんの長男として、’97年に名古屋市で生まれた。4歳下には弟・樹くん(16)がいる。純子さんは、自分の時間を犠牲にしてすべてを宇野に注いだという。 「リンクを借り切って行う練習は、一般の人のフリー滑走がない深夜や早朝になることも。その送り迎えだけでなく、名古屋にある安藤美姫さんの祖父が経営する喫茶店でカツカレーを食べさせたり、アイスショーなどのイベントに参加させたりしていました。フィギュアの男子選手は思春期になると、競技とは別のものに興味を示したり、親に反抗したりして、競技をやめてしまうこともあるのです。純子さんは、宇野にフィギュアだけに集中できる環境を作ろうと苦心していました。ただ宇野も中学生になっても『ママ、ママ』と頼っていたので、『昌磨は大丈夫?』と心配する声もありました」(別のスケート関係者) そんな宇野が大きく変貌したのは高校に入ってすぐのこと。ジュニアからシニアに上がる直前の’14年だった。 「そのシーズン中に、宇野は純子さんに『もう遠征についてこないで』と言ったんです。ジャンプが跳べなくて、壁にぶち当たっていた宇野にとって、強くなるためには、いつまでも母親に頼っていてはいけないと思っての決断だったのでしょう。宇野の強みは膨大な練習量ですが、母親に言われてやっていた部分も少なくありませんでした。その後、宇野はそれまでに輪をかけて、練習の虫になりました」(スポーツ紙記者) “母からの自立”とともに宇野のスケートもどんどん進化していった。 「試合の衣装について記者に聞かれた宇野は最近まで『お母さんがカバンに入れたから』と答えていました。試合の荷造りは、純子さんが完璧にやっていたので、まかせっきりだったようですね。ところが、昨シーズンの世界選手権で銀メダルを取ったときは、荷造りだけでなく、コンディショニングや栄養管理なども自分なりにこなしていると話していました」(前出・スポーツ紙記者) 息子の自立に最初は戸惑っていたという純子さん。しかし、サポートは今も続けている。1月に出場した四大陸選手権の直前には、好物の肉料理をふるまって“景気づけ”をしたという。 「自立したからこそ、宇野は母親の献身的なサポートのありがたみが身に染みているようです。最近『僕より頑張った母のために最高の演技をしたい』ということを話しています。平昌の観客席で見守る母に最高の演技を見せて、金メダルをプレゼントすることが、恩返しだと自覚しているようです」(前出・スケート関係者)
2018年02月16日平昌五輪の注目競技の一つ、フィギュアスケート。今回はその中でもフィギュアの“技”に注目して、観戦のポイントをご紹介します。4回転が1種類あれば、メダル争いに食い込めたソチ五輪から4年。男子シングルはどんな技の競い合いになるのか。そして女子シングルは?五輪出場経験があるプロフィギュアスケーター・本田武史さんに予想していただきました。「2種類以上の4回転ジャンプを3本はフリースケーティング(FS)に入れないと、上位に食い込めません」と、解説者の本田武史さんが予想する男子シングルの戦い。しかも、4回転をただたくさん跳んでもダメ。いかにそのジャンプの質を上げて、高いGOE(出来栄え点)を叩き出すかが、雌雄を決するという。その点で強いのが、羽生結弦選手。「ジャンプはもちろん、スピンやステップにも高いGOEがつくバランスが優れた選手。不安があるとすれば、ケガの影響ぐらい」メダル候補に、彼をはじめ、ネイサン・チェン、宇野昌磨、ハビエル・フェルナンデス、ミハイル・コリヤダ選手たちが並ぶ。「実績のあるフェルナンデス選手と羽生選手は、PCS(演技構成点)でも高い得点を叩き出します。若い選手は対抗するために、4回転の種類や本数を増やしてくると思いますが、そこでGOEのマイナスをつけないことが肝心。チェン選手は4回転の成功率が高く、滑りの姿勢も、体の動かし方もいいですから、一番難しいルッツを確実に跳べば強いと思います」宇野選手はジャンプの着氷時にクセがあることを懸念しつつ、「音楽と一体化したスピンは素晴らしいですし、今季は表現力でも高い評価を受けているので、十分チャンスはあります。独特の表現力を持つコリヤダ選手も、4回転ルッツが決まれば、プログラムの流れが一気に良くなる。ジャンプに高さ、幅、流れがとてもあり、彼の滑りは好きです」力でなく、リズムで跳ぶジャンプが魅力という田中刑事選手は、「長身を活かして踊れる彼の良さを引き出したプログラム。ノーミスで、上位を狙ってほしいですね」一方、女子シングルのメダル争いは、男子以上にミスが許されない、過酷な展開になると予想する。「3回転の連続ジャンプを、GOEのマイナスをつけずに、確実に跳ぶことがメダルの条件です」メダル候補に挙げたのは、エフゲニア・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、マリア・ソツコワ、カロリーナ・コストナー、ケイトリン・オズモンド各選手。「ザギトワ選手は、すべてのジャンプを後半に入れながら、きちんと回り切ってから降りてくる。さらに、ジャンプに抜群の安定感を持つメドベージェワ選手、長身をコントロールして高さのあるジャンプを飛ぶソツコワ選手というロシア勢が強いと思います」対抗馬は、若手ひしめく中、燦然と輝く31歳、コストナー選手だ。「エッジの深さ、漕がないスケーティングの滑らかさ。年齢を重ねて、さらに磨かれた滑りのうまさは、世界中のスケート関係者が認めるところです」そこに食い込んできそうなのが、宮原知子選手とガブリエル・デールマン選手。「宮原選手の強みは安定感。ノーミスで滑れば、PCSも伸びてきます。デールマン選手は、冒頭に跳ぶ3回転の連続ジャンプが観る者の心を掴む迫力。完璧に演じた時の破壊力はすごいですから」その彼女と肩を並べるジャンプを跳ぶのが、坂本花織選手だ。実績の少ない彼女にもチャンスあり。「滑りの速さと、それをコントロールして跳ぶ高さと幅のあるジャンプは、女子選手には珍しい。彼女の持つ元気の良さも武器になります。練習でも緊張感で張り詰めているのが、五輪という特別な舞台。その中で楽しそうに滑っている選手がいると、周囲の選手がリズムを崩したりすることもありますから、練習の時から持ち味を前面に出してほしいですね」メダル争いに絡まずとも、素晴らしい技を持った選手が世界中から参加する。フィギュアスケートで、マレーシアから初めて五輪に出場するジュリアン イー・ジージェイ選手のバレエジャンプは、得意とする本田さんが太鼓判。本田武史さん日本の4回転ジャンプのパイオニア。長野、ソルトレイクシティ五輪に出場し、後者ではヤグディン、プルシェンコとメダル争いをして、4 位入賞。SP『ドン・キホーテ』は名演。※『anan』2018年2月14日号より。取材、文・齋藤優子写真提供・共同/Getty Images、朝日新聞社/Getty Images、ISU via Getty Images
2018年02月09日(画像:THE FACT JAPAN) 1月30日、『2018年平昌冬季オリンピック、パラリンピック』の開催地である江原道の観光広報大使を務める俳優で歌手のチャン・グンソク(30)が29日に江原道・春川市で行われた聖火リレーに参加したと韓国メディアTVREPORTが報じた。 この日、江原道春川で『2018年平昌冬季五輪聖火リレー』のイベントが行われ、チャン・グンソクは、聖火リレー最後の走者として登場したという。何よりもチャン・グンソクは、今回の五輪広報大使として活動しているため、より意味を深めたと伝えている。 チャン・グンソクは自身のInstagramに「あいにくこんな寒い日、あんなに長く待ってくれて応援しに来てくれたウナギたち。忘れないよ。ありがとう。ところで、この帽子簡単じゃないね。行くぞ」というコメントと共にグンソクが聖火リレー用のユニフォームを来て微笑でいる写真を投稿。 これに対しグンソクのinstagramには「グンちゃんお疲れ様笑顔ステキでカッコ良かった」「聖火ランナーおつかれさま。ありがとう笑顔が大好き」「グンちゃんおつかれさまにほんからおうえんしてたよ」「おつかれさまでしたLiveで見たかったけど…親分、今日は、ほこらしかったよ」など日本からも応援メッセージが続々届いている。
2018年01月30日臼田あさ美、太賀、オダギリジョーで魚喃キリコの代表コミックを映画化した『南瓜とマヨネーズ』。11月11日(土)、初日舞台挨拶が行われ、臼田さん、太賀さん、オダギリさん、そしてメガホンをとった『パビリオン山椒魚』『乱暴と待機』などの冨永昌敬監督が登壇、サプライズで太賀さんが劇中歌をギター弾き語りで披露した。公開前より映画評論家や映画ライターから、「ほかの恋愛映画とは一線を画した映画」「冨永監督の最高傑作」「臼田あさ美の堂々した演技は必見」「これまで見たことのない太賀が見れる!」など、反響と呼んでいた本作。都内メイン館・新宿武蔵野館の初回の会場は観客で満席に。映画の上映後、熱気に包まれたままの会場に多くの拍手で迎えられたのは、まず主演の臼田さん。「初日を迎えるまで長い時間がかかった作品です。こうして初日を迎えられて、まるで嘘のようと感じると同時に、『今日が初日なんだ』としっかりと受け止めています」と挨拶した。■太賀とオダギリジョー、どちらを選ぶ?観客の反応は!?臼田さんが演じたのは、太賀さん演じる“せいいち”と、オダギリさん演じる“ハギオ”という対照的な2人の男性の間で揺れ動く主人公“ツチダ”。MCが「どちらが好きか」と映画を観終えたばかりの観客に問うと、多数派の“せいいち”と、少数派の“ハギオ”に分かれる結果に!これを受けた臼田さんは、「私はどっちもイヤですけどね」と会場の笑いを誘い、「私が演じた“ツチダ”は実は、そんな大した女性ではなくて、2人の男性も実はしょうもないけど、男と女はしょうもなくても惹かれ合うものだと思ってます」と、“しょうもない”登場人物について独自の見解をコメント。その後、太賀さん、オダギリさん、冨永監督がステージに登壇し、大きな拍手で迎えられた。太賀さんは「今日はこの映画を観に来てくださって本当にありがとうございます。今日を迎えられて、ホントにホントに嬉しく思っております」と挨拶。続いて、オダギリさんは「劇場の方に、『お客さんは95%が女性』だと聞いたんですけど、結構おじさんもいるじゃないですか」と話して会場の笑いを取ると、「女性ばかりだと緊張するので、安心しました」と挨拶。冨永監督は「今日はご来場ありがとうございます。初日にこんなにたくさんのお客さんに来ていただき、ホントに嬉しいです。ありがとうございます」と満席に感無量といった様子。■原作者・魚喃キリコは「好きにやってくれ」!?本作はもともと、冨永監督と原作者の魚喃氏との旧知の関係性から企画。完成した映画を観た魚喃氏の感想を聞かれた冨永監督は、「すごく喜んでくれました。彼女は僕の少し先輩で、僕からしたら師匠のような存在です。そんな師匠の漫画を映画化することへの緊張があったんですけど、魚喃さんからは『好きにやってくれ』と言われていて、そうして作った作品を彼女がすごく面白がってくれたので、今日初日を迎えられて、こんなに多くの方にご来場いただけて、彼女も喜んでくれると思います」と万感の思いを語った。続いて、数少ない共演シーンについて聞かれた太賀さんとオダギリさん。太賀さんは「オダギリさんと共演するのが楽しみで仕方なかったです。『オダギリさんと絡める』『オダギリさんと一緒にフレームに映れる』という喜びがありました。すごく楽しいシーンでした」と嬉しそうにふり返ってコメント。一方、オダギリさんは「撮影する日に、太賀君が部屋の隅っこでギターを弾きながら待っていて、『おお~すげーな』って思ったことを憶えてます。ギター弾いて待つって、すごくないですか!?もちろん、太賀君が演じていたのはミュージシャンの役なので、誠実な行為だとは思うのですが、あの日はとにかく驚きました」と述懐した。また、印象的なシーンについて聞かれた臼田さんは「光石(研)さんのあの変態っぷりは忘れられません。共演シーンはわずかながら、私の脳裏にこびりついてます」と、本作で“せいいち”を支えるために愛人契約を結んでしまう“ツチダ”の愛人役を演じた光石さんとの強烈なシーンについて言及。その後、「そしてあのラストシーンは、もう…」と最も感動を呼ぶラストシーンについて話が及ぶと、MCから太賀さんがそのラストシーンで披露した歌を唄うことが発表され、会場からは大歓声が起こった。■「なんだが親のような気持ち」の臼田さんを前に、太賀が弾き語り熱唱観客の前で歌を披露するのは今回が初めてという太賀さん。「一生懸命頑張りますので、温かく見守っていただければと思います。ちょっとの間、失礼します」と恐縮気味でスタンバイ。そして、自前のアコースティックギターをつま弾きながら、太賀さんの静ひつでいて、少しビターな歌声が会場を包む。楽曲は、やくしまるえつこが本作のために書き下ろしたオリジナル挿入歌の「ヒゲちゃん」。歌を聞き終えた臼田さんは「なんだが親のような気持ちで見守ってしまいました。太賀君の歌はピュアでまっすぐで、歌にその良さがいつもあるなと思って聞いていました」とその感想を話すと、オダギリさんも「やらせる方もやらせる方ですが、それをやりきってしまう太賀君は、やっぱりすごいですよね。ギターもうまいですし、あんな綺麗な声は普通出せないし、役者にしとくのがもったいないぐらいですよ」と、太賀さんのギターの腕前とその美声に感動した様子だった。最後の挨拶でオダギリさんは、「この作品で、冨永監督とは(『パビリオン山椒魚』以来)約12年ぶりの仕事ができましたし、太賀君や臼田さんからは素晴らしい才能を見せていただいて、とてもいい作品に関わることが出来たと思っております。僕自身の中にもある色んなポイントをくすぐられる良い青春映画だと思ってます」と改めてアピール。続いて「最後の歌のシーンは、それまでの“せいいち”を総括するシーンだと思う」と語る太賀さんは「歌う本番直前に“ツチダ”を目の前にしたときに、『あ、俺はこの人のために歌うんだ』と素直に思うことが出来て、そのことを素直に思わせてくれた“ツチダ”を演じた臼田さんという存在が僕とにとってはすごく大きなものでした」と話し、「すごく濃密な時間を過ごせた」と感謝の意をコメント。そして主演を務めた臼田さんは、「(映画の中で描かれている)日常で生きる3人は、すごく一生懸命だけど、それぞれがしょうもないし、彼らそれぞれが良かれと思ってやったことが、実は、誰のためにもならなくなったりしてって、それらは私たちの日常にもあるなって思っています。でも、それでもふり返るとそんな時間は実は尊くて、すごくキラキラしていてって。私にとって、この映画を撮影していた時間は、まさにそのことを実感していた日々でした」と、当時の充実感を蘇らせたようにコメント。「冨永監督を始め、全てのスタッフ、全てのキャストの皆さんに感謝してます。そして、この場をお借りして、この映画の原作者である魚喃キリコさんにも心から感謝したいと思います。いつかお会いできることがありましたら、抱きしめ合いたいです!」と締めくくり、大きな拍手に包まれながらイベントは終了した。『南瓜とマヨネーズ』は新宿武蔵野館ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2017年11月12日臼田あさ美は、主演映画『南瓜とマヨネーズ』において、恋人のせいいち(太賀)と過去の男・ハギオ(オダギリジョー)の間で惑うツチダに扮した。劇中のいびつな三角関係を、こう表現する。「飲料に例えたら、ハギオは初めて飲んだコカ・コーラみたいな感じかな?たぶん一生忘れないし、『あれってすごかったあ』って、また飲みたくなるというか…そういう存在です。せいちゃんは、う~ん…出汁ですね!疲労を感じたときに思い出すというか、味わいたくなる、ホッとする存在なんじゃないかなと思います」。実に、言い得て妙だ。90年代、ストリート系、当時で言えば裏原系女子のバイブル的雑誌「CUTiE」から派生した「CUTiE Comic」にて、1998年に掲載されていた魚喃キリコの代表作「南瓜とマヨネーズ」。主人公・ツチダが同棲中のミュージシャンを目指す優しい恋人せいいちと、昔の想いを断ち切れず逢瀬を重ねてしまう過去の恋人ハギオとの間で、自分の気持ちがわからないまま揺れ続ける、脆い姿が反響を呼んだ。あれから19年が経ち、2017年の時代背景に落とし込んだ映画版として生々しく蘇った。そもそも、冨永昌敬監督から強いオファーのもと臼田さんが声をかけられたのが4年前。原作の存在も知っていて、企画の内容を聞いた臼田さんは、「絶対やりたいし、やるべきだと思いました」と強く興味を惹かれたという。製作までにはかなりの時間を要したが、月日を待ってまで、作品の何に惹かれたのかと聞けば、「正直、わからない部分もあるんです」と、臼田さんは切り出した。「ツチダに共感したとか、そういう経験をしたとかではないんです。原作を読んだとき、脚本を読んだとき、撮影中、いまと、ずっと変わらない気持ちなのは、せいちゃんに対して何とかしてあげたいという思いでした。原作を映画化して、せいちゃんを何とか送り出したい…成仏させたいと言うと大袈裟ですけれど(笑)。せいちゃんの歌が皆に届けば、報われるんじゃないかなという感覚になっているんです」。ツチダは、働かないで曲を作ろうとする(実態はくすぶっている)せいいちのために、ライブハウスでアルバイトをし、それだけでは生活が苦しくキャバクラにも勤め始める。せいいちに内緒でする夜の仕事は、やがて愛人契約という成れの果てに。ほどなく、せいいちにもバレてしまい、それをきっかけに恋人たちの仲は悪化の一途をたどる。よく言えば尽くし、悪く言えばとにかく流されやすい女がツチダ像だ。ツチダになるため、臼田さんはあえて「準備しすぎないようにした」そう。「原作も脚本も読む時間がたっぷりあったんですけれど、特別なことは何もしませんでした。普段やっているほかの作品より、役についてあまり考えないようにしていたというか。『南瓜とマヨネーズ』は、いたって日常の話だから、特別なことをやって特別な表現をしようというよりも、その瞬間に思ったことを見せる、そのときに感じた顔をすればいいと思っていたんです。(太賀さんと)ふたりで作り上げた空気で伝えなきゃいけない作品なので、人物をクセづけるよりは、何もしない中で、いかに生活しているふうに見せるか、ということのほうが大事でした」。だからか、せいいちと過ごしたツチダの狭いアパートが、作品のリアル感を盛り上げる。「そうなんです。撮影に入る何日か前に、監督が『1回、家を見に来ない?』と普通にラフな感じで、メールをくれたんです。私と太賀くんで『じゃあ見に行こうか』と行ったことが、すごく良かったんだと思います。初めて家に行ってお芝居をするんじゃなくて、事前に行って、ただごろーんとしてみたり、キッチンに行ってみたりして。『ここに住んでいるふたりなんだな』とイメージできた上で、現場に入れたので。せいちゃんがいて、あの家があったことが、常に私をツチダにしてくれる環境でした」。ツチダを彩る人物として、現恋人役の太賀さん、元恋人役のオダギリさんという心強い実力派もそろった。「太賀くんとは、いろいろなところですり合わせるというか、感覚的に何かを共有して作っていきました。オダギリさんとは久しぶりに(共演作品以来にで)お会いして、『あれっ』という感覚のまま、気づいたら終わっていた、みたいな不思議な感じでした」と、それぞれの印象について語る臼田さんは、とても生き生きとしている。せっかくなので、共演した感想をさらに詳しく聞いてみた。「太賀くんは、もともと友達だったんです。恋人としての距離感とはまた全然違うと思うんですけれど、私は年上だし遠慮もないので(笑)、楽な関係なんです。お芝居に関しては、事前にそうして信頼関係が築けていたことが、とても大きかったかな。客観的に見ていたら違和感のないシーンだとしても、ふたりの感覚的には違和感があることも出てきたりしたので、わりとふたりだけで共有していました。例えば、台本にある台詞では感情が追いつかなかったときは、『いま、思う感覚を優先しよう』という感じで、本番でふたりでやってみて『OKです!』となることもありましたね」。台本は完璧に頭に入った上で、その場で起きることや、新鮮な気持ちを優先して演じるということは、俳優なら誰しもできることではない。柔軟性があることは、女優としての武器にもつながる。「私は全然自信がないから、自分が準備してきたものが正しいと思わないんです。自分が想像できることなんてしれているし、そこに監督や共演者、それぞれの想像があったら何倍にも物語は膨らむと思っています。いつも新しい意見が欲しいし、新しい意見に対応できる人でいたいと思うので、現場で変化していくこととかは恐れないというより、むしろ(変化が)ないことのほうが恐ろしい」と、謙虚な姿勢を見せつつも、きっぱりと言い切った。太賀さんと同じく、臼田さんと空気感が合う印象のオダギリさんとの共演もまた、心地よかったのだろうか。「オダギリさんは、すごく気さくな方です。ここ最近のオダギリさんの作品を立て続けに拝見していて、やっぱりすごく余裕があるなと思っていました。どんな役をやっても、見ていて苦しくないし、その人のさらに奥行きの部分が気になるというか。だから、オダギリさん自身の人間力が、きっとその役に深みを持たせているんでしょうね」。すべからく、ハギオもオダギリマジックにかかった。「ハギオに会う前、ツチダは『ハギオに会ってもお金を渡さないし、今日で別れを告げて、あんたなんか最低だから会わないって言ってやろう』という気持ちで家を飛び出したと思うんです。けれど、彼の前に行くとコントロール機能が全部故障になる。ハギオの圧力で言いたいことが言えないのではなく、いつの間にか向こうのペースに飲まれていて『あーもう、じゃあいいよ、しょうがないなあ~』となっていくという…(笑)。お芝居をしていても、不思議な感覚でした。私自身、すごくリアルに感じました」。ツチダは七転び八起きどころか、七回転びっぱなしでいるような女だ。しかし、恋愛において正解がないことは明白だし、もしかすると恋愛で100%成功をしていると胸を張れる人は、世の中にそうはいないのかもしれない。臼田さんは、「未練という意味では、女の人は断ち切るのは早い気がします。でも、ものすごく強烈だった恋愛は、いつだって鮮明に思い出せるというか。その感覚は、あるんじゃないかなと思います」と、女性的立場での恋愛観を明かした。不器用ながらも恋愛に必死で向き合ってきた人たちがどの時代にもいるからこそ、『南瓜とマヨネーズ』が描く世界観は旧びず、永遠にあり続けるのだろう。(text:Kyoko Akayama/photo:You Ishii)
2017年11月07日俳優・柄本佑を主演に迎え、「写真時代」「ニューセルフ」など、伝説的なカルチャー・エロ雑誌を世に送り出した編集長・末井昭氏の自伝的エッセイを冨永昌敬監督が映画化した『素敵なダイナマイトスキャンダル』。このほど、本作の公開日が2018年3月17日(土)に決定、柄本さんが大和撫子に扮した(?)ティザービジュアルが到着した。本作は、7歳のときに隣の若者とダイナマイト心中した母を常に心のどこかで意識する青年時代の末井が、キャバレーの看板描きやイラストレーターを経て、優しい妻、魅力的な愛人、才能あふれる先輩やカメラマンたちと出会い、伝説の雑誌編集長となっていくまでを描く青春映画。柄本さんが演じる末井氏は、スキャンダルな内容ゆえに発禁と創刊を繰り返しながらも数々の雑誌を世に送り出し、70~80年代のサブカルチャーを牽引した伝説の編集長であると同時に、パチンコジャーナリスト“ゴンゾーロ末井”として出演した「女装振袖姿の“玉きゅん”CM」でも知られる。この度、到着したティザービジュアルでは、「女装をするときは、女性用の下着をつけると気持ちがはいっておすすめだよ」という末井氏本人のアドバイスに従って撮影に臨んだという、柄本さんによる“女装振袖姿”が公開に!さらに、柄本さん演じる“末井昭”を取り巻く素敵な人々を演じる前田敦子、三浦透子、峯田和伸、松重豊、村上淳、尾野真千子という豪華俳優陣の名前が列挙されている。幼くして母が心中するという壮絶な体験をした末井は、いかにして伝説のカルチャー・エロ雑誌編集長になったのか?これを観ずして、日本のサブカルチャーは語れない!?『素敵なダイナマイトスキャンダル』は2018年3月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年11月05日魚喃キリコの恋愛コミックを映画化した『南瓜とマヨネーズ』の完成披露上映会が10月10日(火)、都内で行われ、主演を務める臼田あさ美、共演する太賀とオダギリジョー、冨永昌敬監督が出席した。ライブハウスで働く主人公のツチダ(臼田さん)が、ミュージシャンを目指す同棲中のヒモ男・せいいち(太賀さん)と突然、目の前に現れた忘れられない元カレのハギオ(オダギリさん)の間で揺れ動く。切なく繊細な恋模様の行方は?本作の映画化について、臼田さんは「お話をいただいたのは3年前。やっと去年に撮影し、ここまでたどりついた」と感無量の面持ち。一方、冨永監督は「実は(話を)通さないといけないところを通さず、臼田さんにフライング気味で伝わってしまって…。もちろん、主演は臼田さんじゃなければ、という思いがあった」と明かしていた。話題が男性2人の間で揺れるツチダの思いに及ぶと、臼田さんは「私として、(太賀さん演じる)せいちゃんとの関係を築き上げていたので、ご本人には言いにくいんですが、オダギリさん、私の気持ちを崩せるかなって(笑)。でも、お会いした瞬間『せいちゃん、負けたな』って」とオダギリさんの魅力をベタ褒め!恋敵であるはずの太賀さんも「すっかり、オダギリさんの人間的な魅力のトリコになってしまった。臼田さんとオダギリさんの撮影があると知って『頼むから、行かないで』と思ったほど」と白旗をあげた。そんな2人のコメントに、オダギリさんは「今度、お食事でも…」と恐縮しきり。主演作『エルネスト』での過酷なキューバロケを終えた直後に、本作の撮影に参加し「キューバがあまりに大変だったので、この作品でストレス発散させていただいた」と大人の余裕を見せ、「やっぱり最高ですね。今回もすごくいいっすよ」と『パビリオン山椒魚』以来11年ぶりとなる冨永監督との再タッグを喜んでいた。『南瓜とマヨネーズ』は11月11日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年10月10日伝説的なカルチャー・エロ雑誌の編集長・末井昭氏の自伝的エッセイを、柄本佑を主演に『南瓜とマヨネーズ』の冨永昌敬監督がメガホンを取って映画化する『素敵なダイナマイトスキャンダル』。このほど、主人公を取り巻く女性たちとして、前田敦子、三浦透子、尾野真千子の出演が明らかになった。白夜書房の取締役編集局長を務めたことでも知られる末井氏。実母が隣家の若い男と不倫の関係に陥った末、ついにはダイナマイト心中するという衝撃の体験をもった彼は、高校を卒業と同時に工場に就職したあと、上京してグラフィックデザイナー目指す。ひょんなことからエロ雑誌業界の世界に入り込んでしまい、やがて写真家・荒木経惟とのコンビで80年代を席巻した伝説のエロ雑誌「ウィークエンド・スーパー」「写真時代」などの名編集長となってゆく――。このほど、柄本さん演じる末井青年を取り巻く女性たちとして、天然な妻・牧子役に、『散歩する侵略者』『探偵はBARにいる3』など女優として活躍めざましい前田さん、電波な愛人・笛子役に『男子高校生の日常』『鈴木先生』の三浦さん、爆発な母・富子役に『いつまた、君と ~何日君再来~』『ナミヤ雑貨店の奇跡』の尾野さんの出演が決定。本作で前田さんは、物語が展開する時代の変遷にあわせて70年代、80年代のファッションを披露し、包容力のある天然素材な妻を飄々と快演。また、サントリー「なっちゃん」のCMで2代目なっちゃんとしてデビューし、若手実力派女優として注目される三浦さんは、末井青年が道ならぬ恋をしてしまう不思議な魅力を放つ愛人の役に体当たりで挑む。そして、ダイナマイトで爆発して、隣の若い男と心中する末井青年のスキャンダルな母・富子役を演じる尾野さんは、末井氏の人生に最も大きな影響を与えた薄幸な母親を、妖艶にそして儚げに演じる。女として、また母としての心のゆらぎを細やかな表情と演技で魅せる尾野さんにも要注目。山あり谷あり、ジェットコースターのような人生を送る主人公と、彼を取り巻く人々が送る日々を実力派俳優たちが演じる本作。他では見られない個性のぶつかり合いを楽しみにしていて。<キャストコメント>■柄本佑母親は尾野真千子さん、奥さんは前田敦子さん、愛人は三浦透子さん。改めて名前を並べてみると驚くほど贅沢だったんだと実感します。現場では主に前田さん三浦さんと一緒でした。尾野さんは爆発してしまっていたので。前田さんのあっけらかんとした明るい軽さと三浦さんの飄々とした佇まいは見ていてとても心地良かったです。そして母親が尾野真千子という、いやぁホント贅沢な現場でした。■前田敦子この作品の主人公は、自由な夢を持った自由な男なのですが、私が演じる牧子は、のちに夫になる彼を「はいはい」とたしなめつつもおもしろがって支えています。浮気をされても嫌味をいうだけ(!?)という包容力があって、自立している素敵な女性だと思いました。初めて共演させていただく柄本佑さんは、もともと俳優の先輩としてもすごく尊敬していました。佑さんの飄々とした中にあるかわいらしい感じが、この末井昭役にぴったりだと思いました。■三浦透子撮影がはじまってからも常に新しいアイディアに溢れ、くるくる変わっていく現場がただただ楽しかったです。笛子さんの人生を想うと胸が苦しくなるけれど、実際に書かれた当時の編集後記の中にいた彼女は、愛嬌たっぷりで追いかけると逃げてしまいそうな不思議な魅力を持った女性でした。皆さんにもそれが伝われば嬉しいです。■尾野真千子実話とは思えない母を演じさせていただきました。そんな実話とは思えない台本を読んで、出来上がりが想像できず不安もありました。でも出来上がりを観たときこんな伝え方があったのかと自信を持ちました。『素敵なダイナマイトスキャンダル』は2018年3月、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月13日不朽の恋愛マンガの金字塔作品として呼び声の高い、魚喃キリコの同名代表作を原作に、『パビリオン山椒魚』の鬼才・冨永昌敬監督が実写映画化した『南瓜とマヨネーズ』。この度、本作の予告編と本ビジュアルが公開された。今回到着したのは、9月2日(土)より新宿武蔵野館を始め、全国公開劇場にて展開される本予告編。臼田あさ美演じる主人公・ツチダが自らを犠牲にしてまで守りたかった現在の恋人・せいいち(太賀)との関係が描かれていくが、一転、ある出来事をきっかけに本音をぶちまけた言い争いへと発展。そして、そんな中ツチダは忘れられなかった過去の恋人・ハギオ(オダギリジョー)との再会を果たし、やがてせいいちとハギオとの2つの恋に揺れていく…。また、本映像では臼田さんが自身初となるタイトルコール、ナレーションを務めている。さらに、音楽監修・劇中歌制作は、世界最大の国際科学芸術賞でグランプリを受賞するなど唯一無二の活躍を続ける音楽家・やくしまるえつこが担当。予告編で流れる楽曲は、やくしまるさんが手掛けた劇中歌「ヒゲちゃん」。予告編のためだけに書き下ろしたオリジナルインスト楽曲、そして、やくしまるさんによる「ヒゲちゃん」のセルフカバーも聴くことができる。なお、この予告で使用されている「ヒゲちゃん」のセルフカバーは、各音楽配信サイトにて配信されている。やくしまるさんは「映画における音楽Aと、日常における音楽Aは、相異なる二つの項である。二次元と三次元のように、目配せはしても、混じり合うことのないもの。だけどその二つのあいだに、限りなく0に近い接点があるとしたら、そこにはこの映画が存在しているニャア」とコメントしている。あわせて公開された本ビジュアルは、写真家・川島小鳥による撮り下ろし写真を使用。「女は過去の恋をひきずらない、なんてウソ。」のコピーと共に、現在の恋人・せいいちと寄り添いながらこちらを見つめるツチダ、タバコを吸っているハギオの3人が切り取られている。『南瓜とマヨネーズ』は11月11日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年09月01日俳優・ディーン・フジオカが主演を務める映画『海を駆ける』が2018年5月に公開されることが決定。本作はディーンさんの第2の故郷であるインドネシアを舞台に、カンヌが見出した若き才能、深田晃司監督とタッグを組み、完全オリジナル脚本で製作。日本公開のほかインドネシアでも公開が決定している。インドネシア、バンダ・アチェの海岸で倒れている謎の男が発見される。片言の日本語やインドネシア語を話すが正体は不明。その謎の男にラウ=インドネシア語で「海」と名付けて預かることになった、災害復興の仕事をしている貴子と息子のタカシたち。その周辺で謎の男・ラウは様々な不思議な奇跡と事件を巻き起こしていく――。果たして、ラウは何者なのか…?人の生き方を、鋭く深く見つめてきた深田監督が描き出す本作は、広く澄み渡る海と、戦争と津波の記憶の残る町を背景に、集い息づく人々に起こるファンタジー作品。すでに海外からの期待が高く、日本、フランス、インドネシアなどの共同製作により、今月8月5日にクランクイン。約1か月、インドネシア、スマトラ島のバンダ・アチェでオールロケを敢行している。連続テレビ小説「あさが来た」五代友厚役で知名度を上げ、その後も多岐にわたり活躍を見せるディーンさんが本作で演じるのは、ラウと名付けられ奇跡を起こす正体不明の男だ。そして、成り行きでラウと一緒に暮らすことになる日本人の貴子役には、多くの映画やドラマ、CMなど幅広く活躍し、『ほとりの朔子』に続き2度目の深田組参加となる鶴田真由。貴子の息子・タカシ役には、『桐島、部活やめるってよ』『私の男』や11月には『南瓜とマヨネーズ』(冨永昌敬監督)など出演映画の公開が続く太賀。タカシの従妹を、主演作『2つ目の窓』で新人賞や主演女優賞を獲得した若手実力派女優・阿部純子が演じる。インドネシアについて、家族が住んでいたり自分の過去に縁のある国の一つと語るディーンさんは、「音楽的にもジャカルタでアルバムを作ったりしていますので、いつかインドネシアに映画の撮影に来られたらいいなぁと思っていました。 しかも今回日本とインドネシアやフランスなどの共同製作ということでぜひ参加したいと思い、いまここにいます」とインドネシアでの撮影は念願だったとコメント。また、スマトラ島は初めてだと言い「アチェというと同じインドネシア国内でも外国みたいなイメージがあったので、すごくワクワクドキドキですね。自分のジャカルタの友だちや家族にアチェのこと聞いても誰も行ったことなかったし、詳しく知っている人もいなかったので、そういう意味では今回貴重な体験をさせていただいて、本当にありがたいなと思っています」と語る。自身の役柄については「すごく不思議な存在」と言い、「人間のようでいて、でも人間ではないというか。様々な奇跡的な現象を起こしていく、とにかく謎に包まれたキャラクターですね」と説明。さらに、「作品はストーリー的にもチャレンジングでおもしろいものだと思うんですけど、作品の存在自体が2つの国だったりカルチャーというものをさらに近づけていったり、新しい化学反応を起こしたりするようなきっかけになる可能性を持った、ひとつのプロジェクトなんじゃないかなぁと思っているので、一人でも多くの人に、国籍や喋る言語を問わず、年代を問わず、観てもらえたら嬉しいですね」と話している。一方、『歓待』『ほとりの朔子』『淵に立つ』などを手掛けてきた深田監督は、2011年に津波に関するシンポジウムの記録撮影のために、2004年にスマトラ沖地震による大津波で被害を受けた地インドネシアのバンダ・アチェを初めて訪れ、刺激を受け、アチェを舞台にした映画を作りたいと思ったと明かす。また「ディーン・フジオカさんは、その多国籍で無国籍な生き方にまず惹かれ、お顔を拝見し打ち抜かれました。一目惚れです。ラウがいた、と確信しました。ラウ=ディーンさんの発見によって、この映画は動き始めたのだと思います」とふり返り、「俳優たちの魅力によって期待以上の作品に育ちつつあることを実感しています。目の前に見えることを大切に掬い取っていきたいです」と早くも自信を見せている。『海を駆ける』は2018年5月、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2017年08月24日「“不器用さ”というところでは、たぶん負けません」と笑って話す東出昌大。見上げるほどの長身と端正な顔。抜群のルックスを誇る東出さんなのに、愚直なまでにひたむきでちょっと垢抜けない男を演じると、恐ろしくはまる。「不器用」という自覚ゆえ、役に懸命に寄り添おうとする本人の想いが、お芝居を通して透けて見えるのかもしれない。新作映画『関ヶ原』では、小早川秀秋役に挑んだ。「関ヶ原の戦いを決した裏切り者」として語られることの多い秀秋だが、本作ではそんな通説を覆し、「義」を重んじて苦悩する、一人の不遇な青年武将として描かれる。もともと司馬遼太郎作品のファンで、同氏による原作小説も読んでいたという東出さん。「原田(眞人)監督から、『今回の小早川像は、(通説から)変えようと思ってる』というメッセージをいただいたんです。読んでみたら、本当にいままでにない小早川像だったので、すごい挑戦だなと思いました」と台本を受け取ったときの感想をふり返る。秀秋は、一時豊臣秀吉の養子になるも、秀吉に実子が生まれたため、小早川家に養子に出される。さらに朝鮮出兵の際に秀吉の不興を買って冷遇を受け、後に徳川家康に懐柔されて石田三成を憎むように。関ヶ原の合戦には、三成率いる西軍として参戦するのだが…。「今回の台本では、秀秋は自身の境遇を呪ってたんじゃないかなと思いました」と話す東出さん。「兄と慕った豊臣秀次も、いわれのない謀反の罪で斬首されている。『明日は我が身』と自分のことでいっぱいいっぱいだった当時10代の秀秋が、『秀吉だって、家康だって、どうせ自分のことばかり。大人なんてみんなそんなもんだ!』って思い込んでいたとき、自分を初めて武将として見てくれたのが三成だった。『あなたを武将として見込むから、打って出てくれ』と言ってくれた三成の“義”に答えられなかったことに、関ヶ原後の秀秋は気づくんです」。原田監督の現場はとにかく緊張感があって厳しいことで有名だ。本読みの段階から東出さんが監督に言われ続けたのは、「セリフっぽいしゃべり方をするな」ということ。時代劇という形式以上に、感情の動きが優先された。俳優になる前の東出さんは、感情をあまり表に出さないタイプだったという。「以前は感動する映画なんかを見ても泣くまいとしていたんですけど、役者になってから、感動したときは涙が自然と出てきたり、逆に意識して泣くことを試してみるようになりました。この仕事に就かなかったら絶対やってこなかったことだと思います」。俳優デビューから5年。まだ5年?と思うほど、さまざまな作品で求められてきたのは、仕事に向き合う東出さんの、そんな真摯な態度と決して無関係ではないはずだ。5年間駆け抜けてきて、いま、俳優の仕事は楽しいですか?と質問をぶつけてみた。「おおお!ド直球ですね」と笑ったあと、「うーん…半々です」と繕わない心境を教えてくれるのが「不器用」を自称する東出さんらしい。ここで「楽しい」と言わせないのは、新しい役に挑む度に直面するプレッシャーだ。「でも、“喉元過ぎれば熱さ忘れる”というか(笑)。怖いもので、その苦しさって、過ぎると忘れてしまうんです。“やるしかない!なるようになるっしょ!“という柔軟さが、以前よりは出てきたかなと思います」。『関ヶ原』に対する考察からも、役に対して事前にかなり研究していることが伝わってくる。プレッシャーを感じるがゆえに、準備をおろそかにしないのだろう。「以前は“頭でっかちになりすぎたな”とか、“そんなに思い詰めなくてもいいのに”って自分でも感じていたんですけど、近頃はちょっと肩の力が抜けてきた部分はあります。それでもまだ、敬愛する監督たちに『今後、役者としてどうしていったらいいと思いますか?』と聞くと、『もっと楽にやっていいよ』って言っていただくことが。まだ頭でっかちな部分もあるし、それだけで満足して、もっと本質を探りにいかなければいけないのに、できていない自分もいる。まだまだ逃げの姿勢があるのかなって、ふと思ったりします」。(text:Rie Nitta/photo:You Ishii)
2017年08月14日映画『南瓜とマヨネーズ』が、2017年11月11日(土)に新宿武蔵野館ほか全国の劇場で公開される。原作は、女性漫画家・魚喃キリコによる同名の漫画作品。女性のリアルな心理を容赦なく描いた、90年代を代表する不朽の恋愛漫画だ。本作では監督に『乱暴と待機』(10)の冨永昌敬を迎え、今なお根強い人気を誇る原作を実写化する。ストーリー同棲中の恋人・せいいち(太賀)のミュージシャンになる夢を叶えるため、内緒でキャバクラで働き生活を支えていたツチダ(臼田あさ美)だったが、彼女がキャバクラの客・安原(光石研)と愛人関係を結び、生活費を稼いでいることを知ったせいいちは心を入れ替え働き始める。しかしそんな矢先、忘れられない昔の恋人・ハギオ(オダギリジョー)と偶然に再会を果たしたツチダは、過去の思い出にしがみつくようにハギオにのめり込んでいく…。キャストキャストは、主人公のツチダ役に臼田あさ美、その恋人でミュージシャン志望のせいいち役に太賀、そしてツチダが忘れられない過去の男・ハギオ役にオダギリジョー。このキャスティングには、原作ファンからも「納得の人選」と期待の声が集まったという。場面写真には、恋人・せいいち(太賀)と部屋で親しげに寄り添う笑顔のツチダと、昔の恋人・ハギオとの密会シーンでどこか後ろめたい表情をみせるツチダの姿が。2人の男性との対照的で複雑な2つの関係性が伺える、作品を象徴するようなカットとなっている。また、ツチダがタバコを片手に思い悩む姿も「ツチダは臼田さん以外にありえません」と冨永監督が絶対的な自信を覗かせていたとおり、原作のツチダを彷彿させる1枚だ。映画の公開を記念した写真展も開催映画の公開を記念した、写真家・川島小鳥による写真展「ツチダとせいちゃん」が、2017年11月11日(土)から11月19日(日)の期間「パドラーズコーヒー」にて開催。川島、臼田、太賀が思い描いた、もうひとつの『南瓜とマヨネーズ』の世界が切り取られ、写真を通して劇中にはないオリジナルのストーリーが体感できる。また、会期中は映画オリジナルTシャツなどの販売も予定。是非、会場に足を運んでみて。作品情報映画『南瓜とマヨネーズ』公開時期:2017年11月11日(土)新宿武蔵野館ほかにて全国ロード ショー監督・脚本:冨永昌敬原作:魚喃キリコ『南瓜とマヨネーズ』キャスト:臼田あさ美、太賀、オダギリジョー、浅香航大、若葉竜也、大友律、清水くるみ、岡田サリオ、光石研© 魚喃キリコ/祥伝社・2017『南瓜とマヨネーズ』製作委員会【写真展詳細】映画『南瓜とマヨネーズ』公開記念写真展「ツチダとせいちゃん」開催期間:2017年11月11日(土)~19日(日) ※月曜定休日開催場所:パドラーズコーヒー住所:東京都渋谷区西原2丁目26-5入場料:無料営業時間:7:30~18:00
2017年05月14日魚喃キリコ・原作の漫画を、臼田あさ美主演、共演に太賀、オダギリジョーを迎え11月に映画化される『南瓜とマヨネーズ』。この度、本作の場面写真が初公開された。ツチダは同棲中の恋人・せいいちのミュージシャンになる夢を叶えるために、内緒でキャバクラで働き生活を支えていた。一方、無職で曲が書けずスランプに陥ったせいいちは、毎日仕事もせずにダラダラと過ごす日々。しかし、ツチダがキャバクラの客・安原(光石研)と愛人関係になり、生活費を稼いでいることを知ったせいいちは心を入れ替え働き始める。そんな矢先、ツチダにとって、いまでも忘れられない昔の恋人・ハギオと偶然、再会を果たした。過去の思い出にしがみつくようにハギオにのめり込んでいくツチダだったが…。恋愛マンガの金字塔作品として呼び声の高い、魚喃氏の同名コミックを映画化する本作。『パビリオン山椒魚』『乱暴と待機』の鬼才・冨永昌敬監督が手掛け、もろく崩れやすい日常の大切さを説きながらも、女性の切ない恋模様をリアルに描いた原作世界を忠実に再現させている。主人公ツチダ役を臼田さんが演じるほか、ツチダに生活を支えられながら夢を追うミュージシャン志望の恋人・せいいち役に太賀さん、そしてツチダが再会を果たす忘れられない昔の恋人・ハギオ役にオダギリさんが扮している。キャストが発表された際には、「ぴったりはまるって表現が合いそうな納得の人選」「わかるわ~~って感情がドンピシャついてくるキャスティングが素晴らしい!!」と原作ファンからも賞賛する声が上がっている。そしてこのほど公開されたのは、ツチダと物語の中心となる2人の男性との関係が垣間見える場面写真。せいいちとは、同棲中の部屋で親しげに寄り添うカットが。一方、ハギオと写る密会シーン写真では、どこか後ろめたい表情を見せるツチダが写し出され、対照的な2人の関係性が伺える。さらに、ツチダがタバコを片手に思い悩む姿は、「ツチダは臼田さん以外にはありえません」と冨永監督が自信を覗かせるように、原作のツチダを彷彿とさせる。なお、この場面写真は、重版の決定した原作の帯に別カットとともに使用されており、書店にて順次展開されていくようだ。『南瓜とマヨネーズ』は11月、新宿武蔵野館ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2017年05月14日恋愛マンガの金字塔作品として呼び声の高い、魚喃キリコ原作の「南瓜とマヨネーズ」が実写映画化されることが決定。『愚行録』の臼田あさ美が主演を務め、太賀、オダギリジョーらと競演する。ツチダ(臼田あさ美)は同棲中の恋人・せいいち(太賀)のミュージシャンになる夢を叶えるために、内緒でキャバクラで働き生活を支えていた。一方、無職で曲が書けずスランプに陥ったせいいちは、毎日仕事もせずにダラダラと過ごす日々。しかし、ツチダがキャバクラの客・安原(光石研)と愛人関係になり、生活費を稼いでいることを知ったせいいちは心を入れ替え働き始める。そんな矢先、ツチダにとって、いまでも忘れられない昔の恋人・ハギオ(オダギリジョ-)と偶然、再会を果たした。過去の思い出にしがみつくようにハギオにのめり込んでいくツチダだったが…。映画化もされた「blue」「strawberry shortcakes」などの魚喃キリコの代表作を、『乱暴と待機』『パビリオン山椒魚』などで知られ、2015 年に『ローリング』で「第89 回キネマ旬報ベスト・テン」日本映画第10 位を受賞した鬼才・冨永昌敬監督が実写化。もろく崩れやすい日常の大切さを説きながらも、女性の切ない恋模様をリアルに描いた原作世界を忠実に再現。近年の青春恋愛映画を象徴するような、“壁ドン”“顎クイ”などは一切なし!20代半ばに誰もが経験するような、甘く切ない恋のほろ苦さ、そして人には言えない葛藤を描く等身大の恋愛映画を誕生させた。主人公ツチダを演じたのは、映画『愚行録』やTVドラマ「金と銀」に出演中の臼田さん。“今彼”「せいいち」と“元彼”「ハギオ」の間で揺れるツチダの繊細な心理を見事に表現した。映像化の実現と昨秋10月の撮影をふり返り、「映画を作りました。と、こうして皆様に伝えられること、ツチダとして過ごした時間、せいちゃんが太賀さんだったこと、ハギオがオダギリさんだったこと、すべてが尊くて、大切で、嬉しいです」と感慨ひとしお。「1999 年の魚喃キリコさんが誕生させたツチダが2017 年のいまも相変わらず元気でやってます」と語り、原作を初めて読んだときから出演を熱望していた、思い入れタップリの本作で5年ぶりの主演に挑む。映像化に着手するにあたり、4年も前から臼田さんにオファーしていたという冨永監督は、「魚喃さんが描いたツチダそっくりな人を探しました。その女優はすぐに見つかりましたが、似ているのは顔だけではなかった気がします。ツチダは臼田さん以外にありえません。臼田さん本人もそう思ってるはずです」と、キャスティングに絶対的な自信を覗かせる。臼田さん演じるツチダに生活を支えられながら夢を追う、ミュージシャン志望の恋人・せいいち役には、現在ドラマ「レンタルの恋」に出演中、『走れ、絶望に追いつかれない速さで』『淵に立つ』『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』など数々の作品に出演し、若手実力派の筆頭としてネクストブレイクの呼び声が高い太賀さん。「冨永組として『南瓜とマヨネーズ』を作っていく過程は、役者としてあまりにも濃密で幸せな時間で、撮影を終えたいまでも、心地の良い余韻がまだ残っています」と撮影をふり返り、本作の仕上がりについて「原作ファンの方にも映画ファンの方にも納得していただける作品になっていると思います。どうか楽しみにしていてください」とコメントした。そして、ツチダが再会を果たす忘れられない昔の恋人・ハギオ役に、『オーバー・フェンス』の好演も記憶に新しい日本映画界を牽引するオダギリさん。自由奔放で女にだらしのない役柄ながら、どこか憎めないキャラクター像を作り上げた。冨永監督とは商業長編デビュー作『パビリオン山椒魚』以来、約11 年ぶりのタッグとなる。そのほか、キャバクラでのツチダの同僚役に清水くるみ。ツチダがせいいちとの生活費を稼ぐために愛人関係となるサラリーマン・安原役に光石研。優しく厳しい眼差しで見守るせいいちのバンド仲間に浅香航大、若葉竜也、大友律、岡田サリオらが名を連ねる。また、「音楽」「バンド」が重要な要素となる本作では、冨永監督が数々のMV を手がけるなど親交も深く、唯一無二の活躍を続ける音楽家・やくしまるえつこが音楽監修・劇中歌制作を担当。早くも映像化された本作を観た原作の魚喃さんは、「みごとにのまれた、感謝!」と絶賛のコメントを寄せている。夢を追うミュージシャン志望の恋人か、自由奔放で女好きな昔の恋人か。その狭間で揺れる、普遍的ともいえる繊細な女心に注目していて。『南瓜とマヨネーズ』は11月より新宿武蔵野館ほかにて全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年03月04日今年3月、TBSにて放送予定の佐藤浩市主演大型スペシャルドラマ「LEADERSII」。この度、数々の映画やドラマで活躍中の東出昌大が本作に出演することが明らかになった。1934年(昭和9年)、10年前の関東大震災によって物資輸送網が断絶された苦い経験から、日本の自動車需要は急速に加熱していた。欧州勢に加えて、アメリカのフォード、ゼネラルモーターズ(GM)の本格参入によって日本の市場はまさに外国車販売の戦国時代へ突入していた。愛知にあるGM車販売店「日の出モータース」の支配人・山崎亘(内野聖陽)は、アメリカ流の販売方針を押し付けられることに抵抗し、事あるごとに改善を訴えてきた。だが、大阪に拠点を置く「日本ゼネラルモータース」は、一販売店の意見に耳を傾けることはなかった。大阪からの帰りに山崎は、鈴鹿峠の山道で立ち往生しているシボレーを、背広のまま修理する男・愛知佐一郎(佐藤浩市)に出会う。これがアイチ自動車売店第1号となり、佐一郎を支え続けることになる山崎亘と佐一郎の運命の出会いであった…。本ドラマは、2014年3月に2夜連続で放送したドラマ「LEADERS」の続編。「LEADERS」では第2次世界大戦前後、日本の未来のために仲間を信じ、モノづくりに人生を賭けた人間たちの生き様を、史実に基づきドラマ化したが、今回の「LEADERSII」では、ストーリーの主軸を国産自動車開発の世界から販売の世界へと展開。国産自動車の開発に邁進する主人公・愛知佐一郎と、佐一郎を販売面で支え続けた男たちの物語となる予定だ。キャストには、主演の佐藤さんが愛知佐一郎を演じるほか、吉田栄作、萩原聖人、高橋和也、緋田康人、えなりかずき、前田敦子。今作からの新キャストとして、日の出モータース支配人・山崎亘役に内野聖陽、後に協愛会の会長となる大島プレス工業の大島磯吉役で山崎努が登場する。そんな中、新たに『デスノート Light up the NEW world』『聖の青春』などに出演する東出さんの参加が決定。東出さんが演じるのは、GM車販売店「日の出モータース」の支配人である山崎亘の人柄や考え方に惹かれ、山崎とともに苦楽を共にする「日の出モータース」の若き営業マン・日下部誠役。GMから鞍替えして、愛知佐一郎が開発した国産車の販売を取り扱うこととなった「日の出モータース」に、ただ一人残ることになる、という役どころだ。日本の自動車産業黎明期における「製造」と「販売」の物語となる本作におけるキーマンのひとりとなっている。東出さんは「内野さん演じる山崎亘が文系とすれば、私が演じる日下部誠は理系、言わば“デコボココンビ”です」と役どころについて話し、「そんな上司と部下の関係や、このドラマが持つ熱量が伝わるように演じていければ、と思っています」と意気込みを語っている。また東出さんは、先日行われた中国・上海の「上海影視楽園」において、ドラマとしては異例の規模で敢行された海外ロケにも参加し、佐藤さん内野さんと共に撮影に挑んだ。ロケ日数は、実景撮影も含め計5日間に及び、昭和初期の名古屋市内の街並を完全再現。現地エキストラは最大300人にも及び、街全体が舞台という壮大なスケール感も本作の見どころのひとつとなりそうだ。大型スペシャルドラマ「LEADERSII」は3月、TBSにて放送予定。(cinemacafe.net)
2017年02月05日