前作を超える大ヒットを飛ばした北野武監督作『アウトレイジ ビヨンド』のDVD&ブルーレイが4月12日(金)に発売されるのを記念して、メイキング映像の冒頭5分が公開された。ナレーションを務めたのは、本作に出演するも、ひと言も喋らない殺し屋を演じた高橋克典が務めている。メイキング映像の一部本作は、血で血を洗うヤクザ社会の抗争を描いた前作より更なるスケールと豪華キャストで、男たちの壮絶な生き様を描いたバイオレンス・エンターテイメント。このたび公開されたメイキング映像は、本編ではひと言も喋らず、淡々と人を殺していく“無言のヒットマン城”を演じた高橋克典がナビゲーターとなって、製作の裏側を紹介していくもの。カメラは2012年4月に神戸から始まった撮影の様子や、現場で北野監督が出演者に指示を出す姿などを捉えており、“全員悪人”としてキャスティングされた三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬らの姿も確認できる。メイキング映像は初回限定生産のスペシャルエディション版にだけ収録され、ほかにキャストインタビュー、ベネチア国際映画祭リポート、イベント&舞台あいさつなどの模様が2時間を越える特典映像として収められる予定。『アウトレイジ ビヨンド』ブルーレイ&DVD4月12日(金)発売発売・販売:バンダイビジュアル
2013年03月14日戸田恵梨香と加瀬亮の豪華な2人をメインキャストに、2010年にTBS系にて放送された人気ドラマ「SPEC」。このほど、ファン待望の本シリーズの続編であり、完結編となる『SPEC~結~(クローズ)』が2013年秋に映画として全国公開されることが決定!さらに、また、ドラマ版「SPEC」の前日譚である「SPEC~零~(ゼロ)」もスペシャルドラマとして放送されることが決定した。警視庁公安部の特殊捜査官である当麻紗綾(戸田さん)と瀬文焚流(加瀬さん)の名コンビが、予知能力や念動力などの“SPEC”と呼ばれる特殊な能力を持つ犯罪者に立ち向かう姿を描く。今回の『SPEC~結~(クローズ)』では、前作『SPEC~天~』で登場した“シンプルプラン”、“ファティマ第三の予言”などのワードや、ラストに登場した白い男の正体など、これまでの謎がついに解き明かされることとなる。鬼才・堤幸彦の演出による独特の世界観が多くのファンの心を鷲掴み、前作『SPEC~天~』は興行収入23億円超えの大ヒットを記録。そして、ついに完結編を迎える本シリーズに「起・承・転とみなさまの温かい支援を頂き、こうやって、最終章の結までやってこれた事感謝しております。ありがとうございます。ですから、ますます気合が入っております!」と戸田さん。加瀬さんも、「ついに完結するようで、ホッとしています(笑)。泣いても笑っても最後、戸田さんと共に、力を出し切りたいと思います。よろしくお願いいたします」と全身全霊でフィナーレを飾ると宣言。また、現在撮影中のドラマ版「SPEC」の前日譚となる「SPEC~零~(ゼロ)」もスペシャルドラマとして放送されることが決定。連続ドラマでは描かれていない、戸田さん演じる当麻が左手を失うこととなったサスペンスフルなエピソードが描かれるようだ。大ヒットシリーズの終焉を飾る『SPEC~結~(クローズ)』、そしてスペシャルドラマ「SPEC~零~(ゼロ)」と来秋の“SPEC祭り”に思わず胸が高鳴る!『SPEC~結~(クローズ)』は2013年秋、全国東宝系にて公開。© 2012 映画「SPEC~天」製作委員会(text:cinemacafe.net)■関連作品:劇場版 SPEC~天~ 2012年4月7日より全国東宝系にて公開(C) 2012 映画「SPEC~天」製作委員会SPEC~結~(クローズ) 2013年秋、全国東宝系にて公開
2012年12月27日『二十四の瞳』や『楢山節考』などの作品を手がけた巨匠・木下恵介の生誕100年を記念する新作映画『はじまりのみち』の撮影がこのほど終了し、木下監督の生誕100年の日となる本日、映画の場面写真が公開された。その他の写真『はじまりのみち』は、戦時中、木下が脳溢血で倒れた母を疎開させるためにリヤカーに乗せて山越えをした、という実話を主軸に、血気盛んな映画青年として軍部に睨まれ、松竹を一時離れるきっかけとなった『陸軍』の製作時のエピソードを盛り込みながら、子を想う母と、母を想う子の愛の物語を描く感動作。『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』や『カラフル』などを手がた原恵一が監督を務める。本作の撮影は先月9日から行われ、静岡県浜松市を始め、長野県、群馬県、栃木県などロケ地を移りながら撮影が行われた。最終日は先月29日で、主人公・恵介(加瀬亮)と彼の母を乗せたリヤカーを共におす便利屋(濱田岳)の出演シーンを撮り終えて、全カットの撮影を完了。原監督は「俳優のみなさんや一所懸命に働いてくれたスタッフの姿を見て『いい映画にしなくてはいけない』と、気持ちを新たにしました」と語り「実写とアニメの一番大きな違いは季節と天気に左右されるということ」と約20日間におよぶ撮影を振り返った。このほど公開された場面写真は、疎開先に向かう途中の山で、昇ってくる朝日に向かって恵介、その兄の・敏三(ユースケサンタマリア)と母・たま(田中裕子)が手を合わせる場面。病で動くことさえ困難な母の身を案じる息子たちが、雨に濡れ、泥だらけになりながら山を越える場面は本作のハイライトといってよいだろう。木下恵介監督は今日からちょうど100年前の1912年12月5日に生まれ、映画監督として数々の傑作を生み出してきた。その作品は、人間の心理描写に重点を置き、人間の弱さや哀しみを描くものが多く、同時期に活躍した黒澤明監督のダイナミックな作風と比較されることも多い。しかし、現在開催中の回顧上映や研究を通じて、洗練された映像技法の導入や、コメディ描写のキレの良さなど“木下作品の新たな魅力”にスポットがあたりつつある。映画『はじまりのみち』も単純な伝記映画や、木下監督を賞賛するだけの作品ではないそうで、偉大な映画作家の“新たな魅力”にさらなる光をあてる作品に仕上がるのではないだろうか。『はじまりのみち』2013年6月1日(土)ロードショー
2012年12月05日人気TVドラマ「時効警察」や映画『インスタント沼』など、独自の笑いと世界観で多くのファンをもつ三木聡監督が、人気アイドルグループ「KAT-TUN」亀梨和也を主演に迎えて贈る最新作『俺俺』。このほど本作の前売り券の発売が決定し、その特典グッズとなる“33種類の俺”特製ステッカー(数量限定)の亀梨さん演じる“俺”たちの可愛いビジュアルが解禁された。なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった主人公・均(亀梨さん)の前に、“俺”と同じ顔の“別の俺”が現れ、世の中に俺が増殖していくという奇想天外なストーリーを描き出す。第5回大江健三郎賞受賞の星野智幸による超リアル不条理小説の映画化となる本作。前代未聞の33人の主人公“俺”を演じるのは、『映画 妖怪人間ベム』で人間になりたい妖怪人間役という複雑な役柄を演じるなど、役者としての幅を広げている亀梨さん。本作では、“アイドル封印”と思えるほどの様々な人物の役柄を見事に演じ分けている。さらに、ミステリアスなヒロインに内田有紀、イヤミな上司に加瀬亮ら実力派たちもその名を連ねている。今回お披露目となった可愛いビジュアルは、来年5月25日(土)の公開を前に発売される前売り特典として付いてくる“33種類の俺”特製ステッカー(数量限定)のもの。この“33種類の俺”が登場する本作にちなんで作成された特典には、ビジュアルからも分かる通り、主人公・均、そしてミリタリーマニアの俺、巨乳の俺、警察の俺などなどなど、亀梨さんがたったひとりで演じ分けたさまざまな俺の姿が!止まらない俺の「増殖」、俺同士のパラダイス「俺山」、そしてやがて始まる俺同士の「削除」。ありふれた日常の中で、ありえない出来事が起こる“日常逸脱系サスペンス”に注目だ。『俺俺』は、2013年5月25日(土)より全国にて公開。■関連作品:俺俺 2013年5月25日より全国にて公開©2012 J Storm Inc.
2012年11月30日『空気人形』や『奇跡』で知られる映画監督の是枝裕和が、阿部寛を主演に迎えて贈るドラマ「ゴーイング マイ ホーム」(関西テレビ・フジテレビ系列)。いよいよ佳境を迎える本作だが、ついにこれまで伏せられてきた宮﨑あおいの夫役に、加瀬亮が抜擢されたことが明らかとなった。冴えないサラリーマンの坪井良多が、疎遠だった父が倒れたのをきっかけに故郷の長野に帰る。そこで彼は父が伝説の小さな生き物“クーナ”を探していたことを知る。当初は“クーナ”の存在に疑問を持っていた良多であったが、地元の人々と触れ合ううちに彼の心にも変化が起き始める――。先日放送された第6話で、菜穂(宮﨑さん)の夫・下島惠(めぐむ)の居場所をつきとめた栄輔(夏八木勲)から、「会いに行ってきなさい」と言われ菜穂が深く悩む様子が描かれていたが、番組終盤(放送回未定)には、ついに意を決した菜穂が惠に会いに行くことになる。11月初旬、菜穂には何も言わず黙って出て行ったという惠は、とある牧場で働いている設定とあって、長野県の牛舎でロケが行われた。普段通りの飼育作業が行われている牛舎では、牛の鳴き声が響き、セリフや演技のタイミングはOKでも、「いまのは牛の声がデカすぎたかも(苦笑)」とリテイクがかかることもしばしば…。しかし、本作を含め、是枝監督とは5回目のタッグとなる加瀬さんは、終始笑顔を絶やさず、シリアスなシーンとは裏腹に、是枝組ならではのゆっくりとした空気感を楽しんだ様子。今回の役柄を演じて、加瀬さんは「あまりセリフが多くなかったので、キャラクターが分かりづらかったんですが(笑)」と前置きしつつ、「衣装合わせのときに、是枝監督から非常に詳しい手書きの設定書を、A4一枚でいただきました。その上で、メールで何度か確認をやり取りしたんですが、結局は『とりあえず現場でやってみましょう』と。来てみたらいつもの是枝組のスタッフだから、映画のときと変わらまない雰囲気でやれています」と明かす。さらに続けて、「僕が演じるのはひどい男なんですけど…」と苦笑交じりに語りながら、“妻”宮﨑さんについてはこんな言葉で表現する。「昔、雑誌の撮影でご一緒したことはあるけれど、演技で組んだのは今日が初めて。すごく気持ちで演じる方だと思いました。一緒に立っていて、この場所にとても居やすかったですね」。そんな宮﨑さん扮する菜穂が涙を浮かべさせる、加瀬さんの「ひどい男」ぶりにもぜひ注目を。そんな緊張感漂うシーンは、果たしてどんなシーンに仕上がっているのか?「ゴーイング マイ ホーム」は関西テレビ・フジテレビ系にて毎週火曜日22:00~放送中。「ゴーイング マイ ホーム」公式サイト■関連作品:きいろいゾウ 2013年2月2日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013西加奈子・小学館/「きいろいゾウ」製作委員会俺俺 2013年、全国にて公開©2012 J Storm Inc.はじまりのみち 2013年6月1日より全国にて公開
2012年11月21日『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』や『アメリ』、『メメント』などなど…1980年代後半から90年代にかけて、若者を中心に渋谷の街で巻き起こった“ミニシアター・ブーム”。小さな劇場には長蛇の列ができ、若者たちが映画を語り、映画を熱望し、映画に生きた時代。そんな文化にあふれた桃源郷をもう一度、日本のカルチャー発信基地・渋谷に蘇らせたい!という思いが形となり、来る11月9日(金)、「渋谷真夜中の映画祭~第零夜~」が開催されることが決定した。いまもなおファッションや音楽など、時代の先端を走るカルチャーが生まれ続ける街・渋谷。最先端の街でもう一度、いや、新たなるカルチャーの波を!そう望む人は少なくない。しかし何故、“真夜中”なのか?その答えは、こんな言葉の中にある。「歴史は“夜”作られる」。いまの真夜中の渋谷で過ごせる場所は、カラオケ、ネットカフェ、騒がしい居酒屋、もしくは濡れた路上しかない。そこで渋谷ヒカリエという文化的な場所で、夜を徹してメッセージ性やアート性の強い映画に触れる機会を作ったようだ。さらに、この映画祭を企画するのはただの映画ファンではない。映画業界はもちろん、広告、ファッション、IT、果ては音楽にゲームなど各業界の第一線で活躍するクリエイターたちが実行委員会のメンバーとして参加しているのだ。運営資金も、加瀬亮の出演作『ライク・サムワン・イン・ラブ』の製作資金集めにも使用され、注目されているクラウドファンディングサイト「motion gallery」で集めたものだという。9日(金)第1弾イベント「第零夜」では、「インディペンデントな若手映像作家たち」をテーマに開催。第1部では、90年代の渋谷ミニシアターブームの象徴的作品『トレインスポッティング』(’96/ダニー・ボイル監督)を特別上映。また上映後の第2部では、映画界の未来を担う新たな才能を発掘すべく、3名の若手監督によるプレゼンテーションを行い、最も多くの観客の支持を集めた1作品を上映するというライヴ感にあふれたイベントとなるようだ。ぜひ、あなたも一風変わった真夜中の渋谷を体験してみては?「渋谷真夜中の映画祭~第零夜~」日時:11月9日(金)22:30~翌28:00(予定)場所:渋谷ヒカリエ「8/COURT」(東京・渋谷)公式サイト:特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」
2012年11月08日“韓国のゴダール”“エリック・ロメールの弟子”など、ヌーヴェルバーグの巨匠たちを引き合いに出されるほど世界で評価されるホン・サンス監督を特集した『ホン・サンス/恋愛についての4つの考察』が、11月10日(土)より公開される。特集では、日本劇場未公開だった近作4作がうれしいことに一挙上映。今回、そのうち3作に出演した、ホン・サンス作品の常連俳優で、韓国で“夫にしたい男NO.1”にもなったユ・ジュンサンが、監督との映画作りについて語ってくれた。ホン・サンス監督のトークショー情報ホン・サンス作品で一貫して描かれるのは男女の“恋愛”。どこにでもいるような男と女のごくごくありふれた日常の中から生まれる恋愛の機微が、時にリアルすぎるほど生々しく、時に煙に巻いたようにファンタジックに映し出される。今回上映される4本『よく知りもしないくせに』『ハハハ』『教授とわたし、そして映画』『次の朝は他人』も同様。普通の男女が交わすたわいのない会話や、やりとりから、ムクムクと人間の真理や本性が浮かび出てきて、いつしか映画から目が離せなくなる。ところがその映画に「脚本はない」と、ユ・ジュンサンは笑顔で明かす。「実は1冊という形での台本はないんです。撮影当日の朝、その日やる分の台本が渡される。その連続なんです。一度、監督に尋ねたことがあります。“俳優に渡さないだけで台本は出来上がっているんですよね?”と。すると、監督は“いや、出来ていない。常に、撮影前日の夜から朝にかけて翌日撮る脚本を考えるんだ”と言っていました(苦笑)」ただ、そういった即興的な手法を用いながら、演出は緻密。アドリブは一切なく、綿密なリハーサル、本番も納得いくまでテイクを重ねるという。「例えば、『次の朝は他人』のバーで偶然と必然について語り合うシーンは、確か60テイクを重ねました。もう現場から逃げ出しかったですよ(笑)」ドラマに舞台、アート作品から大作まで、さまざまなジャンルの作品に出演するメジャー人気俳優のユ・ジュンサンだが、その苦労を知ってもなお、今後もホン・サンス作品に出演したいという。「撮影中はつらい事だらけ。でも、出来上がった作品を観ると、その苦労がいつも吹っ飛びます。類稀な才能を持った監督ですよ」世界で今最も脚光を浴びる韓国の天才監督が描く世界と、韓国で大活躍の続く実力派俳優ユ・ジュンサンの勇姿をこの機会に触れてほしい。『ホン・サンス/恋愛についての4つの考察』は11月10日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにてロードショー。なお、ホン・サンス監督と俳優の加瀬亮によるトークショーが、11月25日(日)に東京・シネマート新宿で行われる。チケットは11月17日(土)10時より一般発売開始。チケットぴあでは、11月10日(土)11時より先行抽選「プレリザーブ」を受け付ける。取材・文:水上賢治
2012年11月08日黒澤明や小津安二郎と並び、現代でも数多くのファンをもつ日本映画界を代表する巨匠・木下惠介監督(『楢山節考』)。生誕100年を迎える記念すべき今年、記念映画となる『はじまりのみち』で、加瀬亮が主演を務めることがこのほど明らかとなった。戦時下、政府から戦意高揚の国策映画づくりが要求された時代。木下惠介(加瀬さん)が昭和19年に手がけた『陸軍』は、その役割を果たしていないとして、当局から睨まれ、次回作の製作も中止されられてしまう。すっかり嫌気が差した木下は松竹に辞表を提出し、脳いっ血で倒れた母・たま(田中裕子)が療養している浜松市の気賀に向かう。失意の中、たまに「これからは木下惠介から木下正吉に戻る」と告げる惠介。戦局はいよいよ悪化の一途をたどり、気賀も安心できる地ではなくなり…。『映画 クレヨンしんちゃん』シリーズで知られる日本アニメ界の第一人者・原恵一監督の初実写映画作品となる本作。先日、本作『はじまりのみち』の製作が決定して以来、この一大プロジェクトのキャストには誰が選ばれるのか?と、各方面で注目を集めていたが、今回その主人公・木下惠介にいまや日本を代表する国際俳優となりつつある加瀬亮が大抜擢を受けた。このオファーに、加瀬さんは「時代の激しい流れに巻き込まれながらも、青年時代の木下惠介監督がどうしても手放せなかったもの、その大切なものを、原監督と一緒に同じ道をゆっくりと辿りながら、見つめていきたいと思っています」とコメントを寄せている。そのほかにも、母・たま役に田中裕子、惠介の兄・木下敏三役にユースケ・サンタマリア、そして次々と話題作で主演を務める濱田岳が、惠介と敏三と共に行動を共にする“便利屋”を演じることも明されている。手放しの人間讃歌ではなく、人間の美しさも醜さも、そして弱さと強さをありのままを肯定し、名もなき市井の人々の本当の姿を見つめ続けた木下惠介監督。その実像と木下監督の精神を、原監督がどのように描き出すのか、そして、日本映画界屈指の実力派俳優たちのコラボレーションに注目が集まりそうだ。本作は今年11月にクランクインし、撮影は浜松ほかにてオールロケを敢行する予定だ。『はじまりのみち』は2013年6月1日(土)より全国にて公開。■関連作品:はじまりのみち 2013年6月1日より全国にて公開
2012年11月07日第25回東京国際映画祭が華々しく開催されている10月。今月は映画祭の上映作品をはじめ、北野武監督や園子温監督作品、特撮やアニメ、アイドル系まで様々なジャンルの映画が公開されている。そこで今回は、10月公開映画の中で最も期待している映画を女性394名に聞いてみた。>>男性編も見るQ.10月公開映画の中で期待している作品は?(単一回答)1位『新しい靴を買わなくちゃ』21.1%2位『くろねこルーシー』14.7%3位『アウトレイジ ビヨンド』9.4%4位『ロラックスおじさんの秘密の種』7.9%5位『ツナグ』6.3%6位『コンフィデンスマン/ある詐欺師の男』5.6%7位『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』5.2%8位『最終目的地』4.1%9位『ザ・レイド』3.8%10位 『映画 スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ!』3.3%1位はドラマ『ロングバケーション』の脚本家として知られる北川悦吏子が監督&脚本を務めた『新しい靴を買わなくちゃ』。「恋愛ドラマの神様」とも呼ばれる北川が手がけた作品だけあり、「タイトルがかわいいから」(23歳/マスコミ・広告/秘書・アシスタント職)と、表題だけで多くの女子の心を引きつけた模様。また「主演の2人が魅力的だから」(23歳/小売店/販売職・サービス系)のように、向井理と中山美穂の共演を楽しみにする声も多かった。日本映画としては異例のオールパリロケが行われたため、「景色の美しさに期待」(23歳/アパレル・繊維/事務系専門職)という声も。一方、ドランクドラゴンの塚地武雅が主演を務める2位の『くろねこルーシー』は、「猫が好きだから」(22歳/その他/その他)という理由で支持する人が圧倒的ではあったが、日本アカデミー賞新人俳優賞受賞歴もある「塚地の演技が好きだから」(27歳/生保・損保/営業職)という声も少なくない。今春、東名阪ネット6局で放送された「テレビドラマを欠かさず見ていた!」(29歳/医療・福祉/事務系専門職)といった意見も寄せられている。ドラマ版に続き、メガホンを取るのは亀井亨監督。塚地が演じるダメダメ占い師の鴨志田賢が、黒猫たちとの出会いをきっかけに、人生でかけがえのない大切ものに気づいていくという心温まる物語が描かれている。3位は男性編で1位だった北野監督作品の『アウトレイジ ビヨンド』。前作を見たからという声はやはり多かったが、女性に人気の加瀬亮をはじめとした「出演陣が豪華なので気になる」(29歳/運輸・倉庫/秘書・アシスタント職)という意見も多い。男性編ではランク外で、女性編では4位の『ロラックスおじさんの秘密の種』は、アメリカのベストセラー児童作家ドクター・スースの原作『Dr. Seuss’ The Lorax』を映画化したもの。アメリカの3Dアニメに対して「キャラがかわいい」」(22歳/その他/その他)という声が寄せられているが、ハリウッド作品の日本語吹き替えに初挑戦した志村けんのほか、能年玲奈、トータス松本、山寺宏一、宮野真守、LiLiCoといった豪華な吹き替え版キャストにも注目。そして、男性編10位の『ツナグ』は女性編では5位。「感動できそう」(25歳/金融・証券/事務系専門職)という声のとおり、死者との再会を望む人々とその仲介を司る使者(ツナグ)として他人の人生に深くかかわっていく一人の少年を描いた感動大作だ。■総評バイオレンスやアクション、特撮、アニメなどがランクインした男性編とは異なり、ラブストーリーの『新しい靴を買わなくちゃ』、ハートウォーミングストーリーの『くろねこルーシー』が1、2位に。感動ストーリーやアニメが多く選ばれている女性編ランキングの中で、3位に入った『アウトレイジ ビヨンド』は大健闘と言えるだろう。NHK朝の連続テレビ小説『梅ちゃん先生』に出演し、人気急上昇中の松坂桃李が主演を務める『ツナグ』は第32回吉川英治文学新人賞を受賞した小説の映画化作品。原作同様に胸にしみるような感動で心が満たされることを期待したい。(文・塩澤真樹/C-side)調査時期:2012年8月23日~8月31日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:女性394名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【女性編】「この続編は早く見たい!」4~6月公開映画ランキング【女性編】スポ根よりもアツく、ラブストーリーよりも泣ける!将棋マンガランキング中山美穂「アクションコメディーをやりたい」と向井理との再共演を熱望完全版(画像などあり)を見る
2012年10月27日第25回東京国際映画祭が華々しく開催されている10月。今月は映画祭の上映作品をはじめ、北野武監督や園子温監督作品、特撮やアニメ、アイドル系まで様々なジャンルの映画が公開されている。そこで今回は、10月公開映画の中で最も期待している映画を男性410名に聞いてみた。>>女性編も見るQ.10月公開映画の中で期待している作品は?(単一回答)1位『アウトレイジ ビヨンド』23.2%2位『009 RE:CYBORG』13.2%3位『新しい靴を買わなくちゃ』11.0%4位『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』8.1%5位『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』7.1%6位『最終目的地』7.0%7位『エクスペンダブルズ2』6.8%8位『高地戦』4.6%9位『劇場版 私立バカレア高校』3.4%10位 『ツナグ』2.4%1位は北野武監督が、暴力団の巨大抗争を描いた『アウトレイジ』の続編、『アウトレイジ ビヨンド』。第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式参加し、上映後にはスタンディングオベーションという熱烈な歓迎を受けた『アウトレイジ』に続き、「前作が面白かったから」(40歳/機械・精密機器/技術職)と、今回のアンケートでは期待値の高さを伺わせる声が最も多い作品となった。前作に続いてインテリヤクザを演じる「加瀬亮の活躍に期待」(26歳/自動車関連/事務系専門職)という意見はもちろんのこと、新たに登場する関西ヤクザ役の西田敏行、塩見三省、高橋克典、桐谷健太らの悪役ぶりにも注目が集まっている。2位の『009 RE:CYBORG』は、石ノ森章太郎原作『サイボーグ009』に、『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズや『東のエデン』の神山健治監督が脚本・監督を手がける完全新作。「原作ファンだから」(35歳/情報・IT/技術職)という声のとおり、30代、40代にとっては懐かしい作品だが、セルライクな3Dアニメーションに挑戦した神山監督による3DCG映画ということから「映像がすごそう」(39歳/建設・土木/技術職)という意見も多数を占めた。3位の『新しい靴を買わなくちゃ』は、『ロングバケーション』や『オレンジデイズ』などで知られる恋愛ドラマの神様・北川悦吏子の監督・脚本作品。「北川悦吏子の作品だから気になる」(28歳/食品・飲料/販売職・サービス系)と、彼女の脚本のファンも多い。そして、こちらも2位と同様にリアルタイムで楽しんだ30代、40代にとって思い入れの深い「メタルヒーロー」が活躍する『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』。「懐かしい作品なので期待している」(35歳/金融・証券/営業職)といった意見が多く寄せられた。なお、この作品には、同じく「メタルヒーローシリーズ」の礎を築いた『宇宙刑事シャリバン』『宇宙刑事シャイダー』の参戦も大きなトピックとなっている。そして、5位には2011年にテレビシリーズとして放送され、第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞をはじめ、数々の受賞歴を誇る『魔法少女まどか☆マギカ』の劇場版がランクインしている。■総評北野監督の『アウトレイジ ビヨンド』が1位、神山監督の『009 RE:CYBORG』が2位。両者とも過去の実績があるため、作品の完成度に対する期待値は相当高い。この1、2位をはじめ、続編またはテレビシリーズやアニメの映画化のような既知の作品がトップ5のうち4作も占めており、これらは「大外れ」のない安定感のある作品とも言える。中でも30代、40代にとって気になるのは2位の『009 RE:CYBORG』と4位の『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』だろう。設定もキャラクターも再構築された『009 RE:CYBORG』に対して、『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』は「当初の役者さんが出ているところがいい」(45歳/アパレル・繊維/事務系専門職)というコメントにある通り、当時の主人公・一条字烈を演じた大葉健二が出演している。リアルタイムの世代はもちろんだが、若い世代にもぜひ見てもらいたい作品だ。どちらも単純なリブート作にとどまらず、それぞれの手法は異なるものの、既存作品の新たな扉を開いている。また、文芸派には巨匠ジェームズ・アイヴォリー監督作品の『最終目的地』がおすすめ。アンソニー・ホプキンスの愛するパートナーを演じる真田広之にも期待したい作品である。(文・塩澤真樹/C-side)調査時期:2012年8月23日~8月31日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:男性410名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【男性編】「この続編は早く見たい!」4~6月公開映画ランキング【男性編】スポ根よりもアツく、ラブストーリーよりも泣ける!将棋マンガランキング【インタビュー】『アウトレイジ ビヨンド』北野武監督×三浦友和 - 「政治家に当てはめたら一番面白い」完全版(画像などあり)を見る
2012年10月27日北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』の初日舞台あいさつが6日、東京・新宿バルト9で行われ、北野監督をはじめ、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、高橋克典、桐谷健太という豪華キャスト陣が顔を揃えた。その他の写真北野監督にとっては、16作目にして初の続編映画。ヤクザ社会の壮絶なる下克上劇を描き、大ヒットした2010年の『アウトレイジ』から5年後を舞台に、獄中死したはずの大友(たけし)が警察の思惑によって釈放され、関東VS関西の両巨頭がぶつかり合う抗争に身を投じる姿が、前作をビヨンド(超越)する極限のバイオレンスで描かれる。「1作目は女性が見るに耐えないほど暴力的だったから(笑)、今回はストーリー的にもエンターテインメントの色を強くした。それなりにサスペンスの要素もあって、きっと女性も楽しめるはず」と自己分析する北野監督は、劇中の“笑い”にも言及し「別に狙っているわけじゃなく、緊張した場面には笑いが悪魔のように忍び寄るもの。結果、笑えるシーンになったが、笑わせるつもりはない」と断言。「このタイトルだって、考えたのはプロデューサーだもん。本当はタイトルを『朝のラジオ体操』にしたかった」と話し、観客を大いに笑わせた。西田は念願の北野組に初参加して「感無量。『バカ野郎』『この野郎』なんて怒鳴ってとっても楽しいし、毎日スポーツジムに行っているような爽快感だった」とコメント。一方、三浦と加瀬は前作からの“生き残り組”だが、「ろくでもない形で頂点に上り詰めたから、今回はとんだしっぺ返しを受けた。こんなことなら、上り詰めるんじゃなかった」(三浦)、「僕もなるべくして、ああいう形になりました」(加瀬)と自らが演じた役柄に訪れる“悲劇”に苦笑い。寡黙なヒットマンを演じる高橋は「怒鳴る代わりに、思いっきり(銃を)撃たせてもらって、無言で発散できました」と満足そうな表情。若きチンピラ役の桐谷は「その場の“ノリ”で撮影が進むことが多かった」と北野組の現場を語った。最後に「映画の登場人物で一番極悪なのは?」と質問された北野監督は、「そりゃ、テレビ東京とワーナー・ブラザースでしょ」と本作の製作会社と配給会社をまさかの名指し。「だって、ヤクザ映画なのに、バラエティでの番宣ばっかりなんだもん。これじゃ全然宣伝になってないって」と“たけし節”を全開させていた。『アウトレイジ ビヨンド』公開中取材・文・写真:内田 涼
2012年10月09日最新作『終の信託』の公開を記念し10月8日(月・祝)、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで「周防正行映画祭」と題した特別イベントが開催され、代表作である『シコふんじゃった。』(’92)、『Shall we ダンス?』(’96)、『それでもボクはやってない』(’07)の3本が上映された。幕間には周防監督を始め、役所広司、草刈民代、竹中直人、田口浩正、徳井優、加瀬亮、瀬戸朝香という“周防組”に縁の深い豪華な顔ぶれが勢ぞろい。「まるで生前葬(笑)」と照れくさそうな周防監督を囲み、出演作の思い出や知られざる(?)監督の素顔を明かした。『Shall we ダンス?』に主演し「その後の人生が変わりました」と語る役所さんは、「だって海外に行っても、あの映画観たよって言われるし、本当パスポートみたいな作品ですよ」と感謝しきり。「小細工せず堂々とした映画作家。心から愛しています!」と賛辞を惜しまない。同作で女優デビューを飾った草刈さんは「当時はバレリーナでしたし、映像の仕事は私がやることじゃないと思っていた。でも監督からシナリオをいただき、ものすごい取材量に『この人なら信頼できる』と思った」とふり返る。映画は日本アカデミー賞の全部門制覇という快挙を成し遂げたが、それ以上に世間をアッと言わせたのが、周防監督と草刈さんの結婚だった。「男としての魅力?出会った当初は感じなかったですね」と草刈さんが明かす一方、周防監督は「特に口説いた覚えはなくて、一番大きいのは僕のカン違い(笑)。ひょんなことから毎晩電話で2時間くらい話すようになって『これは好意的に思われている!』と俄然その気になった」のだとか。ただ「結婚してから知ったんですが、草刈さんは誰とでも長電話する」そうで、やはりおふたりの結婚には、大いなる“カン違い”パワーが働いていたのかも?役所さん×草刈さん×周防監督が16年ぶりにタッグを組んだのが、終末医療をテーマにした『終の信託』。周防監督が「ユーモアが一切ない映画で、いままでと違う緊張感にあふれている。ただいままで通り、映画らしい映画になったのでぜひスクリーンで深く味わってほしい」と静かに自信をみなぎらせるヒューマンサスペンスだ。竹中さんは1989年公開の『ファンシイダンス』を始め、『シコふんじゃった。』、『Shall we ダンス?』に出演する周防組の“顔”とも言える俳優。それだけに「最新作に呼ばれなかったのが、納得いかない。次は絶対呼んでください!」とアピールにも熱がこもる。一方の周防監督は「テクニックとパワーを持った俳優さんだから、最初は僕の言うことなんて聞いてくれないと思っていた。ところが、実際には監督の意図をくみ取って演じてくれる俳優さんで、こんなありがたい人はいない」と大絶賛。「まあこの先、出番があるか分かりませんが…」(周防監督)、「そんな…。僕、泣いちゃう」(竹中)と丁丁発止のやり取りで、会場は爆笑に包まれた。『それでもボクはやってない』で周防組にフレッシュな風を送り込んだのが、加瀬さんと瀬戸さんだった。「僕は気が小さいので、監督の前では緊張してしまう。ところが周防監督はいつもニコニコしていて、初対面でホッとできた初めての監督だった。何より正直で誠実な方だと思う」(加瀬さん)、「何を聞いても、すぐに答えが返ってくるし、現場のチームワークもすごく良かった」(瀬戸さん)と2人にとっても、同作は新境地だったようだ。「死ぬまで精進して、いい作品をたくさん撮ってほしい。(映画の題材の)貯金はしているはずなので、ファンのみなさんにも末長く応援していただけるよう、よろしくお願いいたします」と“夫”周防正行監督に愛あふれる激励を贈る草刈さん。これに対し、周防監督は「やっぱり役者ってすごいと思う。常に僕のイメージを超えた演技を見せてくれ、とても感謝している」と語り、さらに「映画は何よりも、映画を観た人のもの。これからもみなさんの心の中に生きる映画を頑張って作っていきたい」と抱負を語っていた。『終の信託』は10月27日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開© 2012 フジテレビジョンアイ・エヌ・ピーそれでもボクはやってない 2007年1月20日よりシャンテシネほか全国にて公開© 2006 フジテレビジョンアルタミラピクチャーズ東宝
2012年10月09日北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』が10月6日(土)、キャリア最大規模となる全国225スクリーンでついに封切り!監督・脚本・編集を手がけ、“ビートたけし”名義で主演も果たした北野監督を始め、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、高橋克典、桐谷健太が東京・新宿バルト9で初日舞台挨拶を行った。北野監督にとっては初の続編映画で、舞台は関東最大の暴力団組織“山王会”の壮絶な下克上を描いた前作から5年後。今度はヤクザ壊滅を図る警察が動き出し、前作で獄中死したはずのヤクザ・大友(たけしさん)を東西抗争の“導火線”として差し向けるが…。第69回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、惜しくも賞は逃したものの現地では「北野監督の最高傑作」との賞賛を浴びた今秋話題のバイオレンス大作だ。ファンを前に「面白くないって言う奴は、後で殴ってやろうと思う(笑)」と“舌”好調の北野監督。ヤクザ映画でありながら、クスッと笑わせるシーンもあるが「別に笑わせるつもりはないけど、緊張する場面だとまるで悪魔のように笑いが忍び込んでくる。結果的に笑えるシーンでも、狙ってるわけじゃない」のだとか。前作に比べて「ストーリー的にもエンターテインメント色を強めた。暴力だけじゃなく、それなりにサスペンスの要素も盛り込んだし、今回は女性でも楽しめるんじゃないかな」と作品をアピールしていた。“全員悪人完結”というキャッチコピーが踊る本作だが、舞台挨拶でも「映画の中で誰が一番極悪か?」という話題に。西田さんは「一番悪いのは、そりゃ大友でよ」と断言。一方、三浦さん&加瀬さんは前作で組織の頂点に上り詰めながら、本作では「ろくでもない形でトップに立ったから、しっぺ返しを受ける」(三浦さん)設定で、「やっぱり一番悪いのは(マル暴刑事の)小日向さん」と口を揃える。そして北野監督が一番極悪だと名指ししたのは、なんと本作の製作を手がけるテレビ東京と配給会社のワーナー・ブラザース映画!「だってヤクザ映画の宣伝なのに、いっぱいバラエティみたいなことやらされてさあ。これじゃ全然宣伝になってないって(笑)。三浦さんにも頑張ってもらい、本当に申し訳ない」と不服そうな表情だが、そんな毒舌が飛び出すのも、作品に対する自信がみなぎっている証拠。寡黙なヒットマンを演じる高橋さんは「思いっきり銃を撃たせてもらったから『コノヤロー!』って叫ばなくても、無言で発散できた」と不敵な笑み。桐谷さんは「その場のノリで撮影することが多かった」と北野演出をふり返った。『アウトレイジビヨンド』は新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開中。■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年10月07日アジア最大級の映画の祭典、第17回釜山国際映画祭が4日(現地時間)、韓国・釜山市で開幕した。釜山市海雲台センタムシティに昨年、オープンした映画祭専用施設“映画の殿堂”で行われた開幕式には、アジアを代表するスターが続々と登場。現在、『王になった男』が韓国で大ヒット中のイ・ビョンホンを始め、オ・ジホ、ユ・ジテ&キム・ヒョジン夫妻、チソン、イ・ジェフン、ムン・グニョン、除隊したばかりのキム・ナムギル、「JYJ」のジェジュンら韓流スターに加え、オープニング作品に選ばれた香港の大作サスペンス映画『COLD WAR』(原題)の主演レオン・カーファイ、アーロン・クォックが、レッドカーペットを華やかに飾った。日本からは『るろうに剣心』の佐藤健、『ライク・サムワン・イン・ラブ』の加瀬亮と高梨臨、『かぞくのくに』の井浦新らが出席。大会場の外まで埋め尽くすファンからの歓声に、みな、顔をほころばせていた。特にレッドカーペット前に詰めかけたファンの熱狂ぶりはすさまじく、一時は警察と揉み合いになるほどの加熱ぶりだった。開幕式の司会は例年、韓国の人気俳優や監督が務めるが、今年は初めて『ラスト、コーション』、『レイトオータム』で知られる中国の女優タン・ウェイが、韓国を代表する名優アン・ソンギと共に大役を果たした。またセレモニーでは、「アジアン・フィルムメーカー・オブ・ジ・イヤー」に選ばれた、日本の若松孝二監督の表彰も行われ、さらにニューカレント部門審査員を務める、チョン・ウソンと日本からは女流監督・河瀬直美も出席した。13日までの期間中、チャン・ドンゴン、チャン・ツィイー、ソ・ジソブ、チョン・ジヒョンらアジアが誇る人気スターが続々と登場するほか、「東方神起」や「江南スタイル」が世界中でヒットしているPSYのイベントも予定されており、例年以上の盛り上がりとなりそうだ。第17回釜山国際映画祭は10月13日(現地時間)まで開催。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:王になった男 2013年2月、全国にて公開© 2012 CJ E&M Corporation, All Rights Reservedかぞくのくに 2012年8月4日より東京・テアトル新宿、大阪・テアトル梅田ほか全国にて公開© 2011 Star Sands, Inc.ライク・サムワン・イン・ラブ 2012年9月、渋谷・ユーロスペースにて公開るろうに剣心 2012年8月25日より全国にて公開© 和月伸宏/集英社© 2012「るろうに剣心」製作委員会第17回釜山国際映画祭 [映画祭] 2012年10月4日から10月13日まで韓国・釜山にて開催
2012年10月05日今回の加瀬亮は、とにかく“吠え”まくっている。目の前にいる彼から伝わる穏やかさや柔らかさを微塵も感じさせることなく、狂気と不安の瀬戸際で生きている。多くのファンを熱狂させた『アウトレイジ』から2年、北野武監督が満を持して贈る“全員悪人”の男たちのその後のストーリー『アウトレイジビヨンド』。裏切りの世界を生き残った男・石原として再び戻ってくることに「心配の方が先立った…」と認めるが、その胸の内は――?前作の抗争から5年。関東の頂点を極めた暴力団「山王会」では下剋上を果たした加藤(三浦友和)が会長の座を手にし、組長・大友(ビートたけし)を裏切り加藤の右腕としてNo.2の若頭に上り詰めた石原は、その地位と権力でもって古参幹部を牛耳るようになる。静かなる魂胆を潜めていた前作での石原からは一転して、今回は“動”的なふるまいが目立つ。続編自体、「いままで北野監督の作品で続編のあるものがなかったので、思いも寄らなかったです」と加瀬さん、戸惑いも当然隠せなかったようだ。「前作で、石原は間違って上り詰めてしまった感があったので、今回はきっと酷い目に遭うんだろうなという予感はありましたが、前回からさらにパワーアップするとしたら今回はどうしようかなという心配の方が先立ちました。最初に台本を読んだときは、前回とはかなり違ってびっくりしましたし、面白いと思ったのですが、すぐに“どうやって自分がやればいいのか”と不安に思いました。前回は、監督やスタッフさんが何とか自分にヤクザ役が似合うように色々と工夫をしてくださって、ああいう静かなキャラクターにしていただいたんですね。それでも自分の中ではやっぱりヤクザを演じることには心配があって。なのに今回はかなり直球に怒鳴ったりしていたので、これできるかな…という不安ばかりでした(笑)」。『アウトレイジ』から本作までの間には、ガス・ヴァン・サントの『永遠の僕たち』やアッバス・キアロスタミの『ライク・サムワン・イン・ラブ』など名だたる世界の巨匠たちとの競演を経てきたが、再び北野監督の現場で演じる心境もまた特別だったよう。「現場の雰囲気を知っていますし、映画の世界観も知っているという意味ではやりやすかったですが、やはりその間にいろいろな役を演じているので、改めて前作を観直しました。また一からという感じでしたね。北野監督は現場では静かな方で、俳優のことも知り尽くしているので、役者が嫌だと思うことが一切ないんです。何も仰らないんですけど、きっと細やかに気を遣われているんだろうなと感じました。だから僕たちが現場に入るときには既に場は完成していましたね。現場ではみんな監督と一緒に仕事ができることに喜びを感じているので、静かだけど非常に良い雰囲気です。北野監督も自分が出演していないシーンを見ているときは、すごく楽しそうで。僕は三浦さんと一緒のシーンがほとんどだったのですが、やっぱり三浦さんが一緒にいると安心しましたし(笑)、役柄のせいもあって監督と対峙してのシーンは本当に緊張しましたね」。そんな北野監督との今回の最初の顔合わせで言われたのは、「今回、一番かわいそうだな」とのこと。「監督も『酷いな、かわいそうだな』って笑っていて、撮影現場の人たちはみんなその酷さを笑ってる感じでした(笑)。スクリーンで見ると恐い印象だと思うんですけど、現場はその逆でした。自分も台本を見たときからこれは石原、かわいそうだなと思いました。まんまとハメられてしまいましたね(笑)」。ドスを効かせれば効かせるほど、威厳を守ろうとすればするほど、どこか滑稽に見えるのが“悪人”たち。今回の石原はその筆頭とも言える。「結局、石原は若頭の器じゃなかったというところに辿り着いて。今回は前作と違って加藤会長に忠誠を尽くしている。かわいいとまではいかなくても、一生懸命自分の役割を全うしようとしているんです。だけどその器じゃないから、キャンキャン吠えたり、大友が現われてからは後ろめたさも手伝って、より不安になっていくんです。もちろん悲劇なんですが、俯瞰してみると喜劇的な感じにも見えましたね。(中尾彬らが演じる)古参幹部を怒鳴りつけるシーンは、先輩方の目を見ないようにしていました(笑)。本当に畏れ多いというか、すごい先輩方なので、現場に入って挨拶をして、本番前はとにかく見ないようにしていました。みなさんも僕の芝居を受けてるときは笑っているか、“加瀬、頑張れ”と思ってくれているか、そういう感じだったと思います(笑)」。「自分が怒鳴っても怖さみたいなものからどんどん遠のいてしまうので、そういう役割だったのかなと思う」とは自らが演じる役に対する解釈。勝手を言うならば、いわゆるヤクザたるべき男臭い男との間にある“違和感”こそが、石原という男にリアリティをもたらしているのかもしれない。「この世界はいわゆる男性社会の縮図で、本音と建前が見てとれます。観ていただいく方にはもちろん笑ってもらいたいと思います。自分としては日常的に体育系のノリなども得意ではないので(笑)、やっぱりその中に入ってるだけで違和感がありますね。ただ僕自身はこの人は善い人、この人は悪い人というふうには分けて考えていなくて、その人の苦悩やコンプレックス、平たく言うと弱さみたいなところに、寄り添いたいなと思っています」。それにしても、今年のフィルモグラフィを見ると石原然り、『劇場版 SPEC~天~』の瀬文、『ライク・サムワン・イン・ラブ』のノリアキ然り、「キレる」役が目立つ。そろそろ落ち着いた純愛ラブストーリーなども見てみたいところですが…?「本当に俳優は物事を受ける側の仕事なので、次にどんな役がいいか、ということについてはにあんまり考えることはないんです。でも、たしかに怒鳴ったり怒ったりすることは予想以上に疲れるというか、エネルギーを使いますね。普段自分があまり怒鳴ったりしないからかもしれないですけど。逆に今回の『アウトレイジビヨンド』でもそうだったのですが、完成した作品で先輩たちの怒鳴り方を見て、課題として、自分ももっとちゃんと怒鳴れるようになりたいと思いましたね(笑)」。変化し続ける男、加瀬亮。そのエネルギーを次はどんな形でスクリーンにぶつけてくれるのか、楽しみで仕方がない。(photo:Toru Hiraiwa)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年10月04日10月に公開される北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』の本編映像の一部が公開され、三浦友和、加瀬亮、中尾彬、名高達男、菅田俊らが出演する緊迫感あふれるシーンが披露された。このほど公開されたのは、関東最大の暴力団組織・山王会の幹部たちが集まった場面。山王会は先代が亡くなった結果、加藤(三浦)が会長を、かつて大友組の金庫番だった石原(加瀬)が若頭を務めている。彼らは新体制になったことを機に勢力を拡大し、その力は今では政財界にまでおよんでいる。しかし、このほど公開された映像でわかる通り、外の組から来た石原が組織の二番手に就いたことで、古参の幹部たちは不満を感じており、その内部は決して一枚岩と呼べるものではない。また、構成員の中には先代の死と、加藤率いる新体制について“ある疑惑”を抱いている者もいるようだ。映画は、大きくなりすぎた山王会を壊滅させるために、警察組織が暗躍。切り札として服役していた元ヤクザの組長・大友(ビートたけし)を出所させ、さらには関西の最大勢力・花菱会をも巻き込もうとする。不満と疑惑と怨みと利権がギッシリとつまった“火薬庫”のような山王会は一体、どうなるのか? 登場人物全員が“悪人”の抗争劇の結末が気になるところだ。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月26日イランの世界的名匠アッバス・キアロスタミ監督が日本を舞台に日本人キャストを起用して製作した『ライク・サムワン・イン・ラブ』に出演する加瀬亮が、9月23日(日)に渋谷のユーロスペースで行われたトークショーに出席した。デートクラブを通じて亡き妻に似た若い女性・明子を家へと呼んだ、元大学教授のタカシ。彼女の婚約者だという青年が現れ、タカシを明子の祖父だと勘違いしたことから彼らの人生は思わぬ展開を見せることになる。撮影現場で演技をしている時点では、この映画がどのようなものになるのか?物語に込められた意味などということに関して「ほとんど凄さが分からなかった」という加瀬さん。「打ち上げのときに監督が予告編を見せてくれて、『どうやら現場で感じたのと違うものができているようだ』と驚いた」とのこと。さらにカンヌ国際映画祭の場で本編を観て、「かなり驚いた。奇妙なことに自分の中に(映画が)居ついてしまった」とふり返る。「たいていの作品は、自分が演じて監督の演出に応じることが仕事で、出来上がった映画を観て、反省して次へ行くというものなんですが…」とこれまでとは違った感覚に包まれたと明かす。これまでガス・ヴァン=サント監督など海外のフィルムメーカーを含め、数多くの現場を経験してきた加瀬さんだがキアロスタミ監督の演出に戸惑うこともあったよう。「3人での車のシーンでは、僕がタバコの火を借りて一旦、(画面から)外れるんですが、そこで監督が『あっちを見ろ!』、『こっちを見ろ!』って立ち上がって怒鳴り始めるんですよ(笑)。意味が分からず混乱しました。役者が計算して決めてきたことに対して、本当の整理を求めてくるんですよね」とその演出の意図を推察する。動きなどに対しかなり細かい決めごともあったそうで、カメラのフレームから一度外れて、再び戻ってくるというシーンでは「『1回(カメラから)外れたら、20回スクワットしてから出てこい』と指示されたこともあった」とか。「リハーサルで1回やってみると『お前の演技は見たくない!』って言われて、50回だか100回、スクワットをやっておけと言われたり。ジョークだと思って10回くらいやって止めたら、『まだ10回だぞ』と(苦笑)。役者って『こういう気持ちだ』とか『いい人、悪い人』って整理しちゃうものですが、実際はうつろいやすく曖昧ですよね。そういう自分ひとりでは作れないものを演出や偶然によって監督が作ってくれたのかな。計算や邪念を取り除いてくれたと思います」と語った。この日は、撮影後に本作の解釈や意味を巡って友人と交わしたというメールをわざわざプリントアウトして持参した加瀬さん。自身が10代のときに初めて観たというキアロスタミ作品の『桜桃の味』などを引き合いに、本作のテーマや唐突なラストシーンの意味などについて自らの考えを熱弁。俳優であると同時にシネフィル(映画狂)の一面をのぞかせた。『ライク・サムワン・イン・ラブ』はユーロスペースにて公開中。■関連作品:ライク・サムワン・イン・ラブ 2012年9月、渋谷・ユーロスペースにて公開
2012年09月24日北野武監督の最新作にして、初の続編映画となった『アウトレイジ ビヨンド』のジャパンプレミアが9月18日(火)、都内で開催された。監督・脚本・編集を手がけ、“ビートたけし”名義で主演も果たした北野監督を始め、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁という“豪華かつ極悪”なキャスト陣が勢ぞろいし、本編上映を前に駆けつけたファンをその悪人オーラで圧倒していた。関東最大の暴力団組織“山王会”の抗争を描いた前作から5年。熾烈な下克上に決着がついたが、今度はヤクザ壊滅を図る警察が動き始める。利用されたのは、前作で獄中死したはずの大友(たけしさん)。ついに関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争が再び動き始める。第69回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、惜しくも賞は逃したものの現地では「北野監督の最高傑作」との賞賛を浴びた今秋話題のバイオレンス大作だ。北野監督もヴェネチア入りし、現地での熱気に触れ「新しい時代のバイオレンス映画になった」と胸を張る。ズラリ勢ぞろいしたキャスト陣に目をやり「ここにいる全員が主役をできる役者さん。ギャラは相当かかりまして、うちの事務所としても大変。たくさんの人に観てもらえれば、赤字も解消できる」と笑いを交えながら、作品に対し絶対的な自信を示していた。総勢12人が居並ぶ中、やはり北野監督と西田さんの2ショットは迫力満点。西田さんにとっては、今回が“北野組”初参戦で「どうも“ハマちゃん”です」と挨拶も上機嫌。「念願だった北野監督の作品に出演できて、本当に嬉しい。楽しく面白い現場でした」とふり返り、「それに大声で怒鳴っているとスッキリしますね。おかげで血圧が正常に戻りました」と思わぬ“効用”も明かし、笑いを誘っていた。もちろん前作からの“生き残り組”も健在で「頂点を極めた男の末路を見届けてください」(三浦さん)、「今回、若頭に出世しましたが、どうやらその器じゃなかったようで、ひどめ目に遭いました…」(加瀬さん)と何やら怪しい雲行き。本作は『アウトレイジ』シリーズの完結編でもあるだけに、スクリーンに散る悪人たちの運命は、見逃し厳禁と言えるだろう。『アウトレイジ ビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年09月18日北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』のジャパンプレミアが18日に都内で開催され、北野監督をはじめ、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁という豪華“悪人”キャスト陣が一堂に会した。北野監督は「みなさん主役級だから、ギャラが相当かかりました。うち(事務所)としても大変」と愚痴をこぼしながらも、高倉健の『任侠』シリーズや深作欣二監督の『仁義なき戦い』など過去の名作群を引き合いに「新しい時代のバイオレンス映画になった」と自信満々でアピールした。その他の写真ヤクザ社会の壮絶なる下克上劇を描き大ヒットした2010年の『アウトレイジ』の続編がついに日本のファンにお披露目された。獄中死したはずの大友(たけし)が警察の思惑によって釈放され、関東VS関西の両巨頭がぶつかり合う抗争に身を投じる姿が、前作をビヨンド(超越)する極限のバイオレンスで描かれる。北野監督にとっては、16作目にして初の続編映画で、第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品された。惜しくも賞は逃したが「向こうではやたらウケましたね。(現地にある自身の)ファンクラブの会員とも酒を飲みながら『最高傑作』と評価してもらった。まあ、酒をおごったのはオレだけど(笑)」。コワモテ俳優がズラリ勢ぞろいする中、異彩を放つ西田は「念願だった北野監督の作品に出演できて本当に嬉しい。大声でどなってスッキリしましたし、おかげで血圧も正常に戻った」とユーモアを交え、本作への出演に喜びを表した。一方、前作からの“生き残り組”にも、今回はさらなる波乱が待ち構えており「頂点に上り詰めた男の末路をぜひ見てください」(三浦)、「出世して若頭になったんですが、どうもその器じゃなかったようで、ひどい目に遭いました」(加瀬)とファンの期待をあおっていた。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月18日イランの巨匠アッバス・キアロスタミが日本を舞台に製作した『ライク・サムワン・イン・ラブ』が9月15日(土)に公開を迎え、出演した奥野匡と高梨臨がユーロスペース(東京・渋谷)にて行われた舞台挨拶に登壇した。退職した元大学教授がデートクラブを通じて知り合った若い女性への恋心を静かに描き出す。奥野さんらはオーディションで出演が決まったが「台本がない撮影でその点は面食らいました。映画ってのは、監督次第で我々は監督に操られて映画ができてしまうものなんですね。演技なんてものをすると監督は嫌うので、何も教わらないでやったんですが、観てみたら映画になってるから不思議なものです」と巨匠の現場をふり返る。高梨さんは「私はふざけて『ヘタクソ!』って言われたり、いじめられました(苦笑)。そうやって緊張をほぐしてくれてたのかな」と撮影を思い起こす。キアロスタミの妥協のない演出が印象的だったようで「奥野さんは何回も階段を昇り降りさせられて、スタッフの方がヒヤヒヤしてました」と明かした。2人は監督、そして共演の加瀬亮と共に本年度のカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩いたが、奥野さんは「僕は主に舞台の人間だからカンヌは別世界のものだと思ってて、『行きたくない』って言ってたんです」と告白。さらに「人がいっぱいいて、道を歩いてても握手を求められたり、写真を求められたりしまして、これは日本に帰ったらどうなるんだろう?と思ってたらいつも通りでした」と語り笑いを誘っていた。高梨さんは「外国人のお客さんと一緒に映画を観る機会はあまりないですが、静かな映画なのにちょっとしたジョークで笑うので、新鮮な気持ちを味わいました。映画祭自体も初めて、海外の監督も初めてで、価値観が180度変わるいい経験をさせていただきました」と自身の中で掴んだ成長の手応えを口にした。本作は来月、韓国で開催となる釜山国際映画祭に出品されることになっており、奥野さんと高梨さんも渡韓する予定。年の離れた2人の男女の物語が韓国の観客にどのような反応で迎えられるか楽しみなところだ。『ライク・サムワン・イン・ラブ』はユーロスペースほか全国にて公開中。■関連作品:ライク・サムワン・イン・ラブ 2012年9月、渋谷・ユーロスペースにて公開
2012年09月15日イランの巨匠アッバス・キアロスタミが、日本人の俳優とスタッフを起用し、日本で撮影、日本語で撮り上げた映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』。3人のメインキャストのうちノリアキを演じた加瀬亮が、すべてを見抜くような巨匠の才能に驚いたというエピソードを明かすとともに、「初めて観るタイプの映画で、気に入っています」と完成作に自信を示した。その他の写真「最初に聞いた情報は、おじいさんと若い女性の恋愛映画ということだけでした(笑)」とイン前を回想する加瀬。フタを開ければ普通の恋愛譚ではなく、元大学教授のタカシ(奥野匡)、デートクラブでアルバイトをしている女子大生・明子(高梨臨)、そして明子の婚約者で自動車整備工のノリアキが繰り広げる、愛憎を超えた深い人間ドラマが横たわっていた。3人は一方的に愛を語り、真実と虚構を混ぜた会話を重ねていく中で、激しく運命の歯車が回り出す。「スケールの大きなストーリーではないけれど、自分が考えもしなかった場所に連れて行かれるような感覚で、作品を観て驚きました。現場にいた誰もが予想していなかったと思います」と加瀬も衝撃を受けたようだ。実は加瀬たちが、キアロスタミの才能を思い知ったエピソードが面白い。それは撮影途中で行われた打ち上げでのこと。「監督の国と撮影のやり方が全然違うので、現場がすごく大変で最後の方は疲労がピーク。その段階で打ち上げがあって、皆それどころじゃない感じで。監督が来たら一言くらい言ってやりたいみたいな雰囲気でした(笑)」とピリピリした緊迫ムードの中、現れた巨匠は本作の予告編を携えていたという。「それがあまりにも素敵で、皆でシーンとなりました(笑)。いったい自分たちは何を作っていたのか? って、目を合わせたほど完成度が高かった。初めて観るタイプの映画で、これは凄い作品になりそうだと、その時皆初めて分かった感じですね(笑)」。その予感は、撮影を終えて現実となった。「あまり自分の出ている作品をほめるのもアレですが、僕はすごく今回の映画を気に入っています。とにかくすごいものが出来たって感じです(笑)」と感激を隠さない加瀬。イラン人監督による日本人男女3人の、わずか1日にも満たないドラマ。それは見たくも見せたくもない恥部を突かれたような感覚にも似て、3人が辿る運命を我がごとのように追ってしまう。「そうですね(笑)。でも、どう言葉で説明していいのか、それで伝わるかは分からない作品だと思うので、とにかく観ていただいて僕たちと同じ気分を味わっていただけたらなと思います」。『ライク・サムワン・イン・ラブ』9月15日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー取材・文・写真:鴇田 崇
2012年09月14日10月に公開される北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』のTVスポット映像がこのほど公開された。お茶の間に流れるにはあまりにも“ギリギリ”な、男たちの怒号の応酬が続く壮絶な映像だ。『アウトレイジビヨンド』動画本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。このほど公開されたTVスポット映像は30秒の短い映像ながら、冒頭からビートたけし演じる大友が「誰がまたヤクザやるって言ったんだよ!」と鋭い目つきでスゴむ場面で幕を開け、そこからは最後の瞬間まで緊張感がキレることなく、登場人物たちがひたすらにキレまくる壮絶な内容だ。小日向文世演じる刑事が大声をあげれば、加瀬亮演じるエリートヤクザの石原が誰かを殴りつけ、たけし、西田敏行、塩見三省が一触即発のやり取りを展開する。『…ビヨンド』は前作以上に、様々な勢力が入り乱れ、最後の最後まで誰が裏切り、誰が生き残り、誰があっけなく死んでしまうのかわからない物語が待っているそうで、TVスポット映像も短い時間の中に予想外の展開が次々と巻き起こる内容に仕上がっている。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月06日北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』が、現地時間3日に行なわれた第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で上映され、来場した北野監督へ、観客が総立ちで拍手喝采した。その他の写真会見で北野監督は「日本のヤクザとの違いは看板がかけられているかどうかで、イタリアも日本もほとんど同じだと思う。警察とヤクザの関係は世界共通ではないか」と切り出し、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのはうれしいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した」とコメント。さらに「『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』」に関しては、自分が撮りたい映画というよりも、観客のことを考えて作った。けれども、お客さんの入らない映画を作る準備もしているよ」と話し、笑いを誘った。また記者から「震災で1年撮影が延期されましたが…」と質問されると、北野監督は「震災で確かに映画の撮影は1年のびた。震災後の1年間は、自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆、愛、支えとか、表面的なものばっかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と語った。同映画祭において、1997年に『HANA-BI』で最高賞の金獅子賞を、2003年に『座頭市』で監督賞にあたる銀獅子賞を受賞している北野監督とあって、レッドカーペットではあちらこちらで「TAKESHI!」と声があがり、北野監督は笑顔でサインや撮影に応えた。『アウトレイジ ビヨンド』は、前作『アウトレイジ』から5年後を舞台に、暴力団組織の抗争に警察が介入し巻き起こる死闘を描いた、究極のバイオレンス・エンターテインメント。ビートたけし、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、小日向文世に加え、本作には西田敏行、塩見三省、高橋克典のほか、桐谷健太、新井浩文ら豪華キャストが集結する。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月04日ときにクールであったり、ときに知的な雰囲気で女子たちの母性本能をくすぐる“メガネ男子”。シネマカフェのランキング企画「シネマカフェゴコロ ランキング5」では、「“メガネ男子”が似合う俳優」をテーマにアンケートを実施!気になる上位には、やはり知的なイメージの高学歴男子たちの名前が揃った。見事1位に輝いたのは、現在TBSドラマ「サマーレスキュー~天空の診療所~」を始め、数々の話題作に引っ張りだこの向井理。「インテリでメガネが似合う!」(20代・女性)や「ドラマ『ハチミツとクローバー』での真山役がすごくハマってたので」(30代・女性)といった女性からの高い人気で、2位を大きく離して堂々のトップに君臨した。明治大学農学部を卒業した秀才イケメンが、やはり女性のハートを鷲づかみにした様子。今後は中山美穂と年の差恋愛を演じる『新しい靴を買わなくちゃ』や、宮崎あおいと初めて夫婦役を演じる『きいろいゾウ』などの出演作が控えているが、当分メガネ男子として活躍する姿は見れそうにないのがメガネフェチとしては残念なところ?続く2位には、帰国子女であり高学歴俳優として注目を集めた水嶋ヒロがランクイン。その票全てが女子票と、映画界を遠のいて久しいものの根強いファンからの支持がうかがえる結果となった。あまりメガネ男子としてのイメージはないかと思いきや、「写真集やバラエティでメガネ姿を披露していますが、メチャメチャ素敵です」(30代・女性)、「普段使いのメガネの写真をツイッターで公表していました」(20代・女性)などという証言もあるようにアイウェアのコーディネートに惹かれたという女性も少なくないよう。さらに、「彼は実際にもメガネをかけているので、正真正銘メガネ男子です」(40代・女性)という情報まで、熱い声が多数寄せられた。3位には、最近「ARATA」から改名し再スタートを切った井浦新!物静かなイメージはそのままに、「クールな物腰とメガネが似合ってます。『ピンポン』のスマイル役は最高でした」(30代・女性)という声からも、役柄のメガネ男子率の高さで支持を得た模様。水嶋さん同様にファッション誌で見る井浦さんのメガネ着用率はさらに高く、「飄々としている感のあるところで、アイブローのメガネが非常に合う」(30代・女性)というフェチ心をくすぐられる女子が多数!そして、4位には藤木直人、5位には加瀬亮が滑り込んだ。役柄からのイメージが強いようで、藤木さんに至っては「ドラマ『三毛猫ホームズの推理』のヒロ兄役が可愛かった」(30代・女性)という声も。一方、加瀬さんは「映画『ハチミツとクローバー』はもちろん、『アウトレイジ』のインテリヤクザでのあのメガネ姿はかっこ良すぎます」(20代・女性)、「眼鏡がないときはそれほどでもないですが、『重力ピエロ』のときなどの眼鏡姿は目を離せないほどかっこいい!」と、メガネをかけることで女心を一気にくすぐる素質をもった純粋なメガネ男子と言えそう。こちらも高学歴インテリ系男子のおふたりだが、キャンパスライフでメガネ姿を披露していたら、さぞやステキだったことだろう。そのほかには、「メガネ姿は珍しいかなと思ったのですが、結構似合う」(30代・女性)と評判の『桐島、部活やめるってよ』の神木隆之介を始め、ハリウッドからは『ハリー・ポッター』シリーズで世界を代表する“メガネ男子”の一人となったダニエル・ラドクリフ、そして韓流系ではペ・ヨンジュンなどがランク入りを果たしている。こうして見ると、上位ランクの俳優陣の多くはアッサリ系“塩顔”タイプが多いようで、女性たちの好みの傾向が出た結果となったようにも。さて、あなたの理想の“メガネ男子”は誰?「“メガネ男子”が似合う俳優」ベスト51位:向井理2位:水嶋ヒロ3位:井浦新4位:藤木直人5位:加瀬亮次回の「シネマカフェゴコロランキング5」のテーマは「あなたが注目する“日本人若手俳優”は誰?」。こちらもぜひ、ご応募ください。「シネマカフェゴコロランキング5」■関連作品:桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社かぞくのくに 2012年8月4日より東京・テアトル新宿、大阪・テアトル梅田ほか全国にて公開© 2011 Star Sands, Inc.アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会新しい靴を買わなくちゃ 2012年10月6日より全国にて公開© 2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会
2012年08月27日10月に公開される北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』に出演した名高達男、光石研、田中哲司のインタビュー動画がこのほど公開された。インタビュー動画本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。北野監督が“本当に悪い”男たちばかりを登場させ、痛快なエンターテインメントを目指した本作。名高が演じるのは、関東を牛耳る暴力団・山王会で古参幹部ながら、新参者の石原(加瀬亮)に組織内で先を越され、不満を抱いている白山だ。そして、その白山の兄弟分、五味を演じるのが光石、山王会に所属しながら何を考えているのかわからない不気味な印象を持たれている男、舟木を演じるが田中だ。3人とも、演技派俳優として数々の映画、ドラマ、舞台で活躍し、繊細な会話劇から豪快な活劇までを縦横無尽にカバーしてきた名優だ。インタビュー動画では3人が自身の演じた役や、撮影秘話について語っている。本作は、暴力団に所属する悪い男たちを主役にしているが、その内容はエンターテインメントに徹しており、過剰なまでに悪い男たちを対決させることで出現するスゴみや、過剰であるがゆえに生じるギャップやユーモアを描いている。インタビューで名高が「奥行きが深い大人っぽい映画」と語る通り、本作は、アクションや怒号が飛び交う場面が多くありながら、それだけではない“深み”のある作品に仕上がっているようだ。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年08月24日長崎県を舞台に、認知症の母親とのおかしくも切ない日常を描いた岡野雄一による同名漫画を、長崎出身の巨匠・森﨑東監督が約9年ぶりの新作として映画化する『ペコロスの母に会いに行く』の製作発表記者会見が、8月23日(木)、舞台である長崎で行われた。森﨑監督を始め、主演の岩松了、原田貴和子、竹中直人、加瀬亮、そして原作者の岡野さんらが登壇し、撮影に向けての意気込みを語った。今年1月に自費出版され、5月に開設したFacebookの応援ページが開設から1か月あまりで5,000人を超える「いいね!」を集め、それがプロデューサーの井ノ原氏の目に留まったことから映画化が実現した本作。『男はつらいよ フーテンの寅』に代表される喜劇を数多く手がけてきたことで知られる森﨑監督が、自身の故郷である長崎県をロケ地にして映画化に挑む。今年で御年85の森﨑監督にとっては、前作『ニワトリはハダシだ』以来約9年ぶりの新作となるが、「監督なんてものはおらんでもいい。それでよか。まあこんな風にやってみたいと思います」と冒頭から気負わない挨拶で会場を和ませた。一方、ペコロス(小さな玉ねぎ)頭がトレードマークの主人公・岡野ゆういち役で映画初主演を務める岩松さんは、「主人公なんてやったことがないのでとても大変な出来事だと思っています。高校まで長崎にいたが、卒業してからはずっと東京にいる。今回原作を読んで、(東京に来て)自分が捨ててきたものが、すごく豊かに表現されているなと思った」とコメント。「森﨑監督のことは、加瀬さんから『とても怖い人、首根っこを掴まれることもあるかも』と教えられて、非常に緊張していますが、監督についていきたい」と巨匠との初めてのタッグに恐縮しきりだった。主人公の父・さとるを演じる加瀬さんは、『ニワトリはハダシだ』に続く森﨑監督とのタッグ。「森﨑監督の作品はデビュー作からいろいろ観ているが、いつもおかしくて笑わせながら何か心に立ち上ってくるものは温かいものがある。今回もあったかくて楽しいものになるよう精一杯努めます」意欲をのぞかせた。竹中さんは、若かりし日の森﨑監督との思い出が強烈な印象として残っているようで、「27歳でデビューした当時は仕事のたびにギャグで笑わせることをやっていた。森﨑監督の『ロケーション』(’84)に出演したときも同じようにやったら『余計な仕事をするな。お前のままでやれ』と怒られたのをよく覚えている」と思い出深いエピソードを披露。「みんなは長崎にロケに来たときは優しくしてね」と茶目っ気たっぷりに長崎県民にアピールした。『ペコロスの母に会いに行く』は9月4日(火)に長崎市内でクランクインし、翌年2月の「長崎ランタンフェスティバル」での撮影を経て、2013年夏に長崎で先行上映、秋に全国上映を予定している。■関連作品:ペコロスの母に会いに行く 2013年秋、全国にて公開
2012年08月24日8月29日(現地時間)に開幕する第69回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門への正式出品が決定した北野武監督最新作『アウトレイジ ビヨンド』。これに先駆けて、本作で強烈かつ衝撃的なバイオレンスを繰り広げる“全員悪人”の男たちの中から、めでたく山王会若頭に就任した石原役・加瀬亮のインタビュー映像が到着した。関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年。一度は決着がついたはずだったが、ヤクザ壊滅を図る警察が動き始め、“死んだはずの男”大友が利用される。騙し合いと裏切りの火種がまたもやくすぶり始め、関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争が繰り広げられる――。「前回はインテリヤクザということで、蛇のような静かでネチネチした役だと思ったんですが、今回は打って変わってずっと子犬のように吠えまくっているという感じですかね」と自らの役を分析する加瀬さん。元大友組の金庫番であったにも関わらず、将来の見えない大友を裏切り、加藤(三浦友和)と裏で手を組み若頭にまで上り詰めた男、石原。加藤の右腕になるということは、田中哲司、中尾彬、光石研ら錚々たる古参幹部メンバーの上に立つ役どころでもあるわけだが、そのことにプレッシャーは感じなかったのだろうか…?「カメラが回ってないときは全く逆の立場ですからね。そういう方たちに、カメラの前ですぐ上に立てって言われてもやっぱりそれはなかなか…(笑)」。前作では、“草食系男子”の代表的存在でもある加瀬さんのヤクザへの見事な変貌ぶりに誰もが驚かされたわけだが、本人が「吠えまくる」と表現するように、続編となる本作はさらに凄みが増している。「本音と建前の出し方っていうんですかね、悪い意味で“ああ大人だなぁ”って思いますが、ヤクザを演じる上で大事だと感じました」とヤクザを演じるコツを得た様子の加瀬さん。「今回もこれだけのメンバーが悪事をするっていうことで、かなり面白いと思うし、怖いところもあるし、笑えるところもある」とニヤリと語るその姿からは、本作への自信のほどが伺える。加瀬さん曰く「ひどいことばっかり起こるんですが、どこか爽快感がある映画」。気持ちいいほどに極悪非道な男たちの闘いが今回もまた、アドレナリンを高めてくれそうだ。『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年08月17日10月に公開される北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』に出演した加瀬亮のインタビュー動画がこのほど公開され、自身が演じた役や作品の魅力について語っている。加瀬亮の『アウトレイジ』インタビュー動画本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。本シリーズで加瀬が演じるのは、関東最大の暴力団・山王会の若頭、石原。かつては大友の下で金庫番をしていたが、大友を裏切って山王会の若頭になった男だ。前作公開時は、それまで穏やかな役どころの多かった加瀬がヤクザ役を演じることが大きな話題を呼んだが、インタビュー動画で加瀬は「(前作は)静かにネチネチした役だと思ったんですけど、今回はうって変わって、ずっと子犬のように吠えまくっているって感じ」と説明。その口調が穏やかなので、彼が早口で吠えまくる光景はすぐには想像できないが、劇中では加瀬演じる石原の“激しい怒り”が観られるようだ。インタビュー動画ではさらに本シリーズの魅力や、撮影現場でベテラン俳優たちを相手に若頭役を演じた際の裏話などをじっくりと語っている。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年08月17日第69回ベネチア映画祭への出品も決まっている北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』の予告編がこのほど完成し、怒号と銃弾が休みなく飛び交う緊迫感あふれる映像の一部が公開された。『アウトレイジ ビヨンド』予告編本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。このほど公開された予告は、刑務所内にいる大友が片岡刑事(小日向文世)に「お前、俺死んだってウワサ、流したろ?」と問いかける場面から始まるが、穏やかな映像はここまで。そこから先は男たちの鋭い眼光と怒鳴り声と銃声が飛び交う衝撃のシーンがほぼ休みなく続く。関東で勢力を拡大した暴力組織の山王会の若頭・石原(加瀬亮)がハイトーンに怒鳴り声を上げれば、西の雄・花菱会の若頭・西野(西田敏行)はドギつい関西弁で相手を一喝する。さらに悪人たちの怒りは言葉だけでなく銃弾になって画面を飛び交い、次々と男たちの血が流される。これまで数々の賞を受賞し、映画作家としての地位を確立してきた北野監督が、あえて“エンターテインメント”に徹した本シリーズ。約2分ほどの予告編を見るかぎり、『アウトレイジ ビヨンド』は前作を超え、北野映画史上最も娯楽性の高い作品になるようだ。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年08月03日“全員悪人”の男たちが吠える!北野武監督作『アウトレイジ』の続編『アウトレイジビヨンド』が2か月間の撮影を経てクランクアップ。先日公開されたベテラン勢のセリフ合戦の模様に続き、若手勢の狂気と怒号も収められた最新のメイキング映像が到着!さらに、ビートたけしや三浦友和、加瀬亮、本作より初参加となった新井浩文、桐谷健太に加え、光石研、名高達男、田中哲司ら新キャストも明らかとなった男たちの“ダークな相関図”が公開された。ヤクザの世界に生きる男たちの生き残りを賭けた裏切りと下剋上のドラマをバイオレンスあふれる描写で描ききる本作。前作から生き残った加藤(三浦友和)率いる関東最大の暴力団組織・山王会と関西最大の暴力団組織・花菱会による、暴力団撲滅を目論む警察を巻き込みながらの激しい抗争劇が描かれる。8月の本編完成に向けて現在、最終作業に入っているという本作。強面のオヤジたちが繰り広げる、血で血を洗うような戦いは前作での抗争をさらにパワーアップしているという。今回公開されたメイキング映像では、前作からの続投となる三浦さんと加瀬さん扮する山王会、西野(西田敏行)や城(高橋克典)が所属する花菱会との抗争シーンを軸に、木村(中野英雄)率いる新勢力のキレまくるシーンが目まぐるしく映し出される。ベテラン勢に負けず劣らず、新井さんや桐谷さんら新顔の“吠え”も迫力たっぷり!また、高級車で乗りつけ葬儀に参列するシーンは、ゾロゾロと寡黙に歩いているだけで緊迫感あふれる凄みを感じさせる。こちらの映像と合わせて明らかとなった、今回の“悪人”相関図。前作で死んだとされていたビートたけし扮する大友が三つ巴、いや“四つ巴”の争いにどう絡んでいくのか?また、血生臭いバトルは勢力間だけにあらず。内部での激しい裏切りのドラマも注目すべき見どころだが、この中にいる“裏切り者”は誰なのか?映画を観る前に、彼らの基本的な関係をぜひ抑えておいてほしい。『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より全国にて公開。※こちらの映像はYOU TUBEにてご覧いただけます。YOU TUBE■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年07月20日