今や子どもの生活で切っても切りはなせないゲーム。自分たちは親世代に「ゲームはダメ!」と頭ごなしに言われてきたかもしれませんが、今ではゲーマー世代が親に。楽しさを知っているだけに、子どもにどんなルールを作るべきか、頭を悩ませている親が続出しています。Q.お子さまのゲーム時間、どれくらい?1.30分未満 13.1%2.30分以上1時間未満 28.2%3.1時間以上1時間30分未満 23.1%4.1時間30分以上 25.4%5.ゲームをしない・その他 10.1%1回のゲーム時間について調査したところ、「30分以上1時間未満」「1時間以上1時間30分未満」「1時間30分以上」がほぼ同じ割合に。多くのママたちがゲームとの付き合い方について迷っているようです。■制限をしなければずっとやってしまう怖さ子どもにとっては中毒性のあるゲーム。親がルールや制限をもうけなければずっとやり続けてしまうのが現実です。「ほっておいたら何時間でもやっています。困っています。」(美付県 40代女性)「ゲームをするときの決まりはありますが、時間を見て声かけをしないと夢中になっているのでいつまでもやっているので難しいですね」(茨城県 40代女性)「外食に行くと家族で座っている中に子どもがゲームに夢中になっている姿をよく見かけます。ここまで持ってこなくでもよくない?と端から見て思うのですが。そのうち欲しがるのかと思うと、そのときが怖い気がします」(千葉県 40代女性) ■ルールは家庭でそれぞれ。時間以外の考え方も単純に時間で決めるというだけでなく、やるべきことが終わっていればOKという考えも。子どもとゲームのルールについて話し合ってみるのも効果的なようです。「うちでは小学生の子には宿題や支度がしっかり終わったら夕方5時までならOKとしています」(神奈川県 50代女性)「うちも暇さえあればしていました。でも、時間をお互いで決めてから守れないときには1週間没収しました。そうしたら最近では守れるようになってきました。一方的に決めるより、一緒にルールを決めるといいかもしれません」(大阪府 40代女性)「自分がゲーム世代なのでゲームの楽しさも知っているため、子どもに強くは言えません。メリハリがつくようにやらせてあげています。ガミガミ言うのは逆効果なので、やることをちゃんとやったらゲームもさせてあげています」(千葉県 30代女性)■IT関係者にはゲーマーが多い!?IT企業がこれだけ成長しており、小学校でのプログラミングの必修化も目前の今、ゲームを全くさせないというのも時代錯誤かも。将来役に立つこともあるのかもしれません。「IT関係にお勤めの友人が『周りの人はみんな小さいころからゲームしてばっかりだった人たち』という話を聞いてから少しゆるくなりました」(鳥取県 40代女性)Q.お子さまのゲーム時間、どれくらい?集計期間:2016.05.19〜2016.05.26アンケート回答数:11154件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年09月29日子どもの人気職業にユーチューバーが挙がる今、あなたは自分のお子さんの将来の夢を知っていますか? 子どもの夢を知ることは、親としてもうれしいこと。そのために今できることって何かなと一緒に考えるいい機会にもなりそうですね。Q.お子さまの将来の夢、聞いてる?1.定期的に話し合っている 25.3%2.機会があった時だけ話し合う 50.9%3.将来の夢は知っているが話し合わない 13.2%4.わからない・どちらとも言えない 8.6%5.その他 2.0%話し合っている親子が、76.2%と大多数を占める結果に。子どもの夢やなりたい職業を聞いてサポートしてあげたいというパパやママの気持ちが伺えます。■親として子どもの夢を聞くのは楽しい小さいころから夢の話を聞いていると、その変化に子ども成長を感じられることもあります。また、夢がずっと変わらなくてほほえましく感じたり、たとえ夢がなくても親子のいいコミュニケーションの時間になりそうです。「上の子は小さい時は保育士だったけど、今は美容師になりたいみたいで家で自分の髪をセットして楽しんでます!下の子は警察官になりたいと言ってます!大きくなるにつれてもしかしたら夢は変わるかもしれないど、親として子供の夢を応援してあげたいなって思います。」(神奈川県 30代女性)「のんびりした子なので、まだ具体的な目標はないみたいです。ただ、自然とか科学に興味を示すので、そういった方面の職業とか、学校とかをたまに教えてあげています。憧れの人はさかなクンだそうです」(神奈川県 40代女性) ■否定せずに応援するのが親の役目自分が子どものころ、親に夢を否定されたことがある人もいるのではないでしょうか? 「どんな夢であっても応援してサポートしたい」いまどきの親はそう思っているようです。「私は自分の親からなりたい夢を話す度に、あれはダメこれはダメと否定され続け育ち、結局夢がなくなってしまい、何もないまま主婦になってしまったので、子どもたちが描く将来は否定しないようにしています」(神奈川県 30代女性)「親がこうなってほしいという希望を押し付けるのではなく、子どもの人生ですからやりたいことができるようサポートするように努力しています」(愛知県 40代女性)■未来には今ない職業ができるかも?子どものなりたい職業にユーチューバーが挙がる時代。これから20年後、どんな職業があるのかは親にとってもわかりません。「息子とは、これからの時代は新たなニーズを見いだして、いっそ新しい職業を編み出すぐらいでないと生き残れないかもしれないと話し合っています。子どもには今後の時代がどのように変化しようと、それなりに対応できる力を身につけさせたいですね」(神奈川県 40代女性)Q.お子さまの将来の夢、聞いてる?集計期間:2016.04.28〜2016.05.05アンケート回答数:9762件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年09月21日子どもは、親が思っている以上に賢い存在。簡単には言うことを聞いてくれないし、かと思えば、期待以上の行動をすることも! そんな我が子に認められるには、ガミガミ怒ってもダメ、やさしすぎてもダメ…。子どもの心に響く、親の振る舞いについて考えてみましょう。■こんなママにはがっかり!? リアルエピソード誰よりも大好きで大切なママは、子どもにとっては絶対的な存在。ママ自身、我が子から愛されている自負はあるはず。とはいえ、子どもの目は節穴にあらず。ママだって、理不尽なことをすればおかしいと疑うし、ウソがあれば子どもはそっぽを向いてしまうことも。ママたちが子どもからの信頼を失ったと感じたエピソードを紹介します。「散歩の約束をしていたけれど、何だか面倒くさくなって昼寝をしていました。しかも、そのことを子どもに責められ、『行くなんて言ってない!』と逆ギレ。シラをきりとおす私に、子どもは呆れ顔でした…」(30代後半)「子どもの要求に対し、『あとで』『明日』『来週やろう』などと曖昧な返事を繰りかえしていた私。あるとき動物園に行こうと誘ったら、『どうせ行く気ないんでしょ』と言われてしまいました」(40代前半)幼いからといって、わからないと思ったら大まちがい。まっすぐな眼差しで相手のことをしっかりとらえています。また、子どもにたしなめられるケースもあるようです。「いつのまにか自分の名前を書けるようになっていた娘。その字があまりに不格好だったので、『もっと上手に書けるよう練習しようね』と言ったら、『どうしてまず、すごいねって言ってくれないの?』と言われ、反省しました」(30代前半)「生理でイライラ。どうでもいいことでギャーと怒ってしまい、ハッと我に返って子どもを見ると、納得のいっていない、冷めた目をしていました」(20代後半)失った信頼を取りもどすのは大変なこと。子どもに対しては誠心誠意、真剣に向きあうといいでしょう。 ■できることからはじめる! 目指せ理想のオトナ像利害や損得など一切関係ナシ。好きか嫌いか、快か不快か…。子どもの判断は、じつにシンプルです。本能で生きる子どもにとって、信頼できるオトナは、必要なものは欠かさず与えてくれて、望みや欲求を叶えてくれる人物かもしれません。とはいえ、欲しい物をなんでも買ってくれたり、何をされても叱ったりしない、単なる都合のいい人ではありません。自分のことを全力で守ってくれて、よろこびと安心感を授けてくれる人こそが理想なのです。そんなオトナになるために、日々気をつけたいことをまとめました。・発言に一貫性を持ち、ブレない・しかることはあっても、感情に任せて怒らない・ダメなことはダメと、はっきり教える・いいことはしっかりほめる・遊ぶときは一生懸命、真剣に付きあう・できない約束はしない・いつでもどこでも温かく見守るすべて完ぺきしようとすると、ママの負担になってしまいます。上記を心に留めておいて、イライラしたときなどに、思い返すといいでしょう。■いつでも子どもに寄りそって子どもが求めているもの、子どもにとって必要なものを与えてあげることが、信頼の基盤。でも、余計な押しつけは親のエゴにもなりかねないので、気をつけましょう。毎日子どもを観察していれば、何をしようとしているのか、何を欲しているのかはっきりと見えてくるもの。何はなくともそばにいて、子どもに目をかけること。それができれば子どもは、ママを心から頼り、伸び伸び安心して暮らすことができるでしょう。
2016年09月17日「発達障害を治したい!」という親の気持ち出典 : 私には、自閉症の子どもがいます。自分の子どもに発達障害の疑いを感じた当時、私は診断を受ける前にインターネットで様々な情報を収集しました。同じような障害のある子どもについての個人のブログや、療育団体のサイトをのぞいてみると、時々「〇〇療育で、自閉症が治った」という文句を見かけました。もしかすると、障害のある子どもを持つ親にとって、「子どもの障害を治したい!」と最初に思うことは、ごく自然なことなのかもしれません。しかし私は、この「治った」という言葉に違和感を抱いていました。「完璧な回復」は確かに難しいかもしれない。でも…出典 : 『わが子よ、声を聞かせて―自閉症と闘った母と子』という本をご存知でしょうか。著者の子どもが自閉症と診断された後、回復に向けての自身の奮闘を綴った物語です。しかしこの本の巻末のあとがきでは、「(自閉症が)完全に回復したとは残念ながら信じられない」と監修の医師が書いています。この点については、私もこの医師と同意見です。なぜなら発達障害というのは脳の機能障害であり、病気ではないからです。それでも当時、私がこの本に出会ったときは「自閉症の子どもでも、こんなに出来ることが増えるなんて!」と、物凄く感動したのです。自分の子どもにも、少しずつ「できること」が増えるかもしれないという希望を持つことができました。治そうとするのではなく、「できることを増やす」出典 : 発達障害を「治す」のは確かに難しいことかもしれません。でも、「今までできなかったことを、出来るようにする」ことは、発達障害の子どもでも可能なことだと思います。たとえば、適切な療育やそれに伴う子ども自身の成長によって、「自分で着替えられるようになった」「自分でトイレに入ることができた」「自分でお風呂に入り、体を洗うことができた」「友達と一緒に遊ぶことができるようになった」など、社会に適応するために必要なことを少しずつ身につけていくことはできると思います。障害がある私の娘は、最初は身の周りのことが何ひとつ自分ですることができず、服を着させたり、トイレに行かせたり、すべて私が助けていました。そのうち、娘は実際に私がやっていることをまねすることがとても上手なことが分かりました。そこで私は、娘の特性を生かして、言葉で指示するのではなく一緒にやっているところを見せながら、身の回りのことを教えるようにしました。すると娘はだんだん自分でできることが増えていきました。障害を無理やり「治そう」とするのではなく、子どもの障害やそれに伴う特性をきちんと理解して、子どもができることを増やす手助けをするのが、親としては大切なことなのではないかと思います。子どもの成長にちゃんと目を向けて出典 : 私たち親は、最初は「この子をなんとかしたい」と思うあまり、発達障害を「治す」ことを考えると思います。しかし、困っていることを「減らす」ことはできても、自閉症を含めた発達障害を「完治させる」ことは難しいと私は考えています。自閉症や発達障害を治そうとするのではなく、子どもの社会適応力を療育によって伸ばしたり、子どもの成長を見守ることが大切なのではないでしょうか。私も、娘の障害を知った当初は「みんなが言うように娘の障害が”個性”になるなんてありえるのだろうか?」と半信半疑でした。でも、実際に娘の成長を目の当たりにしている今は、診断名そのものが個性なのではなく、自分のペースで成長していく様子が娘本人の個性なのだと感じていますし、娘の将来の可能性を信じています。
2016年09月14日「親ラブ族」という言葉をご存知でしょうか。子どもは思春期を迎えると親を鬱陶しいと思い、距離を置くもの。しかし最近の親子関係はガラっと変わってきているらしい。株式会社オーネットが行った調査によると、20歳男女の約8割が「親を尊敬している」と回答。「母親を友達のように慕い、好んでショッピングや旅行に行く」という母親大好きな女性が増加していることからも分かるように、若い女性たちにとって「親が大好き!」という感情は当たり前になりつつあるようです。■「パパと一緒にお風呂に入る」恐るべし“親ラブ族”先日、知人のAさん(24歳)と食事をしているとき、信じられない言葉を耳にしました。「私、小さい頃からお父さんと仲がいいの。今でも一緒にお風呂に入るぐらい!」……えっ?!一瞬言葉を失いました。彼女は都内在住の実家暮らし。地方に単身赴任中の父親が帰ってきて入浴をしていると、「私も入っていい?」とお風呂場に押しかけ、父親の背中を洗ってあげるとのこと。「たまにしか会えないから、会話もしたいし。別に家族だから、裸をみられても恥ずかしくないよ」(Aさん)このAさんに関しては、少し特殊な事例かもしれませんが、これも親と仲良しな若者が増えているということの象徴なのかもしれません。しかし、上の世代と比べて「親が好き」というレベルがかなり高いので、自分たち世代の感覚で他世代に話をすると驚かれてしまうかもしれませんね。同調査によると、「親を尊敬している」と答えたゆとり世代は、75.4%。同様に「親は自分のことを理解している」70.8%、「親はあたたかいと感じる」80.2%となっています。最近の20代男女にとって、親はあたたかくて信頼できる存在であることが分かります。■親と仲良しはいいけれど……一方で「親がいないと生活できない」79.9%、「親からお小遣いをもらっている」59.0%、「就職しても親には甘えていたい」47.3%などと答える若者も。これは経済的・精神的両方の面から見ても、親から自立できていない若者が増えていると言っても過言ではない結果となりました。社会人3年目のOさん(25歳)は、「大学を卒業し、就職をしたら自立をするため一人暮らしをしようと考えていましたが、母親が『寂しい』というので、まだ一度も実家を出たことがありません。仕事が終わって疲れて帰っても、実家暮らしなら家事の負担がない分、ついつい甘えてしまいます」と話しています。離れたいけど、離れられない。そして離れて欲しくない。そんな共依存ともいえる関係の親子が増えているようにも思えます。そんな心地の良い関係から抜け出せずに、気が付けば四十路で未婚……なんてことにならなければいいのですが。■「親みたいになりたい!」は少数派?一方で、「両親のような夫婦になりたい」「両親をみて結婚はいいなと思う」と答えた20代は約4割。「親が好き」と答える若者が多いにもかかわらず、夫婦としての親には厳しい評価をしていることも読み取れます。しかし、これは「生涯ラブラブな夫婦」を思い描いている若者が多いという結果の裏返しなのかもしれません。また、「親の人生は生きがいのあるようにみえる」62.1%、「親のような大人になりたい」55.1%など、人生の先輩としての親に対してはいずれも低い数値に。この結果からは、「親と仲良くしておけばお金ももらえてラッキー!一人暮らしもしなくていいし“おいしいこと”がたくさんある(ラクができる)」そんな若者のずる賢い一面が垣間見えます。これも世代性なのかもしれませんね。
2016年09月07日最初は仲間と繋がりたくて参加した親の会出典 : 発達障害児の育児は、毎日が戦いです。1つ悩みが解決したと思うと、また新しい悩みが、思ってもみない方向から出現します。この戦いは、一体いつまで続くのか、成長と共になくなるのか、その先は全く見えません。そんな育児の中で、「毎日の辛さを、ちょっとでも愚痴れる仲間がいたら…」と考えるのは、ごく自然な流れだと思います。発達障害児の親が、自分たちだけで悩みや辛さを、抱え込んでしまわないようにと、地域にはたくさんの親の会が存在します。県全体を含む大きな組織もあれば、小学校の特別支援級の親同士が作る、緩い繋がりもあります。私も育児の愚痴を吐きたい、1人で考え込むのが辛い、そういった理由で親の会にアクセスしたことが、あります。ところが、当初の期待もむなしく、わずか半年足らずで退会してしまうことに。今回は、その経緯と大規模な「親の会」の持つ特質について書きたいと思います。大きな親の会ならではのメリット出典 : 私が入会したのは、県に住む発達障害児の親すべてを対象にした、親の会でした。親の会といっても、きちんとしたNPO団体です。ここを選んだ理由は、大きな組織の方が、いろいろな特性のお子さんを持つ、親御さんと話ができるだろう、という理由でした。確かに「お話し会」のようなものは、頻繁に開催されていて、県のあちこちから集まってきた会員の皆さんから、有意義な話をたくさん聞かせて頂くことができました。また専門家の講演会や、発達障害関連の映画上映会なども、月に1,2回のペースで開催していました。こうした大きなイベントは、どれも参考になるもので、滅多にお話しを伺うことのできないような、専門家の方のお話も、たくさん聞くことができました。イベントだけにとどまらない、大規模さは運営にも出典 : この大規模な会では、会員それぞれが役割を担って運営しています。広報、会計、ゲストの送迎、弁当の注文、場所の確保など、イベントを開催するとなると、ここには書ききれないほど沢山の、運営業務が発生します。何をするにも決めごとや議論となると、運営からメールが膨大に届きます。気付くと、私のメールボックスは運営からのメールで、びっしり埋めつくされていました。大きな組織は、それだけ運営にも人やエネルギーが必要だ、ということを私は後になって、知ったのです。どれだけメリットがあろうと、その場所が自分には合わない場合も出典 : メールを開くたび、本部からのメールがズラッと数10通も並ぶ日々。私は次第に、メールボックスを開くのが億劫になってきました。さらに、月1回行われる定例会のレジュメ作りや、勉強会の資料作り、年度終わりになると今度は総会の運営と、ちょっとした会社に勤めているかのような、仕事量が降りかかってきます。結局、会の運営業務が完全に、自分のキャパシティを超えてしまい、私は退会しました。今は、同じ発達障害児を持つ、仲良しのママさんたちと、少人数で緩く食事会を開催したりしています。私にはそのような形態のほうが合っていたようです。上手に使いわけたい親の会出典 : 大変だったことばかり書きましたが、大きな親の会では、仲間内のおしゃべりでは決して得られないような、専門的な情報を、得ることができます。これは、親の会の最大の強みだと思います。また、大きな組織では、加入者の年齢も様々です。小学校のママ友では、同年齢の子どもを持つ親たちが中心に、集まりますが、大きな組織では思春期の子どもや、成人した発達障害当事者の話を聞くことができます。航海図のない育児だからこそ、これはとても貴重なことだと思います。入会する前に親の会の特質をよく調査し、・自分が親の会に何を求めているのか?・組織運営のための活動は何があるのか・自分は運営活動にどこまで時間を割けるかを、まずはよく考えてみると良いかもしれません。
2016年09月03日授業参観で10年前は想像できなかった娘の成長を実感。出典 : 発達障害の娘は現在小学6年生。今年の授業参観日では、国語の授業で詩を創作し、発表していました。それを見た私は、「こんなことまでできるようになったのか」と感心しました。なぜなら10年前には、今の姿を想像することすらできなかったからです。娘の成長が気になったのは、2歳頃でした。言葉が出始めるのが遅く、コミュニケーションも、ほとんどとることができませんでした。多動もあり、いつも自分の好きに行動していました。その頃から療育にも通っていましたが、落ち着きなく自由奔放な行動を見て、果たして療育の効果はどれほどなのか?とよく不安になったのを覚えています。診断後、療育を家でも取り入れた。最初は上手くいかなかった出典 : 療育施設に通いだした頃、娘はなかなか着席ができず、座ってもすぐに立ち歩いていました。この頃ほぼ同時期に、ABAという行動分析を家庭に取り入れている、親の会に入りました。そこで受けたアドバイスは、子どもの楽しさや主体性をとても大事にしたものでした。私は、このアドバイスを参考に、親の指示通りに椅子に座る練習を、取り入れてみることに。しかし、これまで自分の好きに立ち歩いていた娘。急に「座って」と言っても座ってくれません。座ることが嫌にならないよう、好きな遊びの最中、機嫌の良いときにイスに座らせてみました。しかしすぐ立ち上がるため、娘の膝を少しだけ押さえるなどの補助を入れましたが、やはり立ってしまいます。それでも、遊びの合間の短い時間、「座って」「立って」の声掛けのタイミングと同時に、体を支える補助を何度も繰り返しました。最初はなかなかできませんでしたが、根気よく続けた結果、2ヶ月ほど経って徐々に指示を理解し、着席ができるようになってきました。しかし、座っていられる時間はまだまだ短いものでした。まずは「机に向かう練習」から、楽しんで取り組めるように出典 : 年長になり、小学校への就学を視野に入れた私は、長時間机に向かって座っていられることを、目標にしました。これは、長時間の着席が目標なので、着席している間に飽きて集中が途切れないよう、娘の好きなおもちゃやゲームなどを活用し、遊ぶことにしました。しかし、娘1人の遊びではすぐ飽きてしまうかもしれない。そこで、私も一緒に娘と遊ぶことにしました。着席の練習と同様、娘が機嫌の良いときに、15分程度から取組みました。また、学校での学習にも慣れるよう、興味の低い活動でも少しずつ練習しました。この時も、集中ができるだけ続くよう、合間に娘の好きなお絵描きの時間を挟むなど、していました。この方法は娘には合っていたようで、着席できる時間は、少しずつ増えていきました。小学生になり、集団参加も安心…と思いきや出典 : 指示や場面に応じて着席することや、長い時間座ることに慣れてきた娘。しかし、いざ就学すると、今度は別の問題が生じてきました。それは、みんなが手を挙げるのを見て、解からない問題でもつられて手を挙げてしまうことでした。そんなとき、娘の「聞く力」を伸ばしたのはフルーツバスケットだった出典 : この問題を療育の先生に相談したところ、「指示の聞き分けを、ゲーム感覚で練習してみましょう」とアドバイスをもらいました。さっそく家で練習です。フルーツバスケットの応用で、方法は簡単です。・家族4人(2人以上が良いです)で、それぞれ違う種類の果物を持ちます。・司会の人を決め、その人に「みかんを持ってる人~?」と聞いてもらい、実際に持ってる人だけが返事をして手を挙げます。・手に持つのは、子どもが理解していれば、果物でなくても構いません。参加人数が多ければ、何名かは同じ種類を持った方が、より実戦向きかもしれません。最初は、授業中と同様に戸惑いながらも、周囲と一緒に手を上げていた娘。間違えたときには「あれ?今はみかんだっけ?」など、司会が言った言葉を確認できるような声かけをすると、娘も自分で間違いに気付けるようでした。このゲームも、学習というよりは、ちょっとした息抜きの時間に、遊ぶ感覚で取組んでいました。このような時間を家族で楽しみながら、繰り返していくうちに、少しずつ指示の聞き分けができるようになっていきました。子どもが学ぶことを楽しめるように出典 : 学校で役に立ちそうな方法を例に挙げてみましたが、コツは楽しくゲーム感覚で練習することです。療育先などでアドバイスをもらうと、つい結果を求めてしまいがちだと思います。しかし、親の気持ちを優先し、子どもの「やりたい気持ち」を置いてきぼりにしては、学習そのものが、嫌な時間に変わるかもしれません。成長を待つことが、結果として子どもの主体性を伸ばし、学習意欲につながるのではないでしょうか?我が家では、楽しさの中でいつの間にか学校生活にも順応できるようになった。そのような関わりや取組みを、心がけています。
2016年08月24日娘が学校に行かなくなった出典 : 一見普通に学校に通っているように見える子ども。でも、人間関係がうまくいかない、いじめにあっている、授業についていけない、部活がつらい、進路に不安があるなど、隠れた悩みを持っているかもしれません。特に発達障害のある子どもは、特に心が繊細で学校という場に潜む問題にいち早く気づくようです。発達障害に理解のない先生から適切な支援を受けられず、つらい状態で頑張って学校に通う子どもも多いでしょう。アスペルガー症候群のある私の娘は、「どうしてみんなは先生の言うことを聞かないのか」、「どうしてケンカばかりするのか」、「なぜ先生はケンカや言うことを聞かない子を放置するのか」といった学校の問題に悩み、心を痛めていました。そして学校という場になじめなくなり、力尽きるように行けなくなってしまいました。今回は、不登校になってしまった娘と私の夏休みについてお話します。夏休みの終わりに娘が出したSOSサイン出典 : 私の娘は不登校になってから7年が経ちます。娘が学校に行かなくなったばかりのころは、「本当は怠けているだけなのではないか?」「頑張れば行けるようになるのではないか?」と考えていた時期がありました。夏休みの終わりごろは特に、「新学期になれば娘は学校に通うのではないか」と期待する自分がいました。今思うと、これは無意識のうちに娘へのプレッシャーになっていたでしょう。不登校の娘も、「新学期になったら行かなくちゃ」と親の期待に応えようと苦しんでいたと思います。学校へ行かない娘にとって、夏休みはやっと来た休暇であり、ホッとできる期間でした。でも2学期がいよいよ始まるという夏休みの終盤は、娘はとてもストレスを抱えていたようです。例えば娘は、・宿題をやっていない・気力がない、腹痛や頭痛がよく起こる、体調不良を訴える・夜に眠れず昼間に寝てしまい、昼夜逆転生活になる・身なりに構わなくなる・視線を合わせないといったSOSサインを出していました。夏休みが終わることにおびえていたのです。9月1日、子どもは追い詰められている娘がSOSを出していたにも関わらず、私は「また学校に行って欲しい」という期待をもとに娘に厳しく接してしまいました。すると娘はますます学校に行く気力を失い、心身ともにどんどん弱っていきました。実は、夏休みが終わった次の日の9月1日は、18歳以下の子どもの自殺が1年の中でも多い日になっています。Upload By ヨーコ夏休みが終わるころ、子どもたちはそれほどまでに追い詰められているのだと思います。私が参加している不登校の親の会でも、私と同じように子どもに厳しく接してしまい、子どもが不登校のままという方が大勢います。みなさん「あの時厳しく子どもを責めなければ良かった…」と言っています。SOSを出している子どもに厳しくしてしまうと、親子の信頼関係が崩れてしまうのだと痛感しました。子どものSOSサインに気づいたら、決して問いただしたりはしないで、さりげなく「困ったことがあったら話してくれてもいいんだよ」と伝え、注意深く見守ってあげてください。親に必要なのは、子どもを休ませる勇気出典 : 去年話題になったこの記事。覚えている方も多いかもしれません。「学校が死ぬほどつらい子は図書館へいらっしゃい」。夏休みが明けるころに子どもの自殺が増える傾向があることから、神奈川県鎌倉市立の図書館の公式ツイッターが26日、こうつぶやいた。共感を呼び、13時間で4万回以上もリツイートされている。私は、図書館だけでなく家庭こそ、「学校が死ぬほどつらい子」を受け止める場所でなければならないと思っています。でも子どもが「学校へ行かない」と言った時、親が怒ったり、責めたり、泣いたりしていたら子どもは家で心を休ませることができません。自分の子どもが学校に行かないことを認めるのは簡単なことではありません。そこには、「学校へ行かないと学力がつかない、社会生活ができなくなる、集団生活ができないと社会人として生きていけない。」という親自身の価値観があるのだと思います。そういった価値観は社会が親に押し付けているものでもあると私は思います。だからこそ、周囲や学校からの声に親もつらい思いをするのです。私も子どもの不登校を7年経験していますが、正直言ってまだこの「普通の価値観」を捨てきれていないと思います。だけど、心身ともに疲れ果てている子どもには、せめて家で休むことを認めてあげることが必要なのではないでしょうか?子どもの不登校を認めるのは大変なことですが、どうか子どもを休ませる勇気を持ってほしいと思うのです。エネルギーがたまると子どもは動き出す出典 : ストレスや恐怖から解放されて、再びエネルギーがたまるまでゆっくりと休むと子どもは変わります。娘も、学校へは行かないけれど長い間しなかった勉強を少しずつ始めました。今は進路も子どもによって様々です。学校に行かなくても仕事についている人はたくさんいるし、道は一つではないのです。生きていてくれてこその未来です。
2016年08月19日親が子どもの発達障害を受け入れられるようになるまで出典 : お子さんに発達障害があることが分かったとき、まず最初に「なんとかしたい」「どんなことをしてもいいから、普通の子にしたい」と考える親御さんも少なくないと思います。でもそんな親でも、専門家の先生から「子供に無理にストレスを与えてはいけません。逆効果です。」「子供のあらゆる行動は、子供の『こうしたい』という自己主張なので、子供の全てを受け入れて抱きしめて下さい」と言われると、当初の「普通の子にしたい」という思いから、「発達障害を何とかしようというのは間違っていた。子どものすべてを受け入れなければならないんだ」という気持ちにだんだんと変化していくようです。本当にお子さんの「障害を受け入れて」いますか?出典 : この気持ちの変化は、お子さんのありのままを受け入れて、お子さんに本当に必要な教育やトレーニング、支援方法は何なのかを考え得るために大切なことです。しかし、お子さんの「障害を受け入れる」ということの意味ををはき違えてしまっている保護者の方も多いように思われます。例えば、障害がない兄のことは厳しく育てていたのに、弟に発達障害があると分かった途端に何もしなくなり、なんでもその子の自由にさせているご両親がいました。その子が人の物を壊しても、「この子はこうしたかったんです。分かってください」といって、子どもに「謝る」というコミュニケーションをまったく教えようとしません。他にも、「この子は今まで大人しかったが、最近は癇癪がでてきた。これも立派に自己主張するようになったということ。成長を感じるよ。」と言っている保護者の方がいました。もちろんそういった場面でお子さんの成長を感じる場面はあると思います。でも、その方はあまり嬉しそうな顔をしていませんでした。これは本当にお子さんの「障害を受け入れている」と言えるのでしょうか。子どもの発達障害に向き合うということ出典 : 私は、「発達障害を何とかしよう」と考えることは、「障害を受け入れていない」ということにはならないと思います。むしろ、子どもに障害があることが分かった後「この子は障害があるから」と言って、その子が社会に適応するための支援や教育を何もしないことこそ、「障害を受け入れていない」ことになるのではないでしょうか。そういった親の教育の仕方は、問題を後回しにしているだけのように私は思います。私の娘は学校での勉強を習得するのに、他の子どもたちの何倍も時間がかかります。もしかすると、娘は他の子どもたちと同じように勉強ができるようになることは難しいかもしれません。でも私は、発達障害を理由に娘の成長を諦めたわけでは決してありません。私は娘に、勉強はほどほどにして家事を教えることにしています。娘には、洗濯物を干してもらったり、味噌汁を作らせたり、ご飯を炊いてもらったりしています。障害のある私の娘には、こういった社会に適応するための教育こそが必要なのです。確かに今はできなくても、成長とともに出来るようになることもあります。しかし、親が子どもの障害をきちんと受け入れられれば、子どもが将来自立して生きていくためには何を教えればよいのかが見えてくるのではないでしょうか。子どもが将来、社会の一員として生きていくために出典 : 障害のある子どもでも、将来は社会の一員として自立して暮らしていく必要があります。そしてそのように生きる権利もあります。そのため、障害があろうとなかろうと、社会で生きていくうえで最低限必要なスキルやマナーは身につけている必要があると思います。もしかすると、障害のある子どもとない子どもの育て方は違うと考えている人が多いのかもしれません。しかし、「その子の得意な部分を見つけて伸ばしてあげるようにすること」が親の役目だとするならば、基本的には変わらないと私は考えています。子どもにいろいろなことを経験させることで、その子のの得意不得意が分かると思います。その経験をさせるきっかけを与えたり、その後に子どもにとって適切な支援は何なのかを考えることが、本当に親がやらなければならないことではないでしょうか。どんな子どもでも、社会で生きていく1人の人間として育てる事に変わりはありません。子どもの障害を本当に受け入れられたのであれば、社会で生きるために必要なことを一つずつ教えていくのが、親の役目だと私は思っています。
2016年08月09日思春期の子どもが「病院に行こう」と言われたときの気持ちUpload By ヨーコ子どもに発達障害の疑いを感じたとき。知能検査を受けるために、私たち親は「一緒に病院へ行こう」とわが子に切り出さなければなりません。思春期の子どもは「病院に行こう」と言われたとき、どのように感じるのでしょうか。そう言われて断る子どもは、もしかしたら少ないかもしれません。「私はおかしいのかもしれない」「どうして友達と仲良くできないのだろう?」「断るのは親に申し訳ない…」など、子どももいろいろ考えているのでしょう。何も口にはしないかもしれませんが、病院に行く子どもの心の中は、大人が考えている以上に複雑です。実際に、私の子どもが抱えていた2つの不安をお話します。子どもは大人が思っている以上に、自分たちが「他の子とは何かが違う」ことに気づいています。今は何でもインターネットで調べることができます。娘は、「今の自分はどういう状態なんだろう」「他にも私のように悩んでいる子はいるのだろうか」と、日々検索していたようです。そのため娘は、「知能検査を受ける意図」も、だいたい理解していました。ですが、その大切さや意義、検査で分かることが今後の生活や人生にどのように生かせるのか等は、分かっていなかったようです。本来の知能検査は、ありのままの自分の得意・不得意を診断するものだと私は考えています。その結果をもとに、どうやって得意なところを伸ばし、不得意なところをカバーしていくかを周りの大人とともに考えるのです。娘ははネットの情報で、知能検査は「テスト」とイメージしていた様子で、知能検査の意義を理解しないまま、「できなかったらダメなんだ」「分からなかったらどうしよう」と不安に思ってしまったのです。たとえ大人でも、自分は発達障害なのかどうかについて病院で診断を求めたとき、いざその結果を見たらショックを受けるでしょう。それが思春期の子どもとなれば、なおさらショックは大きいはずです。子どもは発達障害についての知識もまだ断片的です。例えば、アスペルガー症候群は、正しい知識や情報が浸透しないまま、「アスペ」という言葉がひとり歩きしています。この言葉はネットスラングにもなっていて、空気を読めない人や要領の悪い人に対しての蔑称になってしまっています。私の子どもは、そんなふうに世の中で軽蔑されているアスペルガー症候群であると自分が診断されてしまったら、自分はこの先もずっと周りの家族や友達とうまく関われないんだと思い込んでしまったようです。私はぜひ、子どもたちに正しい発達障害の知識を持ってほしいと思い、ブログでメッセージを発信しています。あなたは何も悪くない。あなたの親も何も悪くない。これは脳の個性なのです。ただ今の社会で生きていくのには、しんどい個性を持っているというだけ。あなたの価値は何も変わりません。友達と比べて劣っているわけじゃありません。あなたの個性なだけです。子どもの不安をやわらげるために、周りの大人ができる2つのことUpload By ヨーコ子どもは正しい知識を得られないまま、誰にも相談できずに悩み苦しんでいます。大人がしっかりと情報を提供することで、子どもの不安を少しでも和らげることが必要です。私は病院に行って知能検査を受けることのメリットは、自分の特性を知ることができることだと思っています。検査を受けることで、自分は視覚・聴覚どちらから情報を受け取る方がわかりやすいのか、短期的な記憶はできるのか、空気を読むことが苦手なのかといった自分の取り扱い説明書を手に入れることができると私は考えています。それを自分の中でしっかり納得して、自分を知ること。これからどういう生き方をするのか、生活ではどんな工夫をすればいいのかを考える手がかりとすることが、一番の有効利用法だと思います。子どもたちが知能検査を「テスト」だと思ってしまうことは、年齢的にも当たり前のことです。そのため、テストを受ける不安は大人がくみ取ってあげなくてはいけないと思います。知能検査の結果がいきなり子どもに伝わることはないと思います。どうやって伝えるか、またいつ伝えるか悩んでいる保護者の方が多いのではないでしょうか。私の娘は、小学4年生のときにアスペルガー症候群と診断されました。でも、いろいろな人に相談した結果、まだ娘には伝えないことにしています。ただでさえ自尊感情が低くなっている娘に、アスペルガー症候群であることを伝えれば、娘はさらに自信をなくしてしまうと判断したからです。様子を見ながらタイミングを計り、主治医から告知してもらう計画を立てています。主治医の先生など周りの人に相談しながら、誰がいつ告知するかの計画を慎重に進めていくことをおすすめします。子どもの気持ちに寄り添うために出典 : 思春期は自分を作り上げていくための時期であり、子どもたちの心はより複雑で、傷つきやすくなっています。まだ正しい知識を身につけていない子どもが少しでも不安なく病院に行くためには、周りの大人たちのサポートが不可欠です。子どもは何も言わないかもしれませんが、本当の心の中は分からないことだらけ、不安でいっぱいです。子どもの気持ちをできるだけ理解して、寄り添いながら一緒に歩いていきましょう。
2016年08月05日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。今のわが国で子どもを公立の小中学校に通わせている親御さんであれば、子どもの同級生の友達の中にかなりの割合で“名字が変わる”子がいらっしゃるかと思います。ご推察の通り、両親の離婚を理由とする例が大多数です。しかし、今回のコラムはそのような“名字が変わることになってしまった反抗期の子どもたち”を問題視するような立場では一切ありません。両親が離婚してどちらか一方の親だけになった子が必ずしも情緒不安定になるわけではないのです。そうでなく、母親であれ父親であれ祖母であれ祖父であれ姉であれ兄であれ、「反抗期に家族の愛情を確認できた子 であれば、今は反抗していてもきっと大丈夫」という精神神経科的スタンスに立って、反抗期のお話をさせていただきたいと思います。●思春期に反抗することは「身近な大人に見捨てられないか」という不安の裏返し東京都千代田区で心療内科・精神科の『ベスリクリニック』を開院する田中伸明先生は長年にわたり、「小中学生時代の反抗期に親や家族がいかにあるべきか」というテーマをもって臨床研究をつづけておられます。田中先生のホームページによれば、小中学校時代の反抗期・思春期の子どもの“いわゆる反抗的問題行動”は、「親や身近な大人から見捨てられないか」という不安の裏返しだといいます。田中先生によると、『この時期の子どもは、自立したい気持ちと甘えたい気持ちの間で揺れ動いています。時には甘えたい気持ちが強くなり、親に依存するような言動をとることもあります。その際には、しっかり家族の愛情を確認させてあげることが重要です』とのこと。つまり、両親の離婚などで親が一人になったから問題行動に出るというわけではなく、家族の中に自分を愛してくれていると確信を持てる大人がいないときに問題行動をとる 。田中先生はそうおっしゃっているわけです。●5歳で両親に捨てられた風間トオルさんの例に見る「愛してくれる家族さえいれば大丈夫」ここで思い出されるのは、『ビンボー魂おばあちゃんが遺してくれた生き抜く力』の著書がある、俳優の風間トオルさんのことです。風間さんは筆者より3つだけ年下の同世代ですが、5歳のときに両親が離婚してまず母親が出て行き、そのうちに父親も出て行ってしまい、トタン屋根のアパートで僅かな年金収入があるだけの祖父母に育てられたという生い立ちの持ち主なのです。その経済状況は過酷であり、幼少年時代は食べるものが足りなくてカマキリの足をかじったり公園の草やタンポポを採って食べたとのこと。風間さんが小学生になると祖父は認知症を発症し、祖父が部屋の壁に排泄物を塗るたびに風間さんが水で洗い流したそうです。普通なら中学生くらいからグレて、不良になってしかるべきような生い立ちだと思うのですが、風間さんはおばあちゃんと、認知症を発症してしまう前のおじいちゃんから「愛されている」という確信を持っていたため、反社会的な道に進もうなどと思ったことは一度もなかったそうです。この例は、家族という身近な大人から愛されていることさえ確認できれば、子どもは極端に問題ある行動へは向かわないという田中伸明医師の説を裏付けているということができるでしょう。●離婚によって「一人親」になってしまったことが問題なのではなく、「愛してくれる家族の存在を確認できない」ことが問題筆者には中学1年生の男の子がいます。例にもれず反抗期・思春期の真っただ中で、母親に対しても、父親である筆者に対しても、時折とても反抗的な態度をとります。とくに筆者の息子は、結婚して家を出た姉が2歳の男の子(息子にとっての甥)を連れてよく遊びに来るため、小さな甥に対しては兄のように接しなければいけませんので、知らず知らずのうちにストレスもたまっているのだろうと思います。サザエさんの家におけるカツオくんがそうですよね。また、筆者が生まれ育った昭和の戦後期と違い、若者や子どもに対して厳しい今の日本社会で生きて行かなければならない息子に対しては、筆者も妻もついつい将来のことを案じてしまい、口うるさくなってしまう傾向があります。田中伸明医師は、そういった口うるささが愛情から発せられているものなのか、それとも子どもを疎ましく思う感情に由来するものなのか、子どもには敏感にわかってしまうといいます。田中先生によると、『この時に家族の愛情を確認することができないと、子どもは失望し問題行動をとるようになります。汚い言葉でののしる、部屋に閉じこもる、暴力をふるうといった反抗は、親からの愛情が十分でないと感じたときに出てくるのです』とのこと。これがたとえば親の離婚による一人親家庭であったとするならば、一人親であること自体が問題なのでは全くありません。自分を引き取って育てることになった大人の家族(母親にせよ父親にせよ)ないし、その新しいパートナー等から本当に愛されている と感じることができるかどうかが問題なのだということなのです。●理不尽な要求は毅然として遮断するが子どもの可能性を伸ばすためなら全面的に応援するあえて結論をまとめるのであれば、反抗期の子どもが無理な要求や主張をするのを認める必要はなく、話の内容は最後まで聞いたうえで毅然とした態度で要求を制する。しかし、いずれ子どもがひとり立ちし独立して行けるように子どもの可能性を発掘し、伸ばす手伝いになるのであれば全面的に応援する。そういうことに尽きるのではないでしょうか。そういうことは、長女が反抗期真っ最中であった15年も前に十分学習したはずなのに、人間は忘れる動物なんだなあと、つくづく感じる今日この頃です。【参考文献】・『ビンボー魂おばあちゃんが遺してくれた生き抜く力』風間トオル(著)【参考リンク】・ベスリクリニック()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年07月19日こんにちは。恋愛デトックスカウンセラーの下村さきです。今回は、こちらの質問に答えさせていただきます。「親が恋愛に干渉してきます。付き合って2年になる彼がいますが、母は彼のことが嫌いで、いちいち「出て行くのが早い」「帰りが遅い」「髪の毛乱れているけど何してきたの?」「どこに行くの?」などと言ってきます。こんな風にいろいろ言われていますが、私はもうアラサーです。交際や結婚は親が決めることではないですし、親は先に死ぬのに結婚を反対したりして、娘が天涯孤独になってしまうという将来の事は全く考えていないようです。母自身が彼をよく思わないから、反対しているのです。自分の子供が幸せになってくれることが親の幸せとよく聞きますが、うちの親は恋人が出来るたびよく思っていません。親がいなくなるまで独身なんて絶対嫌だし、親の決めた人生を歩くなんてまっぴらです。育ててもらった親でも子供の人生をむちゃくちゃにしていいなんて決まりはないと思うんです。同じ境遇の方がいたら相談に乗ってください。」大好きな彼との交際を親に反対される・・・結婚だって考えたい歳なのに、どうしたら良いのか悩んでしまいますよね。こんなときの対処法についてお答えします。■親にとって、子どもはいつまでも子どもまず、お母さまの気持ちを考えてみましょう。親にとって、子どもはいくつになっても子どもです。結婚適齢期といわれるアラサーになろうが、いつまでも自分の子どもで、守るべき存在として認識しています。ですから、相談者様の交際・結婚を反対するのは、相談者様のためになると考えて言っているのです。決して、幸せになるのを阻止しようとしているわけではありません。どの親も気持ちは同じ。ただ、「娘が決めたことを黙って見守る」ことが娘の幸せのためだと考えている親もいれば、相談者様のお母さまのように「親が娘の幸せを決める」ことが大事だと考える親もいる、というだけのことです。■まずは、理由を聞いてみてでも、お母さまの言うとおりに彼と別れるのは違いますよね。だからといって、お母さまの気持ちを無視して結婚しても、結婚後にモメる可能性が出てくるだけで、これも解決にはなりません。まずは、お母さまに反対する理由を聞いてみましょう。理由がわかったら、「彼と結婚しても、そんな失敗は起こらないよ」ということをお母さまに伝えるのが相談者様の仕事。それでもお母さまが不安がるようなら、3人で会う機会を設けてふたりの距離を近づけてみるのもひとつの手です。■反対する理由がない場合もある話し合いをしても、お母さまから反対している明確な理由が得られないこともあると思います。この場合、お母さまは相談者様と彼との交際そのものを反対しているわけではないのかもしれません。たとえば、自分の大切な娘が他の誰かにとられたような気持ちになってしまい、寂しさから交際を反対している可能性もあります。ですから、もし話し合いをしてみてもうまくいかなかったら、お母さまとふたりの時間をとることをオススメします。恋愛の話ではなく、小さい頃にしていたように、友達の話や趣味の話をしたり、ふたりでご飯に出かけてみたりしてはいかがでしょうか。親子の関係に満足すれば、自然と相談者様の恋愛も受け入れてくれるかもしれません。■おわりにいかがでしたか?親子でも、考えや価値観は違うもの。気を遣わずに話ができる分、お互いに言いたいことを言い合ってしまい話し合いが難しいこともあると思います。ですが、自分のためにも彼のためにも、一度お母さまと向き合って話をしてみてくださいね。(下村さき/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年07月11日ウーマンエキサイトが子どもを持つ親を対象に「子どもに将来進学させる場合、勧めたい大学はありますか?」という質問を388人にしたところ、38%が具体的な大学名を記載、残りの62%が「特にない」と回答しました。また、「お子さまに将来就いてもらいたい職業はありますか?」という質問に対しては、62%が具体的な職業名をあげたのに対し、38%が「特にない」「本人の希望に任せる」と回答しました。この結果から、親は子どもに進学させたい大学よりも、将来就いてほしい職業をあげている方が24%も多いことが分かりました。子どもの将来に安定した職業を望む親がほとんど実際に職業をあげた62%の人たちの回答を見てみると、「安定しているから」という理由で、公務員、教師、公認会計士、税理士などが多く上がりました。また、「手に職を付けてほしい」「テクノ失業にならないように、プログラマーになってほしい」「海外でも通用する通訳の仕事」など、将来子どもが困らない職業についてほしいという声も。そのほかにも「人の為になる仕事だから消防隊員や研究者になってほしい」「人の痛みや気持ちをわかてもらいたいので介護職に就いてほしい」という、いつまでも子どもの成長を願う親心が現れている回答も見られました。また、具体的な職業名をあげなかった38%の人たちは、「本人が決めることだから特にない」「自分の好きな職業ならばなんでもいい」「自らやりたいことを見つけてほしい」という意見が寄せられました。金銭的な理由から国立大を希望する声もまた、進学させたい大学名をあげた38%の回答には、就職に有利という理由から東京六大学の名前が多く、「国家資格が取れる大学ならばどこでもいい」「大学の名前や偏差値よりも就職活動をしっかり指導してくれる大学にしてほしい」など、ここでも就職先を気にしていることが分かりました。また、それとは別に「一人暮らしは金銭面的にさせられないから地元の大学にしてほしい」「学費が安いので国立大学にしてほしい」など、金銭面を考慮した理由から大学名をあげている意見も。不景気が続く今、「子どもには大変な思いをさせたくない」という親世代の思いが教育事情にも現れている結果となりました。
2016年07月04日子どもは不登校になると、1日中ダラダラしたり、無気力になったりします。親はそれを見て、勉強が遅れたらどうしよう、大人になって人間関係が築けなくなるのでは? と不安を抱くものです。しかし、頭ごなしに叱りつけたり、原因を追究したりするのは逆効果です。不登校の子どもへのNGな声かけとその理由、親としての心構えについて体験を交えてお伝えします。■不登校の子どもにかけてはいけない言葉不登校になった子どもは、ダラダラとゲームをしたり朝起きられなくなったりします。親は不安になってさまざまな本を読み、インターネットで調べて解決策について勉強します。そして、責めたり無理強いしたりしてはいけないことを知ります。子どもにかけてはいけない言葉の代表例は、学校へ行きなさいどうして起きられないの?勉強が遅れるわよゲームばかりしてわかってはいるものの、学校へ行ってほしいのが本心です。その結果、「無理して学校へ行かなくていいのよ」と言う一方で、「1ヶ月だけ休んで、来月から行ってみようか?」。「そのままでいいのよ」と言いながら、「勉強は遅れないほうがいいわよね」と矛盾したことを無意識に口にしてしまいます。子どもは親の気持ちを敏感に感じとります。そして、「本当は早く学校へ行かせたいんだな」と見透かします。■子どもは自信を失い、不安でいっぱい子どもも本当は学校へ行きたいと思ってはいるものの、同時に行きたくない気持ちもあって葛藤しています。自分の気持ちが分離してわからない状態です。そんな自分をふがいなく思い、自信をなくしています。勉強の遅れを心配し、「友だちからどう思われているのだろう」という不安もあります。「どうせ自分はダメな人間なんだ」「みんなが普通にできることが自分にはできない」と卑下する気持ちもあります。そんなところへ親が勉強の遅れを心配したり、登校をうながしたりしたら、「やっぱりお母さんは自分の気持ちなんてわかってない!」という反発心ややるせなさ、悲しさ、怒りがわいてくるのです。■親が考え方を変えれば子どもは前に進める私はあるときから、子どもは学校へ行かなくても大丈夫だと思うようになりました。私自身がフリーランスになってから、高校を卒業していなくても社長として成功している人や、フリーランスとして才能を生かして生活している人に何人もめぐり会ったからです。もちろん学校でしか経験できないこともありますが、大人になってからちがう形で経験できることもあります。学校には行ったほうがいいけれど、私が一番に願うのは、子どもが将来ひとりで働いて食べていけること、精神的に安定して成長することです。まず親が「この子は学校へ行かなくても大丈夫」と心から信じること。そうしなければ、子どもにも伝わりません。子どもは自分の不登校を認め、現状を受けいれることで「いま何をするべきか」が見えてきます。目標を「学校へ行く」ことから、生活を改善することや好きなことを伸ばすなど、自分ができることへ変えましょう。達成するたびに自信が積みかさなり、やがて大きな目標達成にもつながります。「学校へ行けない」ことにこだわるのではなく、親子でできることを探してゆっくり成長することが一番大切だと私は思っています。子どもの不登校に悩んでいる方も、あせらず、見守ってください。
2016年06月18日子どもが学校へ行かないと親は不安になるものです。つい、あれこれ聞きだそうとしたり、アドバイスしたり、なんとか登校させようとしてしまいます。しかし、親があせるほど子どもは殻に閉じこもり、口を閉ざしてしまうもの。私が実際に心療内科の先生からいただいたアドバイスをヒントに、不登校の子どもにどう寄りそい、コミュニケーションをとればいいのかをお話しします。■子どもは親にただ理解してもらいたい「学校で何か嫌なことがあるの?」「どうして学校へ行かないの?」子どもの気持ちが知りたくて、ついそんな質問をしてしまいがちです。しかし、子どもは「責められている」としか受けとれないようです。子どもが親に求めているのは、いまの自分を受けとめて理解してもらうこと。子どもは自分が学校へ行けないことへの罪悪感や不安感を抱いています。心療内科の先生によると、理由を詮索するより、まずは子どもを安心させてあげることが先決だそうです。■子どもの気持ちを理解する方法まずは、お母さんが笑顔になることです。子どもに安心してもらうのが先で、気持ちを理解するのは次の段階です。お母さんがニコニコしていれば、それだけで子どもの気持ちは安らぎます。いくら「大丈夫よ」と言っても、こわい顔をしていたら、子どもは「怒られている」と受けとめてしまいます。私は鏡を見て笑顔をつくってから子どもと接するようにしました。そして、理由を詮索するのをやめて、「学校に行きなさい」と言わないようにしました。家は安心できる場所で、自分の居場所がここにあると思ってもらうためです。■共有するということ次に、子どもと一緒にいる時間を増やして、たくさん会話をするようにしました。私は家で仕事をしていましたが、仕事中は一人で部屋にこもるため、なかなか子どもと話す時間を持てませんでした。夕方6時以降はいっさい仕事をせずに、必ずリビングかキッチンにいるようにしました。子どもと100%向きあい、話を聞くためです。共有スペースで子どもと同じテレビを見て、たわいない会話をして、子どもが話しやすい雰囲気づくりを心がけました。すると、テレビの話題だけでなく、少しずつ不安やグチなども話してくれるようになったのです。安心できる場所としての基盤をつくり、親に十分受けいれられていると感じる体験を重ねることで、「自分は親に理解してもらっている」という改善への糸口をつくることができました。安心感を与えること、時間を共有することが大事。心療内科の先生に言われたとき、「そんなことわかっている」と思いましたが、頭でわかっていても全然できていませんでした。お母さんが笑顔で接し、無条件で受けとめ、ささいなことでも共感することがとても大事です。インターネット上で友だちができたことを打ちあけてくれたとき、「それはよかったね」と肯定したひとことで、子どもの顔がうれしそうに輝いたことを覚えています。これからも、心療内科の先生の言葉を忘れずに、子どもに寄りそいたいと思います。
2016年06月17日あなたは自分の親のことをなんと呼んでいますか?「パパ・ママ」「お父さん・お母さん」など、家庭によって呼び方はさまざまですが、最近は親を呼び捨てや“ちゃん”付けで呼ぶ子どもが増えているようです。フジテレビの情報番組『バイキング』が若者200人を対象に行った調査では、全体の13%が「親を友達のように呼んでいる」と回答したとのこと。これを受けて、世間では「信頼が強い証」、「ありえない」などと賛否が巻き起こっています。実際にママたちはこの問題に対してどう思っているのでしょうか。今回は、子どもが親を「下の名前」で呼ぶことに対するママたちの声をご紹介いたします。●賛成派のママの意見『フランクな関係の方が子どもも親を信用してくれると思う。イジメとか恋とかの悩みを抱えずに言ってくれるし、親子の絆は深くなる 』(31歳ママ)『最近は虐待や子どもの家庭内暴力が問題になってるけど、友達みたいな親子関係ならそんなことにはならない。「親だから〜」とか「子どもだから〜」とか不必要な線引きが軋轢の原因になってると思う』(25歳ママ)近年は親が子どもと友達のように接する『友達親子』が増加していますが、その裏には“子どもと信頼関係を結びたい”という強い思いがあるようです。親があまりにも高圧的な態度をとっていると、子どもは心を閉ざしてしまいます。イジメで苦しんでいるのに「情けない」と感じて相談できない、痴漢などの犯罪に遭っても恥ずかしくて言えない、など親子の距離感によっては子どもに頼ってもらえないケースも少なくありません。しかし、何でも話せる“友達”のような親子関係なら、子どもも腹を割って話してくれるのかもしれませんね。子どもと信頼関係ができていれば、虐待などの家庭内トラブルが起きないという意見もありました。●反対派のママの意見『ありえない。あくまで親は親で子どもは子ども。適度に線引きしとかないと、いつか親を見下して言うことを聞かない子どもになるよ』(42歳ママ)『近頃は大人をナメている子どもが多いけど、絶対これの影響だと思う。親としての威厳は最低限守っておくべき 』(35歳ママ)親子関係と友人関係の線引きはしておくべき、という意見が多く見られました。『私自身、親を呼び捨てで呼んで仲良かったけど、頼りなくて本当に深刻なことは話せなかった』(19歳ママ)という意見もあり、あまりにもフレンドリーな関係になってしまうと、親の威厳がなくなってしまうようです。また、家庭は礼節を学ぶ最も身近な場所ですが、それをないがしろにしてしまうと、将来先生や上司に対して失礼な態度をとってしまうという危惧もあります。子どもが社会に出たときを考えると、やはりきちんと親子関係を保っておく方がいいのかもしれません。----------いかがでしたか?子どもが親を“下の名前”で呼ぶことを許すかどうかは、それぞれの家庭の自由ですが、現状では“許せない派”の方が多いようです。子育てに正解はありませんが、子どもとの正しい付き合い方について、自分なりの答えを持っておくようにしたいですね。●文章/パピマミ編集部
2016年06月01日【ママからのご相談】自分が幼いころは、親よりも同居している祖父母から生活のいろいろな知恵を教えてもらいましたが、核家族であるわが家ではそういうことも親である私たちが教えてあげなければなりません。食事のマナーもそのひとつ。 しっかり身につけてもらいたいと思っていますが、大人自身も不安な部分があるのも事実です。小さな子どもには、まずどんなことから教えたらいいでしょうか。●A. 基本的なテーブルマナーを身につけましょう。ご相談ありがとうございます。ライターのNANARUKAです。毎日の食事、そこで何気なく使っている道具や箸にはみんなで楽しく食事をするためのルールがあり、それを子どもに伝えていくのはそばにいる大人の役割です。しかし、一度で子どもにすべてを教え込むのは無理な話ですし、ご相談者様のように大人が不安を持っている場合も多くあると思います。そこで、数え切れないほどあるテーブルマナーの中から基本的な作法をまとめてみました。幼い子どもに伝えたい基本的な知識であり、親子で再確認したい事柄 です。大人も子どもも、毎日の作法を見直すきっかけにしてみてください。●お箸や器の正しい置き方を覚えましょうお箸は一番手前に、左に箸置きを置いて箸先を乗せます。その奥、左手前にご飯茶碗、右手前に汁椀を置き、手に持てる小さな器のおかずを左奥に、手に持たない大きな器のおかずを右奥に置きます。子どもが小さいうちは樹脂製やプラスチック製の食器を使うことも多いかもしれませんが、小さいうちだからこそお茶碗やお椀など日本の器の良さも体感させてあげたいものです。左利きの子の場合、箸は箸置きを右にして置き換えます。●小さな器は持って食べ、大きな器は置いたままご飯茶碗や汁物のお椀と同様に、そばやうどん、天ぷらのつけ汁、刺身の醤油などの器は手に持って食べます。一方、おかずが盛られた大きめのお皿、煮物や和えものの大鉢、天ぷらや刺身の盛られたお皿など、片手で持てない大きさや形の器は置いたまま食べます。大きな器にまとめて盛られたおかずは、取り皿を器に近づけ、取り箸を使って取ります 。子どもの場合、小さくても持てないと感じた器は、自分の前に置き直して食べればOK。食べたあとの器は元の位置に戻すように伝えましょう。招かれた先での食事や外食時に備え、取り箸に慣れておくことも大切です。●お箸を正しく持つポイントは“箸の長さ”“持つ位置”“箸先を合わせる”その人に合うお箸とは、親指と人差し指を直角に開いたときの指先の長さの1.5倍の長さのものと言われ、持つ位置は真ん中よりも少し上。お箸は間違った持ち方をしていると箸先を合わせることができず、小さなものをつまんだり、料理を一口大に切ったりすることができません。正しくお箸を持てば箸先がピッタリと合う ので、尾頭付きの焼き魚だってラクラクきれいに食べることができます。子どもに正しい箸の持ち方を教えると、大概最初は食べにくそうにしたり、難しくて諦めてしまったりするものですが、叱らず毎日根気強く声を掛けて慣れさせてあげましょう。●気付いたら声かけを。子どもがお箸でやってしまいがちなこと・渡し箸:食事の途中で食器に箸を渡して置くことは「もう結構です」の意味。食事の途中で箸を置くときは、箸置きの上に元のとおりに置きます。・たたき箸:子どもがお箸で食器を叩いていたら、たいていの大人は注意するはずですが、箸先を揃えようとして食器や食卓に先端を打ち付けることも同じく“たたき箸”となりマナー違反です。・刺し箸:お箸に慣れていない子がやってしまいがちなのが、食べ物をお箸で刺す“刺し箸”。滑りやすい食べ物はお箸で小さく切ってから、しっかりはさんで食べるように教えましょう。・握り箸(持ち箸):お箸を握ったまま器を持つこと。お箸を持った手で器を持つと、親指と人差し指の2本で持ち上げることになり不安定でしっかり持てません。器を持つときはお箸を置くようにしましょう。----------いかがでしたか?“カフェめし”や“ワンプレート”などのトレンドが一般家庭にも浸透しつつある昨今だからこそ、基本的な和食メニュー、一汁三菜の献立もより一層大切にしていきたいものです。その中で、食べ物を大事にする心、人に迷惑をかけない気持ちを親子でともに育んでいけたらいいですよね。【参考文献】・『テーブルマナーの絵本』高野紀子・著●ライター/NANARUKA(フリーライター)
2016年05月01日こんにちは。ママライターのamuです。子どものころ親にされて嫌だったはずなのに、ついわが子に同じことをしてしまっていることってありませんか?ガミガミ、決めつけ、お節介……。人は、欲求や価値観が対立したときに、お決まりの12の対応で相手の行動を変えようとしてしまいがちだそうです。だけど、それは抵抗や反発を生んでしまうとか……。普段してしまっていることが、逆効果だと知ることも、親子のより良い関係への近道なのかもしれません。以下に、宿題をしないときの12の対応パターンと、子どもがそのときどう思いがちかをまとめてみました。●子どもがやる気をなくす親のNG対応12パターン●(1)命令、指示「これの解き方はこうだよ、さっさとやってしまいなさい」親の私たちにとっては簡単に見えるので、このようについ口を出してしまいます。→子どもの気持ち:(もう、聞きたくない、何を言ってもムダ )●(2)脅迫、警告「宿題をしないと怒るよ!どんどん頭が悪くなるよ」「はい!5、4、3、2、1!!」昔コギャル語にあった、MK5(マジでキレる5秒前)ってやつですね。→子どもの気持ち:(こわい、押しつけてきて嫌だなぁ )●(3)説教、義務付け「宿題をするのは、みんながしてる当たり前のことでしょ?勉強することが仕事でしょ」一般論を振りかざすこと、よくあります。→子どもの気持ち:(うるさい! )●(4)提案、助言、忠告「もっと上手に時間を使えるように、帰ってきたらすぐ片付けるとか、きちんと計画を立てなさい」「ママもご飯を食べたらすぐ洗い物したら?」と言われたら困るなぁと思いつつ。→子どもの気持ち:(わかっているけど、できないんだよ 。イライラする)●(5)論理による説得「寝る時間まで、もう2時間しかないんだよ。お風呂に30分入っていたら残りはどれだけ?よく考えて」逆算や時間配分が苦手な子は多いようです。→子どもの気持ち:(そうだよな……。なんでできないんだろう…… )●(6)批判、非難「ノロノロしてるからでしょ!どうしてそんなに怠け者なの?どうして毎日のことなのにできないの?」なんで?どうして?は、ママがよく使うワード→子どもの気持ち:(できない自分はダメなんだ )●(7)悪口、侮辱、はずかしめる「全く成長しないのね、小さい子でもできることができなくて恥ずかしくないの?」兄弟と比べるパターンは、ママ友達からも反省点でよく聞きます。→子どもの気持ち:(こんなこともできない自分は嫌われている )●(8)解釈、分析「宿題をしない言い訳ばっかり考えているんでしょ?勉強が嫌いなの?塾に入れないとダメかしら……」こういう、親の本気の一人言って怖いですよね……。→子どもの気持ち:(勉強ができるいい子になってほしいんだろうな、変わってほしいんだろうな 、でもできない……)●(9)同情、なぐさめ、激励「宿題多いよね。難しいよね。でも、きっとやればできるよ。ファイト!」これは、優しくて一見よさそうに見えます。私にはできない……。→子どもの気持ち:(できないと決めつけられている )●(10)尋問(原因・動機・理由を探る)「どれだけ時間をかければできるの?すぐに取りかかれない理由はなに?」そんなこと言われても、面倒だってこと以外に理由はないんですよね……。→子どもの気持ち:(どうしてすぐに問い詰めるんだろう )●(11)賞賛、ご機嫌とり、同意「本当は頭がいいんだから。やればすぐ終わるよ」俺の何を知っているんだ!パターンフラグ。→子どもの気持ち:(そんなことないのにプレッシャー…… )●(12)ごまかし、皮肉「誰かさんは、今日は機嫌が悪いのかな~」俺のこと何ひとつわかってない!パターンフラグ。→子どもの気持ち:(もう少ししたらやるといっても、理解してもらえないだろうな )----------どれも、「いいよね、お母さんはやらなくていいんだから」という気持ちにさせてしまうのもわかる気がします。●子どものやる気を奪う“親の攻撃行動”3つそして、これら12の対応以外にも、3つの攻撃行動と呼ばれるものが、●(a)無視「どうせやらないんだから」と冷たい視線でほうっておく。何か頼まれても聞こえないふりをする、など。●(b)仕返し言うことを聞かないのに腹を立てて、ご飯を抜きにしたり、普段してあげていることをしない。宿題に使うものを捨てるふりをする、など。●(c)他で攻撃する、いやがらせ「全然言うこと聞かなくて、宿題もガミガミ言わないとできない」と友達や祖父母などに言いふらす。先生に相談して言ってもらう、など。----------これらをすると、相手の心は閉じてしまうそう。かと言って、自発的にはやらないし、何も言わなかったら永遠にやらない!というママの声が聞こえてきそうです。そこで、オススメしたいのが、まずわが子の反抗パターンを知ること 。命令すると腹が立って反抗する子、逆に優しくすると子ども扱いや馬鹿にされたと感じて反抗する子がいると思います。命令されると重い腰をあげる子と、励まされたら頑張れる子がいると思います。12のパターンをうまく使って、その子にあったアレンジをしながら発破をかけるのも、親の腕の見せどころなのかもしれません。【参考文献】・『親業―子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方』トマス・ゴードン(著)●ライター/amu(ママライター)
2016年04月23日■子どもをきちんと叱れない親が増えている最近、子どもをきちんと叱れない親が増えています。たとえば、危ない場所で、危ない遊びをして、ケガをしそうなとき。たとえば、ほかのお友だちをケガさせてしまいそうなとき。あるいは、幼稚園や保育園、小学校の職員室に、誰もいないときに、子どもがこっそり入ったとき…。このようなどう見ても「ダメ」なことを子どもがしているときでも、子どもに「ダメ!」と禁止することができない親が増えているのです。なぜ、このようなことが起きているのでしょうか。それは「子どもとの関係をこじらせたくない」と考える親が増えているからです。「ダメ!」「それをしてはいけません!」と厳しく禁止すると、子どもによっては、「どうして? いいじゃないか!」「だって、したいんだもん」などと反発して、親の言うことを聞きません。すると、親としては、ますます厳しく叱らざるを得なくなります。それに対して子どもは反発する…。こうやって、子どもの扱いがますます難しくなってしまうのをおそれます。そして、「友だち親子」のような仲良し関係でいられるために、子どもの行動を厳しく禁止することのできない親が増えているのです。■禁止すべきは子どもの「行動」また、子どもを厳しく叱ることの弊害を論じるメディアも増えています。たしかに、子どもに対して「おまえは、だめな子だね」「まったく、何度言ってもわからないんだから」「バカなんじゃないの」などと親から否定的な発言をされ続けると、「そうか、ぼくはダメな子なんだ」と、自己否定感を募らせていく子どももいます。そして「どうせぼくは、何をやっても、無駄なんだ…」と、意欲を失ってしまう子どももいます。電車などで、子どもをヒステリックなまでに、大声できびしく叱り飛ばす親の姿を見ることもあります。「ほんと、あんたはどうしてまたそんなことするの!バッカじゃないのぉ!」と、大声で怒鳴るのです。これは叱っているというよりも、「プチ虐待」と言ってもいいと思います。子どもの心に傷がつき、前向きに生きる意欲を失います。その結果、大事なときにも頑張ることのできない子どもになってしまうのです。では、子どもに「ダメ!」と言ってはダメなのでしょうか。私の答えは、ノーです。つまり、子どもが禁止すべき行動をとったときに、親は「ダメ!」と言って、行動を押さえるべきなのです。これをしないと、自分をコントロールできない子どもになってしまいます。重要なのは、「行動の禁止」と「人格の禁止」を区別することです。「人格の禁止」は×です。「あなたは、まったくダメな子ね!もう!」などと厳しく叱り続けると、子どもの中に「ぼくはどうせダメな子なんだ」と、自己否定感を募らせ、生きる意欲を奪ってしまいます。一方、「行動の禁止」は〇です。してはいけない行動を抑制するしつけは重要です。このとき、大切なポイントは、「人格を否定された」と子どもが感じないように、穏やかに、説明的に「なぜ、〇〇をしてはだめなのか」を理性的に子どもに、それがダメな理由が理解できるように、説明しながら、語りかけることです。「だめでしょ、それは! あんたはまったくもう!」などと、大声で怒鳴りながら叱っていると、親の側は「行動の禁止」をしているつもりでも、子どもの側からすると「人格を否定された」と感じて、生きる意欲を奪うことになってしまうのです。■いい子育て=手間ひまかけた子育てここまで、読まれて「なんだか。たいへんだな」「説明するって大変なんだよな。面倒くさい」と思った方もいることと思います。そうです。いい子育てには「手間ひまかける」ことがいちばん大切なのです。子どもと「友だち親子」になって、ダメなことも「ダメ」と言わない子育ては省エネ子育て。逆に、いつも「あんたはダメな子ね!」と感情的に怒鳴り続けるのも、省エネ子育て。一見、真逆でも、どちらも「手抜きの子育て」なのです。子どもに、なぜそれがダメなのかをわかるように、ていねいに説明するのは、かなり骨の折れる作業です。時間もエネルギーもかかります。しかも、「人格の否定」と伝わらないように、穏やかに、かつ、真剣に、話してわかってもらう必要があります。もう一度言います。よい子育ては「手間ひまかけた子育て」です。
2016年04月06日親は子に、「自立した大人になって、社会に貢献してほしい」と願うもの。でも、毎日子どもと接するなかで、知らず知らずのうちに子どもの芽を摘み取ってしまっているとしたら?子どもたちに向けて、生きる力をはぐくむキャリア教育を提供している「NPO法人キーパーソン21」代表理事、朝山あつこさんに話を聞きました。キャリア教育とは、わくわくできる生き方を応援すること3人の男の子を育てた朝山さんにキーパーソン21を立ちあげた経緯を聞きました。「長男が通う中学校で学級崩壊が起こりました。子どもたちが無気力だったり暴れたりする様子を見て、子どもたちがわくわくと主体的に生きていくには、どうしたらいいだろう?と考えました。日本中の子どもたちと社会のために、学校教育とは違う方法で子どもたちにアプローチしようと決意し、2000年にキーパーソン21を立ちあげました。キーパーソン21では、自分の好きなもの・大切なものが世の中の仕事とつながっていることに気づかせ、子どもたちの主体性を引き出す<夢!自分!発見プログラム!>を開発。学校や教育施設で、35000人近くの子どもたちに向き合い、好きなことを職業意識に結びつけ、自信を持たせる活動をしてきました。キーパーソン21が掲げるキャリア教育の理念は、大切なのは、なりたい職業を探すことだけではないということ。キャリア教育というと、大人はすぐに、将来よい職業につくための教育という発想になりますが、それだけではなく、子どもが何が好きなのか、どう生きたいのか、何なら一生懸命がんばれるのかを見つける応援をすることです。自分は、どんなことにわくわくできるのかという本質がわかれば、特定の職業につくことだけに縛られず、より広い意味での自分の夢や生き方を発見できます」「○○が好き」の裏に潜む子どもの本質を見極めよう朝山さんは親があることを心がけるだけで、日常生活のなかで、子どもの”好き”の本質を見極めることができると言います。そのあることとは、子どもが何かに夢中になっているときに、なぜ”○○が好き”なのかをひも解くこと。「たとえば、子どもが野球が好きという場合、大人が安易に言いがちなのが『野球選手になればいいね!』という一言。でも、野球選手になれる人はほんのわずかです。子どもたちは、野球選手にはなれないと知った時点で、挫折感を味わうだけ。ここで、なぜ野球が好きなのか?に着眼することができれば、可能性がぐっと広がります。実は”好き”の理由はさまざま。”好き”のキーワードは、<野球>という名詞かもしれませんし、<チームで>という形容動詞かもしれないし、<上達を感じる>という動詞かもしれません。つまり同じ野球でも、A君は<作戦や戦略を立てることが好き>、B君は<チームのために役立つことが好き>、C君は<素振りなどで日々の上達を感じることが好き>ということかもしれません。親がそれを感じることができれば、たとえばA君には家族旅行の計画を考える機会をあげる、B君にはお手伝いをしてもらう、C君には毎日の上達がわかるグラフを作ってあげるなど、わくわくする機会を与えて、自信をつけてあげればいいのです。自分はチームプレーが好きだと気づき自信がついた子は、将来職業を選択する際に、チームでプロジェクトを作っていくような職業を幅広く視野に入れることができます。親が、子どもの”○○が好き”に潜む理由をキャッチする力を備えているか、広い可能性を感じてあげられるか、それが子どもを伸ばせるかを左右するのです」多様な仕事や生き方があることを伝えよう「さらに親ができることとして、子どもが小さいうちから、多様な価値観や生き方、仕事があることを伝えることです。たとえば上の例では、3人に共通するキーワードとして野球があります。野球が好きな子には、選手になる以外にも野球に関わる仕事はたくさんあるという可能性を示してあげることで、子どもたち一人ひとりが自分なりの夢を持つことができます。キーパーソン21でも、<夢!自分!発見プログラム!>の一貫として、さまざまな仕事で活躍する大人が、自分の人生や仕事について語る、<おもしろい仕事人がやってくる!>というプログラムを提供しています。子どもたちからは『今をがんばることで、未来につながっていくことがわかった』『大人になるのもおもしろいかなと思った』などの感想が寄せられています」子どもは親とは別の人間。親も自立する準備を最後に、朝山さんからママ達にメッセージをいただきました。「子どもはいつか親から自立し、言う通りにはならなくなるものです。親は小さいうちからそのことを覚悟し、子どもは自分とは違う人間なのだと意識しておくことが必要です。子どもが自立する時期は、親が第二の人生を考える時期とも重なりますが、くれぐれも子どもを追いかけることがないように(笑)。子どもの自立が怖いのであれば、その気持ちを認め、どうして怖いのか考えてみること。すると、子どもを自分とは違う一人の人間として見ていなかったということに気づくと思います。子どもの自立はさみしい面もありますが、一人の人間として成長した子どもが、どんな考えを持ち、どんな仕事をする大人になるのか、幼い頃とは違う楽しみがあります。今はお子さんを信じて、幸せな時間を存分に楽しんでほしいと思います。どんな子にも、わくわくする未来があるのですから」朝山さんの話を聞いていて、じんわり心に響くものがありました。子どもの職業選択に関して、親は勝手な夢を描きがちですが、子どもがわくわくする人生を選ぶ姿を、わくわくと見守れる親になりたいですね。取材協力:認定NPO法人キーパーソン21<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年03月31日【ママからのご相談】最近、子どもがたくさん喋れるようになり、会話らしいものもできるようになってきました。しかし、忙しくて十分にコミュニケーションを取れている自信がありません。話しかけられても「後でね!」と、 つい後回しにしてしまうことも多いです。本当はちゃんと関わってあげるべきと思っているのですが、難しく、悩んでいます。●A. 「関わりたい気持ちがある」としっかり伝わる姿勢を心がけましょう!こんにちは、ライターの佐原チハルです。“会話”って、きちんとしようと思うと難しいのですよね。特に言葉を覚えたてのお子さんが相手の場合、“仕事や家事をしながら話す”というのが難しいことも多いです。時間と意識を常に100%お子さんに向けていることは、残念ながら不可能です。しかし、ポイントがあって、やはりお子さんからの呼びかけに“応答”すること は、心理的な発達のためにも大切なことのようなのです。●“応答”ってなに?“応答”とは、発信を“受け止めて”、“反応を返す”ことだそうです。『小児精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK』によると、“応答”には“返事をする”などの言葉によるもの以外にも、“笑みを返す”“気持ちを応援する”“看病する”など、さまざまなものが当てはまるとされています。また、応答は“子どもの合図を目にする”“合図を正確に読み取る”“(すぐに一貫した効果的な方法で)子どもの抱える必要性を満たす”という3つのステップで考えられているそうです。子どものニーズに対し“応答”することで、子どもは保護者とのあいだに“基本的信頼感”を持つことができ、“自己肯定感(自尊感情)”を育てることができるようになる とされています。●特に気づいてあげたい“子どものサイン”とは子どもからの発信の中には、特に“応答”すべきものがあり、その代表的なものが「甘えたい」「自立したい」「話したい」気持ちだそうです。「甘えたい気持ち」は、不安を解消したいという気持ちと共通していることがあります。そのようなサインを見せてきたときに、声をかけたり、スキンシップを返したりすることで、子どもは親への信頼を深められる そうです。「自立したい気持ち」を守ってあげることで、子どもはやがて“成功体験”をつかむことができるようになります。この“成功体験”は、子どもの自信・自己肯定感につながります。「話したい気持ち」に応えるときにも注意が必要です。気のないそぶりで相づちを返すだけだったり、親が言葉を奪ってしまったり(一方的に話したり、決めつけたり、押し付けたり)するようでは、子どものニーズは満たせません。子ども自身が「自分の気持ちを伝えられた」と実感できることが大切なのだそうです。●機会確保が難しいときも、子どもの気持ちを守る努力を!忙しい中では、たとえ上述の3つのサインに絞ったとしても、完全に“応答”することは難しいことかと思います。いつも“しっかりとした時間をかけられる”環境にあるという人は、ほとんどいないことでしょう。そんなときは、「あなたの気持ちに応えたい気持ちはちゃんとある」「ないがしろにしたいわけではない」と、言葉と態度の両方 で、できる限り伝えるようにすることが大切です。「あなたを大切にしている」という保護者からの気持ちは、子どもにとってはとても重要なものです。忙しい中でも、子どもがそれらを疑いなく感じられるようにしていたいですね。【参考文献】・『児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK』白尾直子・著●ライター/佐原チハル(フリーライター)
2016年03月23日その昔は意味がわからなかったけれど、親になってからあらためて観てみると評価が変わり、おもしろく感じる映画というのは意外とたくさんあります。今回は「子どもとは?」「親とは?」など、家族について考えるきっかけになりそうなオススメの3作品をご紹介します。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』2000年に製作されたデンマーク映画。主演は個性派アーティストとして有名なビョーク(・グズムンズドッティル)。ビョークが演じる、先天性の病気により視力を失いつつある主人公・セルマは、その病気が遺伝性のものであることを知ります。そして、遺伝によっていずれ失明してしまう運命の息子・ジーンの手術費用を涙ぐましい努力で貯めます。しかし、そのお金を友人に盗まれたことが分かり、もみ合いの末、友人を殺してしまう結果となりました。彼女は殺人罪で逮捕され、その後の裁判は移民である彼女に不利に進められていきます。暗い場面にも明るい色調のミュージカルシーンが入り、映画にスパイスを加えています。セルマの選択は本当に正しかったのか、見終わった後も深く考えさせられてしまう映画です。・ ダンサー・イン・ザ・ダーク(Blu-ray Disc) 『八日目の蝉』作家・角田光代の同名小説が原作の、2011年に公開された映画。井上真央が主演を務めたこの作品は、第35回日本アカデミー賞において10冠獲得を達成しました。不倫相手の子どもを誘拐した母親と、その子どもが大人になって自らも禁断の恋に落ちてしまうという物語。「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした」というインパクトのあるキャッチコピーが、大きな話題を呼びました。「母性」というものの業(ごう)が描かれているこの作品。あなたはどの登場人物に一番共感を持つでしょうか? ・ 八日目の蝉 通常版 [DVD] 『ライフ・イズ・ビューティフル』1997年に公開されたイタリア映画。第2次世界大戦下におけるホロコースト(ユダヤ人迫害)がテーマとなっている作品です。ユダヤ系イタリア人の主人公家族は、幸福な日々から一転、強制収容所に送られてしまうこととなります。主人公のグイドはどんなに絶望的な状況に置かれても、機転を利かせた弁舌で息子・ジョズエに希望を与えます。重いテーマにも関わらず、見終わった後前向きにさせてくれる映画です。子どもに対する父親の愛情に心打たれること間違いなし。脚本・監督・主演の3役を務めた喜劇俳優のベニーニはこの作品でアカデミー賞の主演男優賞を獲得しました。・ ライフ・イズ・ビューティフル [Blu-ray] どれもやや重たい内容ではありますが、考えさせられる作品ばかりです。レンタルショップや映画のストリーミングサービスで見かけたら、手にとってみてはいかがでしょう。(サカマキ貝<フォークラス>)
2016年03月15日子どものやることは奇想天外で驚かされることが多いものです。でも、子どもが楽しんでいるのなら見守って、最後までやらせてみましょう。自由にやれることで子どもには、自分で考え、決める能力が身についていくのです。「色は混ぜすぎるとキレイじゃない」私が小学校の教員だったとき、低学年の子どもたちに数種類のカラフルな紙粘土を与え、自由に作品をつくらせる、という図工の授業をしたことがあります。ところが、紙粘土の色混ぜを子どもたちがそれぞれ好きなようにやった結果、何色も混ぜすぎて最終的にくすんだグレーのような色になってしまい、その粘土は使えなくなってしまいました。その出来栄えにがっかりした子どもたちは、何色も混ぜると綺麗ではないということがわかったようで、その後は同じようなことをする子はいなくなり、2~3色をほどよく混ぜて好きな色を作り、作品を仕上げました。また、私の子どもは、カラフルな紙粘土をあれこれと混ぜ合わせできた色で色図鑑をつくり、私に見せてくれたことがあります。並べられたオリジナルの色に親子で「カステラ色」や「落ち葉色」などと名前をつけていきます。これは私も夢中になって遊ぶことができました。安全面をクリアしたものならば、自由にやらせてみよう文科省の小学校学習指導要領の一般方針では、「児童に生きる力をはぐくむことを目指し、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくむとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かす教育の充実に努めなければならない」と掲げています。紙粘土の経験のように安全面がクリアできたものであれば、子どもたちには素材を与えて、自由に試させてあげましょう。それが、子どもたちが自分で考え、やってみて、その結果どうするかを自分で決めることになるのです。また、自分で思うようにやれるということは、子どもの満足感を高め、さらにいろいろなことに挑戦したい気持ちを育てることにもつながります。大人は子どもを「見守る力」を身につけて子どもたちのすることは、予想外のことがたくさん。そんな子どもワールドをぜひ一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか? もちろん、自由にやらせることで、時にハラハラすることもあるでしょう。でも、そこはグッとこらえて見守りましょう。たとえ結果は失敗に終わっても、子どもたちは自分の思い通りにやってみた満足気な笑顔をママに見せてくれるでしょう。そして、そんな笑顔のわが子をみたら、ママもハッピーな気持ちになることができますよ。自由にやることで学べることはたくさんあります。子どもの力を伸ばすためにも、親はぜひ見守る力を身につけていってください。(のりこ<フォークラス>)
2016年03月05日子どもの睡眠不足が問題になっている現在、保護者を含む大人はどのような対応をとればよいのでしょうか? 最近の調査では、保護者の生活そのものが子どもの睡眠に影響を与えていることがわかっているそうです。では、具体的に見ていきましょう。日本は世界と比べても眠らない国世界各国と比較すると、日本人の平均睡眠時間は短いと言われています。2011年の国際比較調査の結果を見ると、調査した国のなかで下から2番目という結果だったそうです。これを見ると、以前から日本人の睡眠時間は短かったんだ」と思うかもしれませんが、そうではありません。NHKの2010年の調査によると、その50年前と比べて、日本人の平均睡眠時間は1時間ほど減っているのです。その背景には、共働きの増加や24時間営業の店の増加など、さまざまな要因があると言われていますが、昨今、大きな問題とされているのが、日本人で夜更かしをしているのは、大人に限ったことではないという点です。そうです、子どもの睡眠時間も減っているのです。子どもの睡眠は保護者の影響を受ける子どもの睡眠状況は保護者の影響を大きく受けると言われています。たとえば、親が夜遅くまで起きている家では子どもも夜更かしする傾向があるそうです。海外の調査では、親の収入と子どもの睡眠の関係も指摘されています。それによると、収入が低い家庭ほど子どもの睡眠の質は低く、睡眠に問題を抱えているケースが多いのだとか。なかなかシビアな調査結果ですが、保護者にまつわるさまざまなファクターが、子どもの睡眠にそのまま直結しているということです。子どもの睡眠で悩んでいる保護者の方は、子どもの生活習慣だけでなく、ご自身の生活や行動を見直してみる必要があるということでしょう。睡眠は学力とも直結する?子どもの睡眠の質の低下は、学力とも直結するという報告もあります。実際に「3歳時点の質の低い睡眠が、7歳になったときの学力低下に繋がる」という研究結果があるとか。3歳というのは難しい年頃のようで、睡眠が最も不規則になりがちな年齢だと言われています。赤ちゃんの頃はすんなり寝てくれても、自我が芽生える3歳頃になるとそうはいかないものですよね。だからと言って「仕方ない」で済ませては、小学校2年生の成績表に悪い結果となって返ってくる恐れがあります。そこで幼い子どもをもつ保護者の方にやっていただきたいのが、「良い睡眠習慣を徹底すること」です。少し遅くまで起きていても仕方ないではなく、○時までに寝ると決めたら徹底させましょう。大変なこともあるかもしれませんが、それがお子さんのためにもなるのです。photo by pixabay
2016年03月01日前編 では、読書を通じて子どもの興味の幅を広げる方法を紹介しました。後編では、いよいよ、「なぜ自分の子だけできないことがあるのか」の答えを、再び読書を通じて考えてみます。「なぜこんなこともできないの?」と感じたときが、自分の子育てを振り返るとき子どもが自分から本を読み、しかも本の種類の幅を広げていくには、親の関わりが必要不可欠です。幼いころから読み聞かせの時間をたっぷりととり、子どものボキャブラリーが自然と増え、自分で読むようになったら、子どもが選ぶ本の種類の幅を広げるよう聞き役に回るなどの工夫をする。そうすることで、子どもの脳が、一人で本を読み、しかもいろいろな種類の本に興味を持つように、自然と成長するのです。当然、今まできちんと関わってこなかった場合(読み聞かせをしていない、聞き役に回っていない等)は、いきなり本を読めと言っても、子どもは読むことができないのです。でも、そのような成長プロセスを知らなければ「どうしてあなたはそんなに本を読まないの!」「もうそろそろ自分で読めるでしょ。なんで読めないの!」なんて言ってしまいがちです。これは読書だけに限りません。「なぜできないのだろう」と親が感じ、その言葉をそのまま子どもにぶつけてしまう場面は、思いのほか多いものです。「もうできるだろう」「こんな簡単なこと、できるに違いない」親からするとそう思っていたのに、実際やらせてみたらできなかった。そんな時「なぜできない!?」という気持ちが湧き上がったり、子どもに直接そう言ってしまったりするのでしょう。ですが、読書の例からもおわかりの通り、そのことに対する子どもとの適切な関わり方が今までなかったのであれば、子どもの脳はそこまでに発達しておらず、「できない」ということになってしまうのです。「なぜできないんだ!」と子どもに言ったって、子どもにはその理由がわかるわけがありません。「わからない」と答える程度でしょう。この場合の質問は、無茶な質問です。というのも、「自分の脳はそこまで発達していないからだ」なんて、わかるわけがないからです。ですから、お父さん、お母さん、このような言葉を子どもにぶつけるのはやめてください。反省すべきはむしろ、自分自身なのです。子どもに対して「なんでできないの!?」という気持ちになったら、一度深呼吸してみてください。それだけで少し冷静になれます。そうなったら次に、自分のこれまでの育児を振り返ってみてください。適切にかかわってきたかな? 必要なことを面倒だからと言ってやらないできたのではないかな? 冷静に考えて思いつくことがあれば、「なぜできないの!」とイライラしたり、子どもを責めたりすることは、きっと低減するはずです。(子育ての達人)
2016年02月27日ママだってスーパーマンではありません。ときにはイライラして、子どもに八つ当たりしてしまうこともあるでしょう。八つ当たりはたしかに褒められることではありませんが、つらいのを我慢し過ぎるのはいけません。ママもつらいときは子どもに弱音を吐いて、一緒に成長していくくらいでいいのです。「頑張らないと」を時々休むママは基本的に、常に頑張っています。育児、家事、そして仕事をしながら頑張っているママたちは、近くに両親や親戚といった頼れる人がいないと特に、「私が頑張らないと」と、無理してしまうのではないでしょうか。そんなときは一度、頑張ることを休みましょう。たとえば、毎日の食事。献立を考えるのも、料理をつくるのも大変です。仕事をしながらだと、なおのことですよね。ときにはスーパーのお惣菜で済ませたい、そんな日があってもいいでしょう。でも、ひとつだけ気をつけてほしいのは、お惣菜を買ってきたパックのまま、テーブルに出さないようにする、ということ。必ず、お皿に移し替えて出すようにしてください。疲れてクタクタで面倒くさいと思うかもしれません。でも、そうすることで、彩りを考えて野菜を添えようとする気持ちが生まれることもあります。それに、パックのままで出されると、なんとも味気ない、ちょっと寂しい思いをするものです。子どもはそういう寂しさを大人になっても覚えていることもあります。だから、「今日はママ疲れちゃったから、お惣菜買うね。でも、一緒においしく食べようね」との言葉を添えて、お皿に盛りつけましょう。それだけで子どもには、ママの気持ちがきちんと伝わるはずです。親だって、親をやるのは初めてなのですママになると、常に時間に追われている気がして、気持ちに余裕がなくなる日もあります。そして、街中で、大きな声で子どもを叱ってしまうこともあるでしょう。あとになって、「さっきはあんなに怒らなくてもよかったのに…」と後悔してしまう。そんなときは、「ママも、ママをするの初めてなので、さっきはあんなに怒ってごめんね」と子どもに伝えてみてください。この「ありがとう」と「ごめんなさい」を親が口にすることで、子どもは親のマネをして素直に「ありがとう」「ごめんなさい」が言えるようになるのです。話を聞いてあげられなかったときは、ハグで安心する疲れてイライラしているときに怒られた子どもは、萎縮したり、自分が悪い子だからだと責めたりすることがあります。人の顔色を伺うという行為がすべて悪いわけではありませんが、周りの顔色を伺いながら行動する、あまり子どもらしくない子どもに育つことがあるのです。でも、親だって自分が子どもだった頃の記憶を鮮明に覚えていない人がほとんどです。子どものときにどう思っていたか、どう考えていたかをわかる人はあまりいないでしょう。ですから、子どもに対して「なんでわかってくれないんだろう」とイライラしたり、落ち込んだりするのは、決しておかしいことではないのです。虫の居所が悪く、ちょっとしたことで怒ってしまって、子どもに素直に「ごめんね」を言いにくいときは、子どもを呼んでハグして、謝ってしまいましょう。ハグしたときに感じる人の体温は、人を安心させてくれるもの。ママもそのほうが謝りやすいですし、結果的にママの笑顔を見られれば、子どもは安心するはずです。親だからと言って、すべてを完璧にこなせる人はいません。恥ずかしがらず、ときには弱い姿も見せながら、親子でコミュニケーションをとってくださいね。(まあちゃん<フォークラス>)
2016年02月23日私は、子育てのカウンセリングをして、30年になります。その中で、もっとも多いと感じるのが、「私は、自分の子どもがかわいいと思えません。だめな親なんでしょうか」という相談です。子どもを愛せないことに罪悪感を持つ母親は多いとりわけ、「下の子が生まれてから、上の子をかわいいと思えなくなりました。どうしても上の子をきつく叱ってしまうんです」とか、「息子のことはかわいいのですが、娘のことがかわいいと思えません。つい厳しくしてしまいます。愛情不足の子に育ってしまわないか心配です」といった相談が少なくありません。いずれの場合も、どちらも自分の子なのに、一方の子は愛せるのに、もう一方の子は愛せないことに罪の意識を抱いているのです。では、一人っ子の親はどうでしょう。きょうだいを持つ母親と同様に「私は自分の子どもがかわいいと思えません。親失格なのでしょうか」と訴えます。そして、自分を責め、涙を流すのです。完全な親なんてどこにもいない私は、こうした相談を聞いた後、こう伝えることが多いです。「そうですか。自分の子どもだから、愛したいし、愛さなくてははらないと思っている。自分の子どもだったらかわいくて仕方ないのが当たり前なのに、そう思えない。そんな自分はおかしいのではないか。だめな親なのではないか。そう思っているんですね。そして自分を責めて苦しんでおられるんですね。でも、そんなことないですよ。自分の子どもをかわいいと思えない人は、たくさんいます。そして、それは自然な感情です。完全な親なんて、どこにもいません。かわいいと思えなくても、いいのです。無理して、かわいいと思わなくては、と、自分を追い詰めると、どんどん苦しくなってきます。ストレスも溜まります。そして、自分の中に、溜め込んだ気持ちが爆発するとキレてしまい、子どもに、『あんたはどうしてそうなの!』と八つ当たりしてしまう方が多いのです」いいも悪いも、自然に湧いてくる感情を受け入れるしかない「かわいいと思えない子どものことを、無理にかわいいと思おうとする必要はありません。かわいくないものは、かわいくない。仕方ないのです。そして、下の子に比べて、上の子はかわいいと思えない場合も、かわいいと思えないなら思えないなりに、親としてできるだけ大切に育てていこう。そんなつもりで、無理せずやっていかれてはどうでしょうか」そう言います。実際、子どもに手をあげてしまっている親御さんには、真面目すぎるがゆえに、「自分の子をかわいいと思えない自分を責めてイライラし、気づいたら子どもをぶってしまっていた。もしかすると私のしていることは、虐待の一歩手前ではないか」と、ハッとしてカウンセリングに相談にきた、という方が少なくありません。あえてハッキリ言いますが、子どもをかわいいと思える親もいれば、かわいいとは思えない親もいます。きょうだいのどちらかしか、かわいいと思えない親もたくさんいます。そして、それでいいのです。いいも悪いも、それが自然に湧いてくる感情なのであれば、それを受け入れるしかないのです。そして、子どものことをあまりかわいいと思えないならば、その気持ちはそのままにしながら、親としてするべきことは、きちんと分け隔てなくしていけばいいのです。「自分の子どもならば、かわいいと思えるはず」というのは、ただの迷信です。事実では、ありません。かわいいと思えないなら、かわいいと思えないからこそ、差別やえこひいきにならないように、自分の子どもへの言動に注意すればよいのです。「かわいいと思えないなら思えないまま、それでも、親としての務めはきちんと果たしていく」そんな、無理のないスタンスで、わが子に関わっていくのがおすすめです。(諸富祥彦)
2015年12月20日「好き嫌いなく食べる」のが難しいのはなぜか の続きです。毎日の食事作りに追われる親の立場からすると、子どもの好き嫌いは悩みどころです。作れる料理が限られてしまいますし、何より栄養面で子どもの体が心配になるでしょう。「どうしたら子どもの好き嫌いを直せるのだろう」と悩んでいる方のために、いくつかアイデアをご紹介したいと思います。子どもの好き嫌いの克服というと調理面での工夫などに目がいきがちですが、まずは別の観点からのアイデアを見ていきましょう。子どもの好き嫌いをなくすアイデア(1)どうして好き嫌いがいけないのかを理解させる大人でもそうですが、自分で納得できないと、嫌いなものを食べようという気にはなれません。体にいい食べ物を食べてもすぐに結果が出るわけではないですから、なおさらです。ですから食べ物の効能を説明し「これを食べることは大事なんだ」と心から思わせるようにするのです。肩こりが改善されるとか、ダイエット効果があるといったようなことを耳にすると、あまり好きではない食べ物でも進んで食べる、というのは大人に良くあるかと思います。これと同じような効果を狙ったものです。心から理解させるには、図や絵、写真、表などのデータが有効です。例えば、野菜を食べないでいると便秘になってしまうということを、お腹の中に便が詰まった絵や画像を見せることで、子どもたちに知らせるのです。これはかなりショックを受けるはずです。また、栄養士や病院の先生など、その道のプロの話を聞くことも効果的です。いずれにせよ、子どもたちが深く納得し、これは食べなければという気持ちにさせることが大切です。子どもの好き嫌いをなくすアイデア(2)苦手な野菜を自分で育てる自宅でも比較的簡単に栽培できる野菜は、意外と多くあります。ミニトマト、ピーマン、ナス…。これらを庭で、あるいはプランターで育ててみませんか? 子どもに世話をさせるのです。自分の手で植えて、毎日水やりをし、時には肥料をやったりわき芽を摘んだりしながら世話をするうち、愛着がわいてきます。苦労して育てた野菜が実を結んだ時の収穫の喜びは格別です。そしてその喜びから子どもたちは、苦手な野菜でも口にすることができることが多いのです。是非お試しを!子どもの好き嫌いをなくすアイデア(3)嫌いな食材を使った料理を自分で作るあえて嫌いな食材を利用した料理を作ることにし、子どもに手伝ってもらいましょう。子どもが自分で作れるなら、なおさらよいですね。料理のお手伝いは意外と大変です。それを手伝うことで子どもには「頑張って作ったのだから」という気持ちが働いて、苦手な食材でも口にすることができるものです。<次回に続く>(子育ての達人)
2015年11月28日子どもと一緒に小さな商店やお祭りに行くと、子どもに小銭を持たせてお金を払う体験をさせる親は多いですね。子どもがお金に興味を持つ頃になると、親も子どものお小遣いについて考えるサインです。他の家庭がいつ頃から、どの頻度で、どの程度、お小遣いを渡しているのか気になりますね。○小学生低学年でも8割がお小遣いをもらっている金融広報中央委員会の「子どものくらしとお金に関する調査(第2回)平成22年度」でも、小学生からお小遣いをもらう子が多くなることがわかります。小学生低学年では79.1%、小学校中学年では80.0%、小学校高学年では77.2%と、全体で約8割の子どもがお小遣いをもらっています。そのうち、低学年では「ときどきもらう」が58.5%と最も多く、月に1回・週に1回などと定期的にもらう子を上回っています。中学年になると定期的なお小遣いが「ときどきもらう」を逆転、「ときどきもらう」が43.9%に下がります。月に1回は低学年の13.2%に対し、中学年では34.3%にアップ。高学年になると、月に1回の割合が最も高く52.2%です。「ときどき」もらうお小遣いで最も多くでてきた金額は、低学年と中学年では100円、高学年では1,000円です。回答金額を多い順から少ない順に並べて真ん中に位置する中央値は、低学年が100円、中学年が300円、高学年で500円となりました。月に1回のお小遣いで最も多くでてきた金額は、どの学年でも500円。中央値をみると、低学年が400円、中学年が500円、高学年が1,000円です。使う内容はお菓子やジュース、マンガやおもちゃなどの購入が多く、金額的にも大きくはなさそうですが、お小遣いが不足した経験も少なからずあるようです。低学年で46.6%、中学年で48.1%、高学年では52.2%の子どもが不足した経験が「よくある」または「ときどきある」と答えています。せっかくお小遣いを渡すのなら、自分でお金の「やりくり」をすることを身につけさせたいというのが親心でしょう。お金が不足するといっても子どものうちは大した金額ではないでしょう。しかし学生や大人になってお金のトラブルに巻き込まれる人が増えていることを考えると、正しい金銭感覚を養うためにも、できるだけ早いうちから金銭教育を始めたいものですね。そのための第一歩が、「入ったお金」と「出たお金」、そして「残ったお金」をきちんと把握させること。お小遣い帳をつけている子はまだまだ少数派で、低学年で20.3%、中学年で27.9%、高学年で24.1%の子しかいません。暮らしに身近な金融に関する幅広い広報活動を行っている金融広報中央委員会では、そのウェブサイト「知るぽると」で幼稚園生や小学生から楽しめるお金教育ツールやおこづかい帳などの便利ツールを利用できるので、試してみてはいかがでしょうか。○著者プロフィール武田明日香エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー南山大学経済学部卒業後、大手印刷会社に入社。2010年に、法人営業の仕事をしながら自己啓発のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得。「女性がライフステージで選択を迫られたときに、諦めではなく自ら選択できるための支援がしたい」という想いから、2013年にファイナンシャルプランナーに転身。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく!トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)
2015年11月26日親の愛情は、子どもにきちんと伝わっているか?突然ですが、子どもにきちんと愛情を伝えられているかどうかを、一度見直してみたほうがよいかもしれません。「子どもを愛していますか?」と聞かれれば、まともな親であれば「当然でしょう」と答えを返すことでしょう。そして、得てして親というものは、自分の子どもには愛情がきちんと伝わっているはずだ、と思い込むものです。しかしながら、中学生を対象にした調査によると、「自分が親から愛されていない」と感じている子どもが相当数いることがわかっています。子どもが親の愛情を実感できていなければ、親がよかれと思ってした「しつけ」も効果を発揮せずに終わってしまいます。子どもの「自立したい」という考えは、親の愛情を基盤に芽生えていくものですから、この点は非常に重要だと言えます。子どもが小さいうちは親に甘えたいものです。しかし、注意したいのは、子どもが甘えてきた際には十分にそれを与えてやる必要がありますが、それは子どもを「甘やかす」こととは別物だということです。子どもを「甘えさせること」と「甘やかすこと」の区別がついていない親は、実はかなり見受けられます。親に甘やかされた場合でも、子どもは親に愛情をかけられているとは感じないことが多いのです。しかし、子どもを甘やかしている親は、得てして愛情をたっぷりかけていると勘違いしているものです。子どもの認識と親の認識にずれが生じているわけで、これが双方の間に不信感が生まれる源になるのです。「甘やかす」と「甘えさせる」の違いたとえば、子どもが親とのスキンシップを求めて近寄ってきた時や、何か親に話をしたくて近寄ってきた時、「ちょっと手が離せないからあっちに行っててね」とか「お利口さんにしててね。そしたら後で、ほしかったおもちゃを買ってあげるからね」といった具合で追い払ったりはしていないでしょうか。もしそうしているのなら、それは「甘えさせる」ではなく「甘やかす」でしかありません。子どもは親とのスキンシップを求め、そのぬくもりをほしがってきているのですから、ほんとうに「甘えさせる」には抱っこをして、しっかりとその気持ちを受け止めてあげることが必要なのです。子どもが話を聞いて欲しいと思っているようなら、どんなにくだらない話でも、叱ったり批判したりしないで、まずは子どもの話をきちんと聞いてあげることが必要です。そうする代わりに物を与えるようなことはしてはいけません。そして、抱きしめたり、ふれあったりして甘えさせるという行為には、してもしすぎるということはないと覚えておくべきでしょう。このように、子どもを「甘やかす」というのは、子どもが親に甘えたい時にそうさせず、受け入れないことによって起きるものです。そして、親とのふれあいを求めている子どもにも物を与えてしまうと、子どもは自分が本当は親と存分にスキンシップがしたかったのだ、ということに気づけなくなってしまいます。容易に物を与えることが、別の問題を招くことも人間というのは、物によって心を満たすことが、なかなかできない存在です。最初はちょっとした物でも大丈夫だったとしても、次第にもっともっと欲しがるようになっていきます。そして、それがエスカレートするとしまいには、家庭内暴力に走ってしまったり、何かを万引きしたりするようなことにつながってしまうケースもあります。また、親との精神的なふれあいを求めていた子どもに代わりに物を与えていると、子どもはわがままに育ってしまいます。子どもにしてみれば、いくつ物をもらったところで、本当に欲しかった親のぬくもりを得ることはできません。物をいくつあげたところで親の愛情は子どもには伝わりません。毎日忙しくてなかなか子どもに構ってやれないという場合には、ぜひ注意したいところです。子どもは親との精神的なふれあいを望んでいる子どもは何より、親とのスキンシップや精神的なふれあいを望んでいます。そういう点からしても、子どもが良くないことをしたり、約束を破ったりした時には、本気で叱り、本気で教え諭して欲しいと思います。また、子どもが甘えてきた時にはきちんと受け止めてあげること。抱きしめ、話に耳を傾け、子どもの心に寄り添って共感を示して欲しいところです。そのようにして毎日を過ごすことができた子どもは、自分が親から確かに愛されていると全身で感じ取ることができます。そういう状態であれば、間違ったことをした時に叱ったとしても、素直に聞き入れてくれます。子どものあるがままを受け容れ、子どものあり方を認めて褒めること。そして間違いがあったら心からしっかりと叱ってあげること。それが真の愛情を持った接し方だと言えるでしょう。(子育ての達人)
2015年11月21日