宮沢りえ7年ぶりの映画主演作となる『紙の月』が第32回トリノ映画祭の“Festa Mobile”部門で公式上映され、吉田大八監督が公式上映と記者会見に出席した。その他の写真公式上映前に行われた記者会見には世界各国から記者が参加。溝口健二や小津安二郎など日本の名監督が自身の描く女性像を作品の重要なポイントに置いていることから、「日本の古典的な映画の要素、女性像を取り入れているか?」と質問されると、吉田監督は「かつての映画の中の女性像というのは、実際、それらの映画を通じて、私も経験していますし、影響はおそらく受けていると思います。しかし、『紙の月』は、2014年の今に作っている映画です。私が普段に接している女性たち、そして、原作の小説の中で生きていた女性たちのことを考え作りましたので、あえて、過去の作品のどれかの女性像をモデルにしたということはありません」と回答。主人公の梨花が劇中で起こす出来事の原因について質問されると「私の考えでは、光太との出会いというのは、あくまできっかけで、彼女の行為は、彼女が本来の自分自身に戻っていく過程、プロセスだったと思っています」と分析した。また、「日本では賛否両論です。梨花を絶対許せないという女性はすごく多いし、反対に、とても共感するという女性も多い」という吉田監督が「イタリアの人がどう思っているのかすごく興味があります」と語ると、記者から「梨花に共感します」の声があがり、吉田監督が笑みを見せるひと幕もあった。その後に行われた公式上映のチケットは完売。上映前に登場した吉田監督は「女性がお金を使っていく中で、どう変化をしていくか、そういうことを表現したくて作りました。楽しんでください」とあいさつ。上映後には観客から大きな拍手があがった。映画は、角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督がメガホンを執ったヒューマンサスペンス。ごく平凡な主婦・梨花(宮沢)が起こした巨額の横領事件を通して、彼女の抱える心の闇が描かれる。『紙の月』公開中
2014年12月01日「2014年ベストドレッサー賞(日本メンズファッション協会主催)」の発表・授賞式が27日、都内で行われ、宮沢りえ、片岡愛之助ら7人が受賞した。同賞は、各界で活躍した著名人の中からその年を代表する「ベストドレッサー」を選び、表彰するもの。43回目となる今回はトヨタ自動車の豊田章男社長(政治・経済部門)、歌舞伎俳優の片岡愛之助(学術・文化部門)、放送作家の小山薫堂(同)、女優の宮沢りえ(芸能部門)、俳優の鈴木亮平(同)、プロ卓球選手の福原愛(スポーツ部門)、フォトジャーナリストの笹本恒子(特別賞)が選ばれた。また、ベストドレッサー賞受賞者の中からクールにウールが似合う人を選ぶ「クールウール賞」には鈴木亮平さんが選ばれた。宮沢さんは「素材の良いもの、着てハッピーになれるものにこだわっています」と笑顔。豊田社長は「ファッションに気を遣うようになって世の中や車のデザインの見方が変わった。自分の着るものは日本製にこだわっている」。片岡さんは「僕ではなく五大陸のスーツがいいのです」と話した。小山さんは「恥ずかしいの一言。今日の服は友人のチャーリーヴァイスにアレンジしてもらった。今日も会場のどこかにいると思う」とあいさつ。また、鈴木さんは「衣装は役になるためのトリガーのようなもの。僕の中でウールのイメージが新しくなった。来年は愛之助さんのようにスーツを着るような役もやってみたい」と各々コメントした。
2014年11月28日宮沢りえが7年ぶりに映画主演を務めることで話題の映画『紙の月』。11月22日(土)、出演する池松壮亮と、本作で監督を務めた吉田大八(『桐島、部活やめるってよ。』)が、監督の故郷・鹿児島で舞台挨拶を行った。さらに2人と観客に内緒で、宮沢さんが花束を渡すためだけにサプライズで登場し、会場は大パニックとなった。平凡な銀行の契約社員だった梨花が若い大学生との不倫に陥り、そこから銀行の金に手を付け、転落していくさまを描いた本作。先日、閉幕した第27回東京国際映画祭では宮沢さんへの「最優秀女優賞」に加え、観客の投票による「観客賞」も受賞した。吉田監督は「全員が親戚に見えます(笑)。東京では出会った事のないプレッシャーを感じています。緊張して声が出ませんが、こうして、また鹿児島に新しい映画を持って帰って来られて嬉しいです」と故郷に錦を飾れたことへの歓びを語る。さらに、主演の宮沢さんについては「現場に来ると映画のためなら何でもやる人。こっちが怖くなるくらいです。自分がキレイに写ろうとするのでなく、映画の中の自分がどう見えるために何をすれば良いかと考える。だから監督は何でも言って下さい、というスタンスだった。常に100%で立っている人で、それに応えるようスタッフはじめキャストが動いていくというように皆を引っ張っていってくれた。本当に頼りになりました」とその座長ぶりに手放しで賛辞を贈った。また、池松も「すごく身を削っていた。観に来てくれるお客様の期待に応える以上の物を作ろうとする意志を感じた。それを一番近くで観ることが出来た」と役者としてその凄味を肌で感じていたようだ。そうして、トーク、フォトセッションが終わり、いよいよ最後の締めの挨拶…というところで突然、花束を持った宮沢さんが客席から登場!客席はどよめき、池松さんと監督も驚きを隠せないといった様子で、花束を手渡される間も狐に摘ままれたような顔をしていた。さらに、驚くべきことに宮沢さんは壇上の下から花束を渡し終えると、池松さんと監督、観客にそれぞれお辞儀をし、そのまま一言も発さずに颯爽と退場して行った。嵐のように去っていった宮沢さんに、壇上の2人はまさに呆然。「バカじゃないかと(笑)。お忙しいのに…ありがとうございました」(吉田監督)、「いるなら僕らがやる意味ないじゃん(笑)!これ以上喋っても…」(池松さん)と2人が語ると、会場は大爆笑に包まれた。最後に、ようやく落ち着いたところで締めの挨拶。池松さんは「東京では好評を頂いてまして」と前置きしつつ、「鹿児島の皆さんがどう感じるかも気になりますが、九州であまりお客さんが入ってないということで…(笑)。皆さんには関係ない話ですが、鹿児島出身の監督と、福岡出身の僕からすると、ちょっとそれは話が違うぞ、という事で参りました。面白いと思った方は、ぜひ皆さんに広めて下さい」と正直すぎる胸の内を語り、最後の最後まで笑いの絶えない舞台挨拶となった。一方の舞台裏では、嵐ようなサプライズを池松さんと吉田監督にお見舞し終わった宮沢さんが「大成功!!」とスタッフと共に歓喜していた。『紙の月』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:紙の月 2014年11月15日より全国にて公開(C) 2014「紙の月」製作委員会
2014年11月23日女優の宮沢りえが、主演映画『紙の月』(公開中)の撮影中に描いたという吉田大八監督の似顔絵が21日、公開された。本作は、直木賞作家・角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)などで知られる吉田大八監督がメガホンをとった作品。宮沢は、『オリヲン座からの招待状』以来となる7年ぶりの主演を務め、不倫関係の中で次第に横領に手を染めていく主婦で銀行契約社員の梅沢梨花を熱演した。銀行シーンの撮影の合間、真剣に何かを描いていた宮沢をスタッフが発見。「見つかっちゃった(笑)」と笑顔で見せたのが、銀行の封筒に描かれていた吉田監督の似顔絵だった。「もう(監督の顔を)見なくても描けるようになった」と自信をのぞかせるほど何度も描いたそうで、イラストは監督の現在に始まり、20年前と10年後の姿まで表現されていた。似顔絵は、自身が演じた梨花のイラストと共に吉田監督にプレゼント。本人は何気なく描いたものだったが、スタッフが「芸術的」と感動したことから、計3点のイラストが公開される運びとなった。今月15日の初日舞台あいさつでは、吉田監督からの「現場を引っ張っていってくれたのはあなたです。女優とは思えない程、不器用で必死でどこまでも真剣な想いを感じ、うれしさを通り越して苦しいくらいだった。また一緒に、大きなものを捕まえる旅に出ましょう」という手紙に涙した宮沢。今回のイラストは、手紙の文面と同様に互いの信頼関係を物語っている。
2014年11月21日圧倒的な存在感を見せ、今年の東京国際映画祭で「観客賞」とともに「最優秀女優賞」を受賞した宮沢りえが、『桐島、部活やめるってよ』の鬼才・吉田大八監督とタッグを組んだ映画『紙の月』。先日の初日舞台挨拶でも、吉田監督からの突然の感謝の手紙には思わず涙を見せていた宮沢さんだが、このほど、本作のクライマックスとなる宮沢さんの“疾走”シーンの裏側をとらえたメイキング映像がシネマカフェに到着。吉田監督の指示のもと、宮沢さんが“本気”の走りを見せていることが分かった。本作は、バブル崩壊直後の1994年、銀行のシステムがオンライン化がされる以前に、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)が年下の大学生(池松壮亮)と出会い、次第に巨額の横領に手を染めていく様を描いた物語。直木賞作家・角田光代のベストセラー同名小説が原作となる。吉田監督はこの原作小説を読んだ際、「イメージとして浮かんだのが、走っているヒロイン。自分を抑えて生きてきた女性が、破滅へと暴走する姿を“爽やかに”描きたくなった」という。「とにかく梨花が走るシーンに向かってどんどん圧力を上げていくために、映画オリジナルの構成ができ上がった」と、このクライマックスにかけた思いをふり返って語る。今回の映像に収められているのは、まさにその映画の終盤、宮沢さん演じる梨花の横領がついに銀行にバレ、それでも逃げようとする彼女を追っていくシーン。吉田監督の指示を受け、夕陽が射すタイミングを狙って、いろいろな場所を何度も、何度も全力疾走で駆け抜ける宮沢さん。肉離れを起こし倒れても「私、大丈夫。もう1回やろう。ほら、まだ夕陽があるうちに、早く!」と、心配顔のスタッフを逆にふり切るように、笑顔で立ち上がったという宮沢さんの、意外に速い本気走りと“女優魂”を目にすることができる。走るシーンが印象的な映画といえば、タイトルそのままの『ラン・ローラ・ラン』、花嫁を奪って逃走するダスティン・ホフマンの『卒業』、トム・ハンクスの本気走りが見られる『フォレスト・ガンプ』、アニメ『時をかける少女』の駆け下りる坂道、最近では『超高速!参勤交代』など、いくつか思い浮かぶ映画があるはず。本作でも、宮沢さん演じる梨花がまるで世界の彼方へ向かおうとするかのような疾走は、吉田監督が目指したヒロインそのままに眩しく、爽快感すら感じさせる印象深いものとなっている。『紙の月』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:紙の月 2014年11月15日より全国にて公開(C) 2014「紙の月」製作委員会
2014年11月18日映画『紙の月』の初日舞台あいさつが15日、都内で行われ、キャストの宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、小林聡美と吉田大八監督が出席した。全国公開中の本作は、主婦による巨額横領事件を描いた角田光代の同名小説を映画化した作品。夫と暮らす平凡な主婦・梨花(宮沢)は、銀行の契約社員として外回りの仕事をしている。そんなある日、梨花は、大学生の光太(池松)と出会ったことで、顧客の預金に手をつけてしまい、次第に金銭感覚と日常が歪み出す――というサスペンス・ストーリーで、第27回東京国際映画祭にて、観客賞および主演の宮沢が最優秀女優賞を受賞した。本作で7年ぶりの映画主演を務めた宮沢は、「やっとこの日を迎えられたと興奮しています。人生が音楽だとすると、『紙の月』は私にとって貴重で大切な一小節になった。監督、ありがとうございました」と感謝の言葉を。そんな宮沢に向け、吉田監督は、「現場を引っ張っていってくれたのはあなたです。女優とは思えない程、不器用で必死でどこまでも真剣な想いを感じ、うれしさを通り越して苦しいくらいだった。また一緒に、大きなものを捕まえる旅に出ましょう」という手紙を読み上げ、「言葉になりません……」と感激する宮沢と熱い抱擁を交わした。吉田監督が手紙を読む間に大粒の涙をこぼし、「本当に忘れられない日になりました。こういうのを感無量って言うんですね」となかなか止まらない涙を手の平で拭っていた宮沢。その様子を見て、そっとポケットからハンカチを差し出した池松は、「宮沢さんが、7年ぶりに主演としてここに立った心境は、僕には計り知れない。その想いを少しでも受け取ってくれればと思います」と観客にメッセージを。また、イベントでは、本作の内容にちなみ、"盗みたいもの"について、トークが展開されたが、大島が「小林さんの安心感。抱き締めてもらいたいとずっと思ってた」と照れながら打ち明けると、大島、小林、宮沢の女優陣3人がそれぞれ抱き合い、会場は和やかなムードに包まれた。
2014年11月16日女優の宮沢りえが11月15日に都内で行われた主演作『紙の月』の初日舞台あいさつに出席した。7年ぶりに映画主演を果たし、平凡な主婦から横領犯へと転落するヒロイン役で新境地を開拓。初タッグを組んだ吉田大八監督から、感謝の手紙を読み上げられ「言葉になりません。こういうのを感無量って言うんですかね」と大粒の涙を流した。『紙の月』舞台挨拶その他の写真契約社員として銀行で真面目に働く主婦・梨花(宮沢)が、年下の不倫相手のために、巨額の横領事件を引き起こすヒューマン・サスペンス。直木賞作家・角田光代氏のベストセラー長編小説を映画化し、第27回東京国際映画祭のコンペティション部門で最優秀女優賞&観客賞の2冠を達成した。「やっとこの日を迎えて、体中を興奮が駆けめぐっている」と語った宮沢は、「人生が音楽だとすれば、『紙の月』との出会いは貴重で大切な一小節になった」と感激しきり。吉田監督に対し「粘り強さは天下一品」と最敬礼だった。一方、吉田監督も「正直、この企画は途中でつぶれると思っていた」と明かし、「ところが宮沢さんの主演が決まった瞬間、ヒロインが顔を持ち、見る見る形になった」と宮沢に改めて感謝の意を表し、「いつかもっと大きなものをつかんでみましょう」と再タッグに期待を寄せた。舞台あいさつには宮沢と吉田監督に加えて、共演する池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、小林聡美が出席。横領を描いた本作にちなみ「ここにいる誰かから盗みたいものは?」の質問に、「りえさんの元気」(池松)、「小林さんの安心感」(大島)、「池松君の若さ」(吉田監督)と思い思いに答えた。『紙の月』公開中取材・文・写真:内田 涼
2014年11月15日女優の宮沢りえが11月15日(土)、都内で行われた主演作『紙の月』の初日舞台挨拶に出席。吉田大八監督が感謝の手紙を読みあげると「言葉になりません。こういうのを感無量って言うんですね。今日は忘れられない日になりました」と感激の涙を流した。7年ぶりの映画主演を果たした宮沢さんは平凡な主婦から横領犯へと転落するヒロイン役で新境地を開拓し、早くも本年度の映画賞レースで、第28回山路ふみ子女優賞、第27回東京国際映画祭の最優秀女優賞と2冠を達成している。舞台挨拶に立った宮沢さん本人も「人生が音楽だとすれば、この映画との出会いは貴重で大切な一小節になった。監督、ありがとうございます」とこみ上げる思いを抑えきれない様子。吉田監督とは初タッグで「監督の粘り強さは天下一品」と最大限の敬意と謝意を払っていた。一方、吉田監督は宮沢さんの主演が決まる以前「途中でこの企画はつぶれると思っていた」と告白。「ところが宮沢さんに主演してもらえることが決まると、ヒロインが顔を持ち始め、見る見る形になっていた」とこちらも感謝の意。「今度はもっと大きなものをつかんでいきましょう」と再びタッグを組むことに、意欲を燃やしていた。ベストセラー作家・角田光代の同名小説を原作に、バブル崩壊直後の1994年、夫と暮らす銀行の契約社員・梅澤梨花(宮沢さん)が、年下の不倫相手のために顧客の金を横領し、その犯行をエスカレートさせる姿を描いた。第27回東京国際映画祭では、コンペティション部門の最優秀女優賞&観客賞のダブル受賞を果たした。舞台挨拶には宮沢さんと吉田監督を始め、共演する池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、小林聡美が出席。不倫相手を演じた池松さんは「現場のりえさんは本当にパワフル。僕もその元気をもらいたい」と宮沢さんとの共演をふり返っていた。『紙の月』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:紙の月 2014年11月15日より全国にて公開(C) 2014「紙の月」製作委員会
2014年11月15日東京ミッドタウンは、11月13日から12月25日までクリスマスイベント「ミッドタウン・クリスマス 2014」を開催する。開催初日、メイン会場となる芝生広場「スターライトガーデン 2014」にてイルミネーション点灯式が行われた。同会場のテーマは“宇宙旅行”。式には女優の宮沢りえが出席し、司会者の合図と共にスイッチオン。2,000平方メートルと広大な敷地に、青をベースカラーとした18万個のLEDが一斉に点り、まるで宇宙空間にいるような幻想的な世界へと変えた。今年の目玉は日本初のイルミネーション装置「スティックイルミネーション」。下から上へ自在に動く264本の光で星屑の浮遊感や宇宙の無重力感を演出し、立体的かつダイナミックなイルミネーションショーを繰り広げる。最大4mの高さで輝く光は東京ミッドタウン初の試みという。イルミネーションが大好きで、毎年ミッドタウンにも鑑賞に訪れているという宮沢。点灯直後はLEDに釘付け。また、イルミネーションをバックにセルフ撮影するなどとてもはしゃいだ様子を見せた。「今年のクリスマスの予定は?」と問われ、「例年同様、好きな友達と集まってプレゼント交換をします。毎年家にはサンタクロースがやってくるので、その準備を今から行います」と微笑んだ。最後に「皆さんも素敵な愛が溢れるクリスマスをお過ごしください」と来場者にメッセージを送った。8回目のクリスマスを迎える東京ミッドタウン。今年は「ミッドタウン・クルーズ」をテーマに、同会場以外にも芝生広場に向かうまでの歩道や、外苑東通り沿いなど施設を取り囲んだ様々な場所にてイルミネーションを実施する。昨年は560万人もの人が訪れ、今年も多くの来場を見込んでいる。
2014年11月13日映画『紙の月』主演の宮沢りえが11月13日(木)、東京・ミッドタウンのクリスマス・イルミネーションの点灯式に出席した。ミッドタウンのクリスマス・イルミネーションは、広大な敷地内にテーマに沿ってLEDライトを配置し、幻想的な世界観を作り上げており、昨年は期間中に500万人を超える来場者が足を運ぶなど、ここ数年、都内のクリスマス・イルミネーションの定番となっている。今年は「ミッドナイト・クルーズ」をテーマに、全50万個のLEDライトを使用。地球の自然現象を表現したものや、シャンパンイルミネーション、そしてこの日の点灯式の会場ともなったメインの芝生広場では“スターライトガーデン”と銘打って、宇宙旅行を模した世界が展開し、宇宙の始まりから星屑や無重力空間などが色彩豊かに表現される。宮沢さん自身、ミッドタウンに足を運ぶことは多々あるそうで「ビルボード東京のライヴに来たり、フルーツ屋さんのジュースを飲みに来たりしますよ」と明かす。毎年、クリスマスの時期には「娘と一緒に必ずイルミネーションを見に来ている」とのことで「子どもが見ても大人が見ても夢があって、今年1年が終わるんだなという締めくくるような気持ちにもなるし大好きです」と笑顔で語る。そして、いよいよ点灯式本番。宮沢さんがスイッチを押すと、暗闇から青いLEDの光が浮かび上がり、その美しさに集まった観衆からはどよめきが。宮沢さんも感激の面持ちで、自身の携帯で幻想的な光景を写真に収めていた。特に、点灯式を行なった場所は普段は入ることが出来ない芝生の中ということで、内側からの光景を目の当たりにし「すごく嬉しいです。(テンションが)上がってます!」と興奮した面持ちで語っていた。まだひと月以上あるが、今年のクリスマスの予定を尋ねると「だいたい毎年、好きな友達と集まってプレゼント交換をしたりします」とニッコリ。さらに「ウチにはサンタが来るので、いつ来てもいいように準備もしないと」と微笑む。クリスマスを前にいよいよこの週末より『紙の月』が公開を迎えるが、「こんなに公開前にドキドキするのはこれまでにないこと」と期待と不安をのぞかせる。「難しい役だったからこそ、出来上がったものが大切に思えます。たくさんの方に観てもらえることで映画に息吹が与えられると思うので、ぜひ多くの人に観ていただけたら」と語った。最後に、集まった多くの観客に向け宮沢さんは「愛があふれるクリスマスをお過ごしください!」と呼びかけ、会場は拍手と歓声に包まれた。「ミッドタウン クリスマス 2014」は12月25日(木)まで開催。映画『紙の月』は11月15日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:紙の月 2014年11月15日より全国にて公開(C) 2014「紙の月」製作委員会
2014年11月13日『紙の月』に主演し第27回東京国際映画祭の最優秀女優賞に輝いた宮沢りえが11月13日に東京ミッドタウンのクリスマスイルミネーションの点灯式に出席した。ブルーの色彩があたり一面に広がる幻想的な光景に、「こんな近くで見られるなんて、すごく嬉しいです。青い宇宙をイメージさせてくれますね」とうっとりした表情を浮かべた。その他の写真ミッドタウンの冬の風物詩として、約560万人が足を運ぶ“ミッドタウン・クリスマス”も今年で8回目。約2000平方メートルの広大な芝生エリアで展開される“スターライトガーデン2014”には、青を基調にした約18万個のLEDライトの中で日本初のイルミネーション演出装置スティックイルミネーションが最大4メートルの高さで輝き、無重力空間を演出。“ミッドタウン・クリスマス”全体ではLED総数50万個を使用し、“宇宙への旅”を表現する。東京ミッドタウンについて、「クリスマスの時期には、娘と一緒に来ます。来るたび、今年も終わりなんだという気持ちになり、大好きな場所です」。今年のクリスマスは「大好きな友だちで集まって、プレゼント交換する予定」と話した。映画はバブル崩壊直後の1994年を舞台に、契約社員として銀行で真面目に働く主婦・梨花(宮沢)が、巨額の横領事件を引き起こす様を描くヒューマン・サスペンス。直木賞作家・角田光代氏のベストセラー長編小説を、『桐島、部活やめるってよ』の鬼才・吉田大八監督が映画化し、第27回東京国際映画祭のコンペティション部門で最優秀女優賞&観客賞の2冠を達成した。「すてきな賞をいただき、もっともっと頑張ろうと身が引き締まった」と喜びを語る宮沢は、「公開も目前なので勢いもついたし、ドキドキしている。皆さんに観ていただくことで、初めて映画に息吹きが吹き込まれる」とアピールした。『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年11月13日宮沢りえ7年ぶりの映画主演作となる『紙の月』が11月15日(土)より公開されるのに先駆けて、主題歌『Femme Fatale』(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ)が流れる特別映像が解禁された。“ヴェルベッツ”の楽曲が日本映画の主題歌として使われるのは初となる。『紙の月』特別映像映画は、角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督がメガホンを執ったヒューマンサスペンス。ごく平凡な主婦・梨花(宮沢)が起こした巨額の横領事件を通して、彼女の抱える心の闇が描かれる。フランス語で“運命の女”を意味する『Femme Fatale(邦題:宿命の女)』を主題歌に選んだ理由について、吉田監督は「反省も、後悔も、言い訳もせずに黙って映画の向こう側へ去って行く梅澤梨花を、僕もただ見送るしかなかった。だから、せめてニコの絶望的に優しい歌声で送り出してあげようと思いました」と語っている。特別映像は、彼女の人生を狂わせていくきっかけとなる異性との出会いのシーンからはじまるが、台詞はほぼカットされており、全編に渡って『Femme Fatale』が淡々と流れる内容となっている。何不自由ない生活を送っていた梨花はなぜ勤め先の銀行の貯金に手をつけ、巨額のお金を横領してしまうのか? 主題歌の魅力と相まって、梨花というキャラクターに興味を抱かせる心憎い演出になっている。『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー
2014年11月11日宮沢りえが主演を務める映画『紙の月』と、警視庁犯罪抑止対策本部の“詐欺・横領”抑止キャンペーンのタイアップポスターが完成した。本作で宮沢演じる銀行員の主人公が横領に手を染めることから実現したもので、都内各所に掲出されている。その他の画像映画は『八日目の蝉』の直木賞作家・角田光代の小説を『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が映画化したもの。バブル崩壊直後の1994年を舞台に、銀行に勤務する主婦の梅澤梨花が、年下の大学生・光太との出会いを機に、勤め先の銀行の預金に手をつけ、人生が大きく揺れ動いていく様を描く。ポスターは、宮沢が1万円札に包まれた映画のビジュアルを使用しており、“少しの過ちから、人生の歯車が壊れていく…”、“「レターパックや宅配便で現金を送れ!」は100パーセント詐欺です。最寄りの警察署へ通報を”などの警告文がデザインされている。本ポスターは現在、都内の警察署、交番、鉄道駅構内、公共施設、飲食施設などに掲出されている。『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー
2014年11月06日宮沢りえが主演する映画『紙の月』が間もなく公開になる。本作は自身が勤務する銀行の預金を横領した女性の人生が次第に揺らいでいく様を繊細なタッチで描いた作品だが、人間は“大金”を手にすると人生が大きくブレたり、場合によっては金銭感覚がマヒしてしまうものなのだろうか? 公開に先駆けて行われたuP!!!PREVIEW『紙の月』プレミア試写会に参加した観客者の声を集めた。その他の写真本作の主人公・梨花は夫とふたりで真面目に暮す主婦だが、年下の大学生・光太との出会いを機に、勤め先の銀行の預金に手をつける。最初は「すぐに返すつもりで」数万円、次はバレないように数十万円、さらに数百万円……と梨花の行動はエスカレートし、これまでの彼女の“日常”はいとも簡単に崩れ去っていく。プレミア試写会には10代から70代まで幅広い層の観客が来場したが、結果は“大金を手にすると金銭感覚がおかしくなる”という声が圧倒的だった。会場では「金銭感覚が狂うのは500万。人生が狂うのは1億」(24歳・女)、「100万円以上を自由に使えるようになってしまったら、狂い始めると思う」(35歳・男)、「1億くらいあれば簡単に狂います。使っても使っても減っている実感はほとんどないでしょうね」(32歳・女)などの声が寄せられる一方、「人それぞれだと思いますが、欲しいものはある程度揃っているので狂わないと思う」(50歳・女)、「お金の使い方の大切さを知っていれば、私利私欲に走る事はない」(49歳・女)などの声もあがった。とは言え、これはあくまでも“もしも”の話で、1億円を手にしていない人間が語る「1億円あれば人生狂う」にどれほどの信憑性があるかは不明だ。劇中で梨花は多額の金を横領するが、単に金がほしいわけではなく、物語が進むにつれて、なぜ彼女は危険をおかしてまで横領を続けるのかが描かれる。劇中には銀行預金を横領する巧みな手口や、大金を使って豪遊する主人公の享楽的な姿が描かれており、映画を鑑賞した観客は自身とお金、お金を手にしたい“真の欲望”について想いをはせるのではないだろうか?『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー
2014年11月05日東京国際映画祭で最優秀女優賞と観客賞に輝いたばかりの『紙の月』のプレミア試写会が“uP!!!PREVIEW”として11月2日に開催され、宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美、吉田大八監督がレッドカーペットイベントと舞台あいさつに登壇した。その他の写真『八日目の蝉』の直木賞作家・角田光代の小説を映画化。妻として銀行の契約社員として平凡な日々を過ごしていた梨花がある小さなきっかけから横領に手を染め、転落していくさまが美しく、スリリングに綴られる。この日のイベントは新宿ピカデリーにて開催されたが、同時刻に大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台、金沢でも試写会が開催され、舞台あいさつの模様が各劇場に生中継された。宮沢らがレッドカーペットに登場すると、宮沢の顔をプリントした大量のお札が上から降り注ぐという演出で、会場は盛り上がりを見せる。宮沢は「7年ぶりの映画主演で緊張と不安で、撮影に入る前はドキドキしましたが、入ってからは吉田監督の演出の下、濃密で集中力のある毎日を過ごし、惜しみなく演じることが出来ました」と語る。吉田監督は改めて宮沢の最優秀女優賞について「すごくほしかった賞です。この映画においては作品賞とほぼ一緒の意味を持つと思っています」と梨花の変遷を描く本作で宮沢の演技が高い評価を受けたことを喜んでいた。梨花と不倫関係に陥る若き大学生を演じた池松は、撮影中のエピソードとして「ラブホテルでのシーンで貝殻のベッドとかがあるんですが、りえさんはベッドで飛び跳ねていました(笑)」と証言。宮沢は「めったに行かないのでテンション上がっちゃって(笑)。デコレーションの素晴らしさに感動してワクワクしてました」と語り、笑いを誘っていた。これから映画を見る観客に吉田監督は「『楽しんで』と言いきれないところはありますが(笑)、覚悟して観てもらえば、報いが待っていると思います」と自信をのぞかせる。宮沢は「梨花が常識や理性を捨てて、本能に向かって走っていく描写を楽しんでください!」と力強く呼びかけた。『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー
2014年11月04日映画『紙の月』のプレミア試写会が11月2日(日)、都内で開催され、主演の宮沢りえを始め、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美、吉田大八監督が来場し、レッドカーペットを歩いた。平凡な銀行の契約社員だった梨花が若い大学生との不倫に陥り、そこから銀行の金に手を付け、転落していくさまを描いた本作。先日、閉幕した第27回東京国際映画祭では宮沢さんへの「最優秀女優賞」に加え、観客の投票による「観客賞」も受賞した。この日は、劇場に敷かれたレッドカーペットを登壇陣が歩いたが、宮沢さんの顔が印刷されたお札が大量に降り注ぐという演出に会場が沸いた。宮沢さんは7年ぶりにの映画主演の現場について「吉田監督の演出の下、濃密で集中力のある毎日を過ごし、惜しみなく演じることが出来ました」と充実の表情。女優賞のトロフィーを見やり「授賞式でも言いましたが、出来るなら半分にちょん切って、監督にあげたい」と監督への深い信頼をうかがわせる。吉田監督は、宮沢さんの女優賞受賞について「すごくほしかった賞。この映画では『作品賞』とほぼ一緒の意味を持つと思ってます」と我がことのように喜び、「観客賞」についても「すごく勇気が出たし、励みになりました」と嬉しそうに語っていた。大島さんは、無意識の言動で梨花に道を踏み外させていく後輩銀行員を演じており「小悪魔的にシースルーで来ました!」と胸元のセクシーな黒いシースルードレスでイタズラっぽい笑みを浮かべる。細部にわたる吉田監督の演出について「マジ?ここまで?」と思ったというのが銀行員としてお札を数えるシーン。「お札の高さについて『もうちょっと上げて』『もうちょっと』とやっていき、『(お札で)私の顔が隠れちゃう…』と思ったら『大島さんを上げて!』と。『私を上げるんかい!』って思いました(笑)」と一切妥協のない現場の様子を明かす。同じく梨花の上司の厳格な銀行員を演じた小林さんは「お札を数える練習をして、誰よりも上手くできるようになったんですが本編ではすべてカットされてまして(苦笑)。監督、ありがとうございました!」と笑顔でクレームを付け、会場は笑いに包まれた。池松さんは、理花と不倫関係に陥る若い大学生を演じたが「ラブホテルのシーンで貝殻のベッドがあるんですが、りえさんはベッドで飛び跳ねてました」と宮沢さんの奇行を暴露。宮沢さんは「テンション上がっちゃって。めったに行かないので(笑)。デコレーションの素晴らしさに感動してワクワクしてました」と恥ずかしそうにふり返った。『紙の月』は11月15日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2014年11月03日10月23日から31日まで開催された第27回東京国際映画祭では、日本の女優陣が「タサキ(TASAKI)」のジュエリーをまとって様々なイベントに出席し、映画祭を華やかに彩った。同映画祭のフェスティバルミューズを務めた中谷美紀は、18Kホワイトゴールドとグレーダイヤモンドで描き出した羽のモチーフの「テイク フライト」バングルに、スタッドタイプのDカラー、大粒ダイヤモンドのイヤリングをコーディネート。宮沢りえは、18Kホワイトゴールドにあこや真珠、ダイヤモンドで氷柱を表現した最新作「アイシ クルズ」のイヤーカフを着用し、国内から唯一のコンペティション作品として出品された映画『紙の月』のワールドプレミアに出席した。フェスティバルナビゲーターを務めた岡本あずさは、リボンをモチーフにした「バウンド」ティアラをメインに、バラをモチーフにした「リボンローズ」イヤリングやTASAKI のアイコンシリーズ「デインジャー」のリングをコーディネート。自身が監督した映画が上映された監督兼女優の杉野希妃は、18Kホワイトゴールドとシャンパンガーネットを素材に使用したシャンデリアタイプの「デコドレープ」のイヤリングとペンダントを着こなした。
2014年11月01日宮沢りえが第27回東京国際映画祭において『紙の月』での演技で「最優秀女優賞」を受賞。本作は「観客賞」にも輝いた。なお最高賞「東京グランプリ」は米仏合作の『神様なんてくそくらえ』が獲得。こちらも「監督賞」との2冠となった。宮沢さんは艶やかな着物姿で来場。すでに『紙の月』が映画祭に訪れた観客の投票による「観客賞」を受賞したことは授賞式前に発表されていたが、「女優賞」と併せて堂々の2冠獲得となった。審査員の韓国人監督イ・ジェハンは宮沢さんの受賞を「満場一致の決定」と説明。「意味深さと奥深さ、繊細さと脆さを表現し、目で全てを語り、真の自由を求めていた。そして何より、美しい」と称賛を送った。宮沢さんは、信じられないといった表情。なかなか言葉が出てこないようで「なんか震えています…」と苦笑い。「おみくじで大吉を当てて『やったー!』と思う気持ちの中で、『自分を引き締めなくては』と思う気持ちと似ています」と心境を語った。久々の映画主演となったが「7年ぶりということで、不安や緊張もありましたが、吉田大八監督の粘り強く厳しい、でも愛がたくさんこもった演出で、手ごわい役を乗り越えることが出来ました。もし(トロフィーが)半分に出来るなら半分は『最優秀演出賞』で監督にあげたい」と感謝の思いを口にし、席に戻ると吉田監督とガッチリと抱き合った。吉田監督は「観客賞」受賞に「映画を観た後で、コンペの素晴らしい作品の中でこの映画を『好き』と仰って下さった方が一番多いという重みを感じてます。これからの励みにしていきたい」と喜びを語った。「最優秀男優賞」はポーランド映画『マイティ・エンジェル』でアルコール依存症の主人公を熱演したロベルト・ヴィエンツキェヴィチが受賞。本人不在のため、監督が代わりにトロフィーを受け取った。そして、ジョシュア&ベニー・サフディの兄弟監督による作品で、ヘロイン中毒の若者たちを生々しく描いた『神様なんてくそくらえ』が最高賞の「東京グランプリ」と「監督賞」をW受賞。ジョシュアは「2つも受賞して本当に嬉しいです。この映画祭のコンペティションに入選したと聞いたとき『これ以上のことはない』と思いつつ、“極端”を描いたこの作品が日本の方に受け入れてもらえうるのでは?と感じもしました。東京に感謝したいと思います」と挨拶。ベニーは「いろんな犠牲を払いながら作り上げた作品だったけど、思いを込めて作り上げました」と感慨深げに語る。主演のアリエル・ホームズは「何て言っていいか…ありがとうございます」、共演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズは「Thank you very very very very very very much!」と短い言葉に感激と喜びの思いをうかがわせた。この他、日本映画を対象にした日本スプラッシュ部門では安藤サクラ、新井浩文が出演する『百円の恋』が「作品賞」を受賞。同部門の「スペシャル・メンション(特別賞)」には沖田修一監督が無名の俳優ばかりを起用して作り上げた『滝を見に行く』が受賞した。<第27回東京国際映画祭/受賞結果一覧>■東京グランプリ:『神様なんてくそくらえ』■最優秀監督賞:ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ(『神様なんてくそくらえ』)■最優秀女優賞:宮沢りえ(紙の月』)■最優秀男優賞:ロベルト・ヴィエンツキェヴィチ(『マイティ・エンジェル』)■最優秀芸術貢献賞:『草原の実験』■WOWOW賞:『草原の実験』■アジアの未来 作品賞:『ゼロ地帯の子どもたち』■国際交流基金 特別賞:『遺されたフィルム』■日本映画スプラッシュ 作品賞:『百円の恋』■日本映画スプラッシュ スペシャル・メンション:『滝を見に行く』■SAMURAI賞:北野武/ティム・バートン■観客賞:『紙の月』(text:cinemacafe.net)
2014年10月31日第27回東京国際映画祭が開催中の東京・TOHOシネマズ日本橋で30日に日本映画として唯一コンペティション部門に出品された『紙の月』が上映され、プロデューサーの池田史嗣氏が撮影の舞台裏を語った。その他の写真本作はバブル崩壊直後の1994年を舞台に、契約社員として銀行で真面目に働く主婦・梨花(宮沢りえ)が、巨額の横領事件を引き起こすヒューマン・サスペンス。直木賞作家・角田光代氏のベストセラー長編小説を、『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞を受賞した吉田大八監督が映画化した。『八日目の蝉』に続き、角田氏の原作を映画化した池田氏は「どちらも逃げる女性というテーマなので、今回はまったく違うアプローチで映像化したいと思った」といい、『桐島、部活やめるってよ』が公開された直後に、吉田監督にオファー。『クヒオ大佐』『パーマネント野ばら』など、女性の業を描いた作品でも知られ「漠としたイメージだったが、きっと吉田監督がぴったりだと直感した」と明かした。一方、ヒロインを演じる宮沢にとっては7年ぶりの映画主演で「吉田監督とはほぼ初対面だったが、あまりリハーサルもせず、いきなり本番。それでもすごく波長が合っていた」と池田氏。2人の共通点は「いい意味貪欲で、勝負好きなギャンブラー」だといい、「現場では上を目指して、互いに高め合っていた」と振り返った。池田氏自身も「完全燃焼したという自負がある」と胸を張り、コンペティション部門の結果に期待を寄せていた。『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年10月31日現在、開催中の第27回東京国際映画祭(以下、TIFF)。今年は庵野秀明監督の特集上映が組まれたり、オープニング作品をディズニーの『ベイマックス』が抜擢されたりと、例年以上の盛り上がりを見せる今年のTIFF。いよいよ明日(31日)は最終日となり、各賞の受賞結果が発表されるが、中でも注目を集めているのは「コンペティション部門」だ。毎年、熾烈を極めるこの「コンペティション部門」。2011年に最高賞となる「東京サクラグランプリ」(※現在の名称は「東京グランプリ」)に輝いたフランス映画『最強のふたり』は、その後、社会現象ともいえる大ブームを巻き起こすなど、この先の映画界を占う重要な部門となっている。今年、同部門で最も注目を集めているのは、唯一日本からの出品作となった『紙の月』。ベストセラー作家・角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』を大ヒットさせた吉田大八が監督を務める本作。先日、行われた会見でグランプリへの自信について聞かれた、主演の宮沢りえは「あるといえばある」と語り、報道陣を沸かせており、さらに共演の池松壮亮も「あそこまで役に身を投げれる女優さんは、りえさんしか知らない」と、その体当たりの演技を絶賛しており期待感は十分だ。しかし、同会見で「世界という広い舞台で、この映画がどういう位置づけで見てもらえるのか」と語った吉田監督の言葉のとおり、世界はとにかく広い。今年の「コンペティション部門」さらに「最優秀女優賞」まで含めて見渡した時、宮沢さんのライバルは誰なのか?長年、TIFFの作品選定に携わり、今年の各出品作品を選んだ張本人となるプログラミング・ディレクター矢田部吉彦氏に聞いてみると、まさに世界の“広さ”を感じさせる答えが返ってきた。――「宮沢りえさんの強敵は“おばあちゃん”ですね」と。その“おばあちゃん”の正体は、イランを代表する名女優ファテメ・モタメダリア。日本では無名の彼女だが…演技を計る上で、有名・無名を論じるのは無価値。矢田部氏によると、「アゼルバイジャン共和国の『ナバット』という作品で、『紙の月』とはまた違ったタイプの作品です。村が戦争に巻き込まれて村人たちが去ったあと、ひとり取り残されたおばあちゃんのお話なんです。彼女が淡々と生きていく中で抱える“孤独”が、じわじわと胸に迫ってくるんです」。『紙の月』で平凡な日常から逃げ出すように、世の闇へと堕ちていく女性を演じた宮沢さんと、戦乱という非日常の中でどうしようもなく孤独を抱えながら生きていく女性を演じたファテメ。果たして、今年はどの作品が栄冠に輝くのだろうか?第27回東京国際映画祭は10月31日(金)まで開催。『紙の月』は11月15日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月30日女優の宮沢りえが25日、東京・六本木ヒルズで行われた第27回東京国際映画祭「コンペティション」部門・日本代表作品『紙の月』(11月15日公開)の記者会見に出席し、7年ぶりの映画主演作『紙の月』への出演を決めた理由を語った。宮沢は「30歳になって野田秀樹さんの『透明人間の蒸気』という舞台に参加させてもらって、あまりに自分の無力さに驚いて、このままじゃいけないと思った」と言い、「40歳になるまでにできるだけ舞台に心も時間も費やしたい」と舞台に専念することを決意。「40代になった時に、舞台に立っていられる役者になりたい」と目標を立てたという。多くの舞台を経験し、「たくさんの発見があって、学んだこと、豊かになる部分がいっぱいあった」と自分を成長させた宮沢。40代になって「バランスよく映像と舞台とやっていこう」と思った時に『紙の月』のオファーがあり、「やろうと思った時に来たというタイミングがすごかったので、この7年間で得たものを映像の世界に返そう、放出しよう」と明かした。吉田大八監督も、宮沢が舞台に専念していた7年間について、「蜷川幸雄さんとか野田秀樹さんとか世界的な舞台の演出家とお仕事されていて、一方で、映画からちょっと距離をとっているように見えていたので、映画の人間としては悔しいというか」とコメント。そして、「一か八かオファーしたらやってくれると言ったので、自信になりました」と宮沢出演の喜びを語った。「タイミングがよかっただけというのはあとで知った」という吉田監督だが、「この映画が勝負できる映画なんだと、自信を改めて持ったのを覚えています」と振り返ると、宮沢は「グッドタイミングなだけではなくて、監督にもちろん興味があった」とフォローしていた。
2014年10月26日第27回東京国際映画祭が開催中の東京・六本木ヒルズで25日、日本映画として唯一コンペティション部門に出品された『紙の月』の公式記者会見が行われ、吉田大八監督、主演の宮沢りえと共演する池松壮亮が出席した。宮沢は「妥協なく、これ以上のことはできないという現場。その積み重ねが、この映画なので、自信はあるといえばあります」と最高賞にあたる東京グランプリ受賞に期待を寄せていた。『紙の月』公式記者会見その他の写真本作は、バブル崩壊直後の1994年を舞台に、契約社員として銀行で真面目に働く主婦・梨花(宮沢)が、巨額の横領事件を引き起こす様を描くヒューマン・サスペンス。直木賞作家・角田光代氏のベストセラー長編小説を、『桐島、部活やめるってよ』の鬼才・吉田監督のメガホンで映画化した。宮沢にとっては7年ぶりの映画主演で、「40歳になるまで、できるだけ心と時間を舞台に費やしたかった。今回は、舞台を通して得た新しい発見と豊かな恵みを、映画の世界に返したかった」とスクリーン復帰への思いを語っていた。一方、吉田監督は「ここ数年、宮沢さんは舞台を中心に活動されていたので、映画人としては悔しい思いだった。イチかバチかのオファーを受けていただき、自信になったし、勝負できると確信した」と振り返り、「国際映画祭という世界の舞台で、どういう位置づけで観てもらえるのか楽しみ。もちろんコンペティションの意味は分かっているつもり。競争なので負けたくない」と闘志を燃やしていた。また、ヒロインが転落するきっかけとなる年下男を演じる池松は、「これまでたくさんの方と共演したが、これほど身も心も役に投げ出せる女優さんは初めて」と宮沢の熱演に圧倒されていた。第27回東京国際映画祭10月23日(木)から31日(金)まで会場:六本木ヒルズ(港区)、TOHOシネマズ 日本橋(中央区)ほか『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年10月25日女優の宮沢りえが10月25日(土)、第27回東京国際映画祭が開催中の六本木ヒルズで行われた主演作『紙の月』の公式会見に臨んだ。「40歳になるまでは、心と時間を舞台に費やしたかった」と本作が7年ぶりの映画主演となった理由を語った。「30歳で野田秀樹さんの舞台に立ち、自分の無力さを思い知った。このままではいけないと思い、舞台に目を向けたこの数年間は、私にとってたくさんの発見があり、豊かな時間だった」と宮沢さん。40歳になるタイミングで、映画『紙の月』と出会い「自分のなかで蓄えたものを、映画の世界に返そうと思った」と言い、今後は映画と舞台の両面でバランスよく活動したいと話した。同映画祭で日本映画として、唯一「コンペティション部門」に出品されている本作。ベストセラー作家・角田光代の同名小説を原作に、夫と暮らす銀行の契約社員・梅澤梨花(宮沢さん)が、年下の恋人のため顧客の金を横領し、その犯行をエスカレートさせる姿を描いた。会見には宮沢さんをはじめ、共演する池松壮亮、吉田大八監督が出席した。宮沢さんは平凡な主婦から横領犯へと転落するヒロイン役で新境地を開拓し、「妥協のない現場で、私自身もこれ以上のことはできないという思いだった。その積み重ねが、この映画」と強い思い入れ。最高賞である東京グランプリの受賞については「自信があるといえばある」と期待を寄せた。吉田監督も「世界という広い舞台で、この映画がどういう位置づけで見てもらえるのか楽しみにしている。もちろん、コンペティションという言葉の意味は分かっているつもり。競争なので、負けたくないですね」と受賞に意欲を燃やした。一方、年下の恋人を演じる池松さんは「出品を目指して、映画を作っているわけではないが、いい知らせを待ちたい」とこちらは控えめに胸踊らせ、「いままでたくさんの女優さんとご一緒したが、ここまで役に身も心も投げ出せる人は初めて」と宮沢さんの女優魂を称えた。『紙の月』は、11月15日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月25日第27回東京国際映画祭が23日、開幕し、東京・六本木ヒルズアリーナで行われたオープニングイベントで、宮沢りえや安達祐実、中谷美紀、菅野美穂ら豪華女優陣が、それぞれセクシードレスや花魁姿などを披露した。フェスティバル・ミューズを務める中谷美紀は、黒いロングドレスで登場。ファンの歓声を浴びながらレッドカーペットを歩き、ステージで「多くのお客さまがいらしていただいて。本当に映画が好きでいてくださっているんだなと思いうれしい」と感激を示した。中谷は、イベントのラストでも再び登場し、安倍晋三内閣総理大臣と共にレッドカーペットを歩く重要な役割を果たした。コンペティション部門の日本代表作品『紙の月』で主演を務める宮沢りえは、胸元の開いたセクシーなドレス姿で観客を魅了。吉田大八監督、池松壮亮と共にステージに上がり、「撮影は過酷で、ものを作る喜びとつらさを感じながらも、できあがった作品をこうやって華やかな場所に持ってこられたという興奮があります」と語った。また、『花宵道中』の安達祐実は、劇中と同じ花魁姿、『救いたい』の鈴木京香は、落ち着いた色合いの着物で登場した。そして、クロージング作品『寄生獣』に出演する深津絵里は、黒いパンツスーツ、橋本愛はワンピース姿を披露。深津は「雨の中、こんなにたくさんの方に集まっていただいてうれしいです」と喜び、橋本も「たくさんの方々に集まっていただいて、ものすごく大きな力を感じているので、このままみなさんで盛り上がっていければうれしいなと思います」と呼びかけた。さらに、オープニング作品『ベイマックス』の日本語吹き替え版で声優を務める菅野美穂は、星のスパンコールがちりばめられたドレスで、キラキラと輝きを放った。撮影:蔦野裕
2014年10月24日漫画家・大島弓子の自伝的コミックエッセイをドラマ化したWOWOWの連続ドラマW『グーグーだって猫である』(10月18日スタート 毎週土曜22:00~ 全4話)の舞台あいさつ付き完成披露試写会が、10月16日に丸ビルホールで開催。宮沢りえ、長塚圭史、犬童一心監督が登壇した。飼い猫との日常を描いた『グーグーだって猫である』は、2008年に小泉今日子主演で映画化され、スマッシュヒットを記録。ドラマ版では、7年ぶりの主演映画『紙の月』も話題の宮沢りえが、ヒロインの人気少女漫画家・小島麻子役に扮する。長塚圭史は、麻子を長年編集者として支える大森役。映画版に続いて、『のぼうの城』の犬童一心監督がメガホンをとった。宮沢は「天才的な漫画を描かれる方が、日々どう過ごしているのか、妄想するのはすごく楽しかったです。でも、あれだけ素晴らしいものを描くにあたり、ものを生み出す苦悩と、それを見せない、穏やかでキラキラした麻子さんのふたつの面を出せればと思いました」と役への思い入れを語った。長塚は、宮沢と食事をするシーンが多かったと振り返った。「カメラの前で食べることには、なかなか慣れないし、しかも正面に宮沢りえがいる。でも、撮影が進むにつれ、だんだん食べられるようになると、思った以上に食べちゃう。相当食べました」と苦笑い。宮沢も「おそば屋さんでは、本番であることも忘れて、ビールを頼もうかと」と言うと、犬童監督も「このふたりの食べ方は最高。普通は抑制されちゃうけど、本当に食べ切っちゃう。あれはすごい」と2人の食べっぷりを称えた。また、猫との共演を堪能した宮沢は「猫的な女優になりたい」と願望を。犬童監督も「本当に宮沢さんって自由で、どこに行くかわかんない雰囲気がある。それが楽しい。サスペンスっていうかドキドキさせてくれる」とベタ褒めした。さらに宮沢は撮影で「子猫との距離が縮まった気がしました」と大喜びし、「猫が出る作品とかで、私これから重宝されるんじゃないかな」とアピールし、笑いを誘っていた。
2014年10月17日WOWOW連続ドラマWで放送される「グーグーだって猫である」の完成披露試写会が10月16日(木)、都内で開催され、第1話上映後の舞台挨拶に主演の宮沢りえを始め、長塚圭史、犬童一心監督が登壇した。2008年に小泉今日子・主演で犬童監督の手により映画化もされた大島弓子の自伝的エッセイ漫画を、同じく犬童監督が連続ドラマ化。長年連れ添った愛猫・サバを失い、落ち込む漫画家の麻子が運命的に出会ったアメリカンショートヘアのグーグーと共に過ごす日々を全4話で描き出す。撮影のほとんどは原作の舞台でもある吉祥寺で行われたが、宮沢さんは「私の中で住みたい街No.1」と語るほど、撮影を通じて吉祥寺が気に入ったよう。「車を降りて撮影の場所に行くまでに入りたくなるお店がたくさんあって、誘惑を断つのが大変でした(笑)」とふり返る。麻子という役を通じて、漫画家・大島弓子の人生を生きたと言えるが「あれほど素晴らしい漫画をお描きになる方が日々をどう過ごしているのか?撮影前に妄想するのが楽しかったです。あれだけ素晴らしいものを描くには葛藤もあるし、表現する人の苦悩、ものを生み出す苦悩がある。一方でそれを見せず、穏やかで、ものや人が好きで、キラキラしている麻子もいて、その2つの面をちゃんと出せたらと思っていました」と語る。長塚さんは麻子の担当編集者の大森を演じたが、何かと麻子を気遣う役で第1話から麻子と食事を一緒にするシーンが多く登場する。「カメラの前で食べるのに慣れないし、目の前に宮沢りえがいるんですよ(苦笑)!」とその難しさを語るが、徐々に楽しくなっていったよう。「なかなか、みなさんは宮沢りえとお食事する機会はないでしょうが、僕は相当、一緒に食べましたよ(笑)」と自慢げにふり返り、会場は笑いに包まれた。宮沢さんも、食事のシーンは印象深かったようで「おそば屋さんでは本番中というのを忘れて、ビールを頼みたくなりました(笑)」と述懐。犬童監督は「本番中なのに、どう見ても普通に食べてました。普通はセリフも言わなくちゃいけないので抑制気味になるんだけど…。これまでいろんな人の食べる様子を撮ってきたけど、間違いなくこの2人の食べるシーンが最高!」と称賛していた。全4話を通して、最後は麻子が51歳になるまでの時間を描くが、不思議と画面からはゆったりとした時間の流れが伝わってくる。長塚さんは「最近、世の中慌ただしいし、海外ドラマなどでもものすごいスピードで進みますが、この作品は全く違うスピードで独特の時間が流れます」と語る。宮沢さんも「麻子が日々をどう過ごし、年齢、人生をどう重ねていくのか?静かな時間の中で温度を持って表現しています」と本作ならではの魅力を強調。会場は温かい拍手に包まれた。「グーグーだって猫である」はWOWOW連続ドラマWにて10月18日(土)より放送開始(全4話/第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2014年10月16日女優の宮沢りえが、主演映画『紙の月』(11月15日公開)で、第28回山路ふみ子女優賞を受賞したことが15日、明らかになった。同映画は、『八日目の蝉』(2011年公開)などで知られる直木賞作家・角田光代の同名ベストセラー小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督がメガホンを取った作品。東京国際映画祭のコンペティション部門の日本代表にも選ばれている。バブル崩壊直後の1994年を舞台に、巨額横領事件を巻き起こす主婦・梅澤梨花を宮沢が演じた。山路ふみ子賞とは、映画人の育成、功績を称える目的で毎年開催している賞。宮沢が同賞を受賞したのは、『父と暮らせば』(2004年)以来2度目となる。女優賞を2度受賞するのは、吉永小百合に続く史上2人目の快挙。「平凡な主婦が無自覚の内に変貌していく姿を、美しくも重厚に描き、圧倒的な演技を披露したこと」が評価された。(C)2014「紙の月」製作委員会
2014年10月16日女優の宮沢りえが7年ぶりの主演映画『紙の月』で、第28回山路ふみ子女優賞を受賞した。平凡な主婦から横領犯へと転落するヒロイン役で新境地を開拓。宮沢が同賞を受賞するのは『父と暮せば』(2004年)以来2度目で、2度の女優賞は吉永小百合に続き、史上2人目の快挙となる。その他の写真吉報が届いた15日、メガホンを執った吉田大八監督がアップルストア銀座で行われたトークショーに出席。日本映画として唯一、第27回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されており、同映画祭のコンペ部門プログラミングディレクターを務める矢田部吉彦氏を聞き手に、「僕が求めるもの、映画が必要とすることのために、100パーセントの仕事をしてくれた」と本作で宮沢が見せた“女優魂”を振り返った。映画はベストセラー作家・角田光代の同名小説を原作に、夫と暮らす銀行の契約社員・梅澤梨花(宮沢)が、年下の恋人のため顧客の金を横領し、その犯行をエスカレートさせる姿を描いた。吉田監督は「だんだんプロセスが大胆になるなかで、彼女が見せる表情の変遷が、作品の大きなよりどころになった。現場では常にプロフェッショナル。監督としての僕を信頼してくれた」と宮沢への感謝を表した。吉田監督はCM業界で20年のキャリアを積んだ後、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2007年)で長編監督デビュー。『クヒオ大佐』(2009年)『パーマネント野ばら』(2010年)を発表し、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)では第36回日本アカデミー賞で最優秀監督賞を受賞した。「毎回違ったことをしようと心がけるが、いい意味で『監督らしいですね』と言われることも。長年CMをやってきたからか、なるべく自分を消して、誰が撮ったかわからないと思ってもらえるのが理想」と話していた。山路ふみ子賞は映画人の育成、功績を称える目的で毎年開催している。『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年10月16日大竹しのぶ、宮沢りえ、そして段田安則主演の舞台『火のようにさみしい姉がいて』が10月5日より大阪・シアターBRAVA!で上演中だ。『火のようにさみしい姉がいて』チケット情報終始張り詰める緊張感、その中でふっと訪れるユーモア、美しい言葉の数々、そして鏡を多用して重層的な世界を作り上げた演出の妙が観客をうならせ、さきの東京公演は連日、好評を博した。段田安則は、妻と“姉”を前にして、夢と現の境界線上でゆらめきながら、記憶を翻弄される男を怪演する。「清水さんの戯曲は、現実と虚構、真実と嘘、正気と狂気といった境界線を行ったり来たりするところが面白い。独特の台詞まわしで、しゃべっていて心地よく、楽しいです」と清水脚本の魅力を語る。人生に疲れ果て、「転地療養」と称して20年ぶりに雪国の故郷に戻ってきた俳優(段田)と、その妻(宮沢)。道を尋ねるために入った理髪店の女主人(大竹)は、いつしか男の姉だと言い張るが、男にはその記憶はない。やがて男の“弟”と称する人物や、謎の老女3人が現れて、男の過去に踏み込んでいく…。緊張と緩和、現実と虚構が絶妙なタイミングで押し寄せる名作舞台をぜひ、体感してほしい。そして、本作品を観る者によって結末が異なるサスペンスとたとえる。「誰の視点で見るかによって、その結末も形が変わって見えてくるかもしれません。姉、妻、男とそれぞれの視点で、捉え方が変わるのだと思います。正解を探そうと思えば思うほど、迷宮に迷い込むような感覚になるのでは」。1978年に劇作家・清水邦夫が、自身が主宰する演劇企画集団「木冬社」で初演し、1996年には清水自ら演出を手がけ再演した舞台で、記憶の迷宮をスリリングに描き、大きな話題を呼んだ。だが、以降は一度も上演されることなく、いつしか人々の間では「伝説的な戯曲」に。そんな“幻の舞台”を蜷川幸雄が2014年、初めて演出を手がけた。「鏡がいっぱいある楽屋のシーンで始まり、後半には遊園地にあるようなミラーハウスも出てきます。鏡に映っているものは左右反対の言わば虚の姿。そこにも現実と嘘と、夢とか真実という意味合いがある。普段、目に見えるもの、自分で理解できるものこそ真実と考えがちですが、本当にそこに真実はあるのか、狂気や嘘の中にも真実があるのかもしれない…と思えてくるような舞台です」舞台『火のようにさみしい姉がいて』は10月13日(月・祝)まで、大阪・シアターBRAVA!で上演。チケット発売中。
2014年10月06日東京・吉祥寺で猫と暮らす漫画家・麻子。愛猫との日々、人との関わり合い、孤独、自由を描くドラマ「グーグーだって猫である」。大島弓子が自身と猫たちを題材にするコミックエッセイを原作に、犬童一心監督がオリジナル・ストーリーでその世界を描く。2008年に小泉今日子主演で映画『グーグーだって猫である』を手がけた犬童監督が、再び同じ原作を映像化しようと思ったきっかけは何だったのだろう。「今年はTVドラマをやろう、という気持ちがあったんですよ。自分で企画して、できるだけやりたいように作る。その題材のひとつだったんです。宮沢りえさんが小島麻子をやれば、前の映画とは違う『グーグーだって猫である』を作れる、という勘が働いたんですね。4つのストーリーラインを決めた段階で、どういうドラマにしたいかも添えて宮沢さんに打診したんです。そしたら、やってくれると返事が来た。となると、やっぱりできるだけ自由に撮れるところでやりたかったんです。できるだけ自由に大島さんのドラマを作れる場所は、というとWOWOWだったんですね」。宮沢さんは、近年は映像作品よりも舞台中心に活躍してきた。「宮沢さんが40歳になって、やっぱり違う魅力がすごく出てきてたから、それで小島麻子をやりたいというのもありました。宮沢さんは、今まで一緒に仕事をした俳優の中で、ある意味、いちばん普通の人です。ものすごいスターじゃないですか。だけど、現場にいるときには本当に普通にスタッフに接して、一緒にいる人です。それはたぶん、小さな頃から仕事をしてきて、この10年間は舞台をずっとやっていて、自信があるんじゃないのかな。キャリア30年以上の超ベテランなので。キャラクターの理解の幅が広いんですよ、すごく。こじんまりとまとめない。漫画に対して真剣である麻子と、馬鹿なこと言って笑ってる麻子、そのどちらも当たり前としてやる。人ってそういうものなんだ、と把握しているから、堂々とそれができる。小さくまとめて輪郭をはっきりさせていけば、分かりやすい。でも、まるで別人かのような異なる面を平気で演じていくと、逆にそのキャラクターが大きく見えてくる。それをよく分かっている人ですね。いま撮っているシーンの前後に合わせるようには演じない。前後を考えないでやっても大丈夫、とも言えるんです。自分が繋ぎとめられる自信があるのかもしれない。だから最終的には全然違和感がない。とらわれないところがあるんですよ、宮沢さんには。どっか行っちゃう子どもみたいな感じがある。僕はそういう小島麻子にしたかったこともあるから、撮っててすごく楽しかったですね」。猫との日常、さまざまな人との出会いに加えて、このドラマで印象深いのは仕事に打ち込む麻子の姿だ。「麻子は漫画を描いて描いて、描くしかない。この人は漫画を描く以外には、やることもできることもない、という迫力を持った人なんです。馬鹿みたいなことを言って笑ってたりするけど、根底には『描くしかない』という思いがある。大島さんもそうですよ。だから、迫力があるんです。希望を持つために、世界を肯定するために、がんばって漫画は描いてるけど、目の前で理想が実現するとは思ってない人というか。一種の諦観があるけど、理想と希望をちゃんと持とうとして頑張っている。自分は絶対にやめないという決心があるというか。それしかやることがない、これなら絶対ずっとやれる、というものに向かっていく迫力がちゃんとあるんです」。それは宮沢さんの仕事に対する姿勢とも重なってくる。「なぜ舞台に出続けているのかを尋ねたら、『舞台の上で自由になるため』と彼女は答えたんです。その空間で自分が自由でいられるためには、とにかくいっぱいやってみなければ、と思ったと言うんです。僕自身、同じように感じたことがあります。好きなように撮影できるようになるためには、撮り続けるしかない。自由にならないと、できないことがあるんです。今回の撮影期間では、自分の好きなものと必要なものだけを自然にどんどん撮れたと思います」。「ドラマでは、より原作のエピソードを使いたいと思って撮りました。たとえば、ホームレスから猫をもらうエピソード。これが重要なんです。何故かというと、麻子という人の孤独をいちばん理解できるのがこのホームレスだから。彼女も彼の孤独を人一倍感じてしまうわけです。それをちゃんと組み込みたかった。原作のモチーフを、できるだけ全4話の中に組み込むようにしました。映画だと2時間で1つのストーリーを語らなければいけないけど、ドラマでは1話ずつに振り分けられたので、僕としては、すごく原作に近く撮ったつもりです。原作はエッセイ漫画ですから、そのテイストをドラマの中に入れていくという感じでしょうか。孤独がシンクロする話や、グーグーとの15年8か月という年月、そばにいてくれたことへの感謝をちゃんとやりたかったんです」。最後に改めて、ドラマ「グーグーだって猫である」とはどういう作品か、尋ねてみた。「TVドラマなんですけど、やっぱり画と音の魅力で楽しめる映像作品っていうのかな。そういうものを作りたかったんです。ストーリーの面白さも大切だけど、画と音を楽しめる映像作品としてのTVドラマを作りたかったので、そういうふうに楽しんでもらえたらいいなと思いますね。あとはやっぱり、今の宮沢りえさんがどれだけ魅力的なのかということを映像で見てほしいです」。(text:Yuki Tominaga)
2014年10月03日