LITALICO発達ナビの「施設情報」では、24時間いつでも施設に直接WEB問い合わせすることが可能です!また、各施設の特徴や、利用者の声も合わせて知ることができるので、お子さんにぴったりの施設を探すことができます。今回は、東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・大阪の、いま空きがある放課後等デイサービスをピックアップ!気になる施設を見つけたら、「ページを見る」をクリックして、詳しい情報をチェックしてみてください。東京都 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報自立した生活や就労を目指し、公文式学習や社会性を身につけるプログラムに力を入れる教室です。時間をかけて自分のペースで行う個別学習によって、自己肯定感を養い、生きるために必要な「見当」がたてられるような支援を実施しています。スタッフには、障害者施設でのサービス管理責任者、保育士、KUMON学習塾講師、大学講師等の経験者が在籍。学習を通じて「やればできる」という実感を持ってもらうことで、「生きる力」を育む支援を行っています。Upload By 発達ナビ施設情報「運動を通して心身の成長をサポートする」をモットーに活動している教室です。屋内ではダンス、屋外では公園遊びを中心として身体を動かし、季節に応じた遊びや体験を通して子ども達の「できた!」を増やしていきます。スタッフには、特別支援学校教諭を10年経験している管理責任者や、療育センター経験6年の児童指導員が在籍しています。学校・ご自宅まで送迎を行っており、日曜日以外ならどの曜日でも対応可能です。東京都の放課後等デイサービスをもっと見る神奈川県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報社会で出来る事を増やす為の活動を多く取り入れている教室です。将来の生活に不可欠な、お金の使い方、料理、集団活動には力を入れており、日々の活動を通じてお子さんの自信に繋がるよう支援を行っています。子育てを経験しているスタッフ、福祉分野での経験者が多く在籍し、研修や話し合いの機会を大切にしています。室内はとても広く、のびのびとお子さんどうしで交流できるようになっています。神奈川県の放課後等デイサービスをもっと見る埼玉県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報個別学習支援、ソーシャルスキルトレーニングを活用した集団療育、TEEACH、運動療法、食育などのプログラムが充実した教室です。スタッフには、英語の教諭、幼稚園教諭、保育士、児童福祉士、介護福祉士、理学療法士などが在籍し、毎月の研修を通じてスキルアップにも力を入れています。教室には、勉強する部屋、活動する部屋、リラックスする部屋、キッチンがあり、多様な活動がしやすい環境を用意しています。また相談支援事業所を同法人内で運営しているため、高校卒業後も継続して支援が可能です。埼玉県の放課後等デイサービスをもっと見る千葉県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報個々のお子さんの特性や集団属性にあわせて、楽しみつつも役に立つ豊富なプログラムを用意して支援を行っている教室です。基礎学力の定着、時節に合わせたイベント、生活安全能力向上、積極的な地域社会のリソース活用を図っています。スタッフは障害者福祉施設や放課後等デイサービスの経験豊富なベテランたちで、定期的な研修や障害福祉の研究を通じて、自己研鑽に取り組んでいます。日当たりがよく、静かな通りに立地する施設で、夏場には広いベランダでプールを出して、水遊びなども実施しています。千葉県の放課後等デイサービスをもっと見る愛知県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報今年12月オープン予定の教室です。「本物にふれる体験」をテーマに、経験や体験を重視した活動を行うことを予定しています。ダンス、お絵かき、英会話など、専門講師による講座や、クッキング、工作などのクラブ活動、また敷地内の畑での農業体験などを計画中です。スタッフには、児童デイサービスの経験者が在籍し、クラブ活動は専門の資格や経験を持った講師が担当します。あおなみ線南荒子駅から徒歩1分に立地する、140坪のバリアフリーな施設で、車椅子や機能障害、運動発達の遅れのあるお子さんも安心してご利用可能です。防犯カメラやGPSを活用し、安全管理にも力を入れていきます。愛知県の放課後等デイサービスをもっと見る大阪府 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報広大なお庭を最大限活かしたプログラムが特徴の教室です。自然観察はもとより、バナナ、柿、梅などの収穫を身近に経験できます。教室では「ただいま」「お帰り」の挨拶から始まり、日々の支援は個々のプログラムに添って行います。苦手な教科についての勉強も経験豊かな元教師の支援員が実施。また、地域に根ざした支援教育を目標に、地域の方々の協力のもと、実践的な社会生活訓練を進めています。Upload By 発達ナビ施設情報多様な支援プログラム、お子さん・保護者の方への安心・安全なサービス提供を目指して活動する教室です。支援プログラムとして、創作・造形活動、ソーシャルスキルトレーニング、音楽療法、体操を実施しています。スタッフには、経験豊富な児童指導員、保育士、介護士、看護師が在籍し、幅広いニーズにお応えしています。また、訓練室スペースを広くとり、バリアフリーで安全な空間を提供するとともに、お子さんが1人になりたいときにリラックスできる場所も用意しています。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見るおわりにいかがでしたか。気になる施設がありましたら、空き状況や教室見学について、お気軽にお問い合わせしてみてくださいね。
2017年10月26日発達支援施設とは?発達が気になるお子さんや、障害のあるお子さんを、ご家庭の中だけでサポートすることは容易なことではありません。そういった子どもたちのためにあるのが「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」などの発達支援施設です!児童福祉法では、障害児通所支援と呼ばれ、全国各地にある施設に直接通うことで、必要なサポートを受けることができます。原則的に、小学生未満の未就学の子どもが通うことができるのが児童発達支援、小学生~高校生の就学児童が通うことができるのが放課後デイサービスです。児童発達支援では、小学校就学前の子どもを主に対象とし、支援を受けることができる施設です。日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりといった、多様な支援を目的としています。サービス・利用方法・費用・手続きの流れについては、以下の記事に詳しくまとめられています。放課後等デイサービスとは、障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設です。放課後等デイサービスでは、生活力向上のためのさまざまなプログラムが行われています。トランポリン、楽器の演奏、パソコン教室、社会科見学、造形など習い事に近い活動を行っている施設もあれば、専門的な療育を受けることができる施設もあります。サービス・利用方法・費用・手続きの流れについては、以下の記事に詳しくまとめられています。どんな支援が受けられるの?児童発達支援や放課後等デイサービスにはさまざまなタイプがありますが、一部の施設では療育的なアプローチによる支援を受けられることもあります。ソーシャルスキルトレーニングをはじめ、さまざまな独自の療育プログラムが組まれている場合もあり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など専門資格を保有しているスタッフがいる施設もあります。また、障害のある子どもにとって、児童発達支援や放課後等デイサービスは、家庭・学校(園)につぐ3つ目の居場所となります。子どもにあった施設を選ぶことができれば、親子ともども充実した時間を過ごすことができるはずです。発達支援施設を選ぶときのポイントは?お住まいの地域にどんな施設があるかは、保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所、発達障害者支援センターや、市町村の窓口で確認することができることもあります。これらの窓口で、子どもの特性にあった施設について相談してみることも有効です。公共の相談窓口以外に、インターネット上で施設を探すこともできます。LITALICO発達ナビの「施設情報」では、全国の児童発達支援施設や放課後等デイサービスを、合わせて約15,000施設掲載しています。それぞれの施設の受け入れ状況や、サポートの内容も詳しくまとめられています。また、各施設のスタッフが自分たちで更新している写真付きのブログや、実際の利用者さんからの口コミ情報も合わせて見ることができます。さらに、発達ナビ上から24時間いつでも、空き状況の確認や教室見学などの問い合わせをすることが可能です。利用にかかる費用は?児童発達支援と放課後等デイサービスは障害児給付費の対象となるサービスです。通所受給者証を取得することで国と自治体から利用料の9割が給付され、1割の自己負担でサービスを受けることができます。生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円市町村民税課税世帯(年間所得がおおむね890万円以下の世帯): 4,600円上記以外(年間所得がおおむね890万円以上の世帯): 37,200円このほかにおやつ代などの食費や教材費などの実費が必要になる場合もあります。また、自治体により独自の助成制度があります。児童発達支援の利用にかかる費用について、詳しくはこちらのコラムの「児童発達支援施設の利用方法」の章にまとめられています。生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円市町村民税課税世帯(前年度の年間所得がおおむね890万円以下の世帯): 4,600円上記以外(前年度の年間所得がおおむね890万円以上の世帯): 37,200円原則一割負担ですが、前年度の年間所得によっては負担額が0円であったり、1割以上である場合もあります。施設によってはおやつ代や制作物の材料代などがかかるところがあります。これらに加え、自治体により独自の助成制度がある場合もあるので、行政の窓口に問い合わせてみましょう。放課後等デイサービスの利用にかかる費用について、詳しくはこちらのコラムの「放課後等デイサービスの利用方法」の章にまとめられています。施設の利用方法は?発達支援施設に通うためには「通所受給者証」が必要になります。通所受給者証はお住まいの市区町村の福祉担当窓口・障害児相談支援事業所などに申請を行うとで取得することができます。この通所受給者証があることで、自己負担1割でサービスを受けることができるのです。障害者手帳がなくても、通所受給者証があれば、「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」を利用できます。詳しい取得法や、申請の方法はこちらを参考にしてください。その他にも受けられるサービスはあるの?また、児童発達支援や放課後等デイサービス以外にも、受けられる支援があります。受けられる支援の詳細や申請方法はこちらにまとめられています。療育手帳・障害者手帳とは?障害者手帳とは、障害のある人が取得することができる手帳です。障害者手帳を取得することで、障害の種類や程度に応じてさまざまな福祉サービスを受けることができます。身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などの種類があります。まとめサービス・支援は多岐にわたるため、すべてを把握できず戸惑うこともあるかと思います。そんなときは、早めに相談することで、一歩ずつ疑問を解決してゆきましょう。保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所、発達障害者支援センターや、市町村の窓口に相談することで、次のステップが見えてくるかもしれません。また、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどのスタッフも相談に乗ってくれるはずです。一人で抱え込まず、相談できる相手を見つけ、適切な支援につなげていくことが大切です。
2017年08月29日今の時代に求められるコミュニケーション力とは?アナログゲーム療育アドバイザーの松本太一です。私は、150種類以上のカードゲームやボードゲームを使ってコミュニケーション力を身につける「アナログゲーム療育」を開発し、発達障害のあるお子さんや大人の方を対象に実践しています。Upload By 松本太一アナログゲーム療育のコンセプトを一言でまとめれば、下のとおりになります。これまでの教育や療育は、大人が子どもに何かを教えたり命令する上下関係が基本となっていました。つまり「教える側と教わる側」、「命令する側とそれに従う側」という関係です。しかし、IT化やグローバル化が急速に進む現代社会では、多様な立場や価値観を持った人たちと対等な立場で関わる必要があります。そこで求められるコミュニケーション力とは、お互いの尊敬に基づいて、交渉したり合意形成できる力だと考えています。お子さんがこうした力を身につけるためにはどんな経験が必要なのでしょうか?ピアジェやヴィゴツキーといった著名な心理学者たちは、ルールを伴う集団遊びを通じた子ども同士の関わり合いの大切さを強調しています。しかし、発達障害のあるお子さんの場合、障害の特性として、相手の気持ちを察したり集団のルールを理解するのが難しいことがあります。そうしたお子さんが安心して楽しみながらコミュニケーションの練習ができるように開発されたのがアナログゲーム療育です。子ども同士のヨコの関係づくりが難しい出典 : 発達障害のある子たちのことで、今、1つ心配していることがあります。それは、親御さんや先生といった大人との関係は良いのに、同年代の子どもたちとの付き合いを避ける子が多いことです。過去に集団遊びで失敗した経験がもとで、他の子と遊ぶことに不安感を感じているのです。しかし、大人と関わる経験だけでなく、子ども同士の関わりを経験しないと、相手の気持ちや場の状況を「読む」力は中々身につきません。大人との関わりでは、子どもが少々無理なことを言っても大人のほうで合わせてくれます。しかし、子ども同士の関わりでは、相手の意にそぐわないことをすれば関係を絶たれてしまうかもしれませんし、集団のルールを守れなければ、仲間はずれにされてしまうかもしれません。裏を返せば子どもたちは、子ども同士の関わりを通じて、「相手はどうすれば喜んでくれるだろう?」、「この場では自分はどう振る舞うことが求められているのだろう?」といったふうに、相手の立場に立って考えたり、場の状況にあわせて動く練習をするのです。こうした経験が充分でないまま成人すると、社会に出て仕事などを通じて否応なしに人間関係を結んだとき、「相手の気持ちがわからない」「空気がよめない」といったコミュニケーション上の困難が表れやすくなると、私は考えています。アナログゲームを通じて「対等な立場で関わる」経験を積む出典 : お子さんたちに対等な立場で関わりあう経験を積んでもらうのに、アナログゲームは最適なツールです。ゲームでは、全てのプレイヤーが対等の関係にあります。また、プレイヤーたちは勝敗や順位を競い合うライバル同士であるのと同時に、ルールやマナーを守り合ってゲームを成立させるパートナー同士でもあります。ルールを守り合って楽しく遊ぶ経験が、子ども同士で対等に関わる経験となり、ひいては今の社会で求められるコミュニケーション力を身につける練習となるのです。ただし、集団遊びに慣れていなかったり、不安を感じているお子さんには、適度な大人の手助けが必要です。私のウェブサイトでは療育で用いるゲームと大人の関わり方を解説しています。また発達ナビでもいくつかゲームを紹介していますので、参考にしてみてください。アナログゲーム療育のススメ(ゲーム紹介)実際にゲームを使ってどんな風に療育を進めていくのか、文章だけではイメージしにくい方もいらっしゃると思います。そこで、2017年7月に(株)ジャパンライムさんから発売したアナログゲーム療育のDVDから、幼児のお子さん向けの「マイファースト・ゲームフィッシング」、小学生向けの「ベストフレンドS」の映像をご紹介します。なお、DVDには上の2つを含め20近いゲームを紹介しており、その全てについてゲームのプレイ映像と指導ポイントの解説が含まれています。下記の販売サイトでお求めいただけます。(株)ジャパンライム販売ページ実際にゲームを体験してみよう!Upload By 松本太一また、実際にゲームを体験してみたい!という方のために、東京の高円寺にあるアナログゲームショップ「すごろくや」にて毎月一回、講座を開催しています。幼児編・学童編・大人編と年代別に分かれており、各回とも講義とゲーム体験交えてアナログゲーム療育を学ぶことができます。こちらもご興味があればぜひ参加してみてください。まずは一緒に遊んでみよう!アナログゲーム療育で使用するのは、どれも通常のおもちゃ屋さんなどで売られているものです。必要なものは全て箱に入っており、プレイの手順は説明書に書かれていますから、誰でも手軽に始めることができます。アナログゲーム療育にご興味を持たれた方は、これまでご紹介してきたゲームの中から、普段関わっているお子さんに合いそうなものを、まずは1つ購入して一緒にプレイしてみることをオススメします。お子さんと一緒にゲームをプレイする過程で、今まで見えなかったその子の思考や行動の特徴と、成長ぶりが見えてくることでしょう。それはお子さんのコミュニケーション力の向上にきっと役立つはずです。
2017年08月18日放課後デイ・教科支援の先生からのメールに母はドキッ。現在高校3年生の発達障害のある娘は、中1の時から学習支援と余暇活動の場として放課後等デイサービスを利用しています。娘を通わせている放課後デイには送迎サービスはないので、公共交通機関を使える娘は1人で通っています。事業者と保護者との連絡は、連絡ノートかメール、電話でやり取りをしています。中1の終わり頃、娘の学習支援の担当者から母にこんなメールが届きました。Upload By 荒木まち子思わずアドバイザーの先生に相談する、心配性なワタシ遅刻もあるようだったので、娘のモチベーションが下がってしまったのかと心配になった私は、放課後デイのアドバイザーの先生に相談をしました。Upload By 荒木まち子放課後デイでは温かな「お母さんみたいな人たち」に囲まれて…Upload By 荒木まち子勘の鋭い娘に母は痛い所を突かれました…Upload By 荒木まち子主人にもグサッとやられました…Upload By 荒木まち子理想のお母さんには程遠い私。でもまぁ、いっか(笑)届けたい「お互いさま」の気持ち娘は主人の転勤で見知らぬ土地(関西)に引っ越後に直後に生まれました。その後、主人が単身赴任となり私と娘は二人きりで生活していた時期もありましたが、おおらかな土地柄のせいか、困った時は近所の方が「お互いさま」といつも助けてくれました。その経験から、今住んでいる地域(関東)に引っ越した後も私は“困りごとは一人で悩まずに周りに相談”し、“自分にできない事や苦手な事は得意な人やプロに助けを求める”ようにしてきました。娘が「放課後デイの先生がお母さん!」と言ったのも、文字通りの意味では母として少しさみしいですが、よーく考えてみると凄く嬉しい言葉でもあります。肉親のように支援者の先生に気心を許し、心底頼れるなんてなんて素敵なこと。頼り頼られる「お互いさま」の精神が娘にも通じていると感じる瞬間でした。
2017年05月11日成長実感する放課後デイサービス。あったかーい先生の個別支援計画この春、小学2年生に進級する長男キョウタ。幼稚園時代は発達支援センターを利用し、去年小学校に入ってからは、週に1~2回、放課後等デイサービス(6歳~18歳までの障害のあるお子さんや発達に特性のある子が、放課後や長期休暇に利用できる福祉サービス)を利用しています。時間的にも内容的にも学童保育と同じ感じですが、特別支援学校のお友達や、幼稚園時代に通っていた発達支援センターで一緒だった別小学校に入学したお友達など、色んなお友達とふれ合える特別感がプラスされた温かい空間です。福祉サービスということで、利用する際にモニタリングをしたり、個別支援計画書を作成してくれたりしてくれます。幼稚園時代の発達支援センターの先生が作成してくれた計画書は、長期目標は「様々な場面で落ち着いた行動がとれるようにする」短期目標は「自分の気持ちをうまく言葉で表現できるようにする」などでした。幼稚園では座ってられるけど場所が変わるとテンション上がって大騒ぎだったり、怒りスイッチが入るとパニックになったりひとりで端っこで1時間くらい拗ねてみたりしていた、感情や行動に波があったまだ多動性が強い長男に向けた目標でした。小学校は安心!と気を許してた母に、目の覚めるようなミッション届くキョウタも卒園する頃(6歳)には、だいぶ色んなことが安定してきて、大きな成長を見せてくれ、私も大きな心配はなく小学校に入学させることができました。成長して次のステップへ。さて放課後デイの先生はどんな目標を立ててくれるのかなぁと、支援計画書を見たんですが…(去年の4月の話です)Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナ「短期目標」なので長男が達成しやすく長男の成功体験が積みやすい内容を設定してくれた先生の温かい意図を感じると同時に、普段下着がシャツから出ていても、麻痺して気付かなくなってしまった私を…反省したのでした。
2017年04月15日生まれた時から、「障害」は私の特徴のひとつだったUpload By 和田 恵利菜「障害者」という言葉に私はこれまで親しみを感じながら生きてきました。他ならぬ自分自身が障害者と呼ばれる立場にあるからです。私は先天性の障害で、3歳の時から電動車いすを使用しています。歩くことはできませんし、握力も弱く、自分の腕を持ち上げることも出来ません。できないことは多くありますが、現在、私は障害を自分の特徴の一つだと思っています。私は小中高と地元の学校に通い、現在は大学で心理学を専攻しています。大学では比較的バリアフリーが進んでおり、友人や先生、ヘルパーの方の手を借りながらも、快適に生活ができています。しかし、小中学校、高校での生活は、物理的にも制度的にも困難に感じることが多くありました。9年間ずーっと1階の教室で過ごした、私の同級生電動車いすを使用する私にとって、最も大きな問題はやはり「移動」です。学校には多くの段差が存在し、当然、階段も使用しなければ学校生活を満足に送ることはできません。小学校、中学校では、小さな段差や階段に対しては、スロープをつけるなどの工事を行い、問題を解消してもらえました。しかし、私の地元にはエレベーターの設置がある公立学校は少なかったため、私の通っていた小中学校でもエレベーターを設置してもらうことはできませんでした。そこで対策として、私の学年の教室は常に1階に設置してもらうこととなりました。小学生から中学生までの9年間、私はずっと1階の教室で勉強をし、日々の学校生活を楽しんでいました。Upload By 和田 恵利菜私の在籍していた学校は小中一貫校で、周囲の友人も9年間ほとんど変わることがありませんでしたので、当然、私の同級生も9年間、1階の教室で過ごすことになったのです。そんな中、ある日私は「僕だって1階じゃなくて上の階の教室がよかった」という同級生の声を耳にしました。自分のために周りの人たちに我慢を強いているのではないか。はじめてそう気が付いた私は悲しく思い、同時にどうしたらよいのか分からなくなりました。そんなとき、私を救ってくれたのは「私は1階の教室も好きだし、気にならないよ」という友人の言葉でした。彼女にとっては何気ない言葉だったのだろうと思いますが、当時の私にとっては「私に合わせて変えた環境を、受け入れてくれる人もいるんだ」と感じることができた大切な言葉でした。私は、環境を工夫すれば「障害者は障害者でなくなる」と思っています。それは私のような身体障害だけではなく、全ての障害に当てはまることだと思います。Upload By 和田 恵利菜できないことは環境の工夫次第で、できるようになります。幼少期、児童期の私にとって、歩けないこと、腕がうまく動かないことは、劣等感を感じさせるものでした。自分が思うように行動できないもどかしさにイライラしたり、周囲の人に迷惑をかけてしまっていると罪悪感を感じたりすることもありました。しかし、小中学校、高校、大学と進学し、その都度、環境を工夫し、支援をしてもらう中で、私が学校で「できないこと」は減らせることを知りました。つまり、それぞれに適した工夫によって、身の回りの「障害」がなくなった瞬間に、障害者は障害者でなくなるのです。特にそれが顕著なのは、発達障害なのではないかと思います。「環境を整える」−かつて私が受けた支援は、発達障害の子どもたちにも必要なものだったUpload By 和田 恵利菜私は現在、放課後等デイサービスでアルバイトをしています。そこでは発達障害やその傾向のある小学生の勉強を見たり、一緒に遊んだりしています。子どもたちの中には、周囲に人がたくさんいる状況で集中して勉強することが難しかったり、自分の思いや考えを言葉で表現することが難しかったりする子もいます。どうやったら子どもたちが快適に過ごせるようになるのか、どうするのが子どもたちにとって最も良いのか、私も試行錯誤の毎日です。ですが、そんな中で気が付いたのは、環境を整えることができれば、彼らの可能性はぐんと広がるということです。集中が続かない子どもに対して、時間を細かく区切って活動する、仕切りを立てるなど一人で落ち着いて勉強に取り組める環境を作る、一度にすべての指示をせずにひとつずつ図示して伝える。全て本に載っていたり、講義で学習したりした、発達障害のある子どもたちに対する対応策の一例です。Upload By 和田 恵利菜これら全てを実践してみることはまだできていませんが、一部を実際に試してみると、一見できないと思っていたことが、簡単にできるようになる子どもたちがいました。特に指示をひとつずつ伝えるということは意識を持つだけで簡単に実践できるので、私は常に気を付けるようにしています。これらの対応策は、多くが「環境を整える」というものです。そして、私が学校で受けた支援も同じ「環境を整える」というものなのです。合理的配慮の広がりに向けて、当事者として声をあげたい困難の内容は、障害によってそれぞれだと思いますが、案外、解決方法は似ているのではないか。私はそう思います。個人の特性に合わせて環境を変えていくのに、個人の力だけでは限界があります。そこで私が注目したいのは「合理的配慮」です。合理的配慮とは、2016年4月に施行された障害者差別解消法において、障害の有無にかかわらず、全ての国民が互いを尊重し合いながら共生する社会の実現を目指して定められたもので、私は障害者一人ひとりの特性を踏まえた支援を行える可能性が広がったのではないかと考えています。Upload By 和田 恵利菜行政機関と民間事業者との義務の違いがあったり、配慮を実施する側の負担が大きすぎる場合など、全ての要望が実現するわけではありませんが、法律で障害者への配慮について定められたのは、大きな一歩だと思います。実際に、私は現在通っている大学に配慮の提供を申し出て、何度も話し合いを重ねてきました。また、自分が高校で受けた支援内容を行政機関に紹介したこともあります。私は、合理的配慮による可能性の広がりに期待を持っていますが、多くの人が快適に過ごせるようになるには、まだまだたくさんの課題があるようにも感じています。Upload By 和田 恵利菜例えば、要望通りの配慮が行われない場合や、配慮を申請し、実施するまでの手続きに長い時間がかかってしまう場合などは課題として挙げられるかもしれません。これら全ての課題を解決するには長い時間がかかるとは思いますが、私たち当事者ができることは、まず声をあげる、そして伝えることだと私は考えます。配慮を提供してくれる側に、何か伝える前から「私たちのことを分かって」「こちらの要望を察して」というのには無理があります。こちらの要望や状況を理解してもらうには、自分はどういう状況にあって、どういう配慮をしてほしいのか、適切に伝える必要があるのではないかと思います。目に見えない、言葉にならない障害に、周りの人たちはどんな”通訳”ができるだろう出典 : ここで、私がもうひとつの課題だと考えるのは、当事者本人が言葉を介して、自分の現状や意見を伝えることが難しい場合もあるということです。私の場合は、電動車いすを使用していて、段差や階段などの物理的障壁を解消する、トイレや移動の介助をするなど、要望は比較的目に見えやすく、想像のしやすい配慮だと思います。しかし、私はアルバイトで発達障害を持つ子どもたちを見ていて、言葉で適切にコミュニケーションをとるのが難しいと思える場合を目にし、代わりにそれを伝える役割の存在が必要なのではないかと感じました。それは保護者や友人、先生や同僚など、様々な可能性が考えられます。一人でも本人のことを理解し、それを周囲に伝えることができる人がいれば、当事者の生活はぐっと快適になり、社会に出ていくことができるようになるのではないでしょうか。障害者を取り巻く課題は、まだまだたくさんあります。環境の工夫だけではなくて、心のバリアフリーも進めていくことももちろん大切です。人はみんなそれぞれ異なった特徴を持っています。その特徴を生かして社会で暮らしていったり、反対にその特徴によって社会で生きにくくなったりします。それは障害を持っている人も持っていない人も同じです。それぞれの特徴や個性を、みんなが認め合い、障害者もそうでない人も互いに支え合いながら、共生できる。そんな社会になってほしいと私は願っています。私も自分の身近なところから、行動を起こしていきたいと思います。Upload By 和田 恵利菜
2017年04月07日・ 【第1回】発達障害の子育てに「療育」よりも大切なこと ・ 【第2回】発達障害の子どもが、充実した人生を送るために必要なこと ・ 【第3回】発達障害の子育てを「辛い、苦しい」と感じたら のつづきです。「発達障害」をもっと理解するために必要なことを、『療育なんかいらない!』の著者であり、独自の理論で放課後デイサービスを展開する「アイム」の佐藤典雅さんにインタビュー。今回は、「発達障害の子育てを楽しむコツ」についてお話を伺った。佐藤典雅(さとう・のりまさ)さん川崎市で発達障害の子どもをサポートする放課後デイサービス「アインシュタイン放課後」「エジソン放課後」を運営している、(株)アイムの代表。自身の自閉症の息子さんの療育のために、息子さんが4歳の時に渡米して、ロサンゼルスで9年間過ごす。前職は、ヤフー・ジャパンのマーケティング、東京ガールズコレクションとキットソンのプロデューサーという異色の経歴の持ち主。福祉という範囲を超えた目線で、自身の息子さんの成長を見守りながら、発達障害児が社会で幸せに生きるための道を広げる挑戦をしている。著書: 『療育なんかいらない!』 (佐藤典雅・著/小学館 ¥1,296 税込)※放課後デイサービス(= 放課後デイ):6~18歳までの障害のある子どもが放課後や学校休業日に利用できる、就学時向けの福祉サービスのこと。■子どもの障害は親のせいではありません―― この連載もいよいよ最終回。いろいろ伺ってきましたが、ずばり、佐藤さんが思う発達障害の子育てを楽しむコツって何でしょうか?佐藤典雅さん(以下、佐藤さん): まず、親自身がハッピーであること、充実した楽しい人生を送ることです。人が他人を幸せにするのは無理。幸せって自分が作り出す状態だから。状態である以上、自分で作り出すしかないんですよ。―― 子どもの障害に対して、親は自分の人生すべてを捧げるべきという風潮がありますよね。そういう中、親は自分のことを優先しにくいのかもしれませんね。佐藤さん: でも、親が療育に必死になって、「子どもには充実した人生を送ってほしい」ってボロボロな状態になっていたら、それを見た子どもがうれしいわけがないよね? こんなの、子どもにとっては重荷でしかない。―― 自分を犠牲にしてまでがんばってしまうのは、もしかしたらお母さんは「自分に責任があったのでは?」と感じてしまうからかもしれません。「妊娠中に無理したのが良くなかったのかな?」とか「早くから預けて働いたのがいけなかったのかな?」とか、いろいろ考えて自分を責めてしまうのかもしれません(※)。※もちろん発達障害の原因にそんな根拠はありません。佐藤さん: 子どもの障害は親のせいではありませんよ。僕は、それぞれの人にはそれぞれの生まれ持った宿命と人生があるのだと思っています。そして、その子どもが自分の人生の使命をまっとうできるようにサポートするのが親の役割。後は、親自身が自分の人生を楽しむのが、親の仕事だと思っています。―― 障害者の親って他の保護者より制限があるように思えるのですが、人生を楽しむことってできるのでしょうか?佐藤さん: 大切なのは、子どもに障害があろうがなかろうが、いかに、自分が今の状態を楽しめるか? なんですよ。お母さんが自分の人生を謳歌していれば、子どももその姿を見ていて楽しくなるでしょう。もちろん、普通の子育てより大変なことは多いですよ。でも、地獄で幸せになれない人は、天国にいっても絶対幸せになれませんから!―― どういう意味でしょうか?佐藤さん: 地獄で「暑い、暑い」って言ってる人は、天国に行けったら、絶対「暇だ~、なんかつまんない~」とか言い出すから。―― おもしろい考えですね(笑)。また、お母さんが生き生きとするためには、お父さんの存在も欠かせませんよね?佐藤さん: もちろんです。でも、残念ながら、うちの放課後デイに親子が面談にやってくる時、夫婦そろって来られるのは一割以下。平日の昼間、お父さんは仕事だから仕方がないにしても、お母さんの話からお父さんの存在が見えない家庭が多いのです。―― 療育センターなんかでも、付き添いはお母さんばっかりですものね。佐藤さん: 父親がちゃんと関わってくれないと、母親のストレスは2倍になります。日々の小さいことまでフォローする必要はないのかもしれないけど、重要なことには決断を下し、時々、お母さんの頭の中を整理してあげてほしいと思います。それに、話を聞いていると、お父さんの意見は結構合理的で的を得ているんですよ。なので、お母さんたちも、もう少し素直にお父さんの意見を聞いてあげてほしいと思います。■先輩お母さんとつながろう。人脈をどんどん広げよう―― 旦那が一緒になって考えてくれる、それだけでお母さんは十分心強いと思います。あと、私が心強かったのは、同じ悩みを持つお母さん仲間とのつながりです。佐藤さん: ただ、療育センターでは同じ年頃の子どもを持つ親同士でしか接点がないよね? 特に、就学前は一番不安な時期だし、子どもの先の姿が想像できない。だから、同世代だけで集まると不安を交換しあって、不安だけが増幅してしまうという難点もあります。―― 確かに。いつも同じメンバーで、ぐるぐると同じ話になってしまいがちなところもありましたね。佐藤さん: 一番有効なのは、発達障害をもつ未就学児のお母さんは、同じ発達障害を持つ中学生の親から話を聞くこと。すでにいろいろ経験してきたお母さんたちは、いろいろな情報を持っているので役立つアドバイスをくれます。わが子の将来のイメージもつかみやすいので、お母さんもあんまりパニックにならないですむ。違う世代とつながりを持つことをおすすめします。―― でも、なかなか違う世代とつながる機会がないのですが……。佐藤さん: うちの放課後デイに遊びにいらっしゃい! いろんな先輩お母さんがいるから。みんな仲が良くて、よくバーベキューやクリスマスパーティーしたり、頻繁に交流会をしていますよ!ただ、おもしろいんだけど、うちのお母さんたちが集まっても、みんな誰も子どもの話をしないんですよ。子どもそっちのけで、爆笑トークで盛り上がってるの(笑)。でも、これこそが健全な姿だと思うわけ。―― みなさん、佐藤さん同様、笑い飛ばす力を持っているんですね!佐藤さん: 発達障害の子育てをする親は、特に、開かれた視点で物事をみつめなおす必要があります。療育に通うのに夢中になっていると、気づいたら、接するのは療育センターの先生か学校の先生かママ友だけになってしまいますよ。意識的に努力して、開かれたマインドをもっておかないと。―― 人脈もどんどん広げるべきなんですね。佐藤さん: 例えば、子どもが興味のある業種に人脈を作って、その企業にインターンできるようにするとか、どうでしょう? うちの長女は将来ゲームクリエイターになりたいと言っているので、僕はプロが使うAdobeのフォトショップを覚えさせたり、夏休みは友達の会社でインターンさせたりしています。もちろん、中学生だからたいしたことはできないんだけど、興味ある業界で普段接することのない大人と過ごすことができるのは刺激的でしょう。それができたのは、僕に人脈があったから。―― なるほど! 子どもの興味があることにつながる人脈力か……。佐藤さん: 世の中にはいろんな人います。いろんな人と会って話して、どんどん外の世界に出て行ってほしい。自分の親とか同じ学校とか、同じマンションとか、同じ世帯年収とか、そういう狭い世界だけでみて、こうあるべきだと決めつけないでほしい。臨機応変に考えられるように、いろいろな情報収集をしてほしいと思います。 ■運命を受け入れることも、大切―― ところで、ここの子どもたちはとても自由に寛いでいますね(取材中の様子を見ながら)。図鑑に没頭している子もいれば、ボール遊びをしている子もいるし、寝ている子もいれば、カラオケで熱唱している子もいる(笑)。佐藤さん: 僕は、自分の放課後デイを「川崎のNASA」と呼んでいます。なぜなら、発達障害の子は宇宙人みたいなものだから。僕の役割は地球側の外交官みたいなもので、彼らの地球滞在が充実したものとなるように努めること。そして、いつか彼らが宇宙船に乗って地上に降りてきた時に、「あの時はありがとう」と言ってくれればいいな、と妄想しています(笑)。―― その妄想、素敵です(笑)。佐藤さん: 発達障害はガンダムのニュータイプみたいなもんで、既成概念の外にいる子どもたちなのだから、親の方も子どもに常識を求めるのはナンセンス。期待すればするほどドツボにはまるだけ。そしてもっというと、親自身も「こうあるべき」「こう育つべき」っていう規制概念の呪縛から出る必要があります。―― そう考えると、発達障害の子どもたちは、親に、子育てで忘れがちな、とても大切なことを教えてくれているのかもしれませんね……。佐藤さん: ちょっと話それるけど、みんなよく「結婚して幸せになりたい」とか言うじゃない? でも、結婚したって離婚する人もいるし、結婚は幸せを保証するものじゃない。「結婚すれば老後がさみしくない」っていう人もいるけど、うちのお祖母ちゃんはお祖父ちゃんが早く死んじゃったから、30年間ひとりだったわけ。結婚はさみしくない老後も保証しない。つまり、人生は何が起こるかわからない。だから、一生懸命人生の方程式を作ったって無駄なんですよ。―― では、どこを目指したらいいのでしょうか?佐藤さん: 死ぬときに本人が充実した人生だったと納得して死ねるか、そこしかないと思うんです。だから、子どもに障害があっても、お母さんは自分の人生を思いっきり生きるべきなんですよ! ―― 「やりたいことがあったなら、とりあえずやっておけ!」と?佐藤さん:そう。そして、運命というのか宿命というのかわからないけど、ある程度、受け入れることも重要だと思っています。自分にそういうカードがまわってきたということは、巡り合わせだと。―― 佐藤さんがまったくの異業種から福祉の世界に入ったのも、運命なのですね。佐藤さん: 福祉が大嫌いだった僕が、今福祉の世界で仕事をしているのも、きっと何か理由があるから(笑)。だとしたら、グダグダ文句言ってないでしっかりやりきろう、と。今目の前のことをやりきらないと、次のステージは見えてきません。それに、僕は一生福祉の世界で生きていくつもりはないので、せめて「他の福祉施設よりも結果を出してから辞めてやる!」と思っています(笑)。長時間にわたり、自身の熱い思いをしゃべり倒してくれた、佐藤さん。時に、厳しい指摘もあったが、ユーモアたっぷりの話しぶりで、発達障害の子育ての凝り固まった偏見や閉塞感を気持ちよくブチ壊し、勇気を与えてくれた。そして、著者は何より、佐藤さんのポジティブな姿勢と、常に息子さんの幸せな人生を考え、全力で取り組んでいる行動力に深い感銘を受けた。「この子なりの楽しい生き方ってなんだろう?」「この子が充実した人生を送るために、親として何ができるだろうか?」発達障害の子育てで、本当に親が悩むべきところは、そこにあるはずだ(もちろん、普通の子育てだって変わらない)。そして、大切なことは「子育てを楽しむ」ということを、常に忘れないでいたい。取材・文・撮影/まちとこ出版社 【大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界】 全4回・ 【第1回】発達障害の子育てに「療育」よりも大切なこと ・ 【第2回】発達障害の子どもが、充実した人生を送るために必要なこと ・ 【第3回】発達障害の子育てを「辛い、苦しい」と感じたら ・ 【第4回】発達障害の子育てを楽しむコツ
2017年02月18日・ 【第1回】発達障害の子育てに「療育」よりも大切なこと ・ 【第2回】発達障害の子どもが、充実した人生を送るために必要なこと のつづきです。「発達障害」をもっと理解するために必要なことを、『療育なんかいらない!』の著者であり、独自の理論で放課後デイサービスを展開する「アイム」の佐藤典雅さんにインタビュー。今回は、発達障害の子育てをする親の「心の持ち方」についてお話を伺った。佐藤典雅(さとう・のりまさ)さん川崎市で発達障害の子どもをサポートする放課後デイサービス「アインシュタイン放課後」「エジソン放課後」を運営している、(株)アイムの代表。自身の自閉症の息子さんの療育のために、息子さんが4歳の時に渡米して、ロサンゼルスで9年間過ごす。前職は、ヤフー・ジャパンのマーケティング、東京ガールズコレクションとキットソンのプロデューサーという異色の経歴の持ち主。福祉という範囲を超えた目線で、自身の息子さんの成長を見守りながら、発達障害児が社会で幸せに生きるための道を広げる挑戦をしている。著書: 『療育なんかいらない!』 (佐藤典雅・著/小学館 ¥1,296 税込)※放課後デイサービス(= 放課後デイ):6~18歳までの障害のある子どもが放課後や学校休業日に利用できる、就学時向けの福祉サービスのこと。■「大変」と「不幸」はイコールではない―― 芸能人の告白やメディアの影響などで、発達障害はだいぶ世間に認知されてきました。でも、まだまだ発達障害への社会の受け皿や理解は少ないと感じています。また、子どもに手がかかる分、親が心のゆとりを失ってしまったり、子育てにおける精神的な負担も多いように思います。日々多くの発達障害児を持つ親御さんと接している佐藤さんは、どのように感じていますか?佐藤典雅さん(以下、佐藤さん):まず、初めに言っておきたいことがあります。「子育ての本質とは、子どもに障害があってもなくても変わらない」というのが、僕の結論です。放課後デイの仕事をはじめてから、発達障害児を持つたくさんの親子を面談しましたが、面談中、「子育てが辛い、苦しい」と言って泣き崩れるお母さんも珍しくありませんでしたよ。―― やはりお母さんの負担は大きいと? 佐藤さん: でも、僕は、苦しいか苦しくないかというのは、その人の受け止め方の問題だと思っている。親が「発達障害の子育ては辛い、苦しい」と思った瞬間、それは本当に辛いことになってしまうんです。もちろん、事実として、発達障害の子育てで大変なことはあります。ただ、それを不幸だと捉えるかどうかは、親の受け止め方次第だと思うのです。―― 確かに、同じ障害を持つお母さんでも、軽く受け流せる人と重く受け止める人がいますものね。佐藤さん: 大変と不幸は、決してイコールではない。だって、オリンピックの選手だって、自分の練習が大変だからって自分が不幸だとは思わないでしょう?あと、これは、僕がいつも言っていることなんだけど、不幸な子どもなんていないんですよ。でも、周りがいつも「この子は不幸だ」って言い続けたら、子どもも親も本当に不幸になってしまう。だって、もし、あなたが自分の親から「あなたはかわいそうな子だ、不幸な子だ」って言われ続けたら、「ちょっといい加減にしてよ!」と怒りたくなるでしょう(笑)?―― 確かに(笑)。それに、自分のせいで親が悲しむなんて、そんなの辛すぎますよね……。佐藤さん: 僕は「不幸だ、辛い」と言っている親ほど、発達障害に対する差別や偏見があると思っている。だって、親に発達障害に対する偏見がなかったら、「あ~、そうなんだ」で終わる話でしょう? でも、「発達障害は不幸だ、かわいそうだ」と悲観して泣き暮らすってことは、それだけ発達障害であることが悲しいと思っているということ。実は、親自身が発達障害を差別している可能性が高いんですよ。―― これはずいぶん痛いところをつかれました(苦笑)。というのも、以前、私は周囲に対して「子どもの障害に偏見を持ってほしくない」と強く思っていた時期がありました。でも、そこにこだわっている自分こそが、何より、わが子のことを受け入れていなかった、ということだったのでしょうね……。佐藤さん: 親が社会的通念や常識で、「受験勉強をして、いい学校に入って、いい企業に入る」という、こうあるべきだという考えに縛られてしまっていると、そのルートから外れた瞬間に、子どもにも親にも、双方にストレスがかかってしまんです。でも、本来は、これが苦手でもあれは得意、というのがあればいいはず。例えば、うちの顧問で新田明臣さんというキックボクシングの元世界チャンピオンがいるんだけど、彼はいまだに割り算ができません。でも、キックボクシングのチャンピオンになれたら、割り算なんてどうでもいいじゃないですか?―― おっしゃる通り。でも、なかなか佐藤さんのように強くはなれません(泣)佐藤さん: もちろん、落ち込んで泣いて過ごす時期があってもいい。落ち込むのは自然な現象ですし、物事を消化するためには必要な過程です。でも、「1年以内に終わらせよう!」とか、短期間に蹴りをつけることが大事。思いっきり泣いた後に、「とりあえずわかりました。では、次はどうしたらよいだろうか?」って、しっかり取り組めばいいんです。 ■笑い飛ばすって、すごく重要―― ところで、著書の中では、がっちゃん(息子さんの名前)のエピソードをユーモアたっぷりに描いていましたね。佐藤さん: 僕は、笑い飛ばせるということが、すごく重要だと思っているんです。うちの子だってすごく大変だけど、もう全部お笑いネタにしちゃってる(笑)。例えば、ロサンゼルスで過ごしていた7歳の頃なんか、がっちゃんが部屋の真ん中でウンチすることにハマった時期もあって(笑)。最近だって、こっそりビニール袋にウンチして勝手にどっかに捨ててくるワザを覚えちゃったり。だから、僕はどこかに捨てられたわが子のウンチを探しにいかなくちゃならないわけ(笑)。すっごく大変ですよ!―― 著書では漫画でとても面白く描いていましたよね(笑)。でも、これと同じことが起こったら、ものすごく深刻に受け止めちゃう親だって多いと思うのです。でも、佐藤さんは「それって、おもしろくない?」と笑い飛ばしている。まさに先ほどのお話の、「親の受け止め次第で全然違ってくる」ということなんですね。佐藤さん: うちにはたくさんの親が面談にくるんだけど、だいたいみんな「学校でこんなことがあって……」と泣きながら話すの。だから、僕はそこで「はい! ストップ!」と大声で声をかけます(笑)。そして、「お母さん、それって本当に悩むべきことでしたっけ?」と言うと、だいたい「え?」とビックリして止まるんですよ。たとえ笑いにできなくても、意識して悩みにストップをかけることはできるんじゃないかな?■問題をごちゃ混ぜにしない。目の前にある課題を客観的に適正評価しよう―― でも、泣いてしまうお母さんの気持ち、よくわかります。私もいまだに、わが子が突飛な行動をすると、周囲の目が気になってしまうことがあります。佐藤さん: でも、それって「周りに迷惑をかけているかもしれない」「周りに申し訳ない」と、お母さんが過剰に周囲に遠慮してしまっているだけなんじゃないかな? もし、実際に面と向って子どものことで悪口言ってくるような人がいたら、そんな人権に侵害してくるような低レベルな奴は放っておけばいいんですよ!―― お母さんはもっと堂々とするべきだ、と?佐藤さん: うちに通っているお母さんには、「わが子のためには親として死ぬ覚悟がある」と豪語する人も多いのですが、そのわりには、隣のお母さんの顔色を気にして謝ったり、学校の先生の顔色を見て傷ついたりしている。それって、どんだけの覚悟なの? 本当に覚悟があるなら、たとえ世間になんと言われようと、「うちの子はこうだ!」って通す強さを持たないと!―― 周囲や世間はともかく、身内の理解はどうでしょう? よく「旦那が理解してくれない」なんて声も聞きますが?佐藤さん: これは、子どもの問題ではなく夫婦の問題。障害児の子育ては、健常児の子育てより、より夫婦で一緒に取り組まなければならない問題が起きやすいので、どんな家庭でも起こりうるトラブルが早く顕在化しやすいという面があります。今までは「この人、なんとなく窮屈だな」って思うくらいで、スルーしていたかもしれない。でも、子どもの障害によって夫婦で向き合うべきことが増えて、問題が浮かびあがってしまったわけ。新しく問題が増えたわけではなく、もともとあった夫婦問題が表面化しただけのことです。―― そうすると「子どもの問題どうするの?」という話ではなく、「夫婦関係どうするの?」という話になってきますね。佐藤さん: 事実として、発達障害の子育てで大変なことはあります。ただ、それを取り巻く環境、例えば、自分とどう向き合うかとか、旦那とどう向き合うかとか、義理両親とどう向き合うかとか、学校の先生とどう向き合うかとか、問題にしなくてもいいことも問題にしてしまっている方が多いと思う。表面に出てくる問題と問題の原因をごちゃ混ぜにしてはいけない。だから、僕はいつも、うちに通っている親には言っています。「今、目の前にある課題を客観的に適正評価しましょう」と。今回、佐藤さんのお話を通して、改めて「笑い飛ばすことの強さ」に気づかされた。「笑いにするなんて不謹慎だ」と感じられる方もいるかもしれない。でも、そうできるのは、何より、佐藤さんご自身が息子さんと放課後デイに通う子どもたちの障害をまるごと受け止めて、受容しているからこそ。笑い飛ばせる強さや、たとえ誰に何と言われようとも負けない強さを、佐藤さんのお話を通して、ほんの少しだけもらえた気がした。次回、最終回は「発達障害の子育てを楽しくするコツ」について伺います。取材・文・撮影/まちとこ出版社
2017年02月15日放課後デイサービスの開設基準が変更されます出典 : 年4月1日より、障害のある児童のための通所施設である「放課後等デイサービス」の開設基準が厳格化される方向性が、1月6日に厚生労働省によって示されました。今回の記事では、2月9日に公布された、規制詳細の決定内容をお伝えします。具体的には、2017年2月9日公布、4月1日施行というスケジュールで、省令により「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」が変更になります。児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準放課後等デイサービス、規制変更のポイントと猶予期間は?出典 : 前回の1月6日の発表で、厚生労働省は、「放課後等デイサービス」について事業所における職員配置基準を「置くべき従業者を児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者とし、そのうちの半数以上を児童指導員又は保育士としなければならない」と厳格化する方向性を示しました。合わせて、事業者への「放課後等デイサービスガイドライン」の順守と、評価結果公表の義務付けを決定する方針も発表しました。こうした、事業所における職員配置基準の厳格化方針は、今回の官報での発表で確定となりました。また、放課後等デイサービスの質の担保のために事業者は、「自ら評価を行うとともに、当該指定放課後等デイサービス事業者を利用する障害児の保護者による評価を受けて、その改善を図らなければならない」こと、「おおむね一年に一回以上、評価及び改善の内容をインターネットの利用その他の方法により公表しなければならない」ことなどが規定されました。加えて「放課後等デイサービス事業者について広告をする場合において、その内容を虚偽のもの又は誇大なものとしてはならない」ことも規定されました。今回の人員、設備及び運営に関する基準は2017年4月1日より施行となりますが、現行の基準で「指定放課後デイサービス事業者」「基準該当放課後等デイサービス事業者」となっている事業者に関しては、2019年3月31日までは本基準の順守は猶予されることとなっています。放課後デイサービスの質の向上に関する皆さんの意見出典 : 前回発達ナビで本報道をお伝えした際には、コメント欄にて、職員配置基準の変更が本当にサービスの質の向上につながるのか疑問視する意見がみられました。資格も大事だと思います。でも、一人一人、違います。教科書には書いてないです。ちゃんと見てくれる。子供の言葉に耳をかたむけてくれる。寄り添ってくれる。そんな職員さん、施設が少しでも増えてくれたら いいなと、切に願います。今回の厳格化は指導員の経歴にハードルを課すものですが、質の向上につながるか疑問です。記事中にもあるように、質の低い放デイというのは「テレビを見せているだけ、ゲーム等を渡して遊ばせているだけ」だったりするのですが、これは指導員の経験が足りないからというより、事業所として子どもたちの発達に寄与するプログラムを作る気がないからです。事業所の運営方針の問題です。またそこから、そもそも放課後等デイサービスが提供する質の高いサービスとは一体どういったものなのかということも議論がなされていました。私のいる東京郊外では、複数の放デイを掛け持ち利用することが普通です(←全国的に当たり前かどうかは不明?です)。こどもたちは心得たもので、月・水曜はA事業所で運動療育だけど、火曜日は家で宿題・・・、木曜はB事業所でSST、金曜はC事業所でのんびりするよっ!などと、きちんとスケジューリングしています。・・・で療育の内容なんですが、C事業所のような『のんびりできる事業所』は不必要ですか?私は、むしろC事業所こそ必要だと思っています。皆さんは今回の放課後等デイサービスの基準変更をどうお考えですか?質の高い事業所とはどういった事業所だとお考えですか?発達ナビでは引き続き本件に注視していきます。
2017年02月15日・ 【第1回】発達障害の子育てに「療育」よりも大切なこと のつづきです。わが子の発達が気になり、「もしかしてうちの子は発達障害なのでは?」と不安に思ったことがあるかもしれない。発達障害をもっと理解するために必要なことを、『療育なんかいらない!』の著者であり、独自の理論で放課後デイサービスを展開する「アイム」の佐藤典雅さんにインタビュー。今回も引き続き、「療育よりも大切なもの」についてお話を伺った。佐藤典雅(さとう・のりまさ)さん川崎市で発達障害の子どもをサポートする放課後デイサービス「アインシュタイン放課後」「エジソン放課後」を運営している、(株)アイムの代表。自身の自閉症の息子さんの療育のために、息子さんが4歳の時に渡米して、ロサンゼルスで9年間過ごす。前職は、ヤフー・ジャパンのマーケティング、東京ガールズコレクションとキットソンのプロデューサーという異色の経歴の持ち主。福祉という範囲を超えた目線で、自身の息子さんの成長を見守りながら、発達障害児が社会で幸せに生きるための道を広げる挑戦をしている。著書: 『療育なんかいらない!』 (佐藤典雅・著/小学館 ¥1,296 税込)※放課後デイサービス(= 放課後デイ):6~18歳までの障害のある子どもが放課後や学校休業日に利用できる、就学時向けの福祉サービスのこと。■いろいろなものに肌で感じる接点を持たせること―― 引き続き、佐藤さんが発達障害の子育てにおいて、療育よりも大切だと感じていることについて伺いたいと思います。佐藤典雅さん(以下、佐藤さん):いろいろなものに接点を持たせることだと思っています。「こんな場所があるんだ」「こういう大人もいるんだ」と、肌で感じさせること。それ自体がその子の人生を変えるわけではありませんが、肌で感じることの重要性はあると思っています。だから、うちは遠足でアップルストアとかに連れて行ったりしています。―― それは楽しそうですね! でも、子どもたちの高価な電子機器の扱いに不安はありませんでしたか?佐藤さん: それが、スタッフの心配をよそに、みんなちゃんとテーブルについて、iPadが配られると指示に従って操作していたんですよ! 普段教室ではみんな全然人の指示を聞かないのに(笑)。これには本当に驚きました。アップルストアも発達障害の子を受け入れるのは初めてだったらしいけど、「普通の子たちとまったく変わらないペースで体験プログラムができましたよ」って喜んでいました。―― 発達障害があってもなくても、子どもはみんなiPadやスマホをいじるのが大好きですよね。佐藤さん: 僕は、障害者だろうが健常者だろうが、子どもの頃から電子機器にどんどん触わらせるべきだと思っています。これからの世の中、仕事をするときにPCスキルがないことは致命的。だから、うちは電子機器がすごく充実しています。パソコンが8台にiPadも数台、それに最新のVRも。子どもたちがVRのゴーグルとつけると、みんな大興奮して遊んでいますよ。―― でも、子どもが電子機器やゲームに夢中になることに、否定的なお母さんも少なくないように思いますが?佐藤さん: うちに通っている親にも、子どもにパソコンやiPadをやらせることを嫌がるお母さんはいますよ。でも、そういうお母さんには、いつも「ビルゲイツが1日30分しかパソコンさわっていなかったら、マイクロソフトを作っていませんよ」と言っています。昔、「漫画を読むとバカになる」とか「ビートルズを聴くと不良になる」などということも言われていたけど、それと同じで、どの時代にも常に新しいものに対するアレルギーはあるものなんです。―― 私も息子を見ていて、電子機器との相性の良さを感じています。「いつどうやって覚えたの?」とビックリするほどiPadやスマホをスラスラと操っていたり、勝手に新しい知識を仕入れてきたり。でも、一人でiPadに没頭している姿を見ていると、ちょっと不安を覚えてしまうことも。やはり、子ども同士で交流を持って遊んでほしいという願望が湧いてしまうのですが(苦笑)。佐藤さん: うちに通う親からも、よく「同じ年頃の子どもと交流させたい」って言われるんだけど、うちの子たちにWiiを与えると、同世代の子たちが集まって遊びますよ。しかも、誰にも言われなくても、ちゃんと順番とルールも守って(笑)。それに、NHKスペシャルで東田直樹君(※)も言ってたじゃない?「大人は友達作れって言うけど、僕、いなくても幸せです」って。うちに通っている子どもたちも、一緒に遊んだりしなくても友達の名前は憶えているし、だいたい一緒にいるのが嫌だったら違う部屋に逃げるから。遊んでいないから交流してないというわけではない。それは、全部大人の既成概念の押しつけなんですよ。 ■子どもの将来を心配する前に、まず目の前のことに全力で取り組もう。―― その子なりの距離感があるはずだし、友達の定義だって人それぞれ違うはずですものね。自分の既成概念の枠の中で子どものことを見てしまう、この癖は意識して外す努力をした方がよさそうですね(苦笑)佐藤さん: 僕が放課後デイをやるようになって感じるのは、やればやるほど、日常の積み重ねでしかないということ。日々のトライ&エラーです。でも、僕は、小さいことの積み重ねが大きな奇跡を起こすと思っています。みんな、「ここの療育に通っていれば良くなる」って大きな奇跡を期待するけど、そんなのはない。いろいろやってきて、1年間振り返った時、「あれ? なんか最近言葉が増えた?」というふうに、奇跡って振り返って実感するものだと思っています。―― 発達障害の子どもも、スピードはゆっくりだけど成長します。今の子どもの姿がすべてではない。……でも、頭ではわかっているはずなのに、先のことばかり考えて不安になってしまうときも(苦笑)。佐藤さん: 子どもの将来に対して、そりゃ、僕だって不安はありますよ。でも、わからないこと悩んだって仕方ないでしょう? それは、独身の女性が「将来の私の旦那さんは……」って言っているのと同じだよね(笑)。人生には順序があって、AをクリアしなければBはこないんですよ。それをすっとばしてZのことを考えても仕方ない。まず、目の前のことをしっかり考えましょうよ!―― 先のことがわからないのは、発達障害の子育ても普通の子育ても一緒ですね。佐藤さん: そうです。親は、今自分の子どもには何ができるか? 何だったら期待していいか、また期待できないか? しっかり精査すること。例えば、動物が好きだったら動物図鑑をそろえてあげたり、パソコンが好きだったらある程度の環境設定をしてあげたり、その子が興味を持っている環境をそろえて、その子の進歩を促すことが大事だと思います。―― がっちゃんはもうすぐ高校生ですよね? 息子さんのために、今、佐藤さんが取り組んでいる目の前の課題は何ですか?佐藤さん: 僕は、アメリカから帰国した時、がっちゃんを通わせたいと思える施設がなかったから、自分で作ろうと思って、たまたま放課後デイから事業を始めました。だから、うちの子の成長に合わせて、フリースクールや就労支援の事業も計画しています。今年の4月には、フリースクールもオープンしますよ!―― 常に、息子さんが充実した人生を送るにはどうしたらいいのか、ということを考えて行動している、佐藤さん。その行動力、見習いたいものです!佐藤さん: 今は、普通に就職することが難しい子たちに対して、その受け皿は就労支援という一つしかない。だったら、うちでその受け皿も作ろう!と。もっと儲かりながら楽しい就労支援を計画しています。―― 確かに、今の就労支援で得られる報酬はほんのわずかです。このシステムでは障害者の自立は難しい……。佐藤さん: みんな、福祉は感動とか想いだと思っている。でも、そんなのは働き手の都合であって、僕は、福祉で一番重要なのはシステムだと思っています。例えば、駅で車いすの人が電車に乗りやすいように、エレベーターをつける。このエレベーターというのはシステム。やった人の感動や気分の問題ではないんです。社会の多くの一般の人と障害を持っている人とのギャップを埋めるシステムをどうやって福祉で作っていくか、そこを考えていきたい。発達障害と就労支援はとても難しいテーマだ、という佐藤さん。でも、もうすでに、具体的な就労支援の計画を3つも持っていた!(ただし、計画段階なのでまだ記事にはできません)ぜひ、この難題に対する答えを開拓し続けてほしいと思う。次回、第3回は、「発達障害の子育てにおいての親の心の持ち方」についてお伺いします。※東田直樹くん 「自閉症の僕が跳びはねる理由」 (エスコアール)や絵本、詩集など多数執筆。2016年12月11日(日)のNHKスペシャル「自閉症のきみがおしえてくれたこと」で出演されました。取材・文・撮影/まちとこ出版社
2017年02月13日最近、モデルで俳優の栗原類さんが自ら発達障害の告白を行うなど、テレビや新聞、インターネットで、発達障害のことがよく取り上げられるようになった。そんな中、自分の子の発達に気になることがあり、「もしかして発達障害なのでは?」と不安に思ったり、すでに診断を受けたりして、この記事をクリックした人もいるのかもしれない。わが子が発達障害と診断された場合、親が、まずはじめることは療育だ。だが、ほとんどの親は、そもそも療育という言葉すら、その時になって初めて聞くことが多いのではないだろうか?そこで今回は、『療育なんかいらない!』の著者であり、独自の理論で放課後デイサービスを展開する「アイム」の佐藤典雅さんにインタビュー。発達障害をもっと理解するために必要なことを、経験談を交えて語ってくれた。佐藤典雅(さとう・のりまさ)さん川崎市で発達障害の子どもをサポートする放課後デイサービス「アインシュタイン放課後」「エジソン放課後」を運営している、(株)アイムの代表。自身の自閉症の息子さんの療育のために、息子さんが4歳の時に渡米して、ロサンゼルスで9年間過ごす。前職は、ヤフー・ジャパンのマーケティング、東京ガールズコレクションとキットソンのプロデューサーという異色の経歴の持ち主。福祉という範囲を超えた目線で、自身の息子さんの成長を見守りながら、発達障害児が社会で幸せに生きるための道を広げる挑戦をしている。著書: 『療育なんかいらない!』 (佐藤典雅・著/小学館 ¥1,296 税込)※放課後デイサービス(= 放課後デイ):6~18歳までの障害のある子どもが放課後や学校休業日に利用できる、就学時向けの福祉サービスのこと。■わが子が「発達障害」だと診断されたとき筆者の息子が自閉症スペクトラムと診断された時も、そうであった。療育の意味もよくわからないまま、「とにかく早期療育が大事」「ABA(応用行動分析学)が効果的」などと初めての情報に右往左往し、診断を受けたばかりの混乱の中、さまざまな焦りと戦いながら模索していた。そして、療育に通いはじめてからは「2歳から始めたんだから大丈夫」などという周囲の言葉に、療育に過剰な期待を持ってしまったり、療育での子どもの出来に一喜一憂してストレスを抱えてしまった苦い経験がある。だからこそ、『療育なんかいらない!』というタイトル本はとても目を引いた。しかも、著者の佐藤さんは、本場アメリカで息子さんの療育を9年間も受けてきた人だ。取材を申し込まずにはいられなかった。■「発達障害」を、ありのままを受け入れる場所を作ろう―― 佐藤さんは、自身の息子さんの自閉症の療育のために、家族でロサンゼルスに引っ越して、9年間も本格的な療育を受けています。それなのに、なぜ「療育なんかいらない」という考えに至ったのでしょうか?佐藤典雅さん(以下、佐藤さん): 息子のがっちゃんが3歳児検診で「自閉症傾向」と診断された時、僕は自閉症も療育もほとんど予備知識がありませんでした。そこで、調べていくうちに、ロサンゼルスがもっとも療育対策が進んでいるらしいということが分かったので、家族で引っ越すことに決めました。―― ロサンゼルスの療育はいかがでしたか?佐藤さん: 最初の頃は、しっかりした療育を受ければ、がっちゃんの問題行動が改善するのでは? と期待していたんだけど、がっちゃんの問題行動は一向になおらず(笑)。その様子を見て、療育とは問題行動を改善するものではないと気づいたのです。―― そこで、目標設定を変えることにしたんですね。佐藤さん: 療育によって問題行動が変わることを期待するのではなく、「わが子にとって適切な環境とは何か?」を考えるようになりました。そして、もし療育が発達障害を治すものでないならば、自身の放課後デイで療育を提供すべきではない、との結論に至りました。―― 放課後デイで療育を行うのは、もはや常識となっています。療育なしの放課後デイとは、かなり思い切った決断ですね。佐藤さん: 放課後デイを設立中、面談に訪れる高学年以上の子どもをもつ親から、「療育ではなく、この子の居場所を探しています」という言葉をよく聞くようになったのも後押しになりました。―― わが子の行動を改善する場所よりも、わが子が安心していられる居場所を求める親が多かった、ということでしょうか。佐藤さん: 子どもが小さいうちは、その子の実力や可能性が見えにくいから、親は療育に期待しがちです。さらに、今は「早期療育」の大切さが力説されているので、特に親は熱心に療育する傾向がある。―― お子さんの年齢が上がると、変わってきますか?佐藤さん: 子どもの年齢が上がるにつれて、だんだんとその子が持つ本来の力がみえてきます。そして、ある時、それは療育の問題ではない、ということに気づくのだと思います。―― 療育では解決しない部分がある、ということに気がつくと。佐藤さん: そうです。すると、次の段階として、その子のありのままを受け入れてもらえる環境が必要となる。そこで、「アイム」の放課後デイでは、発達障害のままを受け入れてくれる居場所を作ろうと思いました。そして、子どもたちが自分自身でいられる環境を、自分の感情を表現したり、引き出したりできるプログラムを用意しようと考えました。―― それでは、アメリカでの療育生活はどのような意味があったと思いますか? 佐藤さん: 一番意味があったのは、人との関りです。がっちゃんも療育で大好きなセラピストたちと時間を過ごすことを、とても楽しんでいました。そこで私は、「アイム」の放課後デイでは療育プログラムではなく、人との関わりを提供すべきだと思いました。だから、うちの採用基準は厳しいですよ(笑)。第一条件は、子どもたちから好かれるということ。どんなに人手不足でも、子どもたちと合わない人は採用しません!■療育はほどほどに。―― 私自身は息子の療育を経験して、やはり良かったと感じています。確かに、「とにかく療育でなんとかしなければ」とストレスを感じていた頃もありましたが、今では楽しい遊び場のひとつとして、そして日々の生活で困っていることなどを専門の先生に相談してアドバイスを受けられる場として、とても心強いと感じています。佐藤さん: もちろん、僕も療育のことを全否定しているわけではありません。ただ、今の療育は子どものためというより、親が納得するためにあるように感じてならないのです。療育に熱心なお母さんが一番よく言うのは、「後になって、あれをやればよかった」っていう後悔をしたくない、ということ。また、「早ければ早いほど良い」とか「どんなに遅くても4歳までに始めないと手遅れだ」などとせかされて、本来親を救うべき療育そのものが、逆に親を追い込み、療育に効果を求めるあまり、親も子どもも多大なストレスにさらされているように思えてならないのです。―― 確かに、「療育で子どもが良くなる」と過度な期待を寄せてしまうと、子どもが変わらない場合、まるで子どもと親の努力不足のように感じてしまいそうです。また、他人から「療育のおかげで成長した」などという話を聞くと、つい、わが子も療育さえ受ければ同じように伸びると思ってしまいがちですね。だけど、他の子が伸びたからといって、自分の子どもも同じようになるとは限らない。その子が持つ力も個性も障害の程度も、それぞれに違うから。佐藤さん: 僕は、人のキャパシティっていうのは子ども一人一人によって違い、療育を受ける受けないにかかわらず、それぞれの能力が伸びる器のサイズに左右されると思っています。つまり、どれだけ療育を施したところで、その効果はその子が持っている上限値を超えることはない、とういこと。―― どういうことでしょうか?佐藤さん: どんなにかけっこをがんばっても、全員がオリンピックに出られるほど早くはなれないでしょう? それと同じことです。親が、子どもが持っているキャパシティ以上の効果を療育に求めてしまうと、子どもにも親にも多大なストレスがかかってしまう。そして、本来大切なところ、「いかに人生を楽しく生きるか」ということに目がいかなくなってしまう危険がある。だから、僕は、療育はほどほどがいいと思っているんです。―― もし、佐藤さんがもう一度子育てするとしたら、もう療育はしないのでしょうか?佐藤さん: やってみて、はじめて「ああ、無理だった」ってことがわかったので、多分、何もしないのは難しいと思います。ただ、療育をするなら、2つ条件があります。―― 佐藤さんの経験から編み出した条件ですね。今悩んでいるお母さんたちにぜひお聞かせください。佐藤さん: まずひとつは、その子のストレスにならないこと。もうひとつは、家庭の金銭負担にならないこと。子どもが楽しく療育に通って、親も負担にならないならいいと思います。でも、子どもが泣いて嫌がったり、親が必死になってやるようなものじゃない。■「普通」って何だろう?―― 療育で、親は子どもの自閉行動や問題行動が良くなり、「普通」になることを期待しますよね。だけど、そもそも「普通」って何でしょうね?「私は、この子にどうなってほしいのだろうか?」そう考えると、答えに詰まってしまう時があります。 佐藤さん: 僕は、もし療育で自閉症を治したいという人がいるなら、「自閉症の何を治すんだ?」って聞きたい。―― 自閉症は治す、という種のものではないということですね。佐藤さん: それって、本人の認識、認知を変えちゃうってことですよ?「そもそも人を形成している人格って何ですか?」というレベルの話なんですよ。「何をもってあなたなんですか?」って、すごく難しい問いじゃない?放課後デイで発達障害の問題に取り組んでから、「人って何なんだろう?」ってよく考えるようになりました。発達障害ってものすごく難しいテーマだよね。佐藤さんのお話を聞いて、発達障害の子育てを描いたコミックエッセイ『母親やめてもいいですか』(山口かこ・文/文春文庫)に書かれていた、ジム・シンクレアという自閉症当事者によって書かれた詩のような一節を思い出した。自閉症は人を閉じ込める殻ではありません中に普通の子どもが隠れているわけではないのです自閉症は私が私であること、そのもの私という人格から切り離すことはできません出典: コミックエッセイ『母親やめてもいいですか』(山口かこ・文/文春文庫) 「子どもの力をできるだけ伸ばしてあげたい」―― そう思うのは、親として当然だ。ただ、「普通に近づけたい」とがんじがらめにならず、子どもをありのままに受け入れ、その子にとって居心地のいい場所を作ってあげることの大切さも、改めて思い知った。次回は、「発達障害の子育てで、療育よりも大切なことは?」を伺います。取材・文・撮影/まちとこ出版社
2017年02月10日放課後等デイサービスの開設要件が変更に出典 : 年1月6日、厚生労働省は、障害のある就学児向けの学童保育のようなサービス「放課後等デイサービス」について、事業所における職員配置基準を「置くべき従業者を児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者とし、そのうちの半数以上を児童指導員又は保育士としなければならない」と厳格化する方向性を示しました。合わせて、事業者への「放課後等デイサービスガイドライン」の順守と、評価結果公表の義務付けを決定する方針も発表しました。こうした放課後等デイサービスの運営基準改正は、2017年4月1日より施行される予定です。そもそも放課後等デイサービスってどんな施設?放課後等デイサービスとは、障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設です。放課後等デイサービスでは、生活力向上のための様々なプログラムが行われます。トランポリン、楽器の演奏、パソコン教室、社会科見学、造形など習い事に近い活動を行っている施設もあれば、専門的な療育を受けることができる施設もあります。急増した放課後等デイサービス事業者、それに伴って起きた課題出典 : 年の児童福祉法改正によって、放課後等デイサービスが児童福祉施設として制度化された結果、2012年は2,540ヶ所だった放課後等デイサービス事業所の数は、2016年には8,352ヶ所と約3.3倍になりました(各年度4月時点)。また利用児童数も、2012年の53,590人から2015年には112,162人と倍増しました(一月平均)。このように事業所が増えたことで、放課後等デイサービスを利用出来る児童は増えたのですが、急激な事業所数の増加によりサービスの質が低い事業所も少なくないことが問題視されています。具体的には、テレビを見せているだけ、ゲーム等を渡して遊ばせているだけなど、利潤を追求し支援の質が低い事業所や適切ではない支援を行う事業所が増えているとの指摘、発達支援の内容、技術が十分でない事業所も見られるという指摘や、単なる居場所となっている事例、発達支援の技術が十分でない事業所が軽度の障害児を集めている事例があるとの指摘などがあります。また一部の事業者においては架空報酬や職員不足などの不正で行政処分を受けたことが取り沙汰され問題となりました。放課後等デイサービス 障害児預かり20業者処分 不正請求や職員不足厚生労働省は2015年に「放課後等デイサービスガイドライン」を策定・公表するなどといった対策を行い、基本的事項や職員の専門性の確保等を定め、事業所に対し不断に創意工夫を図り、提供する支援の質の向上に努めることや自己評価の実施を求めてはいますが、それだけではサービスの質向上には不十分だったとの指摘・議論が行われました。放課後等デイサービスガイドラインそこで今回、厚生労働省は、放課後等デイサービスの開設要件を厳格化し、2017年4月から新基準で開設の適否を判断することと、放課後等デイサービスガイドラインの順守と評価結果公表の義務付けを決定しました。放課後等デイサービス開設の新基準、押さえておきたいポイント出典 : 今回決定した放課後等デイサービス開設要件の新基準では、職員の配置に関する条件が厳しくなり、職員となるには資格や障害児支援等の経験が必要となります。これまで放課後等デイサービスの指導員となるための要件に資格要件は特にありませんでしたが、新基準では、配置すべき職員は「児童指導員」「保育士」「障害福祉サービス経験者」とし、そのうち、児童指導員又は保育士を半数以上とすることが定められています。そして「児童指導員」となるには、・学校教育法規定の大学または大学院で社会福祉・心理・教育・社会のいずれかに関する学部・研究科・学科・専攻を卒業する・小・中・高いずれかの教員免許(教科は問わない)を取得する・児童福祉施設での実務経験(高卒以上は2年、その他は3年)・地方厚生局長等指定の児童福祉施設職員養成学校を卒業する・社会福祉士や精神保健福祉士の資格を取得するなどといった条件のいずれかを満たす必要があります。児童指導員及び指導員の資格要件等また、放課後等デイサービスに通う児童に対して個別支援計画を作成し、その子どもの支援が適切に行われるよう管理する「児童発達支援管理責任者(児発管)」を各事業所に一人配置することがかねてより義務付けられていたのですが、この児童発達支援管理責任者となるための要件が変更になりました。これまで児童発達支援管理責任者になるためには、定められた研修を受講し、また障害児者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における5~10年の直接支援実務経験があること、もしくは相談支援や対象の国家資格等による仕事に従事しているなどの経験があることでも条件を満たしていました。障害福祉サービスにおけるサービス管理責任者についてしかし今後は、障害児・児童・障害者の直接支援の経験(3年以上)が必須化となります。この変更により、実務経験の必要な期間は短くなりますが、介護領域の職員や相談支援業務の職員、対象だった資格の有資格者は、児童発達支援管理責任者となるための要件を満たさなくなります。職員の配置厳格化に加え、今後は 「放課後等デイサービスガイドライン」の遵守及び自己評価結果公表の義務付けも定められることとなります。また「放課後等デイサービスガイドライン」自体の見直しも検討される予定です。あなたの意見が政策に!厚生労働省がパブリックコメントを募集中(2017年1月23日まで)出典 : 厚生労働省は本改正に関して2月議会で条例改正を行い2017年4月に施行することを目指しています。そしてそれまでに広く国民から意見、情報を募集し、それを考慮しながら最終決定を行うべくパブリックコメントを募集しています。皆さんは放課後等デイサービスにおける職員配置基準の厳格化と放課後等デイサービスガイドラインの順守と評価結果公表の義務付けに関してどう思いますか?郵送、FAX、もしくは下記の電子政府 (e-Gov)の意見提出フォームよりパブリックコメントを提出することが可能です。締切は2017年1月23日まで。児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令(案)の御意見の募集についてまた、本コラムのコメント欄にも、今回の放課後等デイサービス運営基準改正に関して、ユーザーの皆さんからの様々な意見を募集します。今回の改正方針に関しての賛否のご意見だけでなく、障害のある子どもたちが適切な支援を受けるための「サービスの質向上」という目的に向けた、他にも様々な論点からのコメントをお待ちしております。発達ナビ編集部でも、引き続き今後の審議の動向を追っていきたいと思います。
2017年01月17日療育が必要なことはわかったけれど…Upload By にのの次女がADHD(注意欠陥・多動性障害)と3歳で診断された時、医師から療育を受けることを勧められ「児童デイサービス」を探すことになりました。発達障害のある子の支援を考えた時に「どのサービスを利用するか?」悩む方も多いと思います。たとえ診断名が同じであっても子どもの特性はそれぞれ異なりますし、個別の家庭事情、価値観などから、デイ選びはそもそも「個別性が高い」ものだと私は思っています。いくら人に良いと勧められたデイでも自分たち親子には合わないこともあるかもしれません。では、どのような視点で選べばよいのでしょうか?そもそも児童発達支援事業「放課後等デイサービス」とは?出典 : 「放課後等デイサービス」とは、発達に心配のある子どもと家族を支える、児童福祉法に基づいた民間の療育専門事業の名称です。【対象児童】「児童発達支援事業」(いわゆる「児童デイサービス」)~就学前の子ども「放課後等デイサービス」〜小学生から高校生【概要】・手厚い人員配置〜子ども10名に対しスタッフ3名以上・基本通所日数月14日以内(例外規定有り)・日常生活の困り事支援・コミュニケーション支援・小集団遊びの仲介支援私の住む地域の療育施設と言えば、「児童デイサービス」「放課後等デイサービス」が中心で、公的療育機関はあまりありません。そして、現在自治体の検索システムに登録している児童デイサービスは245箇所あります。(h28.6.27現在)厚生労働省放課後等デイサービスガイドラインじゃあどう選ぶ?我が家の基準は…出典 : どこに相談しても「数は多くあれど内容はピンキリ」と言われ、どう選べば良いか最初は困りました。そのため、初めに選択基準を設けることにしました。【1】 病院または児童精神科医、臨床心理士等の専門家と連携がある。~サポート態勢の有無【2】個人経営等ではなく、社会福祉法人、NPO法人等が事業者である。~組織としての信頼性【3】家から近い、または送迎してもらえる。〜送迎負担の軽減【4】(某所)地区児童発達支援連絡協議会に加盟している。〜組織としての信頼性【5】同じ事業体に放課後デイもある。〜継続的な支援上記5点の基準をもとに私は3つの児童デイサービスを選び出し、見学に行きました。見学した結果、決めたポイントは出典 : 見学した3つの児童デイサービスは見事に療育方針や雰囲気が異なりました。上記5点の条件を全て満たすデイはなく、どの利点を優先させるか迷いましたが、最後に決め手としたのはスタッフの人柄・対応などでした。決めたデイのスタッフは・具体的にこちらの知りたいことについて簡潔・丁寧に説明する・スタッフ皆人柄が明るいまたは熱意をもって仕事をしている・責任者が気さくで頼りになる姉御肌(私が部下なら絶対ついていきたいタイプ)という特徴がありました。そのため、こんな雰囲気の良い職場はあまりお目にかかったことがない...とさえ思いました。スタッフそれぞれ伸び伸びと働いていますし、仕事に対する熱意が充分に感じられました。実際の活動の様子はというと、指導の目的が明確であり視覚支援が充実した内容。このため、次女は1度目の見学から抵抗なく活動に参加することができました。子どもに合った選び方ができれば、こんな活用も!Upload By にのの現在、私はデイを療育施設兼生活上の1つのツールとして利用しています。子どもが行くたびに「楽しかった!」と帰って来られるような場所であれば、家庭以外の居場所確保にもなります。デイを療育施設としてだけでなく「習い事」や「遊び場」のような1つのツールとして気軽に活用するのもおススメです。
2016年07月17日徳島県で開催されているアニメイベント「マチ★アソビvol.14」(5月3日~5日)で、アニメ『放課後のプレアデス』関連のイベントや展示が行われた。「マチ★アソビ」初日には、すばる役の高森奈津美が登場してのトークイベントを両国橋西公園ステージで開催。『放課後のプレアデス』の魅力や、今後の物語の見どころなどを語った。各話の見どころを語る定番トークでも高森はサービス精神を発揮、水着回が第3話にあるのがセオリーより早いのではと分析したり、第4話でふっとばされたすばるがいつきに受け止められた時、すばるが「いた!」と言っているのがいつきの体型と何か関係があるのではと推理。さらに、第4話ではもっと馬鹿っぽくと駄目出しをされた裏話を披露したり、イベント途中に降ってきた雨の中にいる観客を心配したりと、客席を気遣い楽しませようとする姿勢が伝わってきた。これから放送される第5話の見どころとしては、いつき回と言うべき話で、今までのいつきのイメージがくつがえされて大きなギャップを挙げていた。イベント中の「プレアデスレディオ出張版」では、「ラジアデス星人に教えたい地球語」のコーナーを実演。客席のリクエストした単語を覚えたラジアデス星人の様子を高森が実演することになり、最初のお題がなんと「レインメーカー」。新日本プロレスのオカダ・カズチカが使うプロレス技だが、ステージ上の人間が誰もプロレスに詳しくないことから、高森がちょこまかと謎の動きを見せながら甲高く「れいんめーかー!」と叫ぶ謎の必殺技を披露し、会場を爆笑させていたのだった。また、各エリアに分散した『放課後のプレアデス』関連展示をトークイベント内でうまく紹介しており、イベント終了後には東新町アーケードで行われている原画展や、新町川ボードウォーク・クロックワークスブースでのレトルトカレー「すばるのカレー」をその場で食べることができるサービスなどに次々と人が流れていた。『放課後のプレアデス』は、「SUBARU×GAINAX Animation Project」の第1弾作品としてスタートした企画。そんな『放課後のプレアデス』ならではだったのが公式ラッピングカー展示で、素体にはSUBARUのWRX S4を使用。世界にたった一台だけの公式ラッピングカーというふれこみに、高森も安全な私有地で乗ってみたいと興味津々だった。
2015年05月05日4月8日より放送がスタートするTVアニメ『放課後のプレアデス』の先行上映会&キャストトークショーが3日、東京のユナイテッド・シネマ豊洲にて開催され、メインキャストからすばる役の高森奈津美、あおい役の大橋歩夕、ひかる役の牧野由依が登壇した。『放課後のプレアデス』は、SUBARU×ガイナックスによる完全オリジナルアニメーションとして2011年にYouTubeにて公開され、今回待望のTVアニメ化。「魔法使い」に任命された5人の少女たちが、プレアデス星人の宇宙船を直すためエンジンのカケラ集めに飛び回る姿を描いている。イベントでは第1話と第2話に加え、4年前に公開された劇場用マナームービーも上映。上映後に登壇した3人は、4年前に収録したものと最新のTVアニメが同時に流れたことをはにかんでいた。このマナームービーでは高森たちもプレアデス星人の声をやっており、その意味でも貴重だという。第1話、第2話の感想を聞かれると、絵の綺麗さや5人が空を飛んでいる時の動きを口々に絶賛。特にひかるのトリッキーな動きに高森は目を奪われたらしい。さらに、ななこや会長(プレアデス星人)を演じる藤田咲の演技のすごさや、本編中に流れる挿入歌についても語られていた。キャラクターについては、YouTube版よりも設定が付け加えられ、佐伯昭志監督がキャストの個性を見て生み出したもの。例えばひかるが音楽に関わりがあるという設定は、牧野がピアノをやっていることからイメージしたという。今後の展開は、YouTube版の部分が前半で完結し後半はさらに怒涛の展開になるという。また、第1話や第2話にも終盤への伏線になっている会話やアイテムなどがあるらしく、終盤に差し掛かったらもう一度見直して欲しいと熱弁。細かなポイントとしては、大橋演じるあおいのダジャレのように聞こえてしまう台詞にも注目とのこと。スタッフとの距離が近く和気あいあいとした雰囲気で作られているという『放課後のプレアデス』。この作品を通じて星に興味を持つようになったという高森は最後に、何度も見ていっぱい宣伝して欲しいとアピールしていた。(c)GAINAX/放課後のプレアデス製作委員会
2015年04月05日海外の映画関係者のあいだで、その独創性が大反響を呼んだ異色アニメーション『放課後ミッドナイターズ』、竹清仁監督のインタビューをお届け。●オリジナル短編「放課後ミッドナイト」の映画化ということですが、なぜ人体模型や骨格標本を主人公にするという構想に至ったのですか?別の仕事でモーションキャプチャーを扱ったときに、役者さんの緊張ぐあいなど“素の感じ”が鮮明に出ることが面白いなと思ったのがきっかけです。モーションキャプチャーで作るメリットは、お芝居を超えた人間臭さが出るということなんですが、それがアニメと重なったらとても面白い画になるんじゃないかと思いました。それからどんな主人公にしようかと考えたんですが、最もモーションキャプチャーのメリットが出やすい人体模型と骨格標本というキャラクターを考え、そいつらが夜な夜なコミカルなやりとりをしているストーリーを作り上げていきました。●人体模型が動き出すというストーリーはご自身が小学校時代に描かれていたイメージなのでしょうか?それもあるかもしれませんね。どこの学校にもある都市伝説ですが、人体模型が夜な夜な動きだしたり、音楽室のモーツァルトの絵がこちらを見るとか、僕も子供の頃に友達と夜の学校に忍び込んで、のぞきに行った経験があるので、そういった思い出がアイデアに結びついているのかもしれません。●構想7年、制作に5年と伺いましたが、完成までに一番苦労した点、楽しかった点を教えてください。苦労した点は、長編の初監督作品なので、制作のペースがわからないことでしたね。走ったことのない長距離マラソンに挑戦するようなものでした。短距離走や中距離走レベルの尺の作品はいくつも制作したのですが、長尺の経験がなかったので、もうそろそろ30キロ地点まで来たかなと思ったら、プロデューサーに「いや、まだ15キロぐらいだよ」なんて突っ込まれながら必死でやりました(笑)。楽しかった点というか、我ながら良いキャラクターが生まれたなーというのが嬉しい点ですね。●この作品に込められた「テーマ」を監督のお言葉にてお聞かせください。テーマはですね、ズバリありません。僕が中学生の頃は劇場に行くと「ゴーストバスターズ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「グレムリン」とかが上映されていて、テーマ性のある映画というよりも、娯楽映画の側面が強い作品ばかりでした。僕はそういった作品がすごく好きなんです。だから今回の作品も、何も考えずにしっかり楽しませられるものにしたいなと考えて作りました。あえて言うなら、テーマ性のある映画も僕個人では好きで観ますが、今回はシンプルに楽しめる作品を観てほしいというところに立ち返りました。●制作中、最もこだわった点、最も観てほしい点を教えてください。主役が人体模型の映画ってたぶん世界で初めてだと思うんですが、リスキーだし、最終的には選ばれないと思うんですよね。こんな気持ち悪い主役が受け入れられるはずがない、と。でもうまくやれば、むしろ面白味のあるキャラクターになるし、好きになってもらえるな、と考えました。人体模型のキュンストレーキという主人公は、ちょっと性格がねじれている部分はあるけど怖がりで憎めない奴、というキャラクターにするさじ加減には非常に気をつけました。●声優を務められた山寺宏一さんと田口浩正さんの印象を教えてください。お二人へはほとんど演技指導的なものはほとんど何も注文せず、とにかくお二人の自然な掛け合いでやって頂きました。僕は現場で終始笑いっぱなしで、お二人に声優をやって頂いて本当に良かったと思います。僕が予想しているレベルよりも数段良い出来になりました。山寺さんは現場に入る前にはキュンストレーキのキャラクターをしっかり作り上げてこられていて、それがすでにバッチリだったんですね。逆に田口さんは現場に入られてから、山寺さんのキュンストレーキに合わせて声の調子をコントロールするといった感じで、お二人とも本当に素晴らしい役者さんでした。●楽しみにしているお客様向けに最後に一言をお願い致します。ちょっと怖そうに見えますけど、理屈抜きで楽しめる娯楽作品になったと思います。ポップコーンムービーなので、軽い気持ちでお友達やご家族皆さんで劇場に観に来てください!作品情報『放課後ミッドナイターズ』企画・監督:竹清仁声の出演:山寺宏一、田口浩正、戸松遥、雨蘭咲木子、寿美菜子ほか配給:ティ・ジョイ8月25日(土)新宿バルト9ほかアジア一斉公開(C)AFTER SCHOOL MIDNIGHTERS PARTNERSHIP
2012年08月21日夏のファミリー・ムービーとして注目を集め、既に前売り券が飛ぶように売れているという『放課後ミッドナイターズ』。このほど本作のメインキャラクター、人体模型と骨格標本のふたりによる、クスリと笑える“肝試し”の様子を収めたミニコントムービーがどこよりも早くシネマカフェに到着した。夜な夜な動き出す理科室の人体模型・キュンストレーキと、その相棒の骨格標本・ゴスを主人公に、真夜中の学校で巻き起こる一夜の大騒動を描くアトラクション・ムービー。海外では完成前のパイロット版を見た海外映画関係者の間で話題となり、日本、香港、シンガポール、台湾、韓国の5か国で同時公開が決定するという異例の注目作。学校の怪談話でよく耳にした“動く人体模型”キュンストレーキは幼い頃に聞いた“アイツ”そのもの。骨格標本と揃って怪談話でおなじみのキャラクターたちが、息ぴったりの“あるある”コントを繰り広げる。その舞台となるのは夏の風物詩、お化け屋敷!自分たちが“恐がられる”存在だということを忘れ、屋敷の入り口近くで「何かいた!何か動いた!!」とビビりまくる様子は実にコミカル。背中にデカデカと「不要品」の文字を背負ったキュンストレーキが「ちょっとお前行ってこい」と先輩風を吹かせて命令するなり、ゴスはすごすごと中へと入って行くのだが、「ヤバい!パない!」と泣き叫びながらダッシュで逃げ出してしまう始末。「怖かった(笑)?」と半笑いで何回も確認するキュンストレーキの姿は、どこかで見たことのあるような風景だ。その後も2人で一緒に入ろうと約束するもゴスがあっさりと裏切り、キレたキュンストレーキが強烈なキックをお見舞い!学園ホラーの雰囲気などどこへやらの見事なコンビ芸である。この傑作“あるある”コントの仕掛け人は、竹清仁監督。ミュージックチャンネル「MTV」や「スペースシャワーTV」の番組パッケージ映像やTOYOTA CUPのイベントオープニング映像など幅広いジャンルで映像を手がけ、ニューヨークのMOMA美術館のコレクションでも展示されている、世界有数のクリエイターだ。「この短編作品のためだけに、本編に声優で参加して下さった山寺宏一さん、田口浩正さんにも打ち合わせに参加していただき、アイディアを練り上げる日々です。ぜひ映画館の大きいスクリーンでお楽しみいただけたら嬉しいです!」。ほぼ全てがアドリブというモーションキャプチャーでの動きは、まさに秀逸。まずはあなたもこの笑える肝試しに参加してみては?『放課後ミッドナイターズ』は8月25日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。※こちらの映像はYOU TUBEにてご覧いただけます。YOU TUBE■関連作品:放課後ミッドナイターズ 2012年8月25日より新宿バルト9ほか全国にて公開© AFTER SCHOOL MIDNIGHTERS PARTNERSHIP
2012年07月20日日本介護福祉グループは8月、同社が全国でフランチャイズ展開する夜間ケア付小規模デイサービス事業所「茶話本舗(さわほんぽ)」拡充の一環として、大阪プロレスプロデュースによる新規事業所「茶話本舗デイサービス宝塚仁川」を兵庫県宝塚市に開設する。同社では、小規模デイサービス事業を全国に幅広く展開することで、多数の企業が介護事業に参入しやすい環境を提供してきた。大阪プロレスとの連携は、新しいサービス提供の一環として昨年10月頃から協議。すでに3月には、都内の事業所に覆面レスラーが慰問に訪れて、散歩、レクリエーションなどを行うイベントが開催されている。今回開設される新事業所は、大阪プロレス自らのプロデュースによる、介護事業への本格的な参画スタートの舞台と言えるもの。レスラーが定期的に事業所を訪れての室内レクリエーションのほか、外出レクリエーションとしては、生のプロレス観戦などが当初の企画として予定されている。また、今後はレスラーの介護関係の専門資格取得を両社で支援するなど、セカンドキャリア形成の場としての活用も視野に入れながら、共同で運動支援プログラムの開発に取り組んでいくという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月30日