美術館内にある、静かで落ち着く空間「カフェ椿(ツバキ)」は、東京・恵比寿にある山種美術館の1階エントランスの近くにあります。開放感たっぷりの店内では、美しく並ぶイチョウ並木を眺めながら、くつろぎの時間を過ごすことができます。店名は、山種コレクションの中でも特に人気がある、速水御舟《名樹散椿》(重要文化財)から名付けられました。カフェで提供される和菓子は、青山の老舗菓匠「菊屋」にオーダーしたオリジナル。定番の商品に加え、展覧会の作品をモチーフにした色とりどりの味わい深い和菓子が、期間限定でいただけます。老舗巨匠が再現!まさにアートな和菓子展覧会ごとの出品作品から、花や果物、動物のモチーフに作られた、お店限定の和菓子はまさにアートな一品です。色とりどりで美しい和菓子は食べてしまうのがもったいないほど。展示の見たあとに食べると、より作品の余韻に浸れそうです。また、和菓子以外にも素材や季節感にこだわった女性に優しいメニューもあります。コラーゲンボールをつけられる「美肌にゅうめん」や、美術館創立者が米問屋から財をなしたことにちなんだ「米粉のチーズケーキ」など。さらに、京都の「スマート珈琲」を飲めるのも都内ではここだけ。美術鑑賞の余韻のひとときを「カフェ椿」で!山種美術館「カフェ椿」は、JR・東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」から徒歩約10分のところにあります。比較的空いている、午前中や夕方に訪れるのがおすすめ。イタリアのカッシーナ・イクスシー社特注の家具にも注目。作品モチーフの美しい和菓子とお茶で、美術鑑賞後のゆったりとしたひとときをお過ごしください。スポット情報スポット名:山種美術館 カフェ椿住所:東京都渋谷区広尾3-12-36山種美術館ロビー併設電話番号:090-5202-7887
2017年11月19日東京国立近代美術館フィルムセンターは「日本におけるチェコ文化年2017 チェコ映画の全貌」を開催する。会期は2017年11月28日(火)から12月24日(日)まで。本企画は12月に京都国立近代美術館、2月に福岡市総合図書館 映像ホール・シネラを巡回する。日本とチェコ共和国の国交回復60周年を記念し、様々な文化イベントが企画されている本年。日本で過去最大規模のチェコ映画特集が東京国立近代美術館フィルムセンターで開催される。無声映画期から1970年代までの、映画史に名を残す優れた作品がセレクトされた。すべて日本語字幕付きで、また無声映画作品は2回ある上映のうち1回をピアノ伴奏と共に楽しむことができる。26本中18本が日本で初めて上映される今回の企画。初上映作品のなかでも注目の作品をピックアップして紹介する。ピアノ伴奏と共に世界観を味わう無声映画『エロティコン』映画史上初とされるヌードシーンが登場する『春の調べ』(1933)で世界的に知られる名匠グスタフ・マハティー監督。彼が同作に先立ち発表した、性と欲望についての探究『エロティコン』が日本初上映となる。アンドレアは絶望を乗り越えて幸せな結婚生活を送るが、過去に自分を棄てた男と再会してしまう…。同時代の多種多様な映画スタイルを駆使して人物の心理を掘り下げた傑作。12月2日(土)16:30からの上映回では、ピアノ伴奏と共に映画の世界観を味わうことができる。カンヌ映画祭受賞作品『すべての善良なる同胞』1950年代、60年代にチェコ映画界を牽引したヴォイチェフ・ヤスニー監督の、カンヌ映画祭監督賞受賞作品『すべての善良なる同胞』。政治的な抑圧に対抗し自由を描いたことで国際的評価を得た「チェコ・ヌーヴェルヴァーグ」を代表する名作だ。戦後のチェコスロヴァキア映画を代表する名優ヴラスチミル・ブロツキーが主演を飾る。チェコの東部モラヴィア地方の農村に暮らす人々の13年以上にわたる運命のドラマが、ユーモアや皮肉を交えつつ、詩情豊かに描かれる。トリック撮影を多用したスクールコメディ『ほうきに乗った女の子』全篇にトリック撮影を多用した1970年代のファンタジー喜劇『ほうきに乗った女の子』。魔法学校に通う女の子サクサナに、300年の居残りが命じられる。その放課後、人間界に44時間居られる魔法を使って逃亡した彼女は、青年ホンザらと触れ合いながら、善悪や現実など多くのことを学んでいく。サクサナが引き起こす珍騒動を主軸にストーリーが展開する、快活なスクールコメディだ。その他にも労働者階級の苦しみと希望を描きヴェネツィア国際映画祭でグランプリを受賞した『サイレン』や、『ウェスト・サイド物語』(1961)に影響を受けて作られた大ヒットミュージカル『ホップ・サイド・ストーリー』など26作品を上映。20世紀に激動の歴史を歩んできたチェコ。その渦中に生きた映画人たちの、自由奔放な想像力や鋭い社会風刺に満ちた名作の数々に出会うことができる。【詳細】会期:2017年11月28日(火)~12月24日(日) ※月曜休館場所:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール(2階)住所:東京都中央区京橋 3-7-6TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル 8:00~22:00)定員:310名(各回入替制)※ピアノ伴奏付きのプログラムは299席、各回の開映後の入場不可料金:一般520円、高校・大学生・シニア310円、小・中学生100円、障害者(付添者は原則1名まで)・キャンパスメンバーズは無料※ピアノ伴奏付き上映の回 一般1,050円、高校・大学生・シニア840円、小・中学生600円、障害者(付添者は原則1名まで)は無料、キャンパスメンバーズ料金あり(教職員500円、学生400円)巡回上映情報・京都国立近代美術館会期:2017年12月1日(金)、2日(土)・福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ会期:2018年2月1日(木)~2月25日(日)※月曜、火曜休館
2017年11月17日東京駅丸の内口にある「行幸地下ギャラリー」にて、映画ポスターを展示する企画「東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵 映画ポスター名品選」が、2017年11月10日(金)から12月25日(月)まで、開催される。設立以来、映画のフィルムや関連資料を収集・保存してきた東京国立近代美術館フィルムセンター。「東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵 映画ポスター名品選」では、そんな所蔵資料の中から歴史的価値の高い映画ポスターが披露される。展示されるポスターは、所蔵する映画ポスターの軸となる3つのコレクションから厳選。ジャン=リュック・ゴダールやジャック・タチといった名監督を初めて日本に紹介した新外映配給株式会社のポスターコレクション“戦後期フランス映画のポスター(新外映コレクション)”と、映画資料コレクター・御園京平が生涯をかけて収集したコレクション“戦前期日本の映画ポスター(みそのコレクションほか)”、ロシア・アヴァンギャルドなどロシア映画の貴重なポスターを日本にもたらしたロシア映画研究家・袋一平のコレクション“無声期ソビエト映画のポスター(袋一平コレクション)”の3つだ。それぞれのコレクションから10点ずつ、計30点の映画ポスターが紹介される。展示形態は、デジタル画像からの出力による複製展示となっている。20世紀以降、常に人々を魅了してきた映画文化の豊かさを再発見する機会になるだろう。【詳細】「東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵 映画ポスター名品選」期間:2017年11月10日(金)~12月25日(月)会場:行幸地下ギャラリー(東京駅丸の内口) ※地下の歩行者専用道路に沿ったガラスショーケース内【問い合わせ先】03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年11月09日「ポーランド映画祭2017」が、2017年11月25日(土)から12月15日(金)まで東京都写真美術館にて開催される。今回の開催で6年目を迎える「ポーランド映画祭」。今年は、ポーランドを代表する映画監督の一人であるイエジー・カヴァレロヴィッチ監督の没後10年に際し、カヴァレロヴィッチ監督作品にフォーカスを当てる。『影』『尼僧ヨアンナ』『夜行列車』『太陽の王子ファラオ』 の4作品を、デジタル・リマスター版にて上映する。さらに、新しい映画に注目する「ポーリッシュ・シネマ・ナウ!」では、山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞の『オラとニコデムの家』、子供と大人の狭間の時期をリアルに描いた『プレイ・グラウンド』、社会主義政権下において700万部の売上を記録した書籍の著者ミハリナ・ヴィスウォツカについての映画『アート・オブ・ラビング』の3作品を上映。加えて、2017年12月に劇場公開される『ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜』もプレミア上映される。第二次世界大戦中のポーランドでの出来事を描いた、感動のノンフィクションだ。また、これまで日本で見られる機会がほとんどなかった、イエジー・スコリモフスキ監督の幻の作品『早春』や、世界中で絶大な人気を誇る作家スタニスワフ・レム特集として、レムの伝記映画『ソラリスの著者』、ボグダン・ジヴォルスキの傑作ドキュメンタリー5作品など、見逃せない作品が目白押しになっている。予告映像も公開されているので、イベントに足を運ぶ前に是非チェックしてみて。【詳細】ポーランド映画祭2017会期:2017年11月25日(土)~12月15日(金)※11月27日(月)、12月3日(日)、12月4日(月)、12月11日(月)は休館につき上映なし。場所:東京都写真美術館ホール住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内TEL:03-3280-0099上映作品:・ポーリッシュ・シネマ・ナウ!『プレイグラウンド』、『アート・オブ・ラビング』、『オラとニコデムの家』、『二つの冠』、『ゆれる人魚』、『ユダヤ人が救った動物園アントニーナが愛した命』・スタニスワフ・レム特集『ソラリスの著者』『寄せ集め』(2作品同時上映)・イエジー・スコリモフスキ!『早春』デジタル・リマスター版(2018年1月 YEBISU GARDEN CINEMA にて公開)、『イレブン・ミニッツ』・ボクダン・ジヴォルスキの傑作ドキュメンタリー『アイスホッケー』、『クラシック・バイアスロン』、『人生の舞台』、『フェンシング選手』、『フランツ・クラマーとスキーの風景』(5作品同時上映)・アンジェイ・ワイダ監督追悼『コルチャック先生』、『カティンの森』、『残像』・イエジー・カヴァレロヴィッチ監督特集『影』、『夜行列車』、『尼僧ヨアンナ』、『太陽の王子ファラオ』・画家ベクシンスキー特集『最後の家族』、『ベクシンスキー家の人々 映像と音声のアルバム』・ポーランド俳優ツィブルスキ没後50年『灰とダイヤモンド』『ズビシェク』・ポーランド・アニメーション70周年企画『ツィーゲノルト』『黒』『魔法のえんぴつ』『ボレック&ロレック』(4作品同時上映)・アンコール上映『イマジン』『イーダ』『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ラブ』
2017年10月26日とことん草間ワールド! 日本を代表する新アートスポット誕生どこまでも果てしなく増殖する水玉、ビビッドなカラー…壮大な独自の芸術で世界を席巻する前衛芸術家・草間彌生。彼女の作品が結集した「草間彌生美術館」が、満を持して東京・牛込に誕生しました。開館を記念した特別展「想像は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」が、2017年10月1日(日)から2018年2月25日(日)まで開催中です。本展は最新絵画シリーズ《わが永遠の魂》を中心に、選りすぐりの代表作から最新作品までを展示した美術館のこけら落とし展。限られたスペースで安全で快適に作品を楽しむために、入場は完全予約制(1日4回入れ替え)となっています。とことん草間ワールドを体感できる本美術館は、芸術ファンはもちろん、パワーや情熱を感じたい人々にぴったりの新アートスポット。記念すべき特別展で注目したい作品の一部をご紹介します。生命賛歌を謳い続けて 《愛はとこしえ》フリーハンドで描いたドローイングを版画にした連作50点「愛はとこしえ」シリーズ。本展ではうち27点をぐるりと取り囲むように展示しました。線や水玉、紋様の反復や集積といった草間ワールドを代表するモチーフをはじめ、宇宙人のような摩訶不思議なキャラクターも登場します。作品を通してずっと「愛」について表現し続ける草間の情熱が、部屋いっぱいに溢れています。草間彌生の集大成がここに 《わが永遠の魂》2009年から制作をはじめ、今もなお新作が発表し続けられている「わが永遠の魂」シリーズ。1日1点か2日1点という驚異的な速さで制作が進む本シリーズから、選りすぐりの16点が展示されています。まるで色彩が爆発しているかのよう。アクリル絵の具で描かれた“草間ワールド”は、まさに彼女の集大成。芸術家としての飽くなき挑戦と創造の闘いを全身で感じられるはずです。いつの間にか作品の一部に… 《無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでいく》体感型インスタレーション「ミラールーム」は草間の代表的な表現方法のひとつ。無限に増殖するモチーフを体感することのできる最新作《無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでいく》が登場しました。本作はオレンジ色に瞬くかぼちゃが、闇にどこまでも広がっていく世界を表現したインスタレーション作品。鑑賞者と作品の境界線をなくしてしまうような、そこはかとないエネルギーと不思議な力が詰まった空間がありました。文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:草間彌生美術館開館記念展「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」催行期間:2017年10月01日 〜 2018年02月25日住所:東京都新宿区弁天町107電話番号:(03) 5273 1778 (開館日の11:00~17:00)
2017年10月20日大人気のアーティスト、草間彌生さんの個人美術館が東京・新宿に新しくオープンしました。草間さんの世界にひたれる空間ってどんな感じなのでしょう?プレスプレビューを取材してきましたので、レポートします!開館記念展スタート!【女子的アートナビ】vol. 8710月1日に開館した草間彌生美術館では、年に2回のペースで展覧会を開催。草間さんのさまざまなアートを毎年楽しめるようになっています。こけら落としとなる開館記念展『創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき』では、最新絵画シリーズ《わが永遠の魂》を中心に構成。今展のために作られたというインスタレーション作品も展示されています。まずは、外観からご紹介。真っ白な建物が美術館です。場所は新宿区弁天町の住宅街。最寄り駅は、都営地下鉄大江戸線の「牛込柳町」駅ですが、東京メトロ東西線の「早稲田」駅からも行くことができます。こちらは入り口付近の写真。1階のガラス部分には、草間さんの水玉模様がデザインされています。細長い美術館で、中に入るとワンフロアは比較的コンパクト。展示室には階段で上がっていきます。まずはモノクロの世界へ!最初の展示室では、モノクロの連作「愛はとこしえ」シリーズの27点を見ることができます。これらの作品は、2007年から3年間で描いたドローイングを版画にした連作。黒のマーカーペンを使いフリーハンドで描いた画面には、おなじみの水玉模様をはじめ、抽象的な形が繰り返し出てきたり、細かい線がびっしりと描かれていたりして、モノクロの草間ワールドを楽しめます。3階はとってもカラフル!続いて3階の展示室に行くと、一転して鮮やかな世界が広がっています。こちらは2009年から手がけ、現在も制作を続けられている大型の連作「わが永遠の魂」シリーズ16点。1日に1点(または2日に1点)という早いペースで描かれている同シリーズは、すでに530点を超えています。2017年の春に開催された『草間彌生展―わが永遠の魂』でご覧になった人も多いと思いますが、今回の展覧会では同シリーズ最新作を初公開。新しい作品を見られるなんて、個人美術館ならではの魅力です。2分間のかぼちゃ体験♪次は4階へ。扉しか見えませんが、この部屋の中にミラールームの最新作《無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく》があるとのこと。まずは扉の前でスタッフの方から鑑賞について次のような説明を受けます。・入れ替え制で入場する・2分間限定で鑑賞する・展示物には手を触れないそして順番に数名ずつ中に入ると、スタッフが扉を閉めてストップウォッチで2分計測。時間になると扉を開ける……という手順です。閉じ込められる感があってちょっとドキドキ。こちらが展示室内の写真。密室の中に無数の水玉かぼちゃが鎮座しています。鏡の反射や照明の効果でかぼちゃがどんどん増殖していくように見えて、ちょっと怖い感じ……。体感型のインスタレーションであるミラールームは、草間さんの代表的な作品シリーズのひとつ。これまで松本市美術館などいくつかの場所で違うパターンのミラールームを体験したことがありますが、私的には今回のかぼちゃが一番インパクト大でした。最後の5階は資料閲覧スペース。そこから続く屋上ギャラリーでは新作の巨大かぼちゃ作品《Starry Pumpkin》を見ることができます。トイレも必見!展示作品のほかに、ぜひ見ていただきたいのがエレベーターとトイレ。どちらにも赤い水玉がいっぱいデザインされていて、小さなミラールーム状態になっています。特にトイレは自分ひとりで贅沢に草間ワールドを体感できるので超オススメです(でもトイレの数が少ないので、あまり長居しすぎないようにしてくださいね)。最後は1階のショップでお土産もチェック。美術館限定のクッキーや水玉グッズなど記念に買って帰りましょう。なお、この美術館は日時指定の予約・定員制となっています。詳しくは公式サイトをチェックしてみてくださいね。Information会期:~2018年2月25日(日)※開館日は木・金・土・日曜および国民の祝日(月~水、12月25日〜1月17日は休館)時間:11:00〜17:00※1日4回(各回定員50人・90分の入れ替え制)のチケット事前購入制①11:00〜12:30(11:30までに入場)、②12:30〜14:00(13:00までに入場)、③14:00〜15:30 (14:30までに入場)、④15:30〜17:00(16:00までに入場)会場:草間彌生美術館料金:一般 1000円 / 小中高生 600円
2017年10月13日前衛芸術家として世界的にその名を知られる草間彌生の美術館(東京都新宿区弁天町107)が10月1日に開館を迎える。入館チケットは日時指定の予約・定員制、1日4回各90分入れ替えの事前購入制となっているが、人気の高さゆえ2ヶ月先まで予約がいっぱいだという。こけら落としとなる開館記念展「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」では、最新作の「わが永遠の魂」を中心に、モノクロドローイングシリーズや新作のかぼちゃ立体作品なども展示される。一般公開に先駆けて9月26日に行われたプレス内覧会では、草間彌生氏本人が会場を訪れ、「私の終生の念願であった草間彌生美術館を建て、みなさまに作品を見ていただきたいという心からの希望が達せられました。これは私の生涯における最大の感激であります。(中略)あなたたちの志によって私を鼓舞していただきたい。その強い願いをあなたたちに伝えたいと思い、この美術館を建てました。私の愛する美術館を、ぜひあなたも最大の愛をもって一生愛していただきたいと思っております」と開館への想いを語った。外苑東通り沿いに面した草間彌生美術館は、地上5階、地下1階建ての建物で、白い水玉模様があしらわれた壁が目印となっている。1階のエントランスを抜けて階段を上ると、2階の壁一面には、モノクロドローイングのシリーズ「愛はとこしえ」27点が展示され、さらに3階に上がると、2009年から現在も描き続けられている大型の絵画連作「わが永遠の魂」16点が現れる。今年描き上げられたばかりの「私の悲しみの青春の死が足音を立ててやってくるのだ」、「私の愛の億万のきらめきをあなたにあげたい」も展示され、モノクロ世界の2階から一変して、鮮やかで濃密な彩りの世界に引き込まれる。螺旋階段を上り4階へ着くと、初公開のミラールーム「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」が待っている。暗闇の中に浮かぶ無限のかぼちゃを見つめていると、心地よい“没入感”に浸れるだろう。「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」屋上には、金やピンクのタイルで飾られた立体作品「Starry Pumpkin」が展示され、新宿の街が一望できる見晴らしのよい場所で、草間作品を鑑賞することができる。階段に面したガラス窓から自然光が豊かに降り注ぐように設計された展示室や、エレベーターやトイレの中などいたるところに水玉模様があしらわれている点もポイントだ。エントランス横にあるミュージアムショップも、美術館限定のクッキーやハンカチなどが販売されているのでお見逃しなく。「Starry Pumpkin」【展覧情報】草間彌生美術館開館記念展創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき会期:10月1日~2018年2月25日会場:草間彌生美術館住所:東京都新宿区弁天町107時間:11:00~17:00(入れ替え制)休館日:月・火・水曜日(祝日は除く)、12月25日~2018年1月17日入場料:一般 税込1,000円、小中高生 税込600円、未就学児無料チケットはWEB SITE()で購入可能
2017年09月26日ファッションや映画など多様な文化を滋養にして、美しくしなやかに生き方を主張するパリジェンヌたち。世田谷美術館で開催する『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』のキャッチコピーも「『パリジェンヌ』は流行じゃなくて、生き方です!」とある。アメリカ・ボストン美術館所蔵のマネやドガ、ルノワールなど印象派の絵画のほか、写真やイラスト、服飾資料なども展示し、多角的に“パリジェンヌ”の源泉をたどる本展。その記者発表会が9月5日、三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで行われた。【チケット情報はこちら】会見では世田谷美術館・学芸部主査の塚田美紀氏が登壇し、5つのチャプターに分けられた本展について解説。チャプター1では、ルイ14世の死去により、文化の中心がヴェルサイユから、裕福な市民のサロンがあるパリへと移行する様子を紹介。技巧を凝らしたドレスや、日本の有田焼まで取り入れたティーセットも展示される。チャプター2では、フランス革命後、19世紀に見られた女性への視線が示される。小説家として活躍するような進歩的な女性も当時は登場していたが、フラゴナールの『良き母親』に見られるように「パリジェンヌの実態というよりは、社会的に期待されたイメージ」(塚田氏)が数多く描かれた。チャプター3では、19世紀半ばにパリの街の大改造が行われたことで、市民の消費も拡大。パリジェンヌのモードが発展を遂げ、ついには世界中で注目を浴びるに至った様子が示される。サージェントの『チャールズ・E.インチズ夫人』は、パリジェンヌ風のドレスに身を包んだアメリカの女主人を描いた名作だ。続くチャプター4では、いよいよ19世紀後半にルノワールやドガら印象派の巨匠たちの作品が登場する。中でも注目は、マネの大作『街の歌い手』。今回は約70年ぶりの修復後、初の公開となる。その後も画家たちのミューズとなった多くの女性たちや、カサットやモリゾなどの女性画家、またサラ・ベルナールら女優の台頭によって、パリジェンヌの名声は高まってゆく。チャプター5では、20世紀に入ってのカルダンやバレンシアガのドレスや、踊り子のイラスト、モデルや女優の写真までを紹介。5つのチャプターをたどることで、パリジェンヌが後世の文化にいかに影響を与えたかを改めて感じられる内容になっている。本展は2018年1月13日(土)から4月1日(日)まで東京・世田谷美術館で開催。その後は4月11日(水)から6月10日(日)まで広島・広島県立美術館にも巡回予定。取材・文佐藤さくらPhotographs(C)Museum of Fine Arts, Boston
2017年09月19日女子的アートナビ番外編、今回はパリで超有名な美術館のひとつ、オルセー美術館の取材レポをお届けします!もとは〇〇だった!【女子的アートナビ】番外編オルセー美術館は、パリ左岸、セーヌ川沿いにあります。もとは駅だった場所を使っているので、建物や内部もちょっと独特。あとで館内の写真もお見せしますが、駅の風情も感じられるステキな空間になっています。こちらは入り口の写真。時刻は開館30分前の9時ですが、すでに人が並び始めています。現在、パリではテロ防止のため、美術館や教会等の施設に入る際、手荷物検査やボディーチェックが行われています。特に人気の美術館では、入場までに30分以上待つこともあるので、朝一番や閉館前など比較的空いている時間帯に行くと入りやすいです。空間がとってもおしゃれ♡それでは、館内に入ります!オルセー美術館はルーヴル美術館、ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)と並ぶパリ三大美術館のひとつ。主に1848年から1914年までの西洋美術作品が展示されています。1900年のパリ万博にあわせて建設された駅舎を再利用しているので、丸天井の空間がそのまま残されていて開放感たっぷり。装飾などもおしゃれです!大人気の印象派ギャラリーへ館内は3つのフロアにわかれているので、まずは最上階の5階にある印象派ギャラリーから鑑賞スタート。モネ、マネ、ルノワールやシスレー、セザンヌなどなどの超有名な作品かズラリと並んでいます!オルセー美術館の展覧会は日本でもたびたび開かれているので、何度か目にしたこともある絵画も展示されていますが、やはり現地で見るのは格別。上の写真はエドゥアール・マネの傑作《草上の昼食》です。こんな名画、なかなか日本では見ることができません!この作品は4人の男女が森の中でピクニックをしている場面を描いたものですが、男性たちはスーツにネクタイまでつけているのに、手前にいる女性はヌード。しかも現実世界にいる女性のようです。当時、ヌードは神話世界に出てくる女神を描くのが一般的だったので、この絵は「下品だ!」とかなり批判を浴びたようです。2階にはゴッホの人気作も!2階にあるゴッホとゴーガンの展示室にきました。やはりゴッホの人気は絶大!人が集まり、熱気ムンムンです。こちらはゴッホの《星月夜》。ローヌ川の左岸からガス灯がきらめくアルルの街の夜景を描いたもので、青と黄色のコントラストがとてもきれいです。画家自身も愛着を持っていた作品で、オルセーのなかでも人気作のひとつです。このほか、2階ではスーラやシニャックなど新印象派の絵画やロダンなどの彫刻、アールヌーヴォーの家具なども見ることができます。熊もヌードも見られる地上階へ!地上階に降りてきました。ここには、ロダンの弟子、フランソワ・ポンポンの彫刻《白熊》があります。シンプルな造形なのに、すごい熊っぽくて愛らしさ満点!来館者にも大人気の作品です。こちらはマネの《オランピア》。古典的な絵画の構図をまねていますが、横たわる女性は現実世界の娼婦として描かれています。先ほどご紹介した《草上の昼食》と同じく、この絵も当時は大ブーイングを受けたそう。これらの問題作品も、今では近代絵画の傑作といわれています。私はマネが好きなので、ご紹介作品が偏ってしまいましたが、オルセー美術館にはほかにもクールベやナビ派、ロートレックの絵画などまだまだ多くのすばらしい作品があります。館内にはおしゃれなカフェやレストランもあるので、休憩しながら丸一日滞在するのがおすすめです。ミュージアムショップもすごい!ミュージアムショップは美術館を出たところにあります。オルセー美術館の所蔵作品をモチーフにしたステーショナリーや食器、スカーフなどがいっぱい!思わず買ってしまったのが、ポンポンの《白熊》ミニチュア版。小さくてもかわいい!ゴッホの《星月夜》がプリントされたマイクロファイバーも入手。発色がきれいです。夕刻、美術館を出ると、入り口にはまだ人が並んでいました。ふだんは18時閉館ですが、木曜日だけは21時45分までOK。なので、木曜夜に訪れると入りやすいかもしれません。オルセー美術館は作品だけでなく、駅舎を利用した建物も、レストランのランチもショップのグッズも何もかもがステキでした。パリに行く機会があったら、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!※本記事の写真はオルセー美術館の許可を得て撮影・掲載しています。
2017年09月12日ファン・ゴッホと日本をテーマに世界中から選びぬかれた逸品が一堂に会する「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」が、2017年8月26日(土)~2018年3月4日(日)の期間、札幌、東京、京都の3都市を巡回して開催されます。オランダのファン・ゴッホ美術館やクレラー=ミュラー美術館をはじめとした世界の名だたる美術館、そして個人のコレクションが集結し、日本美術がファン・ゴッホに与えた影響をさまざまな角度から見ることができます。ファン・ゴッホと日本・本展の構成1853年オランダに生まれたフィンセント・ファン・ゴッホは、1886年にパリに移り、自らの絵画表現を模索しました。そこで彼に大きな影響を与えたのが、日本の浮世絵でした。浮世絵版画を収集し、油彩で模写をして、構図や色彩を学んだのです。さらにファン・ゴッホは、浮世絵をはじめとする美術作品、日本を紹介した文章を咀嚼しながら、独自の日本イメージを醸成していきます。彼にとって日本は創意の源であり、夢に見た理想郷でした。本展の第1部は「ファン・ゴッホのジャポニスム」と題し、ファン・ゴッホが日本からどんな影響を受け、どんなイメージを抱いていたのかを多角的に検証します。そして「日本人のファン・ゴッホ巡礼」と題した第2部では、最初期における日本人のファン・ゴッホ巡礼を、ガシェ家の芳名録に基づいたおよそ80点の資料からたどります。●日本初!ファン・ゴッホ美術館との本格的国際共同プロジェクトファン・ゴッホの展覧会は日本で数多く開催されていますが、本展はオランダのファン・ゴッホ美術館との初の国際共同プロジェクトで、日本展終了後はファン・ゴッホ美術館でも開催されることになっています。「ゴッホと日本」をコンセプトに、本展の企画が立ちあがったのは6年前のこと。その後、2013年から共同企画として、ファン・ゴッホ美術館と日本の監修者・学芸員が作品選定や出品交渉を行ってきました。そうして出品される作品の中には、個人所蔵で普段はまったく見ることができない作品、日本初公開の作品も多く含まれています。ファン・ゴッホを生んだオランダと、ファン・ゴッホに大きな影響を与えた日本。この両国で本展が開催される意義は、とても大きなものになること間違いなしです!●第1部 ファン・ゴッホのジャポニスム●パリー夢のはじまりフィンセント・ファン・ゴッホ《花魁(溪斎英泉による)》1887年、油彩・綿布、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)ファン・ゴッホの生年は、日本では黒船来航の年にあたります。オランダは鎖国中の日本とも交易をおこなっていましたし、ファン・ゴッホの伯父ヤンは日本に滞在した経験もありましたが、オランダ時代のファン・ゴッホと日本との接点をうかがわせるものは、何も見つかっていません。ファン・ゴッホが日本に関心を抱くようになったのは、1886年にパリに移住したのちだと言われています。パリに移ったファン・ゴッホは、画商ビングの店で大量の浮世絵を見て、鮮やかな色彩、作品の質の高さに魅せられます。平坦で鮮やかな色面を使ったファン・ゴッホの画風は、浮世絵の研究を通じて培われていったのでした。1880年代、パリはジャポニスムの最盛期でした。1886年に刊行された『パリ・イリュストレ』誌の日本特集号に使われた英泉の花魁図を、ファン・ゴッホは拡大模写して《花魁》に描きこんでいます。フィンセント・ファン・ゴッホ《カフェ・ル・タンブランのアゴスティーナ・セガトーリ》1887年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)この頃から、ファン・ゴッホは日本と日本人を理想化しはじめていたようです。そして、浮世絵の中の鮮やかな色彩世界を求めて「フランスにおける日本」たる南仏へ旅立つのでした。●アルルー「日本」という名のユートピアフィンセント・ファン・ゴッホ《寝室》1888年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)1888年2月、ファン・ゴッホの南仏暮らしは大雪の中で始まりました。ファン・ゴッホがしたためた手紙には、「まるでもう日本の画家たちが描いた冬景色のようだった」、「この土地が、空気の透明さと明るい色彩効果のために、ぼくには日本のように美しく見える」と記されています。ファン・ゴッホにとって、南仏は「まさに日本そのもの」でした。「ここではもう浮世絵は必要ない。目の前にあるものを描きさえすればいい」と語るほど。夏に向かって日差しが強く明るくなるにつれ、ファン・ゴッホの絵も浮世絵のように鮮やかな色で描かれるようになります。浮世絵風の大胆な構図を取り入れるなどしたほか、ピエール・ロティの『お菊さん』を読み、日本を、そして日本人を理想化していきました。フィンセント・ファン・ゴッホ《アイリスの咲くアルル風景》1888年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)理想化された日本人は、まるで花のように自然の中に生き、深い思想と真の宗教を持ち、他人と兄弟のように生活する貧しく素朴な人々でした。つまりファン・ゴッホは、自分が持っていた芸術的、社会的、宗教的理想を、日本人に投影していったのです。フィンセント・ファン・ゴッホ《タラスコンの乗合馬車》1888年、油彩・カンヴァス、ヘンリー&ローズ・パールマン財団蔵(プリンストン大学美術館長期貸与)©The Henry and Rose Pearlman Collection / Art Resource, NY 札幌、東京の2会場のみ展示そんな理想を実現すべく、ゴーギャンと「黄色い家」ではじめた共同生活は、1888年12月、有名な「耳切り事件」によって破綻します。日本を夢見た、南仏での1年足らずの生活期間は、ファン・ゴッホがもっとも想像力に満ち、もっとも幸福な時期だったのでしょう。●サン・レミ、オーヴェールー遠ざかる日本の夢フィンセント・ファン・ゴッホ《蝶とけし》1889年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)「耳切り事件」のあともたびたび精神病の発作に襲われたファン・ゴッホが日本について語ることは、ほとんどなくなりました。しかし、発作の合間に描きつづけた作品のなかには、浮世絵の影響を感じさせるものもありました。フィンセント・ファン・ゴッホ《渓谷(レ・ペイルレ)》1889年、油彩・カンヴァス、クレラー=ミュラー美術館蔵© Kröller-Müller Museum,Otterlo1890年、サン・レミの療養所を出たファン・ゴッホは、パリで「現実」と直面します。そのひとつは弟テオが家庭を持ったこと、もうひとつは日本のイメージの急激な変化でした。1890年の近代化が進んだ日本は、もはや「楽園」ではなく、現実として見られるようになっていました。多くの人が「日本の夢」から目覚めさせられることになったのです。フィンセント・ファン・ゴッホ《オリーヴ園》1889年、油彩・カンヴァス、クレラー=ミュラー美術館蔵© Kröller-Müller Museum,Otterloフィンセント・ファン・ゴッホ《ポプラ林の中の二人》1890年、油彩・カンヴァス、シンシナティ美術館蔵(メアリー E. ジョンストン遺贈)© Cincinnati Art Museum, Bequest of Mary E. Johnston, 1967.14301890年7月28日、ファン・ゴッホの「日本の夢」に火をつけた画商ビングが大浮世絵展の功績を認められてレジオン・ドヌール勲章を授与されたその日、ファン・ゴッホはオーヴェールの屋根裏部屋で腹に銃弾を抱えたまま、瀕死で床に横たわっていました。そして翌29日、静かにこの世を去ったのでした。●第2部 日本人のファン・ゴッホ巡礼●オーヴェール巡礼の旅ファン・ゴッホはオーヴェールの墓地に、あとを追うように没した弟テオと、隣りあって埋葬されています。ファン・ゴッホの死からまもない頃、その作品や生涯を熱心に紹介したのが、小説家の武者小路実篤、画家の斎藤與里や岸田劉生、美術史家の児島喜久雄といった「白樺派」及びその周辺の文学者や美術家たちでした。その熱狂は徐々に広がり、大正から昭和初期にかけて、少なからぬ日本人がオーヴェールの地におもむきました。生前ほとんど売れなかったファン・ゴッホの作品の多くは、オーヴェールのガシェ医師の元に残され、医師亡きあとは同名の息子が大切に守っていました。当時パリで見ることができるファン・ゴッホ作品はわずかだったため、日本人たちはオーヴェールをファン・ゴッホ巡礼の地と定めることになりました。ガシェ家には、そんな日本人たちの名が記された芳名録が3冊残されました。現在はギメ東洋美術館に収蔵されている芳名録ですが、今回日本ではじめて公開され、近代日本の知識人たちによるオーヴェール巡礼の実相が紹介されることになりました。オーヴェールに詣でた洋画家には、佐伯祐三や前田寛治などがいました。ファン・ゴッホの強烈な色彩表現は、若い日本人画家たちに大きな影響を与えたのです。本展では、佐伯の《オーヴェールの教会》や前田の《ゴッホの墓》など、巡礼から生まれた日本近代絵画の名作のほか、写真や手紙などの豊富な資料も紹介されます。●クレラー=ミュラー・コレクションへの巡礼ファン・ゴッホに傾倒した白樺派は文学者が中心で、作品以上にその悲劇的な生涯への関心が強かったことが、日本でのファン・ゴッホ受容に見られる特質となっています。ガシェ家の芳名録では、歌人斎藤茂吉の署名がその象徴的な存在といえます。精神科医でもあった茂吉は医学研究のために欧州に留学し、西洋美術、とりわけファン・ゴッホへの関心を深めていきました。茂吉は、オーヴェールでファン・ゴッホを歌に詠んでいます。一向に澄みとほりたる/たましひの/ゴオホが寝たる/床を見にけり(斎藤茂吉)オーヴェールに先だって茂吉が訪ねたのは、オランダ・ハーグのクレラー=ミュラー家でした。そのクレラー=ミュラー家の芳名録にも、画家の荻須高徳や佐分眞ら日本人の名前が散見され、オーヴェールと並ぶファン・ゴッホ巡礼地となっていたことがわかります。クレラー=ミュラー家の芳名録や当時の展示風景写真、目録などの貴重な資料も、本展で紹介されます。日本の浮世絵がファン・ゴッホを突き動かし、ファン・ゴッホの作品が日本の近代美術や文学に大きな影響を及ぼしたことを考えると、ファン・ゴッホと日本の縁がいかに深いものかがわかりますね。現代でもとりわけ日本人に愛されるファン・ゴッホの軌跡を、日本との結びつきという切り口で見つめる本展。日本とオランダを巡回することからも、いかに力が入った企画かが伝わってきます!【展覧会詳細】名称:ゴッホ展 巡りゆく日本の夢■札幌展会場:北海道立近代美術館所在地:札幌市中央区北1条17丁目会期:2017年8月26日(土)~10月15日(日)休館日:月曜日(9/18、10/9は開館。翌火曜日休館)■東京展会場:東京都美術館所在地:台東区上野公園8-36会期:2017年10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)休室日:月曜日(1/8は開館)、年末年始(12/31、1/1)■京都展会場:京都国立近代美術館所在地:京都市左京区岡崎円勝寺町26-1会期:2018年1月20日(土)~3月4日(日)休館日:月曜日(2/12は開館。翌火曜日休館)公式サイト:
2017年09月05日熊谷守一没後40年の大回顧展が、2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)の期間、東京国立近代美術館で開催されます。スケッチや日記まで含めて200点を超える展示品が集められ、97年の人生をひたすらに生き、描き続けた熊谷の人生と、その創作の秘密に迫ります。97年の人生をひたすらに生き、描いた画家、クマガイモリカズ花や鳥や虫、何気ない庭の一角。明快な線と色で身近なものを描く作品で広く知られる熊谷守一。一見おだやかに見える作品の背後には、科学者のような観察眼と、考え抜かれた制作手法が隠れています。97年の人生をひたすらに生き、描いた画家の軌跡を存分に紹介する――それがこの、没後40年の大回顧展です。●熊谷守一とは1800(明治13)年、岐阜県恵那郡付知村に生まれた熊谷は、1897(明治30)年に上京。1900(明治33)年、東京美術学校西洋画科撰科に入学し、黒田清輝、藤島武二らに師事しました。一時帰郷して材木運搬などの仕事に就くも、再上京。二科会を中心に発表を続け、二科技塾の講師も務めます。戦争を挟んで次々と家族の死に見舞われた熊谷。戦後、明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立し、97歳で没するまで制作をおこないました。熊谷は、こんな言葉を残しています。「みんなはわたしのことをすぐ仙人、仙人と呼びますが、わたしは仙人なんかじゃない、当たり前の人間です……」熊谷守一の実直な人柄が偲ばれる言葉ですね。●展覧会の構成※章のタイトルは全て仮題です●1章 画業の始まり(1910-1920年代)1900年、熊谷は東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、黒田清輝らの指導を受けました。授業で人体のデッサンを学び、1920年代以降の裸婦像の基礎を作ります。また、闇の中でのものの見え方を追究するなど、早くから独自のテーマにも取り組みました。1910年、故郷岐阜に戻り、材木を扱う仕事に就いたのち、再上京。山仕事の経験は生涯、作品や生活態度に影響を与えました。●2章 さまざまな模索(1930-1940年代)この時期の熊谷は、絵の具を厚く塗り重ねる技法を用いて多くの裸婦像を描きました。また、山や海に出かけて風景画を制作してもいます。こうした裸婦像や風景画の中から、くっきりした輪郭線と色に特徴付けられる戦後の作風が、次第にかたち作られていきました。この頃に描かれた膨大な数のスケッチは、戦後の作品にも繰り返し使用され、熊谷作品の土台を成すものとなりました。油彩以外に書や水墨画を手がけるようになったのも、この頃です。●3章 線と色の完成(1940-1970年代)戦中から戦後にかけ、くっきりした輪郭線と色を特徴とする、もっともよく知られた画風が完成しました。熊谷は76歳の時に体を壊し、それ以後は自宅から滅多に出ず、庭の花や虫、鳥といった身近なものを描くようになります。しかしながら実は、こうしたモチーフのいくつかは、1940年代に描かれたスケッチに登場しています。そのことからも、長期にわたってねばり強く関心を持ち続ける熊谷の制作の特徴がうかがえます。【展覧会概要】名称:「没後40年熊谷守一生きるよろこび」会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)会場:東京国立近代美術館所在地:千代田区北の丸公園3-1URL:
2017年09月01日ツタンカーメンから村上隆まで…ボストン美術館の至宝が登場(写真左)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年、(右)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年何世代もの偉大なコレクターたちに支えられ、卓越した美術作品を収蔵するボストン美術館。北米で一番歴史のある美術館から、古代エジプトや中国美術、日本美術、はたまたフランス絵画やアメリカ絵画、版画・写真、現代美術といった珠玉の美術作品80点が堂々来日しました。<ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション>は、上野の東京都美術館で開催中。東京会場での会期は2017年7月20日(木)〜10月9日(月・祝)となっています。巡回展となる本展は、東京会場の後、神戸、名古屋へと場所を移し開催予定です。まるで美術の百科事典、ボストン美術館のエッセンスをぎゅっと凝縮した貴重な機会を見逃すことなかれ。初里帰りの涅槃図やゴッホの傑作も大注目まず注目したいのが、本展で初めての里帰りを果たした、英一蝶(日本 1652-1724)の《涅槃図》(1713)です。横たわる釈迦の周りで生きとし生けるものすべてが感情豊かに嘆き悲しむ様子を描いた本作は、1911年にボストン美術館コレクションに収蔵されました。そして2016年8月から2017年5月まで大規模な修理が施され、その彩りを今に伝えます。古来の伝統を今の技術者が後世に残してゆく、大きな営みを細部までじっくりとご覧あれ。そしておなじみフィンセント・ファン・ゴッホ(オランダ 1853-1890)の描いたルーラン夫妻の肖像もそろって来日。ゴッホの親しい友人であったジョゼフ・ルーランをはじめ、ゴッホはその家族をモデルに20点以上もの肖像を描いたといいます。その中から《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》(1888)と《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》(1889)の傑作2点が満を持してやってきました。(写真左)クロード・モネ《ルーアン大聖堂、正面》1894年、(右)クロード・モネ《アンティーブ、午後の効果》1888年他にもお馴染みのモネの睡蓮といった印象派の絵画や、近代的な手法を用いた写真コレクション、今日も根強い人気を誇るアンディ・ウォーホルなど、見どころを挙げれば尽きることはない本展。美術ファンは垂涎間違いなし!取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション催行期間:2017年07月20日 〜 2017年10月09日住所:東京都台東区上野公園8−36東京都美術館企画展示室電話番号:03-5777-8600
2017年08月25日「[企画展]上村松園 -美人画の精華ー」が東京都・山種美術館で開催される。開催期間は2017年8月29日(火)から10月22日(日)まで。会期中、一部展示替えもある。今回開催されるのは生涯を通じて「清澄な女性」を描き続けた上村松園に焦点を当てた企画展。上村の友人であった山種美術館創設者の所蔵品から、上村松園作品を中心に巨匠たちの描いたバラエティ豊かな日本の美人画・浮世絵のコレクションを公開する。最大のみどころである上村松園作品は、《蛍》《つれづれ》《砧》といった代表作を含む18点を展示。上村の描く品のある美しい色使いの女性たちの絵画を存分に楽しむことができる。また、同時公開される浮世絵コレクションも必見だ。喜多川歌麿や月岡芳年の作品のほか、世界で数枚しか現存が確認されていない希少な鈴木春信《梅の枝折り》などが展示される。また、日本人画家による女性を描いた洋画の展示も。和の美しさに溢れた近代の女性たちの姿を鑑賞してみてはどうだろう。【詳細】「[企画展]上村松園 -美人画の精華ー」期間:2017年8月29日(火)~10月22日(日)※会期中、一部展示替えあり。前期 8月29日(火)〜9月24日(日)、後期 9月26日(火)〜10月22日(日)。場所:山種美術館住所:東京都渋谷区広尾3-12-36開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)入館料:一般1,000(800)円、大高生800(700)円、中学生以下無料※()内は団体・前売り料金※着物着用、使用済み入場券の展示で団体料金適用出展作品数:約90点(内上村松園作品18点)【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600(8:00~22:00)
2017年07月23日東京・上野にある東京都美術館で「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催されています。ゴッホの傑作であるルーラン夫妻の肖像画や、日本を代表する浮世絵師・喜多川歌麿の作品など世界を代表する名作80点がこぞって来日。古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、盛りだくさんの展覧会の見どころを、アソビュー編集部員が取材してきました。ボストン美術館とはアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館・ボストン美術館。地元市民をはじめとした多くの美術コレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年の1876年に開館し、2020年には設立150年を迎えます。国や州の財政的援助を受けることなくコレクションの拡充、施設の拡張を続けており、世界屈指の規模を誇ります。選りすぐりの傑作80点を展示!約40年ぶりに来日する至宝たちは必見ボストン美術館のコレクションを対象とした展覧会は、過去に何度か開催されてきました。しかし、古代エジプト・日本美術・中国美術・フランス絵画・現代美術から現代アートまで幅広いジャンルの傑作が展示され、総合的に楽しめる展覧会が開催されるのは、日本で約40年ぶり。またとないこの機会を逃したら、次に開催されるのはまた40年後かもしれません。世界の至宝が年代、ジャンル問わず一堂に会する「ボストン美術館の至宝展」の気になる内容を見ていきましょう!沢山ある作品の中から編集部員が厳選した「これだけは見てほしい!」至宝をご紹介します。1章古代エジプト美術1876年の開館当初から、館内で重要な位置を占めていた古代エジプト美術。地元の収集家よって貴重なコレクションからの寄贈を受け、確かな出土品の獲得に努めてきました。1905年からはアメリカのハーバード大学と共同で発掘調査も開始。その発掘成果は、今日で40,000点を超えボストン美術館の古代エジプト美術コレクションの中核となっています。今回の展覧会では、エジプトの都市・ギザで発掘された古王国時代の出土品を中心に、11点がボストンから来日しています。●「墓のレリーフの断片供物の行列をみる墓主ケネブ」今から4,000年以上前のギザに居住していた建築家の大家族のひとりだった、ケネブの墓から発掘されたこの断片。断片の上部に描かれているのは、神々への最高の捧げものである雄牛を引いた二人の男です。一体どこへ向かっているの?と問いかけたくなる彼らは、この断片とは別の区画に描かれているケネブのもとへと向かっているそう。ちなみに、左下に頭部だけのぞかせている人物は、ケネブの兄弟にあたるペピィメルアンクプタハが描かれたものです。●「ツタンカーメン王頭部」額に長方形の布を当て、耳を出す形で頭を覆うネメス頭巾を被った姿が印象的な、「ツタンカーメン王東部」。若くして亡くなった謎の少年王・ツタンカーメン王を象ったこの石像頭部は、彼の墓ではなくツタンカーメン王が信仰を復活させた古代エジプトの太陽神・アメン神を主祭神とするカルナック神殿から出土した作品の可能性が高い、と伝えられています。凛とした顔だち、彼を象徴するネメス頭巾が特徴的な至宝です!2章 中国美術古代エジプト美術に続き、中国美術作品も多く保有されています。作品の余白などに描かれた絵と、関連した文書や詩が添えられている中国美術特有の作品が、多数展示されています。●徽宗、「五色鸚鵡図巻」1110年代頃中国の王朝・北栄の第8代皇帝の徽宗(きそう)によって描かれた作品です。徽宗が花鳥画を専門分野としていたことは、歴史的にも文献的にも知られること。1000年以上も前に書かれた作品にも関わらず、真筆であると広く受け入れられてきました。題詩によると、中国南部の地である嶺表から、“ズグロゴシキインコ“という珍しい鶏が宮廷へと献上された出来事を記念して描いた絵と言われています。杏の花が咲きほこる庭園を鶏が飛ぶ姿を記録するために皇帝が描き上げた、淡く優しい色使いの作品は必見です。●陳容、「五龍図巻」1244年約10メートルに及ぶ長大な絵巻。沸き立つに描かれるのは9匹の龍が、沸き立つ雲と荒れ狂う波の中を飛翔する姿が筆墨によって描かれている存在感抜群の作品です。作者である陳容(ちんよう)は、画家をはじめ、地方官吏・書家・詩人でもあり多才な人物だったと言われています。画家としては、水墨画を得意とし竜画の名手としても名高かったそうです。実物の他に、見やすいように拡大展示もされています。じっくりと細部まで鑑賞し、墨に墨を重ねる「破墨」や墨をはね散らす「溌墨」と呼ばれる巧みな技法が使われている箇所を見つけてみてください。3章 日本美術今回の展覧会でも大きな注目を集めている、日本美術コレクション。日本国外で最も日本美術作品を所蔵しているボストン美術館には、なんと約10万点に及ぶ日本作家の作品があるのだとか!19世紀後期に日本を愛し、日本中を旅した偉大なコレクター達が収集した美術品たちは、ボストン美術館のあるアメリカにおいて、日本文化の敷衍や正当な評価の生み出しにも貢献しました。日本から渡米し、初めての日本へ里帰りする作品にも要注目です。●司馬江漢、「秋景芦雁図」1700後~1800初年哀愁ただよう雁(カリ)が目を引く、司馬絵江漢の絵画作品。司馬江漢は、江戸時代の蘭学者(オランダ語を通じて輸入された西洋学問の研究者)であり、画家でもありました。確かによく見ると、作品右上の落款には、横書きのオランダ語のサインも添えらえています。彼は、狩野派、浮世絵など様々な画流を学びましたが、特に洋風画の開拓者として知られています。この作品も西洋画にヒントを得て、水平線を低く描き、遠近法を用いた景色を後景に描くことで、画面上に奥行きと広がりある世界が演出されているのです。ちなみに、作品名にもあるように、この作品が描かれている季節は“秋”ですが、「冬景芦雁図」という“冬”バージョンの作品も。雪景色が広がり、その中にうずくまる雁が描かれた作品「冬景芦雁図」は、この機会にぜひ合わせてみてほしい作品です。●英一蝶、「涅槃図」1713年とにかく大きい!至宝がずらりと並ぶ館内でもひと際目立つ「涅槃図」。それもそのはず、画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。涅槃(ねはん)に入る釈迦と悲しみにくれる人々、動物、羅漢たちがぎっしりと描かれています。鮮やかな色彩も美しいです。作品の大きさと劣化がが目立ち、収蔵されているボストン美術館でも25年以上公開ができていなかったこの作品。なんと、今回の展覧会開催を機に画面の亀裂や汚れ、糊離れなどの改善を主におよそ170年ぶりに本格的な解体修理が実施されました。現地のコレクターにより渡米した「涅槃図」は、今回約130年ぶりに初めて日本に里帰りを果たします。作品解説もしっかりとされているので、ぜひ立ち止まってチェックしてみてください!●鳥居派、「絵看板鈴木栄小町」1758年現代の街中広告や電車内のつり革広告のような役割を果たしていた、絵看板。人々を歌舞伎の芝居へと引き込むポスターとして芝居小屋の軒下に飾られ、画面には主役の演者たちが演じる選りすぐりの場面が描かれています。美術品というよりは、飾られる期間が限られる宣伝物だった絵看板は、ほとんどが破棄されており現存しているものはほんのわずか。そんな貴重なこの作品は、現存される看板絵の中でもっとも古いものなのだそうです。●喜多川歌麿「三味線を弾く美人図」1805年頃近年、国内外問わず巻き起こっている“浮世絵ブーム”!北斎、広重、写楽と並び世界的に知られる浮世絵師、喜多川歌麿が晩年に手がけた「三味線を弾く美人図」も展示されています。浮世絵黄金期に美人画絵師として活躍した歌麿の集大成と言われるこの作品は、“横長の軸” “上半身のみの構図”といった珍しい構図が特徴!三味線の調律をしているこの美人は手の込んだ髪飾りを身に着けていることから、芸者または娘浄瑠璃師が描かれているのではないか、と示唆されています。4章 フランス美術数多くのヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に特に名高い19世紀フランス絵画のコレクションが厳選されて来日しています。特に、モネ、ルノワール、ピサロ、ミレー、そしてヴァン・ゴッホの作品は見逃せません!まさにフランス美術における至宝がずらっと並ぶこの章は、見どころ満載です。●カミーユ・ピサロ、「ポントワーズ、道を照らす陽光」1874年019世紀のパリ郊外にある小さな町が優しく描かれたこの作品。比較的幅の広い筆遣い特徴的な表現は、ピサロの初期作品にみられる特有の技法です。都会を離れ、田園地帯に実際に身を置いて制作されたこの作品は、身の回りにあるごく普通の情景が率直に描かれた作品となっています。●クロード・モネ、「睡蓮」1905年1日本でもファンが多い、フランスの印象派を代表する画家・モネの作品です。画面に描かれる睡蓮の花はもちろん、この絵の見どころはなんと言っても“水面”。画面上には“水辺に浮かぶ睡蓮”しか描かれていないものの、水面に映る光や空、岸辺の樹々から水辺を囲む周囲の世界を垣間見られます。水平線などこれといった区別や線引きを表すものはないにも関わらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせるこの作品は、1909年にパリで発表された彼の名作の一つです。●アンリ・ファンタン=ラトゥール、「卓上の花と果物」1865年2まるで写真みたい!と絵の繊細さに思わず驚いてしまうファンタン=ラトゥールの静物画。彼は、独特かつ保守的な様式での制作を好み、とにかく細部まで実物をそのまま描写する静物画、その中でも特に花の絵画を専門とする画家でした。●フィンセント・ヴァン・ゴッホ、「郵便配達人ジョセフ・ルーラン」1888年、「子守唄ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」1889年3ゴッホは、1888年にパリを発って南フランスを発って南フランスにある小さな町・アルルに移住しました。その時に、町内で最も親しい友人となり、彼のお気に入りのモデルとなったのが地元で郵便の仕事をしていたジョセフ・ルーランでした。ちなみに、夫・ジョセフをモデルにした油彩画はこの作品を合わせて、全部で6作品あり、本作は一番最初に描かれたものです。また、ほぼ全身を描いた唯一の作品としても有名です。ゴッホは、のちにジョセフの妻・オーギュスティーヌと3人の子供たちの肖像画も手がけました。夫妻の肖像画が来日するのは、今回が初めて!展覧会の目玉作品として注目を集めています。●エドガー・ドガ、「腕を組んだバレエの踊り子」1872年4フランスの印象派画家のドガは、踊り子をモデルとした作品を多数残している「踊り子の画家」として有名です。ここでいう“踊り子”とは、パリのオペラ座のバレリーナを指します。裕福な銀行家の息子だったドガはオペラ座の定期会員となり、会員しか許されない舞台裏に出入りすることも許されていました。よって彼は生涯にわたり、その時にみた踊り子の自然なしぐさや表情が描写された作品を生涯多数残しています。ちなみに、この作品はドガがなくなったとき、彼のアトリエに未完成のまま残されていたものなのだそうです。5章 アメリカ絵画5絵画の最終章を飾るのは、もちろんボストン美術館のあるアメリカ美術です。18世紀から20世紀半ばまで、様々な年代の作品を楽しめるアメリカ絵画コレクションは見ごたえ抜群です!●ジョン・シングルトン・コプリー、「ジョン・エイモリー」1768年6縦横それぞれ1メートル以上ある、大きなキャンパスに描かれたダイナミックな当時の貿易商の肖像画です。手には自分宛ての手紙、背後には帆船が描かれ、海運業で利益を得ていた彼の功績がそれらのアイテムによって表現されています。●ジョン・シンガー・サージェント、「ロベール・ド・セヴリュー」1879年7子犬と少年のどこかぎこちない表情が愛らしい、この作品。野心的なアメリカ人画家・サージェントは主にイギリスを拠点として活躍しましたが、イタリアに生まれフランスで美術教育を受けた生い立ちから、欧州各国の影響を受けた独特な画風が特徴的です。伝統的な古典技法を用いて多数の肖像画を手掛けた「最後の肖像画家」とも呼ばれています。●ジョン・シンガー・サージェント 、「フィスク・ウォレン夫人(グレッチェン・オズグッド)と娘レイチェル」1903年8これもまたサージェントの縦1.52メートル・横1.03メートルほどある大きな肖像画です。モデルとなった夫人は、音楽と美術を愛した教養のある国際人で二児の母親でもあり、作品からもどこか知性や母性を感じられる温かみがあります。ブロンズの髪やシルクドレスの質感、うっすら赤らんだ頬の巧みな描写と優しい色合いに、思わずうっとりしてしまいます。6章版画・写真919世紀半ばから20世紀にかけてのアメリカを描写した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家のホーマー、ホッパー、シーラー、アダムの4人の作品が展示されています。モノクロの世界に映しだされた、当時の人々の暮らしや自然の美しさにはどこか懐かしさすら感じます。7章現代美術19世紀~20世紀以前の作品が多く収蔵されていることで知られるボストン美術館ですが、現代アートをけん引するアーティストの作品も多数展示されています。今回は、ウォーホル、村上隆をはじめ、色鮮やかな風景画が有名なホックニーや写真から映画まで幅広い制作領域をもっているテイラー=ジョンソンの作品が大集結!ケヒンデ・ワイリーの「ジョン、初代バイロン男爵」など、現代アートらしいポップで鮮やかな作品たちが、見る人を元気にしてくれます。展覧会限定のオリジナルグッズも要チェック!ミュージアムショップには、ボストン美術展限定のオリジナルグッズも多数販売されています!気になった作品がモチーフとなったグッズは、つい欲しくなってしまうはず。注目作品はの多くは、どれもグッズになっています。オリジナル巾着にあめが入ったオフィシャルグッズは、お土産にも喜ばれそう。巾着には、ゴッホの“ルーラン夫妻”や、歌麿の“三味線を弾いた弾く美人”など展覧会の注目作品の数々でモデルになった人物がランダムにプリントされています。まさに、これぞ夢のコラボ!といった限定グッズはここでしか手に入らないので要チェックです!退館するときも必見!「会場限定記念号外」とフォトスポット展覧会を見終えて最後の最後に置いてあるのが、この「会場限定記念号外」。訪れた人しか手に入らないこの号外は、「涅槃図」や“ルーラン夫妻”、「睡蓮」などの主要作品がすべてもれなく掲載されています。もちろん、号外なので無料です。来館記念に一部持ち帰ってみてはいかがでしょうか。今回の展覧会の大注目作品であるゴッホの「ルーラン夫妻」と記念撮影ができるフォトスポットもあります。ボストン美術館の至宝展では、今しか見られない至宝たちが勢ぞろい。期間中には、タイアップイベントやスペシャルコンテンツも続々と登場予定です。これを逃したらしばらく見られないかも!?普段あまりアートに触れない人でも気軽に楽しめる、この夏イチ押しの展覧会です。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年07月21日きっと美術館が好きになる!!子どものための特別な日「キッズデー」とはUpload By 発達ナビニュース感受性の豊かな子ども時代に、美術・芸術になるべくたくさん触れさせてあげたい。でも、「美術館は静かに鑑賞するもの」という暗黙のルールを意識して、落ち着きがなかったり、静かに鑑賞することが難しいお子さんを美術館に連れて行くことに、ためらいを抱かれる保護者の方もおられるかもしれません。本日ご紹介する東京都美術館の「キッズデー」は、そんなご家族の心配を解消すべく生まれた、子どもとその家族のための特別な日。普段は休室日である月曜日を、子どもたちのために特別に開室し、周りを気にすることなくゆったりと過ごすことができる企画です。昨年に続き、2回目の実施となる今回は、子どもたちに、美術館を楽しんでもらうためのさまざまなプログラムを用意しているとのこと。また子ども専用の日のため、子どもたちがのびのびと展覧会を見て回ることができます。キッズデーの特別プログラムとは!?その一部をご紹介!事前申し込み不要で参加できる「とびらボードでGO!」では展示室の作品を実際に見ながら、とびらボードと呼ばれる磁気式のボードにスケッチをすることができます。Upload By 発達ナビニュース子どもたちが頑張って描いたスケッチは、スキャナーで読み取り、色をつけた後に絵ハガキにして持ち帰ることができるそうです。Upload By 発達ナビニュースアート・コミュニケータが子どもに寄り添い、展覧会を一緒に楽しむプログラムも!Upload By 発達ナビニュース東京都美術館(都美→とび)では、一般の方と美術館の架け橋となるような大人たちが、アート・コミュニケータ、「とびラー」として活動しています。「とびとびスペシャル ボストン美術館」のプログラムでは、美術館を楽しむ達人である「とびラー」たちが、障害の有無にかかわらず、子どもたちに寄り添い、いっしょになって展覧会を楽しみます。とびラーは障害に関する専門家ではありませんが、子どもたちが美術館に来てくれることを心待ちにしている大人のお友達として一緒に美術館を楽しんでくれます!「他のお客さんへ迷惑を掛けてしまうのでは?」「実際のところ、美術はよく分からないから」そんな不安をお持ちでも、とびラーが心強い味方になって親子での美術鑑賞を後押ししてくれるとのこと!こちらのプログラムは、あらかじめ予約が必要となっています(申し込み多数の場合、抽選)。締切は7/17(月) 23:59までとなっているので、興味のある方はお申し込みをしてみてはいかがでしょうか。東京都美術館「キッズデー」開催概要キッズデーにご来場頂いた中学3年生以下のみなさん(先着1000名様)には、特別なプレゼントもご用意しているそうです。気兼ねなく美術館を楽しむことができるこの機会。自由研究の題材も見つかるかもしれませんね!2017年7月31日(月)9:30~16:00(入室は15:30まで)東京都美術館 企画展示室中学3年生以下の子どもとその保護者※ただし、小学3年生以下の方は保護者同伴での入室をお願いします。中学生以下は無料、保護者はボストン美術館の至宝展の観覧券(招待券・前売券も可、半券不可)が必要申し込み不要。開催日時にご来場ください。 ただし、「とびとびスペシャル ボストン美術館」等、一部のプログラムは事前申し込みが必要です。詳細は以下のWebページをご覧ください。キッズデーのご案内|東京都美術館関連するイベント:「障害のある方のための特別鑑賞会」(事前申し込み制)東京都美術館では、定期的に障害のある方のための特別鑑賞会を実施しています。普段は混雑している特別展を障害のある方が安心して鑑賞できるよう、休室日に開催する鑑賞会です。キッズデー同様に、ゆったりと展覧会を楽しむことのできるイベントとなっています。このイベントは、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳などを持っている方とその介助者(1名まで)が対象となります。次回は2017年8月28日(月)(申し込み7/24(月)まで)に行われるとのことなので、興味をもたれた方は下記のリンクから詳細を確認してみてはいかがでしょうか。障害のある方のための特別鑑賞会|東京都美術館
2017年07月14日写真家・荒木経惟の写真展「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」が東京都写真美術館で開催。会期は2017年7月25日(火)から9月24日(日)まで。荒木経惟は1960年代から活動を続け、国内外で高い評価を得ている写真家だ。アラーキーという愛称で親しまれる彼の特徴は、作品においてのテーマや手法が多岐に渡るということ。これまで500冊近い写真集を出版し、2017年の夏には本展の他にも、「荒木経惟 写狂老人A」と「荒木経惟 花幽園」の2つの展覧会を同時に開催。その制作意欲は現在もなお尽きることがない。今回の写真展では、荒木自ら彼の写真家の原点であると語る、自身の妻「陽子」がテーマ。膨大な作品群の中から、陽子が被写体のものや、その存在を色濃く感じさせるものを中心に、1000点超の作品の展示を予定している。写真展のタイトル「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」は1971年に出版された荒木の私家版の写真集から、現在へと続いている荒木自身の私写真と写真人生を表したもの。その歴史を辿ることが出来る作品展示と共に、ゲストによるトークベントも開催される。【詳細】「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」会期:2017年7月25日(火)~9月24日(日)会場:東京都写真美術館住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内時間:10時~18時(木・金曜は20時まで)※7月20日(木)~8月25日(金)の木・金曜は21時まで開館※入館は閉館時間の30分前まで料金:一般900円/学生800円/中高生・65歳以上700円(※第3水曜日は65歳以上無料)※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳提示者とその介護者は無料
2017年07月09日展覧会「竹久夢二 モチーフ図鑑 ― 夢二さんの好きなもの ―」が、2017年7月1日(土)から9月24日(日)まで、東京都文京区の竹久夢二美術館で開催される。竹久夢二が作品の中で繰り返しとりあげたモチーフに着目して、その世界観を紐解く本展。個人的に手掛けた作品からポスターなどの商業作品まで、日本画、挿絵原画、書籍、書簡など約200点の作品が展示される。竹久夢二といえば美人画だが、本展では夢二が好んで描いた姿勢や題材ごとに展示。晩年の傑作で、夢二の美人画の特徴をよく示した作品「水竹居」や恋人の彦乃をモデルに描いた作品などを通して、その特徴に迫る。そのほか、子供や山、椿をはじめとする草花、猫や鳥といった動物、果物まで、夢二が好んだ様々なモチーフを紹介。夢二のことをあまり知らない人にも、入門編として最適な展示構成となっている。【開催概要】展覧会「竹久夢二 モチーフ図鑑 ― 夢二さんの好きなもの ―」開催期間:2017年7月1日(土)〜9月24日(日)開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)会場:竹久夢二美術館住所:東京都文京区弥生2-4-2TEL:03-5689-0462休館日:月曜日※ただし7月17日(月・祝)開館、翌18日(火)休館。8月14日(月)開館。9月18日(月・祝)開館、翌19日(火)休館。入館料:一般 900円、大・高生 800円、中・小生 400円※弥生美術館と二館併せて観覧可能。※20名以上の団体は100円割引となる。
2017年07月06日東京・上野にある東京都美術館で、「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催。ゴッホの傑作・ルーラン夫妻の肖像画2点を筆頭に、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、選りすぐりの作品80点が来日します。アートファンは必見ですよ。ボストン美術館とは?ボストン美術館は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館です。地元市民の熱意と、さまざまなコレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年にあたる1876年に開館し、国や州の財政的援助を受けずにコレクションの拡充や施設の拡張を続け、2020年に設立150周年を迎えようとしている現在は、世界有数となる約50万点の作品を所蔵しており、世界有数の規模を誇っています。展覧会の見どころ「ボストン美術館の至宝展」では、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など同館の幅広いコレクションから厳選された珠玉の80点が紹介されます。ボストン美術館のコレクションによる展覧会は、これまでも繰り返し開催されてきましたが、幅広い内容を総合的に楽しめる展覧会は、日本で実に約40年ぶり。さらに今回は、世界有数となる約50万点のコレクションの形成に寄与したコレクターやスポンサーの活動にも光を当てていきます。●ボストン美術館が誇る傑作80点が集結。本展では、ボストン美術館が誇る傑作80点が大集結。古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術と、古今東西の名品が一堂に集う、またとない機会です。●日本初!ファン・ゴッホの傑作、ルーラン夫妻の肖像画を2点同時に展示!注目は、ファン・ゴッホの傑作と名高い「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」 と「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」。パリを離れ南仏アルルに移り住んだゴッホにとって、ジョゼフ・ルーランはモデルとなってくれる数少ない相手でした。2点同時に展示されるのは日本で初めての試みなので、見逃せませんね。●英一蝶(はなぶさいっちょう)の巨大涅槃図、約170年ぶりの修理を経て初の里帰り!ボストン美術館で約170年ぶりに修理が行われた英一蝶(はなぶさいっちょう)の仏画の代表作「涅槃図」が、本展で初めての里帰りを果たします。海を渡ってから、その作品を実際に見た人はごくわずか。江戸時代の人々が祈り、想いを馳せた、一蝶による幻の巨大涅槃図は必見です。●世界屈指のコレクションに隠れたコレクターたちの物語をたどる!ボストン美術館は、世界有数の規模と知名度を誇る美術館ですが、世界中の多くの美術館とは異なり、公的な財政的援助を受けていません。ボストン美術館のコレクションは、ボストンとニューイングランド地方の市民の慈善活動によって支えられてきました。今回の展覧会では、美術品だけでなく、コレクションの形成に関わった人々にも焦点が当てられます。いつ、どのように、何が収集家たちを駆り立てたのか、そのストーリーを辿りましょう。各セクションの見どころと注目作品を紹介!●1章 古代エジプト美術三大ピラミッドが建つギザで発掘された王の頭部や、墓からのレリーフ、ヌビアの王の立像、ジュエリーなど、ボストン美術館とハーバード大学による共同発掘調査の成果を中心に展示されます。●ツタンカーメン王頭部《ツタンカーメン王頭部》エジプト、新王国時代、第18王朝、ツタンカーメン王治世時、紀元前1336-1327年Museum purchase with funds donated by Miss Mary S. Ames,11.1533Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonこの名前のない王頭部は、第18王朝の若き王として知られるツタンカーメンと考えられています。王はネメス頭巾をかぶり、額にある縦の溝にはウラエウス(蛇形記章)あったとのではないかと推測されており、頭巾の上には、上下エジプト統一の象徴である二重冠の赤冠の一部が残っています。加えて、アーモンド型の眼、官能的な唇と、その魅力的な顔立ちは、1922年に「王家の谷」で発見された黄金のマスクと酷似していることが指摘されています。●2章 中国美術約9千点からなるボストン美術館の中国美術コレクション。その内容は、絵画、陶磁器、彫像、装飾品など多岐にわたります。今回は、その中から、ボストン美術館が誇る北宋・南宋絵画の名品を厳選して紹介します。●九龍図巻(作者:陳容)陳容《九龍図巻》(部分)南宋、1244年(淳祐4年)Francis Gardner Curtis Fund, 17.1697Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston約10mに及ぶ長大な画面に描かれた九匹の龍。沸き立つ雲と荒れ狂う波の中、あるいは悠然と飛翔し、あるいは佇むさまが粗放な筆墨で描き出されています。作者の陳容は南宋末期に活躍した画家で、龍図を得意としたことで知られており、特に、本図は、かつて清朝の乾隆帝も旧蔵した龍図の名品です。●3章 日本美術ボストン美術館の約10万点に及ぶ日本美術コレクションの形成には、モースやフェノロサ、ビゲローら、日本を愛したコレクターたちが大きく貢献したことで知られています。初めて里帰りを果たす作品も含め、江戸美術の優品が集結します。●風仙図屏風(曾我蕭白)曾我蕭白《風仙図屏風》江戸時代、1764年(宝暦14年/明和元年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4510Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston勢いよく渦を巻き、強風を呼び起こす黒雲は、まるで龍の存在を示唆するかのようです。荒れ狂う波濤、揺れ動く木々のなか、剣を持つ男が橋を挟んで黒雲に対峙しており、緊張感ある攻防の後方には、風に吹き飛ばされた滑稽な表情の男たちが描かれています。さらに、その後ろには白と黒の兎のつがいがひっそりと姿を見せています。墨の濃淡、線と面、緊張と弛緩、大胆さとユーモアを巧みに織り交ぜた、蕭白の代表的作品です。●三味線を弾く美人図(喜多川歌麿 )喜多川歌麿 《三味線を弾く美人図》江戸時代、1804-06年(文化1- 3年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4642Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston繊細で優麗な描線を特徴とし、様々な姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家・喜多川歌麿。本作は、晩年に手掛けられた作品で、集大成とも言える傑作です。横長の軸にモデルは上半身のみという珍しい構図になっています。●涅槃図(英一蝶)英一蝶《涅槃図》(写真は修理前)江戸時代、1713年(正徳3年)Fenollosa-Weld Collection, 11.4221Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston英一蝶(はなぶさいっちょう)は、江戸に生きる人々の風俗画を得意とした一方で、仏画も多く手がけたことで知られる画家です。同展で公開される「涅槃図」は、一蝶による仏画の大作であり、江戸時代の仏画の代表作。画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。画面いっぱいに、涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを鮮やかな色彩で描いており、一蝶の力の入りようが伝わる傑作です。本図は、1886年以前にフェノロサが購入して以来、ボストン美術館で収蔵されてきましたが、作品の大きさと経年による劣化ゆえ、同館でも25年以上にわたり公開が実現できませんでした。そのため、本展での公開に際して、画面の折れや亀裂、汚れ、糊離れなどを改善するため、約170年ぶりに本格的な解体修理を実施。初めて里帰りを果たします。●4章 フランス美術所蔵するヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に名高い19世紀フランス絵画のコレクションを紹介。バルビゾン派、印象派、ポスト印象派の絵画には、ボストン市民の好みを色濃く反映されています。●睡蓮(クロード・モネ)印象派を代表する画家モネは、1890年代から「積みわら」や「ルーアン大聖堂」、そして代表作でもある「睡蓮」などの連作を開始し、同じ主題を繰り返し描きながら、天候や時間帯によって様々な表情をみせる対象を捉えていきました。本展で展示される「睡蓮」では、水平線はなく、モネの視線は水面に集中しています。それにもかかわらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせる睡蓮や、水面に映る空と岸辺の木々が、絵画の外に広がる無限の空間が想像させてくれます。なお、こちらの作品は、1909年にパリで開催された48点の「睡蓮」による「睡蓮――水の風景」展で発表されたもので、ただちにボストンのコレクターに購入されました。●卓上の果物と水差し(ポール・セザンヌ )ポール・セザンヌ《卓上の果物と水差し》1890–94年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.524Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonキュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えた「近代絵画の父」、ポール・セザンヌ。セザンヌは「静物画のモチーフは果物が良い」として、リンゴを好んで描いたという逸話が残っています。卓上の皿に盛られたリンゴなどの果物はもちろん、水差し、テーブルクロスの柄までもが計算しつくされ、絶妙なバランスを保っています。●腕を組んだバレエの踊り子(エドガー・ドガ )エドガー・ドガ《腕を組んだバレエの踊り子》1872年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.534Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonフランスの印象派画家・ドガは、踊り子を扱った作品を数多く残していることで知られる「踊り子の画家」。踊り子とは、パリオペラ座のバレリーナを指す言葉で、オペラ座の定期会員になると舞台裏に入ることが許されました。裕福な銀行家の息子だったドガは、定期会員となり舞台裏にも出入りしており、目撃した踊り子の自然のしぐさ、表情を丹念に描きました。本作は、目を閉じて腕を組む踊り子を描いた作品で、背景は燃えるような赤い色をしています。何か物思いに耽っているような踊り子の憂いの帯びた表情にも注目してください。●郵便配達人ジョゼフ・ルーラン(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年Gift of Robert Treat Paine, 2nd, 35.1982Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた、ジョゼフ・ルーランをモデルにした油彩画は全部で6点です。本作は、最初に描かれたもので、ほぼ全身を描いた唯一の作品して知られています。ファン・ゴッホがソクラテスにたとえた立派なあごひげをもつ頭部だけでなく、魅力的な手の動きも力強く丹念に表現されています。また、青を基調とした画面に、制服の装飾やボタンの黄色が効果的に配されているのも特徴です。●子守唄、ゆりかごを揺らす オーギュスティーヌ・ルーラン夫人(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年Bequest of John T. Spaulding, 48.548Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston組み合わせた手にゆりかごの紐を持つジョゼフの妻。「子守唄」という副題が付けられることや、「ルーラン夫人の肖像」もしくは「子守するルーラン夫人」とも表記されることがあります。ゴッホの入院により一時中断したこちらの作品。制作の再開を伝えるファン・ゴッホの手紙には、「絵画を制作することは、傷ついた心を慰めるものだ」と綴られています。どことなく母性を感じさせる作品で、「人の慰めとなる芸術」を目指した画家の意が反映されているとも言われています。なお、画家自身によって4点の同じ構図の油彩画が制作されています。●5章 アメリカ絵画ボストン美術館の天井画も手掛けたサージェントの作品やアメリカ印象派の絵画など、18世紀から20世紀半ばまでの作品によって、アメリカ絵画コレクションの一端を紹介します。●ロベール・ド・セヴリュー(ジョン・シンガー・サージェント)ジョン・シンガー・サージェント《ロベール・ド・セヴリュー》1879年The Hayden Collection - Charles Henry Hayden Fund, 22.372Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonジョン・シンガー・サージェントは、19世紀後半から20世紀前半にかけてイギリスで活躍したアメリカ人の画家です。イタリアに生まれフランスで美術教育を受けており、様々な国の絵画の影響を受け、独自の優美な画風を生み出しました。また、伝統的な古典技法によって多数の肖像画を手掛け、「最後の肖像画家」とも言われています。「ロベール・ド・セヴリュー」は、上流階級の子供と小型犬を描いたサージェントの代表作です。その洗練された技巧に圧倒されますよ。●6章 版画19世紀半ばから20世紀のアメリカを描いた充実した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家・ホーマー、ホッパー、シーラー、アダムス4人を紹介。人々の暮らしや自然の美しさを映す版画と写真が並びます。●機関車(エドワード・ホッパー)1920年代以降のアメリカン・シーンを描いたホッパーは、油彩画が広く知られていますが、秀でた版画家でもありました。特にアーティストとしての活動の初期に多くの版画を手掛けており、「機関車」も、その時期の作品です。機関車の存在感が際立つ構図、その先に広がるトンネルの闇と周囲との明暗のコントラストに、その後の作品に共通する特徴を見ることができます。●7章 現代美術同時代のアーティストの作品に常に着目してきた美術館において、成長著しい現代美術コレクションからウォーホル、村上隆をはじめ、ホックニーの色鮮やかな風景画、テイラー=ジョンソンの映像作品などを紹介します。●ジャッキー(アンディ・ウォーホル)ウォーホルは、1960年代にスープの缶詰や著名人の写真を素材にした作品を発表し、その後のポップ・アートの隆盛を牽引したアーティスト。1963年に起きたケネディ大統領の暗殺事件後には、広く配信された大統領夫人ジャクリーンの写真をもとに複数の肖像画を制作。また、それらを組み合わせ作品として発表しました。そこには事件前の笑顔のジャクリーンや葬儀の際に深い悲しみに暮れる彼女の姿が繰り返し登場しました。さらに、期間中は、タイアップイベントやスペシャルコンテンツが登場予定です。詳細は公式サイトにて随時発表となりますので、ぜひチェックしてくださいね。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年06月21日展覧会「魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム」が神戸ファッション美術館にて開催される。会期は、2018年7月14日(土)から9月2日(日)まで。体感型の光のアートを楽しむ「魔法の美術館」「魔法の美術館」は、見て、参加して、楽しむ、体感型の展覧会。来館者の動きに合わせて、色とりどりの光や影のモチーフ、映像、音が変化する作品などが、美しくも不思議な空間を演出する。日本を代表する気鋭のアーティストが作り出した魔法のような空間に入り込み、心ゆくまで遊びつくすことが可能だ。登場する全21点の作品すべて写真撮影も自由となっており、SNSに投稿して楽しむこともできる。動く影が幻想的な「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」小松宏誠の「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」は、天井から吊り下げられた繊細な造形のシャンデリアや、展示されたモビールが回転。壁に映し出された影の動きを楽しめる幻想的な作品だ。自分がキュビスムの世界に「.hito」自分のキュビスム的な姿を楽しめる「.hito」。イスに座ると自分がキュビスム的な姿になり、動きに合わせて変化する。ポリゴンチックになった自分の動きを楽しんで。自分の歩いた道から波紋のように光が広がる「七色小道」「七色小道」は、一見ただの通路に見える道。歩き出すと、自分の跡から様々な色や光が広がっていき、他の人が出す色と混ざりあう。ただ歩いているだけで無意識のうちにお互いに影響を与え合っている様子を参加型アートという形で表現した。時間の経過によって広がった光は形を変えながら消えてしまうので、常に違う姿の「七色小道」を楽しむことができる。【詳細】魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム会期:2018年7月14日(土)~9月2日(日)開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日、2018年7月17日(火) ※7月16日(月・祝)は開館場所:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1入館料:一般 1,000(800)円、大学生・65歳以上 500(400)円、高校生以下 無料※()内は前売り(館内のみ)、または30人以上の団体料金。※小学生以下は保護者(高校生以上)の同伴が必要。出品アーティスト:田中陽、坪倉輝明、藤本直明、小松宏誠、徳井太郎/清水雄大、藤元翔平、重田佑介+Zennyan、岡田憲一、宮本昌典/小岩原直志
2017年06月11日東京・銀座にあるシャネル・ネクサス・ホールで、6月22日から7月23日まで写真展「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」を開催する。日本を代表する写真家として第一線で活躍する荒木経惟。妖艶な魅力を放つ花々や緊縛ヌード、愛してやまない東京の街、亡き妻を思い見上げ続けた空景、苦楽をともにした飼い猫チロといった、様々な対象を被写体に独自の死生観を鮮烈に描き出し、海外でも熱狂的な支持を集めている。同展では、2016年にパリにあるフランス国立ギメ東洋美術館で開催した大規模個展「ARAKI」において、荒木の50年間の作家活動を振り返るレトロスぺクティブとともに発表した撮り下ろしの新作「東京墓情」を日本で初公開する。同美術館所蔵の写真コレクションより、荒木がセレクトした幕末・明治期の写真作品も併せて出展。加えて、同展のために撮り下ろした新作も発表し、大病を経験した荒木が抱く、濃密な“死”への意識が垣間見れる写真展となっている。【イベント情報】「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」会期:6月22日~7月23日会場:シャネル・ネクサス・ホール住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階時間:12:00~20:00入場無料会期中無休
2017年05月23日展覧会「日本の家1945年以降の建築と暮らし」が、東京国立近代美術館にて2017年7月19日(水)から10月29日(日)まで行われる。安藤忠雄、隈研吾、伊東豊雄ら56組による住宅建築を紹介安藤忠雄・西沢立衛・隈研吾他、日本の建築家56組による75件の住宅建築を、400点を超える模型・図面・写真・映像などを通して紹介する「日本の家1945年以降の建築と暮らし」展。2016年秋からローマ・ロンドンを巡回し日本での展示は3都市目となる。1945年以降の日本の住宅建築に焦点を当てて本展は、1945年以降の日本の住宅建築に焦点が当てられている。というのも、1945年は日本の住宅建築におけるターニングポイントであり、世界的に見ても珍しい、高名な建築家の手による個人住宅群が多数日本に誕生するきっかけとなった年だからだ。1945年は終戦の年。戦争が終わり、一面が焦土と化し、住宅が圧倒的に不足したことで、土地を買い持ち家に住むことが政策として推奨されるように。結果として建築家による個人住宅が多く誕生した。この時期に「建築家が個人住宅を手掛ける」文化が定着したことで、のちに多くの建築家が個人住宅を手掛けられる環境が作られた。プリツカー賞受賞建築家による個人住宅も誕生高名な建築家が個人住宅を手掛けることは、建築家の仕事のほとんどが公共建築である欧米の多くの国では非常に珍しい。ゆえに建築界で最も栄誉あるプリツカー賞受賞者など日本を代表する建築家による住宅建築の展示は、非常に驚きをもって迎えられ、ローマ・ロンドン両会場で好評を博した。「家族のあり方」などテーマごとの展示70を超える作品は、「プロトタイプと大量供給」、「大地のコンクリート」、「家族のあり方」など13のテーマごとに展示され、依頼者と建築家双方がどのような考えから作品の造形に至ったのかを分かりやすく展示。一見突飛に見える建築も、そのときどきの最先端の暮らしに合わせていくために作られたものであることがしっかりと理解できる。中に入って楽しめる大型模型など体験型企画も展示だけでなく、体験型のイベントも。中に入れる実物大模型や若手建築家との協働による夏休みに合わせたワークショップなど、建築の面白さを存分に体感できる企画も予定されている。【詳細】日本の家1945年以降の建築と暮らし期間:2017年7月19日(水)~10月29日(日)時間:10:00~17:00(金・土は21:00まで)※入館は閉園の30分前まで休館日:月曜日、9月19日(火)、10月10日(火)※9月18日(月)、10月9日(月)は開館会場:東京国立近代美術館1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園 3 -1料金:一般 1,200(900)円(税込)、大学生800(500)円(税込)※かっこ内は20名以上の団体料金※5時から割引 金・土の17:00以降は一般1,000円(税込)、大学生700円(税込)で観覧可※リピーター割引 本展使用済み入場券提示で二回目以降一般500円(税込)、大学生250円(税込)で観覧可出展建築家一覧:相田武文、青木淳、東孝光、アトリエ・ワン(塚本由晴+貝島桃代)、阿部勤、安藤忠雄、五十嵐淳、生物建築舎(藤野高志)、生田勉、池辺陽、石山修武、伊東豊雄、乾久美子、o+h(大西麻貴 +百田有希)、大野勝彦+積水化学工業、岡啓輔、柄沢祐輔、菊竹清訓、岸和郎、隈研吾、黒川紀章、黒沢隆、金野千恵、坂倉準三、坂本一成、篠原一男、篠原聡子、島田陽、白井晟一、清家清、妹島和世、丹下健三、手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)、dot architects(家成俊勝+赤代武志)、中川エリカ、中山英之、難波和彦、西沢大良、西沢立衛、西田司、長谷川逸子、長谷川豪、広瀬鎌二、藤井博巳、藤本壮介、藤森照信、前川國男、増沢洵、宮本佳明、無印良品、毛綱毅曠、山下和正、山本理顕、吉阪隆正、吉村順三、アントニン・レーモンド【問い合わせ先】ハローダイヤル03-5777-8600
2017年05月13日シャネル(CHANEL)は、「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」展をシャネル銀座ビルディング内シャネル・ネクサス・ホールにて開催する。期間は、2017年6月22日(木)から7月23日(日)まで。2017年度第3弾プログラムとなった今回は、世界で活躍する日本人写真家・荒木経惟の写真展を開催。東洋美術専門の美術館としてヨーロッパ最大規模を誇る、フランス国立ギメ東洋美術館にて行われた、大規模個展「ARAKI」にて発表された、新作「東京墓情」を日本初公開する。「東京墓情」は、大規模個展「ARAKI」の中で撮り下ろしの新作として発表されたシリーズ。大病を経験し、そこから得た濃密な“死”への意識。その葛藤を抱きながらも自身の写真家人生を振り返った本作は、今の荒木経惟そのものを映し出す。また、「東京墓情」に加え、荒木がギメ東洋美術館所蔵の写真コレクションよりセレクトした、幕末・明治期の写真作品を併せて紹介。妖艶な魅力を放つ花々や緊縛ヌード、東京の街、亡き妻を思い見上げつづけた空景、苦楽をともにしてきた飼い猫チロなど、さまざまな対象を被写体に、独自の死生観を鮮烈に描き出してきた、写真家ならではの世界観が楽しめるはずだ。【イベント詳細】東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館開催期間:2017年6月22日(木)~7月23日(日)時間:12:00~20:00 ※入場無料・無休会場:シャネル・ネクサス・ホール住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
2017年05月05日コンラッド東京と展覧会「大エルミタージュ美術館展」がコラボレーション。同展をモチーフにしたスイーツブッフェ「エルミタージュ・コレクション」が、2017年5月25日(木)から6月25日(日)までの期間限定で提供される。六本木・森アーツセンターギャラリーで開催中の「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西 洋絵画の巨匠たち」は、ロシア・エルミタージュ美術館の絵画コレクションより、その中核をなす16〜18世紀の巨匠たちの名画85点を、国・地域別に紹介するもの。同展からインスピレーションを受けた今回のスイーツブッフェでは、ヨーロッパ各地からスイーツ&セイボリーが集結。ロシアやポーランド、イタリアなどで昔から愛されている、ラム酒のシロップをしみ込ませたケーキ「ババ」をはじめ、スペインで人気のプリンに爽やかなオレンジをあしらった「クレームカタラナ オレンジ」、オランダやベルギーなどで親しまれている「スペキュロス」という、スパイスが入ったクッキーフレーバーのアイスクリームなど、正統派からユニークなものまで一度に味わえる。またセイボリーには、ロシアの伝統料理「ボルシチ」をゼリーで楽しめるほか、濃厚な4種類のチーズの味わいが広がる「クアトロチーズタルト」や、たっぷりと乗せたスモークサーモンにイクラとサワークリームがアクセントのオープンサンドなど、こちらもバラエティ豊かなメニューが用意されている。ヨーロッパ絵画の醍醐味を堪能できるエルミタージュ美術館のコレクションに思いを馳せながら、優雅な午後のひとときを過ごしてみてはいかがだろう。【開催概要】コンラッド東京 スイーツブッフェ「エルミタージュ・コレクション」提供期間:2017年5月25日(木)〜6月25日(日) ※毎週木〜日曜および祝日のみ時間:15:00〜17:00場所:コンラッド東京 28階 オールデイダイニング「セリーズ」料金:1名 4,000円+税 ※サービス料別※ソムリエセレクトのグラスシャンパーニュ付きは1名 5,000円+税 ※サービス料別内容:■スイーツ(全10種)ババ/スペキョロス アイスクリーム/クレームカタラナ オレンジ/ティラミス/キルシュトルテ/チェリーとピスタチオナッツのカップケーキ/木苺のギモーブ/フレジエ/ベリーとスプマンテのジュレ/マカロン■セイボリー(全3種)ボルシチのゼリー/クアトロチーズタルト/ライ麦パンのオープンサンド スモークサーモン サワークリームとイクラ■プレーンスコーンクロテッドクリームと苺のジャムを添えて■ドリンクドイツ・ロンネフェルト社のティーセレクション※表示の内容および料金は、仕入れ状況により予告なく変更になる場合あり。【予約・問い合わせ先】TEL:03-6388-8745(レストラン予約直通)
2017年05月04日東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターにて、日本アニメーションを紹介する「映画の教室 2017 素材から観る日本アニメーション」が、2017年6月28日(水)から7月26日(水)までの毎週水曜日、全5回開催される。日本でアニメーション映画が誕生したとされる1917年から100年を迎えた2017年。今回の「映画の教室」では、今や日本を代表する文化に成長したアニメーション映画を、切り紙、人形、セル画といった、映画を作る“素材”に注目した構成で紹介する。6月28日(水)に行われる第1回目のテーマは「切り紙・影絵アニメーション」。カラーセロファンによる艶やかな影絵アニメを制作した大藤信郎の作品など、全6作品を上映する。カンヌ国際映画祭でピカソやコクトーが絶賛したという大藤作の『くじら』や、切り紙アニメの傑作『月の宮の王女様』など、注目作品が揃う。7月5日(水)の第2回目では、ティム・バートンにも影響を与えたとされる持永只仁などの人形アニメーション(パペットアニメ)作品を上映。翌週の第3回目は、1958年に公開された日本初の長編カラーアニメーション映画『白蛇伝』を上映する。7月19日(水)の第4回目もセルアニメーションにフォーカス。虫プロが倒産する前の最後の作品となった実験的映画『哀しみのベラドンナ』を上映する。「アニメロマネスク」として発表された、文学性の高い大人向けの作品だ。最終回は、テーマを「さまざまな素材と手法」として、古いものは1924年から、新しいものでは2002年の『頭山』までの全8作品が紹介される。切り紙と実写を合成した大藤信郎の『煙り草物語』や、写真や紙芝居風の手法を用いた虫プロの作品など、様々な素材やスタイルが交差するラインナップだ。各回とも、上映に加えて研究員による約15分の解説がつく。定員制となっており、19時20分から(発券は当日19時から)開始する。なお、本上映会は10月11日(水)より別のテーマで後期の開催も予定されている。【詳細】「映画の教室 2017 素材から観る日本アニメーション」開催日:2017年6月28日(水)、7月5日(水)、12日(水)、19日(水)、26日(水) ※全5回・毎週水曜日開始時間:19:20~ ※終了時間は各回異なる。約15分間の研究員の解説付き。開場・発券:当日19:00~ ※発券は地下1階受付。※定員制(151名)※混雑時も19:20まで席を確保できる「映画の教室」会員証(300円)を発売。会場:東京国立近代美術館 フィルムセンター 小ホール住所:東京都中央区京橋3-7-6 料金:一般 520円、高校・大学生・シニア 310円、小・中学生 100円、障がい者と付添者1名・キャンパスメンバーは無料※定員に達し次第締め切り。発券は1人1枚まで。※学生・シニア・障がい者・キャンパスメンバーなどは証明できるものを提示。<スケジュール>■6月28日(水)「切り紙・影絵アニメーション」約64分上映作品:『黒ニャゴ』[デジタル復元版](3分・千代紙映画社)、『くじら(KUJIRA)』[デジタル復元版](9分・大藤スタジオ)、『幽霊船(YUUREI SEN)』[デジタル復元版](11分・大藤スタジオ)、『お蝶夫人の幻想』(12分・朝日映画)、『お花のおひめさま』(18分・日本教育映画株式会社)、『新版 月の宮の王女様』[サクラグラフ版](11分・横浜シネマ商会)■7月5日(水)「人形アニメーション」約61分上映作品:『ペンギンぼうや ルルとキキ』(16分・人形映画製作所)、『道成寺』(19分・川本プロダクション)、『おこんじょうるり』(26分・桜映画社=エコー社)■7月12日(水)「セルアニメーション:東映動画」約79分上映作品:『白蛇伝』(79分・東映動画)■7月19日(水)「セルアニメーション:虫プロ 」約80分上映作品:『la sorcière 哀しみのベラドンナ』(80分・虫プロダクション)■7月26日(水)「さまざまな素材と手法」約53分上映作品:『煙り草物語』(3分・自由映画研究所)、『AN EXPRESSION(表現)』(3分)、『PROPAGATE(開花)』(4分)、『人間動物園』(2分・久里実験漫画工房)、『めもりい』(6分・虫プロダクション)、『創世記』(4分・虫プロダクション)、『りすのパナシ』(21分・電通=電通映画社)、『頭山 Mt.HEAD』(10分・Yamamura Animation)※記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがある。
2017年04月25日東京・上野にある東京都美術館で、2017年4月18日(火)~7月2日(日)まで、『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―』が開催されています。16世紀のネーデルランド絵画を代表するピーテル・ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」が24年ぶりに展示されるとあって大注目。さらに、奇想の画家ヒエロニムス・ボスの傑作2点も初来日します。「バベルの塔」展が東京都美術館で開催!「バベルの塔」が24年ぶりに来日『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―』が、東京・上野にある東京都美術館で開催されます。期間は、2017年4月18日(火)~7月2日(日)まで。今回の展示会の目玉は、16世紀ネーデルラント絵画の巨匠として名高いピーテル・ブリューゲルの代表作の1つと名高い「バベルの塔」。日本で展示されるのは24年ぶりとなります。また、ブリューゲルに影響を与えた奇想の画家、ヒエロニムス・ボスの貴重な油彩2点も初来日。そのほかにも、同時代の絵画や彫刻など約90点で、16世紀ネーデルラント絵画の魅惑の世界を紹介します。見どころ①ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」日本で展示されるのは実に24年ぶりとなる「バベルの塔」。本展では、なぜこの傑作が生まれたのか、そしてブリューゲルがどのようにしてこの傑作を描いたのかなど、様々な角度から「バベルの塔」を紐解いていきます。●ピーテル・ブリューゲル1世とは?ヨハネス・ウィーリクス 「ピーテル・ブリューゲル1世の肖像」(部分)1600年出版 エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands16世紀のネーデルラント派を代表する画家・ピーテル・ブリューゲル。版画下絵作家として頭角を現し、後に油彩画の製作も手掛けました。人々の暮らしや民話、寓話を生き生きと描き、素朴さの中におかしみや批判的視点を織り込んだ作品で知られています。特に、油彩画は世界に40点ほどしかないため、希少価値が高く、日本での公開が最も難しい画家の1人とされています。●「バベルの塔」はここが凄い!「バベルの塔」鑑賞のポイントとして、まず挙げられるのが、その壮大な構図とスケール。他の画家による14〜15世紀の「バベルの塔」の作例が数階建ての塔を建設する人々を描くのに対し、ブリューゲルは地平線まで見渡すパノラマを背景に、巨大な塔を画面一杯に配置。卓越した想像力によって、かつて誰も思いつかなかった壮大なスケールで描くことに成功しました。また、米粒ほどの大きさで実に細かく描かれた人々にも注目してください。その数はおよそ1,400人と伝えられており、割れたレンガ屑の飛び散った様子や、作業員たちが休む飯場など、「実際の塔の建設に何が必要なのか」と、ブリューゲルが想像力をめぐらせて建設現場の細部を書き込んだことがわかります。その細部にもこだわる執拗な想像力と超絶技巧が、実際には存在しない塔にリアリティをもたらしています。●どうしてブリューゲルは「バベルの塔」を描けたのか?伝説の塔を前例にないかたちで描いたブリューゲルには、2つの重要な能力が備わっていると考えられています。ここでは、「バベルの塔」以外の作品からその能力をわかりやすく解説します。ます、1つ目の能力は、ブリューゲルを語る上では外せない、その鋭い観察眼と写実性。ブリューゲルは、農村で働く村人や祭りの様子なども積極的に描き、晩年は“農民のブリューゲル”とも称されました。その観察眼は鋭く、16世紀の人々の風俗が詳細に、且つ写実的に描かれています。「バベルの塔」で描かれた働く人のリアリティは、このような暮らしへの観察眼から生み出されたことがわかります。ピーテル・ブリューゲル1世、彫版:フランス・ハイス アントウェルペンのシント・ヨーリス門前のスケート滑り 1558年頃 エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlandsさらに、ブリューゲルは、以前のボスやパティニールらの伝統を受け継いだ、風景画の名手でもあることが知られています。主題を画面手前で展開させつつ、背景には、遥か遠くを見渡すような広大なパノラマ風景を描写。「バベルの塔」を含め、様々な作品で、遥か遠くを見渡すような壮大な光景を描く技術を発揮しています。見どころ②奇想の画家ヒエロニムス・ボスの傑作2点が初来日また、2016年で没後500年を迎え、ブリューゲルにも大きな影響を与えたと言われる奇想の画家、ヒエロニムス・ボス。現存するボスの絵画は25点ほどですが、今回そのうちの2点、「放浪者行商人」、「聖クリストフォロス」が初来日します。●ヒエロニムス・ボスとは?ヘンドリック・ホンディウス1世 「ヒエロニムス・ボスの肖像」(部分) 1610年 エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlandsヒエロニムス・ボスは、オランダの南部の街・スヘルト—ヘンボスで活動した画家です。ネーデルラント伝統の写実的な細密描写を生かしつつ、地獄の背景やそこの住み着く妖怪たちを想像力豊かに描いた宗教画で、強烈な個性を発揮。16世紀ネーデルラント画壇に一大旋風を巻き起こし、ネーデルランドを治めたブルゴーニュ公フィリップや、スペインのフェリペ2世らも熱心に作品を収集したと伝えられています。また同時代人たちやブリューゲルにも大きな影響を与え、模倣作品や画風を踏襲「ボス風」作品が数多く制作されました。現存作品は、ブリューゲルよりも少ない"約"25点。今もなお作者が議論されている作品もあるため、油彩画数については学説がわかれています。●人生の選択を描いた1枚「放浪者」「放浪者」は、行商の旅人を描いた油彩画。旅人が娼館の誘惑に後ろ髪を引かれる一場面を描いたこの作品は、それまで一般的だった宗教画とは異なる画題を選び、16世紀のネーデルラント画壇に一大旋風を巻き起こしました。誘惑し合う男女や小用を済ます男が子細に描かれており、世俗の営みに対するボスの関心が現れています。貧しい身なりの旅人は、娼館に立ち寄ったことを後悔しているのか、それともただ通り過ぎようとしているのか。全ての人間は人生において、常に選択を迫られているという暗示が込められた作品と考えられています。●成人の物語にちりばめられる奇想モチーフ「聖クリストフォロス」ヒエロニムス・ボス 「聖クリストフォロス」 1500年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands (Koenigs Collection)キリストを背に乗せて川を渡ったという聖人、聖クリストフォロスの物語を描いた作品「聖クリストフォロス」。キリスト教の聖人伝をモチーフにしていながらも、猟師に吊された熊、廃虚にいるモンスターなど、ボスならではの謎めいたモチーフがちりばめられています。見どころ③「ボス・リバイバル」旋風ヒエロニムス・ボスに基づく 「聖アントニウスの誘惑」 1540年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlandsボスの死後もその作品の人気は衰えることはなく、数多くの作家が模倣作品を描きました。また、16世紀半ばには、ボスの画風をまねた版画や絵画が人気を博す「ボス・リバイバル」が巻き起こったと言われています。今回は、ボスの全作品の中でも、最も代表的な作品の1つ、「聖アントニウスの誘惑」のコピー作品が展示。作者不詳のこの作品は、ボスの死後約25年後に制作されたもので、最も忠実なコピーの1つとされています。ピーテル・ブリューゲル1世、彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン 「大きな魚は小さな魚を食う」 1557年 エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlandsさらに、ボスのモチーフを使用して制作されたブリューゲルの作品「大きな魚は小さな魚を食う」も登場します。ネーデルラントのことわざを版画化したこの作品には、足の生えた魚や空を飛ぶ魚などといったボスのモチーフが至るところに描かれています。さらに、版元によって「ヒエロニムス・ボスの構想による」と書き添えられており、死後40年以上たっても、ボス人気が衰えていなかったことがうかがえます。●奇妙なモンスターたちを探してみよう!ボスが描いたモンスターたちは、ヨーロッパで人気を集め、彼の死後も、ネーデルランドの芸術家たちが、こぞって取り上げるモチーフとなりました。そんなモンスターたちが会場にある「ボス風」版画作品の中に潜んでいます。現代的な感性にも通じる奇妙なモンスターたちをじっくりと鑑賞してみてください。イベント詳細名称:『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―』会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8-36会期:2017年4月18日(火)~7月2日(日)開室時間:9:30~17:30※金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)。休室日:月曜日※ただし5月1日(月)は開室。価格:一般 1,600(1,400)円、大学生・専門学校生 1,300(1,100)円、高校生 800(600)円、65歳以上 1,000(800)円※()内は前売券・20名以上の団体券。※前売券は2017年1月11日(水)~4月17日(月)で販売。※中学生以下は無料。※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳持参者と付き添い(1名まで)は無料。※4月19日(水)、5月17日(水)、6月21日(水)はシルバーデーにより65歳以上無料。※毎月第3土・翌日曜日は家族ふれあいの日とし、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は一般当日料金の半額(いずれも証明できるもの提示)で入場できる。特設サイト:東京都美術館 公式サイト:。
2017年04月20日ロシアの女帝エカテリーナ2世のコレクションが基礎となり、日々進化し続けるエルミタージュ美術館。16世紀〜18世紀にかけて芸術分野における巨匠やその作品群は“オールドマスター”と呼ばれ、今なお多くの人々を魅了し続けています。そんなオールドマスター傑作の数々が、この春六本木に大集結。珠玉のコレクションを、ぜひその目で確かめて。珠玉のオールドマスター作品が目の前に18世紀、女帝エカテリーナ2世が美術品収集をはじめたことをきっかけに生まれたエルミタージュ美術館。エントランスを入ってすぐのエカテリーナ2世の肖像は、まるで「どうぞ私のコレクションを見ていって」と彼女が出迎えているかのよう。16世紀ルネサンス時代のティツィアーノや、17世紀オランダ市民絵画を代表するレンブラント、18世紀フランスを象徴するロココ主義のヴァトー。名だたる巨匠の作品が集結した本展は、エルミタージュ美術館展の決定版となっています。趣向を凝らした展示方法にも注目して展示室内は章ごとに赤や緑、金色など章のイメージに合った色で分かれています。同時代の作品を地域別に分けた本展は、それぞれの国の当時の風潮や雰囲気を味わうのにもうってつけです。またエカテリーナ2世の在位中に取得された作品のキャプションには王冠マークがついており、彼女の趣味趣向などを空想するのも楽しそう。巨匠の作品だからと身構えず、自分ならではの楽しみ方を見つけられるのも本展の魅力のひとつです。取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:大エルミタージュ美術館展オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち催行期間:2017年03月18日 〜 2017年06月18日住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階森アーツセンターギャラリー電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年04月18日東京国立博物館、国立西洋美術館、上野動物園など、東京・上野地区にある10施設を1回ずつ利用できる共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」の販売が、2017年4月1日(土)からスタートします。利用期間は2017年9月30日(土)まで。さらに、今回は、「特別展チケット」が1枚付いたタイプも新たに登場します。文化の街・上野をお得に楽しみたい方にぴったりですよ。「UENO WELCOME PASSPORT」が今年も販売!2015年に始まった「UENO WELCOME PASSPORT」は、上野地区の文化施設を1回ずつ利用できる共通入場券。4度目の発行となる今回は、これまでの常設展・動物園などに入場できるパスポート型の入場券に加えて、対象施設で開催される指定の特別展から1つを選び観覧できる「特別展チケット」が1枚付いたタイプも新たに登場します。なお、利用期間は2017年9月30日(土)まで。春から夏休みまでの期間にわたり、より便利に、お得に上野地区の観光を満喫できます「UENO WELCOME PASSPORT」とは?「UENO WELCOME PASSPORT」は、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、上野動物園、旧岩崎邸庭園、東京都美術館、上野の森美術館、下町風俗資料館、朝倉彫塑館、書道博物館の10施設の常設展などに、利用期間中、各1回入場できるお得なパスポート型の共通入場券です。また、今回新たに発行する「特別展チケット」付きは通常の内容に加え、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、東京藝術大学大学美術館の5館において、指定の特別展のうち1つを選んで、観覧することができます。今回はスタンプラリーマップつき!上野の知識を深めようパスポートには案内地図として、「上野双六名所図絵 すごろくスタンプラリーマップ」が付属しています。さらに、各名所ごとの解説が載っており、散策しながら上野とその周辺の知識を深めることができますよ。このスタンプラリーマップで、施設を回り、7個以上スタンプを集めた方には、オリジナル・クリアファイルをプレゼントします。また、東京藝術大学大学美術館、東京文化会館、国立国会図書館国際子ども図書館、国立近現代建築資料館の4館では、パスポート持参した方にポストカードを配布します。「UENO WELCOME PASSPORT -上野地区文化施設共通入場券-」詳細販売・利用期間:2017年4月1日(土)~2017年9月30日(土)※ 東京都美術館は2017年10月9日(月・祝)まで有効。販売価格:2,000円(税込、常設展等入場券)、3,000円(税込、常設展等入場券+特別展チケット)※常設展等入場券+特別展チケットは3,000部限定販売販売場所:(1) 各施設チケット窓口東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館/上野動物園/東京藝術大学大学美術館/上野の森美術館/下町風俗資料館/朝倉彫塑館/書道博物館※ 旧岩崎邸庭園、東京文化会館、国際子ども図書館、国立近現代建築資料館での販売はありません。(2) 店舗等での販売東京都美術館ミュージアムショップ/東京藝術大学大学美術館ミュージアムショップ/エキュート上野/松坂屋上野店/上野マルイ/浅草文化観光センター/東京観光情報センター(都庁第一本庁舎1階)/京成インフォメーションセンター(成田空港内)等(3) インターネット販売上野「文化の杜」公式ウェブサイト内 利用対象施設①常設展および総合文化展への入場(各施設1回)東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館②入館および入園(各施設1回)上野動物園/旧岩崎邸庭園/下町風俗資料館/朝倉彫塑館/書道博物館③指定の展覧会に入場(各施設1回)東京都美術館「杉戸洋展」/上野の森美術館④指定の特別展に100円引きで各1回入場国立西洋美術館/東京都美術館⑤持参者にポストカードをプレゼント東京藝術大学大学美術館/東京文化会館/国際子ども図書館/国立近現代建築資料館「特別展チケット」対象施設(指定の特別展1つに限り1回観覧できます)東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館/東京都美術館/東京藝術大学大学美術館「特別展チケット」指定の特別展①東京国立博物館特別展「茶の湯」/日タイ修好130周年記念特別展「タイ 〜仏の国の輝き〜」/フランス人間国宝展/興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」②国立科学博物館特別展「大英自然史博物館展」/特別展「深海2017」③国立西洋美術館シャセリオー展/アルチンボルド展④東京都美術館ブリューゲル「バベルの塔」展/ボストン美術館の至宝展⑤東京藝術大学大学美術館特別展「雪村-奇想の誕生-」/ 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!イベント詳細URL:
2017年03月29日皇居や千鳥が淵、北の丸公園といった都内有数の桜の名所エリアに立地する東京国立近代美術館では、4月9日(日)まで「美術館の春まつり」として桜とともに楽しむイベントを開催している。東京国立近代美術館では、風情のある日本の美が堪能できる2つの展覧会を中心に、さまざま催しを実施。「所蔵作品展MOMATコレクション」では、国内最大規模1万3,000点を超える所蔵作品から約200点を厳選、年に1度だけとなる水面に散る桜を描いた重要文化財作品・川合玉堂《行く春》や菊池芳文《小雨ふる吉野》(この2点はいずれも4月16日(日)まで)など、名作の数々を展示。4月2日(日)の「所蔵作品展 MOMATコレクション」無料観覧日には「春まつりトークラリー」を開催。ガイドスタッフとの対話による作品鑑賞を楽しみながら、スタンプラリー方式で作品を巡るスペシャルプログラムとなっている。また、「茶碗の中の宇宙樂家一子相伝の芸術」では、初代長次郎、本阿弥光悦の作品をはじめ、千利休が愛した名碗も揃い、樂家450年の伝統と技を楽しめる。3Dスキャン技術で再現した、手にとって触れる初代長次郎の「万代屋黒」などにも注目。十五代樂吉左衞門のサイン会・講演会なども開催される。三國清三シェフがプロデュースした館内2階のレストラン「ラー・エ・ミクニ」のテラスカフェでは、お花見弁当をはじめ桜の季節の特別メニューを販売、1階前庭には京都の老舗「一保堂茶舗」による期間限定の茶店が出店、本格的な煎茶や抹茶、和菓子なども提供される。期間中には、近隣で「千代田のさくらまつり」も開催されており、4月1日(土)・2日(日)には無料巡回バスが運行。桜を愛でながら気軽な散策も楽しめそう。東京国立近代美術館「美術館の春まつり」は4月9日(日)まで開催中。「所蔵作品展MOMATコレクション」「茶碗の中の宇宙樂家一子相伝の芸術」は5月21日(日)まで実施。(text:cinemacafe.net)
2017年03月28日「タリーズコーヒー」は、 「SAKURA 抹茶ラテ」や「SAKURA ティーカプチーノ」、 「SAKURA ミルクレープ」などの東京都23区限定商品を、“お江戸さくら祭”と題し、3月22日(水)より期間限定で発売!「地域社会に根ざしたコミュニティーカフェとなる」ことを経営理念の一つとして掲げる同社では、2015年2月の北海道を皮切りに、2016年に九州、京都で限定ドリンクなどを販売してきた。第四弾となる今回は、東京都23区(168店舗)のエリアにて、「お江戸さくら祭」と題し、江戸の風情と、桜をモチーフにした限定品を展開。東京都の桜が美しい季節に、さくらフレーバーのドリンクやフードが登場するほか、グッズやコーヒー豆、 タリーズカードには江戸テイストを取り入れながら、 華やかなさくら祭りを演出する。「SAKURA 抹茶ラテ」 (HOT/ICED、580円、トールサイズのみ)は、上品な風味の宇治抹茶と、桜の花びらを使用したソースをトッピングして仕上げたふんわり桜が香る抹茶ラテ。「SAKURA ティーカプチーノ」(HOTのみ、530円、トールサイズのみ)は、しっかりと濃く抽出した紅茶にさくらソースを合わせ、きめ細かなふわふわのミルクで仕上げた優しい甘さのロイヤルミルクティーだ。スイーツには、花びらをイメージしたさくら餡が乗った「SAKURA ミルクレープ」(480円)とチーズムースと、 ほんのり香る桜の風味をふんわりワッフルで包んだワンハンドスイーツ「ワッフルサンド SAKURAストロベリー」(600円)も登場。夜桜を背景に力強い江戸文字を施したパッケージのコーヒー豆「江戸限定ブレンド」(1,300円/200g)や、「タリーズカード(お江戸限定デザイン)」、春らしい桜モチーフの「SAKURA マーブルマグ」(1,600円)や 「タリーズミニテディ“春錦”」(580円)、古きよき江戸の景色や活気、 力強い江戸の“粋”を表現した「お江戸限定タンブラー(-景-/-粋-)」(各1,540円)などのアイテムも充実だ。タリーズのお江戸さくら祭で、東京の春を愛でる楽しい気分を盛り上げてみて。(text:cinemacafe.net)
2017年03月24日東京・品川の「原美術館」では、3月26日(日)に、パリの有名パティスリー「ピエール・エルメ・パリ」、子どもたちの豊かで美しい未来を育むプロジェクトを手がける「Polar Inc.」が、1日限定イベント「“Paques” 復活祭 2017あなたのうさぎはどこ?~アートを見てチョコレートを探そう~」を開催する。本イベントは、美術館のギャラリーガイドや伝統行事のイベントを通して、「芸術や文化が日常にある生活」をより身近に感じてもらうことを目的とした、子ども対象の体験型イベント。パック(復活祭。英語ではイースター)は、キリスト教の最大お祭りとも言われ、十字架にかけられたイエス・キリストの復活を祝う記念日だ。日本でも最近、その文化が知られるようになり、巷のスイーツショップでは、卵やウサギ、あひるの形をしたお菓子が店頭に並ぶ光景が見られる。「ピエール・エルメ・パリ」と「原美術館」、「Polar Inc.」は、パックの伝統を紹介し、子どもたちにも知ってもらいたいという思いから、毎春、この伝統行事を原美術館の庭で開催している。参加者はバスケットを片手に、庭に隠されたイースターエッグやバニーを探すゲームを体験し、ホールでは復活祭の歴史や、それにちなんだチョコレートの説明や展示、「ピエール・エルメ・パリ」のフランス人パティシエによるチョコレートのデモンストレーションを見ることができる。さらに今年は、セルフポートレイトをテーマにしたアートワークショップも開催。イベントは、同日の13時~、15時~の2回開催となり、定員は20名(3歳~12歳以下の子ども、大人同伴可)。参加費は無料(子ども1名、大人1名分の入館料は無料)。3月7日(火)より「ピエール・エルメ・パリ」のオフィシャルサイトより申し込みを受け付け中。(text:cinemacafe.net)
2017年03月10日