中村倫也主演の『星ガ丘ワンダーランド』が、8月27日~9月7日(現地時間)に開催される第39回モントリオール世界映画祭「ファースト・フィルム・ワールド・コンペティション」長編部門に正式招待されることが、このほど決定した。幼いころに母親に捨てられ、成長した今は星ガ丘駅の落し物預り所で働く若者・温人(中村倫也)の元に次々に現れる落し物を探す訳ありの面々。落し物の持ち主を想像しては、名札の裏に似顔絵を描く。それはそっくりだったり、まったく違っていたり…。行き場を失ったモノたちは、どのようにしてここに来て、どんな人に愛されていたのか…。そんな想像をする日々が温人の日常だった。だがある日、幼いころに自分を捨てた母親が自殺したという一報が届く。そこから、温人の止まっていた人生が動き始める。彼自身も知らなかった事件の真相、そして過去が明かされていく――。「Google NEXUS7」シリーズの子どもにダンスを教える先生や父と娘を描いたCMで、すでに世界中から注目を集めているCMディレクター柳沢翔が初監督を務める本作。舞台、テレビドラマ、映画など幅広い活躍を見せる若手演技派の中村倫也を始め、佐々木希、木村佳乃、菅田将暉、杏、市原隼人、新井浩文、松重豊ら豪華キャストが勢ぞろいし、大きな注目を集めている。このほど本作の出品が決定したモントリオール世界映画祭は、国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の北米最大規模の国際映画祭として、毎年8月下旬から9月初頭にかけてカナダ・モントリオールにて開催。アカデミー賞の前哨戦としても毎年大きな注目を集めている。同映画祭では、2008年の『おくりびと』が最優秀作品賞を受賞、その後10年に『悪人』で深津絵里が最優秀女優賞を受賞し、11年に『わが母の記』が審査員特別賞グランプリ、そして昨年『ふしぎな岬の物語』が審査員特別賞グランプリとエキュメニカル審査委員賞の2冠、『そこのみにて光輝く』が最優秀監督賞を獲得した。初監督作品のみが選出される「ファースト・フィルム・ワールド・コンペティション」においては、過去2009年に笑福亭鶴瓶主演の西川美和監督作『ディア・ドクター』が選ばれており、本年度は『ディアーディアー』と、クラウドファンディングで制作された『ねぼけ』(壱岐紀仁・プロカメラマン)も、本作と同様に同部門で出品される。そしてこのほど、本作の主演を務める中村倫也、佐々木希、柳沢翔監督より喜びのコメントが届いている。■中村倫也「日本映画を世界へ」が、自分の目標であり、夢のひとつでした。今回、『星ガ丘ワンダーランド』がモントリオール国際映画祭に参加できることを聞き、とても嬉しく、光栄に思っています。海外の方々がこの美しい作品をどう観るのか、どう受け取るのか。僕自身、一映画ファンとして、楽しみにしています。■佐々木希モントリオール国際映画祭正式招待おめでとうございます!『星ガ丘ワンダーランド』という本当に素敵な作品に巡り会え参加する事が出来たことを心から嬉しく幸せに思います。柳沢翔監督の演出、中村倫也さんのお芝居にたくさんの事を学びました。再びこのような素敵な作品に参加出来る様、日々精進したいと思います!■柳沢翔監督連絡を受けたとき、スタッフ、キャストのみなさんの顔が浮かびました。みんな、やったよ!!叫びたくなりました。彼らと一緒に作った作品が、沢山の方に観てもらえるチャンスを得た事が、本当に嬉しいです!!“日本好き”として知られる同映画祭。日本を代表する新たな才能がどのような評価を得るのか、大いに期待したい。『星ガ丘ワンダーランド』は2016年公開予定。(text:cinemacafe.net)
2015年08月11日10代、20代の頃と同じメイクをしていませんか?アラサー女性ががっつりメイクをしていると、キレイに見えるどころか痛々しい印象に。30代からは、落ち着いたナチュラルメイクを取り入れてみてください。ナチュラルメイクの代名詞といえば、女優の深津絵里さん。清楚で品のある彼女の雰囲気は、アラサー世代の憧れでもありますよね。今回は、自分の顔素材を活かした、30代のナチュラルメイクについてご紹介します。ナチュラルメイクをすると、若々しい印象にすることができますよ!大人ナチュラルメイクの基本はベース作りにあり!大人の女性にしっくりくる、ナチュラルメイクの鍵は肌のベース作りにあると言っても過言ではありません。大人のナチュラルメイクに必要なのは、陶器のように繊細な肌。ハイライトを駆使し、パウダーをはたいた「がんばって化粧しました!」感は30代からはNGです。メイク前のマッサージは必須。ファンデーションは極力薄付けに! ナチュラルメイクのベース作りは、血行を良くするためのマッサージからスタート。指先で顔をほぐすように2~3分かけてマッサージしましょう。化粧のノリと顔色が良くなりますよ。下地クリームで顔色を整えたら、コンシーラーで気になるくすみやシワをカバー。その後は、できるだけファンデーションを薄く伸ばしていきます。ベース作りで手を抜くと、ファンデーションの厚塗りに頼ってしまい、化粧崩れを招くことに……。ますます老けたメイクになってしまいます。目元メイクは「主張しすぎない」を心がけてついつい頑張りすぎる目元のメイクですが、目の周りをがっつりアイライナーで囲むのは20代まで。30代の大人女性に必要なのは、まつげの際を埋めるように描くシンプルなアイライン。これだけで目じりのたるみが引き締まって見え、グッと若々しい印象に。「盛ってます!」感満載のつけまつげもそろそろ卒業して、繊維入りのマスカラに変えてみるのもいいかもしれません。自分の目の特徴を活かした目元メイクを取り入れましょう。10代、20代の頃からがっつりメイクをしている女性に、ぜひ試して欲しい大人のナチュラルメイク。肌と目元のメイクを変えるだけで、今まで気がつかなかった自分のチャームポイントを発見できると思いますよ!
2015年07月28日浅野忠信×深津絵里主演で映画化された『岸辺の旅』が、第68回カンヌ映画祭ある視点部門で「監督賞」(黒沢清)を受賞したことも記憶に新しい湯本香樹実によるロングセラー小説の映画化『ポプラの秋』。このほど、、8月27日から9月7日までカナダ・モントリオールにて開催される、6月に行われた第18回上海国際映画祭に続き、日本映画にも馴染みの深い第39回モントリオール世界映画祭のフォーカス・オン・ワールド・シネマ部門に正式招待されることになった。本作は、大好きだった父を失い、傷づいた心を抱えてポプラ荘に引っ越してきた8歳の少女・千秋(本田望結)が、“天国に手紙を届けることができる”という大家のおばあさん(中村玉緒)に出会い、次第に心癒されていく物語。主人公の少女・千秋を演じるのは、ドラマ「家政婦のミタ」でブレイクし、フィギュアスケ―トの才能でも注目を集める本田望結。ポプラ荘の大家のおばあさんには、映画出演100作以上のベテラン、中村玉緒。監督は、『瀬戸内海賊物語』(’14)で少女たちの冒険をいきいきと描いた新鋭の大森研一が務めている。本作が海外映画祭に正式招待されるのは、先日の上海に続いて2度目。モントリオール世界映画祭は、毎年、8月下旬から9月初頭にかけてカナダのモントリオールで開催される北米最大規模の国際映画祭。アカデミー賞の前哨戦としても注目されている。2008年にはアカデミー賞「外国語映画賞」を受賞した『おくりびと』が「最優秀作品賞」を受賞し、10年には『悪人』で深津絵里が「最優秀女優賞」を、11年は『わが母の記』が「審査員特別賞グランプリ」を、そして昨年は『ふしぎな岬の物語』が「審査員特別賞グランプリ」と「エキュメニカル審査委員賞」の2冠、さらに『そこのみにて光輝く』が「最優秀監督賞」を獲得したことでも話題となった。本作で映画初主演を果たした本田さんは、この一報に「うれしい!日本ではなくカナダの方に『ポプラの秋』を見ていただいて気持ちが伝わればいいと思います」と喜びのコメント。また、大森監督も「手紙が繋ぐ心の物語を共有して貰えると嬉しいです!」と、普遍的な本作のテーマを話している。原作者の湯本香樹実は、映画化や舞台化された「夏の庭―The Friends」「岸辺の旅」などの作品で知られており、本作の原作も、1997年に発表されて以来、アジアのみならず、アメリカ、ヨーロッパなど世界10ヶ国で翻訳・出版され、言葉や文化の壁を越えて愛されている。好奇心にあふれた子ども時代だからこそ、いっそう興味深く感じる生と死。小京都と称される美しい飛騨高山で撮影された本作には、その古き良き街並みの中に万国共通の大切な思いが根づいているはずだ。『ポプラの秋』は9月、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月28日IDA(アイ・ディ・アクセス)はこのほど、「夏コスメに関する調査」をテーマにしたインターネットリサーチの結果を発表した。調査は7月9日~10日、20~49歳の有職女性300名(各年代100名)を対象に行われた。○女性7割超が「夏用コスメに変えない」と回答調査ではまず、夏には「夏用コスメ」に変えるかどうか尋ねたところ、「はい(27.3%)」「いいえ(72.7%)」と、7割超の女性が「夏用コスメ」には変えないことがわかった。年代別に見ても、差はほとんどなかった。続いて、「夏用コスメに変えない理由」を探ったところ、「買い換えるのが面倒だから(41.7%)」や「夏用・冬用と分けて買っていないから(38.5%)」、「買い換えると高いから(27.1%)」といった理由が上位となった。40代(15.1%)は他年代と比べて「買い換えると高いから」という回答した割合が低く、40代は、値段よりも面倒だからという気持ちが強いよう。また、「どのように変えたらよいのか分からないから(10.6%)」や「変えるタイミングが分からないから(6.9%)」など、コスメの方向性が迷子になっている人も少なからず居ることがうかがえる結果となった。ちなみに、「夏用コスメに変える」人の意見としては、「日焼けが気になるから」や「化粧崩れが気になるから」が大半を占めた。○夏用と冬用の違いを知っている女性、31.3%次に、夏用コスメと冬用コスメの違いを知っているか聞いたところ、なんと68.7%の人が「知らない」と回答。「知っている人」はほぼ3人に1人しかいない結果となった。○夏顔は「上戸彩」、冬顔は「中島美嘉」次に、「夏顔」「冬顔」のイメージに当てはまると思う芸能人をそれぞれ教えてもらった結果、「夏顔」のトップは「上戸彩(42.3%)」だった。コスメや日焼け止めのイメージモデルを初め、紳士服や発泡酒のCMなど、自然で健康的な笑顔を見せるCMのイメージが大きく影響しているよう。次いで2位は「佐々木希(36.7%)」、3位に「新垣結衣(36.0%)」と続き、さわやかなイメージの女性が上位に並んだ。一方「冬顔」の1位は、寒色のアイシャドウが似合うイメージが強い「中島美嘉(48.0%)」だった。次いで「深津絵里(43.0%)」、「鈴木京香(41.7%)」と、少し年代も高めの方が続いた。ほとんどの方が「夏顔」か「冬顔」のどちらか一方に偏る中、「北川景子(夏顔28.0%、冬顔32.3%)」と「石原さとみ(夏顔27.7%、冬顔23.0%)」は、ほとんど差がなかった。
2015年07月24日第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて、黒澤清監督が日本人初の「監督賞」を受賞した『岸辺の旅』。浅野忠信と深津絵里という、日本映画界を代表する2人の実力派が初の夫婦役を演じ、W主演を務める”究極のラブストーリー”として話題を呼ぶ本作のポスタービジュアルが到着した。夫の優介(浅野忠信)が失踪してから3年。ある日、妻の瑞希(深津絵里)の元に突然、夫が帰ってきた。だが、帰宅した優介は「俺、死んだよ」と告げる。そして、優介がこれまでお世話になった人々を訪ね、それまで過ごした時間、知らなかった秘密を知る、夫婦ふたりの旅が始まった…。湯本香樹実が2010年に発表した小説を、世界的名匠・黒沢清監督が映画化した本作。本年度の第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門において、“日本人初の監督賞”に輝き、大きな注目を集めた。W主演という形で初の夫婦役を演じるのは、実力派として知られる深津さんと浅野さん。深津さんが『悪人』で第34回モントリオール世界映画祭「最優秀女優賞」を、浅野さんが『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭「最優秀男優賞」を受賞しているという、まさに“国際派”の2人。今回解禁されたポスタービジュアルでは、失っていた3年間の時を埋めるように寄り添う2人の姿から、夫婦の互いへの深い愛情が伝わってくる。だが、それと同時に、物憂げな深津さんの表情や、弔いのような淡いピンクの花が、間近に迫った“永遠の別れ”を感じさせる、印象深く切ないポスターとなっている。死んだ夫とその妻の、永遠の別れへと続く旅路を描き、カンヌをも大きな感動に包んだ本作。実力派俳優たちによって紡がれる“究極のラブストーリー”の公開を、楽しみにしていて。『岸辺の旅』は10月1日(木)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月17日竹野内豊を主演に“偽装家族”の幸せを描いた『at Home』。この度、本作がアカデミー賞の前哨戦としても注目されている映画祭、「モントリオール世界映画祭」のフォーカス・オン・ワールド・シネマ部門に正式招待されることが決定。竹野内さんから喜びのコメントが到着した。どこにでもある平凡で幸せな家族。けれども、実は家族全員で、犯罪で生計をたてている一家。父さんは空き巣泥棒、母さんは結婚詐欺師、長男は偽造職人…。ある夜、家族の元に一本の電話が。結婚詐欺がバレ、相手に母が拉致され身代金まで要求されてしまう。能天気にみえた家族、その裏にあるそれぞれの苦しい過去。血もつながっていない、けれどこの幸せを守るためなら、誰よりも必死になれる。これも一つの家族の姿だった…。『未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』を手掛けた蝶野博監督が人気小説家・本多孝好の珠玉の短編小説を映画化した本作。父親役の竹野内さんを始め、母・皐月に松雪泰子、長男・淳に坂口健太郎、長女・飛鳥に黒島結菜、次男・隆史に池田優斗と豪華面々が集結している。モントリオール世界映画祭は、2008年『おくりびと』が最優秀作品賞を受賞、その後2010年に『悪人』で深津絵里が最優秀女優賞、2011年に『わが母の記』が審査員特別賞グランプリを、そして昨年は『ふしぎな岬の物語』が審査員特別賞グランプリとエキュメニカル審査委員賞の2冠を、『そこのみにて光輝く』が最優秀監督賞を獲得したことなどで知られており、毎年8月下旬から9月初頭にかけてカナダのモントリオールで開かれる国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の北米最大規模の国際映画祭だ。主演作で海外映画祭の参加は初となる竹野内さんは「とても嬉しいです。監督やスタッフ、キャストの方々と作り上げた映画ですので、監督の喜びを考えると、感慨もひとしおです。また、自分が主演させていただいた映画で海外映画祭に出品されたことは初めてに等しいので、外国の方々に、この“他人同士”という一風変わった設定がどのように受け止められるのかがとても楽しみですし、人と人の、日本的な機微を感じてもらえたらと思っています」とコメントを寄せている。『at Home』は、8月22日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:at Home アットホーム 2015年8月22日より全国にて公開(C) 映画『at Home』製作委員会
2015年07月11日今年はコンペティション部門、ある視点部門ともに、日本映画や日本人俳優の出演した作品が数多くエントリーし、現地に赴いた監督やキャストも大勢いたことから、国内での注目度も高かった第68回カンヌ国際映画祭。映画祭スタート直後に日本映画が立て続けに上映され、各作品の女優たちがレッド・カーペットを賑わせた。トップを飾ったのは14日(現地時間)に公式上映されたコンペティション部門の『海街diary』で主役の姉妹を演じた4人の女優たち。長女役の綾瀬はるかは「ディオール(Dior)」の2014年秋冬オートクチュール・コレクションから、ペールゴールドのシルクのジャカード織のドレスを着用。ボリュームを持たせたスカートには繊細な刺繍がほどこされ、後ろで束ねたシンプルなヘアスタイルで清楚な印象だ。次女役の長澤まさみは「ステラマッカートニー(Stella McCartney)」の2015年冬コレクションから、ダークグリーンと鮮やかな青のバイカラーのベアトップのロングドレス。ネックレスは付けず、髪を片側に流して「ショパール(Chopard)」のイヤリングを見せるスタイル。三女役の夏帆は長澤さんと同じくベアトップのドレス。エディ・スリマンがデザインする「サンローラン(Saint Laurent)」のシルクジョーゼットのドレスはAラインのシルエット。ショートヘアをウエットになでつけ、やはりネックレスは付けずにイヤリングのみ。今まであまり見せたことのなかったモードなスタイリングでイメージ・チェンジした。四女役の広瀬すずは綾瀬さんと同じテイストで、スカートにボリュームのあるシフォンのオリジナルドレス。ライトブルーのチェック柄がさわやかだ。フォトコール時には、綾瀬さんはやはり「ディオール(Dior)」の2014年秋コレクションからスパンコールをあしらった白い花柄のワンピースをチョイス。長澤さんは「バレンシアガ(Balenciaga)」の2015年春夏コクレクションのグレーのシフォンと白のドレス、夏帆さんは白地に花や鳥、フルーツ柄をプリントした「ブルーガール(blugirl)」のドレス。レッド・カーペットのクールな表情とはまた違う魅力を見せた。広瀬さんはこちらでもオリジナルの白のワンピース。16歳の愛らしい魅力を振りまいた。黒沢清監督が「ある視点」部門監督賞を受賞した『岸辺の旅』で浅野忠信とダブる主演を務める深津絵里は、黒の着こなしで大人の美を印象づけた。17日の公式上映で着たのは「バレンシアガ(Balenciaga)」。2015-16のプレ・フォール・コレクションの1着で、前面はテーラード風に合わせたデザインで、背中が大きく開いている。メイン会場の階段を上がるときは、スリットから脚がきれいに見えた。オールバックのヘアスタイルで、アクセサリーは「ブシュロン(Boucheron)」のブレスレット。よりミニマルな装いだったのは日中のフォトコールで、このときは「トム・フォード(TOM FORD)」のプレーンなカクテルドレス。ネックレスもブレスレットもなしだが、センターパーツにしたボブスタイルの黒髪の形の良さが何よりのアクセントになっていた。(text:Yuki Tominaga)
2015年05月26日黒沢清監督が現地時間の23日、主演に女優の深津絵里と俳優の浅野忠信を迎えた最新作『岸辺の旅』(10月1日公開)で、第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の監督賞を受賞した。黒沢監督にとっては2008年に審査員賞を受けた『トウキョウソナタ』に続く、同映画祭での受賞となる。受賞会場となった満員のドビュッシーホールにて、審査員から「まさに岸辺(彼岸)への素晴らしい旅に連れて行ってくれる、最高の作品でした」との言葉を受けて、壇上に招かれた黒沢監督。登壇した黒沢監督は、「まさにサプライズで、とても緊張しています」とあいさつし、「監督賞は、作品全体の賞であると思っています。すべての俳優、すべてのスタッフに頂いた賞ということで、とても誇りに思います」と続けた。主演の深津と浅野については、「一緒にカンヌに来られただけでも楽しい思い出になりましたが、本日、このような賞をいただいて、さらによい思い出になりました。お二人の力があったから、こうした場に招かれましたし、お二人がいたから初めて『人生』を描くことができました。日本に帰ってから、深津さん、浅野さんと『カンヌ楽しかったね』と盛り上がりたい」と語った。現地時間17日に行われた公式上映では、観客席からのスタンディングオベーションだけにとどまらず、会場の外に待っていた多くのファンからも5分以上のスタンディングオベーションが続き、異例の大フィーバーを巻き起こしていた本作。その様子はフランスを代表する新聞リベラシオン紙でも写真入りで大きく1面で報道され、海外メディアからも、「今年のカンヌNO.1ではないだろうか!」と高い評価を得ていた。映画の原作は作家・湯本香樹実の同名小説で、3年間失踪していた夫・優介(浅野)が妻・瑞希(深津)を連れて、失踪中に世話になった人々を訪ねて行く物語。瑞希はその旅で、それまで知らなかった優介の姿を知ることになる。優介はなぜ突然帰ってきたのか、そして優介が伝えたかったこととは。黒沢監督が"究極の夫婦愛"にチャレンジしている。(C)Kazuko Wakayama(C)2015「岸辺の旅」製作委員会/ COMME DES CINEMAS
2015年05月25日24日(日)まで開催されたカンヌ国際映画祭で、ある視点部門に出品された黒沢清監督の『岸辺の旅』が、同部門の監督賞を受賞した。審査員メンバーは、イザベラ・ロッセリーニを審査委員長に計5名。壇上に上がった監督は、「とても驚いています。こうしたささやかな作品のなかからひとつの輝きを審査員の方に発見して頂いた、そういうことが起こる場所がカンヌなのだと思いました。本当にありがとうございます」と語った。その他の写真また受賞直後の会見では、いまだ興奮冷めやらぬといった様子で、審査員長のイザベラ・ロッセリーニから、「母(※今年のカンヌの公式ポスターの顔になったイングリッド・バーグマン)はずいぶん前に亡くなりましたが、わたしはいまだに母がそばで見守ってくれているような気がしていました。それはわたしだけの特殊な感覚かと思っていましたが、この映画を観てそんなことはないのだと知って驚きました」と、私的な感想をもらったことを明かした。本作は湯本香樹実の同名の小説を、今回が初タッグである深津絵里と浅野忠信主演で映画化したもの。3年前に失踪したままになっていた夫が突然舞い戻り、「俺、死んだよ」と妻に告白する。ふたりは、彼が最後に過ごした場所や時間を巡る旅に出る。これまでも死者を扱ったことのある監督だが、今回は監督にとって初めてのラブストーリーでもある。黒沢監督のファンが多いフランスでは、特に評価が高く、全国紙のル・モンドは「クロサワは、自身の芸術を超越するような素晴らしい成果を見せた」と絶賛した。公式上映に監督とともに参加した深津、浅野は上映の反応に対してそれぞれ、「とても暖かい拍手を感じました。監督のファンの方々が新作を待ち望んでいたような、みなさんの強い集中力が、じわじわと伝わってくる印象を受けました」(深津)、「僕自身、この映画を観ながら家族や友人など大切な人への愛が浮かんできました。そんなひとつの愛の形が海外の人々にも届いたのかと思い、とても嬉しかったです」(浅野)と語った。黒沢はふたりの共演を振り返り、「違うタイプの演技をされるおふたりという印象を受けましたが、それがあるレベルを超えるとまったく違和感がなくなるのだとわかりました。おふたりの力があったからこそ、こうした夫婦の愛の姿を描くことができた。本当に感謝していますし、おふたりにもカンヌを楽しんで頂けたたようで良かった」と、喜びを噛みしめた。取材・文:佐藤久理子『岸辺の旅』10月1日(木)テアトル新宿ほか公開
2015年05月25日23日夜(現地時間)、第68日カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の授賞式が行われ、『岸辺の旅』の黒沢清監督が監督賞を受賞した。19本の候補作の中でも、フランスの新聞「ル・モンド」をはじめ、現地で高い評価を受けていた『岸辺の旅』が、見事、監督賞に輝いた。授賞式に登壇した黒沢清監督は、「本当に驚いています。ささやかな、地味な作品から一つの輝きを審査員の皆さんは発見してくださった。そういうことが起こるのがカンヌなんだと思います」と感激の面持ちで語った。黒沢清監督は7年前に、『トウキョウ・ソナタ』で同部門の審査員賞を受賞しており、2つ目の栄冠となった。受賞後の会見では、「7年前は妻が病気で1日で帰ってしまったため、授賞式に参加できず、全然受賞した実感がありませんでした。今回は妻も一緒に来られて嬉しいです」と照れながら語った。『岸辺の旅』は、3年前に死んだはずの夫と彼を待ち続けていた妻が、最後の旅をするというストーリーで夫婦を深津絵里、浅野忠信が演じている。黒沢監督は「深津さん、浅野さんに最大の感謝を捧げたいです」と語った。今年の「ある視点」部門の審査委員長は女優イザベラ・ロッセリーニ。今年のカンヌのアイコンであるイングリッド・バーグマンの娘であるロッセリーニから受賞後、「私は母が死んでからも、ずっとすぐそばにいるような気がしていた。それは私だけが特殊なのかと思っていたけれど、あなたの映画を観て、同じような人がいるのだと思った」と声をかけられ、感激したという。(photo / text:Ayako Ishizu)
2015年05月25日南仏のリゾート地カンヌで開催中の、第68回カンヌ映画祭。カンヌでは映画の売買が行われるマーケットも開催されており、各国のパビリオンがずらりと並んで自国作品をアピールしたり、映画撮影を招聘している。さながらミニ万博といった雰囲気の中、日本も4年ぶりにジャパン・パビリオンを開設し、小山薫堂プロデュースのKANPAI NIGHTというパーティーも開催。こちらには、『岸辺の旅』の深津絵里さん、浅野忠信さん、『あん』の河瀬直美監督、永瀬正敏さんらも出席。日本酒や和食が振る舞われ、1,000人以上の招待客が詰めかけ、一時は入場制限をするほどだった。また、ジャパン・パビリオンではキャスティング・ディレクターの奈良橋陽子さんらのセミナーが行われただけでなく、5月19日(現地時間)はまる1日「KUMAMON DAY」としてくまモンが登場。熊本県営業部長代理のくまモンがなんと4曲もダンスをして、熊本県のよさや、熊本県で撮影された映画を愛嬌たっぷりにアピールし、外国人記者やバイヤーたちに大受けしていた。くまモンと『極道大戦争』に登場するKAERUくんとのカンヌだけの共演もあったり、くまモンのショートムービーも上映され、その演技力(?)も披露。ジブリ映画『思い出のマーニー』などの作曲家、村松崇継さんは、次回作『BBOY IN A DREAM』(今井孝子監督)のアピールのためカンヌ入りしていたが、くまモンの人気に驚いて「僕も刺激を受けました。カンヌに来るとやる気になりますね」と語っていた。今年のカンヌでは、日本映画はコンペティション部門に是枝裕和監督の『海街diary』、ある視点部門に河瀬直美監督の『あん』、黒沢清監督の『岸辺の旅』、さらに監督週間部門に三池崇史監督の『極道大戦争』が上映されただけでなく、コンペでは侯孝賢監督(台湾)の『黒衣の刺客』には妻夫木聡が、ガス・ヴァン・サント監督(米)の『SEA OF TREES』には渡辺謙が主要な役で出演している。果たして、何か賞に絡んでくるのか。受賞結果はある視点部門は23日夜、コンペティション部門は24日夜(現地時間)に発表される。(photo / text:Ayako Ishizu)
2015年05月24日俳優の染谷将太が主演する映画『寄生獣 完結編』が、5月17日までに観客動員数100万人を突破していたことがわかった。『寄生獣 完結編』は、全国422スクリーンで4月25日より公開スタート。公開して23日が経過した17日には100万人を突破し、さらに5月19日時点で入場人員102万人、興行収入13億円を記録した。前編『寄生獣』は、入場人員155万人、興行収入20億円を記録しており、後編である本作もそれに迫る勢いを見せている。メガホンを取った山崎貴監督は、「まずはヒット作の目安である100万人という観客動員数を越えることができてホッとすると同時に本当にたくさんの人から熱い感想をいただいて喜んでいます」とコメント。加えて、「原作者の岩明先生も前編に引き続き絶賛してくださったとの連絡をいただいているので、その意味でも役目は果たせたのかなあと安心しています」と明かした。本作は、1990年より『月刊アフタヌーン』(講談社刊)で連載され、単行本が累計1,200万部を突破して世界中に熱狂的なファンを持つ岩明均の同名漫画が原作。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』などを手掛けた山崎監督がメガホンをとって制作された。パラサイト・ミギーを右手に宿す高校生・泉新一(染谷)と、ほかのパラサイトとの戦いをVFXを駆使した迫力の映像で描く。共演には深津絵里、阿部サダヲ、浅野忠信などの俳優陣が顔をそろえている。(C)2015映画「寄生獣」製作委員会
2015年05月20日“日本マンガ史上最高傑作”と言われ、世界中に熱狂的なファンを持つ「寄生獣」(累計1,500万部)。主演に染谷将太を迎え、第38回日本アカデミー賞8部門で最優秀賞を果たした『永遠の0』の山崎貴監督のもと二部作で実写映画化されたが、このたび4月25日(土)に公開された『寄生獣 完結編』が5月17日(日)に入場員数100万人を突破したことが明らかとなった。人間に寄生し、捕食する謎の生物“パラサイト”に襲撃されたものの、危うく脳の乗っ取りを免れた高校生の新一(染谷将太)が、右腕に寄生したパラサイトのミギー(阿部サダヲ)と共に、地球への侵略を企むパラサイトたちと戦いを繰り広げていく…。2014年11月29日に公開された二部作の前編『寄生獣』では、深津絵里、東出昌大ら、パラサイト(寄生生物)役の顔が割れる“衝撃の映像”が話題を集めたが、完結編となる本作では、前編を超える最新のVFXを駆使して、パラサイトたちとの壮絶かつ迫力のアクションを描き出す。公開日から17日までの23日間で、入場人員1,006,992人 、興行収入1,288,204,400円を記録した『寄生獣 完結編』。入場人員155万人、興行収入20億円を記録した前編『寄生獣』が100万人を突破したのも、まさに公開23日目(2014年12月21日)!二部作連続の100万人超えに山崎監督は「まずはヒット作の目安である100万人という観客動員数を越えることが出来てホッとすると同時に本当に沢山の人から熱い感想をいただいて喜んでいます」胸のうちを明かした。さらに、「衝撃的な内容ですし、映像化不可能と言われ続けた作品でもありますのでそれを沢山のスタッフやキャストのみなさんのおかげで何とか形にすることが出来たこと、今公開している形で世に送り出せたこと、そして100万人という大変な数のお客さんに見ていただけたことをとても感謝しております」と喜びを口にした。『寄生獣 完結編』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会寄生獣完結編 2015年4月25日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「寄生獣」製作委員会
2015年05月20日開催中の第68回カンヌ映画祭“ある視点”部門で黒沢清監督の新作『岸辺の旅』が公式上映され、夫婦役を演じた深津絵里と浅野忠信、そして黒沢監督がレッドカーペットと舞台あいさつに登壇した。その他の写真『岸辺の旅』公式上映は現地時間5月17日の夜に行われ、3人がレッドカーペッドに登場すると、観客や各国から集まった多くの記者から「クロサワ!フカツ!アサノ!」のコールが巻き起こった。上映終了後には5分以上にわたるスタンディングオベーションがおくられ、さらに、感激した観客が会場の外でも彼らに熱い拍手をおくった。深津は「初めてのカンヌ国際映画祭でのレッドカーペッドは、とても緊張しました。公式上映後には、たくさんの方にとてもあたたかい拍手を頂き、撮影中も夢の中のようでしたが、まさに今日も夢の続きにいるかのような気持ちになりました。作品に描かれている愛が、じわじわとしみこんでいるような、あたたかい拍手でした」と話した。浅野は「黒沢監督作品では、俳優としての転機にもなった『アカルイミライ』以来のカンヌでしたが、多くの方々にあたたかく迎えて頂き、映画で描かれたひとつのすばらしい愛のかたちが伝わったかと思いました」とコメント。黒沢監督は、「なにより嬉しかったのは、公式上映後のスタンデイング・オベーションの後に、会場の外でも多くの方が残って頂いていて、たくさんの拍手で迎えられたことです」と話し、「あたたかい拍手で、本当に感激しました。深津さん、浅野さんが出演して下さることが決まってから、この映画は大丈夫だと思っていましたが、こうして一緒にカンヌに来られて嬉しいです」と語った。黒沢監督は『トウキョウソナタ』で第61回カンヌ映画祭“ある視点”部門の審査員賞を受賞しており、本作にも大きな注目が寄せられている。また、ヨーロッパでは、フランスの配給会社Version Original(バージョンオリジナル)により、今秋、国内で100~150館規模での公開が予定されている。『岸辺の旅』10月1日(木)テアトル新宿ほか公開
2015年05月20日黒沢清監督の『岸辺の旅』が5月17日夜(現地時間)、第68回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で公式上映され、主演の深津絵里、浅野忠信、黒沢清監督が登場した。映画は、失踪した夫を待つ妻のもとへ、3年ぶりに夫が帰ってくる。しかし、夫は「俺、死んだよ」と言い、妻と最後に旅をしたいと持ちかける…というストーリー。上映後には5分以上に渡るスタンディング・オベーションを受け、深津さんたちも感無量の面持ちだった。深夜に行われた上映後の取材では、「撮影中も夢の中のようでしたが、まさに今日も夢の続きの中にいるかのような気持ちになりました。あたたかい拍手でした」(深津さん)、「あんなにたくさん拍手をいただけて嬉しかったです。監督が描いた、愛のかたちが伝わったと思います」(浅野さん)、「上映会場の外でも話しかけられ、あの拍手は本物だと思いました」(黒沢監督)と感激を語った。フランスでは人気の高い黒沢清作品だが、カンヌでの公式上映は意外にも同部門で審査員賞を受賞した『トウキョウソナタ』以来、7年ぶり。7年前に上映時には、黒沢監督夫人が日本で入院中ということで、愛妻家で知られる監督は一晩のみで滞在を切り上げるという慌ただしさだった。今回はお元気になられた夫人も同伴。配偶者との関係を深く掘り下げていることについて聞くと、「自分のことを話すのは恥ずかしいですが、やはりどんな作品にも僕自身が出ているんだと思います」と照れ笑いを浮かべていた。「ある視点」部門はコンペティション部門に対し、若手のフランス国内配給を支援することを目的に設立された部門だったが、年々、大物が参加するようになり、今年はコンペの常連がずらり。アピチャッポン・ウィーラーセタクンや河瀬直美なパルムドールやグランプリ受賞者もある視点部門にまわっており、まるでもう一つのコンペといった様相を呈している。「ある視点」部門の受賞結果は23日(現地時間)に発表される。(text:Ayako Ishizu)
2015年05月19日現在開催中の第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式招待された映画『岸辺の旅』。本作でメガホンを握る 黒沢清監督、W主演で夫婦役を演じる深津絵里&浅野忠信がレッドカーペットと舞台挨拶に登場した。2010年に発表された湯本香樹実の同名小説を、世界的名匠である黒沢清監督が映画化したもの。本作は、“死んだ夫との旅”を描く内容。3年前に失踪した夫の突然の帰還と「俺は死んだよ」という言葉。夫が過ごした最期の時間をめぐる、言えなかった「さようなら」を伝えるための夫婦ふたりの旅が始まる。日本映画界を代表する2人が初めて夫婦を演じる“究極のラブストーリー”だ。背中が大きく開いた美しいブラックドレスに身を包んだ深津さんと長身を生かしたスマートなタキシードに丸坊主姿の浅野さんがレッドカーペットに登場すると、観客から大きな声援と共に、世界各国から集まった100台以上のカメラのフラッシュが一斉にたかれ、TVクルーたちからは「クロサワ!フカツ!アサノ!」のコールが巻き起こった。公式上映終了後、場内では5分以上にもわたりスタンディングオベーションが沸き起こり、会場外でも感激した観客が3人を待ちうけさらに5分以上のスタンディングオベーションが続いたそう。初めてのカンヌ入りを果たした深津さんにとっても、感無量の体験となったようだ。(text:cinemacafe.net)
2015年05月18日女優の深津絵里と俳優の浅野忠信が18日(現地時間17日)、フランス・カンヌで開催されている第68回カンヌ国際映画祭に出席し、「ある視点」部門に正式招待されている黒沢清監督作品『岸辺の旅』(10月1日公開)の舞台あいさつを行った。背中が大きく開いたブラックドレスに身を包んだ深津と、タキシード姿の浅野がレッドカーペットに登場すると、世界中から集まった観客たちから大喝采が巻き起こった。さらに、100台以上のカメラのフラッシュが一斉にたかれ、世界中のTVクルーからは「クロサワ! フカツ! アサノ!」の熱烈なコールが上げられた。公式上映が終わると、場内では5分以上にわたるスタンディングオベーションが。加えて、会場外でも5分以上の熱いスタンディングオベーションが続けられ、3人もその反響の大きさに感無量の表情を見せた。今回が初のカンヌ入りとなった深津は、「初めてのカンヌ国際映画祭でのレッドカーペットは、とても緊張しました」と感想を語り、「公式上映後には、たくさんの方にとてもあたたかい拍手を頂き、撮影中も夢の中のようでしたが、まさに今日も夢の続きにいるかのような気持ちになりました。作品に描かれている愛が、じわじわとしみこんでいるような、あたたかい拍手でした」とコメントを寄せた。黒沢監督作品では、『アカルイミライ』(2003年)以来のカンヌとなった浅野は、「多くの方々にあたたかく迎えていただき、映画で描かれた、1つのすばらしい愛のかたちが伝わったかと思いました」と感慨深げ。上映後のスタンディングオベーションには、「あんなに多くの拍手をいただき、たくさんの拍手に祝福していただけて、すごくうれしかったです」と、喜びを語った。『トウキョウソナタ』(2008年)では、第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」で審査員賞を受けた黒沢監督。ヨーロッパでも絶大な人気を誇る黒沢作品だけに、「なによりうれしかったのは、公式上映後のスタンディングオベーションの後に、会場の外でも多くの方が残っていただいていて、たくさんの拍手で迎えられたことです」と、その好反響ぶりを振り返った。本作の原作は、作家・湯本香樹実の同名小説で、3年間失踪していた夫・優介(浅野)が妻・瑞希(深津)を連れて、失踪中に世話になった人々を訪ねて行く物語。瑞希はその旅で、それまで知らなかった優介の姿を知ることになる。優介はなぜ突然帰ってきたのか、そして優介が伝えたかったこととは。黒沢監督が"究極の夫婦愛"を描く。(C)Kazuko Wakayama(C)2015「岸辺の旅」製作委員会/ COMME DES CINEMAS
2015年05月18日女優の深津絵里と俳優の浅野忠信がW主演を務める黒沢清監督映画『岸辺の旅』(10月1日公開)の追加キャストが、このほど発表された。発表されたのは、女優の蒼井優、俳優の柄本明、小松政夫ら実力派3名。蒼井は連続ドラマW『贖罪』で黒沢監督とタッグを組んでいるが、映画出演は初めて。浅野演じる、優介の過去の秘密を知り、瑞希(深津)と対峙していくことになる松崎朋子を演じている。柄本は、『ドッペルゲンガー』(2003年)以来、実に12年ぶりの黒沢組出演、小松は黒沢監督の作品への参加は、これが初めてとなる。原作は作家・湯本香樹実の同名小説で、3年間失踪していた夫・優介が妻・瑞希を連れて、失踪中に世話になった人々を訪ねて行く物語。瑞希はその旅で、それまで知らなかった優介の姿を知ることになる。優介はなぜ突然帰ってきたのか、そして優介が伝えたかったこととは。黒沢監督が"究極の夫婦愛"を描く。さらに、本作が13日より行われる第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門へ正式招待されたことも決定。主演の深津は「黒沢監督の世界観と、キャスト、スタッフみんなのエネルギーが海を渡る…。なんてすてきなことなのでしょう。本当にうれしいです」と喜びを語った。一方の浅野も「スタッフの皆さんとキャストの方々、黒沢監督、そして深津さんと共に過ごした夢のような時間がフランスの方たちにも届いた喜びを実感しています」とコメントを寄せた。(C)2015「岸辺の旅」製作委員会/ COMME DES CINEMAS
2015年05月11日5月13日(現地時間)より開催される第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式招待されている、深津絵里&浅野忠信W主演、名匠・黒沢清監督による『岸辺の旅』。このほど、本作の初日が10月1日(木)の映画の日に決定。さらに小松政夫、蒼井優、柄本明といった豪華キャストの参加が明らかとなった。夫の優介(浅野忠信)が失踪してから3年。妻の瑞希(深津絵里)は喪失感を経て、ようやくピアノを教える仕事を再開し、日々を暮らしていた。そんなある日、突然、夫が帰ってくる。瑞希に「俺、死んだよ」と告げる優介。そして「一緒に来ないか、きれいな場所があるんだ」という夫に誘われるまま、瑞希は夫婦2人で旅に出ることに。それは、夫が3年間でお世話になった人々を訪ねていく旅だった。1つめの町では新聞配達を生業とする孤独な初老の男性を、2つめの町では小さな食堂を営む夫婦を、3つめの町では山奥の農園で暮らす家族を訪ねる2人。旅を続けるうちに、瑞希はそれまで知らなかった優介の姿も知ることになる――。夫との失われた時を巡るように過ごした妻が、言えなかった「さようなら」を伝えるための旅路で気づく深い愛。本作は、そんな愛する人との永遠の別れを描く究極のラブストーリー。湯本香樹実が手がけた同名小説を、国内外に多くのファンを持つ黒沢監督が映画化した。夫婦の旅の中で登場する新聞配達員の島影には、黒沢作品に初出演となる小松政夫。優介の過去の秘密を知り、瑞希と対峙していくことになる松崎朋子に、連続ドラマW「贖罪」で黒沢監督とタッグを組んだ蒼井優。「贖罪」は再編集され、ヴェネチアやトロントといった映画祭などで上映されたものの、蒼井さんの出演は“映画”としては初めて。また、優介を先生と慕う農家を営む星谷には、柄本明。2003年の『ドッペルゲンガー』以来、実に12年ぶりの黒沢組への参加となる。3人ともに「黒沢監督の作品に出演することができて嬉しい」とその喜びを語っており、『悪人』で第34回モントリオール世界映画祭「最優秀女優賞」を受賞した深津さんと、『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭「最優秀男優賞」を受賞した浅野さんとの共演も大きな見どころとなっている。なお、本作は、フランス国内でも100~150館規模での公開を今秋に予定しているという。『岸辺の旅』は10月1日(木)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月11日4月25日(土)、『寄生獣 完結編』が全国334館(422スクリーン)で封切られ、東京・TOHOシネマズスカラ座で初日舞台挨拶が行われた。主演の染谷将太をはじめ、深津絵里、橋本愛、新井浩文、ピエール瀧、山崎貴監督が登壇し、超大作の“完結”に感無量の面持ちだった。公開を前に全国5か所(北海道、仙台、大阪、広島、福岡)でキャンペーンに奔走した染谷さんと山崎監督。実は、「この作品は胸がキュンとする青春映画だとアピールしようぜ」という山崎監督のアイデアで、取材を受ける際も「胸キュン映画」だと繰り返し強調していたのだとか。「いまふり返ると、ちょっと胸キュン、胸キュン言い過ぎたかなと反省もありますが、皆さんも女性のお友だちには『寄生獣って胸キュンできる映画だよ』という方向で宣伝してもらえれば。きっとうっかり見に来てくれるはず」(山崎監督)、「まさか、『寄生獣』で胸キュンって言う…。でも実際『キュンときた』と言ってくださる女性のライターさんも多いので」(染谷さん)。そんなふたりの“PR戦略”にヒロイン役の橋本さんは、「今日はたくさん女性のお客様が来てくれて嬉しいです。そんなに怖くもないし、グロテスクじゃないから身構えずに見ていただきたいですし、もっと青春映画だとアピールしていきたい」と共鳴した様子で、「胸キュンできるし、ぜひ劇場に癒されに来てください」と声を弾ませていた。人間の脳に寄生し、人間を捕食する“パラサイト”との壮絶なバトルを繰り広げる岩明均の傑作漫画を2部作で完全実写化。ついに公開された『完結編』では、主人公・新一(染谷さん)が右腕に寄生した相棒・ミギーとともに、人類の存亡をかけた最終局面で愛する里美(橋本さん)を守ろうと奮闘する。昨年11月に公開された『寄生獣』は、公開初週に国内映画ランキングの1位に輝き、観客動員150万人を突破した。『寄生獣 完結編』は全国東宝系にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会寄生獣完結編 2015年4月25日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「寄生獣」製作委員会
2015年04月25日「最近ね、ミギーは実際にあの現場にいたんじゃないかという気がしてるんです(笑)」――。『寄生獣 完結編』の編集およびCG部分の製作作業が進む2月下旬、まさにCGによって、撮影現場には実在しなかったミギーを作る立場にある山崎貴監督はそうつぶやいた。「彫刻家が『木の中に埋まっているものを彫り出しているだけ』と言うのと同じで、現場では目に見えなかっただけで、そこに確実にいたミギーをいま、彫り起こす作業をしてるだけなんじゃないかって。出来上がったばかりのCGなのに、ミギーが動いてるのを見るとなぜか懐かしいんですよ。『久しぶり!』という気がする(笑)。そこで撮影の頃に気持ちが飛ぶんです。そんな経験は初めてですね」。現場で、右手に寄生している“目に見えない”ミギーを操っていた染谷将太も、山崎監督のその言葉を何の違和感もなく受け止める。『ALWAYS 三丁目の夕日’64』、『永遠の0』、さらに『寄生獣』の主題歌を手掛けてもいる「BUMP OF CHICKEN」の楽曲を元にしたショートフィルムに続き、これが4度目のタッグであり、強い信頼関係で結ばれた2人は、言葉に出さずとも、同じミギーを共有し、ここまで共に戦ってきたのだ。昨年末に公開された前編『寄生獣』に続く『寄生獣 完結編』がまもなく公開。日本映画史上に残るこの壮大なプロジェクトの中心を担った“主犯”2人に話を聞いた。原作は岩明均の人気漫画。ある日突然、人間に寄生し操り、人間をエサとする寄生生物“パラサイト”が襲来する。高校生の新一も寄生されかかり、脳は守ったものの右手を乗っ取られ、このパラサイト“ミギー”と奇妙な共存をすることになる…。『完結編』では新一を含め、人間側とパラサイトの最終決戦が描かれる。撮影は前後編で分けることなく、5か月にわたって一気に行われており「前後編の2本という意識ではなく4時間の大作を撮っているという意識だった」(染谷さん)というが、前編と比べ、この『完結編』で特に目を見張るのは新一の変化。これまで“巻き込まれた”形で、やや受動的に次々と襲い来る事態に向き合っていた新一が、自らの意思でパラサイトとの戦いに赴くことになる。これはミギーに右手を寄生されたことだけでなく、前編で母親を殺された怒りと哀しみが大きな原因と言えるが、染谷さんは演じる上での新一の変化をこう説明する。「自分が見えなくなっていくというのが強くありますね。感情が先走りして、新一はパラサイトに操られているわけではないのに、激しい感情に操られてしまう。ただ、そこで里美(※新一の幼なじみ/橋本愛)という、一番近くにいてくれた存在、その大きな“愛”に気づかされて、揺れ動くんです。前編である意味で一度は安定した感情が、この『完結編』で再びワーッと走り出して不安定になっていくというのは演じる上でも意識した点――いや、意識せずとも、自然とそうなった部分であり、それを大切に演じました」。コミックでも名場面となっている、市長にまで登りつめパラサイトをネットワーク化した広川(北村一輝)の演説、市庁舎での人間VSパラサイトの戦い、人間の子供を出産し母親となったパラサイト・田宮良子(深津絵里)の決断など「映画の作り方として正解かどうかはともかく、『完結編』はクライマックス集と言っても過言ではない」(山崎監督)という言葉通り、見応えのあるシーンが続く。中でも圧巻はやはり、新一と最強のパラサイト・後藤(浅野忠信)の最終決戦!燃えさかるごみ処理場で2人が対峙する姿は『ターミネーター2』の溶鉱炉でのクライマックスシーンのようでもあり、こどもの頃にハリウッド大作をワクワクしながら見ていたような気持ちを思い起こさせる。改めて、本作がハリウッド映画に負けない“質感”をもって製作されたことに気づかされるが、山崎監督の意図は?「ハリウッドだと最後の決戦場ってすごい舞台が用意されるじゃないですか。でも日本映画だと、どうしても廃工場あたりに落ち着いちゃう(苦笑)。スケールもそうですが、やはり物語としても、巨大な、人間が産み出した最悪のものとして、ごみ、廃棄物の焼却場を地獄めぐりの旅の終着駅として選びました。地獄を見せたかったんです。それは本当にある世界だけど、見方によって地獄絵図に見える。『ターミネーター2』の溶鉱炉のイメージというのはよく言われるんですが、個人的なイメージとしては『ブレードランナー』のオープニングで実際に採用されなかった、レプリカント(※人造人間、アンドロイド)を処理場で係の人間が無感情に燃やしているというシーンがあって、それをやってみたかったんです。その意味では、自分が見て育ったハリウッド映画のニュアンスを出せているのかなと思います」。こうした熱い言葉からもうかがえるが、原作の映画化権がハリウッドにある頃から、自分の手でいつか映像化することを夢見ていたという山崎監督だけあって、本作について「ある意味で、やりたい放題(笑)。邦画でどこまでできるかという表現の限界に挑んだし、やや趣味に走りましたね(笑)」とも。一方で前編で観客動員数150万人突破するなど、きっちりとエンターテイメントとして仕上げる手腕はさすがである。エンターテイメントと深遠なテーマの“せめぎ合い”こそ山崎作品の真骨頂とも言えるが、本作に関して描きたかったテーマは?「人間は業を背負いながら生きていく――それでも『生きる』という選択をするということでしょうか。人間の存在自体、地球にとってはそんなに良いものとは言えないという考え方もあります。だけど、それでも人間は生きていくし、新一も決断をする。業を背負いつつ、生きていくのが人間だという感覚は大事にしたかったです」。染谷さんも、これまでの山崎作品との違いを現場でも感じていたという。「まず題材的にもいままでの山崎さんの作品からは見たこともないものだったので、自分の芝居の質感も、それこそ1ミリ、2ミリ単位で微調整し、話し合っていくような感覚でした。それは初めての経験であり、楽しかったですね。あと、現場ではいままで以上に擬音での指示が多かったです(笑)。『永遠の0』の時も擬音は多かったけど、まだ飛行機のコクピットのセットがあったんですよ。今回は何もないグリーンバックの中で『ドーン!』とか『ガーッ!!』って擬音だけが響きわたるという(笑)」。先日の完成披露試写会の場で、共演者の新井浩文が染谷さんを「死んだ魚の目」という言葉で表現し、染谷さん自身も「ずっと言われ続けてきた」と平然と受け止め、笑いを誘っていた。強烈な言葉でありつつも、独特の存在感、他の誰にもない強烈な印象を抱かせる染谷さんを言い表した言葉で、言い得て妙でもある…。これが4度目のタッグであり、人間とパラサイトの間に位置する新一役に、染谷さんを望んだ山崎監督から見て、その魅力はどんなところにあるのだろうか?「染谷は微調整可能なものすごく細かいダイヤルを振られているお芝居のテクスチャを持っていると思います。特に発声。(他の人間が)普通に発声しても、お客さんは自分のことのように感じず、『お芝居だな』と受け止める。でも染谷の声の出し方はちょっとだけ鼻声になったり、わずかなニュアンスを含ませることで、お芝居がドキュメンタリーになる瞬間があるんです。今回のような物語は、地に足をつけないと、何でもアリになって、単なる空想上の生き物が戦っている映画になっちゃう。どこかで人間の暮らしと繋がっていないといけないんだけど、その時に染谷が持っているニュアンスはすごく生きるんです。一見、荒唐無稽なものが出てきても、現実と地続きだと信じさせる“魔法”を持ってますね。それがテクニックなのか?持って生まれた天性のものなのかは分かんないんですが…」。その言葉に染谷さんは「企業秘密です」といたずらっぽく笑いつつ、言葉を続ける。「サウンドは確かに大切にしてます。声や音楽を含めて、“音”から得られる感情は本当に大きいなと思います。前編で母親に寄生したパラサイトと戦うシーンが電車の高架下の河川敷で、音がすごくて(セリフは)全てアフレコという前提での撮影だったんです。実際に撮影中も電車が何本も行き交って、自分で言っているセリフが聴こえなかったんですが、そうするとセリフが出てこなくなっちゃったんです。自分の声も含めて、音の大切さに気付かされました」。戦いに加えて、大きな見どころとして推したいのが新一と里美のラブシーン!単に2人の恋の行方は…?というだけでなく、染谷さんの先の発言の通り、里美はパラサイトの存在に引っ張られていく新一を人間の側に繋ぎとめる大切な存在となっている。「かわいらしく、生々しいラブシーンでもあり、僕自身もすごく好き」(山崎監督)、「激しいアクションエンターテイメントであると同時に、壮大なラブストーリーでもある」(染谷さん)という言葉を決して裏切らないのでこちらも期待してほしい。昨今、日本映画界は漫画原作の作品が増え、安易な作品づくりに目の肥えた映画ファン、そして原作のファンから批判が高まっていることは事実。だが、この『寄生獣』は、このクオリティで原作を映画化するならそんな批判の声は少なくなるのでは?と思わせてくれる作品に仕上がっている。「いま」だから、「映画」だからこその凄まじさを体感してほしい。【染谷将太】ヘアメイク:AMANOスタイリスト:清水奈緒美(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会寄生獣完結編 2015年4月25日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「寄生獣」製作委員会
2015年04月24日5月13日~5月24日(現地時間)に行われる第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門に、このほど、黒沢清監督最新作『岸辺の旅』の正式招待が決定した。今回正式招待が決定した『岸辺の旅』は、2010年に発表された湯本香樹実の同名小説を、世界的名匠である黒沢清監督が映画化したもの。黒沢監督は、2008年『トウキョウソナタ』で第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞を受賞して以来の受賞が期待される。主演は、数々の映画賞を受賞した『悪人』で、第34回モントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞した深津絵里と、映画『マイティ・ソー』でハリウッド映画デビューを果たし、『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した浅野忠信の二人。尚、黒澤監督と浅野忠信は『アカルイミライ』以来12年ぶりのタッグとなる。本作は、“死んだ夫との旅”を描く内容。3年前に失踪した夫の突然の帰還と「俺は死んだよ」という言葉。夫が過ごした最期の時間をめぐる、言えなかった「さようなら」を伝えるための夫婦ふたりの旅が始まる。日本映画界を代表する2人が初めて夫婦を演じる“究極のラブストーリー”だ。また本作は、今秋フランス国内で100~150館規模での公開を予定しており、カンヌ国際映画祭での反響にも大きな関心が寄せられている。『岸辺の旅』は、2015年秋よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月16日『寄生獣 完結編』の完成披露試写会が4月13日(月)に開催され、主演の染谷将太をはじめ、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、新井浩文、ピエール瀧、山崎貴監督が上映前の舞台挨拶に出席した。岩明均の伝説的人気漫画を前後編の二部作で映画化。ある日突然、人間社会に入り込み、人の脳に寄生し、人間をエサとして喰らう“パラサイト”と人間の最終決戦を描き出す。登壇陣はレッドカーペットを歩いて登場!途中で主人公の新一の右手に寄生した“ミギー”の目玉をデザインしたボールを客席に投げ込むパフォーマンスで会場をわかせる。染谷さんは「本当に本当にすごいことになってます!5か月以上かけて撮影して、編集、VFXの作業があり、やっと完成しましたが、見て感動しました。すごいことが行われており、見たことのないドラマが繰り広げられています」と充実した表情を見せる。深津さんも「撮影現場でそんな作品になるのかと想像がつかないシーンも多かったんですが、想像をはるかに超えていて驚きました」と染谷さんの言葉に同意する。阿部さんは、ミギーの声を担当しているが、こうしたイベントに出席するのは前後編を通じてこの日が初めて。喜びを語ると共に「前編を映画館で見たんですが、最後に(エンドロールで)キャストの名前が出るところで、3番目くらいに僕の名前が出たら、後ろのお客さんが『出てた?』って言ってた(苦笑)」とショックを告白。ちなみに阿部さんは、声で参加しているだけでなく、モーションキャプチャ技術で、ミギーの動きや表情に関しても実際に阿部さんの動きが取り入れられている。これを司会者が「阿部さんは声だけでなく出演もしている」と誤解されかねない言い方で説明したため、阿部さんや山崎監督も困惑!「僕も知らないところでカメオ出演をしてたのかと思った(笑)」(山崎監督)、「信じやすいので、実際に自分が出ているような気がしてきた(笑)」(阿部さん)と語り、笑いを誘っていた。橋本さんは、本作でワイヤーアクションに初挑戦しており「11メートルの上空から落ちるアクションをやりました!」と楽しそうに語る。山崎監督は「結構な高さから後ろ向きに落ちるので心配した」と語るが、橋本さん本人は「高いところ大好きです。…バカみたいですよね(笑)」とあっけらかんとした様子で語っていた。染谷さんと新井さんは、山崎監督の『永遠のゼロ』を含め、これまでにも複数の作品で共演しているが、今回の現場でどんな会話をしたのか?新井さんは「ウチも(周囲から)『死んだ魚の目をしてる』って言われるけど、絶対に染谷の方がそうだよな?ということは言いました」と明かす。染谷さんはその会話を振り返りつつ“死んだ魚の目”と言われることに対し「人生で言われ続けていて、なんとも思わない…(笑)」と語り、会場は驚きと笑いに包まれていた。新井さんと同じく後編からの出演となるピエールさん演じる三木の見どころは、不気味な笑顔だが「笑いながら染谷さんを追いかけるのは楽しかったです」とニッコリ。山崎監督は、ピエールさんの微笑みについて「『ニヤニヤしてくれ』と言ったんですが、(表情を見て)怖ぇー!気持ち悪ぃ!いいなぁと思ってやってもらいました。ここまで気持ち悪くする必要があるのか?と思いつつ(笑)」と予想以上の怖さだったと絶賛!完成作を見た阿部さんは同じくピエールさんの表情について「バラエティ番組のADのような、無理に笑ってるみたいで怖い!」と語り、深津さんも「衝撃的です」と称賛を送っていた。『寄生獣 完結編』は4月25日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会寄生獣完結編 2015年4月25日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「寄生獣」製作委員会
2015年04月13日染谷将太、阿部サダヲ、深津絵里、橋本愛、浅野忠信ら豪華キャストを迎え、“日本マンガ史上最高傑作”といわれた人気マンガを実写映画化した『寄生獣』二部作。『完結編』が4月25日(土)に公開となるが、このほど『完結編』の公開前日・24日(金)に、前作『寄生獣』が「金曜ロードSHOW!特別版」としてTV初放送することが決定した。累計1,500万部を超える岩明均の大ヒットコミックを、2部作で実写映画化した本シリーズ。前編『寄生獣』では、人間に寄生し、捕食する謎の生物“パラサイト”に襲撃されながら危うく脳の乗っ取りを免れた高校生の新一(染谷将太)が、右腕に寄生したパラサイトのミギー(阿部サダヲ)と共に、地球への侵略を企むパラサイトたちと戦いを繰り広げていく…。今回、TV放送が決定した『寄生獣』は、昨年11月に公開され、国内映画ランキング初登場第1位を獲得。観客動員150万人を突破する大ヒットを記録。監督・VFXを手がけたのは、第38回日本アカデミー賞8部門で「最優秀賞」を受賞した『永遠の0』、そして“ドラ泣き”と呼ばれ日本中を涙で包んだ『STAND BY ME ドラえもん』の山崎貴だ。24日(金)の放送は「金曜ロードSHOW!特別版」と名打たれているが、山崎監督自らがTV版として、再構築した特別版。世界最速で『完結編』の映像もお披露目されるという。多くのアーティストや映像作家に影響を与えたと言われる原作の完全実写化ーーまずは前編『寄生獣』からその世界観を覗いてみて。「寄生獣 金曜ロードSHOW!特別版」は4月24日(金)21時~日本テレビ系にて放送。※放送日時は予定のため予告なく変更する場合あり。『寄生獣 完結編』は4月25日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会寄生獣完結編 2015年4月25日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「寄生獣」製作委員会
2015年03月31日染谷将太を主演に、“日本マンガ史上最高傑作”といわれた人気マンガを実写映画化し、4月に『完結編』が公開となる『寄生獣』二部作。このほど『寄生獣』が、4月23日(現地時間)よりイタリアで開催されるウディネ・ファーイースト映画祭「コンペティション部門」で上映されることが決定した。累計1,200万部を超える岩明均の大ヒットコミックを、2部作で実写映画化した本作。人間に寄生し、捕食する謎の生物“パラサイト”に襲撃されたものの、危うく脳の乗っ取りを免れた高校生の新一(染谷将太)が、右腕に寄生したパラサイトのミギー(阿部サダヲ)と共に、地球への侵略を企むパラサイトたちと戦いを繰り広げていく…。染谷さん、阿部さんを始め、深津絵里、橋本愛、浅野忠信ら日本映画界を代表する豪華俳優が競演する本作。今回、『寄生獣』の出品が決定したウディネ・ファーイースト映画祭は、イタリア北部の都市・ウディネで開催される映画祭で、東アジアの作品をヨーロッパに紹介することを旨とし、大作からミニシアター系の作品まで幅広いジャンルの良作を選出。今年度は10の国と地域から56作品が上映される予定となっている。本作でメガホンを握った山崎貴監督は、過去に『ALWAYS 三丁目の夕日』(’06)、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(’08)、『永遠の0』(’14)に続いて4度目の選出。特に、昨年は『永遠の0』が観客賞の最高位「ゴールデン・マルベリー賞」を受賞している縁深い映画祭でもある。同映画祭の最高責任者サブリナ・バラチェッティ氏は、今回の出品について「『寄生獣』は、現代社会のウイルスへの恐怖感を反映しながらも、ブラックコメディと終末的なサイエンスフィクションのちょうど中間という難しいツボを押さえています。おかしくも恐ろしい、現代の空気を驚くほど捉えた作品です」とコメントを寄せている。同映画祭で同じ監督の作品が2年連続で観客賞の最高位を受賞した例はなく、もしも本作が受賞すると映画祭史上初の快挙となる。『寄生獣 完結編』は4月25日(水)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2015年03月17日野田秀樹作・演出作品『エッグ』パリ公演(国立シャイヨー劇場にて)が3月8日、大盛況のうちに閉幕。いよいよ3月26日(木)より大阪・シアターBRAVA!で凱旋公演が行われる。NODA・MAP第19回公演『エッグ』チケット情報妻夫木聡、深津絵里、仲村トオルらの豪華キャスト陣、椎名林檎による心にささる音楽、スピーディーに変化する舞台装置、そして予測不可能な結末……。2012年の初演時、そして今年2月の東京公演で観客に大絶賛を浴びた作品が初演時と同じ主要キャストで挑んだパリ公演。セリフは日本語、フランス語字幕をつけ、また映像場面にはフランス人俳優によるフランス語ナレーションを流すなどの工夫も。キャストの3人が「笑い声や反応から、パリの観客との距離感がすごく近く感じられたことが感動的でした」(妻夫木)、「お客様の反応が変化していく感じが日本と同じだったことに驚いたのと同時に、とても嬉しかったです」(深津)、「言葉で話してもわからないことでも、芝居を見せることで相互理解ができる、共通言語のようなものになりえることを感じています」(仲村)とその手応えを口にするほど、終演後も熱気は続き、大きな拍手に包まれた。作・演出の野田も「パリの反応はとても良かったと思います。パリ公演が始まる前は不安で、題材の難解さが伝わるのかなど、お芝居が終わってもまだまだ不安でいっぱいでした。シャイヨ―劇場の芸術監督ディディエ・デシャン氏が、2度あることは3度あるということわざを用い、エッグに続き、パリでの3度目となる公演のチャンスを楽しみにしています。と言ってくれたので、その言葉にとても救われました」と語るほど現地での好評を肌に感じた本作品が戻ってくる。凱旋公演は3月26日(木)から4月8日(水)まで大阪・シアターBRAVA!、4月16日(木)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場大ホールで行われる。チケットは両公演ともに完売していたが、このほど大阪公演で追加販売が決定。チケットは3月15日(日)午前10時より発売。
2015年03月13日ロックバンド・BUMP OF CHICKENが、染谷将太主演の映画『寄生獣 完結編』(4月25日公開)の主題歌を担当することが、このほど明らかになった。同グループは、前作『寄生獣』(2014年)でも主題歌を務めている。彼らの2年7カ月ぶりとなるニューシングルのタイトルは「Hello,workl! / コロニー」(4月22日発売)。同グループは、昨年3月にリリースした7thアルバム『RAY』が3作連続となるオリコンアルバムチャート初登場1位を獲得。さらにバンド史上初となる東京ドーム公演を含む、13都市20公演で25万人を動員した全国ツアー「WILLPOLIS 2014」を成功させ勢いにのる。このニューシングルを皮切りに、2015年の新たな展開に注目が集まっている。また、「コロニー」と両A面をなすもう一方の楽曲「Hello,world!」は、アニメ作品『血界戦線』(MBSほか 4月放送開始)のオープニングテーマに決定。両面で2つのビッグタイアップとなっている。CDジャケットは、両タイアップと連動した世界観を表現して制作が予定されているという。『寄生獣 完結編』は、1990年より『月刊アフタヌーン』(講談社刊)で連載され、単行本が累計1,200万部を突破して世界中に熱狂的なファンを持つ岩明均の同名漫画が原作。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』などを手掛けた山崎貴監督がメガホンをとって制作された。右手に寄生生物ミギーを宿す高校生・泉新一(染谷将太)は、要注意人物として人間からもパラサイトからもマークされていた。ますます激化する闘いの中で、人間との共存を模索するパラサイト田宮良子(深津絵里)は、新一とミギーの関係に可能性を見いだしたが、肝心の新一は母親を殺されたことで寄生生物への憎悪を募らせていた。そんな彼らの前に、最強パラサイト・後藤(浅野忠信)が現れる。
2015年03月04日染谷将太を主演に、“日本マンガ史上最高傑作”といわれた人気マンガを実写映画化した『寄生獣』二部作。『完結編』が4月に公開となるが、このほど本作の予告編が解禁!さらに、前編となる『寄生獣』のBlu-ray&DVDが、4月29日(水)に緊急発売されることが決定した。キャストは、主演の染谷将太をはじめ、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、浅野忠信ら、日本映画界を代表する豪華実力派俳優の競演が集結し、監督・VFXは、第38回日本アカデミー賞11部門で「優秀賞」を受賞した『永遠の0』などで知られる山崎貴が務めている。昨年11月末に公開された前編『寄生獣』は、国内映画ランキング初登場第1位を獲得。これまでに観客動員153万人、興行収入19.7億円(※2月8日時点)を記録した。今回お披露目となったのは、バレンタインデーの2月14日(土)より全国の劇場で上映中の『完結編』の予告編映像。本作では、人類はついに寄生生物(パラサイト)との闘いを決意。SAT(特殊急襲部隊)による寄生生物殲滅作戦が開始される。その一方、前作ではヴェールに包まれていた、“パラサイトネットワーク”の幹部たちが動き出す。ずば抜けた知能でパラサイトを統率し母性にも目覚め始めた田宮(深津絵里)、市長となり表舞台に進出する広川(北村一輝)、そして最強の戦闘能力を誇る後藤(浅野忠信)。特に、戦闘モードとなった“最強のパラサイト”後藤のバトルシーンは必見だ。さらに、寄生生物の核心に迫るジャーナリスト・倉森(大森南朋)、暴走気味の異様なパラサイト・三木(ピエール瀧)、特殊能力を持つ殺人鬼・浦上(新井浩文)ら、本作から登場するキャラクターも気になるところ。また、本作の公開に併せて緊急発売となった『寄生獣』Blu-ray&DVDの豪華版には、過酷な撮影現場を追ったメイキング映像や、昨年、クロージング作品として上映された東京国際映画祭での密着映像、スピンオフショートムービー『ミギーの世界を教えて』が収録されるとのことだ。『寄生獣 完結編』は4月25日(水)より全国東宝系にて公開。『寄生獣』Blu-ray&DVDは4月29日(水)より発売。※レンタルも同日スタート(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2015年02月16日昨年11月に公開され、大ヒットを記録した染谷将太主演の映画『寄生獣』のブルーレイとDVDが4月29日(水)に発売されることが決定。シリーズの最終作『寄生獣完結編』の予告編が明日から全国の劇場で上映開始されることもあわせて発表になった。その他の写真本作は、岩明均の人気コミックを『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督が2部作で実写化するエンターテインメント作品。人間に寄生して脳を乗っ取り、他の人間を捕食する寄生生物=パラサイトが出現した世界を舞台に、高校生・泉新一(染谷)と、彼の脳を奪うことに失敗し、右手に寄生したパラサイト“ミギー”(阿部サダヲ)との奇妙な友情と戦いが描かれる。ブルーレイとDVDはそれぞれ豪華版と通常版が発売され、豪華版にはメイキング映像やスピンオフショートムービー『ミギーの世界を教えて』など特典映像が多数収録される。明日から全国の映画館で上映される『…完結編』の予告編には、寄生生物(パラサイト)と戦うために立ち上がった人間たちの姿や、母性にめざめた田宮(深津絵里)や圧倒的な戦闘能力を誇る後藤(浅野忠信)らパラサイトネットワークの幹部たちが登場。主人公・新一とミギーが壮絶な運命に立ち向かうことを予感させる場面や、大森南朋、ピエール瀧、新井浩文ら『…完結編』から出演する新キャストも登場する。『寄生獣』ブルーレイ&DVD 4月29日(水)発売発売元:講談社/バップ販売元:東宝『寄生獣完結編』4月25日(土)全国東宝系にてロードショー
2015年02月13日野田秀樹作・演出による、NODA・MAP第19回公演『エッグ』が公演中だ。本作は、好評を博した2012年初演作の再演。公演初日前の2月2日、ゲネプロが行われた。NODA・MAP第19回公演『エッグ』チケット情報野田作品らしく、時空間がマジカルに錯綜する本作。ドラマの発端は、改修工事中の劇場で、劇場案内係(野田秀樹)がみつけた、歌人で作家の寺山修司の未発表戯曲だ。これを、案内係と愛人関係にあるという劇場の芸術監督(野田の2役)が手に入れたことから、舞台上で、戯曲に綴られていた世界が展開する。それは、天才アスリート・安倍比羅夫(妻夫木聡)やベテランアスリート・粒来幸吉(仲村トオル)や平川(大倉孝二)ら、卵を用いた架空のスポーツ “エッグ”に情熱を傾ける男達と、彼らのチームのオーナー(秋山菜津子)、消田監督(橋爪功)、人気シンガーソングライター・苺イチエ(深津絵里)、苺の振付師・お床山(藤井隆)らの物語だ。軽妙でエッジの利いた野田の台詞、どこか切ない椎名林檎の音楽、カーテンやロッカーを効果的に用いた堀尾幸男の美術、洗練されたひびのこづえの衣裳、そして、初演以来変わらない個性豊かな豪華俳優陣の熱演によって、舞台はカラフルに躍動。彼らを通して、20世紀の大衆を熱狂させた“音楽”と“スポーツ”が、美しく輝かしい人生の応援歌であると同時に、洗脳や根性論やナショナリズムと隣り合わせであるという事実も、あぶり出される。物語はそれだけでは終わらない。芸術監督が「読み違えていた」と言い出すことから、ドラマの途中で何度も新たな情報が加わり、変更が施される。それは、人間の先入観への皮肉であり、また、改ざんが行われ続ける歴史への痛烈な眼差しでもある。真実が時に恣意的に歪められ、あるいは忘れられ、新たな神話が形成されていく中、人類は同じ過ちを、そうと気づかずに犯してきた。だが、忘れてはならないこともある、という作者の声が聞こえてくるようだ。「いつもデジャブ~」と歌う苺の声も意味深に響く。そうこうするうち、時代は、(本作初演ではまだ決定していなかった)2020年の東京五輪を見据えた現代、1965年の東京五輪、そして1940年の幻の東京五輪と遡りながら、ある葬り去られた過去へと到達するのだった……。粒来幸吉=円谷幸吉、安倍比羅夫=「裸足のアベベ」ことアベベ・ビキラなど、実在する人物を想わせる名を散りばめながら、野田は近代史の闇に迫る。その近代は、世界の知と富と権力が一部の人間に集中し、不都合な真実には蓋をして進み続けようとする現代と地続きだ。寺山の未発表戯曲の存在を含め、この劇はフィクションだが、だからこそ、そこには幾多の真実が煌めいている。本作は東京公演後の3月、パリ国立シャイヨー劇場で日本の劇団として33年ぶりに公演を行う。33年前に上演された作品は奇しくも寺山修司の『奴婢訓』だという。フランス公演後は3月26日(木)から4月8日(水)まで大阪・シアターBRAVA!、4月16日(木)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホールでも上演。取材・文:高橋彩子
2015年02月09日