ブログやインスタグラムで、三兄弟の成長や家族の日常をマンガにしている、アラフォー主婦の安田ふくこさん。長男と次男はADHDと自閉スペクトラム症の診断を受けています。三兄弟との毎日に奮闘するふくこさん。三男を習い事へ送った直後、見知らぬ男性に声をかけられます。人違いをしているようなので違うと伝えますが、話がまったく通じない男性に恐怖を覚えて……。★前の話男性のまさかの行動にパニックに!三男をスイミングスクールまで送った際、保護者観覧席に変わった雰囲気の男性がいました。ふくこさんはその男性から声をかけられますが、別の女性の名前で呼び掛けられたので人違いだと伝えます。しかし、男性はふくこさんの前から離れようとしませんでした。恐怖を感じたふくこさんは、スイミングスクールの受付まで逃げて助けを求めますが……。人違いだと伝えても、前を退いてくれない男性に恐怖を感じ、逃げるようにスイミングスクールの受付へ。スタッフの方に、先ほど保護者観覧席で見かけた男性について尋ねました。すると、あの男性は会員ではなく「見学したい」とやって来た人で、スタッフの人たちも変わった雰囲気の人だと感じていたようでした。駐車場での出来事をスタッフさんに話し、しばらく受付で待機させてもらうことに。詳しい状況を説明していたら、信じられないことに、さっきの男性も受付に入って来ました!男性の想定外の行動に、頭の中が一瞬パニックになりました。----------------ふくこさんいわく「あんなにあからさま逃げたのに、まさかあの男性まで受付に入って来るなんて」と心底驚いたそうです。いろいろな人が集まる場所での身の守り方って本当に難しいですが、どんなときも、防犯意識は忘れないようにしたいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/安田ふくこ2007年生まれのハル、2011年生まれのツトム、2014年生まれのケイ、男の子3人の育児に奮闘中の母。Instagramやブログで、三兄弟との日常を中心に家族のことを描いている。
2023年07月22日偏食の息子が「野菜、食べてみる」と言い出しびっくり!しかし理由があって…保育園のころからずっと偏食のミミは野菜が食べられません。私も小さいときは食べられなかったのですが、大人になると大丈夫になったので、ミミもいつかは食べられるようになるだろうと全然気にしていませんでした。ある日のことです。意を決して「野菜、食べてみる」とミミ。突然のやる気にびっくりしながらも、私はミミの好きな味つけで肉野菜炒めを作りました。ですが、残念ながらやはり食べる気持ちになれなかったようです…。ミミに「どうして食べようと思ったの?」と聞くと、わけを教えてくれました。Upload By taeko給食のとき、先生がスプーンを持ちミミの口元まで運んで「食べる?」と聞いてくるのだそうです。そして、食べられないと「勉強を頑張るともらえる賞状」をあげないよ?とか、宿題ができないよ?などと言われるのだとか(ミミのクラスは給食を食べ終わった人から宿題をやってもいいことになっています)。でも、今どきそんな言い方をして、食べることを強要するのかな?疑問に思いながらも、涙ながらに話すミミの話を真剣に聞き取った私。そしてミミの話は信じたものの、先生側の意見も聞きたいと思いました。ミミと先生の話には違うところがあった!行き違いの理由は特性によるものでした翌日、パパが学校へ行き、担任の先生へ話してくれることになりました。パパと私は、ミミの偏食への対応方針について意見が一致しているわけではありません。できれば私も直接聞きたかったのですが、どうしても都合がつかずパパに託すことになりました。帰宅したパパにさっそく話を聞くと、ミミが話した内容と先生のお話は、少し違うところがありました。Upload By taekoまず、先生は給食を強要したわけではないとのことでした。ミミが自分から「野菜を食べてみようかな」と言ったので「食べてごらん」と声をかけたのだそうです。スプーンを口元に持って行ったのも、無理に食べさせようとしたためではないとのこと。そして賞状は「給食を食べられた」ときにもらえる賞状のことのようで、「勉強」のものではないのだとか。先生もミミが違うことを言っていることに戸惑ったのではと思います。今度はクラスメイトに新たな不満が…。ミミが給食を楽しむにはどうしたらいい?その日帰宅したミミにどうだった?と聞いたところ、給食のとき先生からは何も言われなかったいうミミ。ほっとしました。その後数日はなにもなかったのですが、ある日「先生はいいけど、(クラスメイトが)給食をたくさん入れやがって…」とイライラなミミ…。Upload By taeko聞いたところ、給食では盛りつけ少なめを希望する人から先に並ぶ決まりで、ミミも先に並んだそうなのですが、当番さんが「イヤでもみんな我慢して食べてるんだよ」と言い、通常の量を盛られたのがイヤだったようでした。確かにイヤだとは思いますが、クラスのみんながミミの事情を知っているわけではないから仕方ないこともあると思います。ただこのときの私は、ひとつが改善したらすぐほかの不満を口にするミミにイライラしてしまい、冷静に対応ができませんでした。Upload By taeko時間が経てば私も落ち着くので、ミミが落ち着くのにも時間がいるんだろうなと思います。イライラはミミが自分を守る反応のひとつです。そういうときは時間を空けてからまたミミと話して、どうしたらイヤなことが減っていくのか一緒に考えていきたいと思います。執筆/taeko(監修:藤井先生より)ミミさんが、学校であったお話をtaekoさんやお父さんにお話できる関係はとても良いですね。また、ミミさんのお話だけでなく、学校にも事実確認をできたのは良いと思います。学校とお子さんとで事実の捉え方、感じ方が違うこともあります。親御さんが疑問に感じたことは、学校とうまく共有して相談されたのはよかったですね。また、ミミさんが不満を口にしたとき、親だからこそ「こんなことで不満を言わないで」と思ってしまうかもしれません。こんなことが学校であったんだよ、と伝えたかっただけかもしれません。嫌なことは全くゼロにはできないけど、どうしたら嫌なことをかわすことができるかな、と一緒に考えていくと良いでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年07月21日2回目の予防接種、車の中で注射だと気づかれパニックになった障害のある息子3歳で軽度知的障害を伴う自閉スペクトラム症、ADHDの傾向ありと診断を受けた息子が、6歳になったころの出来事です。その日は一日保育のあと、2回目のインフルエンザの予防接種を受けに行く予定でした。ごきげんで保育園から戻った息子。ただ、私には心配なことがありました。息子は、昔あった嫌なことをなかなか忘れないタイプです。注射や鼻の粘膜の検査など痛い思いをした病院は「イヤだ!」と言って、行こうとすると癇癪を起こしてしまいます。ですので、行くことができる病院がどんどん減ってしまい、この年の1回目のインフルエンザの予防接種は、初めて行く病院で受けたくらいでした。そのときは、注射をすることを伏せたまま診察を終え(診察は痛くないので、問題なく受けてくれます)、いざ注射というときは私が息子をしっかり押さえたため無事に接種できました。本人は泣いていましたが…。この日は、やむを得ず1回目を受けた病院へ行くことになっていたので、もしかしたら感づかれるのではないか…、でも、1回しか行ったことがない病院だからさすがに覚えていないのでは…と不安だったのです。機嫌のいい息子を乗せて、行き先は告げずに車を走らせました。すると、心配していたことが現実になってしまいました。一度しか行ったことがない病院なのに、道や場所を覚えていた息子。走らせている方向であのときの病院に行くんだ!と気づいてしまったのです。その後は「注射ヤダ!」の一点張りでした。病院に近づくにつれ、だんだんと大きくなる声。「ヤダヤダヤダ‼」とパニック状態です。私は運転しながら「おりこうさんだよー。注射に行こうねー」となだめていましたが、効果はありませんでした。ようやく病院へ到着した私は、お菓子で切り替えてもらおうと息子を車から降ろしつつお菓子を持たせました。いつも好きなお菓子があれば癇癪状態からも切り替えができていたので、今回もそれでどうにかなるだろうと思ったのです。しかし、息子はお菓子を持たず、私の脇をすり抜け病院の目の前の車道へ向かって全速力で走り出しました。Upload By ユーザー体験談「あぶない‼」一気に血の気が引き、焦って追いかけた私。すると、そのまま勢いよく転んで強い衝撃を感じたかと思うと目の前は真っ暗。私は意識を失ってしまいました…。Upload By ユーザー体験談意識を失った私。目覚めたときは病院で…目を開けると、私は病院のベッドに横になっていました。なぜここにいるんだろう?と思っていると、横から泣き声が。息子がそばで号泣していたのです。意識は戻ったものの頭がぼーっとしてあまり考えられなかったのですが、ともかく息子がそばにいることに私はホッとしました。Upload By ユーザー体験談あとで教えてもらったのですが、病院の駐車場にいた方が、私が転倒したのを目撃し病院へ知らせてくれ、私は看護師さん達に車椅子に乗せられて病院内に運ばれたそうです。このとき息子がどうしていたのか誰も覚えていないようなのですが、気づいたら私のそばにいたのだとか。あまりにも泣いていたので、私が大変なことになってしまったと、とても心配していたんだと思います。私が目を覚ますと息子は安心したのか、徐々に落ち着きを取り戻し、やがていつものように病院内をウロウロしていました(多動性があるので)。そのとき私から連絡を受けた夫が駆けつけてくれました。私は顎を大きく切っていたため、縫合を終えたあと、念のため救急車に乗って大きい病院へ行き一晩過ごすことになりました。息子は夫の車で家に帰ってもらいました。夫から聞いたところによると、息子は帰りの車では落ち着いていたもの、夜ごはんはあまり食べなかったそうです。いつもはたくさん食べるのに…。でも、翌朝保育園へ行くときは、いつもと変わりない様子だったとか。いつも通りに過ごしていた息子が退院した私を見て「おかあさーん!良かった、良かったー!」と大泣き私は翌日午後には帰宅でき、痛みがひどかったためベッドで横になっていました。夕方、保育園から息子が帰ってきました。そして私の姿を見たとたん「おかあさーん!良かった、良かったー!」と大泣きし、そばに駆け寄ってきました。いつもと変わらないように見えてもたくさん不安だったんだな、我慢していたんだなと思い、私も泣きながら「ごめんね、心配したね。大丈夫だよ」と息子の頭をなでました。Upload By ユーザー体験談私はこの件でとても反省しました。場合によってはいつもできていた切り替えもできないこと、子どもの気持ちをもっと考えなければいけないこと…、大事にすべきことを見落としていたと思いました。それからは、お出かけ先で機嫌が悪くなったり癇癪起こしたときの対応策をたくさん準備するようにしました。おもちゃやお菓子もそうですが、6歳も後半となった最近では言葉でも伝わるようになってきたので、「これがいやなら、これはどう?」といった提案のレパートリーをたくさん用意しています。今では外で癇癪を起こしても、私が移動すると息子も泣きながらもついてきたり、癇癪中でも自分で気持ちを切り替えようとしている様子が見られるようになりました。成長したなあと感じています。ただ、定期接種はまだ終わっていません…。なるべく接種期限前に、接種期限が切れたとしても、小学校入学までには必ず受けに行かなければと思っています…。息子は誰かに恐竜や妖怪の名前を教えたり、 好きなおもちゃを見せるのが大好き!これからも、好きなことには猪突猛進し、友達との関わりを大事にする子に成長して欲しいと思っています。これからも大切な息子を見守っていきたいです。イラスト/taekoエピソード提供/さくら(監修:藤井先生より)予防接種や診察や診察に伴う検査を嫌がり、癇癪起こされると、対応をどうしたら困ることがあるかと思います。事前に見通しをもった声かけをすると、頑なに拒否されることもあり、見通しをもたせた声かけのタイミングもお子さんによってさまざまです。声かけしなくても、道順で覚えてパニックになるお子さんもいます。パニックなどが起こりうる可能性を想定し、少しでもそれが軽減できる対応策がないかと、探るのはとても良いですね。成長とともに、少しずつできた経験が積み重なると、パニックも軽減されてくるお子さんもいます。できる対応策がないか、療育の先生、園の先生、かかりつけの先生に相談するのも良いでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年07月20日ブログやインスタグラムで、三兄弟の成長や家族の日常をマンガにしている、アラフォー主婦の安田ふくこさん。長男と次男はADHDと自閉スペクトラム症の診断を受けています。三兄弟との毎日に奮闘するふくこさん。三男を習い事へ送り届けたある日、駐車場で見知らぬ男性に声をかけられます。ふくこさんとは違う名前で呼びかけてきたので、「違います」と伝えますが……。★前の話「違います」の声が届かず思わず!三男が通っているスイミングスクールまで送迎をするふくこさん。その際、スイミングスクールの保護者観覧席で、あまり見かけない男性がいることに気が付きます。ふくこさんが駐車場に戻ろうとしたとき、その男性が突然、ふくこさんに声を掛けてきました。驚くふくこさんに、男性は「ミホ」と呼びかけます。何度も人違いだと伝えますが、男性はまったく話を聞こうとせず……。三男をスイミングスクールに送り届け、駐車場に戻ろうとしたとき、背後から声を掛けられました。振り返ると、先ほど保護者観覧席で見かけた男性が「ミホ」と呼びかけてきました。しかも顔が近い……!!何度も「違います!」と言ったのに、ニヤニヤ笑いながら退いてくれません。「人がいる所へ行ったほうがいい」という直感を信じて、スイミングスクールの受付に逃げることに。その際、少し震えて焦ってしまいました。そんな私を見て、その男性はなぜか笑っていました……。「なんで笑うの!?」とますます気持ち悪くなりました。----------------突然、肩に手を置かれて、振り返ったら見知らぬ男性でしかも顔が近い! その状況だけでも嫌な気持ちになるのに、ニヤニヤ笑って人の話を聞かない相手なんて、恐怖しかないです。ふくこさんのように、変だと感じたら直感を信じて逃げること、そういった判断はとても大事なことでしょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。★関連記事:「わが家の隣!?」姑の住む家を事後報告で決めようとした夫に怒りが! #お姑さんが引っ越してくる 1★関連記事:「あのバカが!!」夫への不満をぶちまける70代後半の奥様を見て心に誓ったこと #五十路日和 85★関連記事:「みんな傘があるんだ…」新しい学校で雨の日に思い出したのは #親に捨てられたおばあちゃんの話 10著者/安田ふくこ2007年生まれのハル、2011年生まれのツトム、2014年生まれのケイ、男の子3人の育児に奮闘中の母。Instagramやブログで、三兄弟との日常を中心に家族のことを描いている。
2023年07月20日ブログやインスタグラムで、三兄弟の成長や家族の日常をマンガにしている、アラフォー主婦の安田ふくこさん。長男と次男はADHDと自閉スペクトラム症の診断を受けています。三兄弟との毎日に奮闘するふくこさん。コロナ禍のある日、三男を習い事へ送り届けた際に、変わった雰囲気の男性を目撃します。ふくこさんが車に戻ろうとすると、急に声を掛けてきて……。★関連記事:「夫との溝はあるまま」でいい。自分で自分を癒やせばいいと気付いて #お金がかかるときに夫が… 最終話コロナ禍のある日、不審人物に遭遇!三男の習い事のため、教室まで送迎をするふくこさん。その際、あまり見かけたことがない男性がいることに気が付きます。そのときはあまり気に留めず通り過ぎたのですが、駐車場に戻ろうとしたときに、突然その男性に声を掛けられて……。三男・ケイの習い事のため、スイミングスクールに送迎をしたある日のこと。受付に用があり保護者観覧席を通った際、あまり見かけない男性がいることに気が付きます。けれどそのときは、「なんか変わった雰囲気の人がいる」程度で、普通に通り過ぎました。コロナ禍だったので、習い事が終わるまでは車の中で待機することが多く、その日も受付で用事を済ませると、すぐに車に戻るため建物から出ました。そのとき突然、肩をたたかれます。振り返ると、保護者観覧席で見かけた男性が、ニヤニヤ笑って、こっちを見ていました……。----------------あまり見かけない人がいても、すぐに不審人物だと警戒するのは難しいかもしれません。けれど、ふくこさんの「なんか変わった雰囲気の人」という直感は、身を守る上でとても大事な感覚かもしれません。用心するに越したことはありませんからね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/安田ふくこ2007年生まれのハル、2011年生まれのツトム、2014年生まれのケイ、男の子3人の育児に奮闘中の母。Instagramやブログで、三兄弟との日常を中心に家族のことを描いている。
2023年07月18日小学校入学後、困りごとが続出。特定の教科だけ特別支援学級に通うことに保育園のときから、ほかの子と少し違う…?というところがあった息子ですが、小学校は通常学級へ入学。しかし、そこからさまざまな困りごとが出てきてしまいました。息子の学校は登校後体操服に着替えて、そのまま一日過ごす決まりですが、息子は着替えませんでした。周りのお友達に「着替えた方がいいよ」と助言されても、なぜわざわざ着替える必要があるのか納得できない息子は、周りに合わせた行動がとれなかったのです。また、授業中手を挙げる大勢のお友達の「ハイ!ハイ!」の声や、休み時間の教室のざわざわした音が苦手で、耳を塞いでしゃがみ込んだり、それでも耐えられなくなると暴れてしまいました。体育の授業でドッジボールをやったとき、校庭の横を走る車に夢中だった息子(当時は、働く車が大好きでした)。ですが、ドッジボール中ですので、ぼんやり立っている息子は恰好の的です。当然ボールをぶつけられるのですが、すると息子は怒って相手の子に殴りかかってしまいました。そのほかにも机にぶつかった友達を「わざとやった!」と決めつけ、暴言を吐いたり追いかけ回したり…。家では、宿題で非常に苦労しました。つきっきりで教えて、終わるのが毎日夜8時過ぎなのです。そんなこともあり、先生の勧めでクリニックを受診し、検査を受けました。その結果、息子はアスペルガー症候群(現在の自閉スペクトラム症に含まれる)と診断されました。さらに聴覚過敏や偏食もあることもわかりました。保育園のときから感じていた「ほかの子と少し違う?」という違和感の原因が、やっとわかったと思いました。そして特別支援学級の先生が、「国語と算数だけ特別支援学級に通ってみたらどうでしょうか」と勧めてくださいました。おそらく、国語と算数の宿題に苦戦していたからだと思います。通常学級に在籍しながら、特定の教科だけ特別支援学級で受けるというやり方は、うちの学校では息子が初めてだったようですが、とてもありがたいものでした。※通常学級在籍の場合、個別の支援は「特別支援教室」もしくは「通級指導教室」で行われます。もしくは特別支援学級に在籍し、特定の科目を交流級にて受ける形をとります。この体験談のお子さまについては、学校の判断により、通常学級に在籍しながら一部の科目について特別支援学級で受けています。Upload By ユーザー体験談プロの技に感服!特別支援学級の先生の工夫は至れり尽くせり1年生の2学期から、息子は国語と算数の授業を特別支援学級で受けるようになりました。少人数で静かな環境が本人に合っていたのか、息子は特別支援学級の授業を集中して聞くことができました。そして特別支援学級の先生は、発達障害児がどこにつまずきやすいのかを分かっていて、教え方もさまざまな工夫をしてくれました。息子は国語が大嫌いでした。「わ」と「は」の違いが分からず、「、」や「。」の間の開け方や「ば」や「ぱ」などの濁点も見間違えてしまいます。それを指摘すると暴れてしまい困っていたのですが、特別支援学級の先生は、教科書読み上げのCDを使って、読み方を教えてくれました。すると、目で見るだけでは分かりづらかった違いを意識できるようになり、すんなり頭に入ったようでした。筆圧が弱く、フラフラ書きや文字のバランスが悪い息子の文字についても、十字線のあるマスの大きなノートを使い、「それぞれのマスには、どんな形が入るかな?」とクイズ方式で楽しみながら取り組んでくれました。Upload By ユーザー体験談息子は算数は好きで、足し算引き算は暗算していましたが、「=」を書き忘れる、また、「+」と「-」を見間違えることがあり、荒れることがありました。ただ、得意な科目のため通常よりも速く学習が進み、一年生の終わりころからは、掛け算のCDやパソコンを使うなど、視覚と聴覚の両方を使って教えてもらえました。息子に合ったやり方なので、ストレスなく覚えられたようです。また、コンパスの使い方も早めに練習してくれ、至れり尽くせりでした。息子はバツをつけられることに対して強く反応し興奮してしまうのですが、特別支援学級ではそんな息子のため、一番最初に合っているものを赤でマルにし、やり直して正解をもらうと、今度は息子の好きな色でマルがもらえるという工夫をしてくれました。この方法で少しずつ息子のイライラも軽減されました。一方、私は発達障害の本を図書館で借りてきて読みあさり、そこでイヤーマフを知りました。これを使用できればイライラが少しは軽減するかも!と思い、すぐに学校側に相談して使用許可を頂きました。何個か購入して本人が気に入ったものを使用するようになり、息子はずいぶんと楽になったようです。使わなかったイヤーマフは、同じような苦しみを味わうお子さんが1人でも減らせればと特別支援学級に寄付しました。こうして特別支援学級の先生のおかげで、息子は不登校になることもなく、無事中学生になりました。Upload By ユーザー体験談「俺は、恵まれた環境でここまでこれた」という息子の夢を応援したい中学生になってからも、小学校と同じように、国語、数学、そして英語の授業を特別支援学級で受けました。しかし、「板書ができないのはサボっているからだ」とある教科担任の先生から言われ、クラスでちょっとイジメにあってしまった息子は、一週間に1、2度休むようになってしまいました。私は傷ついた息子を何とかサポートできないかと、再度発達検査をして診断書をとり(ここでLDの診断がでました)、それを息子に関わる全ての教職員にコピーして渡しました。LDがあるから板書ができないと合理的配慮を求めたのですが、通常学級だとノートの提出があり、成績に関わると言われたため、中学2年生から特別支援学級に所属することになりました。このおかげで休みがちだった息子は不登校になることもなく、高校にも無事に合格したので、早めに判断して在籍学級を移ってよかったと思っています。中学卒業後は、特別支援学級がある高校が住んでいる地域になかったため、週3日通う通信制の高校を選択しました。出席日数で大学の指定校推薦が受けられなくなると息子の抱く「将来の夢」の実現が危ぶまれるため、あえて通信制高校にしたのです。息子の将来の夢は「特別支援学級の先生」です。実は息子は、父親を4歳で亡くしています。息子以外わが家はみんな女性ばかりです。特別支援学級の先生は、困ったとき力になってくれた身近な男性です。そして卒業するまでの6年間、勉強だけでなく、さまざまなことを教えてくれました。運動会の組体操、逆立ちの仕方。林間学校の飯盒炊飯の事前練習。修学旅行前には銭湯にも連れて行ってくれ、男風呂の経験もさせてくれました。息子は先生がとても大好きでした。きっと、うっすら覚えているかどうかの父親と重ねていたのかも知れませんね。Upload By ユーザー体験談息子は、自分と同じように困っている子どもたちをサポートしたいと言っています。「俺は、恵まれた環境でここまでこれた。障害を持っていても、諦めなくていいって、先生が教えてくれた。俺に関わった人達に感謝したい」勉強だけでなく、息子の人生に大きな、いい影響を与えてくださった特別支援学級の先生には感謝してもしきれません。イラスト/keikoエピソード提供/しのっぺ(監修:室伏先生より)特別支援学級へ通われることになった経緯、特別支援学級での学習の工夫などについて具体的に共有くださりありがとうございました。素晴らしい先生方に出会えて、息子さんに合う方法で学ぶことができたこと、本当によかったですね。私も息子さんの夢を応援したいと思います。学習障害のあるお子さんは個々の苦手に合わせた学習が必要ですが、通常学級の生徒の数では個々に合わせた支援は難しいです。このお子さんの通われていた学校では一部の授業だけを特別支援学級で受けるという柔軟な形をとってくださったとのことですが、どの地域でもそのような支援が受けられるわけではなく、悩まれている親御さんも多いことと思います。通級指導教室に通っているお子さんもいらっしゃいますが、頻度として十分ではないこと、学習障害への個別指導に対応してくださる先生がいらっしゃるかどうかに依存してしまうこと、テストや試験においての配慮は受けにくいこと、など課題はたくさんあります。学習障害で読みや書き、計算などに困難さはあるけれど、知的障害はない場合、特別支援学級に在籍することは難しいこともありますし、在籍できたとしても、困難さのない範囲の学習に支障をきたす可能性や、学習以外の生活の場面で必要以上の制限を受けてしまう可能性などがあります。困っているお子さん全員が、一人ひとりにあった柔軟な教育、配慮が受けられる社会になるといいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月17日1歳半健診後、発達教室に通うが…1歳半を目前にやっとひとり歩きができるようになった息子は、運動面の発達も遅く、指差ししない、呼んでも振り向かない、円盤状のものをひたすらクルクルと回すのが好き、表裏色の違う布をひらひらし続けるなど、特性が顕著に現れていました。1歳半健診で息子の発達で気になっていることを相談し、ひとまず保健センターが行なっている発達教室に通うことになりました。その発達教室のカリキュラムは、約2ヶ月間で1クールとなっていました。生後3ヶ月の娘を連れて週一回、2時間の教室…その教室に参加している間娘は預かってもらえるものの、1歳児と0歳児を連れての外出はなかなかのものでした。やっとみんなの準備を終えて出発しようとしたら、娘がうんち…なんてことも多々あり(赤ちゃんあるある…)、教室に着いてから娘を預ける際も、初期の人見知りがはじまった娘がギャン泣きでメンタルをやられ…。夜間授乳で寝不足、産後でまだまだガタガタの身体で、母親の存在をフル無視で走っていく息子を追いかけ回さねばなりませんでした。そのころの息子は横目(つまり前を一切見ない)で壁ギリギリを走るという感覚遊びにハマっていて、教室でもやりまくっていたのでお友達にぶつかりそうになったり、転びそうになったり…本当に目が離せませんでした。…壁じゃなくて遊具で遊んでくれ!!(懇願)Upload By 海乃けだま教室の後も問答無用のカオスタイム。人に頼ることが苦手だった私も…発達教室の時間はいつも午前中だったので、終わるのはちょうどお昼の12時前でした。2時間みっちり遊んだ息子は体力も気力も使い果たし、歩くのも拒否して激グズり…そこに教室の間ぐっすりとお昼寝をして腹ペコの状態の娘も加わり、帰りの車内はギャン泣きの大合唱でした(私も泣きたいわー!!…ついでに泣いていました。笑)。Upload By 海乃けだま家に着いてから授乳と昼食の用意、そして食後は元気いっぱいの娘をなだめながら息子のお昼寝…それまで私は人に頼るのが苦手でしたが、もともとのキャパシティーも少ないため、寝かしつけの間に義両親に娘を預かってもらったり、娘のお昼寝中に息子を散歩に連れて行ってもらったりしなければ乗り越えられませんでした(今では義両親に頼りまくって育児しています。母として強く…図太くなりました。笑)。発達教室が終了し、発達検査をしてもらった結果は…2ヶ月ほどで発達教室の1クール目のカリキュラムが終了し、いよいよ発達検査をしてもらう日がやってきました。1歳10ヶ月で受けた発達検査の結果は「10ヶ月程度の発達年齢」でした。"10ヶ月程度"その言葉で頭がいっぱいでした。反応の少ない息子の興味を惹こうと一生懸命話しかけてきたけれど、息子には届いていなかったのかと…息子と過ごした1年間が"なかったこと"にされたような気持ちでした。いざ、病院へ。予約は2ヶ月先までいっぱい!?児童精神科の現状。忘れられないクリスマスとなった日。10ヶ月程度の発達年齢と言われた検査の後、保健師さんは児童精神科へ紹介状を書いてくれました。発達障害についてなんの知識もなかった私は、発達障害の病院受診の現状をそこで初めて知ることとなるのです…。初回の受診は月に2回指定の日があり、朝6時から配布される整理券をもらい、病院が開く8時に再び来院し、整理券の順に翌々月の予約を取れるというものでした。0歳児と1歳児を連れて何度も病院を往復…できるわけないので、夫に仕事を休んでもらいました。予約が取れたのはちょうどクリスマスの日でした。受診日当日は「今日でもしかして診断がつくかもしれない…」と、ドキドキしながら診察の時間まで落ち着きませんでした。いよいよ診察の時間になり、診察室に呼ばれました。医師の顔も見ることなく、真っ先におもちゃのある方に向かっていく息子。日々の様子や指差し・発語について聞かれた後、医師はペンライトを持って息子の方へ。医師「海乃ひとで(息子の名前)くーん。」息子「……。」返事どころか振り向きもしません。医師「ひとでくん、ちょっとあーんってして?」ペンライトを光らせ、息子に見せる医師息子「…!あー!」ペンライトを欲しがる息子医師「あーん、は?できる?」息子「んー!!」ペンライトを頑なに欲しがる息子医師「お母さん見て。ひとでくん、このライトしか見てないでしょ。さっきから私と一度も目が合わないんです。人に興味が薄い子はね、人じゃなくて物を見るんですわ。」Upload By 海乃けだま医師からの言葉で、それまでの息子を育児してきて感じていた違和感がストンと腑に落ちた気がしました。結果は「自閉スペクトラム症疑い」でした。「あぁ、やっぱりそうか…」と思う反面、疑いという形ではありましたが、自閉スペクトラム症の可能性があると言われたことに、ショックを隠しきれませんでした。その後に看護師さんが療育に通うための通所受給者証の申請や特別児童手当について話してくれましたが、ほとんど耳に入ってきませんでした。ついに自閉スペクトラム症と診断。療育先探しへ年が明けてから、通所受給者証や特別児童手当の申請を行いました。受給者証を申請してから交付されるまで、2~3ヶ月かかるため、その間に2クール目の発達教室に通うことになりました。相変わらず壁際スレスレを横目で走っていく息子を追いかけまわしていました。2クール目の教室も終了し、児童精神科の再診日が来ました。診察の結果、息子は「疑い」ではなくはっきりと「自閉スペクトラム症」と診断されました。初回の診察のときほどのショックはなかったものの、その日にはっきり診断がついてしまうとは…(涙)。でもいつまでも落ち込んではいられません。私は息子の療育先を探すため動き出しました。保健センターの保健師さんから療育施設の資料をもらいましたが…無知な私には、息子にどんな支援が必要なのかさっぱり分かりませんでした。保健師さんにアドバイスをもらいながら、親子通園クラス・単独通園クラス・並行通園クラスに加え、個別療育(OT・STなど)もある療育先に見学に行きました。新設されたばかりで、施設も綺麗で先生達もとても親身で明るく親切で…ちょうど空きがあり、さらに娘の保育もしてくれる!!「運命や!ここしかない!ここがいい!!」とその日のうちに決めて帰ってきました。結局1ヶ所しか見学に行きませんでした(笑)。支援利用計画を引き受けてくれない…繁忙期の事業所。そこに現れた救いの手。療育先が見つかりホッとしたのも束の間、今度は「障害児支援利用計画」を作成してもらう相談支援事業所を探さねばなりませんでした。とりあえず家から近い何件かに連絡してみるも、繁忙期だったこともあり、全て断られてしまいました。「せっかく療育先も決まったのに、こんなところで足踏みせなあかんなんて!!」と最後の望みで連絡した事業所。最初はやはり断られそうな雰囲気でしたが、私の必死さが伝わったのか「お母さんのその必死な気持ちに応えてあげたい」と特別に引き受けてくれました。後日、その方が面談のために家庭訪問に来てくれましたが、息子を見て「お母さん、この子は大丈夫。ちゃんとしゃべれるようになるからね」と勇気づけてくれました(涙)。その後、無事に療育に通えるようになった息子は、めきめきと成長しました。療育に通い始めてから約3年(母子通園クラス1年、単独通園クラス2年)、今では一日中ずーーーーーーっとしゃべっています。今年の4月から、息子はこれまで通っていた療育園から幼稚園に転入しました(今は週1回並行通園クラスに通っています)。やはり定型発達のお友達より1歩も2歩もゆっくりですが、お友達に助けてもらいながらも遊んでいる姿を見ると、療育で頑張ってきて良かったと感じています。Upload By 海乃けだま執筆/海乃けだま(監修:室伏先生より)児童精神科への受診と診断、そして療育へ繋がるまでのご苦労やお気持ちについて共有してくださり、ありがとうございました。中でも、「反応の少ない息子の興味を惹こうと一生懸命話しかけてきたけれど、息子には届いていなかったのかと…息子と過ごした1年間が"なかったこと"にされたような気持ちでした」というお言葉が印象的でした。お母さまのお気持ちを想うと、私もとても悲しい気持ちになってしまいました。お子さんが療育を受けること、療育を通じて支援者が正しい知識、テクニックを学ぶことはもちろん大事ですが、療育で最も大事なことは、お子さんにコミュニケーションの楽しさ、喜びを知ってもらうこと、気づいてもらうことです。自閉スペクトラム症のお子さんには、言葉を含む他者とのコミュニケーションへの興味が高まり、ぐんと伸びる時期があることが多いです。お母さまがひとでくんに対して、赤ちゃんのころから抱きしめたり、一生懸命話しかけた結果、ひとでくんの内面に他者、そして言葉への気づきや、興味が少しずつ育まれ、それが幼児期になってから言葉がぐんと伸びる土台になったのではないかと思います。また、療育への通所開始後も療育施設でもらったアドバイスをもとに、おうちでも療育的な関わりを実践されていたのではないでしょうか。ご家族の頑張り、そして、ひとでくんへの愛情が、ひとでくんの成長を促したのだと、私は思います。お子さんから期待するような反応が得られず戸惑い、どのように接したらよいのか分からず苦しみ、挫けてしまいそうになることもきっとたくさんありましたよね。同じようなお子さんをもつご家族にも、周りのサポートを受けて自らのケアもしながら、お子さんを信じて、言葉や笑顔を届け続けてほしいと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年07月14日40代、50代となると少しずつ親が要介護になる人も増えるのではないでしょうか。要介護になると急速に進行するのが「認知症」。国内認知症患者の数は2050年には1000万人以上にもなるという推計もあります※が、その中に自分が入らないためにできることはあるのでしょうか。介護付有料老人ホームの嘱託医である医師・駒形依子先生に聞きました。※「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学 二宮教授)を元に推計(厚生労働省)。各年齢の認知症有病率が上昇する場合の将来推計。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:厳格だった父が認知症に。たったひとりで介護をしていた母が電話口で泣いていて…【1】腸内環境を整える認知症を予防する食品として、よくEPAやDHAなどの成分が挙げられますがいかがなのでしょうか。「サプリメントなどでどんなに体にとって良い成分をとっていても、腸内環境が乱れていると十分に栄養を吸収できません。まずは便秘や下痢などをなくし、腸内環境を整えることが大切です。40代、50代女性で腸内環境が整っている人はほとんどいないと言っても過言ではありません。乱れた食生活や添加物などの影響はもちろん、更年期に入ると女性ホルモンのエストロゲンが減って組織が硬くなり、腸も硬くなっていくためです。腸内環境を整えるためにヨーグルトや納豆などが推奨されますが、体質によっては合わないこともあります。便秘や下痢にならない食習慣は人によって違うため、自分の体に聞いてみる、つまりいろいろな食品を試してみて便通が整うかどうかを確認することが大切です」(駒形先生)。【2】グチを言い合える仲間を持つ認知症予防としてよく言われるのが人との交流です。「もちろん、認知症予防に人との交流は欠かせませんが、特に必要だなと最近感じるのが、グチを言える友人の存在です。クリニックでも、医師や看護師にグチをこぼす方が多くいらっしゃいます。グチを言うことは悪いことではなく、広い視野で見れば認知症予防にもつながると思います」(駒形先生)。グチと認知症予防……。どのようにつながるのでしょうか。「40代、50代の更年期はイライラしやすい時期です。イライラをためこむと自律神経の交感神経が優位になり、血管がぎゅーっと収縮した状態になります。つまり、イライラした状態が続くと血流が滞り、脳への血流も悪くなります。血流バランスが悪いと、認知機能に関わる神経伝達物質も運ばれにくくなり、それが積み重なれば支障が出てくるのです。イライラを解消することで血管の弛緩が促されれば、血流バランスがよくなります。グチをこぼしてイライラを解消することが、認知機能の低下を抑えることにつながると言えます」(駒形先生)。【3】睡眠環境を整える睡眠環境と認知症も関係があるのでしょうか。「大いに関係があります。なぜなら、寝ないと人はリラックスできませんよね。脳の血流バランスを整え、神経伝達物質を運ぶためには、良質な睡眠をとってリラックスすることで副交感神経を優位にすることがとても大切です」(駒形先生)。良質な睡眠のために必要な要素をいくつか教えてください。「ここでは特に重要な5つを挙げましょう。①1人で寝るやはり同じ布団やベッドで寝ていると相手を意識してしまいます。深い睡眠には寝返りが必要ですが、相手に気をつかって寝返りができない方もいます。また、適温と感じる室温も違っていたりと、寝るときは1人の環境がベストと言えます。②スケジュールにこだわらないこの時間に寝ないとダメ、この時間に起きないとダメ、とルールが多すぎると、それができなかった場合ストレスになります。スケジュールはゆとりを持たせることが大切です。③食事は寝る3時間前までに済ませる寝ているときは、消化吸収機能が最低限の力で動いています。それが食べたものが胃腸に残っていると仕事が増えてしまいます。例えば疲れを取るという仕事を体がしようと思っていたのに、追加で消化吸収の仕事が来るとエネルギーが奪われれ、疲れを取るという仕事ができなくなってしまうのです。胃腸の疲れ=体の疲れなので、胃腸に追加の仕事を与えないことが大切です。④夕刻以降のアルコール・カフェイン・ニコチンは控えるアルコール・カフェイン・ニコチンは交感神経を優位にしてしまい、リラックスができません。寝るときはリラックスした環境が必要です。⑤夕刻以降の過剰な水分摂取は控える過剰な水分摂取は頻尿の原因になるので控えましょう」(駒形先生)。まとめ認知症を少しでも防げる方法として「腸内環境」「グチが言える仲間」「睡眠環境」の3つを駒形先生に挙げてもらいました。取り入れやすい方法をできる範囲で始めてみてはいかがでしょうか。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/mido(50歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年07月09日わが家は三人姉弟。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある中1長女と弟の関係は…広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、中学1年生。2人の弟(長男・小学1年生、次男・1歳9ヶ月)がいます。人に子どもの年を言うと…Upload By SAKURA「一番上が中学生なら楽だね!」「下の子の面倒見てもらえるね!」と、よく言われます。一般的には、中学生となると、もう1歳児を任せてもいいような年齢でしょう。私が住んでいる沖縄では、子だくさんの家庭が多く、一番上と一番下の年齢が離れているのは珍しいことではありません。Upload By SAKURAそのため、一番上の子が下の子を抱っこして買い物していたり、遊び相手になったり、率先して面倒を見ている場面をよく見かけます。しかし、わが家で一番上の子にあたる娘は、小さい子どもの相手、世話がとても苦手です。小さな子どもが嫌いなわけではありません。弟たちが産まれたとき、とても喜んでいましたし、次男が産まれたばかりのころは、ミルクをあげたい!と言ってくれたり、ゲップをさせてくれたり、眠る次男を「かわいい!」と言いながら、長い時間見つめていたほどです。弟たちのことが大好きですし、よそのお家の赤ちゃんを見かけると、「かわいい~!」と寄っていくほどなのですが…小さい子どもにどう接していいか分からないのです。Upload By SAKURA娘はコミュニケーションが苦手という特性があります。・話すことが苦手自分の気持ちを言葉にして、相手にスムーズに伝えることができないため、時間をかけて聞かなければ、娘の気持ちを全部聞くことはできません。・察することが苦手周りを見ることが苦手なため、人に合わせることも難しいです。人を見て、気持ちを想像することが苦手なので、相手がどんな気持ちか、言葉にして代弁するフォローが必要です。そんな苦手を持つ娘にとって、まだしゃべることができない次男は、苦手要素の塊。くわえてコロコロと気分が変わる、イヤイヤ期の次男。そんな2人は…Upload By SAKURA状況から察して、今邪魔したら嫌がるのでは?という相手の気持ちの想像がつかなかったり…Upload By SAKURAうまくしゃべることができないながらも、何かを伝えようとする次男を見て、そのときの周りの状況から、次男が言いたいことを推理することができなかったり…。ちょっと関わるだけでも、うまくいきません。娘に次男を見ているように頼むと…Upload By SAKURA見ててと言えば、本当に見るだけ。まだ寝返りもしない赤ちゃんだったころは、「見る」だけでもよかったのですが、自我が芽生え、イヤイヤ期のいたずらっ子である1歳児の次男は、見るだけでは足りません。中学生ともなると「見ててね~」と言うだけで、ある程度は伝わりそうなものですが、娘の場合、「見る」という言葉に含まれた意味と、具体的な内容を言葉にして伝えなければいけません。Upload By SAKURA短時間でも次男を娘に任せるときは、何をどうしてほしいかなど具体的な話をする必要があります。娘に、次男の着替えを頼むと…Upload By SAKURA1歳児は自分から動いてくれないという想像がつかず、いつまで待っても着替えが終わりません。次男と遊んであげてと頼むと…Upload By SAKURA遊び方が分からず、何も始まりません。次男のそばにくっついて回るだけなので、次男は嫌がって逃げてしまいます。娘に遊び相手を頼むときは「絵本読んであげて」や「ブロック出して、何か作ってあげて」など、具体的な内容を言う必要があります。なかなか次男の気持ちが分からない娘…私は娘の特性を分かっているので「仕方ない」と思う部分もあるのですが、周りの人からはどう見られているのか気になるところもあり…。「周りの人に娘のことをどう説明したらいい?」と、ちょっとモヤモヤしたエピソードはまた別のコラムで書いていければと思います。(監修:初川先生)きょうだい関係の中で、あーさんの特性がどう表れているかのエピソードをありがとうございます。あーさんは「察する」ことが難しいぶん、SAKURAさんや周りの大人が具体的な指示を出さないと、「多くの場合、こうするよね?」という察してほしい行動に至らないのですね。こういうときには、こうしてね。そうしたパターンも、下のきょうだいのお世話となると、きょうだいも日々成長していくため、この間はそれでよかったけれど、今はもうその段階じゃないということの連続、結果として臨機応変状況の連続となり、なかなかASD特性がある方にはつらいかもしれないですね。私はこのエピソードを読んでいて、「周りにどう思われるか」よりも、あーさん本人はどう思っているのかのほうに関心を持ちました。きょうだいが生まれ、かわいいと思っていても、なかなかうまくお世話ができない、成長してきてもまだお互いいい感じで仲良くできない。そのあたり、「小さな子どもは苦手だ」になっていないといいなぁと感じました。SAKURAさんが書かれていたように「小さい子どもにどう接していいか分からない」、そこを大事にしたいなと感じました。あーさんは分からないときに聞けるか、分からなそうなら周りの人はあーさんに分かるように教えられるか。あーさんの特性を尊重したうえでそうしたコミュニケーションが多く生じるといいなぁと感じます。地域のほかのお子さんらのように、自ら察して、自分から小さな子のお世話ができるといいのはその通りなのですが、しかし、それをあーさんに求めすぎると特性とのはざまでつらくなってしまわないだろうか、とも感じました。あーさんにはあーさんのペースや得意とするやり方、そして、初めてのことや曖昧なことに対しては具体的な行動を示されると取り組みやすいという特性がありますね。何よりあーさんもまだまだ成長の途中です。ほかのお子さんと比較するよりも、あーさんの成長や歩みを見ていくことこそ、あーさんにとっても、安心して大好きななーさんとの関わりが充実していくように感じます。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年07月05日性感染症予防として、コンドーム以外の対策があることをご存知ですか?実は、あるワクチンが性感染症の予防に有効なんです。みなさんの中にも、接種したことがあるかも……?監修医クイズを通して確認しましょう!早速クイズ!解説!“子宮頸がんワクチン”として知られているHPVワクチン。HPVとは、性交渉により感染するウイルスのこと。女性の50~80%が一生に一度は感染すると言われています。このようにHPVはごく身の回りにありふれたウイルスですが、まれに病気に進行することも。HPVが原因で感染する病気は、子宮頸がんや肛門がん、尖圭コンジローマなどがあります。尖圭コンジローマって?尖圭コンジローマという名称は、初めて聞く方もいるかもしれません。陰茎や腟や肛門にイボができる病気で、性感染症のひとつです。治療しても根本的に治すことはできないため、予防することが大切でしょう。このように厄介な性感染症ですが、HPVワクチンの接種により予防することが可能です!ただし注意点がHPVワクチンは接種時にすでに感染しているHPVは排除できず、すでに生じているHPV感染症の進行予防効果もありません。そのため、HPVに感染するリスクである性交渉を経験する前にHPVワクチンを接種することが望ましいとされています。また、HPVワクチンはすべてのタイプのHPV感染を予防できるわけではないため、HPV接種後も定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。さまざま病気をカバーするHPVワクチンHPVワクチンというと子宮頸がん予防の印象が強いですが、それだけではないんですね。今回は、HPVワクチンは性感染症にも有効です、という話でした。あなたの身体を守るために、しっかりと頭に入れておいてくださいね。もちろん、性感染症予防の基本であるコンドームの着用もお忘れなく。ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月05日漢方薬の「抑肝散」とは?神経発達症(発達障害)のある子どもにも処方される?自閉スペクトラム症には、イライラや過敏、癇癪など、その特性から生じる症状があります。これらを抑えるためには、環境を調整することが大切ですが、それでも難しい場合には、薬が用いられることがあります。抑肝散の「肝」は「怒り」を意味します。このことからも想像できるように、抑肝散は神経の高ぶりを抑える効果があるといわれている漢方薬です。神経の高ぶりを抑えることで、不眠の改善にも効果があります。もともと子どもの夜泣きに使われていたことで知られていますが、現在では大人の精神的な症状に対しても使われています。抑肝散は、神経が高ぶりやイライラを伴う不眠症、子どもの夜泣き、神経過敏などの精神症状に対して処方されます。筋肉の緊張を緩める働きもあるため、けいれんや手足の震え、ひきつけなどへの適応もあります。また、抑肝散によく似た名前の漢方薬に、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」があります。これは、抑肝散にチンピ(陳皮)とハンゲ(半夏)という成分を加えたもので、胃腸にやさしく、長期服用しやすいのが特徴です。抑肝散の特徴、効能、効果抑肝散は、複数の漢方の生薬を配合した漢方薬です。ブクリョウ、ビャクジュツ(またはソウジュツ)、センキュウ、チョウトウコウ、トウキ、サイコ、カンゾウが配合されています。「抑肝散加陳皮半夏」は、これにハンゲを加えたものです。抑肝散には神経の高ぶりなどを抑えて、筋肉の「つっぱり」「こわばり」などを緩める効果があります。それにより心と体の状態を良いものにしていきます。・イライラ感・不眠などの精神神経症状・手足のふるえ、けいれん・子どもの夜なき、ひきつけ「疳」が強いと言われる子どもに用いられることが多く、腹直筋が緊張していることも使用の目安となります。抑肝散は乳幼児や子ども向けの漢方薬となりますが、神経症、不眠症、さらには認知症や統合失調症、躁うつ病、てんかん、パーキンソン病など、さまざまな精神・神経疾患の補助薬として処方されています。抑肝散を服用すると、脳内の神経伝達物質であるグルタミン酸の働きが抑えられるため、神経を落ち着かせてくれます。セロトニン受容体への作用もあり、攻撃行動や不安を改善して心身を穏やかな状態にします。また、サイコには熱や炎症をさまし、腹直筋など筋肉の緊張をゆるめる作用が、カンゾウには筋肉の緊張を緩める作用があります。このように、本来は神経痛や不眠症、子どもの夜泣きなどの改善に用いられていました。しかし、現在では怒りっぽい、興奮しやすいといった認知症の周辺症状への改善効果があることが認められており、認知症に対しても処方されています。抑肝散の用法、容量は?病院で処方してもらえるの?抑肝散は、市販薬として販売されているので薬局で購入できますが、病院でも処方されます。通常、成人ですと1日分の7.5gを2~3回に分けて経口服用します。年齢や体重、症状により適宜増減が必要です。薬の形状は、錠剤、顆粒、内服液があります。飲むタイミングは、食前と食間が基本です。抑肝散に限らず、漢方薬は、食前か食間に服用します。食事の約30分前や空腹時に飲むようにしましょう。しかし、空腹時に胃もたれなどの症状が起こるようでしたら、飲むタイミングを医師や薬剤師に相談し、タイミングを変えるとよいでしょう。一般的に漢方薬の服用量は、成人と比較して、・7歳以上15歳未満:3分の2・4歳以上7歳未満は2分の1・2歳以上4歳未満は3分の1・2歳未満で4分の1以下と規定されています。年齢のほか、体重から量を換算する場合があります。また、病院で処方される場合は、症状や経過を見て量を調整することもあります。自分で増減せず、医師に相談しましょう。また、漢方薬独特の匂いや苦みがありますので、感覚過敏のある自閉スペクトラム症の子どもの場合、長期服用が困難なことがあります。感覚過敏でなくても、子どもにとっては飲みにくい匂いや臭みがあるので、飲み方に工夫が必要です。次のような方法をためすとよいでしょう。・細かくつぶしてココアや溶かしたチョコレートにまぜる・1歳以上ならはちみつに混ぜる(1歳未満の子どもは、「乳児はちみつボツリヌス症」)を発症する恐れがあるため、摂取することはできません)・薬を飲むためのゼリーオブラートに包んで飲む・水に溶かして製氷機で凍らせてから口にふくむ・アイスに混ぜ込んで食べる抑肝散に副作用はあるの?副作用としては、発疹などの過敏症や、食欲不振・胃部不快感・吐き気といった消化器の症状、倦怠感などがあらわれることもあります。重い副作用はまれにしかないと言われていますが、配合されているカンゾウ(甘草)を大量に服用すると、むくみや血圧上昇などの副反応が起きる(偽アルドステロン症)場合があります。カンゾウはほかの漢方薬にも配合されていますので、複数の漢方薬を服用している場合も、注意が必要です。重大な副作用としては、「偽アルドステロン症」のほか、次の4つが挙げられます。・心不全(息苦しさ、動悸、疲れやすいなど)・横紋筋融解症(手足のしびれ、痙攣、力が入らないなど)・間質性肺炎(から咳、息苦しさなど)・肝臓の重い症状(怠さ、食欲不振、吐き気、発熱など)これらの重い副作用は、頻度は高くありませんが、万が一、体の不調を感じたり、このような副作用の恐れがあると感じたりしたときは、服用をすぐに中止して医師や薬剤師に相談しましょう。抑肝散はどのくらいで効果が表れる?即効性が期待できる漢方薬ではありませんので、ある程度の効果が実感できるまでには時間を要します。そのため、2~3ヶ月は継続的に服用するのがよいとされています。しかし、1ヶ月ほど服用しても症状がよくならないときは、医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。抑肝散は自閉症スペクトラム症をはじめとした神経発達症の症状の改善に処方されますここでは、子どもの癇癪やイライラ、過敏などの症状にも効果がある漢方薬、抑肝散についてご紹介してきました。自閉スペクトラム症を根本的に治療する薬はありませんが、その特性からあらわれる癇癪やイライラなど、情緒面や行動面の症状をやわらげることはできます。漢方薬である抑肝散の服用もその1つです。抑肝散の歴史は古く、今から500年以上も前の中国の古典には「母子同服」といって、母子が同時に抑肝散を服用することで母子ともに気の高まりを鎮める効果があると記載されています。また、自閉スペクトラム症をはじめとする神経発達症の症状の改善には、環境の調整や、声かけの仕方・関わり方を変えるなどの取り組みもとても大切です。薬の服用と併せてほかの取り組みも行うことが大切だと言えるでしょう。漢方薬は、年齢や体重、症状によって服用する量を調整したり、服用する期間を決めたりします。効果がある薬には、副作用もつきものです。医師や薬剤師に相談し、一人ひとりに合わせて用いるようにしましょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月30日産院ではスヤスヤとよく寝ていた息子、退院したら豹変!?想像以上に大変だった新生児期。予定日より5日ほど早く産まれてきた息子。入院中、病室では全く泣くことなく良く眠る赤ちゃんでした。寝息も聞こえないくらい静かだったので、息をしてるか何度も確認していたのをよく覚えています。そして完全母子別室の産院だったので、授乳時以外は助産師さんがほとんどお世話してくれて、夜もぐっすり眠ることができました。ベッドに寝ているだけで、高級レストランのような食事が運ばれ、赤ちゃんはスヤスヤとよく眠り、母親としてやることは授乳だけ…。まるで天国のような入院生活でした(笑)。そんな入院中、唯一の不安は授乳でした。今思えば息子の吸啜(きゅうてつ)力も少し弱かったのと、私も初めての育児だったこともあり、30分以上かけて授乳しても体重を計り比べてみると1グラムも増えていないことがほとんどでした。しかしここでも、母乳が足りない分はミルクを足してくれる産院だったので、入院中に息子のお世話に大変さを感じることはあまりありませんでした(フラグ)。Upload By 海乃けだまいざ退院してくると、息子は入院中とは別人のように豹変しました(早すぎるフラグ回収)。産院では授乳の終わりと共に、抱っこだけでスヤスヤと寝ていたのに(むしろ授乳中に寝ていた。笑)、退院した途端に抱っこで歩きながらでないと寝なくなりました。しかも背中スイッチも装備され、産後ボロボロの身体でなんとか抱っこして寝かしつけても、布団に下ろすと目を開ける…(恐怖)。あの手この手でやっと布団に寝かせても、膝がパキッとなるだけで簡単に目を開ける敏感過ぎる息子。この終わりのないループを幾度となく繰り返し…気づくと次の授乳時間が迫っていました(白目)。Upload By 海乃けだま息子が寝ない間、気晴らしに見ていたのがスマホでした。当時の私の脳内は息子のお世話で育児一色だったので、自然と育児関連の記事を見るようになりました。少しでも気になることがあれば、スマホですぐに検索するようになっていました。そしてその習慣がいつしか産後のホルモンバランスと睡眠不足も相まって、思考をだんだんとネガティブにしていき…スマホの息抜き時間はいつの間にか“検索魔”となっていったのでした。真夜中の薄暗い部屋で調べれば調べるほどだんだんと怖くなり、さらに眠れなくなる…という悪循環でした(検索魔、本当良くないですよね。汗)。運動面の発達がゆっくりなのは少し気になっていたけれど、特性に気づかずに見逃していた日々…。1ヶ月健診を終え、保健センターの親子イベントにも参加するようになりました。そこで出会った息子と同学年の親子と仲良くなり、よく遊ぶようになりました。とはいいつつも、まだまだ家の中での生活が長かったので、あいかわらず膝が「パキッ」となるだけで起きる敏感な息子を起こさないよう忍びのような生活を続けていました。3~4ヶ月になるころにはだんだんと起きている時間も増えてきて、“検索魔”になる時間もとれなくなっていました。母子手帳の3~4ヶ月ごろの記録ページに「あやすと良く笑いますか?」という項目があるのに、息子が“あまり笑わない赤ちゃん”ということが少し気になってはいましたが、全く笑わないということはなかったため「こんなもんかな…」とスルーしていました(いや今検索してー)。そしてこれは下の子が産まれてから気づいたのですが、息子は赤ちゃんのころから物音に敏感なところがある反面、音のする方を気にして見ようとしたり、追視することがほとんどありませんでした。ママ友とは定期的に会っていて、子どもたちの成長・そのときの困りごとなど話し合っていました。離乳食が進まないことや、スプーンの持たせ方など話していましたが、息子はスプーン以前に手がベタベタするのを極度に嫌がり、手づかみ食べすらしていませんでした。このころから少しずつママ友との悩みがズレ始めていたように思います。8~9ヶ月あたりを過ぎたころ、少しずつ周りの子どもたちよりも息子の運動面の発達が遅れていることが目立つようになってきました。ハイハイやつかまり立ちする子どもが出てくる中、息子はお座りの一点張りでした。正確には、お座りの姿勢から動けない…の表現が正しいかもしれません。息子はそれまで寝返りをすることが一度もなく、自分でお座りの姿勢までもっていくことができなかったのです。私がお座りの状態にさせて、後ろに倒れてしまったときは起き上がれないので(寝返りをしないので)、泣いて私を呼ぶという状態でした。運動面の遅れを感じながらも、個人差だろうと安易に考え息子のペースでハイハイしてくれるのを待っていました。Upload By 海乃けだま集団健診で声をかけられるものの、様子見にしてしまった私…ちょうど息子が1歳になろうとするころは、バタバタしていてママ友と遊ぶ機会も減っていました。そんなとき、集団健診の時期がやってきました。相変わらずハイハイはできないものの、このころには息子も寝返りを習得していたため、お座りの姿勢まで自分で持っていくことができるようになっていました。健診の時間がちょうどお昼寝時間とかぶっていたこともあり、健診にきていたほかの子どもたちも泣いていたり、歩き回っていたりと、割といろんなお母さんたちが大変そうにしていました。そんな中、まだ歩けない息子は私が抱っこすると大人しく抱っこされていたため、特段大変とは思いませんでした(このときそう思ってしまったことが後々に響くとは知らずに…)。ほかの子どもたちが健診を終えて帰って行き、息子が呼ばれたのは最後の方でした。案の定お昼寝できずに不機嫌な息子は、発達検査のテストはほぼできませんでした。健診のころには今思えば分かりやすく特性が出ていた息子。手先の感覚が過敏で手づかみ食べをせず、一粒でもご飯粒が手につこうものなら、全力で手をブンブン振って払おうとするので、食後はそこらじゅうに米粒が飛び散っていました。また、机に置かれた「おしぼり」もすごく嫌がり、一切触ろうとしませんでした(“おしぼりの防波堤”を作っておけば、それ以上手を出してくることもなかったので、外食の際には重宝していました。笑)。そしてあまり笑わない・目が合いにくい、名前を呼んでも振り向かない・運動面もゆっくりでハイハイをしようとしない…指差しもしない。とにかく反応が少なかった息子なので、保健師さんも言葉を濁しつつ「育てにくいと思ったことはないですか?」と聞いてきましたが、私は初めての息子の育児で「こんなもんやろ」と思い込んでしまっていたのと、呼ばれるまでの間に私よりもっと大変そうな親御さんがたくさんいると感じていたので、こんな私が大変だなんて言えないと気持ちに蓋をしてしまったのです。そして…保健師さんの様子観察の提案に対する私の言葉は「大丈夫です」でした(あぁーーー…←心の叫び)。Upload By 海乃けだま今まで可愛いと思っていた行動が特性だった⁉︎メンタルはどん底に…1歳1ヶ月を過ぎたころ、息子はついにハイハイを習得し徐々に表情も豊かになっていました。このころに気に入っていた遊びは、表裏柄の違う薄っぺらい布や、葉っぱなどを目のすぐ横でヒラヒラとさせることでした。ある程度勉強した今ならすぐに、「同じ行動を繰り返す」という、ASDの特性の一つ「常同行動」では?とピンときますが、当時はただただ「ニコニコしながら布などを振る」その謎の行動が可愛くて仕方ありませんでした(親バカ炸裂)。Upload By 海乃けだまようやく新居への引っ越しも落ち着いたころ、ママ友と久々に会うことになりました。たった2~3ヶ月会わないだけでママ友の子どもは喃語から単語を少し話すようになっており、母親のお話に対して“はい/いいえ”の意思をしっかり示していました。このころの息子はと言うと、名前を呼んでも10回に1回振り向くかどうか、単語はおろか母親である私でも解読不可能な喃語パラダイスでした。未だに指差しもなく、欲しいものがあるときは「あー!!」とぐずるスタイルでした。それでも産まれてから片時も離れず、1日中一緒に過ごしていたので、指差しや発語がなくてもだいたいの息子の要求は汲み取れていました。…が、さすがに無知な私もこのころから「…あれ…なんか息子、ちょっと様子が違うかも…?」と思うようになりました。そう感じてからは児童館へ行っても、スーパーへ行っても、公園に行っても、同じ月齢の子どもを無意識に見ては、息子との差を比べてしまっていました。ただただ「息子と同じくらいの発達の子どもはいないか」と、自分を安心させたい気持ちだけでした。しかし…どこへ行っても息子ほど反応が少ない子どもはいませんでした。私の疑問の気持ちは確信に変わっていきました。それでも息子の時間は過ぎてゆく…1歳半健診を待てずに発達相談したあの日。次のステップへ進むために。真っ暗闇の出口の見えないトンネルに息子と2人きりでとり残されている心境でした。「妊娠中の食べ物がよくなかった?」「産むときに何かあったんじゃ…」「私の育て方が下手なせいで…」答えなんてないのに、自問自答を繰り返していました。発達障害は母体の環境や親の育て方は関係ないと言われていますが、自分を責めずにはいられませんでした。食事も喉を通らなくなり、1週間で3キロ痩せました。少しでも暇があれば発達障害について調べるようになり、“特性があったけど発達障害ではなかった”という記事を見つけては、ほんのひととき安堵するも、また目の前の息子を見ているとやっぱり発達障害があるんじゃないか…と育児が楽しめなくなっていた自分がいました。モヤモヤした気持ちのまま息子と過ごしていましたが、発達障害のことを調べていくうちに“早期療育”の文字が目に入りました。息子の貴重な幼少期、「少しでも早く環境を整えてあげたい!!」と1週間後に迫っていた1歳半健診を待てず、気づくと発達相談の予約窓口へ連絡をしていました。発達相談の日、保健センターの発達相談員さんに新版K式発達検査を実施してもらった結果、息子の発達年齢は「10ヶ月程度」と言われました。息子はそのとき1歳10ヶ月でした。頭によぎるのは、夜寝なかった乳児時代の息子、ヒラヒラと布を揺らして喜んでいた1歳のころ…あのときから行動に移していれば、息子にもっと早く療育を受けさせてあげられたのに…後悔ばかりが募っていました。Upload By 海乃けだま後ろばかり見ていた私でしたが、「とにかく息子のために今できることをできる限りやるしかない!」と夫と共に病院へ行き、療育先を探しに行きました。正直なところ今でも「息子にASDがなかったら、どんな子どもになったんだろう」と思わない日はありません。でもそんなとき、超楽天家な夫は「息子は息子やん!おもろいやん!」と私のネガティブな気持ちを軽く吹き飛ばしてくれます(吹き飛ばない日も多々あります(笑))。Upload By 海乃けだま私自身、息子が発達障害かもしれないと落ち込んでいたとき、藁にもすがる思いで見ていた発達障害に関する記事に背中を押してもらいました。この私の体験談が、誰かのお役に立てれば幸いです。執筆/海乃けだま(監修:室伏先生より)けだまさん、発達障害かもと思われたきっかけや、療育へ繋がるまでのエピソードを具体的に共有していただき、ありがとうございました。もっと早く療育を受けさせてあげられれば、と後悔があると書いてくださっていますが、1歳半健診よりも前に発達相談窓口にご連絡されたとのことで、とても早い段階で発達相談や療育につながれたのではないかと思います。もちろんお子様、ご家族が直面しているお困りの内容にもよりますが、3歳児健診で指摘されたり、就学前の段階で園の先生からご相談があったり、ということを契機に医療や療育につながる方が多いように思います。就学後や、成人になってから診断を受けられる方も少なくありません。自閉スペクトラム症の場合、1歳のお誕生日を迎える前の段階では、夜泣きや癇癪が強い、逆にとてもおとなしい、人見知りをしない、あまり笑わない・目が合いにくい、名前を呼んでも振り向かないなどの徴候が見られることもありますが、受診をしていただいてもその時点での診断は難しく、コミュニケーションの発達(言語発達だけでなく非言語的なコミュニケーションも含みます)、遊び方の発達、情緒の発達、感覚の偏りなどを見て、総合的に判断していくことが多いです。発達障害であるかどうかについて判断がつきにくい時期であっても、発達に関して不安な点があれば、ぜひ発達相談や受診を考えてみていただきたいと思います。けだまさんは、発達相談につながるまで、ママ友とも悩みごとを共有できないままに、お一人で悩まれたり、自分を責めてしまったりと、おつらかったですね。時間のかかる寝かしつけや、手の感覚過敏などもあり、育児も本当に大変だったことと思います。発達に関して相談することは、勇気のいることかもしれませんが、早期に療育機関につながりやすくなったり、関わり方のアドバイスをお伝えできたり、睡眠の困難さに対しては必要に応じて薬物治療を検討できたり(成人で使用される睡眠薬とは異なり、眠るためのホルモンを調整するようなお薬があります)と、いろいろメリットがあると思います。自閉スペクトラム症は関わり方が原因で発症するものでは決してありませんが、家庭でできる療育的な関わりにより、言語や社会性の発達を促すことも期待できます。1歳半健診では、言葉が出ているか、アイコンタクトや模倣、表情などの非言語的なコミュニケーションが育っているか、などを確認していますが、短時間の診察になりますし、個人差もあるため、多少のおくれがあっても指摘されないこともあります(3歳児健診も同様です)。健診で指摘がなくても、不安や違和感を感じた時点で相談を検討していただければと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月30日小学校からの呼び出し太郎は4歳のころに自閉スペクトラム症の診断を受けている。太郎は学校への行き渋りをまったくみせない。学校でのストレスについて話をしない。ストレスを分かっていない、だから話せないと表現したほうが近いのかもしれない。なので学校からの呼び出しには毎回驚いた。Upload By まゆん呼び出し場所は、毎回学校の保健室。学校の保健室の場所を保護者の中で私が1番把握しているのではと思うくらいだった。電話があれば仕事も早退し太郎のもとへ駆けつけた。太郎が小学生のころの職場も今の職場も、太郎について理解があり子育て世代も多かったため急な早退も快く許可してくださっていた。それでもやはりチームワークが求められる職業であるため、誰かにしわ寄せがあること対して申し訳ない気持ちが毎回あった。しかし太郎を心配する気持ちの方がはるかに大きく、職場に迷惑をかけているという気持ちをいつも振り切っていた。今回はいったい何があったのだろう、身体的な不調か、それとも精神的な不調か…そんなことを考えながら迎えに行っていた。保健室に着くと、保健室の先生が気づいて太郎に声をかけた。「太郎ちゃん、お母さんだよ」。そして太郎の表情を見て、「あ、お母さんが来たらちょっと表情が良くなったねえ、うれしいね」そんな声かけにうれしさと切なさをおぼえた。Upload By まゆん私は太郎に話しかけた。「太郎どうしたの?今も吐きそう?大丈夫?」。太郎は元気のない声で「分からない」、続けて「暑かった」そう答えた。Upload By まゆん毎回同じ。自分の体調不良の表現が難しいのか「分からない」と答える。あとはひどく苦手な暑さについてだけ答えが返ってくる。小児科を受診暑さと、何らかのストレスが重なったときに太郎は嘔吐をすることが多いと私は気づいた。例えば音楽会の前、運動会の前、とにかく団体行動の行事の前にこの体調不良がおきた。保育園時代から何回もあった。そうはいっても身体的に本当に病が潜んでいる可能性もあるため、それを否定する意味でも小児科を受診した。かかりつけの先生は太郎の特性を理解してくださっていた。私から見た太郎の様子や学校行事のことを説明すると「ふむふむ」とうなずきながら聴診器やペンライトを使用しての触診を始めた。先生は太郎に「うんうん、大丈夫、悪いところはないからね、太郎ちゃんちょっと疲れてるのかな」とあたたかく声をかけてくださっていた。身体的な所見に異常がないと分かると私も安心するし、病院を受診することで太郎もなんとなく気持ちのリセットができているように見えた。それからも、太郎は学校を休もうとはしなかった。もちろん私からは休むことの選択肢もあることを伝えていた。家では食事もおいしそうに食べていて吐き気や嘔吐もないため、太郎の「学校に行く」という意志と体調面を担任の先生に伝え、通学させていた。Upload By まゆんこの症状は保育園の年中から始まり、中学2年生になった今でも続いている。ただ、回数は小学6年生のころから減ってきていて、年に1回ほどになっている。こういう出来事を何回も繰り返し、乗り越えて、また繰り返しの太郎。太郎の真面目さ、前向きさにはいつも感心している。太郎は小学校中学年からかかりつけの先生が変わりました(先生が引退されたため)。かかりつけ医が変更になったときはそれはとても不安でしたし、特性を理解してもらえるように私からポイントを先生に伝えていました。紹介状も持っていってたのでそちらでも伝わっていたとは思います。太郎も主治医が代わったことや病院が変わったこと、環境の変化に敏感になっており「ここどこ?」「なにするの?」などきょろきょろと挙動不審になったり先生の前でも固まったりと緊張をしていましたが、今では笑顔も出るくらいになっています。私の説明や太郎の特性を受け入れて、「ふむふむ」と話を聞いてくださった先生にはありがたい気持ちでいっぱいです。保護者がわが子の特性や傾向を理解すること、それを周りに伝えられることが、先生にとっても私たちにとっても重要になってくると今までの経験から感じています。チームをつくるという感じでしょうか…。執筆/まゆん(監修:鈴木先生より)嘔吐の症状が続いている場合、自閉スペクトラム症だけが原因とはまず考えられないため、私のクリニックでは一度検査をされることをおすすめしています。一般的には、発熱せずに周期的に嘔吐する場合は周期性嘔吐症、いわゆる自家中毒と考えられています。ほかの病気を否定するために、脳波・CT・採血などさまざまな検査を行うこともあります。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月28日わが家の3人の子どもたちをご紹介!Upload By 安田ふくこはじめまして。3人の男子&夫と暮らしてます、安田ふくこです。これまで、ブログやSNSで子どもたちの発達のことや日々の様子を記録していましたが、これから発達ナビでも、過去や現在のことをコラムで書けたらと思っています。まずは、わが家の子どもたちをご紹介します!・長男ハル(高校1年生、ASD・ADHDの診断)・次男ツトム(小学6年生、ADHD・ASDの診断)・三男ケイ(小学3年生、診断なし)長男ハルが診断を受けたのは、小学4年生のときです。赤ちゃんのころは、よく笑って泣いて、とても表情豊かな子どもでした!幼少期はとにかく多動!!私はハルを連れては日用品の買い物もまともにできず、早々に宅配サービスの利用に切り替えました…。言葉は2歳半くらいから発達してきましたが、しゃべる内容が分かりづらく、おっとりマイペースでコチラの話もあまり伝わらない…意思の疎通にとっても苦労した記憶があります。でも、基本は人との争いが非常にニガテな、とても優しい男の子でした。中学時代はバスケ部に所属しました(原則運動部に所属しなければならない中学でした)。でも、その「人と競い合うことがニガテ」なところは変わらず…。たくさんのことに葛藤していましたが、引退まで頑張り抜きました。今でも日課としていた4kmのジョギングや筋トレを、毎日欠かさずやっております。高校1年生の現在は、とにかく自分のルーティンがハッキリしていてそれを崩されるのがイヤみたいです!前述したジョギングや筋トレの時間をはじめ、自分で決めた勉強の時間、通学ルートなど…。環境が変わったり、予定外なことに遭遇したり、変更を要求されるとプチパニックに…(汗)。よく言えば自分が決めたことを貫くってことですが、『ときと場合』や『周囲との折り合い』についても、もうそろそろ考えられるようになると良いなと思います!一方、小学6年生の次男ツトムは、年長さんのころに診断を受けました。小さなころから現在に至るまでとにかく興味のあることが多く、ハマるとそれしか見えなくなる!呼びかけの声もほとんど聞こえなくなってしまいます。小学生になったころからずっと今も、ツトムがハマっているのは自然(虫、植物など)に関することや、宇宙、地理、国名、鉱石、菌など、種類もさまざま!親の私も分からないことだらけで…質問に答えられないこともしばしばです。それから兄ハルを上回るほどに、ゲームも大好きなので、ゲームやりたさに急いで走って帰ってきてコケてしまったり、ゲームの世界が始まれば、周囲の声かけが聞こえなくなったり…。時間を守れずに、パパに叱られることもよくあります。高学年となり、今はずいぶん切り替えられるようにもなってきましたが、どうしても頭の中は好きなことが占めるので、それ以外をするのが苦痛でたまりません。なので『集団行動』が基本の学校という場所で、よくツラくなってるなと思うことが多くありました…。Upload By 安田ふくこ発達障害のある長男と次男。診断名は同じでも、特性の現れ方は全く違っていて・・・長男ハルと次男ツトムは2人とも、「自閉スペクトラム症(ASD)とADHD」と診断名こそ同じですが、母の私からみていても、おもてに現れる特性が大分違います!それについて私自身も、興味を持ってみております。医学的なことは素人なのでよく分からないのですが、母親の私の視点からみていると、長男はどちらかといえば「ASD」、次男は「ADHD」っ気が強いんじゃないかな?と思っています。(以前、子どもたちの主治医に、ASDとADHDの特性の違いについてたずねたことがあるのですが、あまり詳しい説明を聞くことはできず。わが家の子どもたちに見られる特性が、ASDとADHDのどちらに由来するものなのかは、よく分からないままとなっています…。)Upload By 安田ふくこ今後のコラムで、ハルやツトムの幼少期に現れていた発達の特性、私が日々子どもたちに接している中で感じること、また反抗期ならではの困りごとなども書いていけたらと思います。大きくなっても騒がし…いやにぎやかな毎日ですが…みなさんどうぞよろしくお願いいたします!執筆/安田ふくこ(監修:新美先生より)安田さんはじめまして。個性豊かなごきょうだいのご紹介を読ませていただき、これからのコラムが楽しみになりました。息子さんたちは、それぞれに「自閉スペクトラム症とADHD」という同じ2つの診断名がでているけれど、それぞれおもてに出ている特性が異なっているのですね。これはとてもよくあることで、そもそも「自閉スペクトラム症」という1つの同じ診断名でさえ、特性の現れ方はさまざまです。また自閉スペクトラム症とADHDが合併していることも多いのですが、こだわりが強いと言われる自閉スペクトラム症とこだわらない・引きずらないことが1つの特徴でもあるADHDという一見真逆にも思われる特性が1人の中に共存しているのですから、特性の現れ方は人それぞれ多彩です。また年齢によって前面に目立ってくる特性が変化していくこともよくあります。安田さんの今回の記事からは、確かに長男さんの「自分の決めたことを貫く」というのはどちらかというと自閉的、次男さんの「興味が多彩」というところはADHD的に見えるところかもしれません。自閉特性なのかADHD特性なのかということは、考えているとけっこう面白くて話のネタにもなりますが、いろんな要素が影響することで一概には言いにくいところもあり、いずれにしてもご本人を理解する考え方の切り口の一つにしていくとよいかとは思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月26日姿勢維持のサポートグッズを試すもうまくいかず…ゆきみ(以下、ーー):小学2年生、自閉スペクトラム症のある長男けんとは、姿勢維持が苦手。食事のときは、まっすぐな姿勢で食べていられることが多いのですが、それ以外のときは椅子に座ると姿勢が悪くなってしまいます。特別支援学級での授業を見学させていただくと、机に伏せてしまったり、座面に膝をのせてエビぞりのような姿勢をとったり、あぐらをかいたり…と、まっすぐに座れている時間がとても少なかったのです。通っている学校の交流級での授業は、姿勢維持を大事にされているようで、サポートをしてくださる先生が、2~3分間に1回くらいの頻度で姿勢を正していました。Upload By ゆきみ学校から「姿勢の維持が難しいです」と何度も指摘があり、インターネットや本で調べて、いくつかのサポートグッズや対策方法を試してみました。骨盤サポートクッションを購入したり、椅子の足に「踏む感覚」を得られるゴムひものようなものを張ってみたり、小さなツブツブのついたバランスクッションを敷いてみたりしました。今もそれらを愛用していますが、それでも姿勢を維持するのが難しい現状です。さらに何かやれることはあると思いますか?何をどうしたらいいのか、もう分かりません。Upload By ゆきみ100%ではなくても…まずは環境調整をしてみましょう野田先生:すでにいろいろ試されたようなので、一周まわっている前提でお答えさせていただきます。姿勢が崩れやすい理由や背景はさまざまです。例えば、・人間には筋肉の緊張をとらえるセンサーがあり、ある程度、適切な筋肉の張りを自動的に保てるようになっているのですが、張りを保つのに努力が必要で、疲れやすい人がいる。・感覚的に姿勢が崩れていることに気づきにくい人がいる。・椅子と机の高さがあっていないなど、適切な大きさや形の道具を使えていない場合がある。・学習レベルが合っていない場合がある。難しくて分からない、つまらない、だと姿勢を保ちにくい。・多動性や衝動性が高く、じっとしているのが難しかったり、ちょっとした刺激で動いてしまったりする。など。姿勢が崩れることにはお子さまなりの理由があることを理解し、対応方法を考えることが大切です。アプローチの方法としては…・椅子や机の高さが身体に合っているか、確認する。・環境調整という意味でいうと、椅子に滑り止めシートを敷くと、頑張らなくても腰が椅子の前の方に滑りにくくなり、姿勢維持が楽になることがある。(クッションを使用する場合、クッションが滑るようならクッションの下に敷き、身体が滑るようならクッションの上に敷く)・感覚を求める傾向がある場合、足元に人工芝などの感覚刺激を入れられるものを置いてみると、感覚が入り落ち着く子どももいる。・合理的に立ってもいい時間をつくる。例えば授業中、答案用紙を教室の後ろや廊下に貼り、答え合わせをしに席を立つ時間をあえてつくることで、立つことへの感覚を満たすことができるのです。ほかにも、机上の勉強の前にトランポリンなどで5分ほど身体を動かすと、椅子に座れる時間が長くなるお子さんもいらっしゃいます。Upload By ゆきみ環境調整によって、無理のない形で座れる状況をつくり、適応的な形で身体を動かせる機会や環境をつくることが大切です。100%ではなくても、うまく場面を選んで姿勢を変えられればいいですね。すぐにできるように、というより…ーー:低緊張などで姿勢を維持するのが苦手な方は、今後もずっとこのままなのですか?野田先生:もともと筋肉の張りが緩めという可能性もありますが、「思春期に入り身体が大きくなって筋肉がついた」、「スポーツを始めた」など、身体の発達、経験でも変わってきますので必ずしも現状から変わらないわけではありません。Upload By ゆきみーー:身体を動かすことが大切なんですね?野田先生:手押し相撲、つなひき、手押し車、座りながらキャッチボール、マットを登るなどの遊びの中で体幹を使う場面を増やしてあげると、支えがしっかりしてくる可能性もあります。ただし、姿勢を保つための身体の変化には時間がかかります。「すぐにできるように」というよりも、特性を理解したうえで、「将来的には身体の成長やスポーツの経験などで少しずつ身体が変化することで、もしかしたら今よりも楽に姿勢維持ができるようになるかもしれない」と頭に入れながら、今は環境調整や遊びなどできるところから取り組まれたらいいと思います。ーー:ごはんのときだけ姿勢が崩れにくいのは理由があるのでしょうか?野田先生:活動の種類に応じたモチベーションの違いが関連しているのかもしれませんね。また、人は自然とその人にとっての合理的な動作や姿勢をとることが多いです。けんとさんの場合、ごはんを食べるときの道具の使い方や口にもってくる動作が、姿勢を保つことにフィットしているのかもしれませんね。対談を終えて対談後、家では滑り止めシートを試してみました。様子を見ていると骨盤サポートクッションからお尻がずり落ちている印象だったので、上側に敷くことに。以前よりズリズリ前にいかなくなり、姿勢をまっすぐできる時間が長くなった気がします。ほかにも身体を動かしてから勉強をしてみたり、途中で身体を動かす時間をつくるようにしています。最近、自ら椅子の前にバランスボールを持ってきて、足をのせてビョンビョンさせているときがあります。もしかしたら好みの感覚なのかもしれません。Upload By ゆきみけんとは人の話を聞くことが苦手です。学校の授業では「聞く」ことが多く、モチベーションを保つことが難しいのかなと思います。最近はテストのときや、書写で字をキレイに書く場面では、自ら姿勢をキレイにしてやり始めることがあるそうなので、持久力はないけれど「やらないといけないときはやる」と思うようになってきたのかもしれません。身体の使い方を遊びの中で身につけていくことで、天気がいい日はアスレチックのある公園へ行くようにしています。先生からの教えを胸に、「すぐできるように」というより、「いつかできるように…」という気持ちでやっていこうと思います。執筆/ゆきみコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月26日気温が高い日が増えてくると、気を付けていても熱中症になる人が増加します。本格的な暑さを迎える前に知っておきたい、熱中症や夏バテで体調を崩さないための対策について、女医の筆者がお伝えします。雨の日は熱中症にならない?熱中症と聞くと、晴れた日や暑い日になりやすいとイメージする方が多いかもしれません。しかし、雨の日でも熱中症になる可能性は十分あります。原因として考えられるのは、次の3つです。1.湿度の高さ雨の日は湿度が上昇します。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温調節が困難に。これが、熱中症を引き起こす原因になることがあるのです。2.服装や行動が適切ではない通気性の悪い雨具を着用すると、体温が上がりやすくなります。また、雨を避けるために換気の悪い場所に長時間いると、体温調節が難しくなることも。このような服装や行動は、熱中症を引き起こす可能性があります。3.自己認識の誤り「雨の日は涼しいから大丈夫」と、熱中症対策を怠る方は多いもの。そのような自己認識の誤りも、熱中症につながりかねません。雨の日であっても、体温調節に注意を払い、こまめに水分補給することが大切なのです。雨の日も熱中症対策は必要熱中症の原因は気温だけではなく、湿度や体調、行動なども影響します。特に、女性は月経周期によってホルモンバランスが変化することから、タイミングによっては体調に影響しやすい場合も。雨の日だからといって油断せず、熱中症対策を怠らないようにしましょう。気を付けたい! 熱中症の初期症状熱中症の初期症状は自覚しにくいこともありますが、次のような症状が出る場合は注意が必要です。頭痛脱水症状や体温調整障害による熱中症の初期症状で、頭痛が起こることがあります。めまいや立ちくらみ血流が低下し、脳への血液供給量が不足すると、めまいや立ちくらみを感じることがあります。だるさや倦怠感体が重だるく感じたり、疲れやすくなったりすることも、熱中症のサインです。食欲不振暑さで食欲が落ちることはありますが、食欲不振が続く場合は、体がストレスを感じている可能性があります。喉の渇き喉の渇きは脱水のサイン。水分補給が不足すると、熱中症のリスクが高まります。異常な発汗や発汗の停止汗をかきすぎる場合や、全く汗をかかない場合は、体温調整機能が正常に働いていない可能性があります。夏バテにも気をつけて!暑さで体が熱くなると、体をしっかりと冷やすために、多くのエネルギーを消耗します。これによって体力が消耗されると、倦怠感や食欲不振などの症状が出てくるのです。また、汗には塩分も含まれ、汗をかくと水分と塩分が失われます。特に、短時間に多量の汗をかくときほど、たくさんの塩分を失います。その結果、体内の水分・塩分バランスが崩れ、頭痛やめまいなどの症状が出たりするのです。この状態が続くと夏バテにもつながり、気付かない間に不調を引き起こしてしまうことがあります。熱中症や夏バテを防ぐ方法夏の暑さは避けられませんが、日頃から体力をつけておくことで暑さに対抗できます。大切なのは、なんといっても運動と食事の2つ。ここからは、具体的におすすめの対策を解説します。運動私たちの体は、汗をかくことで体温調整を行っています。日頃から運動する習慣をつけて、しっかりと汗をかける体づくりをしましょう。具体的には、ウォーキングや水泳、ヨガなどを早朝や夕方の涼しい時間帯に行うと効果的です。食事食欲がないときには、フルーツなど食べやすいもので栄養補給を。また、暑い時期は汗で大量の水分を失うため、こまめな水分補給が必要です。特に運動や外出時、食事のときなどは積極的に水分を取りましょう。水だけでなく、スポーツドリンクなどもおすすめです。ただし、味付けのために糖分が添加されているものも多いので、摂りすぎには注意しましょう。汗をかくと塩分も失われるため、暑い日に野外で活動をする場合は、梅干しを食べたり、味噌や醤油、ソースといった塩味を少し濃い目にしたりするなど、適度な塩分補給が大切です。無理せず夏を楽しむために暑い夏が近づくにつれ、体力の消耗や水分・塩分の不足によって熱中症や夏バテなどが起こりやすくなります。しかし、適度な運動とバランスの良い食事、こまめな水分・塩分補給により、体調を整えていくことができます。暑い時期も健康に過ごすために、これらの対策をぜひ実践してみてください。自分でできる対策に取り組み、暑い夏を乗り切りましょう。©︎Pheelings Media/gettyimages©︎ImagesBazaar/South_agency/Almaje/gettyimages筆者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年06月25日もうすぐ夏本番を迎え、注意しなくてはいけないのが熱中症です。最悪の場合、命を落とす危険性のある熱中症ですが、どのような対策をすることで防ぐことができるのでしょうか?JFA医学委員会の「スポーツ救命部会」の部会員で、東京オリンピックサッカー男子日本代表チームドクター、いわきFCのチームドクターとしても活動する福島理文先生(順天堂大学循環器内科准教授)に、「熱中症対策」について話をうかがいました。夏に屋外で活動するサッカー関係者、必読の内容です。(取材・文鈴木智之)<<関連記事:【梅雨時期も要注意】気温30度以下でもなる熱中症-知って防ぐ熱中症の正しい知識-サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■熱中症の症状熱中症とは、高温や湿度の高い環境に長時間いることで、体内の熱を外に逃がす調節機能が働かなくなった結果、体の熱が上がりすぎたり、体温が調節できなくなる状態を言います。熱中症の症状としては、以下のような症状が起きます。・めまい・吐き気・頭痛・失神・筋肉痛・筋肉の硬直・大量の汗・倦怠感(だるさ)・虚脱感(無気力になること)進行すると意識障害やけいれん、手足の運動障害などが起きます。なかでも気をつけたいのが、子どもの熱中症です。福島先生は「運動中の熱中症の多くが、10代の子どもたちなんです」と注意を呼びかけます。「サッカーの会場で熱中症になり、頭痛を訴える子やピッチで吐いてしまう子、ひどくなると、自分の力で飲み物を飲むことができない子などがいます。子どもは汗をかく機能が未発達で、更に小さなお子さんの場合は、背が低い分地面から強烈な照り返しを受けてしまうので注意が必要です」子どもの場合、熱中症に対する知識が少なく、大人ほどこまめに水分をとらないことや、積極的に日陰に入らないといったことも影響しています。大人が目を配り、声をかけてあげるのが良さそうです。サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは■湿度と風に注目!マスクしながらの運動は熱中症リスクが上がる熱中症対策の目安にしたいのが、WBGTと呼ばれる暑さ指数です。湿度、日射・輻射など周辺の熱環境、気温からなる指標で、サッカーの現場では専用の器械で計測しています。「熱中症というと、強烈な日差しや高い気温の下でなりやすいイメージがあると思いますが、湿度の高さも関係します。湿度が高いときや風が弱いとき、無風のときは、身体から熱を放散しにくくなり、体温が上がりやすくなってしまうのです」炎天下でマスクを着用するのも、熱中症のリスクがあるようです。「口元をマスクで覆うと、通気性が悪く酸素も取り込みづらくなり、二酸化炭素を吐き出しにくくなります。また、乾燥しにくいので、水分をとることを先延ばしにしてしまうこともあります。熱中症対策の観点からは、夏の暑い屋外では、マスクを外すことをおすすめします」■スポーツドリンクで水分と栄養を摂取熱中症対策として、サッカーの活動中に大切なことが2つあります。それが水分補給と身体冷却です。水分には大きく分けて水、スポーツドリンク、経口補水液と3種類ありますが、福島先生は「汗を大量にかくと、ナトリウムやカリウムが失われるので、それらが含まれているスポーツドリンクや経口補水液が望ましい」と言います。「スポーツドリンクにはブドウ糖も入っているので、エネルギーの補給になり、水分や塩分を効率的に吸収しやすくなります。経口補水液はナトリウムやカリウムの濃度がスポーツドリンクよりも高いので、熱中症になりそうな場面で使用すると良いと思います。クエン酸が含まれているものだと、疲労回復にも適しています」身体を冷やすことも、熱中症対策として効果があるようです。「選手の人数分、氷を用意するのはなかなか難しいことなので、水をかけてうちわで扇ぐだけでも効果があると思います。水分の蒸発とともに熱が体から逃げていくので効果があります。動脈や静脈がたくさん集まっている手のひらや足を冷やすのは特に効果的なので、バケツに氷水を作って手を入れたり、凍っている保冷剤を手で持つのも、身体を冷やす効果が期待できます」■衣類で熱から身体を守る、目を守るためにサングラスも日光を長時間浴びると、日焼けをし、疲労を感じます。それを防ぐために、帽子やインナーを着用するのも、熱中症対策として効果的なようです。「帽子は直射日光を防ぐことができますし、熱を放散しやすい素材で作られている、長袖のインナーを着ることで、直射日光をガードできます。インナーは汗を吸収し、通気性の良い素材のものを選ぶといいでしょう」大人の場合、目から入る紫外線にも気をつけたいもの。とくに長時間グラウンドにいる指導者にとって、目の健康を守ることはとても大切です。「将来的に視力が落ちるリスクを考えると、目を守ることはすごく重要です。指導者の方のように、毎日グラウンドに出て、強烈な日差しを浴びる環境に長時間いる人は、UVカットのサングラスをかけたほうがいいと思います」以上が、サッカーの現場でできる、熱中症対策の主な方法です。そして、熱中症対策でなにより大切なのは健康管理だそう。とくに睡眠不足や朝食をとっておらずエネルギーが不足している状態で激しい運動をすると、熱中症のリスクが高まるので、規則正しい生活を心がけましょう。「睡眠はとても大切です。睡眠不足だと体力が落ち、熱中症のリスクが高まります。しっかり睡眠時間を確保し、栄養をとること。その上で水分補給や身体冷却などを活用していただければと思います。」暑い夏を健康に乗り切り、サッカー選手としてレベルアップするためにも、健康管理を見過ごすことはできません。親子で体調に目を向けて安全に活動し、"成長の夏"を過ごしましょう!サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは
2023年06月23日大変すぎるショッピング。でも、家に置いていくわけにもいかず...うちの凸凹きょうだいのお兄ちゃんタケル(ASD・現在22歳)は、3歳ごろから非常に顕著に発達障害の特性が表れていました。興奮すると走り出してしまったり、ボリュームの調整が効かず大声を上げたり、また他人の声がうるさいと機嫌が悪くなったりします。そんなタケルを連れていくとなると、ショッピングモールやデパートはまさに「鬼門」。しかし、家に置いていくわけにもいかないのです...。発達障害3歳息子は、車から降りた瞬間に走り出す一般的な話でも、親子でショッピングに行ったときに子どもが手から離れたり、逃げ出したりすることはありますが、わが家の場合はその頻度が違います。Upload By 寺島ヒロ当時はよく「買い物してるときでも子どものことはちゃんと見てなさい!」とか、「手を放しちゃだめって厳しく言っておかないと!」などと言われていましたが、そんなレベルじゃーないのです。駐車場に停めた車から降りた瞬間に走り出すので、鍵をかけている親は初速で負けます。もちろん息子の後を追いかけはするのですが、そのまま迷子になってしまうことも少なくありませんでした。「走るな!」と言っても通じない!?困ったのは、タケルに「走るな!」と言っても全く通じないことです。タケルは普段は人の言うことをよく聞く、むしろ厳格にルールを守る性格なのですが、なぜかこの件についてだけは例外のようです。「走っちゃダメ!」と言うと一瞬は立ち止まるのですが、また何か見つけると走っていってしまいます。「〇〇するな!」と禁止するような言葉だと、次にどうするのがいいか判断がつかないこともあるという話を聞いて、「足音がしないように歩いて!」と指示を変えたこともありますが、これもダメでした。走ってはいけないところの「基準」を教えてみたら...そしてタケルが5歳になったころ、ふと、広いショッピングモールやデパートは公園みたいなものと思っているのかもしれないと思い、「まずどこかに到着したら上を見て!屋根のあるところでは走っちゃダメ!」と教えてみました。すると、ぱったりと...というわけにはいきませんでしたが、急に走りだすことがなくなり、1ヶ月が過ぎるころには全くお店で走らなくなりました!走ってはいけないところの「基準」がはっきりしたからなのか、たまたま丁度「お店で走ってはいけない」が理解できるようになった時期だったからなのかは分かりませんが...とにかく、買い物に来て汗だくで子どもを追いかけまわす日々からは卒業できました。自分のペースで動けないとストレスが溜まるほかにも、私が商品を見たくて立ち止まったりすると、頻繁に「もう帰りた~い!」とぐずったり、機嫌が悪くなったりすることがありました。私も子どもとの買い物はサッサと済ませたいので、それほど長い時間立ち止まっているわけではないのですが、立ち止まると目を三角にして服の裾を引っ張り始めます。当時のタケルは「買い物」もよく分からないし、私が「買うものを吟味してる」ってことも理解していないので、立ち止まる度に「予定変更!?」とイライラしていたようです。移動するなら同じペースで歩きたい、目的地まで一気に行きたいというこだわりもあったのかなと思います。Upload By 寺島ヒロ急に限界が来てしまうまた、さっきまではしゃいでいたのに、急に身体がぐんにゃりと倒れてしまうようなこともありました。感覚過敏のあるわが子は、お店の明るさや人ごみで疲れやすいのですが、自分がどれぐらい疲れているかは分かりにくいので、知らないうちに限界が来てしまうのです。売り場の中で動けなくなってしまったときは引っ張り出すのも、そこから家に帰るのも一苦労でした。発達障害のあるわが子とのショッピングは、特別なトラブルがなくても親は常に緊張を強いられます。最近は、車椅子(動けなくなった子どもを運ぶ!)を貸し出してくれるショッピングモールも増えてきましたが、クワイエットタイムや、センサリールームの設置などももっと広まると良いなあと思います。執筆/寺島ヒロ(監修:藤井先生)買い物先で落ち着かないので、外出ができないという相談をよく伺います。禁止するような言葉ではなく、適切な行動を具体的に伝える言葉かけで行動が変わることもありますが、寺島ヒロさんが書いているように、全てのお子さんに効果があるわけではありません。どの範囲で走り回ってはいけないのかというルールを、分かりやすく具体的に伝えたのがよかったようですね。クワイエットタイムとは、問題行動が起きた場所から少し離れて、座って静かにするように指示し、短時間の静かな時間を過ごして、元の活動に戻すようにします。そのようなやり方が一般的に広まると、家庭だけでなく、園や学校、買い物先でも、過ごしやすくなると思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月23日もしかしたら「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」かもしれないと気付いたゆーとぴあさんの体験を描いたマンガを紹介します。次男が通う療育園の面談をきっかけに自分自身は「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」なのではないかと思うようになったゆーとぴあさん。そんなゆーとぴあさんは25歳のときにテレビ番組を見て、自分は「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」かもしれないと思っていたのだとか。子どもの定期検診の際、思い切って医師に聞いてみたところ……。★前の話困らないなら診断はいらない?子どものころから忘れ物が多かったり、片付けが苦手だったというゆーとぴあさん。大人になってからも忘れ物でたびたび子どもたちに迷惑をかけてしまうことがありました。自分は自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)かもしれなと思いながら病院へは行っていなかったゆーとぴあさんは、子どもの定期検診で医師に相談をすることに。そこで医師からかけられた言葉は、意外なものでした。次男が通う療育園で忘れ物が多過ぎると指摘されてしまったことを機に、自分自身について見つめ直すことにしてみました。私は子どものころから片付けが苦手だったり忘れ物が多く、母から「ちょっと変な子」と言われることもありました。私自身はかなり悩んだりもしたのですが、自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)の可能性に気付いたのは25歳のとき。ただ、可能性に気付いても病院に行ったりすることはなく……時間だけが過ぎていきました。次男は発達障害を持っているため、定期的に診察を受けています。ついでに私のことについても先生に聞いてみると恐らくADHD(注意欠如・多動症)だと言われました。先生は「別に私生活でそこまで困らないなら、診断とかしなくていいと思いますよ」とあっさり言いました。忘れ物が多いと子どもたちの生活にも支障が出るので困っていると話すも「私もよく忘れます、ADHD(注意欠如・多動症)なので」と笑顔で返されてしまいました。先生いわく、世の中に完璧な人はいないし、私のようなママのほうが家庭の雰囲気が良くなるかもしれないこと。発達障害でも活躍している人はたくさんいると先生はやさしく諭すように、気にすることはないと私に伝えてくれました。私生活でどうにもならないほど困るということはありませんし、正式に診断されたからといって治るものでもない……。先生の言うこともわかりますが、それでも自分のことを知りたい! という気持ちが心の奥底にはあり、診断をしてほしいとは思いながらもどうするべきなのか今も少し迷っています。-----------------自分が「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」かもしれないことを思い切って相談してみたゆーとぴあさん。自らもADHD(注意欠如・多動症)だという先生は、ゆーとぴあさんの気持ちに寄り添ってくれるやさしい先生でした。長年特性や症状に悩み続けてきたゆーとぴあさんが、自分のことを知りたいという気持ちが膨らんでいくのも自然なことではないでしょうか。先生だけではなく、一緒に暮らす家族ともよく話し合って、不安が少しでも減るといいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/芙和せら先生(一般社団法人芙和せら心理研究所代表理事)公認心理師(国家資格)、シニア産業カウンセラーなどの資格を多数所有。世界初となるフラワー心理セラピーを創始し、芸術療法を中心とした心のケアをおこなっている。「すべての人の心を大切にすること」をモットーに活動している。【芙和先生からのアドバイス】ADHD(注意欠如・多動症)などの発達障害は問診だけではなく、さまざまな検査をおこない診断を下します。問診を受けただけでは「発達障害の傾向がある」ということしかわかりませんので、正式な診断を受けたい場合は検査も受けるようにしてください。著者/ゆーとぴあ主にインスタとブログで実話を元としたマンガを描いています! 発達障害やその他難病、児童相談所などのテーマを取り上げています。
2023年06月21日2歳半で自閉スペクトラム症、ADHD、中度発達遅滞の診断を受けた娘現在小4の娘は2歳半で自閉スペクトラム症、ADHD、中度発達遅滞の診断を受けました。娘は普段はおっとりさんで、学校などで友達が泣いたりすると励ましたりそばにいる優しい性格です。ですが、聴覚、嗅覚、視覚過敏で神経質な面もあり、特に聴覚過敏については人の声で苦手なトーンがあるらしく、一時担任だった女の先生の声がつらく、声のボリュームを低くしてほしいとお願いしたが、「〇〇(娘)さんとは仲良しだから大丈夫です」と聞き入れてもらえず一時期不登校になったことも。また、不安になりやすく「もしお友達に意地悪されたらどうする?」「髪を引っ張られたらどうする?」などを毎日のように聞いてきたりもします。今回はそんな娘が5歳のとき、帰省の移動中に起きたトラブルのお話です。障害のある娘との帰省の道のりはいつも大変!心掛けていたこと家から20キロほど離れた義実家に帰省したときのことです。基本的に帰省は夫の車で移動します。娘は不安が強いので、電車移動にすると振動、音、周囲の人の臭い、声などに反応して落ち着きがなくなり、あと一駅我慢すれば着くのに…というところで我慢ができずに下車をして、義父もしくは義母に迎えにきてもらうこともしばしばありました。また、車で行ったとしても、途中で夫がいつもと違う道を走ると「どこに行くの?」とパニックになってしまうこともありました。なので、事前にどこに行くのかなどはしっかりと伝えるようにしているのですが、知っている場所に行くと分かれば分かったで、安心からか道中何度も「どこ行く?」と聞いてきます。基本的にはおやつを食べて一人でしゃべっているのですが、夫が運転中、渋滞にイライラして子どもに対し大声で叱責したりすると、パニックを起こしてしまいます。運転席を蹴る、窓に顔や頭をぶつけあざができる、おやつを投げる…パニック状態になった娘は手がつけられなくなってしまうのです。娘が安心して過ごせるように、出かけるときにはおやつ、飲み物を持参し、車内では好きな歌をかけて、娘にとって居心地のいい空間になるよう工夫が欠かせません。好きな絵本を持っていき休憩中に読む、タブレットで好きなキャラを見せる、童謡を一緒に歌い、手遊びをして笑顔は忘れず到着まで娘が崩れないようにと、母である私はできる限りのことはしてやろうと、頑張っていました。Upload By ユーザー体験談道の駅での休憩中、おばあさんからの暴言に娘は…そんな帰省の道中、休憩のために道の駅に入りました。娘は多動の特性もあり、道の駅で走り回ったり、(視力がよくないので)興味のあるものに対して近づいて見たり、少し大きな声で私に何度も質問をしてきました。娘の声が騒がしかったのでしょうか。高齢のおばあさん数名が娘に対して「なんだこの子は?」と話していました。その様子を見て私は娘に注意をし、そばから離れようとしていたのに「親のしつけがなってないから、こういう子どもが増えるんだ」と大きな声で私たちに聞こえるように話しはじめました。何度も繰り返し言われたので、私はその方たちに娘の特性の説明と、不快に感じられたことに対して謝罪しました。ですが、許してくれませんでした。すると私の憤りや悔しさ、怒りが伝わってしまったのか、娘が激しい癇癪を起こしてしまいました。私は焦りましたが、夫はそばにいたのに他人のふり…クールダウンさせたくても良い場所が見つからず、落ち着きを取り戻せない娘をなんとか引きずりながら、やっとのことでその場を立ち去りました。Upload By ユーザー体験談おばあさんからの暴言がトラウマに。放課後等デイサービスも拒否するようになり、私はうつに…娘はその一件で傷ついてしまい、高齢の方を見ると怖がるようになってしまいました。よく挨拶をする近所の高齢者の方にもかわいがってもらっていたのに、怖がって泣いてしまうように…。近くの公園にも、犬の散歩にも行けなくなってしまいました。当時利用していた放課後等デイサービスは、高齢者も一緒に過ごすタイプだったのですが、道の駅で会ったおばあさんに背格好が似ている人や、声の大きな方に会うと走って逃げだすことを繰り返し、放課後等デイサービスに行くことさえ拒絶するようになりました。当時の私は両親の介護と育児からくる過労で入院をした経験もあり、レスパイトもかねてデイの利用を主治医からすすめられ、ようやく紹介してもらって通えるようになった放課後等デイサービスでした。そこに行けなくなった結果、両親の介護と娘のサポートでいっぱいいっぱいとなってしまいました。娘に対しても真摯に向き合えなくなり、うつと診断されました。Upload By ユーザー体験談意を決して義母に説明。義母の言葉は…このようなことがあり、もう義実家に行くことはやめようと思いました。義実家自体に不満などはないので、夫にこの経緯を義両親に話して欲しいと言ったら即答で断られたので私が意を決して電話で伝えました。義母も「うちで何かあった?」と心配してくれていたので、こういった経緯で子どもに無理をさせたくないと伝えると納得してくれ、「自分の息子(夫)も似たようなエピソードがあったよ」と教えてくれ、「あなたは二人分(夫と子ども)、子育てしているようなもの、偉いよ」と励ましてくれました。また、義両親から「こちらに来てもらうのは大変だろうから、自分たちが遊びに行ってもいいか」と聞かれたので、そうしてもらえるとありがたいと伝えました。娘は義父母に懐いていたので、家に義父母が遊びに来てくれると大喜び!高齢者を見るとパニックを起こしていた娘ですが、義両親に対しては拒否感は全くなく、変わらず室内では楽しそうに遊んでいました。Upload By ユーザー体験談今でも忘れられない道の駅での出来事と小4になった娘の現在小4の現在は、娘も自分で選択ができるようになってきたので本人が「おばあちゃんの家に遊びに行きたい」と言ったらいつでも帰省したいと思っています。(ただ、夫の兄弟や義父の兄弟が帰省している時期ではなく人が極力少ない時期になってしまうとは思いますが…)道の駅で、私たちに注意をしたおばあさんにとっては、のんびり休憩したい気持ちがあったのだろうと思います。ですが、ほんの少しでも小さな子どもへの優しい気持ちを持ち続けていてほしかったです。謝罪しても謝罪しても新たに厳しい言葉を投げかけられたこと、いぶかしげな表情、娘をばかにするジェスチャー、娘だけでなく私にとっても、つらく忘れることができない出来事となってしまいました。娘には、人の心に寄り添える人、弱っている人に優しい気持ちでそばにいられる人に育ってほしいと考えています。やっとここ数年で笑顔がたくさん見られるまで回復してきたので、これからもいろいろなことはあるでしょうが、多くの支援者とも繋がってきていますし、娘自身も以前に比べ、スルースキルも身につけたので、しなやかに乗り越えていってほしいと願っています。イラスト/SAKURAエピソード参考/うさぎ(監修:鈴木先生)巷にはまだ診断されていないASD傾向の方が大勢いらっしゃいます。そして、ASDに関する知識がない方も大勢いらっしゃいます。今からでも学校教育の中でASDやADHDに関する知識を啓蒙する授業をやっていけば娘さんのようなお子さんにも優しく接することのできる人々が増えるのではないかと思います。母親が娘さんの行動に対して何度も謝っても許してくれなかった経緯をみると、恐らく、道の駅にいたおばあさんたちも実は聴覚過敏があったのではないかと推測されます。嫌な思い出があるとその対象すべてが嫌になってしまう傾向がASDの方にはあります。吠える犬がいて怖がるとすべての犬が苦手になるのと同じです。母親の負担が増えて母親がうつ病になることも珍しくありません。優しい義母の理解があることで少しは助かっているものと思われます。夫が実家への電話を即答で断り、協力を拒んでいることから、お父様にもASDの傾向があるのではないかと推測されます。ASDのある父親は末っ子の弟と思ってください、と私は外来でいつも話しています。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月21日もしかしたら「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」かもしれないと気付いたゆーとぴあさんの体験を描いたマンガを紹介します。次男が通う療育園の面談をきっかけに自分自身は「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」なのではないかと思うようになったゆーとぴあさん。25歳のときにふと見ていたテレビ番組がきっかけで、自分が「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」なのではないかと思うように。そのことを母親に伝えると、まさかの発言が……!★前の話わかっていたなら教えてよ!中学生になったころから勉強について行くことが難しくなり、仕事も長続きしなかったというゆーとぴあさん。そんなある日、自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)に悩むママのことが紹介されているテレビ番組を目にしました。母親に「私、自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)かもしれない」とテレビを指しながら伝えたゆーとあぴさんに対し、母親は衝撃の言葉を放ったのでした。テレビで「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」に何年も苦しんでいたママの特集番組を見た私は、自分にも当てはまる特性や症状があることに気が付きました。どんな反応をされるかわかりませんでしたが、その場で母に「私、自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)かもしれない」と言ってみることに。すると、母からは「私も実は前々からそうじゃないかと思ってたんだよねー」と思ってもいなかった言葉が! どうやら母は、昔から私に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)の傾向があるのではないかと思っていたようでした。「わかっていたのなら言って欲しかった」とずっと悩んでいた私は拍子抜けしてしまいました。私は片付けや勉強が苦手だったり、忘れ物が多かったりして苦労する場面もたくさんあったのに……。しかし自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)かもしれないと気付いた後も特に病院を受診するようなことはありませんでした。結局、私は自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)なのかどうかわからないまま、夫と結婚し子どもを産みました。-----------------振り返れば子どものころから気になることはたくさんあったものの、テレビ番組をきっかけに自分が「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」かもしれないと思ったゆーとぴあさん。しかし、母親は前々からそのことに気付いていたようです。本人が悩んでいるのと同じくらい、周りの家族の悩みも深かく、なかなか言いだせなかったのかもしれませんね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/芙和せら先生(一般社団法人芙和せら心理研究所代表理事)公認心理師(国家資格)、シニア産業カウンセラーなどの資格を多数所有。世界初となるフラワー心理セラピーを創始し、芸術療法を中心とした心のケアをおこなっている。「すべての人の心を大切にすること」をモットーに活動している。著者/ゆーとぴあ主にインスタとブログで実話を元としたマンガを描いています! 発達障害やその他難病、児童相談所などのテーマを取り上げています。
2023年06月20日さまざまな水遊び用おもちゃUpload By まる最近暑い日も多くなってきたので、ちょっと早い気もするが水遊びグッズを出してみた。わが家にあるのはプール、ウォーターテーブル、蛇口につなげて使う噴水おもちゃ、リュック型の水鉄砲、繰り返し使える水風船などだ。さまざまなものを息子が生まれてからの5年間で購入してきた。というのも、息子は水遊び自体は嫌いではなさそうだが、長時間遊べないのだ。水遊びというかなんでも長時間集中することが苦手な様子。せっかくなのでたくさんびしょびしょになって遊んでほしくて、いろんな水遊びおもちゃを買ってきたがすぐに飽きて家の中に入ってしまう。お庭で水をためるだけのプールは5分ももたない。熱めの温泉に浸かってるのかな?といった感じで少しだけ水に浸かると「オシマーイ!」と言って出てきてしまう。おもちゃをいろいろプールの中に入れて、私も一緒に水鉄砲で遊んだりするのだがそれでもすぐに撤退してしまう。プールで楽しく遊べるのはいつになるのかUpload By まる息子はまだオムツが外れていないため、家以外のプールで遊ぶこともまだ存分に楽しめていない。オムツが取れてない子ども用のプールなどに連れて行ったりもしたが、やはりすぐに飽きてしまう。一応一緒に行動するお友達がいればそれなりに時間を過ごせるのだが、夢中になって水遊びをしているほかの子どもを見ると「同じように楽しめばいいのになぁ」と思ってしまう。きっと息子なりに遊び方が分からなかったり、服が濡れるのが嫌だったり、ちゃんと理由があるのかもしれない。これまで医師や療育の先生などに感覚過敏と言われたことはなく、どちらかと言えば感覚鈍麻と言われることもあった息子だが、暑くなってきたせいなのか、最近、やけに勝手に服を脱いだりお腹を出したりすることが増えてきた。母親の目から見ていると、多分服が汗で濡れる感覚があまり好きじゃないのかも?と感じている。水遊びから見えた友達関係Upload By まるつい先日の暑い日、わが家にお友達が遊びに来た。小学校低学年の女の子2人と息子と同い年の男の子が1人。せっかくだからと家のウォーターテーブルや水鉄砲など用意して子どもたちを遊ばせた。息子以外はみんな発達に遅れのない子どもたちで、みんな服をびしょびしょにして楽しそうに遊んでいる。息子はそんなときでもマイペースなので家の中でひとり電車で遊んでいた。せっかくだからと息子を水遊びに参加させることにし外に連れ出した。みんなで水鉄砲や水風船で水をかけ合って大笑いして遊んでいる輪に入っていくと「リュウくんもびしょびしょにしてやるー!」とみんなから水をかけられた息子はものすごい嫌な顔をしてそのままなにも言わずに一目散に家に入ってしまった。息子と同い年の男の子は水をかけられても「やったなー!」とやり返したりして仲良く遊べている。多分ひとりでのんびりと遊びたいのに水をかけられた、服が濡れて気持ち悪い、ですぐに嫌になってしまったんだと思う。これからの心配事Upload By まるそれを見てちゃんと「嫌だったから逃げる」ことができたのはよかったが、これからの人間関係のやりとりの部分について不安にもなった。大人が見てるところで遊んでるだけの今は安心だが、今後もし大人の目が届かなかった場面で嫌な思いをしたとき息子は対応できるのか。お友達と一緒に遊ぶということができるようになるのか。お友達と一緒に遊ぶことができるようになれば、集中して遊ぶ時間も増えるかもしれないと思っている。実際私と2人で公園へ遊びに行っても滑り台を2回くらい滑ったらすぐに「帰る」と言うが、お友達と一緒に行くと滞在時間が伸びるのだ。相手に合わせることや相手に自分の気持ちを伝えることなどはまだまだこれから、できる限りサポートしていきたい。執筆/まる(監修:藤井先生より)まるさんがリュウくんが少しでも水遊びを長くできるように工夫された様子はとても素敵だなと、思いながら読みました。ありがとうございます。のんびり遊ぶのが好きな子ども、友達と一緒に遊ぶのが好きな子ども、友達が遊ぶのを見ているのが好きな子どもなど、遊び方はお子さんそれぞれに違います。友達と遊ぶのが苦手でも、一人の空間で遊ぶ→複数人の人がいる中で一人で遊ぶ→友達の遊ぶ中で遊ぶ→友達の遊びを見る→短い時間一緒に遊ぶ、というスモールステップでできるようになっていくこともあります。園の先生などの協力も仰ぎながら、リュウくんの遊びの幅が広がると良いですね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月19日もしかしたら「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」かもしれないと気付いたゆーとぴあさんの体験を描いたマンガを紹介します。次男が通う療育園の面談をきっかけに自分自身は「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」なのではないかと思うようになったゆーとぴあさん。思い返せば、子ども時代から思い当たる出来事がたくさんあったようです。中学校への進学後、勉強について行けなくなったそうで……。★前の話中学生になった途端、勉強が苦手に小学生のころ「だらしがない子ちゃん」というあだ名で呼ばれていたというゆーとぴあさん。中学生になると、だんだん勉強について行くことができなくなってしまったのだそう。高校は赤点ギリギリで卒業したそうです。中学生になると勉強にまったくついていけなくなり、数学のテストでは1問しか正解しなかったこともありました。他の科目も半分以下という悲惨な点数しか取ることができませんでした。通信簿はほとんどの科目が5段階評価の2。苦手な数学に至っては1……。そんな成績だったものの、猛勉強の末、公立高校に推薦で合格することができました。猛勉強して入学した高校でも勉強について行くことはできず、赤点ギリギリで卒業しました。高校卒業後は、進学ではなく就職を選択。工場に入社したのですが、3年もたたないうちに退職。その後は、セラピストやマンガ喫茶の店員などいろいろな職場で働いていました。仕事を転々としていた25歳くらいのとき、何げなく見ていたテレビ番組の中で「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」に何年も苦しむママのことが紹介されていました。そこで紹介されていたママの様子と自分に共通することが多く、初めて自分が「自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)」かもしれないことに気が付いたのです。-----------------追い詰められた状況になると一気にやる気スイッチが入り、高校受験や就職を乗り越えてきたというゆーとぴあさん。今まで努力することで進学や就職を突破してきたので、自分自身の特性や症状について真剣に調べたり、誰かに相談したりする機会がなかったのかもしれませんね。きっかけは偶然でしたが、テレビ番組で発達障害を自覚できたことは、ゆーとぴあさんにとって大きな一歩となったことでしょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/芙和せら先生(一般社団法人芙和せら心理研究所代表理事)公認心理師(国家資格)、シニア産業カウンセラーなどの資格を多数所有。世界初となるフラワー心理セラピーを創始し、芸術療法を中心とした心のケアをおこなっている。「すべての人の心を大切にすること」をモットーに活動している。【芙和先生からのアドバイス】成績不振には次のような理由が考えられます。・知的発達の遅れ・学習障害の可能性・ADHD(注意欠如・多動症)によって集中ができないため何か気になることがあるときは自己診断をせず、病院に相談してください。著者/ゆーとぴあ主にインスタとブログで実話を元としたマンガを描いています! 発達障害やその他難病、児童相談所などのテーマを取り上げています。
2023年06月19日2歳で開始!教科書通りのトイレトレーニング最初にトイレトレーニングを開始しようと思ったのはスバルが2歳になる前でした。なぜなら、私の手元にあった育児書に「トイレトレーニングスタートの目安は1歳半~2歳」と書いてあったからです。第一子で育児の知識もなく、ワンオペ育児で実家も遠く、出産直前でこの地に引っ越して来たので友達もママ友もいない。そんな私は完全にその育児書通りにものごとを進めようとしていました。1歳半の時点で言葉の遅れを指摘されているし、もはや育児書通りのスケジュールで成長してくれていないのですが、ほかに道しるべがないので「教科書通りに」「普通に」「一般的に」にこだわって、当時の私は頭がガチガチになっていたように感じます。育児書のアドバイス通りに子ども用便座と踏み台、かっこいいパンツにご褒美シールを用意して準備万端です。育児書には「便座を怖がる子がいる」と書いてありましたがスバルは平気そうでした。可愛く飾りつけしたトイレを楽しそうに眺めるスバルを見て、「これは案外早く成功するのでは?」と思いました。それから毎日時間を決めて定期的にトイレに座らせましたが1度もおしっこが出ることはありませんでした。そうじ洗濯を覚悟して天気の良い日にトレーニングパンツを履かせてみましたが、漏らすどころか尿意を感じると勝手にオムツに履き替えて用をたしていました。ならばと、オムツを隠すと血管が切れそうなほどの真っ赤な顔でおしっこを我慢していました。そのままトイレに座らせてみても「うわあああ!」と断末魔の叫び声を上げながらもおしっこは出ないのです。私も粘ったのですが、このままでは本当に血管が切れてしまうのでは?と思うほどの赤を通り越して赤紫になった顔を見て堪らずオムツを履かせてしまうのでした。Upload By 星あかりこんなパターンは育児書にもインターネットの体験談にも載ってないんですけど。数ヶ月頑張りましたが、冬が来てトイレで長時間粘るには寒すぎるので一時中断することにしました。その後はプレ幼稚園に通い始めたり、なんだかんだで発達検査を受けたり、自閉スペクトラム症と診断されたり、療育に通い始めたり、プレ幼稚園を退園になったり、新しい幼稚園を探したり、と怒涛の日々を過ごしていたためトイレトレーニングは完全に後回しになってしまいました。後回しというより、トイレトレーニングにまで手を出す余裕がありませんでした。自閉スペクトラム症と診断され「これは想像していたより長くオムツとつき合うことになるかも」と思いました。オムツが外れないまま幼稚園に入園そしてスバル3歳の春、幼稚園入園直前、私たちはトイレで2歳のころと同じことを繰り返していました。2歳のスバルはほぼ発語なしでしたが、3歳のスバルは「しっこ、でる」と事前に言うことができました。トイレに連れて行くと、すんなり便座に座るので嫌がってはいないようですが、結局顔を赤紫にして泣き叫んだあげくおしっこは出ないのでした。スバルはオムツが外れないまま幼稚園へ入園しました。幼稚園は「オムツ外れてなくて全然大丈夫!幼稚園で頑張りましょう!」という方針で安心していました。しかし、この幼稚園には備えつけのプールがあり、6月のプール開きから10月のプール納めまで、天気の良い日はほぼ毎日プールに入ると聞き、一気に不安になりました。なぜなら、オムツが外れてない子どもは大きいプールではなく、プールの横に設置した小さなビニールプールに入ることになるからです。小さいプールで毎日スバルが1人きりだったらどうしよう…。幼稚園へ入園して1週間がたち…どうなるトイトレ!?入園して1週間ほど経ちました。幼稚園へお迎えに行くと園舎から保護者が待機する昇降口まで聞き慣れた叫び声が響き渡っていました。スバルの断末魔の叫びです。これはまさに今、スバルはトイレにいると思って間違いないでしょう!スバルの叫び声をBGMにお友達は次々と帰宅して行きました。私が祈るような気持ちで待っていると叫び声がピタッと止み、しばらくしてヨレヨレの先生に手を引かれたヨレヨレのスバルが登場しました。叫び声の長さからして大変な時間を過ごしたと思われる先生が「スバルくんさっき初めておしっこ成功したんですよ~」なんてサラッと言うもんだから、もう頭が上がりません。私と先生とたまたま近くにいた名も知らぬ保護者のみな様とスバルを褒め称え、先生に何度もお礼を言い帰宅しました。Upload By 星あかり私は気合いに満ち溢れていました。そう、これはゴールではなくスタートなのです。先生が頑張って成し遂げてくれた第一歩を無駄にしないように、このあとは私が2歩目、3歩目を成功させていかなければならないのです。そんな気持ちで埃をかぶったご褒美シールを引っ張り出していると、スバルがいないことに気がつきました。リビングから出てみるとトイレへ向かう廊下にスバルのズボンとパンツが落ちていました。まさかと思ってトイレへ向かうと、なんとスバルがトイレでおしっこをしている真っ最中でした。自分でズボンを脱ぎ、子ども用便座を自分で設置しおしっこをしていました。そしておしっこが終わると便座から降りて子ども用便座を元の場所に戻し、手を洗い、脱ぎ落としたパンツとズボンを履きながらリビングに戻って行きました。それは今日初めてトイレ成功した人の所作ではないのよ。ずっと前からオムツ外れている人の所作なのよ。その後はずっと「ぼく前からトイレでしてますけど」みたいな顔してトイレでおしっこをしています。それからしばらくして、大きい方も同じ方法(さらに長時間粘る方法)で家で成功させました。それからずっとパンツです。そしてプール開き!濡れた水着が1人で脱げないみたいな問題はあったものの、無事大きなプールでみんなと遊ぶことができました。もう少しあとから気づいたことですが、どうやらスバルは1度定着した動きやクセ、ルーティーンを変更するのにものすごく時間とパワーが必要なようです。その後も育児書に載ってないタイプの成長をするスバルを目の当たりにし、いつしか育児書は読まなくなりました。発達障害のある子どもの子育ては育児書の通りには進まず、灯台の明かりが消え、まるで道しるべを失った船のようだと思ったこともありました。でも育児書を手放したことは「教科書通り」に縛られていた心を少しだけ軽くしたかな、とも思います。現在もトライ アンド エラーでスバルオリジナルの成長方法を探しています。執筆/星あかり(監修:初川先生より)スバルくんのトイトレエピソードをありがとうございます。おしっこはおむつにするもの、トイレ(便器)にするものではない。そうしたスバルくんのルーティンを変えるのは本当に大変だったことと思います。園にもよりますが、幼稚園や保育園の先生はさすがトイトレへのサポートを慣れていらっしゃいます。今こそというタイミングをうまく活かしてくださったこともあるのだと思います。また、家でたくさん練習していてもうまくいかずとも、園での集団生活の中で、ほかのお子さんがうまくやれていることにお子さん自身が気づいて頑張りだすこともあるでしょう。少し遅めのトイトレだとしても、頭での理解が進んでいる場合はその後がスムーズなこともあります。スバルくんは一度トイレで成功すると次からはとてもスムーズにできるのですね(思わず笑ってしまいました…これまでの苦労は一体、と思いますね)。それほどに、ルーティンを変えることが難しく、また一度定着したやり方は継続しやすいということですね。これはスバルくんの今後のさまざまな成長発達を支える上でのヒントになりますね。さて、今回、あかりさんはトイトレを自宅でがんばろうとし、また、間に合わなかったこともあり、園での生活の中でトイトレを継続しました。育児書を読んでがんばってみることももちろん良いのですが、発達的な特性のあるお子さんについては、例えば子育てひろばのようなところで、あるいは、地域の子ども家庭支援センターといった場で、トイトレなどに関してのご相談をしてみるのも一つです。育児書と同じような発達をしている場合には育児書は有効ですが、オリジナリティある道のりを進んでいる場合、育児書をもとにすると精神的に負担になることも考えられます。そういう場合には子育て相談を利用するのも一つです。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月16日家での遊びの環境について考えてみる知的障害を伴う自閉スペクトラム症のあるわが家の次男Pは、遊ぶおもちゃを机の上や床にばらまいてしまい、片づけてもすぐに部屋がぐちゃぐちゃになるので、私はイライラしていました。そんなイライラを解消する方法はないか?と、遊びの環境を整えることについて考えてみました。たとえば療育を受けているときは、おもちゃを子どもの見える範囲や手の届く範囲にはあまり置いておらず、遊びの種類や順番を決めて片づけたら次のおもちゃを出すなどの工夫がされていました。でも家でとなると家事もあるので四六時中子どもにかまっているわけにもいかないし、手の届かない場所や隠せる場所も限られるので、おもちゃを隠していてもいつの間にか見つかってしまい、気づけばまた元通りなんてことの繰り返しでした。Upload By みんおもちゃを隠しても減らしても効果的ではなかった物理的に数を減らすにも、同じものにこだわりの強いPは「あのおもちゃはどこへ行った?」とパニックになってしまうのでなかなか減らすこともできず、減らすとしたら「このおもちゃでは長らく遊んでいないな」と思う物を厳選して隠し、すぐには処分せずに数ヶ月間様子をみて、Pが完全に忘れたであろうころに処分するようにしています。そうやって数を減らしても、まだまだたくさんあるし新たに買ったりもするので、やはり部屋は散らかってしまいます。たとえばPは色鉛筆を使って絵を描くことが好きなのですが、1本使ったら1本戻してから新たな色を使うということが難しく、色鉛筆を全てケースから出して机の上にばら撒いて使っていました。私は色鉛筆を片づけても片づけても出されてしまうのが大変なので、色鉛筆をケースから、ペンたてに入れてしまおうと考えました。ペンたてに入れるようになってからは前より少し片づけやすくはなったのですが、全ての色鉛筆を机の上に出してしまうのは相変わらずだったので、やはり大変なままでした。机の上に散らばった色鉛筆を見ながらどうすればこのイライラから解放されるのか?と考えたときに、この状態でも散らかっていないように感じられるようにすればよいことを思いつき、ペンたてを違うものに変えてみよう!と思い浅く広めのトレイを準備しました。すると予感は的中!トレイに色鉛筆を入れてからは、全ての色鉛筆を机の上に出してしまうことはなくなり、机の上は散らかさないようになりました。Upload By みん散らかしてしまう原因を想像して対応するこれは効果的だと思った私は、いつも床に散らばっているおもちゃも同じようにすれば良いのでは?と考え、浅い大きめのバットをおもちゃ箱に変更しました。最初はおもちゃを全て出してしまおうとしていましたが、日に日に床に散らばるおもちゃの数は減り、今では自分の必要なおもちゃだけをバットから選んで取って遊ぶようになりました。色鉛筆もおもちゃも、浅いバットやトレイに入れることで、中に何が入っているのか探しやすくなったのがポイントだと思います。今までは、自分が使いたい色の色鉛筆がどこにあるのか分かりにくかったり、自分が遊びたいおもちゃがおもちゃ箱のどこにあるかが分かりにくかったりしたので、Pは全て箱から出して目的のものを探すという行動をとっていたのだと思います。でも少しの工夫で視覚的に探しやすくしてあげたことで、私もイライラから解放されました。このような工夫をしなくてもむやみに散らかさず、使ったら自分で片づけられるようになることがもちろん1番なのですが、そんな成長をゆっくり待つためにも、できる限り生活環境を整えながら過ごしていきたいと思います。Upload By みん執筆/みん(監修:新美先生より)片づけについて、Pくんにあったやり方を模索している様子を聞かせてくださりありがとうございます。片づけの方法は世の中にいろいろありますが、人によって合う合わないがあります。また親子・きょうだい・夫婦でも、人によって片づけ法の合う合わないが違っていることもあり、その場合はお互いにストレスがたまったりするものです。お互い許容範囲を広げて妥協するしかないですね。Pくんの場合は、箱の中にしまってしまうと見えなくて分からなくていやだということに気づいたところはさすがと思いました。ざっくり、物が見えるけど、散らばりすぎないという、大きめバットのやり方、家でも取り入れてみたいです。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月12日自閉スペクトラム症(ASD)とは?治療方法はある?自閉スペクトラム症(ASD)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあり、幼少期に気づかれることが多いと言われています。自閉スペクトラム症の症状は3歳くらいまでにあらわれることが多いと言われています。主に他者との社会的関係形成に困難さがあったり、言葉や発達の遅れ、興味・関心が狭く特定のものにこだわりがある、などが特徴です。知的障害を伴わない場合は、幼児期に気づかれず、成人期に症状が顕在化することもあります。自閉スペクトラム症自体の原因を治療することはまだ不可能と言われています。ですが、早期から療育や環境調整を通して接し方を工夫することで、日常生活における本人の困りごとの解消につながります。癇癪、衝動性、こだわりなど個別の症状に対しては、まずは一人ひとりに合った環境づくりを行います。早期から「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」などの発達支援施設で療育的支援や適切な教育を行ったり、苦手なことに対する対応方法を工夫していくなどの特性に合わせたサポートで子どもが自分らしく成長していけるように環境を整えていくことが重要です。投薬については、自閉スペクトラム症そのものを治す薬はありませんが、ある一定年齢以上であれば、自閉スペクトラム症(ASD)の特性によって起きることが多い、癇癪、衝動性、こだわり、睡眠障害など、社会生活を送るうえで困難を感じる症状に対して、薬が処方される場合もあります。自閉スペクトラム症(ASD)ほか、神経発達症(発達障害)に処方されるのはどのような薬?自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとした神経発達症(発達障害)による症状によって困難さがある場合に処方される薬を解説していきます。中枢神経刺激薬は中枢神経系に作用してその機能を活発化させ、非中枢神経刺激薬は主に前頭前野に働きかけ神経伝達物質の働きを強めます。多動性・衝動性や不注意に作用します。・代表的な薬例:中枢神経刺激薬/コンサータ、ビバンセ非中枢神経刺激薬/インチュニブ、アトモキセチン(ストラテラ)抗精神病薬は脳内のドパミン神経系の活動を抑えることにより症状を改善していく作用があります。定型抗精神病薬(従来型)と非定型抗精神病薬(新規)に分かれており、定型抗精神病薬は陽性症状に作用しますが、非定型抗精神病薬は陽性症状と陰性症状の両方に効果があると言われています。・代表的な薬例:定型抗精神病薬/ハロペリドール、クロールプロマジン、ピモジド非定型抗精神病薬/リスパダール、アリピプラゾール(エビリファイ)、オランザピンなど抗不安薬は感情と関係する脳の動きなどを抑えることで不安、緊張、不眠などを改善し、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は脳内で神経伝達物質セロトニンの再取り込みを阻害しセロトニンの働きが増強されることで抑うつなど気持ちの落ち込みやイライラなどに作用します。・代表的な薬例:SSRI/フルボキサミン・エスシタロプラムなど抗てんかん薬は、脳内の興奮系物質の働きを抑える、抑制系物質の働きを強めるなどの作用機序があります。また、その2つとは違う新しい作用をもつ抗てんかん薬などもあります。・代表的な薬例:ダイアップ、バルブロ酸ナトリウム、トピラマートなど子どもの自閉スペクトラム症(ASD)の代表薬・衝動性や癇癪を抑える「リスパダール」「アリピプラゾール(エビリファイ)」子どもの自閉スペクトラム症の易刺激性による癇癪や他害などを抑える代表的な薬として「リスパダール」「アリピプラゾール(エビリファイ)」があります。リスパダールは、リスペリドン主成分からできている抗精神病薬で、自閉スペクトラム症がある子どもや統合失調症がある人などに処方されます。自閉スペクトラム症の症状のひとつの易刺激性(不機嫌、無視、怒りっぽさ、癇癪、泣き叫ぶ、暴力や暴言、器物破損、抑うつ気分、気分の変わりやすさ、自傷などの行動を起こしやすいなどの症状)を抑える作用があります。副作用として主に眠気や食欲増多などがあります。アリピプラゾール(エビリファイ)もリスパダール同様に、易刺激性をやわらげる抗精神病薬です。ドパミン神経系を安定させる効果があり、躁状態およびうつ状態への効果が期待されています。副作用として主に眠気や食欲増多などがあります。アリピプラゾール(エビリファイ)とリスパダールは、どちらも易刺激性をやわらげる薬ですが、働きかける脳内の伝達物質が異なります。アリピプラゾール(エビリファイ)がドパミン神経系を安定させるのに対して、リスパダールはドパミンとセロトニンの両方に働きかけることで、ドパミン神経系に作用し、陽性症状、陰性症状両方の状態を抑えます。リスパダールは、原則として5歳以上18歳未満、アリピプラゾール(エビリファイ)は6歳以上18歳未満の子どもに使うことができます。また、子どもの体重に合わせて用法用量が定められています。神経発達症(発達障害)のある子どもの不眠に「メラトベル」「ラメルテオン(ロゼレム)」自閉スペクトラム症のある人に多くみられる睡眠の悩み。睡眠障害に対しては、子どもの不眠に処方される「メラトベル」と大人の不眠に処方される「ラメルテオン(ロゼレム)」などがあります。メラトベルは、神経発達症(主に自閉スペクトラム症)から起こる睡眠障害(寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまうなど)に処方されます。6歳から15歳までの神経発達症(主に自閉スペクトラム症)のある子どもに対して処方され、就寝前(寝たい時間の直前)に服用をします。ラメルテオン(ロゼレム)も睡眠障害に処方される薬です。メラトベルが小児も使えるのに対して、ラメルテオン(ロゼレム)は成人に処方されます。(※監修注:15歳から処方は可能だが、18歳より処方するのが望ましい)就寝前(寝たい時間の直前)に服用をします。関連リンク・その他、発達障害のときに処方される薬って?コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月11日旅行計画は何度もシミューレション!ASDのミミを連れて「忍者を知る旅」へ自閉スペクトラム症(ASD)のある小3のミミが、忍者のゲームにハマりました。それならばと思った私たちは、春休みに「忍者を知る旅」と銘打って滋賀県と三重県に旅へ行くことにしました。旅行は3ヶ月前から計画して、何度も何度もシミュレーションをしました。車の免許を持っていない夫、ペーパードライバーの私は、電車とタクシーを使って移動することに決定。電車があっても1時間に1本しかない区間だったり、タクシーの配車アプリが対象地域外という場所もありましたが、繰り返し調べて、ミミが安心できるよう、当日ミスがないようにと、無理のない計画を立てました。酔い止めを持ってくるべきだった!乗り物が苦手なミミはぐったり…。そしていよいよきた旅行当日、朝の5時台に出発しました。乗り物が苦手なミミは、新幹線に乗って30分もしないうちにぐったり。デッキに出たり、椅子に横になったりしましたがつらそうでした。心配した乗務員さんが「薬を飲みますか?」と声をかけてくれましたが、あと15分で到着するところだったのでもらいませんでした。今思い返すと、このあとの移動のためにもらっておけばよかったと思います…。新幹線から降り在来線に乗り換えると、停まる駅も増え、そのたびにドアが開くため、空気の入れ替えにもなるからか少し持ち直してくれたミミ。そしていよいよ最初の目的地に到着です。Upload By taeko忍者体験ができるアミューズメントパークに到着したミミ。楽しんでくれるかと思いきや、ミミは忍者の体験はしようとはせず、お土産にヌンチャクを買い、忍者屋敷の説明を聞いて隠し扉を通り抜ける程度でした。でも、これも予想の範囲内です。30分ほどの滞在で次の目的地へタクシーで向かいました。送迎してくれたのは、外国人スタッフの方。私が「どこの国からいらっしゃったんですか?」と日本語で聞くと、オーストラリアから来たこと、日本に来てまだ1年経っていないこと、もちろん忍者が好きなこと、日本の新幹線がキレイで大好き、お弁当が美味しい!などいろいろな話をしてくれて、楽しい道中となりました。途中、満開の桜のトンネルを通ったのですが、このスタッフの方が楽しそうにガイドしてくれて、私もとてもうれしくなりました。次の場所は、宿泊施設もある体験型ファームです。タクシーに乗り20分程で到着したのですが、タクシーが苦手なミミはまたここでぐったりして不機嫌になってしまいました。発する言葉は全て不機嫌な“チクチク言葉”で「来なければ良かった、帰りたい」と繰り返す負のループ状態。こんなときはどんなになだめても負の言葉で返してくるので、こちら側の気分も悪くなるだけです。ミミの身体と気持ちもが回復するまでに時間がかかりますが、私が楽しみにしていた「ミニブタショー」がちょうど始まるので、ミミには悪いけど楽しませてもらいました!その間パパと弟・ふーはショーは見ず、アイス休憩をしていました。Upload By taekoそして食事タイムです。ミミは、レストランのメニューを見ても「食べたいものはない」と言うので、ファーム内で売っているパンを持ち込めないか店員さんに交渉していたのですが、そのとき、弟・ふーが鼻血を出しました!びっくりしつつも『これはミミの気分が紛れるいいキッカケになる』と思ったのですが、予想通り!ミミはふーを優しく見守り、機嫌が直りました。その後もミミは、転んで顎と膝をすりむいたふーにサンドイッチを分けてあげたり、よく面倒を見てくれました。人の優しさ、景色にも感動!大切な思い出になりましたそして翌朝、ファームのミニブタに餌やりをしたり、ビュッフェ形式の朝食をとりました。ミミは、自分で食べられそうな物を選べるビュッフェがよかったようで、楽しんでくれました。朝食のとき、スタッフの方から「食べられるものはありましたか?」と声を掛けていただきました。昨日のレストランにもいらっしゃって、ミミがパンを持ち込んだ事情を知っていた方でした。覚えてくれていたことがうれしく、また人の優しさに触れて感動しました!朝食後は、この旅最後の目的の忍者のショーを見るために、忍者の博物館へ。タクシーで20分移動し(ここでもミミは車酔いでぐったり…)、昭和の時代の佇まいが残る、懐かしく素敵な駅で、電車を待ちました。3月末だったこの時期は桜が満開で、その美しい景色にも癒されました。Upload By taeko電車を乗り継ぎ「上野市駅」へ。5分ほど歩いて忍者の博物館へ到着し、最後のイベント、忍者のショーを観覧。アクションの迫力とお笑い要素も満点で、大満足でした!ミミはやや疲れ気味で、私以外はみんな寝てしまいましたが、私は帰りの関西本線の絶景に見入ったり、普段乗ることのないディーゼルカーの不思議な乗り心地を楽しませてもらいました。東京駅に着くころには、みんなぐったりでしたが(笑)。帰宅して数日後、ミミは「ミニブタショーは、ちょっと楽しかった」と話してくれました。多少のアクシデントはあったけれど、色んな方に助けてもらい、人の優しさに感動した旅になりました。私にとっても大切な思い出になりました。執筆/taeko(監修:鈴木先生より)ASDの方は予定の変更を嫌うので、修学旅行のように細かなスケジュールを立てて、できるだけスケジュールに沿った旅行ができるように配慮するといいでしょう。そのときに、実際に行く場所の写真やVTRも添えておくと、なお分かりやすいと思います。天候に左右されることもあるため、雨天時はどこになるなどさまざまな可能性をあらかじめスケジュールに組み入れるといいでしょう。それでも電車が遅れたり、途中でトイレへ行きたくなったりで予定通りいかないこともあります。時間に余裕をもってでかけ、予定通り行動できたら褒めてあげましょう。
2023年06月08日アトピー体質の自閉スペクトラム症娘。掻きむしりがすごくて…SAKURA(以下、――)最後の相談は、娘の掻きむしりについてです。娘は、アトピー体質で、皮膚が弱いんですが、精神面からくる掻きむしりがすごくて…――ここからは本人にも同席してもらって、一緒に話を聞いてもいいですか?三木先生:もちろんです。Upload By SAKURAあーさん:こんにちは。三木先生:こんにちは。あーさん:えっと…私はイライラしたりすると、腕とか足とかがかゆくなって、掻いてしまいます。どうしたら掻かなくなりますか?Upload By SAKURA三木先生:なるほど。まず、かゆみを我慢するのは無理です。Upload By SAKURAなので、かゆみ止めを飲んだり、薬を塗るなどして、アトピーでかゆくなる要素を先にゼロにしていく。そのあとにストレス側にアプローチしていく形がいいです。Upload By SAKURA――病院にはかかっていて、薬はずっと飲んでいます。そっちに関しては対応済みです。Upload By SAKURA自分に合うストレス解消法を見つけていく三木先生:なるほど。では、ストレス面ですね。色んな方法を試してもらって、自分にあうストレスを解消していく方法を探していくといいですね。――例えば…?三木先生:例えば運動…ジグゾーパズル…世の中にあるストレス解消法の中から、自分にしっくりくるものを順番に試してみるのはどうでしょう?Upload By SAKURA親が今まで見てきた中から、子どもの趣味嗜好から合いそうなものをピックアップするのが良いと思います。例えば、一人が好きか、みんなで遊ぶのが好きかなど。――本人が苦しんでいるので、私がなにかかゆくならない方法見つけて教えてあげたいと、焦ってしまって「早く!今すぐ!なにか策を!」と思ってしまっていたのですが、時間をかけて探していくしかないんですね。Upload By SAKURA三木先生:答えが欲しいと焦るのはわかりますが、親が試行錯誤している時点でもう正解です。焦って無理に答えを出そうとすると、子どもへの負担になることがあります。親が、あーでもないこーでもないと、頑張ってる姿を子どもに見せてあげることが重要ですよ。Upload By SAKURA――そうなんですね。でも、娘にとって、答えがない状況は嫌なようで…。それを見ると私も苦しいんですよね。助けてあげたいというか。このままでいいのかなって思ってしまって。三木先生:子どもは結論がでないことに納得できないことが多いですよね。でも、結論はもがいたあとにしか分かりません。時代的にインスタントに答えを出さなきゃならない傾向にありますが、実際は本人の中の構造化のプロセスを踏んだ上に納得があります。親の試行錯誤をモデルとして見てもらって、本人と一緒にやっていく…。もんもんとした中の、興味があるものを拾っていくといいと思います。Upload By SAKURA対策としては短期的、長期的アプローチがあります。薬は短期的なアプローチ。それから目の前の問題解決…例えばかゆくなるスイッチのようなものがあるなら、そこから解決していくのが良いです。――かゆくなるストレスのスイッチ…いっぱいありすぎます(笑)物事には「表」と「裏」の顔がある!三木先生:日常生活でストレスをゼロにすることはできませんからね。物事の表と裏を見せていくのもいいんじゃないですか?例えば、お母さんが怒っていたところに、電話がかかってきたら、お母さんは声を変えて普通に電話取りますよね?その様子とか。人は、本当はイライラしていても、表ではそれを見せないようにするというのを実際に見て理解してもらうといいかもしれません。Upload By SAKURA――あー!そうなると親同士の言い合いとか?最近、見せてしまうというか…見られてしまうことが増えてきてます。Upload By SAKURA三木先生:それにも、ニュアンスの調整は必要ですけどね。「これはコミュニケーションの一環」「こんな風に言っているけど実際はお父さん相手だから言ってるんだよ」「実際はそこまで思ってないよ」などの文脈の説明はいりますね(笑)――わかりました。いろんなストレス解消法試して、ピッタリの方法を探しつつ、同時に人の表と裏の気持ちも話していきます!執筆/SAKURAコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月07日自閉スペクトラム症(ASD)とADHD(注意欠如・多動症)がある中学3年生発達障害の専門家が出会った発達が気になる子どもたちや、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、自閉スペクトラム症とADHDの診断がある中学3年生のエピソードです。県立高校への進学を希望しているものの、定期テストではケアレスミスが多く正解率が20%程度。わが子を心配して涙する母親に小児科医は…。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談解説:定期診療の時間を、安心して相談できる機会にーー小児科医今回は、自閉スペクトラム症とADHDのある中学3年生のエピソードをもとにお届けしました。ひとり親家庭で保護者の方は仕事に追われ、パンパンの状態であることが診療時に伺えました。お子さまは、反抗はするものの根が優しく親思いであることが伝わってきましたので、親子の目標である「県立高校に合格する」ということを意識し、定期診療でさまざまなアドバイスを行いました。診療のポイントは大きく2つです。薬物治療ADHDの主な症状である多動性・衝動性、不注意に対して薬物治療を開始していましたが、薬を飲まないことが続いていました。そこで、服薬の負担を軽減するために1日2回から1日1回の治療薬に変更して様子をみました。学校や塾の先生への協力依頼先生で注意されてばかりだったり試験結果が思わしくなかったりすると、お子さまの自己肯定感が下がっていきます。「(小児科医と相談し、服薬もしながら勉強を頑張るので)応援団になってほしい」と伝えることで、少しでも環境を変えることを大切にしました。高校受験では、通塾されるお子さまも多いことと思います。学習内容や先生の指導がわが子にあっていないと感じたら、今回のケースのようにほかの塾に移ることで勉強しやすくなることもあるでしょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月06日持ってきたはずのお財布がない!爆発寸前!?ゲームセンターで「う~~!」とうなりだす息子自閉スペクトラム症の息子が、見通し不安で大パニックを起こしたのは、当時小3だった息子と一緒に、ショッピングセンターへ行ったときのことです。その日は「ゲームコーナーにあるアーケードゲームをする」「ゲームは自分のお小遣いでやる」と家を出る前に約束をしていました。ですから、自分のお財布を持ってきている…はずでした。ですが、ゲームセンターについてお財布を出そうとしたところ、ないのです…!なんと息子は家に自分の財布を忘れてきてしまったのでした。息子はそれに気づくと「う~~!」と声を出し、パニックを起こしかけました。「このままではいけない、大暴れしてしまう!」と慌てた私は、「お金は貸してあげるから、大丈夫だよ」と息子に伝えました。すると、それならゲームはできると納得してくれたようで、なんとか不穏な様子はおさまりました。そして息子は予定通りのやりたかったアーケードゲームを楽しむことができました。もうちょっとでパニックを起こすところだった…、これにて一件落着…と、ほっとしたのもつかの間、次は母の用事である買い物に付き合ってもらうため、食料品売り場へ移動すると、再び息子の様子があやしくなってきました。Upload By ユーザー体験談食品売り場でじだんだ。帰ろうとしても連れ戻される私。どうすればいいの⁉ゲームが無事終わったあと、食品売り場で買い物をしていたところ、息子はだんだんと苦しそうな表情を浮かべ、やがて叫びたいのを我慢しているといった様子でじだんだを踏みだしました。さっきのゲームセンターでは、「お財布を忘れた」ことがパニックの原因だったと思います。でも今はなぜ?わからないままお惣菜売り場につき、そこで「なに買おうか?」と聞いたのですが返事はありません。この様子だと買い物はせず帰った方がいいなと感じた私は、「じゃあ、帰ろう」と食品売り場から出て、駐車場へ向かおうとしました。ですが息子はそんな私の服の袖をつかんで、お総菜売り場まで連れ戻すではありませんか。お惣菜売り場でなにかしたいことがあるの?なにか欲しいものがあるのかな?と思って、「じゃあ、これ買おうか?それともこっち?」と尋ねても、やっぱりなにも答えず、ただじだんだを踏む息子…。その後も帰ろうとしては連れ戻され、ということが繰り返されました。これ以上パニックがひどくなって、大声を上げたり突然走り出したりしないようにしなければと、私は努めて冷静に息子の様子を観察しました。これはなにか買わなければ帰れないなと思い、私は「じゃあこれね」とお惣菜を一つ選んで会計、息子を刺激しないよう注意しながら、ようやく車に戻ることができました。それまで周りを気にする余裕はありませんでしたし、何か言われたりもしなかったですが、ようやく車に乗ると「あんなに大きい子が駄々をこねて」とか「お母さんがしっかりしないから」とか思われていたんじゃないかと不安になりました。ついに来た大パニック!車の中の大絶叫!そして家からの逃亡!あとは家に帰るだけ…と思った私でしたが、そこからがその日最大の修羅場でした。ショッピングセンターから家までの10分あまり道のり、息子は車の中で全力で泣き叫び続けたのです。言葉ではなく、とにかく泣きながらギャーギャーと叫んでいました。耳が痛いほどの絶叫の中、私はとにかく事故を起こさないようにしなければと自分に言い聞かせ、必死に運転して帰りました。Upload By ユーザー体験談なんとか家に到着すると、息子はまだ怒ってはいたものの、騒ぐのを止めてくれました。家の中に入り、息子のパニックの原因であろう財布を見つけようと思った私。「お財布どこに置いたか覚えてる?」と聞いたところ、玄関から「バタン」という音。息子が外に出てしまったのです!慌てて外に出ましたが、もう息子の姿は見えず、探しても見つからず…。しばらく時間がたったあと、息子はスッキリした顔で戻ってきました。無事に帰ってきてくれてよかったとホッと胸をなでおろしながら「どこへ行ってたの?」と聞いたのですが、なにをどう聞いてみても、最後まで教えてくれませんでした。私は息子が帰ってこなかったら、外でパニックを起こしてしまったら、と不安な気持ちで探し回っていたので、とにかく無事に家に戻ってきてくれたのだから、とそれ以上聞くことはやめました。本人もパニックの原因はわからず…。スクールカウンセラーに言われたこと落ち着いた息子に、パニックになった原因はなにか聞いてみたところ、「ゲームはできたのに、なんでパニックになったのかわからない」とのこと。また、車の中での記憶はないと言っていました。私もなぜ息子があそこまで怒ったのか、原因はわかりませんでした。後日、スクールカウンセラーにこの話をしたところ、「予定の変更が苦手で、『自分のお金でゲームをやる』や『買い物するはずだったのに、買い物せずに帰ろうとした』ことがパニックに繋がってしまったのかもしれませんね」と言われて、なるほどと腑に落ちました。Upload By ユーザー体験談なんとかお財布を忘れたという予定変更を乗り越えても、ストレスがたまっていたのでしょう。買い物をしている間、息子はなかなか買うものを決めず、またカゴに商品も入れない私の様子に「いつになったら買い物は終わるんだ」「ちゃんと買い物はするのか?」と不安を感じて、爆発してしまったのかもしれない、そう思いました。その後もゲームセンターへ行くのに同じような忘れ物をして、何度かパニックになったりしましたが、徐々に自分で折り合いをつけられるようになりました。まず、お金は忘れても親から借りればいいと思えるようになったようで怒ることはなくなったのですが、ゲームに使うカードや太鼓を叩くバチを忘れたときは、親から借りられないので「う~~っ」とじだんだを踏んでいました(さすがに、大声で泣き叫ぶことはしなくなりました)。それが、中学生になったころから、このような忘れ物をすると私に「ここで待ってるから、買い物してきて」と告げて、自分でその辺をウロウロしてクールダウンできるようになり、やがてカードを忘れても「カードがなくてもできるゲームをやる」、バチを忘れたら「太鼓に付いてるバチの方が、使いにくくて練習になるから、今日はこれで練習する」と、考えを変えられるようになり、忘れ物をしても大丈夫になってきました。Upload By ユーザー体験談14歳になった今は…また新たな問題も出てきたけれど中2になった今でも「入れたはずのカードがない。絶対に入れたはずだ!」と不穏になることはありますが(車の中に落ちていました)、大騒ぎすることはありません。一方、中学生になって落ち着いたかと思いきや、しばらくは環境が変わったストレスからか、宿題が思うようにいかなくて、ノート数十ページにわたってグチャグチャに書きなぐったり、朝の準備がうまくいかなくて、家を飛び出してどこかへ行ってしまったりしました。宿題のプリントをハサミで切ってしまったこともあります。落ち着いてきてはいますが、まだまだ不安なところも当然あります。ですが、以前に比べると、大分落ち着きましたし、自分で折り合いをつけたり、代わりの案を考えたりすることができるようになってきました。今後は、気持ちよく周囲を頼ったり、頼られたりができて、そして困っている人が居たら助けてあげられる優しい人に成長していってほしいな、と思っています。イラスト/keikoエピソード提供/なまちゃん(監修:井上先生より)突発的な出来事で予定が変わってしまったり、見通しが立たないことによる不安やパニックも年齢を重ねるごとに徐々にコントロールできるようになってきているんですね。お母さまのおかげで、気をそらせたり、少し我慢したりすることで成功体験も得られてきているのだと思います。自分だけで解決するのではなく、お母さん以外の人で先生や支援者と一緒に考えて乗り切れる体験を少しずつ積んでいけるとよいと思います。
2023年06月03日