「つい子どもにキレて、自己嫌悪になる。そんなの、僕だってよくあります」。と言うのは、『どならない子育て』の著者、伊藤徳馬さん。プライベートでは2児の父だ。伊藤さんが実際にご自分の娘さんに試し、その効果を実感した「どならない子育て練習法」。今回は、「ごはんを集中して食べられない子」に対して使うとどんなアプローチになるのか? 具体的な実例で検証をしてみよう!「どならない子育て練習法」の基本的な考え方は、コチラをどうぞ! 「どならない」のではなく、「どなる頻度」を減らす 叱る=しつけにはならない!? どならない子育ての練習(2) 朝ごはん中に牛乳の入ったコップを揺らしたり、窓の外が気になる次郎くん身支度が終わった後は、朝ごはんです。次郎くんは、目の前の食事にちっとも集中せず、ごはんを食べながら牛乳の入ったコップを揺らして遊んだり、窓の外を見たりしています。「もう、早く食べてよ。保育園に行く時間でしょ!」という言葉が喉から出かかりましたが、ぐっと飲み込んで。さて、まず何をしましょうか? 今回は「 子どもへの伝え方 ポイント4つ 」のうち、「環境を整える」と「肯定的な表現」の2点の練習をしてみよう!環境を整え、シンプルに伝えるまず、環境面を整える。答えは、「子どものそばに行き、目線を合わせる。コップから手を離させる」だ。子どもに声をかけて、子どもがママの目を見る。これでやっと、「伝える環境が整った」と考える。次は、行動を具体的に表現するのをパワーアップさせて「肯定的な表現」を使う。「コップを持つなら牛乳を飲んでね」とか、「遊ぶのはよくないよ。ごはんを食べてね」となる。ちなみに否定的な表現であれば、「コップで遊ばないで」となる。窓の外が気になることについては、「次郎、前を向いて食べてね」とシンプルに伝える。ママが使いがちな疑問形3パターンここで、伊藤さんからのワンポイントアドバイス。「講座の中で、ママ達の答えに疑問形がよく登場します。この疑問形の使い方、ちょっと注意が必要です」<パターン1> 伝いたいことを明確にしてフラットに聞く疑問形ママ「今さぁ、横向いて食べているけど、それはよいこと? 悪いこと?」次郎「悪いこと」ママ「そうだよね、じゃあ前を向いて食べよう。これは子どもに考えさせたり、子どもの理解を確認できていて良い。<パターン2> 優しすぎる疑問形ママ「次郎くん、何をしているのかな?」次郎「ごはん食べているの」ママ「そうかぁ。今、横向いて食べてるけど、それはいいことかな?」次郎「いいことだよ」ママ「うーん、ママは横を向くのはいけないことだと思うけど、どうかな?」講座内でトレーナーは子ども役をするので、伊藤さんは子ども役で何度もこのパターンに出くわしているそう。そして実感を込めて、「これは本当にわかりにくいです」と言う。その場の雰囲気を理解すれば、言われているニュアンスが「横を向くな、前を向け」なのはわかるはずだが、言われている側からすると、ただ質問されているだけで、親の意図がわからなかったりする。<パターン3> 親の怒りやイヤミが込められた疑問形ママ「ねぇ! ママなんて言いたいかわかる?」「これもわかりにくいです。私自身も、妻から唐突に『ねぇ! 何か言うことないの? なんで怒ってるかわかる?』と言われると困ります(汗)。」(伊藤さん)サーッと血の気が引いた気分になった。たしかに、夫に同じことをされたら、気分が悪くなりこそすれ、「〇〇しよう」という前向きな気持ちにはまったくなれない。当然、子どもだって同じだろう。大好きなママにケンカ腰の声かけをされたら、それだけで心臓バクバク。ちょっとだけ想像力を働かせて子どもの立場になってみると、普段、子どもの置かれている状況が、かなり厳しいことが理解できた。伝わらないと親がしんどくなるだけ「あと、『なんで〇〇するの!』」というのもわかりにくいです。『なんで着替えないの!』『なんでお茶をこぼすの!』というやつですね。」(伊藤さん)一応、質問というかたちはとっているが、皮肉や責めることが目的であって、理由を聞く気がない。子どもが理由を答えようと「だって」と言うと、即座に「だってじゃないでしょ!」とカウンターが飛ぶ。嗚呼、ありがちすぎる!!!「パターン2とパターン3は、直接はっきりと言わず、言外の意図を察しなさいというわかりにくい表現です。そんな質問をするのなら、率直に『横は向かずに前を向いて食べてね』とシンプルに言ったほうがよっぽど伝わりやすくて楽です。伝わらないと親がしんどくなるだけです。」(伊藤さん)はぁ……。今まで私は何をやっていたのだろう? という気になってくる。気を取り直して、次回は、「出がけ前なのに遊び続ける子」に対して、「どならない子育て練習法」を使うとどんなアプローチになるのか? 具体的な実例で検証をしていきます。(楢戸ひかる)「どならない子育てについて、もっと、知りたい!」と思った人は◇つい子どもにキレて自己嫌悪…そんな私にサヨナラ!NHKあさイチ、朝日新聞、読売新聞などで話題! 人気のあの講座が本になりました。◇ どならない子育て (著者:伊藤徳馬/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 定価:1,300円(税別)
2015年10月31日「つい子どもにキレて、自己嫌悪になる。そんなの、僕だって、よくあります」。と言うのは、『どならない子育て』の著者、伊藤徳馬さん。プライベートでは2児の父だ。そんな伊藤さんが実際にご自分の娘さんに試し、その効果を実感した「どならない子育てプログラム」。今回は、「身支度をグズグズする子」に対して、「どならない子育て練習法」を使うとどんなアプローチになるのか? 具体的な実例で検証をしてみよう!「どならない子育て練習法」の基本的な考え方は、コチラをどうぞ!・ 「どならない」のではなく、「どなる頻度」を減らす ・ 叱る=しつけにはならない!? どならない子育ての練習(1) パジャマ姿でボーっとしている太郎くん太郎くんは、朝、なかなか短時間で着替えることができません。今日も服が入っている引き出しの前で、パジャマ姿でボーっとしています。ママは、台所のカウンター越しにその姿を見つけました。ママと太郎くんの間には5mほどの距離があります。 今回は前回紹介した「 子どもへの伝え方 ポイント4つ 」のうち、「行動を具体的に表現する」と「環境を整える」の2点の練習だ。環境面を整えるまず、環境の面では、ママと子どもの間には5mほどの距離がある。親の気持ちとしては、その場で太郎くんにガツンと言いたいところだが、離れたまま大声で話しても負け戦になるだけ。ママは、話をする前にどうすればよいだろうか?答えは、「まず、子どものそばに行って、しゃがんで目線を合わせる」だ。子どもに声をかけて、子どもがママの目を見る。これでやっと、「伝える環境が整った」と考える。環境が整ったので、ママは行動を具体的に表現して、太郎くんに何をすべきかをシンプルに伝えてあげる。どんな声かけがあるだろう?「いいかげんにしなさい!」「いつまで◯◯しているの?」はNG答えは、いくつもある。「着替えてね」「まずパジャマを脱いで」「早く着替えてね」など。ちなみに、NGな言い回しは、「いいかげんにしなさい! いつまでボーっとしているの?」この原稿を書いている私は、「私、そのまんまのセリフ言っているわ!」と、唖然とした。けれども、この言い回しだと、あいまいな表現なので伝わらないそう。思わず言ってしまうが。子どもは気持ちを切り替えるのに時間がかかるもちろん、1回言っただけでは、子どもは動かないことのほうが多い。子どもは、わかってはいても、気持ちを切り替えるのに時間がかかることがあるからだ。「そういう時は、怒らずに5~10秒くらい間隔を置いて落ち着いたトーンで『着替えてね』とだけ繰り返すとうまくいくことがあります。ガミガミ言わずに、子どもが自発的に動くまで待つのです。」(伊藤さん)うわっ! もう、この時点で相当に難易度が高いんですけど!「そんなもんだ」と思う「1回の指示で従わなくても『そんなもんだ』と思って、何回かチャンスをあげてください。そうすると、意外に子どもはすんなり行動できたりします。もちろん、これも可能性の話なので、何回言ってもできないこともありますが、やってみると、『あっ、3回言っただけでできた』なんて場面に出くわしたりします。」(伊藤さん)これで着替えができたのであれば、褒めてあげる。「親に言われたからであっても、子どもの意志でできたことは良いことですから」と、伊藤さん。しかし伊藤さん、立派すぎやしないか!? いやいや、私がダメなだけなのか…。でも、ひとつわかったことがある。それは、今までの私のやり方では、子どもには伝わりづらかったということだ。目から鱗がポロリと落ちた気がした。次回は、「ごはんを集中して食べられない子」に対して、「どならない子育て練習法』を使うとどんなアプローチになるのか? 具体的な実例で検証をしていきます。(楢戸ひかる)「どならない子育てについて、もっと、知りたい!」と思った人は◇つい子どもにキレて自己嫌悪…そんな私にサヨナラ!NHKあさイチ、朝日新聞、読売新聞などで話題! 人気のあの講座が本になりました。◇ どならない子育て (著者:伊藤徳馬/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 定価:1,300円(税別)
2015年10月30日「どならない」のではなく、「どなる頻度」を減らす の続きです。「つい子どもにキレて、自己嫌悪になる。そんなの、僕だってよくあります」。と言うのは、『どならない子育て』の著者、伊藤徳馬さん。プライベートでは2児の父だ。伊藤さんが実際にご自分の娘さんに試して、その効果を実感した「どならない子育て練習法」。今回は、その基本的な考え方を紹介しよう。しつけとは教育、そしてトレーニング最初に最も根本的な問いが伊藤さんから、問いかけられる。「しつけとは何でしょうか? そもそも、私たちは何のためにしつけをするのでしょうか?」たいていの人は「子どもがうまく生きられるため」「幸せに生きられるように」「まずまずの生き方ができるように」といった回答となるのでは? つまり、私達がしつけで実現したいのは、特別なことではなくて、普通のこと。「こうしたら、お前もうまくやっていけるよ」ということを子どもに伝えるようとしているのだ。「どならない子育て練習法」風に少し堅い表現で言うと、「しつけとは教育、そして、トレーニング」ということになる。「しつけ」=「叱る」となってしまう理由教えるためには、まず伝わらないと始まらない。ところが、子どもにはなかなか伝わらない。何回言っても直らない。注意をすれば、聞こえないふりをしたり(そもそも聞こえていない)、言い訳を始めたりして、伝わらないことの方が多かったりする。そうなると、いつの間にか叱る頻度が増え、子どもを強く叱る↓子どもが泣く↓子どもが反省して「ママごめんなさい」と言う↓「まぁ伝わったのかな」と、親の気が済んで終了というように、叱ることで成立するしつけが多くなり、「叱る」=「しつけ」となっていきがちだ。子どもに話を伝えるためのポイントけれども、「叱る」ことは、しつけの手段であって、目的ではない。繰り返すが、「しつけとは、教育、そして、トレーニング」なのだ。では、なかなか話が伝わりにくい子ども相手に、どのようにすれば伝えられるようになるのだろうか? それには、以下の4点がポイントとなる。<子どもへの伝え方 ポイント4つ>1.行動を具体的に説明する子どもには、あいまいな表現では伝わらない。具体的な「動詞」で、シンプルに伝える。また「〇〇するのはよくないよ。△△してね」というふうに人格ではなく、行動を指摘する。2.肯定的表現をする「〇〇しないで!」はよく使う言い方だが、わかりにくい。「〇〇してね」の方が伝わりやすく、指示にも従いやすくなる3.共感的表現を使う「〇〇したい気持ちはわかるよ。でもね……」。たったこれだけのフレーズをつけるだけで、親が一方的に叱る形を避けられる4.環境を整える子どものそばまで行って、目線を揃える。周りに子どもの注意をそらすものがない環境で伝えるなど、一工夫をする(「どならない子育て」より一部抜粋)上記を読んだだけでは、「それが良いのはわかるけれど…」という感じかもしれない。次回は、いよいよ実践だ。「身支度をグズグズする子」に対して、「どならない子育て練習法」を使うとどんなアプローチになるのか? 具体的な実例で検証をしてみよう。(楢戸ひかる)「どならない子育てについて、もっと、知りたい!」と思った人は◇つい子どもにキレて自己嫌悪…そんな私にサヨナラ!NHKあさイチ、朝日新聞、読売新聞などで話題! 人気のあの講座が本になりました。◇ どならない子育て (著者:伊藤徳馬/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 定価:1,300円(税別)
2015年10月29日「つい子どもにキレて、自己嫌悪になる。そんなの、僕だってよくあります」。と言うのは、『どならない子育て』の著者、伊藤徳馬さん。プライベートでは2児の父だ。実際に効果を感じたプログラムを本にまとめる伊藤さんは茅ヶ崎市役所で、子育て相談や児童虐待のとりまとめをしている公務員。その関係で、「子どもへの伝え方、ほめ方、叱り方」などを身につけていくプログラム(以下、『どならない子育て練習法』)と、出会った。 伊藤さん自身、「そんなので子育てが楽になるなら、誰も苦労しないよ」と当初は思ったそう。けれども、長女(当時2歳半)を叱る際に試したところ、いつもは「聞こえない大作戦&大暴れ」なのに、素直に謝り、指示に従うのを見て驚いた。そして、「これは子育て講座として使ったらいいじゃん!」と思いつき、周囲の理解を得て、『怒鳴らない子育て練習講座(略称「そだれん」)』を市役所で事業化。現在は、講座のトレーナーとして活躍中だ。どなる頻度を「10」→「6」にさて、今回の特集では、どなる頻度を「10」→「6」にするのが目標だ。つまり、たとえばこれまでは10回中10回どなっていたのを、6回に減らすということ。なぜなら、伊藤さんの講座を受けた方々に書いてもらったアンケートの結果を見ると、「受講前のどなる頻度を10とすると、受講後の頻度はいくつですか?」という質問の回答は、平均で6前後だからだ。そう聞くと、「6も、まだ残っているの?」と思う人がいるかもしれない。でも、大事なのは、「4減っていること」。子どもを何度もどなる時、親の怒りや負担感は、どなる回数に対して正比例ではなく、加速度的に増えていく。なので、どなる頻度を4減らしただけで、負担感は劇的に減る。だから、4減るだけでいいのだ(もちろん、もっと減れば、それはそれでハッピーだ)。「どなる頻度」を減らすには練習が効果的伊藤さんの講座の中では、DVDの映像が映るテレビや、子ども役のトレーナーに向かって、何度も練習して、具体的な対応方法を身に着ける。頭で知識として理解するだけでは、実践はなかなかできないからだ。「子育て支援の現場でも、プロたちが仕事として研修を受けて、『これはいい! なるほど!』と思ったのだけど、実践はしないまま終わるということはよくあります。」(伊藤さん)では、実践につなげるために必要なものとは、何か? それが「練習」なのだ。練習して体で覚えることが大切というのが「どならない子育て練習法」の考え方だ。今回はネット上に掲載されるコンテンツなので、伊藤さんと向かい合っての練習はできない。よって、本特集では、「練習」=「イメージトレーニング」でいくことにする。次回は、いよいよ実践編! といきたいところだが、ちょっと待って!『どならない子育て練習法』の根底に流れる基本的な考え方を紹介しよう。(楢戸ひかる)「どならない子育てについて、もっと、知りたい!」と思った人は◇つい子どもにキレて自己嫌悪…そんな私にサヨナラ!NHKあさイチ、朝日新聞、読売新聞などで話題! 人気のあの講座が本になりました。◇ どならない子育て (著者:伊藤徳馬/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 定価:1,300円(税別)
2015年10月28日「自分で考える力を養う」ことが教育の目標として掲げられ、欧米の教育が脚光を浴びています。そのための効果的な学習について、フランスやアメリカの例を取って、以下にまとめてみました。他人からの学びこそが、すべての基礎自分で考える力を養うためにまず重要なことは、「他人から学ぶ」こと。自分で考えるためには材料が必要であり、そのほとんどは他人から生み出される知識です。ごくごく一部の天才的なひらめきを除いて、新たなアイデアや発想、イノベーションのほとんどは、先人による知識の蓄積から学んだことが土台にあるといいます。そのため、アメリカの大学では学生に専攻分野で必読書となるものを徹底的に読み込ませ、論文を書かせます。週に1,000ページぐらい読むのは当たり前で、ほぼ毎週、何本も論文を書きます。読んで、書いて、読んで、書いてを繰り返すことで、先人が蓄積した知識を十二分に吸収し、それについて考え抜いた後で、ようやく自分で新たなアイデアを生み出すことができるようになると考えるからです。フランスでも同様に、大学への入学資格となるバカロレアは論述試験となりますが、これまで学んできたことを基にして自分の考えを理論的に展開する力が問われます。特に哲学の試験では、教科書をはじめ、数々の哲学書に書かれている内容を上手く整理し、最後に自分の考えを述べるようにしないと、高得点は得られないといわれています。実際に書いてみることが最良のトレーニング学びを基に自分の考えを深化させる上で最も確実な方法は、「書くこと」。自分の頭の中だけで整理してまとめることができる人も中にはいますが、ほとんどの人は、書いているうちに思考が深まり、考えがまとまるようです。書き始めると、論旨の展開や表現にも配慮するようになります。書くからには自己満足で終わらず、相手に理解して納得してもらいたいもの。特に、試験で高得点を得ようと思うと、学んだことを単に列記するだけではなく、重要な点をしっかりハイライトし、説得的に述べることがマストです。アメリカやフランスをはじめ、欧米の学校の試験は、ほとんどが論述式です。正しい回答を得ることよりも、それに到達するプロセス、つまり思考のプロセスを見ることが重要だと考えるからです。世の中には回答のない問題が山積みです。正しい答えが存在しない中、自分で回答を導き出すには、思考のプロセスが試されます。そして、最終的に正しい考えとして世の中の人々に受け入れられるためには、周囲が納得してくれるよう自分で説得していかねばらないからです。このように見ていくと、読書などを通じて、まずは「他人の考えについて学ぶこと」が重要であり、それを踏まえて、「自分の考えを説得的に述べることができるようになること」こそ、教育の集大成であり、「考える力を養う」ことであるということがわかります。(タベ真美)
2015年10月10日長い休みを楽しみつつも、水泳教室や補習クラスなどの学校行事や宿題などで意外と忙しい日本の子どもたち。そんな時にちょっと気になるのが、世界の子どもたちの夏休みです。期間はどれくらいで、宿題はあるのかなど、どんな様子なのか覗いてみたいですよね。今回は、フランス、タイ、アルゼンチン、ミャンマーに住む子どもたちの夏休みを紹介します。フランスの子どもの夏休みは、家族全員で1ヵ月バカンス住むエリアによって、夏休みの時期が微妙に異なるフランス。とはいっても8月はほとんどのエリアがお休み。子どもの夏休みに合わせて、親が有給を3~4週間取り、国内を中心にバカンスに出かける家族が普通です。また、フランスでは行政やNGOが積極的に行っているサマーアクティビティー(コロニー・ドゥ・バカンス)が豊富なため、ある程度の年齢になると、子どもだけでコロニーに参加させることも多いようです。海が近い南フランスでは、オプティミストと呼ばれる小さなヨットのクラスや、近くの島に引率の学生と共に2週間ほど渡り、共同生活を送るクラスなどにリーズナブルな料金で参加できます。ちなみに、フランスでは学校から夏休みの宿題が出されることはありませんが、この時期になると、宿題代わりのワークブックが書店に山積みに置かれています。タイでは、3月中旬~5月が夏休み1年中暑いタイでは、「水かけ祭り」で有名な旧正月、ソンクラーンがある4月を挟み、3月の半ば~5月に夏休みを取ります。地域や学校によっても異なりますが、小学校も中学校も宿題はありませんが、学習塾や習い事に通うのがここ数年、流行中のため、夏休みも学習塾に通う子どもも多くなりました。なお、2学期制のタイの学校は、10月にも比較的長い休みがあります。アルゼンチンの子どもたちは、夏休み明けが新年度のはじまり南米、アルゼンチンの夏休みは、12月~3月はじめまでの約3ヵ月間という長期にわたります。夏休みの終わる3月は、南半球では秋にあたる季節。そこから新年度になるため、夏休みには基本的に宿題が出ません。すると、3ヵ月間まったく勉強をしない子どもも多いため、習ったことを忘れる子どもが続出。その結果、新学期が始まると、最初の数週間は前年度の復習期間になるそうです。フランス同様に、子どもを連れてバカンスに行くのがアルゼンチンの家族と過ごす夏休み。長い休みが終わると、ホッと一息つく親御さんも多そうですね。ミャンマーの子どもの夏休みは、帰省して家のお手伝いミャンマーは、タイのお隣の国。こちらも、夏休みはタイ同様に、旧正月がある4月を挟み、3月中旬~6月の始業式まで、約3ヵ月近くあるようです。子どもたちは、近所の子ども同士で路地やそれぞれの家で一緒に遊んだり、両親の田舎に一緒に帰省したり、お母さんの仕事のお手伝いをしたりと、懐かしい昔の日本の夏休みを感じさせる時間を過ごしているようです。国によって異なる夏休み。とはいえ、どの国の事情からも、親が大変そうな様子は透けて見えますね。皆さんは、この夏休みをどのように過ごしていますか?(ライター:徳武加奈子)
2015年08月11日小学生の長期休みの宿題のうち、苦手なもの第1位に上がることが多いのが「読書感想文」。これは大人になってもあまりいい思い出となっていないようです。総合マーケティング支援を行うネオマーケティングが実施した 調査結果 によると、子どもの頃を振り返って「嫌いだった宿題・いまするとしても嫌いな宿題」の、1位になっています。ですが、読書感想文は、大人になってからも求められる、自分の考えや意見を分かりやすく伝える力=説明力を養うのにぴったりなのです。そこで今回は、読書感想文や作文についてのよくある勘違いと、ママが気をつけたいポイントをご紹介します。1.読書感想文と報告書は違う「読書感想文を書きましょう」となった時、お子さんはどのように書いていますか? 「いつ、どこで、だれとだれが、どんな風に、なにをした」そんな風に書いていませんか?「いつ、どこで、だれとだれが、どんな風に、なにをした」これはいわゆる「5W1H」です。状況や事実の報告をするのにはうってつけの書き方ですが、感想や意見を書く作文や読書感想文には向いていません。5W1Hでつらつらと書くと、文字数もそれなりにかかるため、一見、感想文がうまくまとまったように感じます。ですが、文字数は稼げても、肝心の感想を掘り下げたり広げたりするには適さない書き方のため、よく読んでみると「楽しかったです」「すごいと思いました」といった、単調な感想しか書かれていないことが多くなります。2.感想文に起承転結はいらない小さな頃に読んでもらった絵本や国語の教科書に載っている物語、それらはいわゆる起承転結で書かれています。読み手にとって、興味を引かれるストーリー構成ですよね。そういう物語を書くのなら起承転結の書き方はぴったりです。でも、自分の意見や感想を伝えるにはどうでしょうか? 作文が得意な子なら、すらすら書けるかもしれませんが、苦手な子にとっては物語のように書かなきゃ…というプレッシャーで、ますます書けなくなってしまうのです。読書感想文や作文は、その子がどう感じたのか、どんな意見を持っているのかを伝える場ですから、起承転結で書く必要はないのです。3.子どもの書いたものを否定しない最後に、子どもの宿題を見る立場にある、ママに気をつけてもらいたいポイントがあります。それは「子どもの書いた文章を否定しない」こと。読書感想文や作文は、自分の意見や考えを人に伝えるための、練習の場でもあります。「ママ、書けたよ!」と持ってきた作文を読んで、「ここはこうじゃない?」とか「これはちょっと変だよ」などと、口に出したり、否定したりしていませんか?練習の場でダメ出しばかりされると自信もなくなるし、表現するのが怖くなり、次に向かう気力も低くなってしまうものです。子どもが書いてきた文章は、その子のオリジナルです。それをしっかり読んで受け止めたうえで、分かりにくいところは質問で返してあげましょう。「もう少し詳しく教えて」「ママはこんな風に思ったけど、○○ちゃんとは違うかな?」など、子どもの意見を「教えてもらう」ようにします。否定・修正はせず、質問することで内容を深めるようにサポートしてみましょう。グローバル化と言われて久しい世の中。日本の中でだって価値観が多様化しています。これまでの「察する」文化だけではなく、子どもたちが自分の意見や考えをしっかり伝えられる力も必要です。夏休みの宿題だけでなく、日々の作文を通して、ぜひ練習してみてはいかがでしょうか?
2015年08月05日話題の断食本「朝だけ断食」が発刊最近話題になっているダイエット法といえば「断食・ファスティング」。食べない健康法とも呼ばれ、ダイエットやデトックス効果を得られると評判だ。7月29日、学研ホールディングスは、「朝だけ断食で、9割の不調が消える!」を出版したと発表した。「正しい朝食の抜き方」を伝授断食・ファスティングの方法にはいくつかあり、週末断食や半日断食、プチ断食などがある。モデルも愛飲しているジュースクレンズも断食・ファスティングの1種だ。興味があってもなかなか始められないのなら、手軽に始められる「朝だけ断食」に挑戦してみてはいかがだろう。しかし、ただ朝食を抜けばいいというわけではない。一定のルールを守ることが肝心で、同書では著者で医師でもある鶴見氏が「正しい朝食の抜き方」を伝授する。「酵素」が活性化、免疫力もアップ正しく朝食を抜けば、健康なカラダに欠かせない「酵素」が活性化し、さらには腸内環境も改善。免疫力もアップするなど良いこと尽くし。これからの季節は食欲が落ちがちだ。最近体調が優れないと感じているのなら、「朝食は大事」と無理して食べるより、「朝だけ断食」で胃腸を休めてみては。(画像はプレスリリースより)【参考】・学研ホールディングス プレスリリース(PR TIMES)
2015年08月02日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日子育て中のママに必須な「ストレスマネジメント」って? ママに必須 ストレスマネジメントの4つのステップ・その1 の続きです。前回は、自分のタイプを知り、自分にとっての「いい状態とは何か」の把握をした。今回は、第3~第4ステップにあたる「ストレスの原因を知り、対処法を実践する方法」を整理する。引き続き、NPO法人 えじそんくらぶ代表の高山恵子さんにお話を伺った。<Step3>ストレスの原因を知る自分の「いい状態」について確認できたら、次はいよいよ「ストレスの原因」について考えてみよう。下図のようなシートを使い、書きながら確認していくと把握しやすい。まず一番上の欄に、自分がストレスを感じること(ストレッサー)を、思いつくまま書き出してみる。ある程度書き出したら、それを自分自身のこと対人関係出来事・環境に分類する。ひと通り分類したら、一番多く記入した欄を確認してみよう。それによって、自分のストレス傾向(どんなことにストレスを感じやすいか)がわかる。ストレス傾向がわかると、対応の仕方も見えてくる。◇Point何がストレスかよくわからず、挙げられない場合は、「ドキドキすることはあるか?」「それはどんな時か?」というように、ストレス反応が体に現れたときの症状を考えるとわかりやすい。<Step4>対処法を考え、実践するいよいよ最終段階。ストレスへの対応(ストレスマネジメント)について考えてみよう。ストレスマネジメントの方法には、大きく以下の2種類がある。「自分に向いているストレスへの対応法を見つけるひとつの方法として、<Step>で書き出した、「いい状態」につながる条件を見直してみましょう。その条件を満たすことが、自分に合ったストレスマネジメント法だといえるのです」と、高山さん。普段、何気なく口にしている「ストレス」。その仕組みを、4つのステップで丁寧に解説してもらうことで、具体的に把握ができただろう。ストレスマネジメントとは、自分とじっくり向き合う作業のこと。ワークシートなどを上手に使って、少しの時間でも、ママを休み、自分自身と向き合ってあげる。それだけでも、ストレス発散になるのでは?対人関係のストレスは、どうする?「心身のリラックス」の状態は比較的簡単に作れるが、たとえば「子どもが機嫌よく遊んでいる状態」を作ろうと思っても、どうしたらいいのか、なかなか思いつかないのでは?「実は、そういった対人関係のストレスには、『ストレス耐性を強くする』ことが有効な場合が多いのですが、これには、ちょっとした意識づけやスキルが必要なのです」と話す、高山さんの言葉が印象に残った。「ストレスマネジメントという考え方、何だか面白そう!」と思った人は◇「 親子のストレスを減らす 15のヒントト 」(著者:高山恵子/学研教育出版) 定価:本体1,500円(税別)
2015年07月24日子育て中のママに必須な「ストレスマネジメント」って? の続きです。「子育て中は、ストレスが一杯。でも、ストレスをまったくなくすのは不可能で、要はいかにうまく付き合うかという『ストレスマネジメント』が大事なのです」と教えてくれたのは、NPO法人 えじそんくらぶ代表の高山恵子さん。そんな高山さんに「ストレスマネジメントを実践するためのステップ」について伺った。今回はそのうちの前半、第1~第2ステップを紹介しよう。ストレスマネジメント 4つのステップ「ストレスの自分に合ったマネジメント法を見つけるために、4つの段階を踏んでストレスと向き合っていく方法を紹介しましょう」と、高山さん。流れは以下の通りだ。<Step1>自分のタイプを知る↓<Step2>自分にとっての「いい状態」を知る↓<Step3>ストレスの原因を知る↓<Step4>対処方を考え、実践する早めの周囲への相談が必要な時もさて、実践の解説を始める前に、ひとつ知って欲しいことがある。それは、「ストレスマネジメントは、毎日を快適に過ごすための有効な方法のひとつだが、精神的な疾患がある場合などは自己流のマネジメントにより、かえって症状が悪化してしまうこともある」ということ。状況が良くならない、または自分でマネジメントしようという気力もない、といった場合は、早めに周囲に相談し、必要に応じて専門機関での治療も検討して欲しい。では、いよいよ実践の解説を始めよう!<Step1>自分のタイプを知る自分に合ったストレスマネジメントの方法は、「自分のタイプ」の把握から。下図は心理学者ユングが提唱したもので、「基本的な性質」と「結論の出し方」を整理してみる。どちらがいい・悪いではなく、「違うタイプがある」ということがポイント。また、必ずどちらかに当てはまるということでもない。たとえば、旅行に行って気晴らしができる人もいれば、家で片づけをしていた方がリフレッシュになる人もいる。「『自分と人とは違う』と知ることが、自分を見つめるうえで、また、対人関係においてとても大切なのです。」 <Step2>自分にとっての「いい状態」を知る自分のタイプが見えてきたら、次は、自分のいい状態をイメージし、思いつくままに書き出してみよう。あなたは、どんな時にリラックスできるだろうか? それが終わったら、下の図を見て、「どの欲求を満たしたら、私は『いい状態』になるだろうか?」と考えてみよう。ストレスマネジメントとは、自分とじっくり向き合う作業のこと。その根底にあるのが、「自分を大切にする」という気持ちだ。ゆえに下図の「4 セルフエスティーム欲求(認められたい、自分をわかってほしい、自分を大切にしようという欲求)」は、「いい状態」を考えてみる時の大きなヒントとなる。今回は、自分のタイプを知り、自分にとっての「いい状態」の把握をした。次回は、ストレスの原因を知り、対処法を実践する方法を整理します。「ストレスマネジメントという考え方、何だか面白そう!」と思った人は◇「 親子のストレスを減らす 15のヒントト 」(著者:高山恵子/学研教育出版) 定価:本体1,500円(税別)
2015年07月23日「子育て中は、実はストレスだらけ。ストレスとうまく付き合う方法を知っていると、ママも少しは楽になるのでは?」と言うのは、NPO法人 えじそんくらぶ代表の高山恵子さん。NPO法人 えじそんくらぶは、ADHDをはじめとした発達障害を豊かな個性の一つと捉え、長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体だ。今回は、そんな高山さんに「子育てにおけるストレスを減らすためのヒント」について伺った。ストレスマネジメントという発想ADHDなどの発達障害や類似の特性を持っている子の行動は、親をストレス状態に追い込むことがあるため、ストレスマネジメントを重視した対応が、とても重要だ。でも、このストレスマネジメントという考え方、どんな子の育児にも充分、応用可能なのだ!代表的なストレッサー3つ「ストレス(反応)」とは、何らかの原因「ストレッサー」によって心身にかかる負荷のことを言う。このストレッサーの多くは、次の3つに分類できるが、多くの人が、いくつかのストレッサーを複合的に抱えている。<ストレッサーの例>◇自分自身のこと性格(完璧主義、マイナス思考など)健康上の問題時間がない満たされない気持ち理想と現実のギャップなど◇対人関係子どもとの関係パートナー、両親、義父母との関係職場の同僚、上司との関係ママ友付き合いなど◇出来事・環境事故、災害経済的な問題(貧困、借金、リストラ)転職、転居住環境(狭い・うるさい)などストレス反応とは?ストレッサーとストレス反応はアレルゲン(アレルギーの原因)とアレルギー反応の関係とよく似ている。何らかの原因(ストレッサー)によって負荷がかかり、心や体にさまざまな反応(反応)が表れることを、ストレス反応という。<ストレス反応の例>◇心の反応イライラ、ドキドキ不安、焦り、緊張やる気がしない、自身がなくなる冷静さがなくなる、余裕がなくなる人と話したくない、心細いなど◇体の反応眠れない、起きられないだるい、疲れる、無気力肩こり、首の痛み頭痛、胃痛、腹痛、便秘、下痢食欲不振、暴飲暴食など何をストレスに感じるかは人によって違うここで大事なのは、「何をストレスに感じるかは人によって違う」ということ。同じことでも、受け止める人の心身の状態や周囲の環境などによって、心や体にアンバランスをきたすストレッサーになることもあれば、適度な刺激となって、やる気が出るなど、よい方向に作用する場合もある育児ストレスには、とりわけ注意を!ストレスひとつひとつは小さいものでも、それが解消されないまま積み重なっていくと、やがて悪循環にハマってしまうことも。こうなると、ストレスのレベルはどんどん高くなり、悪循環サイクルから抜け出すのが難しくなる。とりわけ育児ストレスの場合、周囲からはわかりにくく、自分でも気づかないことが多いため、知らないうちに無理をしてしまうという怖さがある。そうならないためにも、早い時期に気づき、適切にストレスを発散していく必要がある。<こんな循環にハマっていませんか?>子どもが言うことを聞かない↓周囲の目が気になる↓子育てに自信がなくなる↓イライラする、やる気がなくなる↓怒鳴る、叱る↓子どもが言うことを聞かないストレスといかにうまく付き合うか「適切なストレス発散!? 日々の子育てがいっぱいいっぱいで、そんなことをしている余裕はないわ」と思うかもしれない。でも、高山さんは言う。「誰にでもストレスはあり、それは、人が環境に適応していくプロセスでの反応ともいえます。ストレスをまったくなくすのは不可能で、要はいかにうまく付き合うか。つまり『ストレスにうまく対処する』ことが大事なのです。ストレスにうまく対処する方法を考えることが、『ストレスマネジメント』の基本的な方針です」。ちょっとしたヒントが、日々の生活を変えるキッカケになるかも!?次回は、「自分にあった対処法を探すためのストレスマネジメント4つのステップ」です。「ストレスマネジメントという考え方、何だか面白そう!」と思った人は◇「 親子のストレスを減らす 15のヒントト 」(著者:高山恵子/学研教育出版) 定価:本体1,500円(税別)
2015年07月22日嫌なのは「子ども」ではなく、子どもがする「行動」である 子どもの行動を理解する4つの視点 の続きです。ママが毎日をリラックスして過ごすために、「子どもという『存在』」と『行動』を分けて考える視点を持つことは、とても有効」と、NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さん。今回は普段、無意識にやっている自分のイライラパターンを理解するためのQ&A集です。あなたなら、こんな時どうする?「早く準備して!」と言っても、なかなか言うことを聞かないわが子にイライラして…(A)とにかく「早く! 早く!」と、同じ指示を何度も繰り返す(B)「早くしなさい!」と叱る(C)「この間も遅れちゃったでしょ! そういえばあの時も…」と、ほかのことまで持ち出す(A)とにかく「早く! 早く!」と、同じ指示を何度も繰り返すと回答した人同じ指示で状況が変わらなければ、視点を変えて「早く!」と繰り返しても子どもが動かない時は、「どうして伝わらないのかな?」と考えて、指示の仕方を変えてみよう。 子どもの行動を理解する4つの視点 を使って考えてみて。「子どもに合わせた指示に変えて、しっかり伝えるといいかも」と見方を変えるだけで、きっと何かしらの発見があるはず!(B)「早くしなさい!」と叱ると回答した人「早く」の意味が理解できず、子どもも困っている?大人が「当然わかるだろう」と思っている言葉が、子どもにとっては理解できない言葉ということは、実はよくあること。「この言葉、子どもにはわからないかも…」と想定しておくと、子どもを叱らずにすんで、親子ともにストレスを減らすことができる。(C)「この間も遅れちゃったでしょ! そういえばあの時も…」と、ほかのことまで持ち出すと回答した人ほかのことまで言いそうなときはクールダウンいったん怒りがこぼれ始めると、芋づる式に出てきてしまうことがある。そんな時は体や心が疲れている場合が多く、どんどん怒りの焦点がズレていく上に、周囲の人も傷つけ、自分をも傷つける悪循環に陥りがち。次のような方法で少し間を置くなど、まずクールダウンしよう。<クールダウンの方法あれこれ>深呼吸6秒ルール(6秒までカウントする)落ち着く言葉を繰り返す体を動かしながら考える水を飲むその場から離れる子どもには伝わりにくい「あいまいな」言葉とは?子どもにとってどんな言葉が伝わりにくく、どのようにしたら伝わりやすくなるのか、口ぐせになりがちな、あいまいな言葉をチェックして、より伝わりやすい言葉がけにしてみよう。これらの言葉の伝わりづらさは、言っている本人はなかなか気がつかないもの。パパやママ友にモニターになってもらい、意見をもらうのも、ひとつの方法。<子どもに伝わりにくい、あいまいな言葉の例>・こそあど言葉 ~「それ取って」「これ片づけて」~指示するときによく使う、「これ」「それ」「あれ」「どれ」といった「こそあど」言葉は、わかりにくい言葉の代表的存在。▼こんな言葉がけにしてみよう「お皿を取って」「服を片付けて」など具体的に言う。また、「黄色いお皿」「脱いだパジャマ」など、より具体的に言葉にしたり、大人が一緒にやって見せながら言ったりするなど、子どもの理解度に合わせる。・抽象的な言葉 ~「ちゃんとしなさい」「大切に」~抽象的で、何をどうしたら「ちゃんとしていること」「大切に使っていること」になるのかがわからない。▼こんな言葉がけにしてみよう「今、ママはお客さんとお話しているから、本を読んで静かに待っていてね」など、具体的な行動を示す言葉に換える。・主語や目的語の省略 ~「早くしなさい」「行ってきなさい」~主語や目的が省略されてしまうと、誰が何を早くするのか、どこに行くのかがわからない。▼こんな言葉がけにしてみよう「○○ちゃん、ごはんを食べよう」「△△くん、トイレに行ってこよう」など、何をどうするのかを省略せず、具体的に言う。子どもが「わからない」と訴える力も必要ママが普段の言葉にちょっと気を付けることも大切だが、もちろん子どもが自分で「わからない」と言えることも大切。「そのために、親ができることは普段から『わからないときは言ってね』と伝えること。伝わらない時に伝わらなさにイライラするのではなく、下記のようなコミュニケーションとして楽しめると、良いですね」と、高山さん。<母子のコミュニケーション例>ママ 「あれとって」子 「あれって、何?」ママ 「なんでしょう? 今、ママの手は濡れています」子 「タオルだね!」ママが、リラックスすること。それだけで、家の雰囲気は柔らかくなる。そのためのヒントとして、今回、高山さんの教えてもらったことを試してみてもいいのでは!? 「こんな発想があったのか。もっと、この話を詳しく知りたい!」と思った人は◇ママもこどもも悪くない!「 しからずにすむ 子育てのヒント 」(著者:高山恵子/学研教育出版) 定価:本体1,200円(税別)
2015年07月18日嫌なのは「子ども」ではなく、子どもがする「行動」である の続きです。ママが毎日をリラックスして過ごすために、「子どもという『存在』」と『行動』を分けて考える視点を持つことは、とても有効」と、NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さん。今回は、ふだん無意識にやっている自分のパターンを理解するためのQ&A集です。あなたなら、こんな時どうする?「片付けて!」と何度言っても、片付けないわが子に…(A)「どうして言うことを聞かないの!」と叱る(B)ふと我に返って、「なぜやらないんだろう?」と考えてみる(C)時間がかかるし、イライラするので子どもの代わりに片付けてしまう (A)「どうして言うことを聞かないの!」と回答した人ただ叱るだけでは、同じことの繰り返し?子どもが言うことを聞いてくれないと、つい叱りたくなるのは親心。でも、子どもは叱られる理由がわからないことが多いもの。ママも子どもがなぜやらないのかがわからないままイヤな気分になる。こんな繰り返しをストップしよう。実は、行動ひとつひとつに、その子なりの理由が必ずある。それを理解するために、次ページの「4つの視点」を参考にしてみて!(B)ふと我に返って、「なぜやらないんだろう?」と考えてみると回答した人「やらない理由」を想像すると対応が見えてくる「なぜやらないのかな?」「どうやったらできるのかな?」と、子どもの気持ちを想像すると、効果的な大人のかかわり方が見えてくる。ポイントは、子どもの行動の意味を正確に理解すること。子どもの発達も行動の理由も、その時々で違うので、ちゃんと観察して言葉をかけると効果的。次ページの「4つの視点」を参考にしてみて!(C)時間がかかるし、イライラするので子どもの代わりに片付けてしまうと回答した人代わりにやってしまわず、「親子一緒に」が大事。忙しくて余裕がないと、つい「私が片づけた方が早い!」と手を出したくなる。しかし、子どもがひとりでできるようになるためには、その中間の「親子一緒に」という、ママのやり方を見て覚えるプロセスが大切。毎回子どもと一緒にするのが難しければ、たとえば「週末だけは一緒にする時間を確保する」などの工夫を! やむをえず「今はわたしがやっちゃおう」という時は、子どもが混乱しないように、「今は忙しいからママがやるけど、今度は一緒に片づけようね」などと、その理由を伝えてあげて!次ページは、子どもの行動を理解する「4つの視点」の解説です子どもの行動を理解する4つの視点子どもの行動にイラっとして「ダメな子ね!」となる前に、ちょっと待って! 子どもの行動には必ず理由がある。その時の気持ちを次の4つの視点で考えると、具体的な関わり方がわかってくる。こんなふうに子どもの側に立つと、同じ行動も違って見えてきませんか?困ったなぁ ~わからない~指示の意味や、その場に応じた行動がわからない子もいる。しかし、大人にとっては当たり前のことなので、「子どもの『わからない』気持ちがわからない」ということも▼こんな対応が有効「ボールをこの箱に入れようね」などと具体的に説明し、大人がやって見せたり、一緒にやったりして、やり方を伝えてみよう無視していないよ!~聞こえてない~遠くから声をかけていませんか? 子どもの耳に届いていないのかも。特に乳幼児の場合は、本当に聞こえていないことも多い。▼こんな対応が有効近くで子どもに目線を合わせてから話してみよう。こっちを見て! ~わざと~注目されたくて、「わざと」やる子もいる。本当はママのことが大好きなのに、なかなか素直になれなくて…という気持ちのようだ。▼こんな対応が有効一緒に遊ぶ、スキンシップをとるなどの「スペシャルタイム」を! 忙しい時に起こりがちなので、「これから30分はご飯を作るから遊べないのよ」と、できない理由を伝えるとgood!悪気はないの ~うっかり~指示を聞いても、すぐに忘れてしまう、うっかり屋さんもいる。▼こんな対応が有効「何をやるんだっけ?」「これはどこに入れるんだっけ?」などと、一緒に確認をしよう子どもに寄り添うキッカケにもちろん、必ずしもひとつの行動にひとつの要因ということではなく、またこの4つでは説明のつかないこともある。分類が難しいと感じても、もちろん、OK!「大切なのは、すぐに叱らず、まずはいろいろな視点から子どもを見てみることです」と、高山さん。次回は「普段、無意識にやっている自分のイライラパターンを理解するためのQ&A集」です。「こんな発想があったのか。もっと、この話を詳しく知りたい!」と思った人は◇ママもこどもも悪くない!「 しからずにすむ 子育てのヒント 」(著者:高山恵子/学研教育出版) 定価:本体1,200円(税別)
2015年07月17日「子どものことを『イヤ!』」と思うことがあってもOK! ママは、無理をしないで!」と言うのは、NPO法人 えじそんくらぶ代表の高山恵子さん。NPO法人 えじそんくらぶは、ADHDをはじめとした発達障害を豊かな個性の一つと捉え、長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体だ。高山さんは、「発達障害のある子の子育て法は、障害の有無に関係なく、すべての子どもに有効」と話す。今回はそんな高山さんに、子育てのヒントを伺った。ママの役割を休憩しよう子育て本を読めば読むほど、その通りにできない自分がイヤになる、ほかの子どもの比べてしまう、結果が出ないわが子にイライラする…そんな経験はないだろうか?でも、そう考えるのはあなたが無能なわけでも、子どもが悪いわけでもない。「この記事をクリックしている時点で、あなたは充分すてきなママです。だって、『子どもをイヤ!』と思う自分を何とかしたいと心の中で感じているのですから!」と、高山さん。ママが頑張りすぎていると、子どもが思い通りに動いてくれない時、怒りが爆発しがち。「もう、知らない!」と限界になる前に、時々ママの役割を休もう! リラックスすれば自然に笑顔も出てくる。「子ども」がイヤなのではなく、その「行動」がイヤママがリラックスするためのヒントのひとつに、「あなた(子ども)自身」と「行動」を分けることがある。これは、これからお話しするすべてのことに通じる大切なヒントなので、少し丁寧に説明しよう。まず、こんな場面を想像して欲しい。スーパーで我が子が走り回って大騒ぎ。毎度のことで、堪忍袋の緒がプッチン!と切れたママは、「どうしてちゃんと静かにできないの! 走り回ってダメな子ね!」「ママ、そんな悪い子は嫌いよ!」と子どもに向かって口走る。ここで意識したいのが「あなた(子ども)自身」と「行動」とを分ける視点。下記のように、行動と存在を引き離して考えてみる必要があるのだ。【OK例】「走り回る」のはNG。「あなた」はOK。→存在を切り離して、行動を否定。【NG例】走り回るあなたはNG。→行動と存在を一緒に否定。「我が子の『存在』がイヤ」なのではなく、「その時の我が子の『行動』がイヤなだけ」。だから、その『行動だけを変えていけばいい』と考えてみよう。「あなたはOK!」が心を育てる栄養に小学生になる頃から、子どもは「自分のイメージ」が明確になってくる。「自分はOK!」というプラスのイメージを持てるようになるには、まず「大好きなママから自分はいつも守られ、認められている」という安心感が必要だ。「少し意識するだけで、言葉がけがプラスに変わります。『子どもの存在は○。行動がときどき×または△』と考えてみてください。さっそく今日から、将来の子どもの自己イメージづくりを意識して、試してみましょう!」と、高山さん。次回からは、無意識にやっている自分のパターンを理解するために、事例を設定して、「あなたならどうする?」という三択式のQ&Aで、子育てのヒントを紹介します。「こんな発想があったのか。もっと、この話を詳しく知りたい!」と思った人は◇ママもこどもも悪くない!「 しからずにすむ 子育てのヒント 」(著者:高山恵子/学研教育出版) 定価:本体1,200円(税別)
2015年07月16日皆さんは、「ボーディング・スクール」という言葉をご存じですか? ボーディング・スクールとは、広いキャンパス内で、学校時間外も寄宿舎で学友と寝起きを共にし、授業だけではなく日常生活のマナーや秩序も学んで行くという、日本でいえば全寮制学校を意味します。子どもさんを将来海外留学させようと考えている方は、ホームステイにするか全寮制の学校にするか、正直悩んでしまうこともあるのではないでしょうか?国によって少々スタイルが異なるボーディング・スクールのうち、今回はボーディング・スクール文化がもっとも長い国、英国のボーディング・スクール事情をご紹介します。英国のボーディング・スクール事情勉強だけでなく生活全般を共にすると聞くと、日本では中学校、もしくは高校のイメージがありますが、イギリスでは、4~5歳の子どもを通わせることも可能です。英国内にボーディング・スクールはおよそ500校あるといわれています。それらは大きく3つのタイプに分かれています。1.プライベートスクールたとえば「牧師さんのご子息だけ」といったように、入学できる生徒が特定されている学校や歴史が浅い新しい学校を指す。2.パブリックスクール別名、インデペンデントスクールと呼ばれ、古くからある名門校を示す。3.公立の学校数は圧倒的に少ないですが、授業料が無料(ただし、寮費は別途かかる)の学校。このうち、残念ながら公立校は、英国国籍もしくは、EEA(欧州経済地域)の学生しか受け入れていません。プライベートスクールとパブリックスクールについては、どちらも(いくつかの私立は除く)留学生を受け付けています。イギリス人に圧倒的に支持されているのは、プライベートスクールよりも断然、歴史があるパブリックスクール。ただし、授業料が高額な学校が多く、貴族のご子息や歴代の首相が通っていたことで知られる名門校、イートン校(Eton College)の学費は、なんと年間430万円にもなります。ボーディング・スクールのメリット&デメリットボーディング・スクールに通うメリットの1つは、学校によって力を入れている分野に違いがあることです。各校には特色があり、スポーツを重視する学校、マナーや秩序を教え込む学校、勉強を重視する学校など、力を入れている分野を大きく伸ばしてくれるのが特徴です。一方デメリットは、やはり人間関係。少なからず小さないじめもあるようなので、寝食を共にすると逃げ場がなく、精神的に弱い子どもはなかなかなじむ事ができない傾向があるようです。とは言ってもイギリス人は、「だからこそ、もまれて心身ともに強い人間なるから良い」と楽観的に考えている親御さんも多いのだとか。実際に11歳からボーディング・スクールに通っていた、イギリス人の友人に話を聞くと、「はじめは『なぜ親がこんなに学校の近くに住んでいるのに、自分だけボーディング・スクールに入らなければならないのだろう』と悲しかった。しかし、通っているうちに大好きなスポーツで結果も残せるようになり、充実した学生生活が送ることができた。また、毎日2~3時間、宿題の時間というものがあって、その時間は全生徒が強制的に宿題をやらされていたが、今思うと両親と一緒に住んでいたら、絶対に勉強しなかったと思うので、そうした点でもボーディング・スクールに通っていてよかった」と言っていました。ボーディング・スクールに入学させる場合、単に評判の良し悪しだけでなく、子どもの性格や能力を考慮し、我が子に一番何を学ばせたらよいかをよく考えて、学校や入学させるタイミングを選んであげるのがよいかもしれません。将来、英国のボーディング・スクールへの留学を考えている方は、サマースクールも行われているようなので(ラグビーの発祥地でもある名門、ラグビー校<Rugby School>では、毎年行われている)、こういった短期留学を上手に利用してみるのもよいですね。
2015年07月06日子育てはコーチング技術を使えばもっとうまくいく! 親が子育てで「野望」や「不安」以外に持てるものって!? 子どもの気持ちを受けとめるって? ママが身につけたい、子どもの話を聞くためのスキル 実践!子育てコーチング ~初級編~ 実践!子育てコーチング ~中級編~ の続きです。 子どもにお説教するには10年早い! と4本目に書いたけれど、いやいや、どうして! 本特集6本目(最後)にして、やっと子どもにリクエスト(要求する)スキルに到着した。引き続きお話を、国際コーチ連盟マスター認定コーチの、あべまさいさんに伺いました。不満ではなく「リクエストしてもらう」あべさんは、1997年の夏、初めてコーチングのワークショップに参加した。そこで聞いた話の中で、いちばん印象に残ったのはアメリカのトップコーチである講師自身(父)と息子たちとの関わりだと言う。子どもたちとテレビを見ている。父のそばにリモコンがあり、子どもたちが言う。『お父さぁん、テレビの音が小さいよ』父は『ああ、そう』と聞いてそのまま。『お父さぁん、テレビの音が小さいよー』そこで父は言う。『不満には答えられないけれど、リクエストなら聞きますよ』すると、子どもたちはハッとしたような顔をして、背筋を伸ばしてこう言った。『お父さん、テレビの音を、もっと大きくしてください』そこで父は、『はい、いいですよ』と言ってリモコンを手に取り、音量を大きくした。「アメリカと日本という文化の違いもあるかもしれません。でも、ただ不満を言うのではなくて、自分から相手にリクエストをする。自分から責任を持って人に関わるという習慣がつけば、自分の思いや目標を遂げられる、すくっとした大人になれそうです」と、あべさん。子に期待するのではなく、「子どもの未来を望む」先ほどの「リクエスト」に似たスキルとして、「wanting for(相手のために求める)」というスキルがある。意訳すると要求ではなく、「要望」ということになる。「要望とは『純粋にその人のために、それを求める』というスキルです。親という役割を背負って、その役割から『ねばならないこと』を伝えるのとは違います。親から子の未来に向けて求めることを伝える、それが要望のスキルです」と、あべさん。子どもの力を信頼する要求や要望をすることは、勇気のいることだ。「どうせ○○だろうから」という諦め。「○○と言ったら、また親子関係が悪くなる」。そういった気持ちの根底には、子どもへの不信感があるのではないだろうか。人を信頼するには、勇気がいる。けれども、コーチングという考え方に触れ、それをもとに自分の心の中を整理してみると、以前より、少しだけ勇気が出せるような気がした。コーチングについて、興味を持った人には◇コーチングのプロが書いた決定版 「 子育てコーチングの教科書 」(あべまさい/ディスカヴァー・トゥエンティワン)本体1,400円
2015年07月01日子育てはコーチング技術を使えばもっとうまくいく! 親が子育てで「野望」や「不安」以外に持てるものって何!? 子どもの気持ちを受けとめるって? ママが身につけたい、子どもの話を聞くためのスキル 実践! 子育てコーチング ~初級編~ の続きです。前回は、質問することで、子どもの中にあるものを引き出すというスキルを学んだ。今回は、知識がなかったら、それが「子どもへの働きかけである」ということにすら気がつかないスキルを学んでみよう。そのスキルとは「子どもを承認する」ということ。引き続きお話を、国際コーチ連盟マスター認定コーチの、あべまさいさんに伺いました。存在を認める=アクノレッジするというコーチングスキルアクノレッジするとは、直訳すると「承認する」「認める」という意味だ。「ほめる」という言葉とも限りなく近いが、アクノレッジには、「その人の存在そのものを認めていく」「その人がそこにいることに価値を置いていく」という意味合いも含む。アクノレッジのスキルは、以下の3つに分けることができる。・結果承認良い結果を出したときにほめること。これは自然とやれている人が多い。・行為承認望ましい行為があった時にそれを認めていくこと。行為承認をするためには、子どもを注意深く観察していく必要がある。「どんな小さな進歩や努力でも見逃さないぞ!」というような心構えでみていく必要がある。・存在承認文字通り、子どもの存在そのものを認めていくこと。大それたことでなくていい。たとえば、朝起きてきたら「おはよう!」と親から声をかける、それも立派な存在承認だ。存在承認や行為承認がなく、結果承認だけのコミュニケーションは、人をかえって不安にさせると言われている。横浜市長、林文子さんの人との関わりアクノレッジの上手な例として、あべさんが林文子さん(現・横浜市長)に伺った話を引用しよう。当時、林さんはBMW東京の社長だった。林さんは数少ない女性セールスとして数々の記録を打ち立て、BMW東京社でも売上最下位支店を半年でトップに引き上げた女性。魔法の杖を持ったスーパーレディだと思っていたが、林さんが教えてくれたのは、営業マンと交わした一つ一つの会話。「売れなかった」と報告してきた営業マンに、「ええ! あなた、あんなにがんばっていたのにっ!?」と、心底驚くところから会話はスタート。営業に同行した帰り道、その営業マンの説明で素晴らしかったところを、一つ一つ承認する。技術のスタッフとも、昼食のコンビニの袋を覗き込みながら「これ、油っぽくて体に毒じゃない?」といったおしゃべりを交わす。「林さんの関わりは、その人の存在に心から関心を払う『存在承認』、まだ結果にはつながらないけれど、その人の努力を認める『行為承認』、そして素晴らしい結果を喜んで分かち合う『結果承認』に満ちていました」(あべさん談)「差し出されたものをもらう」というアクノレッジメント「承認」の中には、「もらう」という行為も含まれる。「もらう」というと、なんだか受け身的な行為のような印象があるが…。「『心を込めて、感謝の気持ちを表現しながら、もらう』ことは、意識して働きかけようという意志があって、初めて可能になります。自分が差し出したものを相手が喜んで『もらって』くれる、それは人にとって最もうれしい瞬間なんですね」と、あべさん。子どもが表現したものを「もらう」例として、あべさんの娘さんがピアノのレッスンに通い始めた時のエピソードを紹介しよう。娘は一目で先生を気にいってしまった。いかにも芸術家という風情のある女の人で、エネルギッシュで、ユーモアがある。初回のレッスンの最初に、先生は娘の名前を確かめると一瞬目を閉じて「いいお名前ねー。先生、ちはるちゃんってお名前の生徒さん、初めてよ」と、本当にうっとりしながらこの名前を味わってくれた。先生の前に立っている娘が、体を左右に揺らして照れながらも、喜んでいるのが伝わってきた。次の週、娘が先生に小さい手紙を渡すと、先生は「うわぁー」と言ったきり、穴のあくほどその小さいメモを見つめる。「ちはるちゃんありがとう」と一人ごとのように呟くと、また見入っている。やっと顔を上げると、「これはここに飾っておこうね」と譜面台の上にメモを乗せてレッスンを始めてくれた。「差し出されたものをもらう」ことは、働きかけるスキルである。そんな視点をもつと、普段の生活が、今までとは違って見えてくるかもしれない。子育てコーチング特集も、次回はいよいよ、最終回。リクエストするスキルを学びます。コーチングについて、興味を持った人には◇コーチングのプロが書いた決定版 「 子育てコーチングの教科書 」(あべまさい/ディスカヴァー・トゥエンティワン)本体1,400円
2015年06月28日子育てはコーチング技術を使えばもっとうまくいく! 親が子育てで「野望」や「不安」以外に持てるものって何!? 子どもの気持ちを受けとめるって? ママが身につけたい、子どもの話を聞くためのスキル の続きです。コーチングという視点で子育てを眺めてみると、親といえども、子どもにお説教するには10年早い! くらいのことが判明。子どもにお説教する(働きかける)までに、親としてすべきことがありすぎて、目まいがしました。 しかし、やっと本特集4本目にして、子育てコーチングの実践編「子ども働きかけるスキル」に到着。引き続きお話を、国際コーチ連盟マスター認定コーチの、あべまさいさんに伺いました。コーチングのポイントは質問の仕方にありコーチは質問のプロ。なぜなら、質問をすること自体が、そのまま相手への働きかけに繋がるからだ。コーチが考える質問には、大きく分けて次の2種類がある。・オープンクエスチョン(直訳すれば、「開かれた質問」)5W1H(いつ、どこ、誰、何、なぜ、どのように)でたずねる質問。相手が自由に話すことができる形式・クローズドクエスチョン(直訳すれば、「閉じられた質問」)「はい」か「いいえ」で答えられる質問。質問者のために作成されたもので、答える相手にプレッシャーをかけてしまう可能性もある。子どもには、オープンクエスチョンで自由に答えさせるこの技術を子育てに応用するには、子どもにもオープンクエスチョンで質問をする必要がある。ただ、日々の子育ての中で「今のは、オープンクエスチョンになっていたかしら?」などと考えられる余裕は、残念ながらない。だが、そんな人でも、次のエピソードは、ポンっと頭に入るのでは? あべさんの友人コーチが、夜、自宅で仕事をしていた時のこと。クライアントにオープンクエスチョンを投げかけ、コーチングが終わって、和室のふすまを開けると、当時9歳の息子のげんちゃんが、そこに正座していた。コーチングをずっと聞いていた様子。『お母さんズルイ。僕には<ああしろ、こうしろ>しか言わないのに、ほかの人には<何がしたいんですか?>なんてきいてあげているじゃない。ぼくにも、そういうふうにきいてよー!』と言った。子どもにオープンクエスチョンを実践してみたら…思わずシーンが目に浮かぶようなエピソードだったので、早速、我が家でも実践してみた。小学校5年生の双子の息子たちに、「本日の塾の勉強は、どんなふうにする予定ですか?」と聞いてみたのだ。紙と鉛筆を用意し、「ママはお話を伺う気は満々です!」的な気配を漂わせる。すると、どうだろう。息子たちは鼻を膨らませながら、「国語はちょっと時間がかかるから、最初は理科をやる」「社会は工業地帯を暗記しないとなんないんだよ」などと言い始めた。そんな話を紙に書き取り、項目を整理してやると「本日のTO DOリスト」が出来上がった。いつもはああしろこうしろと口うるさく言わなければ決まらないことがすぐまとまるなんて、素敵!! 子どもにとっては、珍しさも手伝ってのことなのだろうが、それでも嬉しかった。ぜひ、皆さまも試してみてほしい。今回の「質問をするスキル」は、コーチングで相手に働きかけるスキルの、ほんの出だし。次回は、承認することで、子どもに働きかけることを学びます。コーチングについて、興味を持った人には◇コーチングのプロが書いた決定版 「 子育てコーチングの教科書 」(あべまさい/ディスカヴァー・トゥエンティワン)本体1,400円
2015年06月27日子育てはコーチング技術を使えばもっとうまくいく! 親が子育てで「野望」や「不安」以外に持てるものって何!? の続きです。ちょっと自分の心の中を整理して、余白(余裕)をつくる。その余裕で、相槌を打つ。そんな気持ちになれたらのならコーチングのスタート地点につけたのかもしれない。スタートラインに立ったら、第1ステップとして何をするのがよいのだろう? 引き続きお話を、国際コーチ連盟マスター認定コーチの、あべまさいさんに伺いました。子育てコーチングの第1歩は、子どもを受け止とめること子育てコーチングの第1ステップは、子どもを受けとめるスキルを身に着けることだ。それはさらに、「聞く」「見る」「ペーシング」という3つの項目に分かれている。項目ごとに詳しく見ていこう。子どもを受けとめるスキル(1)聞く ~子どもが「聞かれた」と思う聞き方~コーチという立場には、1つの原則がある。それは、「相手から返ってきたコミュニケーションは、自分が相手に伝えたコミュニケーションの結果である」という原則だ。これは子育てにも当てはまる。親のコミュニケーションによって、どれほど子どもの反応に違いが出るのか? 再びあべさんのエピソードを引用しよう。「ある朝、娘が目覚めるなり『のどが痛いよ』と訴えてきた。家事をしていたので、布団にいる娘に遠くから『きっと口を開けて寝ていたんじゃないかなぁ?』と声をかけると、娘は『口なんか開けてない!』と言うと、布団に顔を埋めて号泣し始めた。数日経った朝、娘が再び『のどが痛いよー』と言った時は、家事の手を止め娘の傍らに行き『どこ? どこらへん?』と聞くと、即座にパカッと口を開けた。私はじーっと覗き込み、喉の中をまんべんなく見てひとこと、『確かに赤いみたい』と低い声で、心底納得した口調で言った。すると娘はゆっくり口を閉じ、何事もなかったかのようにパジャマ姿のまま絵を書き始めた。このエピソードを聞いて、「ああ、わかる。子どもって、こういうことあるよなぁ…」と思ったママも多いのではないだろうか。「聞くという行為は、『最初から最後まで聞く』、『相手の言わんとしていることをそのとおりに理解しようとする』、そして、『それだけで完了する行為』なのだと、その時に感じました」と、あべさん。子どもを受けとめるスキル(2)見る ~エンジェルアイ(天使の目)をあなたに~エンジェルアイ(天使の目)。それはコーチや組織のリーダーがクライアントや部下の話を聞く時の、1つのモデルとなるような眼差しを表す言葉だ。相手を無条件で受け入れる、そう決めている人の「目」の表情だ。もちろん、エンジェルアイを子どもに向けることは大事。でも、それとともに忘れてならないのは、「自分にもエンジェルアイを向ける」こと。たとえば、子どもが熱を出すと、親は「ああ、昨日の夕方、私が空気の悪いスーパーに私が連れて行ったからだ」など、自分に「イーグルアイ(鷹の目・厳しく射るような批判的な目)」を向けがち。しかし、そこで、フッと力を抜いて、エンジェルアイで自分を見てあげることができたなら、つまり、自分の失敗を責めずにいられたなら、子どもに対してもエンジェルアイが向けやすくなるのでは? 子どもを受けとめるスキル(3)ペーシング ~ただ繰り返す~ペーシングのスペルはPaching。直訳すると「相手とペースを合わせる」という意味。すなわち、ペーシングとは、相手のペースに合わせて、相手の言うことや気持ちを受けとめるスキルのことだ。たとえ、それが自分にとっては都合の悪いものであったとしても、できるだけの忍耐と思いやりを動員してしっかり受けとめる、そういうスキルがペーシングだ。こちらは、あべさんの友人のエピソードを引用しよう。「病院に1泊入院しなければならなくなったR子ちゃん。母親が乳飲み子を抱えていため、入院手続きは父がすることに。父が話を切り出すと、R子ちゃんは当然のように泣き出し続け、お手上げ状態になった父。『泊まるの、いやだよー』途方にくれた父は確かにそうだなぁ、と思い、『そうだよね、いやだよね』『泊まるの、こわいよ!』『そうだよね、こわいよね』本当にそうだなぁと思いながら、R子ちゃんの言うことをただただ、繰り返していた。すると数分後、R子ちゃんはふと顔を上げて、『わかったよ、R子、びょういんにとまる』と言ったのだそうだ。「人の気持ちは、『そうか、そうなんだね』と、誰かから認められるだけで軽くなるものです。あくまでも焦点は、その人の気持ち。ペーシングとは、その人がまさにそう思っている、その思いや気持ちを受けとめるスキルなんです。」人を受けとめるって、こんなに深いことだったんだ! そのことが理解できたところで、次回はいよいよ、コーチングの真髄とも言える「子ども働きかけるスキル」について学びます。コーチングについて、興味を持った人には◇コーチングのプロが書いた決定版 「 子育てコーチングの教科書 」(あべまさい/ディスカヴァー・トゥエンティワン)本体1,400円
2015年06月26日子育てはコーチング技術を使えばもっとうまくいく! の続きです。コーチングとは、我が子がごきげんな人生を歩めるようにサポートするスキル。そのスキルをスッキリ使えるように、親である自分の心を少し整理してみましょう。私のダメ親日記私には3人の息子がいるが、子育て中の現在、日々、自己嫌悪に陥っている。発狂のあまり、 物に当たって壊してしまったり 、 先生に泣き言を言ってみたり と、相当なやりたい放題。子どものことを思えばこそ!親はいろいろと言いたくなるものだ。けれども、子どもは私が思ったようには動かない。その繰り返しで、いつしか消耗してしまうのだ。あべさんは言う。「ある子育ての勉強会に参加して、そこで、『子どもにとって一番良くないのは、大人の野望と不安』という話を聞いたことがあるんです。これは親と特定したものではなく、スポーツのコーチや、学校や塾の先生や、子どもに関わるすべての大人を想定したものです」。親が子育てに「野望」や「不安」を持つのは悪いことなのか? 大人の野望と不安。たしかに私が子どもにいろいろと言いたくなる根っこには、その二つの感情があると思う。「でも、子どもに、こうあって欲しいという野望を持つことや、これでいいのだろうか? という気持ちは、人間として当然の感情なのだと思います」と、あべさん。そういった感情が備わっていなければ、人類はとっくに滅亡しているか、まったく進化していなかったはず。いわば「野望」と「不安」は、人間が生体としての存続するための本能なのだ。けれども、過度の野望や不安だけの心持ちになってしまうと、それはコーチングという方向とは少しズレてしまう。究極のところ、相槌を打っていればいい「ふん、」「へえー!」「おお!」「すごいね」。「そうなんだー!」「さすが」「みごと!」などなど。究極のところ、親はちょっと心を子どもに向けて、耳を開いて、あとは相槌を打っているだけでいいのかもしれません。『自分の話を最初から最後まで聞いてもらいたい=自分がここにいることを誰かに認めてもらいたい』。人が生きていて欲していることって、結局、そういうことなんじゃないでしょうか?」と、あべさん。日々の子育てで、いっぱいいっぱいなのは仕方ない。でも、ちょっと自分の心の中を整理して、余白(余裕)をつくる。その余裕で、子どもに相槌を打つ。そんな気持ちになれたらコーチングのスタート地点につけたのかもしれない。では、コーチングを使って、子どもと接してみようと思ったのなら、どのようにしていけばよいのだろう? 次回はコーチングの最初のステップに入ります。コーチングについて、興味を持った人には◇コーチングのプロが書いた決定版 「 子育てコーチングの教科書 」(あべまさい/ディスカヴァー・トゥエンティワン)本体1,400円
2015年06月25日コミュニケーション技法の1つである「コーチング」。名前だけ聞くと、格好良すぎて、何だか気後れしちゃう!? いえいえ、そんなこと、全然ないんです! コーチングには、子どもと関わる時の大切な知恵がたくさん詰まっています。子どもが、ごきげんな人生を歩めるようにサポートするスキル「コーチングとは、お母さんが言いたいことを伝える技術ではなく、思う通りに子どもを動かす技術でもなく、子どもが自分で考え、自分で決めて、自分の人生を歩めるように関わっていくスキルなんです」と、あべさん。自分で決めて、自分の人生を歩む。つまりは、自発的な行動ができるようになれば、人生のクオリティはおのずと上がる。「コーチングとは、その子がごきげんな人生を歩めるようにサポートするスキルなんです」。子育ての答えは、すべて子どもの中にあるそう聞くと「子どもの自発的な行動を促すには、親は何をすればいい?」と考えてしまう。でも、「答えはすべて子どもの中にあるんです」と、あべさん。それをあべさんが実感した時のエピソードを引用しよう。要約するとこんな感じだ。「娘がハイハイをしている頃、15cmほどの段差を下りられるように、私(母)がハイハイの恰好になって、毎日のように見本を見せていた。それは、足から先に下りる方法。ところが生後9ヵ月目のある日。娘は、いきなり手をありったけ伸ばし、頭から段の下に向けて突っ込んで上手に段差を下りた。母は一連の動きを見ているほかなかった。どんなに見本を見せても、どんなに教え込んでも、最終的には、人は自分の求めているものを自分のやり方で手に入れる、すべて自分が決めたことを人はするのだ」きっと、どの親も多かれ、少なかれ、似たような体験が思い当たり、ギュッと胸が掴まれるような共感を覚えるのではないだろうか。まずは、子どもの話を最後まで聞くこと「すべては子どもの中にある」のなら、それを信じて、子どもの中にあるものを引き出すことに専心すればよい。などと書いてみても、日々の自分の子育てを省みると、まったくもって自信がない。あべさんは、言う。「日本にコーチングを初めてもってきた伊藤守さんが、講演会などで紹介するエピソードの一つに、『私たちは<聞かれずに育った>』というものがあります。誰でも思い当たる子どもの頃の体験として、ちょっと話を始めると、大人は途中で『ああ、わかった、わかった、』と言って、子どもは最後まで聞かれていない、と。そんなエピソードを聞くと、ちょっと反省してしまう。どうしたら、子どもの話を聞ける母になれるのだろう? もしかしたら、それはコーチング以前の私側の心の問題なのかもしれない。親側の心を整理するヒントを、取材中のあべさんとの雑談の中で見つけた。次回は、コーチングをする前の親の心の整理法を探ります。コーチングについて、興味を持った人には◇コーチングのプロが書いた決定版 「 子育てコーチングの教科書 」(あべまさい/ディスカヴァー・トゥエンティワン)本体1,400円
2015年06月24日自然豊かなタイのプーケットで、今年10歳になる娘さんを、モンテッソーリ教育を行う学校に通わせている、ライターの徳武加奈子さん。そんな徳武さんに、モンテッソーリ教育のこと、そして、娘さんが通っている学校のことについて、赤裸々に語ってもらいました。 前編 に続き、後編の今回は、娘さんの通っているモンテッソーリ学校で実際に行われている授業の内容をご紹介します。■心が確立する年齢になるまでは順位づけをせず、自分に自信を持たせる「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」では、シンガポールカリキュラム(※)に移行する高学年になるまでは、テストというものが存在しません。もちろん、テストらしきもの(たとえば、計算問題やスペリングなど)は行うのですが、解答用紙には、どこが間違っていたのかがわかるように、まる(○)とチェックマーク(☑)だけで点数はつけません。子どもは、わざわざ大人が順位をつけなくても、「○○ちゃんが算数は一番できる」「○○くんは、絵がとっても上手」と、自然に競争心を燃やして、日々生活しています。ですから、心がしっかりと確立する一定の年齢になるまで、繊細な子どもにわざわざ「あの子よりも僕は劣っている」「私はどうしてできないんだろう」という自信を失わせるようなことはしないのです。クラスで勉強のできる子どもの目に見える順位をつけるというのは、目で見える点数が欲しい、大人のエゴの1つなのかもしれません。うちの娘は、口には出しませんがかなり繊細な子どもなので、高学年のクラスに移行する時に初めて実施されたテストで、緊張のあまり、テストが終了したと同時にトイレに駆け込んで吐いてしまい大変だったそうです。しかし、高学年になった今ではすっかり慣れ、毎週行われるスペリングテストや計算テストに「いい点数とるぞ!」と、親が何も言わなくても自分から進んで意欲的に勉強に取り組んでいます。(※)ラワイ・プログレッシブ・インターナショナルでは小学校高学年になると、モンテッソーリ教育のメソッドを取り入れつつ、試験の成績に応じてコースを分ける、シンガポールの教育カリキュラムをベースにしたプログラムで学んでいきます。■英語教育だけでない語学学習娘は自宅では、母親の私とは日本語で、父親とはフランス語で話す、というように、小さな頃から言語を使い分けて生活していました。それに、4歳になるまではタイ語を使う公立幼稚園に通わせていたので、4歳半で「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」に入学するまでは、英語は一切話したことがありませんでした。当時、娘の幼稚園のクラスには、タイ人の子ども+タイ人と外国人のハーフの子どもが多かったためか、通い始めて1ヵ月を過ぎる頃には、娘も英語をちょっとずつ話すようになりました。そして、半年もするとおもしろいことに、学校のお友だちとは英語を、家では日本語とフランス語を、ご近所のタイ人のお友だちとはタイ語を…と、それぞれ使い分けて話すようになったのです。トライリンガルやマルチリンガルはどの言葉も中途半端になると言われますが、せっかくタイに住んでいるので、ある程度タイ語の読み書きもできたほうがいいと思い、アフタースクールには、タイ語のクラスに週3日ほど通わせています。その結果、タイ語を母国語とするお友だちのお母さんに言わせると、「タイ人の子どもとおんなじね~」というレベルにはなっているようです。そのほか、日本語もフランス語も英語も、ネイティブが聞いてもほぼ問題がないようで、コスモポリタンな島、プーケットらしい語学教育は、娘の身にはなっていると感じています。■モンテッソーリメソッドがもたらした変化最後に、モンテッソーリメソッドで子どもを学ばせたことがもたらした変化についてお話ししましょう。ラワイ・プログレッシブ・インターナショナルでの学びは、娘だけでなく、私自身にも大きな変化をもたらしました。教育熱心とはほど遠い私ですが、この学校に娘を入学させてから、私自身がもっとも学んだことは「子どものあるべき力を信じること」です。子どもは誰もが、親がビックリするほどの素晴らしい才能と能力を兼ね備えています。しかし、多くの場合、「勉強ができる」ということが主たる評価基準になってしまうため、その才能や能力に気がつかないことがあるのです。ラワイ・プログレッシブ・インターナショナルでは、子どもを勉強の優劣だけで比較することなく、「誰とも比べられない、唯一無二の自分」という価値観を、子どもにも、そして母親である私自身にも教えてくれました。そうした、誰とも比べられない人間に成長させてくれて、学力も伸ばしてくれたこの学校に出会えたことを、本当にうれしく思っています。(参考) ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル
2015年06月16日Woman.exciteママでは、海外在住のママライターも活躍してくれています。そのお1人が、ご家族でタイのプーケットに住んでいる徳武加奈子さん。自然豊かなプーケットで、今年10歳になる娘さんを、今話題のオルタナティブ教育法、モンテッソーリ教育を行う学校に通わせています。そんな徳武さんに、モンテッソーリ教育のこと、そして、娘さんが通っている学校のことについて、赤裸々に語ってもらいました。前編である今回は、娘さんの通っている学校のことや、モンテッソーリ教育によって娘さんがどのように成長していったかに焦点を当てます。■「モンテッソーリ学校ってどうなの?」日本に住むママの関心は高いこんにちは。Women.exciteママのタイ、プーケット在住のライター徳武と申します。私は10歳になる女の子のママでもあります。娘は、自然豊かなプーケットで成長し、4歳半から地元の、モンテッソーリ教育を実地しているアットホームなインターナショナルスクール「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」に通っています。最近、日本でも注目されつつあるオルタナティブ教育。日本に住むママ友だちから「モンテッソーリ教育ってどうなの?」と聞かれることも多くなりました。ということで、今回は私の娘が通っている「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」についての説明と、モンテッソーリ教育を受けさせていて娘が変わったこと、私自身が変わったことを書いていきます。■タイのモンテッソーリ学校「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」について今から10年以上前、当時プーケットに移住した外国人の保護者たちが、自然あふれるプーケットにピッタリな、感覚教育と自然を重視するモンテッソーリ教育を行う幼稚園~小学校までの子どもたちが通う学校をつくりました。それが現在の「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」の始まりです。地元では、「モンテッソーリ・スクール」という名で親しまれているラワイ・プログレッシブ・インターナショナルは、元々海沿いにあったのですが昨年移転し、現在は、閑静な住宅街の一角にある堂々とした大きな菩提樹の大木がそびえ立つ広い敷地、自然の風が心地よく吹き込むオープンスタイルの校舎にお引っ越しをしました。■子ども1人1人の行動を観察し、人間性を成長させてくれる教師の存在日本でモンテッソーリ教育といえば、5つの分野(※)で使用される学習用の「お道具」のことばかりが注目されているようで、最近ではネットでも、これらを気軽に購入できるサイトもあるようです。たしかに、モンテッソーリメソッドで使用される「お道具」は、とてもよくできていて、どんな子どもでも楽しく学習できるようになっています。しかし、モンテッソーリ教育で「お道具」以上に大切なのは、数ある教材のなかから、それぞれの子どもに、その時にピッタリな「お道具」を選んでくれる、熱心で、モンテッソーリ教育哲学に熟知した教師の存在です。ラワイ・プログレッシブ・インターナショナルでは、先生方は学習以外でも日常の子ども1人1人の行動を観察していて、それぞれの子どもの性格、個性、発達段階をしっかりとチェックしています。そのため、学習以外の「人間性」の成長も、それぞれの子どもに合った方向でガイドをしていってくれるのです。入学当時は、恥ずかしがり屋で優しすぎて、いつもお友だちの言うことを何でも聞いてしまっていた子どもも、先生の鋭い観察力のおかげで少しずつ自分自身を成長させていき、今では、嫌なことははっきりと「いやだ」と言える子どもに成長しました。後編では、タイのモンテッソーリ学校「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」のカリキュラムと、語学教育について紹介します。(※)モンテッソーリ教育のメソッドでは、学習内容(お仕事)を日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育の5つの分野に分け、学習を進めています。(参考) ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル
2015年06月14日子どもには小さい頃から英語に触れさせたい。将来は子どもを留学させたいと検討している人も、読者のなかには多いのではないでしょうか?そんな皆さんにおすすめなのが、世界各国で行われているサマースクールやサマーキャンプ。1週間~1ヵ月という短期間の開催ですが、英語を学びながら海外生活も体験できるので、海外留学の予行演習のような感覚で気軽に参加できるのが魅力です。今回は、勉強だけなく家族で楽しい思い出も作りたいという皆さんにうれしい、入園前のお子さんも参加できる、リゾート地で開催されるサマースクールをご紹介します。■幼児も参加OKな海外サマースクール(1)【ハワイ】海外リゾートの鉄板、ハワイでのびのびと英語を学ぼう!「 カマアイナ・キッズ(セント・マークス校) 」「カマアイナ・キッズ」は、ハワイ諸島に全20園プリスクール(幼児向けスクール)を運営しているハワイ州公認の非営利団体です。観光客のメッカ「ワイキキビーチ」にほど近いセント・マークス校は、観光客としてワイキキエリア滞在している方に人気があるプリスクール。日本人受け入れにも慣れているので、英語が苦手な人でも安心です。■幼児も参加OKな海外サマースクール(2)【マレーシア】観光も英語学習も親子で満喫「 Family Camp2015 」東南アジアの中でも治安が良く、さまざまな人種が集まる国、マレーシア。リーズナブルな学費でありながら、高度な学力が習得できるインターナショナル校も多いことで、日本からも移住留学を目的にやってくる家族が年々増えているようです。そんなマレーシアを代表するリゾート地がペナン島。インターナショナルスクールでのサマーキャンプは、小学生以上でないと参加ができませんが、現地にある留学斡旋会社「オーバーシーズリビング・コンサルタンシイ」が、4~6歳の幼児とその両親を対象に、短期間のサマーキャンプを開催します(2015年時点の情報)。プールやテニスコートがついた、すてきなコンドミニアムに滞在しながら、午前中は子どもと一緒に語学学校で英語を学び、午後は観光と親子で英会話と観光を一度に楽しめる内容になっています。■幼児も参加OKな海外サマースクール(3)【フィリピン】日本人ならではの丁寧なケアが評判!「 セブ島えいご体験プログラム 」リーズナブルな語学留学で人気なのが、セブ島です。日本人が運営する語学学校「ファーストウェルネス・イングリッシュ・アカデミー」が開催する「夏休みセブ島えいご体験プログラム」は、子どもが初めての英語に戸惑わないように、経験豊かな保育士の資格を持つ日本人スタッフさんが常任し、日本人ならではの細かいケアを行っています。子どもたちが英語のグループレッスンをしている間、親はショッピングやティータイムも楽しめるというのも、日々育児や家事に追われているお母さんにとってはうれしいところかもしれません。■幼児も参加OKな海外サマースクール(4)【タイ】注目のモンテッソーリ教育で「英語」+「集中力」「自主性」も身に着けよう!「 プーケット モンテッソーリ サマースクール 2015 」タイのリゾート地、プーケットで10年以上、モンテッソーリ教育を行ってきたインターナショナルスクールが開催するサマースクール。プーケットは、長期滞在する外国人がとても多く、島内の日常会話では、タイ語に加えて英語も必要な言語なのです。こちらのサマースクールは、今話題のモンテッソーリ教育を行ってくれることに加えて、宿泊費込みのリーズナブルなお値段も魅力のひとつ。世界屈指のアジアンリゾートを、ぜひ親子で満喫してください。勉強だけではなく、観光やビーチライフを親子で存分に楽しめるのが、リゾートで開催されるサマースクールの魅力でもあります。今から夏の旅行を兼ねて、サマースクール参加を検討してみてはいかがでしょうか?
2015年06月12日今、Twitter上で超話題の猫人形作家・佐藤法雪さんが作る「リアル猫ヘッド」。元々粘土や彫刻などで猫人形を作っていた法雪さんが、“毛を生やしたい!”という衝動に駆られ、この羊毛アートの世界に入ったそう。詳しく話を伺いました。「羊毛を専用のニードル(針)で刺し、フェルト化してクラフト作品を作るのが羊毛アートです。私の場合は、まず猫の体の芯になる部分を綿で作り、そこに針で羊毛を刺して、猫に仕上げています」今年の4月に東京都美術館で、法雪さんと「日本羊毛アート学園」猫科の生徒さんの作品展を開催。そこで猫人形に加えて展示されたのが、この猫ヘッド!すっぽりかぶれば猫になれるという、夢のアート作品です。「毎回展覧会の時には、何かモニュメント的な作品を作っているのですが、今年は “ネタ”っぽいものにしようと思い、これを作りました。リアルさとデカさで笑ってもらえればいいな、と。出来上がって画像をツイートしたら、大ニュースになってしまい、正直、本当にびっくりです(笑)」羊毛のもわもわ感がありつつ、作りはしっかり。中から外がちゃんと見えるところもすごい!「かぶってしまえば、その人も作品の一部になってしまう、というところが作者としてはおもしろいですね。展覧会に来てくださった方、700人くらいがかぶっていると思います。しばらくは展覧会などの予定はないのですが、いまほかの猫ヘッドも製作中なので、いつか何人か揃ってかぶれるような機会を作りたいと思っています」猫になりたいあなた、その機会が来るのを万難を排して待て!◇猫人形作家・佐藤法雪さん。04年よりブログ上で猫人形製作を公開する。日本羊毛アート学園猫科の主任講師。著書に『羊毛フェルトで作るリアル猫人形』(トランスワールドジャパン)など。※『anan』2015年6月10日号より。写真・土佐麻理子文・河野友紀
2015年06月07日「アピセラピー」をご存知ですか?ハチミツやプロポリス、ローヤルゼリーを用いて病気を予防したり、健康を増進する代替療法です。美容法としても話題ですよ。アピセラピーとは、ミツバチを意味する「アピ」と療法を意味する「セラピー」のことを言います。ミツバチの生産物のハチミツやプロポリス、ローヤルゼリーはご存知の方も多いですよね。ミツバチが作る自然の物質にはとてもたくさんの栄養素が含まれています。【ハチミツ】ハチミツは摂れる花によって香りや味、色などがそれぞれ違います。レンゲやミカン、オレンジなど蜜源の数だけハチミツの種類があります。ハチミツには必須アミノ酸やビタミン、ミネラル、酵素などたくさんの栄養素が含まれています。砂糖の代わりにお料理に使用すると良いですね。【ローヤルゼリー】ミツバチが分泌する物質で五大栄養素(糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)がバランスよく含まれています。また、タウリンやアセチルコリン、ビタミンB1を含み自律神経のバランスも整えてくれます。●エイジングケアにはプロポリス!【プロポリス】ミツバチが樹液に唾液や花粉などを混ぜて作ったペースト状のもので、有機酸や脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどが含まれる。強い殺菌・消毒作用があることから天然の抗生物質として知られ、傷を治したり炎症を和らげるものとして使われています。また、抗アレルギーや免疫力を高める効果等も注目されています。*美容効果も*プロポリスには強い抗酸化作用があります。プロポリスの中には20~30種類のフラボノイドが含まれています。※フラボノイドはポリフェノールの一種で植物が光合成で作る糖分の一部が変化した成分。黄色系色素成分の総称です。・強い抗酸化作用・抗菌・殺菌・抗ウイルス・抗アレルギー・免疫調整・血栓予防・血管を守る・血流改善・活性酸素除去・抗疲労・脂肪燃焼を促進美容と健康にサプリメントやプロポリス入りのハチミツや飴などでも摂取することが出来ます。「アピセラピー」を是非日常に取り入れてみてくださいね。小さい体でたくさんの生産物を作るミツバチってやっぱり凄い!
2015年06月07日20世紀初頭、オーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが考案した、自由と芸術、そして創作を基調にした教育が「シュタイナー教育」です。近年、日本では、教育熱心な親御さんたちが注目している、オルタナティブ教育といわれるジャンルの1つです。現在、シュタイナー教育を行っている学校は、日本で8校。全世界では91ヵ国、1,000校以上に及ぶそうです(2015年4月時点)。今回はそんな世界に広がるシュタイナー教育の中から、注目のシュタイナー教育校を4校ご紹介します。■世界のシュタイナースクール(1)San francisco Waldorf school (北アメリカ、サンフランシスコ)カリフォルニア州は、全米でもっとも公的資金によるシュタイナー教育を行っている学校が存在している、オルタナティブ教育が盛んなエリアです。その中で35年間の歴史が在る、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、幼稚園から高校までウォドルフ教育を一貫して行っている、北アメリカで一番大きな私立のシュタイナースクールです。芸術や実践を重視するシュタイナー教育は、いわゆる一般的な教育を行っている学校との学力の差についてしばしば話題になりますが、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、Western Association of Schools and Colleges (WASC)(※)にも認定されていて、それぞれの学年でしっかり学力も学べる学校です。 (※)WASCは、アメリカに本部がある教育認定機関。WASCの認定資格は、世界的な資格として有用とされ、WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者は大学入学資格あり=高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。■世界のシュタイナースクール(2)Panyotai Waldorf School(タイ、バンコク)タイで一番初めに設立されたシュタイナースクールです。創設者である Porn Panosot医師が、自分の子どもを通わせたいと思う学校がなかったため、「いっそのこと自分で学校をつくってしまえ」と考えたことが、設立の理由の1つです。 Porn Panosot医師は、その後、医者を辞めて、アメリカまでシュタイナー教員の資格を取りに行き、1996年にPanyotai Waldorf School学校が開校されました。Panyotai Waldorf Schoolは学校法人認定校であり、タイ国内では、国内の有名大学のほか、海外の有名大学に進学する率がとても高い学校としても知名度があります。現在は、定員がいっぱいの状態。長いウェイティングリストに名を連ねなければ入学できない人気校です。 ■世界のシュタイナースクール(3)Rudolf-Steiner-Schule Schwabing (ドイツ、ミュンヘン)シュタイナー教育の生みの親ルドルフ・シュタイナーの出身国であるドイツ。1970年代に、日本に初めて「シュタイナー教育」を紹介した、子安美知子氏の著書「ミュンヘンの小学生」で、著者の娘さんが通っていた学校がRudolf-Steiner-Schule Schwabingです。系列校に、高等教育まで学べるRudolf-Steiner-Schule München-Schwabingという学校もあります。 ■世界のシュタイナースクール(4)Moscow Waldorf School Nr. 1060 (ロシア、モスクワ)ゴルバチョフ大統領が起こした政治改革運動、ペレストロイカ時代に行われたロシアの教育システム改善によって、ロシアにやってきたシュタイナー教育。全校生徒400名ほどのMoscow Waldorf School Nr. 1060は、1996年に公立の学校に認定されたシュタイナー教育校です。世界各国のシュタイナースクールには、ユネスコのプロジェクト校に指定されている学校も多くあります。興味のある方は、世界中の学校をネット検索してみるのもおもしろいかもしれませんね。
2015年05月20日最近話題となっているのが「昇進うつ」。せっかくがんばりが認められて昇進したはずなのに、うつ状態になってしまうのは一体なぜなのか。「昇進うつ」の原因、そして対処法について、ゆうメンタルクリニック ゆうきゆう先生に伺った。ゆうきゆう精神科医・心理研究家。東京大学医学部卒業。『相手の心を絶対に離さない心理術』など心理学に関する著書は50冊にのぼる。人気漫画シリーズ『マンガで分かる心療内科』も発売中。「ゆうメンタルクリニック」総院長。ゆうメンタルクリニック/上野院(上野駅0分)、池袋院(池袋駅1分)、新宿院(新宿駅0分)、渋谷院(渋谷駅0分)○立場が変わると、周囲との接し方がわからなくなってしまう――最近よく言われる「昇進うつ」とはどんな状況でしょうか?昇進うつとは、昇進に伴う人間関係や職種(部署)の変化・業務上生じる責任の重さなどで感じる強いストレスからうつ症状が現れることです。特にこれまで上司に守られてきた立場の人が突然矢面に立たされる立場になったり、中間管理職として上司と部下の板挟みになったりすることで生じる人間関係のストレスはとても強いものだと考えられています。業績を上げなければ上司からプレッシャーがかかりますし、そのために部下を指導するのも急に上の立場に立たされた人間にはストレスなのです。実は少人数を相手に同僚・先輩としてアドバイスや指導するのは平気でも、上司として大人数を指導するのが苦手な人もいます。立場が変わることで、周囲との接し方が急に分からなくなってしまうのでしょうね。また、役職がつくことで「頑張ろう」と気張ってしまう人は多いのですが、そのせいで精神的・肉体的に疲れてしまう人が多くいます。自分の中に「理想の上司像」がある場合、自分をそこに当てはめようとして辛くなってしまうことも多いものですから、真面目な人ほど要注意と言えるでしょう。いきなり「出来る上司」になろうとせず、部下や上司に甘える・頼りにするということも大切なのではないでしょうか。――「昇進うつ」になってしまった場合、必要な対処法などはありますか?昇進うつで療養後復帰する場合は、「一人で抱え込まない」「一人で頑張らない」ということが大切です。同じ時期に昇進した人と悩みを分かち合ったり、上役に相談して頼ったり、部下に対して「弱みを見せない」と頑張りすぎないことです。全員が島耕作のような上司を目指す必要はないのですから、まずは「理想の上司像」を捨てて「自分らしくこの立場で頑張る」ということを心がけていきましょう。※画像は本文とは関係ありません
2015年05月04日「世界一幸せな子育てができる国」といわれているフィンランド。世界経済フォーラムが2014年10月25日に発表した「国際男女格差レポート2013」では、「もっとも男女が平等に近い国」で世界136ヵ国中2位にランクインしています。女性の80%がフルタイムで働いているくらい働く女性が多いのに、幸せな子育てができるのは、なぜなのでしょう。どうやら国、行政に秘密があるようです。■フィンランドは育休3年のサポート体制フィンランドは、日本同様の晩婚化でありながら、出生率は日本より上回っています。(日本:1.39人 フィンランド:1.83人/2014年)。その理由の1つが、育児休業を3年取得できるという体制です。フィンランドは人口が少ないので、「総動員で働かないと!」という考え方から、女性も男性も育休を3年取得できるという制度が整っています。男性の育児休暇取得率も高く、パパが育児家事を積極的に行っているため、女性も社会進出しやすい環境をつくっているようです。日本で安倍内閣が少子化対策として「育休3年」を打ち出した際、「3年も休んで職が保障されているのか?」という不安の声がありましたが、フィンランドでは1985年の労働契約法により、母親は子どもが3歳になるまで産前の職が保証されているほか、育児休業中も給料の7割程度が支払われるなど、保障も充実しています。育時休業が3年取れるということは、保育園には2~3歳から通い始め、それまでは家庭で育児をしたいと考える人も一定数いるはずです。そうした場合、満3歳までは平均で月800ユーロ(約10万円)が支払われる、「家庭保育給付金」という制度を利用することもできます。■フィンランドには待機児童がいない日本で大きな問題になっている保育園の待機児童ですが、フィンランドにはほとんどいません。これは第二次世界大戦後のベビーブームが終わった1950年以降、急速に出生率が落ち込んだ際に、政府が打ち出した方針が影響しています。女性の社会進出に伴い、育児しながら働く女性への支援、特に未就学児の保育の整備に取り組み、1973年に制定された保育法で、全国すみずみに行き渡る保育園のネットワークが構築されたのです。その結果、たとえ最寄りの保育園が満杯でも、近場の保育園には入ることができるようになりました。また、地方自治体ではなく民間企業が運営する保育園も、政府からの十分な支援があるので、保育料に違いはなく、保育の質も統一されているそうです。先ほどお話しした「家庭保育給付金」にも、3歳までは家庭で保育をすることで、保育サービスの圧迫を防ぐという目的があるようです。■フィンランドでは、行政が運営する「子育て支援センター」が妊娠期から育児をサポート日本では、妊娠期はほとんどのママが産休ギリギリまで働いています。そのため、妊娠期の知識はもちろんのこと、出産や子育てに関するイメージを確立しないまま育児に突入しているケースが多くあります。しかし、フィンランドでは「ネウボラ」という子育て支援全般に関する機関が、妊娠期からきちんとサポートしてくれる体制が整っていて、多くの夫婦がこのサービスを利用しているようです。ネウボラには以下のようなサービスがあります。<ネウボラのサービス内容>・親になる心構えをしっかりと教えてくれる→ママだけではなく、パパにもしっかりと伝えてくれるのが特徴です。・妊娠生活中の注意点や心構えを妊娠週別に合わせて教えてくれる→実際にタイミングを見て職員が自宅に来てくれるようです。・実際に育児が始まった際にも、上手に子育てをするための秘訣を小冊子等にして配布・マタニティパッケージという、出産時に使うアイテムをプレゼント→肌着や服、防寒着、おしりふきや爪切りなどなど、「これさえあれば、産後の1年間はほぼ乗り切れる!」というくらい、充実した内容になっています。このようなサービスを展開する背景には、初めての出産や育児に不安を抱えるママたちの気持ちに寄り添ってサポートすることで、幼児虐待や子育てのつらさによるうつ病などの社会的課題を少しずつ減らしていくという目的もあるようです。このようにフィンランドでは、国をあげてのサポート体制が「世界一幸せな子育てができる国」を作り出しています。日本も少しでもこのような良い要素を取り入れて、子育てしやすい環境が整う日がくることを切に願います。
2015年04月23日