夏が旬の枝豆ととうもろこしがごろっとはいった「夏野菜がんも」。ふわふわのがんもどきですが、枝豆ととうもろこし、きくらげの食感がよいアクセントとなります。添えるのはカレー塩。旬の夏野菜の甘みが引き立つシンプルな味付けなので、食欲が落ちていてもぺろりと食べられます。彩りがきれいで、食卓も華やぎますね。がんもどきは冷めても美味しいですが、揚げたては格別です。揚げ物が苦手な方にもぜひ挑戦していただきたい一品です!■夏野菜がんも調理時間 30分 1人分 238Kcal<材料 2人分> 枝豆 1/3袋(1袋250g入り) トウモロコシ(生) 1/2本 キクラゲ 3g 木綿豆腐 1/2丁 片栗粉 大さじ2 塩 小さじ1/3 塩 小さじ1 カレー粉 小さじ1/4揚げ油 適量<下準備> ・枝豆はサッと水洗いして分量外の塩をもみ込み、煮たった熱湯に塩ごと加え、再び煮たったら3~4分ゆでてザルに上げ、粗熱が取れたら豆を取り出す。・トウモロコシは外皮をむいて水洗いし、包丁で実を削ぎ落とす。・キクラゲは水で柔らかくもどし、固い部分を切り落として細切りにする。・木綿豆腐はキッチンペーパーに包み、10分程置く。・<カレー塩>の材料を混ぜ合わせる。・揚げ油を170℃に予熱し始める。<作り方>1、ボウルに木綿豆腐を入れて手で混ぜ、その他の<タネ>の材料も加えて混ぜ合わせ、6等分にして丸める。手に分量外のサラダ油をぬると扱いやすいです。2、170℃の揚げ油でカラッと揚げて器に盛り、<カレー塩>を添える。余ったら煮物にしても良いですね。E・レシピで作り方をもう一度チェック↓
2020年08月05日テレビなどに出演する人たちは見知らぬ人からファンレターや、時には苦情などあらゆるメッセージを受け取ります。そんな視聴者からのメールで命を救われたといってもいい、幸運な女性がいます。アメリア・フロリダ州のテレビ局『WFLA』のニュース番組でリポーターを務めるヴィクトリア・プライスさんは、いつものように番組に出演した後、視聴者から1通のメールを受け取りました。こんにちは。ちょうどあなたのニュースレポートを見て、首のしこりのようなものが心配になったんです。どうか甲状腺の検査を受けてください。あなたの首を見て、自分自身のことを思い出したんです。私の場合はがんでした。お体に気を付けて。@WFLAVictoriaーより引用(和訳)これが視聴者が見た番組のスクリーンショット。右側に映っている女性がヴィクトリアさんです。Hi! I agree, not the easiest to see. It’s not super obvious unless you know what to look for. This screenshot shows it a bit better. I’m still learning but doc explained that the tumor is in the middle of my thyroid, pushing the glands up and out, hence the subtle protrusion. pic.twitter.com/NFeoRVcUdz — victoria price (@WFLAVictoria) July 24, 2020 視聴者からのメールでがんを発見ヴィクトリアさんはこのメールを受け取った後、病院で検査を受けました。すると結果は、視聴者の女性と同じ、甲状腺がんだったのです。A bit of ~personal news~ to share. Turns out, I have cancer. And I owe it to one of our wonderful @WFLA viewers for bringing it to my attention. I’ll be off work for a bit after tomorrow, but I’ll see y’all soon pic.twitter.com/UMsoj2SjtM — victoria price (@WFLAVictoria) July 23, 2020 甲状腺にできたがんは少し広がっていたため、腫瘍とリンパ節の切除手術を行うことになりました。ヴィクトリアさんはすでに手術を終え、回復中であることをツイッターで報告しています。popsicles are officially my new best friend. pic.twitter.com/t0nmcws1ae — victoria price (@WFLAVictoria) July 27, 2020 毎日多忙な日々を過ごしていたヴィクトリアさんは今回の視聴者からのメールをもらうまで、甲状腺のしこりにはまったく気付かず、自覚症状もなかったのだそう。彼女はメールをくれた視聴者に感謝の思いをつづっています。パンデミックが始まって以来、私はジャーナリストとして常に全力を注いでいました。このもっとも重要な健康問題について報道しながら、自分自身の健康にはもっとも無関心になっていました。視聴者からのあのメールを受け取っていなかったら、私は絶対に医師に電話をすることはなく、がんは広がり続けていたでしょう。考えても恐ろしいです。私はメールをくれた女性に一生感謝します。まったく見ず知らずのその女性は、わざわざ知らせてくれる義務はないのに、そうしてくれたのです。今、世界は困難な状況です。どうかあなた自身のお体を大事にしてください。そしてお互いに気遣い合いましょう@WFLAVictoriaーより引用(和訳)現在療養中のヴィクトリアさんのもとには同じ病気を経験した人やファンからたくさんの励ましが寄せられています。忙しい日々を過ごしていると、健康に気を使うことが後回しになってしまうこともあるでしょう。だからこそもし身近な誰かに対して何かが気になった場合は、さりげなく伝えることで病気の早期発見につながることもあるはずです。ヴィクトリアさんのいうとおり、自分自身はもちろん、誰もがお互いに他者の健康も気遣うことが大切ですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月31日「俺たちって、付き合ってるの?」なんて聞かれたことってありませんか?最近は、わざわざ交際宣言をせずに、彼氏彼女になるケースも少なくありません。男性はどう考えているのでしょうか。実際のところ、交際宣言は必要・不要? それぞれの意見を聞いてみました。■ 自然な流れを大切にしたい交際宣言なしのお付き合い、アリ派のご意見です。「交際宣言なしでもいいと思います。結局は、相手のことが好きかどうかが大切でしょう。いま、相手のことを大切にできているかどうか。お互い一番優先する異性になったなら、付き合っているってことで。いつからそうなったかは重要じゃないと思います」(23歳・男性・アパレル店員)「いま」相手を大切にできているかが重要というのは、納得できるポイントかもしれません。フィーリングを大切にするカップルであれば、上手くいきそうです。■ 責任感を持つためには必要宣言なしの交際、ナシ派のご意見。「交際宣言は必要だと思います。いわばケジメ。相手にとって一番大切な男(女)になるわけですし、それだけ相手の人生にも深くかかわることになる。一生幸せにできる可能性もあれば、消えない傷をつける可能性もあると考えて。付き合うのであれば、宣言すべきと思っています」(29歳・男性・公務員)相手の感情を大きく左右する存在になることをちゃんと捉えて、責任感やケジメといった観点から「付き合おう」と言葉にするのは大切だというご意見です。■ より多くの恋愛チャンスを掴める「いらないんじゃないですか? 交際宣言。告白って勇気がいるし、フラれるリスクも意識しちゃって、ホントに大事なものを。見落とす可能性も高いと思います。せっかくの恋愛チャンスを逃すかもしれませんし……一緒にいたければいて、『実はあのときこうだった』と振り返りながら、付き合ってることを確認し合うような日が来ればいいのでは?」(28歳・男性・看護士)たしかに、告白する・しない、いつするか? これらを意識しすぎると、視野が狭くなる可能性も。素直な心で、相手と自分の気持ちを確かめていけるのであれば「付き合う」という宣言は不要なのかもしれません。■ なしだと浮気の言い訳に使われる「付き合ってるかいないか、あやふやだと浮気の言い訳にされるのがオチですよ。なんとなく一緒にいて、デートもして。でも、自分の期待通りの相手じゃなかった。で、付き合ってるわけじゃないから他の男(女)と……。そうならないためにも、交際宣言は必要だと思います。『付き合ってるから』があれば、まず話し合うでしょう?」(30歳・男性・飲食店経営)たとえ形が先であっても、付き合っているという事実は、無責任な異性関係に走らせない。そんな一面もあるかもしれません。交際宣言は、相手との関係を真剣に考えるきっかけになる、というメリットも考えられます。後悔しない恋を…/h2>いろいろな意見があり、それぞれに納得できる一面がある、と感じられた方も多いのではないでしょうか?大切なのは、自分の考え方や価値観をしっかり持っておくこと。交際宣言が欲しいなら、たとえばの話で、そう相手にサラッと伝えるのもひとつの方法です。相手に流されることなく、後悔しない恋の仕方を大切にしていきましょう。(橘 遥祐/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年07月17日「標準治療を敬遠する人は多い。しかし標準治療こそ最善のがん療法なのです」。がん治療の権威はそう語る。まったくアテにならない治療に飛びつく前に、ご一読をーー。「免疫細胞療法やビタミンC療法といった自由診療での療法、そして健康食品やサプリメントによる民間療法……。これらの療法には、がんを縮小させたり延命効果を示したりする効果はありません。ところが日本では、医師さえも、民間療法や自由診療を“効果抜群”とうたっている人がいるのです。そのような“トンデモ療法”を選択してしまい、適切な治療のタイミングを逃す患者さんが後を絶ちません」そう語るのは、日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之さんだ。抗がん剤治療のパイオニアとして知られる勝俣さんは、“トンデモ療法”を信じたため、治療が手遅れになってしまった患者を多く見てきたという。「がんの治療法を、インターネットでやみくもに検索することは、そういった被害に遭うリスクを高めることにもなります。とくに日本では、標準治療を否定して、特定の商品を薦めるような怪しいウェブサイトが上位に表示されるケースが多い。私が5種類のがんを検索し、それぞれ上位20のウェブサイトを調べたところ、信頼できるサイトは1割しかありませんでした」(勝俣さん・以下同)がん治療についての情報はたくさんあるが、効果が期待できる正しい情報とそうでない情報が混在している。これを見分けることができれば、誰も騙されないことはわかりきっているのだが……。「がんと診断されれば、誰でも大きなショックを受け冷静さを失ってしまいます。ゆえに、まったく治療効果がない“トンデモ療法”に飛びつきやすいのです。“自分は大丈夫だろう”と思い込んでいる、教育レベルや収入が高い人ほどこの傾向が見られます」そこで、“トンデモ療法”を見分けるポイントを勝俣さんに解説してもらった。■保険が利かない、高額な治療法を勧めている「まず言っておきたいのは、がんと診断されたら“標準治療”を受けることが最善だということ。これは3大治療といわれる『手術』『放射線治療』『抗がん剤治療』のいずれかです。標準治療は、世界中で最も効果が確認されている最高の治療法だからこそ、保険適用によりコストが抑えられているのです。いっぽう、自由診療は有効性が証明されていない不確かな治療法がほとんどであることが問題です」“○○療法は保険適用外の自由診療となりますので、治療費は自費負担です”という文言が載っていたら注意。「一般的に自由診療や民間療法は標準治療より高額ですが、“料金が高いほどよい治療が受けられる”というのは問題です」■「どのがんにも効きます」とうたっている「がんの3大治療は、世界中で使われている治療法ですが、どれか1つの治療法がすべてのがんに効くというわけではありません」例を挙げると、放射線治療は前立腺がんにはよく効くが、胃がんにはあまり効き目がないと勝俣さんは語る。「抗がん剤治療でも、1つの薬がすべてのがんをやっつけることはありません。がんといっても、それぞれ性質が違います。すべてのがんに効く治療法など、“ありえない”のです」がんは、2人に1人がなる病気。“トンデモ療法”によってかえってがんが進行し、手遅れになることは人ごとでない、と勝俣さん。「抗がん剤治療は、いまだに『効かない』『体がボロボロになる』という誤った情報を信じて、拒否する人が少なくありません。それでみすみす命を失っている人も、たくさんいるのです」「女性自身」2020年7月7日号 掲載
2020年07月01日お笑いコンビ『ペナルティ』でボケを担当しているワッキーさんが、2020年6月7日にTwitterを更新。「新型コロナウイルス感染症で世間が混乱している中、私ごとで申し訳ありません」と前置きした上で、自身が中咽頭(ちゅういんとう)がんであることを明かしました。投稿によると、ワッキーさんはステージ1であり、同月8日から入院をすることになったそうです。世間様が大変な時期に自分の事ですいません。先月、自分の喉に癌がみつかり、中咽頭癌のステージ1と先生から伝えられました。そして明日6月8日から治療のため約2ヵ月間入院することになりました。また皆さまの前に元気な姿をお見せできるよう全力で頑張ってきます!ペナルティワッキー— ペナルティ ワッキー (@wakitayasuhito) June 7, 2020 中咽頭とは、口を大きく開いた時に見えるのどの部分を指します。日本赤十字社によると、中咽頭がん患者の男女比は男性が多く、好発年齢は50~60代とのことです。また、飲酒や喫煙も原因の1つとされています。『ヒゲグリア』や『芝刈り機』、『半分マン』などのネタで多くの人に笑顔を与えてきたワッキーさん。発表に対し、多くのファンから「復活を待ってます」「応援してます」といった声援が寄せられました。1日も早い回復をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2020年06月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「がんゲノム医療」です。莫大ながん組織のゲノムを解析。今後の治療に期待。「ゲノム」とはDNAをはじめとする、遺伝子情報の全体のことを指します。遺伝子情報を個別に検証し、その特徴を明らかにすることで、体質や病状に合わせた、より効果的、効率的な治療や診断を行うのが「ゲノム医療」です。がんは、遺伝子の変異や異常が蓄積することによって起こる病気。日本で最も多い死亡原因であり、日本人の2人に1人は生涯のうちにがんにかかるといわれています。国際的な共同研究グループ「国際がんゲノムコンソーシアム」の調べによると、がん患者の数は世界的に増え続けており、2012年には800万人の方ががんで亡くなり、1400万人が新たにがん患者として診断を受けていました。このままいくと2050年には年間で1750万人ががんで死亡し、2700万人が新しい患者となると推定されており、がんに対する対策は急務なのです。日本からは国立がん研究センターや理化学研究所、東京大学などが参加している国際がんゲノムコンソーシアム。このたび37か国1300人を超えるがん研究者が協力し、38種類約2800例のがん組織のゲノム解析に成功しました。スーパーコンピューターを使い、4600万個以上のゲノムの変異や異常を調べ、特徴を明らかにしたのです。解析されたデータは公開され、世界中のがん研究者が活用できるようになります。日本では全国に、がんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療拠点病院、がんゲノム医療連携病院を指定し、全国どこでもがんゲノム医療を受けられる体制づくりを進めています。一般にがん治療では、標準治療という科学的根拠に基づいて推奨される治療がなされます。具体的には手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療です。がん遺伝子検査によって、その人の特徴的な異常を調べることで、治療法の選択に役立つ場合があります。たとえば、抗がん剤の投与の検討や、標準治療のないがん、標準治療が終わった患者さんに対して、合う薬物療法を調べるために有効とされています。症例の少ない希少がんに関しては、まだデータが不足していますが、がんゲノム医療の発展は、将来のがん治療に期待が持てそうです。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。※『anan』2020年5月13日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年05月09日がん医療の進歩に伴い、がん保険の保障内容も新しい商品が出るたびに変わってきています。すでにがん保険に加入していても、その保障内容が現在の治療事情に合っていなければ、いざというときに役に立ちません。そこで今回はがん保険選びの重要ポイントをお伝えし、そのポイントに合った具体的なおすすめ商品をランキングにしました。がん保険を比較する時に押さえるポイントとは?がん保険はがんによる経済的なダメージを補填するのが目的です。具体的な商品を比較する前に、今がん保険にどのような保障が求められるのかを知っておきましょう。現在のがん治療事情はどうなっている?では、今日のがんの治療事情はどのようになっているのでしょうか。以前のがん治療は手術中心だっただいたい1990年以前のがんの治療の中心は、がんを切除する手術でした。当時は開腹や開胸による大変な手術が主だったため、大きな傷跡が残ったり、術後の回復にも時間がかかるのが普通でした。そのため、入院期間が長くなる傾向がありました。手術中心から3つの治療の組み合わせへ現在のがん治療には、主に「手術」「放射線治療」「抗がん剤治療」の3つがあります。がんの種類や進行度に応じて、これらの治療を組み合わせた個々の患者に合った治療が選ばれます。がんの手術も開腹・開胸から、腹腔鏡手術などの身体に負担がかからず、術後の回復が早い方法が選ばれるようになりました。入院は最小限、通院で長期に治療3つの治療のうち、「放射線治療」「抗がん剤治療」については通院による治療が普通になってきています。治療は長期化する傾向がありますが、それに伴い働きながらの治療も増えてきました。がんに罹ると何にどのようにお金がかかるのか?次に、がんに罹った場合、どのようなことにお金がかかるのかを確認していきましょう。放射線・抗がん剤治療などの治療費放射線はあまり長期になりませんが、抗がん剤治療は数ヶ月単位に渡ることもあります。治療費が月に10万円以上の自己負担になることも多く、高額療養費制度を利用できたとしても家計を圧迫するようになります。再発・転移した場合の治療費がんは「死に至る」病気でなくなった反面、再発や転移が起こりやすくなっています。その場合、治療も長期化しやすく、積み重なる治療費の負担が重くなってきます。先進医療の治療費がんの先進医療には、重粒子線治療、陽子線治療などがあります。筆者の住む地域には重粒子線治療が受けられる病院があり、決して手の届かない治療ではありません。しかし、健康保険は適用されないため、全額自己負担となります。ちなみに、重粒子線治療は約300万円かかります。働けないことによる収入減少がんの治療が長引くと、治療のために仕事を休んだり、体調が優れずに仕事を休むことが多くなったりと、仕事への影響が大きくなります。思うように働けないことによる収入減少と治療費の負担が重なると、ますます経済的に苦しくなります。いざというときに役立つがん保険の選び方[adsense_middle]がん保険の選び方のポイントこれまでに述べたがんとお金の事情を踏まえ、どのようながん保険を選んだらいいのか考えてみましょう。筆者が考えるチェックポイントは以下の通りです。診断給付金などの一時金が何度でも受け取れる治療給付金が何度でも受け取れる終身保障で保険料も上がらない女性は上皮内新生物の保障があったほうがいい診断給付金などの一時金が何度でも受け取れる治療が長引くと、治療費だけでなく収入減による生活費の補填なども必要になってきます。また、民間療法や自由診療を選択するケースもあるでしょう。使い道が自由なまとまったお金が受け取れる診断給付金などの一時金は、複数回出るものでなければなりません。治療給付金が何度でも受け取れる抗がん剤やホルモン剤による治療は1回ずつの費用負担はそれほどでなくても、度重なると大きな重しになります。再発や転移を繰り返すような場合、一時金だけでなく都度(治療を受けた月ごと)受け取れる給付金もあったほうが安心です。そして、その給付金が何度でも受け取れることが望ましいです。終身保障で保険料も上がらないがんの罹患リスクは60歳以降になると一気に高くなります。高齢になれば身体に負担のかかる治療は選ばなくなるかもしれませんが、医療の進歩で素晴らしい治療法が生み出されるかもしれません。つまり、がん保険は一生涯必要ということです。また、年金生活者になってから保険料が上がっていくのも不安なものです。がん保険は終身保障で、保険料の上がらないものを選びましょう。なお、保険会社も運用難の今、がん保険に貯蓄性を求めるのは合理的ではありません。保険料の安い掛け捨てを選び、貯蓄は別の方法を考えましょう。女性は上皮内新生物の保障があったほうがいい上皮内新生物とは、がんの中でも上皮内にとどまっているもののことです。この段階では転移のリスクがほぼないため、軽微な治療で済むことがほとんどです。そのため、がん保険の商品ごとに、上皮内新生物の保障には悪性新生物とは別の条件が付くことが多いです。ただし、女性の乳がんや子宮がんは切除や摘出手術をし、その後、抗がん剤治療などが続く場合があります。ですから、女性は上皮内新生物の保障内容には注意していただきたいと思います。例えば、上皮内新生物での保険料払込免除などは必要ないとしても、診断給付金などの一時金は悪性新生物と同内容の保障が望ましいです。おすすめのがん保険ランキングと評判・口コミ今回は、保険の比較サイトなどで人気の商品を分析し、筆者独自の視点で厳選したがん保険をランキング化しました。それでは、具体的なおすすめのがん保険ランキングを発表します。ランキングとともに診断給付金などの一時金の支払条件を比較できるようにしました。以下、それぞれのがん保険についての詳細を解説していきます。[adsense_middle]【第1位】FWD富士生命「新がんベスト・ゴールドα」最高300万円の診断給付金が設定可能2回目以降の診断給付金が入院しなくても通院だけで給付される2回目以降の診断給付金を割り増しできる特則あり治療給付金の回数が無制限「保険料の払込免除」が特約でなく最初から付いている治療費からがんによる収入減にも対応できる、頼れるがん保険FWD富士生命の「新がんベスト・ゴールドα」は、常にがん保険ランキング上位に選ばれる人気商品です。主契約の診断給付金が最大300万円まで設定可能です。それだけでなく、2回目以降の診断給付金を割り増しできる特則は他社にはないユニークなものです。これらは、がんの闘病が長引いた場合、治療費以外に収入減でより多くの保障が必要になることから生まれたものです。長年がん保険のトップランナーとして、がん患者が必要とする保障を知り抜いた保険会社ならではの頼もしいオプションだといえます。保険料が高くなりますが、傷病手当のない個人事業主などは検討に値する特則です。2回目以降の診断給付金は通院治療でも受け取ることができ、入院を支払い要件にしている他社が多い中、加入者ファーストといえる好条件です。オプションの抗がん剤給付金・放射線給付金が何回でも支払われるので、一時金と組み合わせて長期の治療を安心して受けられます。女性がんの特約が付けられる点も見逃せません。「新がんベスト・ゴールドα」の評判・口コミそれでは、「新がんベスト・ゴールドα」の口コミについてネットから拾った主なものを見ていきましょう。保険料と保障内容のバランスが良い診断給付金、治療給付金ともに何回でも受け取れるのは安心診断給付金だけでも契約できる保険料払込免除が自動付帯されている不要な特約がない給付が遅い保険会社がなんとなく不安保険料と保障内容のバランスが良い良い評価として多かったものに「保険料と保障内容のバランスが良い」があります。診断給付金を中心とした手厚い保障内容でも保険料はそれほど高くない、つまりコストパフォーマンスが良いということです。診断給付金、治療給付金ともに何回でも受け取れるのは安心診断給付金受給の2回目以降の要件である「通院」は、「治療が続いていれば支払います」と同じ意味といえます。また、治療給付金の支払回数も無制限なので、安心して治療を受けることができます。診断給付金だけでも契約できる/不要な特約がないシンプルに「診断給付金だけで契約したい」という声は意外に多く聞かれます。基本的な保障がセットになった商品では、不要な保障まで付いてしまい、保険料も高くなりがちです。がん保険のキモである診断給付金だけで契約するというやり方は、人によってはとても合理的だといえます。保険料払込免除が自動付帯されている悪性新生物に限りますが、保険料払込免除が自動付帯されていて、しかも保険料は高くないのは高評価になりました。給付が遅い悪いほうの評判としては保険会社の「給付が遅い」という、いささか気になる内容がありました。「支払わない」わけではありませんが、ぜひとも保険会社に改善してほしい点です。保険会社がなんとなく不安AIG富士生命からFWD富士生命に変わり、何となく不安という声もありました。FWD富士生命は2017年12月12日付でフィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社より、保険会社財務格付「BBB+」(支払い能力が良好)を取得しています。保険会社の経営の健全性を示す指標の一つであるソルベンシー・マージン比率は2018年度決算では1029.7%と、十分な支払い能力を有していることを示しています。これら情報がFWD富士生命の将来にわたる経営状況を約束するものではありませんが、一つの目安としていただけたらと思います。【第2位】朝日生命「スマイルセブンSuper」一時金が年に1回を限度に何回でも支払われる(他社は2年に1回払いが多い)一時金の支払条件が緩く、受け取りやすい最高500万円の一時金が取り扱い可能がんだけでなく7大疾病が保障対象悪性新生物と上皮内新生物が同額保障がんの治療が続いていれば、年1回何度でも一時金を受け取れる保険「スマイルセブンSuper」は、がんをはじめとする7大疾病で所定の状態となってしまった場合に、まとまった一時金を受け取ることができる保険です。基本保障は7大疾病一時金のみです。その一時金の受取りが年に1回で、2回目以降もがんと診断されていれば受け取ることができます。また、一時金は最高500万円まで掛けることができます。がんに罹っても毎年200万円以上の一時金が受け取れたら、治療費だけでなく、がんによる収入減にも備えることができます。また、一時金を500万円にできたら、自由診療の免疫療法などにも活用できるのではないでしょうか。「新がんベスト・ゴールドα」より弱い部分は、主にオプションのがん治療給付金に支給限度があることです。「スマイルセブンSuper」の評判・口コミそれでは、「スマイルセブンSuper」の口コミについて主なものを見ていきましょう。2回目以降の一時金の支払条件が緩いがん以外の6疾病の保障もあり、範囲が広い一時金が何度でも受け取れるので安心保険料が安い保険会社の体力がやや不安取扱店が少ない2回目以降の一時金の支払条件が緩い一時金の支払回数が年に1回、何度でも受け取れるだけでなく、2回目以降の支払条件に「入院」などが付かないことは、とにかく高く評価されています。がん以外の6疾病の保障もあり、範囲が広いもともと7種類の疾病の保険だったため、保障対象ががん以外の6疾病と広く、がん以外の疾病の一時金も何度でも受け取れます。一時金が何度でも受け取れるので安心一時金が何度でも受け取れるため、がんの治療が長びいても安心という声が多く聞かれました。保険料が安い保障内容のわりに保険料が安いという評価も多く見られました。保険会社の体力がやや不安朝日生命の財務状況などがなんとなく不安という声もありました。2018年の朝日生命のソルベンシー・マージン比率は861.1%となっており、十分な支払余力を有しています。この情報が朝日生命の将来にわたる経営状況を約束するものではありませんが、一つの目安としていただけたらと思います。取扱店が少ない「スマイルセブンSuper」は朝日生命の直販では取り扱っていません。また、インターネットでのお申し込みは可能ですが、付けられるオプションに制限があるため、お勧めしません。大手保険代理店もしくは一部の銀行などで取り扱っています。【第3位】三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険スマート」診断給付金が年に1回を限度に何度でも受け取れる(他社は2年に1回払いが多い)診断給付金を200万円にできる対象となる期間中の通院が5年間保障される悪性新生物と上皮内新生物が同額保障一時金が手厚く、男性の保険料が割安ながん保険第3位は、2018年9月に販売がスタートした三井住友海上あいおい生命の「&LIFE ガン保険スマート」です。1番の魅力は診断給付金の受取りが年に1回であることです。診断給付金を増額できるところにも注目しています。がんに罹っても毎年200万円の一時金が受け取れたら、治療費だけでなく、がんによる収入減にも備えることができるのではないでしょうか。「&LIFE ガン保険スマート」のメリットはかなり強力ですが、「新がんベスト・ゴールドα」「スマイルセブンSuper」に比べると若干弱い部分もあります。まずは、基本保障が入院給付金と手術給付金のため、それらが不要でも外すことができず、結果として保険料が高くなってしまう点です。もう1つは抗ガン剤治療給付金に120月の限度があること、さらに保険料払込免除がないことです。また、診断給付金の2回目以降の受取り条件に入院が付くことも、上記2商品に対して見劣りします。「&LIFE ガン保険スマート」の評判・口コミそれでは、「&LIFE ガン保険スマート」の口コミについて主なものを見ていきましょう。特に男性の保険料が割安上皮内新生物と悪性新生物が同額保障なのが良い短期払いができる保険料払込免除がない特に男性の保険料が割安実際に割安かどうかは別として、口コミでは保険料が割安という声が多いです。実際に、男性の保険料には割安感があるようです。上皮内新生物と悪性新生物が同額保障なのが良い上皮内新生物と悪性新生物が同額保障であるに越したことはありません。上皮内新生物でも治療が長期になる可能性がある女性にはうれしい特色です。短期払いができる保険料の払込は終身払いだけでなく、60歳払込済みも選択できます。保険料は高くなりますが、現役中に払込が完了するので、年金生活になってからが楽です。保険料払込免除がない保険料払込免除はありませんので、もし、がんになって給付を受けるようになっても保険料は払い続けなくてはなりません。がん保険人気ランキングに関するまとめ医療の進歩でがんは死に至る病気ではなくなってきています。反面、治療が長びきやすく、治療費だけでなく収入減少への対策も必要になってきています。そのために一番役立つのはがん保険の診断給付金などの一時金です。今回のランキングでは、一時金の保障内容が充実したがん保険を厳選しました。皆さまのがん保険選びの参考にしていただければ幸いです。
2020年05月08日今回は終身がん保険について解説していきます。がん保険だけでも複数社の保険会社が取り扱っており、どれを選ぶべきなのか判断に迷う事もあるのではないでしょうか。今自分に合ったがん保険を選ぶ際のポイント等も解説していきますので、ご一読下さい。保険の形について解説します最初に保険の形について解説しておきます。保険は目に見えるものでもありませんし、触る事もできない無形の金融商品です。しかし、図解すると分かり易く理解し易いかと思いますので、主だった保険である終身保険と定期保険の形から解説したいと思います。終身保険の形終身保険とは「身」が「終わる」まで保障しますよという意味なので終身保険と言います。つまり保障期間については一生保証しますという保険商品になります。この終身保険には「死亡保険」「医療保険」「がん保険」「介護保険」など様々な保険を終身タイプとして持つことが出来ます。死亡保険なら、どのタイミングで亡くなっても設定された保険金額をお支払いしますという事になり、医療保険やがん保険であれば同じようにどのタイミングで入院しても、がんになっても保険をお支払いしますという保障内容になります。また掛け金は加入した時のお値段のまま一生変わる事はありませんので、この点も安心の材料になりますね。一生涯保障するタイプですので人気がありおすすめの形です。払込期間を設定する事が出来る終身保険に関しては、掛け金のお支払い期間である「払込期間」を短くしたり長くしたりする事が可能です。これは加入前に設定する事になりますが、例えば65歳までに払込を終えたい等のお考えがあれば払込期間を65歳払込に設定します。60歳払込や75歳払込等一般的には5歳刻みで55歳払込から設定する事ができます。逆に一生払い続けるという「終身払い」という設定もできます。短期、長期に渡って支払いの設定ができますので、どれ位の支払いになるのか比較するのも良いでしょう。定期保険の形定期保険とは「期間」を「定めて」保障するので定期保険と言います。よく銀行の定期や電車、バスの定期といった様に、それぞれ期間が決まっていますよね。これと同じ理屈です。定期保険は終身保険と違い期間限定の保険商品になり、5年定期や10年定期、15年定期、98歳定期等があります。スポットで保険を掛けたい場合には非常に効率的で効果的な保険になります。そして終身保険と同じく死亡、医療、がん、介護などの保障を定期タイプで持つ事が出来ます。一般的に多いのは10年定期が多いです。では10年定期で考えた場合に、加入した時点から10年間は保障が有効となりますが、10年後には保障は切れる事になります。しかし定期保険の特徴として、10年後更に10年更新するという延長が自動的になされる事になります。更新時期が近づくと、ご加入から10年経過するので、更新しますか?しませんか?というお尋ねの案内が届きます。更新しませんとお申し出がなければ自動更新される事になりますので、注意しておきましょう。また加入当初の掛金は10年間有効で変動する事はありませんが、10年後の更新時には掛け金が上がります。つまり更新する度に掛け金が上がり続けますので、長期的に保険として持っておく場合は値段の変動に注意しておきましょう。終身保険と定期保険の違いを比較では終身保険と定期保険を比較してみたいと思います。分かり易くする為に表にしてみました。こちらをご覧ください。それぞれに一長一短があるかと思います。保障の期間で言えば終身保険に分があるでしょう。掛け金であれば同じ加入年齢だと定期保険が安くなります。但し、更新する際には終身保険の掛け金を上回る可能性がありますので、一概に安いとは言えない事も考えられます。安くて保障を持ちたい方は定期保険が良いでしょうし、多少高くても一生保障されるのなら終身保険が良いでしょう。終身がん保険のメリット・デメリット先程は保険の形について解説してきました。ではここからメインテーマである終身がん保険について解説していきます。まずはメリット・デメリットについてです。保険の形に関しては先程解説しています終身保険になります。まずはメリットから見ていきましょう。[adsense_middle]終身がん保険のメリットメリット①一生保障されている1つ目のメリットとして考えられるのは、一生保障されている点はメリットになります。保険は健康状態が良く無ければ加入する事はできません。加入した時点での健康状態が良好で、加入後例えばがんに罹患したとします。この時点で他の保険に切り替えたり、見直しは今後難しくなります。つまり加入した時の保障をそのまま一生持っておく事ができ、掛け金も変更する事はありませんので、安心できるのではないでしょうか。メリット②掛け金が戻ってくる終身がん保険がある東京海上日動あんしん生命が販売している商品で、保険を使う事が無ければ掛け金が戻ってくるという終身がん保険があります。これは定期保険にはない特徴でして、業界で唯一あんしん生命のみの取扱いになっています。この商品の特徴ですが、がん保険に加入し、指定年齢に到達するまでがん保険を利用する事が無かった(給付金を受け取る事が無い)場合に、それまでに支払った掛け金の全額が返ってきます(但し特約保険料は返金の対象外になります)。この商品は考え方次第ではメリットになり、通常保険は使わなければ給付金を受け取る事が出来ない商品です。一般的に掛捨てと呼ばれる商品は、使う事が無ければお金の無駄にしかならない事になります。しかし、その泣き所を解消したのがあんしん生命の商品です。使わなければ全額返ってきますし、返金後は掛け金が変わることなく、引き続き終身保障としてがんを担保してくれます(返金後に掛捨てとなります)。返金のタイミングも60歳、65歳と定年を見据えて設定されている為、合理的な考えに基づいて開発されています。特定の保険会社の商品ではありますがこの様なメリットある商品もあるという事です。メリット③安い掛け金で高額な保障が受けられる定期保険と比較すると掛け金が高くなりますが、月に数十万円も支払うものではありません。低廉な掛け金で診断一時金など高額な保障を受ける事ができますので、費用対効果としては非常に良い商品であると言えます。診断一時金は50万、100万といった形で設定する事ができます。診断一時金が100万円だとして仮に月3,000円のがん保険であれば、30年間支払ってがんに罹ると支払額と同等の金額を保険で受け取る事が出来る計算になります。2度目の支払いにも応じてもらえるがん保険であれば支払い額以上に受け取れる計算になります。経済的なダメージにも対応できると思いますので、この点はメリットと言えるでしょう。終身がん保険のデメリットデメリット①がんのみが対象になっているがん保険に共通して言える事ですが、「がん」という特定の病気のみが対象になっている点はデメリットでしょう。というのも、最近の保険会社はがんを含んだ「3大疾病保険」を販売しています。中には「7大疾病保険」などもあり、がん、心疾患、脳卒中が保障の対象になっています。がんではなく脳梗塞などになった場合、がん保険では給付金は支払われません。あくまでも「がん」のみが対象になる点では保障の範囲を狭めてしまう事になるので、検討する際には慎重に考えましょう。デメリット②がん保険の加入時期によっては支払いが異なるがん保険の加入時期によっては支払いが異なり、最近のがん保険は2年に1回の割合で給付されたり、1年に1回のパターンもあります。古いがん保険などになると診断一時金が1回しか支払われないという事もありますので、若い頃に終身がん保険に加入しているから掛け金が安いと言っても、今の時代に合っているかどうか判断する必要があります。再発する可能性が高いがんだけに、繰り返し給付金が出るタイプは経済的にも助かる事は間違いありません。加入して随分経っている方は一度確認してみてください。デメリット③上皮内がんは支払い対象外になっている場合があるがん保険には保険会社の定義する「上皮内がん」と「悪性新生物」とに分かれます。上皮内がんは分かり易く言うと、程度の軽いがんです。悪性新生物は進行していくがんになります。保険会社によって上皮内がんも対象になっていたり、悪性新生物のみ対象になっていたりします。加入する際にはしっかりと説明を聞いて分かっていても、数年後に給付金請求などした際に、この点がトラブルになる傾向があります。がん診断一時金は上皮内がんの支払い対象外になっている保険会社も少なくありません。加入前にどんながんだったら給付金の支払い対象になるのか、しっかりと担当者に確認しておきましょう。終身がん保険のメリット・デメリットまとめここまではメリット・デメリットについて解説してきました。金融商品である以上、一長一短があるのは仕方ありません。ですが、メリットの裏にデメリット、デメリットの裏にメリット有りと考え、自分に合った決断をしなくてはなりません。まずは保険の担当者から話を聞いてしっかりと検討する様にしましょう。がん保険選びは保険料を参考にする?選び方のポイントここからはがん保険を選ぶ際のポイントについて解説します。家計の中から掛け金を出す事になるので、割安で保障内容の良いものを選びたいですよね。しかし、保障内容を良くする為にはそれなりに掛け金を支払わなければなりません。ここではがん保険を選ぶポイントについて解説しますので、参考にしてみて下さい。[adsense_middle]ポイント①今の時代の治療内容に合っているかまず1つ目のポイントですが、今の時代の治療内容に即しているかどうかを見る事です。最近のがん治療は「通院」が多く、「入院」する事は少なくなってきています。少ないというより、短い入院で終了し、その後通院にシフトするという内容です。保険会社の担当者よりご提案頂いた内容に通院がしっかりと入っているのか、いないのか確認する事は必須だと言えます。ポイント②通院の保障内容を確認する2つ目は通院の保障内容です。以前までは通院した日数に対し、1日10,000円とか5,000円などの保障が付いていましたが、最近の通院保障は通院した月毎に最大10万円や20万円などの保障内容になっています。これは特に抗がん剤を使った治療に対応するためで、薬剤によっては健康保険を適用しても高額になるものもあります。また放射線治療も毎日微量な線量を当てる治療になっているそうで、病院に通う交通費がかかったり、治療によって仕事を休んだりしなければならなくなります。その時の補てんをしっかりと行えるかどうかです。プランを見直し、きちんと保障されるか確認しておきましょう。定期保険における注意点これは定期保険に言える事ですが、10年間などの期間で契約する場合は注意が必要です。というのも、10年定期では更新するために、掛け金が値上がりしていく仕組みになります。ではこの性質からがん定期保険に加入している場合、どんなデメリットが生じるかと言いますと、一度がんに罹ったら見直しが出来ない事が挙げられます。がん定期の見直しの考え方ここでデメリットに上げましたがん定期について少し解説しておきます。まず定期保険ですので、掛け金が将来的に上がっていく仕組みです。若くして掛け始めた場合は非常に割安な掛け金で済みます。しかし、10年単位で更新するとなると、後々何度か値上がりのタイミングが訪れる事になります。では掛けている最中にがんになったとします。一度がんに罹患すると、新しく別の保険に加入する事が極めて難しくなります。つまりがん定期に加入している場合にがんになると、切り替えが困難になり、先々の掛け金上昇を受け入れざるを得なくなってしまう事になる訳です。この点を考慮すると終身がん保険に分があると私は思います。終身がん保険に加入する年齢は何歳が良いの?最後にがん保険を考える上でどの年齢位で加入する事が良いのかという事について、私の経験を踏まえ解説したいと思います。FP田中の持論私の考えと経験より、加入は出生後すぐにでも加入して良いと思います。理由は掛け金が割安ではありますが、小さい子供でも白血病などになるケースがあるからです。私のクライアントさんでも2歳のお子さんが白血病となり長い闘病生活を送ったという事例があります。何歳になったらがんになると決まっている訳ではありません。この2歳のお子さんの付き添いには母親が付く事が多いです。しかも大人と違って長期間入院する事になります。仕事をしているのであれば辞めざるを得なくなる事もあります。早めにご検討頂くのがベストでしょう。終身がん保険に関するまとめ今回は終身がん保険について解説してきました。定期保険との違いも含め解説しましたが、一般的には終身タイプが選ばれる事が多いようです。保険会社のラインナップも数多くあるので、しっかりと保障してくれるプランを選びましょう。
2020年03月15日今回のテーマは「がん保険」について解説していきたいと思います。最近の話になってきましたが、がんは治る病気になってきています。但し早期発見すればという事になりますが。以前はどうだったかというと、亡くなる確率が高い病気として怖いイメージがありました。そこで保険会社はがん保険を開発し販売を開始しましたが、今治る時代だと言われる中、がん保険は必要なのでしょうか?そんな疑問に今回はお答えしますので、最後までお付き合い下さいね。医療保険とがん保険の違い①医療保険とは始めに医療保険とがん保険の違いについて解説しておきたいと思います。ご相談に来る方の中にはこの違いが分からず、ごちゃまぜになっていらっしゃる方も少なくありません。早速違いに関して解説しましょう。医療保険について代表的な保険として医療保険というジャンルの商品になります。皆さんも馴染み深い商品ではありますが、主な特徴として、入院した際に支払われる保険商品です。例えば入院日額というものを設定しますが、これは実際に入院した日数に応じて設定された日額という給付金額が保険会社より支払われます。1日5,000円や10,000円といった様に設定する事ができ、10日入院すれば50,000円、100,000円といった入院給付金額が支払われます。そして入院するという事は、ひょっとしたら手術をしなくてはいけない場合もあります。手術をしたら、手術給付金という金額が支払われる事になり、一般的には入院日額に対し倍率方式若しくは一律方式で設定される事が殆どです。手術給付金の倍率方式、一律方式についてここで手術給付金の倍率方式と一律方式について解説しておきます。まず倍率方式ですが、先程の入院日額5,000円を例にとって解説すると、手術を受けた際に、入院日額の5倍(25,000円)、10倍(50,000円)、20倍(100,000円)といった様に入院日額を基準に、また受けた手術の内容によって倍率が変わる方法の事を言います。一律方式に関しては、手術内容を外来なのか、日帰り手術なのかという事だけで区分し、2.5倍(12,500円)、10倍(50,000円)で区分しています。この様に手術内容により支払われる給付金額も異なり、倍率方式よりも一律方式の方が掛け金が安くなる保険会社が多いです。通院まで保証される場合もまた医療保険には通院保証特約(オプションになりますので付ける付けないを選べます)があり、基本的に治療を伴う入院を行う場合、退院後通院して治療を受ける際に1日いくらという形で通院日数分の給付金額を受け取れる保証内容です。保険会社によっては入院をすると判明したそれ以前からの通院を保証してくれる商品や、日額ではなく一括で5万円など給付金額を支払う保険会社もあります。しかし医療保険の通院保証は通える数に限りがありますので、加入する前に確認しておきましょう。先進医療特約について最近の医療保険では一般的になりましたが、先進医療給付特約というオプションを付ける事も出来ます。先進医療とは、保険適用外の治療の事で、厚生労働省の認可が下りる前段階の治療方法の事です。健康保険が適用されない為、治療を希望する場合は全額実費負担となりますので、金額を予め確認しておきましょう。この先進医療に関しては非常に高額になります。特にがんに関する治療は最も高額なもので300万円する治療があり、中々金額を提示されても治療に踏み切れない方がいるでしょう。その時にこの特約が活躍します。もし保険会社が認める治療であれば高額な治療費を保険会社が支払ってくれますので、安心して治療を受ける事が可能になります。但し保険会社が支払う先進医療に関しては該当する医療機関のみとなりますので、その医療機関が該当するのかしないのか確認が必要です。医療保険のまとめ医療保険は入院さえすればどんな病気でも怪我でも対象になる事が殆どです。保障内容によっては検査入院や糖尿病の教育入院も対象になる保険会社もあります。また先進医療特約は掛け金が非常に安く、月100円前後で付加する事ができますのでおすすめのオプションです。医療保険とがん保険の違い②がん保険とは[adsense_middle]がん保険についてではがん保険について解説しておきます。医療保険とは対照的にあくまでも「がん」という特定された病気が対象になる保険です。ではがん保険の一般的な特徴について触れておきますね。診断一時金これはがんが発見された時に一時金として保険会社からお金を受け取るものになります。設定額は様々ですが、50万円や100万円、300万円など自由に設定する事ができます。またがんという病気の特性上「再発」が考えられます。2度目、3度目の発見や転移する事が考えられるからです。この再発に備え、診断一時金も近年グレードが上がり、1年に1回の支払い対象の保険会社が増えました。以前は1度支払ったら2度目の支払いがない保険もあったので、再発リスクに備えられなかったんですよね。1年に1回の診断一時金も、治療が続いていても支払う保険会社もあれば、別の場所にできたがんが対象の保険会社、2回目を受け取る際は「入院」が必須の保険会社等、2度目の支払い要件は保険会社によって様々です。高額な治療や収入ダウンに備える為にはうってつけの保証でしょう。抗がん剤治療特約がんには3大治療と呼ばれる治療方法があります。1つ目は手術、2つ目は放射線治療、3つ目に化学療法です。化学療法とは抗がん剤治療の事を指し、保険会社の定義では「腫瘍用薬」なのか「ホルモン剤」なのかに分かれる事が多く、いずれの治療も対象になる保険会社もあります。最近のがん治療は入院するよりも、通院しながら治療する患者さんが増加している傾向にあり、通院するとなると選択肢として放射線治療もしくは抗がん剤治療になります。ひと月に1回ないし2回の頻度で抗がん剤を投与しながら、社会に戻り治療する方法ですが、毎月の負担は計り知れません。体の負担もそうですが、経済的な負担が重くのしかかります。この抗がん剤も金額はピンキリで、薬剤が体に合う・合わないなど副作用も懸念されます。毎月お医者さんの治療方針で抗がん剤治療となると経済的な負担が強いられる事になる為、軽減する保険として開発されたのがこの抗がん剤治療特約です。抗がん剤治療を受けた月毎に毎月5万円、10万円といった金額を保険会社が支払ってくれます。入院給付金と手術給付金がん保険にも入院給付金や手術給付金があり、考え方は先程の医療保険と全く同じです。但し支払いの条件としてがんで入院した場合、がんの手術をした場合のみ支払いの対象となりますのでこの違いは憶えておいて下さい。尚、医療保険とがん保険に加入して、がんで入院・手術した場合には、医療保険とがん保険よりそれぞれ給付金が支払われますのでご安心下さい。がん保険の先進医療特約がん保険にも先進医療特約を付帯する事は可能です。しかし、あくまでがんの治療で且つ先進医療の場合にのみ支払われる事になりますので、他の先進医療には使えない場合があります。付帯するのであれば医療保険に付けておく事で広くカバーできます。よくある質問「子供にがん保険は必要ですか?」最近聞かれる事は少なくなりましたが、お子さんにがん保険は必要ですかという質問を過去にされた事があります。がんに罹る確率を考えると極めて低いのであまり加入する親御さんは少なくなっています。しかし、小児がんという言葉がある様に、「絶対」という言葉で否定はできません。お子さんががんになった場合を想像したくはありませんが、もし罹っていたのであれば、大人と違って入院は必須になるでしょう。この時誰が付き添うでしょうか?小さなお子さんだと母親が付き添う事が多いと思います。その際に仕事の関係もあって休めない、休むと給料が減る等経済的なダメージがあるでしょう。私は少額の掛け金で負担が小さいようであれば加入していても問題はないとアドバイスしています。がん保険のまとめがん保険に関しては先程解説したように病気が限定されています。がんの場合でなければ支払われる事は無く、また随分以前のがん保険であれば今の治療行為に合わない事も多いです。確かに年齢が若い頃のがん保険であれば破格でしょうが、使えなければ意味がありません。しっかりと今の治療を情報収集し必要に応じて見直しをしおいて下さい。がん保険のメリットとデメリットここからはがん保険のメリットとデメリットについて解説します。がん保険をご検討されている方はご一読下さい。[adsense_middle]がん保険のメリット①給付金が大きいまずメリットからですが、何と言っても給付金が大きい事が挙げられます。がんに罹患したとき、まず治療費や生命の危機等思い思いの考えが頭をよぎると思います。特に仕事は続けられるのかどうなのかという事さえ考えてしまいます。しっかりと治療を受けると考える場合、長い闘病となる事が多く、5年間は治療に費やす事が一般的です。5年間という治療期間を考えると、診断一時金や抗がん剤特約等の効果は非常に大きく、経済的なダメージを軽減してくれる役割がありますので心強いと思います。20代、30代、40代、50代の罹患率は?ここで少し余談を挟みますが、罹患率について触れておきますね。そもそもですが、保険は効果を発揮する為には保険事故に遭遇しなければ給付金は受け取る事ができません。今回のテーマであるがん保険の給付対象になる為には「がん」に罹らなければ受け取る事はないという事になります。では一体どれ位の方が罹っているのでしょうか?年代別に見るというより、男女別でざっくり言うと男女共に「2人に1人」という割合でがんに罹る事が国立がんセンターの統計で分っています。つまり罹る確率は極めて高く、国民的な病気の代表と言っても良いでしょう。しかし、自分はがんにならない、家計的にもがんになった方はいないなどのお考えをお持ちの方もいらっしゃるようです。がんの発生原因は生活習慣からきます。お酒やタバコ、ストレスや食事等様々な原因が絡み程度の違いはありますが、がんが発見される事があります。罹らない為には日頃から生活習慣には気を付ける必要がありますので憶えておいて下さいね。がん保険のメリット②費用対効果が高いがん保険のメリットですが、2つ目には費用対効果としては高い事が挙げられます。高齢になるとどうしても掛け金が高くなりますが、それでも罹患の確率と、診断一時金などの給付金を天秤にかけた場合、受け取れる金額の方が大きくなるという事です。これは医療保険とは違う性質でもあり、医療保険で支払った金額以上に給付金を受け取る事は全くと言って良いほどありません。しかしがん保険であれば支払った掛け金よりも大きな金額を受け取れる可能性があります。この点は効果が高いと私は思っています。がん保険のデメリット①がんの場合のみが対象次にがん保険のデメリットについて解説します。デメリットで言うと、がんの場合のみ対象になるという事がデメリットでしょう。範囲が限られた限定的な保険商品であるため、がんに罹らなければ支払われる事はありません。がん保険のデメリット②皮膚がんが対象外になる保険会社もある続いてのデメリットは皮膚がんについてです。確かに同じがんという部類に該当しますが、約款やパンフレット等に書かれていることがあるように、皮膚がんについては非該当になる保険会社が多い様です。皮膚がんは他の部位にできるがんと異なり、発見し易く、また治療も早期に出来る可能性が高い事、皮膚という体を覆う部分で常に外気に晒されているためがんになり易い点から、給付金の対象から外すという事になります。ご加入する際にはしっかりとこの点は確認をしておきましょう。がん保険が不要になる条件とは?最後にがん保険が必要か必要で無いかという事について私なりの見解を述べたいと思います。私個人的には必要だと思っていますので、逆に不要になる場合の条件に関しては次の様な方が該当すると考えます。保険に頼らなくても沢山の貯蓄がある、または資産をお持ちの方これを言ってしまうと元も子も無いと言われるかもしれませんが、しかし保険を否定するのであれば、お金さえあれば保険に頼らなくても良いという事です。がんは治療が長引きます。この治療費さえも貯蓄から捻出し、そして経済的に困窮しない方はがん保険は不要であると言えます。わざわざ掛け金を支払わなくても賄う事ができますので。治療費もいくらかかるかはお医者さんの判断に委ねられます。高額な薬剤を使用するケースなど考えてもかなりの金額が手元にある方は不要になるのではないでしょうか。がん保険の必要性に関するまとめ今回はがん保険の必要性について解説してきました。がんという病気を考えてもしっかりと備えておくべき保険ではないかと思います。また保険会社によって支払いの基準が異なりますので、ご加入前に比較検討しておきましょう。
2020年03月12日がん保険の一時金(診断給付金)はがんになったら受け取れる、用途が限定されないまとまった資金です。がん保険の中で一番重要な保障と言っても過言ではありません。ただ、使い勝手がいい反面、掛金が高いので金額をいくらにするかなどは悩むところでもあります。今回は診断給付金などの一時金の必要性や有効性についてわかりやすく解説していきます。診断給付金の概要と必要性がん保険の診断給付金とは、がんと診断されたときに支払われる一時金です。特定の治療目的の給付金と違い、自由に使えるため、入院や通院にかかる費用以外に使うことができます。また、がんのために収入が減った時に生活費の補填に使うこともできます。生命保険の死亡保険金以外でこのような大きい金額のお金の給付は他にはありません。しかも、死亡保険金と違い、がんになった人が自分のために使えることも魅力です。診断給付金のメリットがんと診断されただけで、治療が始まる前にお金が受け取れる使途に縛りがなく、個人個人の事情に合わせて活用することができる死亡保険金と違い、非課税がん治療の最近の傾向「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」はがんの3大治療と呼ばれています。放射線治療は通院による治療が主で、抗がん剤治療も通院による治療が急激に増えています。さらに、手術についても鏡視下手術など身体へのダメージが少ないものは入院なしで受けられることがあります。厚生労働省の「患者調査」によると、悪性新生物の平均入院日数は2002年では35.7日ありましたが、2017年には17.1日と15年間で約半分に短期化しています。診断給付金の必要性上記の諸事情を踏まえて、がん診断給付金の必要性の有無を考えていきたいと思います。日本において販売されていた古いがん保険の中で、一時金がなく、入院給付金が主な保障の商品がありました。現在のように外来だけで治療をする場合もあるとしたら、この保険は全く役に立たないことになります。診断給付金であれば、治療費やそれ以外の経済的リスクを広範囲でカバーすることができます。今日の日本の医療事情において診断給付金は、最も有効かつ必要性があると言えるでしょう。がん治療の平均的な費用と診断給付金の目安がんの治療費はどのくらい?がんにかかるお金にどんなものがあるか血液検査やレントゲンなどの検査費用外来での診察費手術費用薬代入院費用通院のための交通費診断書代入院時の日用品などの雑費差額ベッド代食事代実際のところ、いくらくらいかかる?がん政策情報センターによる「がん患者意識調査2010年」のデータによると、がん治療において1年間で実際に負担した費用で最も回答が多かったのは100万円~150万円でした。この結果から、がんの治療費はそれほど莫大なものになる可能性は低いことがわかります。目安になる診断給付金の額は?診断給付金は多いに越したことはありませんが、掛金を無限に負担できるわけでもありません。おおよその費用から「がんになったときに、とりあえず100万円受け取れればかなりの助けになる」と筆者は考えます。治療が始まる前に100万円を受け取っておければ、がんになった精神的ショックも少し落ち着くでしょう。ただし、診断給付金の用途は治療費だけではありません。「がん保険に何を求めるか」で金額は変わってくるはずです。がんを取り巻く諸事情と診断給付金の使い道とはいえ、やはり使い勝手のいい一時金はなるべく多く受け取りたいものです。なぜなら、治療費以外にがんについては考えておくべきお金のことがあるからです。[adsense_middle]治療費だけではない、一時金の使い道一般的なイメージではがん保険の給付金は入院費やその他の治療費が目的と考えられているようです。しかし、診断給付金の使い方にはそのような縛りはありません。場合によっては自由診療を受ける可能性も筆者の知人でがんになり、抗がん剤の投与で副作用が出たため、抗がん剤専門の医師のいる県外の病院へ転院した人がいました。その場合、交通費以外にそれまで外来で受けていた治療を入院で受けるなど、自己負担もかなり大きくなりました。さらに、抗がん剤で自由診療の薬を使っていましたので、かなり高額な費用だったと考えられます。けれども、がんにかかって「治りたい、元気になりたい」との思いから、高額な療法を選択するケースも十分考えられます。そんな場合、診断給付金に余裕があればそのような療法を選択することができます。今、注目の「免疫療法」とは?免疫療法とは人間の身体に備わっているがん細胞等の異物を取り除く免疫機能を利用した、がんの治療法です。免疫療法には様々な種類があり、研究開発が進められています。今、注目されている「オプジーボ」は免疫療法で使われる薬剤です。オプジーボは非常に高価(年間1000万円以上)なことで知られていますが、一部のがんについては健康保険が適用されるようになりました。それ以外については保険適用外の自由診療になります。仮にオプジーボを投与する場合、診断給付金だけでは費用はまかないきれませんが、薬代の一部に充てることはできそうです。ちなみに商品によっては診断給付金の最高額が1000万円くらいにできるものもあります。利用する可能性が高い、高額療養費が使えない場合も考えておくがんの医療費は高額になる場合が多く、健康保険で自己負担が3割だとしてもまだ大変なケースもあります。そんな場合のために公的健康保険には「高額療養費」という制度があります。高額療養費制度とは?高額療養費制度とは公的健康保険において、医療機関でかかった医療費の自己負担額が1カ月で一定額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。がんの治療をする場合、利用する可能性が非常に高い制度です。高額療養費制度の例70歳未満で、標準報酬月額が28万円以上~50万円未満の方に100万円の医療費がかかった場合を例にあげます。健康保険の自己負担額は3割の30万円です。このケースは高額療養費の対象で、自己負担限度額は8万7430円になります。高額療養費の支給額は21万2570円となります。月をまたぐと対象にならない場合もある高額療養費の判断の基準は暦月の1ヶ月単位です。例えば自己負担額が15万円だったとします。同一の月であれば高額療養費の対象になります。ところが、例えば前月7.5万円、今月7.5万円の場合だとどちらの月も対象になりません。必ず高額療養費が使えると思っていたら当てが外れた、ということもありうることに注意が必要です。このような場合にも、がん保険からの診断給付金や治療給付金があると助かります。治療が長びいた場合、医療費以外の経済的リスクが発生がんの費用の自己負担分が年間100万円もあったときに保険に入っていなければ、かなり経済的に苦しくなるでしょう。さらに、治療が長びいた場合、高額療養費制度を利用しても自己負担はかさんでいきます。病気のために働けなくなるリスクがんになると、高額な医療費負担だけでなく、療養中は働けず収入が途絶える可能性も高くなります。会社員の場合、健康保険に傷病手当金の制度があるため、休職しても月給の約2/3を1年6ヵ月にわたって受け取ることができます。ありがたい制度ですが、生活費は変わらないのに医療費もかかる状況で、収入が2/3になってしまうのは大変なダメージです。しかも、自営業者やフリーランスには傷病手当金のような所得を補償する制度もありません。がんが長びくと収入減への対策も必要になる例えば、ある世帯の1カ月あたりの生活費が25万円だったとします。仮にがんで1年働けないとしても、その間の生活費は300万円、医療費が100万円かかります。傷病手当金のない自営業者やフリーランスなら、まるまる400万円を自己負担しなければならないというわけです。男性、女性に限らず世帯の収入の担い手にとって、収入減への対策は不可欠といえるでしょう。そのような場合でも、がん保険の一時金なら収入減をカバーすることもできます。乳がんで乳房を失ったときの乳房再建乳がんの手術で乳房を失うと身体のバランスが悪くなって肩が凝ったり、喪失感にさいなまれたりする女性は多いです。乳房を再建することで、これらの問題を解決もしくは軽減することができます。乳房再建手術の費用は健康保険の適用対象です。自己負担分は片側でおよそ10万円から40万円くらいです。がん保険の中には乳房再建費への保障がある商品もありますが、そのような保障がなくても診断給付金で費用を賄うこともできます。抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けた場合抗がん剤の副作用で脱毛した場合、治療が終われば髪の毛は生えてきます。それでも、脱毛中に他人に会う場合など、気持ちが落ち込むことも多々あるでしょう。そんなときに医療用ウィッグ(かつら)は、自分らしく生きていく助けになります。診断給付金があればかつらを買うこともできます。保障と掛金のバランスの見極めが、がん保険最大のポイント以上を踏まえ、がん保険の保障を最適にするにはどうすればいいかを検討します。診断給付金の受取り回数をチェック診断給付金を保障のメインに放射線などの治療給付金も有効先進医療は必要保険料払込免除もあったほうがいい通院給付金はできればほしい費用対効果の高い保障を組み合わせる[adsense_middle]診断給付金の受取り回数をチェック診断給付金の支払いが初回限定か複数回無制限かはがん保険選びの最重要ポイントです。現在、売れている商品の中には一時金の支払いが1度だけのものがあります。それに対し、治療が続く限り一時金を毎年受け取れるという商品もあります。女性に多い乳がんなどは5年生存率が高い反面、再発・転移のリスクも高いため長期にわたる治療を覚悟しなくてはなりません。仮に再発した場合に「もう大きな金額の一時金は支払いません」という保険では役に立ちません。ゆえに、一時金が何回でも支払われることは必須です。診断給付金を保障のメインに診断給付金は、がん保険になくてはならない必須の保障です。がんと診断されたらすぐに、自由に使える大きい金額のお金が受け取れるのです。公的医療保険が使えない自由診療だけでなく民間療法にも使えます。また、がんによる収入減のカバーにもなります。仮にがんにかかって保険の入り直しができなくても、一時金を何回も受け取ることができれば、がんの医療事情の変化にも対応できるでしょう。診断給付金は、自営業者やフリーランスの場合はできれば200万円くらいほしいところですが、掛金が高くなるのがネックです。放射線などの治療給付金も有効最近のがん治療は抗がん剤、ホルモン剤、放射線の割合が高くなってきました。これらを外来で行うことが多いため、従来のがん保険の中心だった入院給付金より抗がん剤給付金や放射線治療給付金などのほうが有効です。そうした治療給付金を付ける場合、長びく治療に対応するため、回数が無制限のものを選びましょう。先進医療は必要先進医療は、重粒子線治療などがんに関わるものが多く、費用も数百万円になります。医療保険などに付いていれば十分ですが、基本的には必要な保障です。掛金も安いため、付けるか付けないかを検討するまでもないでしょう。もし、自分にとって有効な治療なのにお金が払えないために諦めざるを得ない、そんなことにはならないようにしたいものです。通院給付金はできればほしい通常、医療保険の通院給付金は「入院後の通院のみ保障」です。これに対し、がん保険の場合、入院後に限らず通院のみで保障される通院給付金も多いです。このタイプであれば、掛金があまり高くならなければ付けて損はないと思います。抗がん剤や放射線の治療は通院で行われることが多いためです。保険料払込免除もあったほうがいいがん保険の払込免除特約は、「診断確定で、以降の保険料の払込を免除する」というもので、上皮内新生物は対象外の場合が多いです。がんにかかったら給付金があるとはいえ、掛金を払い続けることが困難な場合もあるでしょう。終身払いで、掛金があまり高額でない場合は付けておきたい特約です。費用対効果の高い保障を組み合わせる以上、診断給付金を中心にがん保険の有効な保障をご紹介しました。一時金は医療目的だけなら100万円、生活費にも充てたい場合は200万円などと考えていきます。男性は50代以降、がんにかかる確率と掛金の両方が高くなります。あまり負担感の大きくない掛金で効果的なの保障の組み合わせを検討しましょう。また、がん保険は保険料の安い若いうちに加入したほうが有利です。がん保険の一時金(診断給付金)についてのまとめがん保険の診断給付金は必要不可欠な保障です。がんの医療事情が変わっても自由に使える一時金があれば、がん保険が役に立たなくなることはありません。掛金とのバランスを考えて最適な一時金を設定してください。
2020年03月09日こんにちは! おにぎり2525です~。わたしの夫は基本的に料理はせず(洗い物担当)、パートで働くわたしが料理担当なのですが…■「料理しない宣言」をした夫正社員で働いていたときに、こう言われて若干モヤっとしたのを覚えています。(洗い物してくれるだけ感謝なんですが 笑)わたしは母子家庭で育ったので自然と料理をする機会が多かったのですが、努力して今くらい料理ができるようになったのです。最初は失敗ばかりで・・・子どもながらに落ち込んだりもしました。そんな『料理しない宣言』をした夫も、子どもが生まれたのをきっかけに少し料理をするようになりました。やっぱりパートから帰ったときに、ご飯ができていると幸せな気分になりますね。ただ少し困ったことが・・・。■料理にこだわりを持ち始めた夫自分の作った料理にこだわりが出てきたみたいで、自分が納得する味になるまで何度も同じ料理を作るのです!!最近は夫が休みのたびにカレーを作るようになってしまい…さすがに1日置きにカレーが続いたときには、ちょっとストップをかけました(笑)5歳の息子からも「カレー、飽きた」と言われました。でも夫が料理してくれるのは本当にうれしいので、これからもあまり口を出さずに見守りたいです!苦手と言っていた料理を頑張ってくれてありがとう!!
2020年02月07日痛い、費用が高い、そもそも見つけにくい……。多くの問題を抱えていた従来のがん検査。それを次々とクリアするような技術が開発され、これからは「早期発見・早期治療」が限りなく可能な時代へ!ーー。1月6日、たった1滴の「尿」から、がんの有無を見分ける検査法がついにスタートした。その検査法とは、線虫の一種である「シー・エレガンス」という体長約1ミリメートルの生物の嗅覚を利用した「N-NOSE」だ。この線虫には、犬の約1.5倍の嗅覚がある。資料写真では、シャーレにがん患者の尿を垂らしたところ、その尿に向かって線虫が集まっていく様子がとらえられている。この線虫、健常者の尿からは逃げていくという性質を持っている。「早期がんを含むがん患者と健常者の尿を採取し、計1,368名を対象にした基礎研究を行ったところ、ステージ0〜1のがん患者を85%、ステージ4で91.7%の確率で見分けるという結果を得ました」こう語るのは「N-NOSE」を運営、事業展開するHIROTSUバイオサイエンス広報担当・永溝はるかさん。現在、線虫が反応することがわかっているがんは15種類(胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎臓、ぼうこう、卵巣、口腔・咽頭)。開発したのは、同社代表の広津崇亮さん。同氏は、九州大学大学院の助教時代に、線虫ががん患者の尿の臭いをかぎ分けることを証明した生物学者。’16年に実用化に向けて独立し、同社を設立した。生物によってがんの有無を診断するのは「N-NOSE」が世界初の技術だというが、私たちもこの検査を簡単に受けることができる。まず、「N-NOSE」を導入している医療機関や検診センターに、検査の申し込みをして尿を提出する。そして、HIROTSUバイオサイエンスの検査センターにて、その尿を使って線虫検査が実施され、2週間後にがんの有無が報告されるという、非常にシンプルなシステムだ。「N-NOSE」のメリットは、その簡単さだけでなく、費用面にもある。検査費用は、9,800円(税別・保険適用外)。薬剤を体内に投与して全身のがんを検査する「PET検査」の場合、10万円前後の費用がかかるのに対し、こちらはかなり格安といえるのだ。今回の実用化にあたり、すでに法人や健康保険組合などからの問い合わせが殺到しており、一般対応は1月中旬以降、同社のホームページ上で、取り扱い施設を順次公開するとのこと。現状では、この検査はがんの有無の判別にとどまるが、’22年を目標に、まずは膵臓癌の特定を目指しており、実用化に向けてすでに実証実験に取り組んでいるそう。「早期のがんにも反応するので、リスクが高いという結果が出ればこれまで検診に行かなかった方も受けようと思うはず。そういう流れを作る検査になっていけばよいと考えております」(永溝さん)初年度で25万検体を目標にしており、今後は国内だけでなく、海外でも事業展開していく予定だ。健康診断のオプションで検査が受けられる日も近いかも。「女性自身」2020年1月28日号 掲載
2020年01月19日人生において訪れるさまざまな転機。なかでも“大きな病気”と向き合うには相当な覚悟が必要です。ここでは、「がん」を経験したことが、その後の生きる糧となった方のお話を紹介。葛藤の日々の先には“新しい私”との出会いがありました。■田中愛子さん(39)・暮らしの保健室かなで「がんカフェ」代表「副作用って、個人差があると思うんです。みなさんは、この薬は本音ではどうでしたか」「実は私、最近、自分がいなくなったあとのことも考えてしまうんです。具体的にはお葬式とか」毎月第1火曜日の11時から15時30分まで、江戸川区松島にある「暮らしの保健室かなで」で開催される“がんカフェ”。がんを体験したサバイバーや、がんと診断され不安を抱えた人、その家族、医療関係者などが集まり、情報交換や相談をする場だ。このカフェを作ったのが、田中愛子さん。自身も、がんサバイバーだ。「32歳で乳がんの告知を受けたとき、最初に考えたのが、49歳で大腸がんで亡くなった父親のこと。がんイコール死でした。手術後に抗がん剤治療を始める前は、将来に備えて、卵子の凍結保存なども検討しましたが、80万円という高額な費用に断念しました。コンサルティングをやっていた職業柄、情報収集も得意のはずでした。しかし、孤独感や死の恐怖など、体験した者でしかわからない悩みが、より深刻でした」職場復帰後、自身の体験を社内報につづると大きな反響があった。「がんを体験しても、ふだんはそのことを隠して生活している人が多いんだと改めて知りました。だったら、そんな人が気軽に集まれる場所を作ろうと思ったんです」’16年2月、「ハッピーライフ・ウィズ・キャンサー」をテーマにがんカフェがスタート。参加費用は、フリードリンク300円のみ。「女性患者同士で手術後の傷を見せあったりも。いちばん知りたいことですよね。私自身、がんカフェでの体験を通じて、人生の優先順位が明確になりました」がんカフェには、関東一円や京都などから参加者30人ほどが集まる。カフェのスタートからわずか2カ月後にがんの再発が見つかったが、それを機に新たに“再発転移の会”も作った。「今後は“働くがん患者の会”も平日夜に開催したい。暗い表情で参加した方が、帰るときには少しだけ笑顔を取り戻している。『救われました』と言ってくれる人が1人でもいる限り、がんカフェは続けます」「女性自身」2019年12月24日号 掲載
2020年01月04日10月18日、がんに関する発表があった。’16〜’17年の2年間にがんになった20〜39歳の約8割が女性で、その原因は子宮頸がんや乳がんの増加にあるというのだ(国立がん研究センター・国立成育医療センター)。こうしたデータを見ると、「娘もがん保険に加入させなきゃ」と思う人もいるかもしれないが、本当にがん保険は必要なのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■1回3,349万円の新薬が約40万円に3つのポイントを見てみましょう。【1】データの分析まず、20〜39歳でがんになる割合を考えましょう。20〜39歳の人口は約2,860万人に対して、がんになった方は約1万8,000人。つまり、がんになるのは20〜39歳の0.06%と少数です。(’15年・国立がん研究センター)。若いがん患者の約8割が女性とは驚きですが、実は、レアケースの内訳だと冷静に受け止めましょう。【2】がんの治療費がん治療は高額になるイメージがありますが、実際のところは?たとえば乳がんの方の入院費用は平均約74万円です(’18年度・全日本病院協会)。3割負担だと約22万円になりますが、高額療養費制度を利用すると、自己負担は一般的な収入の方で月9万円ほど。ただ「先進医療が必要になったら、保険適用外だから高額になる」と心配する方もいるでしょう。しかし、先進医療はどんどん保険適用に組み込まれてきています。たとえばオプジーボ。当初は患者1人当たり年間3,500万円かかると話題になりましたが、’14年から保険適用になりました。’16年からは重粒子線や陽子線の治療が、今年5月には1回3,349万円の白血病治療薬キムリアにも保険適用が広がっています。さらに来年度中には、遺伝性の乳がんの再発予防治療も保険適用になるようです。保険適用になると、高額療養費制度が利用できます。超高額なキムリアも、自己負担は約40万円に抑えられます(一般的な収入の方)。安全性や治療効果などが定まった先進医療は、保険適用に格上げされるため、ほとんどのがん患者は保険のきく治療を受けています。【3】医療保険やがん保険の給付金がんで入院したら、給付金はいくら受け取れるのでしょう。最近の保険料が手ごろな医療保険は、入院給付金が60日までというものが多いです。とすると、入院日額1万円としても、最大60日分で60万円。これに手術一時金が20万円付いても、受け取る給付金は合計80万円。この程度なら貯金でまかなえる方も多いでしょう。また、がんの平均入院日数は16.1日で、乳がんだと11.5日です(’17年・厚生労働省)。入院期間が短いので、入院給付金も少なくなります。保険はがんにならないお守りなどではなく、単純にお金の備えです。加入には、治療費と自分の貯蓄、支払う保険料と受け取る給付金などの比較検討をしてください。若い女性にがんが多いというのは心配です。若いからと油断せず、早期発見のため、みんなでがん検診を受けましょう。
2019年11月15日「乳がんは近年、よく治るようになりました。私の患者さんのなかには再発・転移をしても、治療を受けてその後、十数年がんが出てこない人、治療を終えてから出産する人も珍しくはなくなりました」そう話すのは、国際医療福祉大学三田病院乳腺センター長などを歴任、現在はよしもとブレストクリニックを開業し、数千人の乳がん女性と向き合ってきた吉本賢隆先生。発見され、数カ月で命を落としてしまう人もいる一方、再発・転移しても結果的に生還する人がいる。がんは部位やケースによって、まったく違う病気のようだ。「統計精度の問題はあるが、がん全体の生存率は7~8年前と比較すると、おそらく上昇しているといえると思います」こう語るのは、国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター長の東尚弘先生。そこで本誌は、国立がん研究センターがん対策情報センターで8月に公表された、「がんの部位別・5年生存率」をもとに、がんの部位別に専門医から傾向と対策を聞いた。【子宮頸がん】子宮頸がんは全ステージで5年生存率75.3%と、治りやすいがんと言えそう。成城松村クリニック院長・松村圭子先生は、子宮頸がんには、早期発見が重要と指摘する。「子宮頸がんで亡くなる人は、長年細胞診を受けていないため早期発見ができず、手遅れになってしまうケースが多いのです。子宮頸がんは、性交渉によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因であることが判明しており、20代の患者が罹患するなど、若年化が顕著です。住民検診で推奨されている、2年に1度の子宮頸がんの細胞診(検診)を受けておけば、がんになる手前の、前がん病変もすくい上げることができるのですが」子宮頸がんは、前がん病変、あるいはステージ0期であれば、部分切除が可能であり、ほぼ100%完治を目指せる。またステージ1期であっても、子宮を温存できれば、その後の妊娠・出産は可能になる。乳がん同様、治りやすいがんの代表格でもあるのだ。【子宮体がん】この十数年、子宮頸がんの罹患数に匹敵するほど急増しているのが子宮体がん。5年生存率は全ステージで82.1%と、治りやすいがんといえそう。やはり子宮頸がんと同じく、早期発見が重要だ。不正出血など兆候があれば、速やかに検査を受診することが重要、と松村先生は言う。「子宮体がんの多くは、乳がんと同じくエストロゲンの過剰刺激によって発症するので、生涯の月経回数が多い、すなわち妊娠・出産回数の少ない人が高リスクになります。早期発見・治療につながれば、治りやすいがんともいえます」「治りやすいがん」は早期発見が鍵になるということだ。しかし、検診で早期発見をすることについて東先生は次のように語る。「どんながんでも早期発見が有効かというと、そうではありません。がんによっては、早期発見できたとしても有効な治療ができなかったり、逆にそもそも進行が非常に遅いがんの過剰診断であったり、やみくもに検診を進めると、ただ『がん患者である』という状態を長くするだけになってしまうこともあります。それを防ぐため、検診の有効性は発見率だけでなく死亡率の減少で証明をします。私が強調したいのは、そうして有効性が確立されている『対策型検診』は受けてほしいということです」この対策型検診は、厚生労働省のHPなどで公開しているが、40歳以上の大腸がんの便潜血、40歳以上の乳がんのマンモグラフィー、20歳以上の子宮頸がん細胞診などである。
2019年11月14日ファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さんは、がんサバイバーです。「がんは『情報戦』とも言われでいて、私ががん告知のショックから比較的早く復活できたのは、『がん=死病ではなく、治る可能性も高い』という知識があったためです」と、言います。今回は、がんになった時、安心して治療に専念できるよう、お金についてのお話しを伺いました。この記事は、 「妊娠中に、がんが見つかったら!?「がんは情報戦」に役立つ4つの知識」 「ママががんになってしまった…治療は? 子どもへの告知は?」 の続きです。■がんにかかる医療費はいくら?「一般的に、がんでかかる医療費は、100万円~200万円くらいと言われています」(黒田さん)。「がんと診断されたら一時金100万円!」などという、がん保険の広告を目にしたことはありませんか? これは、裏を返せば「がん治療●万円くらいかかるから、準備しておいた方がいいよ」ということなのです。医療費が具体的にどれくらいかかるか知りたい場合は、特定非営利活動法人・東京地域チーム医療推進協議会(Team Net)が運営している「がん治療費.com」で、がんの部位・進行度別の治療費の見積もりがわかります。》 「がん治療費.com」 ■がんにかかるお金、医療費以外はいくら?がんになった場合、必要なお金は医療費だけではありません。がんにかかるお金のうち、医療費以外のお金を整理してみましょう。■「かかる費用」と「かける費用」の見極めを!医療費以外のお金は「かかる費用」というよりは、自分の意思で「かける費用」に分類できるものが多く含まれており、お金をかけようと思えば、無制限にかかる支出です。反対に言えば、手持ちのお金でまかなえる範囲で済まそうと、割り切って考えれば、圧縮することもできるはずの費用でもあります。「がんにかかるお金を考えるときは、それが『かかる費用』なのか、『かける費用』なのか? を分けて考えることが大切です」(黒田さん)。■がんにかかるお金のベースは「公的保障」そして、もう一つ知っておいて欲しいことは、公的保障のことです。私たちの生活は、がんに限らず、さまざまな場面で公的な制度でカバーされています。がんにかかるお金も、「公的保障」をから考え始めてみると良いかもしれません。<がんの経済的リスクに備える方法>この時に大切なことは、制度やしくみを知っているかどうかがです。制度やしくみを簡単にまとめました。今は、「検索キーワード」を知っているかが大切ですね。【困ったときに利用できる公的制度】●がんの医療費で困ったとき・公的医療保険のしくみを理解する・各種公的医療費助成制度・国民健康保険の自己負担減免制度●がんの医療費が高額になったとき・高額療養費制度・高額介護合算療養費・組合健保(付加給付)●お金(医療費や生活費)を借りたいとき・高額療養費貸付制度・生活福祉資金貸付制度●がんで休職したとき・傷病手当金●がんで失業したとき・雇用保険の基本手当●がんで障害が残ったとき・障害年金・身体障碍者手帳●医療費を税金で取り戻したいとき・医療費控除●とにかく生活に困ったとき・生活保護■「ママの保障を見直ししすぎない」ことも大事前の図のとおり、がんの経済的リスクに備える方法は、「公的制度」→「預貯金」→「民間保険」です。けれども、30代で預貯金が充分にある人は少ないでしょう。そんな場合は、民間の保険加入について、どんなふうに考えたら良いのでしょうか?「妊娠・出産で、保障の見直しをするご家庭はとても多いですよね。よくあるパターンは、『パパの死亡保障を手厚くしたい』『子どもの学資保険に加入しておきたい』というケース。それ自体はまったく悪いことではないのですが、その分の保険料をどこから捻出するか? というときに、ママの保障を減らして、つまりママの保険を見直ししすぎてご自身がノーマークになってしまう方も多いんです。私は、『ママの保険を見直ししすぎないで!』と、お伝えしています」(黒田さん)。■ママのがんが心配ならママの保障を見直ししすぎない。一理ありますね! 「もしも…」ということも頭を片隅に置いて、安い掛け金の保険でちょっとした備えをしておくのもアリかもしれません。最後にそんなニーズにフィットする保険を3つご紹介します。▼がんに備えるおすすめ保障●「アクサダイレクトのがん定期」/アクサダイレクト生命(株)(月額保険料920円 保険料払い込み期間10年)保険料を抑えて、一定期間のがん保障を確保したい人向き。がん入院給付金日額1万円の場合、初めてがんと診断されたら100万円もらえる。●「女性のためのミニがん保険980」/医師が考えた少額短期保険(株)(月額保険料980円)とくに女性特有のがんを手厚くしたい人向け。乳房、子宮、卵巣がんと診断された場合、80万円の診断一時金が受け取れる(それ以外のがんの場合は50万円)●「メディフィットEX」/メディケア生命(株)(通院時代のおくすり保険)(月額保険料935円 ※3疾病タイプ)入院よりも通院保障を確保したい人向き。乳がんになってホルモン治療を5年間続けた場合(1か月処方)、最大で300万円もらえる(抗がん剤治療給付金額月額5万円の場合)。がん以外の3疾病または9疾病の薬も保障。※保険料は、『30歳女性・2019年6月時点』にて試算いかがでしたか? がんは、わずかな知識と行動で、大きく運命を変えられる病気です。この連載を通じて、それが少しでも伝わるとうれしいです。 ■今回のお話を伺った黒田尚子さんのご著書 『がんとお金の本』 黒田尚子さん/ビーケイシー(1,620円(税込))●黒田尚子(くろだ なおこ)さん1級ファイナンシャル・プランニング技能士。2009年乳がん告知を受け、2011年に乳がん体験者コーディネーター資格を取得。自らの実体験をもとに、がんをはじめとした病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行う。現在は、各種セミナーや講演・講座の講師、新聞・書籍・雑誌・Webサイト上での執筆、個人相談を中心に幅広く行う。
2019年07月20日「『もしかして、自分もがんになるかも…』と思った人勝ちですよね」というのは、がんサバイバーであり、ファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さん。※「がんサバイバー」とは、がんと診断された人、治療中の人、またその家族も含めたがんを体験した人を指します。情報は、力です。いざというときに慌てないよう、あらかじめ知っておいた方が良い情報はあります。今回は、黒田さんが「がん患者の世界」に足を踏み入れた頃のお話しから伺いましょう。この記事は、 「妊娠中に、がんが見つかったら!?「がんは情報戦」に役立つ4つの知識」 の続きです。■「がん」告知ってどんな感じ?<黒田さんの場合>黒田さんが乳がんの告知を受けたのは、富山にある女性医療専門のクリニックでした。医師から「検査の結果が出ました。簡単に言えば、乳がんですね」と事実を淡々と告げられたそう。「告知を受けたとき、困難な局面のときこそ笑えという教訓を思い出し、主治医が話している間も、なんとか笑顔を浮かべようとしていました」(黒田さん)そんな黒田さんの態度が不審に見えたのか、主治医からは、「大丈夫ですか? ちゃんと、わかってます? あなたの状況は、『早くがんが見つかってよかったね』というレベルじゃないんですから、しっかり治療に専念してくださいよ!」と、念押しされたとか。黒田さんはもそうだったように、ほとんどの人は、がん告知を受けるとパニック状態に入り、頭が真っ白になるといいます。「がんと告知されてパニックになるのは、精神的な初期反応としてはあたり前だということを、ぜひ、最初に覚えておいて下さい」(黒田さん) ■がんの治療法判断は、慌てず、あせらず黒田さんは、さらに教えてくれました。「がん種類や進行度にもよりますが、通常、たとえ数日や数週間、治療を行うのが遅れても、急に容体が悪くなったり、がんが進行したりするものではありません」(黒田さん)なるほど! こういった知識が頭の片隅にあるだけで、ショックの受け止め方が違ってくるかもしれませんね。「患者さんの多くは、『がんは進行する病気」という認識があるため、がんと告知されると、一日も早く治療を始めなければと追い込まれた気持ちになります。一部のがんを除き、多くの場合、がんは何年もの時間を経て大きくなっているといえます。ですから、早期発見、早期治療といっても慌てず、治療方法を十分に理解し、自分で納得して治療を受けることが大切です。」出典: 静岡がんセンター 「がんに限らず重大な決断を迫られたときは、安易に即決しないことは大切です。『結果はわかりました。今後の治療法については、落ち着いて家族とも相談したいので、また後日相談に伺います』などと、冷静に判断するための時間を持つことをお勧めします」(黒田さん) 不安な人は、精密検査の結果を聞く際(つまり、がん告知を受けるとき)に、家族や親しい人と一緒に話を聞く、あるいは情報を得るのも良いかもしれませんね。■ママががんになったとき、子どもへの告知どうする?ママの場合、子どもへの告知も考える必要があります。子どもは大人が考えているよりも、周囲の状況や様子をよく理解しているものです。黒田さんも、当時5歳だった一人娘に「がん」を、どのように説明したらよいか? は、悩みました。「アメリカのKNIT(ニット Kids Need Information Too)というプログラムでは、子どもに親のがんを知らせるときに、念頭に置くこととして次の3つの「C」を提唱しています」(黒田さん)<子どもに伝えるときに念頭に置く3つの「C」>1)Cancer(がん) :がんという病名を隠さないこと2)not Catchy(うつらない):がんが他の人に感染する病気でないこと3)not Caused(引き起こされたことでない):がんは子供や親のせいでないこと日本では、がん患者である親を持つ子供をサポートするための「Hope Tree(ホープツリー」というサイトがあります。》 「Hope Tree(ホープツリー」 ■がんを告知されたときに考えたいこと黒田さんは、がんの告知を受けたときよりも、「あなたの5年生存率は、50%ですよ」と余命宣告を受けたときの方が、ショックだったそう。「娘は5歳。あんな小さな子を残して、どうして、たった5年で死ねる? そりゃ、まずいでしょ!」と。「ママががんになってしまったときに考えるべきこと」を、黒田さんに教えていただきました。万一、がんになったときに「たしか、そんな記事、読んだこともあったな」と思い出していただけるといいなと思います。そのとききっと、頭が真っ白になっているでしょうから、これを「杖」にして、気持ちを立て直していかれることを願っています。【がん告知後のチェックポイント】●がん(病気)について・どこの病院で治療を行うか(セカンドオピニオン、転居の有無)・どのような治療を行うか・病気を含め、心配事について相談できる人はいるか●仕事・お金について・誰に、どのように(どこまで)カミングアウトするか・「がん」のことを、(幼い)こどもにどう説明するか・入院・治療の間の子供の育児や親の介護をどうするか●家族・友人・職場について・仕事を続けるか(仕事の引継ぎ、休職・退職)・治療費をどう捻出するか・自分の加入している保険(がん保険等)の保障はどうか出典: 『がんとお金の本』 ■「がんは情報戦」の本当の意味とは?がんは、「情報戦」とも言われています。黒田さんが比較的早く、がん告知のショックから復活できたのは、日ごろ、がん保険などをアドバイスする上で、「がん=死病ではなく、治る可能性も高い」という知識があったためだそうです。黒田さんは、言います。「おそらく私たち(患者)は、『主治医が患者のあらゆることを考えて、一番良い治療をコーディネートしてくれるハズ』と思い込んでいます。でも、自分ががんになってみて、『それはちょっと違う』ということに気がつきました」たとえば、乳がんになって「乳房温存」を希望する患者に対して、主治医は全摘した方が良いという判断をしたとします。この場合、患者のために最善の治療をアドバイスしたにもかかわらず、患者にとっては、意に沿わない治療方法ということになります。「治療が進んで、あとから『こんなはずではなかった』と後悔することのないよう、『自分はこうしたい!』という意思をきちんと主治医に伝えて、患者が、自分の治療に対して主体的に判断していくことが大切だと実感しました。そのためにも、必要な情報を集めることがとても重要なのです」治療に対して、自分で主体的に判断する。そのために情報とともに必要なものは、安心して治療に専念できるための「お金」です。次回は、がんのお金についてお話しを伺います。 ■今回のお話を伺った黒田尚子さんのご著書 『がんとお金の本』 黒田尚子さん/ビーケイシー(1,620円(税込))●黒田尚子(くろだ なおこ)さん1級ファイナンシャル・プランニング技能士。2009年乳がん告知を受け、2011年に乳がん体験者コーディネーター資格を取得。自らの実体験をもとに、がんをはじめとした病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行う。現在は、各種セミナーや講演・講座の講師、新聞・書籍・雑誌・Webサイト上での執筆、個人相談を中心に幅広く行う。
2019年07月19日がん保険は、保障が一生涯続く終身型のがん保険と、保障される期間が限定されている定期型のがん保険の2つに大きく分けられます。終身型のがん保険は、終身がん保険とも呼ばれ、現在がん保険を販売している保険会社の多くは、終身がん保険が主流になっています。そこで本記事では、終身がん保険に加入するメリットやデメリットを中心に定期型のがん保険との違いについて解説を進めていきます。終身がん保険とは上記は、アフラックが、がん経験がある人に対して質問をした回答を引用したものとなりますが、がん治療などで実際にかかったお金は、少なくとも50万円から300万円を超えた場合など、実際にかかったお金に大きな開きがあることが確認できます。なお、がん治療のお金に大きな開きがある理由として以下のようなことが考えられます。がん治療のお金に大きな開きがある3つの理由がん治療のお金に大きな開きがある主な理由として、以下の3つの理由が考えられます。がんの進行状況(ステージ)やがんにかかった身体の部位による理由がん治療の長期化(再発・転移)による理由がん治療を行っている病院の治療方針(保険適用外の治療など)による理由上記3つの理由によって、がんの治療にかかるお金には大きな開きが生じると考えられ、がん保険に加入してがんの治療費をまかなうためには、終身がん保険をはじめとした特徴を知るだけでなく、がん保険の選び方もしっかりと知っておく必要があると言えます。終身がん保険の選び方終身がん保険は、医師からがんと診断されてがんが確定した時にまとまった保険金が受け取れる一時金給付と、がんで入院、手術、通院などをした場合に保険金が支払われる治療給付に大きく分けられる特徴があります。終身がん保険を選ぶ上では、一時金給付と治療給付の違いを知り、どちらの給付を重視するか比較検討することが大切です。終身がん保険に関するまとめ終身がん保険は、現状、どの保険会社においても、がん保険の主流となっているため、メリットやデメリットといった特徴から保険料の支払方法まで幅広く知った上で自分に合った商品を選ぶことが大切です。また、がん保険に加入するそもそもの目的は、万が一がんにかかってしまった場合の備えであるはずですから、定期型のがん保険やがん特約のように保障される期間が限定されるものは、加入目的や合理性に欠けるものと思われます。
2019年07月18日がん保険は、がんの治療に特化した生命保険のことを言い、仮に、がんにかかってしまった場合の治療費補填に大きな効果を発揮します。その一方で、がん保険は、がんに対してのみ保障が有効であるため、他の病気にかかった場合にがん保険から保障されないといった大きなデメリットもあります。そこで本記事では、保障に偏りのあるがん保険の選び方について、できる限り失敗しないポイントの解説を進めていきます。がん保険の種類と特徴がん保険の選び方を解説する前に、まずはがん保険の種類と押さえておくべき特徴をここでは紹介していきます。がん保険の契約をする前に、どのようながん保険がご自身のニーズに沿っているか確認することが大切です。がん保険の主な種類と違いがん保険には、大きく終身型のがん保険と定期型のがん保険があります。終身型のがん保険は、保険期間(保障期間)が、基本的に死亡するまで続き、保険会社によっては、がんになった場合、以後の保険料の払込をしなくてもよい払込免除が加入当初から自動的に付帯されている場合が多くなっています。定期型のがん保険は、保険期間(保障期間)が一定期間となっており、たとえば、10年間や60歳までのように、契約時点で定めた時期に達すると保障が終了する特徴があります。現状、終身型のがん保険が主流です。がん保険の特徴がん保険は、がんの治療に特化した生命保険といった特徴がありますが、ここでは、この特徴以外に押さえておきたいポイントを個別に解説していきます。がん保険に加入したとしても、医療保険などのように保障がすぐに開始されないがん保険の保険料は、基本的に掛け捨てがんになってから、がん保険に加入するのは困難1年間に支払ったがん保険の保険料は、生命保険料控除の対象【がん保険の特徴①】がん保険に加入したとしても、医療保険などのように保障がすぐに開始されない通常、終身保険や医療保険などの生命保険は、原則として、保険会社が加入の申し込みに対して引き受けをした場合に保障が開始されることになります。ただし、がん保険の場合は、保険会社を問わず、約3ヶ月(90日)の免責期間を設けており、この期間は、保険料を支払っているのにも関わらず、保障がされない条件が付されます。これは、がんの疑いのある人が、駆け込みでがん保険に加入するのを防止する目的もあるためです。【がん保険の特徴②】がん保険の保険料は、基本的に掛け捨てがん保険は、終身型と定期型のがん保険があることを紹介しましたが、終身型のがん保険で保険料払込期間を定めていない場合の保険料は掛け捨てになります。また、がん保険は、がんにならないと保障がされることはありません。この辺をよく理解し、仮にがんにならないで一生を終えた場合、これまで支払ってきたがん保険の保険料は無駄になってしまうことを割り切った上で加入の検討をする必要があります。【がん保険の特徴③】がんになってから、がん保険に加入するのは困難がん保険は、基本的に健康な人が加入できるものになり、生涯を通じてがんになったことがある人は、基本的にがん保険に加入することは困難です。保険会社の中には、持病があっても加入することができる引受基準緩和型のがん保険や、アフラックの「生きるためのがん保険 寄りそうDays」のように、がんを経験された人でも加入できるがん保険もありますが、保険料や保障内容は、一般のがん保険よりも劣る点に注意が必要です。【がん保険の特徴④】1年間に支払ったがん保険の保険料は、生命保険料控除の対象1月1日から12月31日までの1年間において、がん保険の支払った保険料は、生命保険料控除の介護医療用として所得控除の対象になるため、所得税および住民税の税金額を軽減させられる効果が得られます。[adsense_middle]がん保険の選び方で押さえておくべき一時金給付と治療給付がん保険の種類と特徴について、基本的な部分を解説させていただきましたが、実のところ、がん保険を考える上において、一時金給付と治療給付といった2つの給付について知っておくことも欠かせません。そこで次項では、がん保険の選び方でとても大切なポイントにあたる、がん保険の一時金給付と治療給付について、それぞれの特徴とポイントを紹介していきます。がん保険の一時金給付とはがん保険の一時金給付とは、医師からがんと診断され、がんが確定した時にまとめて保険金が支払われる、いわゆる診断給付金のことを言います。現在、ほとんどのがん保険には診断給付金が付帯されているものの、保険会社の中には、診断給付金が付いていないがん保険や診断給付金を保険契約する前に外すことができるがん保険など、種類は様々です。がん保険の一時金給付における主な2つのメリットがん保険の一時金給付(診断給付金)における主なメリットには、がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくい、様々なケースで保険金が活用できるといったメリットが挙げられます。がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくい様々なケースで保険金が活用できる【がん保険の一時金給付におけるメリット①】がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくいがんの治療方法は、日々進化しておりますが、20年後や30年後といった将来において、さらに治療方法が進化していることが考えられます。この時、がんの治療方法が大きく変化したとしても、がん保険の一時金給付(診断給付金)は、医師からがんと診断されて、がんが確定した時に保険金が支払われるため、がんの治療方法が大きく変わったとしても、保険金を受け取りやすくお金の面で困りにくいメリットが得られます。【がん保険の一時金給付におけるメリット②】様々なケースで保険金が活用できる現在、がん保険の一時金給付(診断給付金)は、複数回給付されるタイプのものが多く販売されておりますが、1回目の一時金給付(診断給付金)を受け取るハードルは極めて低いものになっています。この時、まとめて受け取ったお金は、長くかかるがんの治療費や就労が制限されることによる収入減少の補填に充てるなど、様々なケースで保険金を活用できるメリットが得られます。がん保険の一時金給付における主な2つのデメリットがん保険の一時金給付(診断給付金)における主なデメリットには、保険料が高め、がん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じるといったデメリットが挙げられます。保険料が高めがん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じる【がん保険の一時金給付におけるデメリット①】保険料が高めがん保険の一時金給付(診断給付金)は、後述する治療給付とは異なり、がんの短期の治療でも保険金が多く支払われることになるため、保険料が高めです。がん診断給付金は、保険会社によって設定できる金額に違いはあるものの、30万円から多いところでは600万円となっており、設定した保険金額によって、保険料も高くなるデメリットがあります。【がん保険の一時金給付におけるデメリット②】がん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じる現在、がんの治療は、入院日数が短く通院日数が長い傾向にあり、がんの治療が一通り終えるまで年単位での長い時間を要することになります。この時、がんの治療期間が長引く程、多くの治療費がかかってしまうため、まとまって受け取った診断給付金だけではお金が足りなくなる懸念が生じてしまうデメリットがあります。また、2回目以降のがん診断給付金は、保険会社によって給付条件が異なる点にも要注意です。がん保険の治療給付とはがん保険の治療給付とは、がん治療を受けた月に保険金が給付されるタイプのもので、たとえば、入院給付金、手術給付金、通院給付金、放射線や抗がん剤治療で給付されるものなど、その種類は多岐に渡ります。特に、通院やがんの3大治療と呼ばれる手術、放射線、抗がん剤といった治療におけるそれぞれの給付は、がん保険を販売している保険会社によって異なるため、がん保険の選び方を考える上でとても重要なポイントになります。がん保険の治療給付における主な2つのメリットがん保険の治療給付における主なメリットには、保険料が安い、がんの治療方法が長引いたとしても給付が続くといったメリットが挙げられます。保険料が安いがんの治療方法が長引いたとしても給付が続く【がん保険の治療給付におけるメリット①】保険料が安いがんの治療給付をメインとしたがん保険は、保険料が安く、これはどこの保険会社にも共通したメリットになっています。また、入院給付金や通院給付金などをはじめとした治療給付は、給付される日数が無制限であることも多く、がん治療の万が一の備えには安心できるメリットがあります。【がん保険の治療給付におけるメリット②】がんの治療方法が長引いたとしても給付が続くがん治療は、長い期間に渡って続く可能性が高いことをすでに紹介しましたが、仮に、がんの治療が長引いたとしてもがんの治療給付は、治療の都度給付が続くことになるため、治療費が家計を圧迫しにくいメリットが得られます。ただし、契約した保険金額によって、このメリットは左右されることになるため、目先の保険料の安さを優先して保障の質が低い場合は、かえって逆効果になってしまうことも念頭に入れておく必要があるでしょう。[adsense_middle]がん保険の治療給付における主なデメリットがん保険の治療給付における主なデメリットには、将来、がんの治療方法や医療情勢に大きな変化があった場合、当時、加入契約したがん保険の保障内容が、その時の現状と即していない可能性が生じます。このデメリットは、すでにがん保険に加入している人で、契約からすでに何十年も経過している人は要注意とも言えます。40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は一度見直しを生命保険や医療保険のがん特約には注意抱き合わせ保険は、特約料が掛け捨てで保障が中途半端【がん保険の治療給付におけるデメリット①】40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は一度見直しを40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は、現状と保障内容が即していない懸念があるため、一度見直しをされてみることをおすすめします。治療給付ではありませんが、たとえば、一昔前のがん保険では、がん診断給付金が1回限り給付され、2回目以降は給付されないなどの条件もあり、がん治療の備えをしているのにも関わらず、がん治療の備えとしては、不十分であることも容易に予測できます。【がん保険の治療給付におけるデメリット②】生命保険や医療保険のがん特約には注意こちらは、がん保険に新規加入や見直しをする上での注意点となりますが、たとえば、日本生命、明治安田生命、住友生命などのように、国内生命保険会社の生命保険で、抱き合わせ保険になっている保障内容のものを実務上、よく見かけます。抱き合わせ保険とは、1つの保険契約で死亡、がん、介護、医療といった様々な保障が組み合わせられているものですが、がん特約のように、特約がべったりと張り付いている生命保険です。【がん保険の治療給付におけるデメリット③】抱き合わせ保険は、特約料が掛け捨てで保障が中途半端抱き合わせ保険は様々な保障が付いているため、何も知らない顧客の満足度や一昔前に人気があった生命保険かもしれませんが、特約料が掛け捨てで保障が中途半端なほか、最後にはまともな保障も残らない最悪な生命保険です。たとえば、がん特約の場合、保障が入院に限定されているなど、現代のがん治療に即した保障内容になっていない場合が多く、とても利用価値が期待できない可能性が高いため、本当に注意が必要です。がん保険の選び方の基本は比較検討がん保険の特徴のほか、一時金給付と治療給付の違いについて解説をさせていただきましたが、当然のことながら、がん保険の選び方の基本は、保険会社のがん保険を比較検討することです。実際、がん保険の疑問として、がん保険を選ぶにはどこがいいのか、医療保険とがん保険は両方加入した方がいいのか、などの疑問が特に多い印象を受けますが、失敗しないがん保険選びは、がん保険の特徴を知り、細かく比較検討することに尽きるでしょう。女性の方は、女性限定のがん保険も視野に入れてみるがん保険には、乳房や子宮といった女性特有の病気にも手厚く対応した女性限定のがん保険も保険会社各社で販売されています。一般のがん保険に比べて女性限定のがん保険は、少々保険料が高くなるものの、女性の場合、若い内から女性特有の疾病やがんにかかる確率も男性に比べて高い統計もあることから、この辺が心配な女性の方は、女性限定のがん保険も視野に入れてみると良いでしょう。がん保険の選び方に関するまとめがん保険は、がん治療に特化した生命保険といった大きな特徴があるため、まずは、がん保険の基本部分を理解した上で、そもそも加入する必要性があるのかどうかについて再確認することが大切です。仮に、がん保険が必要と判断した場合は、一時金給付と治療給付のどちらに重きを置くのかなどといったがん保険の選び方を再確認し、選んだ給付に強みのあるがん保険(保険会社)選びをすることが大切だと言えます。
2019年07月17日がん保険には色々なタイプの商品がありますが、積立型タイプのがん保険があることをご存知でしょうか。今回はこの積立型がん保険をランキング形式で紹介しながら、積立型タイプの特徴についてわかりやすく説明していきたいと思います。積立型がん保険のランキングそれではランキング形式で積立型がん保険を紹介していきたいと思います。今回のランキングの検討に際しては、がん保険だけではなく、がんの保障を含んでいる保険も調査対象としています。(小規模短期保険を除きます)また、今回の評価ポイントとしては、確実に積立となっているかどうかという観点を重視して、筆者独自の判断で順位づけをしました。調査対象:がん保険・がん保障を付帯している保険評価観点:確実に積立になっているかどうか第5位:がん診断保険R(東京海上日動あんしん生命)第5位は、東京海上日動あんしん生命のがん診断保険Rです。ペットネームのRはリターン(Return)の頭文字からとったものだと推測されますが、まさにこのリターンということが積立型がん保険であることを表しています。最初に、商品概要を一覧表で見てみましょう。がん診断保険Rの特徴がん診断保険Rの積立内容ですが、70歳時(厳密には70歳の年契約応当日)に、主契約の払込保険料相当額を「健康還付給付金」(上表の場合は合計6,094円のうち、主契約分3,360円の35年間分である1,411,200円)として受け取れることです。逆に言うと特約の保険料は掛け捨てになっていて、主契約の保険料が積立型であるといえるでしょう。上記の例でも約140万円となりますので、それなりにまとまった金額の積立になります。しかしながら注意点としては、70歳になるまでは還付されないため、途中で解約しても受け取れません。また、70歳までの間に主契約の診断給付金100万円を受け取っていたとすると、それは健康還付給付金から差し引かれます。(上記の例でいうと、1,411,200円マイナス1,000,000円で411,200円が受け取れます。)第4位:総合保障保険 スーパー2000(楽天生命)第4位は楽天生命の総合保障保険 スーパー2000です。2000というのは毎月の保険料負担を一律2,000円としているところから名付けられています。それでは具体的な保障内容を確認していきましょう。総合保障保険 スーパー2000の特徴冒頭でも紹介しましたが、総合保障保険 スーパー2000の最大の特徴は保険料が一律2,000円と設定されており、月々の保険料負担を軽くしていることです。また積立型の内容ですが、1年間入院がない場合に5,000円を受け取ることが出来ます。年間の保険料負担は24,000円ですから、支払った保険料の2割を受け取れることになります。注意点としては、がん以外の保障が備わっているため、人によっては要不要が分かれると思います。次の注意点は、年齢が上がるにしたがって保障額は減っていくという点です。これは保険料を一律2,000円にしていることで生じる結果です。(通常は保障額を一定にするために保険料が上がっていきます。)最後に、保障が1年更新となっていることに注意してください。最長65歳までは更新をして保障を継続していくことが出来ますが、一生涯の保障ではありません。第3位:アクサダイレクトのがん終身(アクサダイレクト生命)第3位は、アクサダイレクト生命のがん終身です。こちらもまずは保障内容をご覧ください。アクサダイレクトのがん終身の特徴アクサダイレクトのがん終身の積立内容を確認していきましょう。がんにならなかった場合という前提条件はありますが、3年ごとに5万円の無事故給付金を受け取ることができます。3年間の保険料合計は上記の例ですと142,920円となり、保険料の約35%が受け取れる計算となるので保険料に占める積立の割合は多いと言えるでしょう。注意点としては、3年間のうちにがんとなってしまった場合には無事故給付金は受け取れないという点です。それ以外はがん保険としてもバランスの取れた内容になっています。[adsense_middle]第2位:リンククロス ピンク(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命)第2位は、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のリンククロス ピンクです。特徴的な保障内容となっていますので、まずは保障内容を確認してください。リンククロス ピンクの特徴リンククロス ピンクの積立内容ですが、がんにならなかった場合という前提条件になりますが、2年ごとに5万円が受け取れるという内容になっています。上記の例ですと2年間の保険料合計は78,960円ですから、実に6割を超える金額が積み立てられているということになるのです。また、がん保険の特徴としては、女性専用であることに加えて、がん診断給付金の保障に絞った内容となっており、追加加入を考える際にも対象としたい積立型がん保険と言えるでしょう。第1位:フェミニーヌ(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命)第1位は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のフェミニーヌです。フェミニーヌというと女性保険というイメージが強いのですが、がん保障も兼ね備えた積立型の保険といえるのです。それでは保障内容を確認していきましょう。フェミニーヌの特徴フェミニーヌは入院の保障をベースに、がんになった場合に給付金が上乗せされるという保障内容となっています。積立の内容としては、3年ごとに105,000円を受けることが出来ます。2位から5位までの積立型がん保険とは異なり、がんであろうが入院をしていようが、生存している限りは受け取れる給付金となっています。これがフェミニーヌの最大の特徵です。上記の例ですと、3年間の保険料合計は224,424円となっていますので、105,000円はその約47%となりますので、およそ半分弱の積立になっているということがわかります。積立型のがん保険ランキングに関するまとめ積立型のがん保険について、ランキング形式で紹介をしてきました。積立型といっても、がんの給付に関係なく支払われるタイプの商品や、がんにならなかった場合に支払われるタイプの商品など、積立型の内容に違いがあることを押さえてください。そのうえで、当然ながらがんの保障と、保険料負担額を考慮して、ご自身に合った積立型がん保険を選ばれることが大切です。特に積立型の貯蓄性が高まるほど保険料負担額は重くなりますので、途中で続けられなくなる、ということがないように注意してください。
2019年06月15日今回は既にがん保険に加入されている方向けに、がん保険の見直しポイントをわかりやすく説明していきたいと思います。新規加入とは異なり、見直しする場合ならではの注意点がありますので、今回ご説明するポイントを踏まえたがん保険の見直しをお勧めします。がん保険の見直し方法のポイント見直し方法のポイントですが、以下の3つのステップで進めていくことをお勧めします。加入中の契約を確認する自分に不足している保障を認識する追加契約か切替契約かを検討するそれぞれ順を追って内容を説明していきましょう。がん保険見直しのためのステップ1:加入中の契約を確認するまず最初のステップは、加入中の契約を確認することです。加入中の保険はもちろんですが、他に医療保険や死亡保険にがんの保障が付帯されていることもありますので注意してください。がんの保障かどうかを見極めるには、「がん(悪性新生物)」という文言を確認すればよいのですが、「三大疾病、五大疾病」というように「がん(悪性新生物)」が含まれているものの、別の表現で記載されていることもあります。どのような場合のがん保障かを確認するそして「がん(悪性新生物)」の内容を確認するときに、どのような状態になったらお金がもらえるのかを確認します。具体的にいくつかの事例を挙げておきましょう。がん診断(給付金)→がんと診断された場合がん入院(給付金)→がん治療のために入院した場合がん通院(給付金)→がん治療で通院した場合がん手術(給付金)→がん治療のために手術した場合抗がん剤治療(給付金)→抗がん剤を用いてがん治療した場合上記の通り、場合ごとにがん保障を整理します。古い契約の注目ポイントとは加入中の契約を確認する際に、15年以上前に契約した古い契約がある場合は以下の点に注意して保障内容を確認してください。次のステップである、自分に不足している保障を認識するために大切な作業となります。「上皮内がん(上皮内新生物)は保障から除く」という内容になっていないかがん入院保障に「日数制限」が記載されているか保険期間は「終身」ではなく「●●歳まで」と区切りがあるかもちろん上記以外でも、保障を制限するような内容があれば、メモしたり付箋をつけたりすることをお勧めします。がん保険見直しのためのステップ2:自分に不足している保障を認識する次のステップは、自分に不足している保障を認識していくプロセスになります。下表のように保障ごとに内容と金額に分けて整理して、自分にとって不足している保障をチェックしていきましょう。チェックする項目は以下の通りです。保障内容:どんな場合に保障してくれるのか保障期間(保険期間):いつまで保障してくれるのか保障金額(保険金額・給付金額):いくら受け取れるのか条件や制限:上記項目に関する条件や制限(例:支払限度日数)表の右側には評価欄として、自分に不足していると思われる内容をメモできるようにしておきます。この評価内容に基づいて、最新のがん保険の内容と比較しながら、次のステップの追加契約・切替契約を検討することになります。[adsense_middle]がん保険見直しのためのステップ3:追加契約か切替契約かを検討する2つめのステップで自分にとって不足している保障が認識できた後は、3つめのステップで見直し後の保障を検討することになります。自分にとって不足している保障を備えた、現行販売されているがん保険をいくつかピックアップして、追加契約をするのか、新しい保険に全面的に切り替えるのかを考えていきます。では、どのような場合に追加契約をしたほうがよいのか、または切替契約がよいのかを場合分けして確認していきましょう。追加契約が良い場合追加契約が良い場合はどのような場合でしょうか。追加契約ということは、現在加入済みのがん保険を残すということになります。したがって、現在加入済みのがん保険については自分に合っていると評価できるものの、一部保障が足らないという状態です。具体的に考えられるケースは以下のような場合です。がん診断給付金が50万円なので100万円ほど上乗せしたい先進医療の給付金がないので追加したい女性特有がんの場合の上乗せ保障がほしいこうした場合には足らない保障をコンパクトに備えているがん保険を探した上で、追加契約をされるとよいでしょう。持病や病歴がある場合見直しされるときに持病があったり、過去5年以内に病歴がある場合は、現在のがん保険に不足があったとしても切替せずに、追加加入の方向で検討してください。理由はこうした持病や病歴があると、切替や追加を問わず、新規の契約には加入出来ない可能性が高いためです。切替契約が良い場合追加契約以外の場合には、切替契約をお勧めします。特に2つめのステップで、上皮内がんが対象外であったり、保障期間が終身ではなかったり、という場合には現在のがん保険よりも2世代前ぐらいのがん保険で古い型の保険であることが多いためです。ご自身で改めてがん保険に入るとしたらどのような保障が必要だろうかと、イチから考えて切替契約をされるのがよいでしょう。がん保険の見直しのメリット・デメリットここまで見直しの方法(3つのステップ)について確認をしていきましたが、ここからは見直しをすることによるメリットとデメリットについて整理しておきましょう。がん保険の見直しのメリットがん保険の見直しをすることのメリットは大きく2つあります。最新のがん保険の保障内容で見直しができることニーズの変化に合わせて、保障の内容をフィットさせることができること1つ目は、最新のがん保険の保障内容で見直しができることです。保険会社は民間企業ですので、常に加入者のニーズを捉えて絶えず商品開発を行っています。そうした最新のがん保険の保障で見直せるということは、保障内容が充実すると言い換えることができます。2つ目は、ご自身のニーズの変化に合わせて、保障の内容をフィットさせることができるということです。当初は保険料が割安で最低限の保障内容でよいと加入していたがん保険も、加齢とともに手厚いがん保障の必要性を感じるかもしれません。そうしたニーズに合わせることができるのが、がん保険の見直しのメリットです。がん保険の見直しのデメリット一方で、がん保険の見直しをすることのデメリットもあります。追加契約か切替契約かを問わず、基本的には保険料が上がることになります。これは保障を増やす方向の見直しが多くなるので当然といえば当然ですが、見直し後の保険料で今後もきちんと継続できるのかを見極めるのが大切です。見直しをして保障を充実させたのはいいけれど、数カ月後には保険料負担に耐えられなくて、がん保険を解約してしまった、というのでは何のための見直しかがわからなくなってしまいます。また、追加契約の場合ですが、ちょうど足らない分だけの上乗せでの加入というのができにくいことが多くあります。どうしても保障が重複して、必要以上に保障が多くなってしまうということがデメリットとして挙げられます。がん保険の見直しに関するまとめがん保険の見直しについて、その方法を3つのステップに分けて説明をしてきました。まず最初に現在加入のがん保険についてその内容を確認するとともに、自分のニーズに照らして不足している内容を把握します。その上で追加契約をするのがよいのか、切替契約をするのがよいのかを検討した上で、実際の見直しを進めていきましょう。
2019年06月06日「がんは今や珍しい病気ではなくなった」とよく言われます。だからこそ「もし自分ががんになってしまったらどうしよう」と、頭を悩ませてしまう人は多いでしょう。とくに、子を持つパパやママの場合、子どもの将来のことが何よりも気になるだろうと思います。そこで、子育て世代のがん患者を対象にした調査をもとに、親ががんになったときに子どもの教育計画にどう変化が起こったのか見ていきます。■子育て世代がん患者の教育費への影響は?「子育て世代のがん患者における教育費に関する調査」報告書(「一般社団法人キャンサーペアレンツ」と「ライフネット生命保険」共同調査)によると、最初のがん告知を受けたときに不安に感じたこととして、「家族への影響」と答えた人が8割以上となりました。またがんり患による子どもの教育費に影響があると答えた人は、5割強近くとなりました。Q.がんに罹患したことで、子どもの進路など教育計画に影響はあったか?影響があった 22.1%今後影響があると考えている 31.7%影響はなかった 53.5%■収入減でも「教育費は抑えたくない」思いがんにり患したときに、教育費への影響があると答えた人が5割いますが、別の質問では、実際に「教育費を抑えた」と回答したのはわずか2割足らずでした。コメントからも、親たちが教育費を抑えずに、試行錯誤している様子が伝わってきます。「本当は公立に行ってほしかったが、受験対策や入ってからの役員などフォローが難しいと思い、私立の学校を選びました。教育費は抑えられなかった」(46歳女性)「教育費、本当は抑えるべきなんだろうけど、中学受験に向けて必死に頑張っている子どもに、塾を辞めてほしいとは言えなかった」(39歳女性)「子どもたちの教育費用だけは抑えたくなかったので、学費や塾代などは貯蓄から回しました」(45歳女性)また調査によると、がんのステージによって教育費への影響は異なっており、ステージ1の人の場合では、支出を抑えたのは9.7%。一方、ステージがあがってくると、2割を超えるようになります。■「進路への影響」に不安を抱える親たち子どもへの影響を少なくしたいと考える親は多いでしょう。しかし、教育費は子どもを持つ世帯すべてにとって、大きな課題です。調査によると、がん告知後、平均して2割程度、世帯収入が下がるとあります。がんになったことで「子どもの進路などの教育計画に影響があった」という人たちの具体的な声を紹介します。「都立高校を受験させ、予備校も行かせず、学費保険を中途解約して治療費に充てた」(52歳女性)「がんにならなければ、パートから正社員へと考えていた時期でした。手術、抗がん剤治療の期間が長かったため、正社員で働くことは諦めました。子どもの大学進学については、自宅から通える範囲の公立校を目指してもえるようにと話をしました。塾にも通っていません」(41歳女性)さらに、「今後影響があると考えている」人たちからは、次のようなコメントが寄せられました。●塾に入れてあげられない●私立進学は難しい●進学時期の教育費が貯蓄ではまかなえず、体調がどこまで働ける体に戻れるか不安●今後のお金がどれくらいかかるかわからず、子どものための貯蓄ができるか不安「教育費を抑えたくない」という気持ちの一方で、実際には経済的な理由からなかなか思うようにいかないという親の歯がゆさが感じられます。■もし、がんになったときお金は? それでは、がんになった場合、どのような支援を受けて、収入の減少を補えばいいのでしょう。Q.がんにり患したことで、金銭面の支援を受けたものは?※複数回答あり1位 民間の保険会社からの給付金 72.6%2位 親からの金銭的な援助 35.7%3位 傷病手当金 31.4%~以下略~全体の7割の人たちは、民間の保険会社からの給付金を利用し、親(祖父母)からの支援を受けた人も約35%と、2番目に多い結果となりました。保険の給付金というと、「治療費に使う」というように考えてしまいますが、実際には自身や家族の生活水準を保つために使ってもいいものです。例えば、家事代行を頼むために使うなど、使い道の観点を変えてみてもいいかもしれません。■子育て世代ががんと教育費に向き合うにはお金、治療法、家庭内の貯蓄など、情報を知っていることで対応が変わってくることもあります。万が一のときについて、家族や夫婦間でも話しあっておくことだけでも違ってくるのではないでしょうか。たとえば、貯蓄、生活費、保険など、さまざまな観点で家計を見直したり、場合によってはファイナンシャルプランナーに相談してみたり。もし、病気になったときには家族だけで抱え込まずに、祖父母や周りの人たちの力を借りることが大切なのだと、今回の調査結果をみて思いました。もしもがんになって途方に暮れてしまったら、子育て世代のがん患者を支援する団体や仕事面や精神面など、さまざまな支援の窓口があります。ここまで、子育て世代ががんになった場合に教育費とどのように向き合っていくべきか考えてきました。実際に病気と闘いながら子育てをするのは大きな苦労があるのだと身につまされるとともに、今自分にもきっとできることがあるのだと、気づかされます。「もしそうなったらどうするのか」といった不測の事態への対応を考えながらも、日々子どもたちとの生活を大事にしていきたいですね。「子育て世代のがん患者における教育費に関する調査」キャンサーペアレンツの会員(子どもをもつガン患者)398名へのインターネットによる調査(一般社団法人キャンサーペアレンツ×ライフネット生命保険共同調査)<参考>キャンサーペアレンツ:こどもをもつがん患者同士でつながるためのSNS
2019年05月30日保険会社のCMなどで「2人に1人ががんになる時代です」という話を聞いたことをある人もいらっしゃると思いますが、若いのであまり自分には関係ないと思う人も少なくないのではないでしょうか。 しかし、ママ世代にも重なる30代~40代は男性より女性のほうが、がんになる人数が多いため、できることから対策が必要になる時期でもあります。そのため、がんの基礎知識と対策としての予防、検診、保険についてお伝えします。 1.がんの基礎知識がんは遺伝子に傷がついてできた異常な細胞が増殖することで起こり、進行すると生命に重大な影響を与える病気です。一部のがんを除いて発生の原因が分かっていません。その他の病気は原因や治療法が確立されているものも多いため、一生のうち、がんと診断される人が多いのが実情です。 『公益財団法人がん研究振興財団のがんの統計‘18』によると、2014年データを基準とすると日本人男性の61.9%、女性の46.5%が一生のうち一度はがんと診断されるようです。しかし、かつては不治の病とされていたがんも医療の進展に伴い、早期発見すれば治る病気になりつつあります。そのためにも、予防・検査・保険での対策が必要となります。予防・検査については専門外となりますが、一般的な内容をお伝えします。 2.予防・検診は日々の習慣からがんは発生原因が分かっているものが少ないため、完全な予防というものはありませんが、生活習慣によって発生確率を下げることはできるようです。国立がん研究センターによると「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動(運動)」「適正体重の維持」を習慣にしている人としていない人では、男性で43%、女性で37%がんのリスクが低くなったとのことです。また、がんの発生の原因として分かっているピロリ菌(胃がん)や肝炎ウイルス(肝臓がん)などは、検査によって判明し、治療で除去できる場合も増えていますので、健康診断・人間ドック等での検査をおすすめします。 また、がん検診は初期の場合はほとんど自覚症状がないため、定期的に行うことが大切です。勤務先やお住まいの自治体、扶養されている場合は加入している健康保険組合等から検診の案内もあると思いますが、できる限り受診するようにしましょう。 厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」では、子宮頸がん検診は20歳以上を対象に2年に1回、乳がん検診は40歳以上を対象に2年に1回、胃がん検診は50歳以上を対象に2年に1回(※当分の間、胃部X線検査は40歳以上、1年に1度の実施も可)と定めています。 子育てや日々の生活でお忙しいと思いますが、がんが重症化すると治療のためにそれ以上の負担や時間がかかる可能性が高いので、検診を習慣化するとよいと思われます。 3.がん保険は治療の選択肢や経済的負担を軽減がんになった場合は治療が必要ですが、多くの場合は健康保険での治療が可能です。標準治療と呼ばれる「手術」「抗がん剤」「放射線」であれば、健康保険が適用され、高額療養費も対象となれば治療費の自己負担も多額にはなりません。しかし、入院中の生活費や収入減少の補てん、家事の代行には費用がかかるので、貯蓄か保険でカバーする必要があります。 また、健康保険の対象とならない先進医療や自由診療を選択する場合には、治療費用が数十万円~数百万円かかることもあるので、これも貯蓄か保険でカバーできればより安心です。そのため、十分な貯蓄がない場合にはがん保険の加入を検討されるとよいでしょう。 がん保険は保険会社や商品によって異なりますが、多くの場合、①入院や手術、抗がん剤や放射線治療などの治療ごとに保険金が受け取れるもの、②がんと診断された際に一時金としてまとまった保険金が受け取れるものがあります。保険料は内容や年齢、性別によって異なりますが、月額千円台~数千円程度で加入できるものがほとんどですので、家計がやりくりできる範囲でがん保険を検討してみましょう。 がん保険に限らず、ほとんどの民間の保険は健康のうちでなければ、加入が難しかったり、対象となる病気が制限されたりしますが、がん保険はがんに関連のない病気であれば加入に支障はありませんが、がんに関連する病気がある場合は加入そのものができないことがほとんどですし、一生涯使う可能性のある保険ですので、加入は早めのほうがよいと思われます。 日々の生活で重い病気を意識する人は多くないと思いますが、がんになる可能性で言えば女性でも約半数はかかる病気です。予防、検診、保険と今からできる準備をする機会にしていただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2019年05月14日がん検診といったら、なんでも受ければよしというものではない。がん検査にも「適齢期」があり、高齢になるとがんを早期発見する利益より、検査を受けることの不利益が大きくなってしまうことも――。「自治体の検診は無意味ではありません。ただ、そもそも検診は『スクリーニング検査』といって健康な人のなかから、がんが疑われる人を一定数すくいあげ、ふるいにかけるというのが本来の狙い。ですから100%もれなく拾い上げるわけではありません。それを承知したうえで、がん検診を受けることの利益と不利益を確認しておくこと。体への負担といった不利益のほうが大きくなる検査は、あえて受けない選択肢もあります」そう語るのは国立がん研究センター検診研究部部長・中山富雄氏。では、私たちは何を目安に検査を選択すればよいのだろう?そこで参考になるのが、厚労省が取りまとめた「受けたほうがいい」「受けなくていい」検診のガイドラインである。がん検診に適すると評価されている胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がんについて、中山氏を代表とする厚労省の「有効性評価に基づくがん検診ガイドライン」作成チームが、慎重に検討を重ねたうえで、対象者の適正年齢、推奨グレード(A~D、科学的根拠を検討中のI)、そして、受けることによる利益と不利益を定めたものである。「このガイドラインはなんでもかんでも受ければよし、とする風潮のがん検診にブレーキをかける意義もあります」(中山氏)A、Bはおおむね同じ評価で、有効性が高い。Cは受ける利益もあるがそれと同程度の不利益もある。Dは受ける利益がないと評価された検査。Iの評価となっている検査については科学的評価が定まっておらず、今後ランクアップしてAになる可能性もありえるものだ。中山氏とともに、ここでは「胃がん」「大腸がん」の検査を見ていこう。【胃がん】X線検査は、おおむね効果があると認められている。日本では胃がん罹患者じたいが減少しており、家族に胃がんの罹患者がいない人は2年に1度を推奨。対象年齢は、かつては40歳以上を対象としていたが、ピロリ菌感染者の減少により罹患者が急に減っていることから、50歳以上に引き上げられている。ただ、高齢者になると話は変わってくる。「内視鏡はやめておきませんか?」「年をとったら受けられないのか!」昨今、医師と80歳以上の高齢者との間でこんな侃々諤々の問答が繰り広げられているという。実は、がん検査にも「適齢期」があり、高齢になるとがんを早期発見する利益より、検査を受けることの不利益が大きくなってしまうのだ。具体的に高齢になるとどんな不利益があるのか。「まずX線検査は、事前にバリウムを大量に飲むことで、便秘や腸閉塞などのリスクが高くなります。誤嚥や腸閉塞、腸に穴が開くといった合併症が起こる可能性があります。内視鏡検査については、80歳以上になると、胃の粘膜が薄くなり、そこに空気で無理やりに膨らませると、胃壁に穴が開いて、緊急手術という例もあります」(中山氏)そのことから、最近は独自に上限について定める自治体も登場。長野県伊那市では’14年度から、愛知県田原市では’16年から、胃がんのX検査の対象年齢を79歳までと定めた。実は年齢の上限がないのは、先進国では日本とドイツだけ。日本でもガイドライン作成チームが、がん検診を受ける年齢に上限を設ける方向で検討中だという。【大腸がん】便潜血検査は、すべてのがん検査のなかで、唯一推奨グレードAだ。いわゆる「検便」で、採取するだけで済む、極めて体への負担が少ない検査で、年1回の検査が推奨されている。だが、内視鏡検査などは、「やはり80歳を超えると、検査のダメージも懸念されます」(中山氏)。「腸壁が薄くなっていることから内視鏡検査で腸に穴が開いたり、傷ができたりすることのリスクがあります。また下剤を2リットル飲むのは若い人でも負担が大きい。さらに、下剤を飲むことは高齢の方にはかなり危険を伴います。下剤が利きすぎて、脱水症を起こして倒れたり、脳梗塞を引き起こして、健康だった人が寝たきりになってしまうケースもあります」唯一推奨Aの検便も、高齢になると考えてほしいと中山氏は語る。「受けて異常が見つかってしまうと、次のステップに進むか否かが問題になりますので、この年代であれば、急いでがんを発見して治療をせずとも、症状が出てから治療を検討するほうが賢明だと思います。大腸ポリープで命を落とす可能性は5年先、10年先といわれます。ですから、仮に85歳で発見しても、5年間でほかの不調の出る可能性もあるので、急いでポリープを見つける有効性はないという考え方もできます。便潜血検査も、慎重に検討すべきかもしれません」アメリカでは大腸内視鏡検査は10年に1度を推奨しており、高齢になっても毎年人間ドックで受けているという人は、見直してもいいかもしれない。
2019年03月27日「がん患者の登録が’16年に施行されて初めて全数調査。これまでよりも正確で詳細ながん患者の実態分析が可能です。ランキングに一喜一憂することなく、この調査結果から浮かび上がる、がん予防のヒントを見つけ出すことが重要です」そう語るのは、国立がん研究センター「全国がん登録」室長の松田智大医師。厚生労働省が1月17日に公表した「’16年がん患者数」は、すべてのがん患者を追跡する「全国がん登録」のデータを初めて集計・分析したもの。この調査結果で見えてくるのが「女性のがんが少ない県」である。「全国がん登録」に調査に関わっている松田先生が続ける。「がんのリスクを減らし、かつ科学的根拠が示されている健康習慣は『禁煙、節酒、食生活、身体運動、適正体重の維持』の5つ。これらに加えて“がんになりにくい地域”には、それなりの食生活や生活習慣が隠されているのです」女性のがんが少ない都道府県ランキングトップ10は次のとおり(人口10万人あたりのがん罹患者数)。【第1位】愛知県・321.9人【第2位】山口県・327.2人【第3位】群馬県・328.3人【第4位】山形県・330.9人【第5位】岡山県・331.2人【第6位】長野県・331.4人【第7位】沖縄県・332.7人【第8位】栃木県・333.8人【第9位】静岡県・335.0人【第10位】島根県・336.8人※厚生労働省「がん登録2016年速報」より作成この“がんにならない県” ランキングで第1位になった愛知県にはどんな秘密があるのだろう。愛知県がんセンター研究所の松尾恵太郎医師が語る。「愛知県の女性の場合、がんのリスクを上げる喫煙率や飲酒率では、全国平均を大きく下回っています。また、肥満が比較的少ないのも重要なこと。厚生労働省の調査でも肥満率は全国の平均より下にあります。また、年間のスポーツ行動者率は全国6位。つまり体を動かす習慣を持つ人も多いのです。さらに県内の女性に、がんが少ない要因は、乳がんになる人が少ないことです」たしかに「全国がん登録」の最新のデータによると、愛知県女性の乳がんの罹患率は7.5%(’16年累積罹患率10万人あたり)で全国トップ3に入る低さ。愛知県が乳がんの罹患を抑えている背景とは?松尾先生が分析する。「乳がんは、乳腺が女性ホルモンにさらされ続けることによって発症リスクが上がります。妊娠中は分泌が止まるため、女性ホルモンにさらされない期間が生じます。そんな機会が多い方が、乳がんの罹患リスクを下げます。実は愛知県は人口が多い割に婚姻率が高く、また若くして結婚している女性が多いのが特徴。妊娠回数も多いことが予想され、乳がんの罹患率を下げることに寄与している可能性もあります」愛知県の婚姻率は全国3位(’16年総務省統計局調べ)。ちなみに「女性のがんが少ない県」第2位、山口県の女性の平均結婚年齢は28.6歳(’15年人口動態統計)。日本でもっとも早婚の県のひとつである。愛知県の県庁所在地・名古屋市では、喫茶店文化が花開いていることで知られている。名古屋市の喫茶代は1世帯あたり年間1万2,945円(’14~’16年平均、総務省調査)と全国2位だ。名古屋学芸大学健康・栄養研究所の下方浩史所長は次のように語る。「そんな喫茶店の多くで提供されるのはボリュームたっぷりのモーニングサービス。その背景には、愛知県民に朝食をしっかり取る習慣が根づいていることがあるでしょう。朝から良質なタンパク質などをしっかり食べれば、体内時計が整います。体内時計が正しく動くことは、がんの増殖を抑える効果があるともいわれているのです。喫茶店は、愛知県に住む女性たちにとっての社交場。友人とのおしゃべりは、がんの発症要因と考えられるストレスの発散にも。また大いに笑う楽しい会話は免疫力を高め、がん細胞を消滅させるナチュラルキラー細胞を増やしてくれるのです」また、愛知県といえば、トヨタを筆頭に、デンソー、ブラザー工業など大企業が多い。そんな企業の福利厚生が、がんになりにくい県をつくっていると、下方所長。「従業員ばかりではなく、家族の健康にも配慮する、古きよき日本の文化が残っている企業が多く、主婦の健診や人間ドックの補助金が出ることも。そのように健康を意識する機会が増えれば、食生活や生活を変えるきっかけにもなるでしょう」(下方所長)
2019年02月01日厚労省が新たに発表したがん罹患率の調査結果は、これまでのものよりさらに正確な数字だといわれるが、がん患者が少ない地域の“生活スタイル”をのぞいてみると驚きの共通点が見えてきた――。「がん患者の登録が’16年に施行されて初めて全数調査。これまでよりも正確で詳細ながん患者の実態分析が可能です。ランキングに一喜一憂することなく、この調査結果から浮かび上がる、がん予防のヒントを見つけ出すことが重要です」そう語るのは、国立がん研究センター「全国がん登録」室長の松田智大医師。厚生労働省が1月17日に公表した「’16年がん患者数」は、すべてのがん患者を追跡する「全国がん登録」のデータを初めて集計・分析したもの。この調査結果で見えてくるのが「女性のがんが少ない県」である。「全国がん登録」に調査に関わっている松田先生が続ける。「がんのリスクを減らし、かつ科学的根拠が示されている健康習慣は『禁煙、節酒、食生活、身体運動、適正体重の維持』の5つ。これらに加えて“がんになりにくい地域”には、それなりの食生活や生活習慣が隠されているのです」女性のがんが少ない都道府県ランキングトップ10は次のとおり(人口10万人あたりのがん罹患者数)。【第1位】愛知県・321.9人【第2位】山口県・327.2人【第3位】群馬県・328.3人【第4位】山形県・330.9人【第5位】岡山県・331.2人【第6位】長野県・331.4人【第7位】沖縄県・332.7人【第8位】栃木県・333.8人【第9位】静岡県・335.0人【第10位】島根県・336.8人※厚生労働省「がん登録2016年速報」より作成この“がんにならない県”ランキングで第1位になった愛知県にはどんな秘密があるのだろう。そして、上位に入っている県にはどんな共通点があるのだろうか?愛知県がんセンター研究所の松尾恵太郎医師が語る。「愛知県の女性の場合、がんのリスクを上げる喫煙率や飲酒率では、全国平均を大きく下回っています。また、肥満が比較的少ないのも重要なこと。厚生労働省の調査でも肥満率は全国の平均より下にあります。また、年間のスポーツ行動者率は全国6位。つまり体を動かす習慣を持つ人も多いのです」また、愛知県といえば八丁味噌や三河味噌などの豆味噌が食卓を彩ることが多いが……。「愛知県民は味噌汁以外だけでなく味噌カツや味噌煮込みうどん、どて煮など調味料として豆味噌を多用していることは重要なポイントです。蒸した大豆を味噌玉にして、こうじに仕込んでつくる豆味噌には、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンが豊富。それが乳がんの発症を防ぐ効果があると考えられています」(松尾先生)発酵食品である豆味噌の抗酸化力に注目しているのが、椙山女学園大学の江崎秀男教授(管理栄養学)。「2年以上熟成させる豆味噌には褐色の色素『メラノイジン』が多く含まれ、米味噌や麦味噌と比較しても抗酸化作用が強いのが特徴。体を酸化させて細胞や遺伝子を傷つけてがんを発生させる、活性酸素を除去する働きがあるのです。また『メラノイジン』には、糖尿病を予防する機能も。がんの発症リスクを2~3割上げるといわれるのが糖尿病です。実は愛知県は、糖尿病による死亡率がもっとも低い県です」豆味噌だけではない。愛知県では、生産量の多い酢、みりん、醤油などバラエティ豊かな発酵食品がそろっていることも忘れてはならない。発酵食品といえば「女性のがんが少ない県」で第3位に入っている群馬県は「乳酸菌飲料」の年間消費額が全国平均の2倍近くで、全国トップクラス。腸内環境を整え、免疫力を高める効果がある発酵ライフも大切なようだ。愛知県の年間日照時間は2168時間(総務省統計局調べ)で全国第2位。この日照時間の長さとがんとの関係に注目しているのは、名古屋学芸大学健康・栄養研究所の下方浩史所長だ。「愛知県が、全国でも有数の日照時間が長い地域であることはあまり知られていません。日光を浴びると体内でビタミンDが生成されます。食物から摂取するよりも、日を浴びるだけで効果的にビタミンDが活性化されます。骨格の形成に関与することがわかっているビタミンDですが、最近では免疫機能を高め、肝臓がん、肺がん、乳がんなどの予防効果があることもわかっています」ちなみに、群馬県も1年間の快晴日数46日で全国2位と、共通している部分といえる。がんの予防には、野菜の多い食生活が欠かせないが、実は愛知県は、カゴメの調査によると1人あたりの1日の野菜平均摂取量は99.5グラムで全国ワーストだ。「愛知では共働きで働いている人が多いこともあり、お総菜を買って食べたり、外食の機会が多かったりすることで、野菜の摂取量が低いのかもしれません。しかし、トマトやキャベツなどの日本有数の産地である濃尾平野があり、親戚や知人には農業関係者がいる人も。そこから新鮮な野菜をもらうなど、統計には出てこない“摂取量”もあるはずです。海に面した愛知は新鮮な魚介類や海藻なども豊富。そんな豊かな食の環境もがんの発症を抑えていると考えています」(江崎教授)農業王国の群馬県の野菜産出額は愛知県に次ぐ第6位。ふぐで有名な下関で知られる山口県は、豊かな海に囲まれている。ここにもなにかしらのヒントがありそうだ。最後に、松尾先生が言う。「日本人の2人に1人がなるがんは、私たちにとって身近な病気です。がんのリスクを下げる生活習慣や食などを複合的に、そして地道な取り組みをコツコツ積み重ねることが近道なのです」
2019年02月01日がん保険と医療保険はどちらを選ぶのが良いのでしょうか?あるいはどちらを優先して先に加入するのが良いのでしょうか?すでに医療保険に加入している人はがん保険は不要なのでしょうか?または、がん保険と医療保険の両方に加入していて、重複した保障で無駄になっていないかどうかを確認したいという方もいるかもしれません。今回はがん保険と医療保険の共通点や相違点、そしてどちらを選ぶのが良いのかをわかりやすく説明していきたいと思います。がん保険と医療保険の共通点がん保険と医療保険の共通点を確認していくために、それぞれの基本的な仕組みを理解しましょう。がん保険の仕組みまず、がん保険の基本的な仕組みを確認しましょう。がん保険には、通常以下のような保障があります。がんと診断された場合の保障(1回のみ100万円など)がんで入院・通院した場合の保障(1日につき1万円など)がんで手術した場合の保障(1回につき10万円など)がんで特定の治療をした場合の保障(1回につき20万円など)がん保険の仕組みについては詳細を別の記事で説明していますので参考にしていください。医療保険の仕組み次に医療保険の基本的な仕組みを確認しましょう。医療保険は、以下のような保障が基本となっています。病気やケガで入院・通院した場合の保障(1日につき5千円など)病気やケガで手術した場合の保障(1回につき15万円など)特定の病気で治療した場合の保障(1回につき20万円など)現在の医療保険には多種多様な保障内容があるようにみえますが、突き詰めると上記の基本的な保障にまとめることができます。がん保険と医療保険との類似点両保険の基本的な仕組みを確認したところで、類似点を整理していきましょう。両保険とも入院・通院・手術・特定の治療といった場合に給付金が支払われる、という点です。類似点:入院・通院・手術・特定の治療で場合に給付金が受け取れる点がん保険と医療保険の相違点それでは逆に相違点を確認していきましょう。がん保険と医療保険のどちらを選ぶのが良いのかを考える際に最も参考になるのが、この相違点となります。異なる保障範囲医療保険は、視力回復手術(レーシック)などの一部を除いて、ほとんどの病気やケガという幅広い対象を保障するのが特徴です。これに対してがん保険は、がんに特化した保障範囲です。医療保険は保障する範囲が広く、がん保険はがんのみで保障範囲が狭い、というのが一つ目の相違点です。相違点1:医療保険は保障範囲が広く、がん保険はがんのみの保障範囲である点手厚いがん保障医療保険は幅広い病気やケガを保障範囲とする反面、保障額は入院や通院で1日につき3千円からせいぜい1万5千円までが限度です。また手術も1回につき5万円から40万円となっています。これに対して、がん保険はがんのみを保障範囲としますが、医療保険と比べて手厚い保障となっています。なかでも特徴的なのが、がんと診断された場合に支払われる「診断給付金(診断一時金などの別名もあり)」です。この診断給付金は1回だけの支払いである保障がほとんどですが、その1回の支払額は100万円から300万円となり、手厚い保障金額となっています。相違点2:がん保険独自の手厚い保障がある点なお診断給付金については詳細を別記事に記載していますので参考にしてください。がん保険には免責期間があるがん保険に加入した後の3ヶ月間(90日間)は免責期間といい、がん保険の保障が開始されません。なぜ免責期間があるのかというと、がんは自覚症状がある場合が考えられるからです。がんかもしれないと疑いを持った方が、まずがん保険に加入してから次に病院に行ってがんの診断を受けて、すぐに給付金の支払いを受ける、ということが出来てしまいますこうしたことを避けるため、がん保険には3ヶ月間という給付金が支払われない期間があるのです。医療保険にはこうした免責期間がありません。相違点3:がん保険には免責期間90日間がある点なお、免責期間については詳細を別記事に記載していますので参考にしてください。がん保険と医療保険をどちらを選べばよいのかここまでがん保険と医療保険の類似点と相違点について確認をしてきました。それでは次にがん保険と医療保険ではどちらを優先すればよいのか、あるいはどのような組み合わせやセットで加入したほうが良いのか、についてケース別に説明をしていきましょう。どちらにも加入していないケースがん保険と医療保険のどちらかに加入したい、あるいは先にどちらかに加入したいという場合を考えてみましょう。これまで整理してきた通り、あなた自身がどんな保障が欲しいかということがまず最初に重要です。病気やケガの幅広い保障が欲しいということでしたら医療保険を優先して検討しましょう。やはりがんになった時の保障を最初に手当てしておきたいということでしたらがん保険です。次に重要なのはがん保険や医療保険に加入する本来の目的です。病気・ケガ、がんになった時の治療費や急な出費に備えるのが、がん保険・医療保険の目的です。自分の貯蓄などで手当てできない部分を保険で補完するという考え方で、必要ながん保険や医療保険を検討されることをお勧めします。なお、がん保険の具体的な選び方については別の記事で詳しく紹介しましたので、参考にしてください。既に医療保険に加入しているケース次に医療保険に既に加入済みである場合に、どのようながん保険を検討したらよいのかを考えていきましょう。がんを含めた病気やケガの保障は医療保険で手当てされています。そうすると、あえてがん保険の加入を考えるのであれば、がん保険にしかない保障を中心に加入を考えたほうがよいということになります。がん保険独自の保障ということで先ほどご説明したのが、診断給付金などといわれる一時金の保障です。特に一時金だけ欲しいという方は、ネットライフ生命のダブルエールのように診断給付金だけに絞り込んだ商品もありますので参考にしてください。がん保険にのみ加入しているケースがん保険にすでに加入している場合は、がん以外の病気やケガでの保障がどれぐらい必要かを検討したうえで、医療保険の加入を検討しましょう。特に公的医療制度の自己負担3割が適用されず、治療費の全額が自己負担となってしまう先進医療を対象とした医療保険もあります。がん保険も医療保険も両方加入しているケースがん保険と医療保険に両方加入している場合には、両方の保険で重複している保障がないかを念のため確認しておきましょう。例えば医療保険の特約(追加保障)にがんの保障がついているのに、別にがん保険に加入している、といった事例などもありますので注意してください。がん保険と医療保険の比較まとめがん保険と医療保険ではどちらを選ぶのがよいのか、あるいは優先して加入すべきなのはどちらなのかを考えるために、両保険の類似点と相違点を整理しました。類似点:がん、病気・ケガになった場合の入院・手術・通院などの給付金があることです。相違点:医療保険が幅広く病気・ケガを保障しているのに対して、がん保険はがんのみに重点を絞って手厚い保障になっていることです。なお、がん保険には免責期間という当初3か月は保障対象外の期間があるので注意してください。がん保険と医療保険の選び方ですが、がん保険についてはがん診断給付金の一時金といった独自の手厚い保障を中心に検討しましょう。医療保険は幅広い保障であることから、がん保険との重複に気を付けて加入を検討しましょう。
2019年01月29日「免責期間なし」というがん保険をご存知でしょうか?そもそもがん保険でよく聞く「免責期間」とはどういう内容でしょうか?また、「免責期間なし」の商品と「免責期間」のある商品とではどのような違いがあるのでしょうか?今回は、通常のがん保険にある「免責期間」と、逆に「免責期間なし」の商品についてわかりやすく説明していきたいと思います。免責期間とは?まず、がん保険にある「免責期間」とは一体どういう内容でしょうか?免責とは責任を免れる、ということですが、誰の責任かというと保険会社の責任です。保険会社が保険金・給付金を支払うという責任から免れる期間、というのが「免責期間」ということになります。保険の責任開始の考え方「免責期間」を考える前に、まず保険会社が責任を持つ、ということについて確認していきましょう。保険に加入すると、具体的に保険会社はいつから保険金・給付金の支払いに責任を持ってくれるのでしょうか?保険会社が保険金・給付金に責任を持ち始めるタイミングを責任開始(日)といいます。がん保険であれば、がんに罹患した場合や治療になった場合に、商品内容で約束した給付金を支払う責任が開始される日のことです。がん保険以外の保険であれば、次の3つが揃った日から責任開始となります。保険の申込健康状態の告知(または医師による診査)第一回保険料の払込通常の保険であれば、上記の3つが揃って、保険会社が責任を開始するのですが、がん保険に免責期間があるということは、この責任開始のタイミングが、がん保険では他の保険と異なる(遅くなる)ということになるのです。免責期間の内容ではがん保険の「免責期間」はどれぐらいの長さなのでしょうか?実はがん保険の「免責期間」は90日間となっています。責任開始の3つ(申込、告知・診査、保険料払込)が揃ったとしても、そこから90日は免責期間として保障は開始されません。このため免責期間のことを保障が開始されるまで待つ期間という意味で、待機期間と呼ぶこともあります。万が一、この免責期間(待機期間)中にがんに罹患した場合はどうなるのでしょうか?保険契約は無かったこととなり、支払った保険料が返還されることになります。もちろん、がんと診断されていたとしても、そのがん保険から給付金は支払われません。「免責期間」がある理由なぜがん保険には、こうした「免責期間」が設定されているのでしょうか?がん保険には「免責期間」があるのに、その他の保険にはなぜ「免責期間」がないのでしょうか?その理由を考えてみましょう。実はがん保険は、「がんに罹患したかもしれない」という自覚症状がある方が加入することを排除しきれない、という宿命があります。どういうことなのか、具体例で説明しましょう。例えば乳房にしこりのようなものがある、と気づいた女性がいたとしましょう。健康診断や病院の検査に行く前に、がん保険に加入をします。保険会社の責任が開始する3つの条件として、申込、告知・診査、保険料払込をご紹介しましたが、がん保険の加入の際は、ほとんどが医師による診査はなく、加入するご自身の健康状態を告知することになります。この時には、健康診断も病院の検査も受けていませんので、告知は問題なく、保険に加入することが出来るのです。そしてがん保険の加入の後に、病院の検査を受けて、乳がんと診断されると、入ったばかりのがん保険から一時金などの給付金が支払われることになります。金額だけで考えるならば、数千円から1万円程度の保険料を払って、100万円〜300万円の一時金を受け取ることが可能となってしまいます。こうした、いわば一時金の受け取りを目的として保険に入ってくることを避けるために、90日間という「免責期間」を設けて、保険加入者の人達の公平性を保つようにしているのです。仮にがんの自覚症状がある方が加入したとしても、病院にも行かずに我慢し続けることは出来ない期間を考慮して90日間が設定されていると言われています。「免責期間なし」のがん保険とは?がん保険になぜ「免責期間」があるのか、その理由を確認してきました。では逆に「免責期間なし」のがん保険はあるのでしょうか?実は数が少ないながらも、「免責期間なし」のがん保険は存在します。それでは次に「免責期間なし」のがん保険を紹介しましょう。一時金の保障を除外した商品内容「免責期間なし」のがん保険「アクサ生命の「治療保障」のがん保険」です。さっそく具体的な商品内容を確認しましょう。<アクサの「治療保障」のがん保険>基本給付金額 :10万円保険期間:10年保険料払込期間:10年上記の商品内容の通り、「免責期間なし」商品の特徴は、一時金としての保険金・給付金がなく、手術などの比較的少額の給付金に絞られていることです。これは、さきほど確認した「免責期間」を設けている理由と整合がとれています。100万円を超えるような一時金の給付金がないことで、自覚症状のある方が申し込みの手間をかけて、かつ保険料まで払い込んで加入してくる動機を減らせることが出来るからです。では、こうしたがんと診断された場合に給付される一時金は必要なのでしょうか?結論からいうと、こうしたがん保険の一時金こそ、がん保険を他の保険と区別する特徴と言うことができます。(注)「免責期間なし」のがん保険を検討する際には、こうした一時金の有無について十分に理解することが前提となります。まとめ「免責期間なし」のがん保険について確認をしてきました。そもそも「免責期間」がある理由は、がんの罹患について自覚症状を伏せたまま、がん保険に加入することが出来るため、そうした方が有利に保険金支払いを受けてしまうためです。こうした事態を避けて、保険に加入する人達の公平性を保つために、保険に加入してから90日間はがんに罹患しても保険金や給付金の支払いがないという「免責期間」を設けているのです。「免責期間なし」という商品もありますが、そうした商品には、がんと診断された場合の一時金給付がありません。100万円単位となる一時金がなければ、自覚症状を伏せてまで保険に加入されるリスクを減らせることになるからです。「免責期間なし」で診断一時金もない商品がよいのか、「免責期間」があるものの診断一時金がある商品がよいのかは、ご自身の目的と照らし合わせて慎重に検討されることが大切です。
2019年01月15日「がん保険」には「何歳から」加入すると良いのでしょうか?できる限り若いうちから加入した方が良いのでしょうか?それとも若いうちにはがん保険に加入する必要はないのでしょうか?今回は、がんの罹患率とがん保険の商品の仕組みから、がん保険に加入する時期ついて確認をしていきたいと思います。がん保険って何?という方はまずこちらをご覧ください。そもそも、がん保険は何歳から加入できるの?がん保険には何歳から加入すると良いのかを考える前に、そもそもがん保険には何歳から加入できるのでしょうか?人気のがん保険といわれる5商品(注)の加入できる年齢(契約年齢範囲)を確認してみましょう。会社・商品によって違いがありますが、概ね20歳以上から50歳まではほとんどの方が加入対象年齢であることがわかります。がんの罹患率から加入時期を考えよう!がん保険には何歳から加入するのが良いのかを考えるには、何歳からがんに備えればいいのかを考えればいいことになります。「がんの備え=がん保険への加入」と言い換えることもできます。がんに対する備えが必要な年齢=がん保険の加入を検討する年齢何歳くらいからがんになる可能性が高まる?それでは、何歳くらいからがんになる可能性が高まるのでしょうか?統計データを基に、年齢とがんに罹患する関係を確認していきましょう。まず年齢の推移によるがん罹患率の変化を確認してみましょう。下のグラフは国立がん研究センター「がん登録・統計」にて掲載されている統計情報で、全てのがんに対する年齢別の罹患率(2014年)が線グラフで表示されています。グラフをご覧いただいた通り、男女ともに50歳代くらいから罹患率が増加し、高齢になるほど罹患率は高くなっていくことがわかります。特徴的なのは、30歳代後半から40歳代にかけては、女性の方が男性より罹患率がやや高くなっていることです。逆に60歳代以降になりますと、男性の方が女性より顕著に罹患率が高くなっていきます。生涯でがんに罹患する確率はどれくらい?次の統計情報をご紹介しましょう。下の表は、がんの累積罹患リスクというもので、ある年齢までにある病気に罹患する(その病気と診断される)おおよその確率を表したものです。生涯でがんに罹患する確率と言い換えることができます。上の表からどのようなことが読み取れるか確認していきましょう。まず、生涯でがんに罹患する確率は、男性62%(2人に1人)、女性47%(2人に1人)ということです。最初の線グラフでは、30歳代や40歳代であれば、がんの罹患率は高くないから安心と思われた方もいらっしゃると思います。しかしながらこちらの表であらためて確認出来ることは、生涯でがんに罹患するリスクが2人に1人という事実です。また女性にとっては、乳がん(11人に1人)、子宮がん(33人に1人)というデータもがんへの備えが必要だと理解できる参考情報になるのではないでしょうか。以上のとおり統計情報からわかることは、がんの罹患率は50歳代から上昇し、生涯にがんに罹患するのが2人に1人であるという事実です。こうしたことから実際にがんに備えるためには50歳より以前にがん保険に加入することを検討しておいた方が良い、ということができるのです。がん保険の仕組みから加入時期を考えよう!さきほどまでは、がんの罹患率といったデータから、がん保険にはがんの罹患率が高まる50歳代よりも以前に加入した方が良い、ということが確認できました。ここからは、がん保険の商品の仕組みから、がん保険に加入した方が良い年齢があるのかどうかを検討していきたいと思います。若い時の方が保険料が安いがん保険の商品の特徴・仕組みから、がん保険に何歳で加入したほうがよい、ということは言えるのでしょうか?昨今のがん保険は、終身タイプの商品が数多く販売されています。終身タイプの商品は、保険期間が終身(一生涯)であるとともに、あなたが支払う保険料も終身払い続けるという仕組みになっています。こうすることで毎月・毎年の保険料負担が一定で変わることはありません。ここで注目いただきたいのは、この終身タイプでの保険料は年齢ごとに、どの程度差があるのかということです。保険は原則として、同じ保障であれば加入する年齢が高ければ高いほど保険料は高くなります。具体的な商品を挙げて年齢別の保険料を比較してみよう!紹介するのは女性向けがん保険(※)で人気のアメリカンファミリー生命の「生きるためのがん保険Days1レディースプラン」です。<保障内容(入院日額:1万円の場合)><上記保障内容での月払保険料>20歳 2,616円30歳 3,591円40歳 5,502円50歳 7,209円60歳 8,936円例えば30歳で加入した場合には保険料3,591円ですが、40歳で加入した場合は保険料5,502円となり、約1.5倍となります。このように、若い年齢で加入することができるほど、保険料負担は軽くなることがわかります。保険料払込免除で保険料払込負担を軽減出来る若い年齢のうちの方が、同じ保障でも保険料負担が安いということを確認してきました。しかしながら「若い年齢からがん保険に加入していると結局がんに罹患しないまま20年・30年と保険料を払い続けることになり、結果としては損をするのではないか」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。結果論としては30歳で加入して60歳までがんに罹患しないまま保険料を支払い続けるということはありえます。しかし、それを損だと決めつけることも出来ません。どういう意味かと申しますと、30歳代・40歳代でも低いながらもがんに罹患するリスクはあります。その期間を保険で保障されていたのですから、経済的リスクに対して対処していたということになります。そのコストが保険料負担となっているわけなので、無駄遣いをしていたわけではありません。このように単に損だということにはならないと考えることもできます。また、最近の終身タイプの商品には、保険料払込免除という機能がついており、万が一がんになった場合、以後の保険料払込が不要となる商品もあります。若い年齢で加入してがんに罹患した後にも、がん保険は継続することが多いです。その場合に保険料払込は免除となるのは、経済的に非常に助かるわけです。若い時にがん保険に入ると保険料総額が大きくなる、という決めつけた議論がされる場合がありますが、保険料払込免除について考慮しておくことで、若い時に加入する=総額が増えるとは一概に言い切れない、ということを押さえておきましょう。まとめがん保険は何歳から加入した方がよいのかということを確認してきました。がん保険には概ね20歳から50歳ぐらいまで加入できるので、あとは私たちが何歳ぐらいになって加入するかの問題となります。まずは、がんの罹患率データを確認すると、生涯の罹患率は2人に1人であり、50歳代から罹患率が上昇していきます。このため50歳代より前に、がん保険の加入を検討した方が良いといえます。また、がん保険の仕組みから加入時期を考えてみましたが、できる限り年齢が若いうちに加入しておいた方が、月々の保険料負担が軽くなります。以上の両面から考慮すると、がんに罹患した時の経済的保障をがん保険で手当てしたいと考えている方で、保険料負担が問題ないのであれば、20歳代・30歳代のうちから将来に備えてがん保険に加入するのは十分に価値のある選択といえるでしょう。
2019年01月08日今や世帯加入率が62.8%(注)となっているがん保険。生命保険を検討する際の保険種類として、その認知度は高くなっています。しかし、一方で「本当にがん保険って必要なの?不要ではないの?」という疑問をいだく方もいらっしゃるようです。今回は具体的なケース(がん保険に入らなかった場合と、がん保険に入っていた場合)を設定して、がん保険が必要なのか不要なのかをどのように考えればよいかをわかりやすく説明していきたいと思います。注:生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する実態調査」がん保険に入らなかった場合には?それでは早速、ある具体的な人物像を設定して、がん保険に入らなかった場合と入っていた場合とを比較していきます。まずはがん保険に入らなかった場合を考えてみましょう。人物像を設定30歳女性のAさんは独身の会社員(年収400万円)で一人暮らしをしています。このAさんが、がん保険に入っていないまま、5年後の35歳の時に会社の健康診断で再検査をすすめられ、病院で乳がんとの診断を受けたとしましょう。入院後乳房温存手術を行い、1週間入院後に退院となりました。その後5週間にわたって放射線療法を受けたと仮定します。公的医療制度と自己負担額は?皆さまご存知の通り、がん保険に入っていなかったとしても公的な医療制度があります。今回のAさんの場合では、この公的な医療制度はどのように適用されて、Aさんの自己負担はどのぐらいになるのかを確認していきましょう。まず、Aさんに対する治療費総額はどれぐらいになるでしょうか?乳がんの専門学会でのデータをもとに試算すると以下の通りとなります。乳房温存手術で1週間入院:75万円放射線療法で5週間通院:47万円上記の治療費合計122万円はあくまで総額であり、皆さんが負担する金額ではありません。公的な医療制度が適用されて、皆さんの負担は通常この治療費総額の3割となります。自己負担額の治療費をあらためて示すと以下の通りで合計37万円となります。乳房温存手術で1週間入院:23万円放射線療法で5週間通院:14万円さらに、高額療養費制度というものがあり、1ヶ月の自己負担額は、80,100円+(267,000円を超えた額)×1%が限度となります。今回は入院後6週間が経過したケースですが、仮に1ヶ月間で37万円の自己負担額であったとすると、自己負担額は81,100円程度となります。がん保険に入っていない場合のまとめ以上の通り今回Aさんが、がんに罹患して治療する際にかかる自己負担額を確認してきました。がん保険に入っていなかったとしても、こうした負担額をまかなえる貯蓄があればとりあえずの対処は大丈夫ということになります。ただし気をつけていただきたい点があります。今回のケースでは、公的保険の適用外となる治療がありませんでしたが、先進医療といわれる治療を行った場合は、公的医療が適用されないため、全額自己負担となります。例えば身体への負担が少なく乳房等の切除を避けたいと考えて量子線治療という先進医療を選択した場合、276万円という全額自己負担の治療費がかかることあります。(注)また治療費以外にも差額ベッド代といわれる入院代の追加費用や病院での食事代、入退院や通院でのタクシー代などの費用が別途かかることは押さえておきたいところです。(注)生命保険文化センター「ひと目でわかる生活設計情報」しかし逆にいえば、こうしたもしもの時の貯蓄が無く、がん保険にも入っていない場合は、経済的に苦しい状態になる可能性が残ってしまうのです。がん保険に入っていた場合には?それでは次に、がん保険に入っていた場合を考えてみましょう。人物設定先程と同じ30歳女性のAさんに登場していただきましょう。このAさんが、30歳でがん保険に加入していて、5年後の35歳の時に会社の健康診断で再検査をすすめられ、病院で乳がんの診断を受けたとしましょう。その後の経過は先程と同じと考えます。このAさんが加入していたがん保険を設定しましょう。アクサダイレクト生命のがん終身に入っており、保障内容は以下の通りだったとします。もちろんこの保障内容で実際に加入することが出来ます。アクサダイレクト生命がん終身・保険期間:終身・保険料払込期間:終身・月払保険料:3,600円がん保険の給付金が支払われるAさんが入っているがん保険から、どれぐらいの給付金が支払われるでしょうか?今回の治療で支払われる給付金は以下の通りです。がん診断給付金で200万円がん入院給付金で14万円(7日間×2万円)がん手術給付金で10万円退院後療養給付金で10万円合計すると234万円となります。がん保険の保険料負担を考えておくこれに対して、Aさんの治療費の自己負担は先程の保険に入っていなかった場合と同じく8万円程度となりますが、出費はそれだけではありません。35歳にまるまでの5年間、がん保険に加入していたのですから、その保険料の負担を考慮に入れなければいけません。この負担額は毎月3600円×5年(60ヶ月間)であり約22万円となります。最初のがん保険に入っていなかった場合と平等に比較するためには、この保険料負担も入れて考える必要があるのです。自己負担額8万円程度に支払保険料の22万円を合わせて30万円の負担に対して、234万円の給付金の支払いがある、ということになります。がん保険に入っている場合のまとめこれまで確認してきた通り、がん保険に入っていた場合は、がん治療の自己負担額を十分まなかえる給付金が支払われることがわかりました。しかしながら一方で毎月がん保険の保険料は支払う必要があり、さきほどのAさんのケースでは、5年間で22万程度の負担が発生することになります。加えて5年後にがんになるとは限りませんので、10年後、15年後かもしれませんし、逆に1年後かもしれません。10年後、15年後にがんになった場合は、そこまでの支払保険料は2倍、3倍になりますし、60歳、70歳まで保険を継続することになれば、30年、40年の保険料負担になるのです。なお、今回のAさんが加入していた商品のように保険料払込免除特約(注)があれば、がんになった以降の保険料の負担はなくなります。以上のことも考慮にいれてがん保険の必要性を考えると良いでしょう。(注)保険料払込免除特約とは?がん保険は、がんの診断で保険金を受け取った後も、保険自体は消滅せずに継続となります。そうすると本来は保険料をその後も支払う必要があるわけですが、保険料払込免除特約が付帯している保険は、その後の保険料支払いが免除されるわけです。これはがんに罹患した人にとってはとても有難い制度です。まとめ今回は、「がん保険は本当に必要なの?不要ではないの?」といわれる素朴な疑問を出発点として、がん保険に入っていた場合と入っていなかった場合とを比較することで、がん保険が必要か不要かを考えるヒントにしていただきました。がん保険に入っていない場合には、当然ながら公的な医療制度で保障される範囲をこえた治療費の自己負担額を貯蓄しておくことが必要となります。一方でがん保険に入っている場合には、そうした自己負担額をがん保険の給付金で手当てすることが可能ですが、そのがん保険の保険料(費用)を毎月支払い続ける必要があります。がん保険が必要か不要かを判断する際は、「がんになった時にどれぐらいの自己負担となり、それを貯蓄で支払えるかを考える。」または「自己負担をがん保険の給付金で手当てするために保険料はどれぐらいなら支払うのかを考える。」こうした両面から検討することが重要なのです。
2018年12月24日