4月15日午後9時過ぎ、東京・渋谷にある高級ワインバーへ足早に向かう女性の姿があった。大竹しのぶ(61)だ。大竹は出演している舞台の夜公演を終え、翌日は休演日だった。共演者との中打ち上げだろうか?しかしその2時間後、店から出てきた大竹の隣にいたのは長身の男性!マスクで顔は隠されているが、目元はディーン・フジオカを思わせるイケメンだ。その手には、大竹が入店前に持っていたワインの入った袋がしっかりと握られている。人目につかないよう、手で顔を隠しながら男性の後ろを歩く大竹。男性から呼びかけられると、しばし見つめ合う2人。その姿はまるで恋人のようだ。そしてタクシーに乗り込んだ2人は、寄り添いながら夜の街へと消えていった。気になるお相手の正体は、宮原浩暢(39)。ヴォーカルグループ・LE VELVETSに所属し、ミュージカルを中心に活躍している俳優だった。「昨年11月に大竹さんが主演した舞台『ピアフ』で2人は初共演。宮原さんは、大竹さん演じるエディット・ピアフに才能を見出される歌手を演じました。厳しく突き放すピアフに食らいつく難しい役どころを好演。そんな宮原さんのことを彼女も高く評価していたそうです」(舞台関係者)22歳年下俳優との逢瀬を楽しむ大竹。自身が演じたエディット・ピアフの生き様をまるでなぞるように、大竹も“恋愛至上主義者”の顔を持つ。82年に結婚したテレビディレクターの男性と87年に死別後、その翌年に明石家さんま(63)と再婚。89年には長女・IMALU(29)を出産するも、92年には離婚。その直後から舞台での共演をきっかけに劇作家・野田秀樹(63)と交際をスタート。約5年間にわたる同棲生活を送っていた。「舞台は稽古期間を含めると、2~3ヵ月にわたって長い時間ともに過ごします。その結果、演技から本物の恋に発展することも珍しくありません。大竹さんは芝居に厳しいことで有名ですが、目をかけた俳優には自ら食事や観劇に誘うこともよくあるといいます。そのため、年下からとにかくモテるんです!最近では役者だけでなく、RADWIMPSの野田洋次郎さん(33)やゴールデンボンバーの鬼龍院翔さん(34)らともよくご飯に行っているそうです。今回も宮原さんのことを気に入った大竹さんが、自らアプローチしたのでしょう」(前出・舞台関係者)大竹は自身の恋愛観について、『婦人公論』15年3月10日号で次のように語っていた。《もう結婚はしないとか、男の人と一緒に暮らすなんて考えられないとかも、決めてはいません。何が起こるかわからないのが人生だから。もし素敵な人と出会って生活をともにして最後までいっしょにいましょうということになったら、幸せだろうなぁと思います》“還暦愛”に前向きな姿勢を見せる大竹。しかし、ここ数年は“ある理由”から恋愛を控えていた。「大竹さんは、自宅で母・江すてるさん(享年96)の介護を4年にわたって続けていました。多忙な大竹さんにとって、仕事と介護の両立は決して楽ではありません。しかし最愛の母のため、昨年9月に亡くなるまで片時もそのそばを離れることはなかったそうです」(芸能関係者)そして、母の死から半年。大竹に心境の変化が訪れたという。「介護生活が終わったことで、『もう自分のために生きてもいいのかな』という思いが芽生えたのでしょう。宮原さんとの交流が最近になって増えているそうで、彼の舞台を訪れる大竹さんの姿がたびたび目撃されているといいます。宮原さんも『今日は大竹さんが観に来てくれた!』とうれしそうに話していたそうです。そのため『2人がいい雰囲気らしい』とウワサになっていました」(前出・芸能関係者)そこで本誌は真相を確かめるべく、舞台公演前の大竹のもとを訪れた。楽屋入り直前の大竹に本誌記者はこう切り出した。「15日に宮原さんとお食事に行かれていましたよね?」一瞬「えっ」と戸惑った様子を見せる大竹。しかし、いつもどおり穏やかな口調で口を答えてくれた。――お食事のあと一緒に帰るところを見たのですが、お付き合いされているのでしょうか?「あの、えーと。この前私が彼の芝居を見にいったんです。それであの日、彼が私の芝居を見に来てくれたんです」――そのお礼に食事に行かれたんですか?「そうです、そうです」だが、「お友達なんですか?」という質問には「友達というか……」となぜか口ごもっていた。その直後に慌てて「今でも会ったりと、みんなすごく仲がよくて」と“みんな”という言葉を強調。しかし、この日は2人きりだった。――宮原さんに対してはどんな印象をお持ちですか?「誠実で真面目ないい方です。ただすごくいい仲間なんで、変なふうに思われても……」そう言い残し、大竹は楽屋へと入っていった。気になるのは2人の今後。『からだにいいこと』17年10月号のインタビューで、大竹は結婚についてこう語っていた。《フランスのマクロン大統領夫妻には憧れます、奥様が25歳年上なんですよね。正直いいなあって思います(笑)》まさかの還暦婚もあるかも!?
2019年04月23日湊かなえの第155回直木賞候補作となった短編集を連続ドラマ化する「ポイズンドーター・ホーリーマザー」。この度、先日発表された寺島しのぶに続き、各話の主演キャストが決定した。原作は、人気作家・湊かなえが、母と娘の関係を軸にしながら人間の情念を抉り取るように描き、第155回直木賞候補作ともなった同名短編集。母と娘、姉と妹、友だち、男と女…愛おしい愚か者たちが織りなす6つの物語には、“ポイズン(毒)”を抱えた女性たちが登場する。「自分は毒親なのか私は毒娘だったのか。今まで生きてきた自分の人生も振り返りつつ、今1人の息子を持つ母としてどういう感情がこの作品に投影できるのか、楽しみ」と語っていた寺島さん。第1話「ポイズンドーター」、そして第2話「ホーリーマザー」では、そんな寺島さん演じる過干渉な母・佳香と、足立梨花演じる逆らえない娘・弓香が2話を通して対峙する。そして、第3話「罪深き女」では清原果耶が全ては自分のせいだと信じ続ける少女・幸奈を、第4話「ベストフレンド」では中村ゆりがライバルに嫉妬心を燃やしながら脚本家を目指す涼香を、第5話「優しい人」では倉科カナが優しすぎて殺人を犯してしまう明日実を、第6話「マイディアレスト」では伊藤歩が奔放な妹と対照的に愛猫だけに心を開いて生きてきた淑子をそれぞれ演じ、原作のキャラクターの再現を重視したキャスティングが実現した。足立さんは「寺島さんの娘役、そして1、2話という大事な話数、表題のお話。不安で仕方ありませんが、頂いた弓香という役を自分なりにやり切ったと思います。寺島さんとのバトルにも注目してほしい」とプレッシャーを乗り越えて演じた役についてコメント。また清原さんは、「撮影中は異世界にのめり込んだような、そんな感覚でした」とふり返りながら役と向き合ったことを明かし、「ただ一つ言えるのは、きっと彼女もこの世界のどこかに存在していて生きているという事。リアリズムを常に掲げ、キャスト・スタッフの皆さんとぶつかり合いながら作り上げました」と手応えを覗かせる。湊氏の原作に「夢中になりました」と明かすのは、「ベストフレンド」のエピソードを担う中村さん。「ライバルに心を燃やす役を演じさせて頂き、誰もが何か頑張っているからこそ抱く、劣等感や不甲斐なさ、悔しい思いに素直に共感しました」とコメント。“優しすぎる”ゆえに殺人を犯してしまうという役に挑んだ倉科さんは、「役で居ることが辛かった」と吐露。「本当に毒々しいドラマだな…完璧に清い人なんているのだろうか? って私は思います。毒があるからこそ生々しい、寧ろ美しく、魅力的、この作品は私達の大好物の作品です」と語る。そして伊藤さんも「この作品の世界観が大好き」とコメント、「とても愛着のある役を演じることができて、とても幸せな時間を過ごすことができました。1話1話濃厚な作品が詰まっています。一瞬一瞬に想いを込めて演技をしているので、是非、皆さんに見て頂けたら」と期待を寄せている。それぞれの場所でそれぞれに生きる女性たちが抱く激しい情念や苦悩、そして冒してしまう過ち。だが、それは見る角度が異なれば成功であり幸福でもある。人生も人間も、ある一面だけで判断してはならない、それがこの作品集の最大のテーマとなっている。彼女たちが棲むある共通した場所、それは執念、恐怖、切迫、呆然、驚愕、爽快、感動、様々な感情が満ち溢れるいわば「ポイズンワールド」。そこに生きる彼女たちのほかにも、総勢数十名以上の実力派俳優たちが豪華競演を果たすという。1話「ポイズンドーター」&2話「ホーリーマザー」ストーリー女優・藤吉弓香(足立梨花)は、自分を思うようにコントロールしようとする母親・佳香(寺島しのぶ)の存在に小さいころから悩まされてきた。佳香は、弓香にとってまさに「毒親」。佳香に反発して上京した弓香だったが、束縛から逃れられていたわけではなかった。佳香が裏で動いたことで男と別れ、大切な仕事を失っていたと知った弓香はトーク番組で佳香を告発、それが大きな反響を呼ぶ。一方、佳香を知る周囲の人間たちから見れば佳香は、決して「毒親」などではなく子ども想いの良き母親だった。弓香の発言を聞いた佳香は、自分の人生をふり返ることになり、「子離れ」を決意するが…。「連続ドラマW湊かなえポイズンドーター・ホーリーマザー」は今夏、WOWOWプライムにて放送。(text:cinemacafe.net)
2019年04月16日舞台『LIFE LIFE LIFE〜人生の3つのヴァージョン〜』が、6日に初日を迎え、上演台本・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ、出演の大竹しのぶ、稲垣吾郎、ともさかりえ、段田安則がコメントを寄せた。同作は、全世界で大ヒット作を数多く放ち、日本でも高い人気を誇るフランス人劇作家ヤスミナ・レザの代表作のひとつ。2006年に上演された 『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』以来13年ぶりに顔を合わせた4人が出演する。宇宙物理学者アンリ(稲垣)とキャリアウーマンのソニア(ともさか)夫婦が、自宅の居間でなかなか寝付いてくれない子供に手を焼いていると、翌日に招待していたはずのアンリの上司・ユベール(段田)とイネス(大竹)夫妻が現れる。最近、研究が停滞気味だったアンリは、上司を夕食で接待するはずだったのに、出せる物といったら食べ残しのスナックくらいしかない、という悲惨なシチュエーションから3つのヴァージョンの物語が展開していく。ある夜、同じシチュエーションからスタートする2組のカップルの会話が、 話題の角度やトーンを少し違えるだけで、熱量が異なる"LIFE"に。タイトルの通り、 “3つのLIFE"を堪能できる作品となっている。公演は Bunkamuraシアターコクーンで4月6日〜30日。○ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメントヤスミナ・レザは以前から好きな作家で、日本での上演も多く見てきました。でも、この作品ほど、不思議な流れの戯曲はなかったんじゃないかなあ(笑)。知的シットコムという体裁で前半を終えると、後半から少しずつ少しずつ不条理劇のようなエッセンスが増してきて、一筋縄では紐解けなくなっていく難しさがある。お客様にも細部に渡って生まれるハテナに頭を使って観ていただきたい(笑)。そこが演劇の面白いところであり、豊かさではないかと思うんです。こういう芝居は、他にはなかなかないですね。役者4人と僕を含めた5人で、どの国で上演されてきたものよりも面白い作品に仕上げたいと稽古に集中してきました。いろんな意味で、計算だけでは創り出せない上演になると思います。○大竹しのぶ コメントKERAさんと役者4人で毎日毎日あーでもない、こーでもない、と笑いながら、悩みながら、苦しみながら稽古期間を過ごしてきました。以前出演した『大人は、かく戦えり』もそうでしたが、レザ作品は、これと言って大きな出来事が起きるわけではないんですね。自分たちの日常に近いやり取りの中で、“表の顔"のそのまた裏にある本心が見え隠れして笑ってしまうようなコメディです。そんなちょっとくすぐったい笑いがうまく出せたらいいなと思っています。今回、舞台を360度取り囲んだ客席で、全ての角度からお客様に見られているのも難しい点です。でも、楽しい笑いで劇場全体が包み込まれるよう、皆で頑張ります。○稲垣吾郎 コメント『ヴァ―ジニア・ウルフ〜』から13年も経ったという感じがしないですね。出演者の皆さんや KERAさんとの 関係性ができていたところからのスタートだったので、いいチームワークで稽古に臨むことができました。この脚本は、微妙な言葉や反応の違いで笑いを誘うところがとても洒落ています。シニカルなブラックユ ーモアや人間の醜さ、美しさなどの様々な側面が凝縮されていて、リアルな可笑しみがある作品です。 人生には、「あのときこうすれば……」「あれでよかったのか?」と考える瞬間がありますが、それを巧妙に芝居にしているところが面白いですし、お客様も、ご自分の物語として楽しんでいただけると思います。○ともさかりえ コメントKERA さんの上演台本は、翻訳劇の違和感がなくて、グッと身近に感じられるセリフです。でも、作者が3幕の構造に込めた意図はずっと謎だらけで、日々の稽古を通して、カンパニー全員で謎解きをしていくよ うな濃密な時間を過ごしてきました。四苦八苦する私をよそに、大先輩の大竹さんと段田さんはいつも自然体。日常と演技の境目のなさは、もはや“人間離れ"の領域です(笑)。稲垣さんもご自身のペースをもっていらっしゃるし、頼もしい共演者の皆さんと信頼している演出家KERAさんと再びご一緒できて、 稽古中も、つくづく“恵まれているなあ"と噛みしめていました。○段田安則 コメントヤスミナ・レザ作品は、『大人は、かく戦えり』に続き2作目です。「少人数で激しいバトルの会話劇」という外枠は共通していますが、今回は、1〜3幕それぞれ角度が違う不思議な構造。セリフはシンプルですが、作者が意図することがなかなか掴めず、その手強さに稽古中も頭を抱えながら格闘の毎日でした。 むしろ13年前の『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』との相似性がある作品だったので、時を経て、 再び同じメンバーでこの作品に向き合えたことに感慨を感じています。 それにしてもレザさん、どうしてこんな奇妙な構造の戯曲を考え出したんでしょうね(笑)。撮影:宮川舞子
2019年04月06日新宿で40年以上、虎のお面を被ってド派手な格好をし、新聞配達をしている男を追ったドキュメンタリー『新宿タイガー』。この度、女優の寺島しのぶがナレーションを務める予告編がいち早くシネマカフェに到着した。その男は、人呼んで“新宿タイガー”。彼は一体何者か、そして、この新宿タイガーを受け入れる“新宿”とはどんな街なのか。本作は、その歴史的役割と魅力に迫ったドキュメンタリー。監督は、南カリフォルニア大学を卒業し、劇映画『HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話』(16)が釜山国際映画祭ニューカレンツ部門や大阪アジアン映画祭など国内外で絶賛された佐藤慶紀。また、予告編映像にも姿を見せる俳優・渋川清彦をはじめ、八嶋智人&宮下今日子夫妻、女優・文筆家の睡蓮みどり、井口昇監督など著名人のほか、長年彼を知る新聞販売店関係者や、1998年のオープン時と2012年のリニューアル時のポスターに彼を起用したTOWER RECORDS新宿店の関係者たちが登場、“新宿タイガー”を紐解いていく。■ご本人からコメント到着!「リアル以上のリアル」「自分のドキュメンタリー映画ができるなんて、夢みたいな話です。奇跡に等しいです」と新宿タイガーさん。「完成した作品を観て、感無量です。愛と夢と感動をありがとう。こういう素晴らしい映画には自分自身もめったにお目にかかれないです」と胸中を明かす。さらに「新宿の歴史の中に自分を入れてくれたから、生の迫力があります。リアル以上のリアルでした。新宿は大好きな街です。新宿でなかったらタイガーは生まれていなかった」と、“新宿”という街についても言及した。なお、本作は、3月8日(金)~17日(日)まで開催される第14回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門に正式出品されることが決定。インディ・フォーラム部門は、気鋭監督による斬新で挑戦的な作品を上映する部門。本作がどんな反響を巻き起こすのか、期待が高まる。■ストーリー東京のエンターテインメントをリードする街・新宿。1960年代~70年代にかけ、新宿は社会運動の中心だった。2018年、この街には“新宿タイガー“と呼ばれる年配の男性がいる。彼はいつも虎のお面を被り、ド派手な格好をし、毎日新宿中を歩いている。彼は、彼が24歳だった1972年に、死ぬまでこの格好でタイガーとして生きることを決意した。1972年当時、何が彼をそう決意させたのか?彼が働く新聞販売店や、1998年のオープン時と2012年のリニューアル時のポスターにタイガーを起用したTOWER RECORDS新宿店の関係者、ゴールデン街の店主たちなど、様々な人へのインタビューを通じ、虎のお面の裏に隠された彼の意図と、一つのことを貫き通すことの素晴らしさ、そして新宿の街が担ってきた重要な役割に迫る。『新宿タイガー』は3月22日(金)よりテアトル新宿にてレイトショー公開ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年02月16日大竹しのぶ、稲垣吾郎、ともさかりえ、段田安則が出演する舞台『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』が、2019年4月に再演されることが4日、明らかになった。同作は、アメリカ現代演劇の巨匠エドワード ・オルビーの傑作を、2006年にケラリーノ・サンドロヴィッチ演出で上演。結婚23年目を迎え、刺激を求めていた大学教授夫妻ジョージ(段田)とマーサ(大竹)が、パーティで知り合ったばかりの新任の助教授夫妻ニック(稲垣)とハネー(ともさか)を自宅に招き入れたために、2組の夫婦の秘密や衝突が明らかになる一夜が始まる。先日紫綬褒章受賞が発表されたケラリーノ・サンドロヴィッチの演出と、大竹・稲垣・ともさか・段田の激突、ヴィヴィッドな台詞術が際立った翻訳、そして芸術的なデザインワークでオルビー戯曲の強烈な世界観を表現し、2007年には第14回読売演劇大賞で「最優秀作品賞」に輝いた同作。ジョージ役を演じた段田は同賞で大賞・最優秀男優賞を受賞し、第6回朝日舞台芸術賞にも輝いた。さらに主催のシス・カンパニーや、スタッフ陣も数々の賞を受賞した伝説の舞台が、この度再演されることとなる。13年ぶりの再演となるが、主催のシス・カンパニーは「過去の実績を懐かしむための上演ではありません! 13年の歳月で、それぞれが過ごした充実の時間、積み重ねられてきた経験など、カンパニー全員がそのすべての力を、再びこの作品に結集させ、私たちはまた、新たな発見の旅へとスタートを切ろうとしています」とコメント。同社でもなかなかない再演に、再びのカンパニーで挑む。公演は Bunkamuraシアターコクーンで2019年4月、東京公演のみを予定している。
2018年11月04日女優の大竹しのぶが3日、梅沢昌代、彩輝なおとともに、日比谷シアタークリエで行われる舞台『ピアフ』の公開ゲネプロの前に、取材に応じた。同作は仏歌手エディット・ピアフの人生を、パム・ジェムスが戯曲化し、2011年に栗山民也演出の元、大竹により日本で初演を迎えた。2016年にはNHK紅白歌合戦で大竹が「愛の讃歌」を歌ったことも話題となり、今回の30公演18,000席も即日完売。発売中のアルバム『SHINOBU avec PIAF』も好調で、2019年1月には、大竹初のピアフコンサートも行われる。大竹は「4回目で、プレッシャー的にはどんどん大きくなってきてるかなって。初めて観る方もいるけど、4回目を楽しみにしてる方もいる、ということは前よりも絶対いいものを出さなくてはいけない」と心境を吐露。「前はあの時のベストであって、今は今がベストなんだと思えるようにしたいなとは思います」と意気込んだ。ピアフコンサートは追加公演も決定したが、大竹は「頑張ります。でも今から始まるゲネプロのことで頭がいっぱいで、1日1日だね」と苦笑。「命をかけるまではできないけど、命を削るくらいのことは、毎日やってる感じ」と語る。梅沢、彩輝とは初演からの共演で、大竹は「女3人で、男どもを『しっかりしろや〜』みたいな感じでやってます」と笑顔に。梅沢は大竹について「毎日ライブ感のある方なので、楽しいです」と語り、「命がけですよ、いつも。悩むし、疲れるし、でも、『まあいいか』じゃなくて『頑張る』と言ってます」と魅力を表す。彩輝も「おこがましいかもしれないですけど、とてもチャーミングで、魅力に引き込まれる。魂から演じられてることと、普段からのかわいらしさがある」と大竹の魅力を語った。3人でご飯を食べに行くことも多いというが、大竹は「結構、男どもも一緒に連れてってあげました。最初は女3人が怖いみたいで、近寄れない感じが。怖くないから、いらっしゃいと言って、今はもう大丈夫になりました」と明かした。公演は日比谷シアタークリエにて、11月4日〜12月1日。
2018年11月04日名曲の数々とともに、恋人の死や自身のモルヒネ中毒といったドラマティックな生涯でも知られる“シャンソンの女王”、エディット・ピアフ。その壮絶な生き様を大竹しのぶが体当たりで演じ、「ピアフが、大竹しのぶに舞い降りた」と大称賛されてきた音楽劇『ピアフ』が本日11月4日(日)、シアタークリエで開幕する。2011年の初演以来、2~3年おきに再演が重ねられ、今回で早くも4演目となる名作舞台だ。最大の見どころは、やはり大竹しのぶその人。どこを切り取ってもドラマティックなピアフの生涯を、本作の作者パム・ジェムスはあえてどこかに焦点を絞ることなく、短い場面の連続によって万遍なく描いている。そのためピアフ役には、舞台全体を通してキャラクターを表現するというより、場面場面でピアフの感情を追体験するような演じ方が求められるわけだが、その点において大竹に勝る女優はいないだろう。目の前で本当に愛し、本当に苦しみ、そしてピアフそのものとして歌う大竹の姿は必見だ。とはいえもちろん、名作舞台は主演女優ひとりの力では成立しない。重厚で丁寧な栗山民也演出のもと、初演以来同じ役を務め続け、本作に不可欠な存在となっている梅沢昌代、彩輝なお、辻萬長。一方で、ピアフの恋人などに扮する6つの“若手男優枠”では再演ごとに入れ替わりが行われ、初参加のメンバーがもたらす化学反応は毎度、大竹ピアフと並ぶ大きな見どころとなっている。演劇界に有望な若手男優がいる限り、大竹版『ピアフ』の魅力は、何度観ても色褪せることはないだろう。シアタークリエで11月11日(日)まで上演された後、広島、香川、大阪で公演を行う。文: 町田麻子
2018年11月04日大竹しのぶが4度目の主演を務める舞台「ピアフ」。その11月の開幕に先がけ、エディット・ピアフの命日である10月10日(水)に東京・シアタークリエでトークショー「音故知新 ピアフ~恋に生き、歌に生き」が開催される。舞台とトークショー、そして歌について、大竹に話を聞いた。【チケット情報はこちら】歌と恋に生きたシャンソン歌手エディット・ピアフの激動の人生を、数多くの名曲とともに綴る舞台「ピアフ」は、2011年の初演から今回が4度目の再演。今年はピアフの没後55周年を記念するプロジェクト<SHINOBU avec PIAF 2018-2019>として、舞台に加え、大竹がピアフの楽曲を歌うアルバム『SHINOBU avec PIAF』(10月10日(水)発売)のリリースや、コンサートツアーも実施される。「またピアフの生き方に会えるんだなと思うと、嬉しいような怖いような感じです」と明かす大竹。これまで3度ピアフを演じてきたが「何回も演じられるのは、役者としてはすごく大きな喜びです。でもそれは、この作品自体にちゃんとしたメッセージがあるから。(だからこそ)何回も何回も演じ続けないといけない世界だと思うし、それが私たちの仕事だと思います」と向き合う。ただ、これからもピアフを演じ続けるのかという問いには、「全くわからない。それを今望んでいるかと言うと望んでもいないです。今のことしか考えられません。この11月の公演を最後までやりとげること」と語った。舞台上で歌ってきたピアフの楽曲に感じるのは「強さ」。「ピアフが“しあわせですか?”と聞かれたときの“1日に10分位はしあわせ。それで十分じゃない?”という言葉や“もう一度人生をやり直すとしたら?”に“同じよ”と答えるその潔さ、それが彼女の歌の強さになるんだろうなと思います。めちゃくちゃな人生でも、彼女自身が歌に支えられていて、だから全部捧げるっていう。1回ごと(の歌唱)に全部」。自身がそんなピアフの楽曲を歌うことは、「私が何回もピアフの人生を(舞台上で)生きて、そこで教えてもらったもの。それを歌を通して伝えたいという思いがあります。彼女の想いを伝えたい。そしたら彼女の歌を聴けばいいじゃんということでもありますが、でも私の身体を通して、私の解釈のピアフのことを伝えたい」その大竹がピアフの魅力を語りつくすピアフの命日・10月10日(水)のトークショーでは、音楽評論家・安倍寧を進行役に迎えたトークのほか、ファンのリクエストに応えピアフの曲の生歌唱も披露されるそう!「もちろんお芝居や歌で伝えることもできるけど、私自身の言葉で、私自身の考えを伝えられたらうれしい。なにを話すかはまだ何も考えてないですけど(笑)」。11月4日(日)の舞台「ピアフ」開幕を前に、ぜひその想いを生で聞いて。取材・文:中川美穂
2018年09月27日話題のスポットに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回は「BENTOおべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」に行ってきました!誰もが持っているお弁当の思い出。それだけ私たちの生活とお弁当は密接な関係にあります。果たしてどんな内容なのか……。■「BENTO おべんとう展-食べる・集う・つながるデザイン」上野・東京都美術館にて10月8日まで開催中本展は全3章で構成されています。第1章は、江戸時代から現代までのお弁当箱などが出展。ひょうたん形のユニークなものから楼閣をかたどった豪華なものまで、日本のお弁当文化の歴史を堪能できます。その昔、ハレの日は派手なお弁当箱でお祝いをしていたのかも!?なんて想像しながら眺めました。「さわって楽しむお弁当」コーナーでは、日本のお弁当箱や世界のお弁当箱にさわることができます。「これ、どうなっているの?」と開けたり閉じたりを数回。展示品に触れる貴重な体験でした。第2章は空間を利用した大きなインスタレーションが2つ。その1つの「FRAGMENTS PASSAGE―おすそわけ横丁」という作品は、インドネシア・バリ島のパサール(市場)のような雰囲気。眺めているだけで楽しくなってくる空間でした。第3章は、お弁当の蓋を開けるとショートムービーが見られるという凝った演出が。しかもムービーを制作したのは中学生とのこと。すごい!お弁当をテーマに、見て触って体験できる遊び心にあふれた内容。家族が作るお弁当が恋しくなる、お得感満載の展示会でした!
2018年09月17日これからの行楽シーズンに欠かせない “お弁当”。そのさまざまな魅力を体感できる参加型の展覧会『BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン』が現在、上野の東京都美術館で開かれています。インスタでもちょっと話題になっている展覧会、その様子を取材してきました!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 124『BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン』では、おなじみの “お弁当” をコミュニケーション・デザインの視点からとらえ、写真や映像、参加型のインスタレーション作品などで紹介。歴史や食文化など、知っているようで知らないお弁当の魅力を、見て感じて再発見できる楽しい展覧会です。まずはお弁当箱!最初の展示室でまず目に入るのが、江戸時代など昔のお弁当箱。インパクトが強めのものも並んでいます!例えばこちらは、個人蔵の《楼閣型弁当》。沈金(ちんきん)という技法を使って、楼閣の広間などが描かれています。このお弁当箱、いったいどんな構造になっているのか、どこにおかずを詰めるのか気になりませんか? 会場では分解された写真も一緒に展示されているので、ぜひ確認してみてください。さらに、手袋をつけて触れるお弁当箱もあります。実際手にしてみると、質感や温もりなどが感じられて楽しいです!お弁当の精霊がかわいい~!次の章では、現代作家2名によるインスタレーション作品が展示されています。まず、オランダで活動されているイーティング・デザイナー、マライエ・フォーゲルサングさんの作品《intangible bento》(2018)から体験。体験前に、係の人から音声ガイドのような機械「精霊フォン」を借りてください。これで精霊の声を聞きながら、リボンで囲まれたbentoの世界に入っていきます。作品を上から見ると、こんな感じ。ひとつひとつがお弁当箱のようになっています。このリボン空間の中に何が入っているのかというと……例えばこんな感じのかわいい精霊に会えたりします! 精霊は全部で10種類いて、ふだんは見えないお弁当のさまざまな側面について、語ってくれます。“おすそわけ” を楽しむ!続いて上の階に行くと、展示室内に市場のような空間が広がっています。これは、北澤潤さんのインスタレーション作品《FRAGMENTS PASSAGE ―おすそわけ横丁》(2018)。 “おすそわけ” しながら人とつながっていくお弁当のマインドを空間で表現したもので、アジアの屋台風の場所に雑貨や服、本、玩具など、さまざまなおすそわけ品が並んでいます。そして、ここでは来場者も “おすそわけ” に参加できるんです! 家におすそわけしたい品がある人は、まずスタッフの方に声をかけてください。そして専用ボックスを預かります。なぜおすそわけしたいのか、そのストーリーもぜひ考えてみてください。あとは品物を持ってくればOK。再訪の際、このボックスを入口で見せると、2回目の入場料は無料になります。ちなみに…、もしおすそわけしてもらいたいモノがあった場合は、スタッフの方に相談してみてくださいね。来場者のおすそわけ品で、展示風景も変わっていきます。美術館での貴重なおすそわけ体験、参加して知らない誰かとつながってみるのも楽しいですよ。父娘のお弁当にほっこり最後の章では「お弁当から考えるコミュニケーション・デザイン」と題して、森内康博さんの《Making of BENTO》(2018)と小山田徹さんの《お父ちゃん弁当》(2017)の写真や映像などが展示されています。小山田さんは、幼稚園に通う息子さんのためのお弁当を、小学生の娘さんが描く指示書に従って作っています。その記録がパネルになっているのですが、これが本当におもしろい。娘さんが出すテーマは動物や植物などシンプルなものから「光合成」や「傾斜地層」など学校で習ったことまでバラエティに富んでいます。どんなテーマでも、お父ちゃんはおいしそうなお弁当に仕上げています。父娘が小さな弟に喜んでもらおうと作業している姿が目に浮かび、なんとも言えずほほえましい気持ちになります。時には「おじさん犬弁当」など無茶振りされても見事に完成させるお父ちゃん、かっこいいです!すべての展示を見終わると、改めて “お弁当” という食文化の奥深さに気づきます。大切な誰かのためにつくるのも、また誰かにつくってもらうのもうれしいお弁当。人と人をつなぐ最強ツールの新たな魅力を会場で発見してみませんか?Information会期:~10月8日(月・祝)時間:9:30~17:30*金曜日は20時まで開室。入室は開室の30分前まで。休室:月曜日。9月18日(火)、25日(火)。ただし9月17日(月・祝)、24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室。料金:一般¥800/大学生・専門学校生¥400/65歳以上¥500/高校生以下無料*10月1日(月)は「都民の日」によりどなたでも無料
2018年09月14日東京都内の閑静な住宅街にある一軒家。延べ床面積約500平方メートルの豪邸だ。女優・大竹しのぶ(61)の母・江すてるさんが、娘や孫の二千翔さん(33)やIMALU(28)と最後の日々を過ごした場所となった。《母・江すてるが、9月1日に永眠致しました。’96年の幸せな生涯でした。(中略)8月になると飲み込むことも難しく、私たちにとっても辛く厳しい日々が続きました。苦しい、苦しいと身体の訴えが多くなる中でも、最後まで感謝の言葉を言う母でした》9月7日には、大竹の追悼コメントが個人事務所のHPに掲載された。「大竹が小学校2年生のときに、父が結核に倒れ、一家は生活保護も受けなくてはならなくなりました。江すてるさんは教会で下働きなどをして家計を支えたそうです」(大竹を知る舞台関係者)大竹にとって母・江すてるさんは、ずっと尊敬する女性であり、感謝の対象でもあった。彼女は本誌のインタビューで次のように語っている。《父は、私が二十歳のときに亡くなりましたけど、母はずっと私のそばにいてくれて。結婚してからは家事や子育ての面で協力してくれました。私が母から学んだことは「強さ」ですね。病身の夫と5人の子供を抱えて母はたいへんだったと思います。でも、どんなつらいときにでも動じることはなかった。精神的にとても強い人で》(本誌’10年9月7日号)冒頭の豪邸に移り住んだのは、江すてるさんが87歳、大竹が52歳のとき。来るべき“老老介護”に備えてのことだったが、実際に介護が始まったのは4年前だった。「大竹は3年前に出演した『徹子の部屋』(テレビ朝日系)で、お母さんが転倒して肩を骨折したことをきっかけに、介護生活がスタートしたことを明かしています。人一倍働き者だったお母さんは、入浴時に手を借りたりすることで気持ちが萎えてしまい、『迷惑かけちゃってごめんなさい』という言葉を繰り返すようになり、一時期は医師から『老年期うつ』と、診断されたそうです」(テレビ局関係者)多忙にも関わらず、自宅介護を続けてきた大竹を支えていたのは、自分を守り続けてくれた母への感謝の念だっただろう。今夏の猛暑の影響もあったのか、7月ごろから江すてるさんの体調は急速に悪化していたという。大竹が朝日新聞に定期的に連載しているエッセイ『まあいいか』でも、介護に関する記述が増えていた。介護ジャーナリストでオールアバウトガイドの小山朝子さんは言う。「高齢者の在宅介護というと、肉体的精神的負担などのマイナス面がクローズアップされがちです。しかし実際にやりきった方たちは、後悔していない方も少なくありません。自分が大切に思っていた人に、最後まで尽くすことができたと実感することができるからだと思います」江すてるさんが天国に旅立ったのは9月1日。この日も大竹は、昼と夜、2度の舞台に出演している。大竹しのぶが事務所HPに掲載したコメントには、次のような1文もあった。《母の丈夫な肉体と、強靭な精神力を受け継いでいるのだから頑張ろうねと、母の部屋で子供たち2人と誓い合いました》最後まで感謝の言葉を忘れなかったという江すてるさん。ついに自宅で看取るまでの介護生活の4年間は、大竹にとっても母に感謝を捧げる日々にほかならなかった。
2018年09月13日大竹しのぶ(61)の母・江すてるさんが9月1日に亡くなっていたと各紙が報じた。96歳だった。江すてるさんの死をうけ、大竹は所属事務所・エスターのホームページでコメントを発表。江すてるさんについて「誰かの為に生きること、それが母の喜びでした。楽になることを望まず、最後まで役に立ちたいと願い、生きようと闘っていました」と明かし、「苦しかったとは思いますが悲しくはなかったと思います。96年のあっぱれな人生でした」と讃えた。江すてるさんは91歳の頃に転倒し、左肩を骨折。それを機に自宅での介護生活が始まった。「大竹さんが介護を始めたころ、ちょうど舞台で共演していた宮沢りえさん(45)のお母さんが亡くなられたばかりでした。傷心のりえさんを気遣い大竹さんは明るく場を取り持っていました。そんな大竹さんに、りえさんも感謝しきりだったそうです」(舞台関係者)当初は気丈に振る舞っていた大竹。しかし次第に弱っていく江すてるさんの姿に胸を痛めていたという。「もともと働き者だった江すてるさんですから、体が不自由な生活はよほど辛かったようです。身体は動かない、好きなものは食べれない……。日に日に気持ちも塞がっていき、弱音も増えていきました。そんな様子を見て大竹さんも元気づけるいっぽう、その最期を覚悟するようになっていったといいます」(大竹の知人)そしてこの夏の猛暑が重なった――。「食べれるものが限られている上、連日の暑さで江すてるさんの食欲はさらに低下。それでも大竹さんは『ここが頑張りどきなんだ』と献身的に支え続けていました。仕事以外は外出を控えていたほどですからね……。最後まで娘としての役目を果たしたかったのでしょう」(前出・舞台関係者)娘の献身ぶりに、天国の母は感謝していることだろう――。
2018年09月07日大竹しのぶ・多部未華子・段田安則が出演する、シス・カンパニー公演『出口なし』東京公演が25日から開幕した。同作はジャン=ポール・サルトルによる戯曲を、小川絵梨子が上演台本・演出を務め上演。とある一室に、案内された初対面のガルサン、イネス、エステルの男女3人が、互いの素性や過去を語り出す。出口のない密室でお互いを苦しめ合うことでしか、自分の存在を確認する術もない中で、何らかの救いを見出せるのか。約1カ月の稽古を重ねてきた3人。演出の小川と大竹は今回が初顔合わせとなり、同じく初の小川演出となる多部が"演劇モンスター"大竹&段田に挑む姿も注目となっている。東京公演は新国立劇場 小劇場にて25日〜9月24日、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて9月27日〜9月30日。○大竹しのぶ コメントいつもは台本で読んでいるときよりも、立ち稽古に入ってからのほうがわかってくるものなのですが、今回の作品は立ってから、稽古が進めば進むほど考えることが多かったですね。「お〜い、サルトル!」とか言いながら、稽古場で皆で笑っていました。演じる側にとっては、とても課題が大きい作品なのですが、皆で集中してしっかりと稽古を重ねてきました。お客様には、『何が起こるの?』というワクワクした気持ちでご覧いただけたら嬉しいですね。○多部未華子コメントやってみたかった少人数の濃密なお芝居で、しかも、大竹さん、段田さんとご一緒! そして、初めての小川絵梨子さん演出という、私にとっては初めて経験することが一杯詰まった作品です。実は、稽古でここまで追い詰められた気分になったのも初めてです。それでも、その余裕のなさや苦しさを前向きに味わって楽しんでいる自分がいます。小川さんの鋭利な視点、大先輩のお二人の芝居への真摯な姿勢など、刺激的で得難い感覚を毎日味わっているところです。○段田安則コメント実は、サルトルが戯曲を書いていたことも知らず、小川さんの演出で、大竹さん、多部さんと芝居ができることが楽しみで出演を決めました。お芝居好きの皆さんにとっても、「観たい!面白そう!」と思っていただける組み合わせだと思うんです。僕も含まれていると嬉しいですが(笑)。初めてのサルトル戯曲は、とても手ごわいものだったのですが、劇中で起こることを自分でも楽しみ、それをお客様と分かち合えれば、、、、と思っているところです。是非、ご覧ください。撮影:宮川舞子
2018年08月27日大竹しのぶが8月15日、東京都内で行われたフランス人シャンソン歌手、エディット・ピアフの没後55年プロジェクトの会見に登壇した。舞台『ピアフ』チケット情報数々の賞を受賞してきた、大竹しのぶの舞台『ピアフ』の4度目の再演が2018年11月に行われる。それに先駆け10月10日(水)には、エディット・ピアフの楽曲11曲を大竹しのぶが歌うCD『SHINOBU acev PIAF』が発売される。また2019年1月にはソロコンサートが開催される。記者会見では、楽曲2曲が披露され、舞台共演者らが感想を述べた。世界中で今なお愛されるシャンソン歌手、エディット・ピアフ。大竹が歌うピアフの舞台は絶賛され、2016年のNHK『紅白歌合戦』ではそのうちの一曲『愛の讃歌』が披露され話題となった。この日歌ったのはピアフの代表曲である『愛の讃歌』と『群集』。会見が始まるなり、すっと壇上に上がった大竹。音楽が流れると、一瞬で緊張が集中に切り替わる。低くゆったりと、空間をすくい上げるように歌った。続く『群集』は一転して軽快な楽曲。南米・アルゼンチンの作曲家による情熱と哀愁漂う一曲だ。歌い終えると会見会場に拍手が響いた。大竹はCD化について「舞台を観た人から「CDいつ?」と声をいただくことも多かったので、実現して嬉しいです」とコメント。「舞台は芝居の流れの中で“ピアフ”が歌っていますが、CDはピアフの歌を“私”が歌っています」と違いについて述べた。CDの収録はすでに終えており「勢いに乗り、その時生まれた気持ちで歌えたので良かったです」。ソロコンサートも同じく、大竹しのぶがピアフの歌をまっすぐに歌うこととなりそうだ。初演から出演している辻萬長は、大竹の歌の魅力を「(舞台では)歌手じゃなくて俳優として歌う」と語る。ピアフの最後の恋人役を演じる最年少の上遠野太洸は「なるほど、と思いました。上手だな、綺麗だな、だけではなく言葉が飛んできて、そこに感情が乗っているようです」と頷いた。ピアフのマネージャー役の川久保拓司は「聞くというより、全身で感じる。風景が見える」と本番が楽しみなようだ。ピアフの最愛の恋人を演じる駿河太郎も「この小さな体のどこからこんなエネルギーが出るんだろう」と驚いた。舞台に向けて大竹は「4回も(再演)できる幸せ。でも4回目ということは意識せず、初演と同じ気持ちです。1回1回今日を頑張るので、何ステージあるかもわかっていないんです」。ただピアフを生きる。「がむしゃらに突き進んだエネルギーが届くように、がむしゃらさを失わずにやりたい」と心境を述べた。舞台は11月4日(日)から12月1日(土)まで東京・日比谷のシアタークリエにて。撮影・取材・文:河野桃子
2018年08月20日7月21日から東京都美術館にて、『BENTO おべんとう展――食べる・集う・つながるデザイン』が開催されます。例えば今日、日本中の人が食べている手作りのお弁当には一つとして同じものはないはず。なぜならそれは食べる人を思い、作られるものだから。「お弁当を作る時には体調、食事時の環境など、食べる側の状況に思いを巡らせますよね。だから何をどう詰めるかということだけにとどまらず、自然にお弁当の時間や場をデザインすることにつながるのです」と東京都美術館学芸員の熊谷香寿美さん。“BENTO”は世界にも類を見ないコミュニケーション・デザインの場なのだとか。本展のみどころは弁当をテーマにしたさまざまな試み。料理家が読者の依頼に応え、「あの人に食べさせたい」お弁当を作る誌上企画や、黙々と“お弁当を食べる人”を撮影したポートレートなど、ユニークなプロジェクトを紹介。また、お弁当にまつわる記憶、文化などをテーマにした参加型の展示も。部屋全体をお弁当箱に見立てたインスタレーションや、アジアの市場のような異空間「おすそわけ横丁」が出現。実際におすそわけがもらえるそう。本誌連載でもおなじみ“チオベン”こと山本千織さんをはじめ参加作家によるワークショップも多数開催。お弁当を巡る忙しい一日になりそう。あゆみ食堂のお弁当webマガジン「&w」の人気連載から。応援や感謝の気持ちを表した相手に寄り添う贈り物のような佇まいにため息。《あゆみ食堂のお弁当》2017年料理:大塩あゆ美、写真:平野太呂ひるけ“お弁当ハンター”こと阿部了のポートレートシリーズ。全国を回り手作り弁当と食べる人をテーマに。本展に合わせ写真集も発売。阿部了《ひるけ》2018年お父ちゃん弁当写真左は小学生の姉が弟の弁当のために書いた指示書。美術家の父はそれに従って制作する。蛇行する川、三日月湖は本や散歩から着想。小山田徹《お父ちゃん弁当》2017年個性あふれるワークショップも注目!阿部了氏による対談形式レクチャーを8月10日、本展で新作アニメーション《おべんとうDAYS》を披露する発酵デザイナー・小倉ヒラク氏によるダンスワークショップを7月29日に開催予定。そのほかデザイナーのマライエ・フォーゲルサング氏によるレクチャー(7月21日)、山本千織氏によるお弁当ワークショップ(7月27日)、美術家・小山田徹氏によるワークショップ(9月16日)も。東京都美術館東京都台東区上野公園8‐367月21日(土)~10月8日(月)9:30~17:30(7/27、8月の金曜は~21:00。7/13・20、9・10月の金曜は~20:00。入室は閉室の30分前まで)月曜、9月18・25日休(8/13、9/17・24、10/1・8は開室)一般800円ほかTEL:03・3823・6921※『anan』2018年7月18日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2018年07月12日上野の東京都美術館では、「おべんとう」をコミュニケーション・デザインの視点から捉えた参加体験型の企画展「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」を、7月21日から10月8日まで開催する。私たちの生活の中に深く根付いているお弁当。行楽弁当など誰かと一緒に食べる共食(きょうしょく)のお弁当は、地域の共同体を維持し、そのつながりを深めるソーシャル・ツールとして、日本古来、農耕社会のハレの場などにおいても重要な役割を果たしてきた。誰かが誰かのために作るひとり用のお弁当は、その一つひとつに作る人と食べる人をつなぐ物語があり、作る人から食べる人への贈りものともいえる。同展では、日本独自の食文化であり、人と人をつなぐ「おべんとう」をコミュニケーション・デザインの視点から捉え、その魅力を来場者自身が体験しながら発見できる空間を展開。「おべんとう」から見えてくるコミュニケーション・デザインをテーマに、遊び心のある江戸時代のユニークなデザインのお弁当箱や、現代の作家たちのインスタレーション、参加型の作品などを展示する。《あゆみ食堂のお弁当》2017年 料理:大塩あゆ美、写真:平野太呂見どころの一つ、“発酵デザイナー”小倉ヒラクによる新作のアニメーション作品は、口ずさみやすいメロディと歌詞、振り付けで、歌って踊ると自然とお弁当のことがよくわかる。親しみやすいキャラクターが登場し、男女年齢問わず来場者にお弁当のことを思い起こさせる。「おべんとう」が生み出すコミュニケーションに注目した作品も登場。読者からの「誰々にこんなお弁当を作ってあげたい」という便りに応えて、大塩あゆ美がお弁当を作り、平野太呂が撮影、読者にレシピとお弁当箱が届けられるプロジェクト「あゆみ食堂のお弁当」や、お弁当を黙々と食べる姿から、食べている人とお弁当を作った人との関係性にまで想いが馳せられるような、NHK番組「サラメシ」でも有名な“お弁当ハンター”、写真家・阿部了の作品『ひるけ』を紹介する。小山田徹《お父ちゃん弁当》2017年小山田徹は自身が日々実践する家族とのお弁当づくりのアーカイブ『お父ちゃん弁当』を展示。保育園に通う弟のために、小学生の姉がお弁当の指示書を書き、父親である小山田がそれを作る。その指示書に描かれた桜島の噴火や蛇行する川と三日月湖といったテーマは、夜寝る前に読んだ本や散歩のときに見つけた植物や虫から着想されることも。森内康博は、中学生が親の手を借りず自分でお弁当を作る様子を子どもたち自身がドキュメンタリー映像にするワークショップを行い、そのプロジェクトを映像作品として展示する。マライエ・フォーゲルサング《intangible bento》イメージスケッチ私たちの慣れ親しんだお弁当を、普段とは違う視点で捉える参加型作品も紹介。この分野の第一人者でもあるオランダ在住のイーティング・デザイナー、マライエ・フォーゲルサングは、お弁当の「触ることや見ることができない」側面、例えば人と人とのつながりや記憶、その未来像などを、生き生きとした物語として表現し、その物語に来館者を誘う。北澤潤は、お弁当を「箱」と「布」によって自由にコミュニケーション空間を創出するツールとして捉え、美術館の中に、お弁当の「おすそわけ」マインドを考える『おすそわけ横丁』という異空間を作り出す。来館者自身が、よくみて、考え、お弁当を再発見することができる実験室のような空間が出現する。北澤潤《FRAGMENTS PASSAGE -おすそわけ横丁》イメージスケッチ 2018年この他、宴などの共食の場で使われたユニークなデザインが施された江戸時代のお弁当箱や、食べる状況に応じてデザインされたひとり分のお弁当箱、そして世界のお弁当箱を展示。目的に合わせてデザインされたプロダクトとしてのお弁当箱に注目する。関連イベントとして、こどもたちのために閉室日を特別にオープンし、親子でゆったり楽しめる「キッズデー」や、アーティストと一緒に同展を楽しむプログラムも開催される。大人もファミリーも楽しい、見る・聞く・触れる、参加体験型の展覧会で、「おべんとう」が生み出す人との繋がりを感じてみては。【展覧会情報】BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン会期:7月21日~10月8日会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C時間:9:30〜17:30、金曜日9:30~20:00(ただし7月27日、8月3日、10日、17日、24日、31日はサマーナイトミュージアムにより21:00まで)※入室は閉室の30分前まで料金:一般800円 大学生・専門学校生400円 65歳以上500円 団体(20名以上)600円 高校生以下無料 ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料、この他割引の詳細は特設サイト(bento.tobikan.jp)にて休室日:月曜日(ただし8月13日、9月17日、24日、10月1日、8日は開室)、9月18日、25日
2018年07月04日フリーアナウンサーの古舘伊知郎がパーソナリティを務める『古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLD』(金曜・月1回 22:00~)。15日放送回に、女優の寺島しのぶがゲストとして登場することが決定した。寺島しのぶ2人は以前、テレビ番組で共演した際に映画の話など、様々な部分で意気投合した仲であり、古館も1度ラジオで寺島と話してみたかったという。番組ではリスナーからの質問も交えながら、古舘だからこそ引き出せる寺島の魅力を引き出していく。古館は「寺島さんで特に強く思うのは、舞台を見ていてやっぱり、役柄の女性の性格や魂とか何かが憑依しているように感じる」と分析する。"喋り手"である古館は、そんな寺島にかなり興味があるとのことで、「なんであんなになりきれるのだろう…演じているとき舞台上で実は別人になっている気分なのか、それともすごく脳が冷めているのか…」と様々な疑問があるようだ。また、「このあたりのことを根掘り葉掘り訊いてみたいな」と意気込んでいた。
2018年06月04日’17年のカンヌ国際映画祭を皮切りに海外映画祭を席巻。寺島しのぶ(45)主演の話題作『オー・ルーシー!』(4月28日よりロードショー)が、ついに日本のスクリーンに登場する。 「恋愛や冒険とは無縁だと思われていた人が、1人の男性との出会いをきっかけに思わぬ言動に走る。偶然が必然になるというか、人生、何が起きるかわからないというメッセージが込められています」(寺島・以下同) 寺島が演じるのは、東京に暮らす43歳の独身OL・川島節子。ひょんなことから通い始めた英会話教室でアメリカ人講師・ジョン(ジョシュ・ハートネット)に出会い、それまでの退屈な暮らしが一変する。 人生に行き詰まり、思い余って冒険してしまう40代の女性の心情を描いた物語。「人生に困惑することも大事」だと教えてくれる。 「節子は、人から敬遠されがちなタイプですし、自分の陰の部分を人にぶつけるので、演じながら『そこまでやらなくても』と何度となく思いました。でも、逆の視点から考えると愛おしいんですよ。人に見せたくないところで必死になるって、人間くさくていいなあ、と。人生の中で時には混乱することがあってもいいんじゃないかと思いました」 プライベートでは、5歳の一人息子の成長を楽しむ日々。 「子どもはいろいろなことを教えてくれるので本当に楽しい。どんどんできることが増えて、成長の早さに毎日驚きます。ただし、子育ては息抜きにはならないですね。気づけば眉間にシワが寄っているんだもの(笑)。そこで私が心がけていることは、毎朝必ず眉間に花を咲かせること。笑顔で一日を始められたらいいなあと思っています」 寺島はオフの日の過ごし方をこう語る。 「家族3人で千葉の九十九里に出かけ、日帰り温泉に。温泉の後には必ず、ハマグリ焼き屋さんに立ち寄るのがお決まりのコースです。また日常的には、軽いマッサージを受けて体の疲れを取るようにしています」
2018年05月07日オスカー女優も絶賛の寺島しのぶさん!【映画、ときどき私】 vol. 158これまでも国内外から高い評価をされている寺島さんですが、本作ではアメリカのインディペンデント・スピリット賞で主演女優賞にノミネート。並みいるハリウッド女優たちのなかで唯一の日本人としてノミネートされましたが、その際には今年のアカデミー賞主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンドから賞賛されたほど。そこで、役づくりのことから現場の裏話、そして悩める女子へのアドバイスなどを語ってもらいました。今回、寺島さんが演じたのは、アラフォーで地味な独身OLの節子。淡々と毎日を過ごしていた彼女が、イケメンの英会話講師に恋をしたことで人生が急展開してしまう様子が描かれています。節子はこじらせ気味な女性なので共感しやすい役ではなかったと思いますが、どのような印象を受けましたか?寺島さん節子は、いそうでいなさそうなタイプ。なので、同世代の人たちは「痛すぎてわかる!」と共感してくれた人と、「ここまではちょっと……」という人に分かれていたみたいですね。でも、監督が「偶然は必然である」とよく言っていたんですけど、ふとした出会いからドラマが始まっていくというところに関しては普遍的なものだと思っています。監督は日本人ですけど、長年アメリカに住んでいるので、日本の感覚とは違うところから日本の会社に切り込んでいて、そういうバランスもおもしろいなと感じました。変に説明過多ではないから、もしかしたら万人受けする映画ではないかもしれないですけど、いろいろなことを考えたりもできるので、こういう映画もあっていいんじゃないかなと思っています。演じるうえで難しかったことはありましたか?寺島さん監督が人間のなかにある心のひだの部分をとても大事にしていたので、私の演技もわかりやすくしないでいいよと言ってくれていて、それはすごく助かりました。監督とも意思疎通がきちんとできていたので、撮影現場で困ったことはなかったですね。好きな男性を追いかけてアメリカまで行ってしまう節子ですが、そこで心境の変化はありましたか?寺島さん日本のシーンでは、グレーの地味なスーツを着て会社にいましたが、そうすると私自身も湿った気持ちになっていたんです。でも、いざロスに行くと空気は乾いているし、広いので、そこで気分が変わったんですよ。それに、日本だと人との距離があまりにも近いんですけど、アメリカではその距離感が一気に遠くなるので、それによって生まれた解放感は節子を演じていくうえで活かされた思いますし、それだけで表情も全然違うものになったんですよね。ギュッと縮こまっていた人がポンッとはじけるとこうなるんだろうなというのも感じましたし、ロスの太陽と広大な土地は人をあんなふうにオープンにさせてしまうんだとわかりました。今回、節子が恋に落ちるアメリカ人男性を演じたのは、ハリウッド俳優のジョシュ・ハートネット。以前はトップスターとして数々の主演作をこなしていましたが、私生活を優先するためにハリウッドからは一時期離れており、ここ数年で本格的にメジャー復帰を果たしたばかり。実際にジョシュと共演してみて、どういう印象でしたか?寺島さん気取ったところもまったくないし、とにかく普通にいい人なんですよ(笑)。「自分を見失ったから、一回ハリウッドを出ちゃおう」と思うような素朴で健康的な考えがある人なんだなとも感じました。それに、彼はこれまですごいキャリアを積んできたにも関わらず、新人監督である平栁監督の言うことでも真摯に受け取っていて、一生懸命がんばっていました。だから、一緒に仕事がしやすい人でしたね。あと、彼の演技を見て思ったのは、アメリカの役者はすごく訓練されているんだなということ。ちょっとした映り方もわかっていて、ハリウッドで活躍するためにはこういう技術も身につけないといけないんだなと思いました。現場では即興の演技もあったそうですが、役者同士で話し合ったことは?寺島さん今回は、監督とジョシュ、監督と私というようにそれぞれ別に話すようにしていました。というのも、私はどうやってジョシュの心を揺らがそうかという作戦を立てていたので、あえて話し合わないようにしていたんです。監督も私には抽象的なダメ出しで、ジョシュには具体的なダメ出しという感じで、人によって違う導き方をしていました。ジョシュは日本語も話さないといけなかったし、すごく苦労したと思いますよ。でも、そうやって迷っている顔もすごく魅力的でしたね(笑)。撮影の合間で印象に残っていることはありますか?寺島さん南果歩さんはジョシュにいろいろと話しかけてあげたりしてすごく優しかったけど、私はそんなに優しくなかったかも(笑)。というのも、私はいわゆるストーカーみたいなになってしまう役だったので、彼とは距離を置いて、遠くからじっとりと観察しているような感じでした。だから、ジョシュも私のことをちょっと気持ち悪いと思っていたかもしれないです(笑)。本作の節子はひとつのできごとで人生が大きく変わってしまいますが、ご自身もそういう経験はありますか?寺島さん私もけっこうありますよね。『赤目四十八瀧心中未遂』という映画では、本屋さんで偶然原作を手に取って、すごく感動して、作者に手紙を書いたことが出演したきっかけでした。そのほかにも『ヴァイブレータ』では、たまたまバーで飲んでいたときに、そこでオーディションをしていて、作者が「ああいう背中をしている女の人がいいんだよ」と私に言ったことで主演することになったんです。だから、私も監督と同じですべての偶然は必然だと思っています。そんなふうに、運命とかひらめきとか出会いとかタイミングとか、そういうものに逆らわずにここまできたので、細かいことの積み重ねだったりしますね。ひとめぼれで結婚する人もいるし、どこかのパーティで知り合った人がプロジェクトにつながることもありますよね?だから、そういうきっかけを私も逃したくないと思ってアンテナを張るようにはしています。人生は一度きりですからね。仕事や恋愛で悩んでいるananweb読者に向けてアドバイスはありますか?寺島さん私は日々環境が目まぐるしく変わっているので、「いろいろなことを考えないで、目の前に来た敵だけ倒す!」という感じなんですけど、ちゃんと研ぎ澄ましていたほうがいいかなとは思っています。もちろん疲れますけど、そのほうが得るものはあるのかなと。面倒くさいと言っちゃえばそれまでなんですけど、面倒くさいことをあえてやるときもたまにはあっていいんじゃないかなって思っています。私はそこでけっこういろいろなものを得てきたので、面倒くさくならないで欲しいなというのはありますね。あと、いまは室内でパソコンと一緒に生活をしている人が多いので、それだけで満足している人がいるかもしれないですけど、アナログな部分というのも捨てたもんじゃないなと私は思っています。つまり、実際に自分の足で赴いて確かめるとか、自分で食べてみて感じるとかですが、そういうことでほかのものが得られたりすることは意外とたくさんあると思いますよ。最後に、この作品を観る方にメッセージをお願いします!寺島さん若い人から見ると、「こんな40代になりたくない」と思うかもしれないですけど、人生において宝だなと思える瞬間というのは意外と転がっていると感じられる映画になっています。見方はみなさんそれぞれなので、そのなかで何かひっかかるものがあればいいかなとは思いますね。インタビューを終えてみて……。どんなに忙しくてもつねに明るく前を向いているイメージの寺島さんは、仕事も家庭も両立させており、働く女子にとっては目指したいところ。それだけに、面倒くさがってはいけないというアドバイスは身に沁みます。そんな寺島さんは、今回体当たりで節子を演じていますが、女子ならその姿からも多くのことを感じることができるはずです。混乱の先にこそ答えがある!ふとした出会いがきっかけとなって思いがけない方向へと進んでしまうときもあるけれど、それこそが人生のおもしろいところ。満たされない思いを日々抱えながらも、自分を変える勇気がないのなら、本作がその一歩を踏み出すきっかけとなるかも!?ストーリー会社員として東京で働く43歳の節子は、単調な毎日を過ごしていた。そんなある日、姪から突然連絡があり、前払いした英会話教室を代わりに受講して欲しいと頼まれる。仕方なく受講料を払って向かった先で出会ったのはアメリカ人講師のジョン。そこで、「ルーシー」という名前と金髪のカツラを与えられた節子は、自分のなかに眠っていた感情が解き放たれるのを感じるのだった。しかし、恋する幸せを味わったのもつかの間、ジョンは日本を去ってしまうことに。アメリカまで追いかけた節子が旅先で見つけたものとは?ハグしたくなる予告編はこちら!作品情報『オー・ルーシー!』4月28(土) ユーロスペース、テアトル新宿他にてロードショー配給:ファントム・フィルム© Oh Lucy,LLCヘアメイク:片桐直樹(EFFECTOR)スタイリスト:中井綾子(crepe)Tシャツ¥19,000、パンツ¥35,000(ミュラーオブヨシオクボ tel03-3794-4037)/ピアス¥41,500(1個ずつ売り)、リング¥150,000(カラットアー/アイワ tel03-5738-8351)声には出せなくても、誰のなかにもあるものといえば、愛し愛されたいという欲求。しかし、それを求めるあまり、周りから痛いと思われるような行動を取ってしまったという人もいるはず。そこで、そんな女子には反面教師としてもオススメしたい映画話題作『オー・ルーシー!』をご紹介します。今回は、痛いけど憎めない主人公を熱演したこちらの方に本作の魅力についてお話を聞いてきました。それは……。写真・水野昭子(寺島しのぶ)
2018年04月25日寺島しのぶがアカデミー賞前哨戦の1つであるインディペンデント・スピリット賞において主演女優賞にノミネートされた日米合作の話題作『オー・ルーシー!』。本作で、寺島しのぶ演じる節子の姪・美花を熱演する忽那汐里が、キュートなメイド姿を見せる場面写真がシネマカフェに到着した。今回解禁となった場面写真は、主人公の節子(寺島さん)がメイド喫茶でアルバイトをする美花(忽那さん)が「話があるの!」と突然呼び出される場面。独身の節子は、この姪っ子にめっぽう弱いのだ。■忽那汐里、メイド姿で「美味しくなぁれ、にゃんにゃんちゅっ」このたび到着した場面写真では、眩しいくらいにメイド服を着こなした忽那さんの貴重な姿や、少し照れながらも「それでは、お席までご案内します!」とノリノリで、節子の注文した紅茶に「美味しくなぁれ、美味しくなぁれ、にゃんにゃんちゅっ」とおまじないをかける、そんな可愛すぎる姿は必見!紅茶を飲んだ節子の顔もニヤニヤ緩み、慣れない場所に戸惑いながらも「美味しい…」と完全に美花のペースに持っていかれっぱなし。「で、話ってなに?」と切り出すと、「叔母ちゃんにお願いがあるの…実は私の代わりに英会話教室を取って欲しいの!」「どうしてもいま、お金が必要なの!」と、あの手この手ですり寄る美花に言われるがまま、節子は美花から貰った無料お試し券を持って英会話教室へと向かい…。これから待ち受ける人生を変える出来事が、この英会話教室から始まることも知らずに新たな扉を開いていく、寺島さん演じる節子。そんな叔母を翻弄する自由奔放で、天真爛漫な女性を演じる忽那さんは、いままでの優等生なイメージとはまた違った魅力を見せている。『デッドプール2』にも出演する、世界で活躍する若手女優の新たな一面をご覧あれ。『オー・ルーシー!』は4月28日(土)よりユーロスペース、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:オー・ルーシー! 2018年4月28日よりTOHOシネマズ 日本橋ほか全国にて順次公開© Luca Bigazzi
2018年04月15日女優の寺島しのぶの主演舞台『ヘッダ・ガブラー』が、7日に初日を迎えた。会場は東京・Bunkamuraシアターコクーンで、他、小日向文世、水野美紀、池田成志、段田安則らが出演している。『近代演劇の父』と称され、『人形の家』等の代表作でも知られるヘンリック・イプセンの戯曲『ヘッダ・ガブラー』。主人公のヘッダは、発表当時から「悪魔的、破滅的」と形容されてきたという。「将軍の娘」として恵まれた環境に育ち、自由で享楽的なようで、実は臆病で社会の規範から外れることを恐れている。常に何かを渇望しながら、それが何かが自分ではわからず、いつもフラストレーションを抱え、他人が何か「生きがい」や「目的」に目を輝かせるのは面白くなく徹底的に邪魔をする、という主役に寺島が挑む。ヘッダの夫・イェルゲンを小日向、ヘッダの元恋人で、最後には彼女の歪んだ美学に捕われる男・レェーヴボルクを池田、自立を期す女性・エルヴステード夫人を水野、衝撃の結末のカギを握る男・ブラック判事を段田が演じる。演出は栗山民也が務めた。公演は4月7日〜30日。
2018年04月08日女優の大竹しのぶが7日、東京・日生劇場で行われたミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』の公開ゲネプロ前に登場し、共演の風間杜夫、蓮佛美沙子、ウエンツ瑛士、安蘭けい、栗原英雄とともに取材に応じた。同作はイングマール・ベイマン監督の『夏の夜は三度微笑む』に着想を得たミュージカル・ラブ・コメディで、19世紀末のスウェーデンを舞台に、求めあいながら滑稽にすれ違う様々な男女の愛の行方を描く。初演以来トニー賞7部門、グラミー賞2部門の栄冠に輝いた名作。3日に行われた映画『のみとり侍』のイベントで、足を捻挫したことが明らかになった大竹だが、もうすっかり回復したという。大竹は「大学生並みの回復力。異常に早い治り」と明かした。怪我の原因については、「犬の散歩で転んだだけ」と苦笑し、風間も「無様な転び方だったらしいんですよ。両膝ついてべちゃーって」と笑いながら解説する。ウエンツも「巷では仮病じゃないかって言われてました。本番ではビシッと決めるのはわかってるので、注目を集めたがってるんじゃないかというくらい」と冗談を飛ばすほど、稽古場でも元気な姿を見せていたという。風間が改めて「全治3週間と言われてたんです。それを5日くらいで治しちゃって」と語ると、大竹は「女優だから」と言い放ち、周囲も感心していた。また、ミュージカル初挑戦となる蓮佛は、ウエンツについて「最近、教えてくれる。今日も相談して、同じシーンで『ゲネまでにこういうふうにできたらいいね』とか、最近真面目です」と様子を明かす。「切羽詰まってきた」というウエンツだが、ミュージカル界の先輩として、初挑戦の風間と蓮佛にアドバイスすることに。ウエンツが「まあ今日はゲネだけど、お客さんも入っているわけじゃないし、そんな緊張しないでいい、まずは。自分のやることを1個ずつ確認して、明日に向けて備えよう。頑張れよ」とありがたいお言葉を告げると、風間は「頑張ります!」と頭をさげる。ウエンツは「(同じくミュージカル初挑戦の)木野にも言っときます!」と先輩風を吹かせる芸で、周囲を笑わせていた。東京公演は日生劇場にて、8日〜30日。
2018年04月07日「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」が、2018年7月21日(土)から10月8日(月・祝)まで、東京都美術館 ギャラリーA・B・Cにて開催される。お弁当を通じてコミュニケーションを考える「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」展は、日本独自の食文化であり、人と人とをつなぐ役割を果たしてきた「おべんとう」をコミュニケーション・デザインの視点から捉えた展覧会だ。会場には現代の作家たちによるインスタレーション、来場者自身が見る・聞く・触れることができる参加体験型のコンテンツ、江戸時代の遊び心溢れるデザインのお弁当箱などが用意される。展覧会のみどころアニメーションでお弁当の世界へ展覧会は、発酵デザイナー・小倉ヒラクのお弁当をテーマとした新作アニメーションからスタート。親しみやすいキャラクター、口ずさみやすいメロディ、歌詞、振り付けが、観る者をお弁当の世界へと誘ってくれる。お弁当から垣間見える人と人とのつながり続くのは、お弁当を通じて人と人とのコミュニケーションを再考させられるような作品群。たとえば朝日新聞デジタル&Wで2年間連載された《あゆみ食堂のお弁当》を紹介する。「誰々にこんなお弁当を作ってあげたい」という読者のリクエストに応えて、大塩あゆ美がお弁当を創作、平野太呂が撮影し、依頼主にレシピとお弁当箱を届けるというプロジェクトだ。また、NHKのテレビ番組「サラメシ」で有名な“お弁当ハンター”の写真家・阿部了がお弁当を黙々と食べる人の姿を映した《ひるけ》は、お弁当を食べる人と作った人との関係性に想いを巡らせたくなる作品に仕上がっている。美術家・小山田徹は自身が家族と一緒に実践しているお弁当づくりのアーカイブ《お父ちゃん弁当》を展示。保育園に通う弟のために、小学生の姉がお弁当の指示書を書き、父親である小山田がその通りにおかずを調理し弁当箱に詰める。弁当にアートのように描かれた桜島の噴火、蛇行する川、三日月湖といったモチーフは、夜寝る前に読んだ本や散歩の時に見つけた植物や虫にインスピレーションを得たというものも。森内康博は、過去に開催したワークショップの様子を映像作品として上映。中学生が親に手伝ってもらうことなく自分でお弁当を作る姿を子供たち自身がドキュメンタリー映像にするという内容だ。体験型コンテンツも来場者が実際に参加することができる作品も展示。食べることをデザインするイーティング・デザイナーのマライエ・フォーゲルサングは、お弁当の「触ることや見ることができない」側面、たとえば人と人とのつながりや記憶、未来像といったストーリー性を生き生きと表現し、来場者をその物語の中へと導くような体験型インスタレーションを展開する。お弁当を「箱」と「布」によって自由にコミュニケーション空間を生み出せるツールだと考える北澤潤は、美術館の中にお弁当の「おすそわけ」マインドを考える《おすそわけ横丁》を創り上げる。江戸時代や世界各国の弁当箱さらに、時代や国境を越えた様々なお弁当箱を通じて、食べる目的や状況に合わせてデザインされた"プロダクト"としてのお弁当箱に注目するといった企画も。宴など誰かと一緒に食べる共食の場で使われた江戸時代のお弁当箱から、現代日本のひとり分のお弁当箱、そしてアジア、アフリカ、ヨーロッパなど世界のお弁当箱などが並べられる。ワークショップも「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」に出品するアーティストや、東京・代々木上原の弁当販売店チオベン(chioben)の山本千織らが参加するワークショップ・プログラムも開催される予定だ。【詳細】BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン会期:2018年7月21日(土)~10月8日(月・祝)休室日:月曜日、9月18日(火)、9月25日(火)※ただし8月13日(月)、9月17日(月・祝)、24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室。時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)、金曜日は20:00まで※ただし7月27日(金)、8月3日(金)、10日(金)、17日(金)、24日(金)、31日(金)はサマーナイトミュージアムのため21:00まで。会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C住所:東京都台東区上野公園8-36TEL:03-3823-6921観覧料:一般800円/大学生・専門学校生400円/65歳以上500円/団体(20名以上)600円※高校生以下は無料。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳持参者とその付添い1名まで無料。※毎月第3土曜日と翌日曜日は「家族ふれあいの日」により、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は、一般当日料金の半額。8月15日(水)、9月19日(水)はシルバーデーにより、65歳以上は無料。いずれも証明できるものを持参。※10月1日(月)は「都民の日」により誰でも無料。■サマーナイトミュージアム割引7月27日(金)、8月3日(金)、10日(金)、17日(金)、24日(金)、31日(金)の17:00以降は、一般600円、大学生・専門学校生無料(証明できるものを持参)。■相互割引特別展「没後50年藤田嗣治展」の観覧券(半券可)を本展会場入口で提示すると一般料金から300円引き(1枚につき1名1回限り)。「おべんとう展」の観覧券(半券可)を館内のチケットカウンターで提示すると、「没後50年藤田嗣治展」の当日券が100円引き(1枚につき1名1回限り)。
2018年03月31日大人の女性が語る“官能の本質”。さまざまな経験と卓越した感性を持つ女優の一人、寺島しのぶさんに“官能”について聞いてみました。想像することのいやらしさに、官能がある。官能とは、女性ホルモンを刺激するものだと思うんです。私にとっては、それをもたらしてくれるのが男性。つねに男性には興味を持っているし、私が「素敵だよねー」って話すのを、旦那さんはいつも何も言わずに黙って聞いてくれています。男性は、個人的な好みで言うとマッチョな人がタイプですし、筋骨隆々な背中に顔を埋めてみたいという願望もある(笑)。でも、それを実行に移すかといったら、それは少し違う。それじゃ単なる性欲を発散する行為になってしまって、情緒がないんですよね。私が男性に官能を感じるのは、女性とは決定的に異なっているからだと思うんです。私は男社会で育ってきて、メンタル面ではかなり中性的。女優という仕事も、男性目線で女性の見え方を考えて演じていたりしますし。ただ、どうあがいても自分の性は女で、男性には自分にはないものがある。でも持っていないものを持つ相手だからこそ興味が惹かれるし、わからない部分があるから想像を掻き立てるんです。だから私は女子会反対派。互いに慰め合うことはできても得るものはないと思っています。官能と似た意味の言葉に、エロティシズムがあると思うんですが、官能は淫靡なイメージ。エロティシズムは、肉体と直結して性欲を刺激する具体的なもので、もっとシンプルで単純な気がします。エロと官能の何が違うかといったら、官能はこの人と喋るのが楽しいとか、声を聴いているだけで嬉しいとか、仕草が美しいとか、性的なものとは直接的には結びつかないものが大事だということ。それが脳を通して心のひだに一枚一枚触れていって体が反応していく…ぞわぞわするような感覚。いやらしいことを頭で想像したり、妄想を掻き立てられたり。そっちの方が官能的だといえるんじゃないでしょうか。女優として作品のなかでエロティックなシーンを演じることがありますが、ヌードになることや、行為のシーンを演じることが官能を表現していると考えてはいないんです。これは完全に無意識でやっていたことですが、セクシーに見せる時に意識するのは、言葉を交わさない間の、相手に目線を送るタイミングだったり、ふっと触れるわずかな瞬間だったり。なかには、佇んでいるというだけの場面が、ものすごく色っぽく見えることもある。その時に大事にしているのは“間”。色気って間に宿るんです。逆に、セリフを喋っている時には、なかなか表現しづらかったりして。無言の間には、言葉以上にさまざまな感情が交錯していて、対峙する相手に、「一体何を考えているんだろう」って想像させる力がある。例えば、作品のなかで恋人同士を演じることがあります。その相手と実際に恋愛に至る方もいますが、私は、カットがかかったら現実に戻って、「じゃあ明日」と言ってそれぞれの家に帰る、その寸止め感が好き。その方が、演じている時の濃密度は増す気がします(笑)。それに、現実にしてしまうより、フィクションのなかに閉じ込めておく方が、想像を膨らませることができてよりエロティックな感じもしますし。自分のなかの官能を育てるには、想像力を広げること。それには、本を読むのがいいんじゃないでしょうか。いまって、調べればインターネットですぐに情報が得られる時代ですけれど、すぐに得られるものには想像の余地がないですよね。本はビジュアルがないぶん、いくらでも自由に想像を広げられます。そして本からいろんな人生や価値観を知ることで、想像力をさらに豊かにしていけるはずです。てらじま・しのぶ女優。4月7日より上演の舞台『ヘッダ・ガブラー』に主演。19世紀末、恵まれた環境に育ちながらも日々フラストレーションを抱える主人公・ヘッダを演じる。※『anan』2018年3月14日号より。文・望月リサ(C)Vladimir Vladimirov(by anan編集部)
2018年03月08日寺島しのぶが主演し、すでにアメリカやフランスでの劇場公開も決定するなど、全世界から公開が熱望される平柳敦子長編初監督作品『オー・ルーシー!』が、4月28日(土)より日本で公開されることが決定。あわせてメインビジュアルが到着した。何事にも満たされない日々を過ごす43歳独り身の会社員・節子が、ふと立ち寄った英会話教室のアメリカ人講師に恋をし、東京とLAで大騒動を巻き起こす様を時に赤裸々に、時にユーモアたっぷりに描く本作。日本人監督作品として10年ぶりにカンヌ国際映画祭批評家週間に選出される快挙を成し遂げ、オスカーの前哨戦として注目されるインディペンデント・スピリット賞において、新人作品賞と主演女優賞にノミネートされた話題作だ。解禁されたビジュアルは、金髪のウィッグを付けた寺島さん演じる主人公・節子が口にピンポン玉を挟み、こちらを見つめるインパクトの強い一枚。実はこれ、劇中で節子が初めて英会話教室を訪れ、講師のジョン(ジョシュ・ハートネット)から“ルーシー”というアメリカンネームを与えられた直後のシーン。ジョンへの淡い恋心を抱くようになり、ビジュアルの節子の表情は、新しい自分に出会った驚きや喜び、戸惑いなど様々な感情を想起させるものとなっている。また、共演の南果歩、忽那汐里らの姿を写したカットも挿入されてる。寺島さん自身もこのビジュアルがお気に入りだそうで、「人生ふとしたきっかけと出会いで大きく変わることがあるのです。たとえ彼女が望んでいなかったとしても…。このピンポン球が彼女を大きく狂わせる。初めての日米合作映画は私にとってまた新たな領域への第一歩となりました。沢山の方に観て頂ければ幸いです」とコメントを寄せている。『オー・ルーシー!』は4月28日(土)よりユーロスペース、テアトル新宿ほかにて公開。(cinemacafe.net)
2018年02月19日創業当時から変わらない趣のある店構えの老舗店「ゆしま花月」は、東京・湯島にあるかりんとうが自慢の菓子店。昔ながらの店構えは、その昔に駄菓子屋をやっていた当時のまま、現在も変わらない姿で営業しています。お店のシンボルとも言えるのがお菓子を詰めるスケールの丸缶。その丸缶の大きいオブジェが軒先に置かれており、一目で「ゆしま花月」の店舗だと分かります。昔ながらの味を大切にしている、老舗のお店です。お店のはじまりは子ども相手の小さな駄菓子屋「ゆしま花月」のはじまりは、昭和20年代初頭、先々代のおかみが子ども相手に始めた小さな駄菓子屋でした。元々湯島は花柳界で賑わっていた街。料亭なども多く、お客さんの手土産にとスケールの丸缶に詰めたかりんとうを渡していました。それが評判を呼び、現在まで長く愛されているのです。昔と変わらない場所で、昔と変わらない味を守り続けています。艶やかな姿形が美しい昔ながらのかりんとうお店の看板商品であり、人気を呼ぶきっかけになった「かりんとう単衣(90g入り)」(540円)は、まるでガラス細工のような艶やかな形状が特徴。三度揚げをした生地に飴を絡めることで独特の食感を生み出しています。実はこのかりんとう、元々は失敗作なのです。職人が砂糖を煮詰めすぎてしまい、もったいないとそのまま作ったところ、非常にきれいでおいしいかりんとうができたのでした。「ゆしま花月」に訪れた際には、必ず食べたい逸品です。老舗店自慢の製法でつくられたこだわりのお菓子「かさねうめ単衣(60g入り)」(432円)は、塩味のあられ、梅の彩りを添えた甘酢っぱいあられの2種類が一度に味わえる贅沢な商品です。湯島天満宮にある2種類の色の花を咲かせる「思いのまま」という梅の木をイメージして作られました。「いわおと単衣(90g入り)」(540円)は、米の甘みが豊かに広がるしょうゆ味の堅揚げせんべいです。5日間天日干しをすることでしっかり水分を飛ばし、米本来の甘みと旨みが感じられるお店自慢の商品!「ゆしま花月」がずっと親しまれている理由東京の手土産として親しまれている「ゆしま花月」は、昔ながらの味や製法を守りながらも、定番商品のほかに新商品の開発や期間限定のパッケージなど、お客さんを常に楽しませるお店づくりをしています。昔からずっと変わらない伝統の味と、手土産としてお客さんに喜ばれるように考えられた創意工夫が、このお店が長く親しまれ続けている理由です。「ゆしま花月」は、東京メトロ千代田線「湯島駅」から徒歩3分、またはJR山手線・京浜東北線「御徒町駅」から徒歩5分の場所にあります。ガラスのように艶々な絶品のかりんとうをぜひご賞味ください。スポット情報スポット名:ゆしま花月住所:東京都文京区湯島3-39-6電話番号:03-3831-9762
2018年01月02日国民的お笑いスター・明石家さんまとNHKが本格タッグを組む、「明石家紅白!」第3弾の放送が決定。今回は“禁断のゲスト”(?)として元妻の大竹しのぶが出演。なんと、さんまさんとのデュエットが実現した。フォーク・歌謡曲からアイドルまで、実は超音楽通のさんまさんが、「いま会いたいアーティスト」を呼び、自分なりの「紅白」を届ける「明石家紅白!」。アーティストの本音が次々と飛び出し、即興コラボも随所に実現する、ほかにはない音楽番組として大好評。第3弾となる今回は、“禁断のゲスト”が登場。なんと女優の大竹さんと、元夫婦の、別れても息ぴったりの爆笑トークが炸裂する。「離婚会見の日に、さんまの服をしのぶがアイロンがけした!?」「2人の思い出の曲は?」…など、知られざる夫婦生活が次々と明らかになるが、ほかの出演者は「どういう顔で聞いていたらいいの?」と困惑。そしてなんと、さんまさん&しのぶさんがデュエットで歌を披露!前代未聞の貴重なシーンが実現する。また、さんまさんが“いま会いたいアーティスト”として、「乃木坂46」、T.M.Revolutionこと西川貴教、高橋優が登場。紅組には、今年ミリオンヒットを記録した「乃木坂46」が登場し、メンバー写真集の中から自信のカットをさんまさんにおすすめする。さらに、メンバーそれぞれ、ものまねや悩み相談をさんまさんにぶつけるが、ミリオンシングルで初センターを経験した18歳の大園桃子は、さんまさんの激しいトークに押されてしまい、思わず涙。これにはさんまさんも、「テレビ的に損してるやないか」と激しく狼狽する。一方、白組には、“明石家さんま一家”と親しい付き合いのT.M.Revolution西川さんが登場。大竹さんの還暦パーティーで、突然「歌ってくれ」と無茶ぶりされたエピソードを話す。また、さんまさんとの思い出の曲「HIGH PRESSURE」をパフォーマンス。さんまさんも飛び入りし、スペシャルコラボが実現する。そして、IMALUや大竹さんも大ファンだという、シンガーソングライター・高橋さんも参戦。さんまさんが大好きな中島みゆきの「糸」を、弾き語りで贈る。しかし、高橋さんのライブを映像で見たというさんまさん、そのときのトーク内容を「笑いがわかっていない」とダメ出しすることに。“お笑い怪獣”が大暴れする歌合戦に、期待していて。「第3回明石家紅白!」は12月18日(月)19時30分~NHK総合テレビにて放送、12月22日(金)0時10分~再放送。(text:cinemacafe.net)
2017年12月11日麻布十番商店街のかりんとう専門店様々な味をかりんとうで表現し、話題を呼んだ「麻布かりんと」は、東京・麻布十番にあります。異国情緒溢れる麻布十番商店街と、昔懐かしいかりんとうとのコラボを面白いと感じたオーナーが2009年9月、麻布十番にお店をオープンしました。朱色の日除けのれんが目を引く、これまでになかった新感覚のお店は瞬く間に話題となり、連日多くの人で賑わいをみせています。ポップなパッケージで満たされた可愛い店内店舗面積10坪ほどの店内には、可愛くパッケージされた「かりんとう」が50種類以上並んでおり、ひとつひとつが小さくリーズナブルなため、つい何種類も買いたくなってしまいます。試食もできるため、味を確認してから気に入ったものを購入できるのも人気理由の1つです。みんなが大好き!黒蜜味のかりんとう誰もが一度は食べたことのある黒蜜を使用したかりんとうはお店と同じ名前「麻布かりんと」として売られており、お店の人気No.1の商品。国内産の黒糖を使用し黒ごまと合わせたことで、さらに香ばしく美味しくなったかりんとうに手が止まらなくなります。迷ったらこれ!5種類の野菜を味わえる5種類の野菜(さつまいも、ほうれん草、にんじん、かぼちゃ、たまねぎ)の風味を楽しむことができる「野菜ミックス かりんとう」はもおすすめ商品の1つ。どれもしっかりと野菜の味がする新感覚の「野菜ミックス かりんとう」は、お土産にぴったりな一品です。他にも、ドーナツのような食感のやわらかい「蜜ん棒」や店内で揚げたてを販売する「こがし黒蜜 かりんとまん」など、食感のイメージを覆す様々なかりんとうを購入することができます。お気に入りの「かりんとう」を見つけよう!奇抜なアイデアで色んな味を楽しめる「麻布かりんと」は、自宅用としてだけでなくお土産にも利用でき「かりんとう」のイメージを大きく変えるお店となりました。週末には行列ができることもある「かりんとうの専門店」は東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線「麻布十番駅」徒歩2分。麻布十番商店街のメインストリートの角にあります。東京観光へ来た際や新感覚のお菓子を食べたくなった時には「麻布かりんと」へ足を運んでみてください。あなたにぴったりなかりんとうがきっと見つかりますよ。スポット情報スポット名:麻布かりんと住所:東京都港区麻布十番1-7-9電話番号:03-5785-5388
2017年12月08日大竹しのぶ(60)が11月22日にリリースしたアルバム「ち・ち・ち」。その中の1曲が話題を呼んでいる。 「キライナヒト」と題されたその曲に“ツッコミ”で参加しているのは、大竹の夫だった明石家さんま(62)。離婚から25年経った元夫婦2人による、異例のデュエットが実現しているのだ。 全編で、大竹とさんまの掛け合いが展開されるこの楽曲。大竹が「あなたは自分のギャグ見て笑う」と歌い、さんまは「おい、殺虫剤オレにかけたことあったよな?」「信楽焼のたぬき100枚買うてきたよな、あれどこやった?」とボヤき続けるという、夫婦時代のエピソードの満載の1曲となっている。 この楽曲ができたきっかけは、7月に開催された大竹の還暦記念パーティー「大竹しのぶと60人の男たち」。作詞作曲したのはこのパーティーに招待されたシンガーソングライターの高橋優(33)で、大竹とさんまが繰り広げた漫才さながらのトークを聞いて書き上げた。 仮歌を聞いた大竹は、さんまに共演を打診。レコーディングは打ち合わせもなしの1回きりで、掛け合いは全てアドリブだったという。 アルバムの発売前後からラジオでのオンエアが続き、twitter上では《最高、聞いてて笑っちゃう》《こうゆう関係性ってなんかいいなって思える曲》と大反響。さらには《もうボロボロ泣ける》《今年の泣ける曲オブザイヤー》という声も。コミカルでありながら胸にせまる掛け合いに、感動の声が上がっている。
2017年12月08日2018年4月に上演されるミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』の製作発表会見が、東京・スウェーデン大使館で行われ、主演の大竹しのぶ、風間杜夫、蓮佛美沙子、ウエンツ瑛士が登壇した。ミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』チケット情報愛を求める男女が滑稽にすれ違い、愛し合う一夜が描かれるミュージカル・ラブ・コメディ。作詞・作曲はスティーブン・ソンドハイム、脚本はヒュー・ホイラーが手がけ、初演以来トニー賞7部門、グラミー賞2部門を受賞した。日本では19年ぶりの上演となり、演出はマリア・フリードマンが初来日して手掛ける。作品の魅力を伝えるため(!?)に、大竹&風間・蓮佛&ウエンツの2組でベッドに入り開かれた会見。とはいえ関係性は、風間演じるフレデリックと蓮佛演じるアンが年の差新婚夫婦、ウエンツ演じるヘンリックはフレデリックの息子ながら義母のアンに恋する青年、そして大竹演じる主人公・デジレはフレデリックのかつての恋人という複雑なもの。大竹は「なんだか奇妙なシチュエーション」と笑いつつ、「歌はもともと好きだったのですが、本格的なミュージカルはこの作品と同じソンドハイム(作詞・作曲)の『スウィーニー・トッド』で。一つひとつの音が重なりあって、台詞があって、歌があって、ミュージカルってなんて素晴らしいんだと思った作品です。それに今回、マリア・フリードマンさんという素晴らしい演出家の方が日本で初めて演出をしてくださる。歌と芝居が分かれるのではない、『これぞミュージカルだ』と思うものができたらいいなと思っています」と語った。初めてミュージカルに挑戦する風間は「恩師のつかこうへいに『日本で一番踊ってはいけない役者』だと言われ続けてきたので。今回、ミュージカルだけど踊るシーンはないということでお引き受けしました」と笑いを誘いつつ、「しのぶちゃんとは古い間柄なんですけど、舞台で共演するのは初めてで嬉しい」と笑顔を見せた。これが舞台初挑戦となる蓮佛は、今回の挑戦を「大竹しのぶさんといつかご一緒できたらと思っていました。お芝居をつくっていく過程を含めそばで見させていただける…それだけで『やりたい』と言いました」と明かした。ウエンツは自身の役柄について「おない年といえど義理の母親に恋をする役柄で。恋敵が自分の父親というところで苦悩する部分だったりとか、いろんなものを失うかもしれなくても手に入れたい愛が、どれだけ素晴らしいものかを表現できたら」と語った。大竹が「一生のうちで“忘れられない一夜”というのがあると思うんですけど、それを舞台の上で毎日できるのがすごく嬉しい」という公演は、2018年4月8日(日)から30日(月・祝)まで東京・日生劇場にて。チケット一般発売は12月9日(土)午前10時より。取材・文:中川實穗
2017年11月22日