日本マンガ界が誇る大場つぐみ(原作・原案)×小畑健(作画)による人気コミックをNetflixが実写映画化する『Death Note/デスノート』。このほど、死神リュークのクールなキービジュアルとともに、最新予告がお披露目となった。ある日、偶然1冊のノートを手にした男子高校生ライト・ターナー。そのノートに、顔を思い浮かべながら名前を書いた人間を殺す力があることに気づいた彼は、やがて神のような力の虜となる。恐ろしい力を持つデスノートを利用して、生きるに値しないと思う人々を殺し始めていき…。世界の映画祭を震撼させたシチュエーションスリラー『サプライズ』や、ダン・スティーヴンス主演『ザ・ゲスト』などを手がけ、レジェンダリー・ピクチャーズとワーナー・ブラザースによる「モンスターバース」の『ゴジラVSコング』(原題/2020年公開予定)でも、メガホンをとることが発表されている話題の気鋭アダム・ウィンガードが監督を務めた本作。ハリウッド屈指のクリエイター陣が集結し、日本でも映画、ドラマ、アニメ、舞台などで描かれてきた伝説的コミックを元に、新たな物語が展開する。主人公ライト・ターナー役を演じるのは、『きっと、星のせいじゃない。』『マイ・インターン』のナット・ウルフ。L役には、『ショート・ターム』のキース・スタンフィールド、ミア役に『ナイスガイズ!』のマーガレット・クアリーら、ハリウッド期待の若手キャストが集結。そして、名優ウィレム・デフォーが死神リュークの声を担当することも大きな話題を呼んでいる中、このたび解禁されたハリウッド版死神リュークのキービジュアルは、原作コミックでの姿を彷彿とさせる超絶クールなもの。もちろん、トレードマークともいえるお馴染みのリンゴを手にしている。また併せて公開された最新予告編では、主人公ライトがデスノートを手にして、徐々に殺人者キラ(KIRA)と化していく様子がより詳細に描かれ、「まだ足りない 世界を変えよう」とライトをそそのかすかのような、マーガレット演じるミアの存在も気にかかる。それを追うミステリアスな名探偵L(エル)との壮絶な追跡劇と駆け引きもダイナミックに描かれ、さらに期待が高まる映像となっている。Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』は8月25日 (金) よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング開始。(text:cinemacafe.net)
2017年06月30日2015年に日本で世界初演の幕をあけ話題となった『デスノート THE MUSICAL』の待望の再演が、まもなく富山公演からスタートする。ブロードウェイで活躍するフランク・ワイルドホーンが音楽を手がけるなど世界トップレベルのクリエイターたちが制作、日本のほか韓国版も上演され、ワールドワイドな展開を見せているミュージカルだ。再演でも、主役の夜神月をWキャストで務める浦井健治と柿澤勇人、月を追い詰める探偵L役の小池徹平ら、当たり役だと好評を博したキャストたちが続投。初演を超える熱演に期待が高まる。6月中旬、その稽古場を取材した。『デスノート THE MUSICAL』チケット情報はこちら原作は言わずと知れた大ヒット漫画『DEATH NOTE』。名前を書かれた人間は40秒以内に死ぬ“死神のノート”を手に入れた高校生・夜神月が、正義の名の下、犯罪者たちを粛清していくという物語だ。この日は初の“通し稽古”(本番同様、冒頭から最後まで通して行う稽古)とのことで、稽古場にはピリッとした空気が流れている……かと思いきや、意外に和やかな雰囲気。些細な会話で俳優たちが笑い転げている。だが「はじめます」の声がかかるととたんに静かになり、熱を帯びたような空気になった。オープニングは、40秒からカウントダウンしていく時計の音と映像。この段階で映像が使われている稽古場というのも珍しいが、減っていく数字が不穏さを煽っていく。続いてシーンは月が通う高校の教室へ。現代日本の、ありふれた光景だ。月ら生徒たちと教師が、正義について議論している。ここで歌われる「正義はどこに」は作品を貫くテーマだ。「正義は社会の基準」という教師に対し、月は「正義は権力の道具でしかない」と反論する。のちに自らを正義と信じ暴走していく月の危うい信念が伝わると同時に、議論を尻目に携帯をいじっている同級生たちの姿なども興味深い。この日の月は浦井健治。落ち着いた声のトーンと余裕のある表情で月の頭脳明晰さが伝わってくるが、一方ですでに少し狂気をも感じる。そして物語が進むにつれ迫力は増していき、カッとした表情や焦り、怒りを隠した笑顔など、その細かい表現から目が離せない。L役の小池徹平も熱演だ。物を指先でつまむ独特の動作や前屈みの姿勢などが印象的な特異なキャラクターだが、こちらは抑えた演技の中で、確実にこの役柄を体現。死神レム役の濱田めぐみの情感のこもった歌、弥海砂を演じる唯月ふうかのアイドルっぷりなども相変わらずの安定感。そしてこの日の稽古場で何よりインパクトがあったのは、今回初参加で死神リュークを演じる石井一孝。うっすら死神メイクをしているとはいえ、その眼ヂカラ、大きな口、動きまで原作のイメージ通り! まるでCGのようだ。さらに迫力の歌声にも度肝を抜かれること間違いナシ。石井本人も楽しそうで、その姿がそのまま、月ら人間たちの行動を面白がるリュークそのものだった。カンパニー全体のまとまりやハーモニーもよく、総じて初演よりぐっと迫力が増している印象。公演は6月24日(土)に富山オーバード・ホールで開幕。台湾、大坂公演を経て、9月には東京・新国立劇場 中劇場で上演される。
2017年06月22日ゴジラとキングコングの戦いを描く映画『ゴジラVSコング』(2020年5月22日全米公開予定)の監督を、アメリカ版『デスノート』のアダム・ウィンガードが務めることが決定した。ザ・ハリウッド・レポーターが報じた。ウィンガード監督は、『サプライズ』や『ザ・ゲスト』などのスリラー映画を手掛け、最近では『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)のリブート版『ブレア・ウィッチ』(2016)を担当。また、Netflix製作の『デスノート』の制作が終了したばかりだ。レジェンダリー・エンターテイメントとワーナー・ブラザースが手掛ける同作の詳細は明らかになっていないものの、『GODZILLA ゴジラ』(2014)と『キングコング: 髑髏島の巨神』(2017)を掛け合わせた作品になり、ゴジラとキングコングが最も強いモンスターを決める戦いを繰り広げるストーリーになると言われている。「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの脚本を手掛けるテリー・ロッシオが、ほか6人の脚本家たちと共に同作品のストーリーを作り上げていくことになる。『GODZILLA ゴジラ』の続編となる『ゴジラ:キング・オブ・ザ・モンスターズ』にはカイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、チャールズ・ダンス、ミリー・ボビー・ブラウンらが出演することが決定しており、こちらも制作中。第1弾作品の監督を務めたギャレス・エドワードに引継ぎ、マイケル・ドゥハティが同作品の監督を務めることになっており、ドゥハティはザック・シールズとともに脚本も担当している。(C)BANG Media International
2017年06月02日2015年に日本でワールドプレミアとして上演された舞台『デスノート THE MUSICAL』が帰ってくる。2003年から連載漫画として人気を集め、その後、テレビアニメや映画でも大ヒット。ミュージカル版は演出を栗山民也、楽曲をブロードウェイの作曲家・フランク・ワイルドホーンが手掛けた意欲作だ。前回に引き続き出演する柿澤勇人、小池徹平に話を聞いた。「デスノート THE MUSICAL」チケット情報「最近、2.5次元の舞台がはやっていますが、この作品はそうではないと思っていて。時計の音の始まりは、デスノートを手にしたことで命が次々と消えていく緊迫感と生々しさがある。悲しくもあるけれど、心に突き刺さる舞台だと思います」と柿澤。彼が演じる大学生の夜神月(浦井健治とWキャスト)は、平凡な毎日を送っている。しかし、ノートに名前を書いた人間は死ぬ運命にある死神の「デスノート」を拾ったことから、退屈な毎日は消える。デスノートの効力を知り、月は、この世の悪を裁こうと犯罪者の名前を次々とノートに書き込んで殺していく。小池が扮するのは、殺人事件の捜査を始め、月を追い詰めていく名探偵L。「とにかく栗山さんの演出の仕方が面白い。キャストが皆、舞台上では同じ場所にいるのに、ちょっとした照明の変化で実は違う場所にいることが分かる。リアルタイムでいろんな物語が進行する。ワイルドホーンの美しい音楽とも相まってそのテンポやスピード感もすごいんです」と小池は話す。前回は、栗山から「現在の日本人を映す鏡であってほしい」と言われたそうだ。「渋谷のスクランブル交差点で皆、スマホを見ているシーンがある。物では満たされているけれど、心は満たされていない。月は頭もルックスもいいのに退屈していて、現代の若者の象徴なんです」と柿澤。一方、いつも猫背で椅子の上にしゃがみ込み、お菓子やコーヒーカップを数本の指でつまむ特異なキャラクターのL。「彼みたいに変な人は、僕は今まで見たことないです(笑)。常に何かを考えていて退屈さとも無縁の人。Lの人生を全うするつもりで演じていたので、現代の若者を意識したことはないですね。僕にも謎の人物です」と小池は笑う。「正義とは何か」というのも物語のテーマだ。「月は救世主キラとして世界の人々から支持を集め、凶悪犯を殺すことが正義だと信じていた。でもそれが本当の正義なのか、僕にも分からない。お客さんに持ち帰って考えてほしいですね」と柿澤。その言葉に小池も深くうなずき、「正義は自分の意思を貫いた月なのか、その月を倒そうとしたLなのか。お客さんはどっちに感情移入するんでしょうか。どちらの生き方が好きかとシンプルに考えるだけでも意味があると思います」と答えた。公演は、6月24日(土)・25日(日)富山・オーバード・ホールにて。その後、台湾・台中公演を経て、8月19日(土)から21日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、9月2日(土)から24日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演。大阪公演のチケットは5月13日(土)より、東京公演のチケットは5月20日(土)より一般発売開始。取材・文:米満ゆうこ
2017年04月27日大人気漫画「デスノート」を原作としたNetflixオリジナル映画『デスノート』が、8月25日(金)より全世界同時配信されることがこのほど決定。併せて、新たなドラマ予感させる本作の予告編と場面写真が到着した。原作は、日本のみならず海外でも絶大な人気を誇る、言わずと知れた大場つぐみ(原作・原案)と小畑健(作画)によるコミック「デスノート」。偶然にもあるノートを手にした男子高校生が、そのノートに顔を思い浮かべながら名前を書いた人間を殺す力があることに気づき、神のような力の虜になった彼は、その恐ろしい力を持つノートを利用して、生きるに値しないと思う人々を殺し始めていくというストーリー。今回本作の監督を務めるのは、『サプライズ』『V/H/S』『ザ・ゲスト』などを手掛ける、いまハリウッドで大きな期待を集めている注目の若手サスペンス・ホラー監督アダム・ウィンガード。また、脚本にはチャーリー・パルラパニデス、ヴラス・パルラパニデス、ジェレミー・スレイターなど一流クリエイターが名を連ねている。そしてキャストには、『きっと、星のせいじゃない。』のナット・ウルフがライト・ターナー役(夜神月)を演じるほか、『ショート・ターム』のキース・スタンフィールド、モデルで女優のマーガレット・クアリーなど、ハリウッドで熱い視線を浴びる若手スターが集結している。このほど解禁された予告編では、主人公ライト・ターナーが空から落ちてきたデスノートを手にする姿からスタート。また、映像の最後には死神・リュークと思われる怪しい影と、「さて、始めよう」の不気味な声も収録されている。緊迫感ある雰囲気と共に、新たに巻き起こるスリリングなドラマを垣間見ることができる映像となっている。ウィンガード監督は、「今回、このような素晴らしい俳優陣と組むことができて光栄に思います。原作者である大場つぐみさんと小畑健さんのオリジナリティあふれるストーリーを、全世界に届けられることを楽しみにしています」とコメントを寄せている。Netflixオリジナル映画『デスノート』は8月25日 (金) よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング開始。(cinemacafe.net)
2017年03月23日2015年に上演され、話題になった『デスノート THE MUSICAL』がこの秋、2年ぶりに再演される。原作は社会現象にもなった大ヒットマンガ『DEATH NOTE』。これを豪華キャストと世界レベルのクリエイターの手で制作し、韓国でも上演された日本発信の大作ミュージカルだ。再演も楽しみな中、3月4日・5日には、夜神月(やがみ らいと)役の浦井健治・柿澤勇人(Wキャスト)、L役の小池徹平らメインキャストが集結し、東京・TBS赤坂ACTシアターにて『デスノート THE CONCERT』を開催した。『デスノート THE MUSICAL』チケット情報『デスノート THE MUSICAL』は、個性の強いキャラクターになりきった俳優たちのビジュアル再現度の高さに加え、『ジキル&ハイド』などを手がけたフランク・ワイルドホーンによる楽曲の素晴らしさも人気の要因。その音楽の良さを存分に堪能できるコンサートとあって、チケットは即日完売。劇場には大勢のファンが詰め掛けた。開幕前のステージ上にはスポットライトに照らされた真っ赤なリンゴ。『デスノート』のスリリングでスタイリッシュな世界観が早くも伝わってくる。コンサートは荘厳なエンディング曲『レクイエム』からスタート、続けてテーマ曲とも言えるナンバー『デスノート』を、浦井と柿澤、ふたりのライトが歌い継ぐ。ともにミュージカル界を代表する実力派俳優だが、2年の経験を得てふたりとも、歌声がいっそう力強くなったようだ。その後、弥海砂を演じる唯月ふうかが可愛らしいナンバーで会場を盛り上げ、小池も『ゲームの始まり』でLの決意を高らかに歌い上げる。実際の舞台の衣裳・メイクではないものの、前かがみの姿勢や上目遣いの視線に、好評だった小池のLが蘇った。死神レム役の濱田めぐみは相変わらずの圧巻の歌声。特に海砂を見守る深い愛を歌い上げる『愚かな愛』は、劇場を感動の渦に包み込む。そんな懐かしいメンバーに加え、再演で死神リュークとして参加する石井一孝も、その迫力の歌声とユーモア溢れる存在感でアピール。MCでも「自分はリュークと顔が似ているからこの役が来たのかな」と笑わせた。さらに韓国版のリューク、カン・ホンソクも参戦。鬼気迫るパフォーマンスの後、一転して人柄の良さがにじむにこやかなトークで作品への愛を語った。ワイルドホーンによるメロディアスな音楽を、日本ミュージカル界屈指の歌唱力を持つメンバーが思いいれたっぷりに歌い、さらに実際の舞台では叶わないふたりのライトが同じステージに立つ姿も観られた、豪華なコンサート。新キャストの高橋果鈴(夜神粧裕役)、別所哲也(夜神総一郎役)のビデオメッセージも流され、秋の本公演への期待も大いに高まった。さらには9月に新国立劇場 中劇場で行われる東京公演に先駆け、7月に台湾公演(台中ツアー)が決定したことも発表に。ワールドワイドに展開する日本発の舞台『デスノート THE MUSICAL』に、引き続き注目だ。
2017年03月13日ミュージカル『デスノート THE MUSICAL』の楽曲によるスペシャルコンサート、『デスノート THE CONCERT』が4日、東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演された。原作・大場つぐみ、作画・小畑健による大ヒット漫画『DEATH NOTE』をミュージカル化した『デスノート THE MUSICAL』。フランク・ワイルドホーンが音楽、栗山民也が演出を担当し、2015年4月に日本、6月に韓国で上演された。9月に日本版が新国立劇場中劇場で再演される予定だ。高校生の夜神月が、書き込むと人が死ぬ「デスノート」を手にしたことから、物語が展開していく。9月の再演に先駆けて行われたのが、『デスノート THE CONCERT』。夜神月役でWキャストを務める浦井健治&柿澤勇人、L役の小池徹平、弥海砂役の唯月ふうか、死神レム役の濱田めぐみといった初演キャスト陣、そして新たに死神リューク役を演じる石井一孝が集結した。さらに、韓国版でリューク役を演じたカン・ホンソクをスペシャルゲストに迎え、コンサートバージョンの『デスノート』が幕を開けた。荘厳なミサ曲を想起させるオーバーチュアによって始まった同公演、まずは主役の浦井ライトと、柿澤ライトがシルエットから登場し、パワーボイスをぶつけ合う。Wキャストのため、本公演では観ることのできない2人のデュエットが披露された。端麗、鋭利な浦井と、直球の情熱の柿澤のハーモニーに加え、ミサ役の唯月が歌に寄り添っていく。さらに、作中のラフな衣装とは違って、髪をまとめタイを締めたフォーマルな姿のL役・小池が現れ、力強い歌声を響かせた。また、こちらも死神姿とはまったく違うドレス姿のレム役・濱田と、スタイリッシュなリューク・石井が掛け合いを披露した。トークは、浦井と柿澤のWライトが小池を挟む形で展開。初演時エピソードなどを繰り広げた。また途中で石井が呼び込まれ、原作ソックリの"リューク顔"を見せると会場は笑いに包まれた。さらにゲストのカン・ホンソクがリューク役らしく怪奇の笑いを響かせて登場し、エネルギッシュな歌声を披露。唯月と濱田による"女子トーク"のコーナーで再び呼ばれたカンは、今回の日本滞在で寿司を堪能した話を語り、会場を盛り上げた。本公演を再現した演出も交えてのコンサートは、約80分で終幕へ。カーテンコールでは、今夏の台湾公演決定のニュースが発表された。コンサートの東京公演は終了し、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールで3月11日に行われる。また、『デスノート THE MUSICAL』は東京・新国立劇場 中劇場にて9月2日~24日に上演される。
2017年03月07日福島県の小学校で30代の教師が児童4人に対して「デスノートに名前を書くぞ」と発言していたことが今月12日に発覚しました(デスノートは、原作:大場つぐみさん、作画:小畑健さんによる人気漫画で、そのノートに名前を書かれると死ぬ、という設定)。学校は不適切だと判断して、謝罪をしたようですが、この行為に違法性はなかったのか、解説してみたいと思います。*画像はイメージです:■相手が児童ならば脅迫罪が成立するという学説が有力デスノートに名前を書かれると死ぬという設定があるということですから、教師の児童に向けての発言は、生命に対し害を加える旨を告知したと言え、脅迫罪に該当しそうです。しかしながら、デスノートに名前を書くと本当に死ぬのか、ということになると、これは単なる架空の設定であって、そのようなことは現実ではありえないということになります。そうすると、客観的な脅迫行為が存在しないということになります。ところが、学説の中には、「一般人ならば恐怖心が生じない程度の害悪の告知であっても、相手が小心ないし迷信家であることを熟知して告知する場合は、脅迫罪が成立する」という説が有力だったりします。この説に立ちますと、児童が本当に死ぬかもしれないと思っていて、そのことを教師が熟知した上でこのような言動をしたというのであれば、脅迫罪が成立することになりますね。とはいえこの辺は、検察官のさじ加減一つでしょうね。もちろん、脅迫罪が成立しないとする学説もあります。 ■民事としては民事では、児童がデスノートに書かれると本当に死ぬかもしれないと思っていて、教師がそのことを熟知した上でこのような言動をしたというのであれば、児童たちの人格権を侵害したということで、不法行為が成立し、慰謝料の対象になるものと考えられます。 *著者:弁護士 小野智彦(浜松市出身。H11.4弁護士登録。銀座ウィザード法律事務所代表。手品、フルート演奏、手相鑑定、カメラ等と多趣味。手品の種明し訴訟原告代理人、ギミックコイン刑事裁判弁護人、雷句誠氏の漫画原稿の美術的価値を求めて小学館を提訴、等の代理人を務めた。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする)【画像】イメージです*しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)
2017年01月13日俳優・東出昌大(28)が主演を務め、シリーズ最終章となる映画『デスノート Light up the NEW world』(公開中)が、公開29日目で興行収入20億円・観客動員数150万人を突破したことが28日、わかった。先月29日に公開され、初週週末興行成績ランキングで1位を飾った本作は、公開から10日間で観客動員100万人を記録。11月14日時点で131万人を超え、『DEATH NOTE』(06)の約227万人、『DEATH NOTE the Last name』(06)の約419万人、スピンオフ作『L change the WorLd』(08)の約249万人を合わせると、シリーズの累計動員数は1,000万人に達した。日本のみならず世界中にファンを持つことから、日本含む70の国と地域でも配給が決定。11月3日公開のタイ、11月10日公開のシンガポールでは初登場新作映画1位になり、どちらの国も今年公開された邦画作品の中でナンバー1の興行成績を記録するなど、海外でも快進撃が続いている。最新作にして最後の舞台となるのは、夜神月(藤原竜也)とL(松山ケンイチ)の死から10年後の世界。6冊のノートの存在が判明し、ノート対策本部捜査官・三島創(東出昌大)、Lの遺伝子を継ぐ世界的名探偵・竜崎(池松壮亮)、キラ信奉者でサイバーテロリスト・紫苑優輝(菅田将暉)の3人がメインキャラクターとして登場、三つどもえの頭脳戦を繰り広げる。■映画『デスノート Light up the NEW world』興行収入(10月29日~11月27日)観客動員数:158万7,380人/興行収入:20億4,042万600円(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年11月28日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。最終回となる第20回は、10年間シリーズと共に歩んできた佐藤プロデューサーからのラストメッセージ。○今だから"語れない"こと――今回、長時間お話しをうかがって、プロデューサーの仕事内容が多岐にわたることがよく分かりました。精神的な負担も相当なのでは?そうですね。映画事業部から今年6月にインターネット事業部へ異動になり、正直、ちょっとホッとしてしまった部分もあります。映画を作り続けることのプレッシャーって、こんなに大きかったんだと気付きました。映画を完成させるまでに、何度も心を折られそうになりますし、完成させても、そこからはビジネスとして成功に導かねばならないので、そのプレッシャーは日々重くなり、のしかかってくるんです。――そのプレッシャーはやはり、不安?うーん、そうですね、ずっと不安でいっぱいです。ほとんど自分の企画した映画を引っ張ってきているので、自分が諦めたら止まってしまうという恐怖。原作を預かり、多くのスタッフ・キャストに対して、絶対成立させなければならないというプレッシャーを抱えていつも走っています。本当にギリギリのところを渡っていることもあり、周りのスタッフに言えない心配事も山ほどあります。でも麻薬的というか、成功した時の喜びはその分大きくもあります。それこそ、『デスノート』後編の初日の大爆発は本当に幸せで、超満員の観客の拍手に何度も涙を流しました。一方で、『桐島、部活やめるってよ』(12年・以下桐島)のように興行的には大成功とは至らないけれど、評価される喜びというのも大きくあります。『桐島』は本当に沢山の映画賞をいただきましたが、それ以上に、いろんな人が『桐島』のことを熱く語ってくれること。あんなに自分の人生と重ね合わせて語ったり、映画が愛されていることを実感出来たことは、それまでは無かったので、本当に感動しました。メガヒット作品と反対の方向にある作品かもしれませんが、だからこそ、僕にとっての大きな看板となった作品でもあります。そして、神木隆之介、橋本愛、東出昌大、松岡茉優、大後寿々花、落合モトキ、太賀、清水くるみ、山本美月、藤井武美、浅香航大、鈴木伸之……あの作品で出逢った若き才能を本当に愛していますし、今でもつながっている大事な役者たちです。『デスノート』は……(藤原)竜也くん、松ケン(松山ケンイチ)、(戸田)恵梨香ちゃんについても話せること、まだまだありますよ。もちろん、話せないこともたくさんあります(笑)。○「映画事業部に戻りたいとは思わない」――1994年に入社されて、2003年に映画事業部に。映画と関わった13年を振り返っていかがですか。このタイミングというのも不思議ですね。本格的な映画プロデューサーデビュー作である『デスノート』に始まって、『デスノート』で一旦の区切りとなる。僕にとって大事な作品であり、縁深い作品なんでしょうね。今回の本ポスターのコピー「これですべてを終わらせる」は僕がつけたものですが、終わりというよりも、ケジメをつけることを意識したものです。昨今の日本で問題となっている事件や不祥事は、みなケジメをつけられない大人たちの問題のような気がして。ちゃんとケジメというか決着をつけようぜ! という宣言のつもりです。それだけの作品になったと自負しています。映画事業部で13年間。20本を越える映画を作ることができました。2年前に管理職になっていたので、一度は異動しなければならないことは感じていました。ただ、インターネット事業部というコンテンツに近い場所で、映画作りとは密接に関係している部署なので、相変わらず運がいいなあと思っています(笑)。テレビ局として放送と通信の垣根はどんどん無くなっていますし、コンテンツを楽しむ方法も動画配信だけでなく、いろんな進化が日々起こっています。「映画」というものは無くならないと思いますが、どうやって観られるのか? 楽しまれるのか? は大きく変わっていくでしょう。だから、この部署でしっかりと「未来」を見据えて、走っていきたいなあと思っています。「映画事業部に戻りたい」とは思っていません。「映画」自体の楽しみ方もドンドン変わっていくでしょうから、どこの部署ということではなく、自分で「映画」を引き寄せられるような仕事をしていきたいなあと考えています。いろいろと新しい仕掛けを狙っていきたいので、お楽しみに(笑)。○デスノートに人生を捧げた男の選択――さて、長時間のインタビューもそろそろ締めくくりたいと思います。公開前の心境としては?※2016年10月に取材僕はこういう展開を妄想しています。『君の名は。』が週末ランキング9週連続でトップになる。そして、10週目に『デスノートLNW』が公開となりますので、我々が『君の名は。』の10週連続トップを阻止します!! 東宝の川村元気プロデューサーを止めるのはこの僕、佐藤貴博プロデューサーだ! まぁ、「10週目に勝っても……」というツッコミは入ると思いますが(笑)。―― そうなることを願っています(笑)。最後に1つだけ。一人で部屋にいて、デスノートが降ってきたら。佐藤さんは、どうしますか?……書いてみると思います。たぶん、自分の名前を。――試しに?はい(笑)。――あんな映画を作っていて、使っちゃうんですか?いやあ10年間も「デスノート」のことを考え続けてきたので、いわば「デスノート」のトリコですよ(笑)。絶対、「デスノートを使う」という魅力に勝てないと思います。でも、誰かを犠牲にするわけにはいかないので、まあ自分の名前を書くかなと。「デスノート」の凄いところは、自分で死ぬタイミングを決められることでもあると思うんです。なかなか好きには死ねないですから。なので、自分で死ねることを決められるのであれば、それは使うでしょ。あっさり死ねる幸せというか。……なんか自殺志望者みたいですが、違いますよ(笑)。でも、こんなことを考えてしまう魔力が「デスノート」にはあるんです。デスノートって、本当に面白いですね。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。
2016年11月11日現在公開中の『デスノート Light up the NEW world』。この度、11月9日(水)に栃木県・109シネマズ佐野にて、大ヒットファン感謝祭イベントが実施され、「デスノート対策本部」のデスノートを追う男・三島創役を演じた東出昌大が登壇した。伝説となった映画『デスノート』誕生から10年目となる今年、“正統な続編”として放たれた完全新作映画『デスノート Light up the NEW world』。10月29日に公開された本作は、初週週末興行成績ランキングでNo.1を獲得。そして公開からわずか10日間で観客動員100万人を突破し大ヒットとなっている。この日、来場者400人の前に登場したのは、東出さんと宣伝を陰ながら支えてきた“死神見習い”リューくん。登場するやいなや場内からは大歓声が巻き起こり、東出さんは「公開前の舞台挨拶はプレッシャーがあり、色々考えてしまっていたんです。でも、こうやって好調なスタートを切れて嬉しく、今日はお祭り気分で楽しくできたらと思っています」と挨拶。そして、イベントでは来場者から質問を募集。東出さんは「何でも答えます!(笑)」と意気込み、好きな“お笑い芸人”のモノマネや結婚生活について、全3問に回答。その内、子育てについての質問では、舞台から降り質問者のところまで出向いて耳元で答える姿も。そんな東出さんの神対応に場内は大興奮。質問者は「かっこよ過ぎて、あまり内容を覚えてない」とコメントし、東出さんは思わず照れ笑いしていた。さらにイベント終盤では、プロデューサーから本作で共演した「池松壮亮と菅田将暉、どっちが好き?」という質問が。東出さんは「なんですか!その質問」と笑いながら、「実は、高良健吾から遊ぼうと連絡がきて、仕事があったので断ったら2通目にあの2人と番宣頑張ってるなとメールが来ました(笑)あの2人は本当に面白いですね」とコメント。続けて「たくさん今回の映画に関する取材を受けましたが、本当にネタバレ要素が多くて大変でした。今日はもっと僕の役柄を広げてお話したいなと思いまして…実は三島はデスノートを使ってます」と暴露!突然の出来事に場内からは驚きを隠せない声が上がっていた。最後に東出さんは「僕はこの作品を見終えた後、正義ってなんだろうと考えました。安室さんの主題歌『Dear Diary』がとにかく素敵に包み込む、エンドロールの最後まで観ていただけたら幸いです。観終わった後も、周りの方々と“あれなんだっけ”“どうゆうことだっけ”と会話を楽しんでいただけたらと思います」とメッセージを送った。なお、本作は日本のほか70の国と地域で公開が決定しており、すでに今月3日からタイで公開され、初登場新作映画で第1位を獲得している。『デスノート Light up the NEW world』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年11月10日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第19回は、東出昌大を俳優の道へと導いた"陰の恩人"が明らかに。○オーディションでは「迷わず」落としていた――東出昌大さんにお話をうかがったところ、佐藤さんを「恩師」とおっしゃっていました(2016年10月28日にインタビュー記事を掲載)。そんな「恩師」とは大げさな(笑)。映画『桐島、部活やめるってよ』(12年・以下『桐島』)という彼にとって人生のターニングポイントとなった作品をプロデュースしたのは事実ですが、『桐島』は僕にとっても大きくて大事な作品なので、彼のことを僕は同志だと思っていますよ。東出くんとの出会いは『桐島』オーディションのエントリーシートです。500人近い資料をまず僕が選別しました。さすがに吉田大八監督に何百人にも会ってもらうわけにもいかないので。100人以下に絞りましたが、実はその段階で東出くんを僕は落としています。高校生たちの生々しい青春を描きたいと思っていたので、当時現役高校生だった神木隆之介くんと橋本愛ちゃんを既に決めていました。その主演とヒロインに合わせて基本は10代、少し上でも22歳までで切ろうと思っていたので。その時、東出くんはもう23歳だったし、年齢よりさらに大人びて見えるアーティスト写真だったので、迷わずに落としてました(笑)。そんな足切りから東出くんを救ったのは、枝見洋子プロデューサーです。『桐島』の企画を僕に提案してきた若手Pで、僕について『桐島』でプロデューサーデビューをしようとしていたところでした。枝見は最初から東出くんに目をつけていたみたいで、僕にどうしても会って欲しいというので、そこまで言うならと繰り上げ当選させて、オーディションに呼びました。だから「恩師」というなら枝見Pじゃないですかね(笑)。そこからオーディションを重ねていくわけですが、僕の中でなかなかゴーサインを出せませんでした。都合6回くらい東出くんを呼んでいるはずです。ただし、東出くん以外にもイイと思える人間もいなかったのも事実で、悩みましたね。もうスケジュール的に決定しなければならない段階のオーディションが終わったところで、吉田大八監督が「佐藤さん、宏樹役は東出昌大しかいないでしょう。僕は彼と心中してもいいと思ってます」と覚悟の発言をされました。監督にそこまで言われたら、僕もノーとは言えません。その場で東出くんに決定の連絡を入れました。まあ、吉田監督はこの「心中発言」について、いつも「僕はそんなこと言ってません」と否定するんですけどね(笑)。○勝負作を任せる意味――先程、今回の起用のエピソードでもありましたが、舞台をご覧になって即決したと(連載第13回より)。今回は迷わなかったんですね。はい。東出くんが数々の経験を積んで、大きく飛躍しているのを感じましたし、何より今回の映画の役柄が彼にバッチリとはまっていたからです。松ケンもLという、松ケンにしか出来ない「役」に最高のタイミングで出逢う縁を持っていた。そしてLからスターになった。スターになる人は、そういった「ハマリ役」と出逢える運と縁を持った人なんだと思います。東出くんは『桐島』の宏樹役でデビューのきっかけを掴み、そしてまた更なる高みを目指すであろう今回の主役の座を射止めた。そしてこれは僕の中だけのことですが、僕の勝負作の主演を東出昌大に任せるというのは、とても意味あることなという思いもあり。とにかく、映画を観ていただければ、今回の主役が東出昌大でなければならなかった意味を分かっていただけると思います。久しぶりに一緒に仕事をして、彼の座長気質な一面も垣間見ることができました。デスノート対策チームに、池松くんを加えたメンバーで「反省会」という名の飲み会を毎晩開催していたそうです。その飲み会は常にホテルの東出くんの部屋だったそうで(笑)。毎日、自分の家に帰ることなく、仲間たちとずっと一緒にいられる地方ロケの醍醐味ですね。映画『桐島』も高知で1カ月ほどのオールロケ。キャストもスタッフも同じホテルに泊まり、もはや修学旅行のようでした(笑)。キャストはほぼ高校生役の若い俳優たち。まあ濃厚な時間を過ごしたんだと思います。東出くんはデビュー戦ですから、俳優としての経験が全く無い中での長期ロケ撮影でしたは、その時から彼の周りに人が集まっている感じでした。撮影を終えて、東京に戻ってからも、彼の家が「桐島メンバー」のたまり場だったそうです。そして今でもその関係性は続いているみたいですよ。愛されキャラで、みんなが集まるところの真ん中にいる人。それが東出昌大です。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年11月09日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第18回は「佐藤Pまさかの異動!?」とHulu配信中の『デスノート NEW GENERATION』にまつわる秘話。○「映画」から「動画」の世界へ――佐藤さんは映画事業部からインターネット事業部に異動になったと聞きました。今年の6月1日付けで異動になりました。その部署名の通り、日本テレビのインターネットに関わること全てに携わる部署ですが、その中でも僕は「動画配信」にまつわる全てのマネージャーというポジションに就きました。もちろんHuluも管轄します。今回の新作ではHuluオリジナルドラマを制作して既に絶賛配信中ですが、それはたまたまです(笑)。Huluとの連動は続編映画企画の当初から考えて進めていたことなので。そのオリジナルドラマは、映画の主要キャスト3人それぞれを主人公として描き出す3つのストーリー。捜査官・三島(東出昌大)が夜神総一郎の志を継いで「デスノート対策チーム」のエースとなるまでを描く『三島篇~新生』。Lの後継者・竜崎(池松壮亮)が「デスノート」捜査に関わるきっかけ、そして「Lを超えよう」となぜ思ったのかを描く『竜崎篇~遺志』、サイバーテロリスト・紫苑(菅田将暉)がキラを信奉する理由、そして初めてデスノートを使用する「その時」を描く『紫苑篇~狂信』。3本のドラマが映画に繋がっていくのはもちろんですが、それぞれのストーリーがリンクし合っていますので、映画を観る前だけでなく、観た後にもいろんな発見があって楽しめると思います。○デスノート10年目の総決算――スピンオフをHulu配信オリジナルドラマとして制作した狙いとは?2006年の前作は、そもそもが二部作連続公開という、昨今の連続公開の先駆け的な試みをしていましたし、後編公開前に掟破りの前編を地上波放送してしまうなど、チーム「デスノート」はかなり挑戦的な企画を実行してきました。10年後の今回も、チーム「デスノート」ならではの「挑戦」的なことをやりたいと思い、10年前にはなかった「動画配信」に取り組んでみました。日テレがHuluを買収して3年。日テレが一番力を入れている部門でもあるので、Huluで何かを展開することが、もっとも日テレを動かすことができるので、よりプロモーションを大きくできる。そういった意味でも、Huluといい形の連動が出来たと思っています。もちろん強引に進めた訳ではなく、Huluとしても「デスノート」というタイトルの強さを理解していて、すぐにコラボは決定しました。さらに、旧作映画二部作に加えて、スピンオフ映画、連続アニメ、連続ドラマといわゆる「ストックコンテンツ」も豊富に揃っている。この「ストックコンテンツ」をHuluだけでなく、あらゆるメディアで展開していくことで、「デスノート」認知の拡大につながり、もちろん売上も上がるという、「デスノートワールド」で積み上げてきたものの総決算という10年目にふさわしい展開になったと思います。――Huluオリジナルドラマが3話の前日譚になったのは?Huluとしては、1本よりも複数本あった方がありがたいという希望を受けて、主要キャスト3人それぞれの話を作ろうと僕が骨子を作りました。本当は、映画本編撮影と一緒にオリジナルドラマも撮れれば一番効率的なのですが、もう映画自体のスケジュールがイッパイイッパイになってしまって。とにかくまずは映画を撮り終えることに集中して、改めてキャスト・スタッフのスケジュールを探って、映画撮影後の3~4月に脚本を作って、5月に撮影しました。――いろいろな映画につながるアイテムやストーリーが詰まっていたので、映画と並行して撮られていたかと思っていました。いや、それは逆に映画を撮り終えた後に脚本を作ったからこそ、いろんな補完やネタを詰め込めたんです。ただし、ものすごくタイトなスケジュールだったので、現場スタッフからは怒られました(笑)。本当はもっとゆったり撮ることもできたのですが、(佐藤)信介監督がキャストよりも忙しくて(笑)。福士蒼汰さん主演の『BLEACH』(18年公開)の撮影が控えていたんです。スピンオフは別の監督が撮ることも多いですが、信介監督は「自分で撮りたい」と。もちろん、信介監督に撮ってもらった方が、作品に統一感も生まれますし、何より信介監督はもともと自主映画の人なので、機動力や工夫が必要なショートフィルムも得意だし大好きなんですよね。信介監督のスケジュールはタイトでしたが、その熱い思いに応えることで、映画本編と同じキャスト、同じ監督という、昨今のスピンオフでは実現していない最高の座組みで臨むことが出来ました。○なぜ紫苑篇で強烈メッセージ?――三島と竜崎の回は、ポテチやひょっとこお面といったおなじみアイテムを取り入れるなど、全体としては緊張感に溢れる重厚なドラマでありながら、遊び心を感じました。特に紫苑の回には強烈なメッセージが。まさに「罪と罰」というか。過去の罪を償った人間は裁かれるべきか否かという。はい、紫苑篇が最終話なので、「デスノート」らしいテーマで締めくくろうとは思っていました。でも、あそこまで重くするつもりはなかったんですが(笑)。脚本打ち合わせを重ねる中で、加速していった感じなんです。最初は紫苑が、善悪ではなくただ「犯罪者」を殺していくという話でした。それも過激なのですが、ヒリヒリ感はない。その時点では、紫苑にも犯罪者にも観客が感情移入するポイントがなかったから。そこで感情移入するポイントを作った上で、それを裏切ろうと脚本の真野さんにオーダーを出しました。それによって、より紫苑が一線を踏み越えてしまう狂気の部分を描くことが出来たと思います。一体、何が正義で悪なのか。観る人の信条や心情で変化していくものだと思いますし、人間のその揺らぎこそが『デスノート』の真髄だと思います。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年11月08日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第13回は、『デスノート Light up the NEW world』の"後継者争い"でぶつかり合う3人の「起用秘話」。○俳優としての進化とスター誕生――『デスノート』続編の製作が決まりキャスティング検討中に、東出昌大さんを舞台終演後にたずねて、楽屋で「大きな作品があるから」と予告したそうですね。デスノート対策チーム捜査官・三島役は彼しかいないと。主役のキャラクターとそれを演じる俳優をどうするのか、(佐藤)信介監督と話し合っていましたが、なかなかこれだ!という決定的な方向性を出せずにいました。そんな中で東出くんの初舞台を観に行って、彼が薄明りのステージで静寂の中スッと立っている姿を見たときに「東出で行ける!」と思ってしまったんです。本当に申し訳ないんですが、当時は『デスノート』のことが頭から離れず、『デスノート』のことを考えながら舞台を観てしまっていて。思いついてしまった勢いで、信介監督らに相談することなく、本人に「大作オファーするからよろしくな!」と言ってしまったんです(笑)。――佐藤さんがプロデュースした映画『桐島、部活やめるってよ』(12年・以下桐島)が、東出さんの俳優デビュー作ですね。はい、映画『桐島』以前の東出くんはモデルとしては活躍してましたが、演技の経験は全くなし。そんな彼をオーディションで抜てきしました。『桐島』はだから本当にデビュー戦で、東出くんも、ただただ必死に周りについていくという感じでした。でも、その無心さだったり、技術では出せない天性の存在感だったりが評価されて、その年の新人賞を総ナメしてしまいました。まさにスター誕生を目の当たりにしたという感じです。その時の彼には「作品を背負う」なんて感覚はもちろん無かったでしょうね。その後、私は『寄生獣』(14年・15年)をオファーしますが、この時も主役ではなく、でもある意味「オイシイ役」。エキセントリックな役柄でしたが、見事に不気味に演じてくれました。デビュー戦とは全く違う幅を見せてくれて、役者として日々進化していることを感じさせてくれました。そして、前述の舞台もそうですし、映画やドラマでも主役をドンドン務めるようになってきた。そろそろ私も東出くんとガッツリ組みたいと思ってはいました。ただ、私が東出くんに投げるのであれば、普通の球じゃ面白くないとも思っていました。だから彼とは縁があるんだと思います。私自身の最も思い入れのある作品の主役に、彼が演じることがベストと思える状況で再びめぐり合うことができた。東出くんにとっては、ただでさえ「デスノートを背負う」というのは大変なことだと思うのに、私という役者誕生以前を知っている厄介な存在からのオファーという断りづらいものだったので、相当ツラかったんじゃないですかね(笑)。でも、私の思いをしっかりと受け止めて、デビュー戦では考えられなかったほどに、真摯に作品を背負ってくれた。演技力に定評がある池松壮亮と菅田将暉を脇に置いて真ん中に立つというのも覚悟が必要だったと思いますが、それを含めて彼は背負った。そして、その2人に自分を認めさせ、リスペクトされる座長として作品を引っ張ってくれた。本当に凄いことだし、感謝しています。○橋本愛も絶賛する魅力――池松壮亮さんは、松山ケンイチさんが演じたLの後継者・竜崎役。こちらも相当なプレッシャーだったのでは。映画『桐島』の翌年、吉田大八監督が脚本演出した舞台『ぬるい毒』(13年)に、吉田監督の熱いオファーを受けた池松くんが出演していて、観劇後、少し会話もしました。とんでもなく恐ろしい役でした。普通の青年なんですが、とてつもない悪意を持った男を彼が、淡々と、しかし全く底の見えない恐ろしさを隠し持ちながら演じていた。その舞台の主演は私や信介監督の『GANTZ』(11年)で一緒だった夏菜ちゃん。少年のように人懐っこい女性なんですが、彼女が壊れてしまうくらいに完璧に陥れていました。観ているこちらも弄ばれているような感覚になってしまって、完全に池松くんに精神を蹂躙されてしまった(笑)。そして、舞台上の池松くんはとてつもなくセクシー。なんて恐ろしい役者だと思いました。映画『桐島』から仲良くさせてもらっている橋本愛ちゃんに『ぬるい毒』の池松くんにやられてしまった話をしたら、「佐藤さん、今さら何を言ってるんですか!」と怒られてしまって(笑)。2人は『大人ドロップ』(14年)で共演していますが、「あの人のようなセクシーな役者は、なかなかいない」と絶賛していました。Lは強烈すぎるキャラクターなので、後継者が同じアプローチをしても真似にしかならないかもしれない。全く違うアプローチで攻めると考えたときに、外見の奇妙さではなく、内面から出てくる恐ろしさで勝負したら面白くなるのではないか?そして、Lを超えようとする男を、松山ケンイチの後輩が演じたら、その背景により深みが加わるかもしれないとも考えると、それはもう池松壮亮しかいない。そうやって、池松くんに決定しました。○2年先まで埋まっていたスケジュール――菅田さんはキラの信奉者でサイバーテロリストの紫苑。こちらも難役ですね。三島と竜崎というある種の天才二人が疑念を持ちながらも、対決していく敵はもちろん強大でなくてはならない。なので、紫苑役には、三島と竜崎が協力してもかなわないかもしれないと観客が思うくらいのオーラを持った存在が欲しいと、信介監督は希望していました。また、紫苑には若さや青さによるイノセンスな部分も表現してもらいたかったので、若手のカリスマを探していました。菅田くんはもちろん最初から候補には上がっていましたが、彼はその時点で「2年先まで(スケジュールが)埋まっている」と言われるほどだったので、諦めていました。しかし、ある日、菅田くんの事務所から電話があって映画を探していると。何か急遽スケジュールが空いたのかもしれませんが、その場で紫苑の話をして速攻オファーを出しました(笑)。実は一番難しい役なのかもしれません。キラの信奉者であり、若者特有の危うさと天才性、そして狂気。イノセントな存在でいてほしいなと思っていたので、衣装は白。結果、見事に人間離れした雰囲気を体現してくれました。彼もいろいろアイデアを出していて、衣装合わせで白のイメージを提案したのは菅田くんですね。紫苑はキラ信奉者ですが、菅田くんとしてはワイミーズハウスのニアやメロのイメージも織り込んでいた。それを受けて、何か天才を現すアイテムというか小道具を持たせようと。そこで思いついたのが、幾何学折り紙。筑波大学の三谷純さんの立体折り紙アートはまさにイメージ通りでした。デスノートに登場するキャラクターは皆、何か特徴的なアイテムをもっていたりするので、折り紙は紫苑らしさをうまく伝えることができたアイテムになったと思います。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年10月31日東出昌大を主演に描く『デスノート Light up the NEW world』。この度、10月29日(土)に公開された本作が、初日から2日間で458,645,800円、動員数342,309人を記録したことが分かった。本作は、映画と現実の時間軸を同じに、サイバーテロが横行する超高度情報化社会となった2016年舞台を移し、物語が創り上げられた。キャストには、「デスノート対策本部」のデスノートを追う男・三島創役の東出さんを始め、デスノートを封じる男・竜崎役の池松壮亮、デスノートを制する男・紫苑優輝役に菅田将暉。さらに、“ミサミサ”こと弥海砂役の戸田恵梨香や、死神・リューク役の中村獅童も続投している。全国342館にて公開された本作は、初日の動員数は168,317人、興行収入は227,152,300円。30日は173,992人、興行収入は231,493,500円。2日間の興行成績は、30億円を突破した『るろうに剣心』対比で115%、『DEATH NOTE』との対比は113%。さらに、週末興行成績ランキングのNo.1を9週連続獲得していた新海誠最新作『君の名は。』を抜き、本作がV10を阻止するかたちとなった。また、客層は10~20代の男女を中心に、その家族や原作ファンの30代以上男性などが多く見られ、男女比は4:6。SNS上では、まだ観ていない人たちの「早く観に行かなきゃ!」というコメントが目立ち、世代・性別に限らず幅広く楽しめるエンターテインメント作品として、今後の興行成績にも期待が高まる。『デスノート Light up the NEW world』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年10月31日2016年10月29日、30日の全国映画動員ランキングは、『デスノート Light up the NEW world』(全国342館)が初登場で首位を飾り、『君の名は。』(全国344館)は、公開10週目で2位になった。その他の画像『デスノート…』は、夜神月とLの死から10年後を舞台に、東出昌大、池松壮亮、菅田将暉の共演で描くシリーズの続編。デスノート対策本部の捜査官、探偵、サイバーテロリストの3人が、6冊のデスノートをめぐる壮絶な戦いを繰り広げる。そのほか『インフェルノ』(全国347館)が初登場3位、『映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』(全国213館)が初登場4位、そして『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』(全国192館)が初登場6位に入った。次週は『溺れるナイフ』『劇場版マジェスティックプリンス 覚醒の遺伝子』『コンカッション』『コウノトリ大作戦!』『ソーセージ・パーティー』『続・深夜食堂』『ぼくのおじさん』『ボクの妻と結婚してください。』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『デスノート Light up the NEW world』2位『君の名は。』3位『インフェルノ』4位『映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』5位『何者』6位『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』7位『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』8位『金メダル男』9位『スター・トレック BEYOND』10位『映画 聲の形』(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年10月31日藤原竜也と松山ケンイチが競演した『DEATH NOTE』『DEATH NOTE the Last name』に続く、10年ぶりの“正統な続編”『デスノート Light up the NEW world』。このほど、本作で東出昌大が演じるデスノート対策本部捜査官・三島創と、池松壮亮が演じるLの遺伝子を継ぐ世界的名探偵・竜崎が、演技を超えて(?)“ガチ”でぶつかり合う本編映像が解禁となった。夜神月(藤原さん)とL(松山さん)の対決から10年後の現在、2016年が舞台となる本作。デスノートを使って犯罪者を粛清し、理想の社会を作り上げようとしたキラ=月とは逆に無差別殺人を行う“思想なき”デスノート所有者・青井さくら(川栄李奈)や、キラを信奉するサイバーテロリスト・紫苑優輝(菅田将暉)が姿を現す。届いた映像は、とある事件で、仲間を失ったデスノート対策本部特別チームのシーン。悲しみに暮れる中、対策本部の解散を告げられた特別チームの面々に向かい、竜崎は「1人の死は悲しみだが、大勢の死は統計に過ぎない」との言葉を言い放つ。その言葉に、三島は怒りをあらわにし、「お前…」と竜崎の胸ぐらをつかむ。すると、竜崎は強く三島の体を突き飛ばし、「来いよ」と挑発。すかさず、対策本部メンバーの浦上衛(大迫一平)が「落ち着いて…」と2人を止めに入るが、実はこのシーン、本当に一触即発の状態で撮影されていたという。本シーンでは、東出さんも池松さんも、用意されたセットの中で自身が演じる役はどのような動きをするのかをそれぞれ考えていたため、個別に佐藤信介監督に相談していたという。東出さんは「竜崎の言葉には、役を離れて僕自身カチンと来て。あの撮影のときは、佐藤信介監督に事前に『あんな言い方をされたら、僕も冷静ではいられないかもしれません』って言っていたんですが、竜崎を演じた池松くんは池松くんで、監督に『三島を炊きつけますけど、それで殴られたら捜査に協力できないっすよ』と言っていたみたいで(笑)」と明かす。「でも、池松くんは、テストではやらないのに、本番になるとちょいちょい挑発してきたから、本当にイライラさせられました。まあ、そこで生まれる勢いや熱が反映される現場だったので、そこはワクワクしましたね」と語り、その結果、撮影では本当にこのまま2人が喧嘩してしまうのではないかと思われるほどの緊迫感が!映像からも、その雰囲気がにじみ出るほど迫真の演技を2人は披露した。さらに映像は、ICPOにより警視庁のデスノート対策本部に送り込まれるも、協力する気はなく独自のスタイルで捜査を進める竜崎が、「1つ言っておくが、お前らが解散しても探偵の俺には何の関係もない。俺が全てを終わらせるよ」と言葉を残して立ち去り、その言葉に違和感を覚える三島の表情で結ばれている。お互いデスノートを追い、事件解決を望むものの、デスノート封印を目指す三島と、Lを超えるやり方で事件解決を目指す竜崎。それぞれが譲れない正義を懸けた究極の頭脳戦を、劇場で目撃してみて。『デスノート Light up the NEW world』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年10月30日国民的コミックを実写化する人気シリーズ最新作『デスノート Light up the NEW world』の初日舞台挨拶が10月29日(土)、東京・新宿ピカデリーで行われ、東出昌大、池松壮亮、菅田将暉、佐藤信介監督が出席した。デスノートで世界を変えようとしたキラこと夜神月と、暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵・Lの頭脳バトルを描いた『デスノート』『デスノート the Last name』(ともに2006年公開)から10年後。デスノート対策本部捜査官・三島創(東出さん)、Lの後継者である竜崎(池松さん)、キラの信奉者でサイバーテロリストの紫苑(菅田さん)が、人間界に舞い降りたデスノート6冊の争奪戦を繰り広げる。主演を務めた東出さんは、「プレッシャーもありましたし、こうして公開を迎えたことで、やっと肩の荷が降りました」と安堵の表情。「偉大な前作の誇りと覚悟を受け継ぎ、スクリーンに存在しないといけないと思った。観終わった後、いろいろなことを話し合うのが『デスノート』だと思うので、ぜひ2度、3度とご覧ください」とアピールしていた。佐藤監督も「伝説の10年後を描き、いまを生きる『デスノート』を作れた」と誇らしげだった。ハロウィンにちなんだ「3人のうち、誰に化けたい?」という質問に、「たっぱ(身長)があって、見える世界が変わりそう」(池松さん)、「以下同文。パリコレに出たい」(菅田さん)という理由で、2人とも東出さんの名前を挙げた。当の東出さんは「池松くんですね。竜崎もそうですけど、色気がスゴイ」と話していた。ところが、なぜか会場の盛り上がりはイマイチで、登壇者が何を語ってもリアクションは薄味…。東出さんは「何これ、やばい…」と冷や汗をかいていた。『デスノート Light up the NEW world』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年10月29日俳優の菅田将暉(23)らが29日、東京・新宿ピカデリーで映画『デスノート Light up the NEW world』の初日舞台あいさつを行った。この日は菅田のほか、東出昌大(28)、池松壮亮(26)、本作でメガホンをとった佐藤信介監督(46)が出席。「これだけは主要キャストの2人に負けない」というトークテーマで、キラ信奉者・紫苑を演じた菅田は「白が似合う」と胸を張る。「紫苑カラーということで取材等すべて白(の衣装)。そろそろ弾切れで」と明かし、「最後の白で来た」と報告した。一方、佐藤監督は「すばらしいキャストに恵まれた」と謝意を示した上で、「菅田さんに最初に会った時にメロをやりたいと言われて」と思い出エピソードも。菅田が「ごめんなさい、変なこと言って」と素直に謝って笑いを誘う中、佐藤監督は「僕が難しいことを言っても、小さな穴にボールを打ち返すように探りながらやっていただいた」と役者としての姿勢を絶賛。「本当に力強く、支えになりました。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を伝えた。これまで『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)の3作が制作された『デスノート』実写映画シリーズ。最新作にして最後の舞台となるのは、夜神月(藤原竜也)とL(松山ケンイチ)の死から10年後の世界。6冊のノートの存在が判明し、ノート対策本部捜査官・三島創(東出昌大)、Lの遺伝子を継ぐ世界的名探偵・竜崎(池松壮亮)、キラ信奉者でサイバーテロリスト・紫苑優輝(菅田将暉)の3人がメインキャラクターとして登場、三つどもえの頭脳戦を繰り広げる。
2016年10月29日東出昌大、池松壮亮、菅田将暉という、日本映画界の若き牽引者たちが一挙に集結し、10年ぶりのデスノート争奪戦を描く『デスノート Light up the NEW world』。このほど、数々の映像・音楽イベントを手がけてきた映像クリエイター集団「BRDG」の新進気鋭クリエイターが手がけた、本作のスポット映像5本が解禁!安室奈美恵の主題歌「Dear Diary」や劇中歌「Fighter」にのせ、それぞれが異なるコンセプトでデスノートの世界観を表現する。1冊のノートで世界を変えようとしたキラこと夜神月(藤原竜也)と、彼を阻止しようとしたL(松山ケンイチ)の壮絶な戦いから10年。サイバーテロが横行する超高度情報化社会となった2016年を舞台に、本作では、宿命を背負う3人の者たちによるデスノート争奪戦が繰り広げられる。今回解禁となったのは、新進気鋭クリエイター「BRDG」の人材が作り上げたスポット映像だ。人気動画共有サイト「Vimeo」のレコメンド枠「STAFF PIC」を多数獲得し、欧米のメディアやアーティストからもオファーや賞賛が相次ぐ彼らは、最近では3Dホログラムを駆使したイベントが大きな話題を呼び、全公演がソールド・アウトとなるほど。そんな「BRDG」が5組のクリエイターを選出し、それぞれが“女子がキュン”“大人っぽい”“ハロウィン”“ハード・イメージ”“コミカル”という異なるコンセプトに沿って、6秒または9秒という超ショートタイムに、映画の名シーンを瞬間的に散りばめたスポットを制作した。安室さんによる主題歌「Dear Diary」にのせ、(1)“女子がキュンとする”映像を手がけたのは、林響太朗とhydekick。映像のみならず、インスタレーションやプロジェクションマッピングのクリエイションに数多く関わる2人は、物憂げな表情を浮かべる三島(東出さん)、着替え途中の紫苑(菅田さん)、感情をむきだしにする竜崎(池松さん)をそれぞれとらえ、まさに女性心をくすぐる映像に仕上げている。また、劇中歌「Fighter」にて、(2)“大人っぽい”映像を制作したのは、プログラミングを駆使し、国内外問わず様々なアーティストのライブビジュアルやMV、インスタレーションのサポートなどを手がけるKezzardrix。6冊のデスノートをはじめ、本作のキーポイントとなるシーンをクールに切り取っている。フリーランスの映像作家として活動中の山地康太は、(3)“ハロウィン”をコンセプトに、独自の色彩感覚を生かして主題歌「Dear Diary」で。劇中歌「Fighter」を使用し、畳み掛けるようなアニメーションを融合させた(4)“ハード・イメージ”な映像を制作したのは、「BRDG」を代表するクリエイターの1人で、東京を拠点として活動するテクニカル・アーティストの高橋啓治郎。そして、言葉・図形譜をテーマにCGの有限性を意識したアニメーション作品を発表してきた大橋史さんは、劇中歌「Fighter」を用い、不可思議で(5)“コミカル”な映像を手掛けている。5人独自の感性と本作の世界観が見事に融合した、エフェクティヴな映像やクールな告知デザインには要注目。本作をよりいっそう盛り上げてくれそうだ。『デスノート Light up the NEW world』は10月29日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月28日10月28日(金)今夜の「金曜ロードSHOW!」では映画『デスノート』シリーズを再構成した特別編『デスノート 逆襲の天才』をオンエアする。『デスノート』シリーズは原作・大場つぐみ、作画・小畑健のコンビが2003年から2006年にかけ「週刊少年ジャンプ」に掲載され、当時爆発的人気となった同名コミックがベース。2006年には『DEATH NOTE』『DEATH NOTE the Last name』の2部作として実写映画化された。今回放送の特別編『デスノート 逆襲の天才』では『DEATH NOTE』『DEATH NOTE the Last name』の2部作に10月29日(土)公開のシリーズ最新作『デスノート Light up the NEW world』につながるストーリーを加えて物語を再構成。最新作に出演する東出昌大演じるデスノート対策本部の捜査員と池松壮亮演じる“Lの後継者”の視点で映画2部作を1つの物語に仕上げている。2016年、10年前を思い出させる連続不審死事件が新たに世界中で発生。「デスノート対策本部」の捜査官・三島(東出さん)は、デスノートの所有者だった“キラ”こと月(藤原竜也)を研究し尽くし今回の事件を新たなキラの出現と確信。当時キラと壮絶な頭脳戦を繰り広げた世界的名探偵・L(松山ケンイチ)の後継者・竜崎(池松さん)もデスノート捜査のために日本にやってくる。2人は新たなキラに対抗するため月とLそれぞれのデスノートとの関わりをふり返る…。正義感の強い刑事・総一郎(鹿賀丈史)を父に持ち名門大学で学ぶ月は、罪を犯したすべての人を罰することができない法制度に疑問を抱いていた。そんなある日彼は一冊のノートを手に入れる。死神リュークが人間界にもたらした名前を書くだけで人を殺すことができる「死神のノート」。これを使えば犯罪のない社会を実現できるという思いから月は世界中の犯罪者を粛清し続け犯罪率を急激に減少させる。月は“救世主=キラ”として世界中から熱狂的な支持を集める。犯罪者の連続不審死について総一郎たちが本格的に捜査を開始する中、Lが来日する。Lはキラの人物像をプロファイリングし月=キラだと確信するが決定的な証拠をつかむことができない。一方、婚約者をキラに殺害されたナオミ(瀬戸朝香)は月の恋人・詩織(香椎由宇)を人質に月を追い詰める。この事件を契機に月は「キラ対策本部」に入り込むことに成功するがその矢先、新たな事件が発生。死神・レムから新たなデスノートを手に入れた第2のキラ、それはアイドルの弥海砂(戸田恵梨香)。月はキラに心酔する海砂と接触し彼女を利用してLを抹殺しようと決意する…という物語。最新作に繋がる衝撃のラストを見逃しなく。東出さん、池松さんが出演する最新作『デスノート Light up the NEW world』は10月29日(土)より全国にて公開。シリーズの“正統な続編”として完全新作で製作され、原作に設定がありながらも使用されることのなかった“6冊ルール”を駆使し繰り広げられる極限のデスノート争奪戦を描く。前シリーズでの月とLの死闘から10年を経た2016年、死神が再びデスノートをばらまき世界中は混乱に陥る。この未曽有の状況に立ち向かう捜査官・三島(東出昌大)、Lの正統な後継者として捜査に協力する竜崎(池松壮亮)、彼らを翻弄する狂気の男でキラの復活を目論むテロリスト・紫苑(菅田将暉)らの戦いが展開。弥海砂役の戸田恵梨香、死神・リュークの声を担当する中村獅童が前作から続投。新たなデスノートの所有者には川栄李奈、船越英一郎ら。安室奈美恵が主題歌「Dear Diary」を担当している。金曜ロードSHOW!『デスノート 逆襲の天才』は10月28日(金)今夜21時~日本テレビにて放送。(笠緒)
2016年10月28日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた映画『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第9回は、「10年後の映画化、『GANTZ』『桐島』との関係性」。○今から5年前に企画――今回の映画化は、いつごろ動き出した話だったのでしょうか。昨年、連続ドラマ版「デスノート」が放送されましたが、今回の映画続編の企画はそれよりもかなり前なんです。企画の発端ということでは、2011年になりますかね。今回の映画続編を共に作り上げた佐藤信介監督との出会いとなる、実写映画『GANTZ』二部作公開後のことです。実写映画『GANTZ』を信介監督にオファーしたのが2008年。2009年末から2010年にかけて二部作一気に撮影しました。信介監督とは同じ1970年生まれで同じ苗字。何か運命を感じたのか(笑)、まだ完成もしていない撮影中からお互い手応えは感じていて、『GANTZ』が公開される前、つまりは「興行的な成功=結果」が出る前から「次」のことを話し合っていました。『GANTZ』は実写映画で「VFXを駆使した」「SF」「アクション」エンターテイメント超大作という、当時の日本映画界にはほとんど成功例の無い挑戦でした。今でも変わらずに少ないジャンルですね。そのチャレンジングな企画である『GANTZ』で、興行的にも成功できた(『GANTZ』が34.5億円、『GANTZ PERFECT ANSWER』が28.2億円)。信介監督とのチームで、この成功の「その先」に行かなければならない。二人とも、「成功」と「挑戦」というテーマを持って臨もうと意思統一はできていて、「挑戦」という意味で、現在の日本映画では少ない「オリジナル脚本」の開発も進めていたりしました。○『桐島、部活やめるってよ』で知る"真逆のエンタメ"――オリジナル脚本での映画は日本のメジャー作品では少ないですよね?現在の日本映画の環境としては、どうしても「原作モノ」が多くなっています。オリジナル脚本で成立している作品でも、三谷幸喜監督、北野武監督、是枝裕和監督など、監督としての実績やネームバリューがある方々の作品です。観客にとって映画を観るためには、1800円というお金とともに、映画館への往復の時間も含めて数時間以上の貴重な時間も費やさなければならないという、ハードルの高い娯楽です。だから選択には慎重になるのも仕方ありません。そうすると、「原作モノ」や「実績のある監督作品」など、原作が大ヒットしているから、前作が大ヒットしているからといった「よりどころ」をどうしても求めてしまうんだと思います。だから「オリジナル脚本」での成立は難しい。信介監督と2人で「オリジナル脚本」で攻めるのは「挑戦」にはなるけれど、「成功」するには大きな壁がある。いろんな企画を試行錯誤しましたが、その時点ではその壁を超えると思える「面白いネタ」が見つからなかった。また、僕と信介監督としては、より多くの観客に楽しんでもらえる「エンターテイメント作品」にもこだわっていました。「オリジナル脚本」で「作家性の強い作品」を目指すのは2人でやることではないと。小さい企画ではなく、信介組が再集結して挑むに値するプロジェクト、僕ら2人だけが満足するものではなく、大ヒットを狙えるとともに、スタッフ全員が「その先」と思えるものを求めていたので、時間がかかりましたね……。そんな感じで、2011年は具体的な企画を立てることができず、悶々とした日々を過ごしていました。信介監督も『GANTZ』が当たっちゃったもんだから、たくさんオファーが来てしまって(笑)。僕として、信介監督のスケジュールを拘束しているわけではないんですが、一応ずっと企画検討は一緒にしていたので、「この仕事(先に)やっていいですか?」と確認の連絡をしてくれるんです。そうして2人の企画が成立する前に、信介監督は大ヒットシリーズ『図書館戦争』と巡り合うことに(笑)。それ以降も信介監督はドンドン新作オファーが重なって、「『GANTZ』のその先」を考える時間は少なくなっていきましたが、それでも定期的に連絡は取り合っていました。私の方も2012年にそれまでの私のエンターテイメント超大作路線とは真逆と言ってもいい、映画『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督)をプロデュースしたのですが、これが評価はとても高く、日本アカデミー賞最優秀作品賞など映画賞を沢山いただきました。映画プロデューサーとして、『デスノート』『GANTZ』がそれまでの私の看板でしたが、『桐島、~』という新たなそして違う幅の看板ができました。このことが大きかったかもしれません。逆の方向への幅が広まったことで、新鮮な気持ちでエンターテイメントの大作について考えることができた。それまで『デスノート』のことは一切考えないようにしていたのですが、こと「エンターテイメント超大作」を目指すのであれば、そこに再度、目を向けるべきではないかと。そして、もうそろそろ10年なんだな……と。そんな節目なんてお客さんには関係ありませんが、「10周年の区切りで何か考えられるかもしれない」と思えるようになったんです。信介監督とであれば、新しいものを生み出せるかもしれない。「『GANTZ』のその先は、『デスノート』なのかもしれない」と。それで2013年、信介監督に「10年後のデスノート」で相談してみたところ、きっと悩んでいたと思いますが、わりと早いタイミングで「それで行きましょう」とお返事をいただきました。○『GANTZ』の映像化権を他社がリリース――まさか5年前にきっかけがあり、3年前に始まったとは……。われわれ観客は、映画作りのほんの一部分しか知らないことがよく分かるエピソードです。実写映画『GANTZ』も、『デスノート』二部の製作中に集英社さんにオファーしています。その時は違うところに映像化権が渡っていましたが、『L change the WorLd』公開前に他社がリリースしたので、2007年に集英社さんから正式に映画化権をいただき、実写映画『GANTZ』の製作を始めています。映画の企画から公開まではとても時間がかかるので、そうやって作品ごとを比較していくと、確かにいろいろかぶってしまいますね(笑)。実写映画『GANTZ』は、集英社さんへの最初のオファーから5年、信介監督と本格製作を始めてから数えても、公開までに3年以上かかっています。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年10月27日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第8回は「映画関係者が度肝を抜かれた」話。○周囲の予想「後編は間違いなく下がる」――前編の興行収入が28.5億円、後編が52億円。後編の興収が倍近く伸びるという異例の大ヒットとなったわけですが、反響の広がりを感じることはありましたか。後編初日の異常な熱狂は今でも覚えています。ただ、前編の時には正直「こんなはずじゃない」という思いの方が強かったです。前編も公開初日週末興収4億円を記録してランキングも第1位スタートでした。最終的にも興収30億近くまでいっているので、十分成功でもちろん黒字で大きな利益もでていました。ただ、『デスノート』というタイトルに僕らが懸けていた思いや想定には届いていなかった。このままではダメだ、なんとかしないと。前編公開中には、そんなプレッシャーを常に抱えていました。二部作ものの常識というか実績として、まず間違いなく後編の興収が下がるというのは、当時も言われていました。どんなに前編・後編それぞれ楽しめるように作っていたとしても、観客の心理として、前編を観ていなければ後編はついていけないと思い、後編だけを観に行こうとは思わない。だから自然と後編の方が下がってしまうものなのです。だから、何か起爆剤というか後編を想定外に伸ばす作戦が必要だったのです。そこで繰り出したのが、当時の映画業界的には奇策というか反則技と言える、後編公開前に前編を地上波ゴールデンタイムで放送してしまうことです。――邦画史上でもなかなか聞かない宣伝手法ですね。ええ、もちろんありません。6月に公開した映画を、10月末に放送してしまうという、公開から4カ月ちょっとでの放送ですから、映画業界の掟破りと言われるのも当然ですね。映画業界の掟というか、法律で定められている訳ではありませんが、業界のルールとして「ウィンドウコントロール」を守りましょうというものがありました。映画業界の健全な成長のために、映画が公開されてから半年後以降にビデオグラムの発売、そして公開から1年後以降にテレビ放送、という順番を守りましょうというものです。劇場公開の一次利用、それ以降の二次利用をキチンと住み分けて進めましょうといことです。○帰国後に声掛けられ「やっぱりおかしい」――どなたが思いついたアイデアなんですか。スタジオジブリから日本テレビ映画事業部に移籍してきた高橋望が「前編を放送しちゃえばいいんじゃないですか?」とフッと言ったことからではあります。奥田映画事業部長からそのことを聞かされた私はすぐに「それしかないです。放送しましょう!」と決意したことを覚えています。高橋も映画事業部に来て間もない時期でしたし、特に実写映画への関わりは薄かったので、門外漢の気軽な意見だったと思いますが、そんな外野の意見に背中をおしてもらったという感じでしたね。一応、こちらのロジックとしては「2本で1本分の映画を途中まで見せるだけ」だと。ウィンドウコントロールが業界として盛り上がっていくためのルールなのであれば、放送後にさらなるヒットが見込めるのであればなおさらだと。実際、DVDもすごく売れました。現場作業は私が進めていきましたが、他の映画各社との政治的な交渉は奥田映画事業部長が調整に奔走しました。――そして、視聴率は24%と大成功を収めます。放送後の風向きは変わりましたか。10月27日に金曜ロードショーが放送されて、翌日の10月28日(土)早朝からすぐ香港キャンペーンに飛びだしたので、実は2日間、日本にいなかったんです。香港は香港で、トンデモナイ大熱狂だったのですが、何だか逆に海外の方が凄いのかもな……と思ったりしていました。(藤原)竜也くんは舞台の関係で29日早朝の便で帰国。松ケン(松山ケンイチ)と我々は、ゆっくりと午後便で帰国しました。それまでは松ケンには誰も気づかなかったのに、成田空港に到着すると、松ケンに気づいて人が写真を撮りはじめて(笑)。彼も「あれ? なんかおかしいな」と(笑)。成田エクスプレスで品川まで帰って来て、山手線に乗り換えると、どんどん声を掛けられる。やっぱり何かおかしい。そこで、「テレビ効果だ!」と気づいたんです。そこからは、本当に状況が変わりました。電車に乗ると、自然と『デスノート』の会話が聞こえてくる。そして11月3日祝日金曜日に公開となるわけですが、そこから金土日の3日間で観客動員100万人を突破していました。本当にイッキに爆発した感じでしたね。○映画大ヒットも妻から雷――その後のスピンオフ作も興収31億円という好成績でした。撮影は2007年の8月9月。公開は翌年2月。映画業界で「観客が集まらない」と言われているのが2月です。今さらですが、何でそんなタイミングで公開しちゃったんだろうと(笑)。2月公開の映画では最高記録だったはずです。その時はもう松ケンのある意味アイドル的な人気も爆発していて、どこへ行っても追っかけが凄くて、もう嬉しい悲鳴でした。今で言えば、連続ドラマ版でⅬを演じた山崎賢人くんぐらいの熱狂だったんじゃないですかね(笑)。同年8月の『デトロイト・メタル・シティ』も興収23億円を超える大ヒット。Lも白塗り、DMCのクラウザーさんも白塗り(笑)。美形で格好良い役柄では決してないのに、あんなに女性からの支持を集めていたのが信じられないですね(笑)。――前後編の大ヒットを受けて、打ち上げなどは?後編公開後、3日間で観客動員100万を突破記念として、翌月曜日の真昼間に渋谷で、竜也くんと松ケンのサプライズの舞台挨拶を行いました。平日でサプライズにも関わらず、超満員で本当に驚きました。舞台挨拶後、お祝いということで15時くらいから渋谷の中華料理屋で、ひたすら飲みました。宴は翌朝まで続き、気づけばベロベロ。途中寝ている間に、松ケンにおでこに「肉」と書かれて、そのまま気づかずに家に帰って奥さんにすごく怒られました。「あんた、プロデューサーでしょっ!」と(笑)。その奥さんの言葉をいまだに松ケンはモノマネするんです。まあ青春でしたね(笑)。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS監督:金子修介
2016年10月26日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第7回は「なぜ海外大物アーティストを射止めることができたのか?」。○「ロスまで来れば聴かせてやる」――シリーズの特徴として挙げられるのが、主題歌を担当したのが海外の大物アーティストだったということ。まずはレッド・ホット・チリ・ペッパーズ。映画タイアップは当時はじめてだったわけですが、どのように口説き落としたのでしょうか。少年ジャンプの作品の映像化は、当時アニメが主流となっていました。『デスノート』は今でこそ認知度のある作品ですが、幅広い年代には知られていませんでした。そして、今回は実写映画から始まるというチャレンジでもあり、センセーショナルな打ち出しをしたかったので、その当時のアニメ主題歌の流れとは一線を画したかった。そのために選択したのが「洋楽」でした。僕自身が洋楽好きだったからというのもモチロンありますが(笑)。いろんなレコード会社に、昨今のテレビやアニメ、日本映画のタイアップとは違う提案を求めていたら、ワーナーミュージックの方から「イメージ違うかもしれませんが、レッチリは興味ありますか?」と話がありました。僕は大ファンなので、二つ返事で「興味あります!」と(笑)。確かにイメージは違うとは思いましたが、求めていた意外性はある。そして間違いなく「本物」だということ。しかし、どんな楽曲なのか聴いてみないと決められない。そしたら、ロスまで来れば聴かせてやると(笑)。前編の福岡ロケ直前の2月にロスまで飛び、そこでメンバー全員にも会うことができて、直接「デスノート」の説明をすることもできました。しかし、楽曲は持ち帰ることもできず、そこで聴くだけ。世界各国のその国を代表するメジャー音楽媒体が集められた取材会のようなタイミングでした。――「ダニー・カリフォルニア」「スノー」の両方を聴いたんですか?その場で決めたのは、「ダニー・カリフォルニア」のみでした。レッチリサイドも「ダニー・カリフォルニア」をシングルにしようと思っていたそうです。後編はアルバムが全部出来上がったところで、あらためて考えることになり、「スノー」に決定しました。本当にタイミングがよかったですね。初めての映画タイアップですが、ボーカルのアンソニー・キーディスが日本の漫画が好きで、『デスノート』の存在は知りませんでしたが、英語版を読んでもらったところ「これはクールだね」と。ベースのフリーは日本が大好きらしく、「日本の文化はすばらしい」「俺はいつも京都に行くんだ」みたいなことを言っていました。そういうメンバーの思いも重なり、幸運にもタイアップが成立したのです。帰国して、福岡ロケのスタッフが宿泊していたホテルで行われた「中打ち上げ」に合流できたので、そこで発表しました。その時点で契約は成立していませんでしたが、メンバーからはOKが出ていたので、まぁいいだろうと(笑)。まあ、(藤原)竜也くんをはじめレッチリのことを知らなかったので凄さが全く伝わらず(笑)、唯一、音楽好きな香椎由宇ちゃんだけが驚きすごく喜んでくれたのが救いでした(笑)。○デスノ世界観でエンドロールに字幕――レニー・クラヴィッツとは、どのような巡り合わせがあったのでしょうか。レッチリでかなりの反響があったので、スピンオフでもやっぱり洋楽でいこうと。またまた幸運にもレニーが協力してくれることになり、しかもレニーの頭文字はちょうど”L”というのも縁起がいい。幸い、この時は音源がありました(笑)。ちなみに、エンドロールで楽曲が流れる時に対訳の字幕を付けているんですが、『デスノート』の世界観に寄せて訳した内容になっています。映画の余韻により浸ってもらいたくて。僕はそんなに英語ができる訳では無いのですが、何度も聴いているうちに、これは月とLのことを歌っているようにも思えるなあと。そこで、英語が堪能な金子監督に僕の感じた思いを伝えて意訳してもらいました。『L change the WorLd』では、Lの思いを表した詞。中田秀夫監督はハリウッドでの経験もあるので、安心して同じことを頼むことができました。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。
2016年10月26日俳優の松坂桃李(28)が、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で死神・ベポの声優を務めていることが26日、発表された。一瞬ではあるが、すでに予告編でその姿を現していたベポ。暗闇の中からうっすらと金色の体が浮かび上がり、開いた左手の指は6本。三島創(東出昌大)率いるデスノート対策本部特別チームとICPOから送り込まれた世界的名探偵・竜崎(池松壮亮)は1冊のノートを入手し、その持ち主であるベポは人間界に6冊のデスノートが存在することを告げる。その声を演じ終えた松坂は、「突然ですがデスノートの世界に参加してきました」と報告し、「原作が元々好きだったので、佐藤信介監督からお話をいただいた時は、嬉しかったです。束の間ながら、あの世界に入れたのはワクワクもしました」とコメント。「死神です。僕の声だと気づかない方もいらっしゃると思います。あまり先入観を抱かずに、楽しんで頂けたら本望です」と呼びかけている。松坂はこれまで、佐藤監督がメガホンをとった『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』(14年)、『図書館戦争 THE LAST MISSION』(15年)に出演。今年4月に公開された『アイアムアヒーロー』ではZQN役を熱望していたが、佐藤監督は本気と知らずに「まさか」と冗談と思ってしまい、その"お返し"として今回の役をオファーしたという。
2016年10月26日伝説的コミック「デスノート」を原作に描く最新作『デスノート Light up the NEW world』。この度、本作にて登場する新たな死神の声優を、俳優の松坂桃李が担当していることが明らかになった。犯罪のない社会を目指し、デスノートで世界を変えようとしたキラこと夜神月。暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵L。天才VS天才の対決から10年経ったある日、世界中のネット回線がジャックされ、キラによるメッセージが発信された「デスノートを手に入れろ――」。死神により地上にもたらされた6冊のデスノート。同時多発的に発生する大量の殺人事件。そんな中、三島(東出昌大)が率いるデスノート対策本部に、Lの後継者・竜崎(池松壮亮)が加わり、無差別殺人事件の現場で1冊のデスノートを手に入れる。一方、その現場には、キラの信奉者・紫苑(菅田将暉)の姿が。いま、それぞれの譲れない“正義”を懸けた、3人の壮絶な頭脳戦が始まる──!伝説となった映画『デスノート』誕生から10年目となる今年、“正統な続編”として放たれる本作。東出昌大、池松壮亮、菅田将暉らメインキャストのほか、死神・リューク役は中村獅童が前作から続投し、死神・アーマ役には「ルパン三世」の峰不二子役などを担当する大人気声優の沢城みゆきがすでに決定しているが、今回新たに死神・ベポの声優として松坂さんが出演していることが判明!今回松坂さんが演じるベポは、金色に6本の指、身長189cmの東出さんも見下ろす巨大な死神。とある事件から、東出さん演じる三島創率いるデスノート対策本部特別チームと、ICPOから送り込まれた世界的名探偵・竜崎は、1冊のデスノートを入手。ベポはそのデスノートの元持ち主で、人間界に6冊のノートがもたらされていることを明らかにする。本作でメガホンをとった佐藤信介監督作品には、これまで『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』『図書館戦争 THE LAST MISSION』に出演してきた松坂さん。今年4月に公開された『アイアムアヒーロー』で、松坂さんは劇中に登場する“ZQN”役を熱望しつつも、佐藤監督に「まさか松坂桃李が出てくれるはずがない!」と思われスルーされてしまったそう。松坂さんが本気だったということを伝え聞いた佐藤監督は、それならば今回こそとお返しの熱烈オファーし、今回の出演が実現した。原作が元々好きだったという松坂さんは「佐藤信介監督からお話をいただいたときは、嬉しかったです。束の間ながら、あの世界に入れたのはワクワクもしました」と喜びを露わに。また、「僕の声だと気づかない方もいらっしゃると思います。あまり先入観を抱かずに、楽しんで頂けたら本望です」とコメントを寄せた。『デスノート Light up the NEW world』は10月29日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年10月26日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第6回は「スピンオフ作とLの"終活"」秘話。○Lよりワタリの方が人気――スピンオフはどういうきっかけで作られることになったのでしょうか。『デスノート』の公開前キャンペーン、『デスノート the Last name』の撮影前に私の中ではやろうと決めていました。2部作で夜神月の物語は語りきったけれど、Lについてはまだ語るべきことがあるのかもしれないなと。松山ケンイチのLが魅力的だったことも大きかった。前編のキャンペーンで僕、ワタリ役の藤村俊二さん、松ケンの3人で行った札幌キャンペーンはとても印象深かったです。当時、まだ実写のLを誰も見たことがない状況ですから、松ケンのことをほとんどの人は知りません。彼が登壇しても拍手はまばらで、藤村さんの方が大拍手を浴びてました。そのときに、松ケンに対して「Lは絶対に大丈夫。必ず爆発する。Lが主演のスピンオフ映画を俺はやるつもりだから!」と伝えていました。もちろん、まだ原作サイドにも何の確認も取ってなかったですけど(笑)。――『デスノート the Last name』で、Lの「最期までの猶予」が描かれていたおかげで、スピンオフも可能に。『L change the WorLd』は、Lの終活のような話でした。世界的に有名な探偵でありながら、その全世界での活躍は原作でも映画でも描かれていなかったので、最初はデスノート事件に至る前の活躍冒険譚にしようかなとも思っていました。しかし、「23日ルール」(デスノートで操れるのは人間界単位で23日以内)という最終手段を使って、キラ=夜神月を食い止めたLが、最期に総一郎に見せた笑顔が堪らなかった。あの笑顔に至る物語を見せたくなったのです。――「自転車に乗るL」など、挑戦的な演出もありました。やっぱり作品は監督のもの。中田秀夫監督が描こうとしたLの世界です。松山ケンイチと共に作り上げたLの最期をしっかり描くという意味では、原作でも描かれていない「人間臭さのあるL」を伝えられたのは、実写ならではだったのかなと。きっと批判もあると思いますが、「人間としてのL」を描くことができたという意味では間違いなかったと今でも思っています。――そして「笑い」の要素も散りばめてありました。「ひょっとこ」お面が、Lのユーモアの根幹となったのではないかと。南原清隆さんとの掛け合いも、個人的には好きです。Lのおもしろい、ファニーな部分。「松山ケンイチが作り上げたものが膨らんだのがL」ということもできます。南原さんとのシーン、実はほかにもたくさんあったんですよ。でも、カットしました(笑)。中田秀夫監督が「さすがに笑いに走らせすぎました(笑)」と自らカットしてました。『L change the WorLd』で描いたLの人間的な部分が、実は最新作に生きてきます。あれがないと、竜崎というキャラクターは生まれなかった。竜崎はLとは全然違うキャラクターになっていますが、『L change the WorLd』のLの遺志を受け継いでいます。ひょっとこお面は新しくなっていますけどね(笑)。○夜神月のポテチトリックに気づいていた可能性――そういえば、『デスノート』(前編)のLと月が初めて対峙するシーンで、コンソメ味のポテトチップスをLが食べてますよね。原作にはなかったシーンですが、どういう狙いがあったのでしょうか。そして、『L change the WorLd』でもポテチは登場します。原作同様、映画でも、監視カメラを仕掛けられていることに気づいていた夜神月は、机の上でポテトチップスを食べたふりをしながら、中に仕込んでいた液晶テレビとデスノートの切れ端で犯行に及びます。Lはその時点では証拠を押さえられなかった。しかし、ポテチに何かあるはずだと推理して、初対面の挑発としてそのポテチを見せ付けた。そうでなければ、あんな塩辛いものをLは食べません(笑)。それに対して動揺することなく、余裕の笑みを返す月。Lも月もとんでもない負けず嫌いであることを表現できた、初対峙にふさわしいシーンになったと思います。原作ファンの方でも、私と同じような気持ちになった方もいたのではないでしょうか。Lと夜神月の独特な関係性。お互い腹の内を分かっていながら、まさにチェスのような闘いを2人は繰り広げていく。『L change the WorLd』で、Lは月との思い出としてコンソメ味のポテトチップスを常備していた。それを子どもが、無心にバリバリ食べてしまうシーンがありましたね(笑)。――そして終盤、Lは命についてこれまでとは違った発言をする。これがまた切ないですね。夜神月を食い止めるためには、合理的に考えてそうすることが最善策だと思ったから、Lはデスノートを使用した。他人の命だけでなく、自分の命をどうとも思ってないかった。前編でもリンド・L・テイラーを影武者として躊躇なく使っていた。ところが、最期の時間の中で出逢った人々や出来事の中で、もっと生きたいと思ってしまった。松山ケンイチのLだからこそ成立した最期でした。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)2008「L」FILM PARTNERS(C)2008「L」PLOT PRODUCE
2016年10月25日かつて究極の頭脳戦を繰り広げた夜神月役の藤原竜也とL役の松山ケンイチが、“再登場”することでも話題を呼んでいる『デスノート Light up the NEW world』。このほど、安室奈美恵による本作劇中歌のダンスナンバー「Fighter」の超絶クールなミュージックビデオが解禁。安室さんが、リュークをはじめ映画に登場する死神たちとコラボを果たしていることが分かった。デスノートで世界を変えようとしたキラこと夜神月(藤原さん)と、暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵・L(松山さん)の天才vs天才の激突から、10年後が舞台となる本作。キラ事件に精通する捜査官・三島創(東出昌大)、Lの遺伝子を継ぐ後継者・竜崎(池松壮亮)、キラ信奉者のサイバーテロリスト・紫苑優輝(菅田将暉)という新たな世代の3人が、それぞれの“正義”のためにデスノート争奪戦を繰り広げる。先週、MVが発表された本作の主題歌「Dear Diary」は、愛することや信じることが世界に光を照らし、悲しみや痛みさえも強さや愛しさへと変えていく力を与えてくれる、という真っ直ぐな想いを描いた壮大なバラードソングであるのに対し、劇中歌「Fighter」は、 “愛するあなた”への想いを貫くために戦う“ファイター”でありたい、という強い信念が込められたアグレッシブなダンスナンバー。三島、竜崎、紫苑それぞれの前日譚に当たる物語を描いたHuluオリジナルドラマ「デスノート NEW GENERATION」主題歌にも追加決定し、9月に同テレビCMでオンエアされたことから、一気に話題の1曲に。そして、今回公開されたMVでは、なんと映画に登場する死神たちとのコラボレーションも実現した。安室さんが長テーブルで死神・リュークと向かい合い、挑発的な眼差しを向けるシーンや、リュークの好物のリンゴを手にしながら、まるで“死神の目”を手に入れたかのように目が赤く色づくシーンのほか、安室さんらしい見応え充分のダンスシーンが展開。“死神の目”とは、残りの寿命の半分を死神に差し出すことで、ある人物の顔を見るだけでその人の本名がわかるようになるという力。デスノート所有者が死神と交わす契約だ。また、リュークのほかにも、灰白色のボディの死神と、さらにもう1体の死神が部屋の中で安室さんと対峙していることが分かる。まるで、安室さんの映像世界に、“デスノート”の世界が紛れ込んだダークファンタジーのように仕上がった今回のMV。当日は、死神が合成されることを想定しながらの撮影となり、長テーブルのシーンでは、死神が椅子に腰掛けることを前提に、セットの高さやカメラの位置などを綿密に計算した上で撮影が行われたという。この「Fighter」、そして「Dear Diary」のMVは、すでにオフィシャルYouTubeチェンネル“AmuroNamiech”にてショートバージョンを公開中。フルバージョンは、10月26日(水)発売のシングル(CD+DVD)盤にのみ収録される。『デスノート Light up the NEW world』は10月29日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月25日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第5回は「死神に命を吹き込んだ人々」の話。――役者の演技、物語の展開に加えて、観客を引き込む上で肝となるのが死神の存在。リューク役の中村獅童さんには、どのようなきっかけでオファーを?声のイメージがぴったりでした。それから、当時からスパイダーマンになったり、コミック文化というかそういうものへの造詣も深くて、CGの死神役を面白がってくれるんじゃないかなと。それから、実写映画からの映像化なので、初手としてはアニメ的な見え方を避けたかったので、声優さんではなく俳優さんにオファーしたかった思いもあります。獅童さんは2つ返事でOKしてくれました。映画版リュークのハマリっぷりをアニメプロデューサーも気に入って、アニメ版リュークも獅童さんが演じることになりました(笑)。――そして、レム役は池畑慎之介さん(現・池畑慎之介☆)。レムはメスなんですが、オスだと思っている人も多くて。ジェンダーフリーな感じだと思ったので、池畑さんが適任なのではないかなと。すごく愛のある死神なので、慈愛に満ち溢れた池畑さんに。ミステリアスな雰囲気も含めて、レムのイメージでした。池畑さんはしっかりイメージを作り込んで収録に臨んでくださって、完璧だったのでそのままレムの声が固まっていきました。――死神のCG製作を担当したのは、最新作も含めてデジタル・フロンティア(以下、「デジフロ」)。10年前とは思えないクオリティです。CG界ではトップクラスの技術と陣容を誇っていると思います。映画ファン的には、山崎貴監督が所属する白組が有名かもしれませんが、デジフロも負けていないですよ。私がプロデュースした、佐藤信介監督の『GANTZ』(11年)シリーズもデジフロ。佐藤監督はその後、『図書館戦争』シリーズ(13年・15年)、『アイアムアヒーロー』(16年)などでもデジフロと組んでいます。映画の中でのCG表現は、この10年でかなりの進化を遂げています。金子監督はガメラやゴジラ、ウルトラマンなどの特撮作品も数多く手掛けているので、作品の中でのCGの使い方、見せ方を心得ている方です。10年前、その時点でのCG技術でのベストな見せ方を金子監督は考えて、あえて人形っぽさを残した。死神のセルロイド的な肌の感じは狙いです。そうすることが、あの時点では最もそこに居る感じ、存在感が際立つという判断でした。馴染み方も含めて、10年後の今でも映像的に耐えられるのはそのためだと思います。現場撮影でも試行錯誤がありました。もちろん誰も本物の死神を見たことが無いので(笑)、共通認識が必要であろうと、2メートル50センチある実物大の死神リュークの人形を制作して現場に持ち込みました。ドタバタの中、短期間でのお願いだったので顔面の完成度は高くありませんが、ベルトやアクセサリーなどの再現度は高かったと思います。その分、かなりの重量になってしまい、現場での撮影ダミーとしては機動力に欠けたので、後編では軽い簡易版になりました。レムも上半身しかありません(笑)。ただし、このダミー人形はその後のプロモーションで活躍し、昨年のミュージカルでも稼動してました。おかげで今はボロボロの状態です(笑)。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS監督:金子修介
2016年10月25日シリーズ最新作『デスノート Light up the NEW world』の公開を前にした10月24日(月)、都内でイベントが行われ、かつて究極の頭脳戦を繰り広げた藤原竜也(夜神月役)と松山ケンイチ(L役)がサプライズ登壇。公の場で10年ぶりの2ショットが実現した。この日、東京・新宿ピカデリーで開催された『デスノート』『デスノート the Last name』(ともに2006年公開)の2本立てイッキ見上映の終了後、ファンの前に現れた“キラとL”にファンは騒然!デスノートで世界を変えようとしたキラこと夜神月と、暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵・Lのバトルから、10年後の“現代”が舞台となる新作『デスノート Light up the NEW world』では、藤原さんが10年ぶり、松山さんがスピンオフ作『L change the WorLd』以来8年ぶりにそれぞれのキャラクターを演じており、「新作ってノートが6冊あるんでしょ?」(藤原さん)、「どんだけ増えるんだって!」(松山さん)と最新作へのツッコミも披露していた。10年前をふり返り、松山さんは「当時、僕は新人で、竜也さんは百戦錬磨。存在感がものすごくて、対峙できるか悩みやプレッシャーもあった」と本音を告白。実際に「あの宝石のような、狂気じみた演技が忘れられない」そうで、「僕にとっては追いつきたい存在であり、目標にしている」と先輩に最大級のリスペクトを示した。一方、藤原さんも「松ケンはこの10年で、本当にいい作品に出演しているからなあ」と後輩の活躍ぶりに喜びと羨望のまなざし。今後の共演について話題があがると、松山さんは「そういえば、『ザ・ワールド・イズ・マイン』をやりたいって話をしていましたよね」と新井英樹氏の人気コミック実写化の構想を語り、藤原さんは「まあ、そうは言っても僕らだけじゃなかなか…。周りが動いてくれないとね」。仮に別キャストで映画化されたら「デスノートに名前書くでしょ?」(松山さん)、「そんなことしない」(藤原さん)、「僕は書きますよ」(松山さん)と息の合ったトークを繰り広げていた。『デスノート Light up the NEW world』は10月29日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月24日