いまもなお愛され続ける英国の文豪ウィリアム・シェイクスピアが、故郷で過ごした晩年を描く『シェイクスピアの庭』。この度、本作の監督・主演であるケネス・ブラナーと、年上妻を演じた名女優ジュディ・デンチが語る特別映像が到着した。「ヘンリー八世」上演中にグローブ座を焼き尽くした大火災の後に断筆し、故郷ストラットフォード・アポン・エイヴォンで過ごした知られざる最期の日々を、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身で、舞台はもちろん、映画『ヘンリー五世』『から騒ぎ』『ハムレット』などシェイクスピア作品と深く関わってきたケネス・ブラナーが映画化。一方、ジュディ・デンチといえば、オールド・ヴィック・シアターの舞台「ハムレット」でオフィーリア役を演じてから50余年、古典劇と現代劇の両方を見事に演じ、観客・批評家の両方から愛されてきたベテラン。『恋におちたシェイクスピア』(’98)では米アカデミー賞助演女優賞受賞、2016年にはローレンス・オリヴィエ賞で史上最多8度目の受賞を果たした英国を代表する大女優。本作では、シェイクスピアの8つ年上の妻アンを演じている。ブラナーとはロイヤル・シェイクスピア・カンパニー時代から共演を重ね、すでに35年以上のキャリアを共にした仲。ブラナーにとってデンチは“シェイクスピア劇の達人”として、絶大な信頼を寄せる存在でもある。デンチも、本作の出演オファーを受ける際、ブラナー本人が車で自宅まで来ると聞き「ガソリンの無駄使いはやめて、出ます」と即答したという。今回解禁となる特別映像内では、デンチが「ハムネットの死を扱ったのは、この作品が初めて」と、夭折したシェイクスピアの実の息子について触れながら、脚本を称賛。また、ブラナーはシェイクスピアの成功者としての一面よりも、彼の「トラウマから引き起こされた出来事に魅力を感じた」と本作の企画の意図について述べ、妻や娘たちに翻弄される“人間シェイクスピア”を描いた「家族の物語」であると語っている。『シェイクスピアの庭』は3月6日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:シェイクスピアの庭 2020年3月6日よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開© 2018 TKBC Limited. All Rights Reserved.
2020年02月26日シェイクスピアの全作(!)を横糸に、江戸末期の人気講談『天保水滸伝』を縦糸にして織り込んだ、井上ひさし作の壮大にして遊び心あふれる戯曲『天保十二年のシェイクスピア』。1974年に初演され、2002年にはいのうえひでのり演出、2005年には蜷川幸雄演出によって再演された伝説的な音楽劇が、蜷川の演出助手を長く務めた藤田俊太郎の演出でよみがえる。舞台は江戸末期の下総国清滝村。旅籠を取り仕切る鰤の十兵衛(辻萬長)は、跡継ぎを決めるにあたり、3人の娘に父への孝養を問う。父に取り入ろうと、美辞麗句を並び立てる長女・お文(樹里咲穂)と次女・お里(土井ケイト)。一方、三女・お光(唯月ふうか)だけは父を心から愛していたためおべっかの言葉が出ず、父の不興を買って家を追い出されてしまう。月日は流れ、天保12年。跡を継いだお文とお里が支配する清滝村に、醜い容姿と歪んだ心を持つ佐渡の三世次(高橋一生)が現れる。さらにはお文の息子・きじるしの王次(浦井健治)が父の訃報を聞き、無念を晴らすため村に帰ってきて……?ほかに木場勝己や梅沢昌代ら、豪華キャストが集結。ミュージカルを中心に活動する俳優が多く揃っていること、そして宮川彬良が音楽を手がけることから、過去の上演以上に音楽劇的要素が強まりそうな気配もあるが、果たして……。注目の舞台は、2月8日(土)から29日(土)まで東京・日生劇場で、3月5日(木)から10日(火)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される。文:町田麻子
2020年02月08日ケネス・ブラナーがシェイクスピアを演じ監督も兼任、ジュディ・デンチ、イアン・マッケランら豪華キャストが揃う映画『シェイクスピアの庭』。この度、あたたかなポスタービジュアルと予告編が到着した。没後400年以上を経たいまもなお数々の名作が愛されている英国の偉大な文豪ウィリアム・シェイクスピア。本作は、断筆したシェイクスピアがロンドンを去り、故郷ストラットフォード・アポン・エイヴォンで過ごした“人生最期の3年間”にスポットをあて、知られざる<人間シェイクスピア>を描き出す感動作。公開された予告編では、ロンドンから故郷に戻ったケネス・ブラナー演じるシェイクスピアが、約20年ぶりに帰ってくるシーンからスタート。しかし、シェイクスピアの久々の帰還に妻と娘たちは戸惑いを隠せず。映像からは家族との溝が感じられる。また、シェイクスピアが幼くして亡くなった愛する息子のために庭を造ると言い出し、家族たちは長年秘めていた思いを打ち明ける場面も登場している。そして同時に到着した本ポスタービジュアルでは、「真実の愛はすぐそばにある」というコピーとともに、シェイクスピアに妻アン(ジュディ・デンチ)、長女スザンナ(リディア・ウィルソン)、次女ジュディス(キャスリン・ワイルダー)といった家族が、あたたかく寄り添う形で写し出されている。『シェイクスピアの庭』は3月6日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:シェイクスピアの庭 2020年3月6日よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開© 2018 TKBC Limited. All Rights Reserved.
2020年01月09日文豪ウィリアム・シェイクスピアの知られざる最期の日々を描いた、ケネス・ブラナー監督・主演作『ALL IS TRUE』が邦題を『シェイクスピアの庭』として公開されることが決定した。没後400年以上を経て、いまもなお愛され続ける幾多の名作を世に送り出した英国の偉大な文豪、ウィリアム・シェイクスピア。本作では、「ヘンリー八世」上演中にグローブ座を焼き尽くした大火災の後に断筆した、シェイクスピアの知られざる最期の日々を描く。監督・主演を務めるのは、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身で、舞台はもちろん、『ヘンリー五世』『から騒ぎ』『ハムレット』など映画でも監督・主演としてシェイクスピア作品と深く関わってきたケネス・ブラナー。「才能に溢れたシェイクスピアは、なぜ49歳の若さで引退したのか?」というブラナーの抱いた疑問から生まれた本作は、断筆したシェイクスピアがロンドンを去り、故郷ストラトフォード・アポン・エイヴォンで過ごした人生最期の3年間にスポットをあてた、心揺さぶる感動作に仕上がっている。シェイクスピアの妻アンを演じるのは、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』『オリエント急行殺人事件』などに出演し、『恋におちたシェイクスピア』では米アカデミー賞助演女優賞に輝き、2016年ローレンス・オリヴィエ賞で史上最多8度目の受賞を果たした大女優ジュディ・デンチ。シェイクスピアの「ソネット集」の“美青年”のモデル、サウサンプトン伯爵に扮するのは、『美女と野獣』や『X-MEN』シリーズに出演し、映画・演劇・TVドラマなどでゴールデングローブ賞やトニー賞など60以上の受賞歴をもつ『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの名優イアン・マッケラン。また、衣装を『ある公爵夫人の生涯』で米アカデミー賞を獲得したマイケル・オコナー、音楽を『ハムレット』『いつか晴れた日に』で米アカデミー賞候補となったパトリック・ドイルが担当するなど、キャスト・スタッフともに名だたる才能が集結し、「シェイクスピアの晩年を描く初めての映画」というブラナーの“悲願のプロジェクト”を完成させた。『シェイクスピアの庭』は2020年3月6日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年12月10日吉田鋼太郎が演出を手掛ける彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾 『ジョン王』が2020年6月8日(月)より、彩の国さいたま芸術劇場 大ホールで上演。その後、7月には名古屋・御園座と大阪・梅田芸術劇場シアターでも公演を予定していたが、全公演中止となった。彩の国シェイクスピア・シリーズ完結までラスト2作彩の国さいたま芸術劇場を舞台に、シェイクスピア全37作を上演する企画として1998年にスタートした彩の国シェイクスピア・シリーズ。スタート以来、芸術監督・蜷川幸雄のもとで、大沢たかお、菅田将暉、藤原竜也、松坂桃李ら豪華俳優を主演に迎えて国内外に次々と話題作を発表してきた。2017年12月からは、シリーズ2代目芸術監督に俳優・吉田鋼太郎が就任。「アテネのタイモン」でシリーズが再開され、2019年2月に吉田の初演出作品「ヘンリー五世」が上演された。2020年2月には阿部寛主演『ヘンリー八世』の公開を控えており、完結まで残すところ2作品となっている。小栗旬主演、初の歴史劇挑戦へ2020年6月に上演となる第36弾は、英国史上最も悪評の高い王であろうジョンの治世の時代を描いた歴史劇『ジョン王』。今回は、女性の登場人物含めすべての役を男性キャストが演じる“オールメール”公演となり、吉田鋼太郎が、演出を引き続き務める。主演は、本シリーズ4作品目にして初の歴史劇への挑戦となる小栗旬。生命力とユーモアにあふれ世の中をシニカルに見つめる若者“私生児”フィリップ・ザ・バスタードを演じる。そして、タイトルロールのジョン王役は本シリーズ常連の横田栄司、ジョン王が敵対する“フランス王”役は演出も兼ねる吉田鋼太郎が務める。小栗旬は、今作への出演に際し、次のようにコメントした。「僕にとって演劇の師である鋼太郎さんから、 ついに演出を受けられるのが非常に嬉しいです。 シェイクスピアの膨大で美しいセリフを、 きちんとお客様に届けて物語を伝えられるように自分を見つめ直したいと思っています。今回僕が演じる"私生児"は、 このビジュアルのように王族達を見下すような皮肉屋ですが、 稽古場では鋼太郎さん、 横田さんたちと向き合ってシェイクスピア作品を演じるのに必要な演劇筋肉を、 鍛えていきたいと思っています。 」ストーリーイングランド王ジョン(横田栄司) の下へ、 先王リチャード1世の私生児だと名乗る男が現れる。 ジョンの母エリナー皇太后はその 私生児フィリップ(小栗旬) を親族と認め従えることを決める。そこへ フランス王フィリップ2世(吉田鋼太郎) からの使者がやってくる。 領地の引渡しと、 イングランド王位を正当な王位継承者であるアーサーに譲り、 領地を引き渡すよう、 要求しにきたのだ。 それを拒んだジョン王は、 私生児を従えてフランスと戦うために挙兵する。戦闘を開始した英仏両軍の互角の勝負の中、 私生児が両軍に戦闘地の市民への攻撃を提案、 一転して両軍は協力体制となるが、 今度は市民がイングランド王女とフランス皇太子の結婚を提案、 両国の和睦を促す。 賛同した両王のもと、 すぐに結婚式が行われるが、 今度はそこにローマ法王の大使パンダルフが現れ、 フランス王に対し、 キリスト教会と対立するジョン王との関係を絶つか、 ローマ法王の呪いを受けるかの選択を迫る。 悩んだ末にフランス王はジョン王と手を切ることを決意するが、 結果としてフランス軍は敗れてしまう。 両王の思惑が入り乱れる中、 事態は展開し――。【作品詳細】彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾 『ジョン王』■<中止>埼玉公演期間:2020年6月8日(月)~28日(日)会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホールTEL:0570-064-939(休館日を除く10:00~19:00)■<中止>名古屋公演日時:2020年7月3日(金)18:30、4日(土)12:30/17:30、5日(日)13:30、6日(月)12:30会場:御園座TEL:052-222-8222(10:00~18:00)■<中止>大阪公演日時:2020年7月10日(金)18:30、11日(土)12:30/17:30、12日(日)13:30、13日(月)13:30、14日(火)13:30/18:30、15日(水)休演、16日(木)18:30、17日(金)13:30、18日(土)12:30/17:30、19日(日)13:30、20日(月)12:30会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティTEL:06-6377-3888(10:00~18:00)【チケット払い戻しについて】5月16日(土)に予定していたチケットの一般発売はなし。 各種先行販売で購入したチケット代金は払戻し対応となる。各公演の払い戻しの詳細については公式HPより確認。払い戻しの返金に時間がかかる場合あり。キャスト:小栗旬、横田栄司、中村京蔵、玉置玲央、白石隼也、植本純米、間宮啓行、廣田高志、塚本幸男、飯田邦博、二反田雅澄、菊田大輔、水口てつ、鈴木彰紀(※)、竪山隼太(※)、堀源起(※)、阿部丈二、山本直寛、續木淳平(※)、大西達之介、坂口舜、佐田 照/心瑛(Wキャスト)、吉田鋼太郎(※)はさいたまネクスト・シアター出演者スタッフ:作 :W.シェイクスピア翻訳:松岡和子演出:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)【問い合わせ先】彩の国さいたま芸術劇場TEL:0570-064-939(休館日を除く10:00~19:00)
2019年10月10日村井良大、沙央くらまらが出演するミュージカル『ラヴズ・レイバーズ・ロスト -恋の骨折り損-』が現在、東京・シアタークリエで上演中だ。シェイクスピアの同名戯曲が原作だが、村井曰く「シェイクスピアっぽいところってどこなんだろうなって思う(笑)」ほど現代的にアレンジされた、スタイリッシュかつスピーディに展開するロックミュージカル。オシャレでハイソな美男美女が、恋に振り回され大騒ぎするさまをコミカルに描いている。チケット情報はこちら大学卒業後5年たち、その間放蕩三昧してきた国王と学友たちが「これから3年間は恋愛禁止、ひたすら勉学に身を捧げる」と誓うところから物語は始まる。しかしそこに隣国の王女とその友人たちがやってきて……。オシャレなリゾート風な住宅にバーカウンター、ドレスアップした登場人物たち。キャストはハンドマイク、時にはスタンドマイクを使い、バラエティ豊かな楽曲を熱唱していく。たしかに、シェイクスピアの戯曲に感じる“古典”っぽさは一切ない。最新鋭の“攻めた”ミュージカルだ。若手実力派俳優たちを軸にしたキャスト陣も、それぞれの役柄を楽しそうに演じている。村井良大、渡辺大輔、入野自由、三浦涼介ら男性陣はタキシード姿を粋に着こなす一方で、パジャマ姿などの可愛らしい姿も。沙央くらま、中別府葵、伊波杏樹、樋口日奈ら女性陣は華やかなパーティドレス姿で、目にも楽しい。大雑把に言うと“焼けぼっくいに火がついた”男女らの話だが、ここに大山真志、田村芽実が扮する別のカップルの恋の物語が絡み、見栄を張って素直になれないイケてる男女らが、自分の恋と向き合っていく。劇中、マシンガンが登場したりジープが登場したりパワフルでにぎやかな作品だが、恋に素直になれなかったり、恋しておバカになってしまう若者の姿は、シェイクスピアの時代も現代も変わらないなぁ……と、しみじみ思ってしまう。初日前日には、出演者による囲み取材も。「この舞台、ジープとかジャグジーとか、色々なものが出てきます。何が飛び出すかわからない。今までこういうミュージカルってみたことないなって自分でも思います」(村井)、「ひと場面ひと場面すべて濃厚で笑いがあり、ちょっとホロリとするような場面もたくさんあるので、たくさんの皆さまに楽しんでもらいたい」(沙央)、「稽古も毎日楽しかった」(三浦)、「たくさん面白い人がいっぱい出てきます」(渡辺)、「私たち自身、何回やっても面白くて楽しい」(樋口)と、口々にアピール。会見も笑顔がいっぱいで、キャスト陣のその姿からも、作品の楽しさが伝わってきた。公演は10月25日(金)まで、同劇場にて。チケットは発売中。
2019年10月03日『かもめ』(2016年)のトレープレフ役で初舞台を踏み、鮮烈な印象を残した坂口健太郎。その坂口が、前作に引き続き熊林弘高の演出で、シェイクスピアの傑作喜劇『お気に召すまま』でオーランド役に挑む。【チケット情報はこちら】近年連続ドラマの主演を務めるなど、俳優としてノリに乗っている坂口。そんな彼にとっても3年前の『かもめ』は、特別な1作になっているようだ。「初舞台ということもありましたし、すごく幸せな、宝物のような時間だったと思います。歴史のある作品でもあり、トレープレフという役をつくり上げていく上で悩むこともありましたが、演出の熊林さんが“坂口さんを通したトレープレフが、今回の舞台での1番のトレープレフになるから”と言ってくださって。それは自分にとって大きな糧になったと思いますし、あのタイミングで、あの作品に携われたことは、とてもいいめぐり逢いだったと思います」アーデンの森を舞台に、青年オーランドと男装した娘ロザリンドとの恋の駆け引きを描く本作。演出の熊林が本作を選んだ理由は、ひと言「勘」だと言うが、続けて「実は非常に人間の内面を見せている、イコール“私とはいったい何なのか”を突き詰めている作品」と語っているように、“喜劇”と位置づけられてはいるが、それは単に笑える、面白い話というわけではない。坂口も「無茶苦茶一生懸命やっている姿に笑ってしまったり、笑わせようとしているシーンで逆に冷めてしまったり。“悲劇”とか“喜劇”って言い方はしますが、そこにどういう感情が芽生えるかは人それぞれ。つまりこの作品も、そこはお客さんに委ねちゃっていいのかなと思っているんです」と微笑む。熊林と一部のキャスト、スタッフは、本番5か月前の段階からすでに、この何層にも入り組んだ戯曲を読み解く作業を進めているという。「僕はまだ参加出来ていませんが、『かもめ』の時も実感したんですよね。すべての角度から解釈を進めていくことで、どんな変更にも違和感なく対応出来るということを。本番に向けて少しずつ固めていく作業ももちろん大切ですが、熊林さんの場合、1度つくったものでもどんどん変えていって、全部がまるで液体のように混ざっていく。それって上澄みだけじゃなく、作品の理解度がすごく深かったからこそ出来たことだなと。だから今回も、オーランドという人物の内面にどれだけ迫っていけるかが非常に大事になると思いますし、その作業が今からとても楽しみです」公演は7月30日(火)から8月18日(日)まで、東京・ 東京芸術劇場プレイハウスにて。その後新潟でも上演。取材・文:野上瑠美子
2019年05月13日満島ひかり、坂口健太郎、満島真之介らが出演するウィリアム・シェイクスピアの名作喜劇「お気に召すまま」が、今夏、東京芸術劇場にて上演されることが決定した。シェイクスピアの名作喜劇を演出するのは、気鋭の若手演出家・熊林弘高。2016年上演の舞台、チェーホフ作「かもめ」では、広い空間を効果的に使い、非常に挑戦的かつ魅力的な作品に仕立て高い評価を得た。今回の舞台では、「かもめ」に出演した俳優陣が複数参加。百鬼オペラ「羅生門」以来、2年ぶりの舞台出演となる満島ひかりがロザリンド役、「かもめ」の主人公のひとりである悩める青年・トレープレフ役で舞台デビューを果たし、今回2度目の舞台出演となる坂口健太郎がオーランドー役を。そして中嶋朋子、小林勝也、山路和弘と、「かもめ」から引き続き再度集結した。そのほか、熊林作品で初舞台を踏み、2015年の「ハムレット」以来4年ぶりに姉弟共演となる満島真之介、『空飛ぶタイヤ』「潜入捜査アイドル・刑事ダンス」の中村蒼、個性派俳優の温水洋一も参加、舞台を盛り上げる。<ストーリー>青年オーランドー(坂口健太郎)は、追放された前侯爵の娘・ロザリンド(満島ひかり)と恋に落ちるが、父の遺産を継いだ実の兄オリヴァ―(満島真之介)に命を狙われていると知り、アーデンの森に逃げる。同じくロザリンドも、伯父である新公爵に追放されることに。彼女はオーランドーを追って従妹で新公爵の娘シーリア(中嶋朋子)と、召使のタッチストーン(温水洋一)を伴い森に向かう。女道中では危険だからと、ロザリンドは男装して“ギャニミード”と名乗る。森で暮らすオーランドーは、ロザリンドのことばかり想っている。そこに“ギャニミード”が登場して彼の恋の悩み相談に乗る。ついには「自分をロザリンドだと思って口説いてごらん」と言い、オーランドーは彼が実はロザリンドだと知らずに、思いのたけを告白。2人の恋愛ごっこは次第にエスカレートしていく…。「お気に召すまま-As You Like It-」は7月下旬~8月中旬、東京芸術劇場プレイハウスにて上演予定。※ほか豊橋、新潟、兵庫、熊本、北九州公演あり(cinemacafe.net)
2019年02月15日ウィリアム・シェイクスピア作の舞台『ハムレット』 が、岡田将生主演で公演。期間は東京・渋谷のBunkamura シアターコクーンにて2019年5月9日(木)から6月2日(日)まで、大阪・森ノ宮ピロティホールにて6月7日(金)から11日(火)まで。岡田将生がハムレットに挑むシェイクスピア四大悲劇の1つ『ハムレット』。デンマーク王子ハムレットが、父を殺し、母親と王位を奪った叔父へ復讐を誓う様を描いた、不朽の名作だ。タイトルロールを演じるのは、『伊藤くん A to E』や『家族のはなし』といった映画やテレビドラマのみならず、舞台『ニンゲン御破算』などでも活躍する岡田将生。初舞台作品で、演出家・蜷川幸雄に「いつか君とシェイクスピアをやりたい」と言われていたこともあるといい、待望のシェイクスピア作品への出演となる。恋人オフィーリアには、『日日是好日』『ビブリア古書堂の事件手帖』『来る』など、話題の映画に数多く出演する黒木華、主人公の母親王妃ガートルードには、NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』で母親役を好演した松雪泰子が出演。復讐に燃えるレアーティーズには青柳翔、ノルウェー王子フォーティンブラスには村上虹郎と若手の注目株が、ポローニアスには山崎一、クローディアスには福井貴一と実力派ベテラン陣が揃う。また、ホレイシオに堅山隼太、劇中劇の女王に秋本奈緒美といった精鋭キャストが脇を固める。演出を務めるのは、今作で日本初登場となる、ロンドンを拠点に活動する演出家サイモン・ゴドウィン。美術・衣裳は、トニー賞にノミネート経験もあるデザイナーのスートラ・ギルモアが担当する。あらすじ舞台はデンマーク。国王が急死し、王の弟クローディアスは王妃ガートルードと結婚し、跡を継いでデンマーク王の座に就く。父王の死と母の早い再婚とで憂いに沈む王子ハムレットは、従臣から父の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現れるという話を聞き、自ら確かめに行く。父の亡霊に会ったハムレットは、実は父の死はクローディアスによる毒殺だったと告げられる。父の復讐を誓ったハムレットは狂気を装う。王クローディアスと王妃ガートルードはその変貌ぶりに憂慮するが、宰相ポローニアスは、その原因を娘オフィーリアへの実らぬ恋ゆえだと察する。父の命令で探りを入れるオフィーリアを、ハムレットは無下に扱う。やがて、王が父を暗殺したという確かな証拠を掴んだハムレットだが、母である王妃と会話しているところを隠れて盗み聞きしていたポローニアスを刺殺してしまう──。【詳細】シアターコクーン・オンレパートリー2019 DISCOVER WORLD THEATRE vol.6Bunkamura30周年記念公演『ハムレット』作:ウィリアム・シェイクスピア出演:岡田将生、黒木華、青柳翔、村上虹郎、竪山隼太、玉置孝匡、冨岡弘、町田マリー、薄平広樹、内田靖子、永島敬三、穴田有里、遠山悠介、渡辺隼斗、秋本奈緒美、福井貴一、山崎一、松雪泰子翻訳:河合祥一郎演出:サイモン・ゴドウィン美術・衣裳:スートラ・ギルモア企画・製作:Bunkamura■東京公演期間:2019年5月9日(木)~6月2日(日)時間:13:00~、18:30~ ※日によって公演時間が異なる。会場:Bunkamura シアターコクーン(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)チケット発売日:3月2日(土)10:00チケット取扱い:・Bunkamuraチケットセンター(10:00~17:30/オペレーター対応) 発売日初日特電TEL:03-3477-9912、3/3以降TEL:03-3477-9999、オンラインチケットMY Bunkamura(要事前登録)、Bunkamuraチケットカウンター(Bunkamura1F 10:00~19:00)※発売日初日の取扱いはなし、東急シアターオーブチケットカウンター(渋谷ヒカリエ2F 11:00~19:00)※発売日初日の取扱いはなし・チケットぴあ 発売日初日特電TEL:0570-02-9980(10:00~23:59/Pコード不要)、3/3以降TEL:0570-02-9999(24時間・音声自動応答/Pコード:490-619)、オンラインサイト、セブンイレブン(24時間 毎週火・水曜日の1:30AM~5:30AMを除く)、チケットぴあ店舗・イープラスオンラインサイト、ファミリーマート各店舗(店内Famiポート直接購入)・ローソンチケット 発売日初日特電TEL:0570-084-632(10:00~23:59/Lコード不要)、3/3以降TEL:0570-000-407(10:00~20:00/オペレーター対応)、オンラインサイト、ローソン・ミニストップ各店舗(店内Loppi直接購入 Lコード:32828)■大阪公演期間:6月7日(金)~11日(火)時間:13:00~、18:30~ ※日によって公演時間が異なる。会場:森ノ宮ピロティホール(大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5)チケット発売日:4月14日(日)10:00チケット取扱い:・チケットぴあ 発売日のみTEL:0570-02-9530、発売所TEL:0570-02-9999(Pコード:491-541)、オンラインサイト・ローソンチケット 発売日のみTEL:0570-08-4653、発売日翌日以降TEL:0570-00-0407、0570-08-4005(Lコード:53693)、オンラインサイト・CNプレイガイド 発売日翌日以降TEL:0570-08-9977 0570-08-9999、オンラインサイト・イープラスオンラインサイト・森ノ宮ピロティホール 窓口販売問い合わせTEL:0570-200-888(10:00~18:00/キョードーインフォメーション)
2018年11月22日宮藤官九郎さんがシェイクスピアの『マクベス』にヘヴィメタルを組み合わせて脚色した劇団☆新感線の『メタルマクベス』。昨年オープンした、客席が360度回転する劇場・IHIステージアラウンド東京でキャストを変えて連続上演される。「新感線に宮藤さんにシェイクスピアって、演劇のオイシイところを全部ミックスしたような作品。12年前の初演時、出たかったと悔しい気持ちで客席で観ていた思い入れの強い演目で、21年ぶりに劇団に帰れるって、こんな嬉しいことはないです」橋本さとしさんが新感線の作品に出演するのは、’97年の退団以来だ。「稽古初日、僕は当然ノスタルジックな気持ちもあり、少し緊張して行ったわけですよ。でも、顔を見た途端、(主宰で演出の)いのうえ(ひでのり)さんがいきなり演出を付けだし…鞄を置く前ですからね(笑)。劇団員の方々も特別な想いで迎えてくれるわけでもなく、当たり前のように普通に話しかけてくる。一瞬で当時の空気に戻って、久しぶりに帰ってきた実家みたいな感じでした」長い年月で大きく変わったのは、劇団のネームバリューと公演の規模。「でも、いのうえさんの頭の中にあるものは、当時から何も変わってなくて、変わったのは、それを舞台上で具現化できるだけの技術と力が追いついてきているってこと。『一瞬、空中で止まってほしい』とか、無茶ブリも相変わらずです(笑)。ただ、360度客席が回転する劇場のノウハウを身につけたいのうえさんからは、次々と新しいアイデアが湧き出てくる。いま50代になって当時と同じ体のキレを要求されつつ、そのアイデアに食らいついていくだけで必死です。それでも、いのうえさんの求めるもの全部に応えたいし、劇団を離れて、『レ・ミゼラブル』などのミュージカルに本気で挑んで身につけたものも見せていきたい。自分を信じる力を教えてくれたこの場所で、すげーもんをお届けしますって自信を持って宣言したいです」はしもと・さとし劇団退団後は『レ・ミゼラブル』などの本格ミュージカルや、蜷川幸雄演出作のほか映像作品も多数出演。近作にドラマ『ブラックペアン』が。『メタルマクベス』2218年の廃退した近未来と、バンドブームに沸いた1980年代の日本とを行き来しながら、マクベスの世界が展開。ミュージカル界きっての歌い手、濱田めぐみさんとのコンビにも注目。7月23日(月)~8月31日(金)豊洲・IHIステージアラウンド東京作・宮藤官九郎演出・いのうえひでのり出演/橋本さとし、濱田めぐみ、松下優也、山口馬木也、猫背椿、粟根まこと、植本純米、橋本じゅん、西岡徳馬ほか全席指定1万3500円(税込み)ステージアラウンド 専用ダイヤルTEL:0570・084・617(10:00~20:00)※『anan』2018年7月25日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ
2018年07月22日アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの八乙女光と髙木雄也が27日、東京グローブ座でW主演舞台『薔薇と白鳥』の公開ゲネプロ後、佐藤B作、武田真治とともに取材に応じた。同作は、これまでに数多くの舞台作品の脚本・翻訳・演出 を手掛けてきたG2が書き下ろす“シェイクスピア誕生”の秘話に迫る歴史ミステリー。16世紀末の英国に実在した天才劇作家、 クリストファー・マーロウとウィリアム・シェイクスピアが実は運命的な出会いを果たしていたのではないか、というG2の仮説に基づき2人の友情や葛藤、対立、大きな秘密を描く。日本の舞台では個室楽屋前に扉ではなく、”のれん”を掛けることが慣例となっているが、八乙女は「(関ジャニ∞の)丸山(隆平)くんに、『尊敬してるので作ってください!』とお願いさせていただいた」と明かす。丸山は「僕でいいんですか」と驚きつつ、八乙女の使っているベースと、丸山の「◯」をあしらい、八乙女のメンバーカラーである黄色ののれんを贈ったという。八乙女は「デザインしてくれたのがJr.の(林)真鳥くん。毎日見るものなので先輩のパワーをもらっている気がして嬉しいです」と感謝の気持ちを表した。一方髙木は、「僕も絶賛作ってもらってる際中です!」とアピール。「作ってもらうものだというのを知らなくて、すぐ、先輩に連絡して」と苦笑し、どの先輩か聞かれると「亀梨くんです」と、KAT-TUNの亀梨和也の名前を挙げる。「ドラマ(『FINAL CUT』)をやらせてもらってたので、『すいません、お願いできませんか?』と聞いたら、本当に忙しいのに、『わかった』と言って」と感謝。「『遅いから間に合うかわかんないけど』と、急いで作ってくださって。間も無く届くくらい。本番には間に合うかも」と期待しつつ、「急だったので、申し訳ないです」と事情を語った。また、Hey! Say! JUMPのメンバーの観劇予定について、八乙女は「『バラバラに来てくれ』と言ってます。いっぺんにくると1日で終わっちゃって寂しいので」と希望を述べる。「山田(涼介)が『ひかは本当に舞台向いてるから』とすごく楽しみにしてくれている」と明かしながらも、「しょっちゅう『台詞覚えた?』って言われるんですよ。台本もらって3日後くらいに言われて、『まだだよ! 無理なんだよ! と』」とクレームを入れていた。東京公演は東京グローブ座にて5月27日〜6月24日。大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて6月29日〜7月1日。
2018年05月28日アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの八乙女光と髙木雄也が27日、東京グローブ座でW主演舞台『薔薇と白鳥』の公開ゲネプロ後、佐藤B作、武田真治とともに取材に応じた。同作は、これまでに数多くの舞台作品の脚本・翻訳・演出 を手掛けてきたG2が書き下ろす“シェイクスピア誕生”の秘話に迫る歴史ミステリー。16世紀末の英国に実在した天才劇作家、 クリストファー・マーロウとウィリアム・シェイクスピアが実は運命的な出会いを果たしていたのではないか、という作・演出のG2による仮説に基づき2人の友情や葛藤、対立、大きな秘密を描く。今回八乙女は4年ぶり、髙木は初のストレートプレイ挑戦に。八乙女は「普段のお仕事とは違いますし、稽古場でも2人で見せる表情が違います。僕は4年ぶりですけど、(髙木は)初めての舞台で、こんな素晴らしいキャストさんに囲まれて、こいつは幸せ者だなって思います」と笑顔を見せた。一方、髙木は「光くんが4年前にやった舞台(『殺風景』)を観に行って、『俺が知ってる八乙女光じゃない』と思って興味を持ったのが、まさか2人で共演するなんて」と感慨深い様子。武田には「シーンを毎回毎回見てくれて、『あそこってこういうやり方もあるんじゃない?』と。『やったら?』じゃなくて、『いろんな見せ方のバリエーションがあるよ』と教えてくださった」と感謝を表した。武田は「彼らが、内面を作るという、役者さんとして見本的な役作りをするんですけど、『それをしたいならこういう風にしたらいいんじゃないか』と。見え方の調整はしていかないと行き詰まっちゃう」と語る。「でも結構な割合で『それいらない』ってG2さんに言われて。なんか申し訳ないなと思った」と苦笑した。「精神的な支えになるしかない」というスタンスの佐藤は、「あたたかく見守るオヤジみたいな。毎日山ほどいっぱいダメ出しをもらってるし、昨日も初日前で何ぺージももらって『大丈夫かな?』って」「なんか、応援したくなる2人なんです」とエールを送るが、髙木が調子に乗った様子を見せると、「お前じゃない!」とツッコミ。髙木は「おい!」と言ってから、「いや、おいって言っちゃった!」と慌てた様子で場の笑いを誘った。佐藤は「雄也も素敵」とフォローしつつ、「光はムキになっていくところが魅力ですよ。喧嘩っ早い、喧嘩憲法みたいなそういう芝居をして素敵だなって。役に合ってて素敵だなって」と2人の良さを説明した。初日前の"ダメ出し"では全員の楽屋に紙が届けられ、誰にどのダメ出しがあったのかは一目瞭然。「莫大な量」のダメ出しを受けたという八乙女は「あまりにもテンパって、今のゲネプロの前にG2さんを楽屋に引っ張って、2人で練習してましたもん」とガッツを見せる。「へこむというより、本当に自分が悩んでるところに、G2さんの言葉がストーンとハマるんですよね。悔しいというより、受け入れちゃう」と語る。髙木は「ミスをしたら、『あーっ』となっちゃうんですが、G2さんが『ステージでは反省をするな。終わってからでいいから』と言っていたので、切り替えました」と、それぞれに学びながら舞台へ臨む様子を見せた。東京公演は東京グローブ座にて5月27日〜6月24日。大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて6月29日〜7月1日。
2018年05月28日アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの八乙女光と髙木雄也が、舞台『薔薇と白鳥』でW主演を務めることが18日、わかった。同作は、これまでに数多くの舞台作品の脚本・翻訳・演出 を手掛けてきたG2が書き下ろす“シェイクスピア誕生”の秘話に迫る歴史ミステリー。16世紀末の英国に実在した天才劇作家、 クリストファー・マーロウとウィリアム・シェイクスピアが実は運命的な出会いを果たしていたのではないか、というG2の仮説に基づき2人の友情や葛藤、対立、大きな秘密を描く。2014年の主演舞台『殺風景』以来、4年ぶりの舞台出演となる八乙女がクリストファー・マーロウを、現在放送中のドラマ『FINAL CUT』に出演出演中の髙木がストレートプレイ初主演でウィリアム・ シェイクスピアを演じる。G2は「16世紀の終わり。ロンドン演劇界に忽然と現れたシェイクスピア。同時期に姿を消してしまった同い年の天才作家マーロウ。この二人に一体何があったのか? 文献は残されていません」と説明。想像力を膨らませた同作には八乙女と髙木の台詞バトルシーンもあるという。台本を書く前の構想を話した時に2人のエネルギーも感じたと明かし、「八乙女くんはユニークなプランを創出していくタイプと見ました。物事のとらえ方が独特で、一見、優男のようでいて創作への野心を感じます。一方、高木くんはナチュラルな野生派と見ました。細かいことに目を奪われず、体当たりでぶつかることができる。素直な感受性の持ち主だと感じました」と印象を表した。東京公演は東京グローブ座にて5月27日〜6月24日。大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて6月29日〜7月1日。○八乙女光 (クリストファー・マーロウ役)コメント今回、「薔薇と白鳥」のクリストファー・マーロウを演じさせていただきます。G2さん演出 の舞台にお呼びいただき嬉しく思っています。シェイクスピアとマーロウのお話ですが、シェイクスピアを知らない人でも楽しめる物語となっています。色んな作品を世に出したシェイクスピア、そのシェイクスピアが世に出る前から、既に劇作家として名を知らしめていたマーロウ、同年齢でもある2人がもしも出会っていたら......と思うとゾクゾクします! とても素敵な夢のあるストーリーです。マーロウを演じるにあたり、緊張とワクワクでいっぱいです。演じるのは簡単ではないですが、とても面白い舞台になると思います! 髙木とも息を合わせて、良い相乗効果を発揮出来ればと思います。是非劇場に足をお運び下さい。○髙木雄也 (ウィリアム・シェイクスピア役) コメント舞台「薔薇と白鳥」にウィリアム・シェイクスピア役で出演する事が決まりました。台本を読ませて頂いて、早く演じたい気持ちで今からワクワクしています。2018年は色々な事に挑戦したいという気持ちがあり、そのような時にこのお話を頂いて、G2さんに色々な自分を引っ張り出してもらえるんじゃないかとドキドキしています! G2さんの胸を思いっきり借りながら、びしばしと鍛えて頂いて、ウィリアム・シェイクスピアを自分なりに体現したいと思います。良い作品を皆様に届けられるようカンパニーみんなで頑張ります!!
2018年02月18日女優・観月ありさが舞台『シェイクスピア物語』に出演することが13日、わかった。第1弾キャストとしてほかに、五関晃一(A.B.C-Z)、藤本隆宏、小川菜摘、秋野太作が発表された。同作は、イギリスの作家トム・ストッパードの原作をヒントに、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』がなぜ生まれたのかを紐解いていく。観月はヒロイン・ヴァイオラを演じ、男役にも挑戦。さらに、シェイクスピアのライバル俳優であり友人のネッド役を五関、ヴァイオラを金で娶ろうとするウェセックス卿を藤本、ヴァイオラの母親・マーガレットを小川、シェイクスピアの理解者である劇場主・ヘンズロー役を秋野が演じる。シェイクスピア役をはじめとした他キャストは後日発表となる。関東公演は神奈川県芸術劇場KAATで12月23日~25日、1月7日~9日の8公演限定で行われる。大阪は1月21日~22日に梅田芸術劇場メインホール、名古屋公演は1月28日に中日劇場。脚本・上演台本を元生茂樹・福山桜子が担当し、演出は佐藤幹夫が務める。
2016年11月13日『ヘンリー六世』三部作(09年)、『リチャード三世』(12年)と続いた新国立劇場のシェイクスピア・シリーズに、待望の第三弾『ヘンリー四世』が登場する。『ヘンリー六世』ではタイトルロールを、『リチャード三世』では、リチャードを倒すリッチモンド伯、後のヘンリー七世を演じた浦井健治が、今度はヘンリー六世の父、後に名君ヘンリー五世と称えられるハル王子に扮する。「7年前、ヘンリー六世を演じながら、ずっと父・ヘンリー五世の偉大さを感じていました。その役を演じることができるのは、とても光栄に思います。壮大な企画に関わる皆さんの熱意にこたえたいですし、僕自身もやるからには全力で臨みます」新国立劇場演劇『ヘンリー四世』チケット情報第一部では、ハル王子は父王の心配をよそに、素行のよくない中年騎士フォールスタッフと遊びほうけてばかりいる。しかし、反乱が起きてハル王子もフォールスタッフも戦場へ。第二部では、フォールスタッフが抵抗勢力の討伐に向かうが、ハル王子がヘンリー五世として即位したことを聞きつけ、恩賞目当てに王宮へ向かう。しかし、待っていたのは思いがけないハルの変貌だった。1・2部を通して上演すると6時間にもなる大作だ。「第一部は喜劇タッチで、ハルとフォールスタッフの親密さが大事だと思っています。ふざけ散らすのは、結構エネルギーが必要ですけど(笑)。第二部では、時代が大きく動いていく歴史劇になっていて、全く違うのが面白い。6時間と言っても戯曲を読んだ体感としては長くはありません。ハルとフォールスタッフの人間的な変化が面白くて、夢中で読みました。お客様にも楽しんでいただけるのではないかと」ハル王子は、やんちゃなこともするが、父との葛藤を乗り越えていく強さも持っている。「ただの放蕩息子ではなく、何か考えがあって、庶民の中に混じっていると思います。そのほうが父との和解のシーンがより深いものになる気がします。頭もいいですし、比喩の言葉もセンスがすごくいい。まだ、演出の鵜山さんのお話を聞いていないのでわかりませんが、王子としての自覚は忘れずに、品を失わないようにしたいですね」演出の鵜山仁とは、新国立劇場では3作目、他作を含めると5作目のつきあいとなる。「一番インパクトがあったダメ出しは“その長台詞ではお客さまが飽きる”。同じトーンでしか語っていなかったからですが、鵜山さんは色に例えて、そこは青、次は赤とイメージを言ってくれて、叫べというのもありました。結局、叫ばないことになったのですが、一度叫んだことが僕の中に残って、その台詞の表現が変わるのです。全てを把握した演出で、ついていくのに迷いはありません」身分を超えた友情、父と息子の葛藤と和解、そして目まぐるしく変わる権力の行方など、多彩な魅力に満ちた『ヘンリー四世』を、浦井はしっかりと背負って堂々と立つ覚悟だ。公演は11月26日(土)から12月22日(木)まで東京・新国立劇場中劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:沢 美也子
2016年09月16日23日(現地時間)、ウィリアム・シェイクスピア没後400年を記念したイベントがシェイクスピア出身地の劇場で行なわれ、ベネディクト・カンバーバッチらが出演、イギリス王室のチャールズ皇太子も参加した。23日、シェイクスピアの故郷であるイギリス中部のストラトフォード=アポン=エイヴォンの王立シェイクスピア劇場では、イアン・マッケランやジュディ・デンチ、ヘレン・ミレン、ベネディクト・カンバーバッチといった俳優たちが出演するイベントが開かれた。国内ではTVで生中継され、ヨーロッパ各地の映画館に配信されたイベントでは、「ハムレット」に出てくる有名な台詞「生きるべきか死ぬべきか(To be, or not to be)」をどう演じるべきかをディスカッションするという寸劇が行なわれた。ベネディクトや、現在ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでハムレットを演じているパーパ・エシデュをはじめ、俳優たちがそれぞれのスタイルで台詞を言うが、誰も納得しない。ハムレットの扮装をしたジュディがイアンと議論しているところに「ちょっとひと言、いいですか?」と言いながら、客席からステージに上がってきたのはなんとチャールズ皇太子。デンマークの王子、ハムレットの気持ちがわかるのは自分だとばかりに、「生きるべきか死ぬべきか。…それが問題だ」と台詞を披露した。「それが」の後に一呼吸置いて「問題だ」を強調する台詞回しに、皇太子を見守っていたベネディクトたちが「なるほど!」と得心した表情を見せるという寸劇に、客席は大いに湧いた。(text:Yuki Tominaga)
2016年04月25日演出家・蜷川幸雄がシェイクスピア戯曲37作品の上演を目指す“彩の国シェイクスピア・シリーズ”。その第32弾『尺には尺を』で、藤木直人が初のシェイクスピア舞台に挑むこととなった。昨年、蜷川の演出舞台『海辺のカフカ』に出演し、ロンドンやニューヨークほかを巡るワールドツアーを経験。長いツアーが終わる直前に、本作への出演が決まったという。「尺には尺を」チケット情報「ようやく『海辺~』が終わる……と思っていた時だったので、ツアー最終のソウル公演の千秋楽は「でも、まだ終わらないんだな…。半年後にはもうシェイクスピアの舞台に立っているの!?」という気持ちでした(笑)。お客様の前で演じるのは当然エネルギーがいるし、緊張感もありますけど、何よりも蜷川さんの前で演じるほうが緊張するんですよ(笑)。だから、またあの稽古場の緊張感を味わうのか…って思いましたね」喜劇であると同時に、衝撃的な展開から問題劇とも呼ばれる本作。藤木が演じるのは、侯爵(辻萬長)の代理でウィーンの統治を任された青年アンジェロだ。とくに性道徳について厳しく市井を取り締まるなか、アンジェロは不貞の罪を犯した貴族クローディオに死刑を宣告する。しかしクローディオの妹イザベラ(多部未華子)に恋をしてしまい……。「内容が気になってしまって」という藤木は、上演台本を渡される前に、戯曲を購入して読んでみたそうだ。「400年前の本であって、文化も大きく違い、独特な言い回し…。やっぱり難解というイメージがありました。しかも、その後に上がってきた上演台本が、内容は同じでも表現がことごとく違っていたんですよ(笑)。そこが翻訳劇の難しいところだなと。英語の台詞という正解があるのに、異文化である日本語に置き換えて上演するということ。でも、その挑戦を蜷川さんはずっと続けてきて、いろんな意見を言われながら闘ってきて、世界に認められた。『海辺~』のワールドツアーでは行く先々で熱狂的に迎え入れてもらったんですが、それは蜷川さんのやってきたことの証なんだなと感じましたね」前作と違い、今回は主演として稽古場の中心に立ち、蜷川の指揮を真っ向から受けとめる。「蜷川さんがどのような切り口で演出されるのか、その楽しみはあります。まあ、自分が出ない立場だったらその楽しみだけで済んだんですが(笑)。打たれ弱いんですよね」と苦笑いしつつ、覚悟は決めている。「蜷川さんが『この役を藤木がやってもいい』と言ってくださったのだから、応えるしかない。ハードルは限りなく高いし、逃げ出したくなるようなことが待っているでしょうけど、通過すべき時間なのかなと思います。あまり台詞を“独特で難解”と意識し過ぎず、自分の言葉として発せられるように頑張っていきたいと思います」公演は、5月25日(水)から6月11日(土)埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、6月17日(金)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホール、6月24日(金)から27日(月)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。チケットは発売中。取材・文:上野紀子
2016年04月11日2016年元旦に開幕する宙組宝塚大劇場公演の制作発表会が、11月12日に宝塚バウホールで行われた。演目は没後400年となる劇作家シェイクスピアを主人公にしたミュージカル『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』と、宙組トップスター・朝夏まなとの大きく真っ直ぐな瞳をテーマにしたダイナミック・ショー『HOT EYES!!』。宝塚歌劇団102周年の年頭を飾る、注目のオリジナル作品二本立てだ。宝塚歌劇宙組公演『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』/『HOT EYES!!』のチケット情報まずはミュージカルの役柄に扮した朝夏まなと、宙組トップ娘役・実咲凜音(みさき・りおん)、宙組男役スター・真風涼帆(まかぜ・すずほ)によるパフォーマンスが披露された。ウィリアム・シェイクスピア役の朝夏は、伸びやかな歌と清々しい存在感が際立つ。「歌詞がとても美しく詩的なのでそこを大切に演じました」と朝夏。シェイクスピアの妻アン・ハサウェイ役の実咲も美しい歌声を披露し、「ウィリアムに興味をもって近づいていくチャーミングさを意識しました」と語る。爽やかな雰囲気のトップコンビとは相反する光を放っていたのが、ハンズドン卿ジョージ・ケアリー役の真風。髭をたくわえた渋い容姿で力強くソロナンバーを歌い、「“悪”ではなく“欲”を大切に演じました」と話す。謎多き雰囲気で、物語を盛り上げそうだ。パフォーマンスの最後は朝夏がひとり舞台上で、主題歌『Will in the World』を堂々と歌う。朝夏の代表曲になりそうな壮大で美しい楽曲だ。作・演出の生田大和はこの曲について「ウィリアム自身が世界に立ち、世界へと願いが広がるというイメージ」と明かし、今回のシェイクスピア役は“清廉さと人を惹きつけるチャーミングさがある”朝夏の魅力に基づいた人物像になると語る。「いつかシェイクスピア作品に出られたらと思っていましたが、まさか本人役をやらせていただけるとは(笑)。ひとりの男としての部分と、色々な言葉を生み出す作家としての部分、その二面性を大事に演じたいです」(朝夏)『HOT EYES!!』は、朝夏が宙組トップになってから初の新作ショー。宝塚歌劇団のショー作家の旗手・藤井大介は、「朝夏率いる今の宙組のダイナミックさを、よりゴージャスにお見せするショーにしたい」と話す。そのダイナミックさを活かす試みでもあるのが、全場面で大階段のセットを使う大胆な演出。『オペラ・トロピカル』(草野旦作・演出)以来宝塚では33年ぶりとなる。「草野先生の作品を学生時代に観て衝撃を受け、いつかやってみたいと思っていた演出です」という藤井の思いを受け、朝夏は「足腰を鍛えます!」と笑顔で応えていた。兵庫・宝塚大劇場公演は2016年1月1日(金・祝) ~ 2月1日(月)まで。また、2月19日(金) ~ 3月27日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。チケットぴあでは兵庫・宝塚大劇場公演のWEB先行抽選「プレリザーブ」を11月18日(水)11:00 ~ 11月23日(月・祝)11:00まで受付。取材・文/小野寺亜紀
2015年11月17日シェイクスピアの時代にならって男性キャストだけで演じる“オールメール”作品。蜷川幸雄演出・監修で上演されてきた彩の国シェイクスピア・シリーズの最新作『ヴェローナの二紳士』が、この秋お目見えする。溝端淳平が初めての女役に挑むなど、魅力的なキャストが揃うなか、溝端演じる娘の恋人役に三浦涼介が抜擢された。同じ蜷川演出の『わたしを離さないで』でも鮮烈な演技を見せた三浦。初めてのシェイクスピアで、さらなる進化を遂げようとしている。舞台『ヴェローナの二紳士』チケット情報三浦が蜷川演出作品に出演するのは、2012年の『ボクの四谷怪談』、2014年の『わたしを離さないで』に続き、3度めとなる。「蜷川さんはとても愛のある人。そのおかげで、前向きになったり、お芝居が楽しいと思ったり、この先も続けていっていいんだなと思えたりしたんです」とその出会いの大きさを語る。ゆえにまずは、「蜷川さんとまたお仕事するということに自分の意味を置きたい」と言う。蜷川によって開いた可能性と力を自らで存分に活かしたいのだ。「しかも、以前、蜷川さんから弱い役のほうが向いてると言われたことがあって、今回演じる役はそれとは真逆なので。蜷川さんが納得するものを見せるという意味で勝負だなと思っているんです」。『ヴェローナの二紳士』で三浦が演じるのはプローティアス。溝端扮するジュリアという恋人がいながら、留学先のミラノで親友の想い人に横恋慕するという、いわば自分の思いのままに生きる男である。「本当に自分の思いにまっすぐな人なんです。相手に対しても隠しごとなくぶつかっていって、失うものがあってもいいから自分を全うしようっていう。そこはちょっと自分に近い部分もあるので(笑)、描かれている時代も環境も違うんですけど、違和感なく台本を読めました」。シェイクスピアの世界に初めて触れて、“美しい”とも感じたそうだ。「台詞はちょっと難しい言葉が並んでいたりするけど、噛み砕いていけば本来の人間の姿が見えてくるような感じがするんです。今は情報がありすぎて、人に何かを伝えるにも遠回りしたりしているから、言葉とか行動がこれぐらいまっすぐでいいんじゃないかなと思ったりします」。また、男性が女役を演じることで“美しさ”がより高まるという期待も。「男ならではの女性の美しさへのこだわりみたいなものってあると思うので(笑)、その美しい娘たちに本気で惚れたいと思います」。オールメールだからこそ広がるイマジネーションがある。その喜びを、演者とともに味わいたい。公演は10月12日(月・祝)から31日(土)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、11月6日(金)から9日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、11月14日(土)・15日(日)は愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール、11月21日(土)から23日(月・祝)まで福岡・キャナルシティ劇場にて。取材・文:大内弓子
2015年08月20日蜷川幸雄の演出・監修でシェイクスピアが書いた37戯曲の上演を目指す彩の国シェイクスピア・シリーズ。第31弾の今回は、全ての役を男性キャストが演じる人気の高い「オールメール」作品として、喜劇『ヴェローナの二紳士』を上演する。メインキャストのひとりで、蜷川作品初参加となる高橋光臣に、舞台への思いを聞いた。「ヴェローナの二紳士」チケット情報「この世界に入ったときから、いつか蜷川さんとつながるのではないかという思いでやってきました。役者をして10年。ついにその時が来ました」。演じるのは、ヴェローナで生まれ育ったヴァレンタイン。教養を身に着けるため、ミラノへと旅立つ、タイトル通りの紳士だ。「何事にも一直線につき進んでいく真面目な男で、僕が得意とする分野。物語は彼のセリフで幕を開け、幕を閉じる。贅沢な恵まれた役です」ヴァレンタインは旅に、三浦涼介演じる友人のプローティアスを誘うが、溝端淳平が扮する娘ジュリアに夢中な彼はそれを断る。一方、ヴァレンタインも、ミラノで月川悠貴が演じるシルヴィアと恋に落ちる。しかし、ミラノへやって来たプローティアスもシルヴィアに恋をしたことから、おなじみのシェイクスピアのドタバタ劇が展開していく。「シュッとした3人と比べて僕だけ顔と雰囲気が古風(笑)。だからちょっと3人とは違うアプローチができるかなと思います。溝端さんと三浦さんの化学反応も楽しみですし、僕とシルヴィアの関係は、月川さんがかつて「オールメール」作品でされた女役の美しさを知っているからこそ、僕が胸をかりる気持ちですね。男同士のキスシーンも期待して下さい(笑)」プローティアスの「恋において友人を大切にする男はいますか」というセリフは、物語の核をなす。「昔、僕と仲のいい友人が、僕の当時の彼女を好きだったことがあって。僕はコイツだったら彼女とうまくいってもいいなという気がしました。僕がヴァレンタインなら道を譲ると思う。でも、友情や愛に裏切りはつきもので、そこは作品の見どころです」厳しさで有名な蜷川との稽古は、これから始まる。「耐えられるかなと思う反面、キツイことを無理にでも言われてみたい。思いきり変な方向にボールを投げてみようかな(笑)」と、学生時代にラグビーで鍛えたスポーツマンならではの言葉だ。「ラグビーはトップレベルの選手は幻の赤い線が見える瞬間があり、そこにパスを出すと勝てるそうです。舞台も役者同士が繰り広げる戦いの場。いつかそんな“プレイ”ができれば最高ですね」公演は10月12日(月・祝)から31日(土)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、11月6日(金)から9日(月)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、11月14日(土)・15日(日)は愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール、11月21日(土)から23日(月・祝)まで福岡・キャナルシティ劇場にて上演。埼玉、大阪、愛知公演はチケット発売中。福岡公演は8月22日(土)一般発売開始。取材・文:米満ゆうこ
2015年08月19日演出家の蜷川幸雄の演出・監修によりシェイクスピア全37戯曲の上演を目指す、彩の国シェイクスピア・シリーズ。第31弾はシェイクスピア最古のコメディといわれる『ヴェローナの二紳士』を上演する。シェイクスピアの時代にならい全ての役を男性キャストが演じる“オールメール”シリーズの最新作で、主演の溝端淳平が純朴な田舎娘ジュリア役で初めて女役に挑む。蜷川とは海外公演も果たした『ムサシ』以来、2度目のタッグだ。「ヴェローナの二紳士」チケット情報「『ムサシ』に出演させてもらった時に、できれば次はシェイクスピアでご一緒したい!と思っていたので。本当に夢のようですし、光栄です。蜷川さんは役者を成長させようと毎回課題を与えてくださる、厳しさの中にも愛のある方。今回も女性役という自分でも想像がつかないようなところに踏み入れられるチャンスを得られたことは、嬉しいですね」2組の男女を巡る恋と友情、裏切りを描いたコメディ。溝端演じるジュリアは恋人を追ってヴェローナからミラノへ出るが、彼氏は別の女性に心を奪われていた。しかも彼氏は、道中護身のために男装していたジュリアをそうとは知らず小姓に就かせ、恋の使いまでさせてしまう。「恋愛も友情もちょっとしたことで裏切られたり、修復したりする。特に若いうちは心変わりしやすいものだろう。そんなリアルな問いかけが、喜劇の中に隠されている。それゆえ後半の展開にはすごく驚かされる部分もあるんですが、そこにリアリティがある。ジュリアは正直で心に芯を持った素敵な人。僕も和歌山県出身でミステリアスな影とかは自分でもないと思うので、そこは似ているのかな(笑)。気持ち的には入りやすい」12月には寺山修司の舞台『レミング~世界の涯まで連れてって』への主演が控えるなど、これまでつかこうへい、井上ひさし、永井愛ら演劇界を代表する作家の作品に触れてきた。「才能ある方々とご一緒した時間は財産だと思います。舞台では役者の心技体が伴わないと感動を届けられない。それを実践されている先輩方の姿には憧れますし、自分もいろんな役に挑戦して殻を破りたい。ここ数年で舞台の魅力に、どんどん引き込まれています」初の女役に向け「やれることは何でもやっていきたい」と、まずは自分なりに歌舞伎の女形などを参考に所作や動きを研究する日々。線が細くみえるよう、体も絞るつもりだ。「オールメールってどう演じるの、女役を演じながら男装なんてできるの?とか、やる方も観る方もハラハラすると思う。そんな普通じゃない所に魅力があるんじゃないかな。『ヴェローナ~』は特にシェイクスピアを初めて観る方にも見やすい作品だと思う。絶対にここでしか味わえない感動があるので。僕の女役も含め、楽しみに見に来て欲しいですね」公演は10月12日(月・祝)から31日(土)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、11月6日(金)から9日(月)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。愛知、福岡公演あり。取材・文:石橋法子
2015年08月06日シェイクスピアの問題劇と呼ばれる戯曲『トロイラスとクレシダ』がこの夏、上演される。シェイクスピア全戯曲翻訳という偉業を達成し、本作の翻訳も手がける小田島雄志ですら「過去に一度しか観たことがない」と言うほど、上演機会の少ない作品だ。その演出を務めるのが、鵜山仁。日本を代表する演出家であり、シェイクスピア作品を数多く演出している鵜山だが、もちろんこの戯曲を取り上げるのは初。彼がこの作品をどう捉え、どう向き合っていくのか話を聞いた。チケット情報はこちらトロイ戦争を背景に、様々な人々の思惑や駆け引き、そして愛と裏切りを描く物語。悲劇的な部分も喜劇的な部分も内包し、悲劇とも喜劇とも単純に分類しがたいところが、問題劇と言われる所以だ。だが鵜山は「戦争ばかりではなく、恋愛と政治、個人の思惑と国の行く末が渾然一体となっている。それぞれの思惑が衝突しあって、結果誰の思惑もきれいには実現しないで終わる…という意味では、人間の試みがうまくいかない時のシンボルみたいな作品。そのあたりが奇妙といいますか、わかりにくいところだと思うのですが、そこに独特の魅力がある」と、それこそがポイントであると話す。「そもそも何のために人は生きているのか、何のために恋愛をするのかなんてわかりやすく説明がつくものではない。でもそれがきっと、人間が生きていく上でのエネルギーになる。人間が出会って変化していくということが、行く末、世界を豊かにしていく。そういう前提で芝居を創りたいと思っています」。そんな一筋縄ではいかない人間の複雑さは、シェイクスピア作品全体の魅力でもあるという。「人間の良いところばかり見ていない、良いやつも悪いやつもいるし、ひとりの人間の中に良い面も悪い面もあるというところが面白いですね。むしろその葛藤、ぶつかり合いが人間を動かしていく力になっている」、そこがシェイクスピア作品の力学なのでは…と見解を話してくれた。そしてキャストには、鵜山が信頼を寄せる顔ぶれが揃った。岡本健一、渡辺徹、今井朋彦、横田栄司、吉田栄作、江守徹ら個性的で力強い俳優たちが名を連ねる中、タイトルロールのトロイラスとクレシダは、浦井健治とソニンが扮する。「浦井君は、ぶつかりがいがある人。まだまだ色々な可能性があるんじゃないかなと思うし、そういう意味ではつかみどころがない魅力がある。ざっくばらんに話ができる“相方”です。また彼の新しい表情が見せられれば。ソニンさんはとにかく“女のパワー”を感じさせる人。ふたりの突っ込みと受け…コントラストが効いているんじゃないかな。どういう立会いになるのか楽しみにしています」と期待を語った。実力派揃いのキャストを得た鵜山が手がける問題作は、現代の我々に何を訴えかけてくるのか。7月の開幕を楽しみに待とう。公演は7月15日(水)から8月2日(日)まで、東京・世田谷パブリックシアターにて。チケット発売中。ほか石川、兵庫、岐阜、滋賀公演あり。
2015年06月25日シェイクスピア劇の中で、世界的に見ても特に上演機会の少ない異色作『トロイラスとクレシダ』がこの夏上演される。6月2日、都内にてこの作品の制作発表会が開催され、タイトルロールを務める浦井健治とソニンをはじめとする出演者たち、演出の鵜山仁らが登壇した。チケット情報はこちら紀元前のトロイ戦争を背景に、男女の愛と裏切りと、国同士の戦いという二本の柱を軸に、一癖も二癖もある登場人物たちの姿が描かれていく作品。喜劇、悲劇、歴史劇のすべての要素があり、分類不能であることから“問題劇”と称されることも多い。だが翻訳を務める小田島雄志は「以前、イギリスの知人が『この作品は演出家が一番やりたがる本であり、観客が一番観たくない本である』と言っていた(笑)。ただ最近になって、人間というものははっきり割り切れるものではないという人間観が広まってきてから、この芝居が面白いのではという興味が観客側にも沸いてきたと思う」と、今上演することへの期待を語る。また演出の鵜山は「愛や信義、名誉といったプラスのもの、良きものが壊れていく時にどのくらいのエネルギーを出すか。その崩壊のエネルギーを極大に感じられた時、崩壊した後に生きていくには何が必要になるか、何が支えになるか、そういうことを描いた作品だと思っています」とポイントを話した。クリエイター陣の意気込みを聞き、出演陣からも作品の上演意義を深く掘り下げたコメントが続く。トロイの王子・トロイラスを演じる浦井は「鵜山さんが仰った『混沌から未来へ』というのがテーマなんだろうな思いながら伺っていました。結論が出ないけれど結局は進んでいかなきゃいけないというのがとても現代的であり、現代日本の姿も表しているのかなと思います」と話し、ヒロイン・クレシダ役のソニンも「喜劇なのか悲劇なのか歴史劇なのか…という話ですが、人生って、時に悲劇だったり、すごく滑稽だったり、美しかったり汚かったり、そういうものが混ざっている、混沌とした世界なんじゃないかなとふと思いました」と語る。ふたりともこの作品の世界が我々の世界と地続きであることを感じているようだった。この日の登壇者はほかに岡本健一、渡辺徹、今井朋彦、横田栄司、吉田栄作、江守徹。意気込みを熱く雄弁に語る共演者を見て、年長の江守が「みんなよくしゃべるのでひと言だけ…。新人のつもりで頑張ります」と話し、一同が大笑いする場面も。気心の知れた豪華出演陣が、この壮大な戯曲をどう舞台上に描き出すのか、楽しみに待とう。公演は7月15日(水)から8月2日(日)まで、東京・世田谷パブリックシアターにて。チケットは発売中。ほか石川、兵庫、岐阜、滋賀公演あり。
2015年06月04日『6歳のボクが、大人になるまで』のイーサン・ホークが主演を務め、シェイクスピア劇を現代に蘇らせる映画『アナーキー』の日本公開が決定、予告編が解禁となった。鉄の拳と巨大な組織のバイク・ギャング軍団「The Britons」の麻薬王、シンベリン(エド・ハリス)は、後妻のクイーン(ミラ・ジョヴォヴィッチ)を溺愛するが、クイーンがローマ警察からの献金の要求を断るよう唆したことがきっかけで、血まみれの縄張り争いが勃発する。シンベリンの娘のイノジェン(ダコタ・ジョンソン)は、幼馴染のポステュマス(ペン・バッジリー)と結婚する。しかしシンベリンは、クイーンの息子クロートン(アントン・イェルチン)と娘を結びつけるためにポステュマスを追放してしまう。ポステュマスと出会ったヤーキモー(イーサン・ホーク)は、賭けをふっかける。ポステュマスとイノジェンの愛は本物か?ヤーキモーがイノジェンを誘惑するというのだ。ヤーキモーが突き付けた証拠に、ポステュマスは怒り狂う。イノジェンは姿を消し、ギャング軍団とローマ警察との抗争は激化、そして…偽りと真実が明らかにされる――!シェイクスピア劇の舞台を現代に置き換え、大胆にアクションを加えた映画『アナーキー』が、6/13(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開となる。主演を務めるのは、『プレディスティネーション』『6歳のボクが、大人になるまで』のイーサン・ホーク。監督を務めるマイケル・アルメレイダとは『ハムレット』以来のタッグで、再びシェイクスピア劇の現代化に挑む。共演には、『ラン・オールナイト』の公開が控えるエド・ハリス、「ヴァイオハザード」シリーズでヒロインを演じたミラ・ジョヴォヴィッチ、大きな話題を集めた『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』でヒロインを務めたダコタ・ジョンソンなど、超豪華キャストが名を連ねる。公開となった予告編は、銃やナイフ、燃え上がる車に暗躍するギャングたちの姿など、タイトルの通り混沌とした様相を呈する映像の連続。恐ろしいいでたちの悪役エド・ハリスの存在感がとにかく圧巻の一言だ。「真実も愛も裏切られる」というセリフに象徴されるように、暴力が支配する中での翻弄される登場人物の姿が描かれ、既に傑作の風格を感じる予告編となっている。これまでにも数多くの映画化作品を生んできたシェイクスピア劇。シェイクスピアの描く悲劇がいかに現代においても人々の心をつかむのかを、本作でもまた感じることができそうだ。『アナーキー』は6月13日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月28日宝塚歌劇団雪組元トップスター、音月桂が退団後2作目となる久々の舞台で、双子の兄妹をひとりふた役で演じる。演目はシェイクスピアの最高傑作と称される恋愛喜劇『十二夜』。本場ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエント・ディレクターを務めるジョン・ケアードが演出を手掛ける世界初演作だ。「十二夜」チケット情報船の遭難事故で双子の兄セバスチャン(音月)を亡くしたと信じる妹ヴァイオラ(音月)は護身のため男になりすまし、恋するオーシーノ公爵(小西遼生)に仕えていた。オーシーノは爵家令嬢オリヴィア(中嶋朋子)に恋い焦がれ、オリヴィアの執事(橋本さとし)も人知れず彼女を慕っていた。が、当のオリヴィア本人は男装したヴァイオラにひと目惚れ。そこへ、兄セバスチャンが生還してくることで、いよいよ恋の糸が絡まり始める……。「ケアードには男女共に男らしい面、女らしい面が共存しているから、無理に演じ分けなくてもセリフを正確に伝えれば気持ちは伝わる。今どっちだろう?とお客さんが錯覚するぐらいが面白いと、言ってもらえたので肩の荷が下りました。宝塚で鍛えた早変わりも見ものです」シェイクスピア劇は比喩に富んだ膨大なセリフ量で知られる。その特徴を詩のように情感豊かな景色として楽しめる人がいる一方で、難しいと捉える人も少なくない。「私も敷居の高さを感じていたひとりでしたが、この作品は本当に楽しい!ケアードは日本語の台本を英訳してそれをまた原作と見比べて、丁寧に現代の日本人に伝わるように表現を噛み砕いていく。お客さまにはすっと物語が入ってくると思います。何より恋愛の形は今も400年前も変わらない。切なくて甘酸っぱくて。現代にシェイクスピアが生きてたら、一緒にご飯を食べながら色々と話したいほど。今では勝手に親近感を感じています(笑)」先日、同期の北翔海莉の星組新トップスター就任が発表された。「LINEでは祝福メッセージが飛び交いました!!」と同期の頑張りに励まされ、自身も女優として成長したいと意気込む。「宝塚を卒業した今は大口を開けて笑ったり、思いっきり泣くこともできる(笑)。素の自分で勝負できることが嬉しくて。今後、等身大の女心に共感してもらえる機会も増えると思う。特に今作はロマンチックな台詞も多いので、たくさんキュンキュンしてほしいなと。お客様と一緒に作り上げる体感型の舞台です。毎日でも劇場でお待ちしております!」公演は3月8日(日)から30日(月)まで東京・日生劇場、4月7日(火)大分・iichiko総合文化センターiichikoグランシアタ、4月10日(金)から12日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。尚、大阪公演では初日にメインキャストらによるアフタートークショーを開催。また翌11日(土)17時公演に限り、来場者全員に大阪公演オリジナルイラスト付き缶ミラーをプレゼントする。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2015年03月23日元宝塚雪組トップスター、音月桂が主演する舞台『十二夜』がまもなく開幕する。シェイクスピア中期の傑作で最後のロマンチック・コメディとも呼ばれている本作は、恋のすれ違いに勘違い、いたずらが入り乱れる、陽気で可笑しく、しかしその中にどこかほろ苦さもある美しい物語だ。「今、毎日がすごく楽しい!」という稽古期間を過ごしている音月に、話を聞いた。『十二夜』チケット情報はこちら世界で一番上演される機会が多い、つまりは世界で一番愛されている劇作家であろうシェイクスピアだが、なんといっても400年前の時代に生きた人物。古典だと敬遠する人も少なからずいるだろう。音月も最初は「お堅い、難しい作品」なのではと思っていたそう。だが「実際に稽古に入るとあっという間にそんな不安はなくなり、この世界にどっぷりハマっています。シェイクスピアが生きていたらいいお友だちになれたんじゃないかなと思うくらい(笑)」という惚れこみようだ。「登場人物それぞれに共感できますし、そのキャラクターたちが真剣に生きている上で起こってしまったハプニングや勘違いが、とても楽しいものになっています。テンポもなめらかで、スピード感もある。上質な笑いがあります」。演出を手掛けるのは『レ・ミゼラブル』オリジナル版の演出家であり、シェイクスピアの本場、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのジョン・ケアードだ。「ジョンには“言葉を大切に”と言われています。私はこれまで、感情から入るお芝居の作り方しかしたことがなかったんですね。ジョンが言う“気持ちが出来上がる前にまず、その言葉を言う”という作り方は最初は戸惑いました。でもシェイクスピアのいいところは、歌のように流れが出来ているところ。大げさに言えば棒読みでも感情が乗っかるのか、と思ったんです。難しいですが、すごく新鮮です」。新しい挑戦をしている最中なのだと、キラキラとした目で嬉しそうに話す。その物語の中で、音月は生き別れになった兄と妹のふた役を演じる。男性にも扮するということで、宝塚時代からのファンにとっては嬉しい姿が見られそうだが、「今回男性を演じるというのは同じでも、宝塚時代とはぜんぜん違うものになるような気がしています。同じ舞台上にホンモノの男性がいらっしゃる中で嘘はつけないですしね。宝塚の男役はやっぱり美しく描かれた男性像ですので。ただ今回は立ち回りもありますし、やっぱり宝塚での男役の経験は身になっています。そこに頼りすぎず、いいものは残しつつ、新たな男役というものを確立していけたら。お客さまの期待もいい意味で裏切っていきたいですね」。シェイクスピアに真正面から向き合っている音月の全身から、充実感が伝わってくる。音月が女優としても大きな飛翔をしそうな本作、お見逃しなく。共演は小西遼生、中嶋朋子、橋本さとし他。公演は3月8日(日)から30日(月)まで東京・日生劇場にて。その後大分・iichiko グランシアタ、大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演される。チケットは発売中。
2015年03月05日イギリスの劇作家であるウィリアム・シェイクスピアが生んだ名作の数々は、実は別人が書いていた…。にわかには信じがたい仮説を下敷きに、代筆者として取りざたされる貴族作家の知られざる半生と恋、そして陰謀を描いた歴史ミステリー『もうひとりのシェイクスピア』がついに12月22日(土)、全国で公開される。メガホンを執るのは、『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』『2012』といったハリウッド超大作を手掛けてきたローランド・エメリッヒ監督。これまで幾度となく世界を“破壊”させたディザスター映画の名匠が、新作のテーマにシェイクスピアを選んだ理由を「私は常に論争の的になるような題材に興味があるんだ」と語っている。その他の画像「当初は、シェイクスピアが生み出した傑作の数々を振り返り、作家・シェイクスピアとして称えたいと思っていたんだ。ところが、ふと人間の本質を描く戯曲を30以上も書いた彼はどんな人物なんだろうと考えると…」とエメリッヒ監督。以前、オックスフォード大学で“シェイクスピア別人説”の討論が行われたと知り、「まずは真実を知りたい」と持ち前の好奇心に火がついたのだとか。そんなエメリッヒ監督が出会ったのが、“シェイクスピア別人説”を20年以上研究してきたという脚本家のジョン・オーロフ氏。長年本作の企画を温めていたが、アカデミー賞受賞作『恋におちたシェイクスピア』(98/ジョン・マッデン監督)が製作されたことにより一度は断念していたという。エメリッヒ監督は「脚本を読んで、ただ一言『素晴らしい! なんと驚くべき物語なんだ』と心を動かされた」といい、「読み進めるうちに『シェイクスピアは本当の作者でない。彼は書いていない』と確信した」と断言する。なぜ、そこまで言い切ることができるのか? その“答え”がエメリッヒ監督の熱意によって、本作『もうひとりのシェイクスピア』に緻密に描かれている。これまでのイメージを打ち破る作風に加えて、エリザベス王朝時代の衣装・美術を再現した緻密な世界観、16世紀末ロンドンを追体験させる最新VFXなどエメリッヒ監督の本領が発揮される映像世界も見逃せないポイントだ。『もうひとりのシェイクスピア』12月22日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー文:内田 涼
2012年12月21日俳優で演出家の江守徹が、ローランド・エメリッヒ監督の最新作『もうひとりのシェイクスピア』を「これはもうひとつのシェイクスピア劇だ」と絶賛している。イギリスを代表する劇作家シェイクスピアによる名作の数々は、実際には別人が書いていた…。そんな大胆な仮説に切りこむ歴史ミステリー。江守は俳優として、舞台『オセロ』『マクベス』『リチャード三世』といったシェイクスピア作品に出演。また、初の演出作品に『ハムレット』を選ぶなどシェイクスピアに造詣が深い。その他の画像映画は現時点でシェイクスピアの名作を代筆した“最有力候補”と目される貴族作家・オックスフォード伯が自身の名誉を封印した物語を、エリザベス一世との愛憎、宮廷を舞台にした政治謀略の渦などを交え重厚に描く。江守は「エリザベス女王役のヴァネッサ・レッドグレイヴに先ずはびっくり」と現在75歳のベテラン女優にも賞賛の声を寄せる。江守をはじめ、各界の著名人も本作を絶賛しており、シェイクスピアの4大悲劇として知られる作品『リア王』『ハムレット』『オセロ』『マクベス』を全て演じた歌舞伎俳優の松本幸四郎は「“もうひとり”の存在によって、シェイクスピア作品はより魅力的に甦る。歴史、恋、政争…すべてにリアリティがもたらされた」と賛辞を送る。また、宝塚歌劇団出身の麻実れいは、「魅力的な歴史ミステリー。美しく華やかで面白く、この映画そのものがシェイクスピアでした!」とこちらも手放しの高評価。さらに、彩の国シェイクスピア・シリーズの企画委員長である河合祥一郎氏は、著書『謎ときシェイクスピア』(新潮社刊)で“別人説”を否定こそしているが、「シェイクスピア通をうならせる仕上がり。史実の奇想天外な解釈に仰天しつつ楽しみました」と映画そのものの完成度に舌を巻いている。『もうひとりのシェイクスピア』12月22日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー文:内田 涼
2012年12月17日ローランド・エメリッヒ監督の新作『もうひとりのシェイクスピア』が12月22日(土)より公開される。これまで『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』などの作者は劇作家・シェイクスピアとされていながらも、“別の人物が作品を書いた”という謎の別人説も伝えられている。その最有力候補である人物のドラマを描いた本作に、著名人から多くの絶賛の声が寄せられている。その他の写真そもそも、文学史上歴史的な謎として知られる“シェイクスピア別人説”は、彼に対する記述がほとんど残されていないということからはじまったという。この謎を解き明かそうと研究する学者たちはさまざまな説をとなえているが、現在もっとも有力とされている人物は、貴族であり作家のオックスフォード伯。本作ではこの謎を基に、女王エリザベス一世と若き日に許されない恋に落ちた伯の知られざるドラマを描いている。シェイクスピアの4大悲劇として知られる作品『リア王』『ハムレット』『オセロ』『マクベス』を全て演じた歌舞伎俳優の松本幸四郎は「“もうひとり”の存在によって、シェイクスピア作品はより魅力的に甦る。歴史、恋、政争…すべてにリアリティがもたらされた」と絶賛。宝塚歌劇団出身の麻実れいは、「魅力的な歴史ミステリー、美しく華やかで面白く、この映画そのものがシェイクスピアでした!」とコメントしている。さらに、彩の国シェイクスピア・シリーズの企画委員長である河合祥一郎氏は、著書『謎ときシェイクスピア』(新潮社刊)で論議を否定していたが、「シェイクスピア通をうならせる仕上がりです。史実の奇想天外な解釈に仰天しつつ楽しみました」と高く評価している。近年では『ピラミッド 5000年の嘘』など、歴史の謎に迫った作品が多く公開されているが、本作ではあえて歴史の謎を紐解くために論破するという手法をとらず、謎の裏側に隠された人間ドラマを描いている。“シェイクスピア別人説”が正しいか否かは別として、多くの著名人の心を捉えた本作の公開を心待ちにしたい。『もうひとりのシェイクスピア』12月22日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
2012年11月28日日本でも毎年、人気の俳優、一流の演出家で必ず舞台公演が行われているシェイクスピア。しかし、18世紀の昔から“シェイクスピア別人説”が議論されていたことをご存じだろうか?『インデペンデンス・デイ』などで知られる巨匠ローランド・エメリッヒ監督がこの文学史上最大の謎に切り込んだ衝撃の問題作『もうひとりのシェイクスピア』。欧米で大激論を巻き起こした本作の予告編が遂に解禁となった。16世紀末、エリザベス朝――。当代一流の知識人、詩人、劇作家として知られたひとりの貴族がいた。その名は、第17代オックスフォード伯爵エドワード・ド・ヴィア。彼こそがシェイクスピア作とされる名作の数々を著した作者…。しかし何故、彼はその真実を隠さねばならなかったのか?数奇な運命に翻弄された悲劇の男の物語がいま、明かされる。生涯が謎に包まれ、自筆の原稿が何一つとして見つかっていないシェイクスピアの別人説を、長年研究してきた脚本家ジョン・オーロフと共に、10年以上夢見てきた映画化を実現させたエメリッヒ監督。本作では、別人説の中で現在もっとも有力とされている“第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィア”が真の作者ではなかったか、という説が描かれる。“真の作者”オックスフォード伯に扮するのは英国出身のリス・エヴァンス。『アメイジング・スパイダーマン』で演じた悪役・リザードが記憶に新しい彼だが、そのときとはまるで別人のような演技で、英国俳優の底力を見せている。今回公開となった予告編では、リスの気品あふれる姿が見られるのと共に、エメリッヒ監督の真骨頂と言える、最新VFXで再現した16世紀末ロンドンの色鮮やかな街並みがたっぷりと堪能できる。中でも、エリザベス1世崩御の葬列シーンの迫力は圧巻!シェイクスピアの時代を目の前に蘇らせたかのような臨場感あふれる劇場のシーンは、演劇ファンならずとも鳥肌が立つこと間違いなし。真偽のほどはさておき、「もし彼が真の作者だったら」、なぜ彼は未来永劫その真実を隠さねばならなかったのだろうか?日本でも論争を巻き起こしかねない本作だが、まずはこちらの予告編から大いなる謎の一端を覗いてみて。『もうひとりのシェイクスピア』は12月22日(土)よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:もうひとりのシェイクスピア 2012年12月22日よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2011 Columbia Pictures Industries, Inc. and Beverly Blvd LLC All Rights Reservedアメイジング・スパイダーマン 2012年6月30日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2012 Columbia Pictures Industries, Inc. MARVEL, and all Marvel characters including the Spider-Man character ™ & © 2012 Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved.
2012年10月12日