福島第一原発事故の関係者90人以上への取材を基に綴られたジャーナリスト門田隆将渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」の映画化『Fukushima 50』に、緒形直人、平田満、吉岡里帆、斎藤工、佐野史郎、中村ゆりら総勢37名の追加キャストが発表。さらに、ティザービジュアルと特報映像も到着した。2011年3月11日午後2時46分に発生し、マグニチュード9.0、最大震度7という、日本の観測史上最大の地震となった東日本大震災時の福島第一原発事故を描く本作には、すでに福島第一原発1・2号機当直長伊崎利夫役で主演する佐藤浩市をはじめ、渡辺謙、吉岡秀隆、安田成美の出演が決定していた。今回新たに発表されたのは、日本を代表する豪華俳優陣37名。緊急時対策室(通称:緊対)で、大津波により失われた原子炉建屋の電源復旧のために尽力する発電班長・野尻庄一役に緒形直人。管理グループ当直長・大森久夫役には火野正平。休日であったが、地震発生直後にイチエフに駆けつける第2班当直長・平山茂役には平田満。第2班当直副長・井川和夫役には萩原聖人。避難所で連絡が途絶えた父の身を案ずる伊崎の一人娘・伊崎遥香役を吉岡里帆。遥香の恋人・滝沢大役を斎藤工。伊崎の妻・伊崎智子役を富田靖子。地震発生直後から官邸内の危機管理センターで陣頭指揮を執っていたが、突如自らイチエフへ向かう内閣総理大臣役には佐野史郎が決定。さらに、第1班当直副長・加納勝次役に堀部圭亮、第3班当直長・矢野浩太役に小倉久寛、管理部当直長・工藤康明役に石井正則、第1班当直主任・本田彬役に和田正人、5・6号機当直副長・内藤慎二役に三浦誠己、第1班当直主任・山岸純役に須田邦裕、第1班補機操作員・宮本浩二役に金井勇太、第1班補機操作員・小宮弘之役に増田修一朗、第1班補機操作員・西川正輝役に堀井新太、第1班主機操作員・小川昌弘役に邱太郎、第1班主機操作員・松田宗介役に池田努。そのほか、田口トモロヲ、皆川猿時、小野了、天野義久、金山一彦、金田明夫、阿南健治、伊藤正之、小市慢太郎、矢島健一、段田安則、篠井英介、前川泰之、津嘉山正種、中村ゆり、ダンカン、泉谷しげる、ダニエル・カールが出演する。そして、今回到着した初の本編映像公開となる特報映像では、これまでに体験したことのない大きな揺れに、伊崎(佐藤さん)は机にしがみつきながら、作業員に大声で指示を出しているシーンからスタート。一方、緊急時対策室にいた吉田(渡辺さん)は、中操につながった電話を片手に絶句の表情…。それぞれの緊迫したシーンに続き、高さ10mを超える想定外の大津波がイチエフを飲み込み、1号機の水素爆発が起こるシーンも描かれている。特報と併せて到着したビジュアルでは、福島原発や海とともに、空を一点に見つめる佐藤さんら主要キャストたちの姿が。「自分たちが、最後の砦――」というコピーも添えられ、力強さがうかがえる1枚となっている。『Fukushima 50』は2020年3月、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:Fukushima 50 2020年3月、全国にて公開予定© 2020『Fukushima 50』製作委員会
2019年09月09日元タレントの坂口杏里が6月30日深夜、自身のTwitterを更新し、密着取材を受けた同日のフジテレビ『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)の放送を受けて、心境をつづった。番組では、最愛の母・良子さんを亡くし、ホストクラブにハマり、借金を背負い、芸能界から姿を消し、夜の仕事を始め、逮捕までされてしまった杏里に密着。ストリップショーの降板、再起をかけたチャリティーイベントの出演見送り、さらには自殺を図ったことまで、赤裸々に現在の姿を伝えた。坂口は、Twitterで「ザ・ノンフィクション見ていただけたでしょうか? 人生、何度でもやり直せます。遅いことなんてありません。私もリアルタイムで見てママが映る度に涙がでました。みなさん、もう一度言います、人生何度でもやり直せます」と強調。続けて、「生きていて良かったよ。あのまま遺書書いたまま、自殺未遂して、でも生きててよかった。でもたまにママに会いたいよ!」と本音を吐露した。
2019年07月01日ノンフィクション作品『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(KADOKAWA)のモデルである、小林さやかさん。後輩たちへのエールをこめて小学生時代から現在に至るまで、経験をどうプラスに変えてきたのか、教えてくれました。小学生時代なんだか自分が好きになれない。私の人生、こんなはずじゃない!「でも必ず自分は幸せになれる」根拠のない自己肯定感を持っていた。小学生の時の私は、とにかく自分が嫌いだった。得意なことなんて何もないし、今みたいに人と上手に喋ることもできないから、友だちともうまく付き合えなかった。「なんでこんなに楽しくないんだろう…」と思いながら、毎日を過ごしていたけれど、そんな私にああちゃんはいつもこう声をかけてくれた。「あなたは世界一幸せになれる子なのよ」って。その言葉をまるで呪文みたいに、毎日言うものだから、私も私で「うん、そんな気がする!」って途中から自然と思いはじめてきて(笑)。おかげで、「自分のことは嫌い」だけど、「私は必ず幸せになれる」「もっと楽しい人生を送れるはずだ」という自己肯定感だけは持つことができた。だからこそ私は、この状況を少しでもいい方向に変えるために行動を起こすことにした。その最初の一歩が、“中学受験”。なぜなら、いきなり明日からクラスの人気者になることはできなくても、私のことを知っている人がいない場所に行けば、全部リセットできるはずだと思ったから。この頃から勉強は大嫌いだったけれど、“自分の人生を変える”という明確な目標があったおかげで、最後まで頑張ることができた。これが、私の人生で最初の成功体験。中学生時代真面目に授業を聞いたことはない。大人はみんな腐っている!それでも毎日は楽しかった。お母さんという存在にも憧れた。無事に中学受験という壁を乗り越えた私は、念願のキャラ変に成功。見違えるほどに明るい性格になり、クラスの人気者の一員に。しかも、私の選んだ中学は、推薦をもらえばエスカレーターで高校と大学にも行けるというイケてる特典つきの学校だったので、中学受験を終えた私はすっかり勉強を“卒業”した気になっていた(笑)。中学3年の夏を過ぎる頃には、毎日のように街に繰り出し、夜まで(ときには朝まで)遊び、見た目もどんどん派手にバージョンアップ。もちろん授業なんてまともに聞いたことはなくて、当然のように先生たちにも目をつけられる存在に。いま振り返ると本当に申し訳ない話だけど、当時は「大人はみんな腐っている」と思っていたから、ああちゃん以外に信じられる大人なんて一人もいなかった。それでも楽しく毎日を過ごすことができたのは、やっぱり友だちのことが大好きだったからだと思う。それに、将来の夢とか憧れの職業なんて考えたこともなかったけれど、「早くああちゃんみたいなお母さんになりたい!」とは思っていて、漠然と自分の将来の姿を想像して満足することもできていた。高校に入学して、坪田先生に出会うまでは。高校生時代塾に通う気なんかさらさらない。大学は行かずに、働こう。出会ってしまった!一生の恩師と、ワクワクする夢。なんとか高校に進学した私だけど、大学に行く気なんて最初からなくて。「卒業したら働いて、早く結婚して、お母さんになる」とずっと思っていたから、ましてや「塾に通う」なんて発想は1ミリもなかった。坪田先生に出会ったのだって、弟の代わりにたまたま近所にあった塾の面接に行かされただけ。最初はまったくの偶然だった。当時、個人塾の一講師だった坪田先生に出会った瞬間のことはよく覚えていて、「こんな大人になりたい」って、自分の世界が一気に広がるのを感じた。高2にして小4レベルの学力しかなかった私が「慶應を受験してみない?」と言われたところで正直ピンとはこなかったけれど、「慶應って嵐の櫻井翔くんがいるところ?面白そう!」と軽いノリで決められたのは、そこに自分をワクワクさせる新しい世界が想像できたから。もちろん受験を決めてからの1年半は誰よりも机に向かって勉強した。短期間で偏差値を40近く上げて大学に受かったことはよく“奇跡”って言われるけれど、私はそうは思わない。これは奇跡なんかじゃなくて、ああちゃんや坪田先生をはじめ、周りの大人たちが私を変えてくれた結果なんだって、そんなふうに今も思ってる。大学生時代バイト先での皿洗いにうんざり。さらには初めての大失恋。「ご縁を大切に。人と出会っておいで」その言葉が、人生を大きく変える。東京での憧れのキャンパスライフ。上京前、坪田先生からは「君は人が大好きだから、いっぱいの人と出会っておいで。必ずそのご縁が君の人生を大きく変えるターニングポイントになるだろう」と言ってもらった。その言葉どおり、4年間の大学生活ではたくさん友人を作った。それから、人生初の大失恋も経験。深夜に泣きながら名古屋にいる母に電話をしたら、なんと数時間後には駆けつけてくれた。ああちゃんは、私の彼へ感謝の気持ちを綴った手紙を書いてきていた。その内容を読んだ時、離れて暮らす母からの深い愛情を知って、私は再び前を向くことができたんだ。もう一つの大きな転機が、アルバイトをはじめたこと。偶然見つけた居酒屋で働くことになったのだけど、初日の皿洗いが本当にキツくて…(泣)。「絶対にすぐやめてやる!」と思っていたものの、店長に懇願されて1週間だけ延長することに。そこから気づけば2年半。初日では気づけなかった魅力がその店にはいっぱいあって、私は働くことの楽しさ、サービス業の素晴らしさをそのバイトを通じて知ることになった。出会いも別れも含めて、「ご縁を大切にする」。坪田先生のこの言葉は、今も私の胸の中に大切にしまってある。社会人、そして現在大好きな仕事にピリオドを打つ。結婚、離婚も経験し…。離婚はネガティブな選択じゃない!新たに見つけた、教育学への道。大学卒業後は、ウェディングプランナーの仕事に就いた。人と出会うことが大好きな私にとってこの職業はまさに天職だったけれど、社会人になってから5年後、自分の結婚を機にピリオドを打つことに。私には「世界一幸せな家庭を築きたい」という目標があったから、決断に迷いなんてなかった。しかも私が結婚したのは、あの居酒屋の店長さんだ(!)。そして結婚と同じくらいのタイミングで、坪田先生の著書『ビリギャル』が出版。ありがたいことに、その影響で私自身にも講演の依頼が少しずつ来るようになり、改めて“教育”への関心も生まれてきた。そして、今の私。坪田先生に“ビリギャル”として選んでもらった使命を果たすため、この春から大学院に入学して教育学を勉強中。大好きだった旦那さんとは去年離婚してしまったけれど、私はこの離婚をお互いが自分らしく生きるためのポジティブな選択だと思ってる。振り返れば逆境だらけの人生だけど、その都度いろいろな人との出会いに支えられてきた。5年後、10年後、自分がどうなっているかはわからない。けれど、これからは後輩たちにとって私がそんな存在になれるよう、キラキラの種をまいていきたいと思う。こばやし・さやか1988年生まれ。愛知県出身。現在は講演活動やイベント企画運営などを積極的に行う。著書『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』(小社刊)が発売中。『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』大学受験、家族、恋愛、アルバイト、就職、転職、結婚、離婚…。累計120万部のベストセラーのモデルとなった“ビリギャル”本人が、波瀾万丈の約30年間を初めて自分の言葉で綴った、涙と笑いのドキュメント。小社刊1400円※『anan』2019年4月17日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2019年04月14日大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞した書籍「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(渡辺一史 著/文春文庫刊)の実写化、映画が決定。主演に大泉洋、共演に高畑充希と三浦春馬が出演することが明らかになった。■あらすじ北海道の医学生・田中(三浦春馬)はボランティアとして、体が不自由な鹿野(大泉洋)と知り合う。病院を飛び出し、自ら集めた大勢のボランティアや両親に支えられて風変わりな自立生活を送る鹿野。夜中に突然「バナナが食べたい!」と言い出すなど、いつも王様のような超ワガママぶりだが、自分自身に素直に生きる鹿野は、どこか憎めない愛される存在だった。ある日、鹿野は新人ボランティアの美咲(高畑充希)に惚れ、彼女へのラブレターの代筆を田中に依頼するが、実は美咲は田中と付き合っていて…。奇妙な三角関係は、鹿野の主治医やベテランボランティアたちを巻き込んで大変な騒動に!しかし鹿野の病状は徐々に悪化、体はますます自由が利かなくなっていく。そんな鹿野には、生きているうちにどうしても叶えたい夢があった――。■主演に大泉洋!高畑充希&三浦春馬と三角関係に…12歳のとき、筋肉が徐々に衰える難病・筋ジストロフィーを発症しながらも、信じられないバイタリティで人生を駆け抜けた最強のワガママ&愛され男・鹿野靖明を演じるのは、北海道を代表する俳優、 大泉洋。同じ北海道で生まれ育ったという共通点を持つ実在の人物を演じるに際し、大泉さんは初めて車イスと介助を受ける役に挑戦する。鹿野のボランティアとして参加し、心を通わせていく女子大生・安堂美咲を演じるのは 高畑充希。ふとしたことで鹿野と知り合い、そのワガママぶりに巻き込まれながらも、彼の生きる強さに共鳴していく。その美咲の彼氏で、医学生の田中久を演じるのは 三浦春馬。医者の家系に生まれ、将来に悩んでいるが、支えるはずの鹿野から逆に色々なことを学び成長していく。物語の軸となる3人を演じる大泉さん×高畑さん×三浦さんは、本作が初共演となる。■各キャストからのコメントが到着!大泉洋(鹿野靖明役)脚本を読ませて頂いて、まず鹿野靖明という人の生き様に衝撃を受けました。重い難病を抱えながらも、それを決してハンデとは捉えず、自ら沢山のボランティアを集め、自分のやりたいように「ワガママに」生き抜いた生涯。「こんな夜更けにバナナかよ」のタイトルの通り、バナナが食べたいと思えば、深夜でも自ら集めたボランティアにそれをお願いするワガママ。「障がいがあるから」と遠慮することなく、1人で生活して、仕事もして、喧嘩もして、恋もして、どこまでも対等に人と向き合い続けた鹿野さんの人生に強烈に惹かれました。どんなに「ワガママ」を言っても周りから愛された続けた鹿野さんを、その理由を考えながら真摯にコミカルに演じられたらと思ってます。前田哲監督とは本当に久しぶりのお仕事で、人の心にズシリと響く作品作りを今からワクワクしながら待ってます。また高畑充希さん、そして三浦春馬くんというキラキラした若いお2人との共演も楽しみにしています。三浦くんの近くに居たら、イケメンが感染(うつ)るんじゃないかと思うので、なるべく三浦くんの至近距離にいようと思ってます。高畑充希(安堂美咲役)こんな夜更けにバナナかよ、という題名に、ズキュンときました。そしてこの物語の主人公である鹿野さん。知れば知るほどそのパワーや色気、吸引力に翻弄され、一度でいいからお会いしてみたかったなぁ…と。でもでも、撮影がはじまれば大泉さんの鹿野さんにお会い出来るので、今から楽しみでワクワクしています。そして、14歳の時、まだ少年の様だった私の映画デビューを見守ってくれた前田監督とまた作品創りが出来ることも、とても幸せに思っています。1シーン1シーン、丁寧に、北海道でのびのびと。素敵な映画になりますように、がんばります!三浦春馬(田中久役)まず「こんな夜更けにバナナかよ」というタイトルを聞いただけで興味を引き立てられました。そして、そんな作品で素晴らしいキャスト、スタッフの皆様とご一緒できて、とても嬉しく思います。僕が演じるのは、医師を目指しながらも将来や自分の存在意義に悩む繊細な青年です。この役を前田監督と丁寧に作っていくのが今から楽しみです。同じ事務所の先輩である大泉さんにしっかりついていき、サポートできるよう頑張ります!!前田哲監督明るいところではとても見えにくい小さな光は、暗闇では輝いて見えて、希望と勇気を与えてくれる。私にとって、渡辺一史著『こんな夜更けにバナナかよ』との出会いは、まさにそうでした。多様性とマイノリティーが危機に瀕している暗闇のような混迷する現在にこそ、必要な物語です。今まで見たこともない生き様をスクリーンに蘇らせ、「生きる力に溢れた希望の映画」として、多くの人々の心を灯したいと強く思っています。実在した人物と障がいという二重の大きく高いハードルを軽やかに飛び越えつつも、その抱えている葛藤を魅力的に演じることができるのは、大泉洋さんしか考えられませんでした。16年ぶりの映画での再会に心が踊りだしています。高畑充希さんとは、11年ぶりの映画での再会で、その成長ぶりに身震いしています。鹿野から本気で「生きる」ということを学び、溌剌として可憐でありつつ強くなっていく美咲を生き生きと演じることができるのは、高畑さんであると確信し、期待しています。三浦春馬さんとは初対面でお会いして、その爽やかさと真っ直ぐさに心がときめきました。田中という自分の殻が破れない男が、鹿野や美咲に挟まれてバトルしていく中、どのように三浦さんと共に変化をしていくか、とても楽しみです。『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』は、2018年冬、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年04月23日ノンフィクション作家・清武英利の著書「石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」が、11月より連続ドラマWにてドラマ化されることが決定。江口洋介、萩原聖人、林遣都らが出演した連続ドラマW「しんがり~山一證券 最後の聖戦~」のオールスタッフが再集結し製作されることが分かった。「しんがり~山一證券 最後の聖戦~」の原作となった「しんがり 山一證券 最後の12人」では、山一證券倒産の裏で最後まで闘い続けた社員たちの軌跡を、緻密な取材を重ね、著書としてまとめた清武氏。今回彼が題材として選んだのは、2001年に発覚し、政官界を揺るがした「外務省機密費詐取事件」。警視庁捜査二課に属する“石つぶて”たちが、組織に抗いながらも掘り起こしたこの事件の真相とは?“三悪人”と呼ばれた外務省役人たちが起こした衝撃的な悪事とは――。本作を手掛けるのは、「沈まぬ太陽」の若松節朗監督。そして、脚本には「相棒」を執筆した戸田山雅司を起用し、「しんがり」チームが再びタッグを組み、新たな衝撃作を世に送り出す。また原作となる「石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」(講談社刊)は、7月25日(火)より発売される。清武氏は、「万年巡査のまま終わろうとする友人から、こんなメールをもらったことがあります。<見返りなど微塵も期待しない、歴史上に無名の士としても残らない、『石礫(いしつぶて)』としてあったに過ぎない。僕は奉職しているかぎりひそかにその覚悟だけはいつも持っていようと、思っています> その言葉に重ねて、清廉に、かつ激しく生きた捜査二課刑事たちの人生を残したいと思いました。ですから、原作の『石つぶて』とこのドラマは、外務省機密費詐取事件を題材にしていますが、刑事の捕物帳ではありません。むしろ前作の『しんがり』で描かれたような、組織の餌付けを拒んで己を貫く人間たちのドラマとして見ていただきたいのです」とコメント。一方、若松監督は、「前代未聞の公務員犯罪の摘発に捜査二課の刑事が闘いを挑み暴きます。国民があまり知ることの出来なかった外務省組織の犯罪の驚くべき一端を描きます。皆様の期待を裏切らない様、スタッフ一同強い意志を持って真摯に制作に励みたいと思います」と語っている。連続ドラマW「石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~」は11月、毎週日曜日22時~WOWOWプライムにて放送予定(全8話※第1話無料放送 )。(cinemacafe.net)
2017年07月20日9月25日(日)放送の「ザ・ノンフィクション」では、先月戸籍上の性別を男性から女性に変えたタレントのKABA.ちゃんが出演。1人の女性として歩み始めたKABA.ちゃんがその思いを初激白する。KABA.ちゃんはいまから20年前、有名ダンスユニット「dos」の一員としてデビューし、振付師としても活躍。SMAPの「世界に一つだけの花」など大物アーティストの振付を次々と手掛けた。さらにバラエティー番組では“おねえキャラ”としても人気を博したKABA.ちゃんだったが、幼少期から隠してきたある思いがあった。それは、「もし後悔しない生き方をするなら、いまからでも女になりたい…」。物心ついたときから男性として生まれてきたことへの違和感を持っていたKABA.ちゃん。7年前の大失恋をきっかけに、女性の体に変えることを決断し、今年3月、手術を受けるためタイへ渡った。さらに、女性に近づくために受けたもうひとつの手術は、芸能人としての仕事にピンチを招くことに…。そんな人生の窮地に、KABA.ちゃんには相談できる家族は居なかった。幼少期からバラバラだった家族。実は、本名の椛島永次も親が付けたものではないという。戸籍上の性別を男性から女性に変えるときに名前も変えようと、両親に新しい名前を付けてくれるように頼むのだが、女性になる手術を受けたKABA.ちゃんを目にした家族は戸惑うばかり。新しい性別・名前を手に入れて、後悔しない生き方はできたのだろうか…。今回の「ザ・ノンフィクション」ではその思いを初激白。また新しい名前も初公開される。取材を進めていくうち、本気で女性になりたいと願っていることに心打たれたという永田香里ディレクター。今回の放送にあたって「苦悩の末に“後悔しない生き方”を選んだKABA.ちゃんの思いに共感していただけたらうれしいです」とコメントを寄せている。「ザ・ノンフィクション KABA.ちゃん、女になる」は9月25日(日)14時~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2016年09月24日このままじゃいかん!と人生をがらっと変えたいときは自己啓発やノンフィクションが響きます。本好き有名人のみなさんに“ゼロからやり直したいときに読む本”を選んでもらいました。映画監督・山戸結希さん、ライター・三浦天紗子さん、演劇作家・藤田貴大さん、テレビ東京アナウンサー・森本智子さんの面々です。≪山戸さんおすすめ!≫■『日本辺境論』内田 樹「辺境」という視点から、日本人固有の特性や文化、思考をひもとく日本文化論。「自分の立つ場所が中心であるにもかかわらず、私たちは確かに辺境を生きている。その逆説が生み出すねじれを知ると、今見えている世界が反転する。内田先生の本には『この大切な話を届けたい』という願いが潜伏していて、書き言葉の代表作である本書と、話し言葉の集大成である『最終講義』もおすすめです」。新潮新書740円≪三浦さんおすすめ!≫■『捨てる女』内澤旬子溜める暮らしから、捨てまくる暮らしへ。捨てるものがなくなったとき、人はどうなるのか…。「乳がん手術とホルモン治療で体質が変わり、モノがあふれたカオスな部屋に耐えられなくなった著者。断捨離エッセイと思うなかれ。断捨離は不要なモノを捨てる行為ですが、著者は夫も捨て、長年蒐集してきた大切なお宝本まで捨ててしまう。そこまで徹底すると、もう暮らし方も生き方も変わる。圧倒されます」。本の雑誌社1600円≪藤田さんおすすめ!≫■『ぼくは猟師になった』千松信也猟のやり方から自然と向き合い考えたことまで、生命への驚きと発見に満ちた若者猟師の記録。「これは人生の本だと思った。彼が今の僕と同い年くらいのときに、時間をかけてたどり着いた“食べていく”ということが、少しだけ垣間見えた気がします。でもたぶん、全部はわかり切れていない、というか、わからなくていいとも思ったし、そういう余白も含めて、とても興味深い読書体験ができたのがうれしい」。新潮文庫790円≪森本さんおすすめ!≫■『完訳 7つの習慣人格主義の回復』スティーブン・R・コヴィービジネス書のベストセラー『7つの習慣』の新訳版。仕事、家庭、人間関係など、あらゆる側面で充実し、人間らしく営む道を示す。「自分のあり方を変えれば、周囲の環境もプラス方向に変えることができるなど、いつ読んでも得るものがあります。この本は読んで理解するだけでなく、実行に移し習慣化することで完成するライフワークのようなもの。人生は変えることが可能だと教わりました」。キングベアー出版2200円◇やまと・ゆうき映画監督。乃木坂46 のシングルMVを手がけるなど、注目の新鋭。小松菜奈・菅田将暉主演の最新作『溺れるナイフ』が11月公開。「本は私にとって、世界を映すカメラのレンズを増やしてくれるものです」◇みうら・あさこライター、ブックカウンセラー。小誌ほか雑誌やウェブで作家や漫画家のインタビュー、女性の健康などを手がける。著書に『そろそろ産まなきゃ』(CCCメディアハウス)など。ツイッター@asatian◇ふじた・たかひろ演劇作家。劇団「マームとジプシー」主宰。8月にワークショップ公演『ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウ或いは、泡ニナル、風景』を予定。「本は、日常に立ち止まる時間を与えてくれます」◇もりもと・ともこテレビ東京アナウンサー。経済ニュース『WBS』ではゲストがお薦めの一冊を紹介する「スミスの本棚」の進行を務め、現在は『NEWSアンサー』『主治医が見つかる診療所』などを担当する。※『anan』2016年6月15日号より。写真・多田 寛(DOUBLE ONE)文・熊坂麻美
2016年06月10日病と闘いながら将棋に全人生を賭け、29歳にして亡くなった実在の天才棋士・村山聖のノンフィクション小説「聖の青春」の映画化が決定。この度、ふっくらとした顔つき、体つきで話題となっていた俳優・松山ケンイチが体を張って村山氏を演じていることが分かった。1994年、将棋のプロ棋士・村山聖(さとし)六段は、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指し、15歳の頃から10年間弟子入りし同居していた森師匠の元を離れ、上京しようとしていた。聖の上京を広島の両親は強く反対する。その理由は、聖が幼少期より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っていたからである。彼は、常に死と隣り合わせで生きていたのだった。東京――。聖が七段に昇段したころ、同じ年齢の羽生善治が前人未到のタイトル五冠を達成し、「名人」のタイトルを獲得する。聖は強烈に羽生を意識、彼に対し、ライバルのような、憧れのような想いを抱いていた。羽生に刺激を受けた聖は更に将棋に没頭し、並居る上段の先輩棋士たちを下して、快進撃を続ける。そんな中、聖の身体に癌が見つかる。だが、「このまま将棋を指し続けると死ぬ、手術し、療養すべし」という医者の忠告を聞き入れず、聖は将棋を指し続けると決意する。彼の命の期限は刻一刻と迫ってきていた…。100年に1人と言われる天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、そして羽生氏らいまも将棋界で活躍する仲間たちとの友情を通して描く、号泣必至、感動のノンフィクションを基に描いた本作。人間の知の限界に挑戦し続けた天才将棋指しの人生を、師匠、ライバルほか周囲から愛された記憶と共に描くのは、『ひゃくはち』で監督デビューを果たし、2012年に手掛けた『宇宙兄弟』が大ヒット、第16回プチョン国際ファンタスティック映画祭でグランプリ、観客賞をダブル受賞した森義隆監督。主人公・村山聖を演じるのは、現在公開中の『の・ようなもの のようなもの』や『珍遊記』など多くの主演作を持つ俳優・松山ケンイチだ。今回の役柄について「全身全霊をかけても足りない役」と話す松山さんは、自ら東京将棋会館に通いつめ、これまでにない驚異的な役作りで精神面、肉体面の両方から村山聖を熱演している。ビジュアルでも分かるように増量し容姿も変えて演じた松山さんだが、一番難しかったところは内面だという。自らの命を削りながら将棋を指し、死の床まで将棋のことを口にしていたという村山氏を自分自身で理解し撮影に挑んだようだ。松山さんはファンに向けて「ヒロインが羽生善治さんという硬派な作品です。将棋が好きな方はもちろん、人生をつまらなく感じている方も、何かに夢中になっている方でも、こんな人間がいたんだと魅かれる作品です。“村山聖”は必ず見る人の心に何かを残します。宜しくお願い致します」とコメントを寄せた。<以下、スタッフコメント>■森義隆監督村山聖の生き様は「人生とは、何なのか」という普遍的な問いをわたしたちに突きつけてきます。30才の松山ケンイチが、映画のなかで、29年という村山聖の短い人生を全力で生き抜いた先に、その答えの一端があるのだと信じて、日々、撮影に挑んでいます。■原作者:大崎善生私のデビュー作である「聖の青春」が角川映画になるというのは宿命的なものを感じる。はじめて映画化の話を聞いてからもう10年近くになる。その間も粘り強く交渉を重ねて、現実まで持っていって下さった制作スタッフの執念には頭が下がる。最終的には最高の形となった。この作品を愛し、信じそして丁寧にまとめあげてくれた。はじめて松山ケンイチさんとお会いしたとき(※撮影が始まったころ)、村山聖さんに似ているのに驚いた。体重を増やして役に備えたという。右手の爪は村山を真似て長く伸びていた。森さんがいたら「村山君、こんなに長い間どこにいっとったんや」と手をさすったかもしれない。私も酔っぱらっていれば昔のように頬っぺたを軽くつまんでいただろう。意志の強そうな瞳。内面からにじみ出てくるような自然なユーモラス。そして人へ対する好奇心、優しさ。17年ぶりに村山くんがいた。本作は、天才羽生善治に挑む、西の怪童と恐れられた村山聖の真摯な闘いの物語である。森信雄という類まれな師匠との愛情の物語でもある。幼い日から病気と闘い、そのハンディをものともせず乗り越えていった努力の物語であり挫折の物語でもある。将棋を目指すものたちのストイックな青春がそこにはある。29歳で村山がこの世を去って17年。その歳月をものともせず村山はまだ多くの人に愛され慕われ続けている。その過酷な宿命の故か、彼の持つ特有の純粋さの故か。その村山聖が17年ぶりにこの世に戻ってくる。松山ケンイチに姿を借りて。限定的なカーニバルのようなものだ。もちろん私もはやく村山くんに会いたい。一人でも多くの人にこのお祭りに参加してもらいたい。■プロデューサー:滝田和人以前2本の映画でご一緒した際の印象と、『男たちの大和』の演技が非常に素晴らしく、その頃から松山ケンイチさんに注目していました。そして数年後、事業化が決まりかけた頃、松山さんご本人が原作を読み、村山聖役を熱望しているという情報を耳にしました。「逃してなるものか!」と、本人に監督と一緒にお会いし話してみて、松山さんならば重責を受け止め、必ずや私たちと同じ方向を見つめながら「村山聖」という人間に挑戦することができる、と強く感じました。役作りについて、松山さんとは、広島のご両親への訪問と聖さんのお墓参り、そして師匠森信雄さんの元も訪れ、大阪福島の前田アパート、関西将棋会館、更科食堂と聖縁の大阪の地を巡りながら、聖とのエピソードをじっくりうかがいました。元々、将棋はお好きでたしなまれていたようで、将棋指導の先生からの指導含め、将棋会館の一般道場にふらりと現れては手合いをつけてもらい普通に指されていたりなど、めきめき上達されました。また、聖が罹ってしまったネフローゼという難病を理解するため、実際の患者さんへも取材をして、撮影に臨まれました。実在の人物でも、もう亡くなられているので、当然会うすべはなく、聖を支えた方々の人柄に触れることと、聖が実際身を置いた空間に浸ることで、役作りのヒントしようとされていたのだと感じます。聖の強烈な個性は、内面のみならず、迫力と愛嬌が奇妙に入り混じる見た目も大きいですから、当時の写真、対局のビデオも参考に肉体改造も大変だったと思います。「でも、食べて飲むしかないんですよね」「おいしいものもおいしく感じなくなるんです」と言う松山さんは本当に苦しそうでした。これまでにないほどの役へののめり込み方や周囲が危惧したほどの増量計画。クランクイン前、村山聖を感じるために、松山ケンイチはあえて苦しみや悩みを求め、もがいているように見えました。もう会うことの叶わない生きた村山聖がスクリーンに出現することを、私は確信しています。どうぞご期待ください。『聖の青春』は2016年秋、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月03日終戦70周年を記念し、半藤一利氏のノンフィクションを映画化した『日本のいちばん長い日』が8月8日(土)、全国で封切られ、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで役所広司、本木雅弘、松坂桃李、神野三鈴、原田眞人監督が初日舞台挨拶を行った。戦争完遂か降伏かの決断を迫られる阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣の苦悩を軸に、日本の未来を案じ、身をていした人々のドラマを通して、「終戦前夜、日本で何が起こったのか」に迫る歴史超大作。阿南陸軍大臣を演じた役所さんは、「戦争に終止符を打とうと尽力した人々によって、いまの自分たちが生かされていると実感した」と神妙な面持ち。阿南氏の実子・阿南惟正さんから、感謝の手紙が届くと「実在の人物を演じるのはこわいこと。でも、ご家族から合格点をいただき、ホッとしています」と安堵の表情だった。本木さんは7年ぶりの本格的なスクリーン復帰で昭和天皇を演じ、「ようやく呼吸ができる思い」と公開初日を機に、ようやくプレッシャーから解放された様子。一方、日本の未来を思うあまり、終戦に反対しクーデターを計画する若手将校・畑中健二少佐を演じた松坂さんは、「俳優として、大きな意味がある作品」と胸を張り、ベテラン勢との共演を「緊張しない場面はなかった」とふり返った。阿南陸軍の妻を演じる神野さんは、「軍人の妻として唯一の理解者でありたい気持ちと、戦争の理不尽さに引き裂かれる思いだった」。本作でも渾身の演出を見せた原田監督は「日本がヘンな方向に向きつつあるいま、終戦70年は重要な節目。映画を通して、戦争を考える機会になれば」と呼びかけた。舞台挨拶には劇中で山崎努さんが演じる鈴木貫太郎の孫・鈴木道子さんが駆けつけた。『日本のいちばん長い日』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:日本のいちばん長い夏 2010年8月7日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほかにて公開(C) 2010 NHK アマゾンラテルナ日本のいちばん長い日 2015年8月8日より全国にて公開(C) 2015「日本のいちばん長い日」製作委員会
2015年08月08日清武英利原作、2014年度講談社ノンフィクション賞を受賞した話題作「しんがり 山一證券 最後の12人」。このたび、本作のドラマ化が決定し、WOWOWにて放送されることが明らかとなった。1997年11月、四大証券の一角を占める“人の山一”と呼ばれた山一産業が自主廃業を発表した。幹部ですら直前まで、約二千六百億円もの帳簿外の債務があったことを知らされていなかった。簿外債務の法律違反があること、会社が大きすぎて財務体力も銀行の支援もないことから、大蔵省は。事業を継続しながら自主再建する「会社更生法」の適用でなく、「自主廃業」を求めた。二千六百億円の簿外債務は、いつ、どのように生まれ、どのように隠し続けられたのか。役員までもが沈没船から逃げ出す中、最後まで会社に踏みとどまり、真相究明と顧客への清算業務を続けた社員たちがいた。彼らは社内から“場末”と呼ばれ、煙たがられた部署の連中だった。彼らは戦に敗れて退くとき、軍列の最後尾で戦う“後軍(しんがり)”そのものだった――。誰もが予想だにしなかった巨大金融企業の破綻は、日本経済に大きな打撃を与えるだけでなく、日本の終身雇用の終わりを告げる事件ともなった。本ドラマでは、会社の消滅のときまで、仲間と共に闘い続けた熱き社員たちの姿を描く。監督を、平成25年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞した「ドラマWチキンレース」、映画『柘榴坂の仇討』の若松節朗、脚本を「相棒」シリーズを手がける戸田山雅司が務める。このたびのドラマ化決定にあたり、原作者・清武氏は「しんがりたちはドラマに向いていないと思っていた。彼らは半沢直樹のようなスーパーマンではなく、何事もなければ他人に知られることもなかった普通のサラリーマンでありOLだから。たまたま、山一證券の破綻のときに後列から押し出され、心の奥底の固い芯が現れたのだろう」と明かす。さらに、「企業敗戦はどこにでもあり得ることで、私たちの隣にある現実だ。もしこのドラマに心を動かされる人がいたとしたら、その人の中にも『しんがり人』と同じような抵抗と希望のちからが潜んでいるからだと思う」とコメントを寄せた。気になるキャスト陣などについては、後日発表予定だという。「しんがり 山一證券 最後の聖戦」は2015年9月、WOWOWにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年06月22日終戦70周年を記念し、半藤一利氏のノンフィクションを映画化した『日本のいちばん長い日』の完成報告会見が5月20日に、都内で行われ、役所広司、本木雅弘、松坂桃李、堤真一、原田眞人監督が出席した。名優が勢ぞろいし、「終戦前夜、日本で何が起こったのか」に迫る歴史超大作。主人公の阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣を演じる役所は、「70年の節目に、もう一度“その日”を描く作品になった」と誇らしげだった。その他の写真一方、7年ぶりの本格的な銀幕復帰で昭和天皇を演じる本木は、「恐れ多さで、押しつぶされそうになったことも。逃げ出したい、でも逃したくない役だった」と心境を吐露。そんな本木の背中を押したのは、義母で原田監督の『わが母の記』に出演した樹木希林だといい、「原田監督は力がある監督だし、こんな機会はなかなかないので、受けるべきだと言ってくれた」と感謝の意を表した。「戦争映画は初めてで、緊張と不安の連続だった」と振り返るのは、躍進著しい松坂。日本の未来を思い、終戦に反対しながら狂気に駆られていく若手将校・畑中健二少佐を演じ、「当時を知らない僕らの世代が、戦争について思い、考えるきっかけになれば」と真摯にコメント。劇中では、丸刈りになっており「ラクでいいですね」と笑顔を見せた。また、堤は内閣書記官長・迫水久常役で、ベテラン俳優の山崎努と共演し「こんな緊迫感ある現場はイヤです!(笑)」と恐縮しきりだった。1967年に岡本喜八監督によって映画化されているが、本作は昭和天皇とともに戦争終結に導いた鈴木貫太郎首相(山崎)の姿を描いた半藤氏の『聖断』の内容も加えた新作映画。軍全体が断固として戦争完遂を支持するなか、決断を迫られる阿南陸軍大臣の苦悩を軸に、日本の未来を案じ、身をていした人々のドラマを描く。原田監督は、「きな臭い時代になってきた今こそ、こういう作品をつくり、世に送り出す意義がある。戦争の記憶が薄れるなかで、『軍をなくして、国を残す』。この気持ちを継承していかなければいけない」と熱弁した。『日本のいちばん長い日』8月8日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2015年05月20日1990年代伝説のサブカルチャームーヴメント『バーチャファイター』ブームを題材にした大塚ギチのノンフィクション小説『TOKYOHEAD:REMASTERED』を原作に、劇団「ヨーロッパ企画」の上田誠が脚本を書き下ろし、演出を手がけた新作舞台『TOKYOHEAD~トウキョウヘッド~』が3月18日(水)、東京グローブ座で開幕。初日の公演前にはゲネプロが行われた。舞台『TOKYOHEAD~トウキョウヘッド~』チケット情報場所は対戦格闘ゲーム「バーチャファイター」(通称“バーチャ”)の強者達が集うことで知られる実在する西新宿のゲームセンター・SPOT21。ここは、かつて98人抜きを達成した伝説的プレイヤーの新宿ジャッキー(菅原永二)や、元々は池袋で幅を利かせていた天才プログラマー兼プレイヤーの池袋サラ(石田明)、挑発的なプレイスタイルのブンブン丸(尾上寛之)をはじめ、常連ゲーマーであるスワ(諏訪雅)、イシダ(石田剛太)、トサ(土佐和成)といった個性的な面々が集まる、まさに“バーチャ”のメッカ。店員(酒井善史)もまたプレイヤーのひとりだ。婚約したばかりのトーコ(村川絵梨)とシゲル(今井隆文)は幸せいっぱいのカップルだったが、若手プレイヤー・柏ジェフリー(吉沢亮)との出会いをきっかけに、シゲルはバーチャにのめりこみ、ふたりの結婚資金である100万円をつぎ込んでしまう。シゲルは謝るものの、彼はトーコではなくバーチャをとるため彼女に別れを告げる。バーチャに彼氏を奪われたトーコに対して、バーチャの世界で力をつけて美女をはべらせるシゲル……。ゲームとは無縁の人生を送っていたトーコだったが、SPOT21の常連たちからの優しいからこそ余計傷つく言葉の数々に、バーチャの中で最弱といわれるキャラクターでシゲルを倒すことを決意する。そんなトーコもまた、練習を続けるうちに、かつての婚約者と同じく大金をつぎ込み、どんどんゲームにのめり込んでいくのであった。個性豊かな店の常連たちも優勝を狙っている次の全国大会で勝つのは誰か?そしてトーコはシゲルに勝つことができるのか!?当時、一大ムーヴメントを起こしたバーチャファイターを包む熱気はそのままに、単なるゲームという枠組みを飛びこえ人間がひとつのことに熱中する姿勢や思いの強さには、人生哲学をも感じられる。実際のゲーム機をステージ上にのせて、巨大スクリーンで生の対戦を表示するなど、臨場感あふれる舞台セットや演出も魅力的だ。バーチャファンはもちろん、当時のブームに触れていないひとも、観劇後は自分も「バーチャ」をやりたくてウズウズしてしまうこと間違いなしだろう。公演は3月23日(月)まで。チケットは各公演前日まで当日引換券を発売中。
2015年03月19日ブラインドサッカー日本代表の黒田智成選手、元サッカー選手の北澤豪が11日、WOWOWのノンフィクションW『盲目のストライカー 世界へ~ブラインドサッカー日本代表 闘いの軌跡~』の完成披露試写会に出席した。同番組は、視聴覚障がい者が行うブラインドサッカーの日本代表として活躍する黒田選手を、約1年にわたって追ったドキュメンタリー番組。昨年11月、東京で開催されたIBSAブラインドサッカー世界選手権に挑んだ日本代表チーム、ストライカーでエースの黒田選手の戦いに密着した内容で、番組は21日13時から放送する。試写を終えた黒田選手は、「大観衆の中、日本で戦えて最高の気分でした。続けてきて良かった」と大会を振り返り、「自分が上手くなりたいと思ってプレーをしてきたけど、会場にいるみなさんを笑顔にして喜び合えるんだと感じた」とサポーターたちからも刺激を受けた様子。一方で、「同時に、悔しさもこみ上げて来ました。ベスト4以上を達成できるように頑張っていかないと」とも語ると、北澤は、「(サッカー日本代表を)ライバル視されましたからね。お互いに競い合うのは大事」と笑顔を見せた。プレー中の衝突に対して恐怖心がないという黒田選手だが、「街の中は自転車や車など危険がいっぱい。ピッチの中は安全なので、思いっ切り走ることができる」と嬉々として話すと、ブラインドサッカーを体験したことがある北澤は、「怖くて、腰が下がって手が前に出ちゃうんです。体験をすると難しさを感じる。黒田くんのように手を振って走るのはすごいこと」と感嘆。そんな黒田選手は、2016年にブラジルで開催されるパラリンピックに向けて、「まずは出場すること。可能性は限りなくあることを信じて、どこまで行けるか追求していきたい」と意気込んでいた。
2015年03月12日昭和史研究の第一人者・半藤一利のノンフィクションを原作にした映画『日本のいちばん長い日』が、役所広司主演で映画化され、来年8月に公開されることが発表された。役所のほか本木雅弘、松坂桃李、堤真一、山崎努らが出演し、『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』の原田眞人が監督・脚本を手がける。その他の情報半藤氏が1965年に大宅壮一名義で出版した『日本のいちばん長い日』は、岡本喜八監督によって過去に映画化されているが、本作は、そのリメイクではなく、半藤の著書『聖断』の要素も加えて、完全な新作として、終戦の舞台裏で今日の平和の礎を築くため、身を挺し闘った人々の物語を描くという。役所が陸軍大臣・阿南惟幾(あなみ・これちか)を演じ、本木雅弘は昭和天皇を、山崎努は内閣総理大臣・鈴木貫太郎、堤真一は内閣書記官長・迫水久常(さこみず・ひさつね)、そして松坂桃李は終戦に反対し日本の未来を想いながらも、狂気に駆られていく若手将校を演じる。『わが母の記』に続いてタッグを組む役所は「原田監督作品への久しぶりの参加となりました。今回演じさせていただいた、阿南という人物は、戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした。各個人それぞれの“家族”、そして天皇を中心とした日本という“家族”、その“家族”というテーマに重きを置いて描かれていることが、この作品の最大の魅力ではないでしょうか」と語り、「山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです」とコメントしている。原田監督は「今回は『THE EMPEROR IN AUGUST』という英語タイトルをつけました。1945年8月に昭和天皇が語られた一言一言が、今を生きる自分の心に深く突き刺さるからです。あの8月、天皇が自分の言葉で語り始めなければ、若き日の両親は国土防衛戦に巻き込まれ、命を落としていたでしょう。半藤先生の幾多の終戦にまつわる著作を何回も読み、天皇の勇気を支えたのが終戦内閣の鈴木貫太郎首相と阿南惟幾陸相のふたりであるとも確信しました。昭和天皇はあの8月まですべての家族の“家長”でありました。年齢的には、この三人は貫太郎さんを家長とする長男と次男の家族でもあり、そこに映画の根っこを置きました。映画『日本のいちばん長い日』は、幾重にも交錯する家族の、存亡を賭けた4カ月のドラマです」と語っている。『日本のいちばん長い日』2015年8月公開
2014年12月09日終戦の舞台裏を描いたノンフィクション『日本のいちばん長い日 決定版』(文藝春秋)が、戦後70年の節目を迎える来年8月に向けて映画化されることが決定し、主演の役所広司をはじめ、本木雅弘、松坂桃李、堤真一、山崎努といった主演級の俳優陣が出演することが8日、明らかになった。映画『日本のいちばん長い日』は、日本の降伏が決まってから国民に告げられるまでの舞台裏と、日本の未来を信じて身を挺して闘った人々の人間模様を描いた物語。昭和史研究の第一人者で作家の半藤一利氏の原作に加え、昭和天皇と共に戦争終結に導いた鈴木貫太郎首相の姿を描いた『聖断』(著・半藤一利)の内容も盛り込まれる。メガホンを取るのは、『金融腐蝕列島<呪縛<』(1999年)、『クライマーズ・ハイ』(2008年)などで知られ、来年5月には『駆込み女と駆出し男』の公開が控えている原田眞人監督。役所が演じるのは、主人公の阿南惟幾陸軍大臣。陸軍全体が断固として戦争完遂を支持する中、そのトップで決断を迫られることに苦悩する。一方、本作が『おくりびと』以来約7年ぶりの本格復帰映画となる本木は昭和天皇役。そのほか、時の内閣総理大臣・鈴木貫太郎を山崎、内閣書記官長・迫水久常を堤、終戦に反対する若手将校・畑中健二少佐を松坂桃李が演じる。映画では、この畑中少佐ら若手将校たちがクーデターを計画。玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局の占拠へと動きはじめる。自身の演じる役柄について、役所は「戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした」と説明。作品の魅力を「各個人それぞれの『家族』、そして天皇を中心とした日本という『家族』、その『家族』というテーマに重きを置いて描かれていること」と読み解き、「山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです」と豪華俳優陣との共演に心を躍らせている。
2014年12月09日