新国立劇場は7月、こどものためのバレエ劇場2021『竜宮~亀の姫と季(とき)の庭~』を上演する。日替わりで登場するヒロイン役ダンサーの一人、プリンシパルの米沢唯と、同じく新国立劇場で開催される演劇公演『キネマの天地』(小劇場にて6月10日(木)~27日(日)※5日(土)、6日はプレビュー公演)に出演する若手実力派俳優・趣里が、稽古場での日々、作品の魅力を語り合った。この日が初対面の二人かと思いきや、稽古の合間にコーヒーを買う際、電子マネーの支払いがうまくできずにいた趣里を米沢が手助けしたことがあったそう。「ずっとファンでした!」と興奮気味の趣里に、笑顔の米沢。バレエを志し、留学も経験したという趣里にとって米沢は憧れの存在。自分が言うのもおこがましいと恐縮しつつ「テクニックも素晴らしいのですが、表現の面ですごく勉強になる」という。自身のバレエ経験については、「表現の道を演劇で目指したいと思ったのは、バレエをしていたからこそ」とも明かす。いっぽうの米沢は「父が演出家だったので、演劇を観る機会は多かった。バレエには言葉がないが、芝居は言葉の洪水で、言葉の海に投げ出されるよう。そういう体験は私にはとても必要なことで、どうしても観ずにはいられない」という。趣里が出演する『キネマの天地』も観劇を楽しみにしている。『キネマの天地』は映画出演のために集められた4人の女優達が巻き込まれる、殺人事件をめぐる井上ひさしによる推理喜劇。趣里は、1番の若手で人気急上昇の女優を演じる。「演出の小川絵梨子さんが目指しているのは、表面的な面白さを超えた人間の心のやりとり。今の人の心にアプローチできるよう頑張っています」と意欲的だ。翌月に上演されるバレエ『竜宮』は、昨年7月に新国立劇場が初演したオリジナル作品で、演出・振付の森山開次によるユニークなアイデアと独特の身体表現が、多くの観客の心を捉えた。「浦島太郎の物語です。ポップな衣裳に美しいプロジェクションマッピングは、バレエを初めて観る方も小さなお子さまも楽しんでいただけます。子どもがマネしたくなるような振付や、“鶴の舞”というカッコいい踊りも!」と米沢が紹介すると、すかさず「絶対行きます」と趣里。こどものためのバレエ劇場2021『竜宮~亀の姫と季(とき)の庭~』は、7月24日(土)~27日(火)、新国立劇場オペラパレスにて。チケット一般発売は7月4日(日)。文:加藤智子
2021年05月31日熊川哲也Kバレエ カンパニーSpirng2021『ドン・キホーテ』が19日(水)に開幕。前日のゲネプロを鑑賞した。観客をハッピーな気持ちで満たしてくれる古典の名作『ドン・キホーテ』。数ある版の中でも、Kバレエのそれは格別だ。当代髄一のバジル・熊川哲也その人が、自身の経験と理想のすべてを注ぎ込み、生まれたのがこの熊川版。舞台美術と衣裳デザインも自ら手掛けるほどこだわり抜いた本作は、2004年の初演以来、カンパニーの看板作品の一つとして磨かれてきた。舞台は、老騎士ドン・キホーテが憧れの姫ドルシネアを追って旅に出るプロローグで始まる。幕が開くと、この恋物語の主人公、キトリとバジルが住むバルセロナの町。石造りの重厚な建物がそびえ立つ。若者たちの衣裳をモノトーンで統一するなど、全体の色調は意外なほどシック。だが、そこで暮らしを営む住人たちが、談笑し、戯れ、踊ることで、たちどころに鮮やかな色彩が放たれる。そう、町の“色”は人々によって作られるのだ。しかも、あらゆる登場人物たちが個性を持ち、ドラマを繰り広げているので、隅から隅まで見飽きることがない。熊川ならではの緻密でダイナミズムあふれる振付、それを踊りこなす技量の高いダンサーたちが畳みかけるように展開する舞踊の見応えは圧倒的。ドラマとしての面白さの追求も、熊川版は抜かりがない。例えば、キトリをドルシネア姫と思い込むドン・キホーテが、二人を別人と悟る第2幕・夢の場は、底抜けに明るいこの物語に、切なさというスパイスを効かせてくれるし、続く酒場は熊川のユーモアセンスの真骨頂。おなじみの名場面・バジルの狂言自殺はもとより、貴族ガマーシュとドン・キホーテのヘンテコな決闘、新たに加わった闘牛士エスパーダとバジルのコミカルなダンス・バトルも、一層この場面を盛り上げる。そして終幕、キトリと結ばれたバジルが舅ロレンツォの髭をそる光景の、なんという幸福感!彼らの日常をいつまでも見ていたくなるような、心に刻まれる名シーンだ。この日のキトリ役は、ヒューストン・バレエ団でトップに上り詰め、8月にKバレエ入団が決まっている飯島望未。登場の瞬間から観客の心を掴む華やかな存在感はさすがで、愛らしくも粋なキトリが実に魅力的。バジル役の山本雅也はプリンシパル昇格から1年、その進化は留まるところを知らない。正確無比なテクニックを自在に操りながら魅せる彼のバジルは心憎いほどカッコよく、ふと熊川を彷彿とさせるほど。また、絵に描いたような気障な男っぷりで場を盛り立てる杉野慧扮するエスパーダも秀逸で、芸達者な彼の踊るバジル(22日夜)も楽しみになる。公演は23日(日)まで、Bunkamuraオーチャードホールにて。取材・文:遠藤清子撮影:Hidemi Seto
2021年05月21日新国立劇場の吉田都舞踊芸術監督と、歌舞伎俳優、日本舞踊家の松本幸四郎との対談が実現した。吉田は6月5日(土)からの新国立劇場バレエ団『ライモンダ』の公演を、幸四郎は自らが構成・演出、さらに出演も務める第4回日本舞踊未来座の公演=祭(SAI)=『夢追う子』(6月4日(金)〜6日(日)、国立劇場小劇場にて開催、チケットは発売中)を控える。ともに多くのアーティストたちを率いる立場にいる二人だ。まずは日本舞踊の印象について、「踊り方の違いはあるけれど、伝統を大切にするという意味で通じる部分があると感じます」という吉田。幸四郎も「バレエはすごく繊細で、研ぎ澄まされた力強さがあると感じる。でも、古典を進化させ、時代に対応していくという点で共通しているなと思うんです」と、舞踊芸術に携わる者として思いを分かち合う。日本舞踊協会が2017年にスタートさせた未来座の舞台は、「いろんな題材、音楽、演出を取り入れることで、新たな日本舞踊を誕生させようという公演」と幸四郎。「とにかく、日本舞踊を得意技とする舞踊家がひたすら踊る、そのパワー、エネルギーを感じていただきたい」と熱を帯びる。多くの流派から47名もの舞踊家が一堂に会する、まさに“祭り”の舞台。演出を担う者として、「できているわけではないけれど、目指すところは、出演者が『いままででいちばんいい』と言われるような代表作、自信作にする」ことだという。これを受けて吉田も、「私も、皆が気持ちよく舞台に立てるよう環境を整えていきたい」。さらには、「大切にしたいのは、目指すところを明確にすることです。皆が同じ認識でいないと、注意をしても伝わらないと思うんです」と、演出家、指導者ならではの発言が飛び交った。吉田は現役時代、新国立劇場での『ライモンダ』初演(2004年)に主演しているだけに、ダンサーたちに伝えたいことは少なくない。貴族の娘ライモンダと十字軍の騎士ジャン・ド・ブリエンヌの恋物語を描く格調高い古典作品だが、「純粋に踊りを、またストーリー展開も楽しんでいただける。ルイザ(・スピナテッリ)さんの美術、衣裳の美しい色彩感覚が素晴らしく、私自身も観るのが楽しみなんです」とアピール。コロナ禍の中での活動が続くが、幸四郎の「持ち続けていれば夢は叶う!」という力強い声が、強く印象に残った。新国立劇場『ライモンダ』は、6月5日(土)〜13日(日)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。文:加藤智子
2021年05月20日「急いでいる時に予期せぬ出来事が起きて用事に遅れてしまった」という経験をしたことがある人は多いでしょう。アメリカ・メーン州に住む女性も、通勤途中で遭遇した家族によって道路をふさがれてしまいました。道の真ん中で『ダンス』をする親子?車に乗って仕事に向かっていた女性は、目の前を鳥の親子が横断しているのに気が付きます。「すぐに通り過ぎるだろう」と思った女性は、鳥たちが安全に道を渡り切れるように車をとめました。ところがこの後、女性は予想以上に待たされることになったのです。女性が思わずビデオを回さずにはいられなかった光景がこちらです。なんでこの鳥は道路の真ん中で踊ってるわけ?母鳥だけじゃなくて、子供たちも踊ってるわ。誰かこの鳥のこと知ってる?こんな鳥、今まで見たことないわ。ちょっとあなたたち、道の真ん中でダンスするべきじゃないわよ!仕事に遅れちゃうじゃない!母鳥は子供たちが先にちゃんと渡れるように、踊って私たちを止めているのかしら?ほら、子供たちはもう渡り切ったよ。お願いよ、もうちょっと急いでくれない?ViralHogーより引用(和訳)道路を渡りながらダンスをしていたのはアメリカヤマシギの親子。アメリカヤマシギは、まるでノリノリで踊っているように見えるこのユニークな歩き方から『ダンス鳥』と呼ばれているのです。この動画を見た人たちは大笑いしています。・『リズムでゲット・ユー』を歌う、グロリア・エステファンは正しかった。・彼らのダンスを急かすことはできないね。・自然の生き物って素晴らしいな。動画を撮影した女性は、はじめ子供たちを安全に渡らせるために、母鳥がこのような動きをして車をとめているのかと思ったそうです。ところが子供たちが渡り終えても、母鳥がダンスを止めないため、女性もついに笑い出してしまいました。結局、女性は仕事に遅れてしまったのだとか。それでも怒ってはおらず、「こんなかわいいシーンは見たことないわ」といっています。お尻をフリフリしながら踊っているように見えるアメリカヤマシギはとてもかわいいですが、急いでいる時にはできれば出くわしたくないですね![文・構成/grape編集部]
2021年05月12日4人組ダンスパフォーマンスグループ「s**t kingzz(シットキングス)」の持田将史(shoji)と小栗基裕(Oguri)が主演する舞台『My friend Jekyll(マイ フレンド ジキル)』が4月21日(水)に開幕する。持田と小栗、上演台本・演出の瀬戸山美咲に話を聞いた。本作は、『ジキルとハイド』を題材にした物語を、持田と小栗が“朗読の語り手”と“パフォーマー”にわかれ(上演回によって入れ替え)、紡いでいく舞台。2019年に東京・Spiral Hallにて上演された作品で、多くのリクエストに応え、この再演が実現した。取材時は稽古期間中。瀬戸山は「初演よりも、作品世界に潜っていって創っている感じがあります。みんなで人物の感情や背景を掘り下げて、ひとつひとつのセリフがなぜ生まれているかを探究しています」と手ごたえを感じているよう。初演は持田と小栗にとって初挑戦も多く、持田は「当時は声を発してなにかを表現すること自体が初めてでしたし、台本の読み方もわかりませんでした。それからいろいろな経験をして(持田はドラマデビューし、『半沢直樹』や『エール』に出演)、今回ようやく少し本質に近い質問ができるようになってきたのかなと思っています」、小栗は「初演は『ちゃんとやらないと』という気持ちがすごく強かったのですが、それからいろんなお芝居を観たりレッスンを受ける中で、観ているほうも100点を求めていないし、100点がなにかもわからないということに気付きました。僕はずっと、ダンスは『できた、〇。ちょっとブレた、×』というような減点方式でやってきたのですが、芝居でそれをやったら絶対に面白くないし、むしろ予想がつかないほうが面白い。だから今回は、『この瞬間に出たもので大丈夫だ!』『ワクワクしろ、俺!』と自分に言い聞かせています」と、共に初演よりもひとつステップを上がった状態で取り組んでいるという。瀬戸山はふたりの印象を「本当にタイプが違う。朗読もダンスも違います。小栗さんはまず舞台上での佇まいが美しいですし、整った表現をされる。今回はさらに中身も燃やしていて、前回よりも感情の表現が進化しています。将史さんは感情の生き物。朗読もダンスもパッションの人なので、キワキワのところを狙っていきたい」と話す。そんな瀬戸山の演出を持田は「同じ台本でも、瀬戸山さんは稽古中、僕にアドバイスをしているときは『小栗さんはこれは聞かないでください』とおっしゃるんですよ。『ここは小栗さんは突っ走ってください。将史さんはセーブしましょう』というような、違う引き出し方をしてくださいます」と、全く違うものになりそうだ。新たな意気込みが詰まった『My friend Jekyll』は、4月21(水)から25(日)まで東京・シアタートラム、5月22(土)・23日(日)に⼤阪・ABCホールにて上演。ライター: 中川實穂
2021年04月19日新国立劇場はこの5月、バレエ『コッペリア』を上演する。フランスの振付家、ローラン・プティ(1924〜2011)の代表作の一つで、同劇場では2007年以来度々上演している人気演目だ。日替わりで登場する主役4組に名を連ねる池田理沙子、奥村康祐に話を聞いた。まず作品のあらましについて尋ねると、「従来の版と違って、より現代的な雰囲気。舞台はフランス。エスプリが効いた、独特の世界観がある」と奥村。『コッペリア』はもともと19世紀後半に成立、ポーランドの農村を舞台にほのぼのとした恋物語が展開されるバレエだが、1975年初演のプティ版は、物語のカギを握る人物・コッペリウスに独特の存在感を与え、よりお洒落で大人っぽい作品に。二人は2017年の上演時に本作に初主演。ヒロイン・スワニルダについて池田は、「一途に、純粋にフランツに恋心を寄せていますが、その若さゆえの思いを強く表現していかないと、ラストのちょっとほろっとしてしまうところに結び付かないと思うんです。プティの振付はコケティッシュな雰囲気を求められることが多く、その世界観を体現するのがすごく難しかったです」と振り返る。奥村も自身の役を「フランツはスワニルダと恋人同士だけれど、他の女の子も気になる(笑)。最初の登場から葉巻を吸っていたり、ちょっと格好つけたり、フェロモンが出るような振付なので、そういったニュアンスを出せるよう意識しました」と明かす。もう一人の重要人物、コッペリウスは、スワニルダそっくりの自動人形を作り、自らの孤独を慰める、風変わりで少し恐ろしげな老紳士だが、当初プティ自身が演じたことでも知られる。この役に、新国立劇場バレエ団のスターとして長く活躍していた山本隆之と新鋭の中島駿野が配されたことに「驚きました!!」と興奮気味の奥村だが、共演する中島との演技について「予想がつかない(笑)。それだけに楽しみ」と期待させる。コッペリウスの人形とのダンス・シーンはプティならではの独創的な場面。奥村は「振付も感動的ですが、あの場面でぐっとコッペリウスの人間性、日常が見えてくるのが面白い」と指摘。池田は、「最後の場面のコッペリウスもグサッときます。メッセージ性の強いシーンですね。このプティのバレエは日本ではなかなか観ることのできない作品ですし、大人のエッセンスが加わったバレエでもある。ぜひ楽しんでいただけたら」と語った。公演は5月1日(土)〜8日(土)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは4月11日より発売。取材/文:加藤智子
2021年04月12日熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2021『白鳥の湖』が、3月24日に開幕。ひと足早く鑑賞したゲネプロの様子をレポートする。芸術監督の熊川による演出・再振付で2003年に初演され、レパートリーとなった本作。今回の目玉は新プリンシパルとして1月に入団した日髙世菜のほか、カンパニーの次代を担うダンサーが集結したことだろう。取材日にオデット / オディールを演じていたのは、成田紗弥。王子ジークフリードには2020年10月にプリンシパルへ昇格した堀内將平、悪魔ロットバルトに栗山廉がキャスティングされた。ゲネプロは、オデットがロットバルトに翻弄される紗幕越しのプロローグから幕開け。成人祝いのパーティーを抜けたジークフリードは、湖で舞う白鳥オデットに出会う。彼女に惹かれながらも城へ戻り、花嫁探しの舞踏会に参加した王子は、ロットバルトに伴われて現れたオデットそっくりの黒鳥オディールに求婚してしまう。彼らが選んだ愛の結末とは──。白鳥に姿を変えられた身の上を嘆くオデットに対して、自信たっぷりに王子を誘惑するオディール。一人二役に扮する成田は、この二面性を全身で表現する。指先から爪先まで意識を張り巡らせながらも、はかなさと気高さを両立させる繊細なオデット像を覗かせた。一方で、オディール時は口元に絶えず笑みを浮かべる勝気な表情を見せ、王子の気持ちを手に入れた勝利宣言といえる30回転以上のグラン・フェッテ・アン・トゥールナンで観客の心も躍動させる。堀内は、王子の感情の起伏を体現するようなバラエティ豊かな踊りで劇世界を支える。特に空中でもう一段高く弧を描くような跳躍力に目を見張った。初役でロットバルトに扮する栗山は常に妖しさをたたえ、チャイコフスキー作曲の有名な旋律に乗せて舞う2幕冒頭のシーンで客席を魅了。このほか、完成度の高いコール・ド・バレエを繰り広げる白鳥たちの静謐な美しさにも思わず息を飲んだ。クラシックバレエの代名詞といえる定番の演目を、熊川はレパートリー化に際して再構成。オデットと出会って恋に落ちる高揚感、オディールに翻弄された挙げ句の絶望など、ジークフリードの心の軌跡を主軸に置いたストーリーテリングが最たる特徴だ。なお、このKバレエ版を小説化するアートノベル『白鳥の湖 Swan Lake』の巻末には、熊川によるインタビューも収録。クライマックスの意図やオリジナリティの発揮方法など舞台裏を明かしている。公演は3月28日(日)まで、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて。ぴあでは、座席指定できるチケットを販売中。取材・文:岡山朋代
2021年03月24日新時代を牽引するダンサーが集結する、熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2021『白鳥の湖』。昨年1月、同演目にてプリンシパルに昇格したジークフリード役の山本雅也にその魅力を尋ねた。芸術監督の熊川による演出・再振付で2003年に初演され、レパートリーとなった本作。今回は、オデット / オディール役に新プリンシパルとして1月に入団した日髙世菜のほか、小林美奈、成田紗弥、毛利実沙子、ジークフリード役に堀内將平、石橋奨也、髙橋裕哉、ロットバルト役に栗山廉、杉野慧、西口直弥、グレゴワール・ランシエもキャスティングされている。熊川が「Kバレエ カンパニーは世代交代という大きな転換期を迎えました」と述べるように、次世代に託された期待は大きい。初日を約2週間後に控え、稽古に明け暮れる山本自身も「キャストが全員20代なので、熊川ディレクターは僕たちの年齢に合わせた演出を意識している気がします」と自覚がある様子。具体例を聞くと「30代なら大人の風格が醸し出されるポイントで、こう……フレッシュに?」と若さを前面に押し出した上半身の動きを実践しつつ、「初役だった去年から進化した姿をお見せできたら」と意気込む。クラシックバレエの代名詞といえる定番を、熊川は再構成。白鳥オデットと出会って恋に落ちる高揚感、黒鳥オディールに翻弄された挙げ句の絶望など、山本らが演じるジークフリードの心の軌跡を主軸に置いたストーリーテリングが、熊川版の最たる特徴といえるだろう。なお、この熊川版『白鳥の湖』を小説化するアートノベルが開幕に合わせて刊行されるが、王子の感情を丁寧に描くことはどんな劇効果を生み出すのか──。そう問いかけると、山本は「物語の“運び手”であるジークフリードの感情の起伏が伝わるほど、観客の皆さんに緻密かつ説得力ある人間ドラマが届けられると思うんです」と即答。アートノベルの王子像が「初役の時に自分が想像して演じようとしたキャラクターと似ていたんですよね」と続き、役づくりの舞台裏を明かす。昨年、ジークフリードを演じ終えた直後のカーテンコールで熊川からプリンシパル昇格を告げられた山本。客席からも祝福されたサプライズ任命は「3位入賞したローザンヌ国際バレエコンクールで熊川ディレクターと初めてお会いした瞬間(2013年)と重なり、今までのバレエ人生がフラッシュバックしました」と振り返るほどだった。今回はどのようなパフォーマンスで観客を楽しませてくれるのか、本番を見届けたい。公演は、3月24日(水)~28日(日)に東京・Bunkamura オーチャードホールにて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年03月19日吉田都・舞踊芸術監督の2シーズン目となる、新国立劇場2021/2022シーズンバレエ&ダンスラインアップが発表された。シーズン幕開けを飾るのはピーター・ライト版『白鳥の湖』<新制作>。英国らしい演劇的要素が盛り込まれ、ドラマティックな展開が楽しめる本作は、吉田の就任第1作として昨年10月に上演が予定されていたが、感染拡大により延期を余儀なくされた。「(延期になったことで)ダンサーたちと1年間一緒に仕事をしてきて、私が求める表現の仕方を少しずつ感じとってくれている。そんななかで臨めるのは良い点。深い作品づくりができるのでは」と吉田自身も期待を寄せる。『白鳥の湖』バーミンガム・ロイヤルバレエ公演より photo by Bill Cooper続く12月はイーグリング版『くるみ割り人形』。クリスマスシーズンの演目としてお馴染みだが、今年は初の試みとして家族が集まる年末年始を通して楽しんでもらいたいと、年明けまで上演時期を拡大。計12公演を予定している。新春公演『ニューイヤー・バレエ』は吉田にとっても思い入れの深いフレデリック・アシュトンの『夏の夜の夢』<新制作>と、バランシン作品『テーマとヴァリエーション』のダブルビルド。アシュトンならではの独特なステップが詰まったシェイクスピア原作のバレエと、純粋に音楽と踊りの美しさを楽しめるバランシンのアブストラクト・バレエという、趣の異なる2作品が揃った。『夏の夜の夢』は英国ロイヤル・バレエ団から借りるという衣裳とセットも見どころとなりそうだ。2月の「吉田都セレクション」は、新国立劇場バレエ団にとって初となるフォーサイス作品『精確さによる目眩くスリル』、アストル・ピアソラの音楽とともに踊る大人のバレエ『ファイヴ・タンゴ』、レパートリーから『こうもり』より「グラン・カフェ」の3作品。4月~5月は定番『シンデレラ』。上演に先立ち2月には初の試みとなるエデュケーショナル・プログラム「ようこそ『シンデレラ』のお城へ!」も開催。バレエ芸術、そして生の舞台の魅力を体験できる新たな教育プロジェクトの第1弾として、『シンデレラ』をより身近に感じてもらえるように、舞台が出来上がっていく様子をみせたりダンサーにインタビューをするなど様々な企画を準備中とのこと。6月は『不思議の国のアリス』再演。昨年新型コロナウイルスの影響で公演中止となったが、シーズンの締めくくりとして満を持して上演される。また、シーズン開幕前の今年7月には昨年コロナ対応の振付で上演された森山開次作・演出『竜宮 りゅうぐう~亀の姫と季(とき)の庭~』を再演。吉田都 舞踊芸術監督ダンスのラインアップは、中劇場で上演される『DANCE to the Future: 2021 Selection』、マイムを取り入れた独自の演出で人気を集める小野寺修二の構成・演出によるカンパニーデラシネラ『ふしぎの国のアリス』、2019年に上演され、大人も子どもも楽しめるダンス作品として好評を得た森山開次演出・振付『NINJA』が新版として上演。多彩な演目が揃った吉田都監督の新シーズンに期待が高まる。新国立劇場バレエ団2021/2022シーズンラインアップ<バレエ>■『白鳥の湖<新制作> 』2021年10月23日(土)~11月3日(水・祝)/オペラパレス・8回公演■『くるみ割り人形』2021年12月18日(土)~2022年1月3日(月)/オペラパレス・12回公演■ニューイヤー・バレエ『夏の夜の夢<新制作> 』『テーマとヴァリエーション』2022年1月14日(金)~1月16日(日)/オペラパレス・3回公演■吉田都セレクション『精確さによる目眩くスリル<新制作> 』 『ファイヴ・タンゴ<新制作>』『こうもり』より「グラン・カフェ」2022年2月19日(土)~2月23日(水・祝)/オペラパレス・3回公演■『シンデレラ』2022年4月30日(土)~5月5日(木・祝)/オペラパレス・6回公演■『不思議の国のアリス』2022年6月3日(金)~6月12日(日)/オペラパレス・8公演■こどものためのバレエ劇場2021『竜宮 りゅうぐう~亀の姫と季(とき)の庭~』2021年7月24日(土)~7月27日(火)/オペラパレス・8回公演大阪公演:2021年9月23日(木・祝)/フェスティバルホール■エデュケーショナル・プログラム vol.1「ようこそ『シンデレラ』のお城へ!」2022年2月26日(土)~2月27日(日)/オペラパレス・2回公演<ダンス>■『Dance to the Future: 2021 Selection』2021年11月27日(土)~11月28日(日)/中劇場・2回公演■小野寺修二 カンパニーデラシネラ『ふしぎの国のアリス』2022年3月18日(金)~3月21日(月・祝)/小劇場・5回公演■森山開次『新版・NINJA』2022年6月25日(土)~6月26日(日)/中劇場・3回公演
2021年03月17日3月8日、東京バレエ団は記者会見を行い、今年11月6日、7日に東京文化会館で上演するミックスプログラムにて、振付家でりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督、Noism Company Niigataの芸術監督を務める金森穣による新作『かぐや姫』を世界初演すると発表した。会見には東京バレエ団芸術監督・斎藤友佳理と金森穣が出席し、作品の構想を語った。冒頭、斎藤は金森への委嘱の実現について「夢が叶って、いま、1日目のリハーサルを終えたところです」と目を輝かせた。質の高い古典全幕バレエを上演するとともに、ベジャールはじめ時代の最先端をいく振付家のオリジナル作品を発信してきた東京バレエ団。斎藤は芸術監督就任当初から、優れた日本人振付家によるオリジナル作品の上演を目指し、2019年、勅使川原三郎振付『雲のなごり』世界初演を実現。それに続く日本人振付家への委嘱となる。2004年、日本で唯一の公共劇場専属舞踊団Noismを立ち上げた金森について、斎藤は「振付家としてだけでなく、いろんなカラーをもった魅力的な演出家だと感じています」と信頼を寄せる。いっぽう、17歳で渡欧、ベジャールの学校ルードラで学び、その後キリアン率いるNDT2をはじめとする欧州の舞踊団で活躍した金森は、「東京バレエ団は日本におけるベジャールの舞踊団で、どこか身近に感じていた」という。Noism創立から17年。外部の団体に振付けるのは今回が初めてだが、アシスタントの井関佐和子(Noism副芸術監督)とともにリハーサル初日にのぞみ、「今日は夢見心地でした」と明かす。『かぐや姫』という題材については、「恩師キリアンも作品化していますが、私は物語に則った、Noismでいうところの“劇的舞踊”、全幕もののストーリーバレエをと考えています。東京バレエ団ならではの女性のポワントの群舞、ダイナミックな男性の群舞を活かしたい」。11月に上演するのはその1幕に当たる部分だという。音楽はドビュッシーが使われる。「バレエに対する最大限のリスペクトをもって、作品を構成している。もちろん自らの芸術性で挑むが、いままでの私の作品の中でいちばんバレエ的になるかもしれない」。台本は『竹取物語』も童話として書かれたものもすべて読んだうえで書いたオリジナル。「歴史に残る作品を創りたい」という金森のバレエ。期待はいやがうえにも高まる。加藤智子
2021年03月15日ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)は、“バレエ”に着想を得た新作腕時計「レディ アーペル バレリーナ ミュージカル」を発売。“音楽が鳴る”ジュエリーウォッチ「レディ アーペル バレリーナ ミュージカル」は、オルゴール、カリヨンを内蔵した“音楽を奏でる”ジュエリーウォッチ。目からも耳からも、魅惑溢れるバレエの世界を楽しめる腕時計だ。文字盤には、実際の舞台の場面を立体的に表現した。細やかな彫刻、エングレービングによって中心に幕をセット。文字盤上部にはダイヤモンドを贅沢にあしらい、シャンデリアや豪華なカーテンを描き出している。また、パリ・オペラ座のトップダンサー“エトワール”へのオマージュとして、星モチーフもあしらわれている。幕が開くと音色が鳴る仕様に舞台の幕が開くとバレリーナが姿を現し、カリヨンとオルゴールの澄んだ音色が奏でられる仕組みになっている。繊細な幕の質感や、可憐なバレリーナの佇まい、優雅に連なるダイヤモンドの輝きなど、精巧な手仕事が光る仕上がりに注目だ。ジョージ・バランシンのバレエ「ジュエルズ」をイメージ全部で3種類展開される「レディ アーペル バレリーナ ミュージカル」は、振付家のジョージ・バランシンが手がけたバレエの演目「ジュエルズ」からインスパイア。1967年に初演された「ジュエルズ」は、ジョージ・バランシンがヴァン クリーフ&アーペルの宝石への情熱に共感したことから生み出された。全3幕から構成される「ジュエルズ」では、それぞれ1つの宝石と1人の作曲家をフィーチャー。第1幕「エメラルド」はガブリエル・フォーレ、第2幕「ルビー」はイーゴリ・ストラヴィンスキー、第3幕「ダイヤモンド」はピョートル・イリイチ・チャイコフスキーという構成になっている。「レディ アーペル バレリーナ ミュージカル」も「ジュエルズ」と同様に、エメラルド、ルビー、ダイヤモンドの3種を用意。カリヨン、オルゴールの音楽も、それぞれの演目に連動した旋律が奏でられる。尚、「レディ アーペル バレリーナ ミュージカル」が構想されたのは10年前。手巻き機械式ムーブメントと、幕が開き音楽の流れる「オンデマンド アニメーション」の開発には7年もの歳月が費やされた。時刻の表示は、メゾンの伝統を受け継いだレトログラード式の時間表示が採用されている。【詳細】ヴァン クリーフ&アーペル「レディ アーペル バレリーナ ミュージカル」種類:全3種・レディ アーペル バレリーナ ミュージカル エメラルド ウォッチ・レディ アーペル バレリーナ ミュージカル ルビー ウォッチ・レディ アーペル バレリーナ ミュージカル ダイヤモンド ウォッチ主な仕様:ダイヤモンドをセットした44.5㎜のホワイトゴールド製ケース、ダイヤモンドをセットしたホワイトゴールドのベゼル、彫刻を施したホワイトゴールドの文字盤、ダイヤモンド、ミニアチュール ペインティング、交換可能なアリゲーターストラップ、ダイヤモンドをセットした交換可能なホワイトゴールドのフォールディングバックル、レトログラード式の時間表示を搭載した手巻き機械式ムーブメント、オンデマンド ミュージカル アニメーション、54時間のパワーリザーブ、シリアルナンバー入り【問い合わせ先】ヴァン クリーフ&アーペル ル デスクTEL:0120-10-1906
2021年03月08日3月2日、新国立劇場は2021/2022シーズンの舞踊ラインアップを発表、吉田都芸術監督による説明会を実施した。「芸術監督就任後、6カ月とは思えないほどの濃い日々を過ごさせていただいています」と、コロナ禍の中でスタートした今季前半を振り返る吉田。「いろいろな方が手を差し伸べてくださった。私たちに何ができるかといったら、質の高い、いい舞台を作るべく努めること」。来季の上演リストには、その強い思いを映すかのようなチャレンジに溢れた作品が並んだ。まず10月のオープニングでは、ライト版『白鳥の湖』に再挑戦。昨年、吉田の芸術監督就任第1作として期待されるも、感染拡大の影響により実現できずにいたが、「ダンサーたちは今、私がどんな表現を求めているかということを少しずつ感じてくれるように。より深い作品づくりができるのでは」と、1年の延期を前向きに捉える。その後のクリスマス・シーズンは、恒例の『くるみ割り人形』(イーグリング振付)の上演だが、初の試みとして、新年3日までなんと計12回もの公演を実現。続く「ニューイヤー・バレエ」は、吉田が敬愛する振付家、アシュトンの『夏の夜の夢』に初挑戦。バランシン『テーマとヴァリエーション』とのダブルビルだ。2月の〈吉田都セレクション〉は、鬼才フォーサイスの『精密さによる目眩くスリル』、オランダの巨匠ファン・マーネンの『ファイヴ・タンゴ』、プティの小粋なセンスが光る『こうもり』より「グラン・カフェ」と、大人の雰囲気。「新国初のフォーサイス作品は、かなりのチャレンジになる」とも。来年4月〜5月の『シンデレラ』に先立ち、エデュケーショナル・プログラムvol.1として「ようこそ『シンデレラ』のお城へ!」を2月に実施。「舞台が作られていく過程をお見せし、舞台をより身近に感じていただけるように」と準備を進める。6月の『不思議の国のアリス』は、海外からゲストを迎えての再演だ。またダンス公演では「DANCE to the Future: 2021 Selection」(11月)、小野寺修二 カンパニーデラシネラ『ふしぎの国のアリス』(2022年3月)、森山開次による『新版・NINJA』を予定。開幕公演前の今年7月に上演する、こどものためのバレエ劇場2021『竜宮』も森山の作品だ。あらゆる年齢層に訴える多彩な作品が揃う来シーズン。吉田芸術監督の采配に、今後も注目していきたい。文:加藤智子
2021年03月04日ダンサー兼アーティストのasamicro(アサミクロ)が企画、演出、振付するegg lifeの旗揚げ公演『白く、壊れて、生まれる』が、2月27日、PIA LIVE STREAM で生配信された。神奈川県のSTスポットで開かれた無観客ライブで、3月6日(土)23:59までアーカイブで楽しめる。asamicroは幼少のころからストリートダンスを始めた。2012年から朝ごはんや朝の時間を毎日撮影し続け、日々の暮らしや生活をテーマに踊り、映像、写真などで表現している。今回旗揚げにあたりegg lifeという名前には、「割った卵の殻のように、同じようで同じではない毎日への尊敬と愛情を込めた」という。まず、友情出演の北川結(モモンガ・コンプレックス)がテーブルのまな板の上でゆで卵の殻をむいて壊す。「ひび割れた隙間からやつは流れ出る」などとナレーションが入り、北川がテーブルの椅子から崩れ落ち、フライパンの上に広がった卵の白身のようにのたうちまわる。「きみのいない完璧な丸い白が誕生した」という声とともに、本物の卵に囲まれた円形ステージでasamicroがゆっくりと踊り出す。体をうねらせたゆたったり、ロボットのように小刻みに震わせたり、ストリートダンスやコンテンポラリーダンスなどが交じったジャンルレスな踊りに釘付けになった。途中で電車の音や横断歩道を渡る時に流れる鳥の声が入り、「卵が人間の胃の中に入り、一緒に仕事に行くのだろうか」と考えてしまう。公演のメイキングビデオでasamicroは「ストーリーは特別なものではなく、生活を頑張って生きている皆さんときっと何か共通することがあるはず」と話している。見る者それぞれが想像していいのだろう。明日、卵を割る時、自分の細胞が彼女たちのように踊ってくれたらいいのにと思う。後半には再び北川が登場し、二人で楽しげに所狭しとステージを跳ね回った。続いての作品は、ダンサーのAtsumi、愛由、TETSUOが登場。ブレイクダンスやヒップホップなどの経歴を持つ3人が息ピッタリに踊る。無機質な音やアフリカの太鼓、犬の鳴き声のような音が入り混じり、猛々しかったり、洗練されていたり、機械的だったりする多様でスピーディーなパフォーマンスが楽しめた。次はどんな踊りか予測がつかない、asamicroの身体の可能性を無限大に使った振付もきいている。彼女は「明日、生きることが楽しくなり、何かいたずらしたくなるような気持ちになっていただけたら」と話している。egg lifeの誕生の時を、ぜひ、見届けてほしい。3月6日(土)23:59までPIA LIVE STREAMにてアーカイブ配信中。取材・文:米満ゆう子
2021年03月02日レペット(Repetto)のバレエシューズ「サンドリオン バレリーナ(Cendrillon Ballerinas)」と「ブリジット バレリーナ(Brigitte Ballerinas)」から新デザインが登場。2021年3月3日(水)より全国のレペットショップほかにて発売予定だ。“ロマンティックレース”のバレエシューズレペット定番のフラットシューズ「サンドリオン バレリーナ」「ブリジット バレリーナ」に、日本限定デザインが仲間入り。クラシックバレエのコスチュームのように繊細で美しいレースをアッパーに使用した、ロマンティックなスタイルで登場する。「サンドリオン バレリーナ」レペットのコレクションの中でも、最もアイコニックなモデルである「サンドリオン バレリーナ」は、シックなブラックとフェミニンなピンクの2色を展開。レース素材が女性らしさをぐっと引き出してくれ、ソフトな印象を演出してくれる。「ブリジット バレリーナ」一方、フラット仕様でありながら、こなれ感を出してくれる「ブリジット バレリーナ」からはブラックが登場。ポインテッドトゥとブラックレースがベストマッチで、大人っぽい印象をもたらしてくれる。【詳細】レペット日本限定バレエシューズ・サンドリオン バレリーナ 全2色 各34,000円+税カラー:ブラック、ピンク・ブリジット バレリーナ 38,000円+税カラー:ブラック発売日:2021年3月3日(水)取扱店舗:全国のレペットショップ、公式オンラインストア※予定
2021年02月28日レペット(Repetto)の2021年春夏コレクションから「パイソン コレクション(Python Collection)」が登場。バレエシューズを、2021年2月10日(水)よりレペットショップで発売する予定だ。パイソン柄のバレエシューズ「パイソン コレクション」では、クールなパイソン柄をフェミニンなカラーリングでアレンジしたバレエシューズが揃う。ラウンドトゥの「サンドリオン バレリーナ」エレガントなラウンドトゥが特徴の「サンドリオン バレリーナ(Cendrillon Ballerinas)」は、ベージュ、ピンク、ブラックの3色で展開。アッパーにソフトなレザーを用いて、快適な履き心地を実現した。ポインテッドトゥの「ブリジット バレリーナ」また、ポインテッドトゥデザインを採用した、モダンな雰囲気の「ブリジット バレリーナ(Brigitte Ballerinas)」も用意。カラーは、春先の装いにぴったりなベージュとピンクの2色を取り揃える。なお、いずれのバレエシューズも日本限定で発売される。【詳細】レペット「パイソン コレクション」<日本限定>発売予定日:2021年2月10日(水)※ベージュカラーのみ1月22日(金)~オンラインストアにて先行発売取扱店舗:レペットショップ、オンラインストアアイテム:・サンドリオン バレリーナ 35,000円+税カラー:ベージュ、ピンク、ブラック・ブリジット バレリーナ 37,000円+税カラー:ベージュ、ピンク
2021年02月07日アルテミス by ダイアナ(artemis by DIANA)から、「マカロン」をモチーフにしたバレエシューズ&バッグが登場。2021年2月14日(日)より、アルテミス by ダイアナ店舗などで発売される。「マカロン」カラーの新作バレエシューズ&バッグアルテミス by ダイアナの新作は、メレンゲを焼き上げた「マカロン」をイメージしたバレエシューズ&バッグ。「マカロン」のようにコロンとしたフォルムや、パステルカラーが目を惹く。各カラーには、「バニラ」「フランボワーズ」「シトロン」「ピスタチオ」など、「マカロン」のフレーバーにちなんだ名前が付けられているのもユニーク。超軽量100gのバレエシューズシューズは、「マカロン」の軽やかな食感を連想させる“100g”の超軽量バレエシューズ。すっきりとしたミニクリフカットトゥと、ラウンドトゥの2モデルを取り揃える。機能性にも優れており、ミニクリフカットトゥモデルには、快適な履き心地をもたらす2層クッションや、抗菌防臭加工の中敷き、蒸れを防ぐクール&ドライファブリックのライニングを採用。ラウンドトゥモデルには、ストレスフリーな履き心地の3層クッションや、グリップ性が高く、ソフトで軽いオリジナル発泡ラバーソール、足先を優しく包み込むようなボロネーゼ製法を取り入れている。“小さいのにたっぷり収納”ミニバッグバッグは、ミニマルなサイズ感が愛らしいハンドバッグ。コンパクトなビジュアルでありながらマチがあるので、スマホ、ミニ財布、キーケース、リップ、ハンドタオルなど外出に欠かせない小物類をたっぷりと収納することができる。荷物の仕分けがしやすいようにと、内側にはポケットも付けた。【詳細】アルテミス by ダイアナ 新作シューズ&バッグ発売日:2021年2月14日(日)販売店舗:アルテミス by ダイアナ店舗、取り扱いECサイト(LOCOND/ZOZOTOWN/マルイweb channel/MAGASEEK/Rakuten Fashion)※ECサイトでは先行予約受付。ECサイトの発売日は各サイトによって異なる。・ミニクリフカットトゥバレエシューズ 8,500円+税・ラウンドトゥバレエシューズ 8,500円+税・バッグ 8,500円+税
2021年02月07日横浜ダンスコレクション2021がまもなく開幕する。一昨年のコンペティションIにて審査員賞を受賞した下村唯が世界初演にして、“ハラスメント”をテーマにしたという「亡命入門:声ノ国」を携えて凱旋する。2019年の受賞作「亡命入門:夢ノ国」は、様々なルーツを持つ者たちの姿を通し「分断と暴力」を表現した。以前から差別や社会問題をダンスを通して表現してきたが、同作に関して「僕の妻が台湾出身で、彼女と知り合い、いろんな話をしたことが大きな転機となりました」と明かす。演劇畑の出身でもともとダンスを志していたわけではなく「3歳からダンスをやってきたような人には、身体の躍動性や筋肉の使い方といった点では太刀打ちできない」と語るが、鋭い批評性こそ、下村の最大の武器である。新作「亡命入門:声ノ国」では特に、自ら見聞きし、また「無意識のうちに加害者であったかもしれない」というハラスメントに切り込む。下村と6人のダンサーの計7名での公演として企画はスタート。ハラスメントを作品で表現するにあたって、まずは制作のプロセスにおいてハラスメントが発生しないようにと最大の注意を払った。「僕が振付家で、みんなはダンサーなので、どうしても稽古場でヒエラルキーが生まれてしまう。みんながこれまでに受けたハラスメントについて掘り下げていくという作業も、ハラスメントになりかねないわけです。NPO法人の協力を得てホットラインを作って、何かあればそちらにも連絡できるようにしたり、作品以上に稽古場の運営に注力してました。ただ、その過程でいままで素通りしてきたことや男性の加害性に気づかされたり、学ばせてもらいました」だが1月上旬に緊急事態宣言が発出。ダンサーの多くが関西を拠点にし、家庭や仕事を持っているということもあり、移動のリスクなども鑑みて、苦渋の選択であったが構成の変更を決断。ダンサーの起用を断念し、下村がソロで踊ることに。「ただ、これまでのプロセスは継承し、ダンサー陣とリモートで話し合い、ダンサーたちにクオリティのチェックやアイディア出しをしてもらいながら、ここまで作り上げてきたものをソロ化しています。女性に表現してもらうはずだったハラスメントも男の僕が一人でやるわけで、すごく難しいんですが(苦笑)、僕なりにハラスメントや差別意識について感じることを作品で表現できればと思っています」コロナ禍を生きるダンス作家がどのような視点で社会に切り込むのか?完成を楽しみに待ちたい。文:黒豆直樹
2021年02月04日2月4日に開幕する「横浜ダンスコレクション2021」。昨年のコンペティションII新人振付家部門にて最優秀新人賞を受賞した橋本ロマンスによる新作「デビルダンス」が上演される。昨年の受賞作「サイクロン・クロニクル」は審査員から文字通り絶賛された。「パズルやコラージュのように解体と構築がなされ作り込まれた作品」である同作が「多くの方に現代美術的なコンセプチュアルな手法や、ストリートやポップカルチャーの要素を楽しんでいただけたということは自分にとって嬉しい発見でした」とふり返る。岡本太郎にクリスト&ジャン・クロード、ボブ・フォッシー、ピナ・バウシュ、ディミトリス・パパイオアヌー、勅使川原三郎、MIKIKO、クリストファー・ノーランなど、ダンサーのみならず様々なアーティストに影響を受けており、「サイクロン・クロニクル」は「オズの魔法使い」とプラトンの「饗宴」に登場する「アンドロギュヌスの逸話」をモチーフにしている。発想の源、創作の過程について、橋本はこう語る。「文学や映画が直接的に発想の源となるというよりは、作品内で伝えたいことを多面的に掘り下げていくために文学や映画の持つ文脈ごと挿入するという感じです。我々が抱えている問題の大半はもう既に歴史上で起こっているので、そのことを題材とした作品をモチーフとして取り入れることで、自分の作品の支えてもらうことが多いです。複数の物語の文脈をコラージュ的に配置したり重ね合わせたりすると、全く新しい文脈や物語同士の関係性が現れてくることがあります。それをしつこく検証して『これってもしかしてこういう意味なんじゃないかな?』という自分勝手な大発見をすることが創作の核になっています。そして、その自分で作った仮定を証明していく作業がパフォーマンスであると考えています」2度目の緊急事態宣言の発出を受け、上演をすべきか否かについて主催者側と話し合いを持った上で今回の「デビルダンス」の発表を決めた。コロナ禍の中、彼女が抱いた“違和感”こそが「いまこのタイミングで作品を上演することを決めた理由」と語る。「コロナ禍において、この状況を笑い飛ばせる人の方がポジティブで、怖がることはネガティブで場が白けてしまうことのような空気感があり、そこにとても違和感があります。上演を行うこと自体が『止まらず進み続ける』というメッセージになりがちですが、私が伝えたいのは『立ち止まって良い』ということ、そして『私たちに、死ぬのが怖いと言わせてほしい』ということです。作品の具体的なモチーフとしては『ファウスト』、『時計じかけのオレンジ』、また現象としての『ダンス・マカブル』、『ええじゃないか』などを含む予定です」(黒豆直樹)
2021年02月01日新国立劇場バレエ団がチャイコフスキーバレエの永遠の傑作『眠れる森の美女』を2月20日(土)、21日(日)、23日(火・祝)、新国立劇場 オペラパレスで上演する。本作品は2014年11月に新国立劇場バレエ団のシーズン開幕を飾り新制作されたグランド・バレエ。ウエイン・イーグリングによる古典のスタイルを守りながらも現代的な感覚を活かした振付けは、既存の演出とは一線を画した新しい舞台と大好評を博した。元ダンサーとしてのセンスが光るトゥール・ヴァン・シャイクの洗練された色彩豊かな衣裳、川口直次による格調高く豪華絢爛な美術もグランド・バレエの大切なピースとして舞台を彩る。『眠れる森の美女』の大きな魅力として挙げられるのが、音楽から自然と物語が浮かんでくるチャイコフスキーの流麗な音楽だ。中でも第一幕のオーロラ姫の16歳の誕生日パーティのシーンでの踊られるガーランドの踊りは『眠れる森の美女』で使用される音楽の中で最も有名なもののひとつ。美しいワルツ曲にのって踊られるこのシーンは幸福感に満ちている。イーグリングの振付では、オーロラ姫の目覚めのシーンにヴァイオリン・ソロによる非常に静かで落ち着いた情緒的な音楽が使用され、ロマンティックなパ・ド・ドゥが挿入される。オーロラ姫とデジレ王子の間に愛が芽生えていく心の動きが描かれ『眠れる森の美女』の誰もが知るストーリーに説得力を持たせる演出だ。通常、悪の精カラボスはマイム役だが、イーグリングの演出ではトウシューズを履いた女性ダンサーによって演じられる。カラボスはリラの精と同等のパワーを持った役柄として描かれ、リラの精が体現する正義とカラボスが体現する悪の対峙に焦点が当てられる。冒頭でシャンデリアに載って降りてくるリラの精を地上で迎えるカラボスの場面はその象徴的なシーンのひとつ。さらにプロローグのオーロラ姫の誕生パーティや第3幕でのオーロラ姫とデジレ王子の結婚式の場面など、主役級のダンサーが次々とソリストとして登場し、新国立劇場バレエ団ダンサーの層の厚さが存分にアピールされる。世界中で愛される古典の最高傑作で総合芸術としてのバレエの醍醐味を堪能してほしい。■公演情報新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』日時:2月20日(土)14:00開演2月21日(日)13:00開演2月21日(日)18:30開演2月23日(火・祝)14:00開演※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、託児サービス、バックステージツアーは当面休止させていただきます。※ロビー開場は開演60分前、客席開場は開演45分前です。開演後のご入場は制限させていただきます。会場:新国立劇場 オペラパレス(京王新線 新宿駅より 1 駅、初台駅中央口直結)予定上演時間:約3時間15分(休憩含む)ウェブサイト: チケット料金(税込):S席13,200円、A席11,000円、B席7,700円、C席4,400円、D 席3,300円、Z席1,650円※Z席は舞台のほとんどが見えないお席です。予めご了承ください。※Z 席は、公演当日朝 10:00 から、新国立劇場 およびセブン-イレブンの端末操作により全席先着販売いたします。ひとり1枚です。※上記の方法での先着販売後、残席がある場合は、開演 2時間前からボックスオフィス窓口でも販売いたします。※電話での予約は承れません。<前売り販売開始日>アトレ会員先行:1月17日(日)10:00~19日(火)バレエ/ダンス先行メンバーズ販売期間:1月18日(月)10時から19日(火)一般発売日:1月23日(土)10時※感染予防に対応した適切な距離を保つため、1 階 1 列~3列の座席は販売いたしません。※通常の座席配置(1 階 1 列~3 列を除く)での販売を予定しております。※予定通りの発売日程で販売いたします。通常の座席配置(1階1列~3列を除く)で販売いたしますが、観客数が総席数の 50%に達したところで販売を停止いたします。当日券(Z席を含む)につきましては、50%に達していない公演のみ販売予定です。緊急事態宣言が公演日前に解除され、イベントの開催要件が緩和された場合は、追加でチケットを販売する可能性がございます。<ウェブでの予約・購入>新国立劇場 Web ボックスオフィス: (PC、携帯共通)チケットぴあ: (PC、携帯共通)イープラス: (PC、携帯共通)ローソンチケット: (PC、携帯共通)<電話での予約・購入>新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999 (10:00~18:00)チケットぴあ:0570-02-9999※本公演は新型コロナウイルス感染予防、拡大防止対策をとって上演いたします。新国立劇場における新型コロナウイルス感染拡大予防への取り組みと主催公演ご来場の皆様へのお願いは下記サイトより。
2021年01月26日クロエ(Chloé)は、2021年春の新作シューズ「ソニー(SONNIE) バレリーナ」を全国のクロエブティック(一部店舗を除く)で発売する。バレエシューズ×スニーカーのハイブリッドシューズクロエの新作は、バレエシューズとスニーカーをかけ合わせたハイブリッドモデル。2018年秋コレクションで登場した「ソニー スニーカー」の特徴である、傾斜した大胆なソールデザインをベースに、バレリーナのフラットシューズにみられるなめらかなアッパーデザインを融合させた。軽やかに纏える機能性はそのままに、モダンなデザインに進化させている。カラーは、ブラックやホワイト、ベージュなど、デイリー使いしやすいベーシックカラーを用意。ブラック・ベージュのモデルには、しなやかなナッパラムスキンレザーを使用し、ホワイトのモデルには繊細なレースを取り入れた。Chloéロゴ入りのアッパーいずれも甲の部分には、ブランドロゴ入りのエラスティックをクロスさせて配置。バレエシューズのような女性らしさを演出しながら、履き心地のよさ・安定感をもたらしてくれる。【詳細】クロエ 2021年春新作「ソニー バレリーナ」2021年1月下旬現在発売中。取扱店舗:全国のクロエブティック(一部店舗を除く)<アイテム例>・ソニー バレリーナ ラムスキン 63,000円+税カラー:ブラック、スィートベージュ・ソニー バレリーナ レース 63,000円+税カラー:ホワイト【問い合わせ先】クロエ カスタマーリレーションズTEL 03-4335-1750
2021年01月26日アメリカ最大のダンスコンテスト「BODY ROCK」で連続優勝した、世界が注目するダンスユニット、s**t kingz(シットキングス)。世界的なアーティストたちへの振り付け楽曲数は230曲以上、名だたるK-POPアーティストのコレオグラファーとしても知られ、ファンから絶大な支持を得る彼らが、初めてのダンス映像アルバム『FLYING FIRST PENGUIN』をリリースしました。これまでにも絵本『あの扉、気になるけど』(マガジンハウス刊)の出版など、ダンサーの枠に留まらない、フレッシュで唯一無二な魅力を発信し続けてきたs**t kingzが挑んだ、新たな挑戦とは?今回の特別撮りおろし動画は、恒例の?アンアンパンダとのダンスも!写真・大内香織 動画撮影・千葉 諭 スタイリスト・ 岡本健太郎 ヘアメイク・佐藤貴行 文・尹 秀姫s**t kingz(シットキングス)後列左から時計回りに、NOPPO、shoji、kazuki、Oguri。--アルバムならぬ“見るバム”『FLYING FIRST PENGUIN』1月27日リリース、おめでとうございます! ダンサー集団であるs**t kingzがアルバムを作るというのがまず予想外でしたが、作ろうと思ったきっかけは何ですか?shoji 発端は、一人ひとりの特徴が出るような映像作品を作ろうというソロの映像プロジェクトがはじまりでした。それぞれが自分のやりたいダンスを表現するために、アーティストの方と一緒に音楽を作って、映像を撮ろうというところから企画がスタートしました。s**t kingzは今までたくさんの作品を作ってきたけれど、そのすべてを公開することができないという問題があったんです。ダンスって音楽ありきのものなので、著作権などの権利の問題があって、映像を残すことが難しくて。だったら自分たちが表現したいものを表現できる音楽を作って、自分たちのパフォーマンスを形に残していこうというプロジェクトでソロ曲を作っていたのが、いつしかグループでも毎月新しい曲を出すことになり、それを“見るアルバム”としてまとめようということになったのがこのアルバムです。だから、ソロ曲を作っていた時はまだアルバムを作ろうとまでは考えてなかったんですよね。--ソロ曲を制作している時はおたがいの進捗は完全に知らなかったのでしょうか? 他の人の作品が気になったりは?Oguri 完全に秘密っていうほどしっかり隠していたわけでもなかったんですけど、なんとなく見ないようにしておこう、みたいなところはありましたね(笑)。(ソロ曲の)路線がかぶらないようにしないと、というのは思っていたので、みんなのやりたい曲が自分とかぶってないかみたいな探りは入れつつ、「どんな曲やるの?」とか、「ダンスを見せて」とかは言えなかったですね。shoji 知っちゃうと変に意識してしまうので。一人ひとり自分が撮りたいものを撮ろうっていうコンセプトではじめたのに、周りの人があれやってるから自分はこっちにしようってなったら、結局誰かが我慢することになってしまうし。Oguri でもほんと、うまくかぶらなかったよね。NOPPO 完成披露会で映像を見るまで、誰が何をやるのかまったく想像もできていなかったな(笑)。kazuki ちょうどライブもやっていたので、みんながどんな曲を踊るのかはリハーサルで聞いてはいたんですけど、どんなストーリーでどんな映像作品を撮るのかっていうのはまったく知らなくて。だからお披露目会で僕たちも初めて見ました。shoji 1984年10月24日生まれ、神奈川出身、172㎝、A型。 2020年にはTBS日曜劇場『半沢直樹』原田浩平役として出演、NHK テレビ小説『エール』にも初田役として出演した。--作品を見て、一番意外だった人は誰ですか?shoji うーん、でもみんな結構、キャラがよく出てたと思います(笑)。Oguri shojiくんの作品は、最後にとあるキャラクターが出てくるんですよ。それが一番衝撃だったというか、一番…。NOPPO&kazuki ゾワッとした(笑)。Oguri 鳥肌が立ったよね(笑)。kazuki この新しいプロジェクトにもせが家のお母さん(※)が登場するんだっていうね(笑)。(※せが家お母さん:s**t kingzが制作するダンスドラマ『ぼくらのYeah!!』に登場するキャラクター。ツイッターアカウントは@segamamayo)Oguri 実は作品公開前から伏線を張っていて、お母さんがツイッターのアカウントで「パートでも行こうかしら」ってつぶやいてたんですよ。当時「NAMA! HO! SHOW!」っていうオンラインのライブショーをやっていたので、それに関する何かだと思ってたら、まさかソロ曲のMVで出てきたので(笑)。あの感じはちょっと忘れられないですね。shoji ホラーでしょ(笑)。Oguri ホラーを見た感覚に近いドキドキ感がありましたね(笑)。--これはshojiさんとしては狙いどおりだったんですか?shoji はい、一番最後に何かオチがほしいなと思っていたので、ここはお母さんだと思って。NOPPO コンセプトもね、ただどっちのお菓子を買うか迷うだけなのにね(笑)。--あれは誰しも一度は悩んだことだと思うので、すごく共感できました。Oguri 共感しました!? じゃあ今度どっちのお菓子買うかで迷ったら踊ってください(笑)。kazuki 1986年9月24日生まれ、大阪出身、168㎝、B型。木村拓哉さんの東京・⼤阪LIVE『Go with the flow』演出、テレビ東京×avex オーディション番組『ヨルヤン』審査・出演など。--kazukiさんの作品も共感する人が多いと思いました。kazuki ほとんどの人はたぶんあの曲で表現した2者の間にいると思うんですよ。サラリーマンと、イッちゃった人との中間。俺ももちろんそうですし。だからこそ、そこを極端に振り切って表現したらエンタメとして面白いんじゃないかっていうのが、一番こだわったところですね。メイクも衣装もそうですけど、監督にもちゃんと理解してもらったうえではじめないと、ただサラリーマンがカッコつけて踊ってる風に見えてしまうので、中途半端にならないよう、その辺はすごく気をつけました。Oguri あのサラリーマンの日常とか見てみたいですよね。普段どんな生活なんだろうって。それを見たら、それは自分を変えたくなるよねって思いそう。--あの両面性はkazukiさんの中にあるものだったりするんですか?kazuki ありますね。テンション上がったらグイグイ行ける時もありますし。それは女の子に対してとは限らずですけど。逆に、あれ(サラリーマン)ぐらいネクラな時もありますし。家の中では普通にぼーっとしてるので。どちらも自分の中でなんとなく想像できるキャラクターではあるんですけど、あそこまで極端ではないなとは思いますね。ただ、どっちにもちょっとした憧れはあるんですよ。今回やってみて気づいたんですけど、自分はちょうどこの真ん中にいるんだなって感じでしたね。--kazukiさんは4人の中では唯一、共演者がいますよね。kazuki そうですね、4人には特に許可も取ってないです(笑)。好きにやっていいというのが今回のコンセプトでもあるので。Oguri それこそ4人だとなかなかああいうことってできないもんね。ひとりだからこそああいう見せ方ができるよなっていう。kazuki 4人組だと女性と1対1っていう関係性が作れないんですよね。4対1か、4対4になっちゃうから。これまで意外にやってこなかったと思って、これを機にちょっとやってみようかなと。--衣装もどちらも似合ってました。kazuki 意外にサラリーマンの衣装で踊っている姿がすごく好評でした。俺はもう、どんだけダサくなるかっていうつもりでやってたんですけど、何が受けるかわからないものですね(笑)。Oguri ダンスがカッコいいからなー。Oguri 1987年1月6日生まれ、東京出身、172㎝、A型。宝塚花組『BEAUTIFUL GARDEN -百花繚乱-』振付、ブロードウェイミュージカル『West Side Story season3』ベルナルド役の予定だったが、残念ながら新型コロナウイルスの影響により中止。--Oguriさんは撮影のために大島に行かれたんですよね。Oguri 監督さんがをロケ地を探してくれて大島になったんですよ。曲を聴いた時、ビーチとかリゾートみたいなものを想像しやすいとは思ったんですけど、曲的にそういうハッピーな感じよりは、「太陽、なんで行っちゃうの。行かないで」な感じというか。ちょっと退廃的というか、廃れた感、やさぐれ感がほしいと伝えたんですよ。極端な話、廃虚とか、そういうきれいじゃないところで撮りたいと。なので、海じゃなく山で。緑というよりは土、石ころ、砂利みたいな。そんなイメージでお願いしたら、どんぴしゃなところを見つけてくださって。--映像だけ見たら、ハワイの火山のようにも見えました。Oguri 日本で唯一の砂漠らしいんですよ。こういう時期だったんですけどギリギリ都内だし、船で2時間くらいで行けるし。ものすごく速い船があって、もはや飛んでるみたいな。波にもあまり影響を受けず、船酔いもせず、心地よかったですね。--現地でのエピソードはありますか?Oguri 島に着いてまずロケをしたんですよ。砂漠で撮るのは決まってたんですけど、他にどういうところがあるのか探そうと。実は一箇所、目星をつけていた廃旅館があったのでそこに向かったんですけど、途中、なぜかやたらエンストするんですよ。車を2台借りたんですけど、どっちも止まっちゃって。いざ着いたらガチすぎる廃墟で、スリッパとかもそのまま落ちてるし、鏡は割れてるし、ものすごく寒気がして。それで「ここでは絶対撮れないね」って。戻る時は一切エンストしなかったので、やっぱり何かあったんでしょうかね。もしくは、単純にその車を貸してくれたお爺ちゃんが全然手入れをしていなかったか(笑)。shoji こわっ。Oguri ちょうど梅雨明けの初日だったので、天気もめちゃくちゃよくて。朝方はモヤがかかっていて、不思議な空間でした。同じ場所なんですけど、朝に行くとまた全然、雰囲気が違っていて。もはやちょっと遭難しそうになるくらい。太陽が登る前に山に行かなきゃいけないので、ホテルを2時過ぎぐらいに出発して、真っ暗な中を行くんですけど。周りが何も見えなくて、このまま遭難するなという恐怖を覚えつつ、命がけで行きました(笑)。ロケーション的には一番ハードでしたね。--4人の中で撮影のために遠出をしたのはOguriさんだけですか?shoji そうですね。kazuki 俺ら3人は同じ日に撮影したんですよ。1日の中で午前、昼、夜に時間を割ってやったので、クルーが大変でしたね。shoji 想像を絶するよね。NOPPO 1986年8月19日、神奈川出身、188㎝、A型。Eテレ『天才てれびくんHello’』バックドアーズ役出演中、TBS 『K2 – キワドいふたり』第3話出演。--NOPPOさんの作品はまた3人とは違った方向性というか、まるで映画を見ているようでした。NOPPO 俺は映像作品を作る際に、曲を大事にしようと思って、まずは曲から作ったんですよ。シンガーソングライターの大石晴子さんに歌詞と曲を作ってもらったんですけど、その前に大石晴子さんと2人でお話しして、俺のパーソナルを知ってもらうところからはじめました。俺は言葉が下手で、何を考えてるかわからないってよく言われるんですよ、みたいなことをいろいろお話しして、そういうところも歌詞に反映していただいて、自分自身に重なるような曲になりました。でも、よくよく考えたらああいうスローテンポな曲でダンスを作るのが実は一番苦手で(苦笑)。スタジオに入ってみて、全然浮かばなくて、もう他の曲で振り作っちゃう? って思い詰めたぐらい(笑)。全員 (笑)NOPPO そこでヒントになる映像をいろいろ見ていた時、ハンバート ハンバートさんの「虎」っていう曲のMVを見たんですね。そのMVにピースの又吉さんが出てるんですけど、ずっと真顔なんですよ。たまに真顔のまま踊ったりもするんですけど、その真顔に食らってしまって(笑)。「虎」っていう曲も「お前はダメでもいいんだよ」みたいな、ダメな時の自分の背中を押してくれるような曲で、そういう曲のMVに出ている又吉さんの真顔が悲しくもなく、「この人って一体何を考えてるんだろう?」と思わされるというか。そういう感覚って、相手に何かを考えさせるということだなと思って、すごくヒントになりました。そこから、踊らないのもアリかなと思って、サビの最初を数秒、踊るのをやめてみました。表情も、つらい、悲しいとかあんまり入れすぎないようにして、「この人、何を思いながら踊ってるんだろう?」と見ている人に考える余白を与えることを意識しながら作りました。--たしかに、表情が読めない分、見ているこちらがいろいろと想像する部分が大きかったように思います。NOPPO 歌詞も、そういう距離感を大事にしようと思って書いてもらったんですよ。歌詞の中で「恋人よ」と言ってるんですけど、私生活で“恋人”という言葉はあまり使わないじゃないですか。普段は言わない言葉だけど、歌にするとちょうどいい距離感になる、素敵な言葉だよって大石晴子さんが教えてくださって。言葉も大事なんだなって感じました。--『FLYING FIRST PENGUIN』というアルバムタイトルも素敵です。名前の由来は?shoji どう猛な生き物がいるかもしれない海の中に一番最初に飛び込んでいくペンギンを「ファーストペンギン」と言って、道を切り拓いていく人、チャレンジする人、先駆者という意味があるんです。その言葉に、さらに飛べないペンギンが空を飛んでいく、つまり不可能を可能にする、新しいチャレンジをしていくんだという思いを込めて、このタイトルを付けました。--とても素敵な名前ですよね。名付けたのはどなたですか?shoji スタッフさんも含めてみんなで打ち合わせをしながら最初にファーストペンギンっていうワードが出てきて、すごく素敵だけどそこで止まっちゃダメだね、みたいなところで、たぶんOguriが「フライング」って言いだしたんじゃないかな。既存のものじゃ足りないって言い出すのはだいたいOguriなんですよ(笑)。Oguri ちょっと中二病感のあるワードが好きなんです、ファイアーとかサンダーとか(笑)。そういうノリでフライングをつけたら、意外とハマりましたね。shoji 最初はみんな笑ってたけど、コンセプトにも合ってるし、すごくいいねってことで決まりました。--今回のアルバムには他にもいろいろなアーティストからの楽曲提供があり、それぞれ異なるダンスが見られるんですよね。shoji 今回のアルバムは楽曲自体、まずはみんなで何を踊りたいかを決めて、どんなs**t kingzを見せたいかっていうのを話し合って決めました。それからそれぞれのソロ曲を去年8月から公開しはじめて、続いて9月に切なくてぐっとくる「Haze feat.Shin Sakiura×ぷにぷに電機」を公開しました。10月はs**t kingzの結成記念の月なので、s**t kingzの歴史が詰まった「I’ll be there feat.S.N.A」を公開して、過去を振り返ったs**t kingzから今のs**t kingzという流れで、普段は出さないダークサイドを見せた「Oh s**t!! feat.SKY-HI」を11月に公開し、さらにこれからのs**t kingzのアンセムになるであろう「FFP feat.C&K」を12月に公開しました。1曲1曲、見せたいものをしっかり表現していこうというところで、この4曲を作っていった感じですね。kazuki 12月に公開したばかりの「FFP feat.C&K」はC&Kとのコラボなんですけど、C&Kとは今回の曲で出会ったわけではなく、もともと知り合いだったり、おたがい応援しあっている仲だったので、念願のコラボなんですよね。他のどの曲よりも一番打ち合わせを重ねたし、C&Kも「せっかくs**t kingzとやるんだから」と言ってくれて、こだわりを持って臨んでくれて、僕らも特に熱が入った曲です。--SKY-HIさんとのコラボ曲「Oh s**t!! feat.SKY-HI」は今までにないs**t kingzさんの姿が衝撃的でした!Oguri 本当にストレス発散! みたいな雰囲気がありましたし、逆にダンスは本当につらかった(笑)。kazuki 怒りをダンスで表現するのは大変というか、それだけ体もただでは済まないですよね。Oguri SKY-HIとは歳も同じですし、付き合いも長いので、トラックもみんなで日高の家に行って作りました。その場で日高がトラックを作っていって、僕らが「もっとこういう音がほしい」といった要望を言いながら一緒に作っていった感じです。あのリリックも、まずは俺らの溜まったうっぷんを全部送ったんですよ、箇条書きでね(笑)。それを、ユーモアを交えてリリックに落とし込んでくれて、ただの愚痴ではない、ちゃんとした作品に昇華してくれて、センス抜群だなってあらためて思いましたね。shoji たぶん彼自身、s**t kingzが不満に思っていることに共感してくれたんだと思うんですよね。彼も普段からダンサーのことを考えてくれていたり、s**t kingzのことをs**t kingz以上に考えてくれていたりするので(笑)。そういう意味で、この曲も共感して作ってくれたんだなっていうのを感じました。だから言葉にパワーがあるんですよね。--「Haze」は4曲中、一番最初に公開された曲ですよね。shoji 「Haze feat.Shin Sakiura×ぷにぷに電機」は一昨年の年末にトラック作りに行ったんだっけ?Oguri 一昨年の5月くらいだね。shoji そんなに!? けっこう前だね。Shin Sakiuraくんの家に僕たちが行って、こういう曲がいいんだっていうのをその場で話し合いながら、その場で打ち込んで曲を作っていって。初めて一緒に音楽を作ったっていうのがこの曲でしたね。実はソロ曲よりも先にこの曲は、というかトラックはあったんですよ。その時からs**t kingzとして映像を残したいという思いはあって、曲を作りたいっていうところで一番最初に動き出したのがこの「Haze feat.Shin Sakiura×ぷにぷに電機」だったんです。ただ、その時は誰に歌ってもらうか決まってなくて、「この人だ!」という人に出会えてなくて、先延ばしになってたんですよね。それが後にぷにぷに電機さんと出会い、彼女の声に打ちのめされまして。この曲で表現したいものを短いストーリーにまとめたものを彼女にお渡しして、それをもとに歌詞を書いていただき、歌っていただいてこの曲が生まれました。NOPPO 「この声で生まれてくれてありがとう!」って思ったよね(笑)。shoji 歌い方とかも含めて、声に色気があるんですよ。NOPPO 女の人もフゥ! ってなるようなね。少し男前というか、絶妙なラインの声。Oguri 悲しげだしね。曲に合わせてくれたっていうのもあるんだろうけど。儚さもありつつ、いろいろな色気が詰まっている声です。--ではs**t kingzの歴史が詰まっているという「I’ll be there」についてはいかがですか?shoji 「I’ll be there」はもともと舞台「The Library」(2018年9〜11月上演)のために作った曲で、s**t kingzが初めて4人で踊った時の振り付けが入っていたり、s**t kingzのはじまりから今日までの歴史を順々に追っていったパフォーマンスになっているんですけど、それをあらためて振り付けを作り直したものです。ずっと映像作品に残したかった曲なんですよ。今回は、映像として見て面白いものにしようということで、過去の衣装を引っ張り出してきたり、それと似たものを用意したりして、s**t kingzの歴史を感じてもらえるような作品になったかなと思います。すごくお気に入りの曲だったので、世に出さないのはもったいないなと思ってたんですよ。舞台を作ってる時、本当に最後の最後に追加でできた曲なので、アルバムにも入ってなくて。舞台を収録したブルーレイの中にしか残せてないんですよね。ある意味、世の中にまだ存在させられていなかった曲というか。なので、1人でも多くの人に見てもらいたいという思いがあって、この“見るバム”のプロジェクトが走り出した時、この曲を残すべきだなと思って、映像にこだわるチャンスだったのもあり、今回あらためて収録しました。Oguri 前より良くなったよね。shoji 「The Library」のPVも撮ってくださった、大好きな針生悠司監督が映像を撮ってくださったんですけど、CGにも強い方なので、面白く見せてくれました。--ダンサーがこういうスタイルのアルバムを作るというのは初めてのことですが、これがきっかけとなり、後に続くダンサーが出てきたら面白いですよね。これまでにもダンスに留まらず絵本を出版されたり、常に新しいことにチャレンジし続けているs**t kingzさん。実は前回、この質問をした時に「ない」と言われたのですが…。あえてもう一度お聞きします(笑)。これからチャレンジしたいことは?shoji ないです(笑)。また新しい出会いを楽しみにしている感じですね。今回、この企画が動き出したことで本当に素敵な出会いがたくさんあったんですよ。クリエイターの方もそうだし、映像を撮ってくださった監督、チームもそうだし。いろいろな方と出会えたので、2021年はまた新しい出会いがあって、その人たちと新しいことをはじめるんだろうなと思います。Oguri 振り返ってみると、これがやりたくていろいろやってきたんだ、と思うことが、実はあんまりなくて。今回のプロジェクトも、それぞれソロで映像を撮ってみよう、というところからはじまって、じゃあアルバム出しちゃおうよって、突然生まれたりするものが多くて。絵本なんかもそうですけど。それが形になった時によかったなって思えるんですけど、最初からイメージできていたわけではなかったし。何かひとつをはじめたから全容が見えたのかなって思うと、今見えてることは可能性の中のごく一部なんだなと思うので、アンテナだけは常に張って…。shoji 5Gだね(笑)。Oguri アンテナを張りまくって、面白そうなことをキャッチできるようにしていたいとは思います。どんどん感度を上げていきたいですね。shoji 面白いことをしたい、楽しいことをしたいっていうだけなんだと思うんですよね。それをやり続けていたら、いろいろな方に「新しいことやってますね」って言っていただくようになったけど。既存のものに飽きちゃうんで、何か新しいものを見つけると、どうしてもやりたくなっちゃう(笑)。『FLYING FIRST PENGUIN』=FFPならぬ、「フライング ファースト パンダ」=FFPの動画はこちら!shojiアウター ¥96,800(Personal Effects/MACH55 Ltd. 03-5413-5530)カーディガン ¥96,800(FRANK LEDER)シャツ¥28,600(saby/HEMT PR 03-6721-0882)パンツ¥31,900(JHON MASON SMITH)Oguriジャケット¥41,800パンツ ¥30,800(ともにADANS/Sakas PR 03-6447-2762)シャツ¥28,600(WIZZARD /TEENY RANCH 03-6812-9341)シューズ¥74,800(Paraboot /Paraboot 03-5766-6688)kazukiアウター¥316,800シャツ ¥42,900(ともにFRANK LEDER /MACH55 Ltd. 03-5413-5530)パンツ ¥27,500(SHAREEF /Sian PR 03-6662-5525)シューズ¥71,500(Paraboot /Paraboot 03-5766-6688)NOPPOアウター ¥132,000シャツ ¥30,800パンツ¥23,100(以上SEVEN BY SEVEN /Sakas PR 03-6447-2762)シューズ¥79,200(Paraboot)※全て税込み価格写真・大内香織 動画撮影・千葉 諭 スタイリスト・ 岡本健太郎 ヘアメイク・佐藤貴行 文・尹 秀姫
2021年01月20日1月11日に無観客で上演された新国立劇場1月バレエ公演「ニューイヤー・バレエ」が同時視聴者数2.8万人を超え、延べ15万6338回の視聴回数であったことが明らかとなった。出演者1名の新型コロナウイルス感染により上演中止となったが、YouTubeとFacebook上で無料のライブ配信で公演を届けた新国立劇場バレエ団。ライブ配信冒頭では、舞踊芸術監督の吉田都が「一日限りだが公演が実現し、こうして配信という形で皆様にお届けできることを嬉しく思う。ダンサーたちは3日間の自宅待機を経て急に舞台稽古に突入したが、この数日本当に集中してリハーサルに励んだ」と経緯の説明し、ファンからの声援に感謝を伝えた。「ニューイヤー・バレエ」では、ロシア・バレエの伝統美を堪能できる古典『パキータ』、本年9月に逝去した故・深川秀夫振付の『ソワレ・ド・バレエ』、新国立劇場バレエ団ダンサーにより振付された『Contact』『カンパネラ』、そしてビントレーの人気作『ペンギン・カフェ』を上演。新国立劇場バレエ団ならではの届け、ファンからも、今回初めてバレエの舞台を観た観客からも好評の声を受けたという。なお新国立劇場は、本日1月15日(金)からは2020年12月に上演したバレエ『くるみ割り人形』の公演映像有料配信を実施。外出自粛を余儀なくされている今、この機会に日本最高峰のバレエ団による『くるみ割り人形』を自宅で楽しんでほしい。【配信概要】新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』視聴券料金:980円(税込)販売期間:1月15日(金)12:00~2月14日(日)<配信メディア>・U-NEXT・観劇三昧・Vimeo詳細情報: ※購入後72時間の視聴が可能です。※視聴環境、方法に関しては各配信サイトからお問い合わせください。※Vimeoのみ海外からの視聴が可能です。※視聴用URLはそれぞれ配信開始日よりオープンします。
2021年01月15日公演関係者1名の新型コロナウイルス感染により、公演中止が発表された新国立劇場1月バレエ公演「ニューイヤー・バレエ」。1月7日にその他の公演関係者がウイルス検査を行い、全員が陰性となったことや、保健所から新国立劇場内には濃厚接触者はいないと判断されたことから、1月11日(月・祝)に無観客で上演し、無料でライブ配信を実施することが決定した。配信はYouTubeとFacebookで、当日14:00から行われる。アーカイブ配信はされないので、リアルタイムで楽しんでほしい。【公演詳細】「ニューイヤー・バレエ」無観客ライブ配信(YouTube・Facebook)日時:2021年1月11日(月・祝)14:00~(16:45頃終了予定)<配信ページ>・YouTube (配信ページのURLは追って新国立劇場ウェブサイトにてお知らせいたします)・Facebook: ※本動画につきまして、無断複製はお断わりいたします。※アーカイブ配信はございません。【プログラム・出演】<第1部 パキータ>振付:マリウス・プティパ音楽:レオン・ミンクス出演:米沢 唯、渡邊峻郁ほか<第2部 小品集>●Contact振付:木下嘉人音楽:オーラヴル・アルナルズ出演:小野絢子、木下嘉人●ソワレ・ド・バレエ振付:深川秀夫音楽:アレクサンドル・グラズノフ出演:池田理沙子、中家正博●カンパネラ振付:貝川鐵夫音楽:フランツ・リストピアノ演奏:山中惇史出演:福岡雄大<第3部 ペンギン・カフェ>振付:デヴィッド・ビントレー音楽:サイモン・ジェフス出演:ペンギン / 広瀬 碧、ユタのオオツノヒツジ / 米沢唯、テキサスのカンガルーネズミ / 福田圭吾、豚鼻スカンクにつくノミ / 五月女遥ケープヤマシマウマ / 奥村康祐、熱帯雨林の家族 / 本島美和・貝川鐵夫、ブラジルのウーリーモンキー / 福岡雄大指揮:冨田実里管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団歌手:引田香織(ペンギン・カフェ)【タイムスケジュール】・第1部 14:00~14:40<休憩25分>・第2部 15:05~15:35<休憩25分>・第3部 16:00~16:45
2021年01月08日英国バレエ界の鬼才マシュー・ボーンが手掛けたバレエ「赤い靴」がスクリーンへ。映画『マシュー・ボーン IN CINEMA/赤い靴』として、2021年2月11日(木・祝)より、Bunkamura ル・シネマを皮切りに全国公開される。マシュー・ボーンとは?マシュー・ボーンは、英国バレエ界を代表する振付家・演出家。ローレンス・オリヴィエ賞をはじめ、トニー賞の優秀振付賞と最優秀ミュージカル演出賞の両方を受賞した唯一のイギリス人として知られる。これまで、「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」といった3大クラシックバレエ作品や「シンデレラ」など、数々の名作を独自の解釈で生まれ変わらせてきた。2016年には、これまでの功績を称え、ナイトの称号を叙勲された。“マシュー・ボーン史上、最高傑作”のバレエが映画化そんなマシュー・ボーンが舞台として手掛けた「赤い靴」は、彼が10代の頃より愛し続けたクラシック映画の名作『赤い靴』と、アンデルセン童話をもとに構成したもの。世界一のダンサーになることを夢見るヴィクトリアをヒロインに、愛と芸術をめぐるドラマティックな作品は、見事ローレンス・オリヴィエ賞2冠を獲得。“マシュー・ボーン史上、最高傑作”と評された。アダム・クーパーが、20年ぶりにマシュー・ボーン作品へまた本作では、『シンデレラ』以来20年ぶりに、アダム・クーパーがマシュー・ボーン作品にカムバック。かつて英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルで活躍した経験を持つアダムは、バレエ団の伝説的プロデューサーとして、ヴィクトリアの才能を見出す、レルモントフ役に抜擢。彼女と深く関わることになる男性のひとりとなる。作品を盛り上げる、巨匠バーナード・ハーマンの音楽なおヴィクトリアとレルモントフのモデルとなったのは、伝説の天才ダンサー・ニジンスキーと、バレエ・リュスの創始者ディアギレフとの噂も。映画の演出を盛り上げる音楽には、『市民ケーン』『タクシードライバー』で知られる、映画音楽の巨匠バーナード・ハーマンが務める。ストーリー踊るために生まれてきたヴィクトリア・ペイジは、レルモントフ・バレエ団を率いる伝説的プロデューサー、レルモントフに才能を見出され、バレエ団のスターとして活躍するようになる。時を同じくして入団した若き作曲家、ジュリアン。若き 2 人の情熱と才能が買われ、アンデルセンの童話をもとにした新作『赤い靴』に、それぞれプリマドンナと作曲家、指揮者として抜擢される。舞台は大成功、やがて恋に落ちるヴィクトリアとジュリアンだったが、恋愛に溺れるものは、真の偉大な芸術家にはなれないと信じるレルモントフと衝突し、運命の歯車が狂い始めていく。詳細映画『マシュー・ボーン IN CINEMA/赤い靴』公開日:2021年2月11日(木・祝)Bunkamura ル・シネマほか、全国順次ロードショー演出・振付:マシュー・ボーン舞台・衣装デザイン:レズ・ブラザーストン照明:ポール・コンスタンブル音響:ポール・グルーサス音楽:バーナード・ハーマンキャスト:アダム・クーパー、アシュリー・ショー、ドミニク・ノース、ミケラ・メアッツァ、リアム・ムーア、グレン・グラハムPhoto by Johan Persson
2020年12月31日新国立劇場で、新春に相応しい華やかな公演「ニューイヤー・バレエ」が催される。古典から現代振付家まで様々なスタイルの傑作が登場するが、今年は新国立劇場バレエ団の現役ダンサーによる作品も上演されると話題に。振付を手がけた貝川鐵夫、木下嘉人に話を聞いた。“晴れ舞台”で自身の作品が上演されることについて、貝川は開口一番「凄く嬉しい」と笑顔。『カンパネラ』はリストのピアノ曲に振付けたソロだ。2016年に自身で初演、他のダンサーによる再演の実績もある。「上演を重ねることで新しい発見があるはず。以前踊ってくれた福岡雄大と、新たに速水渉悟にも踊ってもらいます。ダンサーが自身を追い込んで、その先に何が見えるか──。きっとピアニストも煽ってくるはず」。気鋭のピアニスト、山中惇史の登場で、格闘技さながらの刺激的なパフォーマンスが実現する。「こんな時こそ、舞台で戦う姿を見て元気になっていただけたら」。木下の『Contact』は、2020年3月に木下自身と米沢唯で初演する予定が、コロナ禍で公演中止に。夏に京都などでの上演が実現したが、「オペラパレスで上演できるのは夢のよう」と目を輝かす。「創作のきっかけは、オーラヴル・アルナルズの楽曲『Happiness Does Not Wait』。弦楽器とピアノの二つの音色が交錯する音楽で、男女のダンサーをその音に見立てて振付けました。人と人との触れ合いがテーマです」。こちらは小野絢子と木下、また米沢と渡邊峻郁という新たな組み合わせでの日替わりキャスト。「作品に新たな“色”が加わるのでは。デュエットでは当然のようにお互い触れ合うが、この作品では、触れるだけでも神秘的と感じた」と木下。触れ合うことが避けられる今だからこそ気づいたことも。「触れること、話すことはとても大事なこと。僕にとって大切な作品になりました」。創作について「いつか、全幕作品を創りたい」(木下)、「全幕は本当に難しいと思うが、いいチームを組めるのなら」(貝川)と意欲的な二人。同時に上演されるプティパ、ビントレー、深川秀夫の作品について「作品のエネルギーがずっと持続し、後世まで残るのは凄いこと」(貝川)、「偉大な歴史。振付家それぞれの“色”がある」(木下)と敬意を表す。そこに彼らの作品が並ぶ、多彩な魅力に溢れた公演となる。公演は2021年1月9(土)~11日(月・祝)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。文:加藤智子
2020年12月25日2021年1月30日(土)、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールにてさまざまなジャンルのダンサーが競演する「CHAINOF∞ INFINITY-DANCING TRANSFORMATION-」が開催される。世界的バレエダンサーとして日本のバレエ史に重要な軌跡を刻んだ草刈民代。コロナ禍の今、草刈自身の大きな意思のもと、ジャンルを超えて現代のダンスの先端を走る舞踊家が集結した。本公演では菅原小春、熊谷和徳、上野水香、辻本知彦、中村恩恵、平原慎太郎、石井則仁、柄本弾とともに、草刈が復活のステージに挑む。公演は2部構成となっており、第1部ではソロ作品および新作レパートリーを披露。第2部はオムニバス11作品で構成された新制作「CHAIN OF9」(仮称)を上演予定だ。奇跡的なダンサーの競演は、新たな時代に向けて芸術の限りない可能性を示してくれるだろう。なお、芸術監督と演出を草刈自身が務める。チケットはSS席9,800円、S席8,800円の2種類で展開し、12月15日より主催者特別先行を受付中。また本公演はGotoイベントキャンペーン対象となっており、チケット価格20%オフで購入可能だ。「CHAINOF∞ INFINITY-DANCING TRANSFORMATION-」2021年1月30日(土)昼の部14:00開演(終演16:00予定)、夜の部18:00開演(終演20:00予定)※新型コロナウイルス感染拡大防止対策を実施会場:Bunkamuraオーチャードホール(東京・渋谷)芸術監督・演出:草刈民代出演:菅原小春、熊谷和徳、上野水香、辻本知彦、中村恩恵、平原慎太郎、石井則仁、柄本弾、草刈民代ほか
2020年12月16日クリスマスの夜の夢の物語を描くバレエ『くるみ割り人形』の、上演ラッシュの季節だ。新国立劇場バレエ団で『くるみ割り人形』の王子役を演じている井澤駿、奥村康祐、渡邊峻郁ら3人のプリンシパルが、その魅力を語った。「新国立劇場のヴァージョンの王子は、主人公クララが初めて会う年上の男性。彼女の憧れが夢の世界から飛び出してきた、そんな存在なのです」と話す渡邊。同劇場が2017年より上演しているヴァージョンは、ウエイン・イーグリングによる独創的かつドラマティックな演出で人気だ。王子役のダンサーは、クララにくるみ割り人形を贈るドロッセルマイヤーの甥と、くるみ割り人形、王子の3役を演じ分け、少女の夢にずっと寄り添う──。その演技について奥村は「クララは、人形が好きな少女と、現実の男性を愛する大人の女性とのはざまにいる。彼女が大人になりかけた瞬間、その一瞬の独特の空気を出したい」と語る。井澤も「理想的な王子を演じなければ」と抱負を語りつつ、「この役は本当に休むところがなく、常に動いている。衣裳の早替えでは次の場面に間に合わなくなりそうになったことも(笑)」と体力的にハードな役柄であることも明かす。しかも3人とも、別日程ではねずみの王様としても登場。見た目は怖いけれど、「ドジをしたり、戦う相手を見失ったり(笑)」(奥村)と、アドリブを混えた愉快で見応えある戦闘シーンを期待させる。日本でもクリスマス・シーズンの風物詩として定着している作品だが、欧州で活躍した経験のある渡邊は、「劇場前のクリスマス・マーケットで楽しそうにしている子供たちをよく見かけました。皆そこから劇場に足を運ぶ伝統があり、僕もワクワクしながら本番に向かった。日本の皆さんも、この時期だけの特別な空気を感じていただけたら」という。前回の『ドン・キホーテ』に続いて、舞台映像の有料配信も実施されるが、「それによってより多くの人に親しんでいただけるようになれば!『くるみ割り人形』のチャイコフスキーの音楽はご存じの方が多いけれど、この機会に、バレエとともに演奏される、この音楽の本来の姿を体験していただきたい」と奥村。井澤も「リアルで立体的なセットはこの劇場ならでは。気球も登場する豪華さ!ここでしか味わえない雰囲気をぜひ楽しんでください」とアピールした。公演は12月12日(土)~20日(日)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。文:加藤智子
2020年12月08日劇場での主催公演を中心に、嵐やAKB48等のアーティストライブ、『今日から俺は!!』や『NHK紅白歌合戦』等のテレビメディア、宝塚歌劇団や2.5次元舞台等での振付・演出でも活躍するダンスエンターテインメント集団「梅棒」。2021年2~3月に東京・愛知・大阪の3都市で第11回公演、梅棒 11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』が開催される。梅棒 11th STAGE 『ラヴ・ミー・ドゥー!!』チケット情報作・総合演出を務める代表の伊藤今人を中心に梅棒メンバーは9名が出演。今年8月に新たに加わった多和田任益はメンバーとして初めての本公演となる。多和田も振付を担当する曲があり、公演制作面にも挑んでいる。ゲストは、『仮面ライダージオウ』、ABEMA『オオカミくんには騙されない』、MBSドラマ特区『社内マリッジハニー』等で話題の押田岳や、モーニング娘。の元メンバーでソロに転身後は舞台を中心に活躍する新垣里沙。さらに、NHK『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』12代目おねえさんのほかテレビ・舞台等で幅広く活躍する鎮西寿々歌、過去の梅棒公演に幾度となく出演し、八面六臂の活躍をしている池田遼とYOU。また、アニソンでブレイクダンスを踊る一風変わったダンスチームRAB(リアルアキバボーイズ)のメンバーとしてブレイクダンス日本一に輝いたこともある涼宮あつき、第1回公演以来の出演となる、数々のダンスコンテンストを制した実力派ダンサーのJ、ダンスや歌の経験を活かしつつ、俳優をメインにフリーランスで活動中の野元空、TikTokの振付等で唯一無二の世界観を表現する話題のダンサーえりなっちと、バラエティ豊かで強力なゲスト陣の出演が決まっている。今作は2014~2015年に上演した梅棒 3rd STAGE『男なら、やってやれ!!』の数年後の世界線を描く。『男なら、やってやれ!!』を観劇した方はもちろん、今回が梅棒初見となる方も笑って泣ける作品になること必至!公演は、2021年2月19日(金)から28日(日)まで東京・サンシャイン劇場、3月6日(土)・7日(日)に愛知・ウィンクあいち、3月11日(木)から14日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。チケットは、12月5日(土)11:00よりプレイガイド最速先行の受付開始。
2020年12月04日熊川哲也 Kバレエ カンパニー Winter 2020『くるみ割り人形』が開幕。ひと足早くゲネプロを鑑賞した。芸術監督の熊川による演出・振付で2005年に初演され、レパートリーとなった本作。クリスマスシーズンに世界中の劇場で上演される風物詩にして定番といえる古典を、熊川版では再構成。豪華絢爛な美術がダイナミックに転換されていく効果で、壮大なスケールのファンタジーな冒険譚が立ち上がる。ゲネプロは、人形のマリー姫がねずみに翻弄される紗幕越しのシーンで幕開け。人形の国と領地を争っているねずみ国の王様は魔法で、マリー姫をねずみに・彼女の婚約者である王子をくるみ割り人形に変えてしまう。一方、人形の国王から命を受けたドロッセルマイヤーは呪いを解くための硬いくるみを割れる純粋な人間を探す旅へ。そこで出会った少女クララを待ち受けるものとは──。一幕の見どころは、人間のクララを人形の世界へ連れ出そうとするドロッセルマイヤーの鮮やかな手さばき。サイズの異なる人形と人間の世界を対比させるため、大広間のクリスマスツリーが巨大化する様子に目を奪われた。チーズ砲をはじめ、ツリーの麓で繰り広げられる人形vsねずみの大戦争の描写もユニークだ。一転、クララ・くるみ割り人形・ドロッセルマイヤーのパ・ド・トロワが終わり、青い幕が降りると舞台上は一面の銀世界に。粉雪の中で幻想的に舞い踊る雪の精たちの姿に、思わず息をのんだ。クララに助けられ、本来の姿を取り戻したマリー姫と王子は、祝祭ムードの中でグラン・パ・ド・ドゥを踊る。作品のクライマックスを飾るこのデュエットを取材日に繰り広げていたのは、毛利実沙子と高橋裕哉。クララ役の河合有里子が振りまくピュアな魅力に対して、堂々と成熟したステップで客席を魅了した。ドロッセルマイヤーに扮したのは、杉野慧。不思議な力で物語を動かす、ミステリアスな存在感を見せつけた。なお現在、熊川が本作について語るコメント動画が公開されている。バレエ界の“アイコン”ともいえる『くるみ割り人形』を「絶対に毎年やらなければならない、マストな公演」と語る理由を聞き届けよう。コロナ禍においてこの作品が果たす役割を、改めて見つめ直してみては。公演は12月2日(水)~6日(日)に、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて。ぴあでは、座席指定できるチケットを販売中。なお、小林美奈(マリー姫)・栗山廉(くるみ割り人形 / 王子)・吉田このみ(クララ)・宮尾俊太郎(ドロッセルマイヤー)のキャスティングで上演される5日(土)17:00開演回はオンラインでの生配信も。PIA LIVE STREAMから翌日17:00までアーカイブ視聴できる。取材・文:岡山朋代
2020年12月03日英国ロイヤル・バレエ『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー / メデューサ / フライト・パターン』が12月4日からStreaming+で配信される。バレエ、オペラなど舞台芸術の珠玉の映像作品を、動画配信サービスにて配信する「アーツ・オンライン」。その第1弾として、英国ロイヤル・オペラ・ハウスの計6作品がラインナップされた。世界最高峰として知られる同歌劇場で、日本人ダンサーも多数活躍してきたバレエと、いま一番勢いがあるとも言われるオペラ、世界的な人気を誇る名門中の名門から、大好評をおさめた演目を厳選したものだ。今作はその3作品目となる。現代を代表する振付家と共に英国ロイヤル・バレエが創る、新しく、豊かで、刺激的な舞台。3つの作品は色合いもスタイルも異なるが、いずれもダンスと音楽が妙なる関係で結ばれ、観る者の琴線に触れるはず。21世紀に入り深化するバレエの“いま”を、配信で楽しむことができる。■公演情報英国ロイヤル・バレエ『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー / メデューサ / フライト・パターン』2020年12月4日(金)24:00~2021年1月28日(木)23:59Streaming+にて配信※視聴期間中、ご購入日に応じて最長 7 日間、オンデマンドでご覧いただけます。※視聴券は2020年12月3日(木)24:00~2021年1月27日(水)23:59 の間、お求めいただけます。※ご購入日によって視聴期間が異なりますのでご注意ください。※毎月第1・3木曜日午前2:00~午前8:00は、システムメンテンナンスのため視聴いただけません。ご了承ください。※ご視聴は終了時間(毎週木曜23:59)までとなります。映像の途中でも、途中終了となりますのでご注意ください。料金:990円 (税込)※プレイガイド手数料無料。チケット:販売期間:2020年12月3日(木)24:00~2021年1月27日(水)23:59購入URL:イープラス ※配信開始日の2日前からはカード決済のみでの販売となります。映像内容:2019年5月ロイヤル・オペラ・ハウス収録 / 約104分『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー』音楽:エツィオ・ボッソ、アントニオ・ヴィヴァルディジョナサン・ロー指揮出演:ベアトリス・スティクス=ブルネル、フランチェスカ・ヘイワード、サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ、ヴァレンティノ・ズケッテイ、アレクサンダー・キャンベル、ハナ・グレンネル、金子扶生、マヤラ・マグリ、アナ=ローズ・オサリヴァン、アクリ瑠嘉、デヴィッド・ドネリー、テオ・ドゥブレイル、カルヴィン・リチャードソン振付:クリストファー・ウィールドン衣装:ジャスパー・コンラン『メデューサ』音楽:ヘンリー・パーセル、オルガ・ヴォイチェホヴスカ(電子音楽)アンドリュー・グリフィス指揮エイリッシュ・タイナン(ソプラノ)、ティム・ミード(カウンターテナー)、市瀬礼子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、トビー・カー(テオルボ)出演:メデューサ ... ナタリア・オシポワアテナ ... オリヴィア・カウリーペルセウス ... マシュー・ボールポセイドン ... 平野亮一振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ衣装:オリヴィア・ポンプ『フライト・パターン』音楽:ヘンリク・ミコワイ・グレツキジョナサン・ロー指揮フランチェスカ・チエジナ(ソプラノ)出演:クリステン・マクナリー、マルセリーノ・サンベ、カルヴィン・リチャードソン、ジョセフ・シセンズ、イザベラ・ガスパリーニ、ベンジャミン・エラ、アシュリー・ディーン振付:クリスタル・パイト
2020年12月03日