フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第98回目は白黒猫のタオ(Tao)さま。とにかく食いしん坊な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.98猫さまの話をもっと聞かせて!タオは7歳の男性猫さまです。僕はパリ市内の狭いアパートに住んでいます。飼い主の趣味でレコード、本、DVDやBlu-rayで埋め尽くされています。僕の1日の生活を紹介します。朝、6時半頃ニャアニャア鳴いて家族を起こします(朝ごはんの催促)。その後、お腹が満たされたら二度寝。昼前11時頃にまたご飯の催促をし、昼~夕方まではノンストップでお昼寝。飼い主が家で仕事をしている場合は、パソコンの前に陣取ります。夕飯後は飼い主と一緒にソファーでくつろぎタイムです。もともと骨格の大きく、しっかりとした体型なのですが、食べる事が大好きで少々太り気味でした。数年前にアパート6階の窓から落ちて、腰を骨折し、お腹の皮膚が裂けるという重症を負いました。3度の手術を経て、現在は事故前よりも元気なくらいに回復しました。獣医さんから「歳をとった時に、この腰の傷がまた問題となるかもしれない。そのためにも体重を減らしたほうが良い」と言われ、食生活を変えました。以前はカリカリオンリーだったのを、魚もしくは鶏肉+野菜(キャベツ、ズッキーニ、ブロッコリーなどを細かく刻んで茹でたもの)をいただきます。獣医さんによると市販のカリカリやウェットは太るし添加物も入っているとのことなので最小限にとどめています。基本的にものすごく食いしん坊で好き嫌いもないので、野菜だけでも喜んでいただきますよ。ご飯の用意をしている飼い主がキッチンにいるときは、足もとにまとわりついておねだりをします。冷蔵庫を開けると、必ず頭を突っ込んで中を覗くので、いつか首を挟むのではと飼い主はヒヤヒヤしているようですが…。食事する際は、飼い主と同じテーブル上に座って、何かくれないかとじっと待ちます。朝ごはんに出るプレーンヨーグルトを少しもらいます。とにかく頭の中が食べる事でいっぱいの食いしん坊です。配達の人が来たりするとすぐに隠れる臆病者ですが、慣れると甘えるために出ていきます。お腹から下を触ると噛みつく凶暴さも持ち合わせていますが…。キャットタワーの最上階から外を眺めるのが好きです。冬になると飼い主の膝の上でずっと寝ています。ブランケットの中に入っている姿は、この家では冬の風物詩となりました。ファラフェルのもじりで「シャラフェル」と呼ばれています。飼い主から見たタオさまとは?父が大の動物好きで、実家で初めて猫を飼いました(父の愛猫)。今は東京に住んでいる姉も大の猫好きで、多い時には3、4匹飼っていたので、私が姉の家に滞在する時は猫天国でした。パリに来て、初めて自分の猫を飼いましたが、病気で1歳半の若さで旅立ってしまい、何年も新しい子を迎えることを躊躇していました。それでもやはり猫と暮らしたいと思い、パリ在住日本人コミュニティのアノンス(掲示板)で「子猫さし上げます」の書き込みを見て連絡しました。たくさんの白黒子猫の中から、夫がタオを見てピン!ときたらしく、すぐに決めました。なので、今のタオが自分の猫の二代目です。アノンスを出した日本人のかたは、日本に帰国されましたが、今でも連絡を取り合っています。エピソードというか毎日笑わせてくれるのが、夕食時に我々のテーブルに居座って何ももらえないと諦めてキッチンから出て行き、デザート時になると必ずまた戻って来ることです。キッチンのドアが軋んでキーキーと音がするのですが、タオが入って来る時に「キィ~」っと鳴るのが面白くてそのままにしてあります。ドリフのコント並みに毎回同じで笑えます。食事を終えてデザートに移行するタイミンをどうやってわかるのかが本当に謎です。日本語で「ごはん」という単語を完全に理解しています!聞こえるか聞こえないかぐらいのささやきでも、聞きつけて走って来るので、我が家では使用注意単語になってしまいました。夫(日本語を少しだけ話す仏人)とは、「GOHAN(ジェーオーアッシュアエヌ)」と発音してタオに悟られないようにしています。私たちのことを美味しいご飯を用意してくれる仲間と思っているに違いありません。あと、掃除機をかける時は家中の窓を開けるので、また転落事故が起こらないように部屋の中にいつも置いているケージに入れていたのですが、いつからか掃除機を出しただけで自ら入るようになりました。まぁ、どちらも特技と言えるほどでもありませんが…。疲れた時、落ち込んでいる時、タオの事を考えたり、帰ってふわふわの毛を撫でていると本当に癒されます。常に面白い行動を取るので(99%食べ物がらみですが)、いつも笑わせてくれる可愛い存在です。ーー瀕死の重症の後3回の手術をして、事故前よりも元気になったと飼い主は言います。食いしん坊のタオさまなので栄養のバランスも良く回復も早かったのでしょうね。今日もタオさまにはどんなご馳走が出てくるのでしょうか?取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月15日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第97回目はラグドールのリシル(Ricile)さまとバーマンのスルタン(Sultan)さま。お昼寝が大好きな猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.97猫さまの話をもっと聞かせて!リシルさまは2歳の女性猫さま、スルタンさまは1歳の男性さまです。リシルさまが語ります私たちは、パリの典型的なオスマン様式のアパートに住んでいます。朝は6時半に飼い主を起こすことから始まります。飼い主をなでたり、鼻に口ひげをこすったり、スルタンと代わる代わる目覚ましの担当を振りわけています。そして、ついに待っていた瞬間がきます。獣医は、私が少し大きすぎると思っているので、ダイエットカリカリがいつもの朝食です。先日のクリスマスには、大好物のおやつも買ってもらいました。私は乳製品、特にバターには目がないのです。でも、スルタンの健康には良くないとのことでほんの少ししか貰えません。午後はたっぷり昼寝をします。私は飼い主の息子のクローゼットの中で眠り、スルタンは同じ部屋のベッド、もしくは居間の椅子で眠ります。夕食にはズッキーニをマッシュしてパテを混ぜたものを食べています。健康にも良く、美味しいので満足しています。それが終わると遊び時間です。スルタンと一緒に遊び、アパート中を走り回り鬼ごっこをします。オレンジ色のネズミはすべて傷ついてボロボロになっていますが、大のお気に入りのおもちゃです。スルタンには、愛する釣り竿とトンネルがあります。私の性格は、とても親切で少し恥ずかしがり屋の面があります。スルタンは勇敢で、魅力的で、遊び心があり、とてもかわいい弟猫です。私はお姫さまとも呼ばれます。ぬいぐるみのようで、愛らしい毛皮のボールのようだとも。スルタンは高慢で小さな白いライオンのようと言われています。飼い主から見たリシルさまとスルタンさまは?私はいつも猫に囲まれて暮らしてきました。猫なしでは生きられません。私が子どもの頃、農場をもっていた祖母のところにはたくさんの猫がいました。彼女の膝の上には、いつも猫が乗っていました。私も何匹かの猫を飼いました。猫が死んだときはいつも苦しみましたが、猫なしでは生きていけないので、また猫を迎え入れます。以前飼っていた猫のインピが失踪した後、リシルを迎えました。その後、スルタンを飼いました。2人が来てから毎日が幸せの連続です!私が目を覚まして彼らの美しさに驚嘆する時、そして抱きしめられるために寄り添ってくる時、私が彼らを見る毎日…。とても特別な存在です。私たちに責任を負わせ、この地球上にいるのは人間だけではないことを毎日思い出させてくれます。彼らは感情をもっており、非常に知的です。私は本当に猫が好きです。なぜなら、猫は私たちが訓練すべき動物ではなく、私たちと一緒に暮らす動物だからです。彼らは私たちの側にいて、上でも下ではありません。私は数匹の猫を失いました、そして、それによって毎回同じ苦悩を体験しました。私は猫には9つの命があり、私たちを離れることは決してないと信じています。もういなくなった猫達のことをいつも考えています。でも、私が生きている限り、私の猫たちは生き続けます。ーー小さい頃からいつも猫と共に生活をしていた飼い主は、猫がいない日常は考えられないようです。リシルさまとスルタンさまが来てからは毎日がとても楽しそうです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月14日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第96回目は黒猫のブレイズ・エベーヌ(Breiz-Ebène)さまとぶち猫ミックスのトーキョー(Tokyo)さま。ヒトと幸せに生活する猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.96猫さまの話をもっと聞かせて!ブレイズ・エベーヌさまは13歳、トーキョーさまは2歳。共に女性猫さまです。ブレイズ・エベーヌさまインタビューブルターニュで生まれ、いつも住んでいるパリと定期的に行くブルターニュで飼い主と一緒に暮らしています。私は、一緒に育ってきたこの家の3人の子どもたちに囲まれ、子猫のころから美しい人生を歩んできました。今までいろんなことを経験してきました。生後6か月のときに3週間迷子になりました。飼い主は家の周りの通りに広告を出し、悲みにあけ暮れた毎日だったようです。ある日、私を見つけた人が小さな黒猫ではないかと飼い主に尋ねてきました。はい、私も飼い主もこの瞬間は最高の幸せでした。今は家族に囲まれて、シンプルで落ち着いた生活を過ごせています。可能な限り庭で日光浴をするのが好きで、季節によっては飼い主が植物に水をやるときホースの水が噴き出したところで涼むのが好きです。水が流れている音を聞くと、すぐに現場に向かって走っていきます。飲むか、水の流れの下に立つ。水がかかってもへっちゃらなんです。トーキョーさま私は、ブレイズ・エベーヌとは違ってここの家に仮住まい中です。路上で4名の赤ちゃんを産んで弱っていたところを今の家の人に保護されました。子ども達はすでに里子に出てしまいましたが、私も恋をした誰かに養子縁組されるのです。元々、人間から離れて生まれ育ったので、人と接する方法がいまひとつわかっていませんでした。いつも自分自身を隠したいと思っていたのです。しかし、日が経つにつれ、自分の幸福のためにこそここにいることを理解でき始めました。最近はここの家の人にも少し慣れてきて温かい生活を発見しました。飼い主から見たブレイズ・エベーヌさまとトーキョーさまは?私たちは、すでに彼女らの前に生姜猫(茶トラ)2匹を飼っていました。私の両親の家で生まれたきょうだい猫です。この2匹の猫は私の最初の「赤ちゃん」で、たくさん抱きしめました。その後、私の夫との間に子どもが3人生まれました。私たちの2匹の生姜猫は、私たちの家族の真のメンバーでした。私たちには3人の子どもと2匹の猫がいて、すべてが私たちにとって完璧でした。時を経て2匹の猫は1年おきに老衰で亡くなり、とても悲しかったです。私の悲しみが大きすぎて猫を「置き換える」ことができなかったので、猫がいない生活が始まりました。再び猫を愛することができると自分に言い聞かせるのに4年間かかりました。それからブレイズ・エベーヌがやってきました。成長期に重度の喘息発作を起こした彼女は、小柄で軽いままでした。彼女がぜんそくの発作を起こさないように、優しくしなければならないし、彼女が眠っているとき、呼吸が良いかどうかも聞く必要があります。彼女は私たち全員に、優しさをもって人生に取り組むことを教えてくれました。トーキョーは、野良猫として生活していたので、非常に警戒心が強い猫です。外で生き残ることを可能にしたのは、確かにこの警戒心です。彼女は今、家族として私たちと一緒に暮らし、私たちを信頼しています。外の様子のすべてが順調であることを理解すると、すぐに彼女は戻ってきます。それ以外は、家で一日中遊びたがる幸せな猫です。彼女はよく私たちの足元に来て、遊ぶことができるようになるまで私たちを見守っています。彼女の視線は私たちを愛で溶かします。最初、彼女は私たちをとても怖がっていました。彼女は子どもたちの世話をしなければなりませんでした。子どもたちはとても遊び好きで、臆することなく私たちのところに来ましたが、反対にトーキョーは、私たちの目や手から遠く離れて自分自身を隠したいと思っていたようでした。冬の真っただなかに屋根を与え、豊かな食事を与えて安心させ、彼女が疲れることなく4名の小さな子どもたちを育てることができるようにしました。それがあって彼女は私たちを信頼してくれました。今彼女は確かに、私たちが信頼できる家族であり、ここがリラックスできる場所だと考え始めているようです。いつの日か養子縁組に選んでくれる人たちと一緒に幸せになることを願っています。――飼い主はパリ北部と郊外で苦しんでいる動物の世話をしているアニメゴー協会の里親ボランティアをしています。猫、犬、うさぎ、鳥…すべての動物は平等だと言います。絶えず里親を見つけるまでいろいろな動物に愛情を込めて接する素敵な女性でした。ここから旅立っていく猫さま達はきっと幸せが待っていることでしょう。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月09日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第95回目は長毛赤茶のトラ(tola)さま。グルメなおじいちゃん猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.95猫さまの話をもっと聞かせて!トラさまは14歳の男性猫さまです。パリ郊外の小さな庭付き一軒家で、日本語の国語教師をしている飼い主とその家族と一緒に生活をしています。僕は今年15歳になります。巷ではもうおじいちゃん世代と言われています。ほぼほぼ一日中いびきをかいて寝ていると飼い主は言っていますが、それも健康の秘訣かもしれません。老体のうえ肥満気味なのでRoyal Canin Veterinaryの「Satiety Weight Management」と「Urinary S/O Moderate Calorie」をミックスしたものを食べています。お留守番のお礼には美味しい「almo nature」のチキンやツナ缶をもらうことがあるのですがこれはまた食欲をそそります。飼い主家族は長期間留守にする際、猫シッターさんに「ちゅーる」を預けます。それを知っている僕は、シッターさんにとことん甘えて隙を狙っています。おもちゃにはもう興味を示さなくなってしまいました。飼い主が心配して運動不足を解消するため、Amazonで高評価の猫じゃらしを買いましたが、「疲れるのでもう止めてくれ!」と言っています。人懐っこくて犬っぽいところもあります。何かお願いするときは「ウゥ~ワフッ!」と吠えて主張します。意外に臆病なところや、自立しているけど甘えん坊なところが、飼い主の息子と似ていると言われます。また、名前を呼ばれると飼い主のところまで行きます。まだ耳は遠くないですよ。そして、体を撫でられると喜んでお腹を出して「もっと撫でろ!」とねだります。昔から自分のことを猫ではなく人間だと思っていて、毎晩飼い主の隣で寝るときは、人間のように真っ直ぐに身体を伸ばして寝転がります。飼い主から見たトラさまとは?日本で子どもの頃飼っていたのは、ミミーとその子どものミーコ。その後が今我が家にいるトラです。フランスに来て間もなく、友達もいなくて仕事も始めていなかった頃、ご近所さんの知人宅に猫ちゃんがたくさん生まれて引き取り手を探していると聞き、ぜひに!と立候補しました。その後、生後1か月を待って我が家にやってきてくれました!2年前の夏に日本に帰省した時には、実家付近でまだ目も開いていない生まれたての子猫を保護して夏の間育てました。今はその子は実家の両親宅にいます。トラとのいちばん楽しかったエピソードを選ぶのは難しいですが…。たまに外でどうしようもなく汚くなって帰ってきたとき、お風呂に入れてあげるのは、疲れるけど楽しいイベントでもあります。すごく彼は嫌がりますけど。また、これは我が家のよくある光景ですが、猫が「トラ」で息子が「ソラ」なので、私がよく名前を呼び間違えます。または、トラを呼んでいるのに息子が「何ー?」と言ってやってきたりします。トラと一緒にいると生きる活力が湧いてきます。「この子がいる間は、私もここで頑張ろう」という気持ちにさせてくれるのです。私がフランスに来たばかりの頃は、何のために自分がこの国のこの街にいるのか、それは自分にとって意味のあることなのかよくわかりませんでした。でもこの子が我が家に来てくれたお陰で「ああ、そうだ、私はトラのためにここにいるのだ!」と彼の存在に心が救われました。この子は私にとって「フランス生活」そのものなのです。なので、この子との別れが来るときは私のフランス生活の終わりなのかな…と漠然と考えたりもしています。私がフランスで生きた証として、彼と共に過ごした時間をしっかりと心に刻みたいと思っています。小学一年生の国語の教科書に『ずーっとずっとだいすきだよ』という、男の子と飼い犬の友情と別れの物語があり、言葉にして「好きだ」という気持ちを伝えることの大切さが描かれています。私も、この物語の主人公の少年にならって、できる限り悔いのない別れが迎えられるよう、必ず毎日トラに「大好きだよ」「いつもありがとう」と愛情と感謝の気持ちを伝えています。――お話を聞いていると飼い主が大の猫好きなのが滲み出てきますね。トラさまはお年でも、食欲はあるしまだまだ元気な毎日を送って欲しいです。そして飼い主を勇気づける存在としてこれからも家族を見守っていてください。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月08日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第94回目はシャルトリュー種のナムール(Namour)さま。夏が楽しみな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.94猫さまの話をもっと聞かせて!ナムールさまは5歳の男性猫さまです。僕は40㎡のアパートに飼い主と一緒に住んでいます。すべての部屋に自由に出入りすることができます。天井までの高さがあるキャットタワーがあり、そこはお気に入りの場所で爪研ぎもできます。窓の隣に設置されているので、リビングルームと外の両方を見ることができます。目覚まし時計が午前5時に鳴ったら、朝の抱擁のために飼い主に飛びつきます (飼い主の首に銃口を置くように、トップタイムで5分間喉を鳴らし続けます!)。ベッドでさらに5分間、叱りながらニャーと鳴き、起きない飼い主を刺激します。忍耐力がないので、朝食をもらうまでしつこいんです。穀物を含まないカリカリを毎日食べています。その後、飼い主からたくさんのキスをしてもらい、キャットツリーに落ち着きます。窓からは駐車場と隣人の庭を見守ります。屋根の上に巣を作るのが好きな鳥の訪問を楽しみにしています。夏はハエハンターになるのですが、残念ながら冬はハエがいません。飼い主が仕事から戻るときは、すでにドアの後ろで待っていることも多いのですが、時には素晴らしい形状で眠ってしまって帰宅に気づかない時もあります。飼い主が帰ってくると、まずは抱きしめてもらい、数日会わなかったかのような濃厚なキスが降り注ぎます。飼い主がソファに腰を下ろすまでそれが続くのです。それからは釣り竿とボールで飼い主と遊びます。その後、疲れ果ててハンモックで少し眠りにつきます。飼い主がシャワーを浴びた後、カーテンの後ろで出てくるのを待ちます。それからは僕の仕事、髪の毛のブラッシングをします!それは僕の役目です。夕食は飼い主と一緒に準備をします。夜は食べて遊んで、真夜中には飼い主をめがけてジャンプするのが大好きです。寝る時間になると、飼い主の足元に座って、ライトが消えるのを待ちます。朝と同じように飼い主の首元で喉を鳴らして、お互い安心して眠りにつくのです。飼い主から見たナムールさまとは?私はブリーダー経由でナムールに出会いました。彼が生後1か月のときに初めて会いましたが、その日のうちに契約をしました。そして、離乳した2か月後に迎えに行きました。最も楽しい思い出は最初の抱擁。彼の到着の翌日、私はソファに座っていたのですが、彼は私の首に落ち着き、眠りに落ちてしまいました。今まで、私は数匹の猫を飼ったことがありました。最初の猫は父から譲り受けた白色の小さなボール…私は彼をChatdouxと呼びました。私が5歳の時です。その後、5匹の猫を飼いました。Mémère、Prinsous、Ninie、Félix、Caffee。私たちが大切に世話をして、愛してきた路地猫たちです。私はいつも犬と猫のいる家に住んでいました。親と離れてアパートに引っ越すとき、アパートで飼える猫の情報をネットで探しました。アパートで暮らすには適さない猫を連れて、不幸にするなんて考えられなかったから。私はすぐにシャルトリュー種に魅了されました。 1年間ずっと検索をして、ある日、生まれたばかりのシャルトリュー種専用のブリーダーの広告をみつけました。すぐにメッセージを送信して所有者に連絡し、1か月以内に訪問する約束をしました。まず、ブリーダーは私に女性の子猫を抱かせてくれましたが、震えて動揺していました。次に小さな男性の子猫を抱かせてくれて、それがナムールでした!彼と愛情を育むのがふさわしいと感じました、彼はとても甘くてかわいく、私の手の平で眠りに落ちました。彼も私を選んだのだと思います。他にも6匹いたのですが、ナムール以外考えられなくなりました。そう!私たちはお互いを選んだのです!すぐに手続きをし、契約を締結しました。それから彼の母猫が教育し離乳させたのち、生後3か月のときに彼を迎えに行きました。私が初めて彼に会ったとき、私の髪に触れた印象があったのかもしれません。家での最初の夜から私の髪の毛のそばで寝たり、私の髪の毛のブラッシングが好きなのは、第一印象を今でも覚えているからではないかと思っています。ナムールは私の人生最高の愛です。そして彼もそれを知っています。彼が水を飲んだ後、あごに小さな水滴がついているのを見るだけで私は幸せになります。私の人生の最適なときに、彼がここにいてくれるのは、大きな意味があります。両親の死後、私は大きな空白を抱えていました。私には私の愛を与えられる小さな存在が必要でした。そんな時にナムールに出会ったのです。それまでの不安はこの小さな幸せで消え、人生が新たなものになったのです。――お互いを選んだ愛の物語を飼い主はたくさん語ってくれました。この飼い主とナムールさまの関係は美しすぎます。猫さまとの生活は、人間にとってかけがえのないものと納得しました。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月07日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第93回目は黒白ぶちのオリンぺ(Olympe)さまとキジトラのラクレット(Raclette )さま。旅好きな猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.93猫さまの話をもっと聞かせて!オリンペさまは5歳、ラクレットさまは1歳半、共に女性猫さまです。黒白ぶちのオリンペ姉さんが語ります私たちはバルコニーのないアパートに住んでいますが、リードをつけて共有の庭に散歩に出かけることができます。動物保護協会からの養子縁組でここにきた時は、まだほんの子どもでした。私は生後6か月、ラクレットは生後2か月半だった記憶があります。私たちが旅行に行くときは、一日中ずっと一緒に過ごします。一緒に歩き、旅行にピッタリなバックパックで休憩します。旅行中は周りで起こっていることすべてを見て、風景を楽しむことができます。家にいるときはラクレットと一緒に遊んだり、寝たり、食べたり、時には庭でリードをつけて歩けるように飼い主に頼んだりします。その役目は、姉である私の担当です。私の好物は粉チーズ、ラクレットはハムの脂肪と好みは違います。二人が好きなおやつはチーズや肉を詰めた肉ベースの無糖のスナック、これはとてもおいしいのです。家にいる時は、私たち専用の柔らかいバスケットにいることが多いです。小さな青いゴム製のおもちゃが私専用で、ラクレットは先端に羽が付いたスティックでよく遊びます。季節を通して飼い主達と一緒に旅をするのが楽しみで、冬は防寒しながら雪の日の旅行も楽しんでいます。飼い主から見たオリンペさまとラクレットさまとは?わたしたちの最初の猫がオリンペです。オリンペとの印象深い思い出は、彼女との最初の旅行です。バックパックでアルプスに行き、オリンペと会えて幸せだと感じました。ラクレットとの思い出に残る瞬間は、初めての長い旅行で、1時間半の車での移動でした。素晴らしい冒険の旅でした。アヌシー湖の近くで雪の中をハイキングしたのはいい思い出となりました。二人の性格は?オリンペは冒険好きな猫で、かなり静かですが、狩猟本能を維持しています。物事がうまくいかないとき、そばに来て寄り添い抱きしめてくれる彼女の能力は素晴らしいです。ラクレットはとても活気があり、遊び心のある探検家の猫です。私たちがそばにいるだけで安堵の表情をします。甘えっ子です。二人の特徴は?オリンペは黒白で、顎の下に白い斑点があります。靴下のような白い1本の足、マニキュアのように白い斑点がある1本の足をもっています。ラクレットはキジトラです。二人は私たちの子どもたちのようでもあり、完全に私たちの家族の一員です。子どものように接して私たちは楽しい時間を過ごしますが、二人の気まぐれも管理しなくてはなりません。複数の猫と一緒に暮らすということは、猫のニーズや欲求に応じてこちらも日々進化するので、私たちに新たな幸せ、愛、発見を次々と与えてくれるのです。――オリンペさまとラクレットさまはこの冬休みはどこで過ごすのでしょうか?二人とも小さい頃から旅好きなのは飼い主を信頼して築いた関係があるからなのでしょうね。また旅の報告を教えてほしいです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年01月01日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第92回目はブルーポイントバーマン種のパタプウフ(Patapouf)さま。写真を撮られるのが好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.92猫さまの話をもっと聞かせて!パタプウフさまは5歳の男性猫さまです。僕は、庭とテラスがある家に住んでいます。飼い主が目を覚ますと、どこまででも追いかけていきます。飼い主が仕事に出掛ける前、僕は一日中元気でいられるように、朝のごちそうをたくさん食べます。食事の後は昼寝をするために2階に行きます。寝るときはベッドか部屋のキャットツリーにいます。朝食が豪華なので、その後、1日のかなりの時間を眠っています。そのため、飼い主達が仕事から帰ってくると、絶好調の素晴らしい状態にあります。おやつを食べてから、大好きな羽のステッキで少し遊んでもらって、蝶のおもちゃをスイッチオンにしてもらいます。そして鬼ごっこ開始!各部屋で飼い主たちを追いかけます。それから夕食を食べて、満腹になったらバスケットかベッドのどちらかで横になります。そして、食べ残したものをきれいに平らげて、就寝時間です。夜中もお腹が空くので、カリカリを常備してもらっています。私の食事の詳細をお伝えします。1日に猫用のチキン缶と75gのカリカリ(朝、軽食、夕食、夜の軽食に分けられます)を食べます。朝は決まってウエットフードなのですが、毎回喉が鳴ります。この瞬間が1日のうちで極上の時間です。マッシュ、大西洋マグロ、小さなチーズ、チキンフィレが大好きです。家で一番好きな場所は、天窓近くのキャットツリー。天窓があるおかげで外の鳥を見ることができます。もしくはリビングルームの壁に設置してあるキャットツリーの一番上に身を置くのが至高の時です。飼い主から見たパタプウフさまとは?私たちはインターネット上の広告を介してパタプウフを見つけました。すぐに彼の大きな毛むくじゃらの顔に恋をしました。既にその時点で彼は写真を撮ってもらうのが好きでした。パタプウフは貪欲で、時には落ち着いていて、社交的で、おしゃべりです。彼は庭師のようです。いつも植物を食べたがりますが、これは非常に迷惑です。私は彼が入れない部屋に、猫にとって有毒な植物を隠しています。夏にはテラスから近所をスパイするのが好きで、家の柵の前を他の猫が通り過ぎることをとても嫌がります。私たちが仕事から家に帰るとき、彼はいつもドアの後ろで待っていて、私たちが戻ってきたことを喜びます。彼は一人でいるのが好きではないようです。彼は私たちが出かけると怒鳴ります。私たちが戻ってきくると幸せそうにニャーと鳴きますが、私は彼が私たちに怒鳴ることに心を奪われがちです。彼は私たちの子どものように家族の一員として扱われています。面白いことに、彼は私の夫と同じくらい貪欲ですが、私と同じくらい穏やかです。パタプウフは私たちを人間の両親と見なしているようです。また非常に要求が厳しく、私たちが奴隷のように従わなくてはなりません。彼はいつも私の夫の膝に乗りたがります。私たちが冴えない日でも、パタプウフのすばらしく魅力的な表情で、すぐに笑顔にしてくれるのです。愛と喜びを与える大きいボールのような毛皮ときれいな目の色で。――とことん食いしん坊なパタプウフさまは愛情たっぷり、家族が毎日を幸せになる方法を知っているのでしょうね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月31日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第91回目はサイベリアン種のブリオッシュ(Brioche)さま。カンガルーと呼ばれる猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.91猫さまの話をもっと聞かせて!ブリオッシュさまは11月1日で生後6か月になった女性猫さまです。毎朝、私は飼い主を起こしにいきます。朝に何度かベッドの毛布の上でゴロゴロ喉を鳴らし、お腹が空いたとアピールします。午後は光に悩まされたくないので、ベッドの下に隠れて昼寝をします。何かを要求するときはニャーと鳴いて、遊びたいときにおもちゃを持って飼い主のところに行きます。1日に10回ほどでしょうか!きれい好きなので、掃除をしたばかりのトイレにすかさず直行します。そして、寝る時間になると、遊びのセッションの後は家の中をうろつき、抱きしめてほしい夜には1~2回飼い主を起こします。食事はカリカリが大好きで、ロイヤルカナン社のブリティッシュショートヘア(子猫用)を食べます。他は鶏肉が好きで、飼い主の食事の時間になると盗みに行きます。得意は高跳びで、どこでもジャンプし、そしてよく転がります。飼い主と似ているところも多いです。本物のプリンセスのように… 食べ物にうるさく、世話をするのが好きで、怠け者で、貪欲だけど過剰すぎなくて、好奇心旺盛で、とてもリラックスしていると同時に、大らかな性格です。結構似たもの同士なんです。飼い主から見たブリオッシュさまとは?私は小さい猫を飼っていました。彼女の名前はアリアでした。彼女は非常に小さく白い猫で、水が大好きでした!彼女は私のお風呂で飛び跳ねていて、一度浴槽に落ちたことさえありました。残念ながら、私は非常に強い猫アレルギーであることがわかったため、里親を見つける必要がありました。それ以来、世界で一番好きな動物なのに飼うことができず、とても悲しかったのです。それから私は「低刺激性」であるサイベリアン種を発見し、希望を取り戻し始めました。アレルギーテストを行ったところ、ほとんど反応がないことがわかりました(私に!)。それ以来、ブリオッシュとは休暇も一緒にポルトガルとスペインを訪れましたし、毎週末、家族に会うためノルマンディーに連れていきます。こんなに若いのに彼女はよく旅をしています!ブリオッシュはパリ郊外のサイベリアンのブリーダーからやってきました。本当はシェルターから引き取りたいと思っていましたが、猫アレルギーのためのサイベリアンを見つけることが難しかったのです。とにかく私の夢を叶えることができました。ブリオッシュのお気に入りの場所はおそらくベッドです。ブリオッシュはとても遊び心があり、羽根のついたおもちゃを一日中追いかけています。でも頑固で、押し付けがましい!彼女はとても面白くて、どこにでもジャンプします。私たちはよく彼女をカンガルーと呼んでいます。彼女はみんなを虜にする魔法をかけることができます。彼女は、私にたくさんの良いものをもたらしてくれます。私は精神的にとても不安定でしたが、ブリオッシュが来てからすごく良くなりました。猫の存在がいるのはとても素敵で、彼女が私とハグすることを選んだときはとろけてしまいます!――大の猫さま好きな飼い主はブリオッシュさまがやってきてからは人生が変わったと言います。ブリオッシュさまも飼い主が大好きでたまらないようで、いい関係を築いている様子でした。寒くなる冬はますますベッドで甘える時間が多くなりそうですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月25日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第90回目はサイベリアンのフィリベール(Philibert)さま。名前の由来に誇りをもつ猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.90猫さまの話をもっと聞かせて!フィリベールさまは4歳になる男性猫さまです。私の名前はフィリベールです。飼い主は私の名前にこだわりました。飼い主がとても好きな、サン・フィリベールという壮大で千年の歴史がある修道院にちなんでいます。幼い頃から何度もこの修道院を訪れましたが、新しい場所を発見したり、人里離れた道を歩いたり、丘を上ったり、ブドウ園の真ん中に行ったりするなど、冒険を味わうことができました。これこそ私の好きな日曜日の散歩です。リードをつけて冒険者として歩く方法もあるのです。このようにして、冒険の範囲を広げることができました。自然の中を散歩するのが大好きで、リードをつけていろいろなところを歩きます。もちろん飼い主との旅行も大好きです。森に行ったり、川や海はもちろん、農家に牛を見にいったり。雪の日の散歩も悪くありません。もちろん、家の中も大好きです。ソファでくつろいだり、窓越しに鳥を眺めたり…。人からは親切でハンサムと言われます。私は幸せな猫で、飼い主に甘やかされていて幸運です。4本足の同胞全員に、私と同じ幸運を祈っています。だから、私にとって、動物保護について発言し、支援することは重要なことなのです。私のコートがシルクのように美しいのは、バランスの取れた食事のおかげです。私は自分のニーズに合った高品質の製品を食べています。飼い主は私のお皿の中身にとても気を配ってくれています。私は、新しいテクノロジーを高く評価する現代の猫ですが、まだスマートフォンを持っていません。でも、道に迷ったときに見つけてもらったり、飼い主が仕事で遅く帰宅するときに何か食べものを用意する新しいツールを試すのが好きです。最後に、私は何よりも「メイド・イン・フランス」を好みます。それはいつも私のお気に入りの選択肢であり続けます。飼い主から見たフィリベールさまとは?私たちはブルゴーニュの一軒家に住んでいます。私は美容師なので、フィリベールのロン毛をいつも天然素材でできたブラシでブラッシングしています。毎日が素晴らしい瞬間ですが、本当に素晴らしい思い出は、彼と一緒に休暇の旅行に行ったことです。そこではいつも私はとても幸せでした。少し前に、弟分のルーファスが幸せを広げるために我が家にやって来ました。クリーム色のマンチカンであるルーファスは、小さくて足が短いという特徴があります。彼はいつもいたずらです!私たちは、猫の兄弟の素晴らしいデュオを発見しました。リードをつないで歩くのが本当は好きではなくても、フィリベールについてきます。幸いなことに、彼はバックパックが大好きです!これからはみんなで行く新たな冒険が待っています。――旅好きなフィリベールさまの様子が伝わってきます。次の行き先はどこでしょう。たくさん冒険できるフィリベールさまは飼い主と息がピッタリで、今日も散歩を楽しんでいるのでしょうね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月24日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第89回目は、ローリー(Rory)さま。お目目がまあるい猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.89猫さまの話をもっと聞かせて!ローリーさまは、もうすぐ3歳になる男性猫さまです。僕は、ワインで有名なボルドーで、大きなテラスが2つあるメゾンで暮らしています。朝は飼い主を起こして、それからテラスに出て、鳥を追いかけながら日光浴をします。そして、飼い主が家で仕事や勉強をしている間は静かに眠ります。起き出すと、基本的にどこでも飼い主につきまとい、1日中彼女を追いかけます。夜は飼い主と一緒に食事をし、少し遊んでから眠りにつきます。獣医の診断では、少しスリムになったほうがいいそうです。心臓に問題を抱えていて、太りやすい体質らしいのです。食事は、蒸しズッキーニのみじん切りと缶詰を合わせたものが中心ですが、満足しています。太陽が大好きなので、テラスのソファで寛ぐのは最高の時間です。見晴らしがよく、家の中を見渡せる場所です。料理をしている飼い主を見ることができるキッチンテーブルもお気に入りです。僕専用の昼寝をすることもできるバランスの悪い吊り橋も大好きです。得意なことは、人とのコミュニケーション。よく喋り、何百万もの異なる声のトーンを使い分け、何を望んでいるのかを伝えることができます。俳優のようだとも言われています。本物のようなネズミのおもちゃで遊ぶことがよくあります。 多分、このことが僕が「芸術的」と言われる理由です。たくさんのおもちゃのネズミを持っていて、飼い主の寝室の前に並べておきます。ボールだけでなく、小さな枝、ゴミ…、投げてもらえる全てのものをキャッチして飼い主のところまで持って行くのです。飼い主から見たローリーさまとは?2回目のロックダウンの後、私は猫を飼う決心がつきました。まずはSPA(動物保護協会)に電話しましたが、その時点では引き取れる猫はいませんでした。それで、私は地元のブリーダーを訪ね、5匹の子猫と出会いました。ローリーは、私の周りを観察して、不思議そうにしていました。彼が私の猫になることは最初からわかっていました。すでに恋に落ちていたのです。私が最初にブリーダーを訪ねた時、ローリーは彼の兄弟とは違い、芸術的だと思いました。奇妙に聞こえますが、今はその理由がわかります。彼は非常に表現力が豊かで、多くの意見や要求を伝えられます。猫を飼っている私の友達は皆、人生でこのような猫を見たことがないと言っています。また、ローリーはとても勇敢な猫です。彼は室内猫です。とても高い場所にジャンプしたり、鳥を捕まえたりすることはできないと思いますが、自分自身の能力を信じていると思います。ブルターニュで森の中を歩いていた時、私たちの前に大きな犬が来ました。しかし、彼は決してうろたえることはなく、できる限りの怒った顔をして、犬に近づきました。私はびっくりしました。こういった場合、ほとんどの猫は恐れることが多いのですが、ローリーは犬や他の猫に会った時に後ずさりするのを見たことがありません。彼は人間に少し依存していますが、同時に独立しています。――怖いもの知らずのローリーさまは表情が豊かです。普段はまあるいお目目ですが、怒った顔もたくましくて愛らしいです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月18日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第88回目はスフィンクスのサシャ(Sacha)さま。オシャレが大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.88猫さまの話をもっと聞かせて!サシャさまは1歳の女性猫さま。私の住まいはアパートです。朝は、カリカリから1日が始まります。そして、おやつには柔らかいジェリーが入ったカリカリをいただきます。最近、寒くなってきたので、暖かいセーターを着ています。洋服はたくさん持っていて、いつもオシャレ心を忘れません。抱っこも大好きで、飼い主の首の周りが暖かくて落ち着きます。1番のお気に入りは、輪ゴムに取り付けられた小さいネズミの縫いぐるみ。性格ですか?生意気で大胆ですが、適応が早いと言われています。ゴロゴロも得意で、甘え上手です。地球上で最高の人間は、私の飼い主に違いありません。飼い主から見たサシャさまとは?17年間飼っていた猫を失い、その悲しみを乗り越えるために、サシャを私たちの生活に迎え入れました。最も楽しいエピソードは…すべてが素晴らしく、最高のものはまだ来ていません。サシャは私の人生と心に愛と抱擁、静けさもたらしてくれます。私は仕事をリタイヤしていますが、これからの人生をサシャと一緒に過ごせることが楽しみです。――寒くなってきましたが、今日はサシャさまがどんな洋服でオシャレをしているのか気になりますね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月17日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第87回目はミックスのブチ、トリコート(Tricote)さま。パリまで電車でやって来た猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.87猫さまの話をもっと聞かせて!ヨーロピアンミックスのトリコートさまは8歳の女性猫さま。私の住まいはパリの20区のアパートです。4階の南向きで、小さな公園に面している部屋です。サロンと寝室、独立したキッチン、そんなに広くはありません。平均的な1日は、午前7時から午後10時までの間の15時間が行動時間です。長い昼寝をすることもあります。普段のごはんはカリカリ。ちょっと太めなのでダイエットフードとのミックスです。飼い主は整理整頓好きで、愛情たっぷりで、たくさん抱っこしてくれて、とてもいい人です。そんな飼い主がすることに、ひとつだけ嫌なことがあります。それは掃除機です。やめて欲しいです!朝食のお皿に残ったパンとバターは、片付ける前に私が皿洗いをします。『好奇心の塊』とよく言われます。飼い主が針仕事をしている最中は、気になって仕方ないんです。膝の上に乗ってみたり、紙、ひも、羽や、飼い主が糸で編んだ小さい玉でよく遊びます。自慢のチャームポイントは黄色い靴下かな。飼い主から見たトリコートさまとは?幼い頃にさかのぼりますが、祖父母のところに猫がいて夜になると黄色い目が光っていて、とても怖かったです。大人になってからは今まで3匹の猫を飼いました。トリコートは、大西洋側のナントという街にあるアソシエーションのホームページ上で見つけました。たまたまナント方面にバカンスに出ていて、パリに戻ってくるタイミングでナントの駅で初めてトリコートに出会いました。トリコートを引き取るナント駅で、ワクワクしながら待っていたこと、写真でしか見ていなかったので抱っこしたときの可愛さは忘れられません。実は、トリコートのきょうだいも1匹一緒に預かりました。その猫はパリに里子に行くことが決まっていたので、私が新しい飼い主に届けました。子猫2匹と電車に乗ってパリに戻ったのはいい思い出です。すでにジャミラという名前がついていたのですが、しっくりこなかったので、私の仕事『トリコ=編み物』からとってトリコートにしました。観察心があるところは私に似ています。彼女が私が質問すると、答えてくれます。彼女が私に話しかけると、必ず対応します。お互いの気持ちを理解しながら生活する、似たような間柄です。私もただの動物であり、トリコートのほうが人間的であったりします。素朴な甘えかたで、たくさんの愛情を与えてくれています。――自宅で飼い主が作品を創っている間そばにいて、微笑ましい風景が素敵でした。ちょっと邪魔をされるのもいい気分転換になっているようでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月11日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第86回目は茶トラのジャンジャック(JJ)さま。憔悴した飼い主に寄り添う優しい猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.86猫さまの話をもっと聞かせて!ジャンジャック(通称JJ)さまは4歳の男性猫さま。僕は、パリ1区のセーヌ川の近くにある築150年のアパルトマンに住んでいます。メザニン(中2階構造)になっていて、寝室が2つとバスルーム、暖炉があります。実は僕、日本の生まれの保護猫なのです。飼い主の高校の同級生がSNSで「猫を保護し、3日経っても保護する人が見つからない場合は保健所に連れて行かなければならない」と投稿していました。飼い主は、「取り急ぎ保護する」と生後1か月の僕を引き取りにやってきました。先住猫のパスカルとは、たった1日で本当の兄弟のように仲良くなりました。起床は飼い主と同じ時間です。起きたら、まずアパルトマンのパトロール。1日何度も行きます。ご飯にがっつくことはなく、ちょびちょび食べます。その都度、飼い主は気づいてくれて、新しい食べ物を入れてくれます。最近は時間があると眠たくなっちゃいます。飼い主から見たジャンジャックさまとは?この夏交通事故で亡くなったパスカル(白黒ハチワレ)は、沖縄の保護猫で、私の夫の知り合いが面倒を見きれなかったため譲り受けました。JJは豊橋の保護猫です。元々、私達カップルは別居婚で、私が東京にいて、彼の職場がある香港や沖縄に毎月半分滞在する形を取っていました。今回は、彼の職場がフランスのパリになったので、まず沖縄にいたパスカルを東京に連れてきて、そこから私と二人でパリに。 毎月一緒に移動していたJJは、今度は夫とともにパリに移住してきました。私は猫の生態を知らなかったので、仕事柄移動が多く、出張でもどこへでもJJを自分の肩掛けカバンの中に入れて移動しました。本当に常に一緒。そんな訳でJJは自分を猫と認識していないと思います。爪切りも、歯磨きも、お耳の掃除も病院も一度も嫌がったことがありません。パリへ移動するフライトでも、一度も鳴くことすらありませんでした。この夏、パスカルを交通事故で亡くし、私は憔悴しきっていました。JJは、普段は家の外に必ず偵察に出るのですが、この期間、彼は外に一度も出たがることなく、泣き続ける私の側にずっと“ごろごろ”と慰めるように居てくれました。彼はとことん優しく、賢く、今は新しく家族に加わった赤ちゃんも守るように接してくれています。私にとって大切な息子です。JJと接するたびに、パスカルとの楽しい生活を思い出します。パスカルと出会ったお陰で、私は“保護猫”という存在を知り、知識を得て今のJJと出会う事ができたから…。ふたりが寄り添ってくれたお陰で今の私があるのです。――愛する猫さまを失うことはとても悲しいことです。でも猫さまという存在が人々に勇気を与えてくれる面もたくさんありますね。これからは悲しさを乗り越えてJJ と赤ちゃんとの楽しい生活をしていってください。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月10日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第85回目はトラ猫雑種のオレル(Orel)さま。人懐っこいけど実は繊細な猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.85猫さまの話をもっと聞かせて!オレルさま(通称オレちゃん)4歳の男性猫さまです。僕はパリ13区にあるアパルトマン、84平米の3LDKに住んでいます。飼い主の娘の誕生日プレゼントのリクエストが猫だったため、家族がSPA(動物保護協会)を訪れてここにやってきました。飼い主は以前から猫を探していたらしいですが、僕に出会う前はビビッと感じる猫はいなかったと言っています。ここには子どもが2人いるので部屋の探索がとても面白いです。特に夜はみんなの部屋を順に徘徊するのが日課です。朝はお腹が空いていたら、キッチンの飼い主のところへ行って膝に乗ります。ご飯を食べたら、みんなに挨拶がてら家中をウロウロ。午後はほとんどキャットツリーの中段の箱の中か、ソファーの上で寝て過ごします。そしてたまに友達猫がやってきます。そんな時は寝ていられないので一緒にボクシングをして遊びます。膀胱炎持ちなので、食事はそのケア用の特別なカリカリとパテが日常食です。特別な日は特にないのですが、飼い主たちが魚を食べる日には少しお裾分けしてもらいます。特技は横に開けるタイプの扉を開けることができること!大切なものは手が届かないところに収納するよう、お願いします。飼い主から見たオレルさまとは?幼い頃、物心ついた時には、実家に祖母の猫が2匹いました。その猫達は私が幼稚園か小学校1年生くらいの時に死んでしまいました。それから猫はずっと飼わず、結婚した夫が猫を飼っていて、その猫が2015年に亡くなり、その後に今のオレちゃんがやってきました。今まで飼ったペット(犬、文鳥など)の中で一番私になついてくれているので、初めて「うちの子」と言えるかも?(子どもが2人いるので)3人目の子どもみたいです。人懐っこいけど、ちょっとした環境の変化に敏感で、見かけによらず繊細なところもあります。思いもよらないところで寝ているのを発見する時は癒されますね。オレちゃんは猫背の人の肩の上に乗るのが好きだとわかりました、オレちゃんが肩に乗る人はみんな猫背なんです。自己中なところが可愛くて面白いから、私ももう少し自分軸で動いてもいいのね、というアドラー心理学みたいな意識が芽生えています。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月04日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第84回目は白猫のキキ(Kiki)さまと白猫ロシアンブルーのポンポン(Pompon)さま。仲良しな白猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.84猫さまの話をもっと聞かせて!キキさまは4歳の女性猫さま、ポンポンさまは1歳の男性猫さまです。キキさまインタビュー私たちは3部屋と小さなバルコニーがあるアパートに住んでいます。ここには元々白猫がいました。いつも窓辺に座っていたらしいです。ある日、隣人が通りで私を見つけました。私は見捨てられて迷子になっていたんです。隣人は、私を見てここの家猫だと思ったので、連れてきたそうです。今の飼い主は、その時にすぐ私をお世話しようと思ったらしいです。それから4年が過ぎました。ポンポンはスペインのロシアンブルーのブリーダーのところから来ました。飼い主は、ヴァカンスを利用してスペインまでポンポンを迎えに行ったんです。私たちに共通することはあまり食いしん坊でないこと。食事の回数も1日1回だけで十分なのです。実は私は耳が聞こえません。でも、ポンポンがやってきてからは毎日が面白いし、いつも遊んでいるポンポンを見ているだけでも嬉しくなってしまいます。部屋のあちこちに気持ちがいいクッションが置いてあるので、くつろげる空間がたくさんあります。人懐っこいポンポンは狭いところでもくっついてきますが、全然迷惑ではなく逆に嬉しいです。小さな弟ができて毎日が活気に満ちています。飼い主から見たキキさまとポンポンさまとは?2人はかわいさのエキスパートです。彼らがすることはすべてかわいくて、特に喉を鳴らすときは格別です。2人は私の事を大好きだと思います、私が仕事に出かける時は悲しい表情をしますから。夕方に帰宅するときはいつもドアの後ろで私を歓迎し、家に入るのを見て喜んでいます。彼らからは落ち着きと慰めが与えられています。仕事から帰ってくると、彼らに会えるのでとてもうれしいです。2人を撫でると私はとてもリラックスします。時間があって天気の良い日にはリードをつけて散歩もします。先輩のキキは悠々としていますが、ポンポンはまだ少し怖がっているようにも見えます。毎晩ポンポンは私の腕の中で眠りにつき、そして毎朝キキとポンポンとの朝の抱擁の儀式で1日が始まるのです。ーー大の白猫好きの飼い主は以前にも白い猫を飼っていたそうです。詳しくは言いませんでしたがとても残念な別れになったとだけ聞きました。そんな悲しみを吹き飛ばすぐらいにキキさまとポンポンさまがいて幸せそうでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年12月03日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第83回目はバーマン種のネイコ(Neïko)さま。羽で作ったおもちゃが大好きな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.83猫さまの話をもっと聞かせて!ネイコさまは4歳の男性猫さまです。僕はパリから30kmほど南に下った住宅地にある、庭付きの一戸建てに住んでいます。午前6時30分頃に飼い主を起こして、外に出て1時間ぐらい散歩します。飼い主が仕事に出掛ける前に一緒に少し遊びます。僕は、飼い主が家に帰るまで一人で留守番をしています。飼い主は、僕が血統書付きの猫だから盗まれると心配しています。だから、不在の時は家から出してもらえません。夕方、仕事から帰ってきた飼い主と遊んだり、庭を行ったり来たりします。夜は追いかけっこしたりもします。寝るときはブラシをかけた後、ベッドで飼い主と一緒に寝ます。普段のごはんは、シリアルの混ざり物が入っていないカリカリが食べ放題です。朝と夕方には、パテ状のものもいただきます。夏の暑い時はスイカが大好きです。おやつは獣医さんオススメのスナックです。大好きな居場所はソファや猫草の近く。夏には、庭の奥の日向ぼっこできる場所も好きです。飼い主の友達がくれた羽と、田舎の池の近くに落ちていたガチョウの羽を紐に組み合わせて作ったもの、これがあれば庭でたくさんジャンプできます。飼い主から見たネイコさまとは?ネイコは私の最初の猫です。小さい頃、ハムスターやウサギや犬を買っていたのですが、両親が猫があまり好きではなくて…。でも、私は猫が大好きだったので、飼うなら絶対にバーマンと決めていました。夫が仕事で不在の時が多く、2人の子どもも手がからなくなったので、ネイコは3人目の子どもだと思っています。猫であり犬でもあり、人懐っこくてどこでも私を追い回してきます。でも、抱っこは好きではないようで、ネイコが望むときだけできます。椅子から椅子へジャンプする方法を知っていますが、食卓に乗るのは禁止です。おやつの時は待ちきれなくて、椅子の間を飛びまわります。毛皮が立派な大きなテディベアのようです。ふかふかの首回りがチャームポイントで、ブラッシングする時の気持ちよさそうな表情といったら、こっちもとろけてしまいそうです。彼なしでは生きていけなくなりました。ネイコは自分が家の王様であり、主人であり、私がなんでも従う奴隷だと思っているようです。ネイコが小さかった時、誤飲してしまったことがありました。手術をして5日間入院した時はもうダメなのかと思いましたが、奇跡的に生還して家に戻ってきました。家族の皆が喜んで、嬉しくてネイコを拍手で迎えて抱き合えたのが一番うれしかったエピソードです。ネイコは感じる力があって、たとえば、私たちが何かに悲しんでいる時、絶妙なタイミングで悲しむ人のところに来ます。それは共同生活にとって同居する間柄にはなくてはならないものだと思います。――家族のムードメーカーでもあるネイコは今日も落ち葉でいっぱいの広い庭で思いっきり遊んでいるのでしょうね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月27日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第82回目はヨーロピアントラ猫のルベル(Rebelle)さま。絵のモデルになった猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.82猫さまの話をもっと聞かせて!ルベルは2歳の男性猫さま。僕はパリ19区のバルコニー付きの小さなアパートに、絵を描くのが大好きな飼い主と一緒に住んでいます。朝起きてからすぐアクティブになり、まずはバルコニーに行きます。ごみ収集車、配達員、鳩が通り過ぎるのを観察するのが毎朝の日課です。抱っこも大好きで、食事の後はバスルームでニャーと鳴き、飼い主には見えない動物を探して遊びます。そして、飼い主が仕事に出る時間が来るとドアの前でニャーと鳴き、走り出します。飼い主が家に帰ると、留守中に遊んだ形跡を見て驚いています。お絵描き中はいつも近くにいて、飼い主の行動を見ています。よく僕のデッサンも書いてくれるのです。最近では、じっとモデルに徹することができるようになりました。飼い主から見たメイさまとは?食事は天然素材から作られたキャットフードをあげています。特別な日には彼が大好きな本物の大きなエビを提供します。私が寝坊した時、ルベルはつま先を噛んで起こそうとします。彼が大好きなのは、小さなヘアゴムで遊ぶこと!性格は、社交的でかわいいく、好奇心が強いです。遊び心のある、おしゃべりな冒険家、ハンターでもあります。公共の乗り物での他の人とのコミュニケーションも大好きで、乗客の膝の上に何回でも飛び乗り、専用のバッグに閉じ込められるよりも落ち着いているんです(信じられないほどです!)。私はずっと前にすでに猫を飼っていて、私は猫に「情熱的」です。私は彼らの性格、彼らが猫であるという事実、彼らが不屈の野生の側面を保持しているという事実が本当に好きです。――人懐っこいルベルは毎日が幸せそうです。いつかバスや電車でお会いしたい。そして膝の上に乗ってきて欲しいですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月26日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第81回目はヨーロピアン三毛のメイ(Mai)さま。サプライズでやってきた猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.81猫さまの話をもっと聞かせて!メイさまは9歳の女性猫さま。私はパリ11区のアパートに住んでいます。今はロンドンに住んでいる飼い主の息子が高校生の時、当時の彼女が息子への誕生日にサプライズプレゼントとして私を連れてきてしまいました。それからはずーっとここに住んでいます。5月生まれなのでメイと名付けられました。飼い主が起きてくる前から、なにも言わずにジーっとご飯を待っています。昼は自分のお気に入りの場所であるタンスの上やピアノの上で、窓の外を見たり高いところに登って寝たりして過ごします。夕飯後は飼い主がソファーに座ると膝に乗って甘えます。ツンデレ、怖がりと言われていますが、自分では猫らしい猫と思っています。飼い主から見たメイさまとは?もともとはロンドンに住んでいる息子の猫で、息子がたまにパリに戻ってくるとメイも嬉しそうです。遊び心もあって最近はトンネル(トンネルの反対の穴から紐や猫じゃらしで誘ってもらう)遊びが気に入っています。可愛いと思うところは、丸い目と眉間に皺を寄せて悪い顔をするところ…。虫を捕まえることも得意なのですが、ハエを捕まえようと必死になって2本足で歩いています。一緒にいて面白い瞬間が多く、本当に癒されています。今は子ども達が独り立ちしたので、3人目の子どもだと思っています。――パリとロンドンは近いので息子さんはよく実家に帰ってくると聞きます。そんな日を心待ちにしているメイさまは、今日も首をながーくして息子さんの帰りを待っていることでしょう。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月23日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第80回目はヨーロピアンタイガーキャットのオリオン(Orion)さまと、黒白猫のフレア(Freya)さま。仲良しな2名の猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.80猫さまの話をもっと聞かせて!オリオンさまは4歳の男性猫さま、フレアさまは4歳の女性猫さまです。左から、フレアさま、オリオンさま。私達はフランス北部の一軒家に住んでいます。オリオンさまの自己紹介とても好奇心旺盛で遊び心があります。とても愛情深く、抱きしめられるのが大好きです。小さなトラのようだと言われています。小さい時から、どこでも飼い主についていく甘えん坊です。フレアさまの自己紹介オリオンに遅れて2か月後にやってきました(オリオンは2か月年上のお兄ちゃん)。オリオンとはどんなもめごともありませんでした。かなりマイペースですが、とにかくオリオンを世話をするのが好きです。とても落ち着いている性格なんです。飼い主から見たオリオンさまとフレアさまとは?友人のところで生まれたオリオンを見に行った途端、オリオンに恋をして、すぐに引き取ることに決めました。フレアは、納屋で兄弟と一緒に発見されました。その持ち主の女性が、猫さま全員を飼うことができないということを聞き、訪ねて行った時にフレアの小さな姿が私の心を打ち砕きました。2人は、私が起きると目を覚まし、朝食をねだります。私が仕事に行くとき、彼らは寝るか遊んでいます。そして、私が仕事から帰ると、彼らは走ってきて抱っこを望みます。彼らの誕生日には、生の鶏肉をプレゼントします。彼らはそれが大好きです!ほぼ1年前、私は避難所から犬(セントバーナード)を養子にしました。そして猫たちは彼ともとても仲良くしています。今の時期は、庭や紅葉してきた森の散歩で楽しい毎日を過ごしています。彼らは私にたくさんの幸せと愛をもたらしてくれます。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月20日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第79回目は黒猫のプチシャ(Petit chat)さま。脱走したことがある猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.79猫の話をもっと聞かせて!プチシャさまは8歳の女性猫さま。私は赤ちゃんの頃、箱に入れられて道端に捨てられていました。シェルターに連れて行かれ、養子縁組予備軍になりました。今はパリの素敵なアパートに住んでいます。大きなバルコニーが2つあるので、気分転換に少しでも外に出られてとても気に入っています。午前中はずっと寝ていて、午後早いうちに起き出します。午後は飼い主に甘え、夕方になると活動的に振る舞い、走り回り、ぬいぐるみのネズミで遊んでいます!お気に入りの場所は飼い主の寝床。べったりくっついています。物静かで愚かなことは何もしないので、お利口猫さまと呼ばれています。飼い主から見たプチシャさまとは?私たちは、以前から保護猫を引き取りたいと思っていました。最初の出会いは信じられないほどでした。彼女は、初めての夜から私たちと一緒に寝てくれたのです。一度脱走(迷子)したことがあり、見つかるまでの24時間、私たちは本当に元気がなく意気消沈していました。幸運なことに、プチシャのネックレスを見た、あるレストランのかたが知らせてくれました。この店からいい匂いがしていたのでしょうか?プチシャと一緒に暮らすようになって、彼女が私たちをとても愛してくれていることがわかり、それが私たちをとても幸せにしてくれます。彼女は掃除機が嫌いなので、私たちが家事の頻度を減らすことを望んでいます。助かるような、困るような…。 毎日私たちにたくさんの愛と喜びをもたらしてくれる存在です!物事がうまくいかない日もそばにいてくれて私たちをいついも励ましてくれるのです!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月19日女性にとって心が躍る瞬間といえば、好きな服を好きなように着ているとき。そこで今回ご紹介するオススメの映画は、クリスチャン ディオールが手掛けたきらびやかなドレスが次々と登場する注目作です。『ミセス・ハリス、パリへ行く』【映画、ときどき私】 vol. 532舞台は、1950年代のロンドン。家政婦として働くミセス・ハリスは、愛する夫が戦死したことを知らされる。それでも気丈に振る舞っていたハリスは、ある日クリスチャン ディオールのドレスに出会い、一目惚れしてしまう。その美しさに魅了されたハリスは、500ポンドもする高級ドレスを手に入れるため、資金を調達してパリに向かうことを決意。無事パリに降り立った彼女は、ディオール本店へと向かうが、威圧的なマネージャーのコルベールに追い出されそうになる。果たして、ハリスは“夢のドレス”を手にすることができるのか……。夏に公開されたアメリカでは、大作が並ぶなか1000館以下の公開作品としては唯一トップ10にランクインするなど幅広い層から高い支持を得た本作。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。アンソニー・ファビアン監督アメリカで生まれたのち、本作の舞台でもあるフランスとイギリスで思春期を過ごし、現在はロンドンを拠点に活動しているファビアン監督。今回は、映画化するうえでのこだわりやディオールの裏側、そして作品を通して伝えたい思いなどについて語っていただきました。―もともとは原作である『ハリスおばさんパリへ行く』を手掛けたポール・ギャリコがお気に入りの作家だったそうですが、この作品についてはどういったところに魅力を感じましたか?監督あとから振り返ったときに、いろんなところが自分に響いていたんだなと気づかされましたが、最初に心をつかまれたのは主人公のチャーミングさ。ものすごく正直で、はっきりとした道徳観を持っていますし、何よりも彼女のポジティブさには共感するところがありました。―今回は監督としてだけでなく、脚色する権利も取得していますが、その理由を教えてください。監督僕は7歳のときに家族と一緒にパリに移り住んだ経験があるので、フランスに対しては深い知識があると思っています。そんな僕からすると、イギリスやアメリカのフィルムメイカーたちが描くフランス人のキャラクターには違和感を覚えることがあったので、フランスにいたことのある自分ならもっとリアルなものが作れると考えました。まず決めていたのは、フランス人の役は絶対にフランス人の俳優に演じてもらうこと。この原作は過去にテレビ向けの作品として映像化されたことがありますが、そのときはフランス人の役に1人もフランス人が起用されていませんでした。本作はおとぎ話のようなストーリーではありますが、同時にリアリズムにも基づいている作品。ファンタジーのなかにもリアルな要素というのがしっかり描かれることが重要だと思い、そのあたりのバランスはこだわっています。ディオールが愛した花や要素を取り入れている―ほかにも、映画オリジナルのキャラクターや映画ならではの設定を加えていますよね。監督僕にとって、この作品を脚色することはひとつの挑戦でもありました。というのも、原作では主人公の道のりにあまり壁がなく、わりと簡単に夢を叶えてしまうところがあるので、映像化するにあたってはもう少しそこに立ちはだかるものを加えたいなと。そうすることでより重層的な物語になりますし、観客にとっても豊かな視聴体験になると考えました。具体的には、労働者の権利についての描写を入れたり、ディオールのマネージャーであるコルベールと心が通じ合うまでに時間をかけたり、という部分を付け加えています。―本作の大きな見どころは、現在の貨幣価値で250~400万円ほどになる美しいドレスの数々。今回はディオール全面協力のもとで一緒に仕事をされましたが、そのなかで感銘を受けたことはありましたか?監督まず、ディオールの人たちはメゾンの歴史というものをとても誇らしく思っており、アーカイブだけを集めたビルがあるほど。今回は、そこのトップが映画のプロジェクトに歴史的観点から関与してくれることになりました。幸運なことに、過去に作られたドレスを見せていただくことができたので、そのときに見た手縫いのビーズやベルベットからインスピレーションを得て、劇中の「テンプテーション」というドレスを作っています。当時は女性らしいフォルムを祝福するようなドレスが数多くあり、なかには何メートルもの生地を使った贅沢なドレスもあったほど。どれも興味深いものばかりでしたが、そういったものを参考にしながらディオールが愛した花や彼ならではの要素を取り入れていきました。ディオールすべての歴史にアクセスさせていただくことができ、本当にありがたかったです。そんなふうに、ディオールに関することは、実際にあったことを忠実に描くように心がけました。「ありのままの自分でいいんだ」と感じさせてくれるはず―また、ハリスは非常に魅力的なキャラクターですが、あんなふうに自分らしく好きなものを追い求めることはなかなか難しいことです。もし、彼女のようになれるヒントがあれば、教えてください。監督アメリカで公開されたときには、「ハリスはこの夏一番のスーパーヒーローだ」と評価してくれたメディアもあったほどですが、彼女のスーパーパワーというのは、人々が被っている“仮面”を取ってくれるところ。「ありのままの自分でいいんだ」とみんなに感じさせてくれるキャラクターだと思っています。とはいえ、ハリスも最初は周りから言われることに対して受け身の女性。ただ、パリでの冒険を終えて成長した彼女は自分自身に自信を持ち、自分の意見をしっかりと伝えられる強さを持てるようになるのです。それは、ありのままの自分でいることによって周りがどんな反応をするのかを目の当たりにしたからではないでしょうか。そんなふうに社会で報われることを知ったからこそ、自分に正直でいることの大事さを学ぶことができたのです。これはまさにこの映画の中心的なメッセージでもありますが、ハリスからみなさんに向けて「あなたもありのままの自分でいたらどうですか?」という挑戦状でもあります。ぜひ、日本の素敵な女性たちにもそのことを伝えたいです。年を重ねることの美しさを感じてほしい―確かに、他人の目を気にしがちな日本の女性たちには感じてほしいところです。ちなみに、日本に対してはどのような印象をお持ちですか?監督日本には何度か行ったことがあり、そのたびに日本の文化や国自体に魅了されています。歴史がありますし、豊かさに感銘を受けているところです。やはり欧米とはまったく違う文化なので、そういったところに面白さを感じて惹かれているのかなと。もっと日本の慣習についても知りたいなと思っています。また、普段から大好きでよく食べているのが日本食。日本に詳しい友人もたくさんいるので、日本食のレストランに行くときは、シェフが日本人かどうか、お客さんに日本人が多いかどうか、といったところをしっかりと見極めながら、なるべく本物の日本食に近いものを選んで楽しんでいます。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督この映画では、他人からどう見られているかどうかについても深く掘り下げて描きました。僕からすると、女性はある程度の年齢になると存在を忘れられてしまうようなことが多いと感じていましたが、本来大事にすべきなのは、年齢とともに得られる賢さではないでしょうか。そういったこともあり、年を重ねることの美しさを祝福するような映画にしたかったので、ぜひそのあたりも感じていただけたらうれしいです。諦めない気持ちが奇跡を起こす!先行き不安な時代のなかで、夢を見つけること自体が難しいと感じるときはあるものの、いくつになっても夢を追いかける大切さを教えてくれるハリスの姿。どんなに苦しいときでも、勇気と優しさを持って一歩を踏み出せば、きっとあなたの人生も美しいドレスのような輝きを放つはずです。取材、文・志村昌美胸がときめく予告編はこちら!作品情報『ミセス・ハリス、パリへ行く』11月18日(金) TOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国ロードショー配給:パルコ、ユニバーサル映画️©2022 FOCUS FEATURES LLC.
2022年11月17日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第78回目はヨーロピアンタイガーキャットのエヴィ(Evy)さまと、キジブチのニアル(Nihal)さま。保護協会で出会った猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.78猫さまの話をもっと聞かせて!左がニアルさま生後6か月、右がエヴィさま5歳です。2名とも女性猫さまです。私たちはフランスのオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ県にあるアパートに住んでいます。飼い主はピアノの先生です。<エヴィさまの自己紹介>保護協会にいた時に今の飼い主に会いました。もしも彼女と出会っていなかったら、今のような幸せを得られなかったかもしれません。甘えることはめったにないのですが、飼い主のそばにいるのが一番安心できます。長くて絹のような毛並みを持っていてよく褒められますが、それもちょっと恥ずかしいです。<ニアルさまの自己紹介>性格は本当に前向きで遊び心もあり、飼い主たちと一緒に過ごすのが大好き。病弱な私を愛情をもって世話してくれた飼い主が大好きでたまりません。明るい目ときれいな色のコートを着ています。飼い主から見たエヴィさまとニアルさまとは?二人とも保護協会を経由して、最終的に私たちが迎えることにしました。エヴィは最初、かなり難しい性格でした。愛情を体験してこなかったエヴィが、私たちに小さな抱擁をしてくれた時は本当にありがたかったです。私たちは時間の経過とともにエヴィに適応することになりました。ニアルは私たちのところに来る前にひどい扱いを受けていたと感じています。ニアルは出会った時は病気をもち、とても疲れていました。彼女はまだニャーと鳴く方法を知りませんが、今では普通の生活を送ることができています。治癒をして、今は彼女の喜びを垣間見れることができてとても楽しい毎日です。2人の世話をし、耳を傾け、最善を尽くすことが私の願いであり、使命です。ーーエヴィとニアルを献身的に見守る飼い主が、どんなピアノを奏でるのかとても気になります。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月13日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第77回目は3歳の男性キジトラ猫のマロ(Malo)さま。キメ顔が得意なイケメン猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.77猫さまの話をもっと聞かせて!キジトラのマロさまは3歳の男性猫さまです。パリ10区にある、築150年のアパルトマンに住んでいます。朝5時にまずは飼い主ママを起こして、肩の上に乗ってくつろぎます。その後、朝7時に飼い主娘からごはんをもらいます。彼女が学校へ行った後は、仕事へ行く前の飼い主パパに戦いを挑みます。男同士の朝の大勝負(つまりパパに遊んでもらう)!午後はお昼ご飯をもらい、窓の外を見たり、家に誰かいたら少し遊んでもらって、そのまま夕方までお昼寝タイム。夕方、飼い主娘が学校から帰って来ると、一緒にお勉強(という名のお邪魔虫)をして遊んでもらい、一緒に夕飯を食べて、夜寝る前にパパに「シマシマ」(パパが毎日Maloにしてあげる「シマシマ」という儀式があり、Maloはこのシマシマが大好き)をしてもらって、娘に歯を磨いてもらって、寝る前のカリカリをちょっともらって、ママのお布団にもぐりこんで「ふみふみ」しながら一緒に寝ます。いつも食べているものは、朝はぐにゃぐにゃ(ウェットフード)、お昼はカリカリ、夜は鶏胸肉のゆでたものです。特別な日には牛肉のステーキのおすそ分け!(お刺身やお魚は全然好きじゃない、パリ生まれの猫です)ママの肩やお膝の上、娘が昔クレーンゲームで取ったドーナツ型のクッションの上が居心地よくてたまりません。大好きなオモチャはヘビのぬいぐるみですが、遊びすぎてボロボロになってしまい、もはや原型をとどめていません。人懐こくて甘えん坊で、ワンちゃんのような猫と言われます。ちょっぴりストーカー気質で、朝から晩まで、必ずみんなのいるところに自分もいます。温厚で、シャーっと怒ったことは今まで1度もありません。ちょっとどんくさくて食いしん坊、そして、かまってちゃんでお茶目な性格です。おすわり、お手、たっち、リードを付けてパリの街をお散歩することが特技でもあります。この夏休みに飼い主たちと一緒に行ったマルセイユ旅行は楽しかったです。電車移動で、パリから4時間かけてマルセイユ郊外の飼い主の友人宅に1週間ほど一緒に遊びに行きました。海まで徒歩5分の立地で、リードこそつけてはいましたが、おうちの中庭で木登りをしたり、屋根歩きをしたり、テラスで夕涼みをしたり、別荘を満喫しました。夕方涼しくなったら、ママに抱っこしてもらって海辺を散歩しましたが、初めて見る海は少し怖かったです。ちょっと遠くからそ~っと眺めていました。でも、海風はとても気持ち良かったです。飼い主から見たマロさまとは?娘が5歳ぐらいの時から猫を飼いたいと言っていたので、夫と相談して、しっかり自分でお世話ができるように10歳になったら、と約束しました。小さな子どもの言っていることなので、そのうち忘れてしまうだろうと思っていました。しかし、事あるごとに「10歳になったら猫ちゃんに会える!」とブレずにひたすら10歳になる日を待ちわびていた娘。10歳になった日の朝「今日家に帰ったらもしかして(サプライズで)猫がいたりする?!」と期待されましたが、自分の家族になる猫なのでちゃんと自分でお迎えに行こうね、ということで娘の意思を再確認し、その日から猫探しを始めました。ただ、これがけっこう難航しました。飼うなら保護猫を、ということは最初から決めていたので保護猫、保護犬のEXPOに足を運んでみました。しかし、私達が行った時間にはほとんどの猫の引き渡し先が決まっていて、残っていたのは複数匹まとめて引き取って欲しい猫達と、大型犬ばかりだったりもしました。その後、個人、アソシエーション含めていろいろ連絡してみるも、なかなか返信がなかったり、指定の場所に行ってみても誰もいなかったり…。猫を目にすることすら難しいまま、仕事が忙しい時期は、サイトで探すなど、なかなか猫探しをする時間が持てませんでした。気付けばあと数か月で、娘が11歳を迎える時期になってしまいました。そんな時、偶然検索していて見つけたアソシエーション、#chatdoc に連絡してみると、「今夜見に来ますか?」とすぐに連絡をいただいたのです。30匹以上の猫が自由に暮らすこの場所には、心優しい経営者のおばさまとボランティアのお姉さん達がいらして、好きなだけ猫達と遊んで行ってね、と言って下さいました。娘は本当に熱心にずーっと猫達と遊んでいたのですが、常に私達の近くにいて、まるで、一緒に連れて行ってと言っているかのような態度だったのがマロだったのでした。私達がマロを選んだのではなく、私達がマロに選ばれたのです。その日は、まさか連れて帰る猫がすぐに決まるとは思っていなかったので、お迎えの準備が何もできていませんでした。1度自宅に帰り、お迎えの準備を整えて週明けにお迎えに来ることを約束してこの日はアソシエーションを後にしました。常に私たちの言葉を聞き、私たちに語り掛けてくるので、言葉の通じる、猫の皮をかぶった人間なのではないかと思います。夕飯の時間になると、誰よりも先に“自分の席”に座ります。テーブルの角の娘と私の間の席がマロの定位置で、その後テーブルに人間用のご飯を並べても決して手を出したり食べようとしたりせず、私たちが席について自分のご飯をもらえるまではじっと待つことができます。面白いことにお鼻に猫砂やごみが付いていても気づかずにいます。本当に大きなものを鼻にしょっちゅう付けているのに「何か??」という顔でかっこよくキメている姿が本当にツボなのです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月12日フランス映画『午前4時にパリの夜は明ける』が、2023年4月21日(金)より公開される。主演はシャルロット・ゲンズブール、監督はミカエル・アース。80年代パリで暮らす家族の物語映画『午前4時にパリの夜は明ける』は、1980年代のパリを舞台に、ある家族の7年の物語を描いた作品。夫と別れ、結婚生活の終わりを迎えたエリザベートを主軸に、彼女やその子供たちの人生に訪れる様々な変化を、ドラマチックに映し出す。芸術の転換点ともいえる80年代のパリの空気感や、劇中におけるエリック・ロメール『満月の夜』、ジャック・リヴェット『北の橋』といった映画作品の引用、パスカル・オジェへのオマージュにも注目だ。主演はシャルロット・ゲンズブール主演を務めるのは、シャルロット・ゲンズブール。また、彼女と同年代を彩った名優エマニュエル・ベアールが、主人公の人生を左右する重要な役どころで出演する。主人公・エリザベート...シャルロット・ゲンズブール夫の裏切りに傷つきながらも、逞しく前へ進む女性。夫と別れ、ひとりで子供たちを養うことになったエリザベートは、深夜放送のラジオ番組の仕事に就くことに。そこで出会った家出少女のタルラを自宅へ招き入れて...。エリザベートを力強く演じるのはシャルロット・ゲンズブール。『アンチクライスト』でカンヌ国際映画祭の女優賞受賞に輝き、ラース・フォン・トリアー監督作『ニンフォマニアック』で体当たりの演技を見せたことも印象的だった。ヴァンダ・ドルヴァル…エマニュエル・ベアール深夜ラジオ「夜の乗客」のパーソナリティ。エリザベートの人生に大きな影響を与えることになる人物。マチアス…キト・レイヨン=リシュテルエリザベートの息子。タルラ…ノエ・アビタ家出少女。エリザベートたちと一緒に過ごすことに。ジュディット…メーガン・ノータムエリザベートの娘。『アマンダと僕』ミカエル・アースが監督監督は、『アマンダと僕』でヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門を受賞、東京国際映画祭 グランプリ&最優秀脚本賞をW受賞したミカエル・アース。フランス映画界の次世代を担う監督が、フランスを代表する名優とタッグを組み、感情を揺さぶる人間ドラマを描く。なお、映画『午前4時にパリの夜は明ける』は、第72回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品された。映画『午前4時にパリの夜は明ける』あらすじ1981年、パリ。街は選挙の祝賀ムードに包まれ、希望と変革の雰囲気で溢れていた。そんな中、エリザベートの結婚生活は終わりを迎える。ひとりで子供たちを養うことになったエリザベートは、深夜放送のラジオ番組の仕事に就くことに。そこで出会った家出少女のタルラを自宅へ招き入れ、交流を重ねるなかでエリザベートやその子供たちの心に変化が訪れる――。夫との別れ、芽生えた恋、子供たちの成長、そして下した決断とは…。【作品詳細】映画『午前4時にパリの夜は明ける』公開時期:2023年4月21日(金) シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国公開監督・脚本:ミカエル・アース脚本:モード・アメリーヌ、マリエット・デゼール出演:シャルロット・ゲンズブール、キト・レイヨン=リシュテル、ノエ・アビタ、メーガン・ノータム、ティボー・ヴァンソン、エマニュエル・ベアール、ロラン・ポワトルノー、ディディエ・サンドル2022/フランス/カラー/111分/R15/フランス語/ビスタ/英題:The Passengers of the Night /原題:Les Passagers de la Nuit 配給:ビターズ・エンド
2022年11月07日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第76回目は5歳の黒白ハチワレ猫さまのカチュス(Catus)さま。後ろ姿は黒猫なハチワレ猫さま物語【フレンチ猫さま】vol.76猫さまの話をもっと聞かせて!黒が多めなカチュスさまは5歳の女性猫さまです。私は、1906年に建てられた元漁師の家に住んでいます。U字型の中庭と、裏庭があります。私の柄は、白よりも黒が多いので真後ろから見ると黒猫に間違われがちです。家の中で誰かが起きると私も起きて、1日が始まります。決まって毎朝6時から、暗くなるまで1日中起きています。朝、まずは外出をするように頼み、飼い主に「安全な首輪」を付けられ散歩に出ます。私がいじめられたり道に迷ったりするリスクを避け、自分のテリトリーに留まりながら散歩できます。時間が来たら定期的に食事をしに戻り、家を一周し、愛撫され、家の中に誰かがいる時は、遊んでと催促します。外で1日を過ごすことができるように、食べ物と水を外に用意してくれる時もあります。昆虫、クモ、鳥、などを狩るのが大好きです。夜になると寝るために家に帰ります。高いところにバスケットがあるキャットツリーで夜10時まで眠り、それから降りて場所を移動、2階の廊下にある小さなバスケットで一晩中眠ります。冬には、薪ストーブの前にあるコンバーチブルアームチェアに座り、飼い主と一緒にテレビを見てくつろぎます。飼い主から見たカチュスさまとは?カチュスが来る前、シャルトリュー種の猫を飼っていましたが、生後6か月の時に私の家の前で車にはねられました。まだわずかに息をしていたので、私は彼と最後まで一緒にいることができました。猫に何も起こらないことを確信せずに、猫を外に出すことは不可能です。6か月の喪と反省の後、私たちは解決策を見つけ、あるシステムを導入しました。それは敷地周囲をワイヤーで囲い、道路を横断しないようにするものです。ワイヤーは目立たないように埋めることができます。首輪をつけて近づくとビープ音が鳴り続け、ワイヤーに触れると小さな電気の衝撃を受けます。強度は調整可能です。私たちは彼女にリードをつないで、彼女に自分のテリトリーを発見させ、それから徐々に彼女からリードを外す過程を経て、3週間にわたって彼女を教育しました。このシステムで暴走したことは一度もありません。彼女は、外出したり、食べたり、飲んだり、遊んだり、抱きしめてほしいときに、自分自身の要望を理解させる方法を知っています。彼女は、私たちが食事をしている時に、私たちの足に登ります。彼女のカリカリマシンは、食べ物を手に入れるために少し努力しなければなりません。彼女はとても貪欲なので、放っておくと、それを一度に全部食べてしまうのです。彼女は優れたハンターで、蛾、クモ、ハエ取りの名手なのですが、彼女がそれらを捕まえられなければ、私たちは彼女のために捕獲を手伝います。カチュスは私たちに忠実で、耳を傾け、規則に従います。彼女は日中は自由に活動し、夕方には落ち着きます。とても好奇心旺盛で社交的です。カチュスさまを思う存分外で遊ばせるために努力を惜しまない飼い主は、たくさんの愛情を注いで毎日を楽しく過ごしていました。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月06日フランス在住のカメラマン、松永学さんによるフランスの猫さま紹介!第75回目はヨーロピアンタイガーキャットのルフィー(Luffy)さまと、黒猫のパチーノ(Pacino)さま。辛い過去をもつ猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.75猫さまの話をもっと聞かせて!ヨーロピアンタイガーキャットのルフィーさまは2歳半、黒猫のパチーノさまは生後5か月。2名とも男性猫さまです。僕たちは保護協会にいた時に今の飼い主に会いました。お互いに寂しい思いをして生きてきたので、ここでの生活は幸せな時間です。飼い主の仕事は医療関係なので、私たちのケアをしっかりしてくれています。ルフィーさまはどんな猫さま?お風呂場の水遊びが大好き。独立心が強く、一見権威主義的ですが、みんなから愛されています。虎のような容姿からは逞しさを感じます。パチーノさまはどんな猫さま?パチーノは目が不自由です。柔らかい生地が大好き。社交的ですが、怖がりな面もあるので、対応するには注意が必要です。テディベアのような少し長めの毛並みで柔らかいです。飼い主から見たルフィーさまとパチーノさまとは?ルフィーには激動の過去がありました。私は彼を1歳で養子にしましたが、彼には過去に2人の飼い主がいて、1人は彼を捨て、その後のもう1人はルフィーの世話をまったくしませんでした。パチーノは、彼のガラスのような目のため、誰も彼を養子にしたくありませんでした。しかし、私は彼の存在に心が打たれました。ここにきてからは懸命に治療を受けています。彼らが成長し、少しずつでも健康になるのを見ると幸福と満足感が降り注ぎます。ルフィーもパチーノも過去の辛さを克服して幸せに生活できて本当によかったです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月05日フランス在住のカメラマン、松永学さんによるフランスの猫さま紹介!第74回目はラグドールのルナ・ソフィア(Luna-Sofia)さま。内弁慶でグルメな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.74猫さまの話をもっと聞かせて!ルナ・ソフィアさまは1歳半の女性ラグドール。コルシカ島の、海に近い田舎の一軒家に住んでいます。お庭にはオリーブ、桃、アプリコット、枇杷、葡萄と桜の木があり、ベランダには柚子、ブルーベリー、ラベンダー、コルシカのハーブ等、さまざまな植物があります。猫に危険な植物もあるので、お庭があるのに私はテラスの一部分だけにしか出られず、基本は家猫さんなのです。平均的な一日は、朝6時には飼い主を起こして、すべての雨戸を開けるように催促します。そして、お庭をしばらく眺めてから飼い主の足元に行き二度寝をします。午前中はお庭が見える位置で外を見ながら、トカゲを捕る機会を狙っています。午後は19時までずっとシエスタです。19時にお庭に水を撒くタイミングでテラスに出て、21時頃までそこで過ごします。21時からは遊びタイム!遊んでと鳴いてアピールし、少し遊んで満足するとおやすみの時間です。飼い主がお風呂に入るタイミングで起きて、バスタイムの間はずっとバスルーム内で飼い主のそばに一緒にいます。なぜかというと、髪を結ぶゴムとお風呂のアヒルを釣るおもちゃの釣竿に目がないからです。性格は、怖がりですが好奇心旺盛で、内弁慶です。お客さまには優しく対応、獣医さん達にもすごく大人しくするので、可愛がられます。家では、気に入らない時に構われたりすると、猫パンチと甘噛みで抗議します。甘え下手なので、撫でて欲しい時は飼い主の近くまで行って目の前で倒れ、撫でても良いよと伝えます。でも自分から頭をすり寄せて甘えるという事はしません。よく鳴いて、テラスに出たい、遊んでほしい、雨戸を開けてと抗議します。登ってはいけない場所や、していけない事はよく分かっています。叱られると駄々をこねる鳴きかたをします。水は得意ですが、車は苦手なので車の移動中は大声で鳴きます。特技は、ベランダのトカゲを捕まえる事。おもちゃをお水のお皿に運んで水没させる事。ハエを威嚇して仕留める事!飼い主から見たルナさまとは?ネットで子猫の飼い主の募集を見つけ、まず子猫達の両親にとても興味をもちました。こんなに美しい両親から生まれたべべちゃんは、さぞ美しいだろうとブリーダーさんに連絡しました。問い合わせた子猫さんは既に他のご家族の予約済みでしたが、ブリーダーさんが手元に残そうと思っていたルナ(当時はソフィアさんだったので、セカンドネームで残しています)をどうですか?とお話をいただきました。新月にご縁をいただいたので、名前は「ルナ」に決めました。ブリーダーさんがオススメしてくれたメーカーの、腸内細菌を整えるサプリのパウダー(出汁のような香りでルナは大好きです)をカリカリにふりかけてあげています。猫さまにも腸内細菌は大切なので、これは必ず欠かしません。それにプラスしてマルチビタミンのペーストと毛玉ボールケアのペーストをあげています。お水はすごく新鮮でないと(毎日替えているものと噴水があります)、飲むのを拒否して人間のコップのお水を飲んでいます。替えたばかりのフレッシュなお水が好きです。朝起きて、ベッドの足元にルナさんが居ると幸せを感じます。入浴中、バストレイに来るルナさんに私のコップの水を飲まれながら、一緒に入浴するのも幸せです(最近はルナ用のコップも用意して長風呂します)。美味しそうなパテや、ちょっといいお魚やお肉をあげてもまったく食べてくれないので、猫用フレンチフルコースを作りたい夫ががっかりしています。いろいろとプレゼントして試しましたが、普段のペーストとサーモンクリームしか食べないので、それでお祝いご飯を作ります。ルナと一緒にいると生きているだけで価値があるという事を改めて感じています。健康に生きていてくれるだけで幸せだと感じるからです。お互いに困った事やたまに気に入らない事があったとしても、尊重して生きていく事の大切さも感じています。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年11月03日フランス在住のカメラマン、松永学さんによるフランスの猫さま紹介!第73回目はミックストラ猫のミリア(Miria)さま。週末が楽しみな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.73猫さまの話をもっと聞かせて!1歳の女性猫さま、ミリアさまは散歩が大好き。平日は、早朝に飼い主を優しく起こします。午前中はひたすら遊び、午後は17時頃まで昼寝をします。起きたら、遊んだりノンビリしたりします。22時にカリカリの夕飯を食べ、食後は飼い主の近くで横になります。水曜日は、飼い主の昼休みの間にキャリーバッグに入り、一緒に散歩します。土曜日と日曜日は特別な日です。天気が良ければ、散歩ヒモを背負って公園などへ出かけ、3時間ぐらい自由に歩き回って、出会った人々と話します。行く先はパリの観光名所。エッフェル塔だったり、ヴォージュ広場だったり…。週末の特別感はランチにも。飼い主と一緒にチキンのローストをいただくのです。そんな訳でいつも週末が来るのが待ち遠しいのです。飼い主から見たミリアさまとは?ミリアは人生初の自分の猫です。小さい時に友達の猫と遊ぶことがあり、いつかは猫が欲しいと思っていました。すごく猫好きですから…。そして幸運にもミリアと出会いました。とても優しくて遊び好きで、愛情深く、好奇心も旺盛。超元気です。ニャニャと鳴きながらあくびをします。目を閉じて喉を鳴らす時はすごく可愛いです。ノンビリしている恰好も可愛いです。ハンモックにいる時も可愛いです。遊んでいる時も可愛いです。どんな存在ですか?と聞かれたら、「ミリアは私の全てです。私の娘です。女神です」と即答します。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年10月30日フランス在住のカメラマン、松永学さんによるフランスの猫さま紹介!第72回目はペルシャ猫のジェリー(jerry)さま。病気がちだけど今が一番幸せな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.72猫さまの話をもっと聞かせて!8歳の男性猫さま、ペルシャ猫のジェリーさまです。僕は小さなテラスがある、とても明るいパリのアパルトマンに住んでいます。病気があるので、飼い主は僕の世話が大変らしいです。僕の平均的な一日は、飼い主と同じ時間に起きて、まずは朝食を食べます。飼い主が仕事に行く時にさよならを言い、寝室に行ってお昼寝します。飼い主が帰ってくる時間には、入り口のドアでおかえりなさいを言います。夜ご飯の後は、顔をきれいにしてもらいます。食後は目のまわり、口ひげとあごに食べ物がついているからです。夕食時には心臓の薬を飲み込んで、テラスで外の空気をたくさん吸って、植物の中で横になります。夜は飼い主が本を読んだり映画を見たりしているところに寄り添い、撫でてもらいます。週に3回は、絡んでいる僕の毛をブラッシングします。過去には辛い思いもした僕の猫生ですが、今が一番幸せな毎日です。飼い主から見たジェリーさまとは?彼は真の人生の伴侶です。私たちは多くの瞬間を一緒にすごし、彼の人生の後半をできるだけ幸せにするために最善を尽くしています。彼の目つきが大好き。特にお腹の毛並みの柔らかさは最大のチャームポイントです。ジェリーはお腹が空いた朝、私が朝早く起きられないと思っているのでしょう、かわいらしく催促してきます。彼は私の心の状態を理解し、反応してくれていると思います。私が悲しかったり疲れていたりすると、彼は私の隣に座って動かないのです。実はジェリーは6年間、あるカップルと暮らしていたことがあります。その飼い主は、ジェリーが必要とする毎日の世話をする余裕がありませんでした。ジェリーは腎臓が弱く、2回手術を受けていたのです。その後、彼は保護協会に引き取られました。残念ながら、ジェリーはすでに年をとっていたため(少なくとも若い猫が欲しかった人にとっては)、ジェリーの養子縁組は叶いませんでした。その時も腎臓や消化管の病気に苦しんでいました。協会のウェブサイトで広告を見た時、ジェリーはまだ怒っているようで、悲しんでいるようにも見えました。しかし彼の身の上話に共感した私は、ジェリーに会いに行きました。そして、3日後には私のところにやってきたのでした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年10月29日フランス在住のカメラマン、松永学さんによるフランスの猫さま紹介!第71回目はメインクーンとアンゴラのミックスのスタルク(Stark)さま。留守番ができるお利口さんな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.71スタルクさまは生後7か月の男性猫さま。お母さん役の飼い主のマノンは、医療用画像および放射線治療の技術者。お父さん役のトマは情報システムセキュリティオフィサーです。2人ともとても忙しくて、ここのところ僕は日中は留守番です。僕の1日の行動をお伝えします。飼い主の目覚まし時計が鳴るとすぐに起きて、まずは外に出たいと訴えます。飼い主がアパートにいる時だけは外出許可が出るんです。それ以外は、家で静かに飼い主たちの帰りを待っています。飼い主が戻ってきたらアパートを走り回ったり、いろんな所に登ったり、おもちゃを持ってアピールをします。この家の中の好きな場所は、僕専用に作ってもらった窓際の箱か、高いハンモックです。メインクーンの声は特別だと知っていますか?ニャーと鳴くよりも、よくクーンと鳴んくんですよ。遊び心のある猫で、飼い主の幸せのために生まれてきたと言っても言い過ぎではありません。噛んだり、爪を出したりすることは絶対ありません。静かな時間も大好きですが、ハグを求めて飼い主たちの腕の中に寄り添うのが大好きなんです。飼い主から見たスタルクさまとは?スタルクはルーアンで生まれました。インターネット掲示板で彼を見つけた後、私たちはすぐにこの小さな毛皮のボールに恋をしました。引き取って自宅に来た時は、長い間洗濯機の後ろに隠れていましたが、安心したら私たちに慣れ、とても親切でとても愛情深く接してくれました。彼が私たちと一緒に過ごした最初の夜は、枕の上にずっといました!とても幸せな時間で、忘れることができません。そして、私たちは彼のためだけに家具を作りました。リードに慣れるのに数か月かかりましたが、彼は文句一つ言いませんでした。 不妊手術を行なった後は自由に外出させていて、外で楽しんでいる様子が見られて本当に嬉しいです。毎日、仕事が終わって帰宅してからは、スタルクと一緒に遊んでいます。仕事で長い一日を過ごした後に、私たちを満たし、リラックスさせ、本当に幸せにしてくれます。彼との時間をいつも写真におさめています。スタルクは私たちに多くのものをもたらし、これからも私たちの心に永遠に刻まれることでしょう。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2022年10月23日